JP2010011446A - 画像処理装置 - Google Patents

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Tadashi Yamamoto
直史 山本
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Abstract

【課題】文書画像の改竄または偽造を好適に防止することができるようにする。
【解決手段】本発明の画像処理装置においては、第1の信号生成部52は、第1の信号を生成し、第2の信号生成部54は、第2の信号を生成し、第1の変調部53は第1の信号を第1の色差重畳信号に変調し、第2の変調部55は第2の信号を第2の色差重畳信号に変調し、信号重畳部56は、変調された第1の色差重畳信号と、変調された第2の色差重畳信号とを原画像信号に重畳して合成信号を生成し、プリンタ駆動部12は、生成された合成信号に基づく画像を用紙に記録することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は画像処理装置に係り、特に、文書画像の改竄または偽造を防止することができるようにした画像処理装置に関する。
対象となる画像に、画像以外の情報を埋め込む電子透かし技術が知られている。電子透かし技術には、2つのタイプが存在する。1つ目は、画像ファイルなどのように電子的な媒体上の画像情報を対象とする電子透かし技術である。2つ目は、記録媒体としての用紙に記録された画像を対象とする電子透かし技術である。ここで、前者を「ソフト電子透かし技術」と呼び、後者を「ハードコピー電子透かし技術」と呼ぶものとする。
ハードコピー電子透かし技術では、ハードコピーの対象となる文書画像に副次的な情報を予め埋め込む。ハードコピーする文書画像に副次的な情報を埋め込むことにより、文書のセキュリティを向上されることができ、文書の利便性を向上させることができる。より具体的には、ハードコピーする文書画像(原稿)に、文書画像をハードコピーしてもコピー出力に残らないような情報を予め埋め込むことにより、原本である文書画像の真正を容易に保証することが可能となる。また、ハードコピーする文書画像の内容に応じた情報を予め文書画像に埋め込むことにより、たとえ原本である文書画像が改竄された場合であっても、その改竄を検出することができ、その結果、文書画像の改竄を防止することができる。
さらに、文書の利便性を向上させるために、ハードコピーする文書画像に、文書画像の作成者や作成日時あるいは文書のID番号などの副次的な情報を予め埋め込み、文書画像をハードコピーするときに文書画像に埋め込まれた副次的な情報を再生することによって原本である文書画像に関する種々の情報を取得したり、取得された副次的な情報をキーとして検索に利用することが可能である。
ハードコピー電子透かし技術によって文書画像に予め埋め込まれた副次的な情報を再生する方法として、文書画像をスキャナなどで読み取ることにより文書画像を電気信号に変換する方法や、文書画像を所定の条件下で目視によって確認する方法などが知られている。後者の方法の中には、「隠し絵方法」と呼ばれる方法が知られている。隠し絵方法は、所定のパターンで形成されるマスクシートを文書画像に重ね合わせ、マスクシートに形成される所定のパターンと電子透かしとの干渉によって生じる像を目視によって確認する方法である(例えば特許文献1参照)。
特開平9−248935号公報
特許文献1に提案されている隠し絵方法では、所定のパターンで形成されるマスクシートを用いることで、ユーザは、文書画像に予め副次的な情報が埋め込まれているか否かを容易に検出することができる。この検出に際にしてスキャナなどで電子的に読み取ることによる特別な画像処理が必要ないために、文書画像に予め埋め込まれた副次的な情報を簡単に再生することができる。一方、上述した隠し絵方法では、所定のパターンで形成されるマスクシートを文書画像に重ね合わせることで文書画像に埋め込まれた副次的な情報を再生することができる。マスクシートを用いて副次的な情報が手軽に再生できてしまうために、マスクシート自体の構造を分析することで、文書画像に埋め込まれた副次的な情報の埋め込み方法が容易に解析可能となってしまう。特に、マスクシートに形成されるパターンが、市松模様のような単純な構造の繰り返しによって構成されるパターンである場合、文書画像を改竄または偽造しようとする第三者がマスクシートの構造を知らなくても、文書画像の構造を解析することによって比較的容易に副次的な情報の埋め込み方法を解析することできる。
文書画像に埋め込まれた副次的な情報の埋め込み方法が容易に解析可能であると、第三者は文書画像を容易に改竄または偽造することが可能となってしまう。その結果、原本である文書画像の真正を容易に保証することが困難となり、また、文書画像の改竄を防止することが困難となる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、文書画像の改竄または偽造を好適に防止することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
本発明の画像処理装置は、上述した課題を解決するために、第1の信号を生成する第1の信号生成手段と、第2の信号を生成する第2の信号生成手段と、第1の信号生成手段により生成された前記第1の信号を第1の色差重畳信号に変調する第1の変調手段と、前記第2の信号生成手段により生成された前記第2の信号を第2の色差重畳信号に変調する第2の変調手段と、前記第1の変調手段により変調された前記第1の色差重畳信号と、前記第2の変調手段により変調された前記第2の色差重畳信号とを原画像信号に重畳して合成信号を生成する重畳手段と、前記重畳手段により生成された前記合成信号に基づく画像を用紙に記録する記録手段とを備えることを特徴とする。
本発明の画像処理装置は、上述した課題を解決するために、第1の信号を生成する第1の信号生成手段と、第2の信号を生成する第2の信号生成手段と、前記第2の信号生成手段により生成された前記第2の信号を第1の色差重畳信号に変調する変調手段と、前記変調手段により変調された前記第1の色差重畳信号とを原画像信号に重畳して合成信号を生成する重畳手段と、前記重畳手段により生成された前記合成信号に対して階調処理を行い、前記第1の信号生成手段により生成された前記第1の信号を第2の色差重畳信号に変調し、階調処理後の前記合成信号に前記第2の色差重畳信号を重畳する階調処理手段と、前記第1の色差重畳信号が重畳された前記合成信号に基づく画像を用紙に記録する記録手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、文書画像の改竄または偽造を好適に防止することができる。
第1実施形態に係る画像処理装置の内部の構成を示すブロック図。 第1実施形態に係る画像処理装置が用紙に画像を記録する場合における、制御部が実行することが可能な機能的な構成を示す図。 2値ビットマップ画像信号に基づく画像の具体的な例を示す図。 第1実施形態においてMask(x,y)が示す画像を示す図。 (A)および(B)は、画像処理装置が設定する周波数の配置例を示す図。 マスクシートのパターン例を示す図。 画像処理装置が第2の情報を再生する場合における、制御部が実行することが可能な機能的な構成を示す図。 画像処理装置が第2の情報を再生する場合における、制御部が実行することが可能な他の機能的な構成を示す図。 身分証明書の構成例を示す図。 第2実施形態に係る画像処理装置が用紙に画像を記録する場合における、制御部が実行することが可能な機能的な構成を示す図。 第2実施形態に係る記録処理部の内部の構成を示す図。 (A)乃至(C)は、信号重畳部における色差の重畳処理を説明する説明図。
以下、第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る画像処理装置1の内部の構成を表している。図1が示すように、画像処理装置1は、制御部11、プリンタ駆動部12、画像データインタフェース13、ページメモリ14、画像処理部15、スキャナ部16、および操作パネル17を備える。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、バス24、HDD(Hard Disk Drive)25、および外部通信部26からなる。CPU21は、ROM22に記憶されているプログラムまたはHDD25からRAM23にロードされた各種のアプリケーションプログラムに従って各種の処理を実行するとともに、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより画像処理装置1を統括的に制御する。RAM23は、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。CPU21、ROM22、RAM23、およびHDD25は、バス24を介して相互に接続する。また、モデム、ターミナルアダプタ、およびネットワークインタフェースなどより構成される外部通信部26は、バス24に接続する。外部通信部26は、ネットワーク18を介しての通信処理を行う。
制御部11は、プリンタ駆動部12、操作パネル17、および画像データインタフェース13に接続する。操作パネル17は、パネル制御部31、表示部32、および操作キー33を有する。表示部32は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などからなる。画像データインタフェース13は、画像処理部15とページメモリ14に接続する。画像処理部15は、スキャナ部16に接続する。ここで、画像処理装置1が画像を形成する際の画像データの流れについて説明する。原稿が原稿台ガラス上にセットされると、スキャナ部16は、原稿の画像信号を読み取り、読み取られた画像信号を画像処理部15に供給する。画像処理部15は、例えばASICなどにより構成される。画像処理部15は、スキャナ部16から供給された原稿の画像信号を取得し、取得された画像信号に対して例えばシェーディング補正や各種のフィルタリング処理、階調処理、ガンマ補正などを施す。画像処理部15は、ソフトウェアとして制御部11などに実装されるようにしてもよい。これらの処理後の画像信号は、必要に応じて画像データインタフェース13を介してページメモリ14に格納される。プリンタ駆動部12は、制御部11の制御に従って駆動する。
図2は、第1実施形態に係る画像処理装置1が用紙に画像を記録する場合における、制御部11が実行することが可能な機能的な構成を表している。図2が示すように、画像処理装置1は、本発明の特徴的な構成として、画像信号供給部51、第1の信号生成部52、第1の変調部53、第2の信号生成部54、第2の変調部55、信号重畳部56、記録処理部57、および画像信号出力部58を備える。これらの構成は、制御部11のCPU21上で動作するソフトウェアとして実装される。
画像信号供給部51は、画像処理装置1が副次的な信号を埋め込む対象となる画像信号を信号重畳部56に供給する。具体的には、画像信号供給部51は、スキャナ部16が読み取った原稿の画像信号を、副次的な信号を埋め込む対象となる画像信号として信号重畳部56に供給する。また、画像信号供給部51は、HDD25に記録されている画像信号を読み出し、読み出された画像信号を、副次的な信号を埋め込む対象となる画像信号として信号重畳部56に供給してもよい。さらに、画像信号供給部51は、ネットワーク18を介して外部通信部26が受信する画像信号を取得し、取得された画像信号を、副次的な信号を埋め込む対象となる画像信号として信号重畳部56に供給する。第1実施形態は、画像信号供給部51が信号重畳部56に供給する画像信号を、P01(col,x,y)と表記する。ここで、(x,y)はそれぞれ整数値であり、画素の位置座標を示す。(col)は、RGBの色成分を示す。このとき、col ∈{r,g,b}であるものとする。{r,g,b}は、それぞれ赤、緑、青の色成分を示す。P01(col,x,y)は、画像の信号値を示す。
第1の信号生成部52は、画像処理装置1が対象となる画像信号に埋め込む第1の信号を生成し、生成された第1の信号を第1の変調部53に供給する。第1の信号は、1画素が1bitの2値ビットマップ画像信号である。この2値ビットマップ画像信号に基づく画像は、画像信号出力部58によって出力された画像に所定のマスクシートが重ね合わされた場合に隠し絵画像として再現される。図3は、2値ビットマップ画像信号に基づく画像の具体的な例である。第1実施形態は、この2値ビットマップ画像信号である第1の信号を、P10(x,y)と表記する。第1実施形態では、制御部11のHDD25は、2値ビットマップ画像信号である第1の信号を予め記録している。制御部11のCPU21は、画像処理装置1の起動時に、HDD25に記録されている第1の信号を読み出し、読み出された第1の信号をRAM23に書き込む。そして、制御部11のRAM23は、2値ビットマップ画像信号である第1の信号を記憶する。
第1の変調部53は、第1の信号生成部52からの第1の信号(2値ビットマップ画像信号)を第1の色差重畳信号に変換する。第1実施形態は、第1の色差重畳信号を、P11(col,x,y)と表記する。第1の変調部53は、[数1]を用いて第1の信号を第1の色差重畳信号に変換する。
[数1]
P11(r,x,y)=A0*(P10(x,y)*2-1)*(Mask(x,y)*2-1)
P11(g,x,y)=-A0*(P10(x,y)*2-1)*(Mask(x,y)*2-1)
P11(b,x,y)=0
ここで、[数1]におけるA0は、重畳信号の強度を調整するための定数である。Mask(x,y)は、画像信号供給部51が供給する画像信号に重畳する色差変調パターン(すなわち、画素の位置に応じて予め形成される特定のパターン)を示す関数であり、0または1の値をとる。図4は、第1実施形態においてMask(x,y)が示す画像を示す。図4が示す画像は、画素周期の市松状パターンの画像である。図4の場合、白の画素は、画素値が0の画素を示しており、灰色の画素は、画素値が1の画素を示す。
第1の色差重畳信号は、第1の信号の値とMask(x,y)の値が等しい場合、すなわち、第1の信号の値とMask(x,y)の値がいずれも0であるとき、あるいは、第1の信号の値とMask(x,y)の値がいずれも1であるときに赤色方向に色をシフトさせる一方、第1の信号の値とMask(x,y)の値が互いに異なる場合、すなわち、第1の信号の値が0でありかつMask(x,y)の値が1であるとき、あるいは、第1の信号の値が1でありかつMask(x,y)の値が0であるときに緑色方向に色をシフトさせる信号である。第1の変調部53は、[数1]におけるA0を変えることにより、色を赤色方向または緑色方向にシフトさせる度合いを調整することができる。
一方、第2の信号生成部54は、画像処理装置1が対象となる画像信号に埋め込む第2の信号を生成し、生成された第2の信号を第2の変調部55に供給する。第2の信号は、有限のbitのディジタル信号である。第1実施形態では、第2の信号は、16bitのディジタル信号であるものとする。第1実施形態は、第2の信号をP2と表記する。第2の変調部55は、第2の信号生成部54からの第2の信号に応じて第2の色差重畳信号を生成する。第1実施形態は、第2の色差重畳信号をP21(col,x,y)と表記する。第2の変調部55は、[数2]を用いて16種類の空間周波数の2次元の正弦波を重ね合わせることにより、第2の信号に応じた第2の色差重畳信号を生成する。
[数2]
P21(r,x,y)=0.5*A1*Σfk*cos(2π*(uk*x+vk*y))
P21(g,x,y)=0.5*A1*Σfk*cos(2π*(uk*x+vk*y))
P21(b,x,y)=-A1*Σfk*cos(2π*(uk*x+vk*y))
ここで、[数2]におけるukとvkは、正弦波のk番目の周波数成分を示す。fkは、第2の信号のkbit目の値を示しており、0または1の値をとる。[数2]におけるkは、0≦k≦15である。[数2]におけるA1は、重畳信号の強度を示す。
ukとvkは、任意の値に設定してよい。しかし、周波数が高すぎると、画像信号の記録時や再生時に重畳信号成分が消失しやすくなる。一方、周波数が低すぎると、画像信号に埋め込まれた情報がユーザに視覚的に見えやすくなってしまい、主となる画像自体を阻害してしまう。また、ukとvkにおける正弦波の周波数が互いに近接すると、周波数間の干渉が起きやすくなり、誤検知の原因ともなり得る。そこで、画像処理装置1は、ukとvkを、適切な間隔で中間周波数域に設定する。このとき、画像処理装置1は、制御部11が実行するアプリケーションプログラムに応じて決定される信号再現の信頼性や画質の阻害の許容度に従い、適切な周波数域に設定する。第1実施形態では、画像処理装置1は、周波数の絶対値が100dpi乃至200dpiの範囲内に収まるように周波数域を設定し、異なる2つの周波数の間の最小距離が50dpi以上になるように複数の周波数をそれぞれ設定する。図5(A)および(B)は、画像処理装置1が設定する周波数の配置例を示す。図5(A)が示すように、画像処理装置1は、中間周波数域に複数の周波数を適切な間隔で配置する。図5(B)は、図5(A)におけるukとvkの具体的な数値例を示す。
なお、周波数分布は原点に対して点対称となるため、v<0の領域に関しては省略する。また、第2の色差重畳信号は、青色−黄色軸に振れる色差信号である。
信号重畳部56は、[数3]が示すように、画像信号供給部51が出力する画像信号、第1の変調部53が出力する第1の色差重畳信号、および第2の変調部55が出力する第2の色差重畳信号を重畳して合成信号を生成する。第1実施形態は、合成信号をP02(col,x,y)と表記する。
[数3]
P02(col,x,y)=P01(col,x,y)+P11(col,x,y)+P21(col,x,y)
信号重畳部56における合成処理により、原画像に関する画像信号に2つの色差パターン画像が重畳される。なお、前述したように、原画像に関する画像信号に重畳される信号は中間周波数領域に配置されていることから、視覚的に感知することが少ない色差成分である。そのため、ユーザは重畳される信号成分を視覚的にほとんど感知することがなく、視覚的に原画像とほとんど差異のない画像となる。
信号重畳部56は、生成された合成信号を記録処理部57に出力する。
記録処理部57は、信号重畳部56からの合成信号を、プリンタ駆動部12を用いて用紙に画像を記録するための信号に変換する。具体的には、記録処理部57は、信号重畳部56からの合成信号に対して色変換処理および階調処理を行う。記録処理部57は、合成信号に対して色変換処理を行う場合、RGBにより表される画像信号を、プリンタ駆動部12が画像を用紙に記録する際に用いるトナー色成分の量を表すCMYK信号に変換する。また、記録処理部57は、合成信号に対して階調処理を行う場合、電子写真方式を用いたプリンタ駆動部12は1画素ごとに十分なレベルの階調を表現することが困難であるため、網点による面積変調法を用いて濃淡を表現する処理を行う。記録処理部57は、色変換処理および階調処理を施した後の信号を画像信号出力部58に供給する。
画像信号出力部58は、記録処理部57からの画像信号をプリンタ駆動部12に出力する。プリンタ駆動部12は、画像信号出力部58からの画像信号に基づく画像を用紙に記録する。
第1実施形態において画像処理装置1が用紙に記録した画像の特性および原画像に埋め込まれた副次的な情報(第1の信号と第2の信号)の再生方法について具体的に説明する。第1実施形態においては、画像処理装置1は、画像処理装置1が用紙に画像を記録する場合、第1の情報(第1の信号)および第2の情報(第2の信号)の2種類を原画像に埋め込む。画像処理装置1が原画像に埋め込まれた第1の情報と第2の情報をそれぞれ異なる再生方法を用いて再生する。具体的には、第1の情報(第1の信号)は、用紙に記録された画像に所定のマスクシートを重ね合わせることにより再生される。この再生により、ユーザは、視覚的に第1の情報を観測することができる。一方、第2の情報(第2の信号)は中間周波数領域に配置される信号であるために、ユーザは、原画像に埋め込まれた第2の情報を視覚的に観測することは困難である。そこで、画像処理装置1は、スキャナ部16を用いて第2の情報が埋め込まれた画像を読み取った後、読み取られた画像信号に対してディジタル信号処理を施して第2の情報を再生する。
まず、第1の情報の再生方法について説明する。第1の情報(第1の信号)は、用紙に記録された画像に所定のマスクシートを重ね合わせることにより再生される。この再生により、ユーザは、視覚的に第1の情報を観測することができる。マスクシートには、透明なシート上に所定の不透明なパターン画像が記録されている。マスクシートに記録された不透明なパターン画像は、第1の変調部53が第1の信号を変調する際に用いるマスクパターンMask(x,y)の画像に対応する画像である。Mask(x,y)の信号値である0または1が、互いに異なるマスクシートの透過率に対応している。図6は、マスクシートのパターン例を示す。図5が示すように、Mask(x,y)の信号値が0の部分はマスクシートが不透明な部分(黒い部分)に対応しており、Mask(x,y)の信号値が1の部分はマスクシートが透明な部分(白い部分)に対応している。
第1の情報の再生方法に関する詳細な原理は、特開平9−248935号公報に記載されている。第1実施形態では、第1の情報の再生方法に関する詳細な原理の説明は省略する。用紙に記録された画像にマスクシートが予め決められた位置関係で重ね合わされると、ユーザは、原画像に埋め込まれた第1の情報に基づくパターン画像を色違いで観測することができる。
次に、第2の情報の再生方法について説明する。第2の情報が再生される場合、画像処理装置1は、スキャナ部16を用いて第2の情報が埋め込まれた画像を読み取った後、読み取られた画像信号に対してディジタル信号処理を施して第2の情報を再生する。スキャナ部16は、読取りの解像度を600dpiでかつRGBの3色成分で、第2の情報が埋め込まれた画像を読み取る。第1実施形態は、読み取られた画像信号をS0(col,x,y)と表記する。スキャナ部16が読み取った画像信号S0(col,x,y)は、画像データインタフェース13を介して制御部11に入力される。
図7は、画像処理装置1が第2の情報を再生する場合における、制御部11が実行することが可能な機能的な構成を表している。図7が示すように、画像処理装置1は、本発明の特徴的な構成として、色差分離部61、周波数解析部62、およびピーク検出部63を備える。これらの構成は、制御部11のCPU21上で動作するソフトウェアとして実装される。
色差分離部61は、スキャナ部16が読み取った画像信号S0(col,x,y)を、[数4]を用いて色差信号に変換する。第1実施形態は、色差信号をS1(x,y)と表記する。
[数4]
S1(x,y)=0.5*S0(r,x,y)+0.5*S0(g,x,y)-S0(b,x,y)
色差信号S1(x,y)は、黄−青方向の色差信号であり、第2の変調部55における色差信号と同一の向きに設定される。色差分離部61は、変換後の色差信号を周波数解析部62に出力する。
周波数解析部62は、色差分離部61からの色差信号を分析し、色差信号の2次元の空間パワースペクトルを計算する。具体的には、周波数解析部62は、2次元DFT(離散フーリエ変換)処理を行い、複素数で示される変換出力の絶対値の2乗を計算する。ピーク検出部63は、周波数解析部62における計算結果に基づいて、周波数のピーク位置を検出する。画像に埋め込まれた第2の情報(第2の)信号の空間周波数は図5(B)に示される16通りの既知の組み合わせであることから、ピーク検出部63は、図5(B)に示される16通りの既知の組み合わせの各空間周波数につき、周波数解析部62における計算結果と予め設定されたパワースペクトルに関する基準値を比較し、基準値よりも大きい場合に1であると判断し、基準値以下である場合に0であると判断する。ピーク検出部63は、図5(B)に示される16通りの既知の組み合わせの空間周波数に対応した16bitの数値を再生信号として操作パネル17に出力する。例えば再生信号として「1011010111100001」が操作パネル17に出力される。操作パネル17のパネル制御部31は、ピーク検出部63からの再生信号に基づく情報を操作パネル17の表示部32に表示させる。
なお、図8は、画像処理装置1が第2の情報を再生する場合における、制御部11が実行することが可能な他の機能的な構成を表している。図8が示すように、画像処理装置1は、本発明の特徴的な構成として、色差分離部61、周波数解析部62、ピーク検出部63、および認証部64を備えるようにしてもよい。図8の場合、ピーク検出部63は、図5(B)に示される16通りの既知の組み合わせの空間周波数に対応した16bitの数値を再生信号として認証部64に出力する。例えば再生信号として「1011010111100001」が認証部64に出力される。認証部64は、HDD25に記録されている既知の16bitの情報と、ピーク検出部63からの再生信号とを比較して一致するか否かを認証する。認証部64は、その認証結果を操作パネル17に出力する。操作パネル17のパネル制御部31は、認証部64からの認証結果を操作パネル17の表示部32に表示させる。
ここで、原画像に埋め込まれた第1の情報および第2の情報の利用方法について説明する。第1実施形態における画像処理装置1は、身分証明書やIDカードの不正な改変や偽造の防止に適用することができる。図9は、身分証明書の構成例を示す。図9が示すように、身分証明書には、例えばユーザの顔写真とともに文字が印字されるとともに、ユーザを識別するためのID番号が記載されている。
画像処理装置1は、図9が示す身分証明書を印刷する場合、第1の情報として例えば身分証明書の発行者を特定するための画像を身分証明書に関する原画像に埋め込むとともに、第2の情報として身分証明書のID番号(16bitにより表される番号)を埋め込む。これにより、身分証明書の真正を2つの方法を用いて検証することが可能となる。すなわち、第1の情報(第1の信号)は、用紙に記録された画像に所定のマスクシートを重ね合わせることにより再生される。ユーザは、この再生により、身分証明書に埋め込まれた所定の画像(例えば身分証明書の発行者を特定するための画像)が再現されるか否かを視覚的に観測することができる。さらに、画像処理装置1は、身分証明書に埋め込まれた第2の情報を周波数解析およびピーク検出によって検出して再生信号を生成し、生成された再生信号に基づくID番号を表示する。ユーザは、表示されたID番号と、身分証明書に記載されたID番号を照合することにより、身分証明書が真正か否かを検証することができる。なお、第1の情報としての画像に数字を含めておき、ユーザは、身分証明書に埋め込まれた画像に含まれる数字が再現されるか否かを観測するとともに、その数字と、再生信号に基づくID番号とを照合することにより、身分証明書が真正か否かをより高度に検証するようにしてもよい。具体的には、図9の身分証明書に記載されているID番号は「46561」であるが、ID番号「46561」を第1の情報としての画像に含めておき、ユーザは、身分証明書に埋め込まれた画像に含まれるID番号「46561」が再現されるか否かを観測するとともに、ID番号「46561」と、再生信号に基づくID番号とを照合する。これにより、身分証明書が真正か否かをより高度に検証することができる。勿論、第1の情報としての画像に含まれる数字は、ID番号そのものでなくてもよく、ID番号自体と何らかの相関性を有する数字であればよい。
このように、ユーザの目視による確認に用いる第1の情報と、画像処理装置1による機械確認に用いる第2の情報を身分証明書の原画像に埋め込むことにより、以下のようなメリットが生ずる。第1に、2通りの検証方法を用いることで、文書画像の改竄または偽造を好適に防止することができ、その結果、文書画像のセキュリティを格段に向上させることができる。第2に、本実施形態は、ユーザの目視による目視確認と画像処理装置1による機械確認の2つの検証方法を用いることから、ユーザの手間と文書画像のセキュリティのバランスを考慮して必要に応じて目視確認と機械確認を使い分けるようにしてもよい。目視確認は、比較的にユーザの操作が簡易であるが、文書画像の改竄防止の観点からは多少脆弱である。これに対して、機械確認は、画像処理装置1を用いるためにユーザの操作は手間となるが、文書画像の安全性を確保することができる。そこで、本実施形態は、高度のセキュリティを必要としない場合には、目視確認のみを用いて文書画像の真正を検証し、高度のセキュリティを必要とする場合には、機械確認を用いて文書画像の真正を検証するか、あるいは、目視確認と機械確認の両方を用いて文書画像の真正を検証するようにしてもよい。これにより、従来の1種類の情報のみを文書画像に埋め込む方法に比べて、文書画像のセキュリティを向上させるとともに、簡易な検証と精度の高い検証を容易に両立させることができる。特に、セキュリティ分野では、セキュリティ性と利便性はトレードオフの関係にあることから、簡易な検証と精度の高い検証とを状況によって使い分けることが可能であることは極めて有益である。
第3に、目視確認に用いられる第1の情報と、機械確認に用いられる第2の情報とに関連性を持たせることにより、文書画像の改竄または偽造は困難となり、文書画像のセキュリティを飛躍的に向上させることができる。
なお、本実施形態は、第1の情報と第2の情報をそれぞれ互いに色空間上でほぼ直交する色差信号として文書画像に埋め込む。これにより、文書画像に埋め込まれた第1の情報と第2の情報との間にクロストークを生じにくくすることができる。その結果、第1の情報と第2の情報を文書画像に埋め込んだとしても、原画像である文書画像の劣化を極めて小さく抑えることができる。従って、第1の情報と第2の情報を文書画像に埋め込んだとしても、1つの情報のみを文書画像に埋め込む従来方式に比べて原画像である文書画像の画質をほとんど劣化させることなく、また、埋め込まれた情報(第1の情報と第2の情報)の再生精度をほとんど劣化させないようにすることができる。
[第2実施形態]
図10は、第2実施形態に係る画像処理装置1が用紙に画像を記録する場合における、制御部11が実行することが可能な機能的な構成を表している。図10が示すように、画像処理装置1は、本発明の特徴的な構成として、画像信号供給部51、第1の信号生成部52、第2の信号生成部54、第2の変調部55、信号重畳部56、記録処理部57、および画像信号出力部58を備える。これらの構成は、制御部11のCPU21上でソフトウェアとして実装される。なお、図2の構成と対応する部分については同一の符号を付しており、その説明は繰り返しになるので適宜省略する。また、第2実施形態に係る画像処理装置1の内部の構成は、図1に示される第1実施形態に係る画像処理装置1の内部の構成と同様であり、その説明は繰り返しになるので省略する。
第1の信号生成部52は、画像処理装置1が対象となる画像信号に埋め込む第1の信号を生成し、生成された第1の信号を記録処理部57に供給する。第1の信号は、1画素が1bitの2値ビットマップ画像信号である。第2実施形態では、2値ビットマップ画像信号に基づく画像の解像度は150dpi(原画像である文書画像の解像度の1/4)とする。この2値ビットマップ画像信号に基づく画像の解像度150dpiは、後述するマスクシートの周波数(周期)に対応した値である。
第2の信号生成部54は、画像処理装置1が対象となる画像信号に埋め込む第2の信号を生成し、生成された第2の信号を第2の変調部55に供給する。第2の信号は、所定のbitのディジタル信号である。第2の変調部55は、第2の信号生成部54からの第2の信号に応じて色差重畳信号を生成し、生成された色差重畳信号を信号重畳部56に出力する。なお、第2の信号生成部54と第2の変調部の説明については第1実施形態と同様であり、その説明は繰り返しになるので省略する。
信号重畳部56は、画像信号供給部51が出力する画像信号と、第2の変調部55が出力する色差重畳信号を重畳して合成信号を生成する。第2実施形態の場合、第1実施形態と異なり、第1の信号生成部52が生成する第1の信号(第1の情報)は信号重畳部56に入力されない。従って、第1の信号(第1の情報)は、画像信号供給部51が出力する画像信号に重畳されない。信号重畳部56における合成信号の生成方法については第1実施形態と同様であり、その説明は繰り返しになるので省略する。
信号重畳部56は、生成された合成信号を記録処理部57に出力する。
記録処理部57は、信号重畳部56からの合成信号に第1の信号生成部52からの第1の信号を埋め込み、第1の信号が埋め込まれた合成信号を、プリンタ駆動部12を用いて用紙に画像を記録するための信号に変換する。図11は、第2実施形態に係る記録処理部57の内部の構成を表している。図11が示すように、記録処理部57は、色変換処理部71、階調処理部72、および信号重畳部73を備える。色変換処理部71は、合成信号に対して色変換処理を行う場合、RGBにより表される画像信号を、プリンタ駆動部12が画像を用紙に記録する際に用いるトナー色成分の量を表すCMYK信号に変換する。色変換処理部71は、変換後のCMYK信号を階調処理部72に供給する。
階調処理部72は、変換後のCMYK信号に対して階調処理を行う場合、電子写真方式を用いたプリンタ駆動部12は1画素ごとに十分なレベルの階調を表現することが困難であるため、網点による面積変調法を用いて濃淡を表現する処理を行う。より具体的には、階調処理部72は、変換後のCMYK信号に対して多値ディザ処理を行う。多値ディザ処理は公知の技術である。この多値ディザ処理においては、値が昇順に並ぶ複数(N−1個)の閾値列を予め設けておき、画素の信号値と複数の閾値列とを比較して、信号値を超えない最小の閾値の番号を出力値とする。ただし、画素の信号値が最小の閾値よりも小さい場合、出力値は0とする。出力値は、0からN−1の間のN通りの値をとる。Nは、プリンタ駆動部12における画素あたりの階調数に設定する。閾値列は画素位置ごとに独立に設け、ある周期的なパターンを単位として繰り返される。階調処理部72は、周期パターンおよび閾値列の形状により、網点や万線などのスクリーンによる面積変調を行う。画素の信号値の空間的な変化が0または小さければ、閾値列により決まるパターンがそのまま出力信号に反映される。これにより、画像処理装置1は、ざらつきや階調とびのない高画質な画像を再現することができる。
階調処理部72は、階調処理を施した後の信号を信号重畳部73に供給する。
信号重畳部73は、第1の信号をCMYK色差信号に変換し、階調処理後の信号に対してCMYK色差信号を重畳する。図12(A)乃至(C)は、信号重畳部73における色差の重畳処理を説明する説明図である。第1の信号は150dpiの2値信号であり、原画像の画像信号の1/4の解像度である。図12(A)乃至(C)が示すように、原画像の画像信号における4×4画素のブロックが第1の信号における1画素に対応する。まず、信号重畳部73は、[数5]を用いて第1の信号をCMYK色差信号に変換する。すなわち、画素(x,y)での第1の信号をP0(x,y)と表記すると、画素(x,y)でのCMYK色差信号P3(col,x,y)は[数5]に示される。このとき、colは、CMYKのいずれかの色を示す変数であり、col ∈{Cy,Ma,Ye,Bk}であるものとする。{Cy,Ma,Ye,Bk}は、それぞれプリンタ駆動部12におけるトナー色のシアン、マゼンダ、黄色、および黒色を示す。
[数5]
P3(Cy,x,y)=(P0(x,y)*2-1)*(Mask(x,y)*2-1)
P3(Ma,x,y)=-(P0(x,y)*2-1)*(Mask(x,y)*2-1)
P3(Ye,x,y)=0
P3(Bk,x,y)=0
信号重畳部73は、原画像のCMYK各色の画像信号をCMYK色差信号に加算する。ただし、解像度の違いにより、CMYK色差信号の1画素は原画像の画像信号の16画素に対応する。そこで、第2実施形態においては、画像処理装置1は、原画像の画像信号を変調する場合、CMYK色差信号の1画素に対応する16画素からなるブロックのうち、ほぼ中心部分の4画素の画像信号を変調する。図12(A)は、CMYK色差信号の重畳前のCMYK信号のうちのCyan信号を表している。図12(A)が示すように、階調処理部72の多値ディザ処理によって、斜め方向の万線形状のスクリーンとなっている。また、図12(C)は、Maskパターンを示しており、白と黒により示される各正方形はCMYK色差信号の1画素をそれぞれ表している。図12(B)が示すように、画像処理装置1は、CMYK色差信号の1画素に対応する16画素からなるブロックのうち、ほぼ中心部分の4画素の画像信号を変調する。すなわち、信号重畳部73は、P3(Cy,x,y)の値が1である場合には万線を太らせる方向に変調し、ほぼ中心部分の4画素のうちの1画素を太らせる方向に変調する。一方、信号重畳部73は、P3(Cy,x,y)の値が0である場合には万線を細らせる方向に変調する。スクリーンの位置は閾値列の設計値により予め定まっているので、どの画素をどの程度太らせるか否かは既知であり、これらを予めテーブル化してROM22などに記憶しておくようにしてもよいし、計算処理を行ってどの程度画素を太らせるかを求めるようにしてもよい。
信号重畳部73は、CMYK色差信号が重畳された原画像のCMYK各色の画像信号をプリンタ駆動部12に出力する。なお、マゼンダと黄色の信号についても同様である。
このように、CMYK色差信号の1画素に対応する16画素からなるブロックのうち、ほぼ中心部分の4画素の画像信号を変調することで、以下のようなメリットが生ずる。すなわち、マスクパターンは市松状のパターンであるとすると、隣接する正方形のパターン同士における色差信号は互いに反対の値(0と1)である可能性が極めて高く、中心分の4画素を除く12画素を変調してしまうと、太らせる変調と細らせる変調が隣接することとなってしまい、スクリーンパターンがいびつな形状になってしまう可能性がある。スクリーンパターンがいびつになると、一般的にざらつきノイズや階調ジャンプが発生しやすくなり、画質が劣化してしまう。そこで、第2実施形態においてはCMYK色差信号の1画素に対応する16画素からなるブロックのうち、ほぼ中心部分の4画素の画像信号を変調することで、これらの画質の劣化を最小限に抑えることができる。
これにより、第1の信号の信号値が1である画素では、マスクパターンの画素値が1か0かの値に応じて、シアンーマゼンダ方向に色差が振れる。第1の信号の信号値が0である画素については逆となる。シアンとマゼンダの補色はそれぞれ赤と緑であるので、第1実施形態と同様に赤−緑軸方向に原画像の画像信号変調されることになる。従って、第1の実施形態と同様に第1の信号は赤−緑軸方向の色差の高周波数成分として原画像の画像信号に埋め込まれるため、第1の信号に基づく画像は視覚的にほとんど目立つことはない。また、第2の信号(第2の情報)は青−黄軸方向に振れ、第1の信号と第2の信号とは互いに直交することから、第1の信号と第2の信号とが互いに干渉しなくなる。また、プリント駆動部12によって用紙に記録された原画像をスキャナ部16が読み込み、信号処理が施されることで第2の信号(第2の情報)が読み取られた場合であっても、埋め込まれた第1の信号(第1の情報)が第2の信号(第2の情報)の読み取りに影響を及ぼすことは少ない。
第2の実施形態は、第1の信号(第1の情報)を記録処理部57の階調処理の後に原画像の画像信号に埋め込む。通常、階調処理は、画像処理装置1の内部、特にプリンタ駆動部12のドライバなどで行われるため、一旦、原画像が用紙に記録された後は、ユーザが手を加えることはできない。そのため、第三者による情報の埋め込みが困難となり、文書画像の原本の真正を保証することができ、文書画像のセキュリティを向上させることができる。また、第2実施形態では、画像処理装置1は、階調処理後にスクリーンパターンの性質を考慮して第1の信号を埋め込むため、埋め込みによる画質の劣化を小さく抑えることができる。さらに、第2の信号が青−黄軸方向に埋め込まれるのに対して、第1の信号は青−黄軸方向に略直交する赤−緑軸方向に埋め込まれるために、埋め込まれた信号(情報)同士の干渉を最小限に抑えることができる。
1…画像処理装置、11…制御部、12…プリンタ駆動部、13…画像データインタフェース、14…ページメモリ、15…画像処理部、16…スキャナ部、17…操作パネル、18…ネットワーク、21…CPU、22…ROM、23…RAM、24…バス、25…HDD、26…外部通信部、31…パネル制御部、32…表示部、33…操作キー、51…画像信号供給部、52…第1の信号生成部、53…第1の変調部、54…第2の信号生成部、55…第2の変調部、56…信号重畳部、57…記録処理部、58…画像信号出力部、61…色差分離部、62…周波数解析部、63…ピーク検出部、64…認証部、71…色変換処理部、72…階調処理部、73…信号重畳部。

Claims (6)

  1. 第1の信号を生成する第1の信号生成手段と、
    第2の信号を生成する第2の信号生成手段と、
    第1の信号生成手段により生成された前記第1の信号を第1の色差重畳信号に変調する第1の変調手段と、
    前記第2の信号生成手段により生成された前記第2の信号を第2の色差重畳信号に変調する第2の変調手段と、
    前記第1の変調手段により変調された前記第1の色差重畳信号と、前記第2の変調手段により変調された前記第2の色差重畳信号とを原画像信号に重畳して合成信号を生成する重畳手段と、
    前記重畳手段により生成された前記合成信号に基づく画像を用紙に記録する記録手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第1の信号は2値ビットマップ画像信号であり、前記第1の変調手段は、前記第1の信号に画素の位置に応じて形成されるパターンを乗算して前記第1の信号を前記第1の色差重畳信号に変調し、
    前記第2の信号は複数のビット列からなり、前記第2の変調手段は、互いに異なる複数の空間周波数を前記第2の信号を構成する各ビットの値に乗算して重ね合わせ、前記第2の信号を前記第2の色差重畳信号に変調することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記第1の変調手段により変調された前記第1の色差重畳信号と、前記第2の変調手段により変調された前記第2の色差重畳信号は、色空間上で互いに略直交することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 第1の信号を生成する第1の信号生成手段と、
    第2の信号を生成する第2の信号生成手段と、
    前記第2の信号生成手段により生成された前記第2の信号を第1の色差重畳信号に変調する変調手段と、
    前記変調手段により変調された前記第1の色差重畳信号とを原画像信号に重畳して合成信号を生成する重畳手段と、
    前記重畳手段により生成された前記合成信号に対して階調処理を行い、前記第1の信号生成手段により生成された前記第1の信号を第2の色差重畳信号に変調し、階調処理後の前記合成信号に前記第2の色差重畳信号を重畳する階調処理手段と、
    前記第1の色差重畳信号が重畳された前記合成信号に基づく画像を用紙に記録する記録手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
  5. 前記第2の信号は複数のビット列からなり、前記変調手段は、互いに異なる複数の空間周波数を前記第2の信号を構成する各ビットの値に乗算して重ね合わせ、前記第2の信号を前記第1の色差重畳信号に変調することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記変調手段により変調された前記第2の色差重畳信号と、前記階調処理手段により変調された前記第2の色差重畳信号は、色空間上で互いに略直交することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
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