JP2010010594A - 太陽電池及びその製造方法、太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】量産性、製造コストおよび光電変換効率に優れた太陽電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】光を吸収して発電する受光層2が基板と透光性電極3との間に挟持された太陽電池11であって、受光層2は、p型半導体層4とn型半導体層5の少なくとも2層を有しており、p型半導体層4は、窒化インジウムガリウム粒子44からなる薄膜層にp型ドーパントが添加されてなり、n型半導体層5は、p型半導体層4の透光性電極側の面4aにn型ドーパントが添加されてなる太陽電池11を用いることにより、上記課題を解決できる。
【選択図】図3
Description
本発明は、太陽電池及びその製造方法、太陽電池モジュールに関するものである。特に、窒化インジウムガリウム粒子を用いた、量産性、製造コストおよび光電変換効率に優れた太陽電池及びその製造方法、太陽電池モジュールに関するものである。
近年、地球温暖化現象が問題となっている。太陽光発電は、その原因のひとつであるCO2ガスの削減に効果的な手段として注目されている。
また、世界各国でフィードインタリフ制度(高価買取制度)に代表される補助金制度がスタートし、住宅用途だけでなく商業的な大規模発電プラントに至るまで太陽光発電の普及が促進されている。
また、世界各国でフィードインタリフ制度(高価買取制度)に代表される補助金制度がスタートし、住宅用途だけでなく商業的な大規模発電プラントに至るまで太陽光発電の普及が促進されている。
太陽光発電の技術の心臓部となる太陽電池に関しては世界レベルで精力的に研究開発が進められている。
太陽電池としては、シリコン系太陽電池、化合物半導体系太陽電池、有機系太陽電池など様々な種類のものがある。このうち、シリコン系太陽電池に関しての研究が最も長く継続されており、単結晶、多結晶およびアモルファスなど様々なタイプに関して数多くの研究がなされているため、シリコン系太陽電池が現在の太陽電池の主流となっている。
太陽電池としては、シリコン系太陽電池、化合物半導体系太陽電池、有機系太陽電池など様々な種類のものがある。このうち、シリコン系太陽電池に関しての研究が最も長く継続されており、単結晶、多結晶およびアモルファスなど様々なタイプに関して数多くの研究がなされているため、シリコン系太陽電池が現在の太陽電池の主流となっている。
従来、シリコン系太陽電池に用いられるシリコン原料は、半導体産業でのスペックアウト品やスクラップ品となるシリコン等で賄って来た。しかし、太陽電池需要の急拡大とともにシリコン原料が不足し、将来、シリコン系太陽電池のためのシリコン原料を確保できるかどうか不安が高まっている。そこで、既存のシリコン原料メーカーは増産計画を発表し、新規に参入するシリコン原料メーカーも徐々に増加している。しかし、近年の市況を概観すると、太陽電池は予想以上に市場拡大すると想定され、シリコン原料の供給不安は当面続くと思われる。
シリコンウェハーを薄くしてシリコン原料の使用量を大幅に削減することにより、上記のシリコン原料の供給不安に対応しようとする薄膜シリコン系太陽電池が開発され、注目されている。たとえば、薄膜シリコン系太陽電池としては、プラズマCVD法などで造られるアモルファスシリコン薄膜系太陽電池や微結晶シリコン薄膜系太陽電池などがある。
また、シリコン原料を用いない有機系太陽電池や化合物半導体系太陽電池も注目されている。
有機系太陽電池としては、色素増感型太陽電池や有機薄膜太陽電池などがある。色素増感型太陽電池や有機薄膜太陽電池は、印刷法等で容易に成膜することができるので、化合物半導体型太陽電池の場合のように複雑な真空製造プロセスを必要としない。そのため、製造コストを低くすることができる。さらに、比較的低温な熱処理条件で製造することができるとともに、安価な基板を選定することができるので、製造コストをより低くすることができる。
しかし、一部は実証試験の段階まで性能を上げているが、いまだ開発段階ではあり、光電変換効率がいまだ実用的なレベルに達していない。また、有機化合物を用いているため、耐候性および信頼性が十分でないなどの課題が残っている。
有機系太陽電池としては、色素増感型太陽電池や有機薄膜太陽電池などがある。色素増感型太陽電池や有機薄膜太陽電池は、印刷法等で容易に成膜することができるので、化合物半導体型太陽電池の場合のように複雑な真空製造プロセスを必要としない。そのため、製造コストを低くすることができる。さらに、比較的低温な熱処理条件で製造することができるとともに、安価な基板を選定することができるので、製造コストをより低くすることができる。
しかし、一部は実証試験の段階まで性能を上げているが、いまだ開発段階ではあり、光電変換効率がいまだ実用的なレベルに達していない。また、有機化合物を用いているため、耐候性および信頼性が十分でないなどの課題が残っている。
化合物半導体系太陽電池として、Cu−In−Ga−Se(S)などのカルコパイライト系と呼ばれるI−III−VI族化合物を原料としたCIGS化合物半導体系太陽電池およびCdTe化合物半導体系太陽電池などがある。これらは、近年量産レベルの段階に入ってきている。
しかし、これらの太陽電池の発電コストは未だ高く、普及の障害となっている。更なる普及のためには、製造コストの削減および光電変換効率をより向上させる必要がある。
しかし、これらの太陽電池の発電コストは未だ高く、普及の障害となっている。更なる普及のためには、製造コストの削減および光電変換効率をより向上させる必要がある。
また、化合物半導体系太陽電池として、GaAs系原料を使用した多層の化合物半導体系太陽電池もある。これは光電変換効率が高い太陽電池として知られている。しかし、この化合物半導体系太陽電池を製造するためには、精密に制御された真空製造プロセスが必須となるので製造工程が複雑となり、製造コストが格段に高くなる。また、真空製造装置の大型化が困難であるので、基板面積をシリコン系太陽電池のように広くすることができない。そのため、民生用途の太陽電池ではなく、高発電量や耐放射線性などの特殊な特性が要求される宇宙衛星用途などに使用されている。
さらにまた、化合物半導体系太陽電池として、InGaN系原料を使用した多接合型太陽電池がある。多接合型太陽電池は、スタック型、積層型、タンデム型太陽電池などとも呼ばれ、利用波長の異なる受光層を複数積層した太陽電池である。しかし、これもMOCVDやMBE等の複雑な真空製造装置を用いており、製造コストが高くなるとともに大面積化も困難となる。そのため、用途が限定されてしまい汎用的な普及にはつながらない。
特許文献1は、0.7eV〜3.4eVの広い光吸収帯を有する太陽電池に関するものであり、n型とp型のIn1−xGaxNが複数積層されてなるマルチジャンクション型太陽電池が開示されている。しかし、実施例はなく、実施形態においても、その太陽電池の性能は開示されていない。
特許文献1は、0.7eV〜3.4eVの広い光吸収帯を有する太陽電池に関するものであり、n型とp型のIn1−xGaxNが複数積層されてなるマルチジャンクション型太陽電池が開示されている。しかし、実施例はなく、実施形態においても、その太陽電池の性能は開示されていない。
理論的には、In1−xGaxNを用いて、0.7eV〜3.4eVの広い光吸収帯を有する太陽電池を形成することは可能だが、たとえば、MOCVD法では、高In組成のIn1−xGaxNは結晶性が低くなり、良質な結晶性を維持するにはIn濃度は15mol%が限界であった。
また、高In組成のIn1−xGaxNは熱分解しやすいという問題もあった。
また、高In組成のIn1−xGaxNは熱分解しやすいという問題もあった。
特許文献2は、窒化ガリウム系化合物半導体受光素子に関するものであり、n型窒化ガリウム系半導体層とp型窒化ガリウム系化合物半導体層との間に、受光層としてInxGa1−xN(0<x<1)層が挟まれたダブルへテロ構造を有する太陽電池が開示されている。この構造の太陽電池では、InxGa1−xNにおいてインジウムの組成を変えることにより、感度をもつ波長域を365〜635nmの範囲で変更可能という特徴を有するが、受光層であるInxGa1−xN(0<x<1)層の吸収スペクトルの半値幅が狭いので、太陽電池として利用できる波長感度域が極めて狭くなり、高い光電変換効率を有する太陽電池とすることができない。
ところで、近年、特許文献3〜5に開示されているように、InGaN系の金属窒化物からなるナノ粒子に関する研究も活発に行われるようになっている。
特許文献3は、金属窒化物ナノ粒子及びその製造方法に関するものであり、インジウムやガリウムを含む金属塩溶液に還元剤を反応させ金属ナノ粒子分散液を得た後、該金属ナノ粒子分散液に窒素源を添加することにより、窒化インジウムガリウム粒子を製造する方法が開示されている。
特許文献3は、金属窒化物ナノ粒子及びその製造方法に関するものであり、インジウムやガリウムを含む金属塩溶液に還元剤を反応させ金属ナノ粒子分散液を得た後、該金属ナノ粒子分散液に窒素源を添加することにより、窒化インジウムガリウム粒子を製造する方法が開示されている。
また、特許文献4は、窒化ガリウム蛍光体の製造方法、酸化ガリウムの製造方法及び酸化ガリウムに関するものであり、硝酸ガリウム水和物にアンモニアを滴下して形成した水酸化ガリウムを800℃で加熱して酸化ガリウムとした後に、さらにアンモニア雰囲気中1000℃で反応させて窒化ガリウム粉末を製造する方法が開示されている。
さらにまた、特許文献5は、光による水分解触媒及びその製造方法に関するものであり、硝酸マグネシウムと硝酸ガリウムの水溶液にアンモニア水を滴下して得られた生成物を大気下で熱処理した後、アンモニア雰囲気でさらに熱処理することでp型窒化ガリウム粒子を製造する方法が開示されている。また、このp型窒化ガリウム粒子に硫化インジウムを混合してアンモニア雰囲気下で熱処理することにより、p型インジウムガリウム粒子を生成する方法も開示されている。
しかし、特許文献3〜5に開示された金属窒化物からなるナノ粒子は、いずれも発光素子、蛍光体または水分解光触媒用途のいずれかに用いられるものであり、太陽電池の素材として検討されてはいない。
また、特許文献3〜5ではp型ナノ粒子に関する記載はあるものの、n型ナノ粒子に関する記載はなく、太陽電池の構造として重要なpn接合に関する有用な知見は開示されていない。
米国特許第US7217882B2号明細書
特許第3019132号公報
特開2007−153662号公報
特開2000−198978号公報
特開2007−125496号公報
また、特許文献3〜5ではp型ナノ粒子に関する記載はあるものの、n型ナノ粒子に関する記載はなく、太陽電池の構造として重要なpn接合に関する有用な知見は開示されていない。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、量産性、製造コストおよび光電変換効率に優れた太陽電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、インジウムやガリウムを含む金属窒化物からなるナノ粒子を用いることにより、広い波長範囲で光を吸収する光電変換効率が高い太陽電池を製造することができるとともに、製造コストが高い真空製造プロセスではなく製造コストが安い印刷法などを用いて前記太陽電池を製造できることができることを見出し、以下の発明に至った。
つまり、上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、
つまり、上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、
(1) 光を吸収して発電する受光層が基板と透光性電極との間に挟持された太陽電池であって、前記受光層はp型半導体層とn型半導体層の少なくとも2層を有しており、前記p型半導体層は窒化インジウムガリウム粒子からなる薄膜層にp型ドーパントが添加されてなり、前記n型半導体層は前記p型半導体層の透光性電極側の面にn型ドーパントが添加されてなることを特徴とする太陽電池。
(2) 前記p型半導体層と前記n型半導体層との間に、p型ドーパントとn型ドーパントとが混在して電荷的に中和されてなるi型半導体層が設けられていることを特徴とする(1)に記載の太陽電池。
(3) 前記p型ドーパントがMgまたはZnのいずれかであり、前記n型ドーパントがSiまたはSiを含む化合物のいずれかであることを特徴とする(1)または(2)に記載の太陽電池。
(4) 前記窒化インジウムガリウム粒子がInxGa1−xN(0.2<x<1)であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の太陽電池。
(3) 前記p型ドーパントがMgまたはZnのいずれかであり、前記n型ドーパントがSiまたはSiを含む化合物のいずれかであることを特徴とする(1)または(2)に記載の太陽電池。
(4) 前記窒化インジウムガリウム粒子がInxGa1−xN(0.2<x<1)であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の太陽電池。
(5) 前記窒化インジウムガリウム粒子がInxGa1−xN(0.4<x<1)であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の太陽電池。
(6) 前記窒化インジウムガリウム粒子がInxGa1−xN(0.6<x<1)であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の太陽電池。
(7) 前記窒化インジウムガリウム粒子の平均粒径が0.01〜10μmであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の太陽電池。
(6) 前記窒化インジウムガリウム粒子がInxGa1−xN(0.6<x<1)であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の太陽電池。
(7) 前記窒化インジウムガリウム粒子の平均粒径が0.01〜10μmであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の太陽電池。
(8) 前記受光層の透光性電極側の面が無秩序な凹凸面とされていることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の太陽電池。
(9) 前記基板が導電性基板または一面に導電性層が形成された絶縁性基板であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の太陽電池。
(10) 前記導電性基板がアルミニウム、鉄、ニッケル、錫、銅、銀、白金、チタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、インジウム、モリブデン、クロム、タングステンから選ばれる1種以上からなることを特徴とする(9)に記載の太陽電池。
(9) 前記基板が導電性基板または一面に導電性層が形成された絶縁性基板であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の太陽電池。
(10) 前記導電性基板がアルミニウム、鉄、ニッケル、錫、銅、銀、白金、チタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、インジウム、モリブデン、クロム、タングステンから選ばれる1種以上からなることを特徴とする(9)に記載の太陽電池。
(11) 前記絶縁性基板が樹脂、プラスチック、ガラス、セラミックスから選ばれる1種以上からなり、前記導電性層が、アルミニウム、鉄、ニッケル、錫、銅、銀、白金、チタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、インジウム、モリブデン、クロム、タングステンから選ばれる1種以上からなることを特徴とする(9)に記載の太陽電池。
(12) 前記透光性電極が酸化インジウム錫、酸化インジウム亜鉛、酸化アルミ亜鉛、酸化ガリウム亜鉛から選ばれる1種以上からなることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の太陽電池。
(12) 前記透光性電極が酸化インジウム錫、酸化インジウム亜鉛、酸化アルミ亜鉛、酸化ガリウム亜鉛から選ばれる1種以上からなることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の太陽電池。
(13) (1)〜(12)に記載された太陽電池と、前記太陽電池を覆う樹脂と、を有する太陽電池モジュール。
(14) 前記樹脂がエチレン−テトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン、パーフルオロエチレン−プロペンコポリマーから選ばれる1種以上からなることを特徴とする(13)に記載の太陽電池モジュール。
(15) 基板上にp型ドーパントが添加された窒化インジウムガリウム粒子からなるp型半導体層を形成するp型半導体層形成工程と、前記p型半導体層の透光性電極側の面にn型ドーパントを添加してn型半導体層を形成するn型半導体層形成工程と、前記n型半導体層上に透光性電極を形成する透光性電極形成工程と、を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
(14) 前記樹脂がエチレン−テトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン、パーフルオロエチレン−プロペンコポリマーから選ばれる1種以上からなることを特徴とする(13)に記載の太陽電池モジュール。
(15) 基板上にp型ドーパントが添加された窒化インジウムガリウム粒子からなるp型半導体層を形成するp型半導体層形成工程と、前記p型半導体層の透光性電極側の面にn型ドーパントを添加してn型半導体層を形成するn型半導体層形成工程と、前記n型半導体層上に透光性電極を形成する透光性電極形成工程と、を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
(16) 前記n型半導体層形成工程で、前記p型半導体層の透光性電極側の面にn型ドーパントを添加してn型半導体層を形成すると同時に、前記p型半導体層と前記n型半導体層との間にp型ドーパントとn型ドーパントとが混在して電荷的に中和されてなるi型半導体層を形成することを特徴とする(15)に記載の太陽電池の製造方法。
(17) 前記p型半導体層形成工程が、p型ドーパントが添加されたインジウムガリウム複合塩粒子を分散させた塗布液を基板上に塗布してp型インジウムガリウム複合塩粒子からなる粒子層を形成する粒子層形成工程と、前記p型インジウムガリウム複合塩粒子からなる粒子層を窒化してp型窒化インジウムガリウム粒子層とする窒化工程と、からなることを特徴とする(15)または(16)に記載の太陽電池の製造方法。
(18) 前記p型半導体層形成工程が、p型ドーパントが添加されたインジウムガリウム複合塩粒子を窒化してp型窒化インジウムガリウム粒子とする窒化工程と、前記p型窒化インジウムガリウム粒子を分散させた塗布液を導電性基板上に塗布してp型窒化インジウムガリウム粒子からなる粒子層を形成する粒子層形成工程と、からなることを特徴とする(15)または(16)に記載の太陽電池の製造方法。
(17) 前記p型半導体層形成工程が、p型ドーパントが添加されたインジウムガリウム複合塩粒子を分散させた塗布液を基板上に塗布してp型インジウムガリウム複合塩粒子からなる粒子層を形成する粒子層形成工程と、前記p型インジウムガリウム複合塩粒子からなる粒子層を窒化してp型窒化インジウムガリウム粒子層とする窒化工程と、からなることを特徴とする(15)または(16)に記載の太陽電池の製造方法。
(18) 前記p型半導体層形成工程が、p型ドーパントが添加されたインジウムガリウム複合塩粒子を窒化してp型窒化インジウムガリウム粒子とする窒化工程と、前記p型窒化インジウムガリウム粒子を分散させた塗布液を導電性基板上に塗布してp型窒化インジウムガリウム粒子からなる粒子層を形成する粒子層形成工程と、からなることを特徴とする(15)または(16)に記載の太陽電池の製造方法。
(19) 前記窒化工程が、アンモニア通気下で500℃〜1100℃の熱処理を行う工程であることを特徴とする(17)または(18)に記載の太陽電池の製造方法。
(20) 前記インジウムガリウム複合塩粒子が、水酸化物、酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、硫化物から選ばれる1種以上の複合塩からなることを特徴とする(17)〜(19)のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
(21) 前記p型ドーパントがMgまたはZnのいずれかであり、前記n型ドーパントがSiまたはSiを含む化合物のいずれかであることを特徴とする(15)〜(20)のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
(20) 前記インジウムガリウム複合塩粒子が、水酸化物、酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、硫化物から選ばれる1種以上の複合塩からなることを特徴とする(17)〜(19)のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
(21) 前記p型ドーパントがMgまたはZnのいずれかであり、前記n型ドーパントがSiまたはSiを含む化合物のいずれかであることを特徴とする(15)〜(20)のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
上記の構成によれば、量産性、製造コストおよび光電変換効率に優れた太陽電池及びその製造方法を提供することができる。
本発明の太陽電池は、受光層の窒化インジウムガリウムはインジウムとガリウムの組成比を変えることにより、0.7eV〜3.4eVの広い範囲のバンドギャップを持つことが可能になり、太陽光スペクトルとしては365〜1771nmの範囲の光に感度を持たせることが出来る構成なので、広い範囲の太陽光スペクトルを発電に利用することが出来、光電変換効率が高い太陽電池が得ることができる。
本発明の太陽電池は、水酸化物、酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、硫化物から選ばれるいずれか1種類以上からなるインジウムガリウム複合塩粒子をアンモニア雰囲気で窒化することにより容易に得ることができる窒化インジウムガリウム粒子を受光層として用いる構成なので、真空系プロセスでかつ精密な制御を必要とするMOCVDやMBEのような半導体装置を用いず、低い製造コストで受光層を形成することができ、太陽電池の製造コストも下げることができる。
本発明の太陽電池は、インジウムガリウム複合塩粒子を、一般に知られている気相、液相および固相で作製する方法であって、例えば、気相噴霧法、ゾルゲル法、アルコキシド法、共沈法、固相法から選ばれるいずれか1種以上からなる方法で作製する構成なので、
大掛かりな装置は必要とせず、低い製造コストでインジウムガリウム複合塩粒子を作製することができ、太陽電池の製造コストも下げることができる。
大掛かりな装置は必要とせず、低い製造コストでインジウムガリウム複合塩粒子を作製することができ、太陽電池の製造コストも下げることができる。
本発明の太陽電池は、窒化インジウムガリウム粒子を用いて受光層を形成する構成なので、その透光性電極側の面に粒子に由来する無秩序な凹凸が形成して、実質的な受光面積を格段に増加させ、より効率的に太陽光を吸収することができる。また、その凹凸面で光が様々な方向に屈折して入射されることにより受光層内部の光路長を長くして、膜厚を薄くしても効率的に太陽光を吸収させることができる。さらに、粒子を用いて凹凸を形成することは、光閉じ込め効果を促進し、光電変換効率が高い太陽電池が得ることができる。さらにまた、この凹凸は、シリコン太陽電池で行われているように表面を複雑な方法でエッチングして形成する必要がなく、塗布法で容易に形成できる構成なので、太陽電池の製造コストを大幅に下げることができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、図面は模式的なものであり、各層の厚み、寸法、形状の関係等は現実のものとは異なる。また、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、これらの実施形態の構成要素同士を適宜組み合わせても良い。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態である太陽電池の一例を説明する断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態である太陽電池11は、光を吸収して発電する受光層2が基板1と透光性電極3との間に挟持されて概略構成されている。また、受光層2は、p型半導体層4とn型半導体層5とから構成されており、基板1は導電性基板8から構成されている。太陽光は、矢印で示されるように透光性電極3側から受光層2へ入射する。なお、太陽電池11では、導電性基板8(基板1)を正極として、透光性電極3を負極とする。
図1は、本発明の実施形態である太陽電池の一例を説明する断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態である太陽電池11は、光を吸収して発電する受光層2が基板1と透光性電極3との間に挟持されて概略構成されている。また、受光層2は、p型半導体層4とn型半導体層5とから構成されており、基板1は導電性基板8から構成されている。太陽光は、矢印で示されるように透光性電極3側から受光層2へ入射する。なお、太陽電池11では、導電性基板8(基板1)を正極として、透光性電極3を負極とする。
<基板>
基板1は、太陽電池11の一方の電極および太陽電池11の製造時のベース材として用いられる部材である。
基板1は、少なくとも太陽電池11の電極として機能できる程度の導電性を有する材料からなる導電性基板8であることが好ましい。また、基板1は、少なくとも太陽電池11の製造時のベース材として必要とされる程度の硬度を備えた材料からなることが好ましい。上記条件を満たすものであれば、基板1の膜厚(板厚)は特に制限は無く、板状または箔状などのものを用いることができる。たとえば、板厚を0.5mmとする。
板状の基板1は、パネルタイプの太陽電池を製造することができ、搬送が容易で、製造上の取扱性に優れている。また、箔状の基板1は、ロールタイプの太陽電池を製造することができ、連続して製造することができるなど生産性に優れる。
基板1は、太陽電池11の一方の電極および太陽電池11の製造時のベース材として用いられる部材である。
基板1は、少なくとも太陽電池11の電極として機能できる程度の導電性を有する材料からなる導電性基板8であることが好ましい。また、基板1は、少なくとも太陽電池11の製造時のベース材として必要とされる程度の硬度を備えた材料からなることが好ましい。上記条件を満たすものであれば、基板1の膜厚(板厚)は特に制限は無く、板状または箔状などのものを用いることができる。たとえば、板厚を0.5mmとする。
板状の基板1は、パネルタイプの太陽電池を製造することができ、搬送が容易で、製造上の取扱性に優れている。また、箔状の基板1は、ロールタイプの太陽電池を製造することができ、連続して製造することができるなど生産性に優れる。
導電性基板8の材料としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、錫、銅、銀、白金、チタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、インジウム、モリブデン、クロム、タングステンの群から選ばれる1種以上から構成される材料であることが好ましい。これらの材料は太陽電池11の電極として機能させることができる程度の導電性を有し、また、太陽電池11の製造時のベース材として必要とされる程度の硬度を備えているためである。
さらに、導電性基板8の材料としては、鉄、タンタル、モリブデン、クロムの群から選ばれる1種類以上から構成される材料がより好ましい。これらの材料はアンモニアに対して高い耐性を有するので、導電性基板8の材料としてこれらの材料を用いた場合には、太陽電池11の製造時に導電性基板8をアンモニウム雰囲気に曝しても、導電性基板8が窒化されないためである。
さらに、導電性基板8の材料としては、鉄、タンタル、モリブデン、クロムの群から選ばれる1種類以上から構成される材料がより好ましい。これらの材料はアンモニアに対して高い耐性を有するので、導電性基板8の材料としてこれらの材料を用いた場合には、太陽電池11の製造時に導電性基板8をアンモニウム雰囲気に曝しても、導電性基板8が窒化されないためである。
なお、導電性基板8としてアンモニアに対して耐性の低いアルミニウムなどを用いた場合には、導電性基板8の受光層と反対側の面1bを覆うようにモリブデン、クロム、タングステンの群から選ばれる1種類以上からなるコーティング層を形成することが好ましい。これにより、太陽電池11の製造時に導電性基板8をアンモニウム雰囲気に曝しても、導電性基板8が窒化されないようにすることができる。
さらに、導電性基板8の材料は、太陽電池11の製造時の熱処理温度で耐熱性を具備する材料を選択することがよい。
さらに、導電性基板8の材料は、太陽電池11の製造時の熱処理温度で耐熱性を具備する材料を選択することがよい。
<透光性電極>
透光性電極3は、太陽電池の他方の電極として用いられる部材であって、受光層2へ太陽光を入射させる部材である。
そのため、透光性電極3は、少なくとも太陽電池の電極として機能できる程度の導電性を有する材料からなる。また、受光層2へ太陽光を十分入射させるだけの透過性を有する材料からなる。上記条件を満たすものであれば、透光性電極3の膜厚(板厚)は特に制限は無い。
透光性電極3は、太陽電池の他方の電極として用いられる部材であって、受光層2へ太陽光を入射させる部材である。
そのため、透光性電極3は、少なくとも太陽電池の電極として機能できる程度の導電性を有する材料からなる。また、受光層2へ太陽光を十分入射させるだけの透過性を有する材料からなる。上記条件を満たすものであれば、透光性電極3の膜厚(板厚)は特に制限は無い。
透光性電極3は、上記の導電性と透過性を持っていればいずれの材料も使用可能であるが、ITO(酸化インジウム錫)、IZO(酸化インジウム亜鉛)、AZO(酸化アルミ亜鉛)、GZO(酸化ガリウム亜鉛)から選ばれる1種以上からなることが好ましい。これにより、太陽電池の電極として必要な導電性および透過性を有する透光性電極とすることができる。
<受光層>
図1に示すように、受光層2は、p型半導体層4とn型半導体層5の2層からなる。n型半導体層5は、p型半導体層4の透光性電極側の面4aに形成された層である。
図3は、受光層2と透光性電極3との界面の拡大断面図である。図3に示すように、p型半導体層4は、複数の窒化インジウムガリウム粒子44からなる。そのため、p型半導体層4の透光性電極側の面4aは、粒子が無秩序に凝集されて無秩序な凹凸面とされており、受光層2の透光性電極側の面5aも無秩序な凹凸面とされている。また、窒化インジウムガリウム粒子44の透光性電極側の面4aには、薄いn型半導体層5が形成されている。なお、受光層2の厚みは、0.5〜10μmとする。
図1に示すように、受光層2は、p型半導体層4とn型半導体層5の2層からなる。n型半導体層5は、p型半導体層4の透光性電極側の面4aに形成された層である。
図3は、受光層2と透光性電極3との界面の拡大断面図である。図3に示すように、p型半導体層4は、複数の窒化インジウムガリウム粒子44からなる。そのため、p型半導体層4の透光性電極側の面4aは、粒子が無秩序に凝集されて無秩序な凹凸面とされており、受光層2の透光性電極側の面5aも無秩序な凹凸面とされている。また、窒化インジウムガリウム粒子44の透光性電極側の面4aには、薄いn型半導体層5が形成されている。なお、受光層2の厚みは、0.5〜10μmとする。
<p型半導体層>
p型半導体層4は、p型ドーパントが添加された複数の窒化インジウムガリウム粒子(p型窒化インジウムガリウム粒子)44が凝集されてなる層である。
窒化インジウムガリウム粒子44のインジウムとガリウムの組成比を変えることにより0.7〜3.4eVの広い範囲のバンドギャップを持つことができ、太陽電池2の光吸収ピーク(光感度)を365〜1771nmの範囲に変えることができ、広い範囲の太陽光スペクトルを吸収して発電に利用することが出来る太陽電池11を形成することができる。
p型半導体層4は、p型ドーパントが添加された複数の窒化インジウムガリウム粒子(p型窒化インジウムガリウム粒子)44が凝集されてなる層である。
窒化インジウムガリウム粒子44のインジウムとガリウムの組成比を変えることにより0.7〜3.4eVの広い範囲のバンドギャップを持つことができ、太陽電池2の光吸収ピーク(光感度)を365〜1771nmの範囲に変えることができ、広い範囲の太陽光スペクトルを吸収して発電に利用することが出来る太陽電池11を形成することができる。
窒化インジウムガリウム粒子44は、InxGa1−xN(0.2<x<1)であることが好ましく、InxGa1−xN(0.4<x<1)であることがより好ましく、InxGa1−xN(0.6<x<1)であることが更に好ましい。
GaNのバンドギャップエネルギー値は3.4eV(吸収波長ピーク365nm)であり、InNのバンドギャップエネルギー値は0.7eV(吸収波長ピーク1770nm)である。InxGa1−xNのInの添加量xに対応して、バンドギャップエネルギー値は3.4eVから0.7eVの間より変化する。つまり、GaNにInを添加していくとバンドギャップエネルギーはGaNのバンドギャップエネルギー値(3.4eV)からInNのバンドギャップエネルギー値(0.7eV)まで小さくなるとともに、吸収波長ピークは長波長シフトする。これにより、吸収帯を可視光全域まで広げることができる。
GaNのバンドギャップエネルギー値は3.4eV(吸収波長ピーク365nm)であり、InNのバンドギャップエネルギー値は0.7eV(吸収波長ピーク1770nm)である。InxGa1−xNのInの添加量xに対応して、バンドギャップエネルギー値は3.4eVから0.7eVの間より変化する。つまり、GaNにInを添加していくとバンドギャップエネルギーはGaNのバンドギャップエネルギー値(3.4eV)からInNのバンドギャップエネルギー値(0.7eV)まで小さくなるとともに、吸収波長ピークは長波長シフトする。これにより、吸収帯を可視光全域まで広げることができる。
InxGa1−xNのInの添加量xが0.2以上の場合には、短波長領域の光を吸収してしまう透光性電極の影響が無いので効率的な発電に有効である。
また、InxGa1−xNのInの添加量xが0.4以上の場合には、より広い範囲の波長が利用できるので効果的である。
さらにまた、InxGa1−xNのInの添加量xが0.6以上の場合には、太陽電池の受光層2のバンドギャップを、理論的な最大光電変換効率が得られるバンドギャップ1.3〜1.5eVに近い値とすることができるのでより効果的である。
なお、Inの添加量xがおおよそ0.7〜0.8のときにバンドギャップが1.3〜1.5eVとなる。このバンドギャップエネルギー値は、吸収波長ピークが赤色近傍となり、可視光全域を吸収帯として利用できるので、太陽電池として最適となる。
逆に、InxGa1−xNのInの添加量xは1未満であることが好ましい。x=1の場合、すなわち、InNの場合には、熱分解性が高くなり、550〜600℃で容易に分解してしまうので好ましくない。
また、InxGa1−xNのInの添加量xが0.4以上の場合には、より広い範囲の波長が利用できるので効果的である。
さらにまた、InxGa1−xNのInの添加量xが0.6以上の場合には、太陽電池の受光層2のバンドギャップを、理論的な最大光電変換効率が得られるバンドギャップ1.3〜1.5eVに近い値とすることができるのでより効果的である。
なお、Inの添加量xがおおよそ0.7〜0.8のときにバンドギャップが1.3〜1.5eVとなる。このバンドギャップエネルギー値は、吸収波長ピークが赤色近傍となり、可視光全域を吸収帯として利用できるので、太陽電池として最適となる。
逆に、InxGa1−xNのInの添加量xは1未満であることが好ましい。x=1の場合、すなわち、InNの場合には、熱分解性が高くなり、550〜600℃で容易に分解してしまうので好ましくない。
窒化インジウムガリウム粒子44のインジウムとガリウムの組成比を調整するには、インジウムガリウム複合塩粒子を合成する際にインジウムとガリウムの原料の比率を調整すればよい。
また、p型ドーパントは、MgまたはZnのいずれかであることが好ましい。これにより、容易に所望の濃度のp型半導体層を形成することができる。
また、p型ドーパントは、MgまたはZnのいずれかであることが好ましい。これにより、容易に所望の濃度のp型半導体層を形成することができる。
窒化インジウムガリウム粒子44の平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましい。これにより、必要な膜厚に調整することが可能である。
窒化インジウムガリウム粒子44の平均粒径が0.01μmより小さい場合には、受光層2の厚みを0.5〜10μmとした場合、薄膜化工程に時間が掛かり生産性の低下を招く。逆に、窒化インジウムガリウム粒子44の平均粒径が10μm以上である場合には、数個の窒化インジウムガリウム粒子44が重なった部分の受光層2の厚みが極端に厚くなって、突出する部分を形成し、前記突出する部分が透光性電極3を貫通して、電気的短絡を生じさせて太陽電池11での発電を不能とするおそれを発生させる場合が生じる。
なお、ここで言う粒径とは球形近似した径を意味する。例えば楕円状であればその長径が粒径であり、多角形状であれば角から角へ引いた線の一番長いものを粒径とする。粒径は走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)で観察される画像または写真を用いて測定することが好ましい。
窒化インジウムガリウム粒子44の平均粒径が0.01μmより小さい場合には、受光層2の厚みを0.5〜10μmとした場合、薄膜化工程に時間が掛かり生産性の低下を招く。逆に、窒化インジウムガリウム粒子44の平均粒径が10μm以上である場合には、数個の窒化インジウムガリウム粒子44が重なった部分の受光層2の厚みが極端に厚くなって、突出する部分を形成し、前記突出する部分が透光性電極3を貫通して、電気的短絡を生じさせて太陽電池11での発電を不能とするおそれを発生させる場合が生じる。
なお、ここで言う粒径とは球形近似した径を意味する。例えば楕円状であればその長径が粒径であり、多角形状であれば角から角へ引いた線の一番長いものを粒径とする。粒径は走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)で観察される画像または写真を用いて測定することが好ましい。
<n型半導体層>
n型半導体層5は、p型半導体層4の透光性電極側の面4aにn型ドーパントが添加されてなる。図3に示すように、n型半導体層5は、窒化インジウムガリウム粒子44の透光性電極側の面4a全面に形成されているが、その厚さはかなり薄く、平均粒径は0.01〜10μm窒化インジウムガリウム粒子44の1/3から1/10程度の厚さ、つまり、0.001〜4μm程度とされている。
n型ドーパントとしては、SiまたはSiを含む化合物のいずれかであることが好ましい。これにより、容易に所望の濃度のn型半導体層を形成することができる。
n型半導体層5を形成することにより、p型半導体層4とn型半導体層5とからなるpn接合(pn−junction)を具備した太陽電池11を形成することができる。
n型半導体層5は、p型半導体層4の透光性電極側の面4aにn型ドーパントが添加されてなる。図3に示すように、n型半導体層5は、窒化インジウムガリウム粒子44の透光性電極側の面4a全面に形成されているが、その厚さはかなり薄く、平均粒径は0.01〜10μm窒化インジウムガリウム粒子44の1/3から1/10程度の厚さ、つまり、0.001〜4μm程度とされている。
n型ドーパントとしては、SiまたはSiを含む化合物のいずれかであることが好ましい。これにより、容易に所望の濃度のn型半導体層を形成することができる。
n型半導体層5を形成することにより、p型半導体層4とn型半導体層5とからなるpn接合(pn−junction)を具備した太陽電池11を形成することができる。
受光層2の透光性電極側の面5aは、無秩序な凹凸面とされていることが好ましい。
無秩序な凹凸面で太陽光を様々な角度で屈折させて受光層2へ入射させるので、受光層2中での光路長を長くすることができる。その結果、太陽光をより効率的に受光層2で吸収させることができるので、結果的に太陽電池11の発電量を大きくすることができる。また、p型半導体層4とn型半導体層5とからなるpn接合面の面積を大きくして、光電変換効果を高めることができる。
なお、p型半導体層4とn型半導体層5との間に、p型ドーパントとn型ドーパントとが混在して電荷的に中和されてなるi型半導体(intrinsic semiconductor)層が設けられていてもよい。i型半導体層が設けられることにより形成されるpin接合は、pn接合と発電機能の点で大きな差はないためである。
無秩序な凹凸面で太陽光を様々な角度で屈折させて受光層2へ入射させるので、受光層2中での光路長を長くすることができる。その結果、太陽光をより効率的に受光層2で吸収させることができるので、結果的に太陽電池11の発電量を大きくすることができる。また、p型半導体層4とn型半導体層5とからなるpn接合面の面積を大きくして、光電変換効果を高めることができる。
なお、p型半導体層4とn型半導体層5との間に、p型ドーパントとn型ドーパントとが混在して電荷的に中和されてなるi型半導体(intrinsic semiconductor)層が設けられていてもよい。i型半導体層が設けられることにより形成されるpin接合は、pn接合と発電機能の点で大きな差はないためである。
<太陽電池の製造方法>
次に、本発明の実施形態である太陽電池の製造方法について説明する。
本発明の実施形態である太陽電池の製造方法は、基板上にp型ドーパントが添加された窒化インジウムガリウム粒子からなるp型半導体層を形成するp型半導体層形成工程と、前記p型半導体層の透光性電極側の面にn型ドーパントを添加してn型半導体層を形成するn型半導体層形成工程と、前記n型半導体層上に透光性電極を形成する透光性電極形成工程と、を有する。
次に、本発明の実施形態である太陽電池の製造方法について説明する。
本発明の実施形態である太陽電池の製造方法は、基板上にp型ドーパントが添加された窒化インジウムガリウム粒子からなるp型半導体層を形成するp型半導体層形成工程と、前記p型半導体層の透光性電極側の面にn型ドーパントを添加してn型半導体層を形成するn型半導体層形成工程と、前記n型半導体層上に透光性電極を形成する透光性電極形成工程と、を有する。
[p型半導体層形成工程]
p型半導体層形成工程は、p型ドーパントが添加されたインジウムガリウム複合塩粒子を分散させた塗布液を基板上に塗布してp型インジウムガリウム複合塩粒子からなる粒子層を形成する粒子層形成工程と、p型インジウムガリウム複合塩粒子からなる粒子層を窒化してp型窒化インジウムガリウム粒子層とする窒化工程と、からなる。
p型半導体層形成工程は、p型ドーパントが添加されたインジウムガリウム複合塩粒子を分散させた塗布液を基板上に塗布してp型インジウムガリウム複合塩粒子からなる粒子層を形成する粒子層形成工程と、p型インジウムガリウム複合塩粒子からなる粒子層を窒化してp型窒化インジウムガリウム粒子層とする窒化工程と、からなる。
<インジウムガリウム複合塩粒子の合成>
まず、インジウムガリウム複合塩粒子を生成する。
インジウムガリウム複合塩粒子は、水酸化物、酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、硫化物の郡から選ばれる1種以上の複合塩からなることが好ましい。これにより、平均粒径が0.01〜10μmのインジウムガリウム複合塩粒子を容易に形成できる。
まず、インジウムガリウム複合塩粒子を生成する。
インジウムガリウム複合塩粒子は、水酸化物、酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、硫化物の郡から選ばれる1種以上の複合塩からなることが好ましい。これにより、平均粒径が0.01〜10μmのインジウムガリウム複合塩粒子を容易に形成できる。
インジウムガリウム複合塩粒子の平均粒径は、0.01〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。
インジウムガリウム複合塩粒子の平均粒径が0.01μmより小さい場合には、受光層2の厚みを0.5〜10μmとした場合、薄膜化工程に時間が掛かり生産性の低下を招く。逆に、インジウムガリウム複合塩粒子の平均粒径が10μm以上である場合には、数個のインジウムガリウム複合塩粒子が重なった部分の受光層2の厚みが極端に厚くなって、突出する部分を形成し、前記突出する部分が透光性電極3を貫通して、電気的短絡を生じさせて太陽電池11での発電を不能とするおそれを発生させる場合が生じる。
インジウムガリウム複合塩粒子の平均粒径が0.01μmより小さい場合には、受光層2の厚みを0.5〜10μmとした場合、薄膜化工程に時間が掛かり生産性の低下を招く。逆に、インジウムガリウム複合塩粒子の平均粒径が10μm以上である場合には、数個のインジウムガリウム複合塩粒子が重なった部分の受光層2の厚みが極端に厚くなって、突出する部分を形成し、前記突出する部分が透光性電極3を貫通して、電気的短絡を生じさせて太陽電池11での発電を不能とするおそれを発生させる場合が生じる。
インジウムガリウム複合塩粒子の合成方法としては、一般に知られている気相、液相および固相で作製する方法であって、例えば、気相噴霧法、ゾルゲル法、アルコキシド法、共沈法、固相法から選ばれるいずれか1種以上からなる方法を用いることができる。これらの作製方法では、一般に、単一の分散したインジウムガリウム複合塩粒子を合成することは難しく、数個のインジウムガリウム複合塩粒子が凝集された状態で合成される。したがって、本実施形態のインジウムガリウム複合塩粒子の凝集状態は特に限定されない。
インジウムガリウム複合塩粒子の合成は、たとえば、次にようにして行う。
まず、硝酸インジウム三水和物、硝酸ガリウム九水和物などと、p型ドーパントとなる硝酸マグネシウムを、尿素とともに、純水に混合し、反応原料溶液を調整する。
次に、この反応原料溶液を入れたビーカーをウォーターバスに入れて80℃に昇温して、反応原料溶液を約3時間反応させる。反応開始時より徐々に上昇した反応原料溶液のpHに変化がなく、ほぼ一定になった後、pHが10を超える程度まで28%アンモニア水を添加して全ての金属元素を沈殿させ、白色の懸濁液を得る。
前記反応後の白色懸濁液を遠心分離機で処理した後、上澄み液をデカンテーションして含水固形分を回収する。この含水固形分を乾燥機にて300℃で5時間乾燥することにより、マグネシウムがドープされた酸化インジウムガリウム粒子などのようなp型インジウムガリウム複合塩粒子を得る。
まず、硝酸インジウム三水和物、硝酸ガリウム九水和物などと、p型ドーパントとなる硝酸マグネシウムを、尿素とともに、純水に混合し、反応原料溶液を調整する。
次に、この反応原料溶液を入れたビーカーをウォーターバスに入れて80℃に昇温して、反応原料溶液を約3時間反応させる。反応開始時より徐々に上昇した反応原料溶液のpHに変化がなく、ほぼ一定になった後、pHが10を超える程度まで28%アンモニア水を添加して全ての金属元素を沈殿させ、白色の懸濁液を得る。
前記反応後の白色懸濁液を遠心分離機で処理した後、上澄み液をデカンテーションして含水固形分を回収する。この含水固形分を乾燥機にて300℃で5時間乾燥することにより、マグネシウムがドープされた酸化インジウムガリウム粒子などのようなp型インジウムガリウム複合塩粒子を得る。
このように、インジウムガリウム複合塩粒子の合成の際、p型ドーパントをあらかじめ混入することによって、p型インジウムガリウム複合塩粒子を合成することができる。また、合成条件によってはp型ドーパントをインジウムガリウム複合塩粒子の表面近傍に偏析させることも可能である。これにより、p型半導体層4の抵抗を下げる可能性もある。
p型ドーパントとしては、窒化インジウムガリウム半導体で用いられているマグネシウムまたは亜鉛を用いる。
p型ドーパントとしては、窒化インジウムガリウム半導体で用いられているマグネシウムまたは亜鉛を用いる。
p型ドーパントの濃度は、p型キャリアとして活性化するのに必要な量であればよく、0.01〜10mol%が好ましく、0.1〜5mol%がより好ましい。
p型ドーパントの濃度が0.01mol%以下の場合には、p型半導体層4とn型半導体層5との界面で生じる電荷的な中和にp型ドーパントの大半が消費され、p型半導体層4中の正孔キャリアの量が著しく低下するので、太陽電池11からの電流の取り出し効率が悪くなる。逆に、p型ドーパントの濃度が10mol%以上である場合には、p型キャリアとして活性しない状態のものが多くなり、p型半導体層4中に不純物として残留することにより、活性キャリアの移動に障害を与えて、太陽電池11からの電流の取り出し効率を悪化させる。
p型ドーパントの濃度が0.01mol%以下の場合には、p型半導体層4とn型半導体層5との界面で生じる電荷的な中和にp型ドーパントの大半が消費され、p型半導体層4中の正孔キャリアの量が著しく低下するので、太陽電池11からの電流の取り出し効率が悪くなる。逆に、p型ドーパントの濃度が10mol%以上である場合には、p型キャリアとして活性しない状態のものが多くなり、p型半導体層4中に不純物として残留することにより、活性キャリアの移動に障害を与えて、太陽電池11からの電流の取り出し効率を悪化させる。
また、p型インジウムガリウム複合塩粒子の合成方法としては、表面にp型ドーパントを成膜または塗布した後、アニール処理することでインジウムガリウム複合塩粒子内に拡散させることも可能である。
<粒子層形成工程>
次に、インジウムガリウム粒子層を形成する。
粒子層形成工程は、p型ドーパントが添加されたインジウムガリウム複合塩粒子を分散させた塗布液を基板上に塗布してp型インジウムガリウム複合塩粒子からなる粒子層を形成する工程である。
次に、インジウムガリウム粒子層を形成する。
粒子層形成工程は、p型ドーパントが添加されたインジウムガリウム複合塩粒子を分散させた塗布液を基板上に塗布してp型インジウムガリウム複合塩粒子からなる粒子層を形成する工程である。
まず、p型ドーパントが添加されたインジウムガリウム複合塩粒子を溶媒に分散させた塗布液(インク)を調整する。インジウムガリウム複合塩粒子の濃度は、溶媒に完全に分散させることができるように適宜設定する。これにより、均一な膜厚の薄膜を形成することができる。
なお、インジウムガリウム複合塩粒子を含んだ塗布液(インク)の組成に特に制限は無い。また、分散剤、焼結助剤、チクソ剤等の添加物などの成分に関しては、太陽電池として電気特性に悪影響を及ぼさなければなんら制限がなく、添加することができる。焼結助剤を添加して焼結することにより、インジウムガリウム複合塩粒子を均一に焼結させて、その平均粒径を均一化することができる。
なお、インジウムガリウム複合塩粒子を含んだ塗布液(インク)の組成に特に制限は無い。また、分散剤、焼結助剤、チクソ剤等の添加物などの成分に関しては、太陽電池として電気特性に悪影響を及ぼさなければなんら制限がなく、添加することができる。焼結助剤を添加して焼結することにより、インジウムガリウム複合塩粒子を均一に焼結させて、その平均粒径を均一化することができる。
溶媒としては、インジウムガリウム複合塩粒子と分散剤、焼結助剤、チクソ剤等の添加物を分散させることが可能であり、熱処理で分解する揮発性の液体であればなんら制限はなく使用でき、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールから選ばれるいずれか1種以上からなる混合物を用いることが好ましい。これにより、溶媒に完全に分散させることができ、均一な膜厚の薄膜を形成することができる。
次に、基板1の一面を洗浄・乾燥した後、基板1上に塗布液(インク)を塗付し、これを乾燥してp型インジウムガリウム複合塩粒子層とする。
塗布液の塗布方法は、薄膜形成のための既知の塗布方法を用いることができ、例えば、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法、スプレー噴霧法、スピンコート法から選ばれるいずれか1種以上からなる方法を使用することができる。さらに、必要な膜厚を得るために複数回の薄膜形成工程を繰り返しても良い。
塗布後、たとえば、オーブンで300℃、2時間保持して乾燥することにより、溶媒等を揮発除去する。これにより、たとえば、基板1上に、所望の膜厚のp型インジウムガリウム複合塩粒子からなる薄膜(p型インジウムガリウム複合塩粒子層)を形成できる。
塗布液の塗布方法は、薄膜形成のための既知の塗布方法を用いることができ、例えば、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法、スプレー噴霧法、スピンコート法から選ばれるいずれか1種以上からなる方法を使用することができる。さらに、必要な膜厚を得るために複数回の薄膜形成工程を繰り返しても良い。
塗布後、たとえば、オーブンで300℃、2時間保持して乾燥することにより、溶媒等を揮発除去する。これにより、たとえば、基板1上に、所望の膜厚のp型インジウムガリウム複合塩粒子からなる薄膜(p型インジウムガリウム複合塩粒子層)を形成できる。
<窒化工程>
次に、窒化工程を行う。これは、p型インジウムガリウム複合塩粒子層を窒化してp型窒化インジウムガリウム粒子層とする工程である。ここでの窒化は、アンモニアガスを流した状態(アンモニア通気下)で熱処理を行う処理である。
アンモニアガスの純度は、高い方が好ましく、99.99%以上が好ましく、99.999%以上がより好ましい。これにより、効率よく複合塩を窒化物に変換できる。なお、アンモニアのガスとして、p型インジウムガリウム複合塩粒子を還元し、窒化を補助するために、アンモニアに水素を混在させた混合気体を用いることも可能である。この際、水素の混合割合は1〜20体積%が好ましく、さらに好ましくは5〜10体積%である。
次に、窒化工程を行う。これは、p型インジウムガリウム複合塩粒子層を窒化してp型窒化インジウムガリウム粒子層とする工程である。ここでの窒化は、アンモニアガスを流した状態(アンモニア通気下)で熱処理を行う処理である。
アンモニアガスの純度は、高い方が好ましく、99.99%以上が好ましく、99.999%以上がより好ましい。これにより、効率よく複合塩を窒化物に変換できる。なお、アンモニアのガスとして、p型インジウムガリウム複合塩粒子を還元し、窒化を補助するために、アンモニアに水素を混在させた混合気体を用いることも可能である。この際、水素の混合割合は1〜20体積%が好ましく、さらに好ましくは5〜10体積%である。
アンモニア通気下の熱処理の温度は、500〜1100℃が好ましい。アンモニア通気下の熱処理の温度を500〜1100℃とすることにより、窒化は十分可能である。
アンモニア通気下の熱処理の温度が500℃以下の場合には、アンモニアがほとんど活性化せず、完全な窒化ができないことがあるとともに、完全窒化に要する時間が膨大に長くなり品質および生産性に支障を来たすことがある。
逆に、アンモニア通気下の熱処理の温度が1100℃以上の高温で処理する場合には、エネルギーコストをむやみに増やすこととなり、製造コストを上げることになるので好ましくない。
アンモニア通気下の熱処理の温度が500℃以下の場合には、アンモニアがほとんど活性化せず、完全な窒化ができないことがあるとともに、完全窒化に要する時間が膨大に長くなり品質および生産性に支障を来たすことがある。
逆に、アンモニア通気下の熱処理の温度が1100℃以上の高温で処理する場合には、エネルギーコストをむやみに増やすこととなり、製造コストを上げることになるので好ましくない。
このアンモニア通気下での熱処理により、隣り合うp型窒化インジウムガリウム粒子同士の接触面が互いに結着する。接触面が結着した粒子界面(粒界)が多く形成されることにより、粒子同士の連結状態が良好にされ、粒子内で発生したキャリアの移動が円滑となる。
なお、小粒径から大粒径まで粒径分布があることで、粒子の充填密度を高くすることができ、上記の接触面が結着した粒界を数多く形成することができるので、粒子の粒径分布を調整することが好ましい。
なお、小粒径から大粒径まで粒径分布があることで、粒子の充填密度を高くすることができ、上記の接触面が結着した粒界を数多く形成することができるので、粒子の粒径分布を調整することが好ましい。
p型窒化インジウムガリウム粒子層の厚みは0.5〜10μmとすることが好ましく、1〜5μmとすることがより好ましい。
p型窒化インジウムガリウム粒子層の膜厚が0.5μm以下の場合には、窒化ガリウムインジウムの吸収係数を考慮すると、受光層2が十分光が吸収できないこととなり、光電変換効率が低くなる。逆に、p型窒化インジウムガリウム粒子層の膜厚が10μm以上の場合には、太陽電池11の電極間の直列抵抗成分が大きくなり、光電変換効率が低くなるので好ましくない。
p型窒化インジウムガリウム粒子層の膜厚が0.5μm以下の場合には、窒化ガリウムインジウムの吸収係数を考慮すると、受光層2が十分光が吸収できないこととなり、光電変換効率が低くなる。逆に、p型窒化インジウムガリウム粒子層の膜厚が10μm以上の場合には、太陽電池11の電極間の直列抵抗成分が大きくなり、光電変換効率が低くなるので好ましくない。
なお、窒化インジウムガリウム粒子層の形成方法としては、本実施形態で示した方法ではなく、インジウムガリウム複合塩粒子をアンモニア通気化で熱処理し、あらかじめ窒化インジウムガリウム粒子を得た後に、インク化して薄膜塗布し、さらに熱処理することで薄膜を得る方法を用いても良い。
すなわち、p型ドーパントが添加されたインジウムガリウム複合塩粒子を窒化してp型窒化インジウムガリウム粒子とする窒化工程と、p型窒化インジウムガリウム粒子を分散させた塗布液を導電性基板上に塗布してp型窒化インジウムガリウム粒子からなる粒子層を形成する粒子層形成工程と、からなるp型半導体層形成工程を採用しても良い。以下、この工程について説明する。
<窒化工程>
まず、インジウムガリウム複合塩粒子を窒化して窒化インジウムガリウム粒子とする。
先に記載した窒化工程と同様に、ここでの窒化は、アンモニアガスを流した状態(アンモニア通気下)で熱処理を行う処理である。
アンモニアガスの純度は、高い方が好ましく、99.99%以上が好ましく、99.999%以上がより好ましい。これにより、効率よく複合塩を窒化物に変換できる。なお、アンモニアのガスとして、インジウムガリウム複合塩粒子を還元し、窒化を補助するために、アンモニアに水素を混在させた混合気体を用いることも可能である。この際、水素の混合割合は1〜20体積%が好ましく、さらに好ましくは5〜10体積%である。
まず、インジウムガリウム複合塩粒子を窒化して窒化インジウムガリウム粒子とする。
先に記載した窒化工程と同様に、ここでの窒化は、アンモニアガスを流した状態(アンモニア通気下)で熱処理を行う処理である。
アンモニアガスの純度は、高い方が好ましく、99.99%以上が好ましく、99.999%以上がより好ましい。これにより、効率よく複合塩を窒化物に変換できる。なお、アンモニアのガスとして、インジウムガリウム複合塩粒子を還元し、窒化を補助するために、アンモニアに水素を混在させた混合気体を用いることも可能である。この際、水素の混合割合は1〜20体積%が好ましく、さらに好ましくは5〜10体積%である。
アンモニア通気下の熱処理の温度は、500〜1100℃が好ましい。アンモニア通気下の熱処理の温度を500〜1100℃とすることにより、窒化は十分可能である。
アンモニア通気下の熱処理の温度が500℃以下の場合には、アンモニアがほとんど活性化せず、完全な窒化ができないことがあるとともに、完全窒化に要する時間が膨大に長くなり品質および生産性に支障を来たすことがある。
逆に、アンモニア通気下の熱処理の温度が1100℃以上の高温で処理する場合には、エネルギーコストをむやみに増やすこととなり、製造コストを上げることになるので好ましくない。
アンモニア通気下の熱処理の温度が500℃以下の場合には、アンモニアがほとんど活性化せず、完全な窒化ができないことがあるとともに、完全窒化に要する時間が膨大に長くなり品質および生産性に支障を来たすことがある。
逆に、アンモニア通気下の熱処理の温度が1100℃以上の高温で処理する場合には、エネルギーコストをむやみに増やすこととなり、製造コストを上げることになるので好ましくない。
<粒子層形成工程>
次に、窒化インジウムガリウム粒子層を形成する。
粒子層形成工程は、p型ドーパントが添加された窒化インジウムガリウム粒子を分散させた塗布液を基板上に塗布してp型窒化インジウムガリウム粒子からなる粒子層を形成する工程である。
次に、窒化インジウムガリウム粒子層を形成する。
粒子層形成工程は、p型ドーパントが添加された窒化インジウムガリウム粒子を分散させた塗布液を基板上に塗布してp型窒化インジウムガリウム粒子からなる粒子層を形成する工程である。
まず、p型ドーパントが添加された窒化インジウムガリウム粒子を溶媒に分散させた塗布液(インク)を調整する。窒化インジウムガリウム粒子の濃度は、溶媒に完全に分散させることができるように適宜設定する。これにより、均一な膜厚の薄膜を形成することができる。
なお、窒化インジウムガリウム粒子を含んだ塗布液(インク)の組成に特に制限は無い。また、分散剤、焼結助剤(ホウ素−亜鉛系酸化物)、チクソ剤等の添加物などの成分に関しては、太陽電池として電気特性に悪影響を及ぼさなければなんら制限がなく、添加することができる。焼結助剤(ホウ素−亜鉛系酸化物)を添加して焼結することにより、窒化インジウムガリウム粒子を均一に焼結させて、その平均粒径を均一化することができる。
なお、窒化インジウムガリウム粒子を含んだ塗布液(インク)の組成に特に制限は無い。また、分散剤、焼結助剤(ホウ素−亜鉛系酸化物)、チクソ剤等の添加物などの成分に関しては、太陽電池として電気特性に悪影響を及ぼさなければなんら制限がなく、添加することができる。焼結助剤(ホウ素−亜鉛系酸化物)を添加して焼結することにより、窒化インジウムガリウム粒子を均一に焼結させて、その平均粒径を均一化することができる。
溶媒としては、窒化インジウムガリウム粒子と分散剤、焼結助剤、チクソ剤等の添加物を分散させることが可能であり、熱処理で分解する揮発性の液体であればなんら制限はなく使用でき、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールから選ばれるいずれか1種以上からなる混合物を用いることが好ましい。これにより、溶媒に完全に分散させることができ、均一な膜厚の薄膜を形成することができる。
次に、基板1の一面を洗浄・乾燥した後、基板1上に塗布液(インク)を塗付し、これを乾燥してp型窒化インジウムガリウム粒子層とする。
塗布液の塗布方法は、薄膜形成のための既知の塗布方法を用いることができ、例えば、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法、スプレー噴霧法、スピンコート法から選ばれるいずれか1種以上からなる方法を使用することができる。さらに、必要な膜厚を得るために複数回の薄膜形成工程を繰り返しても良い。
塗布後、たとえば、オーブンで300℃、2時間保持して乾燥することにより、溶媒等を揮発除去する。これにより、たとえば、基板1上に、所望の膜厚のp型窒化インジウムガリウム粒子からなる薄膜(p型窒化インジウムガリウム粒子層)を形成できる。
塗布液の塗布方法は、薄膜形成のための既知の塗布方法を用いることができ、例えば、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法、スプレー噴霧法、スピンコート法から選ばれるいずれか1種以上からなる方法を使用することができる。さらに、必要な膜厚を得るために複数回の薄膜形成工程を繰り返しても良い。
塗布後、たとえば、オーブンで300℃、2時間保持して乾燥することにより、溶媒等を揮発除去する。これにより、たとえば、基板1上に、所望の膜厚のp型窒化インジウムガリウム粒子からなる薄膜(p型窒化インジウムガリウム粒子層)を形成できる。
[n型半導体層形成工程]
n型半導体層形成工程は、p型半導体層の透光性電極側の面にn型ドーパントを添加してn型半導体層を形成する工程である。
n型ドーパントとしては、半導体製造において従来公知のn型ドーパントをいずれも用いることが可能であるが、Si(シリコン)またはシリコンを含む化合物が好ましい。
n型半導体層形成工程は、p型半導体層の透光性電極側の面にn型ドーパントを添加してn型半導体層を形成する工程である。
n型ドーパントとしては、半導体製造において従来公知のn型ドーパントをいずれも用いることが可能であるが、Si(シリコン)またはシリコンを含む化合物が好ましい。
p型半導体層の透光性電極側の面にn型ドーパントをドーピングする方法としては、従来公知の化学的または物理的方法を用いることができ、たとえば、スパッタ法、蒸着法、スプレー噴霧法、塗布法などを用いることができる。
たとえば、スパッタ法または蒸着法では、まず、シリコンターゲットまたは蒸着源を用いて、p型半導体層の透光性電極側の面にn型ドーパントシリコンを成膜する。その後、アニール処理(熱処理)を行って、シリコン以外の元素を除去し、シリコンをp型窒化インジウムガリウム粒子表面に拡散させてn型半導体層を形成する。
たとえば、スパッタ法または蒸着法では、まず、シリコンターゲットまたは蒸着源を用いて、p型半導体層の透光性電極側の面にn型ドーパントシリコンを成膜する。その後、アニール処理(熱処理)を行って、シリコン以外の元素を除去し、シリコンをp型窒化インジウムガリウム粒子表面に拡散させてn型半導体層を形成する。
スプレー噴霧法または塗布法では、シリコンを含み、熱処理で揮発分解する化合物を溶解させた溶液をスプレー噴霧または塗布して、p型半導体層の透光性電極側の面にn型ドーパントシリコンを成膜する。その後、アニール処理(熱処理)を行って、シリコン以外の元素を除去し、シリコンをp型窒化インジウムガリウム粒子表面に拡散させてn型半導体層を形成する。
シリコンを含み、熱処理で揮発分解する化合物としては、一般的なアルコキシシラン類やシラザン類より選ぶことが可能であり、例えば、TMOS(テトラメトキシシラン)、TEOS(テトラエトキシシラン)、ヘキサメチルジシラザンなどを用いることができる。
なお、シリコンをp型窒化インジウムガリウム粒子の表面近傍にドーピングする方法に特に制限はなく、また複数の工程を用いてシリコンをドーピングしてもよい。
シリコンを含み、熱処理で揮発分解する化合物としては、一般的なアルコキシシラン類やシラザン類より選ぶことが可能であり、例えば、TMOS(テトラメトキシシラン)、TEOS(テトラエトキシシラン)、ヘキサメチルジシラザンなどを用いることができる。
なお、シリコンをp型窒化インジウムガリウム粒子の表面近傍にドーピングする方法に特に制限はなく、また複数の工程を用いてシリコンをドーピングしてもよい。
以下、アニール処理(熱処理)の一例であって、三段階の熱処理について説明する。
一段目の熱処理は、炭素、水素を除去するための熱処理であって、酸素が存在する雰囲気下での熱処理である。この熱処理温度は、200〜600℃が好ましく、300〜500℃がより好ましい。
酸素が存在する雰囲気は、酸素を含む気体の存在下であれば特に制限はなく、前記気体としては、例えば、大気、酸素、水蒸気などを用いることができる。また、不活性ガスである窒素、アルゴンなどに酸素を含有させた混合気体も用いてもよい。
一段目の熱処理は、炭素、水素を除去するための熱処理であって、酸素が存在する雰囲気下での熱処理である。この熱処理温度は、200〜600℃が好ましく、300〜500℃がより好ましい。
酸素が存在する雰囲気は、酸素を含む気体の存在下であれば特に制限はなく、前記気体としては、例えば、大気、酸素、水蒸気などを用いることができる。また、不活性ガスである窒素、アルゴンなどに酸素を含有させた混合気体も用いてもよい。
二段目の熱処理は、残留した酸素を還元除去するための熱処理であって、還元雰囲気での熱処理である。この熱処理は、還元雰囲気で行う限り特に制限は無い。熱処理温度は、酸素が還元され、シリコンが拡散する温度であれば特に制限は無いが、200〜600℃が好ましく、400〜500℃がより好ましい。
前記還元雰囲気は、窒素と水素の混合気体を用いて形成することが好ましい。このとき、窒素に対する水素の濃度は1〜50体積%が好ましく、30〜40体積%がより好ましい。
前記還元雰囲気は、窒素と水素の混合気体を用いて形成することが好ましい。このとき、窒素に対する水素の濃度は1〜50体積%が好ましく、30〜40体積%がより好ましい。
三段目の熱処理は、シリコンをp型窒化インジウムガリウム粒子の表面近傍に拡散させてn型半導体層を形成するための熱処理であって、還元雰囲気での熱処理である。この熱処理は、還元雰囲気で行う限り特に制限は無い。熱処理温度は、酸素が還元され、シリコンが拡散する温度であれば特に制限は無いが、200〜600℃が好ましい。前記還元雰囲気は、窒素を用いて形成することが好ましい。
一段目〜三段目の熱処理は別々の熱処理装置で行っても良く、または同じ熱処理装置内で連続して行ってもよい。
これにより、p型窒化インジウムガリウム粒子層の表面をn型化することができる。
一段目〜三段目の熱処理は別々の熱処理装置で行っても良く、または同じ熱処理装置内で連続して行ってもよい。
これにより、p型窒化インジウムガリウム粒子層の表面をn型化することができる。
なお、前記n型半導体層形成工程で、前記p型半導体層の透光性電極側の面にn型ドーパントを添加してn型半導体層を形成すると同時に、前記p型半導体層と前記n型半導体層との間にp型ドーパントとn型ドーパントとが混在して導電性が中和されてなるi型半導体層を形成してもよい。
p型半導体層の透光性電極側の面にシリコンが拡散されると、p型半導体層4の表面近傍にn型半導体層5が形成され、両層の界面にpn接合が形成される。このとき、p型ドーパントとn型ドーパントが作用して、p型層とn型層の間に電荷的に中和したi層半導体層が形成される場合がある。これにより、p型半導体層4の表面近傍にpin接合が形成されることとなるが、pn接合およびpin接合はいずれも発電機能に大きな差はなく、どちらの形態も好ましく用いることができる。
なお、このようにして形成された受光層2は窒化インジウムガリウム粒子で構成されているため、受光層2の透光性電極側の面(受光層の最表面)が無秩序な凹凸面とされる。無秩序な凹凸面により、太陽光は様々な角度で屈折されて受光層2に入射されて、受光層2中での光路長を長くする。これにより、受光層2が太陽光をより効率的に吸収することができ、結果的に太陽電池11の発電量を大きくする。
[透光性電極形成工程]
透光性電極形成工程は、n型半導体層上に透光性電極を形成する工程である。透光性電極3の形成方法としては、従来公知のいずれの形成方法を用いることができるが、蒸着法、スパッタ法、スプレー噴霧法、印刷法が好ましく、スプレー噴霧法、印刷法がより好ましい。スプレー噴霧法、印刷法は、高価な真空製造プロセスを用いないので、太陽電池の製造コストを下げることができる。
以上のようにして、太陽電池11を製造する。
透光性電極形成工程は、n型半導体層上に透光性電極を形成する工程である。透光性電極3の形成方法としては、従来公知のいずれの形成方法を用いることができるが、蒸着法、スパッタ法、スプレー噴霧法、印刷法が好ましく、スプレー噴霧法、印刷法がより好ましい。スプレー噴霧法、印刷法は、高価な真空製造プロセスを用いないので、太陽電池の製造コストを下げることができる。
以上のようにして、太陽電池11を製造する。
太陽電池11は必要な大きさにカットできる。任意の大きさにカットした複数の太陽電池11を、電流を大きくしたいときは並列に接続し、電圧を大きくしたいときは直列に接続することができる。
また、太陽電池11は屋外に設置する場合が多いので、熱、湿気、乾燥、光、雰囲気ガスなどに対する耐候性が必要とされる。そのため、熱、湿気、乾燥、光、雰囲気ガスを防止または抑制するコーティングを太陽電池11の表面、たとえば、透光性電極3の受光層と反対側の面3aおよび導電性基板1の受光層と反対側の面1bにしてもよい。
(実施形態2)
図2は、本発明の実施形態である太陽電池の別の一例を説明する断面図である。
図2に示すように、本発明の実施形態である太陽電池12は、基板1が一面6aに導電性層7が形成された絶縁性基板6であるほかは実施形態1と同様の構成とされている。
図2は、本発明の実施形態である太陽電池の別の一例を説明する断面図である。
図2に示すように、本発明の実施形態である太陽電池12は、基板1が一面6aに導電性層7が形成された絶縁性基板6であるほかは実施形態1と同様の構成とされている。
<絶縁性基板>
絶縁性基板6の材料としては、樹脂、プラスチック、ガラス、セラミックスから選ばれる1種以上の絶縁性材料が好ましく、耐候性および耐久性の高いフッ素系樹脂や、耐久性が高く価格の安いガラスがより好ましい。
絶縁性基板6の形態としては特に制限されず、板状またはフィルム状のような形態を用いることができる。たとえば、樹脂やプラスチック材料であれば板状またはフィルム状にして用い、ガラスやセラミックス材料であれば板状にして用いる。
絶縁性基板6の材料としては、樹脂、プラスチック、ガラス、セラミックスから選ばれる1種以上の絶縁性材料が好ましく、耐候性および耐久性の高いフッ素系樹脂や、耐久性が高く価格の安いガラスがより好ましい。
絶縁性基板6の形態としては特に制限されず、板状またはフィルム状のような形態を用いることができる。たとえば、樹脂やプラスチック材料であれば板状またはフィルム状にして用い、ガラスやセラミックス材料であれば板状にして用いる。
<導電性層>
導電性層7は電極としての機能を備えており、絶縁性基板6の一面(受光層側の面)6aに形成されていれば、形態になんら制限は無く用いられる。
導電性層7の材料としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、錫、銅、銀、白金、チタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、インジウム、モリブデン、クロム、タングステンから選ばれる1種以上の材料であることが好ましく、鉄、タンタル、モリブデン、クロムから選ばれる1種類以上の材料であることがより好ましい。鉄、タンタル、モリブデン、クロムから選ばれる1種類以上の材料は、アンモニアに対して耐性を有するためである。
導電性層7は電極としての機能を備えており、絶縁性基板6の一面(受光層側の面)6aに形成されていれば、形態になんら制限は無く用いられる。
導電性層7の材料としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、錫、銅、銀、白金、チタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、インジウム、モリブデン、クロム、タングステンから選ばれる1種以上の材料であることが好ましく、鉄、タンタル、モリブデン、クロムから選ばれる1種類以上の材料であることがより好ましい。鉄、タンタル、モリブデン、クロムから選ばれる1種類以上の材料は、アンモニアに対して耐性を有するためである。
さらに、導電性層7の材料としてアンモニアに対して耐性の低いアルミニウムなどの材料を用いた場合には、導電性層7の受光層側の面7aにモリブデン、クロム、タングステンから選ばれる1種類以上の材料からなるコーティング層をその表面を覆うように形成することが好ましい。これにより、導電性層7をアンモニアから保護することができる。
導電性層7を、あらかじめ絶縁性基板6の上に形成してから、受光層2、透光性電極3を形成して、本実施形態の太陽電池12を作製してもよいが、箔状に形成した導電性層7の上に受光層2、透光性電極3を形成した後に、絶縁性基板6と導電性層7を接着して、本実施形態の太陽電池12を作製してもよい。この際、周知の接着材料をなんら制限無く用いることができる。
<太陽電池モジュール>
本発明の実施形態である太陽電池モジュールは、本発明の実施形態である太陽電池11、12と、太陽電池11、12を覆う樹脂(図示略)と、を有する。
前記樹脂は、透光性があり耐候性があれば公知のいずれの材料を用いることができるが、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)、FEP(パーフルオロエチレン−プロペンコポリマー)から選ばれる1種以上からなることが好ましい。
これにより、水分や酸素などの受光層2への浸入を防いで、受光層2の劣化を抑制することができる。その結果、太陽電池11、12の耐環境特性、信頼性および寿命を向上させることができる。
本発明の実施形態である太陽電池モジュールは、本発明の実施形態である太陽電池11、12と、太陽電池11、12を覆う樹脂(図示略)と、を有する。
前記樹脂は、透光性があり耐候性があれば公知のいずれの材料を用いることができるが、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)、FEP(パーフルオロエチレン−プロペンコポリマー)から選ばれる1種以上からなることが好ましい。
これにより、水分や酸素などの受光層2への浸入を防いで、受光層2の劣化を抑制することができる。その結果、太陽電池11、12の耐環境特性、信頼性および寿命を向上させることができる。
本発明の実施形態である太陽電池11、12は、受光層はp型半導体層4とn型半導体層5の少なくとも2層を有しており、p型半導体層4は窒化インジウムガリウム粒子44からなる薄膜層にp型ドーパントが添加されてなり、n型半導体層5はp型半導体層4の透光性電極側の面4aにn型ドーパントが添加されてなる構成なので、量産性、製造コストおよび光電変換効率に優れた太陽電池11、12とすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池11、12は、受光層として窒化インジウムガリウム粒子44からなるp型半導体層4を有する構成なので、窒化インジウムガリウム粒子44のインジウムとガリウムの組成比を変えることにより、0.7eV〜3.4eVの広い範囲のバンドギャップとして、太陽光スペクトルとしては365〜1771nmの範囲の光に感度を持たせることができるので、広い範囲の太陽光スペクトルを発電に利用して、太陽電池11、12の光電変換効率を向上させることができる。
本発明の実施形態である太陽電池11、12は、窒化インジウムガリウム粒子44を用いて受光層2を形成する構成なので、その透光性電極側の面5aに窒化インジウムガリウム粒子44に由来する無秩序な凹凸を形成して、実質的な受光面積を格段に増加させ、より効率的に太陽光を吸収させることができる。
本発明の実施形態である太陽電池11、12は、p型半導体層とn型半導体層との間に、p型ドーパントとn型ドーパントとが混在して電荷的に中和されてなるi型半導体層が設けられている構成なので、広い範囲の太陽光スペクトルを発電に利用して、太陽電池11、12の光電変換効率を向上させることができる。
本発明の実施形態である太陽電池11、12は、p型ドーパントがMgまたはZnのいずれかであり、n型ドーパントがSiまたはSiを含む化合物のいずれかである構成なので、容易に所望の濃度のp型半導体層4、n型半導体層5を形成することができる。
本発明の実施形態である太陽電池11、12は、p型ドーパントがMgまたはZnのいずれかであり、n型ドーパントがSiまたはSiを含む化合物のいずれかである構成なので、容易に所望の濃度のp型半導体層4、n型半導体層5を形成することができる。
本発明の実施形態である太陽電池11、12は、窒化インジウムガリウム粒子がInxGa1−xN(0.2<x<1)である構成なので、短波長領域の光を吸収させず、効率的な発電をすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池11、12は、窒化インジウムガリウム粒子がInxGa1−xN(0.4<x<1)である構成なので、より広い範囲の波長を利用でき、より効率的な発電をすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池11、12は、窒化インジウムガリウム粒子がInxGa1−xN(0.6<x<1)である構成なので、太陽電池11、12の受光層2のバンドギャップを理論的な最大光電変換効率が得られるバンドギャップ1.3〜1.5eVに近い値とすることができ、さらに効率的な発電をすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池11、12は、窒化インジウムガリウム粒子の平均粒径が0.01〜10μmである構成なので、均一に凝集した膜を形成することができる。
本発明の実施形態である太陽電池11、12は、窒化インジウムガリウム粒子がInxGa1−xN(0.4<x<1)である構成なので、より広い範囲の波長を利用でき、より効率的な発電をすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池11、12は、窒化インジウムガリウム粒子がInxGa1−xN(0.6<x<1)である構成なので、太陽電池11、12の受光層2のバンドギャップを理論的な最大光電変換効率が得られるバンドギャップ1.3〜1.5eVに近い値とすることができ、さらに効率的な発電をすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池11、12は、窒化インジウムガリウム粒子の平均粒径が0.01〜10μmである構成なので、均一に凝集した膜を形成することができる。
本発明の実施形態である太陽電池11、12は、受光層2の透光性電極側の面5aが無秩序な凹凸面とされている構成なので、実質的な受光面積を格段に増加させ、より効率的に太陽光を吸収させることができる。また、その凹凸面で光が様々な方向に屈折して入射されることにより受光層2内部の光路長を長くして、膜厚を薄くしても効率的に太陽光を吸収させることができる。さらに、粒子を用いて凹凸を形成することは、光閉じ込め効果を促進し、光電変換効率が高い太陽電池11、12とすることができる。さらにまた、この凹凸は、シリコン太陽電池で行われているように表面を複雑な方法でエッチングして形成する必要がなく、塗布法で容易に形成できる構成なので、太陽電池11、12の製造コストを大幅に下げることができる。
本発明の実施形態である太陽電池11、12は、基板1が導電性基板8または一面に導電性層7が形成された絶縁性基板6である構成なので、電極として機能できる程度の導電性を有し、少なくとも太陽電池11の製造時のベース材として必要とされる程度の硬度を備えた太陽電池11とすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池11は、導電性基板8がアルミニウム、鉄、ニッケル、錫、銅、銀、白金、チタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、インジウム、モリブデン、クロム、タングステンから選ばれる1種以上からなる構成なので、電極として機能できる程度の導電性を有し、少なくとも太陽電池11の製造時のベース材として必要とされる程度の硬度を備えた太陽電池11とすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池12は、絶縁性基板6が樹脂、プラスチック、ガラス、セラミックスから選ばれる1種以上からなり、導電性層7が、アルミニウム、鉄、ニッケル、錫、銅、銀、白金、チタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、インジウム、モリブデン、クロム、タングステンから選ばれる1種以上からなる構成なので、電極として機能できる程度の導電性を有し、少なくとも太陽電池12の製造時のベース材として必要とされる程度の硬度を備えた太陽電池12とすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池11、12は、透光性電極3が酸化インジウム錫、酸化インジウム亜鉛、酸化アルミ亜鉛、酸化ガリウム亜鉛から選ばれる1種以上からなる構成なので、導電性および透過性に優れた透光性電極3を備えた太陽電池11、12として、光電変換効率が高い太陽電池11、12とすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池モジュールは、先に記載された太陽電池11、12と、太陽電池11、12を覆う樹脂と、を有する構成なので、水分や酸素などの受光層2への浸入を防いで、受光層2の劣化を抑制することができ、太陽電池11、12の耐環境特性、信頼性および寿命を向上させることができる。
本発明の実施形態である太陽電池モジュールは、前記樹脂がエチレン−テトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン、パーフルオロエチレン−プロペンコポリマーから選ばれる1種以上からなる構成なので、量産性、製造コストおよび光電変換効率に優れた太陽電池モジュールとすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池モジュールは、前記樹脂がエチレン−テトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン、パーフルオロエチレン−プロペンコポリマーから選ばれる1種以上からなる構成なので、量産性、製造コストおよび光電変換効率に優れた太陽電池モジュールとすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池の製造方法は、基板1上にp型ドーパントが添加された窒化インジウムガリウム粒子44からなるp型半導体層4を形成するp型半導体層形成工程と、p型半導体層4の透光性電極側の面4aにn型ドーパントを添加してn型半導体層5を形成するn型半導体層形成工程と、n型半導体層5上に透光性電極3を形成する透光性電極形成工程と、を有する構成なので、量産性、製造コストおよび光電変換効率に優れた太陽電池の製造方法とすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池の製造方法は、n型半導体層形成工程で、p型半導体層4の透光性電極側の面4aにn型ドーパントを添加してn型半導体層5を形成すると同時に、p型半導体層4とn型半導体層5との間にp型ドーパントとn型ドーパントとが混在して電荷的に中和されてなるi型半導体層を形成する構成なので、量産性、製造コストおよび光電変換効率に優れた太陽電池の製造方法とすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池の製造方法は、p型半導体層形成工程が、p型ドーパントが添加されたインジウムガリウム複合塩粒子を分散させた塗布液を基板上に塗布してp型インジウムガリウム複合塩粒子からなる粒子層を形成する粒子層形成工程と、
p型インジウムガリウム複合塩粒子からなる粒子層を窒化してp型窒化インジウムガリウム粒子層44とする窒化工程と、からなる構成なので、量産性、製造コストおよび光電変換効率に優れた太陽電池の製造方法とすることができる。
p型インジウムガリウム複合塩粒子からなる粒子層を窒化してp型窒化インジウムガリウム粒子層44とする窒化工程と、からなる構成なので、量産性、製造コストおよび光電変換効率に優れた太陽電池の製造方法とすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池の製造方法は、p型半導体層形成工程が、p型ドーパントが添加されたインジウムガリウム複合塩粒子を窒化してp型窒化インジウムガリウム粒子44とする窒化工程と、p型窒化インジウムガリウム粒子44を分散させた塗布液を導電性基板上に塗布してp型窒化インジウムガリウム粒子44からなる粒子層を形成する粒子層形成工程と、からなる構成なので、量産性、製造コストおよび光電変換効率に優れた太陽電池の製造方法とすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池の製造方法は、窒化工程が、アンモニア通気下で500℃〜1100℃の熱処理を行う工程である構成なので、量産性、製造コストおよび光電変換効率に優れた太陽電池の製造方法とすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池の製造方法は、インジウムガリウム複合塩粒子が、水酸化物、酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、硫化物から選ばれる1種以上の複合塩からなる構成なので、量産性、製造コストおよび光電変換効率に優れた太陽電池の製造方法とすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池の製造方法は、p型ドーパントがMgまたはZnのいずれかであり、n型ドーパントがSiまたはSiを含む化合物のいずれかである構成なので、量産性、製造コストおよび光電変換効率に優れた太陽電池の製造方法とすることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
本発明の実施形態である太陽電池の製造方法は、インジウムガリウム複合塩粒子が、水酸化物、酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、硫化物から選ばれる1種以上の複合塩からなる構成なので、量産性、製造コストおよび光電変換効率に優れた太陽電池の製造方法とすることができる。
本発明の実施形態である太陽電池の製造方法は、p型ドーパントがMgまたはZnのいずれかであり、n型ドーパントがSiまたはSiを含む化合物のいずれかである構成なので、量産性、製造コストおよび光電変換効率に優れた太陽電池の製造方法とすることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
<インジウムガリウム複合塩粒子の作製>
まず、硝酸インジウム三水和物(和光純薬工業製)0.004モルと、硝酸ガリウム九水和物(和光純薬工業製)0.001モルと、硝酸マグネシウム(関東化学製)0.00025モルと、純水100mlと、を混合した水溶液に尿素(和光純薬工業製)0.5モルを添加して反応原料溶液とした。
次に、この反応原料溶液を入れたビーカーをウォーターバスに入れて80℃に昇温して、反応原料溶液を約3時間反応させた。反応開始時より徐々に上昇した反応原料溶液のpHに変化がなく、ほぼ一定になった後、pHが10を超える程度まで28%アンモニア水を添加して全ての金属元素を沈殿させ、白色の懸濁液を得た。
<インジウムガリウム複合塩粒子の作製>
まず、硝酸インジウム三水和物(和光純薬工業製)0.004モルと、硝酸ガリウム九水和物(和光純薬工業製)0.001モルと、硝酸マグネシウム(関東化学製)0.00025モルと、純水100mlと、を混合した水溶液に尿素(和光純薬工業製)0.5モルを添加して反応原料溶液とした。
次に、この反応原料溶液を入れたビーカーをウォーターバスに入れて80℃に昇温して、反応原料溶液を約3時間反応させた。反応開始時より徐々に上昇した反応原料溶液のpHに変化がなく、ほぼ一定になった後、pHが10を超える程度まで28%アンモニア水を添加して全ての金属元素を沈殿させ、白色の懸濁液を得た。
前記反応後の白色懸濁液を遠心分離機で処理した後、上澄み液をデカンテーションして含水固形分を回収した。この含水固形分を乾燥機にて300℃で5時間乾燥することによりインジウムガリウム複合塩粒子を得た。
<インジウムガリウム複合塩粒子の評価>
回折X線分析装置(パナリティカル製)での分析の結果、得られたインジウムガリウム複合塩粒子が酸化インジウムガリウム粒子であることが分かった。
また、蛍光X線分析装置(リガク製)で分析した結果、インジウム81mol%、ガリウム19mol%の組成比であることが分かった。
さらにまた、SEM−WDS分析の結果、マグネシウムが酸化インジウムガリウム粒子内にドーピングされたことを確認した。
回折X線分析装置(パナリティカル製)での分析の結果、得られたインジウムガリウム複合塩粒子が酸化インジウムガリウム粒子であることが分かった。
また、蛍光X線分析装置(リガク製)で分析した結果、インジウム81mol%、ガリウム19mol%の組成比であることが分かった。
さらにまた、SEM−WDS分析の結果、マグネシウムが酸化インジウムガリウム粒子内にドーピングされたことを確認した。
<太陽電池の作製>
次に、得られた酸化インジウムガリウム粒子と焼結助剤(ホウ素−亜鉛系:旭硝子製)とをポリエチレングリコール水溶液に分散させて、酸化インジウムガリウム粒子の濃度が5wt%のインクを作製した。
次に、板厚0.5mmのSUS304の導電性基板の表面を洗浄・乾燥した後、スピンコーター(ミカサ製)で、前記導電性基板の表面上に酸化インジウムガリウム粒子を含んだインクを塗布した。
その後、インクを塗布した導電性基板をオーブンで300℃、2時間の条件で乾燥して、酸化インジウムガリウム粒子からなる薄膜が形成された導電性基板を得た。前記薄膜の平均膜厚は6μmであった。
次に、得られた酸化インジウムガリウム粒子と焼結助剤(ホウ素−亜鉛系:旭硝子製)とをポリエチレングリコール水溶液に分散させて、酸化インジウムガリウム粒子の濃度が5wt%のインクを作製した。
次に、板厚0.5mmのSUS304の導電性基板の表面を洗浄・乾燥した後、スピンコーター(ミカサ製)で、前記導電性基板の表面上に酸化インジウムガリウム粒子を含んだインクを塗布した。
その後、インクを塗布した導電性基板をオーブンで300℃、2時間の条件で乾燥して、酸化インジウムガリウム粒子からなる薄膜が形成された導電性基板を得た。前記薄膜の平均膜厚は6μmであった。
次に、薄膜が形成された導電性基板をアンモニア通気式焼成炉(モトヤマ製)に入れて、純度99.999%の高純度アンモニア(昭和電工製)を400ml/minで通気させた状態で、焼成温度630℃で10時間の加熱処理を行って、前記薄膜を窒化処理した。その後、室温まで冷却して、窒化処理した薄膜が形成された導電性基板を取り出した。
この窒化処理した薄膜を回折X線分析装置で分析した結果、原料に由来する化合物やメタル成分の分離した独立ピークがなく、またドーパントとして添加したマグネシウムに由来する独立したピークもなかった。これにより、p型ドープの窒化インジウムガリウム(p型窒化インジウムガリウム粒子)を生成できたことを確認した。
この窒化処理した薄膜を回折X線分析装置で分析した結果、原料に由来する化合物やメタル成分の分離した独立ピークがなく、またドーパントとして添加したマグネシウムに由来する独立したピークもなかった。これにより、p型ドープの窒化インジウムガリウム(p型窒化インジウムガリウム粒子)を生成できたことを確認した。
次に、このp型窒化インジウムガリウム粒子からなる薄膜上に、ヘキサメチルジシラザンのエタノール溶液を噴霧した。その後、熱処理装置内で、大気雰囲気下500℃5時間の条件で熱処理を行って炭素と水素を除去した後、熱処理装置内に水素と窒素を供給することにより6体積%の水素を含んだ窒素雰囲気として、400℃2時間の熱処理を行ってシリコン以外の元素を還元除去した。
引き続き、同じ熱処理装置で水素の供給を停止して窒素のみの雰囲気として昇温した後、600℃2時間の熱処理を行って、p型窒化インジウムガリウム粒子からなる薄膜の表面をn型化した。これにより、表面がn型化されたp型窒化インジウムガリウム粒子からなる薄膜を備えた導電性基板を形成した。
引き続き、同じ熱処理装置で水素の供給を停止して窒素のみの雰囲気として昇温した後、600℃2時間の熱処理を行って、p型窒化インジウムガリウム粒子からなる薄膜の表面をn型化した。これにより、表面がn型化されたp型窒化インジウムガリウム粒子からなる薄膜を備えた導電性基板を形成した。
次に、この表面がn型化されたp型窒化インジウムガリウム粒子からなる薄膜を備えた導電性基板をスパッタ装置(アネルバ製)の内部にセットし、基板温度350℃、圧力2.6Pa、成膜レート500nm/minのスパッタ条件でITOターゲットをスパッタすることにより、膜厚0.12μmのITOからなる透光性電極をn型化された薄膜表面上に形成した。
これにより、導電性基板上に、p型窒化インジウムガリウム粒子からなる薄膜、n型化された窒化インジウムガリウム粒子からなる薄膜層およびITOからなる透光性電極が積層された太陽電池を作製することができた。
これにより、導電性基板上に、p型窒化インジウムガリウム粒子からなる薄膜、n型化された窒化インジウムガリウム粒子からなる薄膜層およびITOからなる透光性電極が積層された太陽電池を作製することができた。
<太陽電池の特性評価>
まず、この太陽電池を10mm角に切り出し、太陽電池特性評価用の試料ステージに固定した。
次に、導電性基板を正極、透光性電極を負極とするようにプローブを接触させて、電流及び電圧測定用回路を形成した。
その後、ソーラーシミュレーター(山下電装製)を用いて、スペクトル分布AM1.5、エネルギー密度100mW/cm2の1SUN擬似太陽光を照射して、雰囲気温度と太陽電池の温度をそれぞれ25±1℃とした状態で太陽電池の出力特性を測定した。
太陽電池特性が、開放電圧Voc:0.874V、短絡電流密度Isc:13.2mA/cm2、曲線因子FF:0.651、光電変換効率η:7.5%となる測定結果が得られた。
まず、この太陽電池を10mm角に切り出し、太陽電池特性評価用の試料ステージに固定した。
次に、導電性基板を正極、透光性電極を負極とするようにプローブを接触させて、電流及び電圧測定用回路を形成した。
その後、ソーラーシミュレーター(山下電装製)を用いて、スペクトル分布AM1.5、エネルギー密度100mW/cm2の1SUN擬似太陽光を照射して、雰囲気温度と太陽電池の温度をそれぞれ25±1℃とした状態で太陽電池の出力特性を測定した。
太陽電池特性が、開放電圧Voc:0.874V、短絡電流密度Isc:13.2mA/cm2、曲線因子FF:0.651、光電変換効率η:7.5%となる測定結果が得られた。
この太陽電池をエポキシ樹脂に包埋して研磨することで、受光層の断面を露出させた。この断面をSEM(走査型電子顕微鏡、日本電子製)で写真撮影し、受光層が粒子を基本として形成されていることを観察した。さらにSEM−EDX分析により、粒子が窒化インジウムガリウム粒子であることを確認した。
受光層と透光性電極とが接触する部分は、受光層が粒子を基本として形成されているため、粒子の形状に影響を受けた無秩序な凹凸が観察された。また、受光層を形成する粒子は接する粒子同士の表面が結着した状態であり、粒界が多く見られた。粒界で囲まれた粒子の最長径を粒径とし画像解析により粒径分布を求めた結果、平均粒径が0.62μm、最小径が0.11μm、最大径が1.23μmであった。
受光層と透光性電極とが接触する部分は、受光層が粒子を基本として形成されているため、粒子の形状に影響を受けた無秩序な凹凸が観察された。また、受光層を形成する粒子は接する粒子同士の表面が結着した状態であり、粒界が多く見られた。粒界で囲まれた粒子の最長径を粒径とし画像解析により粒径分布を求めた結果、平均粒径が0.62μm、最小径が0.11μm、最大径が1.23μmであった。
(実施例2)
<インジウムガリウム複合塩粒子の作製>
硝酸インジウム三水和物(和光純薬工業製)0.0015モルと、硝酸ガリウム九水和物(和光純薬工業製)0.001モルと、硝酸マグネシウム(関東化学製)0.000125モルと、クエン酸(和光純薬工業製)0.0053モルと、エチレングリコール(純正化学製)0.02モルと、を純水50mlに混合して、反応原料溶液とした。
反応原料溶液を入れたビーカーをホットプレート上に置き、マグネチックスターラーで撹拌しながら120℃で3時間反応させ、ゲル状生成物を得た。
さらに、このゲル状生成物を350℃で1時間乾燥して、付着した有機物を除去してインジウムガリウム複合塩粒子を得た。
<インジウムガリウム複合塩粒子の作製>
硝酸インジウム三水和物(和光純薬工業製)0.0015モルと、硝酸ガリウム九水和物(和光純薬工業製)0.001モルと、硝酸マグネシウム(関東化学製)0.000125モルと、クエン酸(和光純薬工業製)0.0053モルと、エチレングリコール(純正化学製)0.02モルと、を純水50mlに混合して、反応原料溶液とした。
反応原料溶液を入れたビーカーをホットプレート上に置き、マグネチックスターラーで撹拌しながら120℃で3時間反応させ、ゲル状生成物を得た。
さらに、このゲル状生成物を350℃で1時間乾燥して、付着した有機物を除去してインジウムガリウム複合塩粒子を得た。
<インジウムガリウム複合塩粒子の評価>
回折X線分析装置(パナリティカル製)での分析の結果、得られたインジウムガリウム複合塩粒子が酸化インジウムガリウム粒子であることが分かった。
また、蛍光X線分析装置(リガク製)で分析した結果、インジウム59mol%、ガリウム41mol%の組成比であることが分かった。
さらにまた、SEM−WDS分析の結果、マグネシウムが酸化インジウムガリウム粒子内にドーピングされたことを確認した。
回折X線分析装置(パナリティカル製)での分析の結果、得られたインジウムガリウム複合塩粒子が酸化インジウムガリウム粒子であることが分かった。
また、蛍光X線分析装置(リガク製)で分析した結果、インジウム59mol%、ガリウム41mol%の組成比であることが分かった。
さらにまた、SEM−WDS分析の結果、マグネシウムが酸化インジウムガリウム粒子内にドーピングされたことを確認した。
<太陽電池の作製>
アンモニア通気での焼成温度を740℃として窒化処理を行った以外は実施例1と同様にして、太陽電池を作製した。
<太陽電池の特性評価>
実施例1と同様にして、得られた太陽電池の特性を測定した結果、太陽電池特性は、開放電圧Voc:1.24V、短絡電流密度Isc:9.3mA/cm2、曲線因子FF:0.633、光電変換効率η:7.3%であった。
アンモニア通気での焼成温度を740℃として窒化処理を行った以外は実施例1と同様にして、太陽電池を作製した。
<太陽電池の特性評価>
実施例1と同様にして、得られた太陽電池の特性を測定した結果、太陽電池特性は、開放電圧Voc:1.24V、短絡電流密度Isc:9.3mA/cm2、曲線因子FF:0.633、光電変換効率η:7.3%であった。
(実施例3)
硝酸インジウム三水和物(和光純薬工業製)0.001モルと、硝酸ガリウム九水和物(和光純薬工業製)0.004モルと、硝酸亜鉛(関東化学製)0.0005モルと、純水100mlと、を混合した水溶液に尿素(和光純薬工業製)0.75モルを添加して反応原料溶液とした。
次に、この反応原料溶液を入れたビーカーをウォーターバスに入れて80℃に昇温して、反応原料溶液を3時間反応させた。反応開始時より徐々に上昇した反応原料溶液のpHに変化がなく、ほぼ一定になったことを確認して反応を終了した。
硝酸インジウム三水和物(和光純薬工業製)0.001モルと、硝酸ガリウム九水和物(和光純薬工業製)0.004モルと、硝酸亜鉛(関東化学製)0.0005モルと、純水100mlと、を混合した水溶液に尿素(和光純薬工業製)0.75モルを添加して反応原料溶液とした。
次に、この反応原料溶液を入れたビーカーをウォーターバスに入れて80℃に昇温して、反応原料溶液を3時間反応させた。反応開始時より徐々に上昇した反応原料溶液のpHに変化がなく、ほぼ一定になったことを確認して反応を終了した。
前記反応後の反応原料溶液を遠心分離機で処理した後、上澄み液をデカンテーションして含水固形分を回収した。この含水固形分を乾燥機にて300℃で5時間乾燥することにより、インジウムガリウム複合塩粒子を得た。
<インジウムガリウム複合塩粒子の評価>
回折X線分析装置(パナリティカル製)での分析の結果、得られたインジウムガリウム複合塩粒子が水酸化インジウムガリウム粒子であることが分かった。
回折X線分析装置(パナリティカル製)での分析の結果、得られたインジウムガリウム複合塩粒子が水酸化インジウムガリウム粒子であることが分かった。
得られた水酸化インジウムガリウム粒子をアンモニア通気式焼成炉(モトヤマ製)に入れ、純度99.999%高純度アンモニア(昭和電工製)を500ml/minで通気し、焼成温度780℃で10時間加熱処理して窒化処理を行った。
得られた粒子を回折X線で分析した結果、窒化インジウムガリウム粒子であることが分かった。また、求められた格子定数よりベガード則を用いて計算した結果、インジウム20mol%、ガリウム80mol%の組成比であることが分かった。
また、SEM−WDS分析の結果、亜鉛が粒子内にドーピングされて、p型窒化インジウムガリウム粒子となったことを確認した。
得られた粒子を回折X線で分析した結果、窒化インジウムガリウム粒子であることが分かった。また、求められた格子定数よりベガード則を用いて計算した結果、インジウム20mol%、ガリウム80mol%の組成比であることが分かった。
また、SEM−WDS分析の結果、亜鉛が粒子内にドーピングされて、p型窒化インジウムガリウム粒子となったことを確認した。
<太陽電池の作製>
次に、得られたp型窒化インジウムガリウム粒子と焼結助剤(ホウ素−亜鉛系:旭硝子製)をポリエチレングリコール水溶液に分散させて、p型窒化インジウムガリウム粒子の濃度が5wt%のインクを作製した。
次に、得られたp型窒化インジウムガリウム粒子と焼結助剤(ホウ素−亜鉛系:旭硝子製)をポリエチレングリコール水溶液に分散させて、p型窒化インジウムガリウム粒子の濃度が5wt%のインクを作製した。
次に、板厚1.5mmの石英ガラス上に白金を100μm蒸着した後、その白金表面を洗浄・乾燥した後、スピンコーター(ミカサ製)で、前記白金の表面上にp型窒化インジウムガリウム粒子を含んだインクを塗布した。
その後、このインクを塗布した白金/石英ガラス基板をオーブンで700℃、2時間の条件で乾燥して、p型窒化インジウムガリウム粒子からなる薄膜が形成された白金/石英ガラス基板を得た。前記薄膜の平均膜厚は3μmであった。
その後、このインクを塗布した白金/石英ガラス基板をオーブンで700℃、2時間の条件で乾燥して、p型窒化インジウムガリウム粒子からなる薄膜が形成された白金/石英ガラス基板を得た。前記薄膜の平均膜厚は3μmであった。
次に、これをRF高周波スパッタ装置(アネルバ製)の内部にセットし、シリコンターゲットをスパッタして、p型窒化インジウムガリウム粒子薄膜上にシリコンドーパントを堆積して、膜厚0.14μmのシリコン層をp型窒化インジウムガリウム粒子薄膜上に形成した。スパッタ条件は、基板温度400℃、アルゴンガスを導入した雰囲気圧は1×10−2torr、200Wの出力とした。
その後、これを窒素雰囲気中、基板温度600℃でアニールして、p型窒化インジウムガリウム粒子薄膜の表面にシリコンをドーピングして、p型窒化インジウムガリウム粒子薄膜の表面にn型層を形成した。
その後、これを窒素雰囲気中、基板温度600℃でアニールして、p型窒化インジウムガリウム粒子薄膜の表面にシリコンをドーピングして、p型窒化インジウムガリウム粒子薄膜の表面にn型層を形成した。
次に、実施例1と同様にして、ITOからなる透光性電極をn型層の上に形成して、太陽電池を作製した。
<太陽電池の特性評価>
実施例1と同様にして、得られた太陽電池の特性を測定した結果、太陽電池特性は、開放電圧Voc:2.02V、短絡電流密度Isc:5.2mA/cm2、曲線因子FF:0.601、光電変換効率η:6.3%であった。
実施例1と同様にして、得られた太陽電池の特性を測定した結果、太陽電池特性は、開放電圧Voc:2.02V、短絡電流密度Isc:5.2mA/cm2、曲線因子FF:0.601、光電変換効率η:6.3%であった。
(比較例1)
<太陽電池の作製>
まず、MOCVD法を用いて、基板温度500℃のサファイア基板上に窒化アルミニウムからなるバッファ層を60nm成長させた。次に、基板温度1050℃として前記バッファ層上にアンドープの窒化ガリウム層を5μm成長させた。さらに、基板温度1050℃のまま維持して、前記アンドープの窒化ガリウム層上にシリコンドープのn型窒化ガリウム層を2μm成長させた。
<太陽電池の作製>
まず、MOCVD法を用いて、基板温度500℃のサファイア基板上に窒化アルミニウムからなるバッファ層を60nm成長させた。次に、基板温度1050℃として前記バッファ層上にアンドープの窒化ガリウム層を5μm成長させた。さらに、基板温度1050℃のまま維持して、前記アンドープの窒化ガリウム層上にシリコンドープのn型窒化ガリウム層を2μm成長させた。
次に、基板温度750℃として前記シリコンドープのn型窒化ガリウム層上にアンドープのi型窒化インジウムガリウム層(インジウム15mol%、ガリウム85mol%)を0.7μm成長させた。
次に、基板温度1000℃として前記アンドープのi型窒化インジウムガリウム層上にマグネシウムドープのp型窒化ガリウム層を250nm成長させた。
その後、この多層基板を窒素雰囲気下700℃に保持してアニール処理を行った。
次に、基板温度1000℃として前記アンドープのi型窒化インジウムガリウム層上にマグネシウムドープのp型窒化ガリウム層を250nm成長させた。
その後、この多層基板を窒素雰囲気下700℃に保持してアニール処理を行った。
アニール処理後、この多層基板をスパッタ装置に導入して、マグネシウムドープのp型窒化ガリウム層の表面に膜厚300nmのITOからなる導電性層をスパッタ成膜した。
次に、ITOの表面の一部に膜100nmのアルミ電極をスパッタ成膜した。
次に、ITOからなる導電性層の一部をシリコンドープのn型窒化ガリウム層に達するまでエッチングした。次に、露出された前記n型窒化ガリウム層上にニッケルをスパッタ成膜した後、金をスパッタ成膜して、ニッケルおよび金からなる電極を形成した。
次に、ITOの表面の一部に膜100nmのアルミ電極をスパッタ成膜した。
次に、ITOからなる導電性層の一部をシリコンドープのn型窒化ガリウム層に達するまでエッチングした。次に、露出された前記n型窒化ガリウム層上にニッケルをスパッタ成膜した後、金をスパッタ成膜して、ニッケルおよび金からなる電極を形成した。
<太陽電池特性評価>
実施例1と同様な条件で太陽電池特性評価を行った。太陽電池特性が、開放電圧Voc:1.93V、短絡電流密度Isc:1.63mA/cm2、曲線因子FF:0.610、光電変換効率η:1.9%となる測定結果が得られた。
以上の太陽電池の特性について、表1にまとめた。
実施例1と同様な条件で太陽電池特性評価を行った。太陽電池特性が、開放電圧Voc:1.93V、短絡電流密度Isc:1.63mA/cm2、曲線因子FF:0.610、光電変換効率η:1.9%となる測定結果が得られた。
以上の太陽電池の特性について、表1にまとめた。
本発明は、太陽電池及びその製造方法、太陽電池モジュールに関するものであって、特に、窒化インジウムガリウム粒子を用いた、量産性、製造コストおよび光電変換効率に優れた太陽電池及びその製造方法、太陽電池モジュールに関するものである。そのため、本発明は、太陽光発電などのエネルギー産業において利用可能性がある。
1…基板、1a…受光層側の面、1b…受光層と反対側の面、2…受光層、3…透光性電極、3a…受光層と反対側の面、4…p型半導体層、4a…透光性電極側の面、5…n型半導体層、5a…透光性電極側の面、6…絶縁性基板、6a…受光層側の面、7…導電性層、7a…受光層側の面、8…導電性基板、44…p型窒化インジウムガリウム粒子。
Claims (21)
- 光を吸収して発電する受光層が基板と透光性電極との間に挟持された太陽電池であって、
前記受光層はp型半導体層とn型半導体層の少なくとも2層を有しており、前記p型半導体層は窒化インジウムガリウム粒子からなる薄膜層にp型ドーパントが添加されてなり、前記n型半導体層は前記p型半導体層の透光性電極側の面にn型ドーパントが添加されてなることを特徴とする太陽電池。 - 前記p型半導体層と前記n型半導体層との間に、p型ドーパントとn型ドーパントとが混在して電荷的に中和されてなるi型半導体層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
- 前記p型ドーパントがMgまたはZnのいずれかであり、前記n型ドーパントがSiまたはSiを含む化合物のいずれかであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽電池。
- 前記窒化インジウムガリウム粒子がInxGa1−xN(0.2<x<1)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池。
- 前記窒化インジウムガリウム粒子がInxGa1−xN(0.4<x<1)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池。
- 前記窒化インジウムガリウム粒子がInxGa1−xN(0.6<x<1)であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池。
- 前記窒化インジウムガリウム粒子の平均粒径が0.01〜10μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池。
- 前記受光層の透光性電極側の面が無秩序な凹凸面とされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池。
- 前記基板が導電性基板または一面に導電性層が形成された絶縁性基板であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の太陽電池。
- 前記導電性基板がアルミニウム、鉄、ニッケル、錫、銅、銀、白金、チタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、インジウム、モリブデン、クロム、タングステンから選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項9に記載の太陽電池。
- 前記絶縁性基板が樹脂、プラスチック、ガラス、セラミックスから選ばれる1種以上からなり、前記導電性層が、アルミニウム、鉄、ニッケル、錫、銅、銀、白金、チタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、インジウム、モリブデン、クロム、タングステンから選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項9に記載の太陽電池。
- 前記透光性電極が酸化インジウム錫、酸化インジウム亜鉛、酸化アルミ亜鉛、酸化ガリウム亜鉛から選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の太陽電池。
- 請求項1〜12に記載された太陽電池と、前記太陽電池を覆う樹脂と、を有する太陽電池モジュール。
- 前記樹脂がエチレン−テトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン、パーフルオロエチレン−プロペンコポリマーから選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項13に記載の太陽電池モジュール。
- 基板上にp型ドーパントが添加された窒化インジウムガリウム粒子からなるp型半導体層を形成するp型半導体層形成工程と、
前記p型半導体層の透光性電極側の面にn型ドーパントを添加してn型半導体層を形成するn型半導体層形成工程と、
前記n型半導体層上に透光性電極を形成する透光性電極形成工程と、を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。 - 前記n型半導体層形成工程で、前記p型半導体層の透光性電極側の面にn型ドーパントを添加してn型半導体層を形成すると同時に、前記p型半導体層と前記n型半導体層との間にp型ドーパントとn型ドーパントとが混在して電荷的に中和されてなるi型半導体層を形成することを特徴とする請求項15に記載の太陽電池の製造方法。
- 前記p型半導体層形成工程が、p型ドーパントが添加されたインジウムガリウム複合塩粒子を分散させた塗布液を基板上に塗布してp型インジウムガリウム複合塩粒子からなる粒子層を形成する粒子層形成工程と、
前記p型インジウムガリウム複合塩粒子からなる粒子層を窒化してp型窒化インジウムガリウム粒子層とする窒化工程と、からなることを特徴とする請求項15または請求項16に記載の太陽電池の製造方法。 - 前記p型半導体層形成工程が、p型ドーパントが添加されたインジウムガリウム複合塩粒子を窒化してp型窒化インジウムガリウム粒子とする窒化工程と、
前記p型窒化インジウムガリウム粒子を分散させた塗布液を導電性基板上に塗布してp型窒化インジウムガリウム粒子からなる粒子層を形成する粒子層形成工程と、からなることを特徴とする請求項15または請求項16に記載の太陽電池の製造方法。 - 前記窒化工程が、アンモニア通気下で500℃〜1100℃の熱処理を行う工程であることを特徴とする請求項17または請求項18に記載の太陽電池の製造方法。
- 前記インジウムガリウム複合塩粒子が、水酸化物、酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、硫化物から選ばれる1種以上の複合塩からなることを特徴とする請求項17〜19のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
- 前記p型ドーパントがMgまたはZnのいずれかであり、前記n型ドーパントがSiまたはSiを含む化合物のいずれかであることを特徴とする請求項15〜20のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
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WO2011118343A1 (ja) * | 2010-03-25 | 2011-09-29 | 京セラ株式会社 | 光電変換装置、および光電変換装置の製造方法 |
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