JP2010008614A - 投影型表示装置及びそれに用いられる表示方法 - Google Patents

投影型表示装置及びそれに用いられる表示方法 Download PDF

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Abstract

【課題】投影型表示装置において、解像度の高い画像を表示可能にし、且つ、製造コストを低くする。
【解決手段】投影型表示装置1は、制御回路の制御に基づき、光源から入射された光線を2軸型の偏向器により偏向させて、投影面上に水平方向及び垂直方向にそれぞれ第1走査周波数fH、第2走査周波数fVで2次元的に走査する。各走査周波数は、fHがfVの倍数ではなく、且つ、2×fHがfVの倍数となるように設定されており、垂直方向に一往復走査するとき光線の走査経路が重ならないように構成されている。光線は、垂直方向に一往復走査する間に1つの表示フレームの画像データを表示するように、且つ、光線の走査方向に応じて行毎に走査部分のデータに対応するように光源から変調される。これにより、実効的な走査線の数を増加させて画像を表示することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、光線を2次元的に走査し、且つ、光線の強度を画像信号によって変調して残像効果により投影面上に画像を表示する投影型表示装置及びそれに用いられる表示方法に関する。
投影型表示装置としては、画像信号によって強度を変調した光線を、投影面上に、走査方向がほぼ直交するように2次元的に走査して画像を表示するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような投影型表示装置において、一般に、2次元走査ミラーの2軸の走査周波数の比を大きくすることができれば、それだけ高解像度の表示を行うことができる。しかしながら、偏向器の構造上又は製造コスト上の制約等から一方の軸の走査周波数を高くするには限界があり、必要なフレームレートを確保する必要もあるため他方の軸の走査周波数を低くすることもできない場合がある。そのため、走査周波数の比を大きくするには限界があり、走査周波数の比を大きくすることだけでは、高解像度化の要請に応えることができないことがある。
ここで、特許文献1には、投影型表示装置において、走査線内の画素単位および画面内の走査線単位で画像情報を並べ替えて、周波数が高い方の走査の往路期間と復路期間とで走査線内の画素単位で画像情報の順序を反転し、また周波数が低い方の往路期間と復路期間とで画面内の走査線単位で画像情報の順序を反転し、往復走査の往路と復路の双方で表示を行うことが開示されている。図9(a)乃至(c)は、このような投影型表示装置の光線の走査例を簡略化して示す。この投影型表示装置では、走査周波数が高い水平方向の走査の周波数は走査周波数が低い垂直方向の走査の周波数の倍数となる。簡単のため、水平方向の走査の周波数と垂直方向の走査の周波数の比を例えば8とし、水平走査及び垂直走査が往復運動の折り返し点を除いて等速運動であるとすると、走査される光線の軌跡は図に示すように描かれる。すなわち、図9(a)に示すように、垂直方向の上から下への走査の間には、水平走査は4往復し、計8本の走査線が描かれる。また、図9(b)に示すように、垂直方向の下から上への走査の間にも、水平走査は4往復し、同様に計8本の走査線が描かれる。図9(c)に示すように、これらの垂直方向の走査線の位置は、垂直走査と水平走査の同期が取れていれば、全く同一となり、走査線の数は、走査周波数の比と一致する。すなわち、投影面に表示される画像は、光線の変調周波数と走査線の数から決まる解像度をもつことになる。このように、特許文献1に開示されている投影型表示装置は、周波数が高い水平方向の往復走査の往路と復路の双方で表示を行うことにより、表示可能な走査線数を、片路だけで表示を行う場合と比べて2倍にすることができる。しかしながら、このような投影型表示装置では、周波数が低い垂直方向の往路と復路では走査線が重なるので、表示画像をそれ以上高解像度化することはできない。
また、特許文献2には、表示装置において、2次元走査ミラーによる光走査領域をX、Y方向に連続する格子状に分割し、この分割された各格子状ブロックを光出力の目標位置とし、2次元走査による光線の走査軌跡が目標位置に入ったことを検出して、その目標位置にて光出力のタイミングを制御することが開示されている。特許文献2に記載の構成によれば、2次元走査ミラーの2軸の走査周波数の比が大きくなくても、元の画像に忠実な解像度の高い画像を表示することができる。しかしながら、特許文献2に記載の構成では、光走査位置を正確に検出するために、高速で精度が高いセンサを用いることが必要であり、2次元走査ミラーの構造が複雑になり、また、製造コストが高くなるという問題がある。また、光走査位置を検出し、それに応じて所定の光出力信号を出力するためには、制御回路を非常に高速にする必要があるため、製造コストが高くなる。
特開2002−344765号公報 特開2004−29094号公報
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、実効的な走査線の数を増やすことができ、解像度の高い画像を表示可能で、且つ、製造コストが低い投影型表示装置及びそれに用いられる表示方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、光線を偏向させる2軸の偏向器を2軸それぞれについて所定の走査周波数で駆動し、2次元的に光線を走査する投影型表示装置であって、前記2軸それぞれについての走査周波数は、走査周波数が高い方の軸についての走査周波数をfHとし走査周波数が低い方の軸についての走査周波数をfVとしたとき、fHはfVの倍数ではなく、かつ、Nを2以上の自然数として、N×fHがfVの倍数となるように設定されており、投影する画像に対応する画像データを、前記Nの値に対応する所定の手順で読み出し、前記偏向器により偏向させる光線の強度を変調することにより、前記画像データに対応する画像を投影表示可能に構成されているものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記偏向器は、それぞれ前記2軸のうちの1軸について揺動し、それぞれ入射する光線を直線的に往復運動走査する第1ミラー装置及び第2ミラー装置を有し、前記第2ミラー装置は、前記第1ミラー装置により走査された光線が入射されその第1ミラー装置の走査方向とは略直交する方向に走査するように配置されているものである。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記偏向器は、光線が走査される方向から見て2軸それぞれについての回転中心が交差するように構成されている2軸ジンバル型のミラー装置を用いて構成されているものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項の発明において、前記偏向器は、2軸のうち少なくともいずれか一方の軸について、共振現象を伴い揺動するように構成された共振型のミラー装置を用いて光線を走査するものである。
請求項5の発明は、2軸それぞれについて所定の走査周波数で2次元的に光線を走査し画像を投影表示する表示方法であって、前記2軸それぞれについての走査周波数は、走査周波数が高い方の軸についての走査周波数をfHとし走査周波数が低い方の軸についての走査周波数をfVとしたとき、fHはfVの倍数ではなく、且つ、Nを2以上の自然数として、N×fHがfVの倍数となるように設定されており、投影する画像に対応する画像データを前記Nの値に応じた所定の手順で読み出して、走査する光線の強度を変調することにより、前記画像データに対応する画像を投影表示するものである。
請求項1の発明によれば、走査周波数が低い方の軸についての走査方向にN/2往復走査する毎に1画面(1フレーム)分の表示を行うことにより、実効的に走査線の数をN倍にすることができる。従って、2軸それぞれについての走査周波数の比が大きくない偏向器を用いた場合でも、従来と比較して解像度の高い画像を表示可能であり、且つ、製造コストを低減することができる。また、光線を略水平に走査するラスタ走査に近い方法で画像を表示させることができるため、走査位置を検出しフィードバックする等の高度な制御は不要である。さらにまた、表示したい画像から光線の強度を変調する信号を生成することも容易であり、走査周波数が基準値からずれていても、走査線の数を調整した変調信号を出力するだけで、容易に適正な画像表示を行うことができる。
請求項2の発明によれば、1軸型のミラー装置を組み合わせて2軸の偏向器を容易に構成することができ、製造コストをさらに低減することができる。また、偏向器の大きさや形状、及びそれぞれのミラー装置による走査角の大きさ等を、用いる光線の種類や必要な走査範囲に応じて比較的自由に設定することができるので、種々の用途に応じて、投影型表示装置を容易に製造することができる。
請求項3の発明によれば、2軸ジンバル型のミラー装置を用いるので、1軸型のミラー装置を2つ組み合わせて用いる場合と比較して、偏向器を小型化することができ、投影型表示装置を小型化することができる。
請求項4の発明によれば、共振現象を伴い大きな揺動角でミラーを揺動させて光線を走査させることができるので、走査範囲を拡大させることができ、画像をより大きく表示させることができる。
請求項5の発明によれば、上述と同様に、実効的に走査線の数をN倍にすることができるので、2軸それぞれについての走査周波数の比が大きくない偏向器を用いた場合でも、従来と比較して解像度の高い画像を表示可能であり、且つ、製造コストを低減することができる。また、走査位置を検出しフィードバックする等の高度な制御は不要であり、走査周波数が基準値からずれていても、走査線の数を調整した変調信号を出力するだけで、容易に適正な画像表示を行うことができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る投影型表示装置(以下、表示装置と称する)の一例を示すブロック構成図である。表示装置1は、入射された光線を偏向させて反射する偏向器10と、例えばレーザダイオードを用いた光源2と、光源2を駆動し光線を出射させる光源ドライバ3と、偏向器10を駆動する駆動回路部4と、光源ドライバ3及び駆動回路部4等を制御する制御回路5等で構成されている。偏向器10は、後述するように、光源2から出射された光線を2次元的に走査可能に構成されたいわゆる2軸型のものである。表示装置1は、制御回路5による制御の下、例えば外部のパーソナルコンピュータ100等から制御回路5に入力される画像データに基づいて、外部の投影面101に画像を投影表示する。なお、表示装置1は、パーソナルコンピュータ100に限られず、種々の映像出力機器から入力される画像データに基づき投影表示可能に構成されている。
光源2は、光源ドライバ3により駆動され、偏向器10に向け光線を出射するように配置されている。光源ドライバ3は、制御回路5から送信された映像変調信号に対応する強度で光源2を駆動する。映像変調信号は、後述するように、制御回路5により、偏向器10の駆動に対応するように送信される。
偏向器10は、それぞれ1軸について揺動し、それぞれ入射する光線を直線的に往復運動走査する第1ミラー装置11及び第2ミラー装置12を有し、2軸について光線を走査可能に構成されている。本実施形態では、1軸型の第1ミラー装置11及び第2ミラー装置12を組み合わせることにより、2軸の偏向器10を容易に構成することができ、製造コストを低減することができる。また、偏向器10の大きさや形状、及び走査角の大きさ等を、用いる光線の種類や必要な走査範囲に応じて比較的自由に設定することができるので、種々の用途に応じて、表示装置1を容易に製造することができる。
図2は、第1ミラー装置11を示す。第1ミラー装置11は、酸化物である絶縁層110aをボックス層とするSOI(Silicon On Insulator)基板110をいわゆるマイクロマシニング技術により加工して作製されたMEMS(Micro Electro Mechanical System)素子である。第1ミラー装置11は、金属膜であって入射した光線を反射するミラー部111と、ミラー部111が上面に設けられた例えば矩形形状の可動板112と、可動板112の両側部に、梁状で一列に並ぶように形成された2つのねじりばね113と、可動板112の周囲を囲むように配されねじりばね113の端部を支持する固定部114とを有している。可動板112は、ねじりばね113を介して、固定部114に対し、ねじりばね113をねじりながら揺動可能に支持されている。可動板112のうち、ねじりばね113が接続されていない自由端側の側縁部と、固定部114のうち当該側縁に対向する部分には、互いに噛み合うような櫛歯電極115が形成されている。櫛歯電極115のうち可動板112側の電極と固定部114側の電極との間に周期的に電圧が印加されると、両電極間に静電引力が発生し、この静電引力が可動板112の側端部に略垂直に作用する。すなわち、第1ミラー装置11は、櫛歯電極115に駆動電圧が印加されて可動板112に発生するねじりばね113まわりの静電トルクにより駆動され、可動板112は、ねじりばね113を回動軸として揺動する。第1ミラー装置11は、後述のように所定の第1走査周波数で可動板112を揺動させるように構成されている。
第2ミラー装置12は、例えば、反射ミラー(図示せず)を、MEMS素子ではない、小型モータやその他小型アクチュエータ等を動力源として周期的に揺動させるものである。本実施形態において、第2ミラー装置12は、例えば、小型モータの回転運動を往復運動に変換し反射ミラーの揺動軸に伝達する伝達機構を有している。第2ミラー装置12は、例えば、所定の駆動電圧が小型モータに継続して印加されている間、所定の周波数(第2走査周波数)で、反射ミラーを揺動させるように構成されている。なお、第2ミラー装置12として、上記の第1ミラー装置11のようなMEMS素子型のものを用いてもよいし、第1ミラー装置11として、第2ミラー装置12のようなMEMS素子ではないものを用いてもよい。
第1ミラー装置11のミラー部111には、光源2から出射された光線が入射する。ミラー部111により反射され第1ミラー装置11により走査された光線は、第2ミラー装置12の反射ミラーに入射し、投影面101に向けて反射される。本実施形態において、第2ミラー装置12は、第1ミラー装置11による光線の走査方向とは直交する方向に光線を走査するように配置されている。本実施形態において、第1ミラー装置11による走査方向は投影面101上において水平方向に対応し、第2ミラー装置12による走査方向は、投影面101上において垂直方向に対応している。投影面101には、光源2から出射された光線が、第1ミラー装置11及び第2ミラー装置12により、2軸について、すなわち、水平方向、垂直方向に2次元的に走査される。
駆動回路部4は、第1ミラー装置11を駆動する水平ミラー駆動回路41と、第2ミラー装置12を駆動する垂直ミラー駆動回路42を有している。水平ミラー駆動回路41は、制御回路5から送信される第1駆動信号に基づき、第1ミラー装置11にそれを揺動駆動するための駆動電圧を印加し、第1ミラー装置11を駆動する。また、垂直ミラー駆動回路42は、制御回路5から送信される第2駆動信号に基づき、第2ミラー装置12にそれを揺動駆動するための駆動電圧を印加し、第2ミラー装置12を駆動する。第2ミラー装置12は、上述のように垂直ミラー駆動回路42から駆動電圧が印加されることにより、第2走査周波数で揺動駆動される。
本実施形態において、制御回路5は、第1ミラー装置11の可動板112が共振現象を伴い揺動するように制御を行う。制御回路5は、第1走査周波数が第1ミラー装置11のミラー部111及び可動板112とねじりばね113により構成される振動系の共振周波数となるように、その共振周波数の略2倍の周波数の第1駆動信号を送信する。水平ミラー駆動回路41は、この第1駆動信号に基づき、第1走査周波数の略2倍の周波数の矩形波状の駆動電圧を第1ミラー装置11に印加する。これにより、第1ミラー装置11は、共振現象を伴って第1走査周波数で駆動され、その揺動角が大きくなるように構成されている。揺動角が大きくなると、表示装置1により投影する画像の画角を大きく確保することができ、画像をより大きく表示させることができる。なお、駆動電圧の印加態様や駆動周波数は、上述に限られるものではなく、また、例えば、駆動電圧が正弦波形で印加されるように構成されていてもよい。
制御回路5は、上述のように駆動回路部4に駆動信号を送信し偏向器10を駆動させるのに伴い、光源ドライバ3に映像変調信号を送信し、光源2から偏向器10に光線を変調させながら照射させる。映像変調信号は、駆動信号を送出するタイミングすなわち偏光器10の駆動タイミングに合わせて送出され、駆動信号と映像変調信号は、互いに同期されている。映像変調信号は、パーソナルコンピュータ100から制御回路5に入力された画像データに基づいて生成される。光源2から照射される光線は、映像変調信号に応じて強度が変調され、駆動信号に応じて偏向器10により投影面101上に走査される。光線の強度を変調しながら偏光器10による走査を繰り返すと、投影面101上に、目の残像効果又は投影面101の蛍光現象によってユーザが認識可能な画像が表示されることになる。
ここで、本実施形態において、第1走査周波数は第2走査周波数よりも高く設定されており、これら2軸それぞれについての走査周波数は、互いに所定の関係を有するように設定されている。以下、走査周波数が高い方の軸についての走査周波数、すなわち第1ミラー装置11の第1走査周波数をfHとし、走査周波数が低い方の軸についての走査周波数、すなわち第2ミラー装置12の第2走査周波数をfVとする。本実施形態において、第1走査周波数fHは第2走査周波数fVの倍数ではなく、かつ、2×fHが第2走査周波数fVの倍数となるように設定されている。制御回路5は、第1ミラー装置11及び第2ミラー装置12を、このように設定された第1走査周波数及び第2走査周波数でそれぞれ駆動し、後述の走査経路を経由するように光線を走査させる。また、制御回路5は、投影する画像データを所定の手順で読み出して映像変調信号を生成し、この場合すなわち2×fHがfVの倍数である場合に対応する所定の変調手順で走査する光線を変調させる。以下に、表示装置1による光線の走査動作について説明する。
先ず、光線の走査経路について説明する。図3(a)乃至(f)及び図4は、光線の走査経路(走査線)を示す。説明の簡単のため、水平走査と垂直走査の走査周波数比を3.5とし、表示画像の左上端部を始点として、光線が、表示画像の上から下へ、水平走査されながら垂直走査されるとする。まず、光線が上から下へ垂直走査される際には、光線は、図3(a)に示すように、下方に走査位置が変位しながら、左から右(1本目の走査線)、右から左(2本目の走査線)、左から右(3本目の走査線)と変位する。その後、光線の走査位置は、右から左に向け走査される途中の左右中央あたりで、走査範囲すなわち表示画像の下端に到達する。すなわち、上から下への垂直走査時においては、3.5本の走査線が、走査される光線により表示されることになる。次に、図3(b)に示すように、光線が下から上へ垂直走査される際には、光線は、上から下への垂直操作時に走査範囲の下端となった左右中央部から上方に走査位置が変位しながら、中央部から左に向けて走査される。このとき、上から下への垂直走査時に半分だけ走査した部分を含め、4本目の走査線が走査されることになる。その後、光線は、左から右(5本目の走査線)、右から左(6本目の走査線)、左から右(7本目の走査線)と変位し、表示画像の右上端部に到達する。これにより、下から上への垂直操作時においても、3.5本の走査線が、走査される光線により表示されることになる。すなわち、本実施形態においては、図3(c)に示すように、垂直走査が上下一往復なされる間に、合計7本の走査線が、互いに重なることなく表示されることになる。
上記のように、光線が表示画像の左上端部から垂直方向に上下一往復走査された後には、図3(d)に示すように、光線は、表示画像の右上端部から下方左向きに走査され(1本目の走査線)、左から右(2本目の走査線)、右から左(3本目の走査線)と走査される。その後、左から右に向け走査される途中の走査範囲の左右中央部で、走査範囲の下端に到達する。その後、図3(e)に示すように、光線が下から上へ垂直走査され、光線は、上から下への垂直操作時に走査範囲の下端となった左右中央部から上方に走査位置が変位しながら、中央部から右に向けて走査(4本目の走査線)される。そして、光線は、右から左(5本目の走査線)、左から右(6本目の走査線)、右から左(7本目の走査線)と走査され、表示画像の左上端部に到達する。このように、上から下への垂直走査時においては、3.5本の走査線が、走査される光線により表示されることになる。下から上への垂直操作時においても、3.5本の走査線が、走査される光線により表示されることになる。このように、2×fHが第2走査周波数fVの倍数となるように設定されている場合には、垂直走査を上下に2往復する間に、7本の走査線で構成される表示フレームを2つ表示させ、光線が元の位置に戻ることになる。
次に、光線の変調手順について説明する。本実施形態では、垂直走査が上下一往復なされる間の合計7本の走査線数で1つの画像を示す1つの表示フレームを構成することにより、第1走査周波数と第2走査周波数の比を3.5としたときに決まる走査線の数(3.5本)より大きい、当該走査線の数の2倍の本数の走査線を表示することができ、従来と比較し垂直方向で2倍の解像度に相当する画像を表示することができる。以下の説明では、上述のように2×fHが第2走査周波数fVの倍数となるように設定されている場合について、X×Y(X=1,2,…,NHAとし、Y=1,2,…,NVAとする)の画素からなるマトリクス画像データに基づいて画像表示を行う際の変調手順の一例を示す。制御回路5は、偏向器10の水平走査及び垂直走査と同期を取るように、マトリクス映像データを、光強度を変調するシリアルデータに変換する。シリアルデータへの変換は、以下のように、マトリクス画像データを行の中央で2分割して、相補的に行われる。
図4は、本実施形態における、2つの表示フレーム分に対応する第1走査フレームから第4走査フレームまでの表示順を示す。図4において言う第1走査フレームと第2走査フレームは、それぞれ、図3(a)と図3(b)に対応する。また、図4において言う第3走査フレームと第4走査フレームとは、それぞれ、図3(c)と図3(d)に対応する。制御回路5は、一表示フレーム分の画像に対応するマトリクス画像データを行の中央で2分割し、前半のデータを、図4において言う第1走査フレームとして表示するためのシリアルデータに変換する。また、その後半のデータを、図4において言う第2走査フレームとして表示するためのシリアルデータに変換する。また、第3走査フレーム及び第4走査フレームとして表示するため、同じマトリクス画像データを2分割したものについて、上述とは異なる手順でシリアル化を行う。
先ず、第1走査フレームについて走査する際、制御回路5は、マトリクス画像データを、行についてはj=1→NVAの順すなわち1からNVAに向けた順でシリアル化し、列については下記のような順で、シリアル化する。すなわち、列については、行がj=4n+1(n=0,1,2,…)行である場合にはi=1→NHA/2の順でシリアル化する。また、列については、行がj=4n+2行である場合には、i=NHA/2→NHAの順でシリアル化する。列については、行がj=4n+3行である場合には、i=NHA→NHA/2の順でシリアル化する。また、列については、行がj=4n+4行である場合には、i=NHA/2→1の順でシリアル化する。
第2走査フレームについて走査する際、制御回路5は、マトリクス画像データを、行についてはj=NVA→1の順でシリアル化し、列については下記のような順で、シリアル化する。すなわち、列については、行がj=4n+3行である場合には、i=NHA/2→1の順でシリアル化する。また、列について、行がj=4n+2行である場合には、i=1→NHA/2の順でシリアル化する。さらにまた、列について、行がj=4n+1行である場合には、i=NHA/2→NHAの順でシリアル化する。また、列について、j=4n+4行である場合には、i=NHA→NHA/2の順でシリアル化する。
同様に、第3走査フレームについて走査する際、制御回路5は、マトリクス画像データを、行についてはj=1→NVAの順でシリアル化し、列については下記のような順で、シリアル化する。すなわち、列については、行がj=4n+1行である場合にはi=NHA→NHA/2の順でシリアル化する。また、列について、行がj=4n+2行である場合には、i=NHA/2→1の順でシリアル化する。さらにまた、列については、行がj=4n+3行である場合には、i=1→NHA/2の順でシリアル化する。また、列については、j=4n+4行である場合には、i=NHA/2→NHAの順でシリアル化する。
また、第4走査フレームについて走査する際、制御回路5は、マトリクス画像データを、行についてはj=NVA→1の順でシリアル化し、列については下記のような順で、シリアル化する。すなわち、列については、行がj=4n+3行である場合には、i=NHA/2→NHAの順でシリアル化する。また、列について、行がj=4n+2行である場合には、i=NHA→NHA/2の順でシリアル化する。さらにまた、列について、行がj=4n+1行である場合にはi=NHA/2→1の順でシリアル化する。また、列について、j=4n+4行である場合には、i=1→NHA/2の順でシリアル化する。
ここで、制御回路5は、2行分のシリアルデータを変換する毎に、1回の水平同期信号を挿入する。また、制御回路5は、各走査フレームについてのシリアルデータを変換する毎に、1回の垂直同期信号を挿入する。制御回路5は、このようにして作成した第1走査フレーム乃至第4走査フレームに対応するシリアルデータを、1セットの変調信号として、制御回路5内のメモリ等に蓄積する。そして、制御回路5は、駆動信号を送信することにより制御する偏向器10の水平走査および垂直走査に同期するように、メモリ等からこの変調信号を読出し、光源ドライバ3に映像変調信号を出力する。このように映像変調信号を出力することにより、光源2の発光強度が偏向器10の走査に同期して変化し、画像が投影面101上に投影される。なお、上記のようにマトリクス画像データと変調信号のシリアルデータを必ずしも1対1に対応させる必要はなく、例えば、投影画像の内周部に非表示部分を設けたい場合には、元の画像データの周囲に空白データを付け加えた上で、前述のシリアルデータ化処理を実施すればよい。
このように、垂直走査方向に1往復走査する毎に一表示フレーム分の表示を行うことにより、例えば往路方向のみに垂直走査する際に画像を表示する場合と比較して、実効的な走査線の数を2倍に、換言するとみかけの走査線の数を2倍にすることができる。従って、2軸それぞれについての走査周波数の比が大きくない偏向器10を用いた場合でも、従来と比較して解像度の高い画像を表示可能であり、且つ、偏向器10を安価に構成可能になるため、製造コストを低減することができる。また、光線を略水平に走査するラスタ走査に近い方法で画像を表示させることができるため、光線の走査と変調とを容易に同期させることができ、走査位置を検出しフィードバックする等の高度な制御は不要である。さらにまた、表示したい画像から、光線の強度を変調する映像変調信号を容易に生成することができ、偏向器10の走査周波数が基準値から若干ずれたとしても、走査線の数を調整した映像変調信号を出力するだけで、適正な画像表示を容易に行うことができる。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係る投影型表示装置のブロック構成を示す。第2実施形態の説明において、上述の第1実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、上述の第1実施形態と相違する部分についてのみ説明する。表示装置21は、第1実施形態の表示装置1と比較して、1軸型の第1ミラー装置11及び第2ミラー装置12を用いた偏向器10に替えて、2軸ジンバル型のミラー装置を用いて構成された偏向器20を有している。また、駆動回路部4に替えて、偏向器20を駆動するための駆動回路部24を有している。
図6は、偏向器20を示す。偏向器20は、第1ミラー装置11と同様に、SOI基板110をいわゆるマイクロマシニング技術により加工して作製されたMEMS素子である。偏向器20は、金属膜であって入射した光線を反射するミラー部211と、ミラー部211が上面に設けられた例えば矩形形状の可動板212を有している。可動板212の両側部には、梁状で一列に並ぶように形成された2つの第1ねじりばね213が設けられている。可動板212の周囲には、可動板212を囲むように配され第1ねじりばね213の端部を支持する可動フレーム214が設けられている。可動フレーム214の両側端部には、第1ねじりばね213の長手方向とは略直交するように梁状で一列に並ぶように形成された2つの第2ねじりばね215が設けられている。可動フレーム214の周囲には、可動フレーム214を囲むように配され第2ねじりばね215の端部を支持する固定部216が形成されている。第1ねじりばね213は、可動板212の回動軸を成し、第2ねじりばね215は、可動フレーム214の回動軸を成している。第1ねじりばね213と第2ねじりばね215は、可動板212の回転中心となるそれぞれが成す軸が、上面視で可動板212の重心位置を通過するように、可動板212の正面すなわち後述するように光線が走査される方向から見て互いに略直交するように形成されている。第1ねじりばね213及び第2ねじりばね215の幅寸法は、例えば、それぞれ、5μm程度、30μm程度である。この偏向器20も、上述の第1ミラー装置11と同様に、静電力を用いて可動板212を回動させるものである。可動板212を回動させるため、可動板212と可動フレーム214との間の第1ねじりばね213が形成されていない部位には第1櫛歯電極217が形成されており、可動フレーム214と固定部216との間の第2ねじりばね215が形成されていない部位には第2櫛歯電極218が形成されている。第1櫛歯電極217及び第2櫛歯電極218は、互いに一対に噛み合うように形成された櫛歯を有している。
この偏向器20では、固定部216の上面に形成された例えば3つの電極部219のそれぞれの電位を変更することにより、第1櫛歯電極217を構成する一対の櫛歯間、及び第2櫛歯電極218を構成する一対の櫛歯間に、それぞれ独立して駆動電圧を印加することができるように構成されている。第1櫛歯電極217及び第2櫛歯電極218は、それぞれに駆動電圧が印加されることにより、櫛歯間で互いに引き合う方向に作用する静電力を発生する。可動板212は、第1櫛歯電極217の静電力を駆動力として、第1ねじりばね213を回動軸として可動フレーム214に対し揺動する。また、可動板212は、可動フレーム214が、可動板212を含めて、第2櫛歯電極218の静電力を駆動力として第2ねじりばね215を回動軸とし固定部216に対し揺動することにより、固定部216に対し第1ねじりばね213についての揺動方向とは略直交する方向に揺動する。すなわち、偏向器20は、ミラー部211が形成された可動板212が2軸について揺動可能な、2軸ジンバル型のミラー装置を用いて構成されている。
駆動回路部24は、制御回路5からの駆動信号に基づき、偏向器20の第1櫛歯電極217及び第2櫛歯電極218にそれぞれ周期的に駆動電圧を印加し、偏向器20を駆動する。第2実施形態においては、制御回路5は、駆動回路部24から第1櫛歯電極217へ、上述の第1ねじりばね213と可動板212との系の固有振動数の2倍の周期の駆動電圧を印加させる。これにより、可動板212は、第1ねじりばね213について、当該固有振動数に等しい第1走査周波数で駆動され揺動する。また、制御回路5は、同様に、駆動回路部24から第2櫛歯電極218へ、上述の第2ねじりばね215と可動フレーム214及び可動板212との系の固有振動数の2倍の周期の駆動電圧を印加させる。これにより、可動フレーム214及び可動板212は、第2ねじりばね215について、当該固有振動数に等しい第2走査周波数で駆動され揺動する。このように、本実施形態においては、偏向器20は、2軸両方について、それぞれ共振現象を伴い揺動されるので、2軸両方について、光線を走査する際に画角を大きくすることができ、投影画像を大きく表示させることが可能になる。なお、偏向器20の駆動方法はこれに限られず、第1走査周波数又は第2走査周波数のいずれか一方のみをそれに対応する振動系の固有振動数として、一方の軸についてのみ共振現象を伴い揺動させるようにしてもよい。また、2軸とも、共振現象を伴わない任意の周波数で揺動させるようにしてもよい。
第2実施形態では、このような2軸について揺動可能なジンバル型の偏向器20を用いることにより、1つのミラー素子を用いて、光源2から出射される光線を投影面101上に走査することができる。第2実施形態において、第1ねじりばね213と、第2ねじりばね215とのばね定数の差や、可動板212と、可動板212を含む可動フレーム214との質量差から、第1走査周波数に比べて第2走査周波数が相当小さくなる。偏向器20は、可動板212の第1ねじりばね213についての揺動により、ミラー部211により反射された光線を投影面101上で略水平方向に走査する。また、偏向器20は、可動板212が可動フレーム214と共に第2ねじりばね215について揺動することにより、ミラー部211により反射された光線を投影面101上で略垂直方向に走査する。従って、表示装置21は、投影面101上に光線を2次元的に走査し画像を表示することができる。このとき、制御回路5は、例えば上述の第1実施形態と同様に、第1走査周波数をfHとし第2走査周波数をfVとしたとき、fHはfVの倍数ではなく、2×fHがfVの倍数となるように、光源ドライバ3及び駆動回路部24を制御する。これにより、上述と同様に、実効的な走査線の数を増加させることができ、従来と比較して解像度の高い画像を表示可能であり、且つ、製造コストを低減することができる。
第2実施形態では、第1実施形態のように1軸型のミラー装置を2つ組み合わせて用いる場合と比較して、偏向器20を小型化することができる。また、ミラー部211の中心位置は駆動時にほとんど変位しないので、ミラー部211に入射させる光線の大きさを、ミラー部211の大きさに応じて光源2から出射されたレーザ径と同等の1mmから5mm程度の直径以下に小さくすることができ、偏向器20をさらに小さな体積にすることができる。従って、表示装置21を小型化することができる。
なお、本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を変更しない範囲で適宜に種々の変形が可能である。例えば、上記第1又は第2実施形態において、第1走査周波数をfH、第2走査周波数をfVとしたとき、fHはfVの倍数ではなく、且つ、Nを2以上の自然数として、N×fHがfVの倍数となるように各走査周波数を設定してもよい。これにより、実効的には第1走査周波数と第2走査周波数との比のN倍の走査線数の画像を表示することができ、表示する画像を高解像度化することができる。このとき、制御回路5は、画像データを、Nの値に対応する所定の手順で読み出し、偏向器10,20により偏向させる光線の強度を変調し、所望の画像を投影表示可能にすればよい。なお、上記第1又は第2実施形態の表示装置1,21は、N=2となるように各走査周波数が設定されているものと換言することができ、このとき、制御回路5は、映像変調信号の出力をN=2に対応するように上述のように行っている。
以下に、上記の一例として、図7(a)乃至(f)及び図8(a)、(b)を参照し、例えば第1実施形態のような構成においてN=3となるように走査周波数が設定されている表示装置の光線の走査経路の一例を具体的に説明する。説明の簡単のため、水平走査と垂直走査の走査周波数比を10:3とし、表示画像の左上端部を始点として、光線が、表示画像の上から下へ、水平走査されながら垂直走査されるとする。まず、光線が上から下へ垂直走査される際には、光線は、図7(a)に示すように、下方に走査位置が変位しながら、左から右(1本目の走査線)、右から左(2本目の走査線)、左から右(3本目の走査線)と変位する。その後、光線の走査位置は、右から左に向け走査される途中の、右端から左右の幅の1/3程左側に寄った位置で、走査範囲すなわち表示画像の下端に到達する。すなわち、上から下への垂直走査時においては、3本と1/3本の走査線が、走査される光線により表示されることになる。次に、図7(b)に示すように、光線が下から上へ垂直走査される際には、光線は、上から下への垂直操作時に走査範囲の下端となった部位から上方に走査位置が変位しながら、左に向けて変位する。このとき、上から下への垂直走査時に1/3だけ走査した部分を含め、4本目の走査線が走査されることになる。光線は、左から右(5本目の走査線)、右から左(6本目の走査線)と走査され、左から右に向け走査される途中の左端から2/3程右側に寄った位置で走査範囲の上端に到達し、垂直走査の方向が下方に変わる。その後、図7(c)に示すように、光線は、右端部まで走査され(7本目)、右から左(8本目)、左から右(9本目)、右から左(10本目)と走査され、左下端部に到達する。
このとき、制御回路5は、映像変調信号の出力を、画像データをN=3の値に対応する所定の手順で読み出しシリアル化することにより行う。すなわち、制御回路5は、上述の第1の実施形態で示すようなN=2の場合についての場合と同様に、マトリクス画像データを、行については垂直方向に1/2周期分の走査フレーム毎に上下交互の方向順でシリアルデータに変換する。また、列については、そのマトリクス画像データの行に応じて、当該走査フレームにおいて光線が走査される範囲の画像データを、光線の走査方向に応じた順で、シリアルデータに変換する。このように、N=3の値に対応する所定の手順で画像データをシリアルデータ化することにより、上述のように偏向器10,20で走査される光線を適切に変調することができ、適正に画像を表示することができる。なお、このように映像変調信号の出力を上記Nの値に対応する手順に基づき行う場合には、制御回路5の当該処理による負荷が、Nの値が大きくなるほど大きくなる。従って、Nの値は、例えば9以下程度にするのが好ましい。
図8(a)は、このときの図7(a)乃至(c)に示す走査線の経路を合成したものである。このように、N=3の場合、垂直走査を上下に1.5往復する間に、合計10本の走査線が、互いに重なることなく表示されるので、合計10本の走査線数で1つの表示フレームを構成することにより、表示画像を高解像度化することができる。すなわち、N=3の場合、第1走査周波数と第2走査周波数との比を10:3としたときに決まる通常の走査線の数の3倍の本数の走査線で画像を表示することができ、従来と比較し、実効的に垂直方向に3倍の解像度に相当する画像を表示することができる。なお、これと同様に、その後垂直走査が1.5往復する間にも、図7(d)乃至(f)及び図8(b)に示すように、合計10本の走査線が互いに重なることなく表示される。すなわち、N=3の場合、垂直走査を上下に3往復する間に、10本の走査線で構成される表示フレームを2つ表示させ、光線が元の位置に戻ることになる。
なお、上記のように、本発明の説明では、説明の簡単のため、第1走査周波数と第2走査周波数の比を仮に3.5(7:2)や10:3等として説明したが、実際はこれに限られるものではなく、種々の比の設定が可能である。この走査周波数の比は、より望ましくは、第1走査周波数と第2走査周波数との比を10:1より大きい程度にすればよく、この比が大きいほど、垂直方向の往復で走査可能な例えば水平方向の走査線の数が増加する。それにより、実効的な走査線の数を10×N本より多くし、さらに高解像度の画像を投影表示することができる。
本発明の第1実施形態に係る投影型表示装置の一例を示すブロック図。 上記投影型表示装置の第1ミラー装置を示す斜視図。 (a)は上記投影型表示装置の第1走査フレームの光線の走査経路を示す図、(b)は同投影型表示装置の第2走査フレームの光線の走査経路を示す図、(c)は(a)と(b)とを合成して示す図、(d)は同投影型表示装置の第3走査フレームの光線の走査経路を示す図、(e)は同投影型表示装置の第4走査フレームの光線の走査経路を示す図、(f)は(d)と(e)とを合成して示す図。 上記投影型表示装置の第1乃至第4走査フレームにおける映像変調信号の生成処理について示す図。 本発明の第2実施形態に係る投影型表示装置の一例を示すブロック図。 上記投影型表示装置の偏向器を示す斜視図。 (a)乃至(f)は、本発明の第1実施形態に係る投影型表示装置の光線の走査経路の一変形例を示す図。 (a)は図7(a)乃至(c)の光線の走査経路を合成して示す図、(b)は図7(d)乃至(e)の光線の走査経路を合成して示す図。 (a)及び(b)は従来の投影型表示装置の光線の走査経路の一例を示す図、(c)は(a)と(b)とを合成して示す図。
符号の説明
1,21 投影型表示装置
2 光源
3 光源ドライバ
4,24 駆動回路部
10,20 偏向器(ミラー装置)
5 制御回路
11 第1ミラー装置
12 第2ミラー装置

Claims (5)

  1. 光線を偏向させる2軸の偏向器を2軸それぞれについて所定の走査周波数で駆動し、2次元的に光線を走査する投影型表示装置であって、
    前記2軸それぞれについての走査周波数は、走査周波数が高い方の軸についての走査周波数をfHとし走査周波数が低い方の軸についての走査周波数をfVとしたとき、fHはfVの倍数ではなく、かつ、Nを2以上の自然数として、N×fHがfVの倍数となるように設定されており、
    投影する画像に対応する画像データを、前記Nの値に対応する所定の手順で読み出し、前記偏向器により偏向させる光線の強度を変調することにより、前記画像データに対応する画像を投影表示可能に構成されていることを特徴とする投影型表示装置。
  2. 前記偏向器は、それぞれ前記2軸のうちの1軸について揺動し、それぞれ入射する光線を直線的に往復運動走査する第1ミラー装置及び第2ミラー装置を有し、前記第2ミラー装置は、前記第1ミラー装置により走査された光線が入射されその第1ミラー装置の走査方向とは略直交する方向に走査するように配置されていることを特徴とする請求項1記載の投影型表示装置。
  3. 前記偏向器は、光線が走査される方向から見て2軸それぞれについての回転中心が交差するように構成されている2軸ジンバル型のミラー装置を用いて構成されていることを特徴とする請求項1記載の投影型表示装置。
  4. 前記偏向器は、2軸のうち少なくともいずれか一方の軸について、共振現象を伴い揺動するように構成された共振型のミラー装置を用いて光線を走査することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の投影型表示装置。
  5. 2軸それぞれについて所定の走査周波数で2次元的に光線を走査し画像を投影表示する表示方法であって、
    前記2軸それぞれについての走査周波数は、走査周波数が高い方の軸についての走査周波数をfHとし走査周波数が低い方の軸についての走査周波数をfVとしたとき、fHはfVの倍数ではなく、且つ、Nを2以上の自然数として、N×fHがfVの倍数となるように設定されており、
    投影する画像に対応する画像データを前記Nの値に応じた所定の手順で読み出して、走査する光線の強度を変調することにより、前記画像データに対応する画像を投影表示することを特徴とする表示方法。
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