JP2010008250A - 音源方向推定装置及び方法 - Google Patents

音源方向推定装置及び方法 Download PDF

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学 野原
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祐介 曽我
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Abstract

【課題】音源方向推定装置において、高い精度で音源の方向を推定可能とする。
【解決手段】音源方向推定装置は、互いに異なる位置に設けられており、移動する音源が発する音を検出する第1及び第2音検出手段(110,120)と、第1音検出手段において音が検出される時間及び第2音検出手段において音が検出される時間の差を、時間差データとして算出する時間差算出手段(130)と、時間差データに対して移動平均処理を行う移動平均処理手段(160)と、移動平均処理が行われた時間差データと、第1及び第2音検出手段間の距離とに基づいて、音源の方向を推定する方向推定手段(180)とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば車両等の移動する物体の方向を、物体が発する音によって推定する音源方向推定装置及び方法の技術分野に関する。
この種の音源方向推定装置として、複数のマイクロフォンによって音源が発した音を検出し、音が複数のマイクロフォンの各々に到達する時間の差に基づいて、音源の方向を推定するというものがある。例えば特許文献1及び2では、音の到達する時間の差を、相関関数を用いて算出して音源の方向を推定するという技術が開示されている。
実開平5−92767号公報 特許第2776092号公報
しかしながら、上述した技術においては、例えば音源との距離が遠い等の理由によって検出される音が小さい場合に、音の相関関係を正確に求めることができず、正確に音源の方向を推定することが困難となってしまう。即ち、上述した技術では、特定の状況において音源の方向を推定する精度が低下してしまうおそれがあるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、高い精度で音源の方向を推定可能な音源方向推定装置及び方法を提供することを課題とする。
本発明の音源方向推定装置は上記課題を解決するために、互いに異なる位置に設けられており、移動する音源が発する音を検出する第1及び第2音検出手段と、前記第1音検出手段において前記音が検出される時間及び第2音検出手段において前記音が検出される時間の差を、時間差データとして算出する時間差算出手段と、前記時間差データに対して移動平均処理を行う移動平均処理手段と、前記移動平均処理が行われた前記時間差データと、前記第1及び第2音検出手段間の距離とに基づいて、前記音源の方向を推定する方向推定手段とを備える。
本発明の音源方向推定装置によれば、その動作時に、第1及び第2音検出手段によって、例えば車両等の移動する音源が発する音が検出される。第1及び第2音検出手段は、互いに異なる位置に設けられているため、音源が発した同一の音が時間的にずれて検出される。
続いて、時間差算出手段では、第1音検出手段において音が検出される時間及び第2音検出手段において音が検出される時間の差が、時間差データとして算出される。時間差データは、典型的には、バラツキをもったデータとして算出される。即ち、第1及び第2音検出手段において検出された音が複数回サンプリングされ、統計的なデータとして時間差データが算出される。また、時間差データは時間差以外の情報を含んでいてもよい。
時間差データが算出されると、移動平均処理手段によって、時間差データに対して移動平均処理が行われる。移動平均処理を行うことにより、時間差データにおけるバラツキが抑制される。これにより、時間差データは、より的確に音が到達する時間の差を示すデータとなる。
最後に、方向推定手段によって、移動平均処理が行われた時間差データと、第1及び第2音検出手段間の距離とに基づいて、音源の方向が推定される。即ち、第1及び第2音検出手段から見た音源の方向が推定される。具体的には、例えば時間差データから求められた音の進行距離と、第1及び第2音検出手段間の距離との関係を三角関数で表すことで、音源の角度を求めることができる。
尚、音検出手段は第1及び第2音検出手段以外に設けられていてもよい。即ち、音検出手段は3つ以上設けられてもよい。この場合、時間差の比較対象が増えることで、時間差データがより多く算出されるため、方向推定の精度を向上させることが可能である。また、音検出手段の配置も特に限定されないが、例えば方向を推定する音源の移動速度等を予測して配置を決定することで、音を正確に検出し、方向推定の精度を向上させることが可能である。
本発明の音源方向推定装置は、典型的には、音源の方向推定をリアルタイムで連続して行う。よって、音源の方向は、時間的に連続したデータとして出力される。これにより、音源が第1及び第2音検出手段に対してどのように移動しているかを検出することもできる。
以上説明したように、本発明の音源方向推定装置によれば、時間差データに対して移動平均処理が行われるため、より高い精度で音源の方向を推定することが可能である。
本発明の音源方向推定装置の一態様では、前記音源と前記第1及び第2音検出手段との距離を検出する距離検出手段と、前記検出された距離が大きい程、前記移動平均処理における平均時間を長くするように設定する平均時間設定手段を更に備え、前記移動平均処理手段は、前記設定された平均時間で前記移動平均処理を行う。
この態様によれば、距離検出手段によって、音源と前記第1及び第2音検出手段との距離が検出される。そして、平均時間設定手段によって、移動平均処理における平均時間が、検出された距離に応じた値に設定される。
具体的には、平均時間は検出された距離が大きい程長くされる。言い換えれば、音源と第1及び第2音検出手段との距離が離れている程、移動平均処理によって平均されるデータの量が増加される。
移動平均処理における平均時間を長くする程、時間差データは、より的確に時間差を示すデータとなる。しかしながら、平均時間を長くすることで、移動平均処理を行う時間は増加する。このため、音源が発した音が第1及び第2音検出手段間に検出されてから、音源の方向が推定されるまでの時間が長くなってしまう。
他方で、時間差データにおけるバラツキは検出される音の大きさによって変化し、例えば検出された音が大きい場合は、検出すべき音と他の音とを判別することが容易となるため、バラツキは小さくなる。一方、検出された音が小さい場合は、検出すべき音と他の音とを判別することが困難となるため、バラツキは大きくなる。
ここで、一の音源が発する音の大きさが大きく変動しないものである場合、検出される音の大きさは、音源と第1及び第2音検出手段との距離に概ね比例する。よって、時間差データは、音源との距離が大きい場合にはバラツキが大きくなり、音源との距離が小さい場合にはバラツキが小さくなると考えることができる。
本態様では特に、上述したように、音源と第1及び第2音検出手段との距離が大きい程、平均時間が長くされる。よって、例えば音源との距離が大きい場合には平気時間が長くされる。従って、時間差データにおけるバラツキが大きい場合であっても、高い精度で音源の方向を推定できる。また他方で、音源との距離が小さい場合には平均時間が短くされる。時間差データにおけるバラツキが小さい場合には、移動平均処理を長く行わなくとも高い精度で音源の方向を推定できる。
より具体的には、例えば図2の構成のように、単に移動平均を比較例の構成(図1参照)に付加しただけの場合、音源の方向が推定されるまでの時間が長くなってしまう問題が生じるおそれがある。接近車両の方向推定を例にとると、接近車両とユーザの車との距離が近い場合、いち早くユーザに接近車両の方向を伝えることが求められるため、推定時間が長い場合、問題となる。しかし、接近車両とユーザの車との距離が近い場合、接近車両の音圧が大きいため、移動平均処理を行わなくても精度良く検出できる。そこで図12のように、距離が短い場合は移動平均時間を少なくし、距離が長い場合は移動平均時間を長くする事で問題を解決する事ができる。つまり、図1の構成に移動平均を付加した図2の構成に、移動平均時間を距離により適応的に変化する構成を付加した図12の構成によれば、遠い距離から近い距離まで精度良く、ユーザに問題なく接近車両の方向を伝える事ができる。
以上のように、本態様に係る音源方向推定装置によれば、音源の方向を、高い精度で且つより早く推定することができる。
上述した距離算出手段を更に備える態様では、前記距離検出手段は、前記第1及び前記第2音検出手段において検出された音の大きさから、前記音源と前記第1及び第2音検出手段との距離を検出するように構成してもよい。
この場合には、音源と第1及び第2音検出手段との距離が、第1及び第2音検出手段において検出された音の大きさから検出される。このため、移動平均処理における平均時間は適切な値に設定される。よって、上述したように、時間差データにおけるバラツキが大きい場合であっても、高い精度で音源の方向を推定できる。また、時間差データにおけるバラツキが小さい場合には、音源の方向を、高い精度で且つより早く推定することができる。
尚、音の大きさを示すデータから音源と第1及び第2音検出手段との距離を検出するようにせずとも、例えば音の大きさから直接的に平均時間を設定するようにすることも可能である。
或いは、上述した距離算出手段を更に備える態様では、前記時間差データは、前記第1及び前記第2音検出手段において検出された音の大きさを示す情報を含んでおり、前記距離検出手段は、前記時間差データから前記音源と前記第1及び第2音検出手段との距離を検出するように構成してもよい。
この場合には、音源と第1及び第2音検出手段との距離が、時間差データから検出される。時間差データは、例えば検出された音の大きさを示すデータに対し、各種演算処理が施されたデータである。このため、検出されるべき音と他の音との判別等が行われた状態の情報を有しており、音の大きさを示すデータから直接距離を検出する場合と比べて、高い精度で距離を検出することができる。よって、より適切に平均時間を設定することができる。従って、音源の方向をより好適に推定することが可能となる。
本発明の音源方向推定装置の他の態様では、前記時間差算出手段は、前記第1音検出手段において検出された音を示すデータ及び前記第2検出手段において検出された音を示すデータに相関関数を乗ずることによって得られた相関関係を用いて、前記時間差データを算出する。
この態様によれば、先ず第1音検出手段において検出された音を示すデータ及び第2検出手段において検出された音を示すデータに相関関数が乗ぜられ、2つの音を示すデータの相関関係が求められる。よって、時間差データを確実に算出することができる。従って、高い精度で音源の方向を推定することが可能となる。
本発明の音源方向推定装置の他の態様では、前記時間差算出手段は、MV(Minimum Variance)法を用いて、前記時間差データを算出する。
この態様によれば、MV法(最小分散法)を用いて時間差データが算出されるため、時間差データにおけるバラツキを小さくすることが可能である。従って、高い精度で音源の方向を推定することが可能となる。
本発明の音源方向推定装置の他の態様では、前記時間差算出手段は、線形予測法を用いて、前記時間差データを算出する。
この態様によれば、線形予測法を用いて時間差データが算出されるため、時間差データにおけるバラツキを小さくすることが可能である。従って、高い精度で音源の方向を推定することが可能となる。
本発明の音源方向推定装置の他の態様では、前記時間差算出手段は、遅延和法を用いて、前記時間差データを算出する。
この態様によれば、遅延和法を用いて時間差データが算出されるため、時間差データにおけるバラツキを小さくすることが可能である。従って、高い精度で音源の方向を推定することが可能となる。
本発明の音源方向推定装置の他の態様では、前記時間差算出手段は、MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法を用いて、前記時間差データを算出する。
この態様によれば、MUSIC法を用いて時間差データが算出されるため、時間差データにおけるバラツキを小さくすることが可能である。従って、高い精度で音源の方向を推定することが可能となる。
本発明の音源方向推定方法は上記課題を解決するために、互いに異なる位置に設けられており、移動する音源が発する音を第1及び第2音検出手段によって検出する音検出工程と、前記第1音検出手段において前記音が検出される時間及び第2音検出手段において前記音が検出される時間の差を、時間差データとして算出する時間差算出工程と、前記時間差データに対して移動平均処理を行う移動平均処理工程と、前記移動平均処理が行われた前記時間差データと、前記第1及び第2音検出手段間の距離とに基づいて、前記音源の方向を推定する方向推定工程とを備える。
本発明の音源方向推定方法によれば、上述した本発明の音源方向推定装置と同様に、時間差データに対して移動平均処理が行われるため、高い精度で音源の方向を推定することが可能である。
尚、本発明の音源方向推定方法においても、上述した本発明の音源方向推定装置における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
本発明の作用及び他の利得は、次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
先ず、本実施形態に係る音源方向推定装置について説明する前に、比較例に係る音源方向推定装置について、図1を参照して説明する。ここに図1は、比較例に係る音源方向推定装置の構成を示すブロック図である。
図1に示す音源方向推定装置は、第1音検出部110と、第2音検出部120と、相関計算器130と、時間差算出器170と、方向算出器180とを備えて構成されている。
このような音源方向推定装置によれば、先ず第1音検出部110及び第2音検出部120において音源から発せられた音が検出される。続いて、時間差算出器170において、第1音検出部110及び第2音検出部120によって音が検出される時間差が算出され、この時間差を用いて、方向算出器180が、音源の方向を推定する。しかしながら、例えば第1音検出部110及び第2音検出部120から音源までの位置が大きい場合には、検出される音が小さくなるため、方向推定の精度が低下してしまうというおそれがある。即ち、図1に示すような音源方向推定装置では、高い精度で音源の方向を推定することが困難である。
<第1実施形態>
次に、第1実施形態に係る音源方向推定装置の構成について、図2を参照して説明する。ここに図2は、第1実施形態に係る音源方向推定装置の構成を示すブロック図である。
図2において、第1実施形態に係る音源方向推定装置は、第1音検出部110と、第2音検出部120と、相関計算器130と、移動平均処理器160と、時間差算出器170と、方向算出器180とを備えて構成されている。
第1音検出部110及び第2音検出部120は、本発明の「第1音検出手段」及び「第2音検出手段」の一例であり、例えばマイクロフォン等の集音装置である。第1音検出部110及び第2音検出部120は、互いに異なる位置に配置されている。
相関計算器130は、本発明の「時間差算出手段」の一例であり、第1音検出部110において検出された音を示すデータ及び第2音検出部120において検出された音を示すデータに相関関数を乗じて、互いの相関関係を求める。
移動平均処理器160は、本発明の「移動平均処理手段」の一例であり、相関計算器130から出力されるデータの移動平均処理を行う。
時間差算出器170は、移動平均処理が行われたデータから、第1音検出部110に音が到達した時間と第2音検出部120に音が到達した時間の差を算出する。
方向算出器180は、本発明の「方向推定手段」の一例であり、第1音検出部110に音が到達した時間と第2音検出部120に音が到達した時間の差、及び第1音検出部110と第2音検出部120との距離から、音源の方向を推定する。
次に、第1実施形態に係る音源方向推定装置の動作について、図2に加えて、図3から図11を参照して説明する。
先ず、第1実施形態に係る音源方向推定装置の対象とする音源と音源が発する音との関係について図3及び図4を参照して説明する。ここに図3は、第1実施形態に係る音源方向推定装置の動作時の状況を示す上面図であり、図4は、第1及び第2音検出部に音が到達する際の時間差を示す概念図である。
図3において、第1実施形態に係る音源方向推定装置は、図に示す自車両210に搭載されている。以下では、自車両210は停止しており、自車両210の右方向から来た他の車両220が、自車両210の前を左方向に通過する場合を例にとり説明する。即ち、第1実施形態に係る音源方向推定装置は、自車両210から見た他の車両220の方向を推定する。
図4に示すように、例えば自車両210の右側前方に第1音検出部110が配置されており、自車両210の左側前方に第2音検出部120が配置されているとすると、右方向から接近してくる他の車両220aが発する音は、先ず第1音検出部110によって検出される。そして、第2音検出部120には、第1音検出部110と比べて、図中のL1分遅れて到達する。即ち、第1音検出部110及び第2音検出部120間では、音が検出される時間に差が生じる。
また、自車両210の正面に位置する他の車両220bが発する音は、他の車両220bと第1音検出部110及び第2音検出部120との距離が夫々同じとなるため、第1音検出部110及び第2音検出部120において同時に検出される。自車両210の正面を通過し、自車両210の左方向へ遠ざかる他の車両220cが発する音は、第2音検出部120によって検出された後に、第1音検出部110に検出される。即ち、第2音検出部120には、図中のL2分だけ音が早く到達する。
続いて、検出された音を示すデータから相関値を算出する工程について、図5から図7を参照して説明する。ここに図5は、第1音検出部において検出された音を示すデータの一例を示す波形図であり、図6は、第2音検出部において検出された音を示すデータの一例を示す波形図である。また図7は、検出された音の時間差毎の相関値を示すグラフである。
図5に示すように、第1音検出部110において検出された音は波形データに変換される。また、第2音検出部120において検出された音も、図6に示すように、波形データに変換される。ここで、他の車両220は自車両210の右から接近してくるため、第2音検出部110で検出された音が示すデータは、第1音検出部110で検出された音が示すデータと比べて、時間的に遅れたものとなる。例えば、グラフにおける一のピークp1に着目すると、図5で示すデータと図6で示すデータとで位置が異なることが分かる。
図7において、第1実施形態に係る音源方向推定装置における相関計算器130は、図5及び図6で示した波形データから、同時刻に検出された1フレーム分のデータをサンプリングし、相関関数を乗ずることによって、図に示すような時間差と相関値の関係を表すデータを求める。尚、フレームとは、データをサンプリングする幅を規定する単位であり、予め所定の大きさを有するように設定されている。
図7に示すようなデータが求められたとすると、第1音検出部110及び第2音検出部120に音が到達する時間差は、グラフ中における相関値が最も高い位置と推定することができる。即ち、ここでの第1音検出部110及び第2音検出部120に音が到達する時間差は、図中で示すτと推定することができる。
相関計算器130では、上述したような時間差を示すデータが連続して求められる。即ち、第1音検出部110及び第2音検出部120に音が到達する時間差が、連続するフレームにおいて夫々求められ、時系列に沿ったデータとして出力される。
続いて、移動平均処理を行う工程について、図8を参照して説明する。ここに図8は、移動平均処理が行われた後の相関値を示すグラフである。
図8において、第1実施形態に係る音源方向推定装置では特に、移動平均処理器160において、相関計算器130から出力されたデータに移動平均処理を行う。これによって、移動平均処理後のデータは、図7で示したデータと比べて、相関値のピークが明確に判別できるようなものとなる。よって、例えば相関計算器130から得られたデータからでは、相関値のピークを適切に判別できない場合であっても、移動平均処理後のデータによって相関値のピークを判別することができる。即ち、第1音検出部110及び第2音検出部120に音が到達する時間差τを、より確実に求めることができる。移動平均処理における平均時間は例えば、予め実験的に又は理論的に、或いは経験的に得られた値を設定すればよい。
尚、上述した移動平均処理は、相関計算器130の出力からピークを検出する前に行われる方がよい。例えば、ピークのみを抽出してしまうと、それまでデータ中に含まれていた振幅(即ち、エネルギー)を示すデータ等が失われてしまうことになる。この場合、データに含まれる情報量が少なくなることで、移動平均処理における効果は低下してしまう。よって、移動平均処理における効果を適切に発揮させるため、ピークの検出は移動平均処理後に行われた方がよい。
続いて、相関値から音源の方向を推定する工程について、図9から図12を参照して説明する。ここに図9は、音源の方向を推定するための計算方法を示す概念図である。また図10は、第1実施形態に係る音源方向推定装置において推定された音源の方向を、時系列で示すグラフであり、図11は、比較例に係る音源方向推定装置において推定された音源の方向を、時系列で示すグラフである。
図9において、自車両210から見た他の車両220の方向を示す角度θと、第1音検出部110及び第2音検出部120間の距離D及び第2音検出部120に対して音が遅れて到達する分の距離Aとの関係は、以下の数式(1)で表すことができる。
sinθ=A/D ・・・ (1)
尚、距離Aは、時間差τに音速を乗ずることで求められる。
方向算出器180は、上述した数式(1)に基づいて、角度θを以下の数式(2)で求める。
θ=arcsin(A/D) ・・・ (2)
以上のように、第1実施形態に係る音源方向推定装置は、自車両210に対する、音源である他の車両220の方向を推定することが可能である。
第1実施形態に係る音源方向推定装置から出力される音源の方向を示すデータは、例えばカーナビゲーションシステム等に出力されることで、ディスプレイによる警告表示や音声による警告を行うことができる。また、衝突防止のためのハンドル自動操作や車速制御等に用いられてもよい。
図10において、求められた角度θを時系列でプロットすると、図に示すような形となる。このグラフから、他の車両220は、自車両210の右側から接近し、時間tが12秒となる付近で、自車両210の前を左側に通過していったことが分かる。
ここで、上述した移動平均処理を行わずに(即ち、図1に示すような音源方向推定装置によって)音源の方向を推定した場合を考えると、図10に示すグラフは、図11に示すグラフのように、多くのノイズを含んだものとなる。即ち、時間差τが正確に求められないため、音源の方向を推定する精度も低下してしまう。
しかるに第1実施形態に係る音源方向推定装置では、上述したように、移動平均処理が行われるため、相関計算器130からの出力におけるバラツキが低減される。よって、時間差τを正確に求めることができ、音源の方向を高い精度で推定することができる。
以上説明したように、第1実施形態に係る音源方向推定装置によれば、移動平均を用いることで、音源の方向を高い精度で推定することが可能である。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る音源方向推定装置について、図12及び図13を参照して説明する。ここに図12は、第2実施形態に係る音源方向推定装置の構成を示すブロック図であり、図13は、算出された距離に基づく平均時間の設定方法を示す表である。である。尚、第2実施形態は、上述の第1実施形態と比べて、音源との距離を算出する点が異なり、その他の構成や動作については概ね同様である。このため第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略する。また、図12では、図2に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付している。
図12において、第2実施形態に係る音源方向推定装置は、第1音検出部110と、第2音検出部120と、相関計算器130と、距離算出器140と、平均時間算出器150と、移動平均処理器160と、時間差算出器170と、方向算出器180とを備えて構成されている。
距離算出器140は、本発明の「距離検出手段」の一例であり、相関計算器130から出力されるデータから、音源と第1音検出部110及び第2音検出部120との距離を算出する。
平均時間算出器150は、本発明の「平均時間設定手段」の一例であり、距離算出器140によって求められた距離に応じて、移動平均処理における適切な平均時間を算出する。平均時間算出器150は、例えば所定の数式によって平均時間を算出するようなものであってもよいし、予め記憶されたテーブル等から適切な平均時間を選択するようなものであってもよい。
第2実施形態では、距離算出器140によって、自車両210及び他の車両220間の距離が算出される。そして、平均時間算出器150によって、自車両210及び他の車両220間の距離に応じた平均時間が算出される。
具体的には、距離算出器140は、相関計算器130からの出力に含まれる音の振幅を示す情報に基づいて距離を算出する。即ち、検出された音の大きさに基づいて自車両210及び他の車両220間の距離を算出する。移動平均処理器160は、平均時間算出器150によって算出された平均時間を用いて移動平均処理を行う。
図13に示すように、平均時間算出器150は、距離算出器140において算出された距離が大きい程、平均時間を長く設定する。より具体的には、例えば自車両210及び他の車両220間の距離の距離が10m程度の場合には、平均時間を66.4ミリ秒とし、8フレーム分のデータを移動平均処理する。また、自車両210及び他の車両220間の距離の距離が40m程度の場合には、平均時間を265.6ミリ秒とし、32フレーム分のデータを移動平均処理する。自車両210及び他の車両220間の距離の距離が80m程度の場合には、平均時間を531.2ミリ秒とし、64フレーム分のデータを移動平均処理する。尚、上述した値は、他の車両220が時速60kmで走行する場合を想定しており、音源の移動速度や他の各種条件に応じて適切な値を設定することで、後述する効果はより顕著に発揮される。
典型的には、移動平均処理における平均時間を長くする程、音源の方向を推定する精度は高くなる。しかしながら、平均時間を長くすることで、移動平均処理を行う時間は増加する。このため、音源が発した音が第1及び第2音検出手段間に検出されてから、音源の方向が推定されるまでの時間が長くなってしまう。
他方で、自車両210及び他の車両220間の距離が小さい場合には、検出される音が比較的大きいため、検出すべき音と他の音とを判別することが容易となる。よって、移動平均処理における平均時間が短くとも、音源の方向を推定する精度は高くなる。一方、自車両210及び他の車両220間の距離が大きい場合には、検出される音が比較的小さいため、検出すべき音と他の音とを判別することが困難となる。よって、移動平均処理における平均時間を長くしなければ、音源の方向を推定する精度は低下してしまう。
第2実施形態に係る音源方向推定装置では特に、上述したように、音源と第1及び第2音検出手段との距離が大きい程、平均時間が長くされる。よって、例えば音源との距離が大きい場合でも、平気時間が長くされることで、高い精度で音源の方向を推定できる。また他方で、音源との距離が小さい場合には平均時間が短くされることで、音源の方向をより早く推定することができる。
第2実施形態のように、音源方向推定装置が車両に搭載される場合には、例えば自車両210及び他の車両220の衝突を防止するために、音源の方向がより短い時間で推定されることが求められる。よって、音源との距離が小さい場合に、音源の方向をより早く推定することができる第2実施形態に係る音源方向推定装置は極めて有効である。
以下では、上述した第2実施形態に係る音源方向推定装置の変形例について、図14から図18を参照して説明する。ここに図14から図18は夫々、第2実施形態に係る音源方向推定装置の変形例を示すブロック図である。尚、以下に説明する変形例は、上述した第1実施形態に係る音源方向推定装置にも適用可能である。
図14において、距離算出器140は、図12に示すように、相関計算器130の出力から距離を算出するのではなく。第1音検出部110及び第2音検出部120から出力される音の大きさを示すデータを用いて距離を算出するようにしてもよい。
図15から図18において、相関計算器130は、第1音検出部110において検出された音及び第2音検出部120において検出された音の相関関係を求めるような処理を行える装置であれば、代替が可能である。
具体的には、例えば図15に示すように、MV法処理器310によって、MV法を用いた方向推定を行うようにすることが可能である。図16に示すように、線形予測法処理器320によって、線形予測法を用いた方向推定を行うようにすることが可能である。図17に示すように、遅延和法処理器330によって、遅延和法を用いた方向推定を行うようにすることが可能である。図18に示すように、MUSIC法処理器330によって、MUSIC法を用いた方向推定を行うようにすることが可能である。また、上述した方法以外による方向推定を行う処理装置であっても、移動平均処理を適用することができるような方法で方向推定を行うものであればよい。
以上説明したように、第2実施形態に係る音源方向推定装置によれば、第1実施形態と同様に移動平均を用いることに加えて、音源との距離を加味して推定を行うことができるため、より高い精度で音源の方向を推定することが可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う音源方向推定装置及び方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
比較例に係る音源方向推定装置の構成を示すブロック図(その1)である。 第1実施形態に係る音源方向推定装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る音源方向推定装置の動作時の状況を示す上面図である。 第1及び第2音検出部に音が到達する際の時間差を示す概念図である。 第1音検出部において検出された音を示すデータの一例を示す波形図である。 第2音検出部において検出された音を示すデータの一例を示す波形図である。 検出された音の時間差毎の相関値を示すグラフである。 移動平均処理が行われた後の相関値を示すグラフである。 音源の方向を推定するための計算方法を示す概念図である。 第1実施形態に係る音源方向推定装置において推定された音源の方向を、時系列で示すグラフである。 比較例に係る音源方向推定装置において推定された音源の方向を、時系列で示すグラフである。 第2実施形態に係る音源方向推定装置の構成を示すブロック図である。 算出された距離に基づく平均時間の設定方法を示す表である。 第2実施形態に係る音源方向推定装置の変形例を示すブロック図(その1)である。 第2実施形態に係る音源方向推定装置の変形例を示すブロック図(その2)である。 第2実施形態に係る音源方向推定装置の変形例を示すブロック図(その3)である。 第2実施形態に係る音源方向推定装置の変形例を示すブロック図(その4)である。 第2実施形態に係る音源方向推定装置の変形例を示すブロック図(その5)である。
符号の説明
110…第1音検出部、120…第2音検出部、130…相関計算器、140…距離算出器、150…平均時間算出器、160…移動平均処理器、170…時間差算出器、180…方向算出器、210…自車両、220…他の車量、310…MV法処理器、320…線形予測法処理器、330…遅延和法処理器、340…MUSIC法処理器

Claims (10)

  1. 互いに異なる位置に設けられており、移動する音源が発する音を検出する第1及び第2音検出手段と、
    前記第1音検出手段において前記音が検出される時間及び第2音検出手段において前記音が検出される時間の差を、時間差データとして算出する時間差算出手段と、
    前記時間差データに対して移動平均処理を行う移動平均処理手段と、
    前記移動平均処理が行われた前記時間差データと、前記第1及び第2音検出手段間の距離とに基づいて、前記音源の方向を推定する方向推定手段と
    を備えることを特徴とする音源方向推定装置。
  2. 前記音源と前記第1及び第2音検出手段との距離を検出する距離検出手段と、
    前記検出された距離が大きい程、前記移動平均処理における平均時間を長くするように設定する平均時間設定手段を更に備え、
    前記移動平均処理手段は、前記設定された平均時間で前記移動平均処理を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の音源方向推定装置。
  3. 前記距離検出手段は、前記第1及び前記第2音検出手段において検出された音の大きさから、前記音源と前記第1及び第2音検出手段との距離を検出することを特徴とする請求項2に記載の音源方向推定装置。
  4. 前記時間差データは、前記第1及び前記第2音検出手段において検出された音の大きさを示す情報を含んでおり、
    前記距離検出手段は、前記時間差データから前記音源と前記第1及び第2音検出手段との距離を検出することを特徴とする請求項2に記載の音源方向推定装置。
  5. 前記時間差算出手段は、前記第1音検出手段において検出された音を示すデータ及び前記第2検出手段において検出された音を示すデータに相関関数を乗ずることによって得られた相関関係を用いて、前記時間差データを算出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の音源方向推定装置。
  6. 前記時間差算出手段は、MV法を用いて、前記時間差データを算出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の音源方向推定装置。
  7. 前記時間差算出手段は、線形予測法を用いて、前記時間差データを算出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の音源方向推定装置。
  8. 前記時間差算出手段は、遅延和法を用いて、前記時間差データを算出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の音源方向推定装置。
  9. 前記時間差算出手段は、MUSIC法を用いて、前記時間差データを算出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の音源方向推定装置。
  10. 互いに異なる位置に設けられており、移動する音源が発する音を第1及び第2音検出手段によって検出する音検出工程と、
    前記第1音検出手段において前記音が検出される時間及び第2音検出手段において前記音が検出される時間の差を、時間差データとして算出する時間差算出工程と、
    前記時間差データに対して移動平均処理を行う移動平均処理工程と、
    前記移動平均処理が行われた前記時間差データと、前記第1及び第2音検出手段間の距離とに基づいて、前記音源の方向を推定する方向推定工程と
    を備えることを特徴とする音源方向推定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103119461A (zh) * 2011-09-20 2013-05-22 丰田自动车株式会社 声源检测装置
WO2014164101A1 (en) * 2013-04-03 2014-10-09 Umm Al-Qura University Method to obtain accurate vertical component estimates in 3d positioning

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