JP2010007647A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】気体の圧縮に用いる圧縮機において、通常のフィルタを通過するような細かな鉄系異物を圧縮機本体内に吸い込まれる前に捕集可能とする。
【解決手段】集塵装置10の集塵容器12における吸入気体が通過する空間Kを形成する内外筒16,18および外容器下部15bの少なくとも一部に磁石を設けるとともに、前記空間K(空間19)には前記内外筒16,18から起立して前記吸入気体の流れを案内する内外ガイド板21,22を設け、該内外ガイド板21,22の少なくとも一部にも磁石を設けた。
【選択図】図2

Description

この発明は、気体の圧縮に用いる圧縮機に関する。
従来、上記圧縮機において、圧縮機本体の吸気側に吸入気体中の粉塵を除去するべく集塵装置を取り付けたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開平7−91371号公報
ところで、上記圧縮機を鋼材のレーザー加工機の近傍で使用した場合、例えば5μm以下の細かな鉄粉(鉄系異物)が上記集塵装置におけるろ紙やフォーム材からなる通常のフィルタを通過して圧縮機本体内に侵入することがあり、該圧縮機本体における摺動部(シリンダ、ピストン、スクロールラップ部等)の磨耗を促進するという課題がある。
そこでこの発明は、気体の圧縮に用いる圧縮機において、通常のフィルタを通過するような細かな鉄系異物を圧縮機本体内に吸い込まれる前に捕集可能とすることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、吸入気体を圧縮する圧縮機本体と、該圧縮機本体の吸気側に設けられて前記吸入気体中の粉塵を除去する集塵装置とを備えた圧縮機において、前記集塵装置は、吸入気体を上流より取り入れて該吸入気体を通過させる有底筒状の外容器と、該外容器内に設けられるとともに該外容器と同軸上に延びることにより二重管構造をなして前記吸入気体を下流側へ通過させる筒状の内筒とを有し、前記集塵装置の前記外容器および前記内筒における前記吸入気体が通過する空間を形成する壁部の少なくとも一部には、磁石を設けるとともに、前記空間には、前記壁部から起立して前記吸入気体の流れを案内するガイド板を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記ガイド板の少なくとも一部に磁石を設けたことを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記壁部およびガイド板が前記空間の上流側に向けて形成する角度を狭角としたことを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記磁石は電気を通電することにより着磁する電磁石で構成し、該電磁石への通電は前記圧縮機本体の運転と連動して行うことを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、圧縮機本体に導入される前の吸入気体は、集塵装置を通過することで粉塵が除去されるが、該集塵装置における通常のフィルタを通過するような細かな鉄粉等の鉄系異物は、集塵装置の容器内の空間を通過する際に、その壁部やガイド板に設けた磁石の磁力により捕集される。この鉄系異物は、前記壁部およびガイド板が空間上流側に形成する隅部に溜まり、吸入空気とともに空間下流側に流れることが防止される。
このように、吸入空気に含まれる通常のフィルタを通過するような細かな鉄系異物をも圧縮機本体内に吸い込まれる前に捕集することができ、圧縮機本体における前記鉄系異物の侵入による摺動部の磨耗を防止することができる。
請求項2に記載した発明によれば、空間内に起立して吸入空気に接触し易いガイド板に磁石が設けられることとなり、吸入空気中の鉄系異物の捕集効果を高めるとともに、壁部およびガイド板が形成する狭角部に溜まった鉄系異物の保持効果も高めることができる。
請求項3に記載した発明によれば、壁部およびガイド板が形成する狭角部に捕集した鉄系異物を溜め易く、かつ該狭角部に溜まった鉄系異物の保持効果をさらに高めることができる。
請求項4に記載した発明によれば、圧縮機本体の運転中は吸入空気中の鉄系異物を捕集する一方、圧縮機本体の停止時には捕集した鉄系異物を容易に除去、回収することができる。
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1に示す圧縮機1は、その圧縮機本体2において、クランクシャフト(不図示)の回転動によりシリンダ3内のピストン(不図示)を往復動させ、シリンダ3内に吸入した気体(外気)を圧縮して吐出する。シリンダ3から吐出された圧縮気体は、圧縮機本体2と一体的に設けた貯留タンク4内に貯留される。前記クランクシャフトの駆動は、貯留タンク4内の圧力等に応じて電動機5により行われる。なお、図中符号6は電動機5を含む圧縮器本体の運転を制御する圧縮機制御回路を、符号7は圧縮機制御回路6から後に詳述する集塵容器12の電磁石25に向けて延びる給電用の配線をそれぞれ示す。
図2,3を併せて参照し、圧縮機本体2の吸気側には、吸気中の粉塵の除去を行う集塵装置10が取り付けられる。集塵装置10は、外気取り入れ口11aを有するサイクロン式のプレクリーナ11と、該プレクリーナ11の下方に連なる集塵容器12と、プレクリーナ11の上方に連なるフィルタケース13とを有してなる。フィルタケース13は、圧縮機本体2の吸気側に消音器14を介して接続される。
プレクリーナ11は、外気取り入れ口11aから取り入れた外気(吸入空気)に遠心力を作用させることで、該外気中に含まれる比較的大きな粉塵を除去する。このプレクリーナ11を通過した外気は、その下部に形成された複数の導出口11bより集塵容器12内に導かれ、該集塵容器12内を通過した後にフィルタケース13内に向けて吸入される。なお、図中鎖線矢印は吸入気体の流れを示す。
図2を参照し、集塵容器12は概略二重管構造をなし、上方(プレクリーナ11側)に開口する有底円筒状の外容器15と、該外容器15内にこれと間隔を空けて同軸に配置される円筒状の内筒16とを有してなる。
外容器15の上端部はプレクリーナ11の下部外周側に着脱可能に取り付けられ、内筒16の上端部はプレクリーナ11の下部内周側に一体的(又は着脱可能)に取り付けられる。内筒16の下端部は外容器15の底部15aよりも上方に離間した位置で終端する。以下、内筒16の下端部と外容器15の底部15aとの間の空間を集塵容器12の底部空間17とし、外容器15外周の円筒部分における内筒16と対向する部位を外筒18とする。内外筒16,18は、自身の軸線と平行な円筒状に設けられる。なお、外容器15における外筒18よりも下方の部位(前記底部空間17を形成する部位)を外容器下部15bということがある。
プレクリーナ11を通過した外気は、集塵容器12における前記外筒18と内筒16との間に形成された円筒状の空間19を下方に向けて通過して前記底部空間17に至り、該底部空間17で上方に折り返して内筒16内側の空間16aに進入し、該空間16aを上方に向けて通過した後にプレクリーナ11内周の空間11cを経てプレクリーナ11上方のフィルタケース13内に至る。
フィルタケース13は、前記消音器14側に開口してこれに接続される有底円筒状のケース本体13aと、該ケース本体13a内に同軸配置される円筒状の第一フィルタ13bとを有してなる。ケース本体13aの下部には前記プレクリーナ11の上端部が一体的に取り付けられる。ケース本体13a内の空間は、プレクリーナ11内周の空間11cを介して、集塵容器12内における前記各空間16a,17,19からなる空間Kと連通する。
ここで、集塵容器12におけるプレクリーナ11からの吸入空気が通過する前記円筒状の空間19には、内筒16の外周面から外周側に起立する複数の内ガイド板21、および外筒18の内周面から内周側に起立する複数の外ガイド板22が、それぞれ軸線方向(上下方向)で交互にかつ略等間隔に並ぶように配設される。
なお、内外ガイド板21,22は、それぞれ内筒16および外筒18とは別部材とし、これらをそれぞれ接着等により一体に組み付けた構成であることが好ましいが、これらをそれぞれ一体形成してもよい。
内外ガイド板21,22は、それぞれ集塵容器12と同軸の円板状をなし、これら内外ガイド板21,22により、内外筒16,18間の空間19を流れる吸入空気(外気)が、該空間19内において内周側および外周側に繰り返し進路を変化させつつ下方に流れるように案内されて底部空間17に至る。なお、外容器15の着脱の都合上、内ガイド板21の外縁径よりも外ガイド板22の内縁径が僅かに大きくされる。
集塵容器12において、吸入空気が内外筒16,18間の空間19を流れた後に内筒16内側の空間16aに至る際の圧力損失(流速低下)を抑えるために、内筒16内側の円形の流路面積A(空間16aの断面積)を基準に、空間19内における各流路面積B〜Dが決定される。
すなわち、内筒16外面と外ガイド板22内縁との間に形成される円板形の流路面積B(図4参照)、および外筒18内面と内ガイド板21外縁との間に形成される円板形の流路面積C(図5参照)は、内筒16内側の流路面積Aと同等もしくはこれよりも大きくされる。また、外ガイド板22内縁と内ガイド板21外縁との間に形成される円筒形の流路面積D(図6参照)も同様に、内筒16内側の流路面積Aと同等もしくはこれよりも大きくなるように設定される。
図7を参照し、内筒16と内ガイド板21とが空間19の上流側(上方)に向けて形成する角度θ1は約80°の狭角とされ、外筒18と外ガイド板22とが空間19の上流側(上方)に向けて形成する角度θ2も同じく約80°の狭角とされる。以下、内筒16および内ガイド板21が形成する前記狭角部分を内狭角部21aとし、外筒18および外ガイド板22が形成する前記狭角部分を外狭角部22aとする。内外狭角部21a,22aには、吸入空気中から捕集した粉塵(鉄系異物)を溜めることが可能である。
そして、図8に示すように、集塵容器12の各部は例えば透明又は半透明の樹脂製とされ、その外容器15および内筒16並びに内外ガイド板21,22の各部には、それぞれ小型の電磁石25が複数埋め込まれている。
図9,10を併せて参照し、各電磁石25は、前記圧縮機制御回路6から取り出した電流を直流変換器26を介して供給することで励磁され、もって集塵容器12内を流れる吸入空気中の鉄粉等の鉄系異物を捕集(磁着)する。内外筒16,18における各電磁石25を設けた部位の下流側には前記内外ガイド板21,22が起立し、捕集した鉄系異物の空間19下流側への流れを規制する。直流変換器26と集塵容器12との間には可変抵抗27(磁力調整器)が設けられる。
圧縮機本体2は、手動又は自動の電源スイッチ28のON時には、交流電源29からの電力が圧縮機制御回路6を介して供給されて運転を開始し、前記電源スイッチ28のOFF時には電力供給の停止とともに運転を停止する。各電磁石25は、電源スイッチ28のON時(圧縮機本体2の運転時)には電力供給がなされて着磁し、電源スイッチ28のOFF時(圧縮機本体2の運転停止時)には電力供給が停止して脱磁する。
上記構成を有する圧縮機1において、圧縮機本体2の運転時には、その吸気側に負圧が生じて前記外気取り入れ口11aより外気が吸引され、該外気がプレクリーナ11、集塵容器12、フィルタケース13および消音器14を介して圧縮機本体2の吸気側に供給される。また同時に、集塵容器12の各電磁石25に通電がなされてこれらが着磁される。
このとき、まずプレクリーナ11において吸入空気中の比較的大きな粉塵が除去されるが、該プレクリーナ11で捕集されずに吸入空気とともに集塵容器12内に至った粉塵は、その内の鉄粉等の鉄系異物が内外筒16,18間の空間19を通過する際にその壁面および内外ガイド板21,22の外面に接触し、かつ底部空間17を通過する際に外容器下部15bの壁面に接触し、さらには内筒16内側の空間16aを通過する際にその壁面に接触する。これにより、前記鉄系異物が集塵容器12内の各面に磁着し捕集され、集塵容器12下流側のフィルタケース13内に至ることが防止される。
また、吸入空気が内外筒16,18間の空間19を通過する際に捕集された鉄系異物は、内外狭角部21a,22aに溜まることとなり、吸入空気とともに空間19下流側に流れることが防止される。
フィルタケース13内に至った吸入空気は、不織布等からなる第一フィルタ13bを通過してろ過され、その後に消音器14内に至り、該消音器14内に配置されたフェルト等からなる板状の第二フィルタ14aを通過してさらにろ過され、その後に圧縮機本体2に供給される。
このように、圧縮機本体2への吸入空気は、プレクリーナ11並びに複数のフィルタ13b,14aを通過することで繰り返しろ過されるとともに、集塵容器12内において複数の電磁石25を埋め込んだ壁部に接触することで、サイクロン式のプレクリーナ11や通常のフィルタ13b,14aでは除去しきれない細かな鉄粉等の鉄系異物までも良好に除去される。このため、鉄粉等の多い雰囲気下で当該圧縮機1を用いる場合にも、吸入空気中の鉄系異物を良好に除去でき、圧縮機1の性能が良好に維持される。
圧縮機本体2の運転を停止した際には、集塵容器12の各電磁石25への通電も停止してこれらが脱磁し、集塵容器12内に捕集した鉄系異物が磁力から開放される。この状態で集塵容器12を取り外せば、前記集塵容器12内に捕集した鉄系異物を容易に除去、回収可能である。
特に、集塵容器12は各フィルタ13b,14aよりも吸気上流側に位置するので、各フィルタ13b,14aに至る粉塵が鉄系異物の分だけ減少し、各フィルタ13b,14aの目詰まりが抑制され、吸気抵抗の増加による圧縮機本体2の温度上昇等も抑えられる。また、鉄系異物の捕集に電磁石25を用いることで、吸入空気中の水分や油分の影響を受けることもない。
なお、図8は集塵容器12の全体、すなわち内外筒16,18、内外ガイド板21,22、および外容器下部15b(底部15a)の各部にそれぞれ電磁石25を配置したが、これら各部の少なくとも一部に電磁石25を配置した構成であってもよい。
以上説明したように、上記実施例における圧縮機1は、吸入気体を圧縮する圧縮機本体2と、該圧縮機本体2の吸気側に設けられて前記吸入気体中の粉塵を除去する集塵装置10とを備えたものにおいて、前記集塵装置10の集塵容器12における前記吸入気体が通過する空間Kを形成する内外筒16,18および外容器下部15bの少なくとも一部に電磁石25を設けるとともに、前記空間K(空間19)には前記内外筒16,18から起立して前記吸入気体の流れを案内する内外ガイド板21,22を設けたことを特徴とする。
この構成によれば、圧縮機本体2に導入される前の吸入気体は、集塵装置10を通過することで粉塵が除去されるが、該集塵装置10における通常のフィルタ13b,14aを通過するような細かな鉄粉等の鉄系異物は、集塵装置10の集塵容器12内の空間Kを通過する際に、その内外筒16,18および外容器下部15b並びに内外ガイド板21,22に設けた電磁石25の磁力により捕集される。この鉄系異物は、前記内外筒16,18部および内外ガイド板21,22が空間19上流側に形成する隅部(内外狭角部21a,22a)に溜まり、吸入空気とともに空間K下流側に流れることが防止される。
このように、吸入空気に含まれる通常のフィルタ13b,14aを通過するような細かな鉄系異物をも圧縮機本体2内に吸い込まれる前に捕集することができ、圧縮機本体2における前記鉄系異物の侵入による摺動部の磨耗を防止することができる。
また、上記圧縮機1においては、前記内外ガイド板21,22の少なくとも一部に電磁石25を設けたことで、空間19内に起立して吸入空気に接触し易い内外ガイド板21,22に電磁石25が設けられることとなり、吸入空気中の鉄系異物の捕集効果を高めるとともに、内外筒16,18および内外ガイド板21,22が形成する内外狭角部21a,22aに溜まった鉄系異物の保持効果も高めることができる。
さらに、上記圧縮機1においては、前記内外筒16,18および内外ガイド板21,22が前記空間19の上流側に向けて形成する角度θ1,θ2を狭角としたことで、内外筒16,18および内外ガイド板21,22が形成する内外狭角部21a,22aに捕集した鉄系異物を溜め易く、かつ該内外狭角部21a,22aに溜まった鉄系異物の保持効果をさらに高めることができる。
そして、上記圧縮機1においては、前記電磁石25への通電は前記圧縮機本体2の運転と連動して行うことで、圧縮機本体2の運転中は吸入空気中の鉄系異物を捕集する一方、圧縮機本体2の停止時には捕集した鉄系異物を容易に除去、回収することができる。
次に、この発明の第二実施例について図11〜13(a)を参照して説明する。
この実施例における圧縮機1(集塵装置110)は、前記第一実施例のものに対して、螺旋状に配置した内ガイド板121を有する集塵容器112を備える点を主に異なるもので、前記実施例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
内ガイド板121は一条又は複数条に設けられ、その起立先端部は外筒18内周に近接し、もって空間19内に一条又は複数状の螺旋状の流路が形成される。この流路の断面積(流路面積)Eは、内筒16内側の流路面積Aと同等もしくはこれよりも大きくなるように設定される。なお、図13(a)では外筒18側にガイド板を有さない。
内筒16と内ガイド板121とが空間19の上流側(上方)に向けて形成する角度θ3は約80°の狭角とされ、この内狭角部121aに吸入空気中から捕集した粉塵(鉄系異物)を溜めることが可能である。
そして、内ガイド板121も内筒16と同様の樹脂製とされ、前記内ガイド板21と同様に電磁石25が複数埋め込まれている。
したがって、圧縮機本体2の運転時には、第一実施例と同様、集塵容器112内に至った粉塵の内の鉄粉等の鉄系異物が、空間19を通過する際にその壁面および内ガイド板121の外面に接触し、かつ底部空間17を通過する際に外容器下部15bの壁面に接触し、さらには内筒16内側の空間16aを通過する際にその壁面に接触する。これにより、前記鉄系一部が集塵容器112内の各面に磁着し捕集され、集塵容器112下流側のフィルタケース13内に至ることが防止される。
また、吸入空気が空間19を通過する際に捕集された鉄系異物は、内狭角部121aに溜まることとなり、吸入空気とともに空間19下流側に流れることが防止される。
圧縮機本体2の運転停止時には、集塵容器112の各電磁石25への通電も停止してこれらが脱磁し、この状態で集塵容器112を取り外すことで、該集塵容器112内に捕集した鉄系異物を容易に除去、回収可能である。
ここで、図13(b)は、前記内ガイド板121に代わり螺旋状の外ガイド板122を設けた例を示す。外ガイド板122は一条又は複数条に設けられ、その起立先端部は内筒16外周に近接し、もって空間19内に一条又は複数条の螺旋状の流路が形成される。外筒18と外ガイド板122とが空間19の上流側(上方)に向けて形成する角度θ4は約80°の狭角とされ、この外狭角部122aに吸入空気中から捕集した粉塵(鉄系異物)を溜めることが可能である。この外ガイド板122も外筒18と同様の樹脂製とされ、前記外ガイド板22と同様に電磁石25が複数埋め込まれている。なお、前記螺旋状の内外ガイド板121,122をともに設けた構成としてもよい。
以上説明したように、上記第二実施例における圧縮機1も、第一実施例と同様、通常のフィルタ13b,14aを通過するような細かな鉄粉等の鉄系異物を、集塵装置110の各部に設けた電磁石25の磁力により圧縮機本体2内に吸い込まれる前に捕集することができ、圧縮機本体2における前記鉄系異物の侵入による摺動部の磨耗を防止することができる。
なお、この発明は上記各実施例に限られるものではなく、例えば、集塵容器12,112の例えば外容器15を鉄等の磁性体で構成し、該外容器15を芯材とし巻線を巻回して巻き線コイルを構成することで、外容器15自体を電磁石とした構成としてもよい。このとき、外ガイド板22,122を有する場合にはこれも磁性体で構成し、該外ガイド板22,122を外容器15に一体形成する又は溶接等により一体に接合することで、外ガイド板22,122を同時に着磁するようにしてもよい。同様に、内筒16自体を電磁石とすることも可能であり、かつ内ガイド板21,121を同時に着磁することも可能である。
さらに、前記電磁石25に代わり、集塵容器12,112の少なくとも一部に永久磁石を設けてもよく、かつ集塵容器12,112の少なくとも一部を永久磁石で構成してもよい。
また、図14に示すように、前記外容器15の外側に、該外容器15を所定の間隔を空けて包み込むとともに該外容器15に対して着脱可能なカップ状の大外容器31を設け、該大外容器31の内側(内周面及び底面)に電磁石25(もしくは永久磁石)を設けることにより、集塵容器12の外周部及び底部に磁石を配設した構成としてもよい。なお、図14は集塵装置10を例に示すが、集塵装置110にも同様の構成を適用可能である。
そして、上記実施例における構成はこの発明の一例であり、往復動式の圧縮機に限らずスクロール式の圧縮機にも適用できることはもちろん、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
この発明の実施例における圧縮機の斜視図である。 上記圧縮機の集塵装置の断面図である。 図2のX−X断面図である。 図2のY−Y断面図である。 図2のZ−Z断面図である。 上記集塵装置の集塵容器の内外ガイド板の斜視図である。 図2の部分拡大図である。 上記集塵装置の集塵容器の断面図である。 上記集塵容器に設けた電磁石周りの構成を示す第一説明図である。 上記電磁石周りの構成を示す第二説明図である。 この発明の第二実施例における集塵装置の断面図である。 図11に示す集塵装置の集塵容器の内ガイド板の斜視図である。 (a)は図11の部分拡大図、(b)は第二実施例の変形例を示す(a)に相当する部分拡大図である。 上記実施例の変形例を示す図2に相当する断面図である。
符号の説明
1 圧縮機
2 圧縮機本体
10,110 集塵装置
12,112 集塵容器
K,19 空間
15 外容器
15b 外容器下部(壁部)
16 内筒(壁部)
18 外筒(壁部)
21,121 内ガイド板(ガイド板)
22,122 外ガイド板(ガイド板)
25 電磁石(磁石)
θ1,θ2 角度

Claims (4)

  1. 吸入気体を圧縮する圧縮機本体と、該圧縮機本体の吸気側に設けられて前記吸入気体中の粉塵を除去する集塵装置とを備えた圧縮機において、
    前記集塵装置は、吸入気体を上流より取り入れて該吸入気体を通過させる有底筒状の外容器と、該外容器内に設けられるとともに該外容器と同軸上に延びることにより二重管構造をなして前記吸入気体を下流側へ通過させる筒状の内筒とを有し、
    前記集塵装置の前記外容器および前記内筒における前記吸入気体が通過する空間を形成する壁部の少なくとも一部には、磁石を設けるとともに、前記空間には、前記壁部から起立して前記吸入気体の流れを案内するガイド板を設けたことを特徴とする圧縮機。
  2. 前記ガイド板の少なくとも一部に磁石を設けたことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記壁部およびガイド板が前記空間の上流側に向けて形成する角度を狭角としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧縮機。
  4. 前記磁石は電気を通電することにより着磁する電磁石で構成し、該電磁石への通電は前記圧縮機本体の運転と連動して行うことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104265598A (zh) * 2014-08-15 2015-01-07 哈尔滨宏万智科技开发有限公司 一种空气压缩机

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