JP2010007500A - 蓄熱システム - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの状態に応じて効率よく蓄熱と放熱とを行い、システム内の効率的な熱利用が可能となる蓄熱システムを提供することを課題とする。
【解決手段】ECU50は、蓄熱−暖機制御を行う。ECU50は、蓄熱槽内油温がエンジン内部油温よりも高いときに、潜熱蓄熱材6中を通過する油量がバイパス経路9を通過する油量よりも多くなるようにする。蓄熱槽内油温がエンジン内部油温よりも低いときに、潜熱蓄熱材6中を通過する油量がバイパス経路9を通過する油量よりも少なくなるようにする。ECU50は、油循環経路3を流通する油の温度が油の過加熱を判断する閾値を越え、かつ、冷却水温がオーバーヒート判定温度に対して余裕を有するときに、冷却水排気熱回収器16、油排気熱回収器19の双方で排気熱回収を行うように排気熱回収制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄熱システム、特にエンジンの発する熱を有効に利用することができる蓄熱システムに関する。
従来、熱交換媒体が、固体と液体との状態変化により蓄熱する蓄熱体と直接接触することで、両者の熱交換を行う蓄熱式熱供給装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2006−266605号公報
上記蓄熱式熱供給装置は、熱交換媒体と蓄熱体とが、例えば、配管壁を介する間接的な熱交換を行うのではなく、熱交換媒体と蓄熱体とが直接接触して熱交換を行う。このため、効率的な蓄熱、放熱を行うことができる。
このような装置は、エンジンに搭載し、潤滑材である油を熱交換媒体としてエンジンの暖機に供する蓄熱システムに応用することが考えられる。この場合、エンジン自体が熱源となり、その一方で、エンジン自体が被加熱体となる。このため、油が十分に温まらず、蓄熱体が蓄熱する熱量が少ない状態でエンジンが停止することも想定される。この場合、次回エンジン始動時の暖機が迅速に行われない。
このような事情を考慮すると、上記蓄熱式熱供給装置は、当該装置をエンジンに搭載する蓄熱システムに適用するために、改良の余地がある。
そこで、本発明は、エンジンの状態に応じて効率よく蓄熱と放熱とを行い、システム内の効率的な熱利用が可能となる蓄熱システムを提供することを課題とする。
かかる課題を解決するために、本明細書開示の蓄熱システムは、エンジンの内部の潤滑に供される油が循環する油循環経路に組み込まれ、前記油及び固体と液体との状態変化により蓄熱する蓄熱体を内部に収容する蓄熱槽と、当該蓄熱槽の内部に収容した前記蓄熱体をバイパスするバイパス経路と、前記油循環経路及び前記バイパス経路に油を循環させるフィードポンプと、前記蓄熱体中を通過する油量と前記バイパス経路を通過する油量とを調節する調節弁と、エンジン温度を測定する測温手段と、前記蓄熱槽内に存在する油の温度である蓄熱槽内油温を測定する測温手段と、前記蓄熱槽内油温が前記エンジン温度よりも高いときに、前記蓄熱体中を通過する油量が前記バイパス経路を通過する油量よりも多くなるように前記調節弁を制御し、前記蓄熱槽内油温が前記エンジン温度よりも低いときに、前記蓄熱体中を通過する油量が前記バイパス経路を通過する油量よりも少なくなるように前記調節弁を制御する制御手段と、を、備えている。
前記制御手段は、前記蓄熱槽内油温が前記エンジン温度よりも低く、かつ、エンジンの暖機が完了したと判断したときに、前記蓄熱体中を通過する油量が前記バイパス経路を通過する油量よりも多くなるように前記調節弁を制御することができる。
このような蓄熱システムにおいて、蓄熱体は、比重が油と異なるものが選択され、採用される。これにより、油と蓄熱体とは蓄熱槽内で上下に分離する。本明細書開示の蓄熱システムでは、エンジンの状態に応じ、蓄熱体中を通過する油量とバイパス経路を通過する油量とが調節される。蓄熱システムは、蓄熱体が蓄えた熱をエンジンの暖機に利用したい場合、蓄熱体に通過させる油量を増加させる。蓄熱システムは、また、エンジンの燃焼熱を蓄熱体に蓄えたい場合にも蓄熱体に通過させる油を増加させる。一方、エンジン暖機時に蓄熱体が蓄えていた熱を利用した後は、油は蓄熱体をバイパスする。すなわち、蓄熱システムは、バイパス流路を通過する油量を増加させる。これにより、油が循環する系内の熱容量を低減することができ、エンジンの早期暖機を図ることができる。バイパス経路は、蓄熱槽全体をバイパスすることによって蓄熱体をバイパスする経路とすることもできる。
このような蓄熱システムでは、さらに、前記エンジンの排気流と前記エンジンの冷却水との間で熱交換を行う冷却水排気熱回収器と、前記エンジンの排気流と前記油循環経路を循環する前記油との間で熱交換を行い、前記排気流に対し、前記冷却水排気熱回収器よりも下流側に配置される油排気熱回収器と、前記冷却水排気熱回収器において排気熱回収を行うか否かの切り替えを行う冷却水排気熱回収切替手段と、前記油排気熱回収器において排気熱回収を行うか否かの切り替えを行う油排気熱回収切替手段と、前記油循環経路を流通する油の温度を測定する測温手段と、冷却水温を測定する測温手段と、を備えた構成とすることができる。そして、前記制御手段は、前記油循環経路を流通する油の温度が油の過加熱を回避する閾値を越え、かつ、前記冷却水温がオーバーヒート判定温度に対して余裕を有するときに、前記冷却水排気熱回収器において排気熱回収を行うように前記冷却水排気熱回収切替手段を制御すると共に、前記油排気熱回収器において排気熱回収を行うように前記油排気熱回収切替手段を制御する。
冷却水排気熱回収器及び油排気熱回収器により、エンジンの排気熱を効率よく利用することができる。油排気熱回収器は、排気熱を利用して油循環経路を循環する油を温める。温められた油は蓄熱槽に供給される。これにより、蓄熱槽に蓄熱することができる。排気熱を利用することで、エンジン始動直後から油温を上昇させることができ、蓄熱量を維持することができる。
排気熱を油に付与する場合、油の劣化の抑制、発火防止のために、油の過加熱を防止することが求められる。そこで、油循環経路を流通する油の温度が油の過加熱を回避する閾値を越え、かつ、冷却水温がオーバーヒート判定温度に対して余裕を有するときには、冷却水排気熱回収器において排気熱回収を行う。これにより、後に油排気熱回収器に供給される排気流の温度を低下させることができる。油排気熱回収器では、油は、温度が低下した排気流から熱を得る。この結果、油の過加熱を防止しつつ、排気流と油とを熱交換させ、高い蓄熱量を維持することができる。
また、前記エンジンの排気流と前記エンジンの冷却水との間で熱交換を行う冷却水排気熱回収器と、当該冷却水排気熱回収器で熱交換を行った冷却水と前記油循環経路を循環する前記油との間で熱交換を行う油排気熱回収器と、を備えた蓄熱システムとすることもできる。油循環経路を循環する油が、冷却水との熱交換によって排気熱を得る構成である。すなわち、冷却水を媒体として排気熱回収を行う。これにより、冷却水の沸点以上で熱交換されることが回避される。この結果、油の過加熱が防止される。このため、油排気熱回収器で熱交換した油の温度を監視し、油の温度を制御することを省略することができる。
本明細書開示の蓄熱システムでは、エンジンの潤滑油として油循環経路を循環する油が熱交換媒体となる。そして、蓄熱槽内で蓄熱体と直接接触することにより両者間で効率よい熱交換が行われる。また、排気流の熱を蓄熱に利用することにより、蓄熱体の高い蓄熱量を維持することができる。蓄熱体に蓄熱された熱は効率的に放熱され、エンジンの暖機に利用される。
エンジン温度は、エンジンの状態、特に、暖機状態を把握することができる温度であればよい。例えば、冷却水温や、シリンダブロックやシリンダヘッド内を流通する油の温度を採用することができる。また、シリンダブロックやシリンダヘッドの温度をエンジン温度として採用することもできる。
このエンジン温度と蓄熱槽内の油温とを比較し、その結果に基づいて、蓄熱体中を通過する油量とバイパス経路を通過する油量とを調節する。
蓄熱体中を通過する油量とバイパス経路を通過する油量とを調節する調節弁は、三方弁を用いることができる。制御手段は、この三方弁の開度を調節することによって各経路を通過する油量を調節する。
本明細書開示の蓄熱システムでは、蓄熱体として、例えば、エリスリトールや、酢酸ナトリウム3水和物等、従来、公知の潜熱蓄熱材を用いることができる。潜熱蓄熱材は、蓄熱システムの構成によって適宜選択することができる。
本明細書開示の蓄熱システムによれば、エンジン温度と蓄熱槽内油温とを比較し、その結果に基づいて、蓄熱体中を通過する油量とバイパス経路を通過する油量とを調節するようにしたので、エンジンの状態に応じて効率よく蓄熱と放熱とを行い、システム内の効率的な熱利用が可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
図1、図2は、エンジン2に組み込んだ蓄熱システム1の概略構成を模式的に示した説明図である。図1と図2とでは三方弁である調節弁12の開弁状態が異なっている。
蓄熱システム1は、エンジン2の内部の潤滑に供される油が循環する油循環経路3に組み込まれる蓄熱槽4を備える。
蓄熱槽4は、内部空間4aを有しており、外周部分に気泡発泡樹脂からなる断熱材4bが付設されている。内部空間4aには、油5と蓄熱体である潜熱蓄熱材6が収容される。内部空間4aは、油5と潜熱蓄熱材6の比重差により、油5を貯留する上層部4a1と潜熱蓄熱材6を貯留する下層部4a2とに分けられる。
蓄熱槽4の下層部4a2には、油供給パイプ7が設けられている。油供給パイプ7は、油循環経路3に接続され、上層部4a1に開口している。また、油供給パイプ7には、油を下層部4a2へ供給する多数の油供給孔7aが形成されている。さらに、油供給パイプ7には開閉弁7bが設けられている。下層部4a2内には潜熱蓄熱材6の温度を測定する温度センサ8が装着されており、開閉弁7bは、この温度センサ8の測定値に応じて開閉制御される。油供給パイプ7は、潜熱蓄熱材6が固体状態となっているときに蓄熱槽4内に油5を供給できるようにするものである。潜熱蓄熱材6が固体状態であると、油5は、潜熱蓄熱材6内を通過することができない。温度センサ8の測定値から潜熱蓄熱材6が固体状態であると判断したときは、開閉弁7bを開弁し、直接上層部4a1に油5を供給するようにする。このとき、油供給孔7aは固体状態の潜熱蓄熱材6によって閉塞されている。潜熱蓄熱材6の温度が上昇して潜熱蓄熱材6が溶け始めると、油5は油供給孔7aを通じて潜熱蓄熱材6側へ供給されるようになる。温度センサ8の測定値に基づいて潜熱蓄熱材6が溶け始めと判断したら開閉弁7bは閉弁状態とする。
蓄熱システム1は、蓄熱槽4の内部に収容した潜熱蓄熱材6をバイパスするバイパス経路9を備えている。バイパス経路9は、蓄熱槽4の上流と下流とを接続することによって潜熱蓄熱材6をバイパスしている。すなわち、バイパス経路9は、蓄熱槽4の上流で油循環経路3から分岐し、蓄熱槽4の下流で油循環経路3に合流している。この分岐点11には、調節弁12が設けられている。調節弁12は、三方弁となっており、蓄熱槽4内の潜熱蓄熱材6を通過する油量とバイパス経路9を通過する油量とを調節する。
蓄熱システム1は、油循環経路3上に電動式のフィードポンプ10を備えている。フィードポンプ10は、図中、矢示10aで示す方向に油を吐出し、循環させる。蓄熱槽4は、このフィードポンプ10の下流に組み込まれている。油循環経路3は、蓄熱槽4の下流側で再びエンジン2内に戻る。
蓄熱システム1は、エンジン2内部で油温を測定する温度センサ13を備えている。エンジン2内部の油温は、エンジン温度の一例である。蓄熱システム1は、蓄熱槽4内に存在する油の温度である蓄熱槽油温を測定する温度センサ14を蓄熱槽4内に備えている。
蓄熱システム1は、さらに、エンジン2内部を循環する冷却水の温度(冷却水温)を測定する温度センサ22を備えている。また、蓄熱システム1は、エンジン2内部に冷却水を循環させる電動式のウォータポンプ23を備えている。さらに、油循環経路3上に油の吐出量センサ24を備えている。
さらに、蓄熱システム1は、本発明における制御手段として機能するECU50を備えている。ECU50は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなる算術論理回路である。ECU50には、開閉弁7b、フィードポンプ10、調節弁12、温度センサ8,13,14,22、ウォータポンプ23、吐出量センサ24とそれぞれ電気的に接続されている。また、以下で説明する制御を行うためのプログラムを格納している。
以下、ECU50が行う制御につき説明する。ECU50は、潜熱蓄熱材6への蓄熱状態とエンジン2の暖機状態とを切り替える蓄熱−暖機制御、油の過加熱を防止しつつ排気熱を油に付与するための排気熱回収制御、油循環経路3の潜熱蓄熱材6による詰まりを解消する詰まり解消制御を行う。
まず、蓄熱−暖機制御の一例につき、図5に示したフロー図を参照しつつ説明する。
蓄熱−暖機制御の基本的な方針は、以下の如くである。
(1)温度センサ14によって測定した蓄熱槽内油温が、温度センサ13によって測定したエンジン2内部における油温(以下、「エンジン内部油温」という。)よりも高いときに、潜熱蓄熱材6中を通過する油量がバイパス経路9を通過する油量よりも多くなるように調節弁12を制御する。これにより、エンジン2の暖機を促進する。
(2)温度センサ14によって測定した蓄熱槽内油温が、温度センサ13によって測定したエンジン内部油温よりも低いときに、潜熱蓄熱材6中を通過する油量がバイパス経路9を通過する油量よりも少なくなるように調節弁12を制御する。これにより、油循環経路3中の熱容量を減らし、エンジン2の燃焼熱による暖機の妨げとならないようにする。
(3)温度センサ14によって測定した蓄熱槽内油温が、温度センサ13によって測定したエンジン内部油温よりも低く、かつ、エンジン2の暖機が完了したと判断したときに、潜熱蓄熱材6中を通過する油量がバイパス経路9を通過する油量よりも多くなるように調節弁12を制御する。これにより、エンジン2が発する熱を潜熱蓄熱材6に蓄熱する。
まず、ECU50は、ステップS1で、油温センサ14により測定した蓄熱槽内油温と温度センサ13により測定したエンジン内部油温との差分が、温度T1よりも大きいか否かの判断を行う。温度T1は、潜熱蓄熱材6の蓄熱を利用して有効にエンジン2の暖機を行うことができる温度差として予め規定されたものである。蓄熱槽内油温とエンジン内部油温との差分が温度T1よりも大きく、蓄熱槽内油温がエンジン内部油温よりも高いときはYESと判断してステップS2へ進む。一方、NOと判断したときはステップS3へ進む。
ステップS2では、潜熱蓄熱材6側への油の流量を増量するように調節弁12に指令を出す。これにより、調節弁12は、図1に示すように蓄熱槽4側へ油を流通させる状態となる。この結果、潜熱蓄熱材6内を油が通過し、蓄熱された熱によって油温を上昇させることができる。これによりエンジン2の暖機が促進される。
ステップS3では、エンジン内部油温が温度T2よりも高いか否かを判断する。この温度T2は、エンジン2の暖機が完了したか否かの判断基準となる値で、予め規定されている。エンジン内部油温が温度T2よりも高ければエンジン2の暖機は完了していると判断する。ステップS3でYESと判断したときは、ステップS4へ進む。一方、ステップS3でNOと判断したときはステップS5へ進む。
ステップS4では、ステップS2における処理と同様に潜熱蓄熱材6側への油の流量を増量するように調節弁12に指令を出す。これにより、調節弁12は、図1に示すように蓄熱槽4側、すなわち、潜熱蓄熱材6側へ油を流通させる状態となる。この結果、エンジン2で発生した熱を潜熱蓄熱材6に蓄熱することができる。潜熱蓄熱材6の蓄熱は、次回のエンジン2の始動時に、暖機促進に利用される。
ステップS5では、バイパス経路9側への油の流量を増量するように調節弁12に指令を出す。これにより、調節弁12は、図2に示すようにバイパス経路9側へ油を流通させる状態となる。この結果、油循環経路3中の熱容量を減らし、エンジン2の燃焼熱による暖機の妨げとならないようにする。エンジン2の始動後、初期の暖機は、潜熱蓄熱材6の蓄熱を利用して進行する。ただし、潜熱蓄熱材6の蓄熱が消費された後、エンジン2の暖機は、自らの燃焼熱によって進行することになる。この場合、潜熱蓄熱材6に油を流通させると、エンジン2の燃焼熱が潜熱蓄熱材6に奪われてしまい、却ってエンジン2の暖機を遅らせてしまう。そこで、この場合は、バイパス経路9を通過させる。
以上の説明が、蓄熱−暖機制御の一例の説明である。なお、温度センサ22により測定される冷却水温に基づいて暖機状態を判断する構成とすることもできる。また、調節弁12は、流通する油の全量を、潜熱蓄熱材6側かバイパス経路10側のいずれかへ分配するだけでなく、エンジン2の状態に応じて潜熱蓄熱材6側とバイパス経路9側とに所望の割合で分配するようにしてもよい。
次に、詰まり解消制御につき、図4乃至図6を参照しつつ説明する。蓄熱システム1は、蓄熱槽4内で油5と潜熱蓄熱材6とが接触する。潜熱蓄熱材6は、温度が上昇し、融解すると油5と混ざることがある。油5と混ざった潜熱蓄熱材6は、油循環経路3中に流出することがある。油循環経路3中に流出した潜熱蓄熱材6が固体に状態変化すると、油循環経路3の詰まりの原因となる。そこで、このような事態に対処するための詰まり解消制御を行う。
図4は、詰まり解消制御の一例を示すフロー図である。図5は、詰まり解消制御の他の例を示すフロー図である。図6は、詰まり解消制御のさらに他の例を示すフロー図である。
まず、図4に示したフロー図に基づく詰まり解消制御について説明する。
まず、ステップS11では、フィードポンプ10油吐出量を確認する。油吐出量の確認は、吐出量センサ24により取得したデータに基づいて行う。この確認は、フィードポンプ10が通常の負荷で稼動しているタイミングで行う。ステップS11の処理を終えた後はステップS12へ進む。ステップS12では、ステップS11で確認した油吐出量が予め定めた吐出量Q1を下回っているか否かの判断を行う。吐出量Q1は、油循環経路3に詰まりがなく、異常が認められない状態でフィードポンプ10を通常負荷で稼動させたときの吐出量を基準に決定された値である。フィードポンプ10は電動式であるので、その負荷は電流値によって制御する。フィードポンプ10を通常負荷で稼動しているときに吐出量Q1を下回るときは油循環経路3に固体化した潜熱蓄熱材6の詰まりが有ると仮定する。このステップS12でYESと判断したときはステップS13へ進む。一方、ステップS12でNOと判断したときは、ステップS19へ進み、潜熱蓄熱材6の詰まりは無いと判断し、処理を終了する。
ステップS13では、ウォータポンプ13をt1秒間停止させる。ウォータポンプ13が停止すると、エンジン2内の冷却水の循環が停止する。これにより、エンジン2の温度が上昇する。エンジン2の温度が上昇すると油の温度も上昇する。油の温度が上昇すると油循環経路3内で詰まっている潜熱蓄熱材6が融解する。潜熱蓄熱材6が融解して液体となれば油と共に流通可能となり、詰まりは解消される。
ステップS13の処理に引き続き行われるステップS14では、フィードポンプ10が通常負荷となるように指令を出す。その後、ステップS15では、ステップS11と同じ要領で、再び油吐出量の確認を行う。さらに、ステップS15に引き続き、ステップS16の処理を行う。ステップS16では、ステップS12と同じ要領で油吐出量が吐出量Q1を下回っているか否かの判断を行う。このステップS16でYESと判断したときは、ステップS17へ進み、潜熱蓄熱材6の詰まりが解消しておらず、潜熱蓄熱材16の詰まりが有るとの判定を行って処理を終了する。この場合、警告ランプを点灯させる等の措置を採ることができる。
一方、ステップS16でNOと判断したときは、ステップS18へ進む。ステップS18では、潜熱蓄熱材6の詰まりは解消したと判断して処理を終了する。
このような制御を行うことにより、油循環経路3の詰まりを解消することができる。ひいては、エンジン2の暖機を促進し、潜熱蓄熱材6の蓄熱の効率を向上させることができる。
なお、フィードポンプ10の負荷は、電流値に代えてポンプ回転数から把握するようにしてもよい。油吐出量の低下は、油流量低下、エンジン内油圧低下、エンジン内部油温と油温センサ21により取得した油循環経路3における油温との差が予め取得した適合値よりも大きいか否か等に基づいて判断する構成とすることができる。
次に、詰まり解消制御の他の例について図5に示したフロー図を参照しつつ説明する。
図5に示したフロー図が、図4に示したフロー図と異なる点は、図4に示したフロー図におけるステップS13の処理と図5に示したフロー図におけるステップS23の処理である。他の処理は、双方の制御に共通している。すなわち、図5に示したフロー図におけるステップS21、ステップS22の処理は、図4に示したフロー図におけるステップS11とステップS12と共通である。また、ステップS24乃至ステップS29の処理は、ステップS14乃至ステップS19の処理と共通する。共通する処理については、その詳細な説明は省略する。
ステップS23では、フィードポンプ10の負荷を上昇させる。フィードポンプ10の負荷を増大させ、油流量を増大させて、詰まりを押し流すことを試みる。このようにフィードポンプ10の負荷を増大させることによっても潜熱蓄熱材6による詰まりを解消することができる。
次に、詰まり解消制御のさらに他の例について図6に示したフロー図を参照しつつ説明する。
図6にフロー図を示した詰まり解消制御は、図3にフロー図を示した蓄熱−暖機制御に、新たにステップS3−1、ステップS3−2の処理を加えたものとなっている。すなわち、ステップS3の処理の後にステップS3−1、ステップS3−2の処理を行う。図3にフロー図を示した蓄熱−暖機制御では、ステップS3においてYESと判断したときは、即座に潜熱蓄熱材6側への流量を増加させている。これにより潜熱蓄熱材6へ蓄熱している。詰まり解消制御では、ステップS3の処理の後、ステップS3−1で油吐出量を確認する。また、これに引き続き、ステップS3−2において油吐出量がQ1を下回っているか否かを判断する。この結果、YESと判断された場合、ステップS5へ進む。すなわち、バイパス経路9側の油流量を増加させる。このような制御を行うのは以下の理由による。
エンジン内部油温に基づいてエンジン2が暖機を完了したと判断した後、油を潜熱蓄熱材6側へ流せば、蓄熱することができる。これに対し、暖機が完了したにもかかわらず油をバイパス経路9へ流通させると、潜熱蓄熱材6に蓄熱することがなく、油循環経路3を循環する油の温度が上昇する。油循環経路3における油温が上昇すれば、固体となって詰まりの原因となっている潜熱蓄熱材6を融解し、液体に戻すことができる。これにより、油循環経路3の詰まりを解消することができる。
以上、説明したように、蓄熱システム1によれば、エンジン2の状態に応じて効率よく蓄熱と放熱とを行い、システム内の効率的な熱利用が可能となる。
次に、実施例2について説明する。実施例2の蓄熱システム55は、実施例1の蓄熱システム1の構成に加え、さらに、排気管15内を流通するエンジン2の排気流とエンジン2の冷却水との間で熱交換を行う冷却水排気熱回収器16を備えている。冷却水排気熱回収器16には、排気管15と冷却水が流通する冷却水管17とが引き込まれている。図9は、冷却水排気熱回収器16の内部構成を示している。排気管15は、冷却水排気熱回収器16の内部で主管15aとこれをバイパスするバイパス管15bとに分かれている。バイパス管15bは、冷却水管17と当接するように配置されている。主管15aとバイパス管15bとの分岐点には、切替弁18が設けられている。切替弁18は、排気流を主管15aに流すか、バイパス管15bに流すかを切り替えるもので、本発明における冷却水排気熱回収切替手段の一例である。切替弁18によって排気流をバイパス管15b側へ流通させると冷却水に排気熱が回収される。
蓄熱システム55は、さらに、排気管15内を流通するエンジン2の排気流と油循環経路3を循環する油との間で熱交換を行う油排気熱回収器19を備えている。油排気熱回収器19は、排気流に対し、冷却水排気熱回収器16よりも下流に配置される。これにより、油排気熱回収器19には、冷却水排気熱回収器16に導入される排気流よりも温度が低い排気流が導入される。油排気熱回収器19には、排気管15と油循環経路3とが引き込まれている。図10は、油排気熱回収器19の内部構成を示している。排気管15は、油排気熱回収器19の内部で主管15aとこれをバイパスするバイパス管15cとに分かれている。バイパス管15cは、油循環経路3と当接するように配置されている。主管15aとバイパス管15cとの分岐点には、切替弁20が設けられている。切替弁20は、排気流を主管15aに流すか、バイパス管15cに流すかを切り替えるもので、本発明における油排気熱回収切替手段の一例である。切替弁20によって排気流をバイパス管15c側へ流通させると油に排気熱が回収される。
蓄熱システム55は、油循環経路3の油排気熱回収器19の下流に、油循環経路3を流通する油の温度を測定する温度センサ21を備えている。油循環経路3を循環する油の油温は、エンジン2内部に設けられた温度センサ13によって測定することができる。それにもかかわらず温度センサ21を備えているのは、以下の理由による。油は過加熱となると劣化や発火のおそれがある。このため、油が過加熱とならないように制御する必要がある。油循環経路3を循環する油は、油排気熱回収器19において排気流から熱を得る。このため、油温は油排気熱回収器19の下流で高くなる。そこで、油の過加熱を回避するための制御は、油排気熱回収器19の下流の油温に基づいて制御を行うことが望ましい。このような理由から油排気熱回収器19の下流に、温度センサ21を備えている。一方、温度センサ13は、エンジン2の暖機状態等、エンジン2の状態を判断するときに利用される油温の測定を行う。
温度センサ21、切替弁18,20は、ECU50に電気的に接続されている。その他の構成要素については、実施例1の蓄熱システム1と基本的に異なるところはないので、共通する構成要素については、図面中、同一の参照番号を付して、その詳細な説明は省略する。
このような蓄熱システム55においても、実施例1の蓄熱システム1と同様の蓄熱−暖機制御、詰まり解消制御が行われる。蓄熱−暖機制御は、図3に示したフロー図に基づいて行われ、詰まり解消制御は、図4乃至図6に示したフロー図のいずれかに基づいて行われるため、ここでは、その詳細な説明は省略する。
蓄熱システム55では、蓄熱−暖機制御、詰まり解消制御に加え、廃棄熱回収制御が行われる。排気熱回収制御の一例につき、図11に示したフロー図、図12に示したフロー図を参照しつつ説明する。
排気熱回収制御の目的は、油の過加熱を防止しつつ排気熱を油に付与し、効率よく潜熱蓄熱材6に蓄熱することである。具体的には、冷却水排気熱回収器16内に組み込まれた切替弁18と、油排気熱回収器19に組み込まれた切替弁20を制御する。切替弁18と切替弁20は、その要求に応じて別個に開弁状態を変更することができる。切替弁18を制御し、図9(a)に示すようにバイパス管15bへ排気流を流すようにすれば、冷却水を温めることができる。冷却水を温めることにより、エンジン2の暖機を促進することができる。切替弁20を制御し、図10(a)に示すようにバイパス管15cへ排気流を流すようにすれば、油を温めることができる。油を温めることにより、暖機の促進、潜熱蓄熱材6への蓄熱を促進することができる。ただし、油の過加熱は回避しなければならない。
図11は、油排気熱回収器19に組み込まれた切替弁20の通常の制御フロー図である。まず、ステップS31において、油温センサ13で測定されたエンジン内部油温が温度T4よりも低いか否かを判断する。温度T4は、油が過加熱となることがなく使用することができる推奨温度範囲の上限値として予め定められた値である。温度T4は、温度T2よりも高い値である。ステップS31でYESと判断したとき、すなわち、エンジン内部油温が温度T4よりも低いと判断したときは、ステップS32へ進む。ステップS32では、切替弁20が排気熱回収側、すなわち、バイパス管15cへ排気流を流すように指令を出す。これにより、切替弁20は、図10(a)に示すように排気流をバイパス管15cへ流す状態となる。バイパス管15cは油循環経路3と当接しているため、油の温度は上昇する。この結果、エンジン2の暖機効果、潜熱蓄熱材6への蓄熱効果が向上する。
一方、ステップS31でNOと判断したときは、エンジン内部油温が温度T4よりも高いと判断したときは、ステップS33へ進む。ステップS33では、切替弁20が排気熱非回収側、すなわち、主管15aへ排気流を流すように指令を出す。これにより、切替弁20は、図10(b)に示すように排気流を主管15aへ流す状態となる。主管15aは油循環経路3との間に距離を有するため、油の温度の上昇は抑制される。この結果、油の過加熱が抑制される。
図12は、冷却水排気熱回収器16に組み込まれた切替弁18の制御を主とした制御フローである。まず、ステップS41で冷却水温が温度T2よりも低いか否かを判断する。この温度T2は、冷却水温の推奨温度として規定されるもので、エンジン2の暖機が完了したか否かの判断基準となる値と同じ値が採用されている。すなわち、温度T2は、図3に示したフロー図におけるステップS3における値と同じ値である。
ステップS41でYESと判断したとき、すなわち、冷却水温が温度T2よりも低いと判断したときは、ステップS42へ進む。ステップS42では、切替弁18が排気熱回収側、すなわち、バイパス管15bへ排気流を流すように指令を出す。これにより、切替弁20は、図9(a)に示すように排気流をバイパス管15bへ流す状態となる。バイパス管15bは、冷却水管17と当接しているため、冷却水の温度は上昇する。この結果、エンジン2の暖機が促進される。
一方、ステップS41でNOと判断したとき、すなわち、冷却水温が温度T2よりも高いと判断したときは、ステップS43へ進む。ステップS43では、エンジン内部油温が温度T5よりも高いか否かの判断を行う。温度T5は、油の過加熱を回避する閾値として予め設定した値である。温度T5は、油が過加熱状態となる危険値よりも低い温度範囲内で、温度T4とは異なる値を任意に設定することができる。本実施例では、温度T5は、温度T2、温度T4よりも高い値としている。ステップS43でYESと判断したとき、すなわち、エンジン内部油温が温度T5よりも高いと判断したときは、ステップS44へ進む。ステップS44では、冷却水温が温度T3よりも低いか否かを判断する。温度T3は、エンジン2のオーバーヒート判定温度に対して余裕を持たせた値として予め設定した値である。ステップS44でYESと判断したとき、すなわち、冷却水温が温度T3よりも低いと判断したときは、ステップS45へ進む。
ステップS45では、冷却水排気熱回収器16の切替弁18が排気熱回収側、すなわち、バイパス管15bへ排気流を流すように指令を出す。これにより、切替弁20は、図9(a)に示すように排気流をバイパス管15bへ流す状態となる。バイパス管15bは、冷却水管17と当接しているため、排気流の温度は低下する。その一方で、冷却水の温度は上昇する。しかし、この制御が行われる前提として冷却水温は温度T3よりも低くなっていることから、オーバーヒートは回避される。
また、ステップS45では、図11に制御フローを示した切替弁20の通常の制御にかかわらず、油排気熱回収器19の切替弁20が排気熱回収側、すなわち、バイパス管15cへ排気流を流すように指令を出す。これにより、切替弁20は、図10(a)に示すように排気流をバイパス管15cへ流す状態となる。バイパス管15cは油循環経路3と当接している。ただし、バイパス管15cを流れる排気流の温度は、排気流が冷却水排気熱回収器16を通過することにより、低下している。このため、油温上昇を抑制することができる。このような制御を行うことにより、油の過加熱を防止しつつ、継続した油への排気熱付与を行うことができる。この結果、潜熱蓄熱材6への蓄熱効果が向上する。
一方、ステップS43でNOと判断した場合、すなわち、エンジン内部油温が温度T5よりも低いと判断したときは、ステップS46へ進む。また、ステップS24でNOと判断したとき、すなわち、冷却水温が温度T3よりも高いと判断したときもステップS26へ進む。
ステップS46では、冷却水排気熱回収器16の切替弁18が排気熱非回収側、すなわち、主管15aへ排気流を流すように指令を出す。これにより、切替弁20は、図9(b)に示すように排気流を主管15aへ流す状態となる。主管15aは冷却水管17との間に距離を有するため、冷却水の温度の上昇は抑制される。
ステップS46の処理を行う前提としてステップS41におけるNO判定がある。すなわち、冷却水は十分に温まっている。そして、ステップS43においてNOと判断したことによってステップS46の処理を行う場合には、エンジン内部油温が温度T5よりも低いことになる。従って、油の過加熱のおそれは少ない。このため油排気熱回収器19へ供給する排気流の温度を低下させなくてもよい。以上の理由により、冷却水排気熱回収器16では、排気流と冷却水との熱交換は行わない。
また、ステップS44においてNOと判断したことによってステップS46の処理を行う場合には、冷却水温が温度T3よりも高い。従って、この状態からさらに排気流の熱を得ると、オーバーヒートのおそれがある。そこで、冷却水排気熱回収器16では、排気流と冷却水との熱交換は行わない。
以上のような排気熱回収制御を行うことにより、エンジン2の早期暖機、また、油の過加熱を防止しつつ潜熱蓄熱材6への効率のよい蓄熱を行うことができる。
次に、本発明の実施例3につき、図13を参照しつつ説明する。実施例3の蓄熱システム60は、実施例2における冷却水排気熱回収器16に代えて冷却水排気熱回収器61を備えている。また、実施例3の蓄熱システム60は、実施例2における油排気熱回収器19に代えて、油排気熱回収器62を備えている。
冷却水排気熱回収器61は、冷却水排気熱回収器16と異なり、内部に切替弁18に相当する構成要素は有していない。すなわち、冷却水排気熱回収器61は、排気流が流通する排気管15と冷却水管17とが当接するように配置されているのみである。
また、油排気熱回収器62は、冷却水排気熱回収器61で熱交換を行った冷却水と油循環経路3を循環する油との間で熱交換を行う。すなわち、油排気熱回収器19と異なり、排気流と油との熱交換は行わない。これに伴い、油排気熱回収器19と異なり、内部に切替弁20に相当する構成要素は有していない。
なお、実施例3の蓄熱システム60は、実施例2の蓄熱システム1が備えていた油温センサ21は、制御に利用されることがないため、取り外してある。その他の構成要素については、実施例2の蓄熱システム55と基本的に異なるところはないので、共通する構成要素については、図面中、同一の参照番号を付して、その詳細な説明は省略する。
また、実施例1の蓄熱システム1が行う蓄熱−暖機制御は、実施例3の蓄熱システム60においても同様に行われる。さらに、実施例1の蓄熱システム1が行う詰まり解消制御も同様に行うことができる。ただし、実施例2の蓄熱システム55が行う排気熱回収制御については不要となる。以下、この理由について説明する。
実施例2において、排気熱回収制御を行う理由のひとつとして、油の過加熱防止がある。実施例3の蓄熱システム60では、油循環経路3を流通する油は、冷却水管17を流通する冷却水を介して排気流の熱を得る。このため、冷却水の沸点以上で熱交換されることが回避される。この結果、油の過加熱が防止される。このため、油排気熱回収器で熱交換した油の温度を監視し、油の温度を制御することを省略することができる。
以上の理由により、実施例3の蓄熱システム60では、排気熱回収制御が不要となる。これに伴い、上記のように実施例3の蓄熱システム60は、実施例2の蓄熱システム55が備えていた油温センサ21は、取り外されている。
以上、説明したように、蓄熱システム60によれば、実施例1の蓄熱システム1、実施例2の蓄熱システム55と同様にエンジン2の状態に応じて効率よく蓄熱と放熱とを行い、システム内の効率的な熱利用が可能となる。また、これに加え、排気熱回収制御が不要となり、これに伴う構成要素の省略が可能となるので簡易な構成とすることができる。
次に、本発明の実施例4について、図124、図15を参照しつつ説明する。実施例4の蓄熱システム70が実施例2の蓄熱システム55と異なる点は、蓄熱システム55におけるバイパス経路9をバイパス経路71に置き換えた点である。また、フィードポンプ10が設置されていた箇所にスカベンジポンプ72を装着し、これに伴ってフィードポンプ10を蓄熱槽4の下流に移設している。
その他の構成要素については、実施例2の蓄熱システム55と基本的に異なるところはないので、共通する構成要素については、図面中、同一の参照番号を付して、その詳細な説明は省略する。
また、実施例1の蓄熱システム1が行う蓄熱−暖機制御は、実施例4の蓄熱システム70においても同様に行う。さらに、実施例1の蓄熱システム1が行う詰まり解消制御、実施例2の蓄熱システム55が行う排気熱回収制御も同様に行うことができる。
実施例4の蓄熱システム70は、ドライサンプ方式の油供給システムに対応したものとなっている。蓄熱システム70では、蓄熱槽4がオイルを貯留するためのタンクとして利用されている。
実施例2の蓄熱システム55におけるバイパス経路9は、調節弁12で油循環経路3から分岐し、蓄熱槽4の下流で再び油循環経路3に合流している。これに対し、バイパス経路71は、調節弁12で分岐した後、蓄熱槽4の油5が貯留されている上層部4a1に導入されている。ドライサンプ方式では、油の気液分離を行うため、油5が貯留された上層部4a1を経由させる必要がある。図14は、潜熱蓄熱材6側へ油を流通させる調節弁12の状態を示している。油は、潜熱蓄熱材6を通過した後、油5を貯留した上層部4a1を通過する。図15は、潜熱蓄熱材6をバイパスする調節弁12の状態を示している。油は、直接、上層部4a1に流入する。このように、調節弁12がどちらの状態になっていても、油は蓄熱槽4内の油5を貯留した上層部4a1を経由することになる。これにより、油の気液分離を行うことができる。
以上説明したように、蓄熱システム70は、ドライサンプ方式の油供給システムを採用したエンジン2にも対応することができ、エンジン2の状態に応じて効率よく蓄熱と放熱とを行い、システム内の効率的な熱利用が可能となる。
次に、実施例5について図16を参照しつつ説明する。
実施例5の蓄熱システム80は、エンジン2の排気流から受熱するヒートパイプ81と、このヒートパイプを介して油循環経路3を循環する油に熱を付与する油排気熱回収器82と、を備えている。ヒートパイプ81は、油の過加熱温度域の熱伝達を遮断する作動液が封入されている。
すなわち、実施例2の蓄熱システム55が備える冷却水排気熱回収器16に代えてヒートパイプ81を備えている。また、油排気熱回収器19に代えて油排気熱回収器82を備えている。
ヒートパイプ81は、内部に封入された作動液が気化する際に排気流から熱を奪う。そして、気化した作動液が他端側に移動して再び液体に戻るときに放熱する。放熱した熱は油排気熱回収器82において油循環経路3中の油に付与される。油排気熱回収器82は、油排気熱回収器19と異なり、内部に切替弁20に相当する構成要素は有していない。
なお、その他の構成要素については、実施例2の蓄熱システム55と基本的に異なるところはないので、共通する構成要素については、図面中、同一の参照番号を付して、その詳細な説明は省略する。
また、実施例1の蓄熱システム1が行う蓄熱−暖機制御は、実施例5の蓄熱システム80においても同様に行われる。さらに、実施例1の蓄熱システム1が行う詰まり解消制御も同様に行うことができる。ただし、実施例2の蓄熱システム55が行う排気熱回収制御については不要となる。以下、この理由について説明する。
ヒートパイプ81は、上記のような、メカニズムで排気熱を油循環経路3中の油に熱を付与する。そこで、適切な蒸発温度を有する作動液を選択することにより、熱伝達を行うことができる温度領域を設定することができる。ヒートパイプ81には、油の過加熱温度域の熱伝達を遮断する作動液が封入されている。これにより、油の過加熱を防止することができる。この際、格別の制御は不要となる。
以上の理由により、排気熱回収制御は不要となる。このように、蓄熱システム80によれば、実施例1の蓄熱システム1、実施例2の蓄熱システム55と同様にエンジン2の状態に応じて効率よく蓄熱と放熱とを行い、システム内の効率的な熱利用が可能となる。これに加え、排気熱回収制御が不要となり、これに伴う構成要素の省略が可能となるので簡易な構成とすることができる。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
エンジンに組み込んだ蓄熱システムの概略構成を模式的に示し、調節弁を、潜熱蓄熱材側に油を流す状態とした説明図である。 エンジンに組み込んだ蓄熱システムの概略構成を模式的に示し、調節弁を、バイパス経路側に油を流す状態とした説明図である。 蓄熱−暖機制御の一例を示すフロー図である。 詰まり解消制御の一例を示すフロー図である。 詰まり解消制御の他の例を示すフロー図である。 詰まり解消制御のさらに他の例を示すフロー図である。 実施例2のエンジンに組み込んだ蓄熱システムの概略構成を模式的に示し、調節弁を、潜熱蓄熱材側に油を流す状態とした説明図である。 実施例2のエンジンに組み込んだ蓄熱システムの概略構成を模式的に示し、調節弁を、バイパス経路側に油を流す状態とした説明図である。 冷却水排気熱回収器の内部構造を示し、図9(a)は、排気流をバイパス管へ流す状態を示す図で、図9(b)は、排気流を主管へ流す状態を示す図である。 油排気熱回収器の内部構造を示し、図10(a)は、排気流をバイパス管へ流す状態を示す図で、図10(b)は、排気流を主管へ流す状態を示す図である。 排気熱回収制御における油排気熱回収器の制御の一例を示すフロー図である。 排気熱回収制御における主として冷却水排気熱回収器の制御の一例を示すフロー図である。 実施例3におけるエンジンに組み込んだ蓄熱システムの概略構成を模式的に示した説明図である。 実施例4におけるエンジンに組み込んだ蓄熱システムの概略構成を模式的に示し、調節弁を、潜熱蓄熱材側に油を流す状態とした説明図である。 実施例4におけるエンジンに組み込んだ蓄熱システムの概略構成を模式的に示し、調節弁を、バイパス経路側に油を流す状態とした説明図である。 実施例5におけるエンジンに組み込んだ蓄熱システムの概略構成を模式的に示した説明図である。
符号の説明
1,55,60,70,80…蓄熱システム
2…エンジン 3…油循環経路
4…蓄熱槽 5…油
6…潜熱蓄熱材 7…油供給パイプ
7a…油供給孔 7b…開閉弁
8,13,14,21,22…温度センサ
9…バイパス経路 10…フィードポンプ
12…調節弁 15…排気管
15a…主管 15b,15c…バイパス管
16,61…冷却水排気熱回収器 17…冷却水管
18,20…切替弁 19,62,82…油排気熱回収器
23…ウォータポンプ 24…吐出量センサ
50…ECU 72…スカベンジポンプ

Claims (5)

  1. エンジンの内部の潤滑に供される油が循環する油循環経路に組み込まれ、前記油及び固体と液体との状態変化により蓄熱する蓄熱体を内部に収容する蓄熱槽と、
    当該蓄熱槽の内部に収容した前記蓄熱体をバイパスするバイパス経路と、
    前記油循環経路及び前記バイパス経路に油を循環させるフィードポンプと、
    前記蓄熱体中を通過する油量と前記バイパス経路を通過する油量とを調節する調節弁と、
    エンジン温度を測定する測温手段と、
    前記蓄熱槽内に存在する油の温度である蓄熱槽内油温を測定する測温手段と、
    前記蓄熱槽内油温が前記エンジン温度よりも高いときに、前記蓄熱体中を通過する油量が前記バイパス経路を通過する油量よりも多くなるように前記調節弁を制御し、前記蓄熱槽内油温が前記エンジン温度よりも低いときに、前記蓄熱体中を通過する油量が前記バイパス経路を通過する油量よりも少なくなるように前記調節弁を制御する制御手段と、
    を、備えることを特徴とした蓄熱システム。
  2. 請求項1記載の蓄熱システムにおいて、
    前記制御手段は、前記蓄熱槽内油温が前記エンジン温度よりも低く、かつ、エンジンの暖機が完了したと判断したときに、前記蓄熱体中を通過する油量が前記バイパス経路を通過する油量よりも多くなるように前記調節弁を制御することを特徴とした蓄熱システム。
  3. 請求項1記載の蓄熱システムにおいて、
    前記エンジンの排気流と前記エンジンの冷却水との間で熱交換を行う冷却水排気熱回収器と、
    前記エンジンの排気流と前記油循環経路を循環する前記油との間で熱交換を行い、前記排気流に対し、前記冷却水排気熱回収器よりも下流側に配置される油排気熱回収器と、
    前記冷却水排気熱回収器において排気熱回収を行うか否かの切り替えを行う冷却水排気熱回収切替手段と、
    前記油排気熱回収器において排気熱回収を行うか否かの切り替えを行う油排気熱回収切替手段と、
    前記油循環経路を流通する油の温度を測定する測温手段と、
    冷却水温を測定する測温手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記油循環経路を流通する油の温度が油の過加熱を回避する閾値を越え、かつ、前記冷却水温がオーバーヒート判定温度に対して余裕を有するときに、前記冷却水排気熱回収器において排気熱回収を行うように前記冷却水排気熱回収切替手段を制御すると共に、前記油排気熱回収器において排気熱回収を行うように前記油排気熱回収切替手段を制御することを特徴とした蓄熱システム。
  4. 請求項1記載の蓄熱システムにおいて、
    前記エンジンの排気流と前記エンジンの冷却水との間で熱交換を行う冷却水排気熱回収器と、
    当該冷却水排気熱回収器で熱交換を行った冷却水と前記油循環経路を循環する前記油との間で熱交換を行う油排気熱回収器と、
    を備えたことを特徴とした蓄熱システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項記載の蓄熱システムにおいて、
    前記油循環経路における前記蓄熱体の詰まりの有無を判定する判定手段を備え、
    前記制御手段は、前記判定手段が前記蓄熱体の詰まりが有ると判定したときに、前記冷却水の循環を抑制する制御を行うことを特徴とした蓄熱システム。
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