JP2010005620A - 濾過モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】活性膜の高い充填密度と低い抽出汚染物量を可能とする複数層濾過装置を提供する。
【解決手段】フィルタ構造物160が提供され、フィルタ構造物は、前記フィルタ構造物の外部容積の1立方メートルにつき少なくとも300平方メートルの活性膜フィルタ面積の充填密度を有し、前記フィルタは、浸漬された材料の1mにつき抽出された汚染物が250mg未満であることを特徴とする材料から作られる。
【選択図】図12

Description

本発明は、液体成分の濾過を行うための膜濾過装置に関し、供給液体が装置内に導入され、濾液ストリーム、および任意に濃縮液(retentate)ストリームが、装置から取り出される。より詳細には、本発明は、ポリマー成分の射出成形および間接ヒートシールによって形成され、かつ選択的に封止される接線方法流濾過装置、またはデッドエンド膜濾過装置に関する。
本発明以前には、液体は、マニホールド間に積み重ねられるか、またはマニホールドプレートに個別に封止される、複数のフィルタモジュール内で濾過されていた。各モジュールは、スクリーン等の適切な数のスペーサー層によって分離された1つまたは複数のフィルタ層を含み、供給液体が装置内に流れ込み、かつ濾液が装置から流れ出るのを可能にする。モジュール内での濾過は、接線方向流濾過(TFF)プロセスとして行われてもよく、流入する供給液体は、膜表面に接して流れ、濃縮液および濾液を形成する。あるいは、濾過は、法線方向流濾過(NFF)としても識別されるデッドエンドモードとして行われてよく、すべての流入供給液体が、膜フィルタを通って進み、固体および他の残滓は膜フィルタ上に保持される。この後者のモードでは、濾液のみが回収される。
現在では、濾液ストリームは、エポキシ、ウレタン、またはシリコーン等の注封接着、溶剤結合、または直接ヒートシールを使用する封止技術によって、膜濾過装置内で供給液ストリームから封止される。接線方向流濾過装置の場合には、濾液ストリームは、供給液ストリームおよび濃縮液ストリームから封止される。接着剤は、化学的相溶性が限られており、有意な抽出可能な種の供給源であり、接着剤が装置内で所与の容積の領域を占めるときに、フィルタユニット内で所与の容積のすべてを使用する能力が限られ、プロセス制御を困難にし、結合強度限定を課し、使用温度限定を課し、プロセスサイクル時間を増加するため、接着剤は望ましくない。封止を形成するように流れる材料に加熱要素が接触する直接ヒートシールは、その使用が、ヒートシールされる材料の厚さに最小限定を課すため、望ましくない。この結果として、濾過モジュールの所与の量に存在することができる層の数が減少し、それによってモジュールの濾過能力を望ましくなく減少する。加えて、直接ヒートシールは、複数のステップを必要とし、材料の相溶性限定を課し、一般に、濾過要素の直接ヒートシールを行うために基板を使用し、膜を損傷する可能性があるため、望ましくない。溶剤結合は、溶剤が、環境問題およびプロセス変動性を課し、一方、潜在的に有用なポリマーがその溶剤化特性によって限定されるため、望ましくない。
加えて、濾過されている供給流体の一部を吸収し、かつ/または吸着する、ポリシリコーンまたはポリウレタン系の材料等の材料を使用することは、吸収された材料がその後濾過された材料内に脱着されそれらを汚染するため、望ましくない。
米国特許第5,429,742号には、複数の濾過膜が中に成形される熱可塑性フレームを具備する、フィルタカートリッジが開示されている。熱可塑性フレームが成形されて、流体経路を提供し、濾過された流体をフィルタカートリッジから取り出す前に、濾過されるべき流入流体が膜を通って進むことを確実にする。フレームは、膜への流体経路および膜からの流体経路を形成することができるように、十分に厚い。隣接する膜が比較的厚いスペーサー部材によって分離されるため、フィルタカートリッジの単位容積当たりの膜面積は、望ましくなく低い。
したがって、複数の濾過要素を使用し、接着剤、溶剤結合、または直接ヒートシールを使用せずに層が適切に封止される、複数層濾過装置を提供することが望ましい。さらに、濾過装置の容積に対し多数の濾過層を含み、積層に形成することができ、外部フィルタ容積に対する少なくとも300m/mの活性膜の充填密度を有する、接線方向流濾過装置またはデッドエンド濾過装置を提供することが望ましい。加えて、濾過装置の容積に対し多数の濾過層を含み、積層に形成することができ、積層内に液体流路を画定するために適切に封止することができる、接線方向流濾過装置またはデッドエンド濾過装置を提供することが望ましい。さらに、濾過されている材料の吸収(および吸着)およびその後の脱着を最小限にするかまたは排除する材料から形成された、そのような濾過装置を提供することが望ましい。そのような濾過装置は、高い濾過能力を提供し、装置の複数使用を可能にしながら、濾液汚染問題を最小限にするかまたは排除する。
本発明は、濾過装置の外部容積1mにつき少なくとも300mの活性膜面積の充填密度を有する、熱可塑性濾過装置を提供する。加えて、実施形態によっては、装置は、濾過の前または後のいずれかに、抽出物材料が実質的にない成分から形成される。本明細書で使用されるように、「抽出物が実質的にない」という用語は、1つまたは複数の酸を含む検査溶液で浸漬され、次いで脱イオン水内に入れられ、いずれの吸収されたまたは吸着された酸を浸出させるように浸漬することが可能であるときに、材料1mにつき抽出された汚染物が250mg未満であることを意味する。
濾過装置は、膜とスペーサーとの積層から形成され、これらは、濾過装置の垂直高さにわたって交互に配置され、下記により完全に説明される方法で封止される。
加えて、本発明は、ポリマー多孔性膜の封止を促進しながら、膜の熱的劣化または機械的劣化を避ける方法で、熱可塑性ポリマー成分で封止される濾過要素から形成される濾過装置を提供する。多孔性ポリマー膜の選択的封止は、2ステッププロセスで行われ、各膜の端は、熱可塑性ポリマー成分で封止され、熱可塑性ポリマー成分を膜に留める。隣接して配置された膜上の熱可塑性ポリマー成分の選択された層は、次いで、交互に配置された膜およびスペーサーの積層を通して流体流路を画定するために、互いに対して封止される。画定された流体流路は、濾過されるべき流体が、濾過装置から取り出される前に膜を通って進むことを確実にする。封止は、単一ステップとして行うことができ、交互に配置された膜およびスペーサーの積層が、放射エネルギを受け、それが選択された層の加熱を行い、それによって所望の封止を行う。あるいは、交互に配置された膜およびスペーサーの所望の積層が、所望の構成で封止されるまで、封止は、順次、膜およびスペーサーの単一セットで行うことができる。
加えて、本発明は、装置のポートに隣接する外側表面領域が、圧力下で変形する熱可塑性エラストマーから形成される、濾過装置を提供する。そのような表面構成によって、外側表面領域に実質的な力を加えることができ、それによって、そのような圧力を加えることによって、濾過ポートを効果的に封止することができる。
本発明によれば、複数の間隔をおいた膜と、液体が通って流れるのを促進する通路または開口を有する複数のスペーサー層とを含む、デッドエンド濾過装置(NFF)または接線方向流濾過装置(TFF)が提供される。NFF濾過装置には、少なくとも1つの供給液ポートと、少なくとも1つの濾液ポートとが設けられる。接線方向流濾過装置には、少なくとも1つの供給ポート液と、少なくとも1つの濾液ポートと、少なくとも1つの濃縮液ポートとが設けられる。膜層およびスペーサー層は、選択されたパターンで濾過装置の垂直高さにわたって交互である。膜層およびスペーサー層の選択的封止は、2ステッププロセスで行われる。第1のステップでは、膜、または複合膜たとえばスクリーン層に支持された膜等を具備することができる各膜層の端部分に、熱可塑性ポリマー成分の薄い層が成形される。熱可塑性ポリマー成分は、モジュールを介して所望の流体流れを行うパターンに成形される。このようにして処理された膜およびスペーサー層は、次いで、供給液ポートおよび濾液ポートと、接線方向流モジュールの場合には濃縮液ポートとを予備的に形成する方法で、積み重ねられる。膜層に予備的に封止される熱可塑性ポリマー成分の間接ヒートシールの最終ステップが、次いで選択的に行われ、モジュール内の濾液から供給液および濃縮液を分離する、流体流れ通路を形成する。接線方向流濾過装置の場合には、積層内の液体流れは、供給液入口および濃縮液出口を濾液出口から封止することによって確実にされる。濾過装置の外側部分が、次いでインサート成形によって形成される。インサート成形は、射出成形用金型内に積層を配置し、溶融されたポリマー成分を金型内に射出して、使用中に最終膜濾過装置内の所望の液体流れを確実にする方法で封止を行うことによって、達成される。濾液を受け入れるスペーサー層は、積層内に延在する供給液ポートからのプラスチック成分によって封止され、そのため、供給液は、濾液スペーサー層に入る前に膜層を通って進まなければならない。加えて、供給液を受け入れるように構成された供給液ポートに隣接するスペーサー層は、供給液通路に液体連通したままである。濃縮液または濾液のいずれかを受け入れる通路も、積層内に延在する。濃縮液を受け入れる通路は、濾液スペーサー層から封止され、供給液ポートに流体連通するスペーサー層に流体連通する。通路は、膜を通って延在することができるか、または、少なくとも膜の周囲の部分に封止される熱可塑性タブを通って延在することができる。濾液を受け入れる単数または複数のポートは、供給液または濃縮液を受け入れるスペーサー層から封止され、濾液を受け入れるスペーサー層に流体連通する。積層も、供給スペーサー層に入る供給液体が、濾液スペーサー層に入る前に膜を通って進まなければならないような方法で、膜に封止される。
本発明の変更された膜構造物の側面図である。 本発明の代替の変更された膜構造物の側面図である。 本発明の代替の変更された膜構造物の側面図である。 本発明の接線方向流濾過モジュールを通る流体流れの図である。 本発明の接線方向流装置を通る流体流れの図である。 本発明の濾過装置を形成するのに使用される変更された膜の側面図である。 図8に示される濾過モジュールを形成するのに使用される、2つの膜および1つのスペーサー層の側面図である。 本発明の濾過モジュールの側面図である。 本発明の濾過装置を形成するのに使用される、濾過およびハウジング要素の分解断面図である。 濾過装置の最終形成ステップの前の、本発明の濾過要素の最終位置を例示する断面図である。 本発明の濾過装置を形成する最終ステップを例示する断面図である。 本発明の濾過装置の部分断面斜視図である。 様々なポリマー成分の相対抽出物レベルを示すグラフである。 本発明の濾過モジュールを作るのに有用な膜構造物の側面図である。 本発明の濾過モジュールを作るのに有用な膜構造物の側面図である。 図14aおよび図14bの膜構造物の上面図である。
本発明は、供給液から、または供給液および濃縮液から濾液の分離を行うために、積み重ねられた構成で選択的に封止することができる濾過膜要素を使用する。濾過膜要素は、その一方の縁が熱可塑性ポリマー成分に結合された膜層を具備する。好ましくは、結合された熱可塑性ポリマー成分は、上面および底面を有し、上面および底面は、互いに向けて収束し、端領域または先端領域を形成するように構成される。端領域または先端領域は、放射熱エネルギか、または、端によって吸収され熱エネルギに変換される超音波エネルギ等の非放射熱エネルギを吸収するように構成される。そのようなエネルギにさらされるときに、端または先端は、熱可塑性ポリマー成分の本体よりも先に優先的に溶融する。この特徴によって、溶融した熱可塑性ポリマー成分が流れる方向を制御することができ、次に、封止されるべき濾過装置の選択領域を制御することができる。加熱は、加熱されたロッド等の加熱された要素に接触することによって行うこともできる。
濾過膜要素は、互いに対して1つずつ封止されることができるか、または、1ステッププロセスで所望の構成に互いに対して封止することができ、一方、本発明の濾過膜要素の積層内に配置される。
本発明の濾過モジュールを形成するのに有用な濾過膜要素は、熱可塑性ポリマー成分(TPC)を濾過膜の縁または周囲に封止することによって、濾過膜の端を変更することによって形成される。(TPC)表面は、隣接する(TPC)表面に封止することができ、スペーサーと交互である膜の積層内で交互に配置されたスペーサーの封止を行うように、封止を行う。封止は、いずれの所与の膜が一方の縁で封止され、反対側の縁で開口するように行われる。スクリーン等の開口層によって分離された隣接して配置された膜は、反対側の縁に封止される。この構成によって、膜の積層の開口層に入る供給液ストリームが、濾液として集められる前に膜を通って進むことを確実にする。このように操作することによって、濾液が、供給液ストリームまたは濃縮液ストリームと混合することが防止される。
図1を参照すると、膜が、表皮12と表皮12よりも多孔性の層14とを有する、限外濾過膜10であるときの、本発明の濾過モジュールを形成するのに有用な変更された膜構造物が示される。端16はTPC18に結合され、そのため膜10は、TPC18によって端16で封止される。TPC18は、先端24を形成するように収束する上面20および底面22を有するように構成される。先端24は、先端24からTPCの本体26へ溶融を行うために、放射エネルギまたは超音波エネルギ等のエネルギを集中するように機能する。しかし、TPCは、収束表面を有する必要がなく、たとえば、平らな端または湾曲した端等を有することを理解すべきである。収束表面の構成は、TPCの先端で放射エネルギまたは超音波エネルギを効果的に集中するため、収束表面を有するTPCは、好適である。
図2を参照すると、複合膜30を使用する本発明の代替濾過モジュールの構造が示され、膜は、多孔性の低い表皮すなわち少ない多孔性の構造物32と、表皮32よりも多くの開口孔を有する容積34と、スパンポリプロピレンファイバ等のより開口の層から形成されている支持層36とを含む。複合膜30は、複合膜30の底面40へ成形された第1の成形部分38と、複合膜30の第2の成形部分42とを含む。第2の成形部分42は、先端領域48内へ収束する底面46および上面49を含む。先端表面48は、放射熱または超音波エネルギ等のエネルギにさらされるときに、TPCの本体44より優先して溶融する。
図3を参照すると、本発明の濾過モジュールを形成するのに有用な代替の膜が示され、最適なTPCに結合するのに困難を呈する膜が示される。複合膜51は、表皮55と、多孔性本体54と、TPC58に結合される多孔性支持体56とを含む。表皮55は、グリセリン充填層等のその成分のため、または多孔性が低いため、結合されるのが困難でありうる。結合を改良するために、多孔性スクリーン60を表皮55の上面に配置して、溶融したTPC58を吸収することができ、それによって、表皮52への結合作用を改良する。先端64は、上述のようにエネルギを集めるように機能し、TPC58を選択的に溶融し、これを隣接する層のTPCへ選択的に融合させる。この選択的融合によって、流体が先端64を通り過ぎて流れるのを阻止する。
図4を参照すると、マニホールドを含む濾過モジュールが示される。濾過要素40が、マニホールド47とマニホールド11との間に配置される。マニホールド47には、供給液入口15と濾液出口17とが設けられる。マニホールド11には、濾液出口21と濃縮液出口19とが設けられる。1セットの濾液出口手段28が、マニホールド11に設けられ、一方、第2のセットの濾液出口手段29が、マニホールド47に設けられる。濾液出口手段28および29は、濾液導管路46によって濾液出口17および21に接続される。濾過要素40は、液体入口手段15に連通する穴48と、濾液出口手段28および29に連通する穴50とを含む。
図5を参照すると、濾過要素40は、濾液スペーサー59と、フィルタ層53と、濃縮液スペーサー60と、第2の濾液スペーサー(図示せず)を備えかつ導管路46(図4)に接触することができるフィルタ層62とを含む。矢印61によって表される供給液体は、層62の穴48を通ってスペーサー60内に進む。液体の一部は、矢印64によって表されるようにスペーサー60を通って水平に、かつ、矢印66によって表されるようにフィルタ53を通って垂直に進む。流入液体の残りの部分は、矢印68によって表されるように上方に進み、フィルタ層53の穴48、濾液スペーサー59の穴48を通り、次に隣接する濾過部材(図示せず)内に進み、濾過要素40を参照して上述したように進行する。濾液は穴50内に進み、矢印70および72によって示されるように、濾液出口手段21(図4)へ向けた方向に進む。穴48と穴50とは交互である。濃縮液は、矢印64によって表されるように濃縮液スペーサー60を横断し、穴5を通り濃縮液出口手段19(図4)へ進む。
図6を参照すると、本発明の濾過構造物の膜層は、供給液ポート86および透過液ポート88を形成するために離間される、膜要素80、82および84から形成される。要素80は、膜層90、TPC92、スペーサー層94、熱可塑性シール部分96、および熱可塑性シール部分98から形成される。膜要素82は、膜層107、熱可塑性シール部分98、スペーサー層100、熱可塑性シール部分102、および熱可塑性シール部分104から形成される。膜要素84は、膜層106、熱可塑性シール部分108、および熱可塑性シール部分110から形成される。
図7を参照すると、スペーサー層112が、2つの膜要素80の間に配置決めされる。スペーサー層114は、2つの膜要素82の間に配置される。スペーサー層116は、2つの膜要素84の間に配置される。
図8を参照すると、熱可塑性シール部分98が熱可塑性シール118と一緒に結合される。熱可塑性シール部分104は熱可塑性シール120と一緒に結合される。熱可塑性シール部分110は熱可塑性シール124と一緒に結合される。
本発明の構造物に対する封止は、図9、10、および11を参照して説明される。図8に示される膜とスペーサー要素との積層は、間に差し挟まれたスペーサー130で垂直に配置される。熱可塑性エンドプレート132、134、および136が、熱可塑性材料および弾性のある熱可塑性エラストマー140から形成される。弾性のある熱可塑性エラストマー140は、熱可塑性エンドプレート132、134、および136へヒートシールするかまたは超音波結合することによって封止されるように構成される。そのような材料はよく知られており、オハイオ州アークロン(Akron,Ohio)のアドバンスト・エラストマー・システムズL.P.(Advanced Elastomer Systems,L.P.)が販売のサントプレーン(登録商標)(SANTOPRENE)ポリマー、好ましくは8000シリーズと、マサチューセッツ州レオミニスター(Leominister,MA)のDSMサーモプラスティック・エラストマー社(DSM Thermoplastic Elastomer,Inc.)が販売のサーリンク(登録商標)(SARLINK)ポリマー、好ましくは4155バージョン、すなわち、ポリプロピレン熱可塑性エラストマーと、発泡剤を含んだ(典型的には0.5から約2.0%)ポリプロピレンとを含む。
加えて、弾性のある熱可塑性エラストマー140は、圧力プレート(図示せず)と協働するように配置され、本発明の濾過構造物の垂直高さにわたって圧力をかける。
図10に示されるように、膜およびスペーサーの積層の周囲は、注型または射出成形によって、熱可塑性外側ハウジング142と一緒に封止される。最終ステップで、隣接して配置された熱可塑性構造物92および98(図8)は、放射封止144で一緒に封止される。封止手段144は、放射封止、超音波封止、または直接接触を含むことができる。封止手段144は、開口150および152を封止するのを防止するために、スペーサー146および148から十分に離して配置され、そのため、導管86とスペーサー148およびスペーサー152との間に流体連通を行うことができる。加えて、濾液導管88は、スペーサー154および156に選択的に連通する。このようにして、供給液および濃縮液と濾液の混合は防止される。
図12を参照すると、濾過装置160は、流体供給用の入口162および164と、濃縮液用の出口166および168と、透過液用の出口170および172とを有する。図12において、類似して構成された断面は、同一の要素を参照する。濾過装置160は、外側シェル174と、封止エラストマー176と、供給液スクリーン178と、透過液スクリーン180と、膜182とを含む。
認識されるように、本発明の構成要素の構成、およびそれらを一緒に封止する方法によって、直接ヒートシールされた装置で可能であるよりも薄い材料を構成要素に使用することが可能になる。これによって、構成要素の間に最小厚さを課す接着剤の必要性も排除される。この結果として、濾過モジュールの所与の容量内に存在することができる層の数が増加し、それによって、モジュールの濾過能力を望ましく増加する。本発明は、濾過構造物の外部容積の1立方メートル(m)につき少なくとも300平方メートル(m)の活性膜フィルタ面積の充填密度を提供することができ、これは、先行技術の装置では利用できなかったものである。
加えて、構成要素およびそれらを一緒に形成するプロセスは、複数の組立ステップの必要性を排除することができ、複数構成要素の装置を1ステップで組み立てることを可能にするため、望ましい。あるいは、他の知られているプロセスに比較して、サブアセンブリの数およびそれらを作るのに必要なステップを減少することができ、直接結合技術では発生することがある膜損傷の可能性を排除する。
さらに、本発明の製品は、先行技術の装置と比較して、有意に減少した抽出物レベルを有することができる。図13を参照すると、本発明のモジュールの構造物に使用された材料、および先行技術のモジュールの構造物に使用された材料が検査され、そのような装置の典型的なクリーニング溶液でその抽出物のレベルを評価した。検査を行って、材料を吸い取るかまたは吸収し、その後それらの材料を放出する材料の能力を決定した。使用において、これは結果として、汚染を製品の1つのバッチから次のバッチへ持ち込む可能性がある。この現象は、一般に業界では抽出物と称される。
検査されるべき各個別の材料から作られた同一表面積の試料から作られ、均一な表面積を備えた試料を生成した。熱可塑性材料および熱硬化性材料用に、直径1.125インチ(2.8575cm)×厚さ0.25インチ(1.27cm)の寸法のディスクが成形され、0.00185平方メートルの表面積を生成した。膜、不織支持体、およびスクリーン等の厚さ0.025インチ(1.27cm)未満の材料では、試料は47mmの円形ディスクに切断され、0.0035平方メートルの表面積を生成した。
各試料は、個別に75mlの酢酸/亜リン酸検査溶液に24時間浸漬された。この試験に使用された酸溶液は、1.8%酢酸および1.1%リン酸であった。浸漬後、試料は、濾過した脱イオン水で簡単に濯がれ、試料の表面から全ての残留溶液を除去した。各試料は次いで、抽出のために個別に50mlの濾過した脱イオン水に浸漬された。水の試料は、6時間後および24時間後に取られ、酢酸イオンおよび亜リン酸イオンのレベルに関してイオンクロマトグラフィによって分析された。イオンのレベルは、mg/mに標準化された。上述の期間浸漬した後に存在する酢酸イオンおよび亜リン酸イオンのレベルは、構造物の材料から残留酸が水内に放出されたことを例証する。これは、材料が使用において放出することができる汚染のレベルに対応する。適切な材料は、上述の検査方法によって検査されるときに、材料の1mにつき抽出される汚染物が250mg未満の材料である。より好適な材料およびそれらの材料から作られる装置は、上述の検査方法によって検査されるときに、材料の1mにつき抽出される汚染物が200mg未満であった。
発泡剤入りのまたは発泡剤無しのポリプロピレン、およびポリプロピレン熱可塑性エラストマーの使用は、容認可能な低抽出レベルを提供したが、ポリウレタン(先行技術のモジュールで使用されるような)は、容認可能な低抽出レベルを提供しなかった。
図14a、14b、および14cを参照すると、本発明の濾過モジュールを形成するのに使用することができる、濾過要素の代替セットが示される。濾過要素190および192は、交互の層に一方が他方の上に垂直に積み重ねられる。各濾過要素190および192は、2つの膜194および196と、多孔性スクリーン198と、2つのTPCタブ200または204を含む。濾過要素190は、2つのTPCタブ207を含み、これらは、加熱要素(図示せず)がポート208を通って延在するときに、互いに融合される。加熱要素を制御して、タブ207を選択的に溶融し、それらを一緒に融合させる。濾過要素192には、タブ207がなく、TPCの融合は加熱要素によっては行われない。このようにして、交互の濾過要素190および192の積層において、濾過要素192内を進む液体用の交互の通路が設けられる。濾過要素192には、開口端にTPCタブが設けられ、濾過要素190の対向する端にはTPCタブはない。このようにして、濾過要素192の対向する端(図示せず)は阻止され、一方、濾過要素190の対向する端は、開口して別のポート(図示せず)に連通する。

Claims (7)

  1. フィルタ構造物であって、前記フィルタ構造物の外部容積の1立方メートル(m)につき少なくとも300平方メートル(m)の活性膜フィルタ面積の充填密度を有する、フィルタ構造物。
  2. 前記フィルタは、浸漬された材料の1平方メートル(m)につき抽出された汚染物が250mg未満であることを特徴とする材料から作られる、請求項1に記載のフィルタ構造物。
  3. 弾性のある熱可塑性樹脂成分から形成された外側周囲表面を有する流体導管を有する、請求項1に記載のフィルタ構造物。
  4. 供給液入口ポートと、少なくとも1つの透過液ポートと、濃縮液ポートとを有する濾過膜構造物を形成するための方法であって、
    複数の流体透過可能なスペーサー層および複数の膜フィルタ層の積層を形成するステップを含み、前記スペーサー層は、垂直方向に前記フィルタ層と交互に配置され、方法がさらに、
    前記フィルタ層に留められた熱可塑性部分を、前記ポート内に延在する前記フィルタ層の端に提供するステップであって、前記熱可塑性部分が溶融されるときに、交互に配置されたスペーサー層が、前記供給液入口ポートと前記少なくとも1つの透過液ポートと前記濃縮液ポートとに封止され、前記少なくとも1つの透過液ポートの液体が、前記供給液ポートの液体および前記濃縮液ポートの液体と混合しないように行われる構成で提供するステップと、
    前記供給液ポートにおける前記熱可塑性部分を同時に、または前記少なくとも1つの透過液ポートの1つにおける前記熱可塑性部分を同時に、または前記濃縮液ポートにおける前記熱可塑性部分を同時に、ヒートシールするステップとを含む、方法。
  5. 加熱が、放射加熱要素を前記ポートの1つに延在させ、前記加熱要素にエネルギーを供給して、前記ポートにおける熱可塑性リングのすべてを加熱することによって行われる、請求項4に記載の方法。
  6. フィルタ構造物であって、前記フィルタ構造物の外部容積の1立方メートル(m)につき少なくとも300平方メートル(m)の活性膜フィルタ面積の充填密度を有し、前記フィルタは、浸漬された材料の1平方メートル(m)につき抽出された汚染物が250mg未満であることを特徴とする材料から作られる、フィルタ構造物。
  7. 抽出された汚染物のレベルが、材料を酢酸/亜リン酸検査溶液に24時間浸漬し、濾過した脱イオン水で簡単に濯いで試料の表面から全ての残留溶液を除去し、次いで、抽出用の濾過した脱イオン水に浸漬し、水の試料が、6時間および24時間後に取られ、酢酸イオンおよび亜リン酸イオンのレベルに関してイオンクロマトグラフィによって分析され、かつ検出されたイオンのレベルがmg/mに標準化されることによって得られる、請求項6記載のフィルタ構造物。
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