JP2010004629A - ブラシレスモータの制御装置および電動ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブラシレスモータの制御装置70は、モータ31の回転時にγ軸に発生するγ軸誘起電圧Eex・sinθeの二乗とδ軸に発生するδ軸誘起電圧Eex・cosθeの二乗との和に基づきモータ31の回転および停止を判定する停止判定器を備える。
【選択図】図4
Description
また、従来、例えばブラシレスモータが停止している状態での磁極位置つまり所定の基準回転位置からのロータの磁極の回転角を推定する際に、ロータの回転には寄与しない程度のパルス電圧をブラシレスモータに印加し、このときブラシレスモータに通電される電流および印加される電圧からフーリエ変換によって自己インダクタンスを求め、ロータの突極性によってロータの回転角に応じて自己インダクタンスが変化することを用いて、ロータ角度つまり所定の基準回転位置からのロータの磁極の回転角を推定する方法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
また、従来、例えばブラシレスモータの回転角を推定する2つの異なる推定演算処理、つまり、ブラシレスモータに高周波電圧(または高周波電流)を印加した際の応答電流(または応答電圧)に応じて回転角を推定する処理と、ブラシレスモータの誘起電圧および通電電流に応じて回転角を推定する処理と、により得られる2つの推定値の何れか一方を、車両の操舵トルク、速度、エンジン回転数、舵角などに応じて、切り替えて選択する電動パワーステアリング装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
新中、「永久磁石同期モータの最小D因子状態オブザーバとこれを用いたセンサレスベクトル制御法の提案」、IEEJ Trans.IA,Vol.123,No.12,2003,p1446−1460 山本、他1名、「パルス電圧を用いた表面磁石同期モータの初期磁極位置推定法」、IEEJ Trans.IA,Vol.125,No.3,2005,p253−258
例えば、車両走行中の小幅な車線変更をおこなうような場合には、操舵トルクが相対的に小さくてもブラシレスモータ(つまりステアリングハンドル)が回転しており、一方、一定曲率のカーブを一定速度で定常円旋回するような場合には、操舵トルクが相対的に大きくてもブラシレスモータ(つまりステアリングハンドル)が停止している。
操舵トルクが小さいときにブラシレスモータが停止していると判定して、回転しているにもかかわらず、停止している状態において好適な推定演算処理による回転角の推定値が採用されると、精度のよい回転角を得ることができずに的確なアシストトルクを付与することが困難になって操舵性能が低下してしまうという問題が生じる。
これは、停止している状態において好適な推定演算処理はブラシレスモータに高周波電圧(または高周波電流)を印加した際の応答電流(または応答電圧)に基づくものであるが、この応答にモータが回転することにより生じる誘起電圧の影響が加わって、精度のよい回転角を得ることができなくなるためである。
γ軸に発生する誘起電圧(Eex×sinθe)の二乗とδ軸に発生する誘起電圧(Eex×cosθe)の二乗との和を観測することにより、位相差θeに関わらずに、誘起電圧を精度よく検出することができ、ブラシレスモータの回転および停止を適切に判定することができる。そして、この判定結果に応じて、精度のよい回転角の推定値を得ることができる。
ブラシレスモータが回転している状態での回転角の推定処理では、γ軸に発生する誘起電圧(Eex×sinθe)と、δ軸に発生する誘起電圧(Eex×cosθe)とを推定し、これらの誘起電圧の成分の比((Eex×sinθe)/(Eex×cosθe))を求めることにより、(tanθe)を演算し、この逆演算により位相角θeを推定している。位相角θeは、例えば図23に示すように、(−180°)から(+180°)の間の適宜の初期値から、ゼロに収束するように推定演算がおこなわれる。したがって、γ軸もしくはδ軸に発生する誘起電圧成分を観測しても、位相角θeがゼロに収束していない場合には、精度のよい誘起電圧を検出することができないという問題が生じる。
本実施の形態によるブラシレスモータの制御装置70は、図1に示す車両用操舵装置としての電動ステアリング装置1のECU(Electronic Control Unit)50に搭載されている。
そして、ピニオン軸11に具備されるピニオン12と、車幅方向に往復動可能なラック軸13に具備されるラック14とは、互いに噛み合わされている。
ラック軸13は、ハウジング6の車幅方向に延びる略円筒状のラックハウジング6a内において、軸受16を介して軸長手方向に往復動可能に支持されている。
ラック軸13の各端部13aにはラック軸13よりも大きな外径のラックエンドプレート17が固定され、さらに、ラックエンドプレート17にはラックエンドヘッド18が固定されている。
ラックエンドヘッド18はボールジョイント19を備え、このボールジョイント19にタイロッド20が連結され、タイロッド20に操舵輪(前輪)5が連係されている。
そして、ラックハウジング6aの円環凹溝6bにはラック軸13の軸長手方向に伸縮可能な蛇腹状のラックエンドカバー21の端部が装着され、ラック軸13の端部13aと、ラックエンドプレート17と、ラックエンドヘッド18と、ボールジョイント19とは、ラックエンドカバー21内に収容され、タイロッド20はラックエンドカバー21を貫通して外方に突出している。
モータ31はハウジング6に軸支されたウォームギヤ32に連結され、このウォームギヤ32は、ピニオン軸11に一体的に設けられたウォームホイールギヤ33に噛合している。ウォームギヤ32およびウォームホイールギヤ33は減速機構を構成し、モータ31で発生したトルクは、ウォームギヤ32とウォームホイールギヤ33により倍力されてピニオン軸11に伝達される。
操舵トルクセンサ40は、ピニオン軸11の外周面に軸方向所定間隔をおいて互いに逆方向の異方性となるように設けられた2つの磁歪膜(例えば、Ni−Feめっきなどの磁気異方性を有する磁歪膜)41,42と、各磁歪膜41,42に対向配置された2つの検出コイル43,44と、各検出コイル43,44に接続された検出回路45,46を備えている。各検出回路45,46は、各磁歪膜41,42に操舵トルクが作用したときに発生する逆磁歪特性に起因して生じる各検出コイル43,44のインダクタンスの変化を電圧変化に変換してECU(Electric Control Unit)50に出力する。ECU50は各検出回路45,46の出力に基づいてステアリングシャフト3に作用する操舵トルクを算出する。
ステータ64は、例えばモータケース62内に圧入等により収容され、ロータ63の内周部には回転軸Oと同軸に配置された出力軸65が固定されている。
そして、モータ31のリッド61およびモータケース62は、出力軸65を2つの軸受66を介して回転可能に支持している。
分割コア64bは、例えば略T字型の複数の珪素鋼板が回転軸O方向に積層されて構成され、外周側のヨーク部64b1と内周側のティース部64b2とにより構成されている。ヨーク部64b1の周方向の両端面において、一方の端面上には周方向に突出する凸部が設けられ、他方の端面上には凸部が嵌合可能な凹部が設けられ、周方向で隣り合う分割コア64b,64bの一方のヨーク部64b1の凸部が他方のヨーク部64b1の凹部に嵌合することで円環状のヨークが形成されている。ティース部64b2は、ヨーク部64b1よりも小さな周方向幅を有し、ヨーク部64b1から径方向内方のロータ63に向かい突出している。そして、ティース部64b2には、例えば絶縁性樹脂材等からなるボビン64cが装着されている。
略筒状のバックヨーク63cは、例えば略環状の複数の珪素鋼板が回転軸O方向に積層されて構成され、内周部に出力軸65が装着され、外周面上には周方向に所定間隔をおいて複数の永久磁石63aが配置されている。そして、磁石カバー63bは、複数の永久磁石63aの外周面を覆うようにして配置されている。
ウォーム軸32aは、モータ31の出力軸65と同軸に配置され、2つの軸受68を介してハウジング6に回転可能に支持されている。なお、ハウジング6内に装着された2つの軸受68のうち、モータ31側の一方の軸受68は止め輪69によって軸長手方向でのモータ31側への移動が規制されている。
FETブリッジ72は、例えば図5に示すように、FET(例えば、MOSFET:Metal Oxide Semi-conductor Field Effect Transistor)を複数用いてブリッジ接続してなるブリッジ回路を具備し、このブリッジ回路がパルス幅変調(PWM)された信号によって駆動される。
このブリッジ回路は、例えば各相毎に対をなすハイ側およびロー側U相トランジスタUH,ULと、ハイ側およびロー側V相トランジスタVH,VLと、ハイ側およびロー側W相トランジスタWH,WLとをブリッジ接続して構成され、各トランジスタUH,VH,WHはドレインがバッテリ71(+B)に接続されてハイサイドアームを構成し、各トランジスタUL,VL,WLはソースが接地されてローサイドアームを構成しており、各相毎にハイサイドアームの各トランジスタUH,VH,WHのソースとローサイドアームの各トランジスタUL,VL,WLのドレインとが接続されている。
そして、昇圧回路74は、FETブリッジ72のハイサイドアームを構成する各トランジスタUH,VH,WHのゲート電圧を昇圧する。
また、バッテリ71とFETブリッジ72および昇圧回路74との間、および、FETブリッジ72とモータ31の3相のうちの何れか2相(例えば、U相およびV相)のステータ巻線64a,64aとの間には、リレー駆動回路75aにより開閉駆動されるリレー75bが設けられている。そして、リレー駆動回路75aには、リレー75bの開閉動作を制御するためのリレー駆動信号が制御部73から入力されている。
なお、各トランジスタUH,ULおよびVH,VLおよびWH,WLを、パルス幅変調(PWM)によりオン/オフ駆動させるためのPWM信号のデューティ、つまりオン/オフの比率のマップ(データ)は予め制御部73に記憶されている。
イナーシャ補正部84は、例えば操舵トルクセンサ40が出力するトルク検出信号Tqおよび車速センサ78から出力される車速Vおよび微分演算部85から出力される回転速度ωm(=dθm/dt)の時間微分値(=dωm/dt)に基づき、慣性モーメントに係るイナーシャ補正項を演算する。
なお、回転速度ωmとしては、後述する回転時推定器96bから出力される推定回転数ωrが採用される。
ダンパー補正部87は、例えば操舵トルクセンサ40が出力するトルク検出信号Tqおよび車速センサ78から出力される車速Vおよび微分演算部85から出力される回転速度ωm(=dθm/dt)に基づき、ダンピング係数に係るダンパー補正項を演算する。
なお、γ軸電流Iγおよびδ軸電流Iδは、各相電流Iu,Iv,Iwの検出値をγ−δ座標上に変換してγ軸電流Iγ及びδ軸電流Iδを演算する3相−γδ変換部98から出力される。
詳細には、この所定のゲート信号は、後述する回転角θmの複数の候補から、単一の推定値θmを仮推定値とし、この仮推定値を用いて、アシスト不感帯内において所定微小電流を通電してモータ31を駆動することをFETブリッジ72に指示し、運転者による操舵入力と同方向にモータ31による操舵補助力が作用するか否かによって、仮推定値が正しいか否かを決定する。仮推定値が正しい場合には、操舵トルクがアシスト不感帯内の範囲を超えた時点より、この推定値を用いてモータを駆動制御しアシストを行う。正しくない場合には、もう一方の推定値を用いてモータを駆動制御しアシストを行う。詳細は後述する。
そして、切換部97は、モータ31の状態に応じて、停止時推定器96aまたは回転時推定器96bを選択し、停止時推定器96aから出力される停止時回転角θsまたは回転時推定器96bから出力される回転時推定回転角θrを、回転角θmとして出力する。
例えば、切換部97は、モータ31の停止時には停止時推定器96aを選択し、モータ31の回転時には回転時推定器96bを選択する。
また、回転角推定器96の回転時推定器96bは、モータ31の回転時にはモータ31が発生する誘起電圧が回転速度ωmによって変化することを利用して、回転時推定回転角θrを推定する。
そして、切換部97は停止時推定器96aによる回転角推定を選択する。
もしくは、図6(a)に示す通電パターンの状態を1回行った後に、図6(b)に示す通電パターンの状態を1回行うことにより、パルス状(例えば、10μsec程度)の矩形波の交流電圧(例えば、12Vなど)を印加することを指示する指令信号Vsaを出力する。
なお、この第1マップは、例えば相間電圧比Vun/Vvnと、停止時回転角θsとの所定の対応関係を示すマップであって、例えば図7に示すように、電気角(edeg)での0°から360°の範囲内において、相間電圧比Vun/Vvnの適宜の単一の値に対して、停止時回転角θsの4つの値θ1,…,θ4が対応するようになっている。つまり、相間電圧比Vun/Vvnの2周期が電気角(edeg)での360°となっている。例えば相間電圧比Vun/Vvn=1.5の場合、停止時回転角θs=θ1(=100°),θ2(=150°),θ3(=280°),θ4(=330°)が対応している。
この第2マップは、例えばV相間電圧Vvnと、停止時回転角θsとの所定の対応関係を示すマップであって、例えば図8に示すように、電気角(edeg)での0°から360°の範囲内において、V相間電圧Vvnの適宜の単一の値に対して、停止時回転角θsの4つの値φ1,…,φ4が対応するようになっている。つまり、各相間電圧Vvnの2周期が電気角(edeg)での360°となっている。
例えば相間電圧比Vun/Vvn=1.5が得られるときのV相間電圧VvnがVvn=2.3(V)であったとすると、これを満たす回転角は、停止時回転角θs=φ1(=100°),φ2(=175°),φ3(=280°),φ4(=355°)が対応している。
このため、停止時回転角θsの4つの値θ1(=100°),θ2(=150°),θ3(=280°),θ4(=330°)が第1マップにより検索された場合に、第2マップの検索結果と等しくなる値θ1(=100°),θ3(=280°)の2つが停止時回転角θsの推定値候補として選択される。
もしくは、パルス幅Δtが短いので(10μsec)、電流の変化率(ΔI/Δt)が大きく、各巻線抵抗Run,Rvnにおける電圧降下が、各インダクタンスLun,Lvnにおける電圧降下に比べて十分に小さいので、相間電圧比Vun/Vvnは、下記数式(2)に示すように相間インダクタンス比Lun/Lvnにほぼ等しくなる。
モータ31のインダクタンス変化を示す図9において、例えば、各相間インダクタンスLun,Lvn,Lwnの平均値は約72μHであり、各相間インダクタンスLun,Lvn,Lwnは、最小値(例えば、58μH)と最大値(例えば、86μH)との間で変動している。
したがって、相間インダクタンス比Lun/Lvnに近似される相間電圧比Vun/Vvnから停止時回転角θsを検知することができる。
また、バッテリ71の電圧に対して、各インピーダンスZun,Zvnが相対的に高いことから、U相およびV相の各ステータ巻線64aに流れる電流の大きさ(例えば、0.1A程度)は相対的に小さくなり、回転角推定時においてモータ31の相端子間に印加される矩形波の通電によりモータ31に不必要なトルクが発生することは防止されている。
選択された停止時回転角θsの2つの推定値候補(例えば、θ1,θ3)は、電気角(edeg)で180°の位相差を有することから、各値(例えば、θ1,θ3)に対応するロータ63の界磁方向つまり磁極の向きは互いに逆方向となる。
このため、2つの各推定値候補(例えば、θ1,θ3)においてモータ31に同一の通電を行うと、一方では運転者の操舵トルクを補助するようにして、運転者の操舵方向と同一の方向にモータ31による補助トルクが発生し、他方では運転者の操舵トルクを増加させるようにして、運転者の操舵方向の反対方向にモータ31による補助トルクが発生するからである。これにより、操舵トルクを観察することによって推定値候補が適正か否かを判定することができる。
なお、この所定微小電流の通電は、操舵トルクセンサ40により検出される操舵トルク(トルク検出信号)Tqが所定の補助下限トルク(アシスト不感帯)以下である状態(例えば、図10または図11に示す時刻t1から時刻t4に亘る期間)で実行される。
そして、d軸およびq軸とは位相差θeの位相角を有する、γ軸およびδ軸に発生する誘起電圧を図15に示すように推定し、推定したγ軸およびδ軸に発生する誘起電圧より位相差θeを図15のように求め、この位相差θeがゼロに収束するようにして図14のように、実際の回転角(実回転角)θと回転時推定回転角θrとが等しくなるように制御をおこなう。
回転時推定器96bは、γ軸誘起電圧推定器150と、δ軸誘起電圧推定部151と、tanθe演算部152と、θe演算部153と、偏差演算部154と、PI制御器155と、微分器156と、Ld乗算部157と、回転数演算部158と、積分器159と、乗算器160および161と、加算器162と、停止判定器163と、二乗和演算器164とからなる。
tanθe演算部152は得られたγ軸誘起電圧Eex・sinθeとδ軸誘起電圧Eex・cosθeの比である比tanθeを演算し出力する。
θe演算部153は比tanθeの値の逆正接値tan−1を求める事により位相差θeを演算し出力する。
また、微分器156は、このようにして演算した位相差θeを微分して回転速度ωeを演算して出力する。
さらに、Ld乗算部157は、回転速度ωeとd軸インダクタンスLdを乗算して出力する。
回転数演算部158は、二乗和演算器164から出力される値(Eex2・cos2θe+Eex2・sin2θe)の平方根(√(Eex2・cos2θe+Eex2・sin2θe)=Eex)、つまり誘起電圧の値を予め記憶してある誘起電圧定数keで割る事により、推定回転数ωrを演算して出力する。
さらに、積分器159は、停止時推定器96aから出力される初期回転角θ0に基づき、推定回転数ωrを積分して回転角(実回転角)θを演算して出力する。
また、乗算器160は、回転速度ωeとd軸インダクタンスLdとの乗算値(ωe・Ld)とδ軸電流Iδとを乗算して得た値(ωe・Ld・Iδ)出力する。
加算器162は、制御量Δθと回転角θを加算し、これを回転時推定回転角θrとして出力する。
以降、回転時推定回転角θrおよび推定回転数ωrを用いて、位相差θeがゼロに収束するように図14に示すブロック図のベクトル制御を行う。
停止判定器163は、例えば図17(a)に示すように、値(Eex2・cos2θe+Eex2・sin2θe)と予め記憶している所定値C1とを比較し、値(Eex2・cos2θe+Eex2・sin2θe)が所定値C1未満である場合には、モータ31が停止していると判定する。
また、停止判定器163は、例えば図17(b)に示すように、値(Eex2・cos2θe+Eex2・sin2θe)の平方根と予め記憶している所定値C2とを比較し、値(Eex2・cos2θe+Eex2・sin2θe)の平方根が所定値C2未満である場合には、モータ31が停止していると判定する。
停止判定器163は、モータ31が停止していると判定した場合には、切換部97に切換信号Vcを出力する。
先ず、例えば図18に示すステップS01においては、車両のイグニッションスイッチがオン(IG ON)とされているか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS02に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、処理は進行しない。
そして、ステップS03においては、取得したγ軸電流Iγおよびδ軸電流Iδおよびγ軸電圧Vγおよびδ軸電圧Vδより、γ軸誘起電圧Eex・sinθeとδ軸誘起電圧Eex・cosθeを演算する。
そして、ステップS04においては、δ軸誘起電圧Eex・cosθeの二乗とγ軸誘起電圧Eex・sinθeの二乗との和(Eex2・cos2θe+Eex2・sin2θe)を演算し、この値(Eex2・cos2θe+Eex2・sin2θe)に基づいて、モータ31が停止状態であるか否かを判定する。
これは例えば図17(a),(b)に示すように、値(Eex2・cos2θe+Eex2・sin2θe)が所定値C1(=(C2)2)よりも小さい時には、モータ31が回転することによる誘起電圧が発生しておらず、モータ31が停止していると判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS24に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS05に進む。
そして、ステップS05においては、モータ31の相端子間(例えば、U相−V相端子間等)に所定矩形波の交流電圧の印加を開始し、停止時回転角θsの推定処理を開始する。
そして、ステップS06においては、各電圧センサ77により検出された各相電圧Vu,Vvおよび中点電圧Vnに基づき算出されるU相間電圧Vun(=Vu−Vn)およびV相間電圧Vvn(=Vv−Vn)を取得する。
そして、ステップS08においては、相間電圧比Vun/Vvnに基づく第1マップに対するマップ検索により、停止時回転角θsの4つの値θ1,…,θ4を取得する。
そして、ステップS09においては、V相間電圧Vvnに基づく第2マップに対するマップ検索により、停止時回転角θsの4つの値φ1,…,φ4を取得する。
そして、ステップS10においては、4つの値θ1,…,θ4のうちから、4つの値φ1,…,φ4の何れかと同等の2つの値を推定値候補として選択する。
そして、図19に示すステップS12においては、停止時回転角θsの2つの推定値候補のうち何れか一方を仮推定値として選択する。
そして、ステップS13においては、操舵トルクセンサ40により検出される操舵トルクTqがゼロよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、このステップS13の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合、つまり運転者の操舵入力が開始された場合には、ステップS14に進む。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS15に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、このステップS14の判定処理を繰り返し実行する。
そして、ステップS15においては、操舵トルクセンサ40により検出される操舵トルクTqおよび停止時回転角θsの仮推定値に応じて、運転者による操舵入力と同方向にモータ31による操舵補助力が作用するようにして、FETブリッジ72を介してモータ31を所定微小電流により駆動制御する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS18に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、停止時回転角θsの仮推定値の設定が適正であると判断してステップS17に進み、このステップS17においては、停止時回転角θsの仮推定値を、所定微小電流の通電前のモータ31の停止状態での停止時回転角θsの推定値として設定し、後述するステップS20に進む。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS16に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、停止時回転角θsの仮推定値の設定が適正ではないと判断してステップS19に進み、このステップS19においては、2つの推定値候補のうち何れか他方を、所定微小電流の通電前のモータ31の停止状態での停止時回転角θsの推定値として設定する。これは、前述の駆動方向反転フラグに相当する。
そして、ステップS20においては、所定微小電流によるモータ13の駆動制御の実行を終了し、停止時回転角θsの推定値を回転角θmとして設定し、停止時回転角θsの推定処理を終了する。
そして、ステップS22においては、取得した取得したγ軸電流Iγおよびδ軸電流Iδおよびγ軸電圧Vγおよびδ軸電圧Vδ、予め既知とされる、モータ抵抗Rと、d軸インダクタンスLd、および後述の位相差速度(回転速度)ωeより、γ軸誘起電圧Eex・sinθeとδ軸誘起電圧Eex・cosθeを演算する。
そして、ステップS23においては、δ軸誘起電圧Eex・cosθeの二乗とγ軸誘起電圧Eex・sinθeの二乗との和(Eex2・cos2θe+Eex2・sin2θe)を演算し、この値(Eex2・cos2θe+Eex2・sin2θe)に基づいて、モータ31の回転状態であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、エンドに進み、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS24に進む。
そして、ステップS25においては、位相差θeと位相差θeの収束目標であるゼロの偏差を演算し、PI制御器155を介して、制御量Δθを演算する。
そして、ステップS26においては、δ軸誘起電圧Eex・cosθeを予め既知の誘起電圧定数keで割る事によって推定回転数ωrを演算し、さらに、この推定回転数ωrを積分して回転角(実回転角)θを求める。
ステップS27においては、前述の回転角θと制御量Δθを加算して、回転時推定回転角θrを演算する。そして、この回転時推定回転角θrを用いて、位相差θeがゼロになるようにブラシレスモータ駆動制御を行う。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS30に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS29に進む。
そして、ステップS29においては、停止時回転角θsと回転時推定回転角θrとの間に所定値を超える差が存在するか否かを判定することによって、停止時回転角θsと回転時推定回転角θrとがほぼ等しいか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS30に進み、このステップS30においては、通常時制御として、回転時推定回転角θrに基づくモータ31の駆動制御を実行し、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS31に進み、このステップS31においては、所定の異常時制御として、例えば回転駆動されるモータ31の停止を指示力したり、例えば回転時推定回転角θrの推定値を回転角θmとして出力することを禁止するとともに、電流センサ76から出力される検出信号(例えば、U相検出電流Ius,W相検出電流Iws等)には拘らずに電圧センサ77から出力される検出信号に基づき回転角θmを推定する他の公知の推定処理の実行を指示して、一連の処理を終了する。
モータ31をベクトル制御する制御ループのなかで、ステップS01〜ステップS31の一連の処理を繰り返してモータ31の回転角θmを推定し、モータ31の制御を行う。
この第2変形例に係るブラシレスモータの制御装置70では、例えば図22に示すように、停止時推定器96aには、各相電圧Vu,Vv,Vwを検出する電圧センサ77から出力される検出信号が入力されている。
なお、この第3マップは、例えば線間電圧比Vuv/Vwuと、停止時回転角θsとの所定の対応関係を示すマップであって、電気角(edeg)での0°から360°の範囲内において、線間電圧比Vuv/Vwuの適宜の単一の値に対して、停止時回転角θsの4つの値α1,…,α4が対応するようになっている。つまり、線間電圧比Vuv/Vwuの2周期が電気角(edeg)での360°となっている。
そして、停止時推定器96aは、第3マップにより検索された停止時回転角θsの4つの値α1,…,α4のうちの何れか2つを選択するために、線間電圧Vwuと、停止時回転角θsとの所定の対応関係を示す第4マップに対するマップ検索により停止時回転角θsを取得する。
この第4マップは、例えば線間電圧Vwuと、停止時回転角θsとの所定の対応関係を示すマップであって、電気角(edeg)での0°から360°の範囲内において、線間電圧Vwuの適宜の単一の値に対して、停止時回転角θsの4つの値β1,…,β4が対応するようになっている。つまり、各線間電圧Vuv,Vwuの2周期が電気角(edeg)での360°となっている。
そして、第3マップにより検索された停止時回転角θsの4つの値α1,…,α4のうち、線間電圧Vwuに対応する停止時回転角θsの4つの値β1,…,β4の何れか2つと同等の2つの値を停止時回転角θsの推定値候補として選択する。
なお、バッテリ電圧(つまりFETブリッジ72の電源電圧)が変動しても正確な停止時回転角θsを得るために、バッテリ電圧Vbを検出して、この値を用いて検出した線間電圧Vwuを補正し、補正後の線間電圧Vwuを用いて第4マップを検索し、停止時回転角θsの4つの値β1,…,β4を得ている。このため、停止時推定器96aとバッテリ71(+B)との間には、例えば図22に示すように、作動アンプを備えるボルテージフォロア回路71aが設けられ、このボルテージフォロア回路71aの出力が停止時推定器96aに入力されている。
31 モータ
40 操舵トルクセンサ(操舵トルク検出手段)
63 ロータ
64 ステータ
64a ステータ巻線
70 ブラシレスモータの制御装置
72 FETブリッジ(通電切換手段)
73 制御部(電流制御手段、操舵制御手段、駆動制御手段)
76 電流センサ
77 電圧センサ
94 PWM信号生成部(通電切換手段)
96a 停止時推定器(停止時回転角推定手段、駆動制御手段)
96b 回転時推定器(回転角推定手段)
163 停止判定器(判定手段)
Claims (5)
- ロータおよび複数相のステータ巻線を有するステータを具備するブラシレスモータと、各相の前記ステータ巻線への通電を切換制御する通電切換手段とを備えるブラシレスモータの制御装置であって、
dq座標系に対して位相差を有するγδ座標系を設定し、
γ軸に発生する誘起電圧成分の二乗とδ軸に発生する誘起電圧成分の二乗との和に基づき、前記ブラシレスモータの回転および停止を判定する判定手段
を備えることを特徴とするブラシレスモータの制御装置。 - 前記ブラシレスモータが回転している時の回転角を推定して推定回転角信号を出力する回転角推定手段を有し、
前記判定手段により前記ブラシレスモータが停止していると判定された場合には、前記回転角推定手段とは異なる処理により前記回転角を推定して前記ブラシレスモータを駆動制御する駆動制御手段
を備えることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータの制御装置。 - ロータおよび複数相のステータ巻線を有するステータを具備するブラシレスモータと、各相の前記ステータ巻線への通電を切換制御する通電切換手段とを備えるブラシレスモータの制御装置であって、
dq座標系に対して位相差を有するγδ座標系を設定し、前記位相差をゼロに収束させる収束演算に基づき、前記ブラシレスモータの回転角を推定して推定回転角信号を出力する回転角推定手段と、
前記回転角推定手段から出力される前記推定回転角信号に基づき、前記γδ座標系を用いたベクトル制御により通電を制御する電流制御手段と、
γ軸に発生する誘起電圧成分の二乗とδ軸に発生する誘起電圧成分の二乗との和に基づき、前記ブラシレスモータの回転および停止を判定する判定手段と
を備えることを特徴とするブラシレスモータの制御装置。 - 前記判定手段により前記ブラシレスモータが停止していると判定された場合に、前記回転角推定手段とは異なる処理により前記回転角を推定して停止時推定回転角信号を出力する停止時回転角推定手段を備えることを特徴とする請求項3に記載のブラシレスモータの制御装置。
- 請求項1から請求項4の何れか1つに記載のブラシレスモータの制御装置と、
操舵トルクを検出して操舵トルク信号を出力する操舵トルク検出手段と、
前記操舵トルク検出手段から出力される前記操舵トルク信号と、前記制御装置から出力される前記推定回転角信号または前記停止時推定回転角信号とに応じて、前記ブラシレスモータを駆動制御し、前記操舵トルクを補助する補助トルクを前記ブラシレスモータから発生させる操舵制御手段とを備えることを特徴とする電動ステアリング装置。
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| JP2008160124A JP4943383B2 (ja) | 2008-06-19 | 2008-06-19 | ブラシレスモータの制御装置および電動ステアリング装置 |
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| CN110707979A (zh) * | 2019-10-21 | 2020-01-17 | 广东美的暖通设备有限公司 | 一种电机转速检测装置、检测方法、电机系统及空调器 |
| JP2021141691A (ja) * | 2020-03-04 | 2021-09-16 | 日本精工株式会社 | モータ制御装置およびモータ制御方法 |
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