JP2010003713A - 放射線検出器及び放射線検出器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光導電層で生成した電荷を収集する収集効率の低下を抑制しつつ、光導電層の表面に形成された凹部又は凸部で発生する放電破壊を抑制する。
【解決手段】光導電層404に形成された凸部404Aを覆うように、バイアス電極401と光導電層404との間に第1有機高分子膜422を形成する。これにより、凸部404Aの部位で電界集中を抑制し、この部位で生じる放電破壊を抑制する。また、光導電層404の表面を部分的に覆うように第1有機高分子膜422を形成する。これにより、電荷収集電極407aの電荷の収集効率の低下を抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、医療用のX線撮影装置などに用いられる放射線検出器及びその放射線検出器の製造方法に関する。
放射線検出器としては、特許文献1に開示される技術が公知である。特許文献1には、第1電極と記録用光導電層の間に積層された記録用光導電層の界面結晶化を抑制する抑制層を、画像情報の記録の際に第1電極に移動する電荷と逆極性の電荷に対しては絶縁性を有し、第1の電極に移動する電荷と同極性の電荷に対しては導電性を有する有機膜(有機層)により形成する構成が開示されている。この構成によれば、大線量での放射線画像の記録および読取によって生じる抑制層内の残存電荷を減少させることができ、この残存電荷による感度の劣化やゴースト像の残留などを防止することができる。
また、特許文献2には、放射線検出器ではないものの、電子写真感光体の絶縁破壊を抑制することを目的として、導電性基体上に下引き層を形成した電子写真感光体が開示されている。特許文献2の構成では、下引き層として、カルボキシル基濃度が限定されたポリアミド樹脂を含む下引き層を用いて、電子写真感光体の残留電位の上昇を抑えている。
特許文献2においては、下引き層の塗布はある程度均一に塗布できる方法であれば如何なる塗布方法を用いてもよいが、浸漬塗布方法・スプレー塗布方法・ノズル塗布方法等を用いて常法に従って塗布されることが好ましく、中でも浸漬塗布方法が生産効率に優れる点で好ましいと記載されるのみで、導電性基体上の全面に塗布することを前提としている。
特開2004−165480号公報 特開2008−8921号公報
ところで、放射線検出器において光導電層の表面に凹部又は凸部があると、その部位で電界集中して放電破壊が起こりやすいため、放電破壊を抑制する必要がある。放電破壊を抑制するために、特許文献2のように有機膜を形成する構成が考えられるが、放射線検出器において特許文献2のように全面に有機膜を形成すると、光導電層で生成された電荷が収集電極へ移動しにくくなり、光導電層で生成した電荷の収集の妨げとなり、入射した放射線に対する感度が低下する結果となる。
本発明は、上記事実を考慮し、光導電層で生成した電荷を収集する収集効率の低下を抑制しつつ、光導電層の表面に形成された凹部又は凸部で発生する放電破壊を抑制することを目的とする。
本発明の請求項1に係る放射線検出器は、第1電極と、表面に凹部又は凸部が形成され、画像情報を担持した放射線が照射されて電荷を生成し、前記第1電極によりバイアス電圧が印加される光導電層と、前記光導電層に対して前記第1電極が設けられている側とは反対側に配置され、前記画像情報を取得するために前記光導電層が生成した電荷を収集する第2電極と、前記凹部又は前記凸部を覆うように前記第1電極と前記光導電層との間に配置され、前記光導電層の表面を部分的に覆う第1有機高分子膜と、を備えている。
この構成によれば、光導電層の表面に形成された凹部又は凸部を覆うように、第1電極と光導電層との間に第1有機高分子膜が配置されているので、その凹部又は凸部の部位で電界集中を抑制することが可能となり、この部位で生じる放電破壊を抑制できる。
また、第1有機高分子膜が光導電層の全面に配置されると、光導電層で生成された電荷の第2電極への移動の妨げとなり、光導電層で生成された電荷を収集する収集効率が悪くなる場合があるが、請求項1の構成では、第1有機高分子膜は光導電層の表面を部分的に覆うので、電荷を収集する収集効率の低下を抑制できる。
本発明の請求項2に係る放射線検出器は、請求項1の構成において、前記第1有機高分子膜の平均膜厚が、0.5〜1000μmである。
第1有機高分子膜の平均膜厚が0.5μm未満であると、耐電圧が低下し、放電破壊を生じる。また、第1有機高分子膜の平均膜厚が1000μmを超えると、光導電層で生成された電荷の第2電極への移動の妨げとなり、光導電層で生成された電荷を収集できなくなる。
これに対して、請求項2の構成によれば、第1有機高分子膜の平均膜厚が、0.5〜1000μmであるので、放電破壊を抑制できると共に、光導電層で生成された電荷を収集する収集効率の低下を抑制できる。
本発明の請求項3に係る放射線検出器は、請求項1又は請求項2の構成において、前記第1有機高分子膜の外縁が、前記凹部又は前記凸部の外周から1mmの領域内に位置する。
第1有機高分子膜の外縁が、凹部又は凸部の外周から1mmの領域外に位置すると、光導電層で生成された電荷の第2電極への移動の妨げとなり、光導電層で生成された電荷を収集できなくなる。
これに対して、請求項3の構成によれば、第1有機高分子膜の外縁が、凹部又は凸部の外周から1mmの領域内に位置するので、光導電層で生成された電荷を収集する収集効率の低下を抑制できる。
本発明の請求項4に係る放射線検出器は、請求項1〜3のいずれか1項の構成において、前記光導電層の略全面を覆うように前記第1電極と前記光導電層との間に配置され、前記光導電層の結晶化を抑制するための第2有機高分子膜を備えている。
この構成によれば、光導電層の結晶化を抑制するための第2有機高分子膜が光導電層の略全面を覆うので、光導電層の結晶化による劣化を抑制でき、放射線検出器としての耐久性が向上する。
本発明の請求項5に係る放射線検出器は、請求項4の構成において、前記第2有機高分子膜が、前記第1電極と前記第1有機高分子膜との間に形成されている。
本発明の請求項6に係る放射線検出器は、請求項4の構成において、前記第2有機高分子膜が、前記第1有機高分子膜と前記光導電層との間に形成されている。
また、本発明の請求項7のように、第1電極に正バイアスを印加する構成とすることができる。特に、光導電層にアモルファスセレンを用いる場合には、アモルファスセレンが正孔を通しやすい性質を有することから第1電極に正バイアスを印加することが好ましい。
本発明の請求項8に係る放射線検出器は、請求項7の構成において、前記第1有機高分子膜及び前記第2有機高分子膜の少なくとも一方は、正孔ブロック材料を含有している。
この構成によれば、第1電極に正バイアスが印加されると共に、有機高分子膜が正孔ブロック材料を含有しているので、有機高分子膜が電荷選択透過性を効果的に発揮する。
ここで、電荷選択透過性とは、第1電極と反対極性の電荷を透過させると共に第1電極と同極性の電荷の透過を阻止する性質を有することをいう。
本発明の請求項9に係る放射線検出器は、請求項8の構成において、前記第1有機高分子膜及び前記第2有機高分子膜の少なくとも一方に含有される前記正孔ブロック材料のうち少なくとも一種が、カーボンクラスター又はその誘導体から選択される少なくとも1種である。
本発明の請求項10に係る放射線検出器は、請求項9の構成において、前記カーボンクラスターが、フラーレンC60、フラーレンC70、酸化フラーレン又はそれらの誘導体から選択される少なくとも1種である。
本発明の請求項11に係る放射線検出器の製造方法は、インクジェット法を用いて前記第1有機高分子膜及び前記第2有機高分子膜の少なくとも一方を成膜し、請求項4〜10のいずれか1項に記載の放射線検出器を製造する。
この構成によれば、有機高分子膜を成膜する際に、マスクを必要とせず、また、光導電層に非接触で正確に有機高分子膜を成膜することができる。
本発明は、上記構成としたので、光導電層の表面に形成された凹部又は凸部で発生する放電破壊を抑制することができる。
以下に、本発明に係る放射線検出器の実施形態の一例を図面に基づき説明する。
本実施形態に係る放射線検出器は、X線撮影装置等に使用されるものであり、放射線の照射を受けることにより導電性を呈する光導電層を含む静電記録部を備えてなり、画像情報を担持する放射線の照射を受けて画像情報を記録し、記録した画像情報を表す画像信号を出力するものである。
放射線検出器としては、光の照射により電荷を発生する半導体材料を利用して読み取る、いわゆる光読取方式の放射線検出器500と、放射線の照射により発生した電荷を蓄積し、その蓄積した電荷を薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)などの電気的スイッチを1画素ずつオン・オフすることにより読み取る方式(以下、TFT方式という)の放射線検出器400等がある。
(TFT方式の放射線検出器400の構成)
まず、TFT方式の放射線検出器400の構成について説明する。図1は、TFT方式の放射線検出器400の全体構成を示す概略断面図である。図2は、TFT方式の放射線検出器400の要部構成を示すものであり、ガラス基板408及びそのガラス基板408上に積層された各部を示す図である。
本実施形態に係るTFT方式の放射線検出器400は、図1及び図2に示すように、画像情報を担持した放射線の一例としてのX線が入射されることにより電荷を生成する光導電層404を備えている。光導電層404としては、暗抵抗が高く、X線照射に対して良好な光導電性を示し、真空蒸着法により低温で大面積成膜が可能な非晶質(アモルファス)材料が好まれる。
非晶質(アモルファス)材料としては、例えば、アモルファスSe(a-Se)膜が用いられている。また、アモルファスSeにAs、Sb、Geをドープした材料が、熱安定性に優れ、光導電層404の好適な材料となる。
光導電層404の表面には、図3に示すように、凸状にされた凸部(図3(A)参照)又は凹凸状にされた凹凸部(図3(B)参照)又は凹状にされた凹部(図3(C)参照)が形成される場合がある。これは、光導電層404が形成されるガラス基板408上に残留したゴミ、光導電層404の結晶化、接触等によるガラス基板408・光導電層404の欠損などの原因により発生する欠陥である。
なお、本実施形態では、光導電層404の表面上に欠陥たる凸部が形成された例について説明する。また、欠陥として、凹凸部又は凹部が形成された場合についても同様に構成することが可能である。
光導電層404上には、画像情報を担持した放射線が透過する第1電極の一例として、光導電層404へバイアス電圧を印加するバイアス電極401が形成されている。このバイアス電極401は、例えば、金(Au)や白金により形成されている。このバイアス電極401を透過した放射線が光導電層404に照射される。
なお、本実施形態では、放射線がバイアス電極401側から照射されるが、下記のガラス基板408側から照射する構成であってもよい。従って、放射線は、バイアス電極401側からでもガラス基板408側からでも、いずれの方向からでも照射することができる。ただし、ガラス基板408による減衰を防ぐために、バイアス電極401の方から照射することが好ましい。
光導電層404に対してバイアス電極401が設けられている側とは反対側、すなわち光導電層404下には、光導電層404が生成した電荷を収集する第2電極の一例として、複数の電荷収集電極407aが形成されている。電荷収集電極407aは、図2に示すように、それぞれ電荷蓄積容量407c及びスイッチ素子407bに接続されている。また、電荷収集電極407aは、ガラス基板408に設けられている。
また、電荷収集電極407aとスイッチ素子407bと電荷蓄積容量407cとからアクティブマトリックス層407が構成され、ガラス基板408とアクティブマトリックス層407とからアクティブマトリックス基板450が構成されている(図5参照)。
光導電層404とバイアス電極401との間には、図1に示すように、光導電層404の表面上の欠陥たる凸部404Aを覆うように、絶縁性を有する第1有機高分子膜422が配置されている。なお、図2においては、第1有機高分子膜422を省略して図示している。
この第1有機高分子膜422は、光導電層404の全面ではなく、光導電層404の表面を部分的に覆っている。具体的には、第1有機高分子膜422の外縁は、光導電層404の表面上の凸部404Aの外周から1mmの領域内に位置する。すなわち、図4(A)に示すように、第1有機高分子膜422の外縁から凸部404Aの外周までの距離Lは、1mm以下となる。
図4(B)に示すように、欠陥として凹凸部404Bが形成された場合においても同様に、第1有機高分子膜422の外縁から凹凸部404Bの外周までの距離Lは、1mm以下とされる。また、図4(C)に示すように、欠陥として凹部404Cが形成された場合においても同様に、第1有機高分子膜422の外縁から凹部404Cの外周までの距離Lは、1mm以下とされる。
また、第1有機高分子膜422の平均膜厚は、0.5〜1000μmとなっている。平気膜厚は、第1有機高分子膜422の中心を通る断面の断面積を求め、その断面積をその幅で除して求められる。
光導電層404とバイアス電極401との間には、図1に示すように、光導電層404の結晶化を抑制するための第2有機高分子膜402が配置されている。具体的には、第2有機高分子膜402は、バイアス電極401と第1有機高分子膜422との間に配置されている。
この第2有機高分子膜402及び上記の第1有機高分子膜422は、インクジェット法等の塗布方法を用いて成膜されている。なお、第2有機高分子膜402は、図5に示すように、第1有機高分子膜422と光導電層404との間に形成する構成であってもよい。
また、第1有機高分子膜422及び第2有機高分子膜402の少なくとも一方が、電荷選択透過性を有する電荷選択透過層を兼ねても良い。電荷選択透過性とは、バイアス電極401と反対極性の電荷を透過させると共にバイアス電極401と同極性の電荷の透過を阻止する性質をいう。
なお、光導電層404と電荷収集電極407aとの間にも、図2に示すように、第2有機高分子膜402とは逆極性の下部電荷選択透過層406を設けるのが好ましい。
第1有機高分子膜422及び第2有機高分子膜402が電荷選択透過層を兼ねる場合であって、バイアス電極401が正極であるときは、第1有機高分子膜422及び第2有機高分子膜402は、電子に対しては導電体でありながら正孔の注入を阻止する層(正孔注入阻止層)で構成され、バイアス電極401が負極である場合には、正孔に対しては導電体でありながら電子の注入を阻止する層(電子注入阻止層)で構成される。
なお、第1有機高分子膜422及び第2有機高分子膜402が正孔注入阻止層である場合には、下部電荷選択透過層406に電子注入阻止層が用いられ、第2有機高分子膜402が電子注入阻止層である場合には、下部電荷選択透過層406に正孔注入阻止層が用いられる。
正孔注入阻止層としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリシクロオレフィン等の絶縁性高分子に、正孔ブロック材料を混合した膜を好ましく用いることが出来る。
正孔注入阻止層に含有される正孔ブロック材料のうち少なくとも一種が、カーボンクラスター又はその誘導体から選択される少なくとも1種であることが好ましい。さらにカーボンクラスターが、フラーレンC60、フラーレンC70、酸化フラーレン又はそれらの誘導体から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
なお、第2有機高分子膜402は必須でなく、第2有機高分子膜402に替えて、無機材料からなる電荷選択透過層を設けても良い。また、下部電荷選択透過層406においても無機材料を用いても良い。
無機材料からなる電子注入阻止層としては、Sb2S3、SbTe、ZnTe、CdTe、SbS、AsSe、AsS等の組成から成る無機材料を用いることができる。無機材料からなる層は、その組成を化学量論組成から変化させ、または2種類以上の同族元素との多元組成とすることでキャリア選択性を調節して用いることが好ましい。
無機材料からなる正孔注入阻止層としては、CdS、CeO2、Ta2O5、SiO等の無機材料が好ましく用いられる。無機材料からなる層は、その組成を化学量論組成から変化させ、または2種類以上の同族元素との多元組成とすることでキャリア選択性を調節して用いることが好ましい。
なお、Sbは電子を捕獲する局在準位を多く有する性質が強いので電子注入阻止性を有するが、Sb層と隣接するa−Se層との界面が電気的障壁になるために正孔注入阻止性の層として使われることもある。
また、第2有機高分子膜402と光導電層404との間、及び下部電荷選択透過層406と光導電層404との間には、図2に示すように、それぞれ結晶化抑制層403、405を設けても良い。結晶化抑制層403、405としてはGeSe、GeSe、SbSe、a-AsSeや、Se−As、Se−Ge、Se−Sb系化合物等を用いることが可能である。
図6は、放射線検出器400の1画素単位の構造を示す断面図であり、図7は、その平面図である。図6及び図7に示す1画素のサイズは、0.1mm×0.1mm〜0.3mm×0.3mm程度であり、放射線検出器全体としてはこの画素がマトリクス状に500×500〜3000×3000画素程度配列されている。
図6に示すように、アクティブマトリックス基板450は、ガラス基板408、ゲート電極411、電荷蓄積容量電極(以下、Cs電極と称する)418、ゲート絶縁膜413、ドレイン電極412、チャネル層415、コンタクト電極416、ソース電極410、絶縁保護膜417、層間絶縁膜420、及び電荷収集電極407aを有している。
また、ゲート電極411やゲート絶縁膜413、ソース電極410、ドレイン電極412、チャネル層415、コンタクト電極416等により薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)からなるスイッチ素子407bが構成されており、Cs電極418やゲート絶縁膜413、ドレイン電極412等により電荷蓄積容量407cが構成されている。
ガラス基板408は支持基板であり、ガラス基板408としては、例えば、無アルカリガラス基板(例えば、コーニング社製#1737等)を用いることができる。ゲート電極411及びソース電極410は、図7に示すように、格子状に配列された電極配線であり、その交点には薄膜トランジスタからなるスイッチ素子407bが形成されている。
スイッチ素子407bのソース・ドレインは、それぞれ、ソース電極410とドレイン電極412とに接続されている。ソース電極410は、信号線としての直線部分と、スイッチ素子407bを構成するための延長部分とを備えており、ドレイン電極412は、スイッチ素子407bと電荷蓄積容量407cとをつなぐように設けられている。
ゲート絶縁膜413はSiNxやSiOx等からなっている。ゲート絶縁膜413は、ゲート電極411及びCs電極418を覆うように設けられており、ゲート電極411上に位置する部位がスイッチ素子407bにおけるゲート絶縁膜として作用し、Cs電極418上に位置する部位は電荷蓄積容量407cにおける誘電体層として作用する。つまり、電荷蓄積容量407cは、ゲート電極411と同一層に形成されたCs電極418とドレイン電極412との重畳領域によって形成されている。なお、ゲート絶縁膜413としては、SiNxやSiOxに限らず、ゲート電極411及びCs電極418を陽極酸化した陽極酸化膜を併用することもできる。
また、チャネル層(i層)415はスイッチ素子407bのチャネル部であり、ソース電極410とドレイン電極412とを結ぶ電流の通路である。コンタクト電極(n+層)416はソース電極410とドレイン電極412とのコンタクトを図る。
絶縁保護膜417は、ソース電極410及びドレイン電極412上、つまり、ガラス基板408上に、ほぼ全面(ほぼ全領域)にわたって形成されている。これにより、ドレイン電極412とソース電極410とを保護すると共に、電気的な絶縁分離を図っている。また、絶縁保護膜417は、その所定位置、つまり、ドレイン電極412においてCs電極418と対向している部分上に位置する部位に、コンタクトホール421を有している。
電荷収集電極407aは、非晶質透明導電酸化膜からなっている。電荷収集電極407aは、コンタクトホール421を埋めるようにして形成されており、ソース電極410上及びドレイン電極412上に積層されている。電荷収集電極407aと光導電層404とは電気的に導通しており、光導電層404で発生した電荷を電荷収集電極407aで収集できるようになっている。
続いて、電荷収集電極407aについて詳細に説明する。本実施形態で用いる電荷収集電極407aは、非晶質透明導電酸化膜によって構成されている。非晶質透明導電酸化膜材料としては、インジウムと錫との酸化物(ITO:Indium-Tin-Oxide)や、インジウムと亜鉛との酸化物(IZO:Indium-Zinc-Oxide)、インジウムとゲルマニウムとの酸化物(IGO:Indium-Germanium-Oxide)等を基本組成とするものを使用することができる。
また、電荷収集電極407aとしては、各種の金属膜や導電酸化膜が使用されているが、下記の理由により、ITO(Indium-Tin-Oxide)等の透明導電酸化膜が用いられることが多い。放射線検出器400において入射X線量が多い場合、不要な電荷が半導体膜中(あるいは半導体膜と隣接する層との界面付近)に捕獲されることがある。
このような残留電荷は、長時間メモリーされたり、時間をかけつつ移動したりするので、以降の画像検出時にX線検出特性が劣化したり、残像(虚像)が現れたりして問題になる。そこで、特開平9−9153号公報(対応米国特許第5563421号)には、光導電層404に残留電荷が発生した場合に、光導電層404の外側から光を照射することで、残留電荷を励起させて取り除く方法が開示されている。この場合、光導電層404の下側(電荷収集電極407a側)から効率よく光を照射するためには、電荷収集電極407aが照射光に対して透明である必要がある。
また、電荷収集電極407aの面積充填率(フィルファクター)を大きくする目的、またはスイッチ素子407bをシールドする目的で、スイッチ素子407bを覆うように電荷収集電極407aを形成することが望まれるが、電荷収集電極407aが不透明であると、電荷収集電極407aの形成後にスイッチ素子407bを観察することができない。
例えば、電荷収集電極407aを形成後、スイッチ素子407bの特性検査を行う場合、スイッチ素子407bが不透明な電荷収集電極407aで覆われていると、スイッチ素子407bの特性不良が見つかった際、その原因を解明するために光学顕微鏡等で観察することができない。従って、電荷収集電極407aの形成後もスイッチ素子407bを容易に観察することができるように、電荷収集電極407aは透明であることが望ましい。
層間絶縁膜420は、感光性を有するアクリル樹脂からなり、スイッチ素子407bの電気的な絶縁分離を図っている。層間絶縁膜420には、コンタクトホール421が貫通しており、電荷収集電極407aはドレイン電極412に接続されている。コンタクトホール421は、図6に示すように逆テーパ形状で形成されている。バイアス電極401とCs電極418との間には、図示しない高圧電源が接続されている。
次に、光導電層404を被覆する構成について説明する。図1に示すように、バイアス電極401の上方には、バイアス電極401を覆うカバー部材の一例としてのカバーガラス440が設けられている。
ガラス基板408には、カバーガラス440が接合される保護部材442が設けられている。
保護部材442は、光導電層404の周囲を囲んでおり、全体として上部及び下部が開放された箱状に形成されている。
また、保護部材442は、ガラス基板408の外周部上に立設された側壁442aと、側壁442aの上部からガラス基板408中央部の上方側へ張り出すフランジ部442bとを有しており、断面L字状に形成されている。
カバーガラス440は、その外周部の上面がフランジ部442b下面(内壁)に接合されており、保護部材442により支持されている。
この保護部材442とカバーガラス440との接合部分は、光導電層404の外側に配置されている。すなわち、光導電層404の上方ではなく、ガラス基板408上の光導電層404の無い領域で、保護部材442とカバーガラス440とが接合されている。
なお、保護部材442には、絶縁性を有する絶縁性部材が用いられている。絶縁性部材としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメタクリル酸メチル(アクリル)、ポリ塩化ビニールが用いられる。
また、保護部材442は、下部開放がガラス基板408で閉鎖されると共に上部開放がカバーガラス440で閉鎖されており、保護部材442内に所定の大きさの閉鎖空間が形成される。この閉鎖空間に光導電層404が収容されて、光導電層404がカバーガラス440、ガラス基板408及び保護部材442で被覆される。
また、カバーガラス440と保護部材442とガラス基板408とに囲まれた空間には、充填部材としての硬化性樹脂444が充填されている。硬化性樹脂444としては、例えば、エポキシ、シリコン等の常温硬化性樹脂が用いられる。
(TFT方式の放射線検出器の動作原理)
次に、上記のTFT方式の放射線検出器400の動作原理について説明する。
光導電層404にX線が照射されると、光導電層404内に電荷(電子−正孔対)が発生する。バイアス電極401とCs電極418との間に電圧が印加された状態、すなわちバイアス電極401とCs電極418とを介して光導電層404に電圧が印加された状態において、光導電層404と電荷蓄積容量407cとは電気的に直列に接続された構造となっているので、光導電層404内に発生した電子は+電極側に、正孔は−電極側に移動し、その結果、電荷蓄積容量407cに電荷が蓄積される。
電荷蓄積容量407cに蓄積された電荷は、ゲート電極411への入力信号によってスイッチ素子407bをオン状態にすることによりソース電極410を介して外部に取り出すことが可能となる。そして、ゲート電極411とソース電極410とからなる電極配線、スイッチ素子407b及び電荷蓄積容量407cは、すべてマトリクス状に設けられているため、ゲート電極411に入力する信号を順次走査し、ソース電極410からの信号をソース電極410毎に検知することにより、二次元的にX線の画像情報を得ることが可能となる。
(TFT方式の放射線検出器の作用効果)
次に、上記のTFT方式の放射線検出器400の作用効果について説明する。
TFT方式の放射線検出器400のように、光導電層404の表面に形成された凸部404Aが形成された放射線検出器においては、バイアス電極401とCs電極418とを介して光導電層404に電圧が印加されると、光導電層404の表面に形成された凸部404Aで電界集中が生じ、放電破壊が起きる場合がある。
本実施形態では、光導電層404に形成された凸部404Aを覆うように、バイアス電極401と光導電層404との間に第1有機高分子膜422が配置されているので、その凸部404Aの部位で電界集中を抑制し、この部位で生じる放電破壊を抑制する。
また、第1有機高分子膜422が光導電層404の全面に配置されると、光導電層404で生成された電荷が電荷収集電極407a側へ移動することを妨げることとなり、光導電層404で生成された電荷を収集する収集効率(画像信号を取得する効率)が悪くなる場合があるが、本実施形態では、第1有機高分子膜422は光導電層404の表面を部分的に覆うので、電荷を収集する収集効率の低下を抑制できる。すなわち、入射した放射線に対する感度を全面にわたって低下させることがない。
また、本実施形態の構成によれば、第1有機高分子膜422の平均膜厚が、0.5〜1000μmであるので、放電破壊を抑制できると共に、光導電層404で生成された電荷を収集する収集効率の低下を抑制できる。
また、本実施形態の構成によれば、第1有機高分子膜422の外縁が、凸部404Aの外周から1mmの領域内に位置するので、光導電層404で生成された電荷を収集する収集効率の低下を抑制できる。
また、本実施形態の構成によれば、光導電層404の結晶化を抑制するための第2有機高分子膜402が光導電層404の略全面を覆うので、光導電層404の結晶化による劣化を抑制でき、放射線検出器400としての耐久性が向上する。
なお、本実施形態では、光導電層404の表面の一部の狭い範囲ではあるものの、第1有機高分子膜422を形成しているため、第1有機高分子膜422を形成した部位において画像信号が取得できない懸念がある。しかしながら、第1有機高分子膜422が絶縁膜であっても、通常の感度の数分の一から数十分の一ではあるが、画像信号が得られることが分かった。従って、本実施形態に係る放射線検出器400においては、事前に被写体の無い状態で一様な放射線を照射してこれを基準画像とし、次に被写体のある状態で放射線を照射して原被写体画像を得た後に、最初の基準画像を用いて原被写体画像を補正する手法(いわゆるシェーディング補正、例えば特開昭61-189763参照)を用いることによって、光導電層404が凹凸を有しているとしても、正しい被写体画像を得ることが可能となる。
(試験例)
次に、本実施形態に係る効果を確認するための試験例について説明する。
〔試験例1〕
試験例1においては、スイッチ素子407bを有すると共に電荷収集電極407aが形成されたガラス基板408上に2μmの膜厚の硫化アンチモンからなる下部電荷選択透過層406を形成した。次に、As3%含有したSe原料を蒸着により、下部電荷選択透過層406上に成膜して膜厚0.15μmの結晶化抑制層405を形成した。
次に、Naを10ppm含有したSe原料を蒸着により、結晶化抑制層405上に成膜して、膜厚1000μmの非晶質Seからなる光導電層404を形成した。この光導電層404には、欠陥たる、直径500μmの結晶性Seの凸部404Aを有している。この凸部404Aを覆うように、第1有機高分子膜422としてのポリカーボネート膜を成膜した。
具体的には、以下のように、ポリカーボネート膜を成膜される。まず、o-ジクロロベンゼンに、o-ジクロロベンゼンに対して1.05wt%のポリカーボネート樹脂(PCz)(三菱ガス化学株式会社製ユーピロンPCz‐400)を溶解して吐出液を作成する。この吐出液をFUJIFILM Dimatix社製インクジェットヘッドSE-128に充填し、凸部404Aの中心を中心とした直径1mmの範囲に吐出を行った。真空乾燥機で溶剤を蒸発させ、膜厚0.2μmのポリカーボネート膜を得た。
次に、0.6μmの膜厚の硫化アンチモンからなる電荷選択透過層を成膜した。次に、Auを蒸着により成膜して、膜厚0.1μmのバイアス電極401を形成した。
〔試験例2〕
試験例2では、試験例1の構成において、第1有機高分子膜422としてのポリカーボネート膜を膜厚0.5μmにし、凸部404Aの中心を中心とした直径1mmの範囲に形成した。
〔試験例3〕
試験例3では、試験例1の構成において、第1有機高分子膜422としてのポリカーボネート膜を膜厚1μmにし、凸部404Aの中心を中心とした直径1mmの範囲に形成した。
〔試験例4〕
試験例4では、試験例1の構成において、第1有機高分子膜422としてのポリカーボネート膜を膜厚200μmにし、凸部404Aの中心を中心とした直径1mmの範囲に形成した。
〔試験例5〕
試験例5では、試験例1の構成において、第1有機高分子膜422としてのポリカーボネート膜を膜厚1000μmにし、凸部404Aの中心を中心とした直径1mmの範囲に形成した。
〔試験例6〕
試験例6では、試験例1の構成において、第1有機高分子膜422としてのポリカーボネート膜を膜厚2000μmにし、凸部404Aの中心を中心とした直径1mmの範囲に形成した。
〔試験例7〕
試験例7では、試験例1の構成において、第1有機高分子膜422としてのポリカーボネート膜を膜厚200μmにし、凸部404Aの中心を中心とした直径5mmの範囲に形成した。
〔比較例1〕
比較例では、試験例1の構成において、第1有機高分子膜422としてのポリカーボネート膜を有さない構成とした。
本試験では、試験例1〜試験例7及び比較例における耐電圧と感度(光導電層404で生成された電荷の収集効率)を測定した。図8には、この測定結果をまとめた表が記載されている。
なお、耐電圧は、バイアス電極401に正バイアスを印加した際に、放電破壊が生じたときの電圧を測定したものである。また、感度は、バイアス電極401に10kVを印加して、X線を装置に5mR照射したときに取り出すことができた電荷を測定したものであり、感度低下は、ポリカーボネート膜を有さない構成を100として算出したものである。
図8の表に示すように、第1有機高分子膜422を形成することで、放電破壊に対する耐電圧が向上した。耐電圧の観点では、第1有機高分子膜422の膜厚は、厚い方が好ましく、耐電圧を20kv以上確保するためには、少なくとも膜厚0.5μm以上あることが望ましい。膜厚精度ばらつき、信頼性確保の為、かつ耐電圧を30kv以上確保するためには、少なくとも膜厚1μm以上あることがさらに望ましい。
また、耐電圧の観点では、第1有機高分子膜422の膜厚が厚い方が好ましいが、膜厚2000μmでは感度の低下が顕著に見られ、好ましくない。したがって、感度の観点からみると、感度低下を10%以下に抑えられる1000μm以下の膜厚が望ましい。
また、直径を5mmと大きくすると、感度低下エリアの面積が大きくなり画質として好ましくない。
〔試験例8〕
試験例8においては、スイッチ素子407bを有すると共に電荷収集電極407aが形成されたガラス基板408上に2μmの膜厚の硫化アンチモンからなる下部電荷選択透過層406を形成した。次に、As3%含有したSe原料を蒸着により、下部電荷選択透過層406上に成膜して膜厚0.15μmの結晶化抑制層405を形成した。
次に、Naを10ppm含有したSe原料を蒸着により、結晶化抑制層405上に成膜して、膜厚1000μmの非晶質Seからなる光導電層404を形成した。この光導電層404には、欠陥としての、直径500μmの結晶性Seの凸部404Aを有している。この凸部404Aを覆うように、第1有機高分子膜422としてのポリカーボネート膜を成膜した。
具体的には、以下のように、第1有機高分子膜422としてのポリカーボネート膜を成膜される。まず、o-ジクロロベンゼンに、o-ジクロロベンゼンに対して1.05wt%のポリカーボネート樹脂(PCz)(三菱ガス化学株式会社製ユーピロンPCz‐400)を溶解して吐出液を作成する。この吐出液をFUJIFILM Dimatix社製インクジェットヘッドSE-128に充填し、凸部404Aの中心を中心とした直径1mmの範囲に吐出を行った。真空乾燥機で溶剤を蒸発させ、膜厚100μmのポリカーボネート膜を得た。
次に、第1有機高分子膜422としてのポリカーボネート膜を覆うと共に、光導電層404の全面に、第2有機高分子膜402としてのポリカーボネート膜を成膜した。
具体的には、以下のように、第2有機高分子膜402としてのポリカーボネート膜を成膜される。まず、o-ジクロロベンゼンに、o-ジクロロベンゼンに対して1.05wt%のポリカーボネート樹脂(PCz)(三菱ガス化学株式会社製ユーピロンPCz‐400)を溶解して吐出液を作成する。この吐出液をFUJIFILM Dimatix社製インクジェットヘッドSE-128に充填して吐出を行った。真空乾燥機で溶剤を蒸発させ、膜厚0.2μmのポリカーボネート膜を得た。
次に、Auを蒸着により成膜して、膜厚0.1μmのバイアス電極401を形成した。
〔試験例9〕
試験例9では、試験例8の構成において、第2有機高分子膜402としてのポリカーボネート膜にフラーレンを添加したものを成膜した。フラーレンとしては、フラーレンC60(フロンティアカーボン株式会社製、nanom purple (C60))を使用した。
具体的には、以下のように、第2有機高分子膜402としてのポリカーボネート膜を成膜される。まず、o-ジクロロベンゼンに、o-ジクロロベンゼンに対して1.05wt%のポリカーボネート樹脂(PCz)(三菱ガス化学株式会社製ユーピロンPCz‐400)及びポリカーボネート樹脂(PCz)対して30wt%のフラーレンC60を溶解して吐出液を作成する。この吐出液をFUJIFILM Dimatix社製インクジェットヘッドSE-128に充填して吐出を行った。真空乾燥機で溶剤を蒸発させ、膜厚0.2μmのポリカーボネート膜を得た。
〔試験例10〕
試験例10では、試験例8の構成において、第2有機高分子膜402としてのポリカーボネート膜を成膜した後に、第1有機高分子膜422としてのポリカーボネート膜を成膜した構成である。すなわち、試験例8が図1に示す構成に対応するのに対して、試験例10が図5に示す構成に対応する。
〔試験例11〕
試験例11では、試験例9の構成において、第2有機高分子膜402としてのポリカーボネート膜を成膜した後に、第1有機高分子膜422としてのポリカーボネート膜を成膜した構成である。すなわち、試験例9が図1に示す構成に対応するのに対して、試験例11が図5に示す構成に対応する。
試験例8〜11の構成において、40℃での加速試験を行ったが、画像欠陥が増えなかった。試験例8〜11においては、光導電層404の結晶化が発生せず、光導電層404の結晶化が抑制されたことがわかった。なお、試験例8・10では残像が残ったが、試験例9・11では残像が残らなかった。
(光読取方式の放射線検出器の構成)
光読取方式の放射線検出器についても、本発明の適用は可能であり、上記の放射線検出器400の構成に準じて適用される。ここで、光読取方式の放射線検出器500について説明する。図9は、放射線検出器500の全体構成を示す概略図である。
放射線検出器500は、図9(B)に示すように、下から電極基板502、放射線検出層504、表面保護層506を備えている。その外周部には、信号取り出しのためのTCP(Tape Carrier Package)508が接続される。このTCP508によって検出エリアで発生された電荷が読取られ、電圧に変換され、読み出し装置510へ転送される。読み出し装置510は、その信号をアンプを通して増幅し、A/D変換して画像データとして出力する。放射線検出のための高電圧印加配線513が、図9における左上部で接続されている。電極基板502の下部にはメカニカルにスキャンする読取ライン光源512、残留電荷を消去するための消去面光源514が設けられている。
<電極基板>
次に、電極基板502について説明する。図10は、電極基板502の概略図である。この図ではTCP508は左右1つずつ、チャンネル数も各3チャンネル、合計6チャンネルと単純化している。一般的な例としてのチャンネル数は各266チャンネル(両端5チャンネルずつはコモン)である。その電極ライン/スペースは、例えば45/25μmである。検出エリアの下部電極516は、ストライプ上に交互配置されており、共通電極は櫛型構造を有している。
図11には、その断面構造が示されている。支持部材となる基板518は読取光、消去光に対して透明で剛性のあるガラスが望ましく、さらにはソーダライムガラスが望ましい。厚さとしては0.5mm〜2.5mm程度、中でも1.8mmのものが好ましい。
基板518の上部には、カラーフィルター層520が形成されている。この層は読取光の波長の光をカットするが、消去光の波長には透明なものである。例えば読取光波長を470nm、消去光波長を630nmとするときは、赤色の顔料を分散させた感光性のレジスト、例えばLCDのカラーフィルターに用いられる赤色カラーレジストが望ましい。その一例を挙げると、幅は25μm、ピッチは50μm、厚さは1.4μmである。
このカラーフィルター層520のパターン形成による凹凸をなくして平坦にするために透明の有機絶縁層522を形成する。この層は読取り、消去どちらの光にも透明であることが望ましく、例えばPMMA、ノボラック樹脂、ポリイミドなどが望ましい。その厚さは例えば2.0μmで、パターンを形成できる感光性樹脂が望ましい。このカラーフィルター層520と有機絶縁層522は表面保護層506端部及びTCP接続部533には形成されていないことが望ましい。これは表面保護層506の接着性を確保するため、およびTCP接続工程におけるリペアを容易にするためである。
この有機絶縁層522上部に下部電極516の電極パターンを形成する。カラーフィルター層520上部にある電極を共通Bライン516B、カラーフィルター層520のない部分にある電極を信号Sライン516Sと呼ぶ。Bライン516Bは放射線検出部の外側で共通化される。Bライン516B/Sライン516Sの幅は、例えば17μm/17μmで、そのライン間のスペースは8μmで、50μmピッチで厚さは0.2μmである。この下部電極516も読取光と消去光に透明であることが望ましく、例えばIZO、ITOなどの透明電極が望ましい。この下部電極層では、表面の微細な突起での電界集中により放射線検出層504の破壊を抑制するため、表面が平坦であることが望ましく、例えばRa<2nmであることが望ましい。Raは中心線平均粗さである。
また、下部電極516端部を保護するための絶縁層(以下、エッジカバー層)524を設ける。電界印加時に電極端部には電界集中が起こり、中心部より高い電界が発生する。この高電界の電極端部が放射線検出層504に接触しないようにするためにエッジカバー層524を設ける。このエッジカバー層524は絶縁性を有し、読取光と消去光に対してできるだけ透明であることが望ましく、例えばノボラック樹脂、PMMA、ポリイミドなどが望ましい。その厚さと電極端部をカバーする幅は例えば0.8μmと4μm程度である。下部電極層間のスペース幅は検出エリアだけでなく、電界の印加される取出し部においても同じスペース幅を持つことが望ましい。スペース幅が部分的に広くなると電界集中が強くなりそこから劣化が始まる。
図12は、検出エリアと取り出し部境界の下部電極の詳細パターンを示したものである。なお、図12は、図10における二点鎖線11部分を拡大したものである。
スペース幅が同じになるよう、取り出しラインの幅を広げることが望ましい。またエッジカバー層524も同様の理由で取り出し部の電極端部にも検出エリアと同じ幅でエッジカバー層524を設けることが望ましい。
図13は、検出エリア(上面図)の概略構成を示している。検出エリアには放射線を検出する検出部530の他に、ライン光位置補正部532A、532Bと、オフセット補正部534が設けられている。ライン光位置補正部532Aは、読取ライン光源512と電極基板502との位置関係を補正するために設けてあり、この部分で検出した信号から、読取ライン光源512の位置ずれ、傾きなどを補正する。この部分のパターンは、検出部530と略同一構成であり、チャンネル数は例えば6チャンネルである。オフセット補正部534は放射線照射のないときのバックグラウンド値を検出して、検出部530で取得した画像補正に利用される。この部分のパターンも検出部530と略同一構成であり、左右の読み出し装置510の機差の補正も行うため左右のTCP508、1ブロック分を使用する。
図14は、電極基板502の一端部(図9及び図10に示す端部A)の断面構造を示している。放射線検出層504の端部504Aは有機絶縁層536の端部536Aより内側であることが望ましい。これは逆の場合に有機絶縁層536の端部536Aの段差が放射線検出層504の亀裂を引き起こすためである。
また、マンモグラフィ用途では、電極基板502の端部ぎりぎりまで検出エリアを持ってくる必要がある。電極基板502の端部から検出エリア端までの距離は例えば2.4mmである。これに伴い端部Aでは、表面保護層506の端部を接続するスペーサーを設ける場所が取れないので、表面保護層506の端部をガラス端部518A側面に接続している。このためガラスの端部は、面取り幅をできるだけ少なく(例えば、0.25mm以下)、ブレイク端は角部以外は面取りしないことが望ましい。
<バイアス電極>
次に、後述する記録用光導電層542の上面に形成されるバイアス電極540について説明する。
バイアス電極540としては金属薄膜が好ましく用いられる。材料としてはAu、Ni、Cr、Pt、Ti、Al、Cu、Pd、Ag、Mg、MgAg3%〜20%合金、Mg-Ag系金属間化合物、MgCu3%〜20%合金、Mg-Cu系金属間化合物などの金属から形成するようにすればよい。特に、AuやPt、Mg-Ag系金属間化合物が好ましく用いられる。例えばAuを用いた場合、厚さ15nm以上200nm以下であることが好ましく、より好ましくは30nm以上100nm以下である。例えばMgAg3%〜20%合金を用いた場合、厚さ100nm以上400nm以下であることが好ましい。
作成方法は、任意であるが、抵抗加熱方式による蒸着により形成されることが好ましい。例えば、抵抗加熱方式によりボート内で金属塊が融解後にシャッターを開け、15秒間蒸着して一旦冷却する。この操作を金属薄膜の抵抗値が十分低くなるまで複数回繰り返す。
次に、放射線検出層504について説明する。図15は、放射線検出層504を含む放射線検出器500の構成を模式的に示した概略図である。放射線検出層504は、図15に示すように、記録用光導電層542、電荷蓄積層544、読取用光導電層546、電極界面層548、電荷蓄積層界面層549、下部電荷選択透過層550、上部電荷選択透過層552を備えて構成されている。
<記録用光導電層>
記録用光導電層542は、電磁波を吸収し電荷を発生する光導電物質で構成され、アモルファスSe、Bi12MO20(M:Ti、Si、Ge)、Bi4M3O12 (M:Ti、Si、Ge)、Bi2O3、BiMO4(M:Nb、Ta、V)、Bi2WO6、Bi24B2O39、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、MNbO3(M:Li、Na、K)、PbO、HgI2、PbI2、CdS、CdSe、CdTe、BiI3、GaAs等のうち、少なくとも1つを主成分とする化合物により構成される。
アモルファスSeを主成分とする光導電物質を用いた場合、Li, Na, K, Cs, Rb等のアルカリ金属を0.0001ppm〜10ppmまでの間で微量にドープしたアモルファスSe、またはLiF, NaF, KF, CsF, RbF等のフッ化物を0.01ppm〜1000ppmまでの間で微量にドープしたアモルファスSe、またはGe、P、As、Sb等のIV族・V族元素を10ppm〜1%までの間で微量にドープしたアモルファスSe、またはCl、Br、I等のハロゲン元素を1ppm〜100ppmの間で微量にドープしたアモルファスSe等を用いることができる。
特に、Asを10ppm〜200ppm程度含有させたアモルファスSe、またはAsを0.2%〜1%程度含有させ、さらにClを5ppm〜100ppm含有させたアモルファスSe、または0.0001ppm〜0.01ppm程度のNaを含有させたアモルファスSe、または0.0001ppm〜0.01ppm程度のNaと0.1〜0.5% のAsを含有させたアモルファスSe、または1.95±0.02の配位数を有するアモルファスSeが好ましく用いられる。
また、数nm〜数μmのBi12MO20 (M:Ti、Si、Ge)、Bi4M3O12(M:Ti、Si、Ge)、Bi2O3、BiMO4(M:Nb、Ta、V)、Bi2WO6、Bi24B2O39、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、MNbO3(M:Li、Na、K)、PbO、HgI2、PbI2、CdS、CdSe、CdTe、BiI3、GaAs等の光導電性物質微粒子を含有させた有機高分子層も用いることができる。
記録用光導電層542の厚みは、例えばアモルファスSeを主成分とする光導電物質の場合、100 μm以上2000 μm以下であることが好ましく、特に、マンモグラフィ用途では100 μm以上250 μm以下、一般撮影用途においては500 μm以上1200 μm以下の範囲であることが好ましい。
<電荷蓄積層>
電荷蓄積層544は、蓄積したい極性の電荷に対して絶縁性を有する物質で構成され、As2S3、Sb2S3、ZnS、As2Se3、Sb2Se3等のカルコゲナイド系化合物や、アクリル系有機樹脂、ポリイミド、BCB、PVA、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド等の有機高分子や、その他酸化物やフッ化物等により構成される。更には、蓄積したい極性の電荷に対しては絶縁性であり、それと逆の極性の電荷に対しては導電性を有する方がより好ましく、移動度×寿命の積が、電荷の極性により3桁以上差があることが好ましい。
カルコゲナイド系化合物を用いた電荷蓄積層544としては、特に、As2Se3、またはAsxSe1-x(15<x<55)、As2Se3にCl、Br、I等のハロゲン元素を500ppm〜20000ppmまでドープしたもの、またはAs2Se3のSeをTeで50%程度まで置換したもの、またはAs2Se3のSeをSで50%程度まで置換したもの、またはアモルファスSe-Te系でTeを5%〜30%までドープしたものが好ましく用いられる。このようなカルコゲナイド系元素を含む物質を用いる場合、電荷蓄積層の厚みは0.4 μm以上3.0 μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5 μm以上2 μm以下である。このような電荷蓄積層は、1度の製膜で形成しても良いし、複数回に分けて積層しても良い。
有機高分子を用いた電荷蓄積層544としては、アクリル系有機樹脂、ポリイミド、BCB、PVA、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド等の有機高分子に電荷輸送剤をドープした化合物が好ましく用いられる。好ましい電荷輸送剤としては、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(Alq3)、N,N-ジフェニル-N,N-ジ(m-トリル)ベンジジン(TPD)、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリアルキルチオフェン、ポリビニルカルバゾール(PVK)、トリフェニレン(TNF)、金属フタロシアニン、4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチリル)-4H-ピラン(DCM)、液晶分子、ヘキサペンチロキシトリフェニレン、中心部コアがπ共役縮合環あるいは遷移金属を含有するディスコティック液晶分子、カーボンナノチューブ、C60(フラーレン)からなる群より選択される分子を挙げることができる。ドープ量は0.1%〜50%の間で設定される。このような有機高分子を用いる場合、電荷蓄積層の厚みは0.1μm以上1.5μm以下である。
<読取用光導電層>
読取用光導電層546は、電磁波、特に可視光を吸収し電荷を発生する光導電物質で構成され、アモルファスSe、アモルファスSi、結晶Si、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、PbO、CdS、CdSe、CdTe、GaAs等のうち少なくとも1つを主成分とする化合物で、エネルギーギャップが0.7eV〜2.5eVの範囲に含まれる半導体物質から構成される。
アモルファスSeを主とする光導電物質を用いた場合、Li, Na, K, Cs, Rb等のアルカリ金属を0.0001ppm〜10ppmまでの間で微量にドープしたアモルファスSe、またはLiF, NaF, KF, CsF, RbF等のフッ化物を0.01ppm〜1000ppmまでの間で微量にドープしたアモルファスSe、またはGe、P、As、Sb等のIV族・V族元素を10ppm〜1%までの間で微量にドープしたアモルファスSe、またはCl、Br、I等のハロゲン元素を1ppm〜100ppmの間で微量にドープしたアモルファスSe等を用いることができる。特に、Asを10ppm〜200ppm程度含有させたアモルファスSe、またはAsを0.2%〜1%程度含有させさらにClを5ppm〜100ppm含有させたアモルファスSe、または0.0001ppm〜0.01ppm程度のNaを含有させたアモルファスSe、または0.0001ppm〜0.01ppm程度のNaと0.1%〜0.5%のAsを含有させたアモルファスSe、または1.95±0.02の配位数を有するアモルファスSeが好ましく用いられる。
読取用光導電層546の厚みは、読取光を十分吸収でき、かつ電荷蓄積層に蓄積された電荷による電界が光励起された電荷をドリフトできれば良く、1μm〜30μm程度が好ましい。
<電極界面層>
電極界面層548は、記録用光導電層542とバイアス電極540の間に敷設される上電極界面層548Aと、読取用光導電層546と下部電極516の間に敷設される下電極界面層548Bとがある。
電極界面層548としては、結晶化を防止する目的において、Asが1%〜20%の範囲でドープされたアモルファスSe、またはS、Te、P、Sb、Geが1%〜10%の範囲でドープされたアモルファスSe、または上記の元素と他の元素を組み合わせてドープしたアモルファスSe、またはより結晶化温度の高いAs2S3やAs2Se3等を好ましく用いることができる。更に、電極層からの電荷注入を防止する目的で上記ドープ元素に加えて、特に正孔注入を防止するためにLi、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属、またはLiF、NaF、KF、RbF、CsF、LiCl、NaCl、KCl、RbF、CsF、CsCl、CsBr等の分子を10ppm〜5000ppmの範囲でドープすることも好ましい。逆に電子注入を防止するために、Cl、I、Br等のハロゲン元素、またはIn2O3等の分子を10ppm〜5000ppmの範囲でドープすることも好ましい。
電極界面層548の厚みは、上記目的を十分果たすように0.05μmから1μm程度が好ましい。
<電荷蓄積層界面層>
電荷蓄積層界面層549は、電荷蓄積層544と記録用光導電層542の間に敷設される電荷蓄積層上界面層549A、電荷蓄積層544と読取用光導電層546の間に敷設される電荷蓄積層下界面層549Bとがある。
電荷蓄積層界面層549としては、正孔電子再結合箇所の結晶化を抑止する目的において、アモルファスSeにAsが0.1%〜40%の範囲でドープされたものが好ましい。更に、上記ドープ元素に加えて、Li、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属または、Cl、I、Br等のハロゲン元素をドープすることも好ましい。また界面層の厚みは、上記目的を十分果たすように0.5μm 〜50 μmの間に設定されることが好ましい。
上記の下電極界面層548B、読取用光導電層546、電荷蓄積層544、電荷蓄積層界面層549、記録用光導電層542、上電極界面層548Aの作成方法は任意ではあるが、例えば真空度10-3から10-7Torrの間の真空槽内において、基板を25℃以上70℃以下の間に保持し、上記各合金を入れたボートあるいは坩堝を、抵抗加熱あるいはランプ加熱あるいは電子ビーム等により昇温し、合金、化合物を蒸発または昇華させることにより基板上に積層される。
また、ボートあるいは坩堝の上部には、例えばステンレスからなるメッシュやパンチングメタルを設置することができ、蒸着分子やドープ元素量を適切に調節することができる。更に、メッシュやパンチングメタルは独自に温度制御することもできる。
合金、化合物の蒸発温度が大きく異なる場合には、複数の蒸着源に対応した複数のボートあるいは坩堝を同時に加熱し個々に制御することで、ドープ濃度を制御することも好ましく用いられる。例えば、As2Se3とアモルファスSeとLiFをそれぞれボートに入れ、As2Se3のボートを340℃、アモルファスSeのボートを240℃、LiFのボートを800℃として、各ボートのシャッターを開閉することで、As10%ドープアモルファスSeにLiFを5000ppmドープした層を形成することができる。
また、有機高分子層の場合は溶剤を用いて塗布することにより形成することも可能である。
<下部電荷選択透過層>
記録用光導電層542と電荷収集電極(下部電極)516の間には、下部電荷選択透過層550を敷設することができる。電極界面層548がある場合には、電極界面層548と下部電極516の間に敷設することが好ましい。下部電荷選択透過層550は、暗電流、リーク電流低減の観点から、整流特性を有することが好ましい。下部電荷選択透過層550は、バイアス電極540が正極である場合には、正孔に対しては導電体でありながら電子の注入を阻止する層(電子注入阻止層)で構成し、バイアス電極が負極である場合には、下部電荷選択透過層550は、電子に対しては導電体でありながら正孔の注入を阻止する層(正孔注入阻止層)で構成される。この下部電荷選択透過層550の抵抗率は108Ωcm以上であること、膜厚は0.01 μm〜10 μmであることが好ましい。
電子注入阻止層としては、Sb2S3、SbTe、ZnTe、CdTe、SbS、AsSe、AsS等の組成からなる無機材料、または有機高分子を用いることができる。無機材料からなる層は、その組成を化学量論組成から変化させ、または2種類以上の同族元素との多元組成とすることでキャリア選択性を調節して用いることが好ましい。有機高分子からなる層は、PVK等の電荷輸送基を有するペンダント部を含む高分子の正孔輸送材料を用いても良いし、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリシクロオレフィン等の絶縁性高分子に、低分子の正孔輸送材料を混合して用いることもできる。こうした正孔輸送材料としては、オキサゾール誘導体、トリフェニルメタン誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン誘導体等が好ましい。具体的にはNPD(N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン)、TPD(N-N’-ジフェニルーN,N‘−ビス(m-トリル)ベンジジン)、PDA(N,N,N′N′−テトラキス(m−メチルフェニル)−1,3−ジアミノベンゼン)、m-MTDATA(4,4′,4″−トリス[3−メチルフェニル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン)、2-TNATA(4,4’,4’’−トリス(N−(2−ナフチル)−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン)、TPAC(1,1−ビス[4-{N,N−ジ(p−トリル)アミノ}フェニル]シクロヘキサン)である。
正孔注入阻止層としては、CdS、CeO2、Ta2O5、SiO等の無機材料、または有機高分子が好ましい。有機高分子からなる層としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリシクロオレフィン等の絶縁性高分子に、低分子の電子輸送材料を混合して用いることができる。こうした電子輸送材料としては、トリニトロフルオレンとその誘導体、ジフェノキノン誘導体、ビスナフチルキノン誘導体、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、C60(フラーレン)、C70等のカーボンクラスターを混合したもの等が好ましい。
具体的にはTNF(2,4,7−トリニトロフルオレン)、DMDB(3,3‘−ジメチルー5,5’−ジーtert−ブチルー4,4’-ジフェノキノン)、PBD(2−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)、TAZ(2-(4-tert-ブチルフェニル)-5-(4-ビフェニル)-1,3,4−トリアゾール)である。
一方、薄い絶縁性高分子層も好ましく用いることができ、例えば、パリレン、ポリカーボネート、PVA、PVP、PVB、ポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂が好ましい。この場合膜厚は、2μm以下が好ましく、0.5 μm以下がより好ましい。
なお、Sbは電子を捕獲する局在準位を多く有する性質が強いので電子注入阻止性を有するが、Sb層と隣接するa−Se層との界面が電気的障壁になるために正孔注入阻止性の層として使われることもある。
無機材料を用いて下部電荷選択透過層550を敷設する場合、作成方法は任意であるが、例えば真空蒸着法、またはスパッター法、またはプラズマCVD法、または電子ビーム蒸着法等が好ましく用いられる。
有機高分子を用いて下部電荷選択透過層550を敷設する場合、作成方法は任意であるが、材料を有機溶剤に溶解して公知の方法で塗布することにより行う。例えばディップ法、スプレー法、インクジェット法等が挙げられるが、接地領域の制御が容易なインクジェット法が好ましく用いられる。
<上部電荷選択透過層>
記録用光導電層542とバイアス電極540の間には、上部電荷選択透過層552を敷設することができる。電極界面層548がある場合には、電極界面層548とバイアス電極540の間に敷設することが好ましい。上部電荷選択透過層552は、暗電流、リーク電流低減の観点から、整流特性を有することが好ましい。上部電荷選択透過層522は、バイアス電極540が正極である場合には、電子に対しては導電体でありながら正孔の注入を阻止する層(正孔注入阻止層)で構成し、バイアス電極540が負極である場合には、上部電荷選択透過層522は、正孔に対しては導電体でありながら電子の注入を阻止する層(電子注入阻止層)で構成される。この上部電荷選択透過層552の抵抗率は、108Ωcm以上であること、膜厚は、0.01μm〜10μmであることが好ましい。
電子注入阻止層としては、Sb2S3、SbTe、ZnTe、CdTe、SbS、AsSe、AsS等の組成から成る無機材料、または有機高分子を用いることができる。無機材料からなる層は、その組成を化学量論組成から変化させ、または2種類以上の同族元素との多元組成とすることでキャリア選択性を調節して用いることが好ましい。有機高分子からなる層は、PVK等の電荷輸送基を有するペンダント部を含む高分子の正孔輸送性材料を用いても良いし、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリシクロオレフィン等の絶縁性高分子に、低分子の正孔輸送材料を5%〜80%の重量比で混合して用いることもできる。こうした正孔輸送性材料としては、オキサゾール誘導体、トリフェニルメタン誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン誘導体等が用いられる。具体的にはNPD、TPD、PDA、m-MTDATA2-TNATA、TPACである。
正孔注入阻止層としては、CdS、CeO2、Ta2O5、SiO等の無機材料、または有機高分子が好ましい。無機材料からなる層は、その組成を化学量論組成から変化させ、または2種類以上の同族元素との多元組成とすることでキャリア選択性を調節して用いることが好ましい。有機高分子からなる層としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリシクロオレフィン等の絶縁性高分子に、低分子の電子輸送材料を5%〜80%の重量比で混合して用いることができる。こうした電子輸送材料としては、トリニトロフルオレンとその誘導体、ジフェノキノン誘導体、ビスナフチルキノン誘導体、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、C60(フラーレン)、C70等のカーボンクラスターを混合したもの等が好ましい。具体的にはTNF、DMDB、PBD、TAZである。
一方、薄い絶縁性高分子層も好ましく用いることができ、例えば、パリレン、ポリカーボネート、PVA、PVP、PVB、ポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂が好ましい。この場合膜厚は、2μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましい。
なお、Sbは電子を捕獲する局在準位を多く有する性質が強いので電子注入阻止性を有するが、Sb層と隣接するa−Se層との界面が電気的障壁になるために正孔注入阻止性の層として使われることもある。
無機材料を用いて上部電荷選択透過層552を敷設する場合、作成方法は任意であるが、例えば真空蒸着法、またはスパッター法、またはプラズマCVD法、または電子ビーム蒸着法等が好ましく用いられる。
有機高分子を用いて上部電荷選択透過層552を敷設する場合、作成方法は任意であるが、材料を有機溶剤に溶解して公知の方法で塗布することにより行う。例えばディップ法、スプレー法、インクジェット法等が挙げられるが、敷設領域の制御が容易なインクジェット法が好ましく用いられる。
<表面保護層>
放射線検出デバイス表面には以下の表面保護層506が積層される。
(1)光導電層の耐久性向上を目的としたポリパラキシリレン膜506A
(2)高バイアス電圧からの絶縁性確保を目的とした保護フイルム506B
また、ポリパラキシリレン膜506Aを切断加工する際のバイアス電極540の保護、および保護フイルム506Bの貼り付け面の確保を目的としたスペーサー部材558が、ポリパラキシリレン膜506A及び保護フイルム506Bの貼り付け前に放射線検出デバイスの表面に接着される。以下のそれぞれの特徴を述べる。
(1)ポリパラキシリレン(パリレン)膜
光導電層からなるデバイスを外部環境から保護する為に表面保護層を設置するのが好ましい。特にSeからなる光導電層は密着した表面保護層により亀裂の発生を有効に防ぐことが出来る。外部からの有害なガス成分によるデバイス劣化を防止するため、表面保護層506には、ガス透過性が低く化学的に安定な組成が必要となる。更に、放射線検出デバイスの機能上、放射線透過を妨げない部材であることが必要である。
これら要求される密着性、および放射線透過率の高い材料および製法として、絶縁性高分子の蒸着または溶剤塗布が好ましい。具体例としては、常温硬化型エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、ポリパラキシレン誘導体をCVD法で成膜する方法等があげられる。
この中でも放射線検出デバイスが熱に弱い材料で構成される場合には、常温硬化型エポキシ樹脂、ポリパラキシリレンをCVD法で成膜することが好ましく、特にポリパラキシリレン誘導体をCVD法で成膜する方法が好ましい。好ましい膜厚は10 μm以上1000 μm以下であり、さらに好ましくは20 μm以上100 μm以下である。
ポリパラキシリレン膜506Aは、室温で形成できるため被着体に熱ストレスを与えることなく、極めて段差被覆性の高い絶縁膜が得られるが、化学的に非常に安定であるため、被着体との密着性は一般に好ましくない場合が多い。ポリパラキシリレン膜506Aを密着させる部分にはAu蒸着面、およびガラス面が存在し、このガラス面との密着性を上げるためポリパラキシリレン形成前の被着体への処理として、カップリング剤、コロナ放電、プラズマ処理、オゾン洗浄、酸処理、表面租化等の物理的、化学的処理が一般的に知られており用いることができる。
特にシランカップリング剤もしくはシランカップリング剤を必要によりアルコール等で希釈したものを、少なくとも被着体との密着性を向上させたい部分に塗布処理を施し、あるいは気体として作用させた後ポリパラキシリレン膜506Aを形成することで被着体との密着性を向上させる方法が好ましい。
また、蒸着後に後述する保護フイルムをポリパラキシリレン膜506Aより広い範囲に重ねて接着し、さらにその上からメカ的にクランプする構成とすることでポリパラキシリレン膜506Aの剥離耐久性向上を図ってもよい。
(2)絶縁保護フイルム
放射線照射によって放射線検出デバイスに潜像を形成するため、バイアス電極540には数kVの高電圧を印加する。このバイアス電極540が外部の導電体に接近すると放電を生じ、被写体が感電する危険がある。上部電極からの放電を防止するため、電極上面への絶縁保護フイルム506Bを貼り付ける。
この絶縁保護フイルム506Bは印加電位を上回る絶縁破壊強度を有することが必要であり、更に放射線検出デバイスの機能上、放射線透過を妨げない部材であることが必要である。また、絶縁性を長期にわたり確保する上でデバイスに対する密着耐久性を確保する必要もある。
このような機能を満たす材質としてはPETフイルム、あるいはアルミ表面にPET、ナイロン等樹脂膜を形成したアルミラミネートフイルムなどがあるが、フイルムへのアース処理が不要な点からPETフイルムの採用が望ましい。
本デバイスに印加する電圧は、光導電層の厚みに応じて2kV〜10kVの範囲で用いられるが、高湿環境下などにおいてもマージンを持って絶縁性を確保するため絶縁保護フイルムの絶縁破壊強度は10kV以上であることが望ましい。また、本デバイスはマンモグラフィ特有の構造として胸壁面を持ちデバイス端部まで高圧電極が存在する。この部分での絶縁を行うため絶縁保護フイルムを胸壁面で90°折り曲げて貼り付ける。PETフイルムの接着にはアクリル系粘着剤、あるいはエポキシ系接着剤が適用可能であるが、硬化時間が必要無い粘着剤の使用が望ましい。粘着剤の一例としてガラス面への粘着力が90°剥離力で10N/20mmのアクリル粘着剤を使用してこのPETフイルムを接着する場合、PETフイルムの厚さを30 μm以下とすることで粘着剤に対する胸壁部の曲げ反力を十分低く設定でき、90°曲げに対する剥離耐久性が得られることが実験的に確認されている。しかし、PETフイルムの絶縁破壊強度は一例として25 μm厚に対し7.8kV程度であり、30 μm厚では10kVの絶縁破壊強度が確保できない。10kV以上の絶縁破壊強度をマージンをもって得るためにはPETフイルム厚さが50 μm以上であることが望ましい。この対応として30 μm以下の厚さを持つPETフイルムを2枚以上重ね50 μm以上の厚さとすることで、胸壁部接着性および絶縁破壊強度を両立することが可能となる。
その他、胸壁面での絶縁保護フイルム密着性を確保するため、胸壁断面をガラススクライブ面とする。また、そのエッジについてはガラスカレット発生防止のため面取り加工を実施する。一般的なガラス研磨面では粗い面に入り込んだオイル成分など汚れが除去できないため接着力が低下するが、このような構造とすることで清掃性が向上し接着力安定性が確保できる。
なお、ガラス切断面エッジの面取り加工についてはスクライブ装置をレーザースクライバとすることで不要とすることも可能である。
なお、放射線検出デバイスをマンモグラフィに用いる場合、X線撮影における被曝を抑えるため、低線量での撮影検出が望まれる。低線量照射での陰影変化を検出するため、放射線源からデバイスまでの経路における、被写体(乳房)以外の部材はX線の透過率を98%以上にすることが望ましく、これにより明瞭な画像が得られる。PETフイルムをアクリル粘着剤で接着する場合、PETフイルムおよびアクリル粘着剤の総厚が160 μm以下とすることで前記X線透過率が確保可能である。
以上絶縁破壊強度、胸壁部接着耐久性、X線透過性を考慮するとPETフイルム厚30 μm以下、およびPETフイルムとアクリル粘着材の総厚160 μm以下を満たす必要がある。
一例として、図16に放射線検出器500の胸壁部断面構造図を示す。なお、本発明はこれに限定されるものではない。PETフイルム厚29 μm、アクリル粘着剤厚30 μmの粘着PETフイルムを2枚重ねて貼り付け総厚118 μmとした構成が適用可能である。
(3)スペーサー部材
デバイスの光導電層領域外周部には、信号取り出し用の電極パターン、および高圧印加用端子部があり、ポリパラキシリレン(パリレン)膜蒸着時には、これら電極面を露出させるためのマスキングを行う必要がある。蒸着後にこのマスキング材を剥離する際には、ポリパラキシリレン(パリレン)膜をマスキングテープエッジ周辺でカットする必要があるが、電極面を傷つけずに膜のみをカットする事は困難である。そこで、アモルファスSe蒸着領域外周部の胸壁を除いた3辺に沿って、スペーサー部材を接着した構造をとる。スペーサーの材質は、その上面でポリパラキシリレン(パリレン)膜をカットするため、ある程度の硬さが必要であり、ガラス、PETフイルム等が適用可能である。また、これらの接着にはアクリル系粘着材、2液混合型エポキシ接着剤、あるいはUV硬化型接着剤などが適用可能である。
このようなスペーサー上でカットされたポリパラキシリレン(パリレン)膜端部の剥離防止策として、カット後のポリパラキシリレン(パリレン)膜蒸着範囲より広い範囲で、かつスペーサー部材の範囲内に対し、前述の絶縁保護フイルムを接着することで端部保護が可能となる。
スペーサー部材は3本の長方形部材を接着、あるいは3本がコの字状に一体となった部材を接着することで実現可能であるが、3本を接合して接着する場合には接合部におけるポリパラキシリレンの侵入、あるいはスペーサー貼り付け位置精度の低下といった懸念があるため、コの字型に一体となったスペーサーがより望ましい形状である。図17及び図18には、放射線検出器500の封止構造が示されている。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
(4)その他特徴
高電圧印加配線513とバイアス電極540が接続される高電圧印加端子の構造は、図19に示すように、デバイス表面のバイアス電極端子540Aに板状端子560を導電性接着剤562で接着し、その上部全体を樹脂カバー564で覆った構造である。
樹脂カバー564は絶縁性の高い樹脂部材(ザイロン300V等)で成型されており、その最小厚さは絶縁破壊耐圧を確保可能な厚さとする。ザイロン300Vの場合、最小厚さ0.9mmとすることで22kV以上の耐圧を確保している。また、樹脂カバー564は2分割構造とし、Au電極側のカバーは高湿環境時の絶縁性、およびカバー貼り付け位置精度を確保するためシリコーン接着剤566で、また、他方は高圧印加ケーブル568を直角方向に曲げて貼り付ける際の作業性を考慮し両面粘着テープ570による接着を行っている。
<放射線検出器500の好ましい層構成>
本実施形態に係る放射線検出器500の好ましい層構成を説明する。なお、本発明は、以下に説明する層構成に限定されるものではない。
<構成1>
図9〜図14に示すような電極基板502の上に、以下の順に層を作製した。
下部電荷選択透過層550:CeO2、厚み20nm
下電極界面層548B:As10%ドープアモルファスSe:LiF500ppmドープ、厚み0.1 μm
読取用光導電層546:As40ppmドープアモルファスSe、厚み7μm
電荷蓄積層下界面層549B:無し
電荷蓄積層544:As2Se3、厚み1μm
電荷蓄積層上界面層549A:無し
記録用光導電層542:Na0.001ppmドープアモルファスSe、厚み200μm
上電極界面層548A:As10%ドープアモルファスSe、厚み0.2 μm
上部電荷選択透過層552:Sb2S3、厚み0.5 μm
バイアス電極540:Au、厚み70nm
<構成2>
図9〜図14に示すような電極基板502の上に、以下の順に層を作製した。
下部電荷選択透過層550:無し
下電極界面層548B:As3%ドープアモルファスSe、厚み0.15 μm
読取用光導電層546:As40ppmドープアモルファスSe、厚み15 μm
電荷蓄積層下界面層549B:無し
電荷蓄積層544:As2Se3、厚み2 μm
電荷蓄積層上界面層549A:無し
記録用光導電層542:Na0.001ppmドープアモルファスSe、厚み180 μm
上電極界面層548A:As10%ドープアモルファスSe、厚み0.1 μm
上部電荷選択透過層552:Sb2S3、厚み0.2 μm
バイアス電極540:Au、厚み150nm
<構成3>
図9〜図14に示すような電極基板502の上に、以下の順に層を作製した。
下部電荷選択透過層550:CeO2、厚み30nm
下電極界面層548B:As6%ドープアモルファスSe、厚み0.25 μm
読取用光導電層546:As40ppmドープアモルファスSe、厚み10 μm
電荷蓄積層下界面層549B:無し
電荷蓄積層544:As2Se3、厚み0.6 μm
電荷蓄積層上界面層549A:無し
記録用光導電層542:Na0.001ppmドープアモルファスSe、厚み230μm
上電極界面層548A:As10%ドープアモルファスSe、厚み0.3 μm
上部電荷選択透過層552:Sb2S3、厚み0.3 μm
バイアス電極540:Au、厚み100nm
<構成4>
図9〜図14に示すような電極基板502の上に、以下の順に層を作製した。
下部電荷選択透過層550:無し
下電極界面層548B:As10%ドープアモルファスSe、厚み0.15 μm
読取用光導電層546:As40ppmドープアモルファスSe、厚み14 μm
電荷蓄積層下界面層549B:As3%〜15%傾斜ドープアモルファスSe、厚み0.5μm
電荷蓄積層544:As2Se3、厚み1.15 μm
電荷蓄積層上界面層549A:無し
記録用光導電層542:Na0.001ppmドープアモルファスSe、厚み150 μm
上電極界面層548A:As4.5%ドープアモルファスSe、厚み0.56 μm
上部電荷選択透過層552:Sb43.5S56.5、厚み0.4 μm
バイアス電極540:Au、厚み70nm
<構成5>
図9〜図14に示すような電極基板502の上に、以下の順に層を作製した。
下部電荷選択透過層550:無し
下電極界面層548B:As5%ドープアモルファスSe、厚み0.3 μm
読取用光導電層546:As40ppmドープアモルファスSe、厚み19 μm
電荷蓄積下界面層549B:無し
電荷蓄積層544:As2Se3、厚み1μm
電荷蓄積上界面層549A:As3%ドープアモルファスSe、厚み0.5μm
記録用光導電層542:Na0.001ppmドープアモルファスSe、厚み210 μm
上電極界面層548A:As3%ドープアモルファスSe、厚み0.6 μm
上部電荷選択透過層552:Sb44S56、厚み0.5 μm
バイアス電極540:Au、厚み70nm
<画像取得シーケンス>
本画像記録読取システムの画像形成シーケンスは、基本的には、高電圧印加中に記録光(例えばX線)を照射し、発生させた電荷を潜像として蓄積する過程、および、高電圧印加を終了後、バイアス電極540と下部電極Bライン516Bを接地(短絡)した状態で読取光を照射して蓄積した電荷を下部電極のSライン516Sから読み出す過程からなる。読取光としてはライン光を電極方向に走査する方法が最適であるが、他の方法でも可能である。読取光源としては、レーザやLEDのように、制御回路で制御可能なものが望ましく、波長域は青色域が望ましい。さらに、必要に応じて、読み残した電荷を十分に消去する過程を組み合わせることができる。この消去過程は、パネル全面に消去光を照射することにより行われ、全面に一度に照射させても、あるいはライン光やスポット光を全面に走査させても良く、読取過程の後、または/および、潜像蓄積過程の前に行われる。消去光源としては、一般的な照明に使われる蛍光灯や冷陰極蛍光灯、LED等、発光効率の高いものが望ましく、波長域は可視光域が望ましい。消去光を照射する際に、高電圧印加を組み合わせて消去効率を高めることもできる。また、高電圧印加後、記録光を照射する前に「前露光」を行うことにより、高電圧印加の際に発生する暗電流による電荷(暗電流電荷)を消去することができる。
さらに、これら以外の原因によっても静電記録体に種々な電荷が記録光の照射の前に蓄積されることが知られている。これらの残存信号は、残像現象として次に出力される画像情報信号に影響を及ぼすため、補正により低減させることが望ましい。
残像信号を補正する方法として、上記の画像記録読取過程に、残像画像読取過程を加える方法が有効である。この残像画像記録過程は、記録光を照射しないで高電圧印加のみ行った後、読取光により「残像画像」を読取ることで行われ、この「残像画像」信号に適当な処理を施し、「記録画像」信号から差し引くことで、残像信号を補正することができる。残像画像読取過程は、画像記録読取過程の前、あるいは後に行われる。また、残像画像読取過程の前、または/および後に、適当な消去過程を組み合わせることができる。
装置立上げ時や診察の合間等、読取システムの非稼動状態がある程度の時間以上続くと、その後に収録する画像のムラ(画像安定性)が悪くなる場合がある。画像安定性を維持するため、装置立ち上げ時であれば一定回数の空読み(記録光照射をしないで、画像形成シーケンスを実行すること)を、また診察の合間であれば、一定時間毎に空読みを行うことができる。この動作の時間短縮のため、空読みの代わりに一定量の消去光照射、あるいは、消去光照射と高圧印加を適宜組み合わせた安定化シーケンスを行っても良い。さらに、撮影の一定時間前(例えば、患者ID入力時等のタイミング)に、空読み、または安定化シーケンスを行うことも、画像安定性の維持に有効である。
ここで、本発明の構成を適用した構成を説明する。図20には、本発明の構成を適用した構成が示されている。
光導電層としての記録用光導電層542には、凸状にされた凸部(図3(A)参照)又は凹凸状にされた凹凸部(図3(B)参照)又は凹状にされた凹部(図3(C)参照)が形成される場合がある。これは、記録用光導電層542が形成される基板518上に残留したゴミ、記録用光導電層542の結晶化、接触等による基板518・記録用光導電層542の欠損などの原因により発生する欠陥である。
なお、本実施形態では、記録用光導電層542の表面上に欠陥たる凸部が形成された例について説明する。また、欠陥として、凹凸部又は凹部が形成された場合についても同様に構成することが可能である。
記録用光導電層542とバイアス電極540との間には、図20に示すように、記録用光導電層542の表面上の欠陥たる凸部542Aを覆うように、絶縁性を有する第1有機高分子膜582が配置されている。
この第1有機高分子膜582は、記録用光導電層542の全面ではなく、記録用光導電層542の表面を部分的に覆っている。具体的には、第1有機高分子膜582の外縁は、記録用光導電層542の表面上の凸部542Aの外周から1mmの領域内に位置する。すなわち、第1有機高分子膜582の外縁から凸部542Aの外周までの距離Lは、1mm以下となる(図4(A)参照)。
欠陥として凹凸部が形成された場合においても同様に、第1有機高分子膜582の外縁から凹凸部の外周までの距離Lは、1mm以下とされる(図4(B)参照)。また、欠陥として凹部が形成された場合においても同様に、第1有機高分子膜582の外縁から凹部の外周までの距離Lは、1mm以下とされる(図4(C)参照)。
また、第1有機高分子膜582の平均膜厚は、0.5〜1000μmとなっている。平気膜厚は、第1有機高分子膜582の中心を通る断面の断面積を求め、その断面積をその幅で除して求められる。
記録用光導電層542とバイアス電極540との間には、図20に示すように、記録用光導電層542の結晶化を抑制するための第2有機高分子膜584が配置されている。具体的には、第2有機高分子膜584は、バイアス電極540と第1有機高分子膜582との間に配置されている。なお、図9〜図19においては、第1有機高分子膜582及び第2有機高分子膜584は、図示を省略している。
この第2有機高分子膜584及び上記の第1有機高分子膜582は、インクジェット法等の塗布方法を用いて成膜されている。なお、第2有機高分子膜584は、図21に示すように、第1有機高分子膜582と記録用光導電層542との間に形成する構成であってもよい。
また、第1有機高分子膜582及び第2有機高分子膜584の少なくとも一方が、電荷選択透過性を有する電荷選択透過層を兼ねても良い。電荷選択透過性とは、バイアス電極540と反対極性の電荷を透過させると共にバイアス電極540と同極性の電荷の透過を阻止する性質をいう。
第1有機高分子膜582及び第2有機高分子膜584が電荷選択透過層を兼ねる場合であって、バイアス電極540が正極であるときは、第1有機高分子膜582及び第2有機高分子膜584は、電子に対しては導電体でありながら正孔の注入を阻止する層(正孔注入阻止層)で構成され、バイアス電極540が負極である場合には、正孔に対しては導電体でありながら電子の注入を阻止する層(電子注入阻止層)で構成される。
第2有機高分子膜584が電荷選択透過層を兼ねる構成においては、光読取方式の放射線検出器500では、有機材料で形成された上記の上部電荷選択透過層552が第2有機高分子膜584として機能する。
なお、第1有機高分子膜582及び第2有機高分子膜584が正孔注入阻止層である場合には、下部電荷選択透過層550に電子注入阻止層が用いられ、第2有機高分子膜584が電子注入阻止層である場合には、下部電荷選択透過層550に正孔注入阻止層が用いられる。
正孔注入阻止層としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリシクロオレフィン等の絶縁性高分子に、正孔ブロック材料を混合した膜を好ましく用いることが出来る。
正孔注入阻止層に含有される正孔ブロック材料のうち少なくとも一種が、カーボンクラスター又はその誘導体から選択される少なくとも1種であることが好ましい。さらにカーボンクラスターが、フラーレンC60、フラーレンC70、酸化フラーレン又はそれらの誘導体から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
なお、第2有機高分子膜584は必須でなく、第2有機高分子膜584に替えて、無機材料からなる電荷選択透過層を設けても良い。また、下部電荷選択透過層550においても無機材料を用いても良い。
無機材料からなる電子注入阻止層としては、Sb2S3、SbTe、ZnTe、CdTe、SbS、AsSe、AsS等の組成から成る無機材料を用いることができる。無機材料からなる層は、その組成を化学量論組成から変化させ、または2種類以上の同族元素との多元組成とすることでキャリア選択性を調節して用いることが好ましい。
無機材料からなる正孔注入阻止層としては、CdS、CeO2、Ta2O5、SiO等の無機材料が好ましく用いられる。無機材料からなる層は、その組成を化学量論組成から変化させ、または2種類以上の同族元素との多元組成とすることでキャリア選択性を調節して用いることが好ましい。
なお、Sbは電子を捕獲する局在準位を多く有する性質が強いので電子注入阻止性を有するが、Sb層と隣接するa−Se層との界面が電気的障壁になるために正孔注入阻止性の層として使われることもある。
また、第1有機高分子膜582及び第2有機高分子膜584は、記録用光導電層542とバイアス電極540との間であれば、上部電荷選択透過層552及び上電極界面層548Aとの位置関係は問わない。
また、第2有機高分子膜584が上部電荷選択透過層552及び上電極界面層548Aの少なくとも一方として機能しても良く、この場合には上部電荷選択透過層552及び上電極界面層548Aの少なくとも一方を形成しない構成であってもよい。
なお、光読取方式の放射線検出器で用いた部材及び材料は、TFT方式の放射線検出器において同じ機能を有する対応部分に、その部材及び材料を適用することが可能である。同様に、TFT方式の放射線検出器で用いた部材及び材料は、光読取方式の放射線検出器において同じ機能を有する対応部分に、その部材及び材料を適用することが可能である。また、本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。
図1は、TFT方式の放射線検出器の全体構成を示す概略断面図である。 図2は、TFT方式の放射線検出器の要部を示す概略構成図である。 図3は、光導電層の表面に形成された欠陥の態様を示す概略断面図である。 図4は、光導電層の表面に形成された欠陥と、その欠陥を覆う第1有機高分子膜との位置関係を説明するための概略断面図である。 図5は、第1有機高分子膜と第2有機高分子膜との形成位置を替えた構成を示す概略断面図である。 図6は、TFT方式の放射線検出器の1画素単位の構造を示す断面図である。 図7は、TFT方式の放射線検出器の1画素単位の構造を示す平面図である。 図8は、試験例の測定結果をまとめた表である。 図8は、光読取方式の放射線検出器の構成を示す概略平面図である。 図10は、電極基板の構成を示す概略図である。 図11は、電極基板の検出エリアにおける断面構造を示す概略図である。 図12は、電極基板において、検出エリアと配線との境界を示す概略図である。 図13は、検出エリアの構成を示す図である。 図14は、電極基板の端部の構成を示す概略図である。 図15は、光読取方式の放射線検出器の層構成を模式的に示した概略図である。 図16は、光読取方式の放射線検出器の胸壁部断面構造図である。 図17は、光読取方式の放射線検出器における封止構成を示す概略斜視図である。 図18は、光読取方式の放射線検出器における封止構成を示す概略断面図である。 図19は、光読取方式の放射線検出器における高圧印加端子の構成を示す概略図である。 図20は、光読取方式の放射線検出器の全体構成を示す概略断面図である。 図21は、光読取方式の放射線検出器において、第1有機高分子膜と第2有機高分子膜との形成位置を替えた構成を示す概略断面図である。
符号の説明
400 放射線検出器
401 バイアス電極(第1電極)
402 第2有機高分子膜
404 光導電層
404B 凹凸部
404C 凹部
404A 凸部
407a 電荷収集電極(第2電極)
422 第1有機高分子膜
500 放射線検出器
516 下部電極(第2電極)
540 バイアス電極(第1電極)
542 記録用光導電層
542A 凸部
582 第1有機高分子膜
584 第2有機高分子膜

Claims (11)

  1. 第1電極と、
    表面に凹部又は凸部が形成され、画像情報を担持した放射線が照射されて電荷を生成し、前記第1電極によりバイアス電圧が印加される光導電層と、
    前記光導電層に対して前記第1電極が設けられている側とは反対側に配置され、前記画像情報を取得するために前記光導電層が生成した電荷を収集する第2電極と、
    前記凹部又は前記凸部を覆うように前記第1電極と前記光導電層との間に配置され、前記光導電層の表面を部分的に覆う第1有機高分子膜と、
    を備えた放射線検出器。
  2. 前記第1有機高分子膜の平均膜厚が、0.5〜1000μmである請求項1に記載の放射線検出器。
  3. 前記第1有機高分子膜の外縁が、前記凹部又は前記凸部の外周から1mmの領域内に位置する請求項1又は請求項2に記載の放射線検出器。
  4. 前記光導電層の略全面を覆うように前記第1電極と前記光導電層との間に配置され、前記光導電層の結晶化を抑制するための第2有機高分子膜を備えた請求項1〜3いずれか1項に記載の放射線検出器。
  5. 前記第2有機高分子膜が、前記第1電極と前記第1有機高分子膜との間に形成された請求項4に記載の放射線検出器。
  6. 前記第2有機高分子膜が、前記第1有機高分子膜と前記光導電層との間に形成された請求項4に記載の放射線検出器。
  7. 前記第1電極に正バイアスを印加することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の放射線検出器。
  8. 前記第1有機高分子膜及び前記第2有機高分子膜の少なくとも一方は、正孔ブロック材料を含有している請求項7に記載の放射線検出器。
  9. 前記第1有機高分子膜及び前記第2有機高分子膜の少なくとも一方に含有される前記正孔ブロック材料のうち少なくとも一種が、カーボンクラスター又はその誘導体から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項8に記載の放射線検出器。
  10. 前記カーボンクラスターが、フラーレンC60、フラーレンC70、酸化フラーレン又はそれらの誘導体から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項9に記載の放射線検出器。
  11. インクジェット法を用いて前記第1有機高分子膜及び前記第2有機高分子膜の少なくとも一方を成膜し、請求項4〜10のいずれか1項に記載の放射線検出器を製造する放射線検出器の製造方法。
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