JP2010002952A - 画像処理装置及び画像処理プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】色覚障害者に対してはオブジェクトの外形を把握できるようにし、かつ、健常者に対してはオリジナルの画像の印象を損なうことのないカラー画像を生成する。
【解決手段】画像処理部32は、オリジナルのカラー画像を入力すると、オブジェクト抽出部41がそのカラー画像に含まれるオブジェクトを抽出し、オブジェクト輪郭認識部42がその抽出されたオブジェクトの輪郭を認識する。そして後段の各部で順次処理を行うことにより、画像処理部32はオブジェクトの輪郭近傍においてオブジェクトの内側及び外側の少なくとも一方でオリジナルのカラー画像の彩度を変化させた画像を生成して出力する。
【選択図】図7

Description

本発明は、カラー画像に含まれるオブジェクトを色覚障害者が判別しやすくするための画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
近年、オフィス環境などでは印刷物にカラー画像が含まれるケースが増加しており、色覚障害者と健常者とが同じ印刷物を見ながら打ち合わせを行うケースも増加している。例えば印刷物に図3に示すような画像が含まれている場合を考える。図3は緑色の背景の中央に赤色のオブジェクト(リンゴの図柄)が表現されたカラー画像をグレースケールで表した図である。この画像を色覚障害者が見ると緑色と赤色が区別し難いため、例えば図18に示すような画像として見える。そのため、色覚障害者と健常者とが同じ印刷物を見ながら打ち合わせを行う際には、健常者が色覚障害者に対してオリジナルのカラー画像がどのような画像であるかを説明しながら打ち合わせを進めていくことが必要になる。
従来、カラー画像に含まれるオブジェクトの色覚障害者に対する識別性を向上させるため、例えば色の変わり目に黒色の輪郭線などを追加する技術が公知である(例えば特許文献1)。またオブジェクトに対してハッチングを掛ける技術(特許文献2)や、オブジェクトの色名を表記する技術(特許文献3)なども公知である。
特開2001−293926号公報 特開2005−177144号公報 特開2001−257867号公報
ところが、色の変わり目に輪郭線を追加する場合、色覚障害者はオブジェクトの輪郭を識別可能になる反面、輪郭線の追加によって画像の見栄え(印象)が異なったものとなってしまうので健常者はオリジナルのカラー画像がどのような画像であるかを正確に把握することができなくなるという問題がある。そのため、色覚障害者と健常者とが輪郭線の追加された同じ印刷物を見ながら打ち合わせを行うと、健常者がオリジナルのカラー画像の印象を色覚障害者に対して正確に伝えることができなくなる。
またオブジェクトに対してハッチングを掛ける場合にも、色覚障害者はオブジェクトを識別することが可能になる反面、ハッチングによってオブジェクトの色味が変化するので健常者はオリジナルのカラー画像がどのような画像であるかを把握することができなくなるという問題がある。そしてこの場合もまた、色覚障害者と健常者とがハッチングの施された同じ印刷物を見ながら打ち合わせを行うと、健常者がオリジナルのカラー画像の印象を色覚障害者に対して正確に伝えることができなくなる。
さらにオブジェクトの色味を表記する場合、色覚障害者は健常者から説明を受けることなく、オブジェクトがどのような色であるかを把握することができるものの、オブジェクトの外形は正確に把握することができないという問題がある。
そこで、色覚障害者と健常者とが同じカラー画像を見ながら打ち合わせを行うためにカラー画像を出力する場合、色覚障害者に対してはオブジェクトの外形が把握できるように出力し、かつ健常者に対してはオリジナルの画像の印象を損なうことなく出力することが求められるが、従来はそれらを両立させた画像出力を行うことは困難であった。
本発明は、上記従来の問題点を解決することを目的としてなされたものであり、色覚障害者がオブジェクトの外形を把握できると共に、健常者がオリジナルの画像の印象を正確に把握することができるようにした画像処理装置及び画像処理プログラムを提供するものである。
上記目的を達成するため、本発明者が鋭意検討したところによると、色覚障害者にとって色の判別が困難なカラー画像であっても、その色の彩度が変化していれば、色覚障害者はその彩度が変化している部分を健常者よりも敏感に感知し得るという知見を得た。
そこで、請求項1にかかる発明は、画像処理装置であって、カラー画像を入力する画像入力手段と、前記カラー画像に含まれるオブジェクトを抽出するオブジェクト抽出手段と、前記オブジェクトの輪郭を認識するオブジェクト輪郭認識手段と、前記オブジェクトの輪郭近傍において前記オブジェクトの内側及び外側の少なくとも一方で前記カラー画像の彩度を変化させた画像を生成する画像生成手段と、を備えることを特徴としている。
かかる構成によれば、オブジェクトの輪郭近傍でカラー画像の彩度を変化させることにより、色覚障害者に対してはオブジェクトの外形を把握できるカラー画像を生成することができるようになると共に、健常者に対してはオリジナルの画像の印象を損なうことのないカラー画像を生成することができる。尚、彩度を変化させる態様には、彩度を低下させる態様と彩度を上げる態様とが含まれる。
また請求項2にかかる発明は、請求項1記載の画像処理装置において、前記画像生成手段が、前記オブジェクトの輪郭近傍において前記カラー画像の彩度を段階的に変化させることを特徴としている。
また請求項3にかかる発明は、請求項2記載の画像処理装置において、前記画像生成手段が、前記オブジェクトの輪郭に向かって前記カラー画像の彩度を段階的に低下させることを特徴としている。オブジェクトの輪郭に向かってカラー画像の彩度を段階的に低下させることにより、色覚障害者が生成された画像を見たときにはオブジェクトの輪郭に向かって次第に濃くなるグレー状の輪郭を視認することができるようになる。
また請求項4にかかる発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像処理装置において、前記画像生成手段は、前記オブジェクトの内側において前記オブジェクトの色の彩度を変化させることを特徴としている。この場合、色覚障害者に対してオブジェクトの輪郭内側を浮き出させる効果がある。
また請求項5にかかる発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像処理装置において、前記画像生成手段は、前記オブジェクトの外側において前記オブジェクトの外側の色の彩度を変化させることを特徴としている。この場合、色覚障害者に対してオブジェクトの輪郭外側を浮き出させる効果がある。
また請求項6にかかる発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理装置において、前記画像生成手段は、前記オブジェクトの色の彩度を変化させたドットを前記オブジェクトの内側に略等間隔で配置することを特徴としている。この場合、色覚障害者に対してオブジェクトの全体を浮き出させる効果がある。
また請求項7にかかる発明は、請求項6記載の画像処理装置において、前記画像生成手段は、前記ドットを複数画素からなる略矩形状のブロック構造とし、該ブロック構造における所定の画素をオンオフ制御することによって前記ドット内に情報を埋め込むことを特徴としている。かかる構成によれば、オブジェクトの内側に配置するドットに任意の情報を埋め込むことができる。
また請求項8にかかる発明は、請求項7記載の画像処理装置において、前記ドット内に埋め込む情報は、前記オブジェクトの色に関する情報であることを特徴としている。この場合、ドットに埋め込まれた情報を分析することにより、カラー画像に含まれるオブジェクトが実際にどのような色であるかを把握することができるようになる。
また請求項9にかかる発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の画像処理装置において、前記画像生成手段によって生成される画像を表示する表示手段をさらに備えることを特徴としている。
また請求項10にかかる発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の画像処理装置において、前記画像生成手段によって生成される画像を印刷する印刷手段をさらに備えることを特徴としている。
また請求項11にかかる発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載の画像処理装置において、色覚障害者が判別困難な色の組合せを記憶する記憶手段を更に備えており、前記画像生成手段は、前記記憶手段に記憶されている色の組合せと同じ組合せが前記カラー画像に含まれている場合に、前記カラー画像の彩度を変化させた画像を生成することを特徴としている。カラー画像に色覚障害者が判別困難な色の組合せが存在する場合にオブジェクトの輪郭近傍でカラー画像の彩度を変化させた画像を生成することにより、色覚障害者がオブジェクトの外形を把握し易くなる。
さらに請求項12にかかる発明は、画像処理プログラムであって、コンピュータを、カラー画像を入力する画像入力手段、前記カラー画像に含まれるオブジェクトを抽出するオブジェクト抽出手段、前記オブジェクトの輪郭を認識するオブジェクト輪郭認識手段、及び、前記オブジェクトの輪郭近傍において前記オブジェクトの内側及び外側の少なくとも一方で前記カラー画像の彩度を変化させた画像を生成する画像生成手段、として機能させることを特徴としている。
かかる構成によれば、コンピュータが画像処理プログラムを読み出して実行することにより、色覚障害者に対してはオブジェクトの外形を把握できるカラー画像を生成することができると共に、健常者に対してはオリジナルの画像の印象を損なうことのないカラー画像を生成することができるようになる。
本発明によれば、カラー画像に含まれるオブジェクトの輪郭近傍において、オブジェクトの内側及び外側の少なくとも一方でカラー画像の彩度を変化させた画像が生成されるため、色覚障害者に対してはオブジェクトの外形を把握できる画像とし、かつ、健常者に対してはオリジナルの画像の印象を損なうことのない画像を生成することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する幾つかの実施形態において互いに共通する部材については同一符号を付しており、それらについて繰り返しとなる説明は省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施形態における画像処理システムの一構成例を示す概略図である。この画像処理システムは、複合機やMFPなどと呼ばれる画像形成装置1と、パーソナルコンピュータ(PC)などのコンピュータ2とが有線又は無線LANなどのネットワーク3を介して相互にデータ通信可能なように接続された構成である。
画像形成装置1は、例えばコピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、FAX機能などの複数の機能を有しており、これら各機能に関するジョブを実行するように構成される。画像形成装置1は、その上部に原稿などの画像を読み取って画像データを生成するスキャナ部15を備え、またその下部に用紙などの画像形成媒体に画像形成を行って印刷出力する印刷部16を備えている。さらに画像形成装置1の前面側にはユーザが操作可能な操作パネル14が設けられており、ユーザはこの操作パネル14を操作することによりスキャナ部15を動作させて原稿などの画像を読み取ってカラー画像を出力することができるようになっている。また画像形成装置1は、ネットワーク3を介してコンピュータ2からから受信するカラー画像に基づいて画像形成を行うことにより、そのカラー画像が印刷された印刷物を出力することができるようになっている。
コンピュータ2は、コンピュータ本体2aと、液晶ディスプレイなどの表示部24と、キーボードやマウスなどからなる操作入力部25とを備えている。コンピュータ2は、後述する画像処理プログラムを実行することにより画像処理装置として機能し、入力するカラー画像に対して画像処理を施し、色覚障害者がオブジェクトの外形を把握できると共に、健常者がオリジナルの画像の印象を正確に把握することができるカラー画像を生成する。
図2は、画像形成装置1及びコンピュータ2の機能的な内部構成を示すブロック図である。まず画像形成装置1について説明すると、この画像処理装置1は、CPU10と、メモリ11と、通信インタフェース12と、記憶部13と、操作パネル14と、スキャナ部15と、印刷部16とを備えている。CPU10は各部を制御する制御手段であり、メモリ11はCPU10が各種処理を行う際の一時的なデータなどを記憶する。通信インタフェース12はネットワーク3を介してコンピュータ2とデータ通信を行う通信手段である。記憶部13は例えばハードディスク装置などで構成され、スキャナ部15が読み取った画像データやコンピュータ2から入力する画像データなどを記憶する。この画像形成装置1は、CPU10がスキャナ部15から入力するカラー画像又は通信インタフェース12を介してコンピュータ2から入力するカラー画像を印刷部16に与えることにより、カラー画像を印刷出力することができるように構成される。またCPU10は、スキャナ部15から入力するカラー画像を、通信インタフェース12を介してコンピュータ2に出力することも可能である。
コンピュータ2は、CPU20と、メモリ21と、通信インタフェース22と、記憶部23と、表示部24と、操作入力部25とを備えている。CPU20は各種プログラムを実行する演算処理部であり、メモリ21はCPU10が各種プログラムに基づく処理を実行する際の各種データを一時的に記憶する。記憶部23はメモリやハードディスク装置などで構成される記憶手段であり、コンピュータ読み取り可能な画像処理プログラム9を記憶している。尚、画像処理プログラム9は所定の記録媒体又はネットワーク3を介して入力し、コンピュータ2に対して予めインストールされている。また記憶部23には、画像処理の対象として入力するオリジナルのカラー画像を記憶する画像記憶部35と、各種情報を記憶するための情報記憶部36とが設けられている。尚、画像記憶部35及び情報記憶部36はメモリ21に設けても良い。通信インタフェース22は、ネットワーク3を介してデータの送受信を行う通信手段であり、画像処理の対象となるカラー画像を受信したり、画像処理が施されたカラー画像を画像形成装置1に送信するためのものである。
CPU20は、記憶部23に記憶された画像処理プログラム9を読み出して実行することにより、画像入力部31、画像処理部32及び画像出力部33として機能し、コンピュータ2の全体を画像処理装置として機能させる。
画像入力部31は、画像処理の対象となるオリジナルのカラー画像を取り込み、画像処理部32に与えるための処理部である。オリジナルのカラー画像は、画像形成装置1から入力する画像であっても良いし、その他の装置から入力する画像であっても良い。またコンピュータ2において別のアプリケーションプログラムを起動させてユーザが編集作成したカラー画像であっても良い。画像入力部31は、例えば表示部24にオリジナルのカラー画像を指定するための指定画面を表示し、ユーザが操作入力部25を操作して画像処理の対象となる画像データを指定した場合、その指定された画像データを取り込んで画像処理部32に対して出力する。尚、画像処理部32では色相(Hue)、彩度(Saturation)及び明度(Luminance)から成るHSL値で表現されたカラー画像に対する処理を行うため、ユーザが指定した画像データがHSL値以外の表色系である場合、画像入力部31はその画像データをHSL値で表現したカラー画像に変換してから画像処理部32に出力する。
画像処理部32は、画像入力部31から入力するカラー画像に対して所定の画像処理を施すことにより、色覚障害者に対してはオブジェクトの外形が把握できるようにすると共に、健常者に対してはオリジナルのカラー画像の印象を損なわないようなカラー画像を生成する。画像処理部32は、カラー画像に含まれるオブジェクトを抽出し、そのオブジェクトの輪郭近傍においてオブジェクトの内側及び外側の少なくとも一方でカラー画像の彩度を変化させた画像を生成する。またオブジェクトの輪郭近傍でカラー画像の彩度を変化させることに加え、オブジェクトの色の彩度を変化させたドットをオブジェクトの内側に略均等な間隔で配置した画像を生成しても良い。
ここで画像処理部32に入力するカラー画像が図3に示すような画像である場合について説明する。尚、図3は上述したように緑色の背景の中央に赤色のオブジェクト(リンゴの図柄)が表現されたカラー画像をグレースケールで表した図である。図3におけるオブジェクトのHSL値は(0,255,128)であり、背景部分のHSL値は(85,255,95)である。
画像処理部32は、図3のカラー画像に含まれるオブジェクトを抽出し、例えばオブジェクトの輪郭近傍においてオブジェクトの内側又は外側から輪郭に向かって彩度を段階的若しくは連続的に低下させる。図4は、オブジェクトの輪郭近傍においてオブジェクトの内側から輪郭に向かってオブジェクトの彩度を2段階低下させた場合の処理結果の一例を示す図である。この例では、オブジェクトの輪郭に向かってオブジェクトのHSL値をまず(0,200,128)とし、次に(0,150,128)としている。このようにオブジェクトの輪郭近傍においてオブジェクトの彩度を低下させることにより、オブジェクトの輪郭近傍はオブジェクトの色を失うことなく、オブジェクトの輪郭を浮き出させる効果がある。
また図5は、オブジェクトの輪郭近傍においてオブジェクトの外側(すなわち背景側)から輪郭に向かって背景の彩度を2段階低下させた場合の処理結果の一例を示す図である。この例では、オブジェクトの輪郭に向かって背景のHSL値をまず(85,200,95)とし、次に(85,150,95)としている。このようにオブジェクトの輪郭近傍において背景の彩度を低下させることによっても、オブジェクトの輪郭近傍は背景の色を失うことなく、オブジェクトの輪郭を浮き出させる効果がある。
次に図6は、オブジェクトの輪郭近傍においてオブジェクトの内側から輪郭に向かってオブジェクトの彩度を2段階低下させると共に、オブジェクトの内側に彩度を変化させたドットを略均等な間隔で配置した場合の処理結果の一例を示す図である。この例では、オブジェクトの輪郭近傍においてオブジェクトのHSL値を(0,200,128)から(0,150,128)に2段階で変化させ、オブジェクト内部にはHSL値(0,255,128)のドットを埋め込んでいる。このようにオブジェクトの輪郭近傍において背景の彩度を低下させると共に、オブジェクトの彩度を低下させたドットをオブジェクト内に配置することにより、オブジェクトの全体像を浮き出させる効果がある。
尚、図4、図5及び図6ではカラー画像をグレースケールで表現しているため、図3のオリジナルの画像から若干画像が変化しているように見えるが、実際のカラー画像で見ると、健常者がオリジナルの画像とは異なった印象を受ける程の画像には変化しておらず、オリジナルのカラー画像の印象(見栄え)を損なわない画像となっている。
画像処理部32は上記のような画像処理を行うことにより、色覚障害者に対してはオブジェクトの外形を把握できるようにすると共に、健常者に対してはオリジナルのカラー画像の印象を損なわないカラー画像を生成し、画像出力部33に出力する。
画像出力部33は、画像処理部32から画像処理の施されたカラー画像を取得すると、その画像を表示部24に表示する。したがって、色覚障害者と健常者とが表示部24に表示されたカラー画像を見ながら打ち合わせを行う場合、色覚障害者は表示画像を見ることでオブジェクトの外形を正確に把握することができると共に、健常者はオリジナルの画像の印象を正確に把握することができるので、その印象を色覚障害者に正確に伝えながらスムーズに打ち合わせを進めることができるようになる。
また画像出力部33は、必要に応じて画像処理部32から取得するカラー画像を画像形成装置1に出力する。これにより、画像形成装置1は画像処理部32で画像処理が施されたカラー画像を印刷して出力する。そして色覚障害者と健常者とが印刷物に印刷されたカラー画像を見ながら打ち合わせを行う場合、色覚障害者は印刷されたカラー画像を見ることでオブジェクトの外形を正確に把握することができると共に、健常者はオリジナルの画像の印象を正確に把握することができるので、その印象を色覚障害者に正確に伝えながらスムーズに打ち合わせを進めることができるようになる。
次に画像処理部32の詳細について説明する。図7は画像処理部32の詳細な構成を示すブロック図である。図7に示すように画像処理部32は、オブジェクト抽出部41と、オブジェクト輪郭認識部42と、色変化方向決定部43と、色情報分析部44と、色変化量決定部45と、彩度変化画像生成部46と、画像合成部47とを備えており、オリジナルのカラー画像データD1に対してこれら各部で順次処理を行っていくことにより、最終的にオブジェクトの輪郭近傍においてオリジナルのカラー画像の彩度を変化させた画像データD2を出力する。
画像処理部32は、オリジナルの画像データD1を入力すると、その画像データD1をオブジェクト抽出部41に与えると共に、画像記憶部35に保存する。オブジェクト抽出部41は、オリジナルの画像データを画素毎に読み込み、例えばカラー画像の色成分(色相、彩度、明度)が変化する領域をオブジェクトとして抽出する。図8はオブジェクト抽出部41によるオブジェクト抽出処理の一例を示す図である。オブジェクト抽出部41は、図8(a)に示すように画素毎に読み込んだカラー画像Gを所定の処理方向Fに沿って処理していくことによりオブジェクトを抽出する。より具体的に説明すると、オブジェクト抽出部41は、図8(b)に示すように処理方向Fに沿って連続する4画素分の色情報(HSL値)を読み込んでいき、図中斜線を施した処理対象画素Pnの色情報を、他の3画素P(n−1),P(n−2)及びP(n−3)の色情報の平均値と比較したとき、所定値Thを超える差が発生する場合に処理対象画素Pnがオブジェクトであると識別する。所定値Thは任意に設定可能であるが、例えばカラー画像Gが濃度変化の少ないグラフやポップアートなどの図柄である場合、所定値Thを0としても良い。つまり、オブジェクト抽出部41は、例えば次式、
が成立する場合、処理対象画素Pnがオブジェクトであると識別する。このようなオブジェクトの識別処理を処理方向Fに沿って繰り返し行うと共に、画像平面の全体について行うことにより、カラー画像に含まれるオブジェクトが抽出される。例えば、図3に示した画像がオリジナルの画像である場合、オブジェクト抽出部41によってリンゴの図柄の領域のみがオブジェクトとして抽出されることになる。尚、上述したオブジェクトの抽出方法は一例であり、他の抽出方法を採用しても良い。そして抽出されたオブジェクトの領域に関する情報は、オブジェクト輪郭認識部42と色情報分析部44に出力される。
オブジェクト輪郭認識部42は、オブジェクト抽出部41で抽出されたオブジェクト領域の最外郭(輪郭)の位置情報を算出する。この位置情報は、例えば画像平面における座標位置(X,Y)で表され、オブジェクトの輪郭を構成する全ての画素の位置情報が算出される。このとき、オブジェクトとして認識された輪郭の色が例えば黒色などの色覚障害者が識別可能な色である場合にはその輪郭はキャンセルすることができる。
図9は、図3に示した画像がオリジナルの画像である場合、オブジェクト輪郭認識部42によって算出されるオブジェクト領域の輪郭L1を実線で示した図である。図9に示すようにオブジェクト輪郭認識部42では、リンゴの図柄の最外郭に対応する輪郭L1の位置情報が全て算出される。そしてオブジェクト輪郭認識部42で算出された輪郭L1の位置情報は、色変化方向決定部43に出力される。
色変化方向決定部43は、オブジェクト輪郭認識部42によって算出された輪郭L1を構成する全ての位置情報(X,Y)の中で隣り合う2点の位置情報を抽出し、その2点を結ぶ直線に対して垂直になる方向を色変化方向として決定する。図10は色変化方向決定部43が色変化方向を決定する処理概念の一例を示す図であり、図9に示した一部の領域Mを拡大したものである。色変化方向決定部43は、画像平面(XY平面)においてオブジェクトの輪郭L1上で隣り合う2点P1,P2を抽出し、その2点P1,P2を結ぶ直線(輪郭L1)に対して直角であり、かつ、2点P1,P2の中点Pxを通る直線L2を算出する。この直線L2は、次式、
で表される。この直線L2に沿った方向が領域Mにおける色変化方向となる。
そして色変化方向決定部43は、例えば輪郭近傍において彩度を変化させる彩度を変化させる位置(つまり、彩度変化点)となるX座標を決定し、そのX座標を上記数2の式に代入することによりY座標を決定する。X座標を決定する手法はどのような手法であっても良く、線形又は非線形に適宜X座標を決定する。例えば図10の場合、彩度変化を2段階としており、中点PxのX座標値に対して所定値を加算した座標値Xaと、更にその座標値Xaに対して同じ値を加算した座標値Xbが決定されている。そして各座標値Xa,Xbを数2の式に代入することにより、直線L2上のY座標値Ya,Ybが算出され、彩度変化点となる位置Pa,Pbの位置情報が得られる。ここで彩度変化点となる位置Pa,Pbがオブジェクトの内側に存在すれば、オブジェクトの内側からオブジェクトの輪郭に向かって2段階でオブジェクトの彩度を変化させることになるのに対し、位置Pa,Pbがオブジェクトの外側に存在すれば、オブジェクトの外側からオブジェクトの輪郭に向かって2段階で背景の彩度を変化させることになる。
色変化方向決定部43は、同様に、オブジェクトの輪郭L1上で隣り合う別の2点の位置情報を抽出し、その2点を結ぶ直線に対して垂直になる方向を色変化方向として決定する。このとき、先の処理で例えばオブジェクトの内側からオブジェクトの輪郭に向かってオブジェクトの彩度が変化させることが決定されている場合には、それと同じ方向、すなわちオブジェクトの内側からオブジェクトの輪郭に向かってオブジェクトの彩度が変化するように色変化方向を決定する。またこの場合において、彩度変化点となる位置を決定する際には、先の処理で決定された中点Pxと位置Paとの距離及び位置Paと位置Pbとの距離とほぼ等しくなるようにそれぞれの位置を決定する。このような処理をオブジェクトの輪郭L1の全体について行うことにより、図10に示すような彩度変化線La,Lbを決定することができる。そして色変化方向決定部43は、このようにして得られる情報を情報記憶部36に保存すると共に、色情報分析部44に出力する。
次に色情報分析部44は、色変化方向決定部43から得られる情報に基づいてオリジナルのカラー画像の色分析を行う。例えば、色変化方向決定部43においてオブジェクトの内側からオブジェクトの輪郭に向かってオブジェクトの彩度を変化させることが決定されている場合、色情報分析部44は、オブジェクト抽出部41で抽出されたオブジェクト領域内の色情報(色相、彩度、明度)を分析する。また色変化方向決定部43においてオブジェクトの外側(背景側)からオブジェクトの輪郭に向かって背景の彩度を変化させることが決定されている場合、色情報分析部44は、オブジェクト抽出部41で抽出されたオブジェクト領域外(すなわち、背景)の色情報(色相、彩度、明度)を分析する。したがって、図3に示した画像がオリジナルの画像である場合、色情報分析部44によってオブジェクトのHSL値(0,255,128)及び背景のHSL値(85,255,95)のいずれか一方が取得される。そして色情報分析部44は、オブジェクト又は背景のHSL値を色変化量決定部45に出力する。
色変化量決定部45は、輪郭近傍において変化させる彩度を決定し、その彩度を情報記憶部45に保存する。例えば、色情報分析部44から入力するオブジェクト又は背景のHSL値で表された彩度をS0、彩度変化量をD、輪郭L1からオブジェクトの内側又は外側に向かって彩度をN段階(ただし、Nは1以上の整数)変化させるとした場合、n番目(ただし、0≦n≦N)の彩度Snを算出する数式の一例を挙げると、次式、
で表される。尚、上記数3は、オブジェクトの輪郭L1に向かって彩度をN段階で低下させる場合の式である。数3の式で彩度Snを算出する場合、健常者がオリジナルの画像から受ける印象と異なった印象の画像になることを防止するためには、彩度変化量Dを100以下の値に設定することが好ましい。例えば上述のように彩度変化を2段階とする場合、色変化量決定部45は、N=2として数3に基づく演算を行うことにより、輪郭近傍でのオブジェクト又は背景の2段階の彩度を決定する。そして色変化量決定部45は、輪郭近傍の彩度を決定すると、その値を情報記憶部36に保存する。
また図6に示したように、オブジェクトの輪郭近傍において彩度を変化させると共に、オブジェクトの内側に彩度を変化させたドットを略均等な間隔で配置する場合、色変化量決定部45は、さらにオブジェクトの内側に埋め込むドットの彩度を決定する。例えば、オブジェクトの彩度をS0とし、彩度変化量をΔSとすると、オブジェクトの内側に埋め込むドットの彩度は(S0−ΔS)で求めることができる。この場合、健常者がオリジナルの画像から受ける印象と異なった印象の画像になることを防止するためには、彩度変化量ΔSは50以下の値に設定することが好ましい。そして色変化量決定部45は、このようにして決定した彩度の値も情報記憶部36に保存する。
次に彩度変化画像生成部46は、情報記憶部36に保存された情報に基づいて彩度を変化させたオブジェクト輪郭近傍の画像を生成する。例えば、図10のようにオブジェクトの内側において彩度を変化させる場合、輪郭L1と彩度変化線Laの間の領域に含まれる各画素のHSL値の彩度、および彩度変化線LaとLbの間の領域に含まれる各画素のHSL値の彩度のそれぞれを色変化量決定部45で決定された彩度に書き換えることにより、彩度を変化させたオブジェクト輪郭近傍の画像を生成する。またオブジェクトの内側にドットを埋め込む場合、彩度変化画像生成部46は、彩度を変化させたオブジェクト輪郭近傍の画像と共に、ドットを埋め込んだオブジェクト全体の画像を生成する。そして生成した画像を画像合成部47に出力する。
画像合成部47は、彩度変化画像生成部46から入力する彩度を変化させた画像と、画像記憶部35に保存されているオリジナルのカラー画像とを合成する。例えば、オリジナルのカラー画像において彩度変化が施された部分の画像を、彩度変化画像生成部46から入力した画像と置き換えることにより、画像合成が行われる。これにより、図4、図5又は図6に示した画像が生成される。そして最終的にオブジェクトの輪郭近傍においてオリジナルのカラー画像の彩度を変化させた画像データD2が出力される。
次にCPU20が画像処理プログラム9を実行することによって行われる処理手順の一例について説明する。図11及び図12は、CPU20によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、画像処理プログラム9が起動すると、CPU20は画像入力部31として機能し、オリジナルの画像データの入力を受け付ける(ステップS10)。そして画像データが入力されると、そのオリジナルの画像データを画像記憶部35に保存する。画像入力部31は、オリジナルの画像データを入力すると、その画像データを分析し(ステップS12)、彩度調整を行う必要があるか否かを判定する(ステップS13)。ここでは色覚障害者にとって色の判別が困難となる色の組合せが画像に含まれているか否かが分析され、その組合せが存在する場合、彩度調整を行うことが決定される。色覚障害者が判別困難な色の組合せとして、例えば赤と緑、灰色と水色、ピンクと灰色、黄緑と黄土色、薄緑と肌色などの組合せがあり、これらの組合せは画像処理プログラム9に設定されており、メモリ21や記憶部23に予め記憶されている。そして画像入力部31はオリジナルのカラー画像を分析してこれらの色の組合せが互いに隣り合う領域に存在する場合、ステップS13でYESと判断し、後続する処理に進む。尚、オリジナルのカラー画像に上述した色の組合せが存在しない場合、或いは、上述した色の組合せが存在する場合であってもそれらの色が互いに隣り合う領域に存在しない場合には、彩度を調整する必要がないのでステップS13からステップS24(図12)にスキップし、オリジナルのカラー画像をそのまま出力して処理を終了する。
オリジナルのカラー画像に上述した色の組合せが互いに隣り合う領域に存在している場合、CPU20では画像処理部32が機能する。そしてオリジナルのカラー画像に対してオブジェクト抽出処理を行い(ステップS14)、続いてオブジェクトの輪郭を認識する処理を行う(ステップS15)。これにより、上述した色の組合わせの境界部分がオブジェクトの輪郭として抽出される。そして色変化方向決定処理を行い、オブジェクトの内側又は外側での彩度を変化させる方向を決定すると共に、彩度変化点となる位置を決定する(ステップS16)。また色情報分析処理を行うことでオブジェクト又は背景のHSL値を求めた後(ステップS17)、色変化量決定処理を行うことでオブジェクトの輪郭近傍におけるオブジェクト又は背景の彩度を決定する(ステップS18)。
図12にフローチャートに移り、画像処理部32は、彩度変化画像生成処理を行い、彩度を変化させたオブジェクト輪郭近傍の画像を生成する(ステップS20)。そしてオブジェクトの内部に彩度を変化させたドットの配置を行うか否かを判断し(ステップS21)、ドット配置を行う場合はステップS22に進み、ドット配置を行わない場合はステップS23に進む。オブジェクト内部に彩度を変化させたドットを配置するか否かは、例えばユーザが操作入力部25を操作することによって選択可能となっている。そのため、画像処理部32は、ユーザによってドット配置が指定された場合、ステップS21でYESと判断する。
ドット配置を行う場合、画像処理部32は、ドットパターン作成処理を行う(ステップS22)。ここでは上述したように彩度変化量を50以下の値に設定してオブジェクトの彩度を変化させたドットの彩度を決定する。ひとつのドットは、複数画素からなる略矩形のブロック状ドットとして構成される。そして画像処理部32は、オブジェクトの色の彩度を変化させたドットをオブジェクトの内側の領域に略等間隔で複数配置することによりドットパターンを作成する。
次に画像処理部32は、画像合成処理を行う(ステップS23)。ここではステップS20で生成されたオブジェクト輪郭近傍の画像と、ステップS22で作成されたドットパターンとを、オリジナルのカラー画像に合成する処理が行われる。ただし、ステップS20のドットパターン作成処理が行われなかった場合には、ステップS20で生成されたオブジェクト輪郭近傍の画像だけがオリジナルのカラー画像に合成される。
そして最後にCPU20では画像出力部33が機能し、ステップS23で合成された画像を表示部24又は画像形成装置1に出力して処理を終了する(ステップS24)。
以上のような処理を行うことにより、例えばオリジナルのカラー画像が図3のような画像であった場合、表示部24に表示される画像、或いは、画像形成装置1によって印刷出力される画像は、図4、図5又は図6に示したような画像となる。
ここで図4の画像を色覚障害者が見た場合、図13に示すような画像として見える。すなわち、上述した画像処理によりオブジェクトの輪郭内側の彩度をオブジェクト本来の彩度よりも若干低下させているので、色覚障害者はオブジェクトの輪郭内側にグレー状の輪郭を視認することができるようになり、オブジェクトの外形を把握することができるようになる。特に図18の画像と比較すれば、図13の画像の方がオブジェクトの輪郭を把握し易いことが明らかである。
また図5の画像を色覚障害者が見た場合には、図14に示すような画像として見える。この場合もまた上述した画像処理によりオブジェクトの輪郭外側の彩度を背景本来の彩度よりも若干低下させているので、色覚障害者はオブジェクトの輪郭外側にグレー状の輪郭を視認することができるようになり、オブジェクトの外形を把握することができるようになる。この場合も、図18の画像と比較すれば、図14の画像の方がオブジェクトの輪郭を把握し易いことが明らかである。
さらに図6の画像を色覚障害者が見た場合には、図15に示すような画像として見える。この場合は、色覚障害者はオブジェクトの輪郭内側にグレー状の輪郭を視認できると共に、オブジェクト内部に配置したドットパターンが背景とは異なるパターンとして視認できるため、オブジェクトの外形を把握することができるようになる。この場合も、図18の画像と比較すれば、図15の画像の方がオブジェクトを把握し易いことが明らかである。
また図4、図5及び図6の処理例では、オブジェクトの輪郭近傍においてオブジェクトの内側又は外側から輪郭に向かって彩度を段階的(2段階)に低下させているので、色覚障害者がこれらの画像を見たときにはオブジェクトの輪郭に向かって次第にグレー状の輪郭が濃くなるように視認できるので、実際のオブジェクトの輪郭がどこにあるのかを把握し易くなっている。
このように画像処理装置は、色覚障害者に対してはオブジェクトの外形を把握し易い画像であって、健常者に対してはオリジナルの画像に近い印象を与えることができる画像を出力することができるようになっている。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。上述した第1の実施の形態では、オブジェクトの内側にドットを埋め込む場合、そのドットは単にオブジェクトの彩度を変化させたドットであったが、本実施形態ではオブジェクトの内側に埋め込むドットに任意の情報を付加する形態について説明する。尚、本実施形態でも画像処理システムの構成例は第1の実施の形態で説明したものと同様である。
図16は、上述のステップS22(図12参照)で画像処理部32がドットパターン作成処理を行う際に生成するひとつのドットの構成例を示す図である。図16に示すようにこのドットは、縦横それぞれ48画素の矩形状ブロックとして構成されており、ドット内には2304個の画素が含まれている。このうち、本実施形態ではドット内の所定位置にある8画素Xa,Xb,Xc,Xd,Xe,Xf,Xg,Xhを、ドットに情報を埋め込むための情報付加用画素としている。またドット内の別の所定位置にある3画素Y,Y,Yは情報付加用画素Xa〜Xhを検知するための位置決め用画素であり、さらに別の所定位置にある4画素Z,Z,Z,Zは画素列の方向性を検知するための方向検出用画素である。
画像処理部32がドットパターンの作成を行う際、上述した情報付加用画素Xa〜Xh、位置決め用画素Yおよび方向検出用画素Zを除く画素は全てオブジェクトの彩度を変化させた色の画素とし、ドット全体の色を表現する。そして情報付加用画素Xa〜Xhに対しては所定のルールに基づいてオンオフ状態を制御することにより、これら8画素に特定の情報を付加する。また、位置決め用画素Yおよび方向検出用画素Zに対しては所定のルールに基づいてオンオフ状態を設定しておくことにより、これらの画素に位置決め機能や方向検出機能を持たせておく。
例えば、情報付加用画素Xa〜Xhに対してオリジナルのカラー画像におけるオブジェクトの色情報(HSL値)を埋め込んでおくことにより、合成されたカラー画像が出力された場合であってもその出力画像を読み取れば、位置決め用画素Yおよび方向検出用画素Zの配列状態から情報付加用画素Xa〜Xhを特定してドットに埋め込まれた情報を読み出すことができるので、オリジナルのカラー画像におけるオブジェクトの色情報を取得することができるようになる。そのため、画像処理装置から出力される彩度変化が施されたカラー画像からオリジナルのカラー画像を再現することが可能になる。
尚、情報付加用画素Xa〜Xhに埋め込む情報は、オリジナルのカラー画像におけるオブジェクトの色情報(HSL値)に限られるものではなく、コピー禁止情報やユーザが操作入力部25から入力する情報など任意の情報を埋め込むことができる。また、オブジェクトの内側に配置される複数のドットに対して同じ情報を付加することもできるし、それぞれ異なる情報を付加することもできる。
このように本実施形態では、オブジェクトの内側にドット配置を行う場合、ドット内の所定の画素をオンオフ制御することによって各ドットに任意の情報を埋め込むので、画像処理装置から出力される画像に任意の情報を付加することができる。特に、ドット内に埋め込む情報を、オリジナルのカラー画像におけるオブジェクトの色情報としておけば、画像処理装置から出力される画像からオリジナルのカラー画像を再現することができるようになる。
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、画像処理システムにおいてコンピュータ2が画像処理プログラム9を実行することにより、画像処理装置として機能する場合を例示した。本実施形態では、画像形成装置1が上述した画像処理装置として機能する場合を例示する。
図17は、本実施形態における画像形成装置1及びコンピュータ2の機能的な内部構成を示すブロック図である。図17に示すように本実施形態では、画像処理プログラム9は画像形成装置1の記憶部13に記憶されており、画像形成装置1のCPU10がこの画像処理プログラム9を読み出して実行することにより画像入力部31、画像処理部32及び画像出力部33として機能し、画像形成装置1の全体が上述した画像処理装置として機能する。画像入力部31、画像処理部32及び画像出力部33の詳細な構成は第1の実施の形態と同様である。特に画像処理部32の詳細な構成は、図7に示したものと同様である。またCPU10が画像処理プログラム9を実行することによって行われる処理手順は、図11及び図12に示した処理手順と同様である。
したがって、本実施形態では画像形成装置1がコンピュータ2からオリジナルのカラー画像を入力したとき、或いは、スキャナ部15が原稿を読み取ってオリジナルのカラー画像を入力したとき、それらのカラー画像に色覚障害者が判別困難な色の組合せが含まれている場合には画像処理部32による画像処理が行われ、色覚障害者に対してはオブジェクトの外形を把握し易い画像であって、健常者に対してはオリジナルの画像に近い印象を与えることができる画像を印刷して出力することができるようになる。
尚、本実施形態でもオブジェクトの内側にドット配置を行う場合には、第2の実施の形態で説明しいたように、ドット内の所定の画素をオンオフ制御することによって各ドットに任意の情報を埋め込むように構成しても良い。
(変形例)
以上、本発明に関する好ましい実施の形態について説明したが、本発明は上述した内容に限定されるものではない。つまり、本発明には上述した内容の他、種々の変形例が適用可能である。
例えば、上述の実施形態では、画像形成装置1が複合機やMFPなどの装置である場合を例示したが、画像形成装置1はプリンタ機能のみを備えたプリンタ装置であっても構わない。この場合、プリンタ装置が第3の実施の形態で説明したように上述した画像処理装置としての機能を備える構成としても良い。
また上述の実施形態では、CPU10,20が画像処理プログラム9を実行することにより、画像形成装置1又はコンピュータ2が本発明にかかる画像処理装置として機能する場合を例示したが、例えば図7に示した画像処理部32の各部を専用の集積回路で実現したハードウェア構成としても良いし、或いは専用のハードウェアに対して専用のソフトウェアを組み込んだファームウェア構成としても良い。
また上述の実施形態では、彩度変化画像生成部46が彩度を変化させたオブジェクト輪郭近傍の画像を生成し、画像合成部47が彩度を変化させたオブジェクト近傍の画像とオリジナルのカラー画像とを合成してオリジナルのカラー画像の彩度を変化させた画像を出力する場合について説明したが、例えば彩度変化画像生成部46がオリジナルのカラー画像に対して直接彩度を書き換える処理を行うように構成しても良い。この場合、画像合成部47を設ける必要がなくなるので処理効率が向上する。
また上述の実施形態では、彩度を変化させる処理の一例として彩度を低下させる場合を例示したが、オブジェクトの輪郭近傍において彩度を上げるようにしても良い。上述したように彩度を低下させる場合、色覚障害者はオブジェクトの輪郭近傍にグレー状の輪郭を視認することができるようになるのに対し、彩度を上げる場合はオブジェクトの輪郭近傍に白色状の輪郭を視認することができるようになる。
また上述の実施形態では、オブジェクトの輪郭近傍においてオブジェクトの内側及び外側のいずれか一方でカラー画像の彩度を変化させる場合について説明したが、オブジェクトの内側及び外側の両方でカラー画像の彩度を変化させるように構成しても良い。それ故、オブジェクトの輪郭近傍においてカラー画像の彩度を変化させるのは、オブジェクトの内側及び外側の少なくとも一方であれば良い。
画像処理システムの一構成例を示す概略図である。 第1の実施の形態における画像形成装置及びコンピュータの機能的な内部構成を示すブロック図である。 オリジナルのカラー画像の一例を示す図であり、緑色の背景の中央に赤色のオブジェクト(リンゴの図柄)が表現されたカラー画像をグレースケールで表した図である。 図3のカラー画像に対し、オブジェクトの輪郭近傍においてオブジェクトの内側から輪郭に向かってオブジェクトの彩度を2段階低下させた場合の処理結果の一例を示す図である。 図3のカラー画像に対し、オブジェクトの輪郭近傍においてオブジェクトの外側(背景側)から輪郭に向かって背景の彩度を2段階低下させた場合の処理結果の一例を示す図である。 図3のカラー画像に対し、オブジェクトの輪郭近傍においてオブジェクトの内側から輪郭に向かってオブジェクトの彩度を2段階低下させると共に、オブジェクトの内側に彩度を変化させたドットを略均等な間隔で配置した場合の処理結果の一例を示す図である。 画像処理部の詳細な一構成例を示すブロック図である。 オブジェクト抽出部によるオブジェクト抽出処理の一例を示す図である。 オブジェクト輪郭認識部によって算出されるオブジェクト領域の輪郭を実線で示した図である。 色変化方向決定部が色変化方向を決定する処理概念の一例を示す図であり、図9に示した一部の領域Mを拡大した図である。 CPUが画像処理プログラムを実行することによる処理手順の一例を示すフローチャートである。 CPUが画像処理プログラムを実行することによる処理手順の一例を示すフローチャートである。 図4の画像を色覚障害者が見た場合に視認される画像を表した図である。 図5の画像を色覚障害者が見た場合に視認される画像を表した図である。 図6の画像を色覚障害者が見た場合に視認される画像を表した図である。 第2の実施の形態でドットに情報を埋め込む場合のドットの構成例を示す図である。 第3の実施の形態における画像形成装置及びコンピュータの機能的な内部構成を示すブロック図である。 図3の画像を色覚障害者が見た場合に視認される画像を表した図である。
符号の説明
1 画像形成装置(画像処理措置)
2 コンピュータ(画像処理装置)
9 画像処理プログラム
11 メモリ(記憶手段)
13 記憶部(記憶手段)
16 印刷部(印刷手段)
21 メモリ(記憶手段)
23 記憶部(記憶手段)
24 表示部(表示手段)
31 画像入力部
32 画像処理部
33 画像出力部
35 画像記憶部
36 情報記憶部
41 オブジェクト抽出部(オブジェクト抽出手段)
42 オブジェクト輪郭認識部(オブジェクト輪郭認識手段)
43 色変化方向決定部
44 色情報分析部
45 色変化量決定部
46 彩度変化画像生成部(画像生成手段)
47 画像合成部(画像生成手段)

Claims (12)

  1. カラー画像を入力する画像入力手段と、
    前記カラー画像に含まれるオブジェクトを抽出するオブジェクト抽出手段と、
    前記オブジェクトの輪郭を認識するオブジェクト輪郭認識手段と、
    前記オブジェクトの輪郭近傍において前記オブジェクトの内側及び外側の少なくとも一方で前記カラー画像の彩度を変化させた画像を生成する画像生成手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記画像生成手段は、前記オブジェクトの輪郭近傍において前記カラー画像の彩度を段階的に変化させることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記画像生成手段は、前記オブジェクトの輪郭に向かって前記カラー画像の彩度を段階的に低下させることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記画像生成手段は、前記オブジェクトの内側において前記オブジェクトの色の彩度を変化させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像処理装置。
  5. 前記画像生成手段は、前記オブジェクトの外側において前記オブジェクトの外側の色の彩度を変化させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像処理装置。
  6. 前記画像生成手段は、前記オブジェクトの色の彩度を変化させたドットを前記オブジェクトの内側に略等間隔で配置することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理装置。
  7. 前記画像生成手段は、前記ドットを複数画素からなる略矩形状のブロック構造とし、該ブロック構造における所定の画素をオンオフ制御することによって前記ドット内に情報を埋め込むことを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
  8. 前記ドット内に埋め込む情報は、前記オブジェクトの色に関する情報であることを特徴とする請求項7記載の画像処理装置。
  9. 前記画像生成手段によって生成される画像を表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の画像処理装置。
  10. 前記画像生成手段によって生成される画像を印刷する印刷手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の画像処理装置。
  11. 色覚障害者が判別困難な色の組合せを記憶する記憶手段を更に備え、
    前記画像生成手段は、前記記憶手段に記憶されている色の組合せと同じ組合せが前記カラー画像に含まれている場合に、前記カラー画像の彩度を変化させた画像を生成することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の画像処理装置。
  12. コンピュータを、
    カラー画像を入力する画像入力手段、
    前記カラー画像に含まれるオブジェクトを抽出するオブジェクト抽出手段、
    前記オブジェクトの輪郭を認識するオブジェクト輪郭認識手段、及び、
    前記オブジェクトの輪郭近傍において前記オブジェクトの内側及び外側の少なくとも一方で前記カラー画像の彩度を変化させた画像を生成する画像生成手段、
    として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
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