JP2010002077A - 太陽熱集熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蛍光体による太陽光の波長変換光を利用した、簡便な構造で高い熱密度が得られる太陽熱集熱装置を提供する。
【解決手段】太陽光エネルギーを利用する太陽熱集熱装置であって、太陽光の少なくとも一部を吸収して異なる波長の光に変換する波長変換部と、波長変換部から発せられる光を吸収して発熱する蓄熱部とを備える太陽熱集熱装置に関する。該太陽熱集熱装置は、波長変換部が、蛍光体を含有することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽熱集熱装置に関する。さらに詳しくは、太陽光エネルギーを熱エネルギーとして利用する太陽熱集熱装置に関する。
近年、環境調和の観点から、太陽光エネルギーの利用に関する関心が高まっている。太陽光エネルギーを利用した装置の一つとして、太陽熱集熱装置を利用した温水器が挙げられる。
従来の太陽熱集熱装置の一つとして、平板型集熱装置が挙げられる。図9は、従来の平面型集熱装置の構造の一形態を示す斜視図である。以下、図9に基づいて説明する。
平面型集熱装置は、波長変換部301と熱媒体302とを備え、波長変換部301は、集熱板303、ケーシング304およびガラス板305を備える。該平面型集熱装置は、ケーシング304内部に、集熱板303と熱媒体302とを配置しており、集熱板303と熱媒体302とは、直接接触した構造を有している。そして、該平面型集熱装置において、太陽光を吸収して発熱した集熱板303の熱が熱媒体302に直接伝わることで、熱媒体302が昇温する。平板型集熱装置は、その構造の単純さから、広く普及している太陽熱集熱装置である。
また、集光式の太陽熱集熱装置として、複合パラボラ(CPC:Compound Parabolic Concentrator)型集熱装置が提案されている(たとえば、特開2004−278837号公報(特許文献1)参照)。該複合パラボラ型集熱装置においては、二次元桶型の反射鏡を用いることで、太陽光を焦点に集光することができる。該複合パラボラ型集光装置の特徴としては、太陽光追尾システムが不要、太陽光を集光することで平板型集熱装置に比べて高温に加熱できるなどの長所が見られる。
特開2004−278837号公報
しかしながら、従来の平板型集熱装置においては、波長変換部301が太陽光を集光するような構造ではないため、熱媒体302を高温に加熱することができないという問題があった。また、複合パラボラ型集熱装置においては、集光能力が高く熱媒体を十分高温に加熱することができるが、構造の複雑さのために装置が高価になり、結果として普及の障害となっていた。
本発明は、以上のような事情を鑑み、蛍光体による太陽光の波長変換光を利用した、簡便な構造で高い熱密度が得られる太陽熱集熱装置の提供を目的とする。
本発明者は、目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、波長変換部を用いて太陽光の波長変換を行い、波長変換により得られる光を集光することにより、簡便な構造で高い熱密度が得られる太陽熱集熱装置を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、太陽光エネルギーを利用する太陽熱集熱装置であって、太陽光の少なくとも一部を吸収して異なる波長の光に変換する波長変換部と、波長変換部から発せられる光を吸収して発熱する蓄熱部とを備える太陽熱集熱装置に関する。
また、本発明の太陽熱集熱装置は、波長変換部が、蛍光体を含有することが好ましい。
また、本発明の太陽熱集熱装置は、蛍光体が、半導体微粒子であることが好ましい。
また、本発明の太陽熱集熱装置は、半導体微粒子が、III−V族化合物半導体材料からなることが好ましい。
また、本発明の太陽熱集熱装置は、半導体微粒子が、コア/シェル構造を有することが好ましい。
また、本発明の太陽熱集熱装置は、蛍光体が、赤外波長の蛍光を発することが好ましい。
また、本発明の太陽熱集熱装置は、蛍光体が、溶液中に分散されていることが好ましい。
また、本発明の太陽熱集熱装置は、蛍光体が、光透過性材料に被膜されてなることが好ましい。
また、本発明の太陽熱集熱装置は、波長変換部の少なくとも一部が、波長選択反射材で覆われてなることが好ましい。
また、本発明の太陽熱集熱装置において、蓄熱部は、熱媒体を備え、熱媒体が、水であることが好ましい。
また、本発明の太陽熱集熱装置において、蓄熱部は、熱媒体を備え、熱媒体が、エチレングリコール、ポリプロピレングリコールのいずれかであることが好ましい。
また、本発明の太陽熱集熱装置において、蓄熱部は、熱媒体と断熱材とを備え、熱媒体は、少なくとも一部が断熱材に覆われてなることが好ましい。
また、本発明の太陽熱集熱装置は、波長変換部と蓄熱部とが、空間的に離れていることが好ましい。
また、本発明の太陽熱集熱装置は、波長変換部から発せられる光が、光伝送部を通じて、蓄熱部に照射されることが好ましい。
本発明の第1の要旨は、波長変換部により太陽光を太陽光とは異なる波長の光に変換させ、該光を蓄熱部に吸収させることで、高い熱密度が得られる太陽熱集熱装置が得られることにある。また、本発明の太陽熱集熱装置は、波長変換部、蓄熱部から構成され、非常に単純な構造である。
また、本発明の第2の要旨は、光伝送部を介することにより、蓄熱部が波長変換部と直接接触しておらず、該波長変換部と空間的に離れた場合であっても、蓄熱部を加熱できる太陽熱集熱装置が得られることにある。
ここで、本明細書において、略直方体状の波長変換部101および光透過性材料104において太陽光を取り込む面を「上面」とし、該上面と対向する面を「下面」とする。そして、「上面」および「下面」以外の面について側面と呼ぶ。
本発明によれば、簡便な構造で高い熱密度が得られる太陽熱集熱装置を提供することができる。
以下、本願の図面において、同一の符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。また、図面における長さ、大きさ、幅などの寸法関係は、図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の寸法を表してはいない。
[第1の実施形態]
図1は、本発明における一実施形態の太陽熱集熱装置の模式的な斜視図である。また、図2は、図1における当該太陽熱集熱装置のII−II線に沿った模式的な断面図である。以下、図1および図2に基づいて説明する。
本発明の太陽熱集熱装置100は、波長変換部101と蓄熱部102とを備える。そして、波長変換部101は、太陽光の少なくとも一部を吸収して異なる波長に変換する機能を有する。蓄熱部102は、波長変換部101の発光を吸収して発熱し、該発光由来の熱エネルギーを蓄える機能を有する。
まず、波長変換部101の構成について説明する。波長変換部101は、蛍光体103を含有する光透過性材料104と、波長選択反射材105と、反射材106とを備える。本実施形態においては、蛍光体103を保持する光透過性材料104が直方体状に形成されており、該光透過性材料104の上面を被覆するように波長選択反射材105が配置されている。そして、該光透過性材料104の一側面以外の三側面、および下面については、反射材106によって被覆されている。ただし、波長選択反射材105および反射材106の構成については、適宜選択することができる。
次に、蓄熱部102の構成について説明する。なお、図1においては、蓄熱部102は、説明のため一部のみしか描写していない。蓄熱部102は、熱媒体107と断熱材108とを備える。本実施形態においては、熱媒体107は第1透光性容器によって保持され、該透光性容器を断熱材108が被覆している。そして、断熱材108は、第2透光性容器によって保持されている。そして、断熱材108の材質は、高い透光性を有するものであることが好ましい。
次に、太陽熱集熱装置100の動作について説明する。波長変換部101に太陽光が照射されると、波長変換部101上面から太陽光を取り込み、光透過性材料104を透過して、蛍光体103で吸収される。蛍光体103は太陽光を吸収後、蛍光を発する。この蛍光は光透過性材料104を透過し、波長変換部101の側面の少なくとも一部から取り出される。本実施形態においては、該蛍光は、光透過性材料104における反射材106で被覆されていない面から取り出される。なお、図1に示す形態においては、波長変換部101の一面にのみ蓄熱部102が配置されており、他の3面は反射材106に覆われているが、この数を制限する必要はなく、たとえば2面が蓄熱部で2面が反射材である場合でも当然差し支えない。
蓄熱部102は、波長変換部101からの該蛍光(発光)を吸収して、熱エネルギーに変換する。まず、該蛍光は、第1透光性容器、第2透光性容器および断熱材108を通過して熱媒体102に到達する。そして、熱媒体102において該蛍光は、熱エネルギーに変換され、同時に蓄えられる。熱媒体102は、断熱材107に覆われているため、蓄えられた熱エネルギーが該蓄熱部102の外部に放出することを抑制することができる。
本実施形態の太陽熱集熱装置100は、簡便な構造で高い熱密度が得られるものである。以下、各部材の構成、材料について説明する。
<蛍光体>
本実施形態において、蛍光体103とは、励起光の少なくとも一部を吸収し、励起光より長波長の光を放出する特性を有するものを指す。本発明における蛍光体103は、励起光が太陽光となるため、可視光波長領域内の広い波長域で光を吸収する特性が求められる。蛍光体103による太陽光の吸収率としては、40%以上が好ましく、さらに好ましくは60%以上、最も好ましくは80%以上である。蛍光体の光吸収率は、分光光度計を用いて測定することができる。
また、蛍光体の蛍光波長帯は赤外波長域であることが特に好ましい。これは、該赤外波長域は、太陽光の波長域と異なるため、波長選択反射材105における蛍光の閉じ込めが容易であること、また水などの熱媒体に効率的に吸収させることができるなどの特徴があるためである。蛍光体の蛍光波長は、蛍光分光光度計を用いて測定することができる。ここで赤外波長域の光とは、波長が0.7〜1000μmの電磁波を示す。
また、蛍光体は、強い励起光の照射によっても劣化しにくい耐光性と、水分・酸素に対する耐久性とを備えていることが好ましい。また、蛍光体は、太陽熱集熱装置100の稼動時に太陽光照射による昇温が生じる虞があるため、良好な温度特性を有することが好ましい。蛍光体としては、有機色素蛍光体、希土類賦活蛍光体、半導体微粒子蛍光体などが例示されるが、上記の条件を満たす蛍光体材料としては、特に半導体微粒子蛍光体が好ましい。
本発明における希土類賦活蛍光体としては、無機材料中に希土類元素を添加することで、希土類元素の電子準位間の遷移により発光する材料を示す。本発明においては、M・Nd(WO42、M・Nd(MoO42などが例示される(但し、Mは、Li、Na、Kから選ばれる一つの金属元素を指す)。
本発明における有機色素としては、ローダミンB、ローダミン6Gなどが例示される。かかる有機色素は、一般に、染料・顔料と呼称されることもある。本発明における蛍光体は、一度有機溶媒に溶解・分散させた後、光透過性材料104の前駆体に混合し硬化させることで、樹脂に担持させた状態で使用することができる。また、当該蛍光体は、粉体の状態で光透過性材料104の前駆体と混練してもよい。
≪半導体微粒子蛍光体≫
本発明における半導体微粒子とは、粒子径が数nm程度の半導体微結晶のことを示す。半導体結晶を数nm程度まで小さくすると、量子閉じ込め効果により、バンドギャップが変化する。したがって、粒子径を制御することにより、発光波長を制御することが可能である。また、材料が半導体のため、電子準位がバンド状に広がっていることより、広い波長範囲で光吸収が生じる。したがって半導体微粒子は、蛍光波長の選択制御性や、励起波長を選ばない点で、蛍光体として非常に優れた特性を示す。このような半導体微粒子は、コロイド粒子、ナノ粒子、あるいは量子ドット等とも呼称される場合がある。
半導体微粒子の材料としては、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)等のI族元素と、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、よう素(I)等のVII族元素からなるI−VII族化合物半導体、
亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)等のII族元素と、酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)等のVI族元素からなるII−VI族化合物半導体、
アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)等のIII族元素と、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)等のV族元素からなるIII−V族化合物半導体、
炭素(C)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)等のIV族元素半導体、
炭素(C)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)等のIV族元素と、酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)等のVI族元素からなるIV−VI族化合物半導体、
およびこれらの混晶が挙げられる。この中でも、原子間の結合が強いIII−V族化合物半導体材料が、安定性の観点から、好ましい。この中でも、赤外発光を示すヒ化インジウム(InAs)、インジウムアンチモン(InSb)、およびこれらの混晶が、特に好ましい。
半導体微粒子の合成には、ホットソープ法、逆ミセル法に代表される公知の方法を用いて合成することができる。
また、当該半導体微粒子蛍光体は、コア/シェル構造を有することが好ましい。コア/シェル構造とは、上記半導体微粒子(コア)の表面を、異なる材料(シェル)で覆うことで、外界からの悪影響を緩和させることが可能となる。したがって、コア/シェル構造を有した半導体微粒子蛍光体は、耐久性が向上する。本明細書においてA/Bと記載する場合には、AがコアでBがシェルを示すものとする。
コアシェル構造半導体微粒子のシェル材料は、コアよりも大きいバンドギャップを有することが好ましい。上記条件を満たす材料としては、I−VII族化合物半導体、II−VI族化合物半導体、III−V族化合物半導体、IV族元素半導体、IV−VI族化合物半導体などが挙げられるが、特に塩化銅(CuCl)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、炭素化シリコン(SiC)およびこれらの混晶が特に好ましい。
<光透過性材料>
本発明における光透過性材料104とは、蛍光体を分散させた状態で保持できる機能を有する材料で、かつ励起光波長および蛍光体の発する蛍光波長に透明であるという特性が望まれる。また、当該光透過性材料104は、蛍光体の保護部材としての役割も求められることから、酸素・水分を通さない特性を有する材料であることが、特に好ましい。また、太陽光照射による昇温が生じるため、耐熱性が要求される。上記の条件を満たす光透過性材料としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、尿素樹脂等に代表される樹脂や、ガラス、アルミナ、イットリア等に代表される透光性無機材料が挙げられる。
また、当該光透過性材料104には、有機溶剤や水などの溶媒を用いてもよい。かかる有機溶剤としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールなどに代表されるアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどに代表されるケトン類、ペンタン、ヘキサンなどのアルカン類が例示される。当該溶液を用いると、太陽熱集熱装置の蛍光体の交換が容易になるため、メンテナンス性が大幅に向上する。
<反射材>
本発明における反射材106とは、蛍光体103の発する蛍光を反射する機能を有する材料である。当該反射材106を用いることにより、蛍光体103の発する蛍光を、外部に逃すことなく蓄熱部102に伝播させることができ、その結果当該太陽熱集熱装置の効率を向上させることができる。反射材106の反射率としては、蛍光体103の発する蛍光波長において、40%以上が好ましく、さらに好ましくは60%以上、最も好ましくは、80%以上の反射率である。材料の反射率は、分光光度計を用いて測定することができる。上記条件を満たす反射材106としては、金・銀・白金・アルミニウム・クロム・ニッケル材料を用いた金属膜ミラーなどが例示される。
<波長選択反射材>
本発明における波長選択反射材105とは、太陽光に透明であり、かつ蛍光体103の発光波長で反射する機能を有する材料である。当該波長選択反射材105を用いることにより、蛍光体103の発光を外部に逃すことなく、太陽光を蛍光体103に照射させることが可能となる。当該波長選択反射材の太陽光の透過率としては、40%以上が好ましく、さらに好ましくは60%、最も好ましくは80%以上である。当該波長選択反射材の蛍光体の発光波長での反射率としては、40%以上が好ましく、さらに好ましくは60%、最も好ましくは80%以上である。上記条件を満たす波長選択反射材105としては、絶縁体多層膜からなるダイクロイックミラー等が例示される。
<熱媒体>
本発明における熱媒体107とは、波長変換部101の発光の少なくとも一部を吸収して発熱し、かつその熱エネルギーを蓄える機能が求められる。また、熱容量が大きいと、熱密度の観点からより好ましい。上記条件を満たす熱媒体107としては、水・エチレングリコール・ポリプロピレングリコールなどが例示される。この中でも、安価で安全であることから水が好ましく、融点が低く寒冷地でも使用可能であることから、エチレングリコール・ポリプロピレングリコールが好ましい。
<断熱材>
本発明における断熱材108とは、熱媒体107に蓄えられたエネルギーが、放熱により損失するのを低減させる機能が求められる。上記条件を満たす断熱材108としては、真空状態や熱伝導率の低い希ガス等を利用することができる。つまり、上述した第2透光性容器の内部を真空にしたり、希ガスで充満させることで、真空状態および希ガスの充満状態を断熱材108とすることができる。また、断熱材108としては、熱伝導率の低い樹脂などを例示することもできる。
上述した各部材の材料については、以下の他の実施形態においても適宜選択して用いることができる。
[第2の実施形態]
図3は、本発明における一実施形態の太陽熱集熱装置の模式的な斜視図である。また、図4は、図3における当該太陽熱集熱装置のIV−IV線に沿った模式的な断面図である。以下、図3および図4に基づいて説明する。
本発明の太陽熱集熱装置400は、波長変換部401と蓄熱部402とを備える。そして、波長変換部401は、太陽光の少なくとも一部を吸収して異なる波長に変換する機能を有する。蓄熱部402は、波長変換部401の発光を吸収して発熱し、該発光由来の熱エネルギーを蓄える機能を有する。
そして、第1の実施形態と同様に波長変換部401は、蛍光体403を含有する光透過性材料404と、波長選択反射材405と、反射材406とを備える。そして、第1の実施形態と同様に蓄熱部402は、熱媒体407と断熱材408とを備える。熱媒体407は第1透光性容器によって保持され、該透光性容器を断熱材408が被覆している。そして、断熱材408は、第2透光性容器によって保持されている。
ただし、本実施形態は、第1の実施形態と異なり、蓄熱部402が、波長変換部401に埋め込まれた構造をしている。本実施形態によると、第1の実施形態に示す構造に比べて、蓄熱部402と波長変換部401の接する面積が大きくなるため、より効率よく蛍光体403の発光を熱媒体407に吸収させることが可能となる。
[第3の実施形態]
図5は、本発明における一実施形態の太陽熱集熱装置の模式的な斜視図である。以下、図5に基づいて説明する。
本発明の太陽熱集熱装置600は、蛍光体603と波長選択反射材604と、反射材605とを備える。また、太陽熱集熱装置600においては上述の「光透過性材料」を備えず、熱媒体602の中に蛍光体603が分散している状態となっている。
太陽熱集熱装置600は、断熱材606を用いることにより、より効率を向上させることができる。断熱材606は、熱媒体602の少なくとも一部を覆っていることが好ましい。あるいは、波長選択反射材604、反射材605の外側の少なくとも一部を覆っていても、同様の効果が得られる。当該断熱材606としては、第1の実施形態と同様、真空や希ガスを封入した第2透光性容器を用いることができる。
本実施形態の構成によると、より簡便な構造で太陽熱集熱装置を構成できる利点がある。
[第4の実施形態]
図6は、本発明における一実施形態の太陽熱集熱装置の模式的な斜視図である。以下、図6に基づいて説明する。
本発明の太陽熱集熱装置700は、波長変換部701と、光伝送部702と、蓄熱部(図示せず)とを備える。そして、波長変換部701は、太陽光の少なくとも一部を吸収して異なる波長に変換する機能を有する。蓄熱部は、波長変換部701の発光を吸収して発熱し、該発光由来の熱エネルギーを蓄える機能を有する。光伝送部702は、波長変換部701と蓄熱部(図6では省略)が空間的に離れている場合において、波長変換部701と蓄熱部とを結びつけるはたらきがある。本実施形態においては、蓄熱部は、上述したものと同様の構成のものを採用することができる。
そして、第1の実施形態と同様に波長変換部701は、蛍光体703を含有する光透過性材料704と、波長選択反射材705と、反射材706とを備える。光伝送部702は、波長変換部701の発光(蛍光)を集光する集光部材707と、光伝送材708から伝播された発光を蓄熱部に伝播する光伝送材708とから構成される。本実施形態においては、太陽熱集熱装置700は、光伝送部702を介して、波長変換部701と蓄熱部(図7では省略)が空間的に離れていても良い。本実施形態においては、該太陽熱集熱装置700の設計に自由度が生まれる点で好ましい。
本発明における集光部材707とは、波長変換部701の発する蛍光を集光して、光伝送材708に伝える機能を有する。上記条件を満たす集光部材707としては、レンズや光カプラ等が例示される。
本発明における光伝送材708とは、波長変換部701の発する蛍光を、空間的に離れた蓄熱部まで伝える機能を有する。上記条件を満たす光伝送材708としては、光ファイバーなどが例示される。
[第5の実施形態]
図7は、本発明における一実施形態の太陽熱集熱装置の模式的な斜視図である。図8は、図7における当該太陽熱集熱装置のVIII−VIII線に沿った模式的な断面図である。以下、図7および図8に基づいて説明する。
本実施形態においては、波長変換部801は、蛍光体803を光透過性材料804に分散させ、円筒状に成型した後、波長選択反射材805で側面が覆われた構造を有している。また、当該波長変換部801の光出射面に、集光部材806および光伝送材807からなる光伝送部802を介して蓄熱部(図8、9では省略)と接続している。光伝送材802により、波長変換部801から空間的に離れた蓄熱部を加熱することができる。また、本実施形態の波長変換部801の構造は第4の実施形態の波長変換部701と比べて、波長変換部と光伝送部との接続損失が小さく、効率よく蓄熱部に光を伝送できる点で優れている。また、波長変換部が円筒状の構造をしていることで反射による光閉じ込めが可能となるため、第1〜4の実施形態の平面型の波長変換部に比べて、蛍光体の発光を無駄なく利用することが可能な点で優れている。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下実施例において表記の光吸収率・反射率は、株式会社日立ハイテクノロジーズ製分光光度計U−4100を、発光特性は、JOBIN YVON社製蛍光分光光度計FluoroMax−3を用いて測定を行なった。また、以下に示す実施例および比較例の各構成要素の材料等は表1にまとめて表示する。
[実施例1]
以下、図1および図2を参照して説明する。本実施例においては、図1および図2に示す構造を有する太陽熱集熱装置100を作製した。
波長変換部101においては、蛍光体103に、粒子径7.2nmのInAs半導体微粒子を用いた。該InAs半導体微粒子の発光特性は、ピーク波長が2.9μmであることを確認した。また、光透過性材料104には、シリコーン樹脂を用いた。また、反射材106には、Al金属膜を用いた。また、波長選択反射材105には、誘電体多層膜から構成されるダイクロイックミラーを用いた。
波長変換部101の製造方法は、以下のとおりとした。まず、蛍光体103を軟化させた該光透過性材料104に分散させ、層状に直方体状に成型し硬化させた。そして、硬化させた該光透過性材料104の下側部および、発光取り出し部としての1側面部以外の3側面部を、反射材106で覆った。また、当該光透過性材料104の上面部は、波長選択反射材105で覆った。
蓄熱部102においては、第1透光性容器および第2透光性容器が二重構造を有するガラス管を用いた。そして、第1透光性容器には、熱媒体107としての10℃の水を満たした。第2透光性容器の内部と第1透光性容器の外部とで形成される空間は、断熱材108とするために真空とした。そして、当該波長変換部101の発光取り出し部に該蓄熱部102を配置した。
本実施例においては、太陽熱集熱装置100に対して冬季の最高気温9℃、日照時間4時間30分の条件で太陽光を照射した。その結果、熱媒体107が50℃まで昇温することを確認した。
[実施例2]
本実施例においては、波長選択反射材を備えていない以外は全て実施例1と同様に製造した太陽熱集熱装置について検討した。
上記の構造を有する太陽熱集熱装置の熱媒体107に、10℃の水を供給し、実施例1と同一の条件で太陽光を照射したところ、熱媒体が38℃まで昇温することを確認した。
[実施例3]
本比較例においては、断熱材を備えていない以外は全て実施例1と同様に製造した太陽熱集熱装置について検討した。
上記の構造を有する太陽熱集熱装置において、実施例1と同一の条件で太陽光を照射したところ、熱媒体107が40℃まで昇温することを確認した。
[比較例1]
本比較例においては、従来の集熱装置を用いた太陽熱集熱装置について検討した。図9に、本比較例1における、太陽熱集熱装置の模式図を示す。
鋼板を上面の空いた箱状に成型して、ケーシング304とした。作製したケーシング304の内側底部に、黒色塗料を塗布した集熱板303を配置した。さらに、ケーシング304内部に、水を満たし、熱媒体302とした。その上で、ケーシング304上部を、太陽光に透明なガラス板305を取り付け、太陽熱集熱装置とした。
上記構造を有する太陽熱集熱装置において、実施例1と同一の条件で太陽光を照射したところ、熱媒体が32℃まで昇温することを確認した。
<検討結果>
これは、比較例1に示す太陽熱集熱装置に比べて、実施例1〜3に示す太陽熱集熱装置は、高い集熱効率を示すことが確認できた。これは、実施例1〜3は、波長変換部101を用いて、太陽エネルギーを集めることにより、高い熱密度が得られたことに対して、比較例1においては、集光することができなかったためである。
また、実施例1〜3は、全て高い集熱効率を示したが、特に実施例1が高い集熱効率を示すことが分かった。これは、実施例2は、実施例1と比較すると、波長選択反射材を備えないため、蛍光(発光)が漏れてしまったためであり、実施例3は、実施例1と比較すると断熱材を備えないため、熱媒体の熱が放射されてしまうためであると考えられた。以上より、選択波長反射材105、断熱材108を備えることが特に好ましいことが分かった。
[実施例4]
以下に、コアシェル構造半導体微粒子蛍光体を用いた、太陽熱集熱装置について説明する。本実施例においては、蛍光体としてコアシェル構造を有する半導体微粒子を用いた以外は、全て実施例1と同様に製造した太陽熱集熱装置について検討した。
本実施例において、蛍光体103には、コアシェル構造を有するInAs/ZnS半導体微粒子を用いた。当該半導体微粒子は、粒子径7.2nmのInAs半導体微粒子の表面を、厚さ2.5nmのZnSシェルで覆った構造を有していた。本実施例で用いたInAs/ZnS半導体微粒子の発光特性は、ピーク波長が2.9μmであることを確認した。
上記の構造を有する太陽熱集光装置に、実施例1と同じ条件で太陽光を照射したところ、熱媒体が51℃まで昇温することを確認した。
[実施例5]
以下に、PbS半導体微粒子蛍光体を用いた、太陽熱集熱装置について説明する。本実施例においては、蛍光体として、IV−VI族化合物半導体微粒子を用いた以外は、全て実施例1と同様に製造した太陽熱集熱装置について検討した。
本実施例において、蛍光体103には、粒子径12.5nmのPbS半導体微粒子を用いた。本実施例で用いたPbS半導体微粒子の発光特性は、ピーク波長が2.9μmであることを確認した。
上記の構造を有する太陽熱集光装置に、実施例1と同じ条件で太陽光を照射したところ、熱媒体107が42℃まで昇温することを確認した。
本実施例は、比較例1と比較すると熱媒体107の昇温の度合いは高かったが、実施例1ほど熱媒体107の昇温は見られなかった。つまり、本発明においては、蛍光体は、III−V族化合物半導体微粒子であることがより好ましいことが分かった。
[実施例6]
以下に、希土類賦活蛍光体を用いた、太陽熱集熱装置について説明する。本実施例におおいては、蛍光体として、希土類賦活半導体を用いた以外は、全て実施例1と同様に製造した太陽熱集熱装置について検討した。
本実施例において、蛍光体103には、NaNd(WO42蛍光体を用いた。本発明で用いたNaNd(WO42蛍光体の発光特性は、ピーク波長が1.06μmであることを確認した。
上記の構造を有する太陽熱集光装置に、実施例1と同じ条件で太陽光を照射したところ、熱媒体107が36℃まで昇温することを確認した。
本実施例は、比較例1と比較すると熱媒体107の昇温の度合いは高かったが、実施例1ほど熱媒体107の昇温は見られなかった。つまり、本発明においては、蛍光体は、半導体微粒子であることが、より好ましいことが分かった。
[実施例7]
以下、図3および図4を参照して説明する。本実施例においては、図3および図4に示す構造を有する太陽熱集熱装置400を作製した。
本実施例においては、波長変換部401および蓄熱部402の材料については、実施例1と同様のものを用いた。
しかし、本実施例においては、蓄熱部402が、波長変換部401に埋め込まれた構造とした。本実施例に示す構造にすると、実施例1に示す構造に比べて、蓄熱部402と波長変換部401の接する面積が大きくなるため、より効率よく蛍光体403の発光を熱媒体407に吸収させることができた。
上記の構造を有する太陽熱集光装置に、実施例1と同じ条件で太陽光を照射したところ、熱媒体407が52℃まで昇温することを確認した。
[実施例8]
以下に、蛍光体分散溶液からなる波長変換部を有する、太陽熱集熱装置について説明する。本実施例においては、波長変換部において、光透過性材料104にヘキサン溶液を用いたことと、粒子径7.2nmのInAs半導体微粒子の表面に、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)有機分子を結合させてなる蛍光体103を用いたことを除いては、全て実施例1と同様にした。蛍光体103は、表面にTOPO有機分子を結合させていることで、ヘキサン溶液中に均一に分散させることができた。
上記の構造を有する太陽熱集熱装置において、実施例1と同一の条件で太陽光を照射したところ、熱媒体107が47℃まで昇温することを確認した。また、波長変換部101から半導体微粒子が分散したヘキサン溶媒を抜き取り、異なる半導体微粒子の分散した溶媒を注入することで、該太陽熱集熱装置を分解することなく、蛍光体103および光透過性材料104の交換が可能であることを確認した。
[実施例9]
以下に、蛍光体を蓄熱部に分散させた、太陽熱集熱装置について説明する。図5に、本実施例9における、太陽熱集熱装置の模式図を示す。
本実施例において、蛍光体603に、粒子径7.2nmのInAs半導体微粒子蛍光体を用いた。また、熱媒体602には、水を用いた。また実施例1と同様の方法を用いて、波長選択反射材604、反射材605を備えた太陽熱集熱装置を作製した。
なお、断熱材606は、内部を真空にした第2透光性容器を用いた。当該断熱材606は、熱媒体602の全面を覆うように配置した。
上記の構造を有する太陽熱集熱装置において、実施例1と同一の条件で太陽光を照射したところ、熱媒体602が36℃まで昇温することを確認した。
本実施例は、比較例1と比較すると熱媒体602の昇温の度合いは高かったが、実施例1ほど熱媒体602の昇温は見られなかった。しかし、本実施例においては、簡便な構造で太陽熱集熱装置を構成できる点で好ましいことが分かった。
[実施例10]
以下に、InSb半導体微粒子蛍光体を用いた、太陽熱集熱装置について説明する。本実施例においては、蛍光体103に粒子径4.3nmのInSb半導体微粒子蛍光体を用いた以外は全て実施例1と同様に製造した太陽熱集熱装置について検討した。
なお、本実施例で用いたInSb半導体微粒子の蛍光特性は、ピーク波長が2.9μmであることを確認した。
上記の構造を有する太陽熱集熱装置において、実施例1と同一の条件で太陽光を照射したところ、熱媒体107が48℃まで昇温することを確認した。
[実施例11]
以下に、熱媒体としてエチレングリコールを用いた、太陽熱集熱装置について説明する。本実施例においては、蛍光体103および熱媒体107の材料が実施例1とは異なるが、それ以外は全て実施例1と同様に製造した太陽熱集熱装置について検討した。
本実施例において、熱媒体107にエチレングリコールを用いた。蛍光体103には、粒子径7.8nmのInAs半導体微粒子を用いた。本実施例で用いたInAs半導体微粒子の蛍光特性は、ピーク波長が3.0μmであることを確認した。
上記の構造を有する太陽熱集熱装置において、実施例1と同一の条件で太陽光を照射したところ、熱媒体107が48℃まで昇温することを確認した。また、気温−10℃においても、当該太陽熱集熱装置の動作を確認した。
[実施例12]
以下に、熱媒体としてポリプロピレングリコールを用いた、太陽熱集熱装置について説明する。本実施例においては、蛍光体103および熱媒体107の材料が実施例1とは異なるが、それ以外は全て実施例1と同様に製造した太陽熱集熱装置について検討した。
本実施例において、熱媒体107にポリプロピレングリコールを用いた。蛍光体103には、粒子径7.8nmのInAs半導体微粒子を用いた。
上記の構造を有する太陽熱集熱装置において、実施例1と同一の条件で太陽光を照射したところ、熱媒体107が47℃まで昇温することを確認した。また、気温−10℃においても、当該太陽熱集熱装置の動作を確認した。
[実施例13]
以下に、光伝送部を有する太陽熱集熱装置について説明する。本実施例13における太陽熱集熱装置は、図7に示す構造を有する。
以下、図6を参照して説明する。本実施例においては、図6に示す構造を有する太陽熱集熱装置700を作製した。
本発明における太陽熱集熱装置は、波長変換部701と、光伝送部702から構成される。波長変換部701は、蛍光体703、光透過性材料704、波長選択反射材705、反射材706からなり、実施例1と同様の材料を用いた。
本実施例においては、波長変換部701の光取り出し面に、集光部材707を接続した。集光部材707は、光ファイバーを複数本束ねた上で、片側を結合させた形状をしており、入射された光を集光する機能を有する。集光部材707には、光ファイバーからなる光伝送材708が接続され、光伝送材708に蓄熱部(図6では省略)に接続させることで、波長変換部701から空間的に離れた蓄熱部を加熱することができた。
上記の構造を有する太陽熱集熱装置において、実施例1と同一の条件で太陽光を照射したところ、熱媒体が38℃まで昇温することを確認した。
本実施例は、比較例1と比較すると熱媒体707の昇温の度合いは高かったが、実施例1ほど熱媒体707の昇温は見られなかった。しかし、本実施例においては、該太陽熱集熱装置700の設計に自由度が生まれる点で好ましいことが分かった。
[実施例14]
以下、図7および図8を参照して説明する。本実施例においては、図7および図8に示す構造を有する太陽熱集熱装置800を作製した。
本実施例において、波長変換部801は、蛍光体803を光透過性材料804に分散させ、円筒状に成型した後、波長選択反射材805で側面が覆われた構造を有するものとした。本実施例の蛍光体803、光透過性材料804、波長選択反射材805は、実施例1と同じ材料を使用した。また、当該波長変換部801の光出射面に、実施例13と同様に、集光部材806、光伝送材807を介して蓄熱部(図7、8では省略)と接続した。光伝送材807により、波長変換部801から空間的に離れた蓄熱部を加熱することができる。
上記の構造を有する太陽熱集熱装置において、実施例1と同一の条件で太陽光を照射したところ、熱媒体が41℃まで昇温することを確認した。
本実施例は、実施例13と比較すると熱媒体807の昇温の度合いは高いことを確認した。このことより、波長変換部と光伝送部との接続損失を減らし、効率よく蓄熱部に光を伝送するためには、波長選択反射材は円筒形状が好ましいことを確認した。
Figure 2010002077
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明における太陽熱集熱装置は、太陽光エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することができる。かかる太陽熱集熱装置は、太陽熱発電装置や太陽熱温水器に好適に利用される。それ以外にも、太陽光による熱媒体の加熱に利用することができ、例えば床暖房など暖房機器などにも利用できる。
本発明における一実施形態の太陽熱集熱装置の模式的な斜視図である。 図1における当該太陽熱集熱装置のII−II線に沿った模式的な断面図である。 本発明における一実施形態の太陽熱集熱装置の模式的な斜視図である。 図3における当該太陽熱集熱装置のIV−IV線に沿った模式的な断面図である。 本発明における一実施形態の太陽熱集熱装置の模式的な斜視図である。 本発明における一実施形態の太陽熱集熱装置の模式的な斜視図である。 本発明における一実施形態の太陽熱集熱装置の模式的な斜視図である。 図7における当該太陽熱集熱装置のVIII−VIII線に沿った模式的な断面図である。 従来の平面型集熱装置の構造の一形態を示す斜視図である。
符号の説明
100,400,600,700,800 太陽熱集熱装置、101,301,401,601,701,801 波長変換部、102,402 波長変換部、702,802 光伝送部、105,405,604,705 波長選択反射材、103,403,603,703 蛍光体、104,404,704 光透過性材料、106,406,605,706 反射材、107,302,407,602 熱媒体、108,408 断熱材、305 ガラス板、303 集熱板、304 ケーシング、707,806 集光部材、708,807 光伝送材。

Claims (14)

  1. 太陽光エネルギーを利用する太陽熱集熱装置であって、
    前記太陽光の少なくとも一部を吸収して異なる波長の光に変換する波長変換部と、
    前記波長変換部から発せられる光を吸収して発熱する蓄熱部とを備える、太陽熱集熱装置。
  2. 前記波長変換部が、蛍光体を含有する、請求項1に記載の太陽熱集熱装置。
  3. 前記蛍光体が、半導体微粒子である、請求項2に記載の太陽熱集熱装置。
  4. 前記半導体微粒子が、III−V族化合物半導体材料からなる、請求項3に記載の太陽熱集熱装置。
  5. 前記半導体微粒子が、コア/シェル構造を有する、請求項3または4に記載の太陽熱集熱装置。
  6. 前記蛍光体が、赤外波長の蛍光を発する、請求項2〜5いずれかに記載の太陽熱集熱装置。
  7. 前記蛍光体が、溶液中に分散されている、請求項2〜6のいずれかに記載の太陽熱集熱装置。
  8. 前記蛍光体が、光透過性材料に被膜されてなる、請求項2〜7のいずれかに記載の太陽熱集熱装置。
  9. 前記波長変換部の少なくとも一部が、波長選択反射材で覆われてなる、請求項1〜8のいずれかに記載の太陽熱集熱装置。
  10. 前記蓄熱部は、熱媒体を備え、
    前記熱媒体が、水である、請求項1〜9のいずれかに記載の太陽熱集熱装置。
  11. 前記蓄熱部は、熱媒体を備え、
    前記熱媒体が、エチレングリコール、ポリプロピレングリコールのいずれかである、請求項1〜9のいずれかに記載の太陽熱集熱装置。
  12. 前記蓄熱部は、熱媒体と断熱材とを備え、
    前記熱媒体は、少なくとも一部が断熱材に覆われてなる、請求項1〜11のいずれかに記載の太陽熱集熱装置。
  13. 前記波長変換部と前記蓄熱部とが、空間的に離れている、請求項1〜12のいずれかに記載の太陽熱集熱装置。
  14. 前記波長変換部から発せられる光が、光伝送部を通じて、蓄熱部に照射される、請求項13に記載の太陽熱集熱装置。
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