以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例であるスロットマシン1を示した斜視図である。なお、本発明をパチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
図1を参照して、スロットマシン1の全体構成について説明する。スロットマシン1は、前面を開放した箱状のマシン本体2を有している。マシン本体2の前面側には前面開閉扉としてのフロントパネル3が開閉自在に取り付けられている。このフロントパネル3が閉状態となっている場合に、フロントパネル3によってマシン本体2の前面開放側が閉鎖されるように構成されている。フロントパネル3は、閉状態である場合には、図示しないロック機構によって開放不可能な状態にロックされており、そのロック状態はフロントパネル3に設けられた解除操作部たるキーシリンダ(図示せず)に対する所定のキー操作によって解除される。
フロントパネル3には、縦長の3つの表示窓5L,5M,5Rが横並びに設けられている。表示窓5L,5M,5Rは、透明又は半透明の材質で構成されており、各表示窓5M〜5Rを通してマシン本体2の内部を視認可能に構成されている。
マシン本体2内には、可変表示手段を構成する左リールLと、中リールMと、右リールRとが収納されている。各リールL,M,Rはそれぞれ円筒状(円環状)に形成されているが、少なくとも環状となっていればよく、各リールL,M,Rの中心軸線が当該リールL,M,Rの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リールL,M,Rの回転軸線は、略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリールL,M,Rが各表示窓5L,5M,5Rと1対1で対応している。従って、各リールL,M,Rの表面の一部は、それぞれ対応する表示窓5L,5M,5Rを通して視認可能な状態とされている。
また、リールL,M,Rが回転すると、各表示窓5L,5M,5Rを通してリールL,M,Rは上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。これら各リールL,M,Rは、それぞれステッピングモータ等のリール用モータ28(図4参照)に連結されており、各リール用モータ28の駆動により各リールL,M,Rが個別に、即ち、それぞれ独立して回転駆動することができるのである。
各リールL,M,Rの外周面には、それぞれ識別情報としての図柄が多数設けられている。これらの図柄のうち、表示窓5L,5M,5Rを介して視認可能な図柄数は、主として表示窓5L,5M,5Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施例では、遊技者に視認可能な図柄数は、各リールL,M,R毎に3個ずつとされている。
ここで、図2及び図3を参照して、各リールL,M,Rに付される図柄について説明する。図2は、左リールLと、中リールMと、右リールRとを模式的に表した展開図である。図2に示すように、各リールL,M,Rには21個の図柄が一列に設けられている。各リールL,M,Rに対応して1〜21のコマ番号を付しているが、これらのコマ番号は説明の便宜上付されたものであり、各リールL,M,Rに実際に付されているものではない。但し、以下の説明においては当該コマ番号を使用して説明する。また、図3は、各図柄に応じたメダルの払出枚数と、それぞれの図柄の入賞条件及び役成立率とを示した対応表である。
図柄としては、ビックボーナスゲーム(以下、適宜「BB」と略す)に移行するための「7」図柄がある。この「7」図柄しては、白色のもの(例えば、左リールコマ番号第2番。以下、適宜「白7」と略す)と、赤色のもの(例えば、左リールコマ番号第11番。以下、適宜「赤7」と略す)とが備えられている。また、レギュラーボーナスゲーム(以下、適宜「RB」と略す)に移行するための「BAR」図柄(例えば、左リールコマ番号第16番)が備えられている。更に、リプレイゲームに移行するための「水瓶」図柄(例えば、左リールコマ番号第5番)が備えられている。また、小役図柄として、「賽銭箱」図柄(例えば、左リールコマ番号第4番)と、「鈴」図柄(例えば、左リールコマ番号第1番)と、「チェリー」図柄(例えば、左リールコマ番号第3番)とが備えられている。
なお、図2に示すように、各リールL,M,Rにおいて、各図柄の数や配列は全く異なるように配設される一方、「チェリー」図柄を除く小役図柄に関しては、取りこぼしがなくなるようにそれぞれ最大4コマ間隔で配設されている。
ここで、各図柄に関するメダルの払出枚数について説明する。小役図柄に関し、「賽銭箱」図柄が後述する有効ライン上に左・右・中と揃って停止した場合には、15枚のメダルの払出が行われるように構成されている。また、「鈴」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、9枚のメダルの払出が行われるように構成されている。更に、左リールLの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には、2枚のメダルの払出が行われるように構成されている。即ち、中リールM及び右リールRの「チェリー」図柄はメダルの払出とは無関係、言い換えれば、無意味な図柄である。よって、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組み合わせとは無関係にメダルの払出が行われるため、左リールLの複数の有効ラインが重なる位置、具体的には、上段又は下段に「チェリー」図柄が停止した場合には、その重なった有効ラインの数を乗じた分だけメダルの払出が行われることとなり、結果として本実施例の形態では4枚のメダルの払出が行われる。
その他の図柄に関しては、「白7」又は「赤7」の「BB」図柄が同一色で有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、15枚のメダルの払出が行われるように構成されている。また同様に、「BAR」図柄、即ち、「RB」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、15枚のメダルの払出が行われるように構成されている。
一方、「リプレイ」図柄である「水瓶」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、メダルの払出を行わないかわりに再遊技を行うように構成されている。また、その他の場合、即ち、有効ライン上に左リールLの「チェリー」図柄が停止しないと共に、左・中・右に同一図柄が揃わない場合には、一切メダルの払出を行わないように構成されている。
なお、各リールL,M,Rは識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段は、これ以外の構成であってもよい。例えば、ベルト式リール等の他の機械的なリール構成としてもよい。また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器、ドットマトリクス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
フロントパネル3には、各表示窓5L,5M,5Rを結ぶように、横方向へ平行な3本と、斜め方向へたすき掛けとなるように2本との計5本の有効ライン6a〜6eが付されている。なお、最大有効ライン数を6本以上としてもよく、5本未満としてもよく、所定条件に応じて最大有効ライン数を変更するように構成してもよい。これら各有効ライン6a〜6eに対応して、表示窓5L,5M,5Rの正面視左側には有効ライン表示ランプ7a〜7cが設けられている。第1有効ライン表示ランプ7aは、中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知されるように構成されている。また、第2有効ライン表示ランプ7bは、上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知されるように構成されている。更に、第3有効ライン表示ランプ7cは、一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知されるように構成されている。
表示窓5L,5M,5Rの正面視左下側には、各リールL,M,Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために遊技者によって操作可能なスタートレバー8が設けられている。スタートレバー8は、スタートスイッチ8a(図4参照)を備え、そのスタートスイッチ8aがオンされることによって各リールL,M,Rを可変表示される。
スタートレバー8の右側には、回転している各リールL,M,Rを個別に停止させるために遊技者によって操作可能なボタン状のストップスイッチ9L,9M,9Rが設けられている。各ストップスイッチ9L,9M,9Rは、停止対象となるリールL,M,Rに対応する表示窓5L,5M,5Rの直下にそれぞれ配置されている。
表示窓5L,5M,5Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。このメダル投入口10は、投入されたメダルの枚数を検出する投入メダル検出センサ10aが備えられている。このメダル投入口10は、遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
表示窓5L,5M,5Rの下方左側には、投資価値としてクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状のベットスイッチ11が設けられている。メダル投入口10が遊技者によりメダルを直接入力するという動作を伴うのに対し、このベットスイッチ11は、貯留記憶に基づく仮想メダルの投入するという動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
スタートレバー8の左側には、ボタン状のクレジット払出スイッチ12が配設されている。このクレジット払出スイッチ12が遊技者により押下されると、メダル投入口10に必要量より多く投入されたメダルや、所定の遊技結果に応じて遊技者に返還される獲得メダル等のクレジットメダルが返還払出されるように構成されている。なお、表示窓5L,5M,5Rの下方左側には、上記したクレジットメダルの残数を表示するメダル枚数表示ランプ13が配設されており、クレジット払出スイッチ12が遊技者により押下されると、メダル枚数表示ランプ13に表示されている枚数が遊技者へ払い出される。
フロントパネル3の下側には、メダルを遊技者に払い出すためのメダル排出口14と、そのメダル排出口14によって払い出されたメダルを一定量まで貯留する下皿15とが配設されている。
表示窓5L,5M,5Rの上方部分には、補助表示手段であるLCD16が配設されている。このLCD16は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、本実施例では、遊技者に各種情報を与えて、ストップスイッチ9L,9M,9Rの押し順を遊技者に示唆する機能を有している。なお、LCD16の左右両側には、スロットマシン1において行われる遊技の効果音等を出力するスピーカ17が配設されている。また、LCD16の上方部分には、LCD16の補助表示部であるランプ18が配設されている。
次に、図4を参照して、スロットマシン1の電気的構成について説明する。図4は、スロットマシン1の電気的構成を示したブロック図である。スロットマシン1は主制御基板Cを備え、この主制御基板Cには、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU21と、そのMPU21とバスライン24を介して接続されると共に各種のI/O装置と接続された入出力ポート25とが搭載されている。MPU21には、MPU21により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM22と、そのROM22内に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM53と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの回路とが内蔵されている。なお、図6から図11に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM22内に記憶されている。
ROM22は、ビックボーナス又はレギュラーボーナスが成立した場合に参酌されて、各リールL,M,Rの停止態様において有効ライン7a〜7c上にボーナス図柄(「白7」、「赤7」又は「BAR」)が揃い得るボーナス成立テーブル22aと、それぞれの小役毎に設けられて各小役が成立した場合に参酌され、各リールL,M,Rの停止態様において有効ライン上にいずれかの小役図柄が揃い得る小役成立テーブル22bと、ボーナス及び小役のいずれも成立していない場合に参照される最小移動ハズレテーブル22cとを備えている。
図5(a)は、小役成立テーブル22bの一例である水瓶用小役成立テーブル22b1を示した図である。この水瓶用小役成立テーブル22b1は、「水瓶」図柄の抽選に当選した場合に、遊技者によって各ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作時における各リールL,M,Rの停止可能位置を検索し、その停止可能位置の範囲内において「水瓶」図柄を所定位置に停止させることを定めたテーブルである。なお、「停止可能位置の範囲内」は、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作時における各リールL,M,Rの位置から4コマまでに設定されている。
ここで、例えば、左リールLにおいて、水平方向中段の有効ライン6c上にコマ番号第8番の図柄(「水瓶」図柄)が存在する瞬間に遊技者によってストップスイッチ9Lがオンされると、左リールLは直ちに停止し、水平方向中段の有効ライン6c上にはコマ番号第8番の図柄(「水瓶」図柄)が停止する。また、水平方向中段の有効ライン6c上にコマ番号17番の図柄(「賽銭箱」図柄)が存在する瞬間に遊技者によってストップスイッチ9Lがオンされると、左リールは4コマ滑って、水平方向中段の有効ライン6c上にはコマ番号第13番の図柄(「水瓶」図柄)を引き込んで停止する。
最小移動ハズレテーブル22cは、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作時における各リールL,M,Rの位置から停止可能位置を検索し、その停止可能位置の範囲内において各リールL,M,Rの移動量が最も少ない位置にハズレの表示結果を停止させるように定めたテーブルである。当選していない図柄が有効ライン6a〜6eに停止してしまうタイミングでストップスイッチ9L,9M,9Rが押下された場合に、この最小移動ハズレテーブル22cによって、有効ライン6a〜6e上に同一図柄を揃わせないように、1〜4コマ番号分、図柄を滑らせて停止させる。なお、「停止可能位置の範囲内」とは、上記と同様に、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作時における各リールL,M,Rの位置から4コマまでに設定されている。
図4に戻って説明すると、主制御基板CのRAM23は、状態フラグ23aと、乱数カウンタ23bと、ボーナス蓄越メモリ23cと、BB蓄越解除フラグ23dと、RB蓄越解除フラグ23eと、賽銭箱成立フラグ23fと、鈴成立フラグ23gと、水瓶成立フラグ23hと、チェリー成立フラグ23iと、押し順カウンタ23jと、押し順メモリ23kと、賽銭箱カウンタ23lと、賽銭箱入賞フラグ23mと、チャンス残数カウンタ23nと、挑戦カウンタ23oと、ステップカウンタ23pと、強制ボーナスフラグ23qとを備えている。
状態フラグ23aは、スロットマシン1における遊技の状態、即ち、通常遊技状態や、特別遊技状態(ボーナス)中、或いは、その他の遊技状態を示すためのフラグである。この状態フラグ23aは、電源入時に通常遊技状態を示す値に設定される一方、後述するBB蓄越解除フラグ23d又はRB蓄越解除フラグ23eがオンされて、同一のボーナス図柄が有効ライン6a〜6eに揃った場合、その後の遊技においてボーナス遊技を開始させるために、特別遊技状態を示す値に設定されるように構成されている(図10、S66参照)。なお、特別遊技状態が終了した場合には、この状態フラグ23aは、通常遊技状態を示す値に設定されるように構成されている。
乱数カウンタ23bは、各役を抽選するためのカウンタである。この乱数カウンタ23bは、後述するカウンタ更新処理(図6、S5参照)によって、「0」〜「65535」の範囲内でランダムに更新される。遊技者によってスタートレバー8が所定操作されて、スタートスイッチ8aのオンが検出された場合に(始動入賞)、乱数カウンタ23bの値が取得されるように構成されている。本実施例のスロットマシン1の乱数カウンタ23bでは、例えば、1/100の割合、即ち、656個の乱数値が「BB」に割り当てられ(図3参照)、また、1/200の割合、即ち、328個の乱数値が「RB」に割り当てられている(図3参照)。
なお、本実施例では、「BB」又は「RB」に当選した場合には、一旦、その「BB」又は「RB」の付与がずらされ、その後に取得された乱数カウンタ23bの値が「純ハズレ」を示す値であった場合に、ずらされた順番に応じて遊技者に「BB」又は「RB」の遊技が付与されるように構成されている。
ボーナス蓄越メモリ23cは、ずらされた「BB」又は「RB」を記憶するためのメモリである。始動入賞によって取得された乱数カウンタ23bの値が「BB」又は「RB」を示す値であった場合に、そのボーナスに応じた値(「BB」の場合は「2」、「RB」の場合は「1」)が順番にこのボーナス蓄越メモリ23cに書き込まれる(図7、S15及びS17参照)。逆に、始動入賞によって取得された乱数カウンタ23bの値が「純ハズレ」を示す値であった場合に、ボーナス蓄越メモリ23cの先頭に記憶されているデータに応じた後述する蓄越解除フラグ23d,23eがオンされて、そのボーナス蓄越メモリ23cに記憶されているデータを1つずつ先頭側へずらして、先頭に記憶されているデータが消去されるように構成されている(図8、S35参照)。即ち、遊技者が「純ハズレ」に当選した場合には、それまでの遊技において「BB」又は「RB」に当選した順に遊技者へボーナスが付与されるように構成されている。
なお、始動入賞によって取得された乱数カウンタ23bの値が「純ハズレ」を示す値、即ち、乱数カウンタ23bに「純ハズレ」用に割り当てられた256個(図3参照)の乱数値であると共に、ボーナス蓄越メモリ23cにいずれかのボーナスが記憶されていた場合には、その後の遊技においてボーナス図柄を揃い得るボーナス成立テーブル22aを参酌して、有効ライン6a〜6e上においてボーナス図柄を揃い得る状態にするように構成されている。
BB蓄越解除フラグ23d又はRB蓄越解除フラグ23eは、「BB」又は「RB」に応じたボーナス図柄を有効ライン6a〜6e上に揃い得る状態、即ち、ボーナス成立テーブル22aを参照させるためのフラグである。始動入賞によって取得された乱数カウンタ23bの値が「純ハズレ」を示す値であると共に、ボーナス蓄越メモリ23cにいずれかのボーナスが記憶されていた場合に、そのボーナス蓄越メモリ23cの先頭に記憶されているデータに応じた蓄越解除フラグ23d,23eのいずれかがオンされる(図8、S33及びS34参照)。逆に、有効ライン6a〜6e上に同一のボーナス図柄が停止した場合、即ち、ボーナス入賞した場合に、状態フラグ23aを特別遊技状態の値に設定すると共に、サブ制御基板Sにボーナス入賞コマンドを送信した後に、入賞したボーナス役に対応した蓄越解除フラグ23d,23eがオフされる(図10、S68参照)。
賽銭箱成立フラグ23fは、「賽銭箱」図柄の抽選に当選したことを示すためのフラグである。この賽銭箱成立フラグ23fは、始動入賞によって取得された乱数カウンタ23bの値が「賽銭箱」図柄を示す値であった場合にオンされる。即ち、乱数カウンタ23bに「賽銭箱」図柄用に割り当てられた20560個(図3参照)の乱数値に当選した場合に、この賽銭箱成立フラグ23fがオンされるように構成されている。逆に、この賽銭箱成立フラグ23fは、ハズレ(純ハズレ、及び、押し順ハズレを含む。以下、同様)を含むそれぞれの小役に入賞してその小役に応じたメダルの払出を行った場合(図10、S73参照)や、「賽銭箱」図柄当選時に設定された後述する押し順メモリ23kに記憶される値と違った場合、或いは、後述する賽銭箱カウンタ23lの値が「7」でない場合にオフされる(図9、S54参照)。
鈴成立フラグ23gは、「鈴」図柄の抽選に当選したことを示すためのフラグである。この鈴成立フラグ23gは、始動入賞によって取得された乱数カウンタ23bの値が「鈴」図柄を示す値であった場合にオンされる。即ち、乱数カウンタ23bに「鈴」図柄用に割り当てられた18800個の乱数値(図3参照)に当選した場合に、この鈴成立フラグ23gがオンされるように構成されている。逆に、この鈴成立フラグ23gは、ハズレを含むそれぞれの小役に入賞してその小役に応じたメダルの払出を行った場合(図10、S73参照)、又は、「鈴」図柄当選時に設定された後述する押し順メモリ23kに記憶される値と違った場合にオフされる(図9、S54参照)。
水瓶成立フラグ23hは、「水瓶」図柄の抽選に当選したことを示すためのフラグである。この水瓶成立フラグ23hは、始動入賞によって取得された乱数カウンタ23bの値が「水瓶」図柄を示す値であった場合にオンされる。即ち、乱数カウンタ23bに「水瓶」図柄用に割り当てられた24608個の乱数値(図3参照)に当選した場合に、この水瓶成立フラグ23hがオンされるように構成されている。逆に、この水瓶成立フラグ23hは、ハズレを含むそれぞれの小役に入賞してその小役に応じたメダルの払出を行った場合(図10、S73参照)、又は、「水瓶」図柄当選時に設定された後述する押し順メモリ23kに記憶される値と違った場合にオフされる(図9、S54参照)。
チェリー成立フラグ23iは、「チェリー」図柄の抽選に当選したことを示すためのフラグである。このチェリー成立フラグ23iは、始動入賞によって取得された乱数カウンタ23bの値が「チェリー」図柄を示す値であった場合にオンされる。即ち、乱数カウンタ23bに「チェリー」図柄用に割り当てられた328個の乱数値(図3参照)に当選した場合に、このチェリー成立フラグ23iがオンされるように構成されている。逆に、このチェリー成立フラグ23iは、ハズレを含むそれぞれの小役に入賞してその小役に応じたメダルの払出を行った場合にオフされる(図10、S73参照)。なお、「チェリー」図柄の当選時には、押し順を設定しないように構成されている。その代わりに、左リールLは、ストップスイッチ9Lの操作タイミング(停止タイミング)によっては、「チェリー」図柄を取りこぼす配列に構成されている。
押し順カウンタ23j及び押し順メモリ23kは、小役図柄(「賽銭箱」図柄、「鈴」図柄及び「水瓶」図柄)の抽選に当選した場合に、その小役図柄の入賞に押し順制限を加えるためのものである。この押し順カウンタ23jの値は、「0」〜「2」の範囲内で後述するカウンタ更新処理(図6、S5参照)において更新され、いずれかの小役成立フラグ23f〜23iがオンされた場合に、押し順メモリ23kに書き込まれる。本実施例のスロットマシン1では、押し順メモリ23kに記憶される値が「0」である場合には、第1番目に停止されるべきリールが左リールLであることを示している。また、押し順メモリ23kに記憶される値が「1」である場合には、第1番目に停止されるべきリールが中リールMであることを示している。更に、押し順メモリ23kに記憶される値が「2」である場合には、第1番目に停止されるべきリールが右リールRであることを示している。
本実施例のスロットマシン1では、小役図柄の抽選に当選した場合においても、その当選時に設定されたストップスイッチ9L,9M,9Rの押し順に応じて、当選した小役図柄を入賞させないように構成されている。言い換えれば、小役図柄の抽選に当選しても、その当選時に設定された3択の押し順に当選しないと、小役図柄に応じたメダルの払出が行われないように構成されている。
図5(b)を参照して具体的に説明すると、小役図柄に当選した場合、その当選した時点での押し順カウンタ23jの値が押し順メモリ23kに書き込まれる。そして、各ストップスイッチ9L,9M,9Rの内、最初に押下された押し順(第1番目)が押し順メモリ23kに記憶された値と一致していた場合には、各小役成立フラグ23f〜23hをオンして、それ移行のリール制御においてそれぞれの小役図柄に応じた小役成立テーブル23bを参照して有効ライン6a〜6e上に同一の小役図柄が揃うようにする。一方、各ストップスイッチ9L,9M,9Rの内、最初に押下された押し順が押し順メモリ23kに記憶された値と異なった場合には、その時点で各小役成立フラグ23f〜23hをオフして、それ以降のリール制御において最小移動ハズレテーブル23cを参照して有効ライン6a〜6e上に同一の小役図柄が揃わないようにする(図9、S48〜S54参照)。
なお、本実施例では、遊技者の操作態様(本実施例では、押し順)によって入賞又は非入賞が決定されるスロットマシンにおいて、所定条件が成立(本実施例では、ボーナス発生)した場合に第1期間を発生させて、その第1期間内に予め定められた第1識別情報(本実施例では、「水瓶」図柄)が入賞した場合に、その後の遊技において第1識別情報が入賞し得る操作態様を遊技者に示唆する第1示唆遊技が発生するように構成する。また、第1示唆遊技が発生した場合に第2期間を発生させて、その第2期間内に予め定められた第2識別情報(本実施例では、「鈴」図柄)が入賞した場合に、その後の遊技において第2識別情報が入賞し得る操作態様を遊技者に示唆する第2示唆遊技を発生させるように構成する。
具体的に説明すると、ボーナス終了後(特別遊技状態終了後)において、5ゲームの「水瓶」挑戦期間を設定するように構成されている。その「水瓶」挑戦期間中に「水瓶」図柄の抽選に当選すると共に3択の押し順に正解して「水瓶」図柄が入賞した場合に、それ以降の50ゲームの遊技において、「水瓶」図柄の抽選当選時にその「水瓶」図柄が入賞し得る押し順をLCD16に表示する「水瓶」図柄誘引期間を発生させるように構成されている。
また、「水瓶」図柄誘引期間の発生時において、5ゲームの「鈴」挑戦期間を設定するように構成されている。その「鈴」挑戦期間中に「鈴」図柄の抽選に当選すると共に3択の押し順に正解して「鈴」図柄が入賞した場合に、それ以降の50ゲームの遊技において、「鈴」図柄又は「水瓶」図柄の抽選当選時にその「鈴」図柄又は「水瓶」図柄が入賞し得る押し順をLCD16に表示する「鈴」図柄誘引期間を発生するように構成する。
更に、「鈴」図柄誘引期間の発生時において、5ゲームの「賽銭箱」挑戦期間を設定するように構成されている。その「賽銭箱」挑戦期間中に「賽銭箱」図柄に入賞した場合に、それ以降の50ゲームの遊技において、「賽銭箱」図柄、「鈴」図柄又は「水瓶」図柄の抽選当選時にその「賽銭箱」図柄、「鈴」図柄又は「水瓶」図柄が入賞し得る押し順をLCD16に表示する「賽銭箱」図柄誘引期間を発生するように構成する。
また、「賽銭箱」図柄誘引期間の発生時において、5ゲームの強制ボーナス挑戦期間を設定するように構成されている。その強制ボーナス挑戦期間中に「BB」又は「RB」に当選した場合に、後述する強制ボーナスフラグ23qをオンして、それ以降の50ゲームの遊技において、「BB」又は「RB」の抽選当選時にボーナス蓄越メモリ23cに記憶された順に「BB」又は「RB」を付与し得る強制ボーナスタイムを発生するように構成する。
本実施例のスロットマシン1を上記のように構成することによって、遊技者に付与される遊技価値を段階的に多くすることができるので、継続して遊技を行うことによる興趣を向上させることができる。また、押し順に応じて各小役図柄が入賞するスロットマシン1において、各挑戦期間中に入賞した小役図柄によって各図柄誘引期間を発生させるように構成することによって、遊技者に付与される遊技価値を直接的に決定させることができるので、遊技者の遊技の参加意欲を向上させることができる。
なお、本実施例のスロットマシン1において、各挑戦期間中に「チェリー」図柄に入賞、又は、「BB」若しくは「RB」に当選した場合には、その挑戦期間に応じた図柄誘引期間を発生させるように構成されている。即ち、いずれの挑戦期間中においても、「チェリー」図柄の入賞、並びに、「BB」及び「RB」の当選することによって、1ランク上の図柄誘引期間を発生させると共に、1ランク上の挑戦期間を発生させる。よって、所謂、オールマイティ図柄を備え、そのオールマイティ図柄が各挑戦期間中に入賞又は成立することによって遊技者に付与される遊技価値を多くすることができるように構成することで、遊技性を多彩(バリエーションを豊富)にすることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
賽銭箱カウンタ23lは、通常遊技状態において、「賽銭箱」図柄の抽選に当選していた場合に、8/9でその「賽銭箱」図柄の当選を無効にするためのカウンタである。この賽銭箱カウンタ23lの値は、後述するカウンタ更新処理(図6、S5参照)において「0」〜「8」の範囲内で更新される。前記した賽銭箱成立フラグ23fがオンされた場合、即ち、乱数カウンタ23bの抽選において「賽銭箱」図柄に当選した場合に、この賽銭箱カウンタ23lの値が参酌され、賽銭箱カウンタ23lの値が「7」である場合以外、オンされている賽銭箱成立フラグ23fをオフして、「賽銭箱」図柄の当選を無効にするように構成されている(図9、S48〜S54参照)。
賽銭箱入賞フラグ23mは、「賽銭箱」図柄誘引期間中に当選した「賽銭箱」図柄を賽銭箱カウンタ23lによって無効にさせないためのフラグである。この賽銭箱入賞フラグ23mは、「賽銭箱」図柄誘引期間が発生した場合、即ち、「賽銭箱」挑戦期間において「賽銭箱」図柄が入賞した場合にオンされる(図11、S91参照)。逆に、各図柄誘引期間が終了した場合、即ち、後述するチャンス残数カウンタ23nの値が「0」となった場合にオフされる。この賽銭箱入賞フラグ23mがオンされることによって、「賽銭箱」図柄誘引期間において賽銭箱カウンタ23lを参酌する処理をスキップさせて、「賽銭箱」図柄の抽選に当選した場合には、抽選当選時に設定された押し順を遊技者に示唆することによって「賽銭箱」図柄を入賞させることができる。
チャンス残数カウンタ23nは、各図柄誘引期間又は強制ボーナスタイムの残数を認識するためのカウンタである。このチャンス残数カウンタ23nには、各図柄誘引期間又は強制ボーナスタイムが発生する毎に「50」がセットされる(図11、S94参照)。一方、このチャンス残数カウンタ23nの値は、各図柄誘引期間又は強制ボーナスタイムの発生中において、1の始動入賞による各リールL,M,Rが変動される毎に「1」ずつ減算される(図10、S61参照)。チャンス残数カウンタ23nの値が「0」となった場合には、各図柄誘引期間又は強制ボーナスタイムが終了したということなので、賽銭箱入賞フラグ23m及び後述する強制ボーナスフラグ2qをオフするように構成されている(図10、S63及びS64参照)。
挑戦カウンタ23oは、各挑戦期間の回数を計数するためのカウンタである。この挑戦カウンタ23oの値は、ボーナス役に入賞した場合、又は、各挑戦期間中にその挑戦期間に応じた各役図柄が入賞或いは成立した場合に「5」が加算される(図10のS70、又は、図11のS93参照)。一方、挑戦カウンタ23oの値は、各挑戦期間の発生中において、1の始動入賞による各リールL,M,Rが変動される毎に「1」ずつ減算される(図11、S83参照)。
ステップカウンタ23pは、各挑戦期間中であるかを認識して、サブ制御基板Sにその挑戦期間に応じたコマンドを送信させるためのカウンタである。このステップカウンタ23pの値は、各挑戦期間中においてその挑戦期間に応じたいずれかの図柄が入賞した場合に、ステップカウンタ23pの値が「3」以上でないとき、即ち、ステップカウンタ23pの値が「2」以下であるときに「1」加算される。
逆に、このステップカウンタ23pの値は、前記したチャンス残数カウンタ23nが「0」となった場合、即ち、各誘引期間が終了した場合に「0」クリアされる。チャンス残数カウンタ23nの値が「0」になるまでステップカウンタ23pの値を「0」クリアしないことによって、各誘引期間中に新たにボーナスを引き戻した場合、再び、その誘引期間に対応する挑戦期間から遊技を再開させることができる。
ここで、ステップカウンタ23pの値に応じた各挑戦期間について説明する。本実施例では、ステップカウンタ23pの値が「0」であった場合は「水瓶」挑戦期間、ステップカウンタ23pの値が「1」であった場合には「鈴」挑戦期間、ステップカウンタ23pの値が「2」であった場合には「賽銭箱」挑戦期間、ステップカウンタ23pの値が「3」であった場合には強制ボーナス挑戦期間であることを示すように構成されている。従って、主制御基板Cは、各挑戦期間中において、いずれかの役図柄が入賞した場合に、入賞した図柄とステップカウンタ23pの値とを確認して、確認の結果、ステップカウンタ23pが示す挑戦期間に応じた図柄の入賞であった場合には、図柄誘引期間を発生させてサブ制御基板Sに接続されるLCD16において押し順を報知させるべく、サブ制御基板Dにいずれかの入賞コマンドを送信するように構成されている。
強制ボーナスフラグ23qは、強制ボーナスタイムを発生させて、本来なら付与がずらされるのみの「BB」又は「RB」当選時に、ボーナス蓄越メモリ23cに記憶されているボーナス役順に遊技者にボーナスを付与させるためのフラグである。この強制ボーナスフラグ23qは、強制ボーナス挑戦期間中に「BB」又は「RB」に当選した場合にオンされる。一方、チャンス残数カウンタ23nの値が「0」となった場合、即ち、各図柄誘引期間又は強制ボーナスタイムが終了となった場合にオフされる。この強制ボーナスフラグ23qがオンされると、それ以降の50ゲームの遊技において、「BB」又は「RB」の抽選当選時にボーナス蓄越メモリ23cに記憶された順に「BB」又は「RB」を付与し得る強制ボーナスタイムを発生するように構成されている。
なお、上記した賽銭箱入賞フラグ23m、チャンス残数カウンタ23n、挑戦カウンタ23o、ステップカウンタ23p及び強制ボーナスフラグ23qは、「賽銭箱」図柄誘引期間、及び、強制ボーナスタイムを主制御基板Cで認識するために設けられているが、これに代えて、サブ制御基板Sにおいて同様の構成を設けて、サブ制御基板Sにおいて各挑戦期間及び各図柄誘引期間を発生及び管理するように構成してもよい。
入出力ポート25は、前述した通りROM22及びRAM23を内蔵したMPU21と接続されると共に、各種のI/O装置と接続されている。具体的に説明すると、入出力ポート25は、投入メダル検出センサ10aと、ベットスイッチ11と、スタートスイッチ8aと、左・中・右リールストップスイッチ9L,9M,9Rと、リール位置検出センサ27と、左・中・右リール用ステッピングモータ28と、有効ライン表示ランプ7a〜7cと、メダル枚数表示ランプ13と、ホッパ駆動モータ29と、主制御基板Cから送信(出力)されるコマンドを受信(入力)して、スピーカ17から効果音などの出力制御を行うと共に表示用制御基板Dを制御してLCD16条に演出表示などを行わせるサブ制御基板Sとにそれぞれ接続されている。
サブ制御基板Sには、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU31と、そのMPU31とバスライン34を介して接続されると共に各種のI/O装置と接続された入出力ポート35とが搭載されている。また、このサブ制御基板Sの入出力ポート35には、主制御基板Cと、MPU31と、サブ制御基板Sから送信(出力)されるコマンドを受信(入力)してLCD16上に演出表示を行う表示用制御基板Dと、スピーカ17と、ランプ18とがそれぞれ接続されている。
MPU31には、MPU31により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM32と、そのROM32内に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM33と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路とが内蔵されている。図12から図14に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM32内に記憶されている。また、RAM33は、挑戦カウンタ33aと、賽銭箱誘引フラグ33bと、鈴誘引フラグ33cと、水瓶誘引フラグ33dと、誘引回数カウンタ33eと、コマンドメモリ33fとを備えている。
挑戦カウンタ33aは、主制御基板Cの挑戦カウンタ23oと同様に、各挑戦期間の回数を計数するためのカウンタである。この挑戦カウンタ33aの値は、ボーナス役に入賞して主制御基板Cからボーナス入賞コマンドを受信した場合、又は、各挑戦期間中にその挑戦期間に応じた各役図柄が入賞或いは成立して主制御基板Cから各入賞又は成立コマンドを受信した場合に、「5」が加算される(図12のS103、又は、図13のS126参照)。一方、挑戦カウンタ33aの値は、各挑戦期間の発生中において、1の始動入賞による各リールL,M,Rの変動を示唆する通常変動コマンドを受信する毎に「1」ずつ減算される(図12、S108参照)。
賽銭箱誘引フラグ33bは、LCD16に「賽銭箱」図柄が入賞し得る押し順を表示させるためのフラグである。この賽銭箱誘引フラグ33bは、主制御基板Cから賽銭箱入賞コマンドを受信した場合にオンされる(図13、S124参照)。一方、後述する誘引回数カウンタ33eの値が「0」となった場合、即ち、各図柄誘引期間が終了した場合にオフされる(図14、S141参照)。この賽銭箱誘引フラグ33bがオンされている場合に、主制御基板Cから受信した通常変動開始コマンドを記憶する後述するコマンドメモリ33fに「賽銭箱」図柄の成立データが記憶されていたとき、各リールL,M,Rの回転開始時に、同じくコマンドメモリ33fに記憶された押し順メモリ23kの値に応じた押し順をLCD16に茶色で表示する(図14、S135参照)。
鈴誘引フラグ33cは、LCD16に「鈴」図柄が入賞し得る押し順を表示させるためのフラグである。この鈴誘引フラグ33bは、主制御基板Cから鈴入賞コマンドを受信した場合にオンされる(図13、S123参照)。一方、後述する誘引回数カウンタ33eの値が「0」となった場合、即ち、各図柄誘引期間が終了した場合にオフされる(図14、S141参照)。この鈴誘引フラグ33cがオンされている場合に、主制御基板Cから受信した通常変動開始コマンドを記憶する後述するコマンドメモリ33fに「鈴」図柄の成立データが記憶されていたとき、各リールL,M,Rの回転開始時に、同じくコマンドメモリ33fに記憶された押し順メモリ23kの値に応じた押し順をLCD16に黄色で表示する(図14、S137参照)。
水瓶誘引フラグ33dは、LCD16に「水瓶」図柄が入賞し得る押し順を表示させるためのフラグである。この水瓶誘引フラグ33dは、主制御基板Cから水瓶入賞コマンドを受信した場合にオンされる(図13、S122参照)。一方、後述する誘引回数カウンタ33eの値が「0」となった場合、即ち、各図柄誘引期間が終了した場合にオフされる(図14、S141参照)。この水瓶誘引フラグ33bがオンされている場合に、主制御基板Cから受信した通常変動開始コマンドを記憶する後述するコマンドメモリ33fに「水瓶」図柄の成立データが記憶されていたとき、各リールL,M,Rの回転開始時に、同じくコマンドメモリ33fに記憶された押し順メモリ23kの値に応じた押し順をLCD16に青色で表示する(図14、S139参照)。
誘引回数カウンタ33eは、LCD16に各誘引フラグ33b〜33dに応じた押し順を表示させる回数を記憶するためのカウンタである。この誘引回数カウンタ33eの値は、主制御基板Cから各入賞コマンドを受信した場合に「50」がセットされる(図13、S127参照)。一方、各図柄誘引期間の発生中において、1の始動入賞による各リールL,M,Rの変動を示唆する通常変動コマンドを受信する毎に「1」ずつ減算される(図14、S132参照)。
コマンドメモリ33fは、主制御基板Cから受信した通常変動開始コマンドを記憶するためのメモリである。主制御基板Cから受信した通常変動開始コマンドには、成立役と、押し順メモリ23kに記憶されていた値とが付加されており、コマンドメモリ33fはその成立役と押し順メモリ23kに記憶されていた値とを記憶するものである。このコマンドメモリ33fは、主制御基板Cから通常変動開始コマンドを受信する毎に、そのコマンドに付加されているデータを上書きして記憶するように構成されている。
次に、図6から図11に示すフローチャートを参照して、主制御基板Cで行われる各処理について説明する。図6は、スロットマシン1の電源入後に主制御基板Cにおいて実行されるメイン処理のフローチャートである。
メイン処理では、まず、バックアップを含む初期化処理を実行し(S1)、次に、S2〜S6の各処理を所定時間毎(例えば、2ms毎)に繰り返し実行して、遊技の制御を行う。以下に、S2〜S7の各処理を説明する。
S2の処理では、状態フラグ23aの内容を確認する(S2)。確認の結果、状態フラグ23aの値が通常遊技を示す値であった場合には(S2:「通常遊技」)、変動開始処理(S3)及び変動停止処理(S4)の通常遊技を実行する。また、状態フラグ23aの値が特別遊技を示す値であった場合には(S2:「特別遊技」)、特別遊技実行処理(S7)を実行する。更に、状態フラグ23aの値がその他の遊技状態を示す値であった場合には(S2:「その他」)、S3,S4及びS7の処理をスキップする。
変動開始処理(S3)では、3枚のメダルが投入(ベット)されている状態でスタートスイッチ8aがオンされたか否かを確認した上で所定の処理が行われる。即ち、3枚のメダルが投入されている状態でスタートスイッチ8aのオンが確認された場合には、遊技者によりスタートレバー8が所定操作されたものと判断して、その時の乱数カウンタ23bの値等に応じた各リールL,M,Rの変動表示(回転駆動)等が実行される。
変動停止処理(S4)では、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作に起因して、変動表示されている各リールL,M,Rを、前記変動開始処理(S3)で設定された各データに応じた所定位置で停止させる。また、所定位置で停止させた際に予め定められた所定図柄が有効ライン6a〜6e上に停止した場合には、その所定図柄に応じた枚数のメダルを払い出す。
特別遊技実行処理(S7)では、レギュラーボーナスゲーム又はビックボーナスゲームが実行される。ビックボーナスゲームの場合には、予め定められた所定の遊技回数(本実施例では、小役ゲーム30回、又は、ジャックイン3回)を上限として、ボーナスゲームが行われる。このボーナスゲーム中には、小役図柄及びジャックインの抽選を行い、小役フラグ及びジャックインフラグ(図示せず)の成立の有無が決定される。
カウンタ更新処理(S5)では、乱数カウンタ23b、押し順カウンタ23j等の各カウンタの値を更新する。各処理(S6)では、上記した処理以外の処理を実行するものである。各処理の終了後は、処理をS2へ移行して、再び、S2〜S7の処理を繰り返し実行する。
図7は、変動開始処理(S3)のフローチャートである。この変動開始処理では、3枚のメダルが投入されている状態でスタートスイッチ8aのオンが確認された場合に、その時の乱数カウンタ23bの値に応じて各フラグを設定すると共に、各リールL,M,Rを変動表示させる。
変動開始処理(S3)では、まず、マックスベット、即ち、3枚のメダルが投入されているか否かを確認する(S11)。確認の結果、マックスベットされていれば(S11:Yes)、次に、スタートスイッチ8aのオン信号を検知したか否かを確認する(S12)。スタートスイッチ8aのオン信号を検知していれば(S12:Yes)、次に、乱数カウンタ23bの値が示す成立役を確認する(S13)。
S13の処理において、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「純ハズレ」であった場合には(S13:「純ハズレ」)、ずらされているボーナスを付与する抽選に当選したということなので、ボーナス設定処理を行う(S14)。
ここで、図8を参照して、ボーナス設定処理(S14)について説明する。ボーナス設定処理では、ボーナス蓄越メモリ23cに記憶されているデータに応じて、付与するボーナス役を決定するための処理である。
ボーナス設定処理(S14)では、まず、BB蓄越解除フラグ23d又はRB蓄越解除フラグ23eが既にオンされているか否かを確認する(S31)。確認の結果、BB蓄越解除フラグ23d又はRB蓄越解除フラグ23eがオンされていない場合には(S31:No)、次に、ボーナス蓄越メモリ23cの先頭に記憶されているデータを確認する(S32)。
確認の結果、ボーナス蓄越メモリ23cの先頭に記憶されているデータが「2」である場合には(S32:「2」)、「BB」を付与するために、BB蓄越解除フラグ23dをオンして(S33)、ボーナス蓄越メモリ23cのデータを小さいアドレス側へそれぞれ1バイトずつシフトして、先頭のデータを消去し(S35)、このボーナス設定処理を終了する。一方、ボーナス蓄越メモリ23cの先頭に記憶されているデータが「1」であった場合には(S32:「1」)、「RB」を付与するために、RB蓄越解除フラグ23eをオンして(S34)、処理をS35へ移行する。また、ボーナス蓄越メモリ23cの先頭に記憶されているデータがメモリのエンドコードである場合、即ち、ボーナス蓄越メモリ23cに「BB」又は「RB」のいずれのデータも記憶されていない場合には(S32:「エンドコード」)、付与し得るボーナスがそれまでの遊技においてずらされていないので、S33〜S35の処理をスキップして、このボーナス設定処理を終了する。
なお、S31の処理において、BB蓄越解除フラグ23d又はRB蓄越解除フラグ23eが既にオンされていた場合は(S31:Yes)、1のボーナス付与抽選に当選してボーナスを揃え得る状況において、再びボーナス付与抽選に当選してしまったということなので、ボーナスが付与される前にボーナス蓄越メモリ23cに記憶される値から1のデータが消去されてしまうことを防止するため、S32〜S35の処理をスキップして、このボーナス設定処理を終了する。ボーナス設定処理(S14)の終了後は、処理を図7のS22へ移行する。
図7のS13の処理において、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「BB」であった場合には(S13:「BB」)、ボーナス蓄越メモリ23cに記憶されたデータの末尾に「BB」役の成立を示す「2」を付加する一方(S15)、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「RB」であった場合には(S13:「RB」)、ボーナス蓄越メモリ23cに記憶されたデータの末尾に「RB」役の成立を示す「1」を付加する(S17)。
S15及びS17の処理の後は、強制ボーナスフラグ23qがオンか否かを確認する(S16)。確認の結果、強制ボーナスフラグ23qがオンされていれば(S16:Yes)、処理をS14のボーナス設定処理へ移行して、ボーナス蓄越メモリ23cに記憶されている1のボーナスを付与する。一方、強制ボーナスフラグ23qがオンされていなければ(S16:No)、ボーナスをずらしたままにしておくので、処理をS22へ移行する。
S13の処理において、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「賽銭箱」図柄であった場合には(S13:「賽銭箱」)、賽銭箱成立フラグ23fをオンして(S18)、処理をS22へ移行する。
また、S13の処理において、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「鈴」図柄であった場合には(S13:「鈴」)、鈴成立フラグ23gをオンして(S19)、処理をS22へ移行する。
また、S13の処理において、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「水瓶」図柄であった場合には(S13:「水瓶」)、水瓶成立フラグ23hをオンして(S20)、処理をS22へ移行する。
また、S13の処理において、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「チェリー」図柄であった場合には(S13:「チェリー」)、チェリー成立フラグ23iをオンして(S21)、処理をS22へ移行する。
S22の処理では、押し順カウンタ23jの値を押し順メモリ23kに書き込み(S22)、成立役と、押し順メモリ23kに記憶された値とを付加した通常変動開始コマンドをサブ制御基板Sへ送信し(S23)、左・中・右リール用ステッピングモータ28を駆動して各リールL,M,Rを駆動させて(S24)、この変動開始処理(S3)を終了する。
なお、S11の処理において、マックスベットされていない場合は(S11:No)、3枚のメダルが投入されていないということなので、各リールL,M,Rを駆動させないために、この変動開始処理を終了する。また、S12の処理において、スタートスイッチ8aのオン信号が検知されていない場合も(S12:No)、遊技者によってスタートレバー8が所定操作されていないので、この変動開始処理を終了する。
図9は、変動停止処理(S4)のフローチャートである。この変動停止処理では、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作に起因して、変動表示されている各リールL,M,Rを、前記変動開始処理(S3)で設定された各データに応じた所定位置で停止させるための処理である。また、所定位置で停止させた際に予め定められた所定図柄が有効ライン6a〜6e上に停止した場合には、その所定図柄に応じた枚数のメダルを払い出すための処理である。
変動停止処理(S4)では、まず、少なくとも1のリールL,M,Rの回転中か否かを確認する(S41)。確認の結果、少なくとも1のリールL,M,Rの回転中でなければ(S41:No)、いずれのリールL,M,Rも既に停止している状態なので、この変動停止処理を終了する。一方、少なくとも1のリールL,M,Rの回転中であれば(S41:Yes)、次に、回転中のリールL,M,Rに応じたいずれかのストップスイッチ9L,9M,9Rのオン信号を検知したか否かを確認する(S42)。確認の結果、ストップスイッチ9L,9M,9Rのオン信号を検知していなければ(S42:No)、遊技者によってストップスイッチ9L,9M,9Rが所定操作されていないので、回転中のリールL,M,Rをそのまま回転させておくために、この変動停止処理を終了する。
一方、回転中のいずれかのリールL,M,Rに応じたストップスイッチ9L,9M,9Rのオン信号を検知していれば(S42:Yes)、遊技者によって回転中のリールL,M,Rに応じたストップスイッチ9L,9M,9Rが所定操作されたということなので、次に、BB蓄越解除フラグ23d又はRB蓄越解除フラグ23eがオンされているか否かを確認する(S43)。確認の結果、BB蓄越解除フラグ23d又はRB蓄越解除フラグ23eがオンされていれば(S43:Yes)、同一のボーナス図柄を有効ライン6a〜6e上の揃わせるために、オンとなっている蓄越解除フラグ23d,23eに対応したボーナス成立テーブル22aに従って各リールL,M,Rを停止させ得るように設定し(S44)、処理をS48へ移行する。一方、BB蓄越解除フラグ23d又はRB蓄越解除フラグ23eがオンされていなければ(S43:No)、次に、いずれかの小役成立フラグ23f〜23iがオンされているか否かを確認する(S45)。
S45の処理において、いずれかの小役成立フラグ23f〜23iがオンされていれば(S45:Yes)、オンされている小役成立フラグに対応した小役成立テーブル22bに従って各リールL,M,Rを停止させ得るように設定して(S46)、処理をS48へ移行する。一方、いずれかの小役成立フラグ23f〜23iがオンされていなければ(S45:No)、いずれの小役成立フラグ23f〜23iもオンされていないので、最小移動ハズレテーブル23cに従って各リールL,M,Rを停止させ得るように設定し(S47)、処理をS48へ移行する。
S48の処理では、停止されたいずれかのリールL,M,Rが何番目のリール停止か否かを確認する(S48)。確認の結果、第1番目のリール停止であれば(S48:「第1番目」)、押し順が押し順メモリ23kに記憶された値と一致するか否かを確認するために、S49〜S54の処理を行う。
S49の処理では、賽銭箱成立フラグ23fがオンされているか否かを確認する(S49)。賽銭箱成立フラグ23fがオンされていれば(S49:Yes)、その変動表示における成立役は「賽銭箱」図柄であるので、次に、賽銭箱入賞フラグ23mがオンされているか否かを確認する(S50)。賽銭箱入賞フラグ23mがオンされていなければ(S50:No)、「賽銭箱」図柄誘引期間ではないので、次に、賽銭箱カウンタ23lの値が「7」か否かを確認する(S51)。確認の結果、賽銭箱カウンタ23lの値が「7」でなければ(S51:No)、1/9の抽選に落選したということなので、賽銭箱成立フラグ23fを含む小役成立フラグ23f〜23iをオフして(S54)、この変動停止処理(S4)を終了する。
一方、S51の処理において、賽銭箱カウンタ23lの値が「7」であれば(S51:Yes)、1/9の抽選に当選したということなので、次に、第1番目に押下されたストップスイッチ9L,9M,9Rが押し順メモリ23kの値が示すリール停止か否かを確認する(S52)。確認の結果、第1番目に押下されたストップスイッチ9L,9M,9Rが押し順メモリ23kの値が示すリール停止であった場合には(S52:Yes)、「賽銭箱」図柄を入賞させるために、S54の処理をスキップして、この変動停止処理を終了する。一方、第1番目に押下されたストップスイッチ9L,9M,9Rが押し順メモリ23kの値が示すリール停止ではない場合には(S52:No)、押し順が違ったということなので、「賽銭箱」図柄を入賞させないために、処理をS54へ移行する。
S49の処理において、賽銭箱成立フラグ23fがオンされていなければ(S49:No)、次に、鈴成立フラグ23g又は水瓶成立フラグ23hがオンされているか否かを確認する(S53)。確認の結果、鈴成立フラグ23g又は水瓶成立フラグ23hがオンされていれば(S53:Yes)、その変動表示における成立役は「鈴」図柄又は「水瓶」図柄であるので、次に、第1番目に押下されたストップスイッチ9L,9M,9Rが押し順メモリ23kの値が示すリール停止か否かを確認する(S52)。確認の結果、第1番目に押下されたストップスイッチ9L,9M,9Rが押し順メモリ23kの値が示すリール停止であった場合には(S52:Yes)、「鈴」図柄又は「水瓶」図柄のいずれかを入賞させるために、S54の処理をスキップして、この変動停止処理を終了する。一方、第1番目に押下されたストップスイッチ9L,9M,9Rが押し順メモリ23kの値が示すリール停止ではない場合には(S52:No)、押し順が違ったということなので、「鈴」図柄又は「水瓶」図柄を入賞させないために、処理をS54へ移行する。
なお、S48の処理において、第2番目のリール停止であれば(S48:「第2番目」)、第1番目のリール停止時に既に押し順の一致又は不一致を判別しているので、S49〜S54の処理をスキップして、この変動停止処理(S4)を終了する。また、S48の処理において、第3番目のリール停止であれば(S48:「第3番目」)、いずれのリールL,M,Rも停止したということなので、小役やボーナス役が成立しているか否かを判定するために、入賞判定処理を行う(S55)。
図10は、入賞判定処理(S55)のフローチャートである。この入賞判定処理では、有効ライン6a〜6e上の所定位置に小役図柄又はボーナス図柄が停止しているか否かが判定され、その判定結果に応じて所定数のメダルを払い出すための処理である。
入賞判定処理(S55)では、まず、チャンス残数カウンタ23nの値が「1」以上か否かを確認する(S61)。チャンス残数カウンタ23nの値が「1」以上である場合には(S61:Yes)、サブ制御基板Sにおいて小役図柄成立時の押し順誘引が行われているということなので、その押し順誘引回数を主制御基板Cにおいても計数すべく、チャンス残数カウンタ23nの値から「1」を減算して(S62)、処理をS66へ移行する。一方、チャンス残数カウンタ23nの値が「1」以上でなければ(S61:No)、小役図柄成立時の押し順誘引は実行されていない、又は、終了したということなので、強制ボーナスフラグ23qをオフして(S63)、賽銭箱入賞フラグ23mをオフし(S64)、ステップカウンタ23pの値を「0」クリアして(S65)、処理をS66へ移行する。
図11は、特典付き遊技設定処理(S66)のフローチャートである。この特典付き遊技設定処理では、挑戦カウンタ23oの値が「1」以上である場合、即ち、いずれかの挑戦期間である場合に、その挑戦期間に応じた図柄の入賞であるか否かを判定し、その判定結果に応じていずれかの図柄誘引期間を発生させるために、その判定結果に応じた図柄の入賞コマンドをサブ制御基板Sへ送信するための処理である。
特典付き遊技設定処理(S66)では、まず、挑戦カウンタ23oの値が「1」以上か否かを確認する(S81)。挑戦カウンタ23oの値が「1」以上でなければ(S81:No)、いずれの挑戦期間でもないので、この特典付き遊技設定処理を終了する。
一方、S81の処理において、挑戦カウンタ23oの値が「1」以上である場合は(S81:Yes)、いずれかの挑戦期間中であるので、挑戦カウンタ23oの値から「1」を減算して(S83)、次に、入賞役を確認する(S84)。
確認の結果、「水瓶」図柄に入賞していた場合は(S84:「水瓶」)、ステップカウンタ23pの値が「0」か否かを確認する(S85)。ステップカウンタ23pの値が「0」である場合は(S85:Yes)、「水瓶」挑戦期間中であり、「水瓶」挑戦期間中における「水瓶」図柄の入賞であるので、サブ制御基板Sにおいて「水瓶」図柄誘引期間を発生させるべく、水瓶入賞コマンドをサブ制御基板Sへ送信して(S86)、処理をS93へ移行する。一方、S85の処理において、ステップカウンタ23pの値が「0」でない場合は(S85:No)、「水瓶」挑戦期間中ではないので、サブ制御基板Sに水瓶入賞コマンドを送信せずに、この特典付き遊技設定処理(S66)を終了する。
S84の処理において、「鈴」図柄に入賞していた場合は(S84:「鈴」)、ステップカウンタ23pの値が「1」であるか否かを確認する(S87)。確認の結果、ステップカウンタ23pの値が「1」である場合は(S87:Yes)、「鈴」挑戦期間中であり、「鈴」挑戦期間中における「鈴」図柄の入賞であるので、サブ制御基板Sにおいて「鈴」図柄誘引期間を発生させるべく、鈴入賞コマンドをサブ制御基板Sへ送信して(S88)、処理をS93へ移行する。一方、S87の処理において、ステップカウンタ23pの値が「1」でない場合は(S87:No)、「鈴」挑戦期間中ではないので、サブ制御基板Sに鈴入賞コマンドを送信せずに、この特典付き遊技設定処理(S66)を終了する。
S84の処理において、「賽銭箱」図柄に入賞していた場合は(S84:「賽銭箱」)、ステップカウンタ23pの値が「2」であるか否かを確認する(S89)。確認の結果、ステップカウンタ23pの値が「2」である場合は(S89:Yes)、「賽銭箱」挑戦期間中であり、「賽銭箱」挑戦期間中における「賽銭箱」図柄の入賞であるので、「賽銭箱」図柄誘引期間において賽銭箱カウンタ23lの値を参酌せずに「賽銭箱」図柄を入賞させるために、賽銭箱入賞フラグ23mをオンして(S90)、サブ制御基板Sにおいて「賽銭箱」図柄誘引期間を発生させるべく、賽銭箱入賞コマンドをサブ制御基板Sへ送信して(S91)、処理をS93へ移行する。一方、S89の処理において、ステップカウンタ23pの値が「2」でない場合は(S89:No)、「賽銭箱」挑戦期間中ではないので、サブ制御基板Sに賽銭箱入賞コマンドを送信せずに、この特典付き遊技設定処理(S66)を終了する。
S84の処理において、「チェリー」図柄、「BB」又は「RB」に入賞していた場合は(S84:「チェリー」or「BB」or「RB」)、ステップカウンタ23pの値を度外視していずれかの図柄誘引期間を発生させ得ることができるので、サブ制御基板Sにおいて現在の挑戦期間に応じた図柄誘引期間を発生させるべく、1ランクアップコマンドをサブ制御基板Sへ送信して(S92)、処理をS93へ移行する。なお、S84の処理において、いずれの役も成立していない場合は(S84:「その他」)、この特典付き遊技設定処理(S66)を終了する。
S93の処理では、再び挑戦期間を発生させるべく、挑戦カウンタ23oの値に「5」を加算して(S93)、主制御基板Cにおいて図柄誘引期間の回数を計数するために、チャンス残数カウンタ23nの値に「50」をセットし(S94)、処理をS95へ移行する。
S95の処理では、ステップカウンタ23pの値が「3」であるか否かを確認する(S95)。確認の結果、ステップカウンタ23pの値が「3」である場合には(S95:Yes)、強制ボーナス挑戦期間であったので、その後の50ゲームの遊技において強制ボーナスタイムを発生させるべく、強制ボーナスフラグ23qをオンして(S96)、この特典付き遊技設定処理(S66)を終了する。一方、ステップカウンタ23pの値が「3」でなければ(S95:No)、強制ボーナス挑戦期間ではなく、いずれかの小役図柄の挑戦期間であったので、1ランク上の挑戦期間を発生させるべく、ステップカウンタ23pの値に「1」を加算して(S97)、この特典付き遊技設定処理を終了する。
特典付き遊技設定処理(S66)の終了後は、図10に戻り、有効ライン6a〜6e上におけるボーナス役の入賞か否かを確認する(S67)。確認の結果、ボーナス役が入賞していれば(S67:Yes)、入賞したボーナス役に対応したデータを状態フラグ23aに書き込み(S68)、ボーナス入賞コマンドをサブ制御基板Sへ送信し(S69)、入賞したボーナス役に対応したBB蓄越解除フラグ23d又はRB蓄越解除フラグ23eをオフして(S70)、処理をS71へ移行する。
S71の処理では、挑戦カウンタ23oの値が「0」か否かを確認する(S71)。確認の結果、挑戦カウンタ23oの値が「0」であれば(S71:Yes)、各挑戦期間中のボーナス入賞ではないので、ボーナス遊技の終了後において挑戦期間を発生させるために、挑戦カウンタ23oの値に「5」を加算して(S72)、処理をS73へ移行する。
なお、S67において、ボーナス役の入賞でなければ(S67:No)、S68〜S72の処理をスキップして、処理をS73へ移行する。また、S71の処理において、挑戦カウンタ23oの値が「0」でない場合には(S71:No)、いずれかの挑戦期間中のボーナス入賞であるので、既にS66の特典付き遊技設定処理において挑戦カウンタ23oが加算されているため、ここでは挑戦カウンタ23oの値を加算せずに、S72の処理をスキップして、処理をS73へ移行する。
S73の処理では、メダル払出処理を行い(S73)、入賞した図柄に応じた枚数のメダルを払い出し、すべての小役図柄成立フラグ23f〜23iをオフして(S74)、この入賞判定処理(S55)を終了する。なお、入賞判定処理の終了後は、図9に示す変動停止処理(S4)も終了する。
次に、図12から図14に示すフローチャートを参照して、サブ制御基板Sにおいて実行される各処理について説明する。図12は、主制御基板Cから送信される各コマンドを受信するためのコマンド受信処理を示したフローチャートである。
このコマンド受信処理では、まず、主制御基板Cからボーナス入賞コマンドを受信したか否かを確認する(S101)。確認の結果、ボーナス入賞コマンドを受信していれば(S101:Yes)、次に、挑戦カウンタ33aの値が「0」か否かを確認する(S102)。挑戦カウンタ33aの値が「0」であれば(S102:Yes)、いずれの挑戦期間中でもないので、挑戦カウンタ33aの値に「5」を加算して(S103)、ボーナス遊技の終了後の5ゲームの変動表示において挑戦期間を発生させるように設定し、このコマンド受信処理を終了する。
一方、S101の処理においてボーナス入賞コマンドを受信していない場合(S101:No)、又は、S102の処理において挑戦カウンタ33aの値が「0」でない場合(即ち、挑戦期間中である場合)には(S102:No)、入賞コマンド受信処理を行う(S104)。
図13は、入賞コマンド受信処理(S104)のフローチャートである。この入賞コマンド受信処理は、主制御基板Cから受信した入賞コマンドに応じて、各図柄誘引フラグ33b〜33dをオンするための処理である。
入賞コマンド受信処理(S104)では、まず、受信した入賞コマンドの種類を確認する(S121)。確認の結果、水瓶入賞コマンドを受信していた場合は(S121:「水瓶入賞コマンド」)、水瓶誘引フラグ33dをオンして(S122)、処理をS126へ移行する。また、鈴入賞コマンドを受信していた場合には(S121:「鈴入賞コマンド」)、鈴誘引フラグ33cをオンして(S123)、処理をS126へ移行する。また、賽銭箱入賞コマンドを受信していた場合には(S121:「賽銭箱入賞コマンド」)、賽銭箱誘引フラグ33bをオンして(S124)、処理をS126へ移行する。また、1ランクアップコマンドを受信していた場合には(S121:「1ランクアップコマンド」)、現在オンされているいずれの図柄誘引フラグ33c,33dをオンして(S125)、処理をS126へ移行する。
S126の処理では、再び挑戦期間を発生させるべく、挑戦カウンタ33aの値に「5」を加算して(S126)、サブ制御基板Sにおいて図柄誘引期間の回数を計数するために、誘引回数カウンタ33eの値に「50」をセットし(S127)、この入賞コマンド受信処理(S104)を終了する。なお、S121の処理において、その他の入賞コマンドを受信していた場合は(S121:「その他」)、いずれの図柄誘引フラグ33b〜33dをオンせずに、この入賞コマンド受信処理を終了する。入賞コマンド受信処理の終了後は、図12のS105の処理へ移行する。
図12のS105の処理では、主制御基板Cから通常変動開始コマンドを受信したか否かを確認する(S105)。確認の結果、通常変動開始コマンドを受信していなければ(S105:No)、処理をS110へ移行する一方、通常変動開始コマンドを受信していれば(S105:Yes)、通常変動開始コマンドに付加されている成立役と、押し順メモリ23kに記憶されていた値とをコマンドメモリ33fに書き込み(S106)、次に、挑戦カウンタ33aの値が「1」以上か否かを確認する(S107)。挑戦カウンタ33aの値が「1」以上である場合には(S107:Yes)、いずれかの挑戦期間中であるので、挑戦カウンタ33aの値から「1」を減算して(S108)、押し順表示処理を実行する(S109)。なお、挑戦カウンタ33aの値が「1」以上でない場合は(S107:No)、S108の処理をスキップして、S109の押し順表示処理を実行する。
図14は、押し順表示処理(S109)のフローチャートである。この押し順表示処理は、誘引回数カウンタ33eの値が「1」以上であった場合に、コマンドメモリ33fに記憶されている成立役と、各図柄誘引フラグ33b〜33dとに応じて、コマンドメモリ33fに記憶される押し順メモリ23kの値に対応した押し順をLCD16に表示するための処理である。
この押し順表示処理(S109)では、まず、誘引回数カウンタ33eの値が「1」以上か否かを確認する(S131)。確認の結果、誘引回数カウンタ33eの値が「1」以上であれば(S131:Yes)、誘引回数カウンタ33eの値から「1」減算して(S132)、次に、コマンドメモリ33fに記憶されている成立役を確認する(S133)。確認の結果、「賽銭箱」図柄が成立していた場合は(S133:「賽銭箱」)、次に、賽銭箱誘引フラグ33bがオンされているか否かを確認する(S134)。確認の結果、賽銭箱誘引フラグ33bがオンされていなければ(S134:No)、処理をS140へ移行する一方、賽銭箱誘引フラグ33bがオンされていれば(S134:Yes)、コマンドメモリ33fに記憶された押し順メモリ23kの値に対応した押し順をLCD16に茶色で表示し(S135)、処理をS140へ移行する。
また、S133の処理において、「鈴」図柄が成立していた場合は(S133:「鈴」)、次に、鈴誘引フラグ33cがオンされているか否かを確認する(S136)。確認の結果、鈴誘引フラグ33cがオンされていなければ(S136:No)、処理をS140へ移行する一方、鈴誘引フラグ33cがオンされていれば(S136:Yes)、コマンドメモリ33fに記憶された押し順メモリ23kの値に対応した押し順をLCD16に黄色で表示し(S137)、処理をS140へ移行する。
また、S133の処理において、「水瓶」図柄が成立していた場合は(S133:「水瓶」)、次に、水瓶誘引フラグ33dがオンされているか否かを確認する(138)。確認の結果、水瓶誘引フラグ33dがオンされていなければ(S138:No)、処理をS14へ移行する一方、水瓶誘引フラグ33dがオンされていれば(S138:Yes)、コマンドメモリ33fに記憶された押し順メモリ23kの値に対応した押し順をLCD16に青色で表示し(S139)、処理をS140へ移行する。
S140の処理では、再び、誘引回数カウンタ33eの値が「1」以上か否かを確認し(S140)、誘引回数カウンタ33eの値が「1」でない場合には(S140:No)、各図柄誘引期間を終了させるべく、賽銭箱誘引フラグ33b、鈴誘引フラグ33c及び水瓶誘引フラグ33dをオフして(S141)、各処理を行い(S142)、この押し順表示処理(S109)を終了する。この押し順表示処理の終了後は、図12のS110へ移行する。
なお、S131において、誘引回数カウンタ33eの値が「1」以上でない場合(S131:No)は、各図柄誘引期間が終了しているので、処理をS142へ移行する。また、S140の処理において、誘引回数カウンタ33eの値が「1」以上であるときは(S140:Yes)、各図柄誘引期間が継続中であるので、S141の処理をスキップして、処理をS142へ移行する。
図12のS110の処理では、他のコマンドに対する処理を実行して(S110)、このコマンド受信処理を終了する。
以上説明したように、本実施例のスロットマシン1では、遊技者の操作態様(本実施例では、押し順)によって入賞又は非入賞が決定されるスロットマシンにおいて、所定条件が成立(本実施例では、ボーナス発生)した場合に第1期間を発生させて、その第1期間内に予め定められた第1識別情報(本実施例では、「水瓶」図柄)が入賞した場合に、その後の遊技において第1識別情報が入賞し得る操作態様を遊技者に示唆する第1示唆遊技が発生するように構成する。また、第1示唆遊技が発生した場合に第2期間を発生させて、その第2期間内に予め定められた第2識別情報(本実施例では、「鈴」図柄)が入賞した場合に、その後の遊技において第2識別情報が入賞し得る操作態様を遊技者に示唆する第2示唆遊技を発生させるように構成する。よって、遊技者に付与される遊技価値を段階的に多くすることができるので、継続して遊技を行うことによる興趣を向上させることができる。また、押し順に応じて各小役図柄が入賞するスロットマシン1において、各挑戦期間中に入賞した小役図柄によって各図柄誘引期間を発生させるように構成することによって、遊技者に付与される遊技価値を直接的に決定させることができるので、遊技者の遊技の参加意欲を向上させることができる。更に、制御を簡易にしつつ複数種類の特別遊技を実現することができ、特別遊技の種類を増やしても、種々の制御を設けることによる処理の複雑化に伴う不安定な制御状態の発生を抑制すると共に制御プログラムの簡素化によってスロットマシン1の開発期間や開発コストを短縮することができる。
また、本実施例のスロットマシン1において、各挑戦期間中に「チェリー」図柄に入賞、又は、「BB」若しくは「RB」に当選した場合には、その挑戦期間に応じた図柄誘引期間を発生させるように構成されている。即ち、いずれの挑戦期間中においても、「チェリー」図柄の入賞、並びに、「BB」及び「RB」の当選することによって、1ランク上の図柄誘引期間を発生させると共に、1ランク上の挑戦期間を発生させる。よって、所謂、オールマイティ図柄を備え、そのオールマイティ図柄が各挑戦期間中に入賞又は成立することによって遊技者に付与される遊技価値を多くすることができるように構成することで、遊技性を多彩(バリエーションを豊富)にすることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、示唆遊技は、LCD16に押し順が表示されることにより発生するものであり、この押し順は、主制御基板Cによる処理の中で入賞条件として各ゲーム毎に選定され、サブ制御基板Sのコマンドメモリ33fに毎回記憶されるものである。示唆遊技を発生させるときには、サブ制御基板Sが、そのコマンドメモリ33fに記憶された押し順をLCD16に表示させるという簡易な制御をするだけで良い。よって、示唆遊技の実行に伴う制御が複雑にならず、複数種類の示唆遊技であっても簡易な制御で実現できる。特に、主制御基板Cにおいては各遊技毎に全く同一の制御を行いつつ押し順表示による示唆遊技を発生させることができるので、各種の抽選を行う主制御基板Cに示唆遊技の設定に伴う新たな制御を設ける必要がなく、制御を簡易にして安定させることができる。つまり、本実施例のスロットマシン1においては、制御を簡易にしつつ複数種類の示唆遊技を設定することができるので、示唆遊技の種類を増やしても、種々の制御を設けることによる制御の複雑化に伴う不安定な制御状態の発生を抑制できると共に、開発期間の短縮や開発コストの低減を実現することができる。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施例においては、押し順カウンタ23jによる押し順の抽選を行って、入賞条件を選定すると共にLCD16に押し順を表示して各図柄誘引期間中にその図柄誘引期間に応じた各小役図柄に入賞し易くなるように制御を行ったが、必ずしも押し順を入賞条件とする必要はなく、リールを停止させるタイミングのうち入賞し易いタイミングを選定するカウンタを設け、そのカウンタの値を示す情報をLCD16に表示するものとしても良い。例えば、図5に示す水瓶用小役成立テーブル22b1において停止操作に対してリールを滑らせる「水瓶」図柄を特定のもののみとし(例えば、左リールLについてはコマ番号第8番と第21番の「水瓶」図柄、中リールMについてはコマ番号第7番の「水瓶」図柄、右リールRについてはコマ番号第6番の「水瓶」図柄)、その特定の「水瓶」図柄に近接して配置された「白7」を、LCD16に入賞条件を示す操作情報として表示する。同様に、「赤7」に近接して配置された「水瓶」図柄のみを引き込んで停止させる水瓶用小役成立テーブルと、「BAR」に近接して配置された「水瓶」図柄のみを引き込んで停止させる水瓶用小役成立テーブルとを設定する。同様に、「賽銭箱」及び「鈴」についても小役成立テーブルを3つずつ設定し、使用するテーブルに対応した「白7」、「赤7」、「BAR」を上記実施例における押し順表示の代わりに表示させても良い。停止させるタイミングが表示されても、遊技に不慣れな遊技者にとっては表示された図柄に合わせてストップスイッチ9L,9M,9Rを操作することが難しいので、遊技に慣れた遊技者ほど操作情報が出力された場合に入賞による遊技価値を獲得させることができ、技術介入性のある遊技性を提供することができる。
本発明を上記実施例とは異なるタイプの遊技機(パチンコ機)等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
以下に本発明の遊技機および変形例を示す。遊技者によって操作可能な停止操作手段と、第1識別情報又は第2識別情報等の複数の識別情報を可変表示すると共に前記停止操作手段の操作に起因して前記識別情報の可変表示を停止する可変表示手段と、所定の始動条件の成立を検出する始動条件検出手段と、その始動条件検出手段によって前記始動条件の成立が検出された場合に所定の遊技価値を付与するか否かの抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて前記可変表示手段による可変表示の停止態様を制御する可変表示制御手段と、その可変表示制御手段によって前記可変表示手段の所定領域に前記識別情報の予め定めた停止態様が停止された場合に該識別情報に応じた所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、前記抽選手段によって前記所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出された際に、前記停止操作手段の操作態様を決定する操作決定手段と、その操作決定手段によって決定された前記停止操作手段の操作態様を記憶する態様記憶手段と、その態様記憶手段に記憶された前記停止操作手段の操作態様と、遊技者の前記停止操作手段の操作態様とが一致したか否かを判断する操作態様判断手段と、その操作態様判断手段によって、前記操作決定手段によって決定された前記停止操作手段の操作態様と遊技者の前記停止操作手段の操作態様とが一致したと判断された場合に、前記可変表示手段の所定領域に前記識別情報を停止させる操作適合入賞手段と、第1条件が成立したか否かを判別する第1条件判別手段と、その第1条件判別手段によって、前記第1条件が成立したと判別された場合に第1特定期間を発生させる第1特定期間発生手段と、その第1特定期間発生手段によって発生された前記第1特定期間内に前記第1識別情報が前記操作適合入賞手段によって前記所定領域に停止したか否かを判断する第1達成判別手段と、その第1達成判別手段によって、前記第1特定期間内に前記第1識別情報が前記操作適合入賞手段により前記所定領域に停止したと判断された場合に、前記抽選手段による前記第1識別情報の抽選結果の導出に応じて、前記態様記憶手段に記憶される前記停止操作手段の操作態様を遊技者に示唆し易い第1示唆遊技を発生させる第1示唆遊技発生手段と、その第1示唆遊技発生手段によって前記第1示唆遊技の開始時又は開始後に第2特定期間を発生させる第2特定期間発生手段と、その第2特定期間発生手段によって発生された前記第2特定期間内に前記第2識別情報が前記操作適合入賞手段によって前記所定領域に停止したか否かを判断する第2達成判別手段と、その第2達成判別手段によって、前記第2特定期間内に前記第2識別情報が前記操作適合入賞手段により前記所定領域に停止したと判断された場合に、前記抽選手段による前記第2識別情報の抽選結果の導出に応じて、前記態様記憶手段に記憶される前記停止操作手段の操作態様を遊技者に示唆し易い第2示唆遊技を発生させる第2示唆遊技発生手段とを備えていることを特徴とする遊技機1。なお、可変表示制御手段に、始動条件検出手段、抽選手段、遊技価値付与手段、操作決定手段、操作態様判断手段、操作適合入賞手段、第1条件判別手段、第1特定期間発生手段、第1達成判別手段、第1示唆遊技発生手段、第2特定期間発生手段、第2達成判別手段又は第2示唆遊技発生手段を備えるように構成しても良い。
従来、遊技機の一種として、複数の図柄(識別情報の一部)が所定間隔おきにリールに付されて構成された図柄列を可変表示した後に停止図柄を表示する可変表示手段を備えたスロットマシン等が知られている。この種の遊技機では、可変表示手段の所定領域である有効ラインに表示される停止図柄が特定図柄であることを必須条件として、例えば、ビックボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームといった遊技者に有利な所定のゲームが発生するものが多い。近年、この種の遊技機では、上記各ボーナスゲームとは別に、小役図柄の成立等の比較的低い遊技価値の付与機会を通常時よりも多くすることができるチャンスタイムの如き特別遊技が設定されているものがある。例えば、小役図柄の成立確率を通常時よりも大幅に高めて、通常時より多くの小役が成立することによってメダルの消費を抑えるか或いはメダル獲得量を増加させることができるように構成されている。しかしながら、上記小役図柄を頻発させる特別遊技の発生条件は、始動条件の成立に伴った内部抽選によって決定されるものであり、遊技者の遊技の参加形態が1パターンのみとなってしまい、遊技者の遊技の参加意欲を低減させてしまいかねないといった問題点があった。
そこで、遊技機1によれば、第1条件を満たしたときに発生する第1特定期間内に第1識別情報が所定領域に停止した場合に、第1識別情報の抽選結果の導出に応じて停止操作手段の操作態様を遊技者に示唆し易い第1示唆遊技を発生させるように構成されている。また、第1示唆遊技が開始されたときに発生する第2特定期間内に第2識別情報が所定領域内に停止した場合に、第2識別情報の抽選結果の導出に応じて停止操作手段の操作態様を遊技者に示唆し易い第2示唆遊技を発生させるように構成されている。よって、遊技者自身の遊技の参加形態に応じて段階的な遊技価値を付与し得ることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。また、各特定期間中に各識別情報が現出することによって、その現出した識別情報と関連した遊技を遊技者に提供することができるので、遊技内容を明確に遊技者に示唆することができる。
遊技機1において、前記遊技価値付与手段は、前記第2識別情報が前記所定領域に停止された場合に、前記第1識別情報が前記所定領域に停止されたときより多くの遊技価値を付与可能に構成されていることを特徴とする遊技機2。第1識別情報が所定領域に停止した場合より第2識別情報が所定領域に停止した場合に多くの遊技価値を遊技者に付与可能に構成する。即ち、第1示唆遊技より第2示唆遊技の方が多くの遊技価値を付与し得ることができるので、第1示唆遊技の後において行われる第2示唆遊技の遊技価値を第1示唆遊技より高めることができる。よって、段階的な遊技価値を付与し得ることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機1又は2において、前記抽選手段は、ランダムに値を取得することができる乱数手段を備え、その乱数手段は、前記第2識別情報に対応する値より、前記第1識別情報に対応する値が多く記憶されていることを特徴とする遊技機3。ランダムな値で構成された乱数手段は、第2識別情報に対応する値より第1識別情報対応する値を多く記憶している。即ち、第2識別情報より第1識別情報に当選し易いように構成されている。言い換えれば、第1識別情報より第2識別情報の方が当選し難いように構成されているので、例えば、第1特定期間と第2特定期間との長さが同一であった場合、第1示唆遊技より第2示唆遊技の方が発生し難くなるように構成されている。よって、段階的に発生する示唆遊技において、第1示唆遊技後に発生し得る第2示唆遊技を第1示唆遊技より発生し難くすることによって、遊技にバリエーションを設けることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機1から3のいずれかにおいて、前記第2示唆遊技は、前記第2識別情報の抽選結果の導出に応じて前記態様記憶手段に記憶される前記停止操作手段の操作態様を遊技者に示唆し易いものであることを特徴とする遊技機4。
遊技機1から3のいずれかにおいて、前記第2示唆遊技は、前記第2識別情報の抽選結果の導出に応じて前記態様記憶手段に記憶される前記停止操作手段の操作態様を遊技者に示唆し易いと共に、前記第1識別情報の抽選結果の導出に応じて前記態様記憶手段に記憶される前記停止操作手段の操作態様を遊技者に示唆し易いものであることを特徴とする遊技機5。第1示唆遊技後に発生し得る第2示唆遊技において、第1識別情報又は第2識別情報の抽選結果の導出に応じて、態様記憶手段に記憶される停止操作手段の操作態様を遊技者に示唆するように構成されている。よって、第1示唆遊技から第2示唆遊技へと発展した場合に多くの遊技価値を付与し得ることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機1から5のいずれかにおいて、前記第1条件は、前記可変制御手段によって所定の抽選結果が導出されると共に、前記所定領域に特定の識別情報が停止することを条件とすることを特徴とする遊技機6。
遊技機1から6のいずれかにおいて、前記可変表示制御手段は、前記第1特定期間又は第2特定期間を記憶する特定期間記憶手段と、その特定期間記憶手段の値が所定値に達したか否かを判別する特定期間判別手段と、その特定期間判別手段によって前記特定期間記憶手段の値が所定値に達したと判断された場合に前記第1特定期間又は第2特定期間を終了させる特定期間終了手段とを備えていることを特徴とする遊技機7。
遊技機1から6のいずれかにおいて、前記可変表示制御手段は、前記第1特定期間又は第2特定期間を記憶する特定期間記憶手段と、所定の識別情報が前記操作適合入賞手段によって前記所定領域に停止されたか否かを判別する特定期間停止判別手段と、その特定期間停止判別手段によって前記所定領域に前記所定の識別情報が停止されたと判別された場合に前記第1特定期間又は第2特定期間を終了させる特定期間終了手段とを備えていることを特徴とする遊技機8。
遊技機1から8のいずれかにおいて、前記操作態様判断手段は、前記停止操作手段の押し順を判断して、前記第1識別情報又は第2識別情報を前記所定領域に停止させるか否かを決定するものであることを特徴とする遊技機9。通常状態において、所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出された際に、その所定の遊技価値に対応した識別情報を所定領域内に停止させる停止操作手段の操作態様、即ち、停止操作手段の押し順を遊技者に示唆しないように構成する。一方、第1又は第2示唆遊技中においては、所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出された際に、その所定の遊技価値に対応した識別情報を所定領域内に停止させる停止操作手段の押し順を遊技者に示唆するように構成する。よって、第1又は第2示唆遊技中において、遊技者は、通常状態より容易に所定の遊技価値を付与し得る識別情報を所定領域内に停止させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機1から8のいずれかにおいて、前記操作態様判断手段は、前記停止操作手段の押下されたタイミングを判断して、前記第1識別情報又は第2識別情報を前記所定領域に停止させるか否かを決定するものであることを特徴とする遊技機10。通常状態において、停止操作手段の操作態様、即ち、押下タイミングを遊技者に示唆しないように構成する。一方、第1又は第2示唆遊技中においては、所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出された際に、その所定の遊技価値に対応した識別情報を所定領域内に停止させる停止操作手段の押下タイミングを遊技者に示唆するように構成する。よって、第1又は第2示唆遊技中において、遊技者は、通常状態より容易に所定の遊技価値を付与し得る識別情報を所定領域内に停止させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機11。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において可変表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機12。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を可変表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の可変表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の可変表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機13。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を可変表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の可変表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の可変表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。