JP2010000050A - 温度制御装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】除湿を行う際に、暖房費の増大を抑制することができるようにする。
【解決手段】除湿用室内機73は、ハウス52内の空気を取り込み、冷たい冷媒(液体)を用いてその空気を冷却し、冷却された空気を、ハウス52内に送風する。除湿用室外機74は、除湿用室内機73からの冷媒(気体)を、内蔵する圧縮機(図示せぬ)を用いて圧縮し、高温にしてから、ファンを回す。ファンを回したことで、取り込まれたハウス52内の空気は、高温になった冷媒(液体)により温められ、温められた空気がハウス52内に送風される。本発明は、作物を栽培するハウス内の温度制御を行うハウス温度制御システムに適用することができる。
【選択図】図3
【解決手段】除湿用室内機73は、ハウス52内の空気を取り込み、冷たい冷媒(液体)を用いてその空気を冷却し、冷却された空気を、ハウス52内に送風する。除湿用室外機74は、除湿用室内機73からの冷媒(気体)を、内蔵する圧縮機(図示せぬ)を用いて圧縮し、高温にしてから、ファンを回す。ファンを回したことで、取り込まれたハウス52内の空気は、高温になった冷媒(液体)により温められ、温められた空気がハウス52内に送風される。本発明は、作物を栽培するハウス内の温度制御を行うハウス温度制御システムに適用することができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、温度制御装置および方法に関し、特に、除湿を行う際に、暖房費の増大を抑制することができるようにした温度制御装置および方法に関する。
トマト、なす、またはメロンなどの作物を栽培する農家においては、それらの作物をハウス内で栽培することもある。ハウス内は密閉された空間であり、夜間、ハウス内の温度が下がってくると、その相対湿度(RH)は、100%近くまで上昇する。相対湿度が80%を超えると、作物に、べと病、つる枯れ病、灰色カビ病などの疫病が多発するため、ハウス内の相対除湿は80%に保つことが望ましい。
従来は、相対湿度を下げるために換気などを行っていたが、これがハウス内における大きな熱量の損失となっていた。
そこで、ヒートポンプ式エアーコンディショナ(以下、単にエアーコンディショナと称する)を冷房機として利用することで、冷房除湿を行うことが提案されている(非特許文献1参照)。
従来の冷房除湿について、図1を参照して説明する。図1に示されるように、エアーコンディショナ11は、ハウス1内に設置される室内機12と、ハウス1の外部に設置される室外機13により構成されている。
エアーコンディショナ11は、除湿を行う際、室内機12で、ハウス1内から空気を取り込み、取り込んだ空気を冷媒で冷却し、冷却した空気をハウス1内に戻すことで、ハウス1内の除湿を行っている。その際、ハウス1の外部に設置された室外機13には、室内機12からの熱を持った冷媒が送られてくる。室外機13は、ファンを回して、温風をハウス1の外部に出力することで、室内機12からの冷媒を冷やし、冷やした冷媒を再度室内機12に戻している。
ネポン株式会社,グリーンパッケージ,[online],[平成20年6月13日検索],インターネット<URL: http://www.nepon.co.jp/products/agriculture/gp/index.html>
しかしながら、非特許文献1のシステムでは、暖房用のエアーコンディショナを、除湿用にも用いている。したがって、除湿を行う際には、エアーコンディショナは、暖房を一時停止し、冷房運転を行わなければならない。すなわち、暖房しているハウス内は、一時冷房されてしまう。
除湿が終わるとエアーコンディショナにより再度暖房が行われるが、1時間除湿した後に、ハウス内を元の温度に戻すには、再度1時間の暖房が必要となる。すなわち、1時間除湿するためには2時間の電気エネルギーが必要になってしまう。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、除湿を行う際に、暖房費の増大を抑制することができるようにするものである。
本発明の一側面の温度制御装置は、ハウス内の湿度を測定する湿度センサと、前記湿度センサにより測定された前記湿度に基づいて、前記ハウス内の湿度を調整するとともに、前記ハウス内の空気を温める第1のエアーコンディショナとを備え、前記第1のエアーコンディショナは、前記ハウス内から取り込んだ空気を冷媒を用いて除湿し、除湿された空気を前記ハウス内に送風する第1の装置と、前記第1の装置からの前記冷媒を圧縮し、ファンを回して、温かい空気を前記ハウス内に送風する第2の装置とで構成される。
前記第2の装置は、前記ハウス内に設置されることができる。
前記ハウス内の温度を測定する温度センサと、前記温度センサにより測定された前記温度に基づいて、前記ハウス内の空気を温める第2のエアーコンディショナとをさらに備えることができる。
本発明の一側面の温度制御方法は、ハウス内の湿度を測定する湿度センサと、前記湿度センサにより測定された前記湿度に基づいて、前記ハウス内の湿度を調整するとともに、前記ハウス内の空気を温めるエアーコンディショナとを備える温度制御装置の温度制御方法であって、前記エアーコンディショナの第1の装置が、前記ハウス内から取り込んだ空気を冷媒を用いて除湿し、除湿された空気を前記ハウス内に送風し、前記エアーコンディショナの第2の装置が、前記第1の装置からの前記冷媒を圧縮し、ファンを回して、温かい空気を前記ハウス内に送風するステップを含む。
本発明の一側面の温度制御装置および方法においては、ハウス内の湿度を測定する湿度センサにより測定された前記湿度に基づいて、前記ハウス内の湿度を調整するとともに、前記ハウス内の空気を温めるエアーコンディショナの第1の装置により、前記ハウス内から取り込んだ空気が冷媒を用いて除湿され、除湿された空気が前記ハウス内に送風される。そして、前記エアーコンディショナの第2の装置により、前記第1の装置からの前記冷媒が圧縮され、ファンが回されて、温かい空気が前記ハウス内に送風される。
以上のように、本発明の一側面によれば、ハウス内の湿度が調整される。また、本発明の一側面によれば、ハウス内の除湿を行う際に、暖房費の増大を抑制することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図2および図3は、本発明を適用したハウス温度制御システムの一実施の形態の構成例を示す図である。すなわち、図2は、図3のハウス温度制御システム51を左側面側から見た側面図であり、図3は、図2のハウス温度制御システム51を上から見た上面図である。
図2および図3において、ハウス温度制御システム51は、外気の温度変化などにより逐次変わるハウス52内の温度および湿度を管理し、制御する。
ハウス52は、木材、または鋼材を躯体とし、合成樹脂のフィルムで外壁を被覆した農業用の小屋であり、例えば、1反ほどの広さを有する。このハウス52内には、図示せぬトマト、なす、またはメロンなどの作物が栽培されている。ハウス52の被覆材料には、農業用ポリ塩化ビニルフィルムなどが用いられる。
ハウス温度制御システム51は、エアーコンディショナ61−1乃至61−6、除湿用エアーコンディショナ62、循環ファン63、温度センサ81−1乃至81−6、および湿度センサ82により構成される。すなわち、ハウス温度制御システム51は、第1のエアーコンディショナとしての除湿用エアーコンディショナ62と、第2のエアーコンディショナとしてのエアーコンディショナ61−1乃至61−6の2種類の用途別のエアーコンディショナを有している。
なお、図2の例においては、説明の便宜上、図3に示されるエアーコンディショナ61−3乃至61−6、温度センサ81−1乃至81−6、および湿度センサ82は省略されている。
エアーコンディショナ61−1乃至61−6、および除湿用エアーコンディショナ62は、図2に示されるように、ハウス52の地面に設置されており、循環ファン63は、ハウス52の上部(天井付近)に設置されている。なお、温度センサ81−1乃至81−6、および湿度センサ82は、作物の高さと同等の高さに配置されるのが望ましい。
エアーコンディショナ61−1乃至61−6は、例えば、ヒートポンプ式のエアーコンディショナで構成され、冷媒を用いて、温風または冷風を出力することで、ハウス52内の温度を調整する。エアーコンディショナ61−1乃至61−6においては、冷媒として、化学冷媒、または自然冷媒が用いられる。エアーコンディショナ61−1乃至61−6は、それぞれ、室内機71−1乃至71−6、および室外機72−1乃至72−6で構成される。
なお、以下、エアーコンディショナ61−1乃至61−6、室内機71−1乃至71−6、および室外機72−1乃至72−6を個々に区別する必要がない場合、それぞれ、単にエアーコンディショナ61、室内機71、および室外機72と称する。
室内機71−1乃至71−6は、ハウス52内の壁にそれぞれ沿うように設置されており、室外機72−1乃至72−6は、ハウス52の外部において、ハウス52の壁を挟んで、室内機71−1乃至71−6の傍にそれぞれ設置されている。
すなわち、図3の例においては、室内機71−1は、ハウス52の左上隅に設置されており、室内機71−1と壁を挟んで隣には、室外機72−1が設置されている。室内機71−2は、ハウス52の左下隅に設置されており、室内機71−2と壁を挟んで隣には、室外機72−2が設置されている。
室内機71−3は、室内機71−1および71−5の中間の位置に配置されており、室外機72−3は、ハウス52の外部の室外機72−1および72−5の中間の位置に配置されている。室内機71−4は、室内機71−2および71−6の中間の位置に配置されており、室外機72−4は、ハウス52の外部の室外機72−2および72−6の中間の位置に配置されている。
室内機71−5は、ハウス52の右上隅に配置されており、室内機71−5と壁を挟んで隣には、室外機72−5が設置されている。室内機71−6は、ハウス52の右下隅に配置されており、室内機71−6と壁を挟んで隣には、室外機72−6が設置されている。
室内機71と室外機72は、例えば、壁に形成された穴を通して設置された、冷媒を受け渡しする冷媒管により接続されている。なお、図示しないが、室内機71と室外機72も、後述する除湿用エアーコンディショナ62の室内機73および室内機74と同様に、液体用と気体用の2つの冷媒管で接続されている。
ハウス52内を暖房する場合、室外機72は、ハウス52の外部の空気を取り込み、内蔵される熱交換器(図示せず)で冷媒(液体)を用いて、その空気から熱を奪う。冷たくなった空気は、室外機72よりハウス52の外部に送風される。室外機72は、外気により温められた(熱を持った)冷媒(気体)を、気体用の冷媒管を介して室内機71に渡す。
室内機71は取り込んだハウス52内の空気を、内蔵される熱交換器(図示せず)で、室外機72により温められた冷媒(気体)を用いて温め、温められた空気をハウス52内に出力する。これにより、ハウス52内が暖房される。なお、空気を温めたことで、冷えた冷媒(液体)は、液体用の冷媒管を介して、室外機72に戻される。
除湿用エアーコンディショナ62は、例えば、ヒートポンプ式のエアーコンディショナで構成される。除湿用エアーコンディショナ62は、エアーコンディショナ61−5および61−6の間に配置されており、冷媒を用いて、ハウス52内の除湿を行う。その際、同時に、除湿用エアーコンディショナ62は、ハウス52内の暖房も行う。例えば、除湿用エアーコンディショナ62においても、冷媒として、化学冷媒、または自然冷媒が用いられる。
除湿用エアーコンディショナ62は、第1の装置である室内機73と、第2の装置である室外機74の2つの装置で構成される。除湿用エアーコンディショナ62の場合、室内機73と室外機74は共にハウス52内に設置されている。すなわち、室外機74は、説明の便宜上、室外機と称しているが、実際には、ハウス52内に設置されている。なお、以下、エアーコンディショナ61の室内機71および室外機72と区別するため、除湿用エアーコンディショナ62の室内機73および室外機74を、適宜、それぞれ、除湿用室内機73および除湿用室外機74とも称する。
除湿用室内機73と除湿用室外機74は、冷媒を受け渡しする液体用の冷媒管75および気体用の冷媒管76により接続されている。除湿用室内機73は、ハウス52内の空気を取り込み、内蔵される熱交換器(図示せず)で、冷たい冷媒(液体)を用いてその空気を冷却し、冷却された空気を、ハウス52内に送風する。このとき、空気が水蒸気の露点温度以下に冷却されるので、空気内の水蒸気が水滴(凝縮水とも称する)となる。この水滴を凝縮水として、除湿用室内機73は排水する。これにより、ハウス52内が除湿される。
このとき、水1リットル当たり凝縮熱540kcalが発生する。この凝縮熱を、以下のようにして除湿用室外機74からハウス52内に戻すことにより、除湿用室内機73の冷房除湿による温度低下を相殺することができる。
すなわち、除湿用室内機73は、発生した凝縮熱と、ハウス52内の空気を冷却したことで気体になった冷媒を気体用の冷媒管76を介して、除湿用室外機74に渡す。除湿用室外機74は、冷媒(気体)を、内蔵する圧縮機(図示せず)を用いて圧縮し、高温にしてから、ファンを回す。ファンを回したことで、取り込まれたハウス52内の空気は、内蔵される熱交換器(図示せず)において、高温になった冷媒(液体)などで温められ、温められた空気がハウス52内に送風される。これにより、除湿用室内機73の冷房除湿による温度低下が相殺される。
ここで、実際には、除湿用室内機73には、図示せぬ送風用ファンモータが内蔵されており、送風用ファンモータからの熱も、凝縮熱および冷媒とともに、除湿用室外機74に送られる。また、実際には、除湿用室外機74には、図示せぬ圧縮機用モータおよびファンモータが内蔵されており、これらのモータ(送風用ファンモータ、圧縮機用モータ、およびファンモータ)からの発熱(約5KWh)も、圧縮による熱と一緒に、ハウス52内に送風(放熱)される。
上述したように凝縮熱と除湿用室内機73の除湿による冷房は相殺されるので、除湿用エアーコンディショナ62の各モータからの発熱が除湿用室内機73から放出(送風)されることで、ハウス52内を暖房することができる。
また、ファンを回したことで放熱(凝縮)された冷媒(液体)は、液体用の冷媒管75を介して、除湿用室内機73に戻される。この冷媒(液体)は、除湿用室内機73において膨張され冷たい冷媒(液体)となる。
循環ファン63は、エアーコンディショナ61−1および61−2の間であって、図2に示されるように、ハウス52内の天井付近に配置され、常時、送風することで、ハウス52内の空気を攪拌し、循環させる。
温度センサ81−1乃至81−6は、それぞれ、エアーコンディショナ61−1乃至61−6から所定の距離をおいて配置されており、ハウス52内の温度を測定する。湿度センサ82は、ハウス52内の中央に配置されており、ハウス52内の湿度を測定する。
ここで、図3における点線は、対応関係を示している。温度センサ81−1乃至81−6は、それぞれ、エアーコンディショナ61−1乃至61−6に対応している。そして、温度センサ81−1乃至81−6は、それぞれ、エアーコンディショナ61−1乃至61−6により温度が調整可能な場所に配置され、エアーコンディショナ61−1乃至61−6により調整される温度を測定する。エアーコンディショナ61−1乃至61−6は、それぞれ、温度センサ81−1乃至81−6により測定された温度に基づいて、ハウス52内の温度を調整する。
また、湿度センサ82は、除湿用エアーコンディショナ62に対応しており、除湿用エアーコンディショナ62により調整される湿度を測定する。除湿用エアーコンディショナ62は、湿度センサ82により測定された湿度に基づいて、ハウス52内の湿度を調整するとともに、ハウス52内を温める。
なお、以下、温度センサ81−1乃至81−6を個々に区別する必要がない場合、単に温度センサ81と称する。
また、図2および図3においては、エアーコンディショナ61が6台、除湿用エアーコンディショナ62が1台、循環ファン63が1台の例が示されているが、エアーコンディショナ61、除湿用エアーコンディショナ62、および循環ファン63の台数および配置場所は、図2および図3の例に限らず、それぞれ、2台、3台、さらにそれ以上の複数台で構成することもでき、それらの配置場所も、図2および図3の例に限らない。
温度センサ81および湿度センサ82の数も、それらの配置場所も図2および図3の例に限らない。特に、配置場所に関しては、天井付近に配置されたり、地面付近に配置されることもできる。
図4は、図2および図3のハウス温度制御システム51の電気的構成例を示している。
図4の例において、ハウス温度制御システム51は、エアーコンディショナ61−1乃至61−6、除湿用エアーコンディショナ62、温度センサ81−1乃至81−6、湿度センサ82、制御部91、入力部92、表示部93、タイマ94、および記憶部95により構成される。
エアーコンディショナ61−1乃至61−6は、制御部91の制御のもと、それぞれ、温度センサ81−1乃至81−6からの温度の情報に基づいて、ハウス52内の温度を調整する。除湿用エアーコンディショナ62は、制御部91の制御のもと、湿度センサ82からの湿度の情報に基づいて、ハウス52内の湿度を調整するとともに、ハウス52内の空気を温める。
温度センサ81−1乃至81−6は、それぞれ、定期的に温度を測定し、測定した温度の情報を、制御部91に出力する。湿度センサ82は、定期的に湿度を測定し、測定した湿度の情報を、制御部91に出力する。
制御部91は、ユーザによる入力部92の操作に基づいて、記憶部95に記憶されている登録済みの温度特性の折れ線を表示部93に表示させたり、ハウス52内で作物を栽培するための24時間の各時刻の温度を設定し、設定した24時間分の温度特性を、1つの温度特性として記憶部95に登録する。
制御部91は、ユーザによる入力部92の操作に基づいて、記憶部95に記憶されている登録済みの温度特性の中から1つの温度特性を選択し、そのデータを記憶部95から読み出す。そして、制御部91は、所定の間隔で、読み出した温度特性のデータに基づいて、ハウス52内の温度制御を行う。すなわち、制御部91は、タイマ94が計時するクロックを参照し、読み出した温度特性のデータと温度センサ81−1乃至81−6からの情報を用いて、エアーコンディショナ61−1乃至61−6の動作を制御する。
なお、エアーコンディショナ61の動作の制御方法としては、エアーコンディショナ61をそれぞれ自動運転させて、エアーコンディショナ61の稼動、停止のみを制御することもできるし、エアーコンディショナ61の設定温度までも制御することもできる。
また、実際には、制御部91には、入力部92から座標情報が入力される。制御部91は、表示部93に表示された操作ボタンの座標と、入力部92から入力された座標とを比較し、いずれの操作ボタンがユーザにより操作されたのかを判定することで操作情報を得るが、説明の便宜上、以下においても、制御部91には入力部92から操作情報が入力されると説明する。
入力部92は、例えば、表示部93に積層されるタッチパネルなどにより構成され、ユーザの操作情報を、制御部91に出力する。なお、具体的には、入力部92は、ユーザの操作位置に対応する座標を検出し、検出された座標情報を制御部91に出力している。表示部93は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などの薄型の表示装置で構成され、制御部91の制御のもと、登録済みの温度特性の折れ線や温度設定画面などを表示する。
タイマ94は、計時動作を行い、ハウス温度制御システム51内のクロックを管理している。記憶部95は、ハウス温度制御システム51により登録済みの温度特性のデータを記憶している。温度特性は、ハウス52内の温度を24時間どのように制御するか、すなわち、ハウス52内の目標となる24時間の温度を時刻毎に示したものであり、制御部91がハウス52内の温度を制御する際に用いられる。
例えば、記憶部95には、ハウス温度制御システム51において予め用意されている平均的な温度特性や、ユーザがハウス温度制御システム51を用いて過去に自ら設定した温度特性などのデータがすでに登録されている。
なお、記憶部95には、温度の場合と同様に、湿度特性のデータも登録することもできる。この場合、制御部91は、タイマ94が計時するクロックを参照し、選択した湿度特性のデータと湿度センサ82からの情報を用いて、除湿用エアーコンディショナ62の動作を制御する。
次に、図4のフローチャートを参照して、除湿用エアーコンディショナ62の除湿処理について説明する。
除湿用室内機73は、ステップS11において、ハウス52内の空気を取り込み、ステップS12において、内蔵される熱交換器で、冷たい冷媒(液体)を用いてその空気を冷却する。空気が水蒸気の露点温度以下に冷却されると、空気内の水蒸気が水滴(凝縮水)となる。すなわち、このとき、空気は、冷却されるとともに、除湿される。
除湿用室内機73は、ステップS13において、冷却され、除湿された空気を、ハウス52内に送風する。また、除湿用室内機73は、ステップS14において、この水滴を凝縮水として図示せぬ排水口より排水する。以上のようにして、ハウス52内が除湿される。
空気が冷却されたときには、水1リットル当たり540kcalの凝縮熱も発生している。除湿用室内機73は、ステップS15において、この凝縮熱と、ハウス52内の空気を冷却したことで気体になった冷媒を気体用の冷媒管76を介して、除湿用室外機74に渡す。除湿用室外機74は、ステップS16において、冷媒(気体)を圧縮し、高温にしてから、ステップS17において、ファンを回し、内蔵される熱交換器で冷媒(液体)などが用いられて温められた空気をハウス52内に送風する。これにより、除湿用室内機73の冷房除湿による温度低下が相殺される。
ここで、上述したように、実際には、除湿用室内機73には、図示せぬ送風用ファンモータが内蔵され、除湿用室外機74には、図示せぬ圧縮機用モータおよびファンモータが内蔵されている。この送風用ファンモータからの熱は、ステップS15において、凝縮熱および冷媒とともに、除湿用室外機74に送られ、ステップS17においては、送風用ファンモータ、圧縮機用モータ、およびファンモータからの発熱(約5KWh)も、圧縮による熱と一緒に、ハウス52内に送風(放熱)される。この結果、ハウス52内が暖房される。
ファンを回したことで放熱(凝縮)された冷媒(液体)を、除湿用室外機74は、ステップS18において、液体用の冷媒管75を介して、除湿用室内機73に戻す。除湿用室内機73は、ステップS19において、除湿用室外機74からの冷媒を膨張する。冷媒は、膨張することで冷やされ、ステップS12においてハウス52内の空気を冷却、除湿する際に用いられる。
ステップS19の後、処理は、ステップS11に戻り、制御部91などにより、除湿停止が指示されるまで、それ以降の処理が繰り返される。
以上のように、除湿用エアーコンディショナ62の室内機73だけでなく、室外機74もハウス52内に設置し、空気を冷却した際に発生する凝縮熱や内蔵するモータの発熱などを、除湿用室外機74からハウス52内に放出するようにしたので、ハウス52内の除湿を行う際に、ハウス52内の暖房も行われる。
すなわち、従来のエアーコンディショナによる除湿方法では、除湿中、ハウス内の冷房が行われる。1時間除湿運転を行うと、1時間暖房運転を行って初めてハウス内の熱量は等しくなる。
一方、ハウス温度制御システム51において、除湿用エアーコンディショナ62は、除湿中、ハウス内の暖房も行っている。例えば、1時間に10lの水蒸気を水に換えると、6.3KWの熱量を得ることができる。この熱量をハウス52内に設置した除湿用室外機74から放出(送風)することにより、除湿用室内機73の除湿冷房による温度低下を相殺することができる。加えて、除湿用エアーコンディショナ62内に内蔵されるモータの発熱(約5KWh)がハウス52内に放出(送風)される。これにより、除湿用エアーコンディショナ62による除湿中、約5KWhの暖房を行っていることになる。
すなわち、除湿用エアーコンディショナ62による除湿運転は、暖房運転と等しくなる。以上のように、電気代0で除湿ができるとともに、エアーコンディショナ61の暖房エネルギーを、約5KWh低減させることができる。
なお、上記説明においては、除湿用エアーコンディショナ62の室外機74をハウス52の内部に設置すると説明したが、例えば、ダクトなどを用いて、ハウス52の空気を取り込み、温かい空気をハウス52内部に送風することができる構成にすることで、ハウス52の外部に設置することもできる。
以上のように、本発明によれば、ハウス内の除湿とともに暖房を行うことができる。これにより、除湿によるハウス内の暖房費の増大を抑制することができる。
なお、本明細書において、記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
51 ハウス温度制御システム, 52 ハウス, 61−1乃至61−6 エアーコンディショナ, 71−1乃至71−6 室内機,72−1乃至72−6 室外機, 73 室内機, 74 室外機, 81−1乃至81−6 温度センサ, 82 湿度センサ
Claims (4)
- ハウス内の湿度を測定する湿度センサと、
前記湿度センサにより測定された前記湿度に基づいて、前記ハウス内の湿度を調整するとともに、前記ハウス内の空気を温める第1のエアーコンディショナと
を備え、
前記第1のエアーコンディショナは、前記ハウス内から取り込んだ空気を冷媒を用いて除湿し、除湿された空気を前記ハウス内に送風する第1の装置と、
前記第1の装置からの前記冷媒を圧縮し、ファンを回して、温かい空気を前記ハウス内に送風する第2の装置とで構成される
温度制御装置。 - 前記第2の装置は、前記ハウス内に設置される
請求項1に記載の温度制御装置。 - 前記ハウス内の温度を測定する温度センサと、
前記温度センサにより測定された前記温度に基づいて、前記ハウス内の空気を温める第2のエアーコンディショナとをさらに備える
請求項2に記載の温度制御装置。 - ハウス内の湿度を測定する湿度センサと、
前記湿度センサにより測定された前記湿度に基づいて、前記ハウス内の湿度を調整するとともに、前記ハウス内の空気を温めるエアーコンディショナとを備える温度制御装置の温度制御方法であって、
前記エアーコンディショナの第1の装置が、前記ハウス内から取り込んだ空気を冷媒を用いて除湿し、除湿された空気を前記ハウス内に送風し、
前記エアーコンディショナの第2の装置が、前記第1の装置からの前記冷媒を圧縮し、ファンを回して、温かい空気を前記ハウス内に送風する
ステップを含む温度制御方法。
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- 2008-06-23 JP JP2008162741A patent/JP2010000050A/ja not_active Withdrawn
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