JP2009544406A - 治療又は診断用薬の頭蓋内注入用システム及び方法 - Google Patents

治療又は診断用薬の頭蓋内注入用システム及び方法 Download PDF

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Abstract

脳腫瘍を有する患者の脳へ、抗がん剤のカルムスチンあるいは他のタイプの診断用あるいは治療薬を送達するためのシステム及び関連する方法は、挿入装置、頭蓋マウント、及び挿入装置での使用及び最大限の生物分解時間に最適化されたカルムスチン合成物(あるいは他の物質)の改質されたジオメトリを含む。同挿入装置は、カルムスチン(あるいは他の物質)がフロントにロードされ、脳腫瘍の位置に頭蓋マウントを介して挿入され、そこにカルムスチン物質(あるいは他の物質)が放出される。当該診断用及び/又は治療システム及びそれらの関連方法は、必ずしも被験者の脳に限定されるものではない。また、臓器構造あるいは管状構造と、それらの部位及び場所にも同様に使用され得るものである。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2006年7月27日付出願に係る「カルムスチン抗がん剤の頭蓋内への注入方法及び手段」と題する米国仮出願第60/833,834号の優先権主張を伴うものであり、その開示内容は、そのまま本願の一部を構成するものである。
毎年およそ13,000人が、新規に脳腫瘍を発症している(1)。全中枢神経系(CNS)腫瘍のうち、ほぼ42%が具体的に多形性神経膠芽腫(GBM)と診断される。従来の治療としては、外科的切除及び外部ビーム放射線がある。外科的切除だけを受けた患者の平均生存期間は、6か月であり、放射線を含むより徹底的な処方に基づいて治療を受けた患者の平均生存期間は、9か月である(2)。従って、脳腫瘍があると診断された患者の場合、外科、放射線及び化学療法の確立した方法で積極的に治療を行っても事実上平均生存率は、一年未満である(3)。
化学療法の場合、効果がないように見える理由のいくつかは、脳におけるユニークな環境にある。脳は、複雑で繊細な器官であるが、完全に無防備ではない。身体は、中枢神経(CNS)を保護及び分離することを目的とした中枢神経(CNS)に特有の様々なメカニズムを装備している。化学療法で脳腫瘍を治療する際、これらの防御が、有効な治療への障害になる。血液脳関門(BBB)は、脳の毛細管内皮のきついギャップ結合により生じる。その結果、毛細血管壁の小イオン及び分子の浸透性が効果的に低減され、ペプチドなどの大きな分子は完全にブロックされる。容易に障壁を通過するタイプの分子は、小さく、電気的に中性であり、及び脂溶性のものだけであり、ほとんどの化学療法薬が持たない性質である(2)。更に、脳毛細管内皮は、通常、細胞を介して分子を脳へ輸送し、薬物分子が脳に入る前に積極的に薬物分子を除去するタンパク質を含んた、分子数の少ない飲細胞をもっている。前記血液脳関門(BBB)に加えて、血液脳脊髄関門 (BCB)及び血腫関門(BTB)は、更に脳への薬の浸透を低減する。血液脳脊髄関門(BCB)は、脈絡膜上皮(choroids
epithelum)のしっかりと結合した細胞からなる。脳脊髄液(CFS)の生成に加えて、これらの細胞が、脳脊髄液(CSF)から有機分子を積極的に取り除くことができる。血腫関門(BTB)は、腫瘍の内部でよく見つかる「漏れやすい」血管に起因する。その結果、腫瘍の流出超と、その結果として生じる腫瘍周辺の浮腫が生じる。そのような浮腫は、腫瘍において部分的あるいは完全に虚脱した血管を生じさせ、血液中の化学療法薬の腫瘍に入り込む能力を更に低下させる。
従って、血液脳関門(BBB)、血液脳脊髄関門(BCB)及び血腫関門(BTB)の総合的効果として、系統的に投与された化学療法の有効性を制限する。血液形成阻害薬、サイトカインなどのような新しい化学療法薬は、このような関門によって非常に効果的に除外され、システム毒性を引き起こすほど高い投与量を経口で/静脈内に投与しても、脳及び脳腫瘍の内の濃度は低すぎて有意な殺腫瘍活性は起こらない。
薬物送達におけるこれらの問題を回避するために、様々な方法が生まれた。それらの方法には、様々な関門に対する医薬品の浸透性を増加させるためにドラッグデザインを変更すること、一時的に血液脳関門(BBB)を崩壊すること、カテーテルにより脳の間質に薬を直接送達すること、対流が増強された方法による送達、及び、腫瘍がある部位に薬を放出するポリマーあるいはマイクロチップを直接植え込むこと、なとがある。Gliadel(登録商標)は、米国食品医薬品局(FDA)が23年ぶりに新しく承認した、グリオーマ(神経膠腫)を持つ患者のためのの治療である。Gliadel(登録商標)は、化学療法薬カルムスチンやBCNU (1、3-ビス(2-クロロエチル)―1―ニトロソ―尿素)を直接送達する効果的な手段を提供するものである。前記薬剤は、3.8%(重量/重量)の濃度でポリマー・ポリフェプロサン 20(polymer polifeprosan 20)あるいはpCPP−SA(poly[bis(p-carboxyphenoxy)propane.-co-sebacic acid])に組み入れられる。図1は、カルムスチン(carmustine)及びポリフェプロサン(polifeprosan) 、即ちポリマー及び薬品の化学構造式(処方情報)を表すものである。腫瘍を切除した後、これらのダイムサイズ(10セント硬貨の寸法)のウエハーを、腫瘍の空洞に直接入れる。最大8個までの上記ダイムサイズのウエハーが、腫瘍の空洞に埋め込まれて約3週間にわたって分解し、腫瘍のある部位に直接BCNUが長期的に持続除放される。図2は、埋め込まれたウエハー31を示す。図示されているように、Gliadelウエハーは、腫瘍切除穴32に埋め込まれている(2)。
再発する多形性神経膠芽腫(GMB)から生じる腫瘍は、通常、原発腫瘍の切除部位の2cm以内に形成するため、上記ような持続的な局部送達は、特に適した方法である(1)。従って、Gliadel(登録商標)は、再発した多形性神経膠芽腫(GMB)の切除後の治療として最初に承認された。その後、一次応答の一部としても有効であることが認められている。図3A及び図3Bに示されるように、どちらの場合においても、この治療は、平均生存率を著しく向上させる。これらのグラフは、腫瘍再発を治療するために使用された時及び初期治療と共に使用された時における、Gliadel(登録商標)の効果を示す生存曲線を表わすものである(5)。この治療は、放射線治療や他の従来の治療法を制限することなく、治療計画に局所化学療法を追加するものである。
Gliadel(登録商標)による治療がもたらす利益があるにもかかわらず、今後克服するべき制限がまだある。現在、患者は、開頭術を含む大手術が必要な腫瘍切除後に初めてウエハー治療を行いる。従って、小さな腫瘍が初期に検知されても、腫瘍が切除することが必要となるサイズに成長するまで、患者は局所的な化学療法を受けることができない。ウエハーはおよそ3週間で分解する(5)。そのため、一旦分解してしまうと、2度目の開頭術なしでは交換することができない。
下記にリストされ、また本願の全体に渡って記載された特許、出願、及び公報は、レファレンスとそのまま本願の一部を構成する。本願において開示される本発明の様々な実施例の構成、装置、システム及び方法は、以下の米国特許、外国特許、及び公報において開示された態様を利用するものであり、それらは、レファレンスとしてそのまま本願の一部を構成する。
米国特許第6,902,569号公報 6/2005 Parmer他...606/108
米国特許第6,752,812号公報 6/2004 Truwit... 606/130
米国特許第5,776,144号公報 7/1998 Leysieffer他... 606/130
米国特許第5,643,286号公報 7/1997 Warner他...606/130
米国特許第4,789,724号公報 12/1988 Domb他...528/176
米国特許第4,757,128号公報 7/1988 Domb他...528/271
ドイツ国第29612100号公報 9/1996 DE...A61B/1/018
欧州第0427358号公報 5/1991 EP... A61B/6/00
(1)P.Sampath、H.Brem、有害な脳腫瘍の治療用の移植可能な自足放出製化学療法ポリマー、Cancer Control Journal.5(1998)
(2)M.S.Lesniak、H.Brem、脳腫瘍のターゲット療法、Nature Reviews.3(2004)499-508
(3)C.Guerin,その他、脳腫瘍治療での最近の進歩:ポリマーによる大脳内の局所的薬剤送達、Investigational New Drugs.22(2004)27-37
(4)S.Maciej、その他、中枢神経系の腫瘍への薬剤送達、Current Neurology and Neuroscience Reports 1(2001)210-216
(5)Gliadel(登録商標)添付文書、MGI Pharma社、
(6)P.Wang、J. Frazier、H.Brem、脳への局所的薬剤送達、Advanced Drug Delivery Reviews 54(2002)987-1013
(7)T. Taira,その他、神経外科における3D神経内視鏡及びCM−cubeシステム、Clinical Neurology and Neurosurgery 99 (1997)40-40
(8)R.Baker、生理活性物質の制御放出、1987 50-73.
(9)A.Gopferich、J.Tessmar、ポリ酸無水物分解及び腐食、Advanced Drug Delivery Reviews 54(2002)911-931
(10)E.Sipos、その他、脳腫瘍の治療用の制御放出ポリマーからのBCNUの間質性送達の最適化、Cancer Chemother Pharacol
39(1997)、383-389
そのような治療を送達するための侵襲性の少ない器具類のデザイン及び方法が、前記制限に対処するものである。患者は、初期段階で化学療法の利益を享受し始めることができ、このレジメン(投与計画)は、わずかな手術で再び行うことができ、3週間のコースを一回以上行うことができる。しかしながら、成功したデザインは、理想的な治療の実現を保証するものではないということを理解することも重要である。活性剤の選択などの他の制限が存在するが、最初に検討した物理的送達に関する制限は、このようなデザインによって確実に対処される。従って、成功したデザインは、開頭術 (すなわち被験者の他の場所や部位における措置や治療)による外傷と比較して、患者の外傷を最小にとどめることができ、腫瘍内におけるウエハーの位置を正確にすることができ、送達器具を取り出す時にウエハーを好ましい配置に維持することができ、外科医は単純で直観的な操作を行うことができ、かつ生物学的適合性/殺菌可能なものである、と位置づけることができる。
開頭術を必要とせずに、脳内(あるいは被験者の他の場所や部位)にカルムスチン・ウエハーを正確に配置することができるようにするためには、定位固定の技術を使用する必要がある。定位固定は、外科医が、器具を頭蓋骨に形成した小さなバーホールを介して脳の部位に正確に誘導することを可能にする、標準の侵襲性が最小限の脳外科的技術である。1つの方法は、患者の頭蓋に取り付けた硬いフレームを使用するものである。そのようなフレームでは、フリーハンドで行うよりも、器具のトラジェクトリーの配置及び角度をより正確に操作することができる。しかしながら、比較検討が行なわれ、代わりに、フレームレス定位固定システムが、このデザインのプラットフォームに選択された。フレームレス定位固定システムは、実時間画像ガイダンスを使用して器具の正確な配置を保証するものであるため、頭蓋への取り付けを必要とすることでより一層外傷をもたらす硬いフレームの必要性を取り除く。しかしながら、その代わりあるいはそれに加えてフレームベースのシステムを使用してもよいことも理解されたい。
本発明に係る実施形態の一つの側面は、被験者の脳に診断用あるいは治療用の固形薬剤を頭蓋内に送達するシステムを提供するものである。前記システムは、脳へ診断用及び治療用の固形薬剤を送達する挿入装置を含むものである。前記挿入装置は、脳に送達するために診断用及び治療用の固形薬剤を保持し放出するのに用いることができる。
本発明に係る実施形態の一つの側面は、被験者の脳へ診断用あるいは治療用の固形薬剤を頭蓋内へ送達する方法を提供するものである。前記方法は、脳へ診断用あるいは治療用の固形薬剤の送達用の装置を挿入することを含む。また、前記挿入は、脳へ送達する診断用あるいは治療用の固体の薬剤材料を保持及び放出することを含む。
本発明に係る実施形態の一つの側面は、被験者の1あるいは複数の部位へ診断用あるいは治療用の固形薬剤を頭蓋内へ送達するシステムを提供するものである。前記システムは、被験者の1あるいは複数の部位へ診断用あるいは治療用の固形薬剤を送達する挿入装置を含むシステムである。また、前記挿入装置は、被験者の1あるいは複数の部位へ送達する診断用あるいは治療用の固形薬剤を保持し放出するのに用いられるものである。
本発明に係る実施形態の一つの側面は、被験者の1あるいは複数の部位へ診断用あるいは治療用の固形薬剤を頭蓋内へ送達する方法を提供するものである。前記方法は、診断用あるいは治療用の固形薬剤を送達する装置を、被験者の1あるいは複数の部位に挿入する方法を含むものである。また、前記挿入は、被験者の1あるいは複数の部位に送達するために、診断用あるいは治療用の固体の薬剤材料を保持及び放出することを含む。
本発明の様々な実施形態の診断用及び/又は治療用システム及びその関連方法は、必ずしも被験者の脳における使用に制限されるものではない。器官構造あるいは管状構造に使用されてもよい。器官には、例えば、固形臓器、空洞臓器、実質細胞(例えば、胃、脳、食道、結腸、直腸、腎臓、肝臓など)及び/又は間質組織が含まれる。空洞臓器構造には、例えば、胃、食道、結腸、直腸、管等が含まれる。管状構造には血管が含まれる。血管には、静脈、小静脈、動脈、あるいは毛細管のいずれか1又は複数が含まれる。
更に、本発明に係る方法及びシステムの各種実施形態は、臓器や管状構造などのいずれか又はそれ以上などこれらに限定されるものではないが、被験者の1以上の部位を対象とするものであり、あるいは連通するものである。
ここに開示されているように、被験者は、人間あるいはあらゆる動物であると理解されなければならない。動物は、哺乳類、獣医動物、家畜類、あるいはペット類の動物を含み、これらに限定されるものではないが、さまざまなあらゆる適切な種類のものを含むものであると理解されなければならない。例えば、その動物は、人間に似た特定の特性を持つために特に選択された実験動物(例えば、ネズミ、犬、ブタ、猿)である。被験者は、適用可能などのような人間の患者であっても良い。
ここで議論された本発明実施形態のうちのいずれかについて言及された、いずれの要素あるいはモジュールも、互いに一体的にあるいは別々に形成され得るものであると理解されなければならない。また、その構成要素あるいはモジュールの重複した機能や構造を実施するようにしても良い。また、その各種構成要素は、あらゆるユーザ/臨床医/患者あるいは機械/システム/コンピューター/プロセッサーと局所的あるいは遠隔的に通信するものであっても良い。更に、その各種構成要素は、ワイヤレス及び/又はハードワイヤ、あるいは他の望ましくかつ利用可能な通信手段、システム及びハードウェアを介して通信するものであっても良い。
更に、ここで議論された本発明実施形態のうちのいずれかに言及されたいずれの要素あるいはモジュールも、必要あるいは要望に応じて各種材料及び/又は混合物であっても良いものであると理解されなければならない。
また、構成要素あるいはモジュール(あるいはそれらの組み合わせ)のうちのどれでも、治療されている対象の部位あるいは生体構造(あるいは、いかなる部位の構造及び形態を含む領域)に従って、ジオメトリ及び柔軟性/剛性を調節することによって作られた形状、サイズ及び容積を提供するものであると理解されなければならない。
ここに開示された本発明の利点及び特徴と共に、これら及び他の目的は、後述する記載、図面及び請求項によって、より一層明白なものになる。
本発明の前記あるいは他の目的、特徴及び利点、そして発明自体は、添付図面を参照することにより、好ましい実施形態の下記記述からより完全に理解される。
図lは、ポリフェプロサン20及びカルムスチンの構造式を示す。 図2は、腫瘍切除穴[2]に埋め込まれたGliadeウエハーのスクリーンショットの写実的な図面である。 図3の(A)及び(B)は、Gliadel(登録商標)が、腫瘍の再発治療時と、初期治療時に使用されたときの効果を示す生存曲線のグラフである。 図4は、MedtronicによるStealthStation(登録商標)治療ガイダンスシステムの写実的描写である。 図5は、Gliadel(登録商標)ウエハーからの放出を予測するために使用される分解放出モデルのグラフである。 図6は、初期寸法がl0=15mm、r0=0.5mmであるロッド形のウエハーから予測するのに使用される分解放出モデルのグラフである。 図7は、初期寸法が、l0=15mm、r=1mmであるストリップ形のウエハーから予測するのに使用される分解放出モデルのグラフである。 図8の(A)ないし(C)は、様々なジオメトリの最新の分解モデルを使用した予想される放出曲線のグラフである。 図9は、変動するパーセント分銅荷重で直径14mm、厚さ1mmのディスクからの薬の放出を示すグラフである。 図10は、拡散及び分解モデルの組み合わせを使ってGliadel(登録商標)ウエハーからの予想される放出を示すグラフである。 図11は、計算されたDGS値をそのウエハーの初期濃度に対してプロットしたグラフである。 図12は、分銅荷重が3.8%、10%及び20%のディスク形のウエハーについて予測される放出曲線のグラフである。 図13は、頭蓋上の挿入装置及びインターフェース部材を含む、クレームされた本発明の基本的な実施形態の概略側面図である。 図14は、頭蓋上のマウントの概略側面図である。 図15は、マウント及びトラジェクトリーガイドの概略側面図である。 図16は、トラジェクトリークランプを介してマウントにクランプされたトラジェクトリーガイドの概略側面図である。 図17は、ロック解除されたトラジェクトリークランプの概略側面図である。 図18は、所定位置へトラジェクトリーガイドをロックするトラジェクトリークランプの概略側面図である。 図19は、トラジェクトリークランプを介してマウント上の所定位置にロックされたトラジェクトリーガイドの概略側面図である。 図20は、オブチュレーター、スリーブ・クランプ、スリーブ及び治療用及び診断用の薬剤を含む、挿入装置の構成部分の概略側面図である。 図21Aは、オブチュレーター、スリーブ・クランプ、スリーブ及び治療用及び診断用の薬剤を含む、組み立てられた挿入装置の概略側面図である。 図21Bは、図21Aに示されたオブチュレーターの拡大部分的概略図である。 図22は、オブチュレーターをスリーブにロックするスリーブ・クランプの概略図である。 図23は、マウント、トラジェクトリーガイド及び挿入装置を含む装置の概略側面図である。 図24は、挿入装置のオブチュレーター部品がトラジェクトリーガイドにロックされた状態を示す概略側面図である。 図25は、トラジェクトリーガイドからロック解除された挿入装置の概略側面図である。 図26は、トラジェクトリーガイドにロックされた挿入装置の概略側面図である。 図27は、緩められて、スリーブからオブチュレーターをロック解除されているスリーブ・クランプの概略側面図である。 図28は、スリーブが持ち上げられ、脳中の所定位置に治療あるいは診断用薬を残している概略側面図である。 図29は、締められて、オブチュレーターをスリーブにロックしているスリーブ・クランプの概略側面図である。 図30は、緩められて、挿入装置をトラジェクトリーガイドからアンロッキングしているトラジェクトリークランプの概略側面図である。 図31は、挿入装置が取り外された後、脳の所定位置に治療あるいは診断用薬を残しているトラジェクトリーガイド及びマウントの概略側面図である。
フレームレス定位固定において、患者の頭は固定され、赤外線画像ガイダンス・システムで見える基準あるいはマーカーは、患者の頭蓋上及び脳に入れられる器具の基準点に置かれる。従って、ガイダンス・システムは、固定された頭に対する器具の位置を追跡することができる。その情報は、図4の(A)及び(B)に示されているように、脳の手術前のMRIかCATスキャンイメージと関連付けられ、モニターに表示されているため、外科医は、その情報を視覚化することができる。図4の(A)及び(B)は、MedtronicによるStealthStation(登録商標)治療ガイダンス・システムによるスクリーンショットの写真描写である。図4(A)では、頭蓋上の基準点が視認される。また、頭蓋のドット16は、トラジェクトリーがスクリーンの方へ直接向いているエントリーのポイントを示す。上部のペインは、所望のトラジェクトリーを含むラインを形成するために交差する面にMRI横断面イメージを示すものである。図4の(B)は、図4の(A)の左上のペインのクローズアップであり、所望のトラジェクトリー18の経路を下る針/器具17の進行が見られる。小さなバーホールが頭蓋内に形成され、小さなトラジェクトリーガイドがそのまわりの頭蓋にねじ込まれる。従って、器具は、脳中へ所望のトラジェクトリーに沿ってガイドされる。
選択された侵襲性が最小のプラットフォームは、脳中に生検針、電極、カテーテル/シャントあるいは神経内視鏡のような器具を誘導するために殆どの場合使用される。そのシステムは、ウエハー送達に使用されなければならない。ここで、問題が生じる。Gliadel(登録商標)ウエハーは、ディスク形のジオメトリで、14.5mmの直径及びlmmの厚さの寸法を有する。従って、ウエハーの最小横断面は、1mmx14mmの長方形になる。そのようなウエハーを使用するには、頭蓋組織を14mmを切り込むトラジェクトリーが必要である。それは、頭蓋組織にあまりにも過大な外傷をもたらすため、全く、臨床的に実行不可能であり、横断面をより小さくするためにウエハーのジオメトリを変更しなければならない。ウエハーのジオメトリの変更は、薬の放出に影響する。従って、ウエハーのジオメトリ及び寸法が変更されたため薬の予期放出データを予測するための数学モデルを作成することが必要になった。未知の要素を最小限にする理論において、理想的な寸法は、選択されたジオメトリによる放出が、既に承認されたGliadel(登録商標)の放出に最も近いものと定義される。従って、理想的に改質されたウエハーは、同様の時間で、同様の形の放出曲線で、Gliadel(登録商標)と同じ量の薬を放出する。
ポリマーpCPP−SAは、表面分解する(6)。従って、ウエハーが分解しても表面積がほとんど一定のままであるスラブ状のジオメトリは、理論上、0次放出が予想される。従って、最初のモデルは、ウエハーの表面分解だけに基づいて薬の放出を予測しようと試みた。分解は、ウエハーの表面が引く割合であり、ユニットがmm/日であるパラメーター「v」で表される。即ち、
Figure 2009544406
r=ディスクの半径、h=ディスクの厚さ、t=時間(日数)である。ウエハーは、上面と底面から分解するため、高さは、半径の2倍の割合の速さで減少する。上式を時間で積分すると、以下の式になる。
Figure 2009544406
ディスクについては、ボリュームは、以下で与えられる。
Figure 2009544406
式(2)で置き換えると、以下となる。
Figure 2009544406
Gliadel(登録商標)ウエハーの物理的特性及び性質に関しては、わずかな情報しかないため、パラメータvは、実験のデータから予測しなければならなかった。ウエハーは、およそ3週間をかけて分解することが知られている。従って、商業用のGliadel(登録商標)の寸法は、rとhで置き換えられ、vの値は、ウエハーのボリュームは21日で0になるように計算される。当該薬は、ウエハーの全体にわたって均一的に分散され、このモデルは全ての薬の放出がウエハーの分解によってコントロールされると仮定されるため、薬の最初の質量(7.7mg)と、いかなる時点tに残っているウエハーの体積分率を掛けることで、ウエハーにおける残りの薬の質量が与えられる。図5は、Gliadel(登録商標)ウエハーからの放出を予測するのに使用される分解放出モデルをグラフで表すものである。薬の全質量が21日間かけて放出する直線放出を示すラインが、比較として提供される。スラブ状のディスクジオメトリのウエハーが、直線的に(R=0.9936)分解することが期待されるのは明らかである。
Gliadel(登録商標)ウエハーの既知の特性に基づいたモデルを作成したことで、他のジオメトリに適用してそれらの放出データを予測することもできる。一つ目の代替のジオメトリは、もちろんロッドである。ロッドの外形は、定位脳手術において間質に入れるのに通常使用される器具に最もよく似ている。従って、ロッドによる送達を補助するためのカテーテルと針のような従来の器具を使用することができるため、コスト的に優位である。しかしながら、直線の放出は、分解中、表面積がほとんど一定であるという、スラブ状のジオメトリでしか起こらないことに依存する。このようなロッドによる非線形の放出が理由で、薄いストリップの別のジオメトリも検討された。そのようなジオメトリは、そのほとんどの分解が2つの主要な表面で生じるところで、非常によくスラブに似ている。
ロッドについては、もちろん、rとhには異なる値を使って、ディスクをモデル化するために使用されたものと同じ式を使用してもよい。初期寸法が長さl、幅w及び厚さdであるストリップのボリュームの同様のモデルは、次のとおりである。
Figure 2009544406
それらのモデルを検討することで、放出時間をコントロールするための限界寸法は、ロッドはrで、ストリップはdであることがわかる。従って、他の寸法の小さな調節は、わずかに放出曲線の形に影響するが、放出時間には影響しない。
Figure 2009544406
表1は、ロッド及びストリップ・ジオメトリが異なる初期長を与えられた場合の薬物放出特性を含む表である。
表1が示すように、ウエハーの初期長を変更してもそれらの薬物放出特性にはほとんど影響しない。ロッドとストリップの理想的な長さは、このデザインによって治療される腫瘍の予想される平均直径であるため、15mmであることが決定した。長さを固定すると、合計21日間の放出時間を提供する限界寸法であるロッドの半径が計算できる。その半径は、0.5mmであることがわかった。ストリップの場合には、長さが決定された後、幅と厚さの両方が決定されなければならない。トラジェクトリーとして安全な最大の幅は5mmであると考えられていた。幅を最大限にすることで、ストリップがスラブジオメトリに最も近くなるので、最大限の幅が望ましい。長さと幅を固定して、正確な放出時間を提供するように限界寸法の厚さを計算することができる。その厚さは、1mmであることがわかった。図6は、初期寸法が、l=15mm及びr=0.5mmであるロッド形のウエハーから放出を予測するのに使用される分解放出モデルをグラフで表すものである。薬の全質量を21日間かけて放出する直線放出を示すラインが、比較として提供される。スラブ状のディスクジオメトリのウエハーが、直線的に(R=0.6508)分解することが明らかである。
従って、ロッドのジオメトリは、コストと便宜という利点があるが、Gliadel(登録商標)の放出パターンに著しく反することが予想される。ストリップジオメトリは、その目的どおりにうまくその問題を回避する。図7は、初期寸法が、l=15mm及びw=5mm、d=1mmであるストリップ形のウエハーからの放出を予測するのに使用される分解放出モデルをグラフで表すものである。薬の全質量を21日間かけて放出する直線放出を示すラインが、比較として提供される。そのモデルは、スラブ状のディスクジオメトリのウエハーが直線的に(R=0.9765)放出することを予測するのは明白である。しかしながら、Gliadel(登録商標)の放出特性に関する更なる研究によると、ウエハーのわずか約70%しか通常3週間で分解しないことがわかった(5)。更に、予測される放出曲線を綿密に調べると、薬の最後の1mgの放出が、放出時間の合計のほぼ1/3であることがわかる。従って、当該モデルを再度較正する必要があった。vの値は、Gliadel(登録商標)ウエハーの70%だけが3週間で分解すると予測されるように調節された。同様に、所定のvの値で、初期ボリュームの70%だけが3週間で分解することが予測されるように、他のジオメトリの限界寸法も調節された。従って、放出の最初の70%のみに注目することによって、図8の放出曲線を得ることができる。図8の(A)ないし(C)は、様々なジオメトリに関する最新の分解モデルを使用して予測された放出曲線を示す。21日間で70%の薬の線形放出を示すラインも表示されている。図8の(A)は、Rから最初の70%の放出(21日間)=0.9973のGliadel(登録商標)ウエハーの場合を示す。図8の(B)は、初期寸法l=が5mm、r=0.5mmであるロッド形ウエハーの場合を示す。R2から最初の70%の放出 (21日)=0.9661である。図8の(C)は、初期寸法が、l=15mm、w=5mm、d=1mmであるストリップ形ウエハーの場合を示す。Rから最初の70%の放出 (21日間)=0.9931である。
放出の最初の70%においては、ロッドのジオメトリが、適切に線形に分解し、より扱いにくいストリップのジオメトリと取り替える必要がないことは、明白である。
pCPP−SAから経時的に放出されるBCNUに関する実際のデータは、すぐに入手可能ではない。しかしながら、図9のデータは、モデルの選択に影響を及ぼす可能性のあるいくつかの重要な問題を提起する。図9は、変わるパーセント重量負荷の直径14mm及び厚さ1mmのディスクからの薬物放出をグラフで示している。表示されているように、3.8%ロードされたディスクは、Gliadel(登録商標)ウエハーと本質的に同等である(1)。曲線の形は、もし表面分解が放出を制御する唯一のメカニズムである場合に期待されるゼロ次オーダー放出を示すものではない。異なる重量パーセントにつき異なる曲線があるという事実は、単純な分解制御モデルにより予測される初期濃度の依存に矛盾する。最後に、薬物放出は、ウエハーの分解に必要な3週間の期間よりもはるかに速く生じると思われる。これらの不一致は、薬物放出がポリマーの表面分解に加えて他のメカニズムによって制御されている可能性を示す。
そのような場合における薬物放出のモデル化は、適宜に複雑になり、無数のメカニズムにおけるいかなるサブセットからもモデル化することが可能である。このデザインの目的で、曲線の正確な傾向及び正確な相対的な形を示す単純モデルが、ウエハー・ロッドの必要なサイズを推定するために使用される。pCPP−SAにおけるBCNUの可溶性などの多くの基本特性が、容易に入手可能でないため、モデルは、既知または、実験のデータに適合することで容易に入手可能な簡易パラメーターに基づくものである。
Higuchi方程式は、薬物放出の合計の拡散コンポーネントをモデル化するために選択された。ウエハーの表面から外向きの濃度勾配が線形であると仮定することにより、前記方程式は単純化される。スラブ形状(2つの主要な面からのみ拡散)の場合、前記方程式は次のとおりになる。
Figure 2009544406
M(t)は、時間tにおいて放出された薬の質量であり、Aは、スラブの両面の総面積であり、Dは、周囲媒質における薬の拡散性であり、Csは、ポリマーマトリクスにおける薬の可溶性であり、そしてCoは、薬の初期濃度である(8)。Higuchi方程式によって予測されたような拡散に起因する放出の前モデルのように、低下分解に起因する放出を合計する結合モデルが形成された。このモデルはディスク型のウエハーからの放出を予測するために最初に適用された。図10は、組み合わされた拡散及び分解モデルを使用して、Gliadel(登録商標)ウエハーからの予測される放出をグラフに表示したものである。各メカニズムの貢献が示されている。vの値は再び調節されたたものであり、今回は、全ての分解と拡散が、ウエハーの主要な表面において生じ、その分解の70%が21日間で生じたという必要な単純化を反映するためである。また、D及びCsの値が容易に入手可能ではないため、DC3という1つの項として組み合わされ、その値は、予測される216時間の間に放出されるパーセント値の合計が、図9における観測値と一致するように計算された。
当該モデルは、その後、ロッドジオメトリからの放出を予測するために適用される。しかしながら、ディスクジオメトリに関する図9とは異なり、ロッドジオメトリに関する実験データは存在しない。従って、ロッド形ウエハーの異なる初期濃度あるいは負荷に関する放出データは、不明である。そのため、入手可能な実験データを適合することにより、図9における各ウエハーについて計算されたDCs値を、ロッド形ウエハーについて、同じ方法で直ちに計算することは不可能である。しかしながら、図11において示されるように、各ウエハーの計算されたDCs値をそれらのウエハーの初期濃度に対してプロットした場合、明瞭な直線関係が観察された。図11では、計算されたDCs値は、各ウエハーの初期濃度に対してプロットされている。その結果、優れた回帰相関が観察され、そのファンクションは、それらの初期濃度に基づいて他のジオメトリのDCsの値を計算するために使用される。そうすることにより、DC3値が、初期濃度のファンクションとして補間されることが可能になった。更に、シリンダに関するHiguchi方程式は、スラブジオメトリの場合のようには単純化されない:
Figure 2009544406
Moは、ポリマーにロードされた薬の初期質量である(8)。
従って、適切な放出データを与える適切な半径を得るために数値的に解く必要がある。半径1.165mmの場合、216時間で、Gliadel(登録商標)ウエハーと同等のものについて図9に表示される値と一致する適切な値が得られる。図12は、重量負荷が、3.8%、10%及び20%であるディスク形ウエハーについて予測された放出曲線をグラフで示すものである。更に、Gliadel(登録商標)ウエハーと同量の薬がロードされた場合、重量負荷が9.8%であるl=15mm及びr=1.17mmの提案されたロッドジオメトリに関して予測される放出が、プロットされている。提案されたジオメトリの放出曲線は、緊密にGliadel(登録商標)と同等である3.8%の重量負荷ディスク形ウエハーに従うものである。
図13は、頭蓋に配置されあるいは連通している挿入装置10及びインターフェース・メンバー5を含む、被験者の脳への診断用あるいは治療用の固形薬剤11(あるいは他の材料装置あるいはその他の材料あるいはデバイス)を頭蓋内に送達する典型的なシステム20を示すものである。挿入装置10は、脳に送達するために診断用及び治療用の固形薬剤11(あるいは他の物質あるいはデバイス)を保持し放出するようになされたものである。インターフェース・メンバー5は、挿入装置10を収容するようになされている。インターフェース・メンバー5は、脳における所定のトラジェクトリー及び/又は位置に挿入装置10を整列させる手段、装置あるいはシステムを組込むものとしても良い。更に、インターフェース・メンバー5は、脳における所定の位置あるいはトラジェクトリーに挿入装置10をロックあるいは安定させる手段、装置あるいはシステムを組込むものとしても良い。インターフェース・メンバー5は、更に、挿入装置10のポジションをトラックするナビゲーションシステムを組込むものとしても良い。診断用あるいは治療用の固形薬剤11の微生物分解速度は、患者にとって経時的に望ましい投薬量を保証するために最適化される。本図面においては示されていないが、挿入装置10は、例えば、スリーブ12及びオブチュレーター14からなるものであっても良い。オブチュレーター14は、スリーブ12に適合する大きさに作られたものであっても良い。オブチュレーター14は、診断用あるいは治療用の固形薬剤11(材料又は装置)のジオメトリは、挿入装置10の寸法あるいは構造に相応、適合、あるいは取り付け可能なものであっても良い。システム20は、更に、追加の薬剤、材料あるいは装置を送達するものであっても良い。システム20は、追加の薬剤、材料あるいは装置の送達用のカテーテルを組込むものであっても良い。システム20は、更に、薬剤送達プロセスの、あるいは同プロセスに関連するいずれかあるいは全ての部分、材料、あるいは構成要素が、磁気共鳴断層撮影装置、CTスキャナー、フルオロスコープ、バイプラナーフルオロスコープ、PETスキャナ、核医学カメラあるいは他の同様の生物医学的イメージング装置(図示されていない)などの放射線画像手段によりモニターされることを可能にするもので合っても良い。システム20は、脳から診断用あるいは治療用の固形薬剤11(材料又は装置)の未使用の部分を取り出すために使用される場合もある。システム20は、脳から診断用あるいは治療用の固形薬剤11以外の材料を取り出すために使用されることもある。システム20は、MRコントラスト強調剤などの別の診断用あるいは治療薬と同時に処方する診断用あるいは治療用の固形薬剤を含むものであっても良い。診断用あるいは治療用の固形薬剤は、カルムスチンであっても良い。送達されているアイテムは、いかなる抗癌剤、あるいはある応用あるいは処置において望ましいあるいは要求される他のいかなる材料であっても良い。システム20は、深脳部電極あるいは他の徐放性装置などの脳への送達の応用に用いられるものであっても良い。
本発明の様々な実施形態、診断用及び/又は治療システム、及びそれらに関連する方法は、必ずしも被験者の脳に限定されるものではない。更に、それらは、器官構造あるいは管状構造、あるいはそれらの位置及び部位において使用され得るものである。器官には、例えば、固形臓器、空洞臓器、実質細胞(例えば、胃、脳、食道、結腸、直腸、腎臓、肝臓など)及び/又は間質組織が含まれる。空洞臓器構造には、例えば、胃、食道、結腸、直腸、管あるいは同様のものが含まれる。管状構造には血管が含まれる。血管には、静脈、小静脈、動脈(artery)、動脈(arterial)あるいは毛細管の一つ以上が含まれる。
本発明方法及びシステムの様々な実施形態は、臓器及び管状構造などの一箇所以上など、被験者の1以上の部位を対象とし、あるいは連通するが、それらの部位に限定されるものではない。
本願において議論されるように、被験者は、人間あるいはあらゆる動物であっても良い。動物には、哺乳類、獣医動物、家畜類、あるいはペット類の動物を含むさまざまなあらゆる適切な種類が含まれるが、それらに限定されるものではない。例えば、その動物は、人間に似た特定の特性を持つために特に選択された実験動物(例えばネズミ、犬、ブタ、猿)であることもある。被験者は、適用できるあらゆる人間の患者であっても良い。
本願において説明された発明実施形態のうちのいかなるものに関して参照された如何なる要素あるいはモジュールは、互いに一体的にあるいは別々に形成されたものであっても良いと理解されたい。また、構成要素あるいはモジュールの重複機能あるいは構造を導入するものであっても良い。その上、様々な構成要素は、あらゆるユーザ/臨床医/患者あるいは機械/システム/コンピューター/プロセッサーとローカルあるいは遠隔に通信できるものであっても良い。更に、様々な構成要素は、無線及び/又はハードワイヤ、あるいは他の望ましく利用可能な通信手段、システム及びハードウェアを通じて通信されるものであっても良い。。
更に、本願において説明された発明実施形態のうちのいかなるものに関して参照された如何なる要素あるいはモジュールは、必要あるいは要望に応じた様々な材料及び/又は混合物であっても良いと理解されたい。
また、構成要素あるいはモジュール(あるいはそれらの組み合わせ)のうちのどれでも、治療されている対象の部位あるいは生体構造(あるいは、いかなる部位の構造及び形態を含む部位)に従った形、ジオメトリを調節することで作られるサイズ及びボリューム、及び柔軟性/剛性を提供するものであっても良いと理解されたい。
図14乃至図31は、本発明の1つの実施例を示す。図14乃至図19は、マウント1、トラジェクトリーガイド2、及びマウントクランプ3を含むマウントの1つの実施形態を表示するものである。これらの部分の使用に関する手順は、例えば、以下のとおりであるが、それには限定されるものではない。1) 小さなバーホール8が、頭蓋6に形成され、2) マウント1が、移動を防ぐために頭蓋にねじで取り付けられ、3) トラジェクトリーガイド2が挿入され、4) トラジェクトリーガイド2が、所望のトラジェクトリー角度に調節され、そして、マウントクランプ3は角度を確保するためにねじられる。トラジェクトリーガイドあるいはシステム及びワーキング・ポーション(即ち、薬剤)の構成要素の適切な角度を確保するために異なる取付解決策を使用することができると理解されたい。そのような取付解決策としては、ツイ−ボルスト(Tuey-Borst)フィッテイング、改良型ツイ−ボルスト(Tuey-Borst)フィッティング、あるは他の利用可能あるいはモディファイド・クランピング・システムを挙げることができる。
図20乃至図22は、オブチュレーター14、スリーブ・クランプ13、スリーブ12、及び、固体の治療及び診断用の薬11を含む挿入装置の1つの実施形態を表示するものである。図20において示されるように、固体の治療及び診断用の薬11及びオブチュレーター14は、スリーブ12にフロントロードされている。スリーブ12は、針の内部への側面からのアクセスを可能とするために、針の長さ方向に沿って2つの長い切り込み「ウィンドウ」があるものとすることができる。スリーブ12は、固体の治療用又は診断用薬11に対応する適切な内径を有するものであり、定位固定によって安全にアクセスされる脳の最も深い部分に予期された最長のトラジェクトリーを横断させるために、長さが約18cmである(あるいは必要又は所望により調節される)。薬剤は、スリーブの内部又は外部、あるいはその組み合わせで収容され得る。1つのアプローチにおいて、スリーブ12は、重力に抵抗するために、固体の治療薬あるいは診断用薬の側面あるいはあらゆるポーションあるいは部位に十分な摩擦力を働かせるか、そうでなければ、挿入装置内に固体の治療用あるいは診断用薬を保持するように機械加工される。他の望ましいあるいは必要な保持手段が実行される場合もあると理解されたい。スリーブ12は、また、脳に挿入される場合、その深さをモニターするためにイメージ・ガイダンス装置に見えるようにする標準マーカー(図示略)を備えるものとしてもよい。治療用あるいは診断用薬自体を何らかの形で見えるようにすること(治療用あるいは診断用薬の中にコントラスト剤を入れるなど)、あるいはスリーブ装置の先にLEDあるいはコイルを取り付けることを含む、他の利用可能なシステムを利用する他の方法もあると理解されたい。オブチュレーター14は、本質的には、ウエハーと同じ直径を持つ堅いロッドである。その長さは、およそ24cmである。処置により望まれるあるいは必要とされるあらゆる長さあるいはサイズが使用されると理解されたい。スリーブ・クランプ13は、堅く締められた場合、オブチュレーターにスリーブを連結する標準的なツイ−ボルスト(Tuey-Borst)フィッティングであっても良い。他のクランピング解決策も使用することができる。スリーブ・クランプ13は、ねじられた場合、内部の可撓性材料に圧力をかけて、その物質を拡大させて、通り抜ける穴のサイズを縮小させる。図22に示されるように、穴直径が縮小すると、それを通り抜けるオブチュレーター14が締め付けられて、オブチュレーターにスリーブ・クランプ13及び付属のスリーブ12が連結される。オブチュレーター14、スリーブ・クランプ13、スリーブ12、及び固体の治療用あるいは診断用薬11が、それに従って組み立てられた場合、図21A及び図21Bに示されるように、その結果できたアセンブリは、1つの挿入装置10である。図21Bは、図21Aの部分拡大図である。
そして、前記挿入装置10は、トラジェクトリーガイド2及びマウント1を通って脳に挿入される。典型的なアプローチとして、同装置の全体が、図23において示されている。次に、図24に示されるように、トラジェクトリークランプ4は、ねじられて、適切な深さで挿入装置10をロックする。挿入装置10の適切な深さを確保するために異なるクランピング解決策を使用され得る、と理解されたい。
前記トラジェクトリーガイド2は、図25に示されるように、例えば、アーム21を含むなど、2つ目の施錠装置を加えるように改良しても良い。トラジェクトリークランプ4が締め付けられるにつれ、トラジェクトリークランプ4は、トラジェクトリーガイド4の修正済の部分のネジ込み壁を下方に移動する。加えられた力は、2つの結合されたあるいはクランプ・アーム21を結合させて、図26に示されるように、外部スリーブ12がぐらつかないようにしながらオブチュレーター14をつかんで保持させる。挿入装置10の放射状オリエンテーションは、スリーブ12の「ウィンドウ」が、常にトラジェクトリーガイド・クランプのアーム21と整列されることを保証するような方法で調整され得る。
そのとき、図27に示されるように、スリーブ・クランプ13は、オブチュレーター14からスリーブ12を離すために緩められる。スリーブ12は、オブチュレーター14がトラジェクトリーガイド2に固定されたままで後ろに滑らせられて、図28に示されるように、固体の治療用及び診断用の薬11を適所に保持し、後ろにすべるのを防ぐ。次に、スリーブクランプ13は、図29に示されるように、スリーブ12とオブチュレーターの14を連結するために締め直される。図30に示されるように、トラジェクトリークランプ4はオブチュレーター18を放出するために緩められる。そして、図31において示されるように、挿入装置10の全体が、固体の治療用及び診断用薬11を腫瘍部位7の適所に残して脳から取り除かれる。
全デザインは、最大安全性のためディスポーザブルあるいは再利用のため消毒可能なものであり、そのいかなる組み合わせものであっても良い。新しい部分は、プラスチックで構成され得るが、実際の改良された針あるいはスリーブは、ステンレス製であっても良い。本発明は、厳格、消毒性、及び視感度の点においてイメージガイダンス装置に適切な性能を提供する如何なる材料から作成されてもよいと理解されたい。
また、本発明は、追加の薬剤を送達するために使用され得るということも理解されたい。更に、追加の薬剤を送達するためにカテーテルが脳に導入され得るとも理解されたい。更に、薬剤送達プロセスのいかなる又は全ての部分、材料、あるいは構成要素が、磁気共鳴断層撮影装置、CTスキャナー、フルオロスコープ、バイプラナーフルオロスコープ、PETスキャナ、核医学カメラあるいは他の同様の生物医学的イメージング装置などの放射線画像手段によりモニターされ得ると理解されたい。本発明は、更に、IR及び実際の手術中MRI/CTの代わりにRFを含む最新のシステムに対応することもできると理解されたい。
前記挿入装置は、脳から診断用あるいは治療用の固形薬剤の未使用の部分を取り出すための手段として使用され得ると理解されたい。
更に、前記挿入装置は、脳から、診断用あるいは治療用の固形薬剤以外の物質を取り出すためにも使用され得ると理解されたい。また、診断用あるいは治療用の固形薬剤は、MRコントラスト強調剤などの別の診断用あるいは治療薬と同時に処方され得ると理解されたい。診断用あるいは治療用の固形薬剤は、カルムスチンあるいは、他の抗癌剤又は薬剤であっても良い。図13に示されているように、インターフェース・メンバー5は、様々なクランピング、整列、マウンティング、保持、放出、及び/又はロック装置ならび方法に影響されると理解されたい。例えば、図14ないし図31を参照すると、多様な構成要素及び方法が開示されているが、例として表示されているだけであり、本発明の様々な実施例を決して限定するものではない、と理解された。
実験結果
本発明の実施について、本願において説明図のみで表示される以下の実施例及び実験からより完全に理解されるが、本発明を決して限定するものではないと解釈されるべきである。
図9におけるタイムスケールは、ウエハーが最初の数時間内に実際に非常に迅速に放出することを示している。図9のデータ自体でさえ、インビトロ放出から著しく逸脱する可能性のあるインビトロ放出のものである(9)。
ジオメトリの変化が、この研究において検討された。しかしながら、与えられたジオメトリについて、放出データを操作するために他の多くの変数がコントロールされ得る。pCPP−SAにおけるモノマーの比率を20:80から他の値に変更することで、1日から3年の間に及ぶ分解時間が得られる(2)。ウエハーの結晶度は、圧縮成形あるいはメルトキャスティングなど、それらを生成するのに使用される方法に影響される。これも、放出特性に効果がある。デザインが提案する9.8%の重量負荷は、負荷が、ウエハーの構造特性に影響を及ぼし始める約32%の最大負荷には達しない(10)。従って、最終モデルが完全に正確であると判明されなくても、寸法及び他の制御変数の調節により適切なロッド形ウエハーの形成が可能となる。
カルムスチン・ウエハーの必要なジオメトリは、長さ15mm及び半径1.17mmのロッドであると決定される。これらの寸法は、脳に入力する器具の許容域の範囲である。神経内視鏡の直径は、4mm以上である(7)。更に、長さは放出パターンに大きな影響を及ぼさないため、カルムスチン・ウエハーは、最大のGliadel(登録商標)ウエハーの服用量である8つのウエハーに相当する単一の120mmのロッドとしてパッケージされ得る。そして、外科医は、腫瘍全体の範囲に適合するようにロッドを異なる長さの断片に分割する選択肢を持つ。
この実験の定位固定のトラジェクトリーガイドに選ばれたシステムは、Image Guided Neurologics(IGN)によるNavigus(登録商標)である。
本願において説明された如何なる構成要素あるいは材料のサイズ、形、外形、長さ、及び幅は、臨床あるいは手術用の使用において必要あるいは望まれるように調節さあるいは変更され得ると理解されたい。
寸法をわずかに調節しなければならない場合でも、当該送達装置は、有効なままである。更に、同装置は、BCNUウエハーを脳に送達するだけではなく、深脳部エレクトロノードあるいはBCNUのほかに、他の徐放性装置など、他の多数の脳への送達法に適用することができる。
要約すると、本発明は、特定の実施形態に関して説明されているが、多くの修正、変化、変更、代用及び同等物が、当事者には明白である。本発明は、本願において説明された特定の実施形態により範囲が制限されるものではない。本発明の様々な修正は、本願において説明されたものに加えて、前述の説明及び添付図面から当業者には明白である。従って、本発明は、全ての修正及び同等物を含む以下のクレームの精神及び範囲のみにより制限されるものであると考慮される。
上記の詳細な説明及び特定の典型的な実施例を参照するに当たって、更に他の実施形態が、当業者に容易に明白になる。多数の変化、修正及び追加の実施形態が可能であり、従って、そのような変化、修正及び実施形態は、全て本願の精神及び範囲内にあると見なされると理解されたい。例えば、本願のいかなる部分の内容(例えば、タイトル、フィールド、背景、要約、アブストラクト、図面図など)にかかわらず、それとは反対に明白に指定されていない限り、本願あるいは本願に優先権主張を伴う如何なる出願における如何なるクレームに、特定の説明あるいは例証された行動あるいは要素、そのような行動の特定の順序、あるいはそのような要素の特定の相互関係を含む要求はない。更に、どんな活動も繰り返すことができて、どの活動も複数のエンティティーにより実行されることが可能であり、及び/又は、どの要素は複製することが可能である。更に、如何なる行動あるいは要素が除外でき、行動の順序も異なり、及び/又は、要素の相互関係も異なる。それとは反対に明白に指定されていない限り、説明あるいは例証された特定の行動あるいは要素、特定の順序あるいはそのような行動、特定のサイズ、速度、物質、寸法あるいは頻度、あるいはそのような要素の相互関係に関する要求はない。従って、説明の図面は、事実上、実例であり、限定的なものではないと見なされるべきである。更に、本願において、いかなる数あるいは範囲が記述されている場合、そうではないと明白に記述されていない限り、その数及び範囲は、概寸である。いかなる範囲が本願に記述されている場合、そうではないと明白に記述されていない限り、その範囲は、その全ての値及びその全てのサブレンジ含む。また、本願においてレファレンスとして含まれている如何なる資料(例えば米国/外国特許、米国/外国特許出願、本、記事など)の情報は、それらの情報と本願に記述される他の記述及び図面との間に問題がない範囲でレファレンスとして含まれる。本願のクレームを無効にする、あるいは、本願の優先権主張を伴う問題を含む問題がある場合には、参考資料により含まれているそれらの不一致するあらゆる情報は、本願においてレファレンスとして特に含まれない。

Claims (98)

  1. 被験者の脳の診断用又は治療用の固形薬剤を頭蓋内に送達するシステムであって、
    前記システムは、前記脳へ診断用又は治療用の固形薬剤を送達する挿入装置を含む。
  2. 前記挿入装置は、前記診断用又は治療用の固形薬剤を前記脳に送達させるために保持し放出するのに用いられる、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記保持装置は、スリーブとオブチュレーターとを含む、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記オブチュレーターは、前記スリーブに適合する大きさに形成されている、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記システムは、更に、前記頭蓋上に配置されたインターフェース・メンバーを含むものであり、
    前記インターフェース・メンバーは、前記挿入装置を収容するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記挿入装置の収容は、前記脳内における所定のトラジェクトリーに位置合わせすることを含む、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記挿入装置の収容は、該挿入装置を前記脳の所定の位置にロックすることを含む、請求項6に記載のシステム。
  8. 前記インターフェース・メンバーは、前記挿入装置の前記位置を追跡するためのナビゲーション・システムを含む、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記挿入装置の収容は、前記脳内における所定の位置にロックすることを含む、請求項5に記載のシステム。
  10. 前記インターフェース・メンバーは、前記挿入装置の前記位置を追跡するためのナビゲーション・システムを含む、請求項5に記載のシステム。
  11. 前記インターフェース・メンバーは、前記診断用あるいは治療用固形薬剤が前記脳内に保持されることを保証しつつ、前記挿入装置を前記脳から取り除くために保持するキャプチャー・メカニズムを含む、請求項5に記載のシステム。
  12. 前記診断用あるいは治療用の固形薬剤は、前記挿入装置に分離可能に取り付けられている、請求項1に記載のシステム。
  13. 前記診断用あるいは治療用の固形薬剤は、経時的に前記被験者に対する望ましい投薬量が保証されるように最適化された微生物分解速度を有する、請求項1に記載のシステム。
  14. 前記保持装置は、スリーブとオブチュレーターとを含む、請求項1に記載のシステム。
  15. 前記診断用あるいは治療用の固形薬剤は、前記挿入装置の大きさに相応するジオメトリを有する、請求項1に記載のシステム。
  16. 追加の薬剤を送達することができる、請求項1に記載のシステム。
  17. カテーテルが、追加の薬剤を前記脳に送達するために導入される、請求項1に記載のシステム。
  18. 前記システムは、更に、イメージング・システムを含む、請求項1に記載のシステム。
  19. 前記イメージング・システムは、磁気共鳴断層撮影装置、CTスキャナー、フルオロスコープ、バイプラナー・フルオロスコープ、PETスキャナ、核医学カメラ、あるいは他の同様の生物医学的イメージング装置を含む、請求項18に記載のシステム。
  20. 前記イメージング・システムは、薬剤送達のいずかあるいは全てのプロセスをモニターする、請求項19に記載のシステム。
  21. 前記挿入装置は、前記脳から前記診断用あるいは治療用の固形薬剤の未使用部分を取り出すのに用いられる、請求項1に記載のシステム。
  22. 前記挿入装置は、前記脳から前記診断用あるいは治療用の固形薬剤以外の物質を取り出すのに用いられる、請求項1に記載のシステム。
  23. 前記診断用あるいは治療用の固形薬剤は、MRコントラスト強調剤などの別の診断あるいは治療薬と同時に処方される、請求項1に記載のシステム。
  24. 前記診断用あるいは治療用の固形薬剤は、カルムスチンである、請求項1に記載のシステム。
  25. 前記挿入装置は、深脳部エレクトロードや他の徐放性装置などの前記脳への他の送達するのに用いられる、請求項1に記載のシステム。
  26. 被験者の脳の診断用あるいは治療用の固形薬剤を頭蓋内に送達する方法であって、該方法は、
    前記脳の診断用あるいは治療用の固形薬剤を送達する装置を挿入することを含む、ことを特徴とする方法。
  27. 前記挿入は、脳へ送達するために診断用あるいは治療用の固形薬剤材料を保持しかつ放出することを含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記方法は、更に、前記挿入装置を頭蓋上にマウントすることを含む、請求項26に記載の方法。
  29. 前記方法は、更に、前記挿入装置を前記脳の所定のトラジェクトリーに位置合わせすることを含む、請求項26に記載の方法。
  30. 前記方法は、前記挿入装置を前記脳の所定の部位にロックすることを含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記方法は、前記挿入装置の位置をナビゲートし追跡することを含む、請求項29に記載の方法。
  32. 前記方法は、更に、前記挿入装置を前記脳の所定の部位にロックすることを含む、請求項26に記載の方法。
  33. 前記方法は、更に、前記挿入装置の位置をナビゲートし追跡することを含む、請求項26に記載の方法。
  34. 前記方法は、更に、前記診断用あるいは治療用の固形薬剤を分離可能に取り付けることを含む、請求項26に記載の方法。
  35. 前記方法は、更に、前記診断用あるいは治療用の固形薬剤の微生物分解速度を、経時的に前記被験者に望ましい投薬量が保証されるように最適化することを含む、請求項26に記載の方法。
  36. 前記の送達は、前記診断用あるいは治療用の固形薬剤が前記脳内に保持されることを保証しつつ、前記装置を前記脳から取り除くことを含む、請求項26に記載の方法。
  37. 前記送達は、更に、追加の薬剤を前記脳に送達することを含む、請求項26に記載の方法。
  38. 前記方法は、更に、追加の薬剤を送達するために前記脳にカテーテルを挿入することを含む、請求項26に記載の方法。
  39. 前記方法は、更に、前記薬剤送達のいずれかあるいは全てのプロセスをモニターしかつ/又は撮像することを含む、請求項26に記載の方法。
  40. 前記イメージング及び/又はモニタリングは、磁気共鳴断層撮影装置、CTスキャナー、フルオロスコープ、バイプラナー・フルオロスコープ、PETスキャナ、核医学カメラあるいは他の同様の生物医学的イメージング装置などの放射線画像化システムによって行われる、請求項39に記載の方法。
  41. 前記方法は、更に、前記脳から前記診断用あるいは治療用の固形薬剤の未使用部分を取り出すことを含む、請求項26に記載の方法。
  42. 前記方法は、更に、前記脳から前記診断用あるいは治療用の固形薬剤以外の物質を取り出すことを含む、請求項26に記載の方法。
  43. 前記方法は、更に、前記診断用あるいは治療用の固形薬剤を、MRコントラスト強調剤等の別の診断用あるいは治療用の薬剤と同時に処方することを含む、請求項26に記載の方法。
  44. 前記診断用あるいは治療用の固形薬剤は、カルムスチンである、請求項26に記載の方法。
  45. 前記送達は、深脳部エレクトロードや他の徐放性装置などの前記脳への送達を含む、請求項26に記載の方法。
  46. 被験者の1あるいは複数の部位に診断用あるいは治療用の固形薬剤を頭蓋内へ送達するシステムであって、該システムは、
    前記被験者の1あるいは複数の部位に診断用あるいは治療用の固形薬剤を送達する挿入装置を含む、システム。
  47. 前記挿入装置は、前記被験者の1あるいは複数の部位に送達する診断用あるいは治療用の固形薬剤を保持し、放出するように構成されている、請求項46に記載のシステム。
  48. 前記保持する装置は、スリーブとオブチュレーターとを含む、請求項47に記載のシステム。
  49. 前記オブチュレーターは、前記スリーブに適合する大きさに形成されている、請求項48に記載のシステム。
  50. 前記システムは、更に、前記被験者のある部位に配置されたインターフェース・メンバーを含み、該インターフェース・メンバーは、前記挿入装置を収容するように構成されている、請求項46に記載のシステム。
  51. 前記挿入装置の収容は、前記被験者の1あるいは複数の部位における所定のトラジェクトリーに位置合わせすることを含む、請求項50に記載に記載のシステム。
  52. 前記挿入装置の収容は、前記被験者の1あるいは複数の部位における所定の位置にロックすることを含む、請求項51に記載のシステム。
  53. 前記インターフェース・メンバーは、前記挿入装置の前記位置を追跡するためのナビゲーションシステムを含む、請求項52に記載のシステム。
  54. 前記挿入装置の収容は、前記被験者の1あるいは複数の部位における所定の位置にロックすることを含む、請求項50に記載のシステム。
  55. 前記インターフェース・メンバーは、前記挿入装置の位置を追跡するナビゲーション・システムを含む、請求項50に記載のシステム。
  56. 前記インターフェース・メンバーは、前記診断用あるいは治療用の固形薬剤が前記被験者の1あるいは複数の部位に保持されることを保証しつつ、前記被験者の1あるいは複数の部位から前記挿入装置を取り出すために保持するキャプチャー・メカニズムを含む、請求項50に記載のシステム。
  57. 前記診断用あるいは治療用の固形薬剤は、前記挿入装置に分離可能に取り付けられている、請求項46に記載のシステム。
  58. 前記診断用あるいは治療用の固形薬剤は、経時的に前記被験者に望ましい投薬量を保証するように最適化された微生物分解速度を有する、請求項46に記載のシステム。
  59. 前記保持装置は、スリーブとオブチュレーターとを含む、請求項46に記載のシステム。
  60. 前記診断用あるいは治療用の固形薬剤は、前記挿入装置の大きさに相応したジオメトリーを有する、請求項46に記載のシステム。
  61. 追加の薬剤を送達することができる、請求項46に記載のシステム。
  62. カテーテルは、追加の薬剤を送達するために前記被験者の1あるいは複数の部位に導入される、請求項46に記載のシステム。
  63. 前記システムは、更に、イメージング・システムを含む、請求項46に記載のシステム。
  64. 前記イメージング・システムは、磁気共鳴断層撮影装置、CTスキャナー、フルオロスコープ、バイプラナー・フルオロスコープ、PETスキャナ、核医学カメラあるいは他の同様の生物医学的イメージング装置を含む、請求項63に記載のシステム。
  65. 前記イメージング・システムは、薬剤送達のいずれかあるいは全てのプロセスをモニターする、請求項64に記載のシステム。
  66. 前記挿入装置は、前記被験者の1あるいは複数の部位から前記診断用あるいは治療用の固形薬剤の未使用部分を取り出すのに用いられる、請求項46に記載のシステム。
  67. 前記挿入装置は、被験者の1あるいは複数の部位から前記診断用あるいは治療用の固形薬剤以外の物質を取り出すのに用いられる、請求項46に記載のシステム。
  68. 前記診断用あるいは治療用の固形薬剤は、MRコントラスト強調剤などの別の診断用あるいは治療薬と同時に処方される、請求項46に記載のシステム。
  69. 前記診断用あるいは治療用の固形薬剤は、カルムスチンである、請求項46に記載のシステム。
  70. 前記挿入装置は、エレクトロノードや他の徐放性装置などの前記被験者の1あるいは複数の部位への他の送達に用いられる、請求項46に記載のシステム。
  71. 身体の1あるいは複数の部位は、器官の少なくとも一部である、請求項46に記載のシステム。
  72. 前記器官は、管腔器官、固形臓器、実質細胞、ストロマ組織、及び/又は管である、請求項71に記載のシステム。
  73. 身体の1あるいは複数の部位は、管状構造の少なくとも一部である、請求項46に記載の方法。
  74. 前記管状構造は、血管である、請求項73に記載の方法。
  75. 被験者の1あるいは複数の部位へ診断用あるいは治療用の固形薬剤を頭蓋内に送達する方法であって、
    診断用あるいは治療用の固形薬剤を送達する装置を、前記被験者の1あるいは複数の部位に挿入することを特徴とする方法。
  76. 前記挿入は、前記被験者の1あるいは複数の部位に送達するために、前記診断用あるいは治療用の固形薬剤材料を保持し放出することを含む、請求項75に記載の方法。
  77. 前記方法は、更に、前記挿入装置を前記被験者のある部位に取り付けることを含む、請求項75に記載の方法。
  78. 前記方法は、更に、前記挿入装置が、被験者の1あるいは複数の所定のトラジェクトリーに位置合わせすることを含む、請求項75に記載の方法。
  79. 前記方法は、更に、前記挿入装置を、前記被験者の1あるいは複数の所定の部位にロックすることを含む、請求項78に記載の方法。
  80. 前記方法は、更に、前記挿入装置の位置をナビゲートしかつ追跡することを含む、請求項78に記載の方法。
  81. 前記方法は、更に、前記挿入装置を、前記被験者の1あるいは複数の所定の部位にロックすることを含む、請求項75に記載の方法。
  82. 前記方法は、更に、前記挿入装置の位置をナビゲートしかつ追跡することを含む、請求項75に記載の方法。
  83. 前記方法は、更に、前記診断用あるいは治療用の固形薬剤を分離可能に取り付けることを含む、請求項75に記載の方法。
  84. 前記方法は、更に、時間の経過と共に前記被験者に望ましい投薬量を保証するために、前記診断用あるいは治療用の固形薬剤の微生物分解速度を最適化することを含む、請求項75に記載の方法。
  85. 前記送達は、前記診断用あるいは治療用の固形薬剤が脳内に保持されることを保証しつつ、前記被験者の1または複数の部位から取り除くために前記装置を保持することを含む、請求項75に記載の方法。
  86. 前記送達は、更に、前記被験者の1あるいは複数の部位に追加の薬剤を送達することを含む、請求項75に記載の方法。
  87. 前記方法は、更に、カテーテルを、追加の薬剤の送達のために前記被験者の1あるいは複数の部位に挿入することを含む、請求項75に記載の方法。
  88. 前記方法は、更に、薬剤送達のいずれかあるいは全てのプロセスをモニターすることを含む、請求項75に記載の方法。
  89. 前記イメージング及び/又はモニタリングは、磁気共鳴断層撮影装置、CTスキャナー、フルオロスコープ、バイプラナー・フルオロスコープ、PETスキャナ、核医学カメラあるいは他の同様の生物医学的イメージング装置などの放射線画像化システムによって行われる、請求項88に記載の方法。
  90. 前記方法は、更に、前記被験者の1あるいは複数の部位から前記診断用あるいは治療用の固形薬剤の未使用の部分を取り除くことを含む、請求項75に記載の方法。
  91. 前記方法は、更に、被験者の1あるいは複数の部位から前記診断用あるいは治療用の固形薬剤以外の物質を取り除くことを含む、請求項75に記載の方法。
  92. 前記方法は、更に、前記診断用あるいは治療用の固形薬剤をMRコントラスト強調剤などの別の診断用あるいは治療薬と同時に処方することを含む、請求項75に記載の方法。
  93. 前記診断用あるいは治療用の固形薬剤は、カルムスチンである、請求項75に記載の方法。
  94. 前記送達は、更に、深電極あるいは他の徐放性装置などを前記被験者の1あるいは複数の部位に送達することを含む、請求項75に記載の方法。
  95. 前記身体の1あるいは複数の部位は、器官の少なくとも一部を含む、請求項75に記載のシステム。
  96. 前記器官は、管腔器官、固形臓器、実質細胞、ストロマ組織、及び/又は管を含む、請求項95に記載のシステム。
  97. 前記身体の1あるいは複数の部位は、管状構造の少なくとも一部を含む、請求項75に記載の方法。
  98. 前記管状構造は、血管である、請求項97に記載の方法。
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