JP2009543591A - 生体適合性ヒドロゲル - Google Patents

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Abstract

第1のヌクレオシドを有する第1のポリマー、およびこの第1のヌクレオシドと相補的であり、この第1のヌクレオシドと塩基対形成することのできる第2のヌクレオシドを有する第2のポリマーを含む生体適合性マクロマー組成物を提供する。この生体適合性マクロマー組成物は、ヒトおよび/または動物の医療用途において、接着剤またはシーラントとして使用することができる。実施形態では、第1のポリマー、および場合によって第2のポリマーの分子量は、約1×10g/molから約1×10g/molとすることができる。他の実施形態では、第1のポリマー、および場合によって第2のポリマーの分子量は、約1×10g/molから約1×10g/molとすることができる。

Description

(関連出願への相互参照)
本願は、2006年7月11日に出願された米国仮特許出願第60/819,964号の利益および優先権を主張する。米国仮特許出願第60/819,964号の全開示は、本明細書中に参考として援用される。
(技術分野)
本開示は、合成ポリマーから作製される架橋組成物、および生体接着剤および/またはシーラントとしてのそのような組成物の使用に関する。
(関連分野の背景)
近年、縫合を接着結合と代替する、または接着結合で増強することにおける興味が増大してきている。この興味の増大の理由として、(1)接着結合で修復が達成されると思われる潜在的な速度;(2)結合物質の、完全な閉鎖をもたらし、したがって体液の漏出を防止する能力;および(3)組織の過剰な変形を伴うことなく、結合を形成する可能性が挙げられる。
しかし、この領域での研究により、外科接着剤が外科医によって受け入れられるために、この外科接着剤はいくつかの特性を有するべきであることが明らかになった。これらは、高い初期仮留め性および生体組織に急速に結合する能力を示すべきであり、結合強度は、十分に高いことによって、結合破壊の前に組織損傷を引き起こすほどであるべきであり、接着剤は、架橋、好ましくは浸透性、可撓性の架橋を形成すべきであり、接着性架橋および/またはその代謝産物は、局所的な組織毒性または発癌性効果を引き起こすべきではない。
組織接着剤または組織シーラントとして有用ないくつかの材料は、現在利用可能である。現在利用可能な接着剤の1種は、シアノアクリレート接着剤である。しかし、シアノアクリレート接着剤は、分解してホルムアルデヒドなどの望まれない副生成物を生成し得る可能性がある。別の不利点は、シアノアクリレート接着剤は高い曲げ率を有し得ることであり、これは接着剤の有用性を制限する場合がある。
完全に合成的であり、したがってウイルス伝播の懸念を伴うことなく、その特性において高度に安定している生体接着剤を提供することが望ましいであろう。そのような接着剤は、可撓性および生体適合性であるべきであり、接着剤またはシーラントのいずれかとしての使用に適しているべきである。
(要旨)
本開示は、組織中の創傷または欠損部を密封するための接着剤またはシーラントとして利用することのできる、生体適合性マクロマー組成物を提供する。実施形態では、生体適合性マクロマー組成物は、第1のヌクレオシドを含む第1のポリマーおよび第2のヌクレオシドを含む第2のポリマーを含み、この第1のヌクレオシドと第2のヌクレオシドは塩基対形成し、それによって本開示の生体適合性マクロマー組成物を形成する。
実施形態では、第1のポリマー、および場合によって第2のポリマーの分子量は、約1×10g/molから約1×10g/molとすることができる。他の実施形態では、第1のポリマー、および場合によって第2のポリマーの分子量は、約1×10g/molから約1×10g/molとすることができる。
本開示は、本発明の生体適合性マクロマー組成物を含む、創傷閉鎖用の接着剤および医療用途で使用するためのシーラントも提供する。
本開示の生体適合性マクロマー組成物を用いて創傷を閉鎖するための方法も提供され、この生体適合性マクロマー組成物を、創傷に適用し、硬化させ、それによって前記創傷を閉鎖する。
動物組織中の空隙を満たすための方法も提供され、これは、本開示の生体適合性マクロマー組成物をこの空隙に適用するステップと、この生体適合性マクロマー組成物を硬化させ、それによってこの空隙を満たすステップとを含む。
動物組織の表面に医療デバイスを接着させるための方法も提供され、これは、本開示の生体適合性マクロマー組成物を、デバイス、動物組織の表面、または両方に適用するステップと、デバイス、生体適合性マクロマー組成物および表面を互いに接触させるステップと、生体適合性マクロマー組成物を硬化させ、それによってデバイスおよび表面を互いに接着させるステップとを含む。
他の実施形態では、本開示は、本開示の生体適合性マクロマー組成物を動物に投与するステップと、この生体適合性マクロマー組成物を硬化させ、それによってゲルを形成するステップと、この生体適合性マクロマー組成物をin vivoで分解させるステップであり、この生体適合性マクロマー組成物の分解により、動物に遺伝子を送達するステップとによって、遺伝子を送達するための方法を提供する。
(詳細な説明)
本明細書に記載される生体適合性マクロマー組成物は、動物組織を接着させるための接着剤として、または動物組織中の空隙を密封するためのシーラントとして有用となり得る。本開示の組成物は、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオチドを含めたヌクレオチドで末端処理したポリマー鎖を含む、少なくとも2つの成分を使用して作製することができる。
本明細書で使用する場合、「ヌクレオシド」は、1’位でペントースと連結した、プリン、デアザプリン、またはピリミジン核酸塩基、例えば、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル、チミン、デアザアデニン、デアザグアノシンなどを含めた化合物を指す。ヌクレオシド塩基がプリンまたは7−デアザプリンである場合、ペントースは、プリンまたはデアザプリンの9位で核酸塩基に結合し、核酸塩基がピリミジンである場合、ペントースは、ピリミジンの1位で核酸塩基に結合する。
「ヌクレオチド」は、ヌクレオシドのリン酸エステル、例えば、三リン酸エステルを指し、エステル化の最も一般的な部位は、ペントースのC−5位に結合したヒドロキシル基である。ヌクレオチドは、3つの部分、すなわち糖、リン酸、および核酸塩基から構成することができる。二重鎖の一部である場合、ヌクレオチドは、「塩基」または「塩基対」とも呼ばれる。最も一般的な天然核酸塩基である、アデニン(A)、グアニン(G)、ウラシル(U)、シトシン(C)、およびチミン(T)は、塩基対形成をもたらす水素結合官能性を有する。
用語「塩基対形成」は、配列特異的な水素結合を通じて一緒に結合する、ヌクレオチドの特異的な対のパターン、およびその類似体を指し、例えば、Aは、TおよびUと対になり、GはCと対になる。
本明細書で使用する場合、オリゴヌクレオチドは、約1から約30個のヌクレオチド単位を有することができ、一方、ポリヌクレオチドは、約30個を超えるヌクレオチド単位、実施形態では、約30から約10,000個のヌクレオチド単位、他の実施形態では、約100から約7,500個のヌクレオチド単位、さらに他の実施形態では、約1,000から約5,000個のヌクレオチド単位を有することができる。
ヌクレオシドおよび/またはヌクレオチドを有する本開示の生体適合性マクロマー組成物を形成するのに利用されるポリマーは、塩基対形成、例えば、グアニン(G)に結合するシトシン(C)、およびチミン(T)またはウラシル(U)に結合するアデニン(A)を可能にするように選択される。実施形態では、ポリマー鎖は、それだけに限らないが、酸、アミン、スルホン、イソシアネート、ヒドロキシル基、ビニル基、エステルなどを含めた、追加の官能性を有することができる。追加の官能基は、第1のポリマー鎖と第2のポリマー鎖との間の架橋をさらに増強するように選択することができる。
本明細書に記載されるマクロマー組成物は、ヒトを含めた動物の生体組織および/または肉体に適用することができる接着剤および/またはシーラントとして利用される場合のあることが企図されている。特定のコミュニティー内で、用語「肉体」と「組織」の使用の間に、ある特定の区別が引かれる場合があるが、この用語は、一般的な基質を指すこととして本明細書で互換的に使用され、患者の治療に関する医療分野内で、この基質上に本接着剤が利用されることを当業者は理解するであろう。本明細書で使用する場合、「組織」として、それだけに限らないが、皮膚、骨、ニューロン、アクソン、軟骨、血管、角膜、筋肉、筋膜、脳、前立腺、乳房、子宮内膜、肺、膵臓、小腸、血液、肝臓、精巣、卵巣、頸部、大腸、胃、食道、脾臓、リンパ節、骨髄、腎臓、末梢血、胚組織または腹水組織を挙げることができる。
実施形態では、本開示のマクロマー組成物を形成するのに利用されるポリマー鎖は、ヌクレオシドまたはヌクレオチド自体を含むことができ、例えば、ポリマー鎖は、オリゴデオキシリボ核酸、例えば、オリゴデオキシアデニン、オリゴデオキシグアニン、オリゴデオキシシトシン、およびオリゴデオキシチミジンなど、オリゴリボ核酸、例えば、オリゴアデニン、オリゴグアニン、オリゴシトシン、オリゴウリジンなどとすることができる。第1のポリマー鎖および第2のポリマー鎖は、塩基対形成を可能にするように選択され、例えば、オリゴデオキシグアニンを第1のポリマーとして選択することができ、オリゴデオキシシトシンを第2のポリマーとして選択することができ、またはオリゴデオキシアデニンを第1のポリマーとして選択することができ、オリゴデオキシチミジンまたはオリゴウリジンを第2のポリマーとして選択することができると思われる。実施形態では、オリゴデオキシアデニンが第1のポリマーとして選択される場合、オリゴデオキシチミジンを第2のポリマーとして選択することができ、オリゴウリジンを第3のポリマーとして利用することができると思われ、第1のポリマーと第2のポリマーの間、ならびに第1のポリマーと第3のポリマーの間で塩基対形成が起こる。
他の実施形態では、ポリヌクレオチドを第1のポリマー鎖および第2のポリマー鎖として利用することができ、核酸塩基同士間で塩基対形成が起こることによって、本開示の生体適合性マクロマー組成物を形成する。ポリヌクレオチドとして、例えば、ポリデオキシリボ核酸、例えば、ポリデオキシアデニン、ポリデオキシグアニン、ポリデオキシシトシンおよびポリデオキシチミジンなどが挙げられる。
他の実施形態では、ポリマー鎖は、相補的ヌクレオシドおよび/またはヌクレオチドを用いて官能化することのできるヒドロゲルを形成するための任意の適当なポリマー材料を含むことができる。そのようなポリマー材料は、当業者の認識範囲内であり、そのようなポリマー材料として、選択されるポリマーが官能化されることができる限り、例えば、炭化水素、ポリアルキレンオキシド、ポリサッカライド、エステル、脂肪族エステル、オルトエステル、リン酸エステル、カーボネート、ウレタン、エーテル、アミド、フェノール類、重合薬(polymerized drug)、すなわちPolymerix Corp.(Piscataway、NJ)から市販されているポリアスピリン(polyaspirin)またはポリジフルニサル(polydiflunisal)、その組合せなどが挙げられる。
実施形態では、ポリマー材料として、それだけに限らないが、グリコール酸、グリコリド、乳酸、ラクチド、1,4−ジオキサン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、ε−カプロラクトン、その組合せなどを含めた吸収性材料を挙げることができる。他の実施形態では、ポリマー主鎖として、それだけに限らないが、ソルビトール、マンニトール、スクロース、デキストラン、シクロデキストリンなどを含めたポリサッカライドを挙げることができる。さらに他の実施形態では、ポリマー主鎖として、官能性PAO、例えば、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリエチレンオキシド(「PEO」)、ポリプロピレンオキシド(「PPO」)、ラクチド連鎖を有するポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(「PPG」)、co−ポリエチレンオキシドロックコポリマーまたはco−ポリエチレンオキシドランダムコポリマーなど、およびポロキサマー、例えば、BASF Corporation(Mt.Olive、NJ)製のPLURONICS(登録商標)として市販されているトリブロックPEO−PPOコポリマーなどのポリプロピレンオキシド(PPO)とのポリエチレンオキシド(PEO)コポリマーなどを挙げることができる。
いくつかの実施形態では、第1のポリマーは、ポリエチレングリコール(「PEG」)などのポリエチレンオキシドとすることができる。本明細書で使用する場合、ポリエチレングリコールは、一般に、50,000未満の分子量を有するポリマーを指し、一方、ポリエチレンオキシドは、より高い分子量を有するポリマーを指すのに使用される。PEGにより、生体適合性接着性組成物において、優れた保水性、可撓性および粘性が提供される。
いくつかの実施形態では、PEGは、生分解性を改善するために、修飾することによって多官能性材料、すなわち、分岐または星型構造を生成することができる。
第1のポリマー主鎖は、少なくとも1個のヌクレオシドまたはヌクレオチドで末端処理することができる。実施形態では、これは、2個の同じヌクレオシドまたはヌクレオチドで末端処理することができる。同様に、第2のポリマー主鎖は、少なくとも1個のヌクレオシドまたはヌクレオチドで末端処理することができる。実施形態では、これは、第2のポリマー主鎖上に存在するヌクレオシドまたはヌクレオチドが相補的であり、第1のポリマー鎖上に位置するヌクレオシドまたはヌクレオチドと塩基対形成することができる限り、2個の同じヌクレオシドもしくはヌクレオチド、または異なるヌクレオシドもしくはヌクレオチドでも末端処理することができる。したがって、本開示のマクロマー組成物は、相補的ヌクレオシドまたはヌクレオチドを有する2つ以上のポリマー鎖を組み合わせることによって、例えば、シトシンを有する第1の鎖とグアニンを有する第2の鎖、またはアデニンを有する第1の鎖とチミンもしくはウラシルを有する第2の鎖によって形成することができる。
第1のポリマー主鎖は、本開示の生体適合性マクロマー組成物中に、マクロマー組成物の約10重量%から約90重量%、実施形態では、マクロマー組成物の約30重量%から約70重量%の量で存在することができ、第2のポリマー主鎖は、マクロマー組成物の約90重量%から約10重量%、実施形態では、マクロマー組成物の約70重量%から約30%の量で存在する。
上述したように、実施形態では、1つの末端、または鎖自体に沿ってのいずれかで、第1および第2のポリマー鎖の主鎖上に追加の官能基を含めることができる。適当な追加の官能基として、例えば、酸、アミン、スルホン、イソシアネート、ヒドロキシル基、ビニル基、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を含めたエステル、その組合せなどが挙げられる。実施形態では、第1のポリマー鎖上の追加の官能基は、これらが第2のポリマー鎖上の追加の官能基と相補的であり、架橋することができるように選択することができる。したがって、第2のポリマーを形成するのに利用されるポリマー鎖は、第1のポリマー主鎖上に位置するヌクレオシドまたはヌクレオチドと相補的なヌクレオシドまたはヌクレオチドを有することができ、第2のポリマーは、第1のポリマーの第1の官能基と反応性である第2の官能基も有することができる。
架橋することのできるそのような追加の相補的官能基の例として、例えば、スクシンイミジル基と反応するアミンまたはチオール基、イソシアネート基と反応するアミノ基などが挙げられる。例えば、第1のポリマー主鎖が官能化されることによって追加のアミン基を含む場合、第2のポリマー主鎖は、さらに官能化されることによって、スクシンイミジル基またはイソシアネート基などのアミン反応性基を含むことができる。したがって、第1のポリマーが、ヌクレオチドに加えてアミン官能基を有する場合、第2のポリマーは、スクシンイミジル基、イソシアネート基、もしくは両方、またはジイソシアネート、例えば、エチレンジイソシアネート、1−6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、4,4’−オキシビス(フェニルイソシアネート)、リシンジイソシアネート、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3(4)−イソシアナトメチル−1−メチルシクロヘキシルイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、およびその混合物およびその組合せも有することができる。
相補的ヌクレオシドまたはヌクレオチドに加えて、これらの追加の官能基が存在することにより、第1および第2のポリマーの架橋がさらに増強されることによって、本開示のマクロマー組成物を形成することができ、それによって接着剤またはシーラントとして使用するのに適したヒドロゲルが形成される。
置換ポリマーの調製は、当業者の認識範囲内である。例えば、PEGなどのポリマーは、例えば、Poly(ethylene Glycol) Chemistry: Biotechnical and Biomedical Applications、J. Milton Harris編、Plenum Press、NY (1992年)の22章に開示されている方法を含めた、当業者の認識範囲内の任意の方法によって官能化することができる。官能性PEGを含めた様々な形態のPAOも、例えば、Shearwater Polymers,Inc.、Huntsville、Alabama、およびTexaco Chemical Company、Houston、Texasを含むプロバイダーから市販されている。PEGは、Nektar Therapeutics、150 Industrial Road、San Carlos、CA、USA 94070を含めた、様々な供給源から市販されている。
本開示の生体適合性マクロマー組成物を形成するのに利用されるポリマー主鎖は、第1のポリマー主鎖が第2のポリマー主鎖と架橋される場合、得られるマクロマー組成物により、適切な接着またはシーラント特性が提供されるように十分に高い分子量を有するべきである。同時に、ポリマー主鎖の分子量は、分解すると生じるポリマー断片が、身体によって排出することができるように十分に低いべきである。第1および第2のポリマー主鎖の分子量は、約1×10g/molから約1×10g/mol、実施形態では、約1×10g/molから約1×10g/molとすることができる。
いくつかの実施形態では、第1のポリマーおよび/または第2のポリマーの主鎖は、分岐または多アーム構造を有することができる。例えば、ポリアルキレンオキシド主鎖は、多官能(例えば、多価)開始剤の存在下でアルキレンオキシドモノマーを重合する結果とすることができる。分岐または多アームポリアルキレンオキシド主鎖を生成するための反応条件は、当業者の認識範囲内である。
ポリマーの置換度は、最終的に達成される架橋量、したがって本開示のマクロマー組成物の可撓性および膨潤における要因となるであろう。第1のポリマーと第2のポリマーの間の架橋は、水素結合および/または疎水結合によって起こり得る。
ポリマー主鎖がポリアルキレンオキシドに基づく場合、ヌクレオシドまたはヌクレオチドおよび任意の追加の官能基は、ポリアルキレンオキシド鎖上の末端に位置する、あるいはポリアルキレンオキシド鎖に沿った1つまたは複数の位置に位置することができる。ポリアルキレンオキシドが、分岐またはデンドリマー(dendrimeric)の構造である場合、ヌクレオシドまたはヌクレオチドおよび任意の追加の官能基は、ポリアルキレンオキシドのアームの末端に位置する、あるいはポリアルキレンオキシドのアームに沿った1つまたは複数の位置に位置することができる。同様に、1本のポリアルキレンオキシドの鎖またはアーム当たりに、1個のヌクレオシドまたはヌクレオチド基が存在することができるが、1本のポリアルキレンオキシドの鎖またはアーム当たりに、1個超、および最大10個以上のヌクレオシドもしくはヌクレオチドおよび/または任意の追加の官能基が存在してよいことも企図されている。
本開示のマクロマー組成物の成分の選択は、所望の接着剤および/またはシーラント用途に準じた最適な粘性に対して、マクロマー組成物を合わせるように調整することができる。本開示のマクロマー組成物の粘性は、組織を結合させるが、それでも体内で分解するのに十分であるべきである。より高い粘性によって、接着剤および/またはシーラントの変位が最小限になる。より高い粘性によって、適用部位での未硬化または未重合の接着剤および/またはシーラントの保持も改善される。しかし、こうしたより高い粘性によって、マクロマー組成物を適用することがより困難になる。本開示のマクロマー組成物を利用する接着剤および/またはシーラントについての有用な粘性は、約200センチポアズ(「cP」)から約100,000cP、実施形態では約500から約10,000cPとなり得る。
場合により、加水分解的に分解可能な結合を提供する、少なくとも1種の追加の成分を、第1のポリマー、第2のポリマー、または両方の中に組み込むことができ、それによって、本開示のマクロマー組成物が分解する速度が上昇する。場合により組み込むことのできる適当な成分として、それだけに限らないが、加水分解的に不安定なα−ヒドロキシ酸(例えば、乳酸またはグリコール酸など)、エステル(例えば、ラクチドまたはグリコリドなど)、ラクトン(例えば、ε−カプロラクトンなど)、カーボネート(例えば、トリメチレンカーボネートなど)、エステルエーテル(例えば、1,4−ジオキサン−2−オンまたは1,3−ジオキサン−2−オンなどのジオキサノンなど)、二酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、グルタル酸など)、およびその組合せが挙げられる。当業者は、第1のポリマー、第2のポリマー、または両方の中に、これらの成分を組み込むための反応スキームを容易に想定するであろう。
例えば、第1のポリマーおよび第2のポリマーがポリアルキレンオキシドに基づく場合、これらの加水分解的に分解可能な成分は、両方の成分を少量のジオールと反応させることによって、第1および/または第2のポリアルキレンオキシド中に組み込むことができる。実施形態では、低重量PEGポリマーを、ジオール混合物と混合することができる。ジオール混合物により、高度に分岐したポリマー鎖同士間に、分解可能なエステル結合がもたらされる。ポリマーが尚早にゲル化するのを防止するために、非常に低いジオール濃度が使用されるべきである。選択されるジオールは、最終シーラントの所望の特性に準じて選択することができる。例えば、機械的強化が望まれない、または必要でない場合、プロピレンフマレート、ジエチレングリコールまたは短鎖PEGジオールを使用することができる。シーラントの追加の強度が望まれる場合、フタル酸、ビフェニル、ビスフェノールA、またはビスフェノールAのジグリシジルエーテル基を使用することができる。
加水分解的に分解可能な結合を提供する成分に加えて、またはこの成分の代わりに、酵素的に分解可能な少なくとも1個の結合を、第1のポリマー、第2のポリマー、または両方の中に組み込むことができる。酵素的に分解可能な結合として、それだけに限らないが、アミノ酸残基、例えば、−Arg−、−Ala−、−Ala(D)−、−Val−、−Leu−、−Lys−、−Pro−、−Phe−、−Tyr−、−Glu−など;2アミノ酸長から6アミノ酸長のオリゴペプチド、例えば、−Ile−Glu−Gly−Arg−、−Ala−Gly−Pro−Arg−、−Arg−Val−(Arg)−、−Val−Pro−Arg−、−Gln−Ala−Arg−、−Gln−Gly−Arg−、−Asp−Pro−Arg−、−Gln−(Arg)−、−Phe−Arg−、−(Ala)−、−(Ala)−、−Ala−Ala(D)−、−(Ala)−Pro−Val−、−(Val)−、−(Ala)−Leu−、−Gly−Leu−、−Phe−Leu−、−Val−Leu−Lys−、−Gly−Pro−Leu−Gly−Pro−、−(Ala)−Phe−、−(Ala)−Tyr−、−(Ala)−His−、−(Ala)−Pro−Phe−、−Ala−Gly−Phe−、−Asp−Glu−、−(Glu)−、−Ala−Glu−、−Ile−Glu−、−Gly−Phe−Leu−Gly−、−(Arg)−;D−グルコース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルノイラミン酸、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルマンノサミン、またはそのオリゴ糖;オリゴデオキシリボ核酸、例えば、オリゴデオキシアデニン、オリゴデオキシグアニン、オリゴデオキシシトシン、およびオリゴデオキシチミジンなど;オリゴリボ核酸、例えば、オリゴアデニン、オリゴグアニン、オリゴシトシン、オリゴウリジンなどが挙げられる。当業者は、ポリマー中に、酵素的に分解可能な結合を組み込むための反応スキームを容易に想定するであろう。
様々な任意選択の成分を、本開示のマクロマー組成物中に含めることができる。抗菌性安定化特性を提供し、本開示のマクロマー組成物中に他の材料を分散させることを助長するリン脂質界面活性剤を加えてもよい。任意選択の添加剤として、抗菌剤、着色剤、保存剤、または薬剤、例えば、タンパク質製剤およびペプチド製剤、解熱剤、消炎剤および鎮痛剤、抗炎症剤、血管拡張剤、抗高血圧剤および抗不整脈剤、血圧降下剤、鎮咳剤、抗腫瘍剤、局所麻酔薬、ホルモン製剤、抗喘息剤および抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、抗凝血剤、鎮痙剤、脳循環向上剤および代謝向上剤、抗うつ剤および抗不安剤、ビタミンD製剤、血糖降下剤、抗潰瘍剤、催眠剤、抗生物質、抗かび剤、鎮静剤、気管支拡張剤、抗ウイルス剤、ジスリック剤(dysuric agent)など、ならびに高分子薬、例えば、ポリアスピリン、ポリジフルニサル、ポリトリクロサン(polytriclosan)、ポリクロルヘキシジン(polychlorhexidine)などが挙げられる。そのような任意選択の成分は、実施形態では、ペンダントまたは主鎖の誘導体でもよい。
さらに、本開示のマクロマー組成物に酵素を加えることによって、このマクロマー組成物の分解速度を上昇させることができる。適当な酵素として、例えば、ペプチド加水分解酵素、例えば、エラスターゼ、カテプシンG、カテプシンE、カテプシンB、カテプシンH、カテプシンL、トリプシン、ペプシン、キモトリプシン、γ−グルタミルトランスフェラーゼ(γ−GTP)など;糖鎖加水分解酵素、例えば、ホスホリラーゼ、ノイラミニダーゼ、デキストラナーゼ、アミラーゼ、リゾチーム、オリゴサッカラーゼ(oligosaccharase)など;オリゴヌクレオチド加水分解酵素、例えば、アルカリホスファターゼ、エンドリボヌクレアーゼ、エンドデオキシリボヌクレアーゼなどが挙げられる。酵素は、リポソームまたはミクロスフェア中に加えることによって、その放出、したがって、本開示のマクロマー組成物の分解へのその効果を制御することができる。リポソームおよびミクロスフェア中に酵素を組み込むための方法は、当業者の認識範囲内である。
本開示のマクロマー組成物は、それだけに限らないが、創傷閉鎖(外科的切開部および他の創傷を含めて)、医療デバイス(インプラントを含めて)用接着剤、シーラントおよび空隙充填剤、遺伝子送達デバイス、薬物送達デバイス、および塞栓剤を含めた、ヒトおよび動物の医療用途において使用することができる。本明細書で使用する場合、本開示のマクロマー組成物を含む接着剤またはシーラントは、任意の上述の医療用途、ならびに当業者の認識範囲内の任意の他の医療用途のために使用することができる。
いくつかの実施形態では、第1および第2のポリマー成分は、組織への適用の前に別々にしておくことができる。したがって、第1および第2のポリマー成分は、従来の2部分の接着剤ディスペンサーから供給することができ、このディスペンサーにより、この2つの成分が、ディスペンサーから出る前または出た後のいずれかに混合される。そのようなディスペンサーは、例えば、米国特許第4,978,336号、同第4,361,055号、同第4,979,942号、同第4,359,049号、同第4,874,368号、および同第5,368,563号に開示されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
他の実施形態では、特に、本開示のマクロマー組成物が、動物の身体中の欠損部を満たすために、空隙充填剤またはシーラントとして利用される場合、架橋の条件および程度をより正確に制御することが有利である場合がある。そのような場合、動物組織中の空隙を満たすために使用する前に、マクロマー組成物を部分的に架橋することが有用となり得る。そのような場合、本開示のマクロマー組成物を、空隙または欠損部に適用し、硬化させ、それによって空隙または欠損部を満たす。
本開示のマクロマー組成物は、いくつかの異なる用途に使用することができる。これらの用途には、縫合、ステープル、テープおよび/または包帯の代替として、またはこれらへの補足としてのいずれかで、組織を一緒に結合させるための接着剤としての使用が含まれる。開示したマクロマー組成物を接着剤として使用することより、現在の診療の間に通常必要とされる縫合を省き、または縫合の数を実質的に低減し、その後のステープルおよびある種の縫合の除去の必要性を省くことができる。したがって、開示したマクロマー組成物を接着剤として使用することは、縫合、クランプ、または他の従来の組織閉鎖の仕組みにより、さらなる組織損傷が生じる恐れのある繊細な組織に特に有用となり得る。
本開示のマクロマー組成物についての追加の用途には、縫合線またはステープル線で、血液または他の体液の漏出を防止または制御するために、組織を密封することが含まれる。別の実施形態では、マクロマー組成物は、再建手術の間に皮膚移植片を付け、組織弁を配置するのに使用することができる。さらに別の実施形態では、マクロマー組成物は、歯周手術において組織弁を閉鎖するのに使用することができる。
2つの組織縁部を結合させるために、この2つの縁部が近づけられ、第1のヌクレオチドを有する第1のポリマーが、相補的ヌクレオチドを有する第2のポリマーと混合される。架橋反応は急速であり、一般に1分未満しかかからない。したがって、本開示のマクロマー組成物は、外科的切開部を含めた創傷を閉鎖するための接着剤として使用することができる。そのような場合、本開示のマクロマー組成物は、創傷に適用し、硬化させることができ、それによって創傷を閉鎖する。
実施形態では、本開示のマクロマー組成物を形成する間に、第1のポリマー、第2のポリマー、または両方にカップリング剤を加えることによって、ヌクレオシドまたはヌクレオチドに加えて存在する官能基の架橋をさらに増強することが有用となり得る。適当なカップリング剤は、当業者の認識範囲内である。実施形態では、カルボジイミドをカップリング剤として利用することができる。利用することのできる具体的なカルボジイミドとして、それだけに限らないが、1−エチル−3(3−ジメチル−アミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩が挙げられる。
別の実施形態では、本開示は、組織の2つの縁部を固定するのではなく、組織に医療デバイスを接着させるために、本開示のマクロマー組成物を使用するための方法に関する。いくつかの場合では、第1のポリマー成分、第2のポリマー成分、または両方を含むことのできる医療デバイス上にコーティングが存在してもよい。いくつかの態様では、医療デバイスにはインプラントが含まれる。他の医療デバイスとして、それだけに限らないが、ペースメーカー、ステント、シャントなどが挙げられる。一般に、動物組織の表面にデバイスを接着させるために、本開示のマクロマー組成物、またはその成分を、デバイス、組織表面、または両方に適用することができる。次いで、デバイス、マクロマー組成物および組織表面を互いに接触させ、この組成物を硬化させ、それによってデバイスと表面を互いに接着させる。
本開示のマクロマー組成物は、手術後癒着を防止するために使用することもできる。そのような用途では、マクロマー組成物は、内部組織の表面上に層として適用し、硬化させることによって、治癒過程の間に手術部位で癒着が形成するのを防止することができる。
シーラントとして使用される場合、本開示のマクロマー組成物は、手術中に使用することによって、手術手順の間および手術手順後の両方で、出血または体液漏出を防止または抑制することができる。これは、肺手術に関連する空気漏出を防止するために適用することもできる。シーラントは、少なくとも組織中の任意の欠損部を密封し、任意の体液または空気の移動を密封するのに必要な量で、所望の範囲に直接適用することができる。
他の添加剤の有無にかかわらず、接着剤またはシーラントしてのマクロマー組成物の適用は、任意の従来の手段によって行うことができる。これらには、滴下、ブラッシング、または組織表面上への接着剤の他の直接操作、または表面への接着剤の吹き付けが含まれる。開放手術では、手、鉗子などによる適用が企図される。内視鏡手術では、接着剤は、トロカールのカニューレによって送達し、当技術分野で既知の任意のデバイスによって部位に塗布することができる。
実施形態では、本開示の生体適合性マクロマー組成物は、遺伝子送達システムとして使用することもできる。第1のポリマーおよび第2のポリマーはオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドで作製することができるので、実施形態では、第1のポリマーおよび第2のポリマーは、その塩基対形成する能力に対してのみ選択することができるのではなく、これらが、遺伝子療法の一部として動物に投与するための、興味対象の遺伝子をコードするように選択することもできる。形成されると、本開示の生体適合性マクロマー組成物はin vivoで分解し、それによって対象動物中に遺伝子を放出する。第1のポリマー、第2のポリマー、または両方に酵素を添加する、または分解可能な結合を含めることにより、分解、したがって、生体適合性マクロマー組成物がin vivoで所望の遺伝子を送達する能力、したがって、遺伝子送達システムとしての機能をさらに増強することができる。
本明細書に開示した実施形態に対して、様々な改変を行うことができることが理解されよう。したがって上記説明は、限定するものとして解釈するべきではなく、単にいくつかの実施形態の例示として解釈するべきである。当業者は、本明細書に添付した特許請求の範囲および特許請求の範囲の精神の範囲内で他の改変を想定するであろう。

Claims (23)

  1. 第1のヌクレオシドを含む第1のポリマーと、
    第2のヌクレオシドを含む第2のポリマーと
    を含む生体適合性マクロマー組成物であって、前記第1のヌクレオシドおよび前記第2のヌクレオシドは塩基対形成し、前記組成物は、接着剤、シーラント、または遺伝子送達デバイスとして作用する生体適合性マクロマー組成物。
  2. 前記第1のポリマーがオリゴヌクレオチドを含む、請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物。
  3. 前記第2のポリマーがオリゴヌクレオチドを含む、請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物。
  4. 前記第1のポリマーがポリヌクレオチドを含む、請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物。
  5. 前記第2のポリマーがポリヌクレオチドを含む、請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物。
  6. 前記第1のポリマー、および場合によって前記第2のポリマーの分子量が、約1×10g/molから約1×10g/molである、請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物。
  7. 前記第1のポリマー、および場合によって前記第2のポリマーの分子量が、約1×10g/molから約1×10g/molである、請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物。
  8. 前記第1のポリマーが、ポリアルキレンオキシド、ポリサッカライド、エステル、脂肪族エステル、オルトエステル、リン酸エステル、カーボネート、ウレタン、エーテル、アミド、フェノール類、およびその組合せからなる群から選択されるポリマーをさらに含む、請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物。
  9. 前記第2のポリマーが、ポリアルキレンオキシド、ポリサッカライド、エステル、脂肪族エステル、オルトエステル、リン酸エステル、カーボネート、ウレタン、エーテル、アミド、フェノール類、およびその組合せからなる群から選択されるポリマーをさらに含む、請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物。
  10. 前記第1のポリマーが、酸、アミン、スルホン、イソシアネート、ヒドロキシル基、ビニル基、エステル、およびその組合せからなる群から選択される第1の官能基をさらに含み、前記第2のポリマーが、前記第1の官能基と架橋された第2の官能基をさらに含む、請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物。
  11. 前記第1のポリマー、および場合によって前記第2のポリマーが、α−ヒドロキシ酸、エステル、ラクトン、カーボネート、エステルエーテル、二酸、およびその組合せからなる群から選択される生体吸収性基をさらに含む、請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物。
  12. 前記第1のポリマー、および場合によって前記第2のポリマーが、乳酸、グリコール酸、ラクチド、グリコリド、ε−カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、1,4−ジオキサン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、グルタル酸、およびその組合せからなる群から選択される生体吸収性基をさらに含む、請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物。
  13. 前記第1のポリマーが、合成マクロマー組成物の約10重量%から約90重量%の量で存在する、請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物。
  14. 前記第2のポリマーが、合成マクロマー組成物の約90重量%から約10重量%の量で存在する、請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物。
  15. 前記第1のポリマー、および場合によって前記第2のポリマーが、酵素的に分解可能な成分と混合される、請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物。
  16. 請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物を含む、創傷閉鎖用の接着剤。
  17. 請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物を含む、医療用途で使用するためのシーラント。
  18. 創傷を閉鎖するための方法であって、
    前記創傷に請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物を適用するステップと、
    前記生体適合性マクロマー組成物を硬化させ、それによって前記創傷を閉鎖するステップと
    を含む方法。
  19. 前記創傷が外科的切開部である、請求項18に記載の方法。
  20. 動物組織中の空隙を満たすための方法であって、
    請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物を前記空隙に適用するステップと、
    前記生体適合性マクロマー組成物を硬化させ、それによって前記空隙を満たすステップと
    を含む方法。
  21. 動物組織の表面に医療デバイスを接着させるための方法であって、
    請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物を、前記デバイス、前記表面、または両方に適用するステップと、
    前記デバイス、生体適合性マクロマー組成物および表面を互いに接触させるステップと、
    前記生体適合性マクロマー組成物を硬化させ、それによって前記デバイスおよび表面を互いに接着させるステップと
    を含む方法。
  22. 前記医療デバイスがインプラントである、請求項21に記載の方法。
  23. 遺伝子を送達するための方法であって、
    請求項1に記載の生体適合性マクロマー組成物を動物に投与するステップと、
    前記生体適合性マクロマー組成物を硬化させ、それによってゲルを形成するステップと、
    前記生体適合性マクロマー組成物をin vivoで分解させるステップであり、前記生体適合性マクロマー組成物の分解により、前記動物に遺伝子を送達するステップと
    を含む方法。
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