JP2009541635A - フリーピストン装置及びフリーピストン装置の作動方法 - Google Patents
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Abstract
膨張空間で膨張する媒体の作用により駆動可能な少なくとも1つのピストンアセンブリが直線変位するように配置された少なくとも1つのピストンチャンバであって、少なくとも1つのピストンアセンブリに返送力を加えるための圧縮性ガスが包含されると共に、フリーピストン装置の作動中に返送力を制御するための制御部材が配置された弾性空間を有する少なくとも1つのピストンチャンバを備えたフリーピストン装置を提供する。フリーピストン装置を作動させるための方法も提案する。
Description
本発明は、次のようなフリーピストン装置に関する。即ち、膨張空間で膨張する媒体の作用により駆動可能な少なくとも1つのピストンアセンブリが直線変位するように配置された少なくとも1つのピストンチャンバであって、前記少なくとも1つのピストンアセンブリに返送力を加えるための圧縮性ガスを包含する弾性空間を有する少なくとも1つのピストンチャンバと、前記返送力を制御するための少なくとも1つの制御部材であって、前記弾性空間に配置された少なくとも1つの制御部材とを有するフリーピストン装置に関する。
本発明は、更に、次のようなフリーピストン装置の作動方法に関する。即ち、少なくとも1つのピストンチャンバ内で直線変位するように案内される少なくとも1つのピストンアセンブリが、膨張空間で膨張する媒体の作用により駆動され、かつ、前記少なくとも1つのピストンチャンバの弾性空間に包含される圧縮性ガスにより、前記少なくとも1つのピストンアセンブリに返送力が加えられるようなフリーピストン装置の作動方法に関する。
フリーピストン装置を介して、例えば化学エネルギーを、燃焼によってピストン装置の機械エネルギー、つまり運動エネルギーに一部変換することができ、次に、この機械エネルギーを、直線駆動部を介して、少なくとも一部電気エネルギーに変換することができる。ピストンの変位をフリーピストンの変位として構成しているため、クランク軸を設ける必要なく、ピストンの純直線変位性を実現することができる。
対応する装置を、例えば、自動車用のハイブリッド駆動部の一部として、そして特に、直列ハイブリッド構想と合わせて使用することができる。
これらの装置は、電流を発生させるためのコンパクトな電流発生ユニットとして、又は、例えばブロック型の火力発電所等の定置式の用途と合わせて使用することもできる。
フリーピストン装置は、例えば、GB 854,255やDE 22 17 194 C3から知られている。
US 6,199,519 B1、DE 31 03 432 A1、東ドイツ特許第113 593号、DE 43 44 915 A1から、又は、P. Van Blariganによる2000年度DOE水素プログラムレビュー紀要「ADVANCED INTERNAL COMBUSTION ENGINE RESEARCH(最新式内燃機関研究)」から、発電機を備えた燃焼装置も知られている。
DE 102 19 549 B4から、次のようなフリーピストン装置が知られている。即ち、電動式直線駆動部を備えたフリーピストン装置であって、ピストンチャンバ内で少なくとも1つのピストンアセンブリが直線変位するように配置された少なくとも1つのピストンチャンバを含み、ピストンアセンブリが、アーマチャと、ピストンチャンバ上に配置されたステータ装置とを含むフリーピストン装置である。この少なくとも1つのピストンアセンブリは、膨張空間で膨張する媒体の作用により駆動可能であり、ピストン行程は、直線駆動部を介して、ピストンアセンブリの変位の死点が規定可能となるように可変的に調節可能である。
電動式直線駆動部を備えた更なるフリーピストン装置が、WO 01/45977 A2に記載されている。
EP 1 398 863 A1から、媒体がそれに作用する少なくとも1つのピストンアセンブリのピストンが移動可能である第1変位空間と、関連のアーマチャが移動可能である第2変位空間とが別々の空間である、フリーピストン装置が知られている。
DE 197 81 913 T1から、リニア発電機の移動制御方法であって、2つのピストンが軸上で相互に関して整列し相互に対向して配置されている内燃機関により、リニア発電機が駆動される方法が知られている。電流取入れは、発電機の往復運動サイクル中に抵抗力が得られるように制御され、この抵抗力は、少なくとも発電機の移動速度の中心行程移動範囲において、発電機に略比例的に作用する。燃焼チャンバ内には圧力センサが設けられ、一定の圧力に達すると、制御装置が機構をトリガして、燃焼チャンバに供給された混合気が点火される。
DE 10 2004 062 440 B4から、電動式直線駆動部を備えたフリーピストン装置が知られている。このフリーピストン装置は、ガスを包含する弾性空間を含む。弾性空間には少なくとも1つの圧力センサが設けられており、この圧力センサを用いて弾性空間のガスの圧力を測定することにより、ピストンアセンブリの位置及び/又は速度を測定することができる。測定された圧力を介して、フリーピストン装置を、例えば、燃料の膨張空間への噴射と、膨張空間で燃料が点火される時点とに関して、及び/又は、膨張空間に配置されているバルブに関して、制御することができる。
ADVANCED INTERNAL COMBUSTION ENGINE RESEARCH(最新式内燃機関研究)(P. Van Blarigan, Proceedings of the 2000 DOE Hydrogen Program Review《2000年度DOE水素プログラムレビュー紀要》)
本発明の目的は、冒頭で言及した種類のフリーピストン装置であって、特に、前記少なくとも1つのピストンチャンバ内での前記少なくとも1つのピストンアセンブリの変位が、簡単な方法で調節可能なフリーピストン装置を提供することである。
この目的は、本発明によれば、一般的な種類のフリーピストン装置において、前記フリーピストン装置が作動している間、前記返送力が制御可能であることにより達成される。
前記弾性空間に包含されている前記ガスは、前記(少なくとも1つの)ピストンアセンブリの機械エネルギーを、このピストンアセンブリで圧縮されることにより、少なくとも部分的に吸収することができる。逆に言えば、前記ガスは、膨張により前記少なくとも1つのピストンアセンブリにエネルギーを伝え、これによって、前記少なくとも1つのピストンアセンブリは、利用可能になった前記返送力を介して戻ることができる。前記少なくとも1つのピストンアセンブリによる前記圧縮及び前記膨張の双方の間、前記弾性空間に包含されている前記ガスは、具体的には前記ガス自身のガス圧力の結果として、前記ピストンアセンブリに力を加える。前記力は、前記ピストンアセンブリによる前記圧縮とは反対に作用する。
従って、前記ガスが中に包含されている前記弾性空間は、弾性特性を有し、及び特に、ガススプリングを形成し、前記返送力が、前記弾性空間の前記弾性特性により決まる。弾性特性は、前記ガスが前記ピストンアセンブリにより圧縮可能である方法によって事実上決まる。
前記制御部材を前記弾性空間に配置すると、前記弾性空間から生じる前記返送力を制御することが可能である。従って、前記制御部材により、前記弾性空間の前記ガスが前記ピストンアセンブリにより圧縮可能である方法に影響を与えることができる。従って、前記弾性空間の前記弾性特性を設定することにより、前記ピストンアセンブリに、その変位について影響を与えることができる。このことにより、前記フリーピストン装置を簡単なやり方で調節することが可能となる。従って、前記フリーピストン装置にとって最適な作動点を固定することが可能であり、ここで例えば、燃料要件及び/又は汚染物質の放出が最小となる。前記フリーピストン装置を様々な燃料に適合させることも考えられる。
前記少なくとも1つの制御部材は、様々な方法で構成することができる。例えば、ピストンアセンブリ、フラップ、制御ピン、又は同様のものが考えられる。
前記制御部材自体は、例えば制御装置により制御することができる。
本発明によれば、前記フリーピストン装置が作動している間、前記返送力は制御可能である。このようにして、前記フリーピストン装置は、作動中に調節可能である。このことにより、前記フリーピストン装置の前記作動点を、その作動を中断することなしに設定することが可能となる。所与の作動表に応じて制御を実行することを実現することができる。このような作動表は、制御装置に保存することができる。前記フリーピストン装置の作動中に、前記フリーピストン装置の瞬間的な作動状態に関係する1つ以上の特徴を記録することも可能であり、前記返送力の制御は、前記特徴に基づいて実行される。
好ましくは、前記少なくとも1つの制御部材は移動可能である。このことにより、前記返送力の制御を、構成上簡単なやり方で実行することが可能となる。例えば、前記少なくとも1つの制御部材が、前記弾性空間に包含されている前記ガスを、その移動により変位させることを実現することができる。
前記少なくとも1つの制御部材が、固定可能なやり方で移動可能であるのが好都合である。というのも、これにより、要件によっては前記返送力の制御が簡素化されるからである。例えば、前記返送力の変化が起きるべきでない場合、前記少なくとも1つの制御部材は固定することができる。このことにより、幾つかのステップでの制御、及び/又は、異なる規模のステップでの制御も可能となる。
好ましくは、前記少なくとも1つの制御部材は変位可能である。
特に、前記少なくとも1つの制御部材の前記変位の方向が、前記少なくとも1つのピストンアセンブリの前記移動方向に対して平行であることを実現することができる。
前記少なくとも1つの制御部材には、前記制御部材の移動のために駆動部が関連しているのが好都合である。このことにより、前記少なくとも1つの制御部材を、前記駆動部により正確に移動させ、位置決めすることが可能となる。前記駆動部は、機械的駆動部、及び/又は、空気圧式駆動部、及び/又は、油圧式駆動部、及び/又は、電動式駆動部とすることができる。
好ましくは、前記駆動部は制御可能である。このことにより、前記駆動部に外部から信号を与え、前記少なくとも1つの制御部材の移動を規定することが可能となる。例えば、前記駆動部を制御するために、制御装置を設けることができる。前記制御装置は、所与の作動計画に応じて、又は、外部から前記制御装置に送られる信号に依存して、前記駆動部を制御することができる。
本発明による前記フリーピストン装置の有利な実施形態において、前記弾性空間を画定する壁部として、少なくとも1つの制御部材が形成される。このことは、制御部材を形成する簡単かつ堅牢なやり方を構成する。画定する前記壁部は、前記ピストンチャンバ上、即ち、例えば前記ピストンチャンバの壁領域上に配置することができる。一方で、特に、画定する前記壁部を、前記少なくとも1つのピストンチャンバの内部に配置することが可能である。
前記壁部は、前記少なくとも1つのピストンチャンバの端面に対向するのが好都合である。これによって、前記返送力を構成上簡単なやり方で設定することができる。
前記壁部がピストン面により形成される実施形態は、まさに特に好適である。このようにして構成された壁部、従って、このようにして構成された制御部材は、特に好ましい特徴を有する。好ましくは、前記ピストン面は、前記ピストンチャンバ内で移動可能となるように、そして特に、変位可能となるように配置されている制御ピストンの表面により形成される。前記ピストンチャンバの前記弾性空間は、前記ピストン面と前記ピストンアセンブリとの間に配置することができる。このことにより、前記弾性空間の前記ガス容量を、(例えば最小ガス容量又は最大ガス容量に関して)前記制御ピストンにより変化させ、このようにして、前記弾性空間の前記弾性特性を、従って、前記返送力を、修正することが可能となる。更に、前記ピストンアセンブリの前記移動方向、及び、前記制御ピストンの前記変位方向は、相互に対して平行に、そして例えば、前記ピストンチャンバの対称軸に対して平行に延びることができる。
少なくとも1つの位置センサを設け、この位置センサが、前記少なくとも1つの制御部材と相互作用するのが好都合である。このようにして、前記少なくとも1つの制御部材の位置に関する情報を得ることができる。前記位置センサが前記ピストンチャンバ上に配置されることを実現することができる。前記位置センサを前記制御部材上に直接配置することも考えられる。例えば、前記位置センサは、光学センサ又は機械センサとして構成することができる。
前記少なくとも1つの位置センサは、好ましくは、前記少なくとも1つの制御部材の、前記少なくとも1つのピストンチャンバに対する位置が検出可能となるように構成される。特に、このことにより、前記制御部材の、前記ピストンチャンバに対する位置の点検が可能となる。前記ピストンチャンバが、前記弾性空間を含むことから、このようにして、前記制御部材の、前記弾性空間に対する位置を点検することも可能である。
同様の理由で、即ち、好ましくは前記制御部材の移動を点検するために、前記少なくとも1つの位置センサを、前記少なくとも1つの制御部材の移動が検出可能となるように構成することが好都合である。
好ましくは、前記フリーピストン装置がそれによって制御可能となる制御装置が設けられる。前記制御装置により、例えば、燃料の、前記膨張空間への噴射、前記膨張空間で燃料が点火される時点、及び、空気の取入れ用又は排気ガスの排出用に前記膨張空間に配置されているバルブを制御することができる。
前記返送力が、前記少なくとも1つの制御部材によって、前記制御装置を介して制御可能であるのが好都合である。例えば、このことにより、前記フリーピストン装置用に制御装置を1つのみ使用することが可能となる。
前記返送力が、位置センサの信号に応じて制御可能であるのが特に好都合である。このことは、前記返送力を制御する単純な形態を構成する。前記位置センサは、例えば、前記フリーピストン装置の前記制御部材の位置及び/又は移動に関する情報を前記制御装置に与えることができる。例えば、このことにより、前記制御部材を移動させるか、又は、目下の移動を停止するために、前記制御装置を介して駆動部を活性化することが可能となる。前記弾性空間の前記弾性特性に、従って、前記返送力にも、これによって影響を与えることができ、特に制御することができる。
好ましくは、前記弾性空間に、少なくとも1つの圧力センサが配置される。このことにより、前記弾性空間の圧力、即ち、前記弾性空間に包含されている前記ガスの圧力を測定することが可能となる。例えば、前記圧力センサは、前記ピストンチャンバの端面、特に端壁に配置することができる。前記弾性空間の前記ガスの圧力と、前記ガスにより前記ピストンアセンブリに及ぼされる前記返送力との間には、関係が存在する。従って、前記返送力については、前記圧力センサの前記測定信号によって表現することもできる。
前記弾性空間の圧力が、前記少なくとも1つの圧力センサにより、時間分解されたやり方で測定可能であるように、前記少なくとも1つの圧力センサを構成するのが好都合である。従って、前記弾性空間の圧力の変化も測定することができる。このようにして、前記返送力の変化を測定することもできる。
電動式直線駆動部を設けるのが有利である。従って、前記フリーピストン装置によって、電気エネルギーを発生させることができる。前記電動式直線駆動部は、明確に参照されているDE 102 19 549 B4に記載されているように、前記ピストンアセンブリの前記移動を制御するのにも使用することができる。
特に、前記少なくとも1つのピストンアセンブリは、好ましくはアーマチャを含み、好ましくは、前記少なくとも1つのピストンチャンバ上にステータ装置が配置されている。前記アーマチャは磁化されている。前記ピストンアセンブリの移動により、前記ステータ装置内に電圧が誘起される。それに応じて、前記ピストンアセンブリには、前記ステータ装置に作用する電流が作用することができる。
特に、前記少なくとも1つのピストンアセンブリの前記移動の前記死点が規定可能となるように、前記ピストン行程が、前記直線駆動部を介して可変的に設定可能であるのが好都合である。このことは、明確に参照されているDE 102 19 549 B4に記載されている。
本発明の更なる目的は、冒頭で言及した前記方法を、前記方法を用いて、前記フリーピストン装置が、特に、前記少なくとも1つのピストンチャンバ内の前記少なくとも1つのピストンアセンブリの前記移動が、作動中に簡単なやり方で調節可能となるように、改良することである。
この目的は、本発明によれば、一般的な方法において、前記フリーピストン装置が作動している間、前記弾性空間の前記ガスの少なくとも1つの状態変数の目標値を指定することにより、及び、前記少なくとも1つの状態変数の実際値を検出し、この実際値が目標値から逸脱している場合、この実際値を少なくとも目標値に近似するように調節することにより、前記返送力が制御されるという点で達成される。
本発明による前記方法は、本発明による前記フリーピストン装置と合わせて既に説明した利点を有する。
特に、前記フリーピストン装置が作動している間、前記返送力は制御される。このようにして、前記フリーピストン装置は、特に、前記(少なくとも1つの)ピストンチャンバ内の前記(少なくとも1つの)ピストンアセンブリの前記移動は、前記フリーピストン装置の作動を中断することなく調節可能である。
本発明による前記フリーピストン装置の説明と合わせて上述したように、前記ガスにより及ぼされる前記返送力と、前記ガスの圧力との間には、或る関係が存在する。前記ガス圧力は、前記ガスの状態変数を表す。前記ガスの更なる好適な状態変数としては、例えば、温度、容量、及び前記ガス中の粒子数があり、この粒子数は、前記ガスの質量に結び付いている。これらの状態変数の各々と、前記ガス圧力との間には、ガスの状態の方程式を介して、或る関係が存在する。従って、前記ガスの温度、容量、及び質量は、例えば、前記ガスにより前記ピストンアセンブリに及ぼされる前記返送力に関連させることもできる。
本発明による前記方法では、少なくとも1つの状態変数の実際値が検出され、前記実際値が、少なくとも1つの状態変数の、指定可能な目標値に少なくとも近似するように調節される。このようにして、少なくとも1つの状態変数の実際値を制御することにより、前記返送力と、前記ガスの少なくとも1つの状態変数との間の前記関係を介して、前記返送力を制御することが可能である。
前記弾性空間の圧力を、時間分解されたやり方で測定するのが特に好都合である。前記弾性空間の前記圧力は、前記弾性空間の前記ガスの圧力に一致している。前記圧力は、その目標値が指定可能な状態変数である。前記圧力を時間分解して測定することにより、前記圧力の前記実際値が目標値から逸脱しているかどうかを判定することが可能である。
少なくとも1つの制御部材を移動させることが可能である。特に、好ましくは、ピストンが変位することを実現することができる。少なくとも1つの制御部材又はピストンの前記移動によって、例えば、その圧力がこれによって修正されるように前記弾性空間のガスを変位させることを可能とすることができる。このようにして、前記返送力も修正可能となる。
前記少なくとも1つの制御部材又は前記ピストンの位置は、好ましくは、時間分解されたやり方で測定される。このことにより、例えば、前記ガスの前記圧力又は圧力の変化を、前記少なくとも1つの制御部材又は前記ピストンの位置又は移動に、定量的に関連させることが可能となる。
好適な方法において、前記返送力は、前記弾性空間のガス質量の設定を介して制御される。これによって、ガス質量を増減させることができる。ガス質量は、前記ガス中の粒子数に明確に結び付いており、粒子数は前記ガスの状態変数である。
前記返送力を、前記弾性空間のガス量の設定を介して制御するのも同じく好都合である。ガス量は、例えば、ガス密度を介して前記ガス質量に関連させることができる。前記ガス質量は、前記ガス中の粒子数に結び付いている。
ガスを前記弾性空間に送り込み、又は、ガスを前記弾性空間から排出するのが特に好都合である。このことにより、前記弾性空間の前記ガス質量、及び/又は前記ガス量を、技術的に単純なやり方で設定することが可能となる。
特に、好ましくは、少なくとも1つのバルブが作動する。前記少なくとも1つのバルブを作動させることにより、例えば、ガスが前記弾性空間に送り込まれ、又はここから排出されるように、ガス線を開放することが可能である。従って、前記ガス質量、及び/又は、前記ガス量、ならびに、これらの変数に結び付いている前記状態変数、つまり、前記ガス中の粒子数を設定することが可能である。
前記弾性空間の前記圧力が、少なくとも1つの制御部材及び/又はピストンの位置によって、及び/又は、少なくとも1つのバルブの位置によって制御されると、まさに特に好適である。このようにして、前記圧力を、技術的に特に単純なやり方で制御することができる。
上で説明したように、例えば、少なくとも1つの制御部材又はピストンを移動又は変位させることが可能であり、前記移動又は変位は、位置センサによって検出可能である。前記移動中又は変位中、前記弾性空間でガスを変位させることができ、これによって、その圧力も変化させることができる。
言及したように、ガスの前記状態変数は、相互と無関係ではなく、前記ガスの状態の方程式により、相互に結び付いている。例えば、ガスの圧力は、前記ガスの前記質量に比例しており、前記ガスの前記量に反比例している。このことにより、前記ガスの前記質量、及び/又は、前記ガスの前記量を、前記ガス圧力で表現することが可能となる。前記弾性空間に配置されたバルブが作動すると、前記ガスの質量、及び/又は、前記弾性空間の前記ガスの前記量、従って、前記弾性空間の前記圧力も可変となる。
上で記載した前記やり方において、前記弾性空間の圧力は、前記バルブの位置によって、及び/又は、少なくとも1つの制御部材又はピストンの位置によって、技術的に単純なやり方で制御可能である。
前記フリーピストン装置が周期的に作動すると、前記返送力は、好ましくは、1つの作動サイクルよりも大きな時間スケールで制御される。このことにより、このような制御を実行するための技術的出費が低減される。前記返送力は、好ましくは、少なくとも3つの作動サイクルにわたって制御される。
本発明の好適な実施形態の以下の記載は、図面と合わせて、本発明を、より詳細に説明するように働く。
本発明によるフリーピストン装置、特にフリーピストン燃焼装置(この装置を図1に示し、そこでは符号10で表す)の実施形態は、ピストンチャンバ12として、シリンダケース14を備えたシリンダを含む。シリンダケース14はピストンチャンバ12の第1端面18を形成する第1端壁16を有する。第1端壁16の向かい側では、ピストンチャンバ12はピストンチャンバ12の第2端面22を形成する第2端壁20により画定されている。
シリンダケース14の内部24には、ピストンアセンブリ26が直線変位するように位置決めされている。ピストンアセンブリ26は、少なくともその外部設計に関して、シリンダケース14の軸28に関して略回転対称である。ピストンアセンブリ26の移動の方向は、この軸28に対して平行、又はこの軸28と同軸である。
ピストンアセンブリ26は、第1ピストン面32を備えた第1ピストン30を含み、第1ピストン面は第1端面18を向いている。ピストンアセンブリ26は第1ピストン30から離間しており、ピストンチャンバ12の第2端面22を向く第2ピストン面36を有する第2ピストン34を更に含む。第2ピストン34は基本的に、第1ピストン30を支持するように働く。2つのピストン30、34は、保持構造体38により、相互にしっかりと、そして特に堅く結合されている。これによって、ピストンアセンブリ26により1対のピストンが形成される。
保持構造体38は、例えばピストン棒40を含む。
ピストンチャンバ12の第1端面18と第1ピストン30との間に、膨張空間42を備えた膨張チャンバが形成される。特に、膨張チャンバは燃焼チャンバであり、膨張空間は燃焼空間である。
(原則として、熱伝達媒体、例えば蒸気が、ただしこの熱伝達媒体は膨張空間の外で発生したものであるか、又はそのエネルギーが膨張空間の外で供給されたものであるが、膨張空間で膨張することも可能である。対応するフリーピストン装置の一例が、明確に参照されている独国特許出願公告第102 19 549号に開示されている。)
ピストンアセンブリ26を線形移動にて駆動するために、膨張空間42で媒体が膨張可能である。燃焼空間の例において、膨張する媒体とは燃焼ガスである。特に、これらの燃焼ガスは、膨張空間42における燃焼過程により発生する。
膨張空間42の大きさは、ピストンアセンブリ26のピストン行程により決まる。即ち、膨張空間42の容量及び(内側)表面は、第1ピストン30の位置により決まる。
特に電気的に制御可能な1つ以上の入口バルブ44と、特に電気的に制御可能な1つ以上の出口バルブ46とが、膨張空間42に関連している。(少なくとも1つの)入口バルブ44と(少なくとも1つの)出口バルブ46とは、制御装置48により制御される。空気の取入れ、及び、特に燃焼生成物の排出は、時間に関して、入口バルブ44及び出口バルブ46を介して明確に制御することができる。
例えば、膨張空間42内につながる吸引線50が、充填器52に結合される。吸引線50は、(少なくとも1つの)入口バルブ44によって開閉することができる。
排気ガス線54は、出口バルブ46を介して充填器52につながっている。充填器52自体は、特に取入れ空気用の入口56と、排気ガス用の出口58とを有する。
充填器52は、例えば圧縮波充填器とすることができ、そこでは、膨張空間42からの排気ガスの流れのエネルギーが使用されて給気(吸い込み空気)が圧縮される。このような圧縮波充填器を用いれば、脈動する排気ガスの圧縮波及び吸引波が新鮮空気を吸い込み、これを圧縮する。この圧縮は、排気ガスと直に接触して行われる。
例えば、ピストンアセンブリ26の、常に振動する変位移動は、フリーピストン装置10の作動中に行われる。これによって、排出された排気ガスが常に振動することが達成可能であり、ガス交換は充填器52を介して制御可能である。圧縮波充填器の利点は、ほんの低エネルギー出費しかないということである。
ピストンアセンブリ26の振動移動が一定周期であるおかげで、膨張空間42がその周期に関連するピストンアセンブリ26の充填器52のシステム全体は、最適な作動点に合わせて正確に構成することができ、充填器52はその作動点に合わせて構成することができる。
1実施形態において、膨張空間42に(少なくとも)1つの圧力センサ60が配置される。この圧力センサは、好ましくは圧電センサである。例えば、圧力センサ60は第1壁16に配置され、第1壁16は、中に圧力センサ60が置かれる凹部を有することができる。圧力センサ60は、第1ピストン30を向くように整列される。特に、能動センサ表面が、第1ピストン面32を向いている。
膨張空間42内の圧力は、圧力センサ60を介して検出することができる。特に、膨張空間42内の圧力を、圧力センサ60により、時間分解されたやり方で測定できることを実現することができる。
更に、膨張空間42に温度センサ62を設けることができ、この温度センサ62を用いて、膨張空間42内の温度を、好ましくは時間分解されたやり方においても測定することができる。
圧力センサ60と温度センサ62とは、信号線を介して制御装置48に結合することができる。従って、これらのセンサは、その信号を制御装置48に送信することができる。
膨張空間には、噴射装置64も配置される。この噴射装置64を介して、膨張空間42内に燃料を送り込むことができる。この間、例えば、噴射装置64は制御装置48により制御可能である。
膨張空間42には、点火装置66も配置される。この点火装置66を用いて、膨張空間42内に位置する燃料を点火することができる。点火装置66も、制御装置により制御することができる。
フリーピストン装置10は、全体を符号68で表す電動式直線駆動部を含み、この電動式直線駆動部はアーマチャ70を含む。アーマチャ70は、ピストンアセンブリ26上に配置されている。このアーマチャは、ピストンアセンブリ26と共に移動する。
更に、電動式直線駆動部68はピストンチャンバ12上でシリンダケース14の外に配置されているステータ装置72を含む。電気エネルギーを発生させるために、ステータ装置72を介して電圧を誘起することができ、及び/又は、それに応じてピストンアセンブリ26に影響を与えることができる。
アーマチャ70は、例えば、ピストン30、34間で保持構造体38上に交互に配置されている磁石素子74と磁束伝導素子76とを含む。
保持構造体38は、例えばその上に磁石素子74と磁束伝導素子76とが置かれている、円筒形担体78を含む。円筒形担体78は、ピストン棒40上で保持されており、そして特に、このピストン棒と一体に結合されている。この結合は、半径方向に延びる離間したバー又は円板80によって行われる。半径方向というのは、軸28の方向に対して垂直に在る。バー又は円板80は、軸方向28で離間している。これによって、隣接するバー又は円板80間に、中間的な空間82が形成される。従って、保持構造体38は中実の材料製ではないので、中実の材料製の製造品と比較して、ピストンアセンブリ26の質量が低減する。
磁石素子74は、特に、円板形であり、軸28の周りで回転対称に形成された永久磁石素子とすることができる。原則として、磁石素子は、特に軸28の周りで同心円状に配置された巻線を相応に含む電磁石素子とすることもできる。この場合、これらの電磁石素子にエネルギーを伝達できる、対応する装置を設けなければならない。例えば、このことは、誘導的に、又は集電環によって、行うことができる。
磁束伝導素子76も円板形であり、高透磁率の材料製である。例えば鉄が使用され、又は、透磁性の粉末複合材料が使用される。
特に永久磁石素子である場合の磁石素子74、及び磁束伝導素子76は中央孔を有するように構成されており、ピストンアセンブリ26を製造する際に、これらの素子は、この中央孔を用いて担体78に押し上げることができる。
磁石素子74は、隣接する磁石素子74の磁束線が磁束伝導素子76へと集中し、これによってシステムの磁力密度が増加するように構成され、そして特に磁化される。特に、磁石素子74は、隣接する磁石素子74の同様の磁極が相互を向くように平行に配置される。
アーマチャ70の外側表面は、軸28を含む、シリンダ壁を向く内側の断面が歯形となるように構成されることを実現することもできる。このような歯形構造のおかげで、アーマチャ70は交互する磁気伝導性を有し、この磁気伝導性を介して、ピストンアセンブリ26に推進力を発生させることができる。
ステータ装置72はシリンダケース14の外に、シリンダケースを包囲するように配置される主要の環状巻線84を含む。磁化されたアーマチャ70が相対移動すると、これらの主要の環状巻線84内で電圧が誘起され、電気エネルギーを外部連結することができる。これによって、電流発生装置が設けられる。この電流発生装置は、フリーピストン誘導の原則(ピストンアセンブリ26の線形移動可能性)に基づいている。
ピストンアセンブリ26の行程は、制御装置48により制御可能である。特に、このような制御は、任意の時点で、ピストンアセンブリ26の場所が固定されるように実行することができる。従って、必要に応じて、第1ピストン30のピストン移動の反転点を設定し、同様に、膨張空間42の大きさを設定できるようにすることができる。従って、直線駆動部68を相応に制御することにより、負荷状態に依存してピストン行程を設定することができる。更に、圧縮を設定することができ、そしてピストンアセンブリ26の速度を設定することができる。このことにより、負荷状態に依存して、膨張空間42を(容量及び表面に関して、ならびに、容量の変化及び表面の変化に関して)最適に設定することが可能となる。これによって、特に、膨張空間42の容量、及び膨張空間42のそれぞれの表面を、用途に適合させることができる。
時間及び場所(位置、圧縮、速度)に関してピストン行程を設定することにより、使用される燃料への適合も実行することができる。即ち、例えば、ディーゼル油又は植物油等の燃料が自己発火により使用されるかどうか、又は、燃料としてガソリン、天然ガス、又は水素等の燃料が、点火装置による点火により使用されるかどうかに依存して、ピストン行程及び圧縮を設定することができる。
ステータ装置72内の電流、及び、任意でアーマチャ70内の電流を明確に指定することにより、即ち、これらの電流を制御することにより、膨張空間42のために、ピストンアセンブリ26のピストン移動の反転点の場所を正確に固定することができるように、ピストンアセンブリ26の直線変位性に影響を与えることができる。
従って、膨張空間で燃焼を行うべき場合、膨張空間42用に空気の取入れが大量に必要となる際には、例えば完全な負荷の下に、ピストン行程を相応に大きくしたもことを設定することができるのに対して、取入れ容量を低減して部分的に負荷作動するには、行程を低減したもことを設定することができる。
シリンダケース14の周りに1つ以上の副次的巻線を配置することを実現することもできる。これらの副次的巻線は、ステータ装置72の主要の環状巻線84とは電気的に分離している。例えば、副次的巻線は、主要の環状巻線84の周りに配置される。即ち、主要の環状巻線を包囲する。これらの副次的巻線は、主要の環状巻線84と一緒に(特に、主要の環状巻線84の環状巻線軸の軸方向に伸長して)配置することもできる。
例えば、自動車の12V/14V又は36V/42Vの電気系統に動力を供給するために、このような副次的巻線を介して、更なる電流を外部連結することができる。副次的巻線の巻線数は、相応に適合される。整流した電流を発生できるようにするために、好ましくは、このような副次的巻線の後に整流器が続く。
フリーピストン装置10(直線駆動部68付き)の能動部品を冷却するために、ステータ装置72の周りに、冷却ダクト86を含む冷却装置88を配置することを実現することもできる。特に、ピストンアセンブリ26、ピストンチャンバ12、及び主要の環状巻線84は、これらの能動部品のうちの1つである。
例えば、対応する冷却装置88からの熱を外部連結し、この熱を、車両ヒータ用、又はブロック型火力発電所用の熱的用途において使用することを実現することもできる。
ピストンアセンブリ26の第2ピストン34と、ピストンチャンバ12の第2端面22との間には、弾性空間90の形態の圧縮空間が形成される。弾性空間90は、第2ピストン面36と第2端壁20との間で、シリンダケース14の総容量を占めるわけではない。弾性空間90は、第2ピストン面36と、シリンダケース14の壁領域92及び94に沿った壁と、制御ピストン100のピストン面98により形成された壁部96とにより画定されている。
ピストン面98は、弾性空間90の壁部96全体を含む。この壁部は、フリーピストン装置10の制御部材を形成する。この制御部材の作動様式を以下で説明する。
ピストン面98は、第2ピストン面36と、ピストンチャンバ12の第2端壁20との間に位置決めされる。このピストン面は、第2端面22の向かい側にあり、そして特に、第2端壁20に対して平行に配向されている。このようにして、ピストン面98は、シリンダケース14の内側のその整列に関して、端部側面にて弾性空間90を画定する。
弾性空間90は、ピストンチャンバ12内でピストンアセンブリ26の第2ピストン34と制御ピストン100との間に形成されており、ピストンチャンバ12の長手方向で、第2ピストン34の第2ピストン面36と、制御ピストン100のピストン面98とにより画定される。
弾性空間90には、圧縮可能な流体、特に、例えば空気等のガスが包含されている。
弾性空間90のガスは、ピストンアセンブリ26の膨張サイクル中、直線駆動部68により外部連結されなかった機械エネルギーを、少なくとも部分的に「弾性的に」吸収することができる。このことは、ピストンアセンブリ26によりガスを圧縮することによって行われる。
逆に言えば、弾性空間90のガスが膨張し、このようにしてピストンアセンブリ26を押し戻すことができる。従って、膨張空間42で燃焼が行われ、膨張する媒体が生成される場合、蓄えられたエネルギーを使用して、燃料−空気の混合気を2サイクル作動で圧縮し、又は、排気ガスを4サイクル作動で放出することができる。
従って、弾性空間90のガスはガススプリングを形成するが、このガススプリングは、高可逆性によりピストンアセンブリ26の機械エネルギーを吸収することができ、膨張によって、ピストンアセンブリ26にエネルギーを解放することができる。
弾性空間90には、圧力センサ102が配置される。圧力センサ102は、制御ピストン100のピストン面98上に配置されている。この目的で、ピストン面98は、例えば、中に圧力センサ102が配置される凹部を有する。
圧力センサ102は、特に、能動センサ表面が、第2ピストン34の第2ピストン面36を向いている。
この実施形態の別形において、圧力センサは、例えば、第2ピストン面36とピストン面98との間の壁領域92又は94のうちの1つに配置することができる。
圧力センサ102を用いて、弾性空間90の圧力を測定することができる。特に、圧力は、圧力センサ102により、時間分解されたやり方で測定することができる。圧力センサ102は、好ましくは圧電センサである。
更に、弾性空間90には、温度センサ104を配置することができる。この温度センサ104は、例えば、圧力センサ102と同様に、制御ピストン100のピストン面98の凹部内に配置することができる。
弾性空間90の温度は、温度センサ104によって測定可能である。
圧力センサ102及び温度センサ104は、その測定信号を、信号線を介して制御装置48へ送信することができる。
制御ピストン100は、ピストンチャンバ12内で移動可能に装着されており、特に、中で直線変位するように装着されている。このようにして、ピストン面98は、制御ピストン100によってシリンダケース14内で移動可能であり、そして特に線形に変位可能である。変位の方向は、軸28に対して平行、又はこれと同軸であり、ピストンアセンブリ26の変位の方向に対して平行である。
このことにより、弾性空間90のガス容量を修正して、ガススプリングの返送力を設定することが可能となる。最小及び最大ガス容量を修正することができ、そして特に、規定されたやり方で設定することができる。ガス容量は、ピストンアセンブリ26がピストン面98に関してその上死点OTにあるとき最小となり、ピストンアセンブリ26がピストン面98に関してその下死点UTにあるとき最大となる。
駆動装置108は、制御ピストン100に関連している。この目的で、制御ピストン100は、駆動装置108に保持装置106を介して結合されている。保持装置106は例えばピストン棒109を含み、このピストン棒109は、ピストンチャンバ12の第2端壁20を通過することができる。保持装置106は剛質の構成とすることができ、これによって、制御ピストン100を、駆動装置108によりピストンチャンバ12内で移動させることができ、そして特に線形に変位させることができる。
駆動装置108は、例えば、制御ピストン100を移動させるための油圧式システムを含む。空気圧式駆動部、及び/又は電動式駆動部も考えられる。
制御装置48は、制御線を介して駆動装置108に結合されるので、駆動装置は、制御装置48により活性化可能であり、そして特に制御可能である。このようにして、制御ピストン100の位置は、例えば、制御装置48により指定可能である。
フリーピストン装置10は位置センサ110を含み、この位置センサ110を用いて、保持装置106の、ピストンチャンバ12に対する位置が検出可能である。このようにして、位置センサ110により、制御ピストン100の位置及び移動が、従って、ピストン面98の位置及び移動も、検出可能である。
位置センサ110は、例えば、シリンダケース14の第2端壁20に近接して配置されており、能動センサ表面は、保持装置106の方向に整列することができる。位置センサ110は、その測定信号を、信号線を介して制御装置48へ送信することができる。
例えば、位置センサ110は、ピストン面98上で、能動センサ表面が第2ピストン面36を向くように配置することも考えられる。この場合、位置センサは、例えば、光学センサとして構成することができる。
例えば、保持装置106に機械的に連結された、機械的に作動する位置センサも考えられる。位置センサ110は、駆動装置108に一体化することもできる。
弾性空間90は、気密なやり方で封鎖される。ピストンアセンブリ26の第2ピストン34、及び制御ピストン100は、この目的で、例えばポリマーシールの形態のシール112を含む。これらのシールにより、内部のガスが高圧であっても、弾性空間90の高い気密性が確実になる。
1実施形態において、制御ピストン100上にガス線114が配置される。このガス線は、例えば、制御ピストン100の穴に導くことができる。ガス線114は、ピストン面98上に配置された孔116を有する。
ガス線114を、図面には示さないバルブにより、規定されたやり方で開閉できることを実現することができる。その場合、弾性空間90は、例えば、図面には示さないガス貯蔵ユニットと流体作動結合することができる。
ガス線114は、弾性空間90用の充填線として構成することができる。このことにより、弾性空間90のガス量を一定に保つことが可能となる。
従って、更に、フリーピストン装置10を組み立てる際、弾性空間90にガスを初めて充填することが可能である。
フリーピストン装置の更なる例が、独国特許出願公告第102 19 549号及び欧州特許出願公開第1 398 863号に開示されている。これらの刊行物が明確に参照される。
本発明によるフリーピストン装置10は、以下のように作動する。
膨張空間42の、そして特に燃焼空間の容量及び表面を特定するために、直線駆動部68を介して、対応する電流作用により、ピストンアセンブリ26の特定の反転点(上死点OT及び下死点UT)が設定される。更に、ピストンアセンブリ26の速度が、全体では圧縮状態が決められる。この設定は、負荷(部分的な負荷、又は完全な負荷)、燃料(ガソリン、天然ガス、水素、ディーゼル油、植物油等)、及び更なる任意の外部パラメータに依存して実行される。
フリーピストン装置10を開始するために、電気予熱を実行し、冷却装置88の冷却水をも予熱することを実現することができる。この予熱は、直線駆動部68を介して、対応する巻線、例えば主要の環状巻線84を加熱素子として使用することにより、実行することができる。一方で、フリーピストン装置自体に加熱コイルを設けることもできる。
ピストン30及び34を備えた1対のピストンは、ピストンアセンブリ26に支持を与える。即ち、ピストン30、34は、ピストンチャンバ12内で、ほぼ傾斜のないやり方で線形に案内することができる。ピストン30、34は、膨張空間を弾性空間90から密封するようにも働く。
ピストンアセンブリ26の移動の反転点は、場所及び時間に関して、直線駆動部68により、正確に特定することができる。従って、部分的な負荷作動中、空気取入れ用の絞りバルブの必要性もなくなる。絞りバルブは、さもなくば絞り損失の原因となる。
空気の取入れ、及び排気ガスの排出は、膨張空間42用の入口バルブ44及び出口バルブ46により、特定のやり方で制御することができる。これによって、システム全体の効率、及び排気ガスの質を改良することができる。ガス交換(入口バルブ44及び出口バルブ46を通る流れ)に関して、時点を介した制御回数及び持続時間を正確に設定することにより、個々の時間クリティカルな処理の間で厳密な適合を行うことができる。ピストンアセンブリ26の速度も制御可能であることから、膨張処理中にも、排気ガスの発生に影響を与えることができる。
特に、入口バルブ44は、吸い込み空気、及び結果として生じるガス流が内側シリンダ壁に沿って案内され、ガス交換用に、最適化された迸出処理が得られるように、配置され構成されている。
充填器52を介して空気を吸い込んで圧縮し、排気ガスを排出するのが好ましい。
圧力センサ60又は102のうちの1つの信号に応じて、制御装置48により、膨張空間42での媒体の点火を制御できることを実現することができる。
特に、バルブ44、46、噴射装置64、及び/又は、点火装置66を制御し調節することができる。この制御は、膨張空間42で略化学量論的な燃焼が可能となるように実行することができる。このような制御は、例えば、同一出願人の、明確に参照されているDE 10 2004 062 440 B4に開示されている。
ピストンアセンブリ26の移動中、アーマチャ70とステータ装置72との間で相対移動する理由で、ステータ装置72内で電圧が誘起されるので、電気エネルギーが発生する。燃焼の結果としては、化学エネルギーの部分的な変換から生じる機械エネルギーが、一部電気エネルギーに変換される。
燃焼サイクル中、膨張空間42で燃焼が行われる際に直線駆動部68により外部連結されないエネルギーは、弾性空間90により吸収することができる。本発明によれば、弾性空間90の特性を、時間に関して変動する場合であっても最適な作動点が得られるように設定することが可能となる。これを以下で詳細に説明する。
ステータ装置72は、冷却装置88により冷却される。冷却装置88は、ピストンチャンバ12の更なる部品、及び、例えばピストンアセンブリ26の更なる部品を冷却することもできる。
ピストン30、34は、例えば、単純な跳ね掛け潤滑により潤滑することができるので、油ポンプが不要となる。その場合、ピストン30、34は油浴へ移動し、油浴は移動により旋回するので、潤滑油を適切に準備することが確実になる。
ピストン30、34は、シリンダケース14を向く最小寸法の面を備えて製造することができる。即ち、第1ピストン30及び第2ピストン34を備えた1対のピストンにより、相互の支持効果が確実になるので、ピストンスカートは短い構成とすることができる。これによって、ピストンアセンブリ26の移動中の摩擦損失を最小にすることができる。
その場合、ピストン30、34を、セラミック材料等の非金属材料、又はグラファイト、又は例えばガラス繊維強化炭素材料から製造することも可能である。このようなピストンは、潤滑なしで済ませることができる。
アーマチャ70は、磁石素子74と磁束伝導素子76とが交互に配置されているおかげで、システムの磁力密度を高くすることが達成可能である。特に、アーマチャ70内、及びステータ装置72内の磁極ピッチが異なる際に、高い磁力密度が達成可能である。
上述のように、弾性空間90のガスは、ピストンアセンブリ26により圧縮することによって、ピストンアセンブリ26から機械エネルギーを吸収することができる。この場合、ピストンアセンブリ26の第2ピストン34は、弾性空間90のガスに力を及ぼし、この力によって、ガスはピストンアセンブリ26により圧縮可能となる。
逆に言えば、弾性空間90のガスは、膨張してピストンアセンブリ26をピストンチャンバ12の端面18の方向に駆動することにより、ピストンアセンブリ26にエネルギーを解放することができる。この場合も、ガスとピストンアセンブリ26の第2ピストン34との間で力が作用する。
その場合、そのガス圧力pの結果として、弾性空間90のガスは、常にピストンアセンブリ26に返送力Fを及ぼし、この返送力は、ピストンアセンブリ26により、圧縮とは反対に作用する。
ガスにより及ぼされる返送力Fは、例えば、ガスの圧力pに比例する。比例定数は、返送力Fが作用する面積Aである。従って、返送力Fは積p・Aで表すことができる。返送力Fとガス圧力pとの間にこの関係があるので、ガスにより第2ピストン34に及ぼされる返送力Fを、ガス圧力pで表現することができる。その場合、ガス圧力pは、弾性空間90の内圧に一致している。
上述のように、フリーピストン装置10は、ピストン面98により形成される制御部材を含み、この制御部材により返送力Fが制御可能となる。ピストン面98は、弾性空間を画定する壁部96を形成する。
上で述べたことによれば、弾性空間90のガス圧力pが制御可能であることにより、例えば、返送力Fが制御可能である。
制御ピストン100を、従って特にピストン面98を、ピストンチャンバ12内で移動及び/又は位置決めすることによって、ガス容量を設定することにより、そして特に、最小及び最大ガス容量を設定することにより、ガス圧力pを変化させることができる。
ガス圧力pは、圧力センサ102により測定し、制御装置48と連絡することができる。例えば、フリーピストン装置10の作動中のピストンアセンブリ26の振動数は、50Hzオーダーである。圧力センサ102として圧電センサを使用すると、ガス圧力pを、時間分解されたやり方で充分正確に測定するために必要な応答時間を達成することもできる。
制御ピストン100、及びピストン面98により形成される制御部材は、駆動装置108により、移動、そして特に変位させることができる。このようにして、弾性空間90のガス圧力pは修正可能である。
ガス圧力pに依存して、制御装置48が、駆動装置108に制御信号を与えることを実現することができる。その場合、駆動装置108は、与えられた信号に依存して、制御ピストン100を移動させることができる。このようにして、制御ピストンの移動が制御可能であり、従って、弾性空間90のガス圧力pが制御可能である。
保持装置106の位置は、そしてこのように、ピストン面98の、ピストンチャンバ12に対する位置及び/又は移動は、位置センサ110により検出することができる。位置センサ110の測定信号は、制御装置48と連絡することができる。このことは、制御ピストン100の位置及び/又は移動に依存してガス圧力pが調節される制御ループを構成する可能性を提供する。
弾性空間90のガスのガス圧力pが制御可能であるので、ガスによりピストンアセンブリ26に及ぼされる返送力Fも必然的に制御可能である。
特に、本発明によるフリーピストン装置10により、フリーピストン装置10が作動している間、返送力Fの制御を実行することが可能である。
図3に、弾性空間90のガス圧力pの圧力−時間の略線図を示す。弾性空間90のガス圧力pは、曲線118で概略的に表されている。ガス圧力pは、期間Tに関して、ピストンアセンブリ26の振動移動に応じて、最大圧力pmaxと最小圧力pminとの間で振動する。最大圧力pmaxには、ピストンアセンブリ26の、ピストン面98に対する上死点OTで達し、最小圧力pminには、ピストンアセンブリ26の、ピストン面98に対する下死点UTで達する。
例えば、制御ピストン及びピストン面98を、時間帯ZF内でのみ変位させることが可能である。この時間帯は、時間的に、下死点UTの領域内に位置する。この場合、ピストンアセンブリ26はピストン面98から最も遠く、制御ピストン100は最小の力の出費で移動可能である。
弾性空間90のガスによりピストンアセンブリ26に及ぼされる返送力Fを制御することにより、ピストンアセンブリ26の移動を調節することができる。このことにより、フリーピストン装置10の最適な作動点を設定することが可能となる。この最適な作動点では、例えば、燃料要件及び/又は汚染物質の排出を最小にすることができる。
好都合なことに、ピストンアセンブリ26の振動移動の幾つかの期間、好ましくは、少なくとも3つの期間Tにわたって、ガス圧力pの調節が実行される。このことにより、フリーピストン装置10の部品により満たされるべき技術的要件が低減する。
この実施形態の別形において、弾性空間90を画定する壁を、壁全体ではなく移動させることを実現することができる。例えば、弾性空間90を画定する壁の、特定の壁部のみを移動させて弾性空間90のガスを変位させることが考えられる。
フリーピストン装置10を用いて、本発明による方法を実施することが可能である。この方法では、フリーピストン装置10が作動している間、返送力Fが制御され、弾性空間90のガスの少なくとも1つの状態変数の目標値が指定可能であり、少なくとも1つの状態変数の実際値が検出され、この実際値は、目標値から逸脱している場合、少なくとも目標値に近似するように調節される。
この方法の実施は、上のフリーピストン装置10の作動様式の記載において既に説明した。
フリーピストン装置10の特定の作動点が達成可能となるようにその目標値を指定することのできる、弾性空間90のガス圧力pは、ガスの状態変数として使用される。ガス圧力pの実際値が目標値から逸脱している場合、制御装置48は駆動装置108を活性化することができ、これによって、上で説明したように、弾性空間90のガス圧力pが制御可能となる。
ガス圧力pの目標値は、例えば、作動中の平均圧力、又は、フリーピストン装置10の一定作動時点での圧力、例えば、上死点OTでの圧力pmax、又は、下死点UTでの圧力pmin(図3)として規定することができる。
図2に、本発明による方法を実施するための更なるフリーピストン装置を、全体として参照符号150で表す。原則として、実施形態10におけるのと同様の部品は同様の参照符号で表す。
フリーピストン装置150において、ピストンアセンブリ26は、ピストンチャンバ152内で変位可能に配置されている。ピストンチャンバ152は、シリンダケース154により形成される。シリンダケース154は、ピストンチャンバ152の第1端面158を形成する第1端壁156を有する。第1端壁156の向かい側には、ピストンチャンバ152の第2端面162を形成する第2端壁160がある。
ピストンアセンブリ26は、シリンダケース154の内部164に位置決めされる。
ピストン34のピストン面36と、端壁160との間に、弾性空間166の形態の圧縮空間が形成される。弾性空間166内には、圧縮可能な流体、特に例えば空気等のガスが包含されている。
ガスは、ピストンアセンブリ26の移動により圧縮され、これによって、膨張サイクル中、直線駆動部68により外部連結されなかったエネルギーを、少なくとも部分的に「弾性的に」吸収することができる。弾性空間166内のガスは、対応するやり方で、例えば、膨張して、ピストンアセンブリ26を端壁156の方向に駆動することにより、エネルギーを解放することができる。
圧力センサ102は、弾性空間166に配置される。例えば、この圧力センサは、第2端壁160に配置される。この目的で、第2端壁160は、中に圧力センサ102が配置される凹部を有することができる。特に、能動センサ表面は、ピストン34のピストン面36を向くことができる。
弾性空間166内の圧力は測定可能であり、そして特に、圧力センサ102により、時間分解されたやり方で測定可能である。
弾性空間166に温度センサ104が配置されることを更に実現することができる。弾性空間166内の温度は、温度センサ104により検出可能である。
第2端壁160は少なくとも1つの孔を有し、この孔に少なくとも1つのバルブが配置される。特に、端壁160は、この端壁に入口バルブ170を関連付けている第1孔168と、この端壁に出口バルブ174を関連付けている第2孔172とを有する。
弾性空間166の第1孔168は、入口バルブ170により開閉することができ、弾性空間166の第2孔172は、対応するやり方で、出口バルブ174により開閉することができる。
入口バルブ170及び出口バルブ174は、時間に関して規定されたやり方で、制御装置48により制御することができる。
入口バルブ170及び出口バルブ174は、磁気的に、及び/又は、電気的に、及び/又は、機械的に、作動可能である。特に、これらのバルブは、切換時間の短い、好ましくは切換時間が数ミリ秒までのバルブとすることができる。切換時間が数ミリ秒であるバルブは、例えば、「Lotus Engineering」社により製造されている。
ガス線、特にフィードライン176は、入口バルブ170を介して、ガス容器、例えばガス貯蔵ユニット178につながっている。従って、入口バルブ170が開放しているとき、フィードライン176を通して弾性空間166とガス貯蔵ユニット178との間を流体作動結合することができる。
フィードライン176内に、体積流量センサ180の形態のガス量センサが配置される。体積流量センサ180を用いて、フィードライン176を流通するガス量を検出することが可能である。体積流量センサ180は、その測定信号を、信号線を介して制御装置48に連絡することができる。
ガス貯蔵ユニット178内のガス圧力が弾性空間166内のガス圧力pよりも大きいことを実現することができる。このようにして、入口バルブ170の孔により、特定のガス量を、ガス貯蔵ユニット178からフィードライン176を通して弾性空間166へと流すことができる。このガス流は、弾性空間166内のガス圧力pとガス貯蔵ユニット178内の圧力との間の圧力勾配から生じる。この量は、体積流量センサ180により検出し、制御装置48に連絡することができる。
ガス線、特に排出線182は、弾性空間166から出口バルブ174を介して、ガス容器、例えばガス貯蔵ユニット184につながっている。従って、出口バルブ174が開放しているとき、排出線182を通して弾性空間166とガス貯蔵ユニット184との間を流体作動結合することができる。
体積流量センサ186を排出線182内に配置することを実現することができ、この体積流量センサ186は排出線182を流通するガス量を検出できるものである。特に、体積流量センサ186は、その測定信号を、信号線を介して制御装置48に連絡することができる。
ガス貯蔵ユニット184内のガス圧力が、弾性空間166内の圧力よりも低いことが可能である。出口バルブ174を開放すると、圧力勾配の理由で、特定のガス量が、弾性空間166から排出線182を通ってガス貯蔵ユニット184へ流れる。ガス量は、体積流量センサ186により検出し、制御装置48に連絡することができる。
従って、入口バルブ170又は出口バルブ174を開放することにより、弾性空間166からガスを排出し、又は、弾性空間166にガスを送ることが可能である。このことにより、ガス質量及び/又はガス量を増減することによって、弾性空間166内のガス質量及び/又はガス量を設定することが可能となる。
例えば、弾性空間166内のガス質量及びガス量が増加するように、弾性空間166に、より多くのガスを送り込むことができる。逆に言えば、弾性空間166内のガス質量及びガス量が減少するように、弾性空間166からガスを排出することができる。
フリーピストン装置150の別形は、弾性空間166に配置された1つのみのバルブを含み、このバルブを開放した後、ガスを弾性空間166に送り込むか、又はそこからガスを排出することができる。
本発明による方法は、フリーピストン装置150を用いて、以下のように実行することができる。
上で説明したように、弾性空間166内のガスによりピストンアセンブリ26に及ぼされる返送力Fは、弾性空間166内のガス圧力pに比例する。返送力Fは、この関係を介してガス圧力pを用いて表現することができる。
特に、弾性空間166内のガス圧力pを制御することにより、ガスによりピストンアセンブリ26に及ぼされる返送力を制御することが可能である。
弾性空間166内の圧力pは、ガスの状態変数である。その目標値は指定可能であり、例えば、フリーピストン装置150の、所望する作動点により特定することができる。目標値は平均値とすることができるが、目標値を、フリーピストン装置150の作動中の一定時点にて規定される圧力とすることも可能である。
圧力の実際値は、圧力センサ102により測定可能である。本発明による方法は、実際値が、少なくとも目標値に近似するように調節されることを実現する。
理想気体の状態の方程式によれば、ガス圧力pは、ガスのガス質量mに比例する。このことにより、弾性空間166内のガス質量によって、弾性空間166内のガス圧力pを(例えばピストンアセンブリ26の一定の位置に関して)設定することが可能となる。
例えば、ガス貯蔵ユニット178からフィードライン176を通り弾性空間166へとガスが流れるように入口バルブ170を開放することにより、弾性空間166内のガス質量mを増加することができる。結果として、弾性空間166内のガス圧力は増加する。
弾性空間166内のガス質量mは、出口バルブ174を開放することにより低減することができる。ガスは、弾性空間166から排出線182を通してガス貯蔵ユニット184へと流れる。結果として、弾性空間166内のガス圧力pは減少する。
弾性空間166内のガス質量mを増加及び/又は減少させるために、入口バルブ170及び/又は出口バルブ174を、規定されたやり方で、制御装置48により開放及び/又は閉鎖することができることを実現することができる。
ガス圧力pは、圧力センサ102により、時間分解されたやり方で測定可能であり、測定信号は、制御装置48に連絡することができる。制御装置48は、圧力センサ102の測定信号に依存して、入口バルブ170及び/又は出口バルブ174を開放及び/又は閉鎖することができる。このようにして、弾性空間166内のガス圧力pの実際値が少なくとも目標値に近似するように調節されるまで、弾性空間166内のガス質量を増減させることができる。
このようにして、ガス圧力pを、入口バルブ170及び/又は出口バルブ174の位置によって、制御装置48を介して制御することが可能である。
入口バルブ170又は出口バルブ174を開放すると、ガス質量mが弾性空間166に供給されるべきであるか、又は、ここから排出されるべきであるかを、制御装置48が評価することを実現することもできる。
ガス質量mは例えばガス量に比例し、比例定数はガス密度である。供給されるガス量、又は排出されるガス量は、体積流量センサ180及び186それぞれにより検出し、対応する測定値を制御装置48に連絡することができる。その場合、この制御装置は、対応するガス質量を計算することができる。
これによって、弾性空間166内のガス圧力pと、ガスによりピストンアセンブリ26に、そして特に第2ピストン34に及ぼされる返送力Fとの間の関係のおかげで、返送力Fも制御される。返送力の制御は、フリーピストン装置150が作動している間に行われる。
特に、設定及び/又は制御が、特定の時点でのみ、例えば時間帯ZFでのみ行われ、この時間帯ZFは、時間的に考慮すると、ピストンアセンブリ26の、第2端壁160に対する下死点UTの周りに位置している(図3)ことを実現することができる。この場合、弾性空間166内のガス圧力pは、その最小ガス圧力pminに近接している。このことにより、特定のガス量を弾性空間166に送るのが、又は、そこから特定のガス量を排出するのが、より簡単になる。
弾性空間166内のガスによりピストンアセンブリ26に及ぼされる、そして特に第2ピストン34に及ぼされる返送力Fを制御することによって、ピストンアセンブリ26の移動の状態を、規定されたやり方で変化させることが可能である。このことにより、フリーピストン装置150の適合を改良し、そして特に、フリーピストン装置150の最適な作動点を設定することが可能となる。
Claims (32)
- 膨張空間(42)で膨張する媒体の作用により駆動可能な少なくとも1つのピストンアセンブリ(26)が直線変位するように配置された少なくとも1つのピストンチャンバ(12)であって、前記少なくとも1つのピストンアセンブリ(26)に返送力を加えるための圧縮性ガスを包含する弾性空間(90)を有する少なくとも1つのピストンチャンバ(12)と、
前記返送力を制御するための少なくとも1つの制御部材(98)であって、前記弾性空間(90)に配置された少なくとも1つの制御部材(98)と、
を有するフリーピストン装置において、
該フリーピストン装置(10)が作動している間、前記返送力が制御可能であることを特徴とするフリーピストン装置。 - 請求項1に記載のフリーピストン装置であって、前記少なくとも1つの制御部材(98)が移動可能であることを特徴とするフリーピストン装置。
- 請求項2に記載のフリーピストン装置であって、前記少なくとも1つの制御部材(98)が、固定可能なように移動可能であることを特徴とするフリーピストン装置。
- 請求項2又は3に記載のフリーピストン装置であって、前記少なくとも1つの制御部材(98)が変位可能であることを特徴とするフリーピストン装置。
- 請求項4に記載のフリーピストン装置であって、前記少なくとも1つの制御部材(98)の変位方向が、前記少なくとも1つのピストンアセンブリ(26)の移動方向に対して平行であることを特徴とするフリーピストン装置。
- 請求項2〜5のいずれか1項に記載のフリーピストン装置であって、前記少なくとも1つの制御部材(98)に、該制御部材の移動のための駆動部(108)が関連付けられていることを特徴とするフリーピストン装置。
- 請求項6に記載のフリーピストン装置であって、前記駆動部(108)が制御可能であることを特徴とするフリーピストン装置。
- 先行する請求項のいずれか1項に記載のフリーピストン装置であって、前記弾性空間(90)を画定する壁部(96)として、少なくとも1つの制御部材(98)が形成されることを特徴とするフリーピストン装置。
- 請求項8に記載のフリーピストン装置であって、前記壁部(96)が、前記少なくとも1つのピストンチャンバ(12)の端面(22)に対向することを特徴とするフリーピストン装置。
- 請求項8又は9に記載のフリーピストン装置であって、前記壁部(96)が、ピストン面(98)により形成されることを特徴とするフリーピストン装置。
- 先行する請求項のいずれか1項に記載のフリーピストン装置であって、少なくとも1つの位置センサ(110)が設けられ、前記位置センサが前記少なくとも1つの制御部材(98)と相互作用することを特徴とするフリーピストン装置。
- 請求項11に記載のフリーピストン装置であって、前記少なくとも1つのピストンチャンバ(12)に対する前記少なくとも1つの制御部材(98)の位置が検出可能となるよう、前記少なくとも1つの位置センサ(110)が構成されることを特徴とするフリーピストン装置。
- 請求項11又は12に記載のフリーピストン装置であって、前記少なくとも1つの制御部材(98)の移動が検出可能となるよう、前記少なくとも1つの位置センサ(110)が構成されることを特徴とするフリーピストン装置。
- 先行する請求項のいずれか1項に記載のフリーピストン装置であって、制御装置(48)が設けられ、前記制御装置により前記フリーピストン装置(10)が制御可能であることを特徴とするフリーピストン装置。
- 請求項14に記載のフリーピストン装置であって、前記返送力が、前記少なくとも1つの制御部材(98)により、前記制御装置(48)を介して制御可能であることを特徴とするフリーピストン装置。
- 請求項15に記載のフリーピストン装置であって、前記返送力が、位置センサ(110)の信号に応じて制御可能であることを特徴とするフリーピストン装置。
- 先行する請求項のいずれか1項に記載のフリーピストン装置であって、少なくとも1つの圧力センサ(102)が前記弾性空間(90)に配置されることを特徴とするフリーピストン装置。
- 請求項17に記載のフリーピストン装置であって、前記弾性空間(90)の圧力が、前記少なくとも1つの圧力センサ(102)により、時間分解されるように測定可能となるよう、該少なくとも1つの圧力センサ(102)が構成されることを特徴とするフリーピストン装置。
- 先行する請求項のいずれか1項に記載のフリーピストン装置であって、電動式直線駆動部(68)が設けられることを特徴とするフリーピストン装置。
- 請求項19に記載のフリーピストン装置であって、前記少なくとも1つのピストンアセンブリ(26)がアーマチャ(70)を含むこと、及び、ステータ装置(72)が前記少なくとも1つのピストンチャンバ(12)上に配置されていることを特徴とするフリーピストン装置。
- 請求項19又は20に記載のフリーピストン装置であって、前記少なくとも1つのピストンアセンブリ(26)の移動の死点(OT、UT)が規定可能となるよう、ピストン行程が前記直線駆動部(68)を介して可変的に設定可能であることを特徴とするフリーピストン装置。
- フリーピストン装置の作動方法であって、
少なくとも1つのピストンチャンバ内で直線変位するように案内される少なくとも1つのピストンアセンブリが、膨張空間で膨張する媒体の作用により駆動され、かつ、前記少なくとも1つのピストンチャンバの弾性空間に包含される圧縮性ガスにより、前記少なくとも1つのピストンアセンブリに返送力が加えられるようなフリーピストン装置の作動方法において、
前記弾性空間の前記ガスの少なくとも1つの状態変数の目標値を指定し、前記少なくとも1つの状態変数の実際値を検出し、前記実際値が前記目標値から逸脱しれば、前記実際値を少なくとも前記目標値に近似するように調節することにより、該フリーピストン装置が作動している間、前記返送力が制御されることを特徴とするフリーピストン装置の作動方法。 - 請求項22に記載の方法であって、前記弾性空間の圧力が、時間分解されるように測定されることを特徴とする方法。
- 請求項22又は23に記載の方法であって、少なくとも1つの制御部材が移動することを特徴とする方法。
- 請求項24に記載の方法であって、ピストンが変位することを特徴とする方法。
- 請求項24又は25に記載の方法であって、前記少なくとも1つの制御部材の位置又は前記ピストンの位置が、時間分解されるように測定されることを特徴とする方法。
- 請求項22〜26のいずれか1項に記載の方法であって、前記返送力が、前記弾性空間のガス質量の設定を介して制御されることを特徴とする方法。
- 請求項22〜27のいずれか1項に記載の方法であって、前記返送力が、前記弾性空間のガス量の設定を介して制御されることを特徴とする方法。
- 請求項27又は28に記載の方法であって、前記弾性空間にガスが供給されること、又は、前記弾性空間からガスが排出されることを特徴とする方法。
- 請求項27〜29のいずれか1項に記載の方法であって、少なくとも1つのバルブが作動することを特徴とする方法。
- 請求項22〜30のいずれか1項に記載の方法であって、少なくとも1つの制御部材の位置又はピストンの位置により、及び/又は、少なくとも1つのバルブの位置により、前記弾性空間の圧力が制御されることを特徴とする方法。
- 請求項22〜31のいずれか1項に記載の方法であって、前記フリーピストン装置が周期的に作動する場合、前記返送力が、1つの作動サイクルよりも大きな時間スケールで制御されることを特徴とする方法。
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