JP2009540721A - システム間ハンドオーバの場合に端末のｐｄｐコンテキストを転送する装置及び方法 - Google Patents

Abstract

第１網から第２網へ移動体端末をハンドオーバする方法である。本方法は基地局におけるハンドオーバ判断を開始するステップと，ＭＭＥへハンドオーバ要求を送信するステップと，ＭＭＥにおける活性ＳＡＥベアラと必要なＰＤＰコンテキストとの対応付けを行うステップと，ＭＭＥから第２網へターゲット網特定のＱｏＳ情報を含むハンドオーバ準備要求を送信するステップと，を含む。更に本方法は，第２網からＭＭＥへＲＡＢ成功・失敗情報を含むハンドオーバ確認メッセージを送信するステップと，ＭＭＥから移動体端末へハンドオーバコマンドを送信するステップとを含み，このハンドオーバコマンドは２Ｇ／３Ｇ ＲＡＢと，チャネルと，ＳＥＣと，ＰＤＰコンテキスト情報と，を含む。

Description

本発明は，移動体通信デバイスの網ハンドオーバ手続を行うシステム及び方法に関する。特に，第２世代網システムと第３世代網システムとの間の網ハンドオーバ手続に関する。

過去１５年の間に移動体通信は大いに進展した。第１世代のアナログの音声だけのセルラシステムから，第２世代（２Ｇ）の音声データデジタルセルラシステムを経て第３世代（３Ｇ）の広帯域デジタルセルラシステムへと，通信のプロトコルと，構成と，能力とが発展した。現在，長期進化・システムアーキテクチャ進化（ＬＴＥ／ＳＡＥ）と呼ばれる第３世代システムが開発されつつあり，将来は第４世代広帯域網システムが実現されることが期待されている。第３世代通信デバイスのほとんどは第２世代システム及び第１世代システムと後方互換であるが，ハンドオーバは依然として課題となっている。例えば，いくつかの団体において以前３．９Ｇと呼ばれていた３Ｇ ＬＴＥ／ＳＡＥから第２世代・第３世代（２Ｇ／３Ｇ）網へデバイスをハンドオーバさせることは，そのデバイス及び制御プロトコルに関していくつかの問題がある。

網運用事業者及び無線網ソリューションベンダの間での標準及び事業に関する合意がないと，種々の網間での円滑なローミングは不可能である。この目的を遂行するため，種々の業界専門家及び役員の代表者からなるいくつかのアライアンスが創立された。このようなアライアンスの一つに無免許移動体通信アライアンス（Unlicensed Mobile Alliance: UMA）があり，ＵＭＡは世界移動体通信システム（ＧＳＭ）の通信をＩＰパケットにすることによって，２Ｇ及び２．５Ｇのサービスを，ＷｉＦｉ通信網のような無免許周波数帯技術によって利用できるようにする技術を開発してきた。これによって，ＵＭＡ適合２重モードデバイスを用いて，加入者がセルラ網と公衆及び専用の無免許無線網との間を行き来し，ハンドオーバを行うことができるようになる。もう一つのアライアンスは第３世代パートナシッププロジェクト（３ＧＰＰ）と呼ばれる世界共同プロジェクトであり，そこでは各標準化団体が広帯域符号分割多元接続（ＷＣＤＭＡ）の課題を調整している。３ＧＰＰは，移動体通信運用事業者が展開できる最も先進的な広域網ソリューションを提供している。

２Ｇ／３Ｇ網において，端末はパケットデータプロトコル（ＰＤＰ）コンテキストを開始する際にサービス品質（ＱｏＳ）を要求する役割をする。ＰＤＰコンテキストとは，３ＧＰＰが規定するはん用パケット無線サービス（ＧＰＲＳ）網を介する，移動機と公衆データ網との間の論理アソシエーションである。このコンテキストは，経路設定と，ＱｏＳと，セキュリティと，課金と，のような観点を規定する。ＱｏＳ要求は，特定サービスの必要に応じて，アプリケーションレベルにおいて設定される。要求したＱｏＳへの応答として，端末はＰＤＰコンテキスト設定が完了したとき，調停されたＱｏＳが与えられる。したがって端末は，アプリケーション層における網内の実際のＱｏＳ予約を認識する。端末はＱｏＳ調停に深くかかわっているので，端末能力によって利用可能なＱｏＳが制約される。このように，たとえ要求されたＱｏＳレベルが特定サービスに最適でなくても，網は要求されたＱｏＳレベルしか提供できない。このことは問題であり，ＬＴＥ網においては避けることが望ましい。したがって，ＬＴＥ網におけるＱｏＳに関する判断が，端末ではなく網によって行われることが必要である。

したがって，複数網タイプのユーザ端末が存在し，通信網のプロトコル及びシステムが進展し，それが限定された地域で実施されることを前提として，新たに出現する技術による網のユーザ端末（ＬＴＥ／ＳＡＥ及び４Ｇ網タイプのユーザ端末）から既存網ユーザ端末（２Ｇ／３Ｇユーザ端末）への効率的かつ信頼できるハンドオーバを可能にするハンドオーバ方法が必要である。

本発明の実施例は方法であって，ソース移動管理エンティティが第１網から第２網へのハンドオーバのためのハンドオーバ開始要求を受信するステップと，パケットデータプロトコルコンテキストとベアラとの対応付けを行うステップと，を含む。パケットデータプロトコルコンテキストは第２世代網又は第３世代網内で用いられ，上記ベアラはＳＡＥベアラである。またこの方法は，第２網への更なる送信のために第２網のサービス品質情報を含むハンドオーバ準備要求を，ソース移動管理エンティティからターゲットサービス提供サポートノードへ送信するステップと，ハンドオーバ準備要求によって無線接続ベアラを設定するステップと，を含む。更にこの方法は，ハンドオーバ準備段階が完了したことを示すハンドオーバ準備確認メッセージをソース移動管理エンティティにおいて受信するステップと，ハンドオーバコマンドをユーザ装置へ送信するステップと，を含み，上記ハンドオーバコマンドは上記第２網の情報を含み，それによって上記ユーザ装置と上記第２網との間にコネクションが設定されたとき，上記ユーザ装置が実行中のサービスを正しいパケットデータプロトコルコンテキストに対応付けられるようにする。

本発明の別の実施例はソース移動管理エンティティであって，第１網から第２網へのハンドオーバのためのハンドオーバ開始要求を受信するように構成され，パケットデータプロトコルコンテキストとベアラとの対応付けるように構成された受信ユニットを含む。またこのソース移動管理エンティティは，第２網への更なる送信のために第２網のサービス品質情報を含むハンドオーバ準備要求を，ソース移動管理エンティティからターゲットサービス提供サポートノードへ送信するように構成された送信ユニットを含み，ハンドオーバ準備要求によって無線接続ベアラが設定される。更にこのソース移動管理エンティティは，上記ソース移動管理エンティティにおいて，ハンドオーバ準備段階が完了したことを示すハンドオーバ準備確認メッセージを受信するように構成した受信ユニットと，ハンドオーバコマンドをユーザ装置へ送信するように構成した送信ユニットであって，上記ハンドオーバコマンドは上記第２網の情報を含み，それによって上記ユーザ装置と上記第２網との間にコネクションが設定されたとき，上記ユーザ装置が実行中のサービスを正しいパケットデータプロトコルコンテキストに対応付けられるようにする送信ユニットと，を含む。

本発明の別の実施例は装置であって，第１網から第２網へのハンドオーバのためのハンドオーバ開始要求を受信する受信手段と，パケットデータプロトコルコンテキストとベアラとを対応付ける手段と，を含み，上記パケットデータプロトコルコンテキストは第２世代網又は第３世代網内で用いられ，上記ベアラはＳＡＥベアラである。またこの装置は，上記第２網へ更に送信するために，上記第２網のサービス品質情報を含むハンドオーバ準備要求を，上記ソース移動管理エンティティからターゲットサービス提供サポートノードへ送信する送信手段と，上記ハンドオーバ準備要求によって無線接続ベアラを設定する設定手段と，を含む。またこの装置は，上記ソース移動管理エンティティにおいて，ハンドオーバ準備段階が完了したことを示すハンドオーバ準備確認メッセージを受信する受信手段と，ハンドオーバコマンドをユーザ装置へ送信する送信手段であって，上記ハンドオーバコマンドは上記第２網の情報を含み，それによって上記ユーザ装置と上記第２網との間にコネクションが設定されたとき，上記ユーザ装置が実行中のサービスを正しいパケットデータプロトコルコンテキストに対応付けられるようにする送信手段と，を含む。

本発明の別の実施例は移動体端末であって，ソース移動管理エンティティからハンドオーバコマンドを受信するように構成したユニットを含み，上記ハンドオーバコマンドは第２世代網又は第３世代網の無線接続ベアラと，チャネルと，ＳＥＣと，パケットデータプロトコルコンテキスト情報とを含む。またこの移動体端末は，第２世代網接続システム又は第３世代網接続システムへのコネクションを解放するように構成した解放ユニットを含む。上記第２世代網接続システム又は第３世代網接続システムへのコネクションが設定されたとき，上記移動体端末は実行中のサービスを適切なパケットデータプロトコルコンテキストに対応付けるように構成される。

本発明の別の実施例はシステムであって，第１網から第２網へのハンドオーバのためのハンドオーバ開始要求を送信するように構成した進化無線接続網内の送信ユニットを含む。またこのシステムは，上記第１網から上記第２網へのハンドオーバのための上記ハンドオーバ開始要求を受信するように構成したソース移動体管理エンティティ内の受信ユニットと，パケットデータプロトコルコンテキストとベアラとを対応付けるように構成した上記ソース移動管理エンティティ内の対応付けユニットと，を含む。上記パケットデータプロトコルコンテキストは第２世代網又は第３世代網内で用いられ，上記ベアラはシステムアーキテクチャ進化ベアラである。更にこのシステムは，上記第２網へ更に送信するために，上記第２網のサービス品質情報を含むハンドオーバ準備要求をターゲットサービス提供サポートノードへ送信するように構成した上記ソース移動管理エンティティ内の送信ユニットと，上記ハンドオーバ準備要求によって無線接続ベアラを設定するように構成した設定ユニットと，を含む。またこのシステムは，ハンドオーバ準備段階が完了したことを示すハンドオーバ準備確認メッセージを上記ソース移動管理エンティティへ送信するように構成した上記第２網内の送信ユニットを含む。またこのシステムは，ハンドオーバコマンドをユーザ装置へ送信するように構成した上記ソース移動管理エンティティ内の送信ユニットを含み，上記ハンドオーバコマンドは上記第２網の情報を含み，それによって上記ユーザ装置と上記第２網との間にコネクションが設定されたとき，上記ユーザ装置が実行中のサービスを対応付けられるようにする。

本願に記載の方法及び装置は，ＳＡＥから２Ｇ／３Ｇへのハンドオーバに用いられるだけでなく，ほかのシステム間ハンドオーバにも利用できることに注意されたい。

添付の図面は本発明の更なる理解のために含められており，本願明細書に組み込まれてその一部をなし，本発明の原理を説明するために詳細な説明と共に本発明の実施例を示すものである。

ここで本発明の好ましい実施例を取上げ，その例を添付の図面に示す。

図１はセルラ通信システムの構成１００を示す図であって，この構成では本発明の実施例によって提供されるＬＴＥ／ＳＡＥシステムから２Ｇ／３Ｇシステムへのハンドオーバが実現できる。通信システム１００は第１無線塔１０３が提供する第１網サービス範囲１０２と，第２無線塔１０５が提供する第２網サービス範囲１０４とを含むことができる。塔１０３及び１０５それぞれのサービス範囲は，第３サービス範囲１０６において重複してもよい。第１サービス範囲１０２は例えばＬＴＥタイプのサービス範囲であり，第２サービス範囲１０４は例えば２Ｇ／３Ｇタイプのサービス範囲であってもよい。

移動体端末１１０は，ＬＴＥ／ＳＡＥ網配下のサービス範囲１０２において動作している。しかし移動体端末１１０は，図１に矢印Ａで示す地理的方向に移動し，最終的に無線塔１０３のサービス範囲１０２の圏外に出るかも知れない。更に，移動体端末１１０が矢印Ａの方向に移動するとサービス範囲１０４に入るかも知れない。この状況において，移動体端末１１０はサービス範囲１０２内の無線塔１０３との通信から，サービス範囲１０４内の無線塔１０５との通信に遷移しなければならない。すなわち，移動体端末１１０は無線塔１０３のＬＴＥ／ＳＡＥサービスから，無線塔１０５の２Ｇ／３Ｇサービスへハンドオーバしなければならない。このハンドオーバ処理は従来２重サービス範囲１０６で行われており，そこでは移動体端末１１０は無線塔１０３及び１０５双方の通信ゾーンにある。しかし端末は一般に同時に一つの３ＧＰＰ無線接続を利用できるに過ぎない，すなわち端末は，前の基地局へのコネクションが終了したときだけ，ターゲット基地局へ最初のメッセージを送信できる。しかし本発明の実施例は，端末１１０がＬＴＥ／ＳＡＥサービス範囲，すなわち範囲１０６又は１０２に入ったときにＰＤＰコンテキストハンドオーバ情報を受信するハンドオーバ方法を提供する。

ＬＴＥ／ＳＡＥ網１０２から２Ｇ／３Ｇ網１０４へのハンドオーバ処理を実現するため，本発明の実施例は端末１１０を遷移させるハンドオーバ方法を提供する。より特定すれば，本発明の実施例はＰＤＰコンテキスト情報をユーザ装置すなわち移動体端末１１０へ転送するために用いるハンドオーバコマンドメッセージを提供する。本発明の実施例においては，移動体端末１１０がＬＴＥ／ＳＡＥ網１０２に接続している間，ＰＤＰコンテキストは一般に移動体端末においては生成されない。受け入れ側の２Ｇ／３Ｇ網１０４は，移動体端末が２Ｇ／３Ｇ無線チャネルを取得したとき，移動体端末はＰＤＰコンテキスト情報を有しているものと見なす。このように受け入れ側の２Ｇ／３Ｇ接続網１０４から見ると，ハンドオーバが別の２Ｇ／３Ｇ基地局から開始されたか，ＬＴＥ接続システムから開始されたかはほとんど差がない。本発明の実施例において用いられるＰＤＰコンテキスト情報は新規な情報種別であって，移動体端末１１０に２Ｇ／３Ｇ無線チャネルに関する活性なＰＤＰコンテキストについては通知するが，ＰＤＰコンテキスト活性化通知は起動しない。ＰＤＰコンテキスト情報種別は，移動機移動管理（ＭＭ）及びＰＤＰコンテキストの関連する部分を含む。

加入者が特定網と活性なセッションを有するとき，ＰＤＰコンテキスト情報は一般に，サービス提供ＧＰＲＳサポートノード（ＳＧＳＮ）と，ゲートウェイＧＰＲＳサポートノード（ＧＧＳＮ）との双方に存在する，加入者移動体端末のセッション情報を含むデータ構造体を含む。ＧＧＳＮ及びＳＧＳＮはまとめてＧＳＮとも呼ばれる。ＧＧＳＮは，ＧＰＲＳ基幹網と，無線網及びＩＰ網のような外部パケットデータ網とのインタフェースとして動作する。ＧＧＳＮはＳＧＳＮから着信するＧＰＲＳパケットを適切なＰＤＰ形式に変換して，対応するパケットデータ網へ送出する。逆方向の場合は，着信データパケットのＰＤＰアドレスがあて先ユーザのＧＳＭアドレスに変換される。アドレスが付け替えられたパケットは，担当するＳＧＳＮへ送信される。このため，ＧＧＳＮはユーザの現在のＳＧＳＮアドレス及びプロファイルを位置情報レジスタに記憶する。ＧＧＳＮはＩＰアドレス指定を行い，接続されたユーザ装置の既定ルータである。またＧＧＳＮは認証及び課金機能も行う。

ＳＧＳＮは，自己の地理的サービス範囲内にある移動機へデータパケットを配信する役割を担う。ＳＧＳＮの仕事は，パケットの経路設定及び転送と，移動管理（接続・切断及び位置情報管理）と，論理リンク管理と，認証及び課金と，の機能を含む。ＳＧＳＮの位置情報レジスタは，例えば現在のセルと，現在の在圏位置情報レジスタと，ＳＧＳＮに登録されたすべてのＧＰＲＳユーザの，パケットデータ網において用いられるアドレスであるＩＭＳＩのようなユーザプロファイルとのような位置情報を記憶する。

移動体端末がＧＰＲＳを使用したいときは，最初に網に接続し，次にＰＤＰコンテキストを活性化しなければならない。これは，加入者が現在在圏するＳＧＳＮ及び加入者接続点を提供するＧＧＳＮにＰＤＰコンテキストデータ構造体を割り当てるように働く。記録されたデータは一般に，加入者のＩＰアドレスと，加入者のＩＭＳＩと，ＧＧＳＮにおける加入者のトンネルＩＤ（ＴＥＩＤ）と，ＳＧＳＮにおける加入者のトンネルＩＤ（ＴＥＩＤ）と，を含む。ＴＥＩＤは，ＧＳＮが割り当てる数値であって，特定のＰＤＰコンテキストに関係するトンネルデータを識別するものである。

ＧＰＲＳトンネルプロトコルは一般に，ＧＰＲＳコア網のＩＰプロトコルを規定する。これは，ＧＳＭ網又はＵＴＭＳ網のエンドユーザが，あたかもＧＧＳＮの一つの位置にいるようにデータ通信を維持しながらあちらこちらに移動できるようにするプロトコルである。これは，加入者の現在のＳＧＳＮから加入者セッションを処理しているＧＧＳＮへ加入者データを搬送することによって行われる。ＧＰＲＳコア網が用いるＧＰＲＳトンネルプロトコル（ＧＴＰ）には一般に三つの形態がある。ＧＴＰ−Ｕは，各ＰＤＰコンテキストに個別のトンネルを用いてユーザデータを転送するために用いられる。ＧＴＰ−Ｃは，例えば加入者があるＳＧＳＮから別のＳＧＳＮへ移動したとき，ＰＤＰコンテキストの設定及び削除と，ＧＳＮ到達可能性の検証と，更新と，の理由を制御するために用いられる。ＧＴＰ’は，課金データをＧＳＮから課金機能へ転送するために用いられる。ＧＧＳＮ及びＳＧＳＮは，特定ＵＤＰポート上のＧＴＰ−Ｃメッセージ及びＧＴＰ−Ｕメッセージを監視する。この通信は一般に一つの網内で発生する。課金ゲートウェイ機能（ＣＧＦ）は，ＳＧＮから送信された，特定ＵＤＰポート上のＧＴＰ’メッセージを監視する。コア網は課金情報をＣＧＦへ送信し，その情報は通常ＰＤＰコンテキスト活性化時刻と，エンドユーザが転送したデータ量とを含む。ＬＴＥ／ＳＡＥにおいては，ＳＡＥ接続ベアラは進化ＧＴＰ−Ｕプロトコルによるものと想定する。

従来のハンドオーバ方法に関する一つの課題は，ハンドオーバコマンドメッセージがたとえ無線接続ベアラ（ＲＡＢ）及びセキュリティに関する情報を含んでいても，ハンドオーバコマンドメッセージは通常ハンドオーバ実行のきっかけに過ぎないことである。本発明の実施例においては，ハンドオーバコマンドメッセージにより多くのデータを含めることができる。更に本発明の実施例においては，メッセージがうまく処理されたかどうかを通知するチャネルがない。すなわち，送信しなければならない肯定応答（ＡＣＫ）メッセージはない。したがって本発明の方法によれば，ハンドオーバ時に端末へ情報を転送するための追加の通知は不要である。

図２は，本発明の例示ハンドオーバ方法のフローチャートである。図２のユーザ面エンティティ（ＵＰＥ）は，結合されたＬＴＥアンカ及び３ＧＰＰアンカを表している。３ＧＰＰアンカは，ＧＧＳＮ機能を含む。現行の実装では，進化コア網は三つの部分に分割される。すなわち結合された移動管理エンティティ（ＭＭＥ）及びＵＰＥと，３ＧＰＰアンカと，非３ＧＰＰアンカと，である。本発明の実施例を実現するアーキテクチャにおいては，ＭＭＥとＵＰＥとは分離され，ＵＰＥは３ＧＰＰアンカと併設することができる。システム間ハンドオーバは時間が重要な事象である。ハンドオーバ遅延を減少させるため，可能であればソース網のコネクションが解放される前に，ターゲット網はハンドオーバの準備ができていることが望ましい。したがってハンドオーバ準備段階の間に，端末が利用している活性なサービスのための適切な資源がターゲット網内に用意されることが望ましい。図２に示す方法は，主ＰＤＰコンテキストだけでなく，すべての必要なＰＤＰコンテキストがハンドオーバ準備段階の間にターゲット網内に生成され，それによってハンドオーバ後にサービスが端末において可能な限り円滑に継続できる方法を示している。

例示方法はステップ２０１で始まり，ソースＲＡＮ内の進化ノードＢ（ｅＮＢ）がハンドオーバ開始を判断する。次に方法はステップ２０２へ続き，ｅＮＢが図４に示す受信ユニット４０２へのターゲットセルＩＤを含むハンドオーバ要求を，ソースＭＭＥへ送信する。ステップ２０３において，ソースＭＭＥはターゲット基地局が２Ｇ／３Ｇ接続システム内にあることを認識して，対応付けユニット４０４によってＳＡＥベアラとＰＤＰコンテキストとの対応付けを行う。このステップは一般に，図２に示すとおりハンドオーバ処理のＳＡＥベアラ・ＰＤＰコンテキスト対応付けステップと呼ばれる。ＳＡＥベアラとＰＤＰコンテキストとの対応付けは，１対１でなくてもよい。その代わりこの対応付けはＳＡＥと２Ｇ／３ＧとのＱｏＳパラメータの対応付けと，端末能力と，ユーザプロファイルと，に依存する。この対応付けは，利用サービスによって，一つの主ＰＤＰコンテキスト及び０〜ｎの二次ＰＤＰコンテキストとに帰着する。

ステップ２０４において，対応付けができているときは，ソースＭＭＥはＵＰＥ（３ＧＰＰアンカ）に必要なＧＴＰ−ＵトンネルのＧＴＰ−Ｕ ＴＥＩＤを必要とする。これは，ＬＴＥと２Ｇ／３ＧとでＧＴＰトンネル数が異なるとき，又はＭＭＥが新規接続用に別のＱｏＳを標示する必要があるとき，だけ必要である。ＵＰＥは，ＳＡＥベアラ用に割り当てられたＴＥＩＤの使用を終了させないことに注意されたい。その代わりＵＰＥは，要求されたＰＤＰコンテキストにまったく新規のＴＥＩＤを割り当てることが望ましいか，又は２Ｇ／３Ｇ接続において既存のＴＥＩＤを再利用することが望ましいか，だけを判断する。要求したＰＤＰコンテキスト数がＳＡＥベアラ数を超えるときは，新規ＴＥＩＤを生成又は予約しなければならない。要求したＰＤＰコンテキスト数がＳＡＥベアラ数より少ないときは，ＵＰＥは，新規接続網においてどのＴＥＩＤを再利用するか，そしてステップ２１４のユーザ面経路設定更新後にどれを解放するか，を判断しなければならない。

ステップ２０５において，２Ｇ／３Ｇ特定ＱｏＳ情報及び必要なＰＤＰコンテキスト（ＬＴＥ特定情報は含まれない）を含むハンドオーバ準備要求を，ソースＭＭＥの送信ユニット４０６からターゲットＳＧＳＮへ，そして更に２Ｇ／３Ｇ接続網へ送信する。ステップ２０６において，ＲＡＢがハンドオーバ準備要求によって設定される。特に，ＳＧＳＮは２Ｇ／３Ｇ接続網へハンドオーバ準備要求を送信し，ＲＡＢはそのハンドオーバ準備要求によって設定される。この要求は要求されたＰＤＰコンテキストによるものである。本方法は次にステップ２０７へ続き，うまく生成された，及びうまく生成されなかったＲＡＢと，調停されたＱｏＳ，すなわち活性化されたＰＤＰコンテキストと，の情報を含むハンドオーバ準備確認メッセージがソースＭＭＥへ送信され，ユニット４０８によって受信される。ハンドオーバ準備要求確認は，ハンドオーバ準備段階が完了したことをソースシステムに標示する。調停されたＱｏＳ（活性化されたＰＤＰコンテキスト）は，このメッセージに含まれる。

本例示方法のステップ２０９においてＵＰＥ（３ＧＰＰアンカ）とＳＧＳＮ間のユーザ面が複数経路通信（bi-casting）用に更新され，ＳＧＳＮ内のＧＴＰ−ＵトンネルＴＥＩＤがＵＰＥへ送信される。ユーザ面資源予約は完了しているので，ステップ２１０で複数経路通信が行われる。ステップ２１１で，２Ｇ／３Ｇ ＲＡＢと，チャネルと，ＳＥＣと，ＰＤＰコンテキスト情報とを含むハンドオーバコマンドがユーザ装置（ＵＥ）へ送信される。図５に示すとおり，このハンドオーバコマンドは受信ユニット５０２で受信される。このステップの後，端末はＬＴＥ接続システムへのコネクションを解放する。図５に示すとおり，端末はコネクションを解放する解放ユニット５０４を含む。２Ｇ／３Ｇ無線接続網へのコネクションが設定されるとすぐに，端末は実行中サービスを正しいＰＤＰコンテキストに対応付けることができる。ステップ２１２において，ＬＴＥ接続システムへのコネクションが解放された後で，ＵＥと２Ｇ／３Ｇ無線接続網との間のチャネルが設定される。事前活性化されたＰＤＰコンテキストと，ＵＥへ転送されたＰＤＰコンテキスト情報とによって，端末は正しいサービスを正しい無線ベアラ（ＰＤＰコンテキスト）に直ちに対応付けることができる。図４に示したすべてのユニットは，当業者には既知であるが，１又は複数のコンポーネントを含んでもよいことに注意されたい。

チャネルが設定されると本方法はステップ２１３へ続き，そこで無線インタフェースは正しく構成されており，ターゲット接続システムはターゲットＳＧＳＮに，ハンドオーバが成功裏に完了したことを通知し，ＳＧＳＮはその情報をソースＭＭＥへ転送する。ステップ２１４において，ＳＧＳＮはＵＰＥ（３ＧＰＰアンカ）を用いてユーザ面経路を更新する。このメッセージは，ＬＴＥを経由する旧経路はもはや利用されないことをＵＰＥに通知する。ステップ２１５においてＵＰＥはデータの複数経路通信を停止し，ステップ２１６において，ハンドオーバ確認がソースＭＭＥに着信した後，ソース接続網内の資源が解放される。本方法はステップ２１７へ続き，そこでＭＭＥは資源が解放されたときＳＧＳＮへのハンドオーバ完了メッセージを確認する。ステップ２１８においてメッセージ交換は行われないが，ターゲット接続システムを経由した新規ユーザ面コネクションは活性である。

図３は，本発明の実施例において実装されるステップを示す図である。ステップ３０１０において，第１網から第２網へのハンドオーバのためのハンドオーバ開始要求がソース移動管理によって受信される。ステップ３０２０において，ソース移動管理エンティティがＰＤＰコンテキストとベアラとの対応付けを行う。ＰＤＰコンテキストは２Ｇ／３Ｇ網において用いられ，ベアラはＳＡＥベアラである。ステップ３０３０において，第２網ＱｏＳ情報を含むハンドオーバ準備要求が，第２網への更なる送信のためにソース移動管理エンティティからターゲットＳＧＳＮへ送信される。ステップ３０４０において，無線接続ベアラがハンドオーバ準備要求によって設定される。ステップ３０５０において，ハンドオーバ準備段階が完了したことを示すハンドオーバ準備確認メッセージがソース移動管理エンティティにおいて受信される。ステップ３０６０において，ハンドオーバコマンドがユーザ装置へ送信される。このハンドオーバコマンドは第２網情報を含み，それによってユーザ装置と第２網との間にコネクションが設定されたとき，ユーザ装置は実行中サービスを正しいＰＤＰコンテキストに対応付けることができる。

当業者であれば，上述の発明を別の順序で，及び／又は開示したものと異なる構成のハードウェア要素を用いて実施してもよいことを直ちに理解するであろう。したがって好ましい実施例によって本発明を説明したが，当業者であれば本発明の精神及び範囲内で，一定の修正物と，変形物と，代替物と，が構成できることは明白であろう。したがって本発明の境界を決定するためには，本願の請求項を参照することが望ましい。

本発明のＬＴＥ／ＳＡＥシステムから２Ｇ／３Ｇシステムへのハンドオーバを実現できるセルラ通信システム構成を示す図である。 本発明の例示ハンドオーバ方法のフローチャートである。 本発明の実施例において実装されるステップを示す図である。 移動管理エンティティのコンポーネントを示す図である。 本発明の実施例において用いられる移動体端末のコンポーネントを示す図である。

Claims (26)

1. ソース移動管理エンティティが第１網から第２網へのハンドオーバのためのハンドオーバ開始要求を受信する受信ステップと，
   前記ソース移動管理エンティティがパケットデータプロトコルコンテキストとベアラとの対応付けを行う対応付けステップと，
   前記第２網へ更に送信するために，前記第２網のサービス品質情報を含むハンドオーバ準備要求を，前記ソース移動管理エンティティからターゲットサービス提供サポートノードへ送信するステップと，
   前記ハンドオーバ準備要求によって無線接続ベアラを設定する設定ステップと，
   前記ソース移動管理エンティティにおいて，ハンドオーバ準備段階が完了したことを示すハンドオーバ準備確認メッセージを受信するステップと，
   前記ソース移動管理エンティティが，ハンドオーバコマンドをユーザ装置へ送信するステップであって，前記ハンドオーバコマンドは前記第２網の情報を含み，それによって前記ユーザ装置と前記第２網との間にコネクションが設定されたとき，前記ユーザ装置が実行中のサービスを正しいパケットデータプロトコルコンテキストに対応付けられるようにするステップと，
   を有する方法。
2. 前記ソース移動管理エンティティが，前記第２網からハンドオーバが成功したことを示す情報を受信するステップと，
   ユーザ面エンティティによってユーザ面経路を更新するステップと，
   前記ソース移動管理エンティティが前記ハンドオーバ準備確認メッセージを受信した後，ソース接続網内の資源を解放するステップと，
   を更に有する請求項１に記載の方法。
3. 前記ハンドオーバ準備確認メッセージに折衝済みサービス品質を含めるステップを更に有する請求項１に記載の方法。
4. 前記受信ステップは，網エンティティが前記第１網から前記第２網へのハンドオーバが必要であると判定したとき，前記ソース移動管理エンティティにおいて前記ハンドオーバ開始要求を受信するステップを含む請求項１に記載の方法。
5. 前記設定ステップは，
   前記ソース移動管理エンティティが，前記ハンドオーバ準備要求を送信するステップと，
   前記ハンドオーバ準備要求内の要求したパケットデータプロトコルコンテキストによって，無線接続ベアラを設定するステップと，
   前記ソース移動管理エンティティが，前記ハンドオーバ準備確認メッセージを受信するステップと，
   を含む請求項１に記載の方法。
6. 前記対応付けステップは，前記第１網のサービス品質パラメータと前記第２網のサービス品質パラメータとの対応付けと，端末能力と，ユーザプロファイルとに依存する請求項１に記載の方法。
7. 前記ソース移動管理エンティティはユーザ面エンティティと分離しており，該ユーザ面エンティティは第３世代アンカと併設されている請求項１に記載の方法。
8. 前記第１網と前記第２網とでトンネル数が異なるとき，又は前記ソース移動管理エンティティが新規接続用のサービス品質を標示することになっているとき，前記ソース移動管理エンティティは前記ユーザ面エンティティにトンネルプロトコルの加入者トンネル識別子を要求する請求項７に記載の方法。
9. 複数経路通信のために，前記ユーザ面エンティティと前記ターゲットサービス提供サポートノードとの間のユーザ面経路を更新するステップと，
   前記ターゲットサービス提供サポートノードから前記ユーザ面エンティティへトンネルプロトコルのトンネル識別子を送信するステップと，
   を更に有する請求項８に記載の方法。
10. 前記第２網は第２世代網又は第３世代網とし，前記第１網は長期進化網とする請求項１に記載の方法。
11. 第１網から第２網へのハンドオーバのためのハンドオーバ開始要求を受信するように構成した受信ユニットと，
    パケットデータプロトコルコンテキストとベアラとを対応付けるように構成した対応付けユニットと，
    前記第２網へ更に送信するために，前記第２網のサービス品質情報を含むハンドオーバ準備要求を，前記ソース移動管理エンティティからターゲットサービス提供サポートノードへ送信するように構成した送信ユニットであって，前記ハンドオーバ準備要求を受信したとき，前記ハンドオーバ準備要求によって無線接続ベアラを設定する送信ユニットと，
    前記ソース移動管理エンティティにおいて，ハンドオーバ準備段階が完了したことを示すハンドオーバ準備確認メッセージを受信するように構成した受信ユニットと，
    ハンドオーバコマンドをユーザ装置へ送信するように構成した送信ユニットであって，前記ハンドオーバコマンドは前記第２網の情報を含み，それによって前記ユーザ装置と前記第２網との間にコネクションが設定されたとき，前記ユーザ装置が実行中のサービスを正しいパケットデータプロトコルコンテキストに対応付けられるようにする送信ユニットと，
    を備えるソース移動管理エンティティ。
12. 前記第２網からハンドオーバが成功したことを示す情報を受信するように構成し，かつユーザ面エンティティによってユーザ面経路を更新するように構成して，前記ソース移動管理エンティティが前記ハンドオーバ準備確認メッセージを受信した後，ソース接続網内の資源を解放する請求項１１に記載のソース移動管理エンティティ。
13. 網エンティティが前記第１網から前記第２網へのハンドオーバが必要であると判定したとき，前記受信ユニットが前記ハンドオーバ開始要求を受信するように構成する請求項１１に記載のソース移動管理エンティティ。
14. 前記ハンドオーバ準備要求を前記第２網へ送信するように構成した送信ユニットと，
    前記ハンドオーバ準備確認メッセージを受信するように構成した受信ユニットと，
    を更に備える請求項１１に記載のソース移動管理エンティティ。
15. 前記パケットデータプロトコルコンテキストと前記ベアラとの前記の対応付けは，前記第１網のサービス品質パラメータと前記第２網のサービス品質パラメータとの対応付けと，端末能力と，ユーザプロファイルとに依存する請求項１１に記載のソース移動管理エンティティ。
16. 前記ソース移動管理エンティティはユーザ面エンティティと分離しており，該ユーザ面エンティティは第３世代アンカと併設されている請求項１１に記載のソース移動管理エンティティ。
17. 前記第１網と前記第２網とでトンネル数が異なるとき，又は前記ソース移動管理エンティティが新規接続用のサービス品質を標示することになっているとき，前記ソース移動管理エンティティは前記ユーザ面エンティティにトンネルプロトコルの加入者トンネル識別子を要求する請求項１６に記載のソース移動管理エンティティ。
18. 複数経路通信のために，前記ユーザ面エンティティと前記ターゲットサービス提供サポートノードとの間のユーザ面経路を更新するように構成し，かつ前記ターゲットサービス提供サポートノードから前記ユーザ面エンティティへトンネルプロトコルのトンネル識別子を送信するように構成した更新ユニットを更に備える請求項１７に記載のソース移動管理エンティティ。
19. 第１網から第２網へのハンドオーバのためのハンドオーバ開始要求を受信する受信手段と，
    パケットデータプロトコルコンテキストとベアラとを対応付ける対応付け手段と，
    前記第２網へ更に送信するために，前記第２網のサービス品質情報を含むハンドオーバ準備要求を，前記ソース移動管理エンティティからターゲットサービス提供サポートノードへ送信する送信手段と，
    前記ハンドオーバ準備要求によって無線接続ベアラを設定する設定手段と，
    前記ソース移動管理エンティティにおいて，ハンドオーバ準備段階が完了したことを示すハンドオーバ準備確認メッセージを受信する受信手段と，
    ハンドオーバコマンドをユーザ装置へ送信する送信手段であって，前記ハンドオーバコマンドは前記第２網の情報を含み，それによって前記ユーザ装置と前記第２網との間にコネクションが設定されたとき，前記ユーザ装置が実行中のサービスを正しいパケットデータプロトコルコンテキストに対応付けられるようにする送信手段と，
    を備える装置。
20. ソース移動管理エンティティからハンドオーバコマンドを受信するように構成した受信ユニットであって，前記ハンドオーバコマンドは第２世代網又は第３世代網の無線接続ベアラと，チャネルと，セキュリティと，パケットデータプロトコルコンテキスト情報とを含む受信ユニットと，
    第２世代網接続システム又は第３世代網接続システムへのコネクションを解放するように構成した解放ユニットと，
    を備える移動体端末であって，
    前記第２世代網接続システム又は第３世代網接続システムへのコネクションが設定されたとき，実行中のサービスを適切なパケットデータプロトコルコンテキストに対応付けるように構成した移動体端末。
21. 第１網から第２網へのハンドオーバのためのハンドオーバ開始要求を送信するように構成した進化無線接続網内の第１送信ユニットと，
    前記第１網から前記第２網へのハンドオーバのための前記ハンドオーバ開始要求を受信するように構成したソース移動体管理エンティティ内の受信ユニットと，
    パケットデータプロトコルコンテキストとベアラとを対応付けるように構成した前記ソース移動管理エンティティ内の対応付けユニットであって，前記パケットデータプロトコルコンテキストは第２世代網又は第３世代網内で用いるものとし，前記ベアラはシステムアーキテクチャ進化ベアラとする対応付けユニットと，
    前記第２網へ更に送信するために，前記第２網のサービス品質情報を含むハンドオーバ準備要求をターゲットサービス提供サポートノードへ送信するように構成した前記ソース移動管理エンティティ内の第２送信ユニットと，
    前記ハンドオーバ準備要求によって無線接続ベアラを設定するように構成した設定ユニットと，
    ハンドオーバ準備段階が完了したことを示すハンドオーバ準備確認メッセージを前記ソース移動管理エンティティへ送信するように構成した前記第２網内の第３送信ユニットと，
    ハンドオーバコマンドをユーザ装置へ送信するように構成した前記ソース移動管理エンティティ内の第４送信ユニットであって，前記ハンドオーバコマンドは前記第２網の情報を含み，それによって前記ユーザ装置と前記第２網との間にコネクションが設定されたとき，前記ユーザ装置が実行中のサービスを対応付けられるようにする送信ユニットと，
    を備えるシステム。
22. ソース移動管理エンティティからハンドオーバコマンドを受信する受信手段であって，前記ハンドオーバコマンドは第２世代網又は第３世代網の無線接続ベアラと，チャネルと，セキュリティと，パケットデータプロトコルコンテキスト情報とを含む受信手段と，
    第２世代網接続システム又は第３世代網接続システムへのコネクションを解放する解放手段と，
    を備える装置であって，
    前記第２世代網接続システム又は第３世代網接続システムへのコネクションが設定されたとき，実行中のサービスを適切なパケットデータプロトコルコンテキストに対応付けるように構成した装置。
23. 前記パケットデータプロトコルコンテキストと前記ベアラとを対応付ける前記対応付けステップが行われ，前記パケットデータプロトコルコンテキストは第２世代網内で用いるものとし，前記ベアラは第１網ベアラとする請求項１に記載の方法。
24. 前記パケットデータプロトコルコンテキストと前記ベアラとの前記対応付け手段が対応付けを実行し，前記パケットデータプロトコルコンテキストは第２世代網内で用いるものとし，前記ベアラは第１網ベアラとする請求項１９に記載の装置。
25. 前記第２網は第２世代網又は第３世代網を含み，前記第１網は長期進化網を含む請求項１に記載の方法。
26. 前記第２網は第２世代網又は第３世代網を含み，前記第１網は長期進化網を含む請求項１９に記載の装置。

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