JP2009540388A - 色収差式回折光学素子コレクタ、これを有する光学的システム、ならびに関連方法 - Google Patents

色収差式回折光学素子コレクタ、これを有する光学的システム、ならびに関連方法 Download PDF

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Abstract

光学部品は、複数の周期を有する回折構造体を有する基板を備え、複数の周期のうちの少なくとも1つの周期が複数のステップを有し、複数のステップの高さが少なくとも1つの周期において非単調的に増大する。光学部品は、少なくとも2つの波長、たとえば3つの波長とともに用いられ、単一の基板上にあり、すべての波長に対して少なくとも50%の効率を与えるものである。

Description

本発明に係る実施形態は、色収差式の回折光学素子(Diffractive Optical Element: DOE)コレクタ(補正装置)に関する。とりわけ本発明は、複数の波長を用いたDOEコレクタ、これに関連するシステム、ならびに関連する方法に関する。
数多くの用途において、複数の波長、すなわち少なくとも2つの波長について用いられる単一の対物レンズが必要されている。したがって、対物レンズの色収差は許容レベルまで補正する必要がある。
たとえば、より大量の光学的記憶容量を実現するためには、ビームサイズを小さくすることが必要となる。より短い波長でより開口数の大きい対物レンズを用いることにより、ビームサイズを小さくすることができる。しかしながら、波長が短くなるほど、光エネルギは大きくなる。このため、より短い波長を用いた場合、従来式の媒体のいくつかは破損する可能性がある。したがって、従来式の媒体を機能させるために、特定の媒体のために設計された波長光を機能させる必要性が依然としてある。
1つの特定の用途は、高密度デジタルビデオディスク(DVD)装置や、これと互換性のあるDVDフォーマットおよびコンパクトディスク(CD)フォーマットである。こうした装置において、フォーマット間で対応すべき光学的条件に数多くの相違点がある。たとえば、これら3つのフォーマットは、波長、開口数、回折限界スポットサイズ、作動距離、および媒体厚みがそれぞれ異なる。
HD−DVD装置は、たとえば約380nm〜420nmの青色光で、開口数が約0.85で、回折限界スポットサイズが0.58μmで、作動距離が約0.3mm以上で、媒体厚みが約0.0875mmを採用する。DVD装置は、たとえば約630nm〜680nmの赤色光で、開口数が約0.6で、回折限界スポットサイズが1.32μmで、作動距離が約0.4mm以上で、媒体厚みが約0.6mmを採用する。またCD装置は、たとえば約780nm〜820nmの赤外光(IR)で、開口数が約0.45で、回折限界スポットサイズが2.11μmで、作動距離が約0.5mm以上で、媒体厚みが約1.2mmを採用する。
従来式の解決手法は、青色光に対して強い0次効率を有し、赤色光に対して強い1次効率を有する1次の位相関数、および赤外光に対して強い1次効率を有する2次の位相関数を有する表面を採用することである。これを実現するためには、厚みのあるDOEを用いる必要がある。たとえば青色波長に対する2πの整数倍である位相レベルを用いるために、DOE透過のための位相遅延は次式で表される。
Figure 2009540388
ここでnは青色光に対するDOEの屈折率であり、dはDOEの厚みであり、λは青色光の波長である。屈折率に対応し、各波長に対する2π倍の厚みDは、次式で表される。
Figure 2009540388
したがって、DOEがたとえば407nm(青色光)の光を通過させ、650nm(赤色光)に対応する1次の位相関数と、785nm(赤外光)に対応する2次の位相関数を分離するように設計された場合、785nmは407nmのほぼ2倍近いので、785nm(赤外光)に影響を与えるが407nmには影響を与えないレベルを特定する必要がある。位相レベルは、青色光に影響を与えない整数(M)倍の厚み(D)で決定される。これにより、特にIRの場合、50%未満の比較的に小さい効率を有する。その結果、ほとんどの部品材料に対して、部品は極めて厚くなり、その効率は相当に低くなる。
2つまたは3つの波長に回折する1つの表面を用いる上記解決手法において、第1の波長(たとえば650nm)における1次の位相関数に対する位相レベルは、(2πの係数倍である)0次の位相遅延、あるいは他の2つの波長(たとえば405nmおよび785nm)のほぼ0次の位相遅延に相当するように選択される。また、第2の波長(たとえば785nm)における2次の位相関数に対する位相レベルは、他の2つの波長(たとえば405nmおよび785nm)のほぼ0次の位相遅延に相当するように選択される。媒体中で分散が生じることはなく、その屈折率が1.46であるときの位相レベルを前提とする。簡略化のため、青色光に関する上記MおよびDの解(答)のみを検討する。2次の位相関数を検討し、40倍以下の厚みに限定し、赤色光に対する位相角がプラスマイナス20%の範囲にあるMを探したとき、この条件を満足する5つのMの値がある。しかし、これらの位相レベルは、赤外光に対する4位相回折について位相角0°、90°、180°および270°に近い位相角を与えるものでなければならない。5つの値のうちの3つの値だけが目標とする値のプラスマイナス20%の範囲に属する。すなわちバイナリ回折部品以外の回折部品は、Mが40でDが407nmである、すなわち35mm以上であるように作製する必要がある。
溶融シリカの屈折率は波長が大きくなるほど減少し(すなわち正分散)するため、上述の簡略化したケースに比して、実際の問題はよりいっそう深刻である。すなわち溶融シリカの屈折率は、Dが405nmであるとき1.470であり、Dが785nmであるとき1.453である。次式(3)で表す位相遅延比を参照すると明らかに理解されるように、この分散により青色光と赤外光の波長がよりいっそう接近して調和(harmonic)しやすくなる。
Figure 2009540388
分散がなければ、すなわちn=nIRであれば、上記位相遅延比は1.93となるが、溶融シリカの場合には2.01となる。これらの屈折率を用いた場合、Mを青色光に対する整数であるとして選択した場合、赤外光に対する位相値はすべて、Mが75未満のすべての値に対して0°または180°のいずれかのプラスマイナス20%の範囲に入り、4レベルDOEを実現する場合であっても少なくとも65μmの厚みを有するDOEを必要とする。
したがって溶融シリカを用いた場合、従来のアプローチは、65μm以上の極めて厚い回折構造体を用いなければ、赤外光のバイナリDOEに限定されるものである。こうしたバイナリDOEは、効率が極めて低く、4レベルDOEの効率と大まかに比較した場合、40%未満となる。DOEの厚みが増すと、作製がより困難となり、波長変化により影響を受けやすくなるといったさまざまな問題が生じ、エッチング深度および周期のアスペクト比に起因するシャドウイングなどの性能上の問題が生じる。
米国特許第6687037号明細書
したがって本発明の実施形態は、従来技術が有する問題点や短所に起因する1つまたはそれ以上の問題を実質的に克服するDOEコレクタ、関連するシステムおよび方法に関するものである。
本発明の実施形態の特徴は、波長に適当な焦点距離を与えるDOEコレクタを提供することである。
本発明の実施形態の別の特徴は、単一基板上にDOEコレクタを提供することである。
本発明の実施形態のさらに別の特徴は、作製が容易なDOEコレクタを提供することである。
本発明の上述の特徴または他の特徴のうちの少なくとも1つは、下記の光学部品を提供することにより実現され、この光学部品は、複数の周期を有する回折構造体を有する基板を備え、複数の周期のうちの少なくとも1つの周期が複数のステップを有し、複数のステップの高さが少なくとも1つの周期において非単調的に増大する。
基板が溶融シリカであってもよい。複数のステップがλ/(n−1)の実質的な倍数であってもよい。2πを係数とするデザイン波長が光学部品の中心から離れて増大するものであってもよい。
光学部品が第1の波長λ1および第2の波長λ2を用い、基板が次式を実質的に満足する屈折率nを有するものであってもよい。
Figure 2009540388
光学部品が第3の波長λ3を用い、第3の波長λ3が第1の波長λ1と第2の波長λ2の間であってもよい。
光学部品は、第1の波長の0次回折光に対して少なくとも75%の効率を有し、第2の波長の1次回折光に対して少なくとも44%の効率を有していてもよい。
ステップ高さが第1の波長のハーモニックの1ラジアン内であってもよい。
少なくとも1つの周期における複数のステップのうちの少なくとも1つのステップがより高い隣接するステップおよびより低い隣接するステップを有するものであってもよい。
ステップ高さは実質的にデザイン波長のハーモニックスであってもよい。少なくとも1つのステップ上にサブステップをさらに有するものであってもよい。少なくとも1つの周期における高さステップ高さが、デザイン波長の実質的なハーモニックスから1ラジアン未満だけずれていてもよい。
本発明の上述の特徴または他の特徴のうちの少なくとも1つは、下記の光学ヘッドを提供することにより実現され、この光学ヘッドは、第1および第2の波長で光を出力するように構成された光源と、第1の波長の光を第1の光学媒体タイプ上に集光し、第2の波長の光を第2の光学媒体タイプ上に集光するように構成されたレンズと、光源とレンズの間に配置された請求項1〜13のいずれか1に記載の光学部品と、第1および第2の波長の光を検出するように構成された受光器とを備える。
光学部品がレンズに隣接して配置されていてもよい。光源は、第3の波長で光を出力するように構成され、レンズは、第3の波長の光を第3の光学媒体タイプ上に集光するように構成されるものであってもよい。
第1の波長が最も短い波長であり、光学部品が第1の波長の実質的なハーモニックスであるステップ高さを有するものであってもよい。
第1の波長が約380nm〜約420nmであり、第2の波長が約630nm〜約680nmであり、第3の波長が約780nm〜約820nmであってもよい。
光学部品およびレンズが第1の焦点距離および第1の開口数を有する第1の波長の光と、第2の焦点距離および第2の開口数を有する第2の波長の光と、第3の焦点距離および第3の開口数を有する第3の波長の光とを形成するものであってもよい。
本発明に係る第1の実施形態によるDOEコレクタの概略側面図である。 補正すべきレンズが位置合わせされた図1のDOEコレクタの概略側面図である。 本発明に係る第2の実施形態によるDOEコレクタの概略側面図である。 本発明に係る第3の実施形態によるDOEコレクタの概略平面図である。 異なる波長に対する部分的概略図である。 異なる波長に対する部分的概略図である。 本発明に係る実施形態による単一表面DOEコレクタのための回折デザインの部分的概略図である。 本発明に係る実施形態によるDOEコレクタをデザインするために用いられる択一的なエッチング深度を示す。 本発明に係る実施形態によるDOEコレクタの実際の位相および所望の位相の間のラジアンの差異をプロットしたものである。 本発明に係る実施形態によるDOEコレクタの概略平面図である。 本発明に係る実施形態によるDOEコレクタを有する光ヘッドの概略図である。 BDに用いられる図7に示す光ヘッド内の本発明に係る実施形態によるDOEコレクタおよびレンズの詳細側面図である。 DVDに用いられる図7に示す光ヘッド内の本発明に係る実施形態によるDOEコレクタおよびレンズの詳細側面図である。 CDに用いられる図7に示す光ヘッド内の本発明に係る実施形態によるDOEコレクタおよびレンズの詳細側面図である。 本発明に係る実施形態による図7に示す光ヘッドを有する光ディスクドライブの概略図である。 図9の光ディスクドライブを有するコンピュータの概略正面図である。 図9の光ディスクドライブを有する携帯型デバイスの概略正面図である。 図9の光ディスクドライブを有するシステムの概略斜視図である。
本発明に係る上記特徴および利点等は、当業者が添付図面を参照しつつ以下の詳細な実施形態を参酌すれば容易に理解される。
本発明の例示的な実施形態を図示する添付図面を参照しながら、本発明の実施形態についてより詳細に以下説明する。ただし、本発明は異なる態様で実現することができ、以下説明する実施形態に限定して解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態はその開示内容が明瞭かつ十分に当業者に発明の概念を伝えるように開示されるものである。同様の参照符号が同様の部品に対しては、同様の符号を用いて参照される。
上述のように、405nmおよび785nmの波長光を利用するとき、DOEコレクタのために溶融シリカを用いることには問題が生じることがある。すなわち、溶融シリカの405nmおよび785nmの波長光の位相遅延比が1:2となり極めて接近して、調和的(ハーモニック:harmonic)構造を有する量産性のある実際的なバイナリレンズしか製造することができず、赤外光に対する効率が40%未満と極めて不十分であるためである。第3の波長光を適正に回折しつつ、件の2つの波長光の間の位相遅延比が高周波にあまりにも接近しないようにするための解決手段が必要である。
高周波による影響の問題に対処するための、本発明に係る第1の実施形態によるDOEコレクタ5が図1に図示されている。DOEコレクタ5は、第1および第3の波長光が実質的に同等に取り扱われるように、より調和的な位相遅延を与える第1の部材中には第1の回折部品12を設け、第1および第3の波長光が実質的に異なるように取り扱われるに、あまり調和的でない位相遅延を与える第2の部材中には第2の回折部品14を設けた基板10を備える。このとき、第1の部材は下記の式で表されるより調和的な位相遅延を与える。
Figure 2009540388
たとえば基板10は、溶融シリカなどの調和的な位相遅延材料(調和位相遅延材料)であり、これに第1の回折部品12がエッチングされ、基板10の対向面上にはあまり調和的でない位相遅延材料(非調和位相遅延材料)16が設けられ、その中に第2の回折部品14が形成される。非調和位相遅延材料16としてポリマなどのエンボス加工可能な材料を用い、エンボス加工可能な材料に第2の回折部品14をスタンプ加工してもよい。
従前より、特定の波長に対する高効率の0次ビームを与える回折部品を設計する際、回折構造体がその波長における光に影響を与えないように、すなわち位相遅延が無視できるように、回折部品のエッチング深度はその波長の2π倍に設定される。本発明の実施形態によれば、赤色光を用いるための第1の回折部品12を設計する際、赤外光は実際には青色光の高周波光であるので、この回折部品のエッチング深度は、青色光ではなく赤外光の波長の2π倍に限定される。換言すると、回折部品のエッチング深度は、青色光の波長の4π倍に限定される。4π倍に近い膜厚値を特定した後、赤色光に対して4π倍の分数的位相値またはこれに近い値における位相値を与える膜厚値が選択される。たとえば溶融知れかにおいて、16倍位相レベル構造体が提供された場合、赤色光に対する目標とする位相値は(2πの係数倍として)次式で与えられる。
Figure 2009540388
ここでiは0〜15である。
非調和位相遅延側においては、赤外光のための高効率の第1次光が得られるように、第2の回折部品が設計されている。第2の回折部品は、これにより影響を受けない各波長光(ここでは青色光と赤色光)に対する最大位相誤差を選択することにより設計される。そして最大位相誤差内にあって、2πの整数倍に等しいすべてのレベルが青色光のために決定される。各波長光の最大位相誤差は同一であってもよい。赤色光に対する2πの最大位相誤差の範囲内にないレベルは排除される。最終的に、残ったレベルが赤外光に対し方程式(1)に基づいて選択される。非調和位相遅延材料は、適当な分散を有するTiO、SU−8、紫外線(UV)硬化性ポリマ、または熱硬化性ポリマであってもよい。
上述の条件を満足するさまざまなレベルを用いて、両方の回折部品を作製することができ、効率的なDOEコレクタを製造することができる。たとえば溶融シリカを用い、660nmの波長光のみが1次光に回折され、405nmおよび785nmの波長光は実質的に0次に配向される場合、すなわちエッチング深度が785nmの2π倍とし、20°誤差の範囲内でMを20未満に限定した場合、405nmに対してM=0,M=2,M=14,M=16の4レベルがこれらの条件を満足する。赤外光に対してしたように、20°誤差の範囲内で青色光の正確に2π倍ではないエッチング深度を考慮することにより、実際には、より良好な性能が実現される。この方法を用いたとき、溶融シリカ材料の最大エッチング深度が9μmである場合、実際の回折光学部品は4〜12レベルを有する溶融シリカに形成することができる。上述の紫外線硬化性ポリマなどの薄膜の最大エッチング深度が15μmであった場合、回折光学部品は4〜8レベルを有することができる。繰り返しになるが、エッチング深度に対する限定は、アスペクト比に起因するシャドウイングおよびベクトル回折効果によるものである。
本発明の第2の実施形態によれば、たとえば溶融シリカなどの低分散材料を用いて、調和波長光のうちの1つを回折し、別の波長光を部分的に回折し、他の調和波長光を透過させることができる。溶融シリカ内の利用可能な位相レベルの具体例を以下の表に示す。すべての位相遅延は、(2πの係数倍とした)波長で与えられ、405nmの波長光に対して0または1波長(2π)で与えられる。
Figure 2009540388
こうして得られた効率的な回折部品は、660nmの波長光に対する5レベルの均一に離間した回折部品および785nmの波長光に対するバイナリ回折部品に相当する。
溶融シリカ単体の上記構造は、特定の用途において十分な回折効率を有する。上記具体例では、この部品に対するスカラ回折効率は、405nmの波長光に対しては100%、660nmの波長光に対しては87%、そして785nmの波長光に対しては40%である。785nmの波長光に対してより大きな回折効率が必要であれば、785nmの0レベルまたはπレベルが溶融シリカ部品に与えられるので、785nmの波長光に対する回折効率を増大させるためには、ポリマ側にほんの数レベルのみが必要とされる。たとえばポリマ側が2レベル(すなわち0波長および0.25波長)、あるいは0波長から0.5波長の間で等間隔に離間した3レベル(すなわち0波長、1/6波長および1/3波長)を有していてもよい。これは、結果として、785nmの波長光に対してはそれぞれ4レベルまたは6レベルを有する効率的回折部品を与えるものとなる。
785nmの波長光に対して溶融シリカに0レベルまたはπレベルを与えることにより、ポリマを遙かに薄く作製することができる。たとえば第1の実施形態において、溶融シリカおよび二相多孔質粘弾性(BPVE)ポリマなどのポリマを用いて、溶融シリカ部分が8.7μmの厚みを有し、ポリマ部分が16μmの厚みを有する。この結果、405nm、660nmおよび785nmの波長光に対してそれぞれ94%、81%および69%の複合的回折効率が得られる。第2の実施形態によれば、同一材料を用い、溶融シリカ部分が7.78μmの厚みを有し、ポリマ部分が6.34μmの厚みを有するとき、405nmおよび660nmの両方の波長光に対してほぼ0次ラジアンの位相値が得られ、785nmの波長光に対してほぼ0.25波長の位相遅延が得られる。このとき、405nm、660nmおよび785nmの波長光に対してそれぞれ96%、78%および80%の複合的回折効率が得られる。
第2の実施形態における両方の部分は、共通する波長光を回折するので、2つの部品の間の位置合わせは、第1の実施形態の場合より重要である。たとえばウエハ−ウエハ・ボンディングすることや、溶融シリカ部分上に対応する部材と係合する位置合わせ部材を有するポリマ部品を射出モールド成形すること、および溶融シリカ部分の表面上に直接的にポリマ部品を復元することなど、位置合わせは、数多くの手法で実現することができる。
第1および第2の回折部品のそれぞれは、3つの波長光の少なくとも1つに対して2π以上の位相レベルの違いを有するものであってもよい。2つ以上の材料を用いた場合、第2および第3の波長光は、実質的に調和的(ハーモニック)な関係を有し、第1の材料中では調和的であり、第2の材料中ではあまり調和的でないものとすることができる。第2の材料中における第2および第3の波長光の間の位相遅延比は、約1.95未満であってもよいし、約2.05より大きくてもよい。第1の材料中における第2および第3の波長光の間の位相遅延比は、約1.95〜約2.05であってもよい。
図2は、ほぼ球面形状を有する補正すべきレンズ24が位置合わせされた図1のDOEコレクタを図示するものである。いずれの実施形態も採用することができる。位置合わせするための一般的な手法が、「集積化されたマイクロ光学サブシステム(Integrated Micro-Optical Subsystems)」と題する米国特許第6,426,829号に開示されている。図2から明らかなように、基板20はパターン形成され、エッチングされて、孔22が形成されている。この孔22がレンズ24を収容し、レンズは半田などの接着剤26を用いることにより孔内に固定することができる。図2に示すように、レンズ24を研磨して、その表面25を平坦化し、基板20の表面とほぼ均一となるようにしてもよいし、あるいは当初の形態のままにしておいてもよい。そして図2に図示のように、基板20はDOEコレクタ5と位置合わせされ、たとえば接合部材30を用いて、これらの構成部品を一体に固定することができる。DOEコレクタ5および基板20は、複数の部品として、たとえばウエハレベルで位置合わせし、固定することができる。そして、最終的な光学部品35は、複数の最終的な光学部品35を含むウエハをライン38に沿って分断することにより形成することができる。
すなわち、本発明の第1の実施形態によれば、3つの波長光とともに用いられるDOEコレクタ5は、より調和的な位相遅延材料内に第1の回折部品を設けるとともに、あまり調和的でない位相遅延材料内に第2の回折部品を設けることにより形成することができる。たとえば、波長間の調和的な関係が2であるとして、あまり調和的でない位相遅延材料内における位相遅延比は1.95より小さく、または2.05より大きいものであり、より調和的な位相遅延材料においては上記範囲内であってもよい。DOEコレクタ5は、いずれかの方向に面していてもよい。図1に示すDOEコレクタ5は、一方の表面をエンボス処理した単一の基板上に配設されるが、本発明によれば、DOEコレクタ5は、適当な材料からなる基板を一体的に固定して形成されるか、あるいは基板とは分離していてもよい。さらに調和的位相遅延部材および非調和的位相遅延部材の両方を基板の対向する表面上に配設してもよいし、基板が非調和的位相遅延部材であってもよい。
図3は、本発明に係る別の実施形態によるDOEコレクタ300を図示するものである。図3に示すように、DOEコレクタ300は、2つの基板310,320を有し、各基板310,320は、その上に回折部品312,322をそれぞれ有する。図3に示す特定の具体例において、2つの基板310,320は、その間に配置された接合部材330を用いて固定することができる。当然に、スペーサウエハの形成など、他の任意の固定手法を用いることができる。
図4は、単一回折構造体としてのDOEコレクタ400を図示するものである。DOEコレクタ400は、その表面において、たとえばガラス製基板である基板410の上に設けたBPVEなどのポリマに形成した回折部品を有するものであってもよい。先の実施形態では、青色光など1つの波長光がDOEコレクタ400を直線的に通過し、2つまたはそれ以上の波長光が回折される。単一回折構造体を用いた場合、2つの位相関数は一体に多重化(multiplexed)されるものであってもよい。その結果、6μmのエッチング深度を有する12〜15μm厚の層などの深いエッチング深度を有する膜厚の層を得ることになる。
多重化された位相関数を形成する際、反復離散的軸上(Iterative Discrete On-axis:IDO)アルゴリズムや放射対称(RS)IDOアルゴリズムなどの既知のアルゴリズムを用いて、多重化された位相関数を同時に決定することができる。択一的には、それぞれの位置における位相をIDOアルゴリズムで決定し、参照テーブルを形成することができる。その後、これらの2つの線形位相関数を、他の2つの波長の63通りの異なる位相値に対して組み合わせることができる。たとえば赤色光に対して8通りの異なる位相値を量子化することができる。そして、赤色光に対する8通りの異なる位相値のそれぞれに対して、赤外光に対する8通りの異なる位相値を決定することができる。その後、位相値のそれぞれに対して、最大効率を与えるエッチング深度を決定して記憶することができる。
溶融シリカのみを用いた場合、DOEコレクタ400の位相深さを大きくして、青色光と赤外光に対する屈折率における微小な差異を必然的に増大することができる。しかし、上述のように、構造体をより深くすると、より多くのプロセス過程を要し、より多くの製造誤差が生じ得る。さらに、より深い構造体は、波長変化により影響を受けやすい。ただし、青色光に対する複数の調和的理想的エッチング深度から異ならせることにより、赤外光および赤色光の効率を増大させるために、青色光の効率が多少犠牲となる。
追加的または択一的に、2つの異なるマスクを用いて、すなわち一方のマスクで理想より多少深い位相深さまでエッチングし、他方のマスクで理想より多少浅い位相深さまでエッチングして、青色光の位相深さと同様にエッチングすることができる。その差異は青色光に対して2πの約1/8倍より小さくともよい。これはマクロステップとなり、すなわち実質的に青色光の2πハーモニックスであるステップ高さを有し、マイクロステップ、たとえば実質的に青色光の2πハーモニックスより小さいステップ高さを有する。当然に、必ずしもすべての周期がマイクロステップを有する必要はなく、そして/または必ずしもすべての周期が複数のハーモニックスとは一致しないステップ高さを有する必要はない。
図5A〜図5Cは、同一スケールで、同一周期において赤色光の1次回折光を与える位相関数、赤外光の16次回折光を与える位相関数、および青色光の高効率の0次光と、赤色光の1次回折光と、赤外光の16次回折光とを与える最終的な回折デザインを概略的に示すものである。図5Aおよび図5Bにおいて、これらの波の(2πの係数倍とした)値に基づいて位相関数が図示されており、図5Cは実際のステップ高さに基づいた回折部品が図示されている。青色光に対する強い0次光についての単一の線形グレーティングは、図示されていないが、波はすべて効率的に0であるので、極力平坦な表面である。この特定の具体例おいて、図5Aに示す1周期において、図5Bに示す16周期あり、図5Cに示す8周期存在する。
図5Aに図示されているように、赤色光に対する1次回折光を与える位相関数は、緩やかに変化する位相を有する一方、図5Bに示すように、赤外光に対する16次回折光を与える位相関数は、1次光に対するすべての位相レベルを確実に通過するように、速い(短い)格子周期を有し、微小周期を有するブレーズド格子に相当するものであってもよい。IDOを用いて、全体の深さに制限を設けて、たとえば64箇所(図5Bの位相関数に対して4ステップおよび図5Aにおいて16ステップ)の位置においてサンプル収集した格子周期を形成し、実際の位相関数に適用することが可能な参照テーブルを作成することができる。単一の連続的構造体を形成するのではなく、光学的エッチング深度が2πより大きい場合、位相関数は各波長に対して量子化することができる。たとえば、各周期を4ステップまたは8ステップに分割することができる。
したがって、図5Cに示す単一回折部品のための回折デザインは、2πより大きい深度を有する量子化された離散的レベルを有していてもよい。このとき2つの異なる位相関数が1次光および16次光を最適化する。ここで明らかなように、回折部品はいずれかの方向において2πで変化する隣接ステップを有していてもよく、ステップの絶対値は単調関数ではない。複合的な回折部品の位相関数が単調に増大する場合、実際の装置で用いられるエッチング深度はない。すなわち、極大値または極小値があってもよい。
図6Aは、本発明に係る実施形態によるDOEコレクタのエッチング深度を図示するものである。X軸はDOEコレクタの中心から外方向にmm単位で、Y軸はエッチング深度(ステップ高さ)をμm単位で図示されている。より濃いプロットはエッチング深度が深いデザインのもので、たとえば最大エッチング深度(ステップ高さ)が8μmで、これは青色光の10倍ハーモニックスであり、より浅いプロットはエッチング深度が浅いデザインのもので、たとえば最大エッチング深度(ステップ高さ)が4μmで、これは青色光の6倍ハーモニックスである。図6Aから明らかなように、これらの構造体は、2の係数でほぼ関連する特徴を有するが、これらのデザインは、特定のデザインに対して最適化される。図6Aから明らかなように、たとえば0.36mmポイントの周囲において、深い構造体および浅い構造体は若干増加しており、マイクロステップを有する。
波長の感度と全体的な効率をバランス調整する際、エッチング深度は8〜10倍ハーモニックスの範囲にある。たとえば溶融シリカ内の10倍ハーモニックスは、少なくとも64%の赤外光効率、少なくとも79%の赤色光効率、および少なくとも64%の青色光効率を与えるものであってもよい。すなわち、3つすべての波長光に対する単一回折表面の効率は、たとえば44%、50%、70%であって、少なくとも約40%より大きく、青色光に対する効率は、たとえば90%であって、少なくとも約75%より大きい。
また、たとえばBPVEなどの溶融シリカより分散的な材料からなる基板に、上記デザインを用いてもよい。これらのより分散的な基板は、赤外光効率をさらに改善する。赤色光と青色光の間の位相差が約1〜2%で、赤外光と青色光の間の位相差が約2〜3%である任意の適当で動作可能な材料が有用であり得る。さらに、青色光に対する理想的なハーモニック量子化を、こうした材料に適用することができる。
図6Bは、5つのマスク、すなわち32通りの可能性のある位相レベルを用いたデザインで採用された青色位相差をラジアンで示すものである。これらの差は、実際の位相と理想的な位相の間のものであり、理想的な回折における位相誤差である。青色光と赤外光の間の位相差の増大に加えて、赤色光と赤外光の間の干渉を防止するように位相オフセット(位相ずれ)を選択するようにしてもよい。これらの位相差はすべて、1ラジアン、すなわち1/6倍の波より小さい。全体部品にわたるオフセットがあまりも大きい場合、効率が損なわれ、光学部品は青色光に対して実質的に調和すべきである。
図6Cは、本発明に係る実施形態によるDOEコレクタの概略的な平面図である。異なる領域は、異なる回折構造体を有するか、回折構造体を有さず、異なるより小さいビームはこれらの領域に入射することはない。とりわけ中央領域662は、3つすべての波長光のために設計され、中間環帯(アニュラス)664は赤色光および青色光のみのために設計され、外側環帯666は青色光のみのために設計されて、回折構造体を有さない。赤外光を排除することにより、ハーモニック格子およびより小さいエッチング深度を用いることができる。追加的または択一的に、DOEコレクタの中心に金属などの掩蔽物(obscuration)668があってもよい。
図7は、2以上の波長光を用い、上述の任意の実施形態により作製された共通DOEコレクタ600と、共通の対物レンズ620とを有する光学ヘッド700の概略的な側面図である。光学ヘッド700は、光学式記憶媒体のための実装部品800に隣接して設けられる。
光学ヘッド700は、第1、第2および第3の光源710,720,730を有する。第1のレンズ740は、第1、第2および第3の光源からの光をコリメートするものであるが、実際には、各波長光は個別のレンズを用いてコリメートしてもよい。コリメートされた光は、第1のビームスプリッタ750によりDOEコレクタ600および対物レンズ620に向けられ、実装部品800上の光学式記憶媒体に照射される。光学式記憶媒体で反射した光は、対物レンズ620およびDOEコレクタ600を通り、第1のビームスプリッタ750を通過する。光は第2のレンズ780により光検出器790に集光される。図7においては、第1の光源710から出射された光が図示されている。
3つの光源を独立して設けたとき、第2および第3の光源720,730からの光を第1のレンズに配向するために、第2および第3のビームスプリッタ760,770を設けてもよい。択一的には、3つのすべての波長光を出射する単一光源を用いると、第2および第3のビームスプリッタ760,770を省略することができる。
図8A〜図8Cは、DOEコレクタ600、およびBD630、DVD640、CD650のそれぞれを操作するための対物レンズ620の概略的な側面図である。図から明らかなように、BD630に対する開口数は最大であり、BD630は最も薄い光学式記憶媒体である。またCD650に対する開口数は最小であり、CD650は最も厚い光学式記憶媒体である。
図9は、本発明に係る実施形態による光ヘッド700を有する光ディスクドライブ900を示すものである。光学式記憶媒体は回転子920上に実装されていてもよい。光ヘッド700は、光学式記憶媒体を横断するように回転子920に対して並進移動することができる。コントローラ910は、焦点合わせ、トラッキング、回転動作および並進動作を制御することができる。このコントローラは、光ヘッド700から出力された情報を再生して、記録信号を光ヘッド700に送信することができる。本発明に係る実施形態によれば、光ディスクドライブは異なる光媒体を取り扱うことができる。
図10は、光ディスクドライブ900、モニタ1010、およびキーボードなどの入力装置1020を有するコンピュータ1000の正面図である。図11は、光ディスクドライブ900および表示装置1110を有する携帯型装置1100の正面図である。携帯型装置1100は、たとえばラップトップコンピュータや携帯型の光ディスクプレーヤ/リコーダであってもよい。図12は、光ディスクドライブ900を含む光ディスクプレーヤ/リコーダ1200と、光ディスクプレーヤ/リコーダに優先または無線で接続される別個の表示装置1210とを備えたシステムの斜視図である。
DOEコレクタの任意の実施形態をウエハレベルで作製することができる、すなわち複数のDOEコレクタを作製した後、個々のDOEコレクタに分断できることについて留意すべきである。さらに、図2を参照して説明したように、こうした分断の前工程または後工程において、ウエハ上でDOE作製されたコレクタは、光ヘッドの他の光学部品とともに固定あるいは垂直方向に積層される。DOEコレクタは、リソグラフィック技術作製ウエハ工程を用いた生産を含む、任意の既知のリソグラフィック技術を用いて作製することができる。さらに、図2の屈折レンズは、球状レンズとして図示されているが、本発明に基づいてウエハレベルで作製可能なマイクロレンズを採用することができる。
上記実施形態の任意の実施形態において開口数(NA)を調整するために、散乱領域を形成してより長い波長の光の一方または両方、すなわち785nmの光、または785nmおよび660nmの光の両方を散乱させて、これらの波長における有効開口数を抑制してもよい。たとえば785nmの光に対する有効開口数を低減するため、上述のデザイン手法を用いることができるが、785nmの光のための所望の位相関数はバイナリ格子となり、このバイナリ格子は十分に高い空間周波数を有するため、ディスクでの信号出力を実質的に低減するのに十分な程度に大きい領域に785nmの光を回折する。
本発明のDOEコレクタの任意の上記実施形態において、追加的な回折部品を設けて、青色光の波長の微小変化などの分散を補正してもよいし、あるいは、こうした補正をDOEコレクタ内で用いられる回折部品の1つに取り込んでもよい。こうした分散補正により、焦点距離を適当な位置に維持することができる。
図面において、層および領域の寸法は、理解しやすくするために誇張して図示されている。なお、部品または層が別の部品または層に対して、「上に(on)」、「接続された(connected to)」、または「連結された(coupled to)」と記載した場合には、直接的に「上に」、「接続された」、または「連結された」場合と、介在する部品または層が存在する場合とを含み得ることを理解されたい。これとは異なり、部品が別の部品または層に対して、「直接上に(on)」、「直接接続された(connected to)」、または「直接連結された(coupled to)」と記載した場合には、介在する部品または層が存在しない。さらに層が別の層の「下方(under)」または「上方(above)」にあると記載した場合には、
「直接下方」または「直接上方」にある場合と、1つ以上の介在する部品または層が存在する場合とを含み得ることを理解されたい。さらに、層が2つの層の「間に(between)」にあると記載したとき、2つの層の間にその層だけが存在する場合と、1つまたはそれ以上の介在する層が存在する場合とがある。この明細書における「そして/または(and/or)」なる用語は、列挙された関連項目の1つまたはそれ以上の任意のすべての組み合わせを含むものである。
「第1(first)」および「第2(second)」なる用語を用いて、さまざまな部品、構造体、構成部品、領域、層および/または区域を記述し、これらの部品、構造体、構成部品、領域、層および/または区域は、これらの用語により限定されるものではない。これらの用語は、1つの部品、構造体、構成部品、領域、層および/または区域を区別するためだけに用いられるものではない。すなわち以下に説明する第1の部品、構造体、構成部品、領域、層および/または区域は、例示的な実施形態の開示内容を逸脱することなく、第2の部品、構造体、構成部品、領域、層および/または区域と記載され得る。
「直下に(beneath)」、「下方に(below)」、「下側に(lower)」、「上方に(above)」、「上側に(upper)」などの空間的関係を示す用語は、図面を参照したとき、1つの部品または構造物を他の部品または構造物の関係を説明しやすくするためのものである。空間的関係を表す用語は、図面に示す方向に加えて、使用または操作されるデバイスのさまざまな方向を含むことを意図されている点につき理解されたい。別の部品や層の「下方」または「下側」と記載された部品や層は、たとえば図中のデバイスが反転(上下逆転)したとき、別の部品や層の「上方」に配向される。すなわち、例示的な用語「下方に」は、上方および下方の両方の配向を含み得る。デバイスは、その他の方向に配向(90°または他の配向方向に回転)させることができ、これに応じて空間相対的な記述を解釈することができる。
ここで用いられる表現は、特定の実施形態のみを記述するためのものであり、例示的な実施形態を限定することを意図したものではない。ここで用いられるように、単数形の「1つの(a, an)」や「その(the)」は、内容から明らかに単数形でない限り、複数の形態を同様に含み得る。また明細書で記載された「備える(comprises)」および/または「備え(comprising)」なる用語は、記述された特徴部品、整数、ステップ、操作、部品、および/または構成部材の存在を特定するが、他の特徴部品、整数、ステップ、操作、部品、構成部材および/またはこれらのグループを排除するものではない点につき理解されたい。
例示的な実施形態の理想化された実施例(および中間的構造体)を概略的に示した断面図を参照して、例示的な実施形態を説明した。よって、たとえば製造方法および/または公差などについて、図示したものとは異なる場合があり得る。すなわち、例示的な実施形態は、図示された領域の特定形状に限定して解釈すべきではなく、むしろたとえば製造方法から得られる形状の変形例を含み得る。たとえば、矩形として図示された領域は、通常、円形または湾曲した特徴物を有し、および/または埋設領域から非埋設領域のバイナリ変化ではなく、端部における埋設濃度の勾配を含むものである。同様に、埋設により形成された埋め込み領域は、埋め込み領域と埋設がなされる表面の間の領域における埋設を形成してもよい。すなわち、図に示す領域は、本質的には概略的であって、その形状は実際のデバイスの領域の形状を示すことを意図したものではなく、例示的な実施形態の範囲を限定することを意図したものでもない。
特に言及がなければ、ここで用いられるすべての用語(技術的および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態の技術分野における当業者が共通に理解する意味と同一の意味を有する。一般に用いられる辞書で定義された用語は、特に明示的に定義されていなければ、当該技術分野の文脈における意味と一致する意味を有するものとして解釈すべきであって、理想的または全体的に形式的に意味に解釈すべきではないことを理解されたい。
特定の用語を用いて、本発明の実施形態について説明したが、これらの用語は一般的で記述的な意味でのみ解釈すべきであって、限界して解釈すべきものではない。たとえば、球面レンズについて説明したが、他の形状、異なる位置合わせ機構を用いてもよい。第1ないし第3の波長は、波長が互いに異なることを意味するものであって、波長の互いに対する特定の順序を示唆するものではない。したがって、当業者ならば、添付クレームに記載された本発明の精神および範疇から逸脱することなく、形態および詳細におけるさまざまな変形例が理解される。
5:DOEコレクタ、10:基板、12:第1の回折部品、14:第2の回折部品、20:基板、22:孔、24:レンズ、26:接着剤、30:接合部材、35:光学部品。

Claims (22)

  1. 複数の周期を有する回折構造体を有する基板を備え、
    複数の周期のうちの少なくとも1つの周期が複数のステップを有し、
    複数のステップの高さが少なくとも1つの周期において非単調的に増大することを特徴とする光学部品。
  2. 基板が溶融シリカであることを特徴とする請求項1に記載の光学部品。
  3. 複数のステップがλ/(n−1)の実質的な倍数であることを特徴とする請求項1に記載の光学部品。
  4. 2πを係数とするデザイン波長が光学部品の中心から離れて増大することを特徴とする請求項1に記載の光学部品。
  5. 光学部品が第1の波長λ1および第2の波長λ2を用い、
    基板が次式を実質的に満足する屈折率nを有することを特徴とする請求項1に記載の光学部品。
    Figure 2009540388
  6. 光学部品は、第1の波長の0次回折光に対して少なくとも75%の効率を有し、第2の波長の1次回折光に対して少なくとも44%の効率を有することを特徴とする請求項5に記載の光学部品。
  7. ステップ高さが第1の波長のハーモニックの1ラジアン内であることを特徴とする請求項5に記載の光学部品。
  8. 光学部品が第3の波長λ3を用い、
    第3の波長λ3が第1の波長λ1と第2の波長λ2の間であることを特徴とする請求項5に記載の光学部品。
  9. 少なくとも1つの周期における複数のステップのうちの少なくとも1つのステップがより高い隣接するステップおよびより低い隣接するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の光学部品。
  10. ステップ高さは実質的にデザイン波長のハーモニックスであることを特徴とする請求項1に記載の光学部品。
  11. 少なくとも1つのステップ上にサブステップをさらに有することを特徴とする請求項10に記載の光学部品。
  12. 少なくとも1つの周期における高さステップ高さが、デザイン波長の実質的なハーモニックスから1ラジアン未満だけずれていることを特徴とする請求項1に記載の光学部品。
  13. 光学部品におけるステップ高さの大多数がデザイン波長の実質的なハーモニックスから1ラジアン未満だけずれていることを特徴とする請求項12に記載の光学部品。
  14. 第1および第2の波長で光を出力するように構成された光源と、
    第1の波長の光を第1の光学媒体タイプ上に集光し、第2の波長の光を第2の光学媒体タイプ上に集光するように構成されたレンズと、
    光源とレンズの間に配置された請求項1〜13のいずれか1に記載の光学部品と、
    第1および第2の波長の光を検出するように構成された受光器とを備えたことを特徴とする光学ヘッド。
  15. 光学部品がレンズに隣接して配置されたことを特徴とする請求項14に記載の光学ヘッド。
  16. 光源は、第3の波長で光を出力するように構成され、
    レンズは、第3の波長の光を第3の光学媒体タイプ上に集光するように構成されたことを特徴とする請求項14に記載の光学ヘッド。
  17. 第1の波長が最も短い波長であり、
    光学部品が第1の波長の実質的なハーモニックスであるステップ高さを有することを特徴とする請求項16に記載の光学ヘッド。
  18. 第1の波長が約380nm〜約420nmであり、第2の波長が約630nm〜約680nmであり、第3の波長が約780nm〜約820nmであることを特徴とする請求項16に記載の光学ヘッド。
  19. 光学部品およびレンズが第1の焦点距離および第1の開口数を有する第1の波長の光と、第2の焦点距離および第2の開口数を有する第2の波長の光と、第3の焦点距離および第3の開口数を有する第3の波長の光とを形成することを特徴とする請求項16に記載の光学ヘッド。
  20. 第1の波長が最も短い波長であり、
    光学部品が第1の波長の実質的なハーモニックスであるステップ高さを有することを特徴とする請求項14に記載の光学ヘッド。
  21. 第1の波長が約380nm〜約420nmであり、第2の波長が約630nm〜約680nmであることを特徴とする請求項20に記載の光学ヘッド。
  22. 光学部品およびレンズが第1の波長の光に第2の波長の光とは異なる焦点距離および開口数を与えることを特徴とする請求項14に記載の光学ヘッド。
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