JP2009538847A - 置換複素環およびそれらの使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I)の置換複素環、それらの製造方法、障害の処置および/または予防のためのそれらの使用、並びに障害、特に血栓塞栓性障害の処置および/または予防用の医薬を製造するためのそれらの使用に関する。
【化1】

Description

本発明は、新規置換複素環、それらの製造方法、疾患の処置および/または予防のためのそれらの使用、並びに疾患、特に血栓塞栓性障害の処置および/または予防用の医薬を製造するためのそれらの使用に関する。
血液凝固は、血管壁の欠損を迅速かつ確実に「封止」するのを助ける生物の保護メカニズムである。かくして、血液の損失を回避または最小に維持できる。血管損傷後の止血は主に凝血系により実行され、そこでは血漿タンパク質の複雑な反応の酵素的カスケードが誘起される。多数の血液凝固因子がこの過程に関与し、それらの因子の各々は、活性化されると、各々の次の不活性な前駆体をその活性形態に変換する。カスケードの終わりでは、可溶性フィブリノーゲンの不溶性フィブリンへの変換に至り、血餅の形成をもたらす。血液凝固では、伝統的に、共通の反応経路で終わる内因性と外因性のシステムは区別されている。ここで、酵素前駆体のX因子から形成されるXa因子は、この2つの凝血経路を連結するので、鍵となる役割を果たす。活性化されたセリンプロテアーゼXaは、プロトロンビンをトロンビンに切断する。生じるトロンビンは、次いで、フィブリノーゲンをフィブリンに切断する。続くフィブリン単量体のクロスリンクは、血餅の形成を、従って止血を引き起こす。加えて、トロンビンは、同様に止血にかなり貢献する血小板凝集の強力なエフェクターである。
止血は、複雑な調節メカニズムに従う。凝血系の制御されない活性化または活性化過程の阻害の欠陥は、血管(動脈、静脈、リンパ管)または心腔における局所的な血栓または塞栓の形成を引き起こし得る。これは、深刻な血栓塞栓性障害を導き得る。加えて、消費性凝固障害の場合、過凝固状態は、汎発性の血管内凝血を−全身的に−もたらし得る。血栓塞栓性の合併症は、さらに、微小血管障害性の溶血性貧血、血液透析などの体外血液循環、および心臓代用弁(prosthetic heart valves)とも関連して起こる。
血栓塞栓性障害は、最も工業化された国々における最も頻繁な罹患と死亡の原因である [Heart Disease: A Textbook of Cardiovascular Medicine, Eugene Braunwald, 5th edition, 1997, W.B. Saunders Company, Philadelphia]。
先行技術から知られている抗凝血剤、即ち、血液凝固を阻害または予防する物質は、様々な、しばしば深刻な、欠点を有する。従って、血栓塞栓性障害の有効な処置方法または予防は、実際のところ非常に困難かつ不満足なものである。
血栓塞栓性障害の治療および予防では、ヘパリンが最初に使用され、非経腸で、または皮下に投与される。この頃は、より好適な薬物動態学的特性のために、低分子量ヘパリンがますます好まれている;しかしながら、低分子量ヘパリンを用いても、ヘパリン治療に伴う後述する既知の欠点を回避するのは不可能である。このように、ヘパリンは、経口投与されると効果がなく、比較的短い半減期である。ヘパリンは血液凝固カスケードの複数の因子を同時に阻害するので、作用は非選択的である。さらに、高い出血のリスクがある;特に、脳出血および消化管での出血が起こり得、それは、血小板減少、薬物誘導脱毛症または骨粗鬆症をもたらし得る [Pschyrembel, Klinisches Woerterbuch, 257th edition, 1994, Walter de Gruyter Verlag, page 610, entry "Heparin"; Roempp Lexikon Chemie, Version 1.5, 1998, Georg Thieme Verlag Stuttgart, entry "Heparin"]。
第2のクラスの抗凝血剤は、ビタミンKアンタゴニストである。これらには、例えば1,3−インダンジオン類、並びに、ことさらに、肝臓におけるある種のビタミンK依存性凝血因子の様々な生成物の合成を非選択的に阻害する、ワーファリン、フェノプロクモン(phenprocoumon)、ジクマロールおよび他のクマリン誘導体などの化合物が含まれる。しかしながら、作用メカニズムのために、作用の開始は非常に遅い(作用開始までの潜時36ないし48時間)。この化合物は経口投与できる;しかしながら、出血のリスクが高く治療係数が狭いために、時間のかかる患者の個別の調整と監視が必要である。[J. Hirsh, J. Dalen, D.R. Anderson et al., "Oral anticoagulants: Mechanism of action, clinical effectiveness, and optimal therapeutic range" Chest 2001, 119, 8S-21S; J. Ansell, J. Hirsh, J. Dalen et al., "Managing oral anticoagulant therapy" Chest 2001, 119, 22S-38S; P.S. Wells, A.M. Holbrook, N.R. Crowther et al., "Interactions of warfarin with drugs and food" Ann. Intern. Med. 1994, 121, 676-683]。
最近、血栓塞栓性障害の処置および予防のための新規治療アプローチが記載された。この新規治療アプローチのねらいは、Xa因子の阻害である。血液凝固カスケードにおいてXa因子が果たす中心的役割のために、Xa因子は、抗凝血剤の最も重要な標的の1つである [J. Hauptmann, J. Stuerzebecher, Thrombosis Research 1999, 93, 203; S.A.V. Raghavan, M. Dikshit, "Recent advances in the status and targets of antithrombotic agents" Drugs Fut. 2002, 27, 669-683; H.A. Wieland, V. Laux, D. Kozian, M. Lorenz, "Approaches in anticoagulation: Rationales for target positioning" Curr. Opin. Investig. Drugs 2003, 4, 264-271; U.J. Ries, W. Wienen, "Serine proteases as targets for (online publication August 2004)antithrombotic therapy" Drugs Fut. 2003, 28, 355-370; L.-A. Linkins, J.I. Weitz, "New anticoagulant therapy" Annu. Rev. Med. 2005, 56, 63-77 (online publication August 2004)]。
動物モデルで、様々なペプチド性および非ペプチド性化合物がXa因子阻害剤として有効であることが示された。既に、多数の直接的Xa因子阻害剤が知られている [J.M. Walenga, W.P. Jeske, D. Hoppensteadt, J. Fareed, "Factor Xa Inhibitors: Today and beyond" Curr. Opin. Investig. Drugs 2003, 4, 272-281; J. Ruef, H.A. Katus, "New antithrombotic drugs on the horizon" Expert Opin. Investig. Drugs 2003, 12, 781-797; M.L. Quan, J.M. Smallheer, "The race to an orally active Factor Xa inhibitor: Recent advances" Curr. Opin. Drug Discovery & Development 2004, 7, 460-469; A. Casimiro-Garcia et al., "Progress in the discovery of Factor Xa inhibitors" Expert Opin. Ther. Patents 2006, 15, 119-145] に記載されている。非ペプチド性低分子量Xa因子阻害剤は、また、例えば、WO06/002099およびWO03/026652に記載されている。
本発明の目的は、ヒトおよび動物の障害、特に血栓塞栓性障害を制御するための、匹敵するか改善された活性および改善された水性溶液中での溶解性を有する新規の代替化合物を提供することである。
本発明は、式
Figure 2009538847
[式中、
nは、1、2または3の数を表し、
Aは、5員のヘテロアリールまたは5員の複素環を表し、
ここで、ヘテロアリールおよび複素環は、1位または2位でフェニル環に結合しており、ヘテロアリールおよび複素環は、フェニル環およびカルボニルアミノメチルと1,3−結合をしており、
そして、ヘテロアリールおよび複素環は、置換基Rにより置換されていてもよく
{ここで、Rは、カルボニルアミノメチル基が結合している原子に隣接する原子に結合しており、フェニル環と1,4−結合をしており、
そして、Rが結合している原子は、窒素または炭素原子であり、
そして、Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルキルアミノスルホニルまたはC−C−アルキルスルホニルを表す
(ここで、アルキル、アルキルアミノおよびアルキルアミノスルホニルは、1個の置換基により置換されていてもよく、その置換基は、ヒドロキシ、アミノ、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニルおよび窒素原子を介して結合している5員または6員の複素環からなる群から選択され、
そして、アルキルアミノカルボニルは、1個の置換基により置換されていてもよく、その置換基は、ヒドロキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノおよび窒素原子を介して結合している5員または6員の複素環からなる群から選択される)}、
は、水素、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−シクロアルキルカルボニル、フェニルカルボニル、4員ないし7員の複素環カルボニルまたは5員または6員のヘテロアリールカルボニルを表し、
は、水素、フッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシメチル、C−C−アルキルアミノ、C−C−シクロアルキル、アミノカルボニル、C−C−アルコキシカルボニルまたはC−C−アルキルアミノカルボニルを表し、
は、水素、フッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシメチル、C−C−アルキルアミノ、C−C−シクロアルキル、アミノカルボニル、C−C−アルコキシカルボニルまたはC−C−アルキルアミノカルボニルを表し、
は、式
Figure 2009538847
{ここで、*は、カルボニル基への結合点であり、
は、水素、フッ素、塩素、シアノ、エチニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−シクロアルキルを表し、
は、水素、アミノ、C−C−アルキル、C−C−アルキルアミノまたはC−C−シクロアルキルを表し、
そして、Rは、水素、フッ素、塩素、アミノまたはC−C−アルキルを表す}
の基を表す]
の化合物、並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物を提供する。
本発明による化合物は、式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、式(I)に包含される後述する式の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、並びに、式(I)に包含される実施態様として後述する化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物(後述する式(I)に含まれる化合物が、既に塩、溶媒和物および塩の溶媒和物でない場合に)である。
本発明による化合物は、それらの構造によって、立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在できる。従って、本発明は、エナンチオマーまたはジアステレオマーおよびそれらの各々の混合物を含む。そのようなエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物から、立体異性的に均一な構成分を既知方法で単離できる。
本発明による化合物が互変異性体で存在できる場合、本発明は、全ての互変異性体を含む。
本発明に関して、好ましいは、本発明による化合物の生理的に許容し得る塩である。本発明はまた、それら自体は医薬適用に適さないが、例えば本発明による化合物の単離または精製に使用できる塩も含む。
本発明による化合物の生理的に許容し得る塩には、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩が含まれる。
本発明による化合物の生理的に許容し得る塩には、また、常套の塩基の塩、例えば、そして好ましくは、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩およびマグネシウム塩)、および、アンモニアまたは1個ないし16個の炭素原子を有する有機アミン(例えば、そして好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リジン、エチレンジアミンおよびN−メチルピペリジン)から誘導されるアンモニウム塩が含まれる。
本発明に関して、溶媒和物は、固体または液体状態で溶媒分子との配位により錯体を形成している本発明による化合物の形態である。水和物は、配位が水とのものである、溶媒和物の特別な形態である。本発明に関して、好ましい溶媒和物は水和物である。
さらに、本発明はまた、本発明による化合物のプロドラッグも含む。用語「プロドラッグ」は、それら自体は生物学的に活性であっても不活性であってもよいが、それらが体内に滞在する時間中に、本発明による化合物に(例えば代謝的または加水分解的に)変換される化合物を含む。
本発明に関して、断りのない限り、置換基は、以下の意味を有する:
アルキル自体、並びに、アルコキシ、アルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノスルホニルおよびアルキルスルホニル中の「アルコ(alk)」および「アルキル」は、一般的に1個ないし4個、好ましくは1個または2個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルラジカル、例えば、そして好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびtert−ブチルを表す。
例えば、そして好ましくは、アルコキシは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシおよびtert−ブトキシを表す。
アルキルアミノは、1個または2個のアルキル置換基(相互に独立して選択される)を有するアルキルアミノラジカル、例えば、そして好ましくは、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、tert−ブチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノおよびN−tert−ブチル−N−メチルアミノを表す。例えば、C−C−アルキルアミノは、1個ないし3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノラジカルを表すか、または、アルキル置換基毎に各場合で1個ないし3個の炭素原子を有するジアルキルアミノラジカルを表す。
例えば、そして好ましくは、アルコキシカルボニルは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルおよびtert−ブトキシカルボニルを表す。
アルキルアミノカルボニルは、1個または2個のアルキル置換基(相互に独立して選択される)を有するアルキルアミノカルボニルラジカル、例えば、そして好ましくは、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n−プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、tert−ブチルアミノカルボニル、N,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−ジエチルアミノカルボニル、N−エチル−N−メチルアミノカルボニル、N−メチル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノカルボニルおよびN−tert−ブチル−N−メチルアミノカルボニルを表す。例えば、C−C−アルキルアミノカルボニルは、1個ないし3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノカルボニルラジカルを表すか、または、アルキル置換基毎に各場合で1個ないし3個の炭素原子を有するジアルキルアミノカルボニルラジカルを表す。
アルキルアミノスルホニルは、1個または2個のアルキル置換基(相互に独立して選択される)を有するアルキルアミノスルホニルラジカル、例えば、そして好ましくは、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニル、n−プロピルアミノスルホニル、イソプロピルアミノスルホニル、tert−ブチルアミノスルホニル、N,N−ジメチルアミノスルホニル、N,N−ジエチルアミノスルホニル、N−エチル−N−メチルアミノスルホニル、N−メチル−N−n−プロピルアミノスルホニル、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノスルホニルおよびN−tert−ブチル−N−メチルアミノスルホニルを表す。例えば、C−C−アルキルアミノスルホニルは、1個ないし3個の炭素原子を有するモノアルキルアミノスルホニルラジカルを表すか、または、アルキル置換基毎に各場合で1個ないし3個の炭素原子を有するジアルキルアミノスルホニルラジカルを表す。
例えば、そして好ましくは、アルキルスルホニルは、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニルおよびtert−ブチルスルホニルを表す。
シクロアルキルは、一般的に3個ないし7個の炭素原子、好ましくは3個ないし5個の炭素原子を有するシクロアルキル基、例えば、そして好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを表す。
複素環は、5個または6個の環原子を有し、N、O、S、SO、SOからなる群から3個まで、好ましくは2個までのヘテロ原子および/またはヘテロ基を有する単環式ラジカルを表す。複素環ラジカルは、飽和または部分不飽和であり得る。好ましいのは、O、NおよびSからなる群から2個までのヘテロ原子を有する複素環ラジカル、例えば、そして好ましくは、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピロリニル、イソオキサゾリニルおよびモルホリニルである。
ヘテロアリールは、5個の環原子を有し、S、OおよびNからなる群から4個までのヘテロ原子を有する芳香族性単環式ラジカル、例えば、そして好ましくは、チエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリルおよびピラゾリルを表す。
本発明による化合物中のラジカルが置換されている場合、そのラジカルは、断りのない限り、一置換または多置換されていてよい。本発明に関して、1回以上出てくる全てのラジカルの意味は、相互に独立している。1個、2個または3個の同一または異なる置換基による置換が好ましい。1個の置換基による置換がことさら特に好ましい。
を表し得る基の式中、*の隣の線の終点は、炭素原子またはCH基を表さず、Rが結合している原子への結合の一部である。
Aを表し得る基の式中、#1または#2の隣の線の終点は、炭素原子またはCH基を表さず、Aが結合している原子への結合の一部である。
好ましいのは、式中、
nが、1、2または3の数を表し、
Aが、5員のヘテロアリールまたは部分不飽和の5員の複素環を表し、
ここで、ヘテロアリールおよび複素環は、1位または2位でフェニル環に結合しており、ヘテロアリールおよび複素環自体は、フェニル環およびカルボニルアミノメチル基と1,3−結合をしており、
そして、ヘテロアリールおよび複素環は、置換基Rにより置換されていてもよく
{ここで、Rは、カルボニルアミノメチル基が結合している原子に隣接する原子に結合しており、フェニル環と1,4−結合をしており、
そして、Rが結合している原子は、窒素または炭素原子であり、
そして、Rは、アミノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシメチル、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルアミノメチル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルメチル、ヒドロキシカルボニルエチル、アミノカルボニル、アミノカルボニルメチル、アミノカルボニルエチル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルコキシカルボニルメチル、C−C−アルコキシカルボニルエチル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニルメチル、C−C−アルキルアミノカルボニルエチル、アミノスルホニル、C−C−アルキルアミノスルホニルまたはC−C−アルキルスルホニルを表す
(ここで、アルキルは、1個の置換基により置換されていてもよく、その置換基は、ヒドロキシおよびアミノからなる群から選択され、
そして、エチルアミノカルボニルおよびプロピルアミノカルボニルは、1個の置換基により置換されていてもよく、その置換基は、ヒドロキシ、アミノおよびC−C−アルキルアミノからなる群から選択される)}、
が、水素、シアノ、ヒドロキシまたはC−C−アルキルを表し、
が、水素、フッ素、塩素、シアノ、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
が、水素、フッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシメチル、シクロプロピル、アミノカルボニル、C−C−アルコキシカルボニルまたはC−C−アルキルアミノカルボニルを表し、
が、式
Figure 2009538847
{ここで、*は、カルボニル基への結合点であり、
は、フッ素、塩素、エチニル、メチルまたはメトキシを表し、
そして、Rは、水素を表す}
の基を表す、
式(I)の化合物並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物である。
好ましいのは、また、式中、
nが、1または2の数を表し、
Aが、式
Figure 2009538847
{ここで、#1は、フェニル環への結合点であり、1位でフェニル環に結合しており、
#2は、カルボニルアミノメチル基への結合点であり、
は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシメチル、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルアミノメチル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルメチル、アミノカルボニル、アミノカルボニルメチル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルコキシカルボニルメチル、C−C−アルキルアミノカルボニルまたはC−C−アルキルアミノカルボニルメチルを表す
(ここで、アルキルは、1個の置換基により置換されていてもよく、その置換基は、ヒドロキシおよびアミノからなる群から選択され、
そして、エチルアミノカルボニルは、1個の置換基により置換されていてもよく、その置換基は、ヒドロキシ、アミノおよびC−C−アルキルアミノからなる群から選択される)}
の基を表し、
が、水素を表し、
が、水素またはフッ素を表し、
が、水素、フッ素、塩素、シアノ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、メトキシメチルまたはシクロプロピルを表し、
が、式
Figure 2009538847
{ここで、*は、カルボニル基への結合点であり、
は、フッ素、塩素またはメチルを表し、
そして、Rは、水素を表す}
の基を表す、
式(I)の化合物並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物である。
好ましいのは、また、式中、
nが、1の数を表し、
Aが、式
Figure 2009538847
{ここで、#1は、フェニル環への結合点であり、1位でフェニル環に結合しており、
#2は、カルボニルアミノメチル基への結合点であり、
は、水素、ヒドロキシメチル、アミノメチル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシメチル、C−C−アルキルアミノメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、ヒドロキシエチルアミノカルボニルまたはC−C−アルキルアミノエチルアミノカルボニルを表す}
の基を表し、
が、水素を表し、
が、水素またはフッ素を表し、
が、水素、フッ素、塩素、メチルまたはメトキシを表し、
が、式
Figure 2009538847
{ここで、*は、カルボニル基への結合点であり、
は、塩素を表し、
そして、Rは、水素を表す}
の基を表す、
式(I)の化合物並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物である。
好ましいのは、また、nが1の数を表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、Aが式
Figure 2009538847
{ここで、#1は、フェニル環への結合点であり、1位でフェニル環に結合しており、
#2は、カルボニルアミノメチル基への結合点であり、
は、水素、ヒドロキシメチル、アミノメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C−C−アルコキシカルボニルまたはC−C−アルキルアミノカルボニルを表す}
の基を表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、Rが水素を表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、Rが水素を表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、Rが、水素、フッ素、塩素、メチルまたはメトキシを表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、Rが水素を表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、RおよびRが水素を表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、Rが水素を表し、Rがフッ素を表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、Rが式
Figure 2009538847
{ここで、*は、カルボニル基への結合点であり、Rは、塩素を表し、そして、Rは、水素を表す}
の基を表す、式(I)の化合物である。
ラジカルの各々の組合せまたは好ましい組合せで与えられる個々のラジカルの定義は、特に与えられるラジカルの組合せから独立して、いかなる他の組合せのラジカルの定義によっても置き換えられる。
上述の好ましい範囲の2つまたはそれ以上の組合せがことさら特に好ましい。
本発明は、さらに、式(I)の化合物、またはそれらの塩、それらの溶媒和物もしくはそれらの塩の溶媒和物の製造方法を提供し、その方法では、
[A]式
Figure 2009538847
(式中、n、A、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を、不活性溶媒中、酸の存在下、臭化シアンと反応させ、Rが水素を表す式(I)の化合物を得るか、
または、
[B]式
Figure 2009538847
(式中、n、A、R、RおよびRは、上記の意味を有し、そして、
PGは、ヒドロキシ保護基、好ましくはトリメチルシリルまたはtert−ブチルジメチルシリルを表す)
の化合物を、三段階の工程で、先ず不活性溶媒中で臭化シアンと、好ましくは塩基の存在下で反応させ、式
Figure 2009538847
(式中、n、A、R、RおよびRは、上記の意味を有し、そして、
PGは、ヒドロキシ保護基、好ましくはトリメチルシリルまたはtert−ブチルジメチルシリルを表す)
の化合物を得、次いで、保護基PGの除去により、以下の式
Figure 2009538847
(式中、n、A、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物に変換し、第3段階で、式(V)の化合物を、不活性溶媒中、酸の存在下で環化し、Rが水素を表す式(I)の化合物を得る(ここで、保護基の除去および環化は、好ましくは1つの反応段階で実施する)か、
または、
[C]式(II)の化合物を、第1段階で、式
Figure 2009538847
(式中、Rは、C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−シクロアルキルカルボニル、フェニルカルボニル、4員ないし7員の複素環カルボニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリールカルボニルを表す)
の化合物と反応させ、そして、第2段階で環化するか、
または、
[D]式(II)の化合物を、式
Figure 2009538847
(式中、Rは、シアノまたはC−C−アルキルを表し、そして、
Gは、脱離基、好ましくはフェノキシまたはメチルチオを表す)
の化合物と反応させるか、
または、
[E]Rが水素を表す式(I)の化合物を、ヒドロキシルアミン塩酸塩と反応させ、Rがヒドロキシを表す式(I)の化合物を得る。
が水素を表す式(I)の化合物を、必要に応じて、適当な溶媒および/または塩基もしくは酸を用いて、それらの塩、それらの溶媒和物および/またはそれらの塩の溶媒和物に変換できる。
それらの塩の遊離塩基は、例えば、塩基を添加したアセトニトリル/水グラジエントを使用する逆相カラムのクロマトグラフィーにより、特に、RP18 Phenomenex Luna C18(2) カラムおよびジエチルアミン塩基を使用することにより、または、それらの塩を有機溶媒に溶解し、重炭酸ナトリウムなどの塩基性の塩の水性溶液で抽出することにより、得ることができる。
代替法では、それらの塩を水に溶解し、重炭酸ナトリウム溶液の添加により塩基を沈殿させる。
本発明は、さらに、化合物の塩または化合物の塩の溶媒和物を、塩基を添加したクロマトグラフィーによりそれらの化合物に変換する、式(I)の化合物またはそれらの溶媒和物の製造方法を提供する。
工程[A]による反応は、一般的に、不活性溶媒中、好ましくは−20℃ないし50℃の温度範囲で、大気圧で実施する。
不活性溶媒は、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンまたはアセトニトリルまたはこれらの溶媒の混合物である。
酸は、例えば、強い無機または有機酸、例えば、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸またはトリフルオロ酢酸である。
工程[B]による第1段階の反応は、一般的に、不活性溶媒中、好ましくは−20℃ないし50℃の温度範囲で、大気圧で実施する。
不活性溶媒は、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンまたはアセトニトリル、または、これらの溶媒の混合物である。
塩基は、例えば、無機塩基、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩または重炭酸塩、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムもしくは炭酸セシウム、または、重炭酸ナトリウムもしくは重炭酸カリウム、または、アルカリ金属水素化物、例えば水素化ナトリウムである。
工程[B]による第2段階の、好ましいヒドロキシ保護基(PG)としてのトリメチルシリルまたはtert−ブチルジメチルシリルの除去は、一般的に、溶媒としてのテトラヒドロフラン中、好ましくはテトラ−n−ブチルアンモニウムフロリド(TBAF)を利用して、好ましくは0℃ないし40℃の温度範囲で、大気圧で実施する。
工程[B]による第3段階の反応は、一般的に、不活性溶媒中、好ましくは−20℃ないし50℃の温度範囲で、大気圧で実施する。
不活性溶媒は、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンまたはアセトニトリル、またはこれらの溶媒の混合物である。
酸は、例えば、強い無機または有機酸、例えば、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸またはトリフルオロ酢酸である。
工程[B]による第2および第3段階の反応は、特に好ましくは、酸に不安定なヒドロキシ保護基、例えば、トリメチルシリルまたはtert−ブチルジメチルシリルを使用して、過剰の酸の存在下、ワンポット反応として、不活性溶媒中、好ましくは−20℃ないし50℃の温度範囲で、大気圧で、式(V)の化合物の中間体を単離せずに実施する。
不活性溶媒は、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンまたはアセトニトリル、またはこれらの溶媒の混合物である。
酸は、例えば、強い無機または有機酸、例えば、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸またはトリフルオロ酢酸である。
工程[C]による第1段階の反応は、一般的に、文献から知られている方法と同様に、例えば、Hetenyi, et al., J. Org. Chem. 2003, 68, 2175-2182, D. Douglass, J. Amer. Chem. Soc. 1934, 56, 719, F.B. Dains et al., J. Amer. Chem. Soc. 1925, 47, 1981-1989 または F.B. Dains et al., J. Amer. Chem. Soc. 1922, 44, 2637-2643 に記載の通りに、実施する。
工程[C]による第2段階の反応は、一般的に、文献から知られている方法と同様に、例えば、T. Shibanuma, M. Shiono, T. Mukaiyama, Chem. Lett. 1977, 575-576 に記載の通りに、実施する。
工程[D]による反応は、一般的に、文献から知られている方法と同様に、例えば、N. Maezaki, A. Furusawa, S. Uchida, T. Tanaka, Tetrahedron 2001, 57, 9309-9316, G. Berecz, J. Reiter, G. Argay, A. Kalman, J. Heterocycl. Chem. 2002, 39, 319-326, R. Evers, M. Michalik, J. Prakt. Chem. 1991, 333, 699-710, R. Mohr, A. Buschauer, W. Schunack, Arch. Pharm. (Weinheim Ger.) 1988, 321, 221-227, P. J. Garratt, et al., Tetrahedron 1989, 45, 829-834 または V.A. Vaillancourt et al., J. Med. Chem. 2001, 44, 1231-1248 に記載の通りに、実施する。
工程[E]による反応は、一般的に、文献から知られている方法と同様に、例えば、G. Zinner, G. Nebel, Arch. Pharm. Ber. Dtsch. Ges. 1970, 303, 385-390 に記載の通りに、実施する。
式(VI)および(VII)の化合物は、知られているか、または、適当な出発物質から、既知方法により合成できる。
式(III)の化合物は、知られているか、または、式(II)の化合物から、当業者に知られている条件下で保護基PGを導入することにより、製造できる。
好ましいヒドロキシ保護基(PG)としてのトリメチルシリルまたはtert−ブチルジメチルシリルの導入は、一般的に、トリメチルシリルクロリド、tert−ブチルジメチルシリルクロリドまたはtert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートとの反応により、溶媒としてのテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドまたはジクロロメタン中、好ましくは、イミダゾールまたは2,6−ジメチルピリジンの存在下、好ましくは0℃ないし40℃の温度範囲で、大気圧で実施する。
式(II)の化合物は、知られているか、または、式
Figure 2009538847
(式中、A、R、RおよびRは、上記の意味を有し、
そして、Xは、臭素またはヨウ素を表す)
の化合物を、式
Figure 2009538847
(式中、nは上記の意味を有する)
の化合物と反応させることにより、製造できる。
この反応は、一般的に、不活性溶媒中、銅(I)塩、塩基およびジアミン配位子を添加して、好ましくは60℃ないし溶媒の還流の温度範囲で、大気圧で実施する。
不活性溶媒は、例えば、非プロトン性溶媒、例えばトルエン、ジオキサン、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミドである;好ましいのは、ジオキサンである。
銅(I)塩は、例えば、ヨウ化銅(I)、塩化銅(I)または酸化銅(I)である;好ましいのは、ヨウ化銅(I)である。
塩基は、例えば、リン酸カリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムである;好ましいのは、リン酸カリウムである。
ジアミン配位子は、例えば、1,2−ジアミン類、例えば、N,N'−ジメチルエチレンジアミンである。
式(VIII)の化合物は、知られているか、または、適当な出発物質から、複素環Aを構成するための当業者に知られている方法により、合成できる。
式(IX)の化合物は、知られているか、または、既知方法により、適当な出発物質から合成できる。
反応の間、式(II)、(III)、(IV)、(V)および(VIII)の化合物中のアミドの窒素は、必要に応じて、当業者に知られている保護基、好ましくは2,4−ジメトキシベンジル基で保護し得、それは、式(I)の化合物の合成の最終段階の条件下で除去される。
本発明による化合物の製造は、下記の合成スキームにより例示説明できる:
スキーム1
Figure 2009538847
スキーム2
Figure 2009538847
本発明による化合物は、予想し得なかった有用な薬理活性スペクトルを有する。
従って、それらは、ヒトおよび動物における疾患の処置および/または予防のための医薬としての使用に適する。
本発明による化合物は、特に抗凝血剤として作用する、血液凝固因子Xaの選択的阻害剤である。
加えて、本発明による化合物は、好適な物理化学的特性、例えば、治療的適用に有利な、水および生理的媒体における良好な溶解性を有する。
本発明はさらに、障害、好ましくは血栓塞栓性障害および/または血栓塞栓性合併症の処置および/または予防のための、本発明による化合物の使用を提供する。
本発明の目的上、「血栓塞栓性障害」には、特に、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)または非ST上昇型心筋梗塞(非STEMI)、安定狭心症、不安定狭心症、血管形成術または大動脈冠動脈バイパス術などの冠動脈介入後の再閉塞および再狭窄、末梢動脈閉塞疾患、肺栓塞症、深部静脈血栓および腎静脈血栓、一過性虚血発作および血栓性および血栓塞栓性卒中などの障害が含まれる。
従って、これらの物質は、例えば心房細動などの急性、間欠性または持続性心不整脈を有する患者、および電気的除細動を受けている者、さらに、心臓弁障害を有するか、または人工心臓弁を有する患者における、心原性血栓塞栓症、例えば、脳虚血、卒中および全身性血栓塞栓症および虚血の予防および処置にも適する。加えて、本発明による化合物は、汎発性血管内凝固症候群(DIC)の処置に適する。
血栓塞栓性合併症は、さらに、微小血管障害性溶血性貧血、血液透析などの体外血液循環において、そして心臓代用弁と関連して起こる。
さらに、本発明による化合物は、アテローム硬化性血管障害および炎症障害、例えば運動器のリウマチ性障害の予防および/または処置にも、そして、それに加えて、アルツハイマー病の予防および/または処置にも適する。さらに、本発明による化合物は、腫瘍の成長および転移形成の阻害、微小血管障害、加齢に伴う黄斑変性症、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症および他の微小血管の障害、また、例えば、腫瘍患者における、特に大きい外科的介入または化学もしくは放射線治療を受けている患者における、静脈血栓塞栓症などの血栓塞栓性合併症の予防および処置にも使用できる。
本発明による化合物は、さらに、エクスビボの凝血の防止、例えば、血液および血清製品の保存、カテーテルおよび他の医療器具および装置の清浄化/予処理、インビボまたはエクスビボで使用される医療器具および装置の合成表面(synthetic surface)の被覆、または、Xa因子を含む生物学的サンプルにも使用できる。
本発明は、さらに、障害、特に上述の障害の処置および/または予防のための、本発明による化合物の使用を提供する。
本発明は、さらに、障害、特に上述の障害の処置および/または予防用の医薬を製造するための、本発明による化合物の使用を提供する。
本発明は、さらに、抗凝血的に有効な量の本発明による化合物を使用する、障害、特に上述の障害の処置および/または予防方法を提供する。
本発明はさらに、抗凝血的に有効な量の本発明による化合物を添加することを特徴とする、インビトロの、特に、保存血液またはXa因子を含む生物学的サンプルにおける、血液凝固を防止する方法を提供する。
本発明はさらに、特に上述の障害の処置および/または予防のための、本発明による化合物および1種またはそれ以上のさらなる活性化合物を含む医薬を提供する。以下の化合物は、組合せに適する活性化合物として、例として、そして好ましく言及し得る:
・脂質低下剤、特にHMG−CoA(3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−補酵素A)リダクターゼ阻害剤;
・冠血管治療剤/血管拡張剤、特にACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤;AII(アンジオテンシンII)受容体アンタゴニスト;β−アドレナリン受容体アンタゴニスト;アルファ−1−アドレナリン受容体アンタゴニスト;利尿剤;カルシウムチャネル遮断剤;環状グアノシン一リン酸(cGMP)濃度の上昇を引き起こす物質、例えば、可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激剤;
・プラスミノーゲン活性化剤(血栓溶解剤/線維素溶解剤)および血栓溶解/線維素溶解を高める化合物、例えば、プラスミノーゲン活性化因子阻害因子の阻害剤(PAI阻害剤)またはトロンビン活性型繊維素溶解阻害因子の阻害剤(TAFI阻害剤);
・抗凝血剤;
・血小板凝集阻害性物質(血小板凝集阻害剤、栓球凝集阻害剤);
・フィブリノーゲン受容体アンタゴニスト(糖タンパク質IIb/IIIaアンタゴニスト);
・並びに抗不整脈薬。
本発明は、さらに、少なくとも1種の本発明による化合物を、通常1種またはそれ以上の不活性、非毒性の医薬的に許容し得る補助剤と共に含む医薬、および上述の目的でのそれらの使用を提供する。
本発明による化合物は、全身的および/または局所的に作用できる。この目的で、それらは、適する方法で、例えば、経口で、非経腸で、肺に、鼻腔に、舌下に、舌に、頬側に、直腸に、皮膚に、経皮で、結膜もしくは耳の経路で、またはインプラントもしくはステントとして、投与できる。
これらの投与経路のために、本発明による化合物を適する投与形で投与できる。
経口投与に適するのは、先行技術で説明される通りに働き、本発明による化合物を迅速に、かつ/または、改変された形態で送達し、本発明による化合物を結晶および/または無定形および/または溶解形態で含むものであり、例えば、錠剤(非被覆および被覆錠剤、例えば、腸溶性被覆、または、溶解が遅延されるか、または不溶であり、本発明による化合物の放出を制御する被覆を施された錠剤)、口腔中で迅速に崩壊する錠剤、またはフィルム/オブラート、フィルム/凍結乾燥剤、カプセル剤(例えば、ハードまたはソフトゼラチンカプセル剤)、糖衣錠、顆粒剤、ペレット剤、粉末剤、乳剤、懸濁剤、エアゾル剤または液剤である。
非経腸投与は、吸収段階を回避して(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰椎内に)、または吸収を含めて(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)、行うことができる。非経腸投与に適する投与形は、なかんずく、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤または滅菌粉末剤形態の注射および点滴用製剤である。
他の投与経路に適する例は、吸入用医薬形態(なかんずく、粉末吸入器、噴霧器)、点鼻薬/液/スプレー;舌、舌下または頬側投与用の錠剤、フィルム/オブラートまたはカプセル剤、坐剤、眼または耳用製剤、膣用カプセル剤、水性懸濁剤(ローション、振盪混合物)、親油性懸濁剤、軟膏、クリーム、経皮治療システム(例えば、パッチ)、ミルク、ペースト、フォーム、散布用粉末剤(dusting powder)、インプラントまたはステントである。
好ましいのは、経口または非経腸投与、特に経口投与である。
本発明による化合物は、上述の投与形に変換できる。これは、不活性、非毒性、医薬的に適する補助剤と混合することにより、それ自体既知の方法で行うことができる。これらの補助剤には、なかんずく、担体(例えば微結晶セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば液体ポリエチレングリコール類)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレエート)、結合剤(例えばポリビニルピロリドン)、合成および天然ポリマー(例えばアルブミン)、安定化剤(例えば抗酸化剤、例えばアスコルビン酸など)、着色料(例えば無機色素、例えば酸化鉄など)および香味および/または臭気の隠蔽剤が含まれる。
一般に、非経腸投与で約0.001ないし1mg/体重kg、好ましくは約0.01ないし0.5mg/体重kgの量を投与するのが、有効な結果を達成するために有利であると明らかになった。経口投与の投与量は、約0.01ないし100mg/体重kg、好ましくは約0.01ないし20mg/体重kg、ことさら特に好ましくは約0.1ないし10mg/体重kgである。
それにも拘わらず、必要に応じて、体重、投与経路、活性化合物に対する個体の応答、製剤の様式および投与を行う時間または間隔に応じて、上述の量から逸脱することが必要であり得る。従って、上述の最小量より少なくても十分な場合があり得、一方上述の上限を超えなければならない場合もある。大量に投与する場合、これらを1日に亘る数回の個別投与に分割するのが望ましいことがある。
下記の実施例により、本発明を例示説明する。本発明は、これらの実施例に限定されない。
以下の試験および実施例における百分率のデータは、断りの無い限り、重量パーセントである;部は、重量部である。液体/液体溶液の溶媒比、希釈比および濃度のデータは、各場合で体積に基づく。
A. 実施例
略号
Figure 2009538847
LC−MSおよびHPLCの方法
方法1:装置: DAD 検出を備えたHP 1100; カラム: Kromasil 100 RP-18, 60 mm x 2.1 mm, 3.5 μm;移動相A:過塩素酸(70%強度)5ml/水1l、移動相B:アセトニトリル;グラジエント:0分2%B→0.5分2%B→4.5分90%B→6.5分90%B→6.7分2%B→7.5分2%B;流速:0.75ml/分;カラム温度:30℃;UV検出:210nm。
方法2:装置:DAD 検出を備えたHP 1100; カラム: Kromasil 100 RP-18, 60 mm x 2.1 mm, 3.5 μm;移動相A:過塩素酸(70%強度)5ml/水1l、移動相B:アセトニトリル;グラジエント:0分2%B→0.5分2%B→4.5分90%B→9分0%B→9.2分2%B→10分2%B;流速:0.75ml/分;カラム温度:30℃;UV検出:210nm。
方法3:MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;移動相A:水1l+50%強度ギ酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分→2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
方法4:MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:HP 1100 Series; UV DAD;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;移動相A:水1l+50%強度ギ酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分→2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
方法5:装置: HPLC Agilent Series 1100 を備えた Micromass Quattro LCZ;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;移動相A:水1l+50%強度ギ酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分→2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:208−400nm。
方法6:カラム:GROM-SIL 120 ODS-4 HE, 10 μM, 250 mm x 30 mm;移動相およびグラジエントのプログラム:アセトニトリル/0.1%水性ギ酸10:90(0−3分)、アセトニトリル/0.1%水性ギ酸10:90→95:5(3−27分)、アセトニトリル/0.1%水性ギ酸95:5(27−34分)、アセトニトリル/0.1%水性ギ酸10:90(34−38分);流速:50ml/分;温度:22℃;UV検出:254nm。
出発物質
実施例1A
N−{[3−(4−ブロモフェニル)−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル]メチル}−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド
Figure 2009538847
0℃で、トリエチルアミン594μl(4.265mmol)を、無水ジクロロメタン30ml中の4−ブロモ−N−ヒドロキシベンズイミドイルクロリド (M.R. Barbachyn et al., J. Med. Chem. 46(2), 284-302 (2003))748mg(3.708mmol)およびN−アリル−5−クロロチオフェンカルボキサミド1.0g(4.265mmol)の溶液に滴下して添加する。反応混合物を室温で15時間撹拌する。次いで、混合物をロータリーエバポレーターで蒸発乾固する。得られる残渣を、体積比1:1のアセトニトリルと水の混合物でトリチュレートする。その中の不溶性生成物を吸引濾過し、アセトニトリルで洗浄し、高真空下で乾燥する。これにより、表題化合物1.1g(理論値の71%)を得る。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.90 (t, 1H), 7.67 (2 d, 全体で3H), 7.60 (d, 2H), 7.19 (d, 1H), 4.90-4.84 (m, 1H), 3.52 (dd, 1H), 3.45-3.42 (m, 2H), 3.21 (dd, 1H).
HPLC (方法 3): Rt = 2.36 分.
MS (ESIpos, m/z): 399/401/403 (79Br/81Br, 35Cl/37Cl) (M+H)+.
実施例2A
5−クロロ−N−[(3−{4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェニル}−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル)メチル]チオフェン−2−カルボキサミド
Figure 2009538847
実施例1Aの生成物1.09g(2.737mmol)を、無水ジオキサン20mlに溶解し、アミノエタノール397μl(6.569mmol)、ヨウ化銅(I)104mg(0.547mmol)、リン酸カリウム2.32g(10.95mmol)およびN,N'−ジメチルエチレンジアミン175μl(1.642mmol)を連続的に添加する。繰り返し軽い真空を適用し、アルゴンを通気することにより、還流器具内を不活化する。反応混合物を還流で15時間加熱する。このときの変換は約50%であるので、混合物をRTに温まらせ、同量のアミノエタノール、ヨウ化銅(I)、リン酸カリウムおよびN,N'−ジメチルエチレンジアミンを再度添加する。不活性化の後、混合物を還流でさらに20時間加熱する。この後、混合物をRTに放冷する。水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出する。有機抽出物を水および飽和塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄する。抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濾液から溶媒を減圧下で除去する。残渣を分取HPLC(方法6)により精製する。得られる生成物画分を、アセトニトリルおよびN,N−ジメチルホルムアミドの混合物でトリチュレートする。固体を吸引濾過し、アセトニトリルで洗浄し、高真空下で乾燥する。これにより、表題化合物152mg(理論値の15%)を得る。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.88 (t, 1H), 7.68 (d, 1H), 7.37 (d, 2H), 7.19 (d, 1H), 6.61 (d, 2H), 6.09 (t, 1H), 4.75-4.70 (m, 1H), 4.72 (t, 1H), 3.54 (dt, 2H), 3.42-3.35 (m, 3H), 3.17-3.08 (m, 3H).
HPLC (方法 1): Rt = 3.62 分.
MS (DCI, NH3, m/z): 380/382 (35Cl/37Cl) (M+H)+, 397/399 (M+NH4)+.
実施例3A
N−[(3−{4−[(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ]フェニル}−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル)メチル]−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド
Figure 2009538847
−50℃で、tert−ブチル(ジメチル)シリルトリフルオロメタンスルホネート93μl(0.404mmol)を、無水ジクロロメタン15ml中の実施例2Aの生成物146mg(0.384mmol)および2,6−ジメチルピリジン67μl(0.577mmol)の懸濁液に添加する。反応混合物を室温で15時間撹拌する。次いで、水約30mlを添加し、混合物をジクロロメタンで抽出する。抽出物を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去する。分取HPLC(方法6)により残渣を精製する。これにより、表題化合物136mg(理論値の72%)を得る。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.86 (t, 1H), 7.66 (d, 1H), 7.33 (d, 2H), 7.17 (d, 1H), 6.58 (d, 2H), 6.08 (t, 1H), 4.73-4.67 (m, 1H), 3.67 (t, 2H), 3.39-3.33 (m, 3H), 3.17 (dt, 2H), 3.08 (dd, 1H), 0.83 (s, 9H), 0.01 (s, 6H).
HPLC (方法 3): Rt = 2.99 分.
MS (ESIpos, m/z): 494/496 (35Cl/37Cl) (M+H)+.
実施例4A
N−[(3−{4−[(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)(シアノ)アミノ]フェニル}−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル)メチル]−5−クロロチオフェン−2−カルボキサミド
Figure 2009538847
ねじ式のふたのある壁の厚いガラス管中で、テトラヒドロフラン5ml中の実施例3Aの生成物106mg(0.215mmol)、重炭酸ナトリウム54mg(0.644mmol)および3モル濃度臭化シアンのジクロロメタン溶液86μl(0.257mmol)の混合物を、40−50℃で、全部で5日間にわたり加熱する。1日目から4日目の各日の後に、反応容器を室温で開け、同量の臭化シアン溶液および重炭酸ナトリウムを再度添加する。5日目の後、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水、飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄する。無水硫酸ナトリウムによる乾燥、濾過およびロータリーエバポレーターでの溶媒の除去の後、残渣をアセトニトリルに溶解し、同体積の水を添加する。これにより、生成物が沈殿する。生成物を吸引濾過し、高真空下で乾燥する。これにより、表題化合物71mg(理論値の64%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.87 (t, 1H), 7.68 (d, 2H), 7.67 (d, 1H), 7.25 (d, 2H), 7.17 (d, 1H), 4.87-4.81 (m, 1H), 3.88-3.83 (m, 4H), 3.48 (dd, 1H), 3.45-3.40 (m, 2H), 3.18 (dd, 1H), 0.82 (s, 9H), -0.05 (s, 6H).
HPLC (方法 2): Rt = 5.33 分.
MS (DCI, NH3, m/z): 519/521 (35Cl/37Cl) (M+H)+, 536/538 (M+NH4)+.
実施例5A
アセトフェノン−(4−ヨードフェニル)ヒドラゾン
Figure 2009538847
同じ溶媒10ml中のアセトフェノン1.54g(12.82mmol)の溶液を、50%強度酢酸30ml中の4−ヨードフェニルヒドラジン2.0g(8.546mmol)の溶液に添加する。混合物を室温で撹拌し、沈殿が形成される。30分後、沈殿を濾過し、最初に水で、次いでシクロヘキサンで徹底的に洗浄する。残渣を高真空下で乾燥する。これにより、表題化合物1.95g(理論値の68%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.78 (d, 2H), 7.51 (d, 2H), 7.38 (dd, 2H), 7.30 (dd, 1H), 7.07 (d, 2H), 2.25 (s, 3H).
HPLC (方法 4): Rt = 3.22 分.
MS (ESIpos, m/z): 337 (M+H)+.
実施例6A
1−(4−ヨードフェニル)−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−カルボアルデヒド
Figure 2009538847
0℃で、塩化ホスホリル(POCl)1.08ml(11.58mmol)を、無水N,N−ジメチルホルムアミド10mlにゆっくりと滴下して添加する。0℃で30分後、N,N−ジメチルホルムアミド10ml中の実施例5Aの生成物1.95g(5.792mmol)の溶液を、滴下して添加し、反応混合物を0℃でさらに1時間撹拌する。次いで、混合物を室温に温まらせ、さらに1時間撹拌し、次いで60℃に温める。反応混合物をこの温度で15時間撹拌する。次いで、混合物を室温に放冷し、飽和重炭酸ナトリウム溶液80mlを添加し、混合物を酢酸エチルで抽出する。有機抽出物を水および飽和塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄する。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、抽出物を濾過し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去する。得られる残渣を、ジイソプロピルエーテルでトリチュレートする。固体を吸引濾過し、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、高真空下で乾燥する。これにより、表題化合物1.34g(理論値の62%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 9.98 (s, 1H), 9.36 (s, 1H), 7.95-7.90 (m, 4H), 7.82 (d, 2H), 7.53-7.48 (m, 3H).
HPLC (方法 4): Rt = 3.08 分.
MS (ESIpos, m/z): 375 (M+H)+.
実施例7A
1−(2,4−ジメトキシフェニル)−N−{[1−(4−ヨードフェニル)−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}メタンアミン
Figure 2009538847
実施例6Aの生成物1.34g(3.581mmol)および2,4−ジメトキシベンジルアミン538μl(3.581mmol)を、ジクロロエタン40mlに溶解し、室温で1時間撹拌する。次いで、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド1.52g(7.162mmol)および氷酢酸820μl(14.33mmol)を添加する。反応混合物を室温で15時間撹拌する。次いで、飽和重炭酸ナトリウム溶液を添加し、生成物をジクロロメタンで抽出する。有機抽出物を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。濾過後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去する。粗生成物を高真空下で乾燥し、さらに精製せずに次の反応に使用する。表題化合物1.89gを得る。
HPLC (方法 5): Rt = 2.10 分 (60%).
MS (ESIpos, m/z): 526 (M+H)+.
実施例8A
5−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−N−{[1−(4−ヨードフェニル)−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}チオフェン−2−カルボキサミド
Figure 2009538847
無水テトラヒドロフラン10ml中の5−クロロチオフェン−2−カルボニルクロリド651mg(3.597mmol)の溶液を、無水テトラヒドロフラン40ml中の実施例7Aの生成物1.89g(3.597mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)1.25mlの溶液と共に添加する。反応混合物を室温で15時間撹拌する。次いで、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣をジクロロメタンに取り、飽和重炭酸ナトリウム溶液および水で連続的に洗浄する。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、混合物を濾過し、蒸発させ、分取HPLC(方法6)により残渣を精製する。これにより、表題化合物1.05g(理論値の43%)を得る。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.53 (broad, 1H), 7.85 (d, 2H), 7.76 (d, 2H), 7.61 (d, 2H), 7.43-7.38 (m, 3H), 7.15 (broad, 1H), 7.08 (d, 1H), 7.01 (broad, 1H), 6.48-6.43 (m, 2H), 4.70 (broad, 2H), 4.58 (s, broad, 2H), 3.71 (s, 3H), 3.57 (broad, 3H).
HPLC (方法 2): Rt = 6.47 分.
MS (ESIpos, m/z): 670/672 (35Cl/37Cl) (M+H)+.
実施例9A
5−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−N−[(1−{4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェニル}−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]チオフェン−2−カルボキサミド
Figure 2009538847
実施例8Aの化合物372mg(0.555mmol)を、実施例2Aに記載の通りにアミノエタノールと反応させる。分取HPLC(方法6)による精製により、表題化合物158mg(理論値の47%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.18 (s, broad, 1H), 7.57-7.54 (m, 4H), 7.41-7.32 (m, 3H), 7.16 (broad, 1H), 7.07 (d, 1H), 7.00 (broad, 1H), 6.68 (d, 2H), 6.49-6.43 (m, 2H), 5.73 (t, 1H), 4.72-4.67 (m, 2H), 4.56 (s, broad, 2H), 3.72 (s, 3H), 3.60-3.54 (m, 5H), 3.13 (dt, 2H).
HPLC (方法 1): Rt = 4.74 分.
MS (ESIpos, m/z): 603/605 (35Cl/37Cl) (M+H)+.
実施例10A
N−[(1−{4−[(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ]フェニル}−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]−5−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)チオフェン−2−カルボキサミド
Figure 2009538847
実施例9Aの化合物210mg(0.350mmol)を、実施例3Aに記載の方法と同様に反応させ、表題化合物194mg(理論値の78%)を得る。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.20 (s, broad, 1H), 7.57-7.54 (m, 4H), 7.41-7.32 (m, 3H), 7.15 (broad, 1H), 7.08 (d, 1H), 7.00 (broad, 1H), 6.68 (d, 2H), 6.49-6.43 (m, 2H), 5.77 (t, 1H), 4.70 (broad, 2H), 4.56 (s, broad, 2H), 3.73 (t, 2H), 3.71 (s, 3H), 3.58 (broad, 3H), 3.19 (dt, 2H).
HPLC (方法 2): Rt = 5.86 分.
MS (ESIpos, m/z): 717/719 (35Cl/37Cl) (M+H)+.
実施例11A
N−[(1−{4−[(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)(シアノ)アミノ]フェニル}−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]−5−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)チオフェン−2−カルボキサミド
Figure 2009538847
実施例10A由来の化合物192mg(0.268mmol)を、実施例4Aに記載の方法と同様に反応させ、表題化合物173mg(理論値の87%)を得る。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.47 (broad, 1H), 7.97 (d, 2H), 7.61 (d, 2H), 7.46-7.38 (m, 3H), 7.33 (d, 2H), 7.17 (broad, 1H), 7.10 (d, 1H), 7.03 (broad, 1H), 6.50-6.45 (m, 2H), 4.73 (broad, 2H), 4.60 (s, broad, 2H), 3.91-3.87 (m, 4H), 3.73 (s, 3H), 3.59 (broad, 3H).
HPLC (方法 3): Rt = 3.41 分.
MS (ESIpos, m/z): 742/744 (35Cl/37Cl) (M+H)+.
実施例12A
1,1,1−トリフルオロアセトン−(4−ヨードフェニル)ヒドラゾン
Figure 2009538847
実施例5Aに記載の方法と同様に、4−ヨードフェニルヒドラゾン2.5g(10.68mmol)およびトリフルオロアセトン2.28ml(16.02mmol)を反応させ、表題化合物2.18g(理論値の62%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 7.57 (d, 2H), 7.01 (d, 2H), 2.05 (s, 3H).
HPLC (方法 3): Rt = 2.74 分.
MS (ESIneg, m/z): 327 (M-H)+.
実施例13A
1−(4−ヨードフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボアルデヒド
Figure 2009538847
実施例6Aに記載の方法と同様に、実施例12Aの化合物2.18g(6.64mmol)を、表題化合物2.46g(理論値の100%)に変換する。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 9.97 (s, 1H), 9.50 (s, 1H), 7.97 (d, 2H), 7.50 (d, 2H).
HPLC (方法 4): Rt = 2.89 分.
実施例14A
1−(2,4−ジメトキシフェニル)−N−{[1−(4−ヨードフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}メタンアミン
Figure 2009538847
実施例7Aに記載の方法と同様に、実施例13Aの化合物2.43g(6.64mmol)を、表題化合物3.46g(理論値の100%)に変換する。
HPLC (方法 3): Rt = 1.87 分.
MS (ESIpos, m/z): 518 (M+H)+.
実施例15A
5−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−N−{[1−(4−ヨードフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}チオフェン−2−カルボキサミド
Figure 2009538847
実施例8Aに記載の方法と同様に、実施例14Aの化合物3.43g(6.64mmol)を、表題化合物987mg(理論値の22%)に変換する。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.63 (s, broad, 1H), 7.90 (d, 2H), 7.71 (d, 2H), 7.21 (d, 2H), 7.11 (d, 1H), 7.09 (broad, 1H), 6.54-6.49 (m, 2H), 4.68 (s, broad, 2H), 4.58 (s, broad, 2H), 3.73 (s, 3H), 3.70 (s, 3H).
HPLC (方法 2): Rt = 6.25 分.
実施例16A
アセトアルデヒド−(4−ヨードフェニル)ヒドラゾン
Figure 2009538847
実施例5Aに記載の方法と同様に、4−ヨードフェニルヒドラゾン17.5g(74.77mmol)およびアセトアルデヒド6.27ml(112.2mmol)を表題化合物12.5g(理論値の64%)に変換する。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 9.18 (s, broad, 1H), 7.46 (d, 2H), 6.91 (d, 2H), 6.57 (quart, 1H), 1.83 (d, 3H).
HPLC (方法 1): Rt = 4.59 分.
MS (ESIpos, m/z): 261 (M+H)+.
実施例17A
1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボアルデヒド
Figure 2009538847
実施例6Aに記載の方法と同様に、実施例16Aの化合物12.5g(48.06mmol)を、表題化合物6.37g(理論値の40%、純度90%に基づく)に変換する。60℃ではなく、混合物を80℃で撹拌する。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 9.91 (s, 1H), 9.27 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.91 (d, 2H), 7.73 (d, 2H).
HPLC (方法 1): Rt = 4.44 分.
MS (ESIpos, m/z): 299 (M+H)+.
実施例18A
1−(2,4−ジメトキシフェニル)−N−{[1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}メタンアミン
Figure 2009538847
実施例7Aに記載の方法と同様に、実施例17Aの化合物6.30g(21.14mmol)を、表題化合物9.5g(理論値の62%、純度62%に基づく)に変換する。
HPLC (方法 5): Rt = 1.70 分.
MS (ESIpos, m/z): 450 (M+H)+.
実施例19A
5−クロロ−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−N−{[1−(4−ヨードフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}チオフェン−2−カルボキサミド
Figure 2009538847
実施例8Aに記載の方法と同様に、実施例18Aの化合物9.5g(21.13mmol)を、表題化合物5.14g(理論値の37%)に変換する。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.33 (broad, 1H), 7.82 (d, 2H), 7.63-7.60 (m, 3H), 7.17 (broad, 1H), 7.11-7.10 (m, 2H), 6.53-6.51 (m, 2H), 4.62 (broad, 2H), 4.46 (broad, 2H), 3.73 (s, 3H), 3.71 (s, 3H).
HPLC (方法 3): Rt = 3.08 分.
MS (ESIpos, m/z): 594/596 (35Cl/37Cl) (M+H)+.
実施例
実施例1
5−クロロ−N−({3−[4−(2−イミノ−1,3−オキサゾリジン−3−イル)フェニル]−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル}メチル)チオフェン−2−カルボキサミド
Figure 2009538847
室温で、無水アセトニトリル10ml中の実施例4Aの化合物71mg(0.137mmol)およびメタンスルホン酸19μl(0.287mmol)の懸濁液を、15時間撹拌する。澄んだ溶液が形成され、それをロータリーエバポレーターで蒸発乾固する。残渣を水2mlに取り、飽和重炭酸ナトリウム溶液0.6mlを添加する。これにより、生成物が沈殿する。固体を吸引濾過し、水で洗浄し、高真空下で乾燥する。これにより、表題化合物48mg(理論値の87%)を得る。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 8.90 (t, 1H), 7.90 (d, 2H), 7.68 (d, 1H), 7.62 (d, 2H), 7.19 (d, 1H), 6.33 (s, broad, 1H), 4.85-4.79 (m, 1H), 4.35 (t, 2H), 4.02 (t, 2H), 3.49 (dd, 1H), 3.43-3.40 (m, 2H), 3.20 (dd, 1H).
HPLC (方法 1): Rt = 3.75 分.
MS (ESIpos, m/z): 405/407 (35Cl/37Cl) (M+H)+.
実施例2
5−クロロ−N−({1−[4−(2−イミノ−1,3−オキサゾリジン−3−イル)フェニル]−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)チオフェン−2−カルボキサミド塩酸塩
Figure 2009538847
実施例11Aの化合物172mg(0.232mmol)を、実施例1に記載の方法と同様に反応させる。しかしながら、蒸発乾固に先立ち、トリフルオロ酢酸0.5mlを反応混合物に添加し、混合物を40℃で30分間撹拌する。次いで、全ての揮発性成分をロータリーエバポレーターで除去する。得られる残渣を少量のアセトニトリルに取り、Celite で濾過する。濾液を濃縮し、メタノールに溶解し、1モル濃度塩酸1mlを添加する。混合物を再度濃縮する。メタノールへの溶解および塩酸の添加後の蒸発をもう1回繰り返す。これにより、表題化合物110mg(理論値の88%)を得る。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ/ppm): 9.64 (s, broad, 1H), 9.07 (t, 1H), 8.90 (s, broad, 1H), 8.57 (s, 1H), 8.09 (d, 2H), 7.77 (d, 2H), 7.69 (d, 1H), 7.66 (d, 2H), 7.51-7.48 (m, 2H), 7.43-7.41 (m, 1H), 7.19 (d, 1H), 4.77 (t, 2H), 4.53 (d, 2H), 4.27 (t, 2H).
HPLC (方法 1): Rt = 4.32 分.
MS (ESIpos, m/z): 478/480 (35Cl/37Cl) (M+H)+.
実施例3
5−クロロ−N−({1−[4−(2−イミノ−1,3−オキサゾリジン−3−イル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)チオフェン−2−カルボキサミド塩酸塩
Figure 2009538847
実施例15Aの化合物から、実施例9A、10A、11Aおよび2に記載の方法と同様に、表題化合物を得る。
実施例4
5−クロロ−N−({1−[4−(2−イミノ−1,3−オキサゾリジン−3−イル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)チオフェン−2−カルボキサミド塩酸塩
Figure 2009538847
実施例19Aの化合物から、実施例9A、10A、11Aおよび2に記載の方法と同様に、表題化合物を得る。
B. 薬理活性の評価
本発明による化合物は、特に凝血因子Xaの選択的阻害剤として作用し、プラスミンまたはトリプシンなどの他のセリンプロテアーゼを阻害しないか、または、顕著に高い濃度でのみ阻害する。
「選択的」は、Xa因子阻害のIC50値が、他のセリンプロテアーゼ、特にプラスミンおよびトリプシンの阻害のIC50値と比較して、少なくとも100倍低い、凝血因子Xaの阻害剤であり、ここで、選択性の試験方法に関して、下記の実施例B.a.1)およびB.a.2)の試験方法を参照する。
本発明による化合物の有利な薬理特性は、以下の方法により測定できる。
a)試験の説明(インビトロ)
a.1)Xa因子阻害の測定
上記に列挙した物質のXa因子阻害を測定するために、生化学的試験システムを計画し、そこでは、Xa因子基質の変換を使用してヒトXa因子の酵素活性を測定する。Xa因子は、アミノメチルクマリンを切断し、ペプチド性基質からのその蛍光を測定する。測定はマイクロタイタープレートで実施する。
様々な濃度の被験物質をジメチルスルホキシドに溶解し、15分間22℃で、ヒトXa因子(1.3nmol/l、Trisバッファー[C,C,C−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン]50mmol/l、100mmol/l NaCl、0.1%BSA[ウシ血清アルブミン]、pH7.4に溶解)と共にインキュベートする。次いで、基質(Boc−Ile−Glu−Gly−Arg−AMC 5μmol/l、Bachem より)を添加する。30分間のインキュベーション時間の後、サンプルを360nmの波長で励起し、460nmでの発光を測定する。試験物質を含む試験バッチの測定される発光を、試験物質を含まない対照バッチ(ジメチルスルホキシド中の試験物質の代わりに、ジメチルスルホキシドのみ)と比較し、濃度/活性関係からIC50値を算出する。
この試験の代表的な活性データを、下表1に列挙する:
表1
Figure 2009538847
a.2)選択性の測定
Xa因子阻害に関する物質の選択性を証明するために、試験物質をトリプシンおよびプラスミンなどの他のヒトセリンプロテアーゼの阻害について調べる。トリプシン(83mU/ml、Sigmaより)およびプラスミン(0.1μg/ml、Kordiaより)の酵素活性を測定するために、これらの酵素を溶解し(50mmol/lのTrisバッファー[C,C,C−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン]、100mmol/lのNaCl、0.1%BSA[ウシ血清アルブミン]、5mmol/lの塩化カルシウム、pH7.4)、ジメチルスルホキシド中の様々な濃度の試験物質並びに試験物質を含まないジメチルスルホキシドと共に、15分間インキュベートする。次いで、酵素反応を、適当な基質(トリプシンには、Boc−Ile−Glu−Gly−Arg−AMC 5μmol/l、Bachem より、プラスミンには、MeOSuc−Ala−Phe−Lys−AMC 50μmol/l、Bachem より)の添加により開始する。22℃で30分間のインキュベーション時間の後、蛍光を測定する(励起:360nm、発光:460nm)。試験物質を含む試験バッチの測定される発光を、試験物質を含まない対照バッチ(ジメチルスルホキシド中の試験物質の代わりに、ジメチルスルホキシドのみ)と比較し、濃度/活性関係からIC50値を算出する。
a.3)抗凝血活性の測定
試験物質の抗凝血活性をインビトロでヒトおよびウサギの血漿で測定する。この目的で、0.11モル濃度クエン酸ナトリウム溶液を受容液として使用して、クエン酸ナトリウム/血液の混合比1/9で血液を採取する。血液を採取した直後に、それを徹底的に混合し、約2500gで10分間遠心分離する。上清をピペットで取り出す。市販の試験キット(Hemoliance(登録商標) RecombiPlastin、Instrumentation Laboratory より)を使用して、プロトロンビン時間(PT、同義語:トロンボプラスチン時間、クイック試験(quick test))を様々な濃度の試験物質または対応する溶媒の存在下で測定する。試験化合物を血漿と37℃で3分間インキュベートする。次いで、トロンボプラスチンの添加により凝血を開始し、凝血が起こる時間を測定する。プロトロンビン時間の倍増をもたらす試験物質の濃度を測定する。
b)抗血栓活性(インビボ)の測定
b.1)動静脈シャントモデル(ウサギ)
絶食しているウサギ(系統:Esd:NZW)を、Rompun/Ketavet 溶液(各々5mg/kgおよび40mg/kg)の筋肉内投与により麻酔する。C.N. Berry ら [Semin. Thromb. Hemost. 1996, 22, 233-241] により記載された方法に従い、動静脈シャントにおいて、血栓形成を開始させる。この目的で、左頸静脈および右頸動脈を露出させる。長さ10cmの静脈カテーテルを使用して、2本の血管を体外シャントにより連結する。中央で、このカテーテルを、ループを形成するように配列した粗いナイロン糸を含む長さ4cmのさらなるポリエチレンチューブ(PE160、Becton Dickenson)に取り付け、血栓形成性表面を形成させる。体外循環を15分間維持する。次いでシャントを除去し、血栓を伴うナイロン糸の重さを直ちに測定する。ナイロン糸自体の重量は、実験開始前に測定した。体外循環を設置する前に、耳静脈を介して静脈内に、または咽頭チューブを使用して経口で、試験物質を投与する。
c)溶解性アッセイ
必要な試薬:
・PBSバッファーpH7.4:NaCl p.a. 90.00g(例えば、Merck, Art. No. 1.06404.1000)、KHPO p.a. 13.61g(例えば、Merck, Art. No. 1.04873.1000)および1N NaOH83.35g(例えば Bernd Kraft GmbH, Art. No. 01030.4000)を1lのメスフラスコ中に秤量し、フラスコを水で満たし、混合物を約1時間撹拌する。
・酢酸バッファーpH4.6:酢酸ナトリウム5.4gx3HO p.a.(例えば、Merckより、Art. No. 1.06267.0500)を、100mlのメスフラスコ中に秤量し、水50mlに溶解し、氷酢酸2.4gを添加し、混合物を水で100mlとし、pHを確認し、必要であればpH4.6に調節する。
・ジメチルスルホキシド(例えば Baker, Art. No. 7157.2500)
・蒸留水
較正溶液の調製:
較正溶液の原液の調製:活性化合物約0.5mgを、2mlの Eppendorf Safe-Lock tube (Eppendorf, Art. No. 0030 120.094) に正確に秤量し、DMSOを600μg/mlの濃度まで(例えば活性化合物0.5mg+DMSO833μl)添加し、全てが溶解するまで混合物をボルテックスする。
較正溶液1(20μg/ml):DMSO1000μlを原液34.4μlに添加し、混合物をホモジナイズする。
較正溶液2(2.5μg/ml):DMSO700μlを較正溶液1 100μlに添加し、混合物をホモジナイズする。
サンプル溶液の調製:
PBSバッファーpH7.4中、10g/lまでの溶解度のためのサンプル溶液:活性化合物約5mgを、2mlの Eppendorf Safe-Lock tube (Eppendorf より、Art. No. 0030 120.094)に正確に秤量し、PBSバッファーpH7.4を5g/lの濃度まで添加する(例えば、活性化合物5mg+PBSバッファーpH7.4 500μl)。
酢酸バッファーpH4.6中、10g/lまでの溶解度のためのサンプル溶液:活性化合物約5mgを、2mlの Eppendorf Safe-Lock tube (Eppendorf より、Art. No. 0030 120.094)に正確に秤量し、酢酸バッファーpH4.6を5g/lの濃度まで添加する(例えば活性化合物5mg+酢酸バッファーpH4.6 500μl)。
水中、10g/lまでの溶解度のためのサンプル溶液:活性化合物約5mgを、2mlの Eppendorf Safe-Lock tube (Eppendorf より、Art. No. 0030 120.094)に正確に秤量し、水を5g/lの濃度まで添加する(例えば活性化合物5mg+水500μl)。
実施:
かくして調製されたサンプル溶液を、温度調節できる振盪機(例えば、互換性ブロック Art. No. 5362.000.019 を備えた Eppendorf Thermomixer comfort Art. No. 5355 000.011)で、1400rpm、20℃で24時間振盪する。これらの溶液から各場合で180μlを取り、Beckman Polyallomer 遠心管 (Art. No. 343621)に移す。これらの溶液を約223000gで1時間遠心分離する(例えば Beckman Optima L-90K 超遠心機、タイプ 42.2 Ti ローターを用いて、42000rpmで)。各サンプル溶液から、上清100μlを取り出し、使用した各溶媒(水、PBSバッファー7.4または酢酸バッファーpH4.6)で1:5、1:100および1:1000に希釈する。各希釈から、サンプルをHPLC分析に適する容器に移す。
分析:
サンプルをRP−HPLCにより分析する。DMSO中の試験化合物の2点較正曲線を使用して、定量を実施する。溶解度をmg/lで表示する。
分析順序:
1. 較正溶液2.5mg/ml
2. 較正溶液20μg/ml
3. サンプル溶液1:5
4. サンプル溶液1:100
5. サンプル溶液1:1000
酸用のHPLC方法:
DAD(G1315A)、定量ポンプ(G1311A)、オートサンプラー CTC HTS PAL、脱気装置(G1322A)およびカラムサーモスタット(G1316A)を備えた Agilent 1100;カラム:Phenomenex Gemini C18, 50 x 2 mm, 5 μ;温度:40℃;移動相A:水/リン酸pH2;移動相B:アセトニトリル;流速:0.7ml/分;グラジエント:0−0.5分85%A、15%B;傾斜:0.5−3分10%A、90%B;3−3.5分10%A、90%B;傾斜:3.5−4分85%A、15%B;4−5分85%A、15%B。
塩基用のHPLC方法:
DAD(G1315A)、定量ポンプ(G1311A)、オートサンプラー CTC HTS PAL、脱気装置(G1322A)およびカラムサーモスタット(G1316A)を備えた Agilent 1100;カラム:VDSoptilab Kromasil 100 C18, 60 x 2.1 mm, 3.5 μ;温度:30℃;移動相A:水+5ml過塩素酸/l;移動相B:アセトニトリル;流速:0.75ml/分;グラジエント:0−0.5分98%A、2%B;傾斜:0.5−4.5分10%A、90%B;4.5−6分10%A、90%B;傾斜:6.5−6.7分98%A、2%B;6.7−7.5分98%A、2%B。
C. 医薬組成物の例示的実施態様
本発明による化合物は、以下の方法で医薬製剤に変換できる:
錠剤:
組成:
本発明による化合物100mg、ラクトース(一水和物)50mg、トウモロコシデンプン(天然)50mg、ポリビニルピロリドン(PVP25)(BASF, Ludwigshafen, Germanyより)10mgおよびステアリン酸マグネシウム2mg。
錠剤重量212mg。直径8mm、曲率半径12mm。
製造:
本発明による化合物、ラクトースおよびデンプンの混合物を、5%強度PVP水溶液(m/m)で造粒する。顆粒を乾燥させ、次いで、ステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を常套の打錠機を使用して打錠する(錠剤の形状について、上記参照)。ガイドラインとして、打錠力15kNを打錠に使用する。
経口懸濁剤:
組成:
本発明による化合物1000mg、エタノール(96%)1000mg、Rhodigel(登録商標)(FMC, Pennsylvania, USA のキサンタンガム)400mgおよび水99g。
経口懸濁液10mlは、本発明による化合物の単回用量100mgに相当する。
製造:
Rhodigel をエタノールに懸濁し、本発明による化合物を懸濁液に添加する。撹拌しながら水を添加する。Rhodigel の膨潤が完了するまで、混合物を約6時間撹拌する。
経口液剤:
組成:
本発明による化合物500mg、ポリソルベート2.5gおよびポリエチレングリコール400 97g。経口液剤20gは、本発明による化合物の単回用量100mgに相当する。
製造:
本発明による化合物を、撹拌しながら、ポリエチレングリコールおよびポリソルベートの混合物に懸濁する。本発明による化合物が完全に溶解するまで、撹拌を継続する。
i.v.液剤:
本発明による化合物を、飽和溶解度より低い濃度で、生理的に許容し得る溶媒(例えば、等張塩化ナトリウム溶液、グルコース溶液5%および/またはPEG400溶液30%)に溶解する。溶液を濾過滅菌し、無菌のパイロジェン不含の注射容器に満たす。

Claims (14)


  1. Figure 2009538847
    [式中、
    nは、1、2または3の数を表し、
    Aは、5員のヘテロアリールまたは5員の複素環を表し、
    ここで、ヘテロアリールおよび複素環は、1位または2位でフェニル環に結合しており、ヘテロアリールおよび複素環は、フェニル環およびカルボニルアミノメチル基と1,3−結合をしており、
    そして、ヘテロアリールおよび複素環は、置換基Rにより置換されていてもよく
    {ここで、Rは、カルボニルアミノメチル基が結合している原子に隣接する原子に結合しており、フェニル環と1,4−結合をしており、
    そして、Rが結合している原子は、窒素または炭素原子であり、
    そして、Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルキルアミノスルホニルまたはC−C−アルキルスルホニルを表す
    (ここで、アルキル、アルキルアミノおよびアルキルアミノスルホニルは、1個の置換基により置換されていてもよく、その置換基は、ヒドロキシ、アミノ、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニルおよび窒素原子を介して結合している5員または6員の複素環からなる群から選択され、
    そして、アルキルアミノカルボニルは、1個の置換基により置換されていてもよく、その置換基は、ヒドロキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノおよび窒素原子を介して結合している5員または6員の複素環からなる群から選択される)}、
    は、水素、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−シクロアルキルカルボニル、フェニルカルボニル、4員ないし7員の複素環カルボニルまたは5員または6員のヘテロアリールカルボニルを表し、
    は、水素、フッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシメチル、C−C−アルキルアミノ、C−C−シクロアルキル、アミノカルボニル、C−C−アルコキシカルボニルまたはC−C−アルキルアミノカルボニルを表し、
    は、水素、フッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシメチル、C−C−アルキルアミノ、C−C−シクロアルキル、アミノカルボニル、C−C−アルコキシカルボニルまたはC−C−アルキルアミノカルボニルを表し、
    は、式
    Figure 2009538847
    {ここで、*は、カルボニル基への結合点であり、
    は、水素、フッ素、塩素、シアノ、エチニル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−シクロアルキルを表し、
    は、水素、アミノ、C−C−アルキル、C−C−アルキルアミノまたはC−C−シクロアルキルを表し、
    そして、Rは、水素、フッ素、塩素、アミノまたはC−C−アルキルを表す}
    の基を表す]
    の化合物、またはその塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物。
  2. 式中、
    nが、1、2または3の数を表し、
    Aが、5員のヘテロアリールまたは部分不飽和の5員の複素環を表し、
    ここで、ヘテロアリールおよび複素環は、1位または2位でフェニル環に結合しており、ヘテロアリールおよび複素環自体は、フェニル環およびカルボニルアミノメチル基と1,3−結合をしており、
    そして、ヘテロアリールおよび複素環は、置換基Rにより置換されていてもよく
    {ここで、Rは、カルボニルアミノメチル基が結合している原子に隣接する原子に結合しており、フェニル環と1,4−結合をしており、
    そして、Rが結合している原子は、窒素または炭素原子であり、
    そして、Rは、アミノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシメチル、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルアミノメチル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルメチル、ヒドロキシカルボニルエチル、アミノカルボニル、アミノカルボニルメチル、アミノカルボニルエチル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルコキシカルボニルメチル、C−C−アルコキシカルボニルエチル、C−C−アルキルアミノカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニルメチル、C−C−アルキルアミノカルボニルエチル、アミノスルホニル、C−C−アルキルアミノスルホニルまたはC−C−アルキルスルホニルを表す
    (ここで、アルキルは、1個の置換基により置換されていてもよく、その置換基は、ヒドロキシおよびアミノからなる群から選択され、
    そして、エチルアミノカルボニルおよびプロピルアミノカルボニルは、1個の置換基により置換されていてもよく、その置換基は、ヒドロキシ、アミノおよびC−C−アルキルアミノからなる群から選択される)}、
    が、水素、シアノ、ヒドロキシまたはC−C−アルキルを表し、
    が、水素、フッ素、塩素、シアノ、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
    が、水素、フッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシメチル、シクロプロピル、アミノカルボニル、C−C−アルコキシカルボニルまたはC−C−アルキルアミノカルボニルを表し、
    が、式
    Figure 2009538847
    {ここで、*は、カルボニル基への結合点であり、
    は、フッ素、塩素、エチニル、メチルまたはメトキシを表し、
    そして、Rは、水素を表す}
    の基を表すことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  3. 式中、
    nが、1または2の数を表し、
    Aが、式
    Figure 2009538847
    {ここで、#1は、フェニル環への結合点であり、1位でフェニル環に結合しており、
    #2は、カルボニルアミノメチル基への結合点であり、
    は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシメチル、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルアミノメチル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルメチル、アミノカルボニル、アミノカルボニルメチル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルコキシカルボニルメチル、C−C−アルキルアミノカルボニルまたはC−C−アルキルアミノカルボニルメチルを表す
    (ここで、アルキルは、1個の置換基により置換されていてもよく、その置換基は、ヒドロキシおよびアミノからなる群から選択され、
    そして、エチルアミノカルボニルは、1個の置換基により置換されていてもよく、その置換基は、ヒドロキシ、アミノおよびC−C−アルキルアミノからなる群から選択される)}
    の基を表し、
    が、水素を表し、
    が、水素またはフッ素を表し、
    が、水素、フッ素、塩素、シアノ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、メトキシメチルまたはシクロプロピルを表し、
    が、式
    Figure 2009538847
    {ここで、*は、カルボニル基への結合点であり、
    は、フッ素、塩素またはメチルを表し、
    そして、Rは、水素を表す}
    の基を表すことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の化合物。
  4. 式中、
    nが、1の数を表し、
    Aが、式
    Figure 2009538847
    {ここで、#1は、フェニル環への結合点であり、1位でフェニル環に結合しており、
    #2は、カルボニルアミノメチル基への結合点であり、
    は、水素、ヒドロキシメチル、アミノメチル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシメチル、C−C−アルキルアミノメチル、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニル、ヒドロキシエチルアミノカルボニルまたはC−C−アルキルアミノエチルアミノカルボニルを表す}
    の基を表し、
    が、水素を表し、
    が、水素またはフッ素を表し、
    が、水素、フッ素、塩素、メチルまたはメトキシを表し、
    が、式
    Figure 2009538847
    {ここで、*は、カルボニル基への結合点であり、
    は、塩素を表し、
    そして、Rは、水素を表す}
    の基を表すことを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物。
  5. 請求項1に記載の式(I)の化合物、またはその塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つの製造方法であって、
    [A]式
    Figure 2009538847
    (式中、n、A、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有する)
    の化合物を、不活性溶媒中、酸の存在下、臭化シアンと反応させ、Rが水素を表す式(I)の化合物を得る、
    または、
    [B]式
    Figure 2009538847
    (式中、n、A、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有し、そして、
    PGは、ヒドロキシ保護基、好ましくはトリメチルシリルまたはtert−ブチルジメチルシリルを表す)
    の化合物を、三段階の工程で、先ず不活性溶媒中で臭化シアンと、好ましくは塩基の存在下で反応させ、式
    Figure 2009538847
    (式中、n、A、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有し、そして、
    PGは、ヒドロキシ保護基、好ましくはトリメチルシリルまたはtert−ブチルジメチルシリルを表す)
    の化合物を得、次いで、保護基PGの除去により、式
    Figure 2009538847
    (式中、n、A、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有する)
    の化合物に変換し、第3段階で、式(V)の化合物を、不活性溶媒中、酸の存在下で環化し、Rが水素を表す式(I)の化合物を得る(ここで、保護基の除去および環化は、好ましくは1つの反応段階で実施する)、
    または、
    [C]式(II)の化合物を、第1段階で、式
    Figure 2009538847
    (式中、Rは、C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−シクロアルキルカルボニル、フェニルカルボニル、4員ないし7員の複素環カルボニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリールカルボニルを表す)
    の化合物と反応させ、そして、第2段階で環化する、
    または、
    [D]式(II)の化合物を、式
    Figure 2009538847
    (式中、Rは、シアノまたはC−C−アルキルを表し、そして、
    Gは、脱離基、好ましくはフェノキシまたはメチルチオを表す)
    の化合物と反応させる、
    または、
    [E]Rが水素を表す式(I)の化合物を、ヒドロキシルアミン塩酸塩と反応させ、Rがヒドロキシを表す式(I)の化合物を得る、
    のいずれかを特徴とする方法。
  6. 疾患の処置および/または予防のための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の化合物。
  7. 疾患の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の化合物の使用。
  8. 血栓塞栓性障害の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の化合物の使用。
  9. インビトロで血液凝固を防止するための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の化合物の使用。
  10. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の化合物を、不活性、非毒性の医薬的に許容し得る補助剤と組み合わせて含む、医薬。
  11. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の化合物を、さらなる活性化合物と組み合わせて含む、医薬。
  12. 血栓塞栓性障害の処置および/または予防のための、請求項10または請求項11に記載の医薬。
  13. 抗凝血的に有効な量の少なくとも1種の請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の化合物、請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の医薬、または、請求項7または請求項8に従い得られる医薬を使用する、ヒトおよび動物における血栓塞栓性障害の処置および/または予防方法。
  14. 抗凝血的に有効な量の請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の化合物を添加することを特徴とする、インビトロで血液凝固を防止する方法。
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