JP2009538316A - κオピオイド受容体ペプチドのN−オキシド - Google Patents

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Abstract

κオピオイド受容体(KOR)に対してμオピオイド受容体より高い選択性を示すと共に、CYP3A4阻害活性をほとんどまたはまったく示さない特定のペプチドであって、H−D−Phe−D−Phe−D−Nle−D−Arg−NH−4−ピコリル−N−オキシドなどの、N−オキシド−置換アミドであるC末端を有する、4つのD−異性体アミノ酸残基のテトラペプチドを含む。μオピオイド受容体に対するその親和性の少なくとも1,000倍の親和性をKORに対して有すると共に、約10マイクロモル超のCYP3A4に対するIC50を有する好ましい化合物は、H−D−Phe−D−Phe−D−Nle−D−Arg−NH−4−ピコリル−N−オキシドである。
【選択図】 図2

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2006年5月26日に出願され、「N-OXIDES OF KAPPA OPIOID RECEPTOR PEPTIDES」と題された米国仮特許出願第60/808,656号明細書に優先権を主張すると共に、これを本明細書において参照により援用する。
発明の分野
本発明は、高選択性κ受容体アゴニストであると共に、CYP3A4阻害活性などのチトクロムp450阻害活性をほとんど、またはまったく示さない化合物を含む、特定の合成ペプチドアミドの代謝産物および特定の合成ペプチドアミドのN−オキシドに関する。
発明の背景
κオピオイド受容体(KOR)は、脳、脊髄、および中枢および末梢端ならびに一次感覚性求心神経の細胞体(体細胞性および内臓性)、ならびに免疫細胞に存在する。
脳に位置するKORは、このようなKORを活性化させる、通例κアゴニストと称される分子の中枢鎮痛効果を媒介するとみられている。この知見は、μオピオイド受容体(MOR)に作用するモルヒネ類似体の望ましくない副作用(便秘、呼吸抑制、依存性および習慣性)のない、独自の鎮痛薬として用いるための、脳透過性、非ペプチド性κアゴニストの開発の試みを数多くもたらした(すなわちUpjohn製のスピラドリンおよびParke-Davis製のエナドリン)。このクラスの化合物の鎮痛作用、ならびにμ−オピオイド副作用の欠如が、動物およびヒトの両方において確立されてきた。しかしながら、いくつかの全身的κアゴニストはまた、脳に位置するκ受容体を介して媒介される、利尿、鎮静および不快感などの特定の副作用を誘起することがわかり、それらの開発は中断された。
このような中枢を介した鎮痛に追加して、末梢または脊髄のいずれかに位置するKORの刺激もまた鎮痛をもたらし得る。しかしながら、末梢または脊髄性KORのいずれも、全身的κアゴニストの副作用のいずれにも関連していなかった。従って、脳に進入しないκ受容体オピオイドアゴニスト(末梢または脊髄性投与のいずれかの後に)を生成することが可能でありさえすれば、安全で、かつ、独自の鎮痛薬を得ることが可能であるはずである。
現在においては、末梢または脊髄性投与のいずれかの後に、最大でも、脳にほとんど進入しない可能性が高く(従って、中枢性副作用がないと期待される)、KORに対して選択性であるペプチド性オピオイドアゴニストが、本目的について理想的であるはずであると考えられている。米国特許第5,610,271号明細書は、KORに結合する4つのD−異性体アミノ酸残基を含有するテトラペプチドを開示し、および米国特許第5,965,701号明細書は、長期間にわたる末梢活性を有する特定の合成ペプチドを開示する。投与の非経口的な(i.v.、i.m.、s.c.硬膜外、局所的または局所)経路は、関節リウマチなどの炎症に関連する状態における疼痛、または眼科手術、歯科手術、関節手術、腹腔手術、出産および帝王切開から生じるものなどの術後の疼痛を治療するためのこのクラスの化合物に好適であり得る。しかも、腹腔術後症状(消化性イレウス)の軽減は、現在、ペプチド性κアゴニストの主な治療的目標であると考えられている。これらの症状は、腹部膨満などの運動性障害、嘔気、および場合により膨満感により誘起される疼痛などの感覚性障害に関連する腸管通過阻害を含む。このような運動障害は、局所的炎症性プロセスによる神経過敏化から生じる内臓知覚の事前の変化の結果であると考えられており、疼痛をブロックする化合物はまた、運動不全を抑制し得ることが動物モデルにおいて示されている(Riviereら、Gastroenterology、104:724〜731頁、1993年)。実際に、非ペプチド性κアゴニストは、正常な運動機能の回復に関連し、実験イレウスにおいて抗侵害受容(antinociception)をもたらすことが示された。これは、術後疼痛および消化性イレウスの治療のための、脳不透過性κアゴニストを開発するための理論的根拠を提供する(Frieseら、Life Sciences、60(9):625〜634頁、1997年)。このようなκアゴニストは、一般に、便秘または通過障害(antitransit)副作用を示さないため、これらは、モルヒネ様化合物と比して、この適用について大きな利点を有する。
κアゴニストは、穏やかなおよび局所的な炎症によって誘起された大腸痛覚過敏ならびに消化器系のモデルにおいて、末梢抗侵害受容をもたらすことも示されている(Diopら、Eur. J. Pharm.、271:65〜71頁、1994年)。その結果、おそらく局所的炎症が関連する、内臓過敏症による過度の内臓疼痛を含む過敏性腸症候群(IBS)も、末梢性κアゴニストの目標である(JunienおよびRiviere、Alimentary Pharmacology and Therapeutics、9:117〜126頁、1995年)。
胃腸管に追加して、一次感覚性求心神経の活性化および/または過敏化を含む病理学的状態(すなわち局所的炎症)を示す他の内臓がまた、このようなκ受容体オピオイドに対する適切な目標を表すと考えられる。κ受容体オピオイドが用いられることが可能であるこれらの状態の例としては、膀胱炎症(膀胱炎)による尿失禁、月経困難症、血管運動性鼻炎、眼の炎症、および腎臓または膀胱結石誘起疼痛が挙げられる。
κアゴニストはまた、一次感覚性求心神経からの物質Pの放出を阻害することにより、神経原性炎症をブロックすることが、体細胞性組織において確立されていた。このような活性がまたGIおよび内臓組織においても存在すると仮定すると、末梢性κアゴニストは、疼痛または内臓過敏症が神経原性炎症に関連している状態(例えば膀胱炎)において寛解効果を有することが予期されるであろう。
κオピオイドアゴニストはまた、免疫系に作用して、主に抑制的な役割を免疫細胞において有することが公知である。これらの効果としては(i)T細胞−依存抗体産生の抑圧、(ii)分裂促進因子誘導および抗原誘導リンパ球増殖の変更、(iii)ナチュラルキラー(NK)細胞およびT細胞媒介細胞傷害性の調節;(iv)末梢血由来単核球(PBMC)の化学走性、および(v)PBMC機能の変更が挙げられる。これらの効果は、免疫応答を低下させることが重要であるいくつかの特定の適用において興味深い場合がある。
κオピオイドアゴニストはまた、血液透析を受けている患者における例えば尿毒症性そう痒症といった多様な状態に関連しているそう痒症(すなわち、かゆみ)を回復させることが公知であり、末梢作用性κアゴニストがこのような状態の治療において有用であろうことが予期されている。
加えて、κオピオイドアゴニストは、自由な水利尿、すなわち自由水利尿をもたらすことで知られている。理論に束縛されることは望まないが、この電解質節約型利尿は、腎臓または血液脳関門の外側に位置する下垂体後葉および/または基底内側視床下部ニューロンにおけるκオピオイド受容体に対する効果によると考えられており、これは、バソプレシンの放出および/または生物学的効果の阻害をもたらすことが可能である。従って、末梢作用性κアゴニストは、身体の血液ナトリウムレベルが正常値未満に低下したときに生じる潜在的に生死に関わる状態である体液正常型低ナトリウム血症の治療において有用であろうことが予期されている。ナトリウムがほとんど増加せずに総体内水分が増加したときに生じる体液正常型低ナトリウム血症は、ほとんどの場合、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、副腎不全、肺性障害、甲状腺機能低下症、特定の癌などの状態、ならびに特定の薬の使用(いくつかの抗うつ剤など)に関連している。低ナトリウム血症は、度々、身体における水と塩とのバランスを制御するホルモンのアルギニンバソプレシン(AVP)のレベルの高まりから生じる。これは、入院患者におけるもっとも普通の電解質障害であり、治療がもっとも困難なものの1つである。現在の治療的アプローチは、コニバプタンなどのアルギニンバソプレシン(AVP)受容体アンタゴニストに注目している。しかしながら、コニバプタンはCYP3A4阻害活性を有するため、ケトコナゾール、イトラコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル、およびインジナビルなどの強力なCYP3A4抑制剤と同時投与されることができず、この制限を有さない治療薬に対する要求がある。本発明の末梢作用性κアゴニストは、うっ血性心不全、肝臓肝硬変およびSIADHを生じる状態などの障害における塩と水との不均衡を改善するための臨床的実用性を有することが予期される。
KORに対してMORより高い親和性を示すが、チトクロムP450モノオキシゲナーゼ(CYP450)のアイソザイム/アイソフォーム、特にCYP3A4アイソザイム/アイソフォームに対するチトクロム阻害活性がほとんどない、またはまったくないペプチドが特に所望される。多くの重要な薬物相互作用が、腸、肝臓、肺、腎臓および脳に位置するこれらのアイソザイムに関するため、このような特徴が所望される。薬物新陳代謝は、2つのフェーズで生じる。フェーズIは酸化、還元、および加水分解を含み、他方でフェーズIIは、合成および共役を含む。CYP450アイソザイムは、フェーズI酸化反応に関与している。CYP450薬物相互作用は、一般に、阻害および誘導の2つのプロセスの一方から生じる。誘導は、物質が酵素の合成を刺激し、代謝能が増加することを意味する。阻害は、酵素の結合部位での競合的結合を意味する。CYP450アイソザイムに対して高い親和性を有する薬物は、通常はそのアイソザイムにより代謝されるであろう任意の低親和性薬物の新陳代謝を遅くし、有毒なレベルまで体内の薬物の蓄積をもたらすこととなる可能性がある。CYP3A4は、ヒト中においてもっともたくさんあるCYP450アイソザイムであり、アミオダロン、カルバマゼピン、アミトリプチリン、ネファゾドン、セルトラリン、種々のベンゾジアゼピン、Caチャネル遮断薬、アステミゾール、テルフェナジン、ブスピロン、シプロフロキサシン、ランソプラゾール、「スタチン」、およびシサプリドを含む最大限幅広い範囲の薬の新陳代謝に関与する。それ故、これらの薬は、患者がまた、マクロライド抗生物質、フルオキセチン、フルボキサミン、グレープフルーツジュース、インジナビル、イトラコナゾール、ケトコナゾール、およびリトナビルなどのCYP3A4の強力な抑制剤(inhibitor)として作用する薬の投薬を受けていないか、十分に注意して投与されなければならない。
他の重要なCYP450アイソザイムとしては以下が挙げられる。
・CYP2D6−フルオキセチン、パロキセチンおよびキニジンが、この酵素の強力な抑制剤である。CYP2D6によって代謝される薬は、アミオダロン、ハロペリドール、およびセレギリンを含む。
・CYP1A2−エリスロマイシンおよびフルボキサミンが、この酵素の強力な抑制剤である。CYP1A2によって代謝される薬は、アセトアミノフェン、アミトリプチリンおよびプロプラノールを含む。
・CYP2C9/10−SSRI抗うつ剤、シメチジン、ザフィルルカスト、「スタチン」、アミオダロン、フルコナゾールが、この酵素の強力な抑制剤である。ワルファリン、非ステロイド系抗炎症性薬、フェニトイン、およびアンギオテンシンII受容体アンタゴニストは、CYP2C9/10によって代謝される。
それ故、本発明は、抗侵害受容またはその他の治療的有益性を必要としている対象によって摂取されている他の薬との潜在的に危険な相互作用を回避することにより、κオピオイドペプチドの治療的実用性を高めるために、これらのCYP450酵素にほとんどまたはまったく阻害活性を有さない、κオピオイドペプチドを提供することを目的とする。
発明の概要
一実施形態において、本発明は、全体で、KORに対する高い選択性を示すと共に、CYP450酵素のいかなる顕著な阻害も示さない合成ペプチドアミドの属を提供する。本発明のいくつかの実施形態において、肝臓代謝酵素CYP3A4の阻害活性をほとんどまたはまったく示さないことにより、CYP450酵素の顕著な阻害の欠如が、明らかにされている。
いくつかの実施形態において、本発明は、合成ペプチドアミドの代謝産物を含む化合物を提供し、ここで、(i)代謝産物は、ペプチドアミドの哺乳動物への投与から形成されることが可能であり、(ii)化合物のκオピオイド受容体に対する親和性は、μオピオイド受容体に対するその親和性の少なくとも1,000倍であり、(iii)化合物は、チトクロムP450酵素阻害活性をほとんどまたはまったく示さず、および(iv)ペプチドアミドは、式:
H−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Q
を有し、
式中、Xaaは、フェニル基が場合によりNO、F、ClまたはCHで置換されているD−Phe、アミノ酸α炭素がメチル置換されたD−Phe、D−Tyr、D−Tic、D−Acp、D−2−Thi、またはD−3−Thiからなる群から選択され;Xaaは、フェニル基が場合によりNO、F、Cl、3,4−ジクロロまたはCHで置換されているD−Phe、D−1Nal、D−2Nal、D−TyrまたはD−Trpからなる群から選択され;Xaaは、D−Nle、D−Leu、アミノ酸α炭素がメチル置換されたD−Leu、D−Hle、D−Met、D−Val、D−PheまたはD−Acpからなる群から選択され;Xaaは、D−Arg、D−Har、D−nArg、D−Lys、D−Lys(Ipr)、D−Arg(Et)、D−Har(Et)、D−Amf(G)、D−Dbu、D−Orn、アミノ酸α炭素がメチル置換されたD−OrnまたはD−Orn(Ipr)からなる群から選択され、ここでGはHまたはアミジノであり;およびQはNR、ピペリジニル、4−ヒドロキシピペリジニル、4−オキソピペリジニル、ピペラジニル、4−モノ−または4,4−ジ−置換ピペラジニルまたはδ−オルニチニルであり、ここでRは置換ベンジル、2−チアゾリル、2−ピコリル、3−ピコリルまたは4−ピコリルであり、RはHまたは低級アルキルである。
本発明のいくつかの実施形態において、代謝産物は合成ペプチドアミドのN−オキシドである。
いくつかの実施形態において、本発明は、式:
H−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Q−N−オキシド
を有する合成ペプチドアミドのN−オキシドである化合物を提供し、
式中、Xaaは、フェニル基が場合によりNO、F、ClまたはCHで置換されているD−Phe、アミノ酸α炭素がメチル置換されたD−Phe、D−Tyr、D−Tic、D−Acp、D−2−Thi、またはD−3−Thiからなる群から選択され;Xaaは、フェニル基が場合によりNO、F、Cl、3,4−ジクロロまたはCHで置換されているD−Phe、D−1Nal、D−2Nal、D−TyrまたはD−Trpからなる群から選択され;Xaaは、D−Nle、D−Leu、アミノ酸α炭素がメチル置換されたD−Leu、D−Hle、D−Met、D−Val、D−PheまたはD−Acpからなる群から選択され;Xaaは、D−Arg、D−Har、D−nArg、D−Lys、D−Lys(Ipr)、D−Arg(Et)、D−Har(Et)、D−Amf(G)、D−Dbu、D−Orn、アミノ酸α炭素がメチル置換されたD−OrnまたはD−Orn(Ipr)からなる群から選択され、ここでGはHまたはアミジノであり;およびQはNR、ピペリジニル、4−ヒドロキシピペリジニル、4−オキソピペリジニル、ピペラジニル、4−モノ−または4,4−ジ−置換ピペラジニルまたはδ−オルニチニルであり、ここでRは置換ベンジル、2−チアゾリル、2−ピコリル、3−ピコリルまたは4−ピコリルであり、RはHまたは低級アルキルである。
いくつかの実施形態が、2−ピコリルアミド、3−ピコリルアミド、4−ピコリルアミド、およびピペラジンアミドのN−オキシドなどの、アミド−N−オキシドである化合物に特徴を有する。
発明の詳細な説明
ペプチドを定義するために用いた命名法は、Schroder & Lubke、「The Peptides」、Academic Press、1965年によって特定されたものであり、ここで、従来の表記によれば、N末端が左側におよびC末端が右側に現れる。アミノ酸残基が異性型を有する場合、これは、本明細書において他に明確に示されていない限り、表現されるアミノ酸のL−異性形態である。
いくつかの実施形態において、本発明は、KORに対して選択性であり、KORに対して強い親和性を示すばかりではなく、CYP3A4阻害活性をほとんどまたはまったく示さず、あるいは、他のCYP450酵素の阻害活性をほとんどまたはまったく示さないペプチドを提供する。特定の実施形態において、本発明のκ選択性オピオイドペプチドは、MORよりKORに対して少なくとも1,000倍高い結合親和性を有し、多くの化合物で少なくとも10,000倍高い親和性を有し、いくつかの化合物で20,000倍以上高い親和性を示す。しかしながら、多くの適用について、このような高い選択性と共に、κアゴニストは、チトクロムP450阻害活性の欠如ならびにインビボ抗侵害受容性活性の両方を示すことが重要である。
本明細書に一般に明記したとおり、本発明は、特定の実施形態において、以下の式を有するD−異性体テトラペプチドの属を提供する。
H−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Q−N−オキシド
式中、Xaaは、(A)D−Phe、(CαMe)D−Phe、D−Tyr、D−Tic、D−Acp、D−2−Thi、またはD−3−Thiであり、ここで、AはH、NO、F、ClまたはCHであり;Xaaは、(A’)D−Phe、D−1Nal、D−2Nal、D−TyrまたはD−Trpであり、ここで、A’はAまたは3,4Clであり;XaaはD−Nle、(B)D−Leu、D−Hle、D−Met、D−Val、D−PheまたはD−Acpであり、ここで、BはHまたはCαMeであり;XaaはD−Arg、D−Har、D−nArg、D−Lys、D−Lys(Ipr)、D−Arg(Et)、D−Har(Et)、D−Amf(G)、D−Dbu、(B)D−OrnまたはD−Orn(Ipr)であり、ここで、GはHまたはアミジノであり;およびQはNR、(C)ピペリジニル、ピペラジニル、モノ−またはジ−置換ピペラジニルまたはδ−オルニチニルであり、ここで、Rは2−チアゾリル、2−ピコリル、3−ピコリルまたは4−ピコリルであり、RはHまたは低級アルキルであり;およびCはH、4−ヒドロキシまたは4−オキソである。
D−NleとはD−ノルロイシンを意味し、およびD−HleはD−ホモロイシンを表す。D−HarはD−ホモアルギニンを表し、およびD−nArgは、D−Argより炭素1個分短いD−ノルアルギニンを表す。D−Nalとは、β炭素でナフチルにより置換されているアラニンのD−異性体を意味する。好ましくは、D−2Nal(すなわちナフタレンへの結合は、環構造上の2位である)が利用されるが、しかしながら、D−1Nalもまた用いられ得る。略語D−CpaおよびD−Fpaが、クロロ−D−Pheおよびフルオロ−D−Pheをそれぞれ表すために用いられ、ここで、D−4Cpa、D−2Fpa、D−3FpaおよびD−4Fpaが好ましい。D−Npaはニトロ−D−Pheを意味し、D−MpaはメチルD−Pheを表すために用いられる。D−3,4Cpaは3,4−ジクロロ−D−Pheを意味する。D−AcpはD−Ala(シクロペンチル)を表す。D−OrnはD−オルニチンを表し、D−Dbuはα,γ−ジアミノ酪酸を表す。CMLはCαメチルLeuを表し、CMPおよびCMOはCαMePheおよびCαMeOrnを表す。D−4Amfとは、D−4(NHCH)Pheを意味し、およびD−Gmfとは、4位がCHNHC(NH)NHで置換されているD−Pheを表すAmf(アミジノ)を意味する。Amdはアミジノを表し、および符号D−Amf(Amd)もまた用いられる。D−Ticとは、D−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸を意味する。Ala(Thi)において、Thiはチエニル基を表し、好ましくはその2位でアラニンに結合しているが、3−チエニルも均等物である。IlyおよびIorは、それぞれ、イソプロピルLysおよびイソプロピルOrnを意味し、ここで、側鎖アミノ基はイソプロピルでアルキル化されている。
低級アルキルとはC〜C、好ましくはC〜Cを意味するが、シクロプロピルおよびシクロブチルを含む。Me、Et、Pr、Ipr、Bu、PnおよびBzlはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチルおよびベンジルを表すために用いられる。Cypとは、シクロプロピルを意味し、およびCybとはシクロブチルを意味する。リンケージは、好ましくはアルキル鎖の一末端にあるが、リンケージは、例えば、エチルプロピルとしても称され得る3−ペンチルのように鎖中の他の箇所にあってもよい。4Nbzおよび4Abzは4−ニトロベンジルおよび4−アミノベンジルを表す。2−、3−および4−ピコリル(Pic)とは、メチルピリジン基を意味し、ここで、結合は、2−、3−または4位でメチレンを介している。4Ahxが4−アミノシクロヘキシルを表すために用いられ、およびhEtがヒドロキシエチル、すなわち−CHCHOHを表すために用いられる。Aebは、米国特許第5,965,701号明細書に示されるように4−(2−アミノ−2−カルボキシエチル)ベンジルを表すために用いられる。Pipとはピペリジニルを意味し、および4−HyPおよびOxPとは4−ヒドロキシピペリジニルおよび4−オキソ−ピペリジニルを意味する。Ppzとはピペラジニルを意味する。Ecpは4−エチルカルバモイルピペラジニルを表し;4−ジメチルピペラジニル(Dmp)または他のジ−低級アルキル置換などの、第4級アンモニウム部分もまた用いられ得る。置換ベンジルは、好ましくは4−アミノベンジルであり、2−Tzlとは、米国特許第5,965,701号明細書に示されるとおり2−チアゾリルを意味する。Dorとは、δ−オルニチニルを意味し、ここで、L−オルニチンの側鎖アミノ基は、C末端へのアミド結合により接続されている。本明細書において用いられる化学的部分の略記が下記のチャートにさらに記載されている。
Figure 2009538316
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いくつかの実施形態において、D−Pheまたは置換D−Pheが1位にある。フェニル環は、2−、3−および/または4環位で置換されていてもよく、通例、塩素またはフッ素による2または4環位での置換が好ましい。いくつかの実施形態において、α−炭素原子もまたメチル化されていてもよい。D−Pheに類似している他の等価な残基もまた用いられ得、およびこれらとしては、D−Acp、D−Ala(チエニル)、D−TyrおよびD−Ticが挙げられる。2位残基はまた、好ましくはD−Pheまたは置換D−Pheであり、このような置換は、フェニル環の4位炭素上の置換基または3−および4環位の置換基を含む。あるいは、ナフチルで置換されたD−アラニンならびにD−TrpおよびD−Tyrを用いることが可能である。3位残基は、好ましくは、D−Nle、D−Leu、D−CML、D−Hle、D−MetまたはD−Valなどのアミノ酸残基により占有されるが、しかしながら、D−AcpまたはD−Pheもまた用いられ得る。ジエチルで置換されていてもよいD−ArgおよびD−Harが、一般に4位残基に好ましいが、しかしながら、D−nArgおよび、D−LysまたはD−Ornなどの他の等価な残基が用いられ得る(そのいずれも、イソプロピルなどによりアルキル化されたそのω−アミノ基、またはメチル化されたそのα−炭素基を有することが可能である)。さらに、D−Dbu、D−4Amf(好ましくはアミジノで置換されている)、およびD−Hisもまた用いられ得る。
いくつかの実施形態において、米国特許第5,965,701号明細書に記載のものなどの、C末端に置換アミドを有するテトラペプチド化合物のCYP3A4阻害活性は、意外にもそして実質的に、N−オキシド部分の形成を伴うこのような化合物の誘導体の調製を介して減弱化する。このようなN−オキシドは、ピコリルN−オキシド、ならびに置換ベンジルなどの他の等価な残基の形態であり得る。一般に、ピコリルN−オキシド置換基が、単一置換アミドに好ましい。単一置換アミドの代わりに、例えばジエチルアミノといったジアルキル置換が代替的であるが;しかしながら、そのような二置換C末端は、ピペリジニルN−オキシドまたは4−ピペラジニルN−オキシド部分により占有されるのが好ましい。
理論に束縛されることは望まないが、KOR結合は、一般に、テトラペプチドのアミノ酸配列の属性であると考えられており、従って、いくつかの実施形態は、本明細書に記載のアッセイ条件下でのそのIC50が約10nM以下であるよう、κ受容体に対して結合親和性を示すべきである選択性κ受容体オピオイドペプチドを提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、式:
H−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Q−N−オキシド
を有するオピオイドペプチドの亜属を提供し、
式中、Xaaは、D−Phe(非置換、またはCαMe、2F、4Fまたは4Clによって置換されている)D−Acp、D−2−Thi、またはD−3−Thiであり;Xaaは、(A’)D−Phe、D−1Nal、D−2NalまたはD−Trpであり、ここで、A’はH、4F、4Cl、4NOまたは3,4Clであり;XaaはD−Nle、D−Leu、D−CML、D−MetまたはD−Acpであり;XaaはD−Arg、D−Arg(Et)、D−Lys、D−Ily、D−Har、D−Har(Et)、D−nArg、D−Orn、D−Ior、D−Dbu、D−Amf、およびD−Amf(Amd)であり;およびQはNR、Pip、4−HyP、OxPまたはPpzであり、ここで、RはMe、Et、Pr、Bu、hEt、Cyp、Bzlまたは4−ピコリルであり、およびRはHまたはEtである。
本発明の他の実施形態は、式:
H−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Q−N−オキシド
を有するκオピオイドペプチドの亜属を提供し、
式中、XaaはD−Phe、D−4Fpa、D−2Fpa、D−4Cpa、D−AcpまたはD−Ala(Thi)であり;XaaはD−Phe、D−4Fpa、D−4Cpa、D1Nal、D−2NalまたはD−Trpであり;XaaはD−Nle、D−Met、D−CMLまたはD−Leuであり;XaaはD−Arg、D−Lys、D−Har、D−nArgまたはD−Ornであり;およびQはNR、Pip、4−HyPまたはPpzであり、ここで、RはEt、Pr、Bu、Cyp、hEt、Bzlまたは4−Picであり、およびRはHまたはEtである。
本発明の他の実施形態は、式:
H−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Q−N−オキシド
を有するκオピオイドペプチドの亜属を提供し、
式中、XaaはD−Phe、D−4Fpa、D−2Fpa、D−AcpまたはD−Ala(2Thi)であり;Xaaは、(A)D−Phe、D−1Nal、D−2NalまたはD−Trpであり、ここで、Aは4Fまたは4Clであり;XaaはD−Nle、D−MetまたはD−Leuであり;XaaはD−Arg、D−Har、D−nArg、D−Lys、D−OrnまたはD−Amf(Amd)であり;およびQはNHR、PipまたはPpzであり、ここで、RはEt、Prまたは4Picである。
いくつかの実施形態において、XaaおよびXaaはD−Pheであり;XaaはD−NleまたはD−Leuであり;およびXaaはD−ArgまたはD−Ornである。さらにいくつかの実施形態において、本発明は、任意の薬学的に許容可能な対イオンを、場合により含むまたは含まない、化合物H−D−Phe−D−Phe−DNle−D−Arg−NH−4−ピコリルN−オキシドを提供し、ここでアセテートイオンが薬学的に許容可能な対イオンの例である。
いくつかの実施形態において、本発明のオピオイドペプチドは、N−オキシド置換アミドを4アミノ酸残基のC末端部位に組み込んだ結果、抗侵害受容性インビボ活性ならびにチトクロムP450酵素の実質的に低い阻害性を有すると考えられる。この特定の予想外の特質は、これらのいくつかが鎮痛薬として活性であるばかりではなく、CYP3A4阻害活性を基本的に有さず、従ってチトクロムCYP3A4阻害に基づく薬物相互作用を生じさせないであろうことにより、このようなペプチドを特に価値のあるものとする。N−オキシド置換C末端アミド無しで調製される、本発明の前述の実施形態のいくつかの特定のテトラペプチドもまた、MORと比してKORに対して高い選択性を示し、10マイクロモル以下の濃度でCYP3A4阻害活性をも示し得る。しかしながら、このようなオピオイドペプチドの多くが、4−ピコリル−N−オキシドなどのN−オキシド置換アミドをC末端に有するよう合成されたとき、よりさらに低いCYP3A4阻害活性を示すであろうことが完全に予期される。
本発明の前述の実施形態の記載中に多くのアミノ酸配列が記載されているが、列挙したアミノ酸残基の1つまたは複数は、保存的アミノ酸置換、例えば、1つの塩基性アミノ酸を他のものに、または1つの疎水性アミノ酸を他のものに、例えば、D−LeuをD−Ileにより、置換されていてもよいことは、ペプチド化学技術分野における当業者により理解されるべきである。同様に、種々の残基はまた、当該技術分野において一般に公知であるとおり改変され得る、例えば、D−Phe(既述のとおり)は、ハロゲンまたはニトロ基を、通常は3−または4位、または両方で組み込むことにより改変され得、あるいはα−炭素がメチル化され得る。このような改変は、均等なκ受容体オピオイドペプチドを生成すると考えられる。
ペプチドは、固相技術のみまたは従来の溶液添加などによる任意の好適な方法により、または代替的に、部分的な固相技術またはフラグメント縮合技術により合成されることが可能である。例えば、固相ペプチド合成(SPPS)のみの技術は、テキストStewart & Young、Solid-Phase Peptide Synthesis、第2版、Pierce Chemical Company、イリノイ州ロックフォード(Rockford, III.)、1984年に記載されており、米国特許第4,105,603号明細書の開示により例示されている。合成のフラグメント縮合法は、米国特許第3,972,859号明細書に例示されており、および他の利用可能な合成が米国特許第3,842,067号明細書および米国特許第3,862,925号明細書によって例示されている。従来の溶液添加合成は、Bodanzskyら、Peptide Synthesis、第2版、John Wiley & Sons、ニューヨーク(New York)、1976年に詳細に記載されている。
ペプチドのカップリングタイプ化学合成では、個別のアミノ酸または添加されるジペプチドまたはトリペプチドのカルボキシル基で付加が生じるよう、カップリングされるアミノ酸の任意の不安定な側鎖の保護、およびα−アミノ基の保護も普通である。このような保護基は当該技術分野において周知であり、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Z)および9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)が、SPPSまたは従来の溶液合成における好ましいα−アミノ保護基として度々用いられるが、代替的に用いられ得る多くの多様な他のα−アミノ保護基もある。
SPPSが用いられる場合、C末端アミノ−酸残基は、O−−CH−ポリスチレン担体、O−−CH−ベンジル−ポリアミド樹脂担体、−−NH−ベンズヒドリルアミン(BHA)樹脂担体、または−−NH−パラメチルベンズヒドリルアミン(MBHA)樹脂担体などの固体樹脂担体に結合される。BHAまたはMBHA樹脂の使用は、開裂がC末端アミドを直接的にもたらすため、未置換アミドが所望される場合に度々好ましい。N−メチルアミドが所望される場合、これはN−メチルBHA樹脂から生成されることが可能である。他の単一置換アミドは、W. Kornreichら、Int. J. Peptide Protein Res.、25:414〜420頁、1985年および米国特許第4,701,499号明細書に記載の手法により合成されることが可能である。N−ピペリジニルなどのジ−置換アミドをC末端に有するペプチドは、従来の溶液合成または溶液中でのフラグメント縮合を介して調製されることが好ましい。
一旦合成されると、これらのテトラペプチドは、例えば、逆相高性能液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)、または他の適切な方法といった、短鎖ペプチド精製のための当該技術分野で周知の方法を用いて容易に精製される。このような精製は、J. Rivierら、J. Chromatography、288:303〜328頁、1984年、およびC. MillerおよびJ. Rivier、Peptide Science、Biopolymer、40:265〜317頁(1996年)に詳細に記載されており、固相合成等の後のこのような精製の特定の例が米国特許第5,098,995号明細書に示されている。
本発明の化合物がκオピオイド受容体に対する高い親和性および選択性を示すかをテストするために多様なアッセイが利用され得る。受容体アッセイは当該技術分野において周知であり、数々の種からのκオピオイド受容体、そしてμおよびδオピオイド受容体がクローン化されている。κオピオイド受容体ならびにμおよびδオピオイド受容体は、従来の、7経膜貫通型、G−タンパク質結合受容体である。これらのクローン化された受容体は特定の候補化合物、例えばペプチドのスクリーニングを容易に許容するが、天然の哺乳類オピオイド受容体もまた、当該技術分野において周知であるとおりスクリーニング用に有用である(Dooley CTら、「Selective ligands for the mu, delta, and kappa opioid receptors identified from a single mixture based tetrapeptide positional scanning combinatorial library.」、J. Biol. Chem.、273:18848〜56頁、1998年)。 それ故、κおよびμオピオイド受容体の両方に対するスクリーニングは、組み換え型または天然のいずれであろうと、μオピオイド受容体と比較したκオピオイド受容体に対する化合物の選択性を測定するために実施し得る。
結合親和性とは、リガンドと受容体との間の相互作用の強度を指す。オピオイド受容体に対する結合親和性を実証するために、本発明の化合物は、競合結合実験を用いて査定することが可能である。これらの実験は、上記のとおり、安定な形質転換細胞系において発現されるクローン化κおよびμオピオイド受容体または受容体豊富な組織ソース由来の天然のオピオイド受容体を用いて実施することが可能である。これらの実験において、テスト化合物(未標識リガンド)は、実験対象の受容体に対して高い親和性および選択性を有する放射性標識化リガンドの特定の結合を置き換えるために、漸増濃度で用いられる。トリチウム標識U−69,593およびDAMGOを、それぞれ、κおよびμオピオイド受容体実験において、リガンドとして用いることが可能である。両方のリガンドが市販されている(NEN−デュポン(DuPont))。DAMGOは、[D−Ala、MePhe、Gly−ol]−エンケファリンについての頭字語である。放射性リガンドの親和性は、飽和実験における最大半量の特定の結合(K)をもたらす放射性リガンドの濃度によって定義される。テスト化合物(未標識またはコールドリガンド)の親和性は、阻害定数(K)を以下の式により算出することにより競合結合実験において判定される:
=IC50/[1+(F/K)]
式中、IC50=放射性リガンドの特定の結合の50%を阻害するコールドリガンドの濃度
F=遊離放射性リガンド濃度
=飽和実験において判定される放射性リガンドの親和性。
これらのアッセイを、比較的低濃度の受容体での特定の条件下で実施する場合、算出したテスト化合物についてのKは、結合部位の半分(50%)を占有するために必要なリガンドの濃度を表すその解離定数Kの近似値である。ナノモル濃度およびナノモル濃度以下の範囲での低いK値が、オピオイド受容体での高い親和性リガンドを識別すると考えられている。好ましい類似体は、約10ナノモル濃度(nM)以下のκオピオイド受容体に対するKを有し、より好ましい類似体は、約1nM以下のKを有する。(1)比較的低投与量の薬物の使用を可能とし、これが低い親和性相互作用による副作用の可能性を最低とするため、および(2)同等の吸収、分散、新陳代謝、および排出を仮定すると、比較してより微量のより親和性の高い化合物が所望の治療効果をもたらすために必要とされることから、1投与量の生産コストを低減する可能性があるため、高親和性化合物が好ましい。好ましい類似体はまた、μオピオイド受容体について約1マイクロモル濃度(uM)以上のKを有し、より好ましい類似体はμオピオイド受容体について約10uM以上のKを有する。本発明の有用な化合物を識別する目的において、適切なアッセイ条件下でのIC50は、Kの有用な近似値である。
κオピオイド受容体およびμオピオイド受容体を利用するこれらの結合アッセイは実施が簡単であり、多数の化合物で、これらのような化合物がκオピオイド受容体選択性であり、高い親和性を有するかを判定するために容易に実施することが可能である。このような結合アッセイは、当業者に周知であるとおり多様な方法で実施することが可能であり、この一般的なタイプのアッセイの1つの詳細な例が、Young EAら、「[3H]Dynorphin A binding and kappa selectivity of prodynorphin peptides in rat, guinea pig and monkey brain.」、Eur. J. Pharmacol.、121:355〜65頁、1986年に記載されている。
多様なアッセイが、本発明の化合物が、普通CYP450酵素で、および特にCYP3A4で低い阻害活性示すかをテストするために利用され得る。酵素アッセイは当該技術分野において周知であり、数々の種からのCYP450酵素がクローン化されている。これらのクローン化された酵素は特定の候補化合物、例えば、ペプチドのスクリーニングを容易に許容するが、CYP450酵素の天然ソース、例えば、肝臓ミクロソームもまた、当該技術分野において周知であるとおりスクリーニング用に有用である。好ましい類似体は、約10マイクロモル濃度(uM)以上のKをCYP450酵素に対して有し、その一方で、さらに好ましい類似体は、約100uM以上のKをμオピオイド受容体に対して有する。本発明の有用な化合物を識別する目的のために、IC50は、Kの有用な近似値である。
本発明は、以下の実施例によってさらに記載されている。この実施例は、しかしながら、本明細書に添付の特許請求の範囲に記載の本発明の精神または範囲のいずれかを、どのようにも限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例1
式:H−D−Phe−D−Phe−D−Nle−D−Arg−NH−4−ピコリル−N−オキシドを有するペプチドNo.1は、ペプチド合成技術分野において周知のとおり、特に、H−D−Phe−D−Phe−D−Nle−D−Arg−NH−4−ピコリルなどのペプチドの合成の観点において米国特許第5,965,701号明細書に記載のとおり、適切に合成される。ペプチドNo.1の構造は以下のとおりである。
Figure 2009538316
それぞれ、KORおよびMORを含有するモルモットおよびラット脳膜での結合アッセイが、本明細書において既述のとおり実施される。KORは、結合している放射性リガンドの競合的置換によって決定されるとおり、ペプチドNo.1に高い親和性をもって結合し、IC50が約6.3nMと判定される(表1)。MORは、わずかに15.5%の最大結合阻害が計測されたため(表2)、IC50が該アッセイ条件下で測定するには高すぎ、MORと比した親和性における差は著しい(表2)。それ故、ペプチドNo.1は、1,000をはるかに超える係数で、MORよりもより強固にKORに結合する。KORでのペプチド1の生理活性を、当該技術分野において周知であるとおり、環状AMP(cAMP)アッセイで計測されるアデニル酸シクラーゼのG−媒介阻害(表3)を用いて機能性二次メッセンジャーアッセイにおいて実証した。
Figure 2009538316
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選択されたペプチドの1つが、さらに、鎮痛作用の測定のためにインビボテストに特に供される。インビボテストは、抗侵害受容性生物活性の期間の長さを測定するために良好に適したマウスライジングテスト(WT)を用いて実施される。このテストは、G. A. Bentleyらによる記事、Br. J. Phamac.、73:325〜332頁、1981年に詳細に記載されており、これは、Harlanから購入され、体重が20〜30グラムの間である意識のあるオスICRマウスを利用する。マウスは、テストの開始前12〜16時間にわたって絶食される。監視されるべき侵害受容性挙動、すなわちライジングは、希酢酸の腹腔内(i.p.)投与によって誘起される。10ミリリットルの0.6%水性酢酸が、体重kg当たりで用いられる。ライジングは、酢酸投与から15分間の間採点される。普通、化合物は、静注経路での3〜4の漸増投与量で、および1つの固有の前処置時間(酢酸注入前−5分間)でテストされる。このステップは、効力(WT−ED50)ならびに亜最大有効投与量(約80〜90%抗侵害受容を判定するために用いられる。テスト全体を通して、候補ペプチドを含まないビヒクルだけが投与されるマウスの対照グループが用いられる。米国特許第5,965,701号明細書に記載のとおり、ライジングの回数は、酢酸注入時から開始して15分間にわたってカウントされ、生理活性、すなわち抗侵害受容は、パーセンテージとして表記される。
マウス酢酸ライジングアッセイにおけるペプチドのテストは(本明細書に後述のとおり、および図1に図示されているとおり)、静脈内投与後に約0.027mg/kgのA50を示す(図2;95%信頼限界:0.019〜0.040;R=0.603)。数々のチトクロムP450酵素活性への化合物1のテストは、顕著な阻害活性の欠如を実証し(表4)、C末端アミド上のN−オキシド置換のみを欠く関連化合物によって阻害されると観察されたP450 3A4アイソザイムについて特に著しかった。
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オピオイドペプチドは、鎮痛薬として、およびKOR系に関連する病態学を処置する他の薬理学的用途に有用である。これは、便秘、呼吸抑制およびそう痒などの望ましくない影響を有する例えばモルヒネといったμアゴニスト痛み止めを超える利点を示す。末梢効果は、既述のマウスライジングテスト(WT)を用いて計測される。
これらのペプチドはKORに強固に結合するため、これらはまた、受容体を実験する、および何の受容体が特定の組織サンプル内に存在し得るかを判定するためのインビトロアッセイにおいて有用である。それ故、これらは、この点において診断に有用であり、インビボ診断にも有用な可能性がある。
一般に、これらのオピオイドペプチドは、内臓疼痛の治療における抗侵害受容を達成するために、また、関節リウマチを治療するために用いられることが可能である。これらは、消化障害および疼痛などの腹腔術後症状の治療に特に有用である。これらはまた、IBS、膀胱不安定性、失禁、ならびに局所的炎症が腸または他の内臓における疼痛状態をもたらす、例えば炎症性腸疾患(IBD)および月経困難症といった他の兆候を治療するために有効であると考えられる。免疫応答を低下させるオピオイドペプチドの能力は、自己免疫疾患などのIBDおよび他の兆候との闘病において有利であり得る。ペプチドの投与は、急性および慢性的炎症性状態の両方に関して局所的な鎮痛作用をもたらすために利用されることが可能である。これらは、腹部膨満、嘔気などの症状を有する消化性イレウス、または例えば、おそらく痙攣性収縮によって生じる腸閉塞といった疼痛に関連する腸管通過阻害を治療するために用いられることが可能である。オピオイドペプチドはまた、末梢鎮痛をもたらすために有効であり、これらは、術後疼痛、ならびに胃腸管系および内臓組織の炎症によって生じるものなどの慢性的疼痛の軽減、および、薬物依存症からの退薬症状の軽減を目標とすることが可能である。これらの化合物はまた、血液透析を受けている患者における尿毒症性そう痒症などの多様な状態に関連するそう痒症(かゆみ)を治療するために用いられることが可能であり、さらに、水とナトリウムとが不均衡の状態、例えば、ナトリウムがほとんど増加せずに総体内水分が増加したときに生じる体液正常型低ナトリウム血症(ほとんどの場合、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、副腎不全、肺性障害、甲状腺機能低下症、特定の癌および特定の薬の使用(いくつかの抗うつ剤など)などの状態に関連している)において、自由水利尿を誘引するために用いられることが可能である。化合物はまた、うっ血性心不全および肝臓肝硬変などの障害における塩と水との不均衡を治療するために、自由水利尿をもたらすために用いられることが可能である。
本発明の化合物は、当該技術分野において周知であるとおり、薬学的に許容可能な、酸付加塩などの無毒塩の形態で投与され得る。このような酸付加塩の例示は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、オキサレート、フマレート、グルコネート、タンニン酸塩、パモエート、マレエート、アセテート、クエン酸、安息香酸塩、琥珀酸塩、アルギン酸塩、リンゴ酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩等である。活性処方成分が錠剤形態で投与されるべきである場合には、錠剤は、薬学的に許容可能な、トラガントゴム、コーンスターチまたはゼラチンなどのバインダーを含む無毒希釈剤を含有し得る。等張生理食塩水、リン酸緩衝剤、マンニトールまたはグルコース溶液中での静脈内投与もまたなされ得る。
薬学的組成物は、通常は、有効量のペプチドを、従来の、薬学的に許容可能なキャリアまたは希釈剤と併せて含有するであろう。一般に、組成物は、抗侵害受容性量、すなわち疼痛を遮断するのに有効な量を含有するであろう。通常は、投与量は、静脈内で投与されるとき、約1マイクログラム〜約10ミリグラムのペプチド/宿主の体重のキログラムであろう。組成物は、必要に応じて投与され得、例えば、3〜6時間の間隔で反復的に投与され得る。これらの化合物の性質は、場合により有効な経口投与を許容し得るが、しかしながら、経口投与量は多い場合がある。単回投与から、例えば1週間以上といった長期の期間にわたってオピオイドペプチドを投与することが所望される場合、徐放、持効性製剤またはインプラント植込錠剤形が利用され得る。例えば、好適な、注入用徐放性持効性製剤配合物は、米国特許第3,773,919号明細書に記載のとおり、ポリ乳酸/ポリグリコール酸ポリマーなどの遅分解性、無毒性または非抗原性ポリマー中に分散された、または被包されたペプチドまたはその塩を含有し得る。徐放性投与は、当該技術分野において既述のとおり、シラスチックインプラント植込錠を介して、または頬側パッチを用いて達成されることが可能であることもまた知られている。
これらの化合物は、哺乳動物に、腹膜の刺激作用により誘起される胃腸管通過阻害を抑制するなど抗侵害受容を達成するために、静脈内、皮下、筋肉内、経皮的、鼻腔内、肺内、腸内または膣内的に投与されることが可能である。これらは、従って、術後疼痛の軽減のために用いられ得る。有効な投与量は、投与形態および治療される哺乳動物の特定の種で変化することとなる。一つの典型的な剤形の例は、pH約3〜8、例えば約6の、ペプチドを含有する静細菌性水溶液であり、この溶液は、約0.3マイクログラム〜3mg/体重1kg/日の範囲の投与量を提供するために非経口的に連続的に投与される。これらの化合物は、インビボで良好に許容的であると考えられ、静細菌性水溶液等中での皮下注射による投与に特に良好に好適であると考えられる。
経鼻投与のために、末梢選択性κオピオイドアゴニストは、エアロゾルとして処方されることが可能である。「エアロゾル」という用語は、気管支梢または経鼻流路に吸入されることが可能である、本発明の化合物の任意の気体由来の懸濁相を含む。具体的には、エアロゾルは、定量吸入器または噴霧器中、またはミストスプレーヤー中に製造され得る、本発明の化合物の小滴の気体由来の懸濁物を含む。エアロゾルはまた、例えば吸入により吸入器デバイスから送達され得る、空気または他のキャリアガス中に懸濁された本発明の化合物の乾燥粉末組成物をも含む。Ganderton & Jones、Drug Delivery to the Respiratory Tract、Ellis Horwood(1987年);Gonda (1990年)、Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems、6:273〜313頁;およびRaeburnら(1992年)、J. Pharmacol. Toxicol. Methods、27:143〜159頁を参照のこと。
本発明の配合物の非経口投与は静脈内、皮下、筋肉内および経皮投与を含む。
非経口投与用の調製物は、すぐに注入可能な無菌溶液、使用の直前にすぐに溶剤と組み合わされることが可能である無菌乾燥可溶性生成物(皮下注射用錠剤を含む)、すぐに注入可能な無菌懸濁液、使用の直前にすぐにビヒクルと組み合わされることが可能である無菌乾燥不溶性生成物、および無菌エマルジョンを含む。溶液は、水性であっても非水性であってもよく、これにより、注射、点滴、または植え込み型ポンプを用いることによる送達のために製剤化される。静脈内、皮下、および筋肉内投与のために、本発明の有用な配合物は、制御された放出特性を備えるマイクロカプセル調製物(R. Pwarら、「Protein and peptide parenteral controlled delivery.」、Expert Opin Biol Ther.、4(8):1203〜12頁、2004年)または脈管構造における延長された循環時間を得るために当該技術分野において公知である、好ましい形態がポリエチレンコーティングリポソームであるリポソーム中への封入物(例えば、Koppal, T.、「Drug delivery technologies are right on target」、Drug Discov. Dev.、6、49〜50頁、2003年)を含む。
経皮送達用調製物が前記送達用に好適なデバイスに組み込まれ、前記デバイスは、薬の経皮送達を向上させるために有用であると当該技術分野において公知である、例えば、イオントフォレシス(Kalia YNら、「Iontophoretic drug delivery.」、Adv Drug Deliv Rev.、56:619〜58頁、2004年)または真皮透過表面(Prausnitz MR.、「Microneedles for transdermal drug delivery.」、Adv Drug Deliv Rev.、56:581〜7頁、2004年)などを利用する。同等に作動する電気輸送デバイスおよび方法が、米国特許第6,718,201号明細書に開示されている。イオントフォレシスを使用してペプチドの経皮送達を促進する方法が、米国特許第6,313,092号明細書および米国特許第6,743,432号明細書に開示されている。本明細書において、「電気輸送(electrotransport)」、「イオントフォレシス」、および「イオントフォレシス性」という用語は、体表(例えば、皮膚)を通した、1種以上の薬学的に活性な本発明の化合物の、薬剤を含有するリザーバに印加された起電力による送達を指すために用いられる。薬剤は、電気泳動、エレクトロポレーション、電気浸透またはこれらの任意の組み合わせによって送達され得る。電気浸透はまた、電気流体力学的運動(electrohydrokinesis)、電気対流、および電気的誘起浸透作用としても称される。普通、化合物の組織への電気浸透は、治療種リザーバへの起電力の印加によりもたらされる、化合物を含有する溶剤の泳動、すなわち、他のイオン性種の電気泳動により誘起される溶剤流からもたらされる。電気輸送プロセスの最中、「エレクトロポレーション」とも称される、皮膚において過渡的に存在するポアの形成などの、皮膚の特定の改良または変質が生じ得る。体表への改良または変質(例えば、皮膚へのポアの形成)により促進された、種の電気的に補助された輸送はいずれもまた、本明細書において、「電気輸送」という用語に包含される。それ故、本明細書において用いられるところ、本発明の化合物への適用で、「電気輸送」、「イオントフォレシス」および「イオントフォレシス性」という用語は、(1)電気泳動による荷電薬剤の送達、(2)電気浸透プロセスによる未荷電薬剤の送達、(3)エレクトロポレーションによる荷電または未荷電薬剤の送達、(4)電気泳動および電気浸透の複合プロセスによる荷電薬剤の送達、および/または(5)電気泳動および電気浸透の複合プロセスによる荷電および未荷電薬剤の混合物の送達を指す。電気輸送デバイスは、一般に、両方が身体の皮膚のいくらかの部分と密接な電気的接触で位置された2つの電極を利用する。活性電極またはドナー電極と呼ばれる一方の電極は、治療薬が身体に送達される電極である。対電極または戻り電極と呼ばれる他方の電極は、身体を通った電気回路を閉じるために役立つ。患者の皮膚と併せて、この回路は、例えばバッテリーといった電気エネルギー源、および、通常は、デバイスを通過する電流を制御することが可能である回路への電極の接続により完結される。
経皮的に送達されるべき化合物の電荷に応じて、陽極または陰極の一方が活性電極またはドナー電極であり得る。それ故、輸送されるべき化合物が正に荷電されている場合(例えば本明細書において実施例1に例示されている化合物)、正極(陽極)が活性電極であり、負極(陰極)が対電極として機能して、回路が完結されることとなる。しかしながら、送達されるべき化合物が負に荷電されている場合には、陽極が活性電極であり、陰極が対電極となる。電気輸送デバイスは、さらに、身体に送達されるべき治療薬のリザーバまたはソースを必要とする。このような薬物リザーバは、電気輸送デバイスの陽極または陰極に接続されて、1種以上の所望の種または薬剤の、固定または交換可能なソースを提供する。電極アセンブリの各々は、使用中は患者の皮膚に接触して配置されるイオン伝導性液体リザーバとイオン伝達関係にある導電性電極から構成される。Webster(米国特許第4,383,529号明細書)に記載のものなどのゲルリザーバは、水和ゲルは液体充填コンテナより取扱いおよび生産が容易であるため、リザーバの好ましい形態である。水は、部分的には本発明の好ましいペプチド化合物の塩は水溶性であり、および部分的には水は皮膚に対して非刺激性であるため、 このようなリザーバにおいて用いられる非常に好ましい液体溶剤であり、これにより、ヒドロゲルリザーバと皮膚との間の持続的な接触が可能とされている。リザーバおよびソースの例としては、米国特許第4,250,878号明細書に記載のポーチ、米国特許第4,382,529号明細書に開示の予め形成されたゲル体、および米国特許第4,722,726号明細書の図面に開示の薬物の液体溶液を保持するガラスまたはプラスチックコンテナが挙げられる。電気輸送のために、本発明のペプチドは、イオン性界面活性剤(例えば、米国特許第4,722,726号明細書)または水以外の共溶媒(例えば、欧州特許出願第278,473号明細書)などのフラックス促進剤と共に処方されることが可能である。あるいは、皮膚の外側層(すなわち、角質層)を、それを通す電気輸送送達の前に機械的に破壊することが可能である(例えば、米国特許第5,250,023号明細書)。
電気輸送用に良好に適している末梢選択性κオピオイドアゴニストは、例えば、公知の電気輸送フラックス特徴を有する標準検査ペプチド、例えば甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(R. Burnetteら、J. Pharm. Sci.(1986年)75:738)またはバソプレシン(Nairら、Pharmacol Res.、48:175〜82頁、2003年)と比した体表(例えば、皮膚または粘膜)を介したそれらの電気輸送フラックスを計測することにより選択されることが可能である。経皮電気輸送フラックスは、当該技術分野において周知である多数のインビボまたはインビトロ方法を用いて測定することが可能である。インビトロ方法は、適切な哺乳動物の皮膚の一片(例えばヒト屍骸皮膚)を、電気輸送フラックスセルのドナーおよび受容体コンパートメントの間に、皮膚片の角質層側をドナーコンパートメントに向けてクランピングする方法を含む。送達されるべき薬物を含有する液体溶液またはゲルを角質層と接触するよう配置し、各コンパートメントにおける一方の電極に電流を印加する。経皮フラックスは、受容体コンパートメント中のある量の薬物のサンプルを採ることにより算出される。経皮電気輸送薬物送達を至適化するために用いた2つの良好なモデルは、例えば、摘出ブタ皮膚フラップモデル(Heit MCら、「Transdermal iontophoretic peptide delivery: in vitro and in vivo studies with luteinizing hormone releasing hormone.」、J. Pharm. Sci.、82:240〜3頁、1993年)、および無毛げっ歯類またはモルモット由来の摘出無毛皮膚の使用である。Hadzija BWら、「Effect of freezing on iontophoretic transport through hairless rat skin.」、J. Pharm. Pharmacol.、44、387〜390頁、1992年を参照のこと。経皮イオントフォレシス送達用の本発明の好ましい化合物は、自身の送達を促進するために、1つの、または典型的には、2つの荷電窒素を有することが可能である。
他の有用な経皮送達デバイスは、針を用いることなく皮膚透過を達成する圧力下での高速送達を利用する。経皮送達は、当該技術分野において公知であるとおり、時々、当該技術分野において「浸透促進剤」として称され、すなわち、角質層の浸透性を高めるために、薬物と一緒に投与され(またはいくつかの場合において、薬物投与の前に皮膚を前処理するために用いられ)、これにより、皮膚を介した薬物の透過の促進を提供する化合物である、化学的促進剤の使用により向上されることが可能である。好ましい化学的透過促進剤は、無害であり、受動拡散か、または電気輸送などのエネルギー生起プロセスかによって、角質層を介した薬物の拡散を単に手助けするよう作用する化合物である。例えば、Meidan VMら、「Enhanced iontophoretic delivery of buspirone hydrochloride across human skin using chemical enhancers.」、Int. J. Pharm.、264:73〜83頁、2003年を参照のこと。
本発明をその好ましい実施形態に関して記載してきたが、当業者に明らかであろう変更および改良が、本明細書に添付の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱せずになされてもよいことが理解されるべきである。例えば、ペプチドの有効性を著しく減じることのない当該技術分野において公知である他の代替物が、本発明のペプチドにおいて利用され得る。(4Br)D−Pheまたは(2,4Cl)D−Pheなどの他の置換D−Phe残基を2位で用いることが可能である。D−Lys(Bu)およびD−Lys(Et)の両方は、D−IlyおよびD−Arg(Et)の等価物であると考えられる。テトラペプチドのN末端は、所望の場合には、当該技術分野において公知であるとおり、過メチル化されていてもよい。
本明細書に既述のすべての米国特許の開示は、本明細書において参照により援用される。本発明の特定の特徴は、添付の特許請求の範囲に強調されている。
マウス酢酸ライジング試験法により実施したステップを時系列で示すグラフである。 マウス酢酸ライジング試験法を用いた内臓疼痛に対する、ペプチド1の静脈内注射の抗侵害受容性効果を示すグラフである。マウス酢酸ライジング試験法を用いて計測したパーセント抗侵害受容が、対数目盛の投与量に対してプロットされ、これは10、30、および100マイクログラムペプチド1/体重キログラムの投与量でのデータ点に基づく線形適合を伴う。

Claims (13)

  1. 合成ペプチドアミドの代謝産物を含む化合物であって、(i)前記代謝産物がペプチドアミドの哺乳動物への投与から形成されることが可能であり、(ii)前記化合物のκオピオイド受容体に対する親和性が、μオピオイド受容体に対するその親和性の少なくとも1,000倍であり、(iii)前記化合物が、チトクロムP450酵素阻害活性をほとんどまたはまったく示さず、および(iv)前記ペプチドアミドが、式:
    H−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Q
    を有し、
    式中、Xaaは、フェニル基が場合によりNO、F、ClまたはCHで置換されているD−Phe、アミノ酸α炭素がメチル置換されたD−Phe、D−Tyr、D−Tic、D−Acp、D−2−Thi、またはD−3−Thiからなる群から選択され;Xaaは、フェニル基が場合によりNO、F、Cl、3,4−ジクロロまたはCHで置換されているD−Phe、D−1Nal、D−2Nal、D−TyrまたはD−Trpからなる群から選択され;Xaaは、D−Nle、D−Leu、アミノ酸α炭素がメチル置換されたD−Leu、D−Hle、D−Met、D−Val、D−PheまたはD−Acpからなる群から選択され;Xaaは、D−Arg、D−Har、D−nArg、D−Lys、D−Lys(Ipr)、D−Arg(Et)、D−Har(Et)、D−Amf(G)、D−Dbu、D−Orn、アミノ酸α炭素がメチル置換されたD−Orn、またはD−Orn(Ipr)からなる群から選択され、ここでGはHまたはアミジノであり;およびQはNR、ピペリジニル、4−ヒドロキシピペリジニル、4−オキソピペリジニル、ピペラジニル、4−モノ−または4,4−ジ−置換ピペラジニルまたはδ−オルニチニルであり、ここでRは置換ベンジル、2−チアゾリル、2−ピコリル、3−ピコリルまたは4−ピコリルであり、RはHまたは低級アルキルである化合物。
  2. 前記代謝産物が、前記合成ペプチドアミドのN−オキシドである、請求項1に記載の化合物。
  3. QがNHRであり、Rが2−ピコリル、3−ピコリル、または4−ピコリルである、請求項2に記載の化合物。
  4. 前記N−オキシドが、前記ピコリル部分の環窒素で形成される、請求項3に記載の化合物。
  5. XaaおよびXaaがD−Pheであり、XaaがD−NleまたはD−Leuであり、XaaがD−ArgまたはD−Ornである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 前記合成ペプチドアミドが、任意の薬学的に許容可能な対イオンを、場合により含むまたは含まない、H−D−Phe−D−Phe−DNle−D−Arg−NH−4−ピコリルである、請求項1に記載の化合物。
  7. 前記化合物が、任意の薬学的に許容可能な対イオンを、場合により含むまたは含まない、H−D−Phe−D−Phe−DNle−D−Arg−NH−4−ピコリルN−オキシドである、請求項6に記載の化合物。
  8. 式:
    H−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Q−N−オキシド
    を有する合成ペプチドアミドのN−オキシドである化合物であって、
    式中、Xaaが、フェニル基が場合によりNO、F、ClまたはCHで置換されているD−Phe、アミノ酸α炭素がメチル置換されたD−Phe、D−Tyr、D−Tic、D−Acp、D−2−Thi、またはD−3−Thiからなる群から選択され;Xaaが、フェニル基が場合によりNO、F、Cl、3,4−ジクロロまたはCHで置換されているD−Phe、D−1Nal、D−2Nal、D−TyrまたはD−Trpからなる群から選択され;Xaaが、D−Nle、D−Leu、アミノ酸α炭素がメチル置換されたD−Leu、D−Hle、D−Met、D−Val、D−PheまたはD−Acpからなる群から選択され;Xaaが、D−Arg、D−Har、D−nArg、D−Lys、D−Lys(Ipr)、D−Arg(Et)、D−Har(Et)、D−Amf(G)、D−Dbu、D−Orn、アミノ酸α炭素がメチル置換されたD−Orn、またはD−Orn(Ipr)からなる群から選択され、ここでGはHまたはアミジノであり;およびQがNR、ピペリジニル、4−ヒドロキシピペリジニル、4−オキソピペリジニル、ピペラジニル、4−モノ−または4,4−ジ−置換ピペラジニルまたはδ−オルニチニルであり、ここで、Rは置換ベンジル、2−チアゾリル、2−ピコリル、3−ピコリルまたは4−ピコリルであり、RはHまたは低級アルキルであり;または前記化合物のいずれかの多形体である化合物。
  9. QがNHRであり、Rが2−ピコリル、3−ピコリル、または4−ピコリルであり、および前記N−オキシドが前記ピコリル部分の環窒素で形成される、請求項8に記載の化合物。
  10. XaaおよびXaaがD−Pheであり、XaaがD−NleまたはD−Leuであり、XaaがD−ArgまたはD−Ornである、請求項8または9に記載の化合物。
  11. 前記化合物が、任意の薬学的に許容可能な対イオンを、場合により含むまたは含まない、H−D−Phe−D−Phe−DNle−D−Arg−NH−4−ピコリルN−オキシドである、請求項10に記載の化合物。
  12. 抗侵害受容性量の、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、およびそのための薬学的に許容可能な液体または固体キャリアを含む、薬学的組成物。
  13. 薬学的有効量の、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物を投与するステップを含む治療方法であって、(a)内臓疼痛、関節リウマチ、腹腔術後症状または急性もしくは慢性的疼痛があるときの抗侵害受容の達成、または(b)膀胱不安定性、失禁または消化性イレウスの治療、(c)IBDまたは自己免疫疾患の治療、または(d)そう痒症の軽減、または(e)身体ナトリウムと水との不均衡が症状の一因である状態における自由水利尿の発現に有効である方法。
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