JP2009537804A - 検出法およびキット - Google Patents

検出法およびキット Download PDF

Info

Publication number
JP2009537804A
JP2009537804A JP2009510419A JP2009510419A JP2009537804A JP 2009537804 A JP2009537804 A JP 2009537804A JP 2009510419 A JP2009510419 A JP 2009510419A JP 2009510419 A JP2009510419 A JP 2009510419A JP 2009537804 A JP2009537804 A JP 2009537804A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antigen
antibody
hepatitis
solid support
hbsag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009510419A
Other languages
English (en)
Inventor
デュシュヌ,ミッシェル
ギフロワ,ディディエ
マズィー,クリストフ
Original Assignee
グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム filed Critical グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム
Publication of JP2009537804A publication Critical patent/JP2009537804A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/576Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for hepatitis
    • G01N33/5761Hepatitis B
    • G01N33/5764Hepatitis B surface antigen
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/576Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for hepatitis
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

【課題】金属塩と結び付いた抗原を検出および/または定量する方法の提供。
【解決手段】
本発明は、金属塩と結び付いた抗原を検出および/または定量するための方法に関する。この抗原は、異なる複数の抗原の混合物中、たとえば多価ワクチン組成物中に含まれていてもよい。本発明はさらに、本発明の方法で使用するキットを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属塩と結び付いた抗原の検出法に関する。
特に本発明は、水酸化アルミニウムもしくはリン酸アルミニウム、またはヒドロキシリン酸硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩と結び付いた抗原の量を検出するための方法に関する。
金属塩と結び付いた抗原を検出するために使用できる先行技術の方法は、このように知られているが(たとえば、WO2004/038417およびAbbott AuszymeTMキットを参照されたい)、これらはいずれも、たとえば水酸化アルミニウムを含有するB型肝炎ワクチンの分析に使用することができる。
精製組換えB型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)を含有するB型肝炎ワクチンは世界中で広く用いられており、定期接種の小児用混合ワクチンの成分として使用されることが増えている。こうしたワクチンの品質管理には力価の測定が必要であり、そのほとんどは現在HBsAg含量を測定するin vitro力価アッセイを用いて検査されている。製造メーカーは製品固有のアッセイを開発しているが、これらはいずれも主として、市販のELISAキット(Abbott laboratories製AuszymeTM EIAキット)を基本とし、公式検査のために多くの国の品質管理検査機関によって使用されている。
AuszymeTMキットは、マウスモノクローナルIgM抗HBsAgでコーティングされたビーズ、およびペルオキシダーゼで標識されたマウスモノクローナルIgG抗HBsAgを用いたサンドイッチ法に基づくものであって、それは、アルミニウムアジュバントからHBsAgを事前に脱離することなしにワクチンに使用することができる。
キューバB型肝炎ワクチンの製造メーカーは、B型肝炎抗原測定のための間接的方法を開発している(CuervoおよびHuerta、キューバB型肝炎ワクチンのためのin vitro力価試験の検証(Validation of an in vitro potency test for the Cuban hepatitis B vaccine)、Dev Biol (Basel). 2002;111:305-12、およびCuervoら、Biologicals 32, 2004, 171 - 176を参照されたい)。
WO2004/038417 Validation of an in vitro potency test for the Cuban hepatitis B vaccine, Dev Biol (Basel). 2002;111:305-12 Cuervoら, Biologicals 32, 2004, 171 - 176。
金属または金属塩と結び付いた抗原を検出するための方法、特に複数の抗原の混合組成物の状態で、こうした抗原を検出するための方法が今もなお必要とされている。本発明はこの必要性に対処する。
第1の態様において、本発明は、金属塩と結び付いた抗原を検出および/または定量するための方法に関するものであって、その方法は下記を含んでなる:
1 抗原を、その抗原に特異的な抗体と接触させること;
2 未結合の抗体と、固相支持体に連結された抗原とを、存在するすべての抗体が固相支持体上の抗原とともに抗体-抗原複合体を形成し得る条件下で接触させること;ならびに
3 固相支持体上で形成された抗体-抗原複合体を検出すること。
関連態様において、本発明は、アルミニウム塩と結び付いたB型肝炎抗原を検出および/または定量するための方法に関するものであって、その方法は下記を含んでなる:
1 抗原を、その抗原に特異的な抗体と接触させること;
2 未結合の抗体と、固相支持体に連結された抗原とを接触させて、存在するすべての抗体が固相支持体上の抗原とともに抗体-抗原複合体を形成できるようにすること;ならびに
3 固相支持体上で形成された抗体-抗原複合体を検出すること。
もう一つの関連態様において、本発明は、金属塩と結び付いた第1の抗原を検出および/または定量するための方法に関するものであって、その抗原は少なくとも1つの他の(第2の)抗原と組み合わされているが、その方法は下記を含んでなる:
1 第1の抗原を、その第1の抗原に特異的な抗体と接触させること;
2 未結合の抗体と、固相支持体に連結された抗原とを接触させて、存在するすべての抗体が固相支持体上の抗原とともに抗体-抗原複合体を形成できるようにすること;ならびに
3 固相支持体上で形成された抗体-抗原複合体を検出すること。
別の態様において、本発明は、金属塩と結び付いた抗原を検出および/または定量するためのキットに関するものであって、そのキットは、本発明の方法を実行するための説明書、ならびに下記から選択される少なくとも1つの他の構成要素を含んでなる:
1 検出すべき抗原に特異的な抗体(検出抗体);
2 場合により固相支持体に連結されていてもよい抗原;
3 固相支持体上で形成された抗体-抗原複合体を検出するための検出試薬;
4 陽性対照;ならびに
5 陰性対照。
本発明は、抗原が金属塩と結び付いているサンプル中の抗原の含量を間接的に測定する阻害アッセイに関する。この方法はELISA型のアッセイで抗体(たとえば、ポリクローナル抗体)を使用する。手短に述べると、目的の抗原と特異的に相互作用する抗体を、抗原-金属塩複合体を含有するサンプルと接触させる。(抗体がサンプル中の抗原と反応するのを可能にする)適当な時間の後に、すべての未結合抗体を、ELISAプレートなどの固相支持体に結合した抗原と反応させておく。プレート上の抗原と結合した抗体の検出は、最初の抗体-抗原サンプルの反応から生じた未結合の抗体の量に関する指標を与える。したがって、ELISA法で検出される抗体が多いほど、最初の抗体-抗原反応後に存在する未結合抗体は多くなり、元のサンプル中の抗原量は少なくなる。
このアプローチは、ELISAプレート内の金属成分の存在に起因する干渉を減少させる。
したがって、第1の態様において、本発明は、金属塩と結合した抗原を検出および/または定量するための方法に関するものであって、その方法は下記を含んでなる:
1 抗原を、その抗原に特異的な抗体と接触させること;
2 未結合の抗体と、固相支持体に連結された抗原とを接触させて、存在するすべての抗体が固相支持体上の抗原とともに抗体-抗原複合体を形成できるようにすること;ならびに
3 固相支持体上で形成された抗体-抗原複合体を検出すること。
抗原は、任意の適当な抗原とすることができる。ある態様において、抗原はB型肝炎ウイルス表面抗原である。本明細書ではB型肝炎抗原を用いて実験を行ったが、本発明は、金属塩(アジュバントである可能性もある)と結び付いた他の抗原に適用することができる。したがって、文脈からそうでないことが明白である場合を除いて、本明細書でのB型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)に対する言及はいずれも、具体的にはHBsAgを含む、金属塩と結合している可能性のある任意の適当な抗原に対する言及であるとみなされる。
本発明の金属塩には、アルミニウム、亜鉛、鉄またはカルシウムの塩、たとえば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、水酸化亜鉛または水酸化カルシウムが含まれる。
「抗体」という用語は、本明細書では、たとえば、2つの、重鎖および軽鎖を有するインタクトな抗体を言い、または、Fv領域のような、そのサブフラグメントのいずれかを言うが、このサブフラグメントは、抗体に特有の特異的抗原結合能力を保持しており、当技術分野でよく知られている。
抗原が金属塩に吸着されるような条件下で、抗原と金属とを混合することによって、抗原を金属塩に結びつけることができる。こうした条件は当技術分野でよく知られている(たとえば、 2004 Mar 29;22(11-12):1475-9, 「B型肝炎ウイルス表面抗原の水酸化アルミニウムアジュバントによる吸着メカニズム」(“Mechanism of adsorption of hepatitis B surface antigen by aluminium hydroxide adjuvant”)を参照されたい)。
ある態様において、固相支持体上に形成された抗体-抗原複合体は、抗体を用いて検出されるが、ある態様では標識された抗体を用いて検出される。ある態様において、抗体のFc領域のような、抗原-抗体複合体の抗体部分に特異的な抗体を用いて検出される。
本発明は、たとえば水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、またはヒドロキシリン酸硫酸アルミニウムのいずれかに吸着されたB型肝炎ウイルス表面抗原のような、ワクチン中に見出される抗原の存在および量の評価に適している。
したがって、「リン酸アルミニウム」および「水酸化アルミニウム」という用語の意味は、本明細書で使用される場合、ワクチンをアジュバントとして補助するのに適したあらゆる種類の水酸化アルミニウムもしくはリン酸アルミニウムを含んでいる。
たとえば、リン酸アルミニウムは、不溶性リン酸アルミニウム(非晶質、半結晶、または結晶)の沈殿物とすることができ、これは可溶性のアルミニウム塩とリン酸塩とを混合することによって、適宜、調製することができるが、それに限らない。「水酸化アルミニウム」は、不溶性(非晶質、半結晶、または結晶)水酸化アルミニウムの沈殿物とすることができ、これは、アルミニウム塩の溶液を中和することによって、適宜、調製することができるが、それに限らない。販売供給元から入手できる、さまざまな種類の水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウムゲル、たとえば、Superfos社 (Vedbaek, 2950 Denmark)により供給されるAlhydrogel(水酸化アルミニウム、水中の3%懸濁液)およびAdju-fos(リン酸アルミニウム、生理食塩水中の2%懸濁液)が特に適している。
したがって、関連態様において、本発明は、アルミニウム塩と結び付いたB型肝炎抗原を検出および/または定量するための方法に関するものであって、その方法は下記を含んでなる:
1 抗原を、その抗原に特異的な抗体と接触させること;
2 未結合の抗体と、固相支持体に連結された抗原とを接触させて、存在するすべての抗体が固相支持体上の抗原とともに抗体-抗原複合体を形成できるようにすること;ならびに
3 固相支持体上で形成された抗体-抗原複合体を検出すること。
ある態様において、本発明は、多価ワクチン組成物のような複数抗原混合物中の抗原を検出することに関する。具体的には、本発明は、ジフテリア、破傷風、百日咳、不活化ポリオ(IPV);ヘモフィルスインフルエンザエb菌(Hib);およびA型肝炎(HA)からなるリストから選択される1つもしくは複数の抗原とB型肝炎抗原との混合組成物において、B型肝炎抗原を検出することに関する。
ある態様において、本発明は、たとえば下記を含有する混合組成物中のB型肝炎ウイルス表面抗原の検出に関する:
1 A型肝炎抗原;
2 ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、百日咳トキソイド、線維状赤血球凝集素、パータクチン、ポリオウイルス1型(たとえばMahoney)、ポリオウイルス2型(たとえばMEF-1)、ポリオウイルス3型(たとえばSaukett);
3 ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、百日咳トキソイド、線維状赤血球凝集素、パータクチン;
4 ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、全菌体B.百日咳抗原;
5 破傷風トキソイドと結合したH. インフルエンザエb型ポリリボシルリビトールリン酸。
ある態様において、B型肝炎抗原は、複数の抗原を含有する混合ワクチンの状態にあるとき、リン酸アルミニウムに吸着されている。たとえば、WO93/24148を参照されたい(これは参照により本明細書に含めるものとする)。
したがって、ある態様において、本発明は、金属塩と結び付いた第1の抗原を検出および/または定量するための方法に関するが、この抗原は、少なくとも1つの他の(第2の)抗原と組み合わされており、その方法は下記を含んでなる:
1 第1の抗原を、その第1の抗原に特異的な抗体と接触させること;
2 未結合の抗体と、固相支持体に連結された抗原とを接触させて、存在するすべての抗体が固相支持体上の抗原とともに複合体を形成できるようにすること;ならびに
3 固相支持体上で形成された抗体-抗原複合体を検出すること。
本発明の他の態様において、検出および/または定量のための方法は、追加の手法ステップを上記方法のステップ1と2の間に含むが、ここで、ステップ1から得られる未結合抗体は、ステップ2を行う前に、結合した抗体から分離される。分離は、たとえば本明細書の実施例に記載のように、遠心分離などの当技術分野でよく知られている技法によって行うことができる。
別の態様において、本発明は、金属塩と結び付いた抗原を検出および/または定量するためのキットに関する。
ある態様において、キットは、本発明の方法を実行するための説明書、および下記から選択される少なくとも1つの構成要素を含んでなる:
1 検出すべき抗原に特異的な抗体(検出抗体);
2 場合により固相支持体に連結されていてもよい抗原;
3 固相支持体上で形成された抗体-抗原複合体を検出するための検出試薬;
4 陽性対照;ならびに
5 陰性対照。
ある態様において、キットは、あらかじめ抗原でコーティングされたプレート、ならびに、検出抗体との特異的結合のための、好ましくは標識された抗体を含む。ある態様において、プレートはB型肝炎ウイルス表面抗原でコーティングされている。
ある態様において、使用される抗体は、ヒトポリクローナル抗体、たとえば、B型肝炎抗原検出の場合には抗HBs抗体(Nabi-HBTM - Nabi Biopharmaceuticals, Boca Raton, FL. USA)である。
本発明の方法の概要は、図1に与えられ、その方法は、一般に、金属塩と結び付いた抗原の分析に適用することができる。
本発明は下記の実施例によって説明されるが、こうした実施例は本発明を制限するものではない。
B型肝炎ワクチンのB型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)含量を測定するために製造メーカーおよび国の品質管理検査機関によって使用されているAuszymeTMキットの製造中止によって、本発明者らは代替となる阻害ELISA法を開発することになった。
日米EU医薬品規制調和国際会議(The International Conference of Harmonization)にしたがって検証研究を行い、4カ所の公的な医薬品管理検査機関(Official Medicine Control Laboratory (OMCL))とともに実現可能性の検討において室間再現精度を評価した。
用量応答曲線は、60-360ng/mlのHBsAg範囲で直線性(R2 > 0.99)を示した。併行精度(CV < 7%)、室内再現精度(CV <10%)、および正確さ(回収率91-113%)は、AuszymeTM法と同程度であった。アッセイで使用した市販の抗体はHBsAgの感染防御エピトープに結合することが明らかとなり、HBsAgに対する本方法の特異性が実証された。AuszymeTM法との良好な合致が認められたがELISAの方が高い値の結果を与えた(EngerixTM-Bについては24.4 μg/mlに対して25.3μg/ml (n= 64)、TwinrixTM については27.0 μg/ml に対して28.9μg/ml (n= 69)、ならびにInfanrixTM pentaについては21.6μg/mlに対して25.5μg/ml (n= 62))。この方法は、4カ所のOMCLに移して行うことに成功した。
本発明者らは、ELISAがその使用目的に適しており、国の品質管理検査機関および専門家により世界中で使用されるための一般的な方法と見なされるべきであることを実証した。
1. 序論
精製組換えB型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)粒子を含有するB型肝炎ワクチンは、世界中で広く使用されており、定期接種の小児用混合ワクチンの成分として使用されることが多くなっている。このようなワクチンの品質管理は力価の測定を必要とするが、そのほとんどは現在、HBsAg含量を測定するin vitro力価アッセイを用いて検査される。製造メーカーは製品固有のアッセイを開発しているが、これらはすべて主として、市販のELISAキット(Abbott laboratories製AuszymeTM EIAキット)に基づいており、これらは欧州薬局方により推奨され、公式検査のために多くの国の品質管理検査機関によって使用されている。しかしながら、AuszymeTM キットは、Abbott laboratories社が製造中止を予定しているため、本発明者らは代わりのELISA法を開発することにより、このキットの代替に着手した。
AuszymeTM キットは、マウスモノクローナルIgM抗HBsAgでコーティングされたビーズを用いたサンドイッチ法に基づくものであって、それは、事前にアルミニウムアジュバントからHBsAgを脱離することなしにワクチンに使用することができる。新ELISA法では、サンプルの前処理を回避することも計画された。最初のアプローチは、モノクローナルもしくはポリクローナル抗体を用いたサンドイッチELISAを開発することであった。しかしながら、ワクチンアジュバントのマイクロプレートへの固着に起因する非特異的結合ゆえに問題が発生した。また、アジュバント含量の異なる別々のB型肝炎抗原含有混合ワクチンについて得られたHBsAgの値に、有意差が存在した。こうした問題を抑える唯一の方法は、ヒトポリクローナル抗体を用いてHBsAg含量を間接的に測定し、それによってELISAプレート内のアジュバントの存在に起因する干渉を減少させる、阻害アッセイを用いることであった。
本発明者らは、さまざまなHBsAg含有ワクチンを供給することで、AuszymeTM キットの製造中止により起こる可能性のあるワクチン供給の中断を回避するために、国の品質管理検査機関が使用することができる、代替となる標準的な、有効性の確認された方法を与えることを目的として、この新しいELISAに関する検証研究を行った。
2. 参加機関
検証実験のほとんどは1つのワクチンメーカーで実施されたが、4カ所の公的な医薬品管理検査機関(Official Medicine Control Laboratory (OMCL))が、室間再現精度を評価するために共同研究に参加した。このOMCLは、ベルギーのScientific Institute of Public Health (ISP)、フランスのSanitary Safety of Health Products Agency (AFSSAP)、ドイツのPaul Ehrlich Institute (PEI)、およびイギリスの国立生物研究所(National Institute for Biological Standard and Control (NIBSC))であった。参加機関のリストは、第8項の本報告の末尾に与えられる。
3. 材料および方法
3.1 ワクチンサンプル
本研究で使用したワクチン(表1を参照されたい)はすべて、GlaxoSmithKline (GSK) Biologicals社(Rixensart, Belgium)製である。人為的に力価を下げるために、一部のワクチンサンプルには、60℃で7日もしくは15日間インキュベート、または37℃にて100ppmの過酸化水素とともに一晩インキュベートすることによってストレスをかけた。処理後、サンプルは検査まで4℃で保存した。
3.2 基準ワクチン
AuszymeTM法および新規阻害ELISAの両方に使用される標準試料は、欧州薬局方B型肝炎ワクチン(rDNA) BRP2b標準品である。この標準品は、Lowry法によるタンパク質アッセイでの測定で、20μg/mlのHBsAgを含有している。
3.3 ヒトポリクローナル抗体
ヒトポリクローナル抗HBs抗体の市販品(Nabi-HBTM - Nabi Biopharmaceuticals, Boca Raton, FL. USA)を、新規の阻害ELISA法に使用した。この製品がHBsAgの感染防御エピトープに結合する抗体を含有することを検証するために、RF1HBsモノクローナル抗体を用いた競合アッセイで同製品をテストした。RF1HBs抗体は、感受性のチンパンジーにおいてHBVの感染を阻止することが判明している[2, 3]。
一定量(6.25ng/m)のビオチン化RF1モノクローナル抗体(mAb)を含有するバッファーで、テストサンプルの2倍希釈を行って、HBsAgコーティングプレートで37℃にて1.5時間インキュベートした。洗浄ステップの後、飽和バッファーで希釈したストレプトアビジン-HRP Amdex(Amersham, Uppsala, Sweden)複合体をウェルに加え、37℃で30分間インキュベートした。その後プレートを洗浄し、テトラメチルベンジジン基質の溶液とともに22℃で10分間インキュベートした。反応をH2SO4で終了させた。光学濃度(OD)はRF-1様抗体の量と反比例する(競合アッセイ)が、これを分光光度計により測定した(450 nm)。
3.4 新規阻害ELISAを用いたHBsAgの測定
本方法の概要を図1に示す。標準サンプルおよびワクチンサンプルを、0.1% BSA および0.1% Tween 20を含有するPBSで希釈した。それぞれの希釈物100μlを、細胞培養用Greiner Bio-Oneプレート(Greiner Bio-One, Frickenhausen, Germany)内で、一定量のヒトポリクローナル抗HBs抗体(± 170 mIU 抗HBs/ml)(Nabi-HBTM - Nabi Biopharmaceuticals, Boca Raton, FL. USA)100μlとともに、撹拌しながら25℃にて一晩インキュベートした。その後、プレートを2000rpmで10分間遠心し、その上清を、1μg/ml HBsAg (GSK製)で4℃にて一晩コーティングし、さらにPBS- 1% BSAでポストコーティングしたELISAプレート(マキシソープ(Maxisorp)イムノプレート、NUNC製、Roskilde, Denmark)に移した。その後プレートを撹拌しながら37℃で2時間インキュベートした。
洗浄後、ペルオキシダーゼで標識されたヤギ抗ヒトIgG抗体(Sigma-Aldrich, St-Louis, MO. USA)の1/10000希釈物100μlを各ウェルに加えた。プレートをその後37℃にて1時間、撹拌しながらインキュベートし、次に洗浄した。結合した抗体の量を、基質としてテトラメチルベンジジン/過酸化水素溶液を加えることによって比色分析で測定した。室温にて暗下で20分インキュベートした後、H2SO4を加えて反応を終了させ、450nmでODを読み取った。OD測定値は、未知のサンプル中のHBsAgの量に反比例する。
3.5 Auszyme TM EIAキットを用いたHBsAg含量の測定
この方法はAbbott AuszymeTM ELISA キット (Abbott Laboratories, Chicago, IL. USA)を使用するが、これは、B型肝炎ワクチン(rDNA)のアッセイのための、欧州薬局方の方法Bであった[1]。
簡単に述べると、ワクチンを0.2% BSA含有PBSで希釈した。希釈物を、モノクローナル抗HBs抗体でコーティングされたプラスチックビーズとともにインキュベートした。40℃にて3時間インキュベートした後、ビーズを洗浄し、ペルオキシダーゼで標識されたモノクローナル抗HBs抗体とともにインキュベートした。室温で30分インキュベートした後、ビーズを洗浄した。基質として、オルトフェニレンジアミン/過酸化水素を添加することによって、結合したHBsAgの量を比色分析により測定した。H2SO4添加によって反応を終了させた後、490 nmでのODを読み取った。測定されたODは、未知のサンプル中のHBsAgの量と比例する。
3.6. in vitro力価の算出
2つのアッセイのいずれについても、検査サンプルのHBsAg含量は、統計的手法である平行線解析[4]を用いて計算した。一連の希釈物に基づいて、サンプル希釈度の直線性および標準曲線に対する応答の平行性に関するp値を、それぞれの力価の結果に対して算定した。直線性および平行性のいずれに対するp値も0.05より高いならば、結果は妥当であると見なされた。p値が0.05未満である場合、その結果は無効と見なされ、繰り返し測定が行われた。
3.7. 用量応答範囲
通常の操作で、標準品であるHBsAgを360、300、240、180、120および60 ng/ml含有する用量範囲の曲線を、測定ごとに作成する。検査サンプルはそれに応じて希釈される。
力価を計算するために用いられる平行線解析は、用量応答曲線の直線部分のみを使用する。標準品およびサンプルに関する用量応答曲線が、通常の検査で使用される最大用量から最小用量まで直線であることを示すために、標準品、ならびにEngerixTM-B、TwinrixTM およびInfanrixTM pentaワクチンのそれぞれ1ロットを連続的に希釈することにより実験を行った(表1を参照されたい)。希釈は、標準品のHBsAg濃度19.5 ng/mlに対応して、2倍の段階希釈法で、1:1024まで行った。各サンプルは2回反復してテストした。
3.8. 定量限界(LOQ)
サンプルの計算に使用されるOD値は、標準品について得られた最大OD値から最小OD値までの範囲になければならないので、妥当な定量を可能にする最小抗原濃度は、定量範囲として決定された最小値である。
3.9. 検出限界(LOD)
6回の独立した実験で6回ブランクサンプル(PBS、Tween 0.1%、BSA 0.1%)を分析して、OD平均値および標準偏差を算出することにより、分析バックグラウンド応答の大きさを測定した。アッセイブランクの平均ODから標準偏差の3倍を引き算した。このOD値を次に、標準品で作成された標準曲線の等式に導入するが、これによって、等式y = ax + b (y = 光学濃度、x = 対数濃度、a = 検量線の傾き、b = 切片)を用いた回帰分析により対応する力価を決定することができた。希釈を補正後に、LOD値を計算して分析バックグラウンド応答を得た。
3.10. 直線性および平行性
LODを決定するために標準品について作成された6つの標準曲線の線形相関係数を用いて、直線性を判断した。さらに、前記のように、直線性および平行性に関するp値を、平行線解析の際に各サンプルについて計算した。
3.11. 精度
併行精度(アッセイ内の精度)を評価するために、EngerixTM-B、TwinrixTM およびInfanrixTM pentaワクチンのそれぞれ3ロットを、同一実験において6回テストした。
室内再現精度(アッセイ間の精度)を評価するために、EngerixTM-B、TwinrixTM およびInfanrixTM pentaワクチンのそれぞれ3ロットを、4ヶ月間にわたって3人の技術者が実施する6回の独立した実験においてテストした。試薬のロット間変動を加味するために、2つの異なるロットのNabi-HBTMでバリデーションを行った。2つのロットはいずれも同一のHBsAg力価を有し、したがって同一の希釈度で使用した。
室間再現精度(試験施設間の精度)を評価するために、EngerixTM-B、TwinrixTM およびInfanrixTM pentaワクチンのそれぞれ1ロットを、当施設および4カ所の欧州OMCLにより併行してテストした:各施設には、Nabi-HBTM、コーティングHBsAgおよび標準試薬を提供し、独立した3回のセッションで、各ワクチンのロットをテストした。
精度の結果はすべて、変動係数(標準偏差/平均 x 100)として表される。
3.12. 正確さ
EngerixTM-B、TwinrixTM およびInfanrixTM pentaワクチンのサンプルに既知量の標準品を添加することによって実施される回収実験において、正確さを評価した。Lowry法によって20μg HBsAg/mlの値に特定された標準品を用いて、5μg、10μgおよび15μgのHBsAg(それぞれ250μl、500μlおよび750μlに相当する)をテストサンプルに加えた。併行して、対照として250μl、500μlおよび750μlの希釈剤を添加後、テストサンプルを検査した。回収率パーセンテージは次のように算出した:
[実験値添加/ (実験値無添加 + 添加分の理論値)] x 100。
3.13. 特異性
プラセボ、およびHBsAgなしのワクチンをテストすることによって特異性を評価した。EngerixTM-BおよびInfanrixTM pentaのプラセボをテストすることによって、Nabi-HBTM試薬とアルミニウムアジュバント(すなわち、Al(OH)3およびAlPO4)との非特異的結合を調べた。これらのプラセボはいずれも無希釈、1:2、1:4および1:8でテストした。
Nabi-HBTM試薬と他のワクチン抗原との交差反応性がないことを確認するために、HBsAgを含有しないさまざまなワクチン(表1を参照されたい)を、無希釈、1/10、1/20および1/83(ワクチンをテストするために使用されたもっとも低い希釈)でテストした。2つのプラセボをこの実験にも加えた。併行して、2ロットのEngerixTM-Bワクチンを1/83希釈でテストした。
3.14. Auszyme TM 法との関連づけ
EngerixTM-B、TwinrixTM およびInfanrixTM pentaワクチンのロットについて、新規ELISAとAuszymeTM法の両方でHBsAg含量を測定した。結果は、対応のあるt検定で比較した。
また、標準市販品の濃度域の下端および上端で力価を測定する、2つの方法の能力も評価した。これは、ストレス処理(2.1項を参照されたい)によって引き起こされる力価の減少を示すワクチンロット、ならびにチオメルサールの除去(10〜20μg/ml HBsAgを含有する、チオメルサールを含有しない候補ワクチンの開発ロット)により、または抗原含量の増加(FendrixTM、表1を参照されたい)により力価の高まったロットの検査を含むものとした。
4. 結果
4.1. 方法のロバスト性
アッセイ開発中に、以下のパラメーターがアッセイの信頼性にとってきわめて重要であると認められた。第1に、希釈バッファー中にBSAが存在することは、一晩インキュベートする間、抗体とアジュバントとの非特異的結合を避けるために重要である。第2に、このように一晩インキュベートする際に、マイクロプレートを撹拌することも、吸着されたAgと抗体との適正な相互作用を可能にするために重要である。最後に、一晩インキュベートした後の遠心ステップが、ELISAプレート内にアジュバントが入らないようにするためにきわめて重要である。この遠心は、室温で少なくとも30分間の沈降に置き換えることができる(同様に有効、データ不掲載)。
4.2. ヒトポリクローナル抗体(Nabi-HB TM )の特性解析
図2は、Nabi-HBTM ヒトポリクローナル抗体溶液について、感染防御RF1モノクローナル抗体に対する競合アッセイの結果を、陽性対照(EngerixTM-Bワクチンを接種した患者の血清プール)および陰性対照(無関係なワクチンを注射した患者の血清プール)と比較して示す。このアッセイで、テストサンプル中に存在する抗HBs抗体は、HBsAgとの結合に関して、固定された量のビオチン化抗RF1 mAbと競合する。したがって、ODは、抗RF1 mAbと同じエピトープに結合する抗体の量に反比例する。結果は、Nabi-HBTM 標品中のRF1様防御抗体レベルが、EngerixTM-Bワクチンから得られた血清プールで認められたレベルと同程度であることを示す。
4.3. 用量応答範囲
図3に示す用量応答曲線は、線形/対数変換形式でプロットした場合、特徴的なS字状となることを示す(Y軸にOD、対数目盛のX軸に希釈度の逆数)。グラフは、通常の操作で使用されるHBsAg濃度(すなわち、標準品では360および60 ng/ml、テスト標品では240および60 ng/ml)に対応する希釈度の間は直線である。
4.4. 定量限界
サンプルの計算に使用されるOD値は標準品について得られる最大ODと最小OD値の間になければならないので(30および360 ng/mlに相当する)、有効な定量を可能にする最低の抗原濃度は60 ng/mlである。
4.5. 検出限界
表2は、6回の独立した実験から推定されるLOD値が35 ng/mlとなったことを示す。
4.6. 直線性および平行性
表2に示すように、6つの標準曲線に関する直線回帰の相関係数の値は、すべて0.99を上まわり、したがって60から360 ng/mlまでの分析範囲について直線性を示す。それに加えて、力価は、直線性および平行性の両者についてp値が0.05を越える場合にのみ有効と見なされた。この有効性基準に従うものは、通常95%を上まわり(未発表データ)、本研究において、得られた力価はすべて有効であった。
4.7. 併行精度および室内再現精度
6回テストしたEngerixTM-B、TwinrixTM およびInfanrixTM pentaのそれぞれ3ロットに関する併行精度(アッセイ内の精度)を表3に示す。併行精度に関するCV値はすべて7%未満であった。
表4は、独立した6回の実験でテストした、EngerixTM-B、TwinrixTM およびInfanrixTM pentaのそれぞれ3ロットに関する室内再現精度(アッセイ間の精度)を示す。室内再現精度に関するCV値はいずれも10%未満であった。
4.8. 室間再現精度
当研究所と4カ所のOMCLとの間の室間再現精度に関する共同研究の結果を、表5に示す。一部の結果、特にある研究所の結果は、有効性基準を満たさないため無効であった(主として直線性および平行性)。しかしながら、有効なすべての結果から算出されたCVは、EngerixTM-BおよびTwinrixTMについては10%未満であり、InfanrixTMpentaについては15%未満であって、これは、本方法を4カ所のOMCLに移して行いうることを示している。
4.9. 正確さ
正確さの評価に関する結果は表6に与えられる。得られた回収率パーセンテージは91%から113%までの範囲であった。
4.10. 特異性
予備的な実験から、1:2、1:4、および1:8の希釈度でEngerixTM-BおよびInfanrixTM pentaのアルミニウムプラセボに対するOD測定値は、アッセイブランクの典型的な測定値より低いことが明らかになった(標準曲線は[HBsAg]に対して反比例の関係である)。しかしながら、テストワクチンに対して用いられたもっとも低濃度の希釈物(1:83)では、非特異的結合は観察されなかった(データ不掲載)。これは、別の実験で得られたプラセボの結果によって確認され(表7)、ここで1:10からのプラセボ希釈物のOD値はブランクと同様であることが示された。したがって、Nabi-HBTM試薬は、高濃度でアルミニウムに非特異的に結合するが、テストワクチンサンプルに通常使用される希釈度では、非特異的な結合は観察されなかった。
表7は、HBsAgを含有しないワクチンに関するデータも示す。予想どおり、無希釈のワクチンサンプルはすべて(アルミニウム塩に吸着されていない唯一のワクチンであるHiberixTM以外)、ブランクより高い平均OD値を示した。しかしながら、少なくとも1:10に希釈すると、非HBsAgワクチン成分との非特異的結合および/または交差反応性を示す証拠は得られなかった。
4.11. Auszyme TM 法との関連づけ
異なる商品ロットのEngerixTM-B(64ロット)、TwinrixTM(69ロット)およびInfanrixTMpenta(62ロット)について2つの方法を用いて測定された力価の結果を表8に示す。全体として、3つのワクチンすべてについてこれらの方法の間に良好な一致が認められたが、新規ELISA法の方が、平均して高い結果を与えている(対応のあるt検定、p<0.01により判断されるように、3つのワクチンについて有意に異なる)。図4は、ストレス処理によりもたらされた力価の低下したロット、ならびにチオメルサールの除去もしくは抗原含量の増加により力価の高まったロット(FendrixTM)などの、テストしたさまざまなタイプのワクチンについて、2つの方法の間の相関性を示す。相関係数は0.76であり、低力価、正常範囲の力価、および高力価のロットの間で明確な差異が存在した。
5. 考察
B型肝炎ワクチンのHBsAg含量を測定するために製造メーカーおよび国の品質管理検査機関によって使用されているAuszymeTMキットの製造中止によって、本発明者らは代替となる阻害ELISA法を開発することになった。このELISAは、事前に抗原をアジュバントから脱離させることなしにワクチンの検査を可能にするように、加えて、以前使用されていたのと同じBRP基準ワクチンを用いてさまざまな混合ワクチンに適用可能となるように、デザインされた。
本研究の目的は、提案されたELISAがその意図する目的に適合することを実証することであった。まず、アッセイによるHBsAgの定量がワクチン力価の関連指標であることを示すことが重要であった。本発明者らは、アッセイで使用されたヒトポリクローナル抗HBs抗体の市販品(Nabi-HBTM)が、HBsAgの感染防御エピトープに結合する抗体を含有すること、ならびに、防御抗体のレベルがB型肝炎ワクチン被接種者から得られる血清中に認められるレベルと同程度であることを実証することによって、これを確認した。
続いて、本発明者らは、アッセイに関して、日米EU医薬品規制調和国際会議(The International Conference of Harmonization)にしたがって検証研究を行った[5]。このELISAの性能特性は、テストしたすべてのB型肝炎抗原含有ワクチンについて満足できるものであることが判明した。このELISAの併行精度、室内再現精度、および正確さは、AuszymeTMキットによる従来法と同程度であった[1]。提案されたELISAの方が感度は低い(60 ng/mlのLOQに対してAuszymeTM法では2.5 ng/ml)が、ほとんどのワクチンが10-20μg/ml HBsAgを含有しているので、このことはアッセイの目的とする用途にまったく影響しない。実際、感度が低いことは、必要となる希釈回数を減らすこと、ならびにそれによって、起こりうる誤差および変動性を最小限にすることにより、利点をもたらす可能性がある。
本発明者らは、提案されたELISAが、他のワクチン抗原の存在下でHBsAgを特異的に測定することができることを明らかにしたが、HBsAgは混合ワクチンの成分として使用されることが増えているので、このことは重要である。本発明者らは、Nabi-HBTM試薬とアルミニウムとの非特異的結合は存在するが、本アッセイで用いられた希釈範囲では、これは妨げとはならないことも実証した。
EngerixTM-B 、TwinrixTM およびInfanrixTM pentaのそれぞれ60を越えるロットで行われたAuszymeTM法との関連づけ研究は、提案されたELISA法の方が平均して高い結果を与えはしたが、2つの方法間の良好な一致を示した。一部のワクチンについては、リリース明細の改訂で、この差異を考慮に入れなければならないかもしれない。2つの方法間の相関は、低力価ロットおよび高力価ロット(チオメルサールを含有しないロットなど;B型肝炎ワクチン製剤からチオメルサールを除去すると、結果として力価が増加することが観察されている(未発表データ))の識別も可能にした。
4カ所の公的な医薬品管理検査機関(Official Medicine Control Laboratory)における併行試験は、本方法を容易に他の検査機関に移して行うことができることを示した。参加した検査機関には何の訓練も実施されず、Nabi-HBTM、コーティング抗原、および標準試薬に加えて検査プロトコールだけが提供された。結果として、わずかに多くの無効な結果が認められたが、さらなる経験とパラメーターの微調整がこれらを減少させるはずである。他のメーカー製のワクチンに関する、参加検査機関の一部によって実施された予備的な検査は有望であった。その結果(未発表データ)は、同様の標準品を使用することによって、ならびに定量範囲を変更することによって、他メーカー製のワクチンに対して使用することに適合し得ることを示した。
容易に入手できる試薬を使用する、提案されたELISAの良好な再現性、ならびにそれが他メーカー製ワクチンに適用される可能性は、それが、国の品質管理検査機関および専門家により世界中で使用される一般的方法のための基礎をもたらしうることを示している。
6. 結論
提案されたELISAは、さまざまなB型肝炎ワクチンのHBsAg含量を測定するのに適しており、製造中止のAuszymeTMキットを用いた方法に代わる、信頼性のある代替法となる。
7. 参考文献
[1] B型肝炎ワクチン(rDNA)のアッセイ(Assay of hepatitis B vaccine (rDNA))、general chapter 2.7.15. 欧州薬局方、第5版、Strasbourg France: (欧州評議会)Council of Europe; 2005。
[2] Iwarson S, Tabor E, Thomas HCら、マウスモノクローナル抗体によるB型肝炎ウイルス感染の中和:チンパンジーにおける実験的研究(Neutralisation of hepatitis B virus infectivity by a murine monoclonal antibody: an experimental study in the chimpanzee)、J Med Virol 1985;16: 89-95.
[3] Waters JA, Brown SE, Steward MW ら、防御抗体応答の誘導に関わるB型肝炎ウイルス表面抗原の抗原エピトープの分析(Analysis of the antigenic epitopes of hepatitis B surface antigen involved in the induction of a protective antibody response)、Virus research 1991;22:1-22.
[4] Finney DJ.、Statistical Method in Biologicals Assay、第4章、第3版、London: Griffin, 1978.
[5] Validation of analytical procedures: methodology. Ref Q2B ICH;1996年11月 [ガイドライン]。
Figure 2009537804
Figure 2009537804
Figure 2009537804
Figure 2009537804
Figure 2009537804
Figure 2009537804
Figure 2009537804
Figure 2009537804
新規阻害ELISA法のアッセイの原理について示す。 Nabi-HBTMの特性解析について示す。 標準品およびテストサンプルのHBsAg含量に関する用量応答曲線について示す。 新規ELISA法とAuszymeTM法との相関について示す。

Claims (6)

  1. 金属塩と結び付いた抗原を検出および/または定量するための方法であって、
    1 抗原を、その抗原に特異的な抗体と接触させること;
    2 未結合の抗体と、固相支持体に連結された抗原とを、存在するすべての抗体が固相支持体上の抗原とともに抗体-抗原複合体を形成し得る条件下で接触させること;ならびに
    3 固相支持体上で形成された抗体-抗原複合体を検出すること、
    を含んでなる前記方法。
  2. 抗原がアルミニウム塩と結合したB型肝炎ウイルス表面抗原である、請求項1に記載の方法。
  3. 金属塩と結合した抗原が少なくとも1つの他の、第2の抗原と組み合わされている、請求項1に記載の検出および/または定量するための方法。
  4. 抗原が、次の抗原群:
    1 A型肝炎抗原;
    2 ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、百日咳トキソイド、線維状赤血球凝集素、パータクチン、ポリオウイルス1型(たとえばMahoney)、ポリオウイルス2型(たとえばMEF-1)、ポリオウイルス3型(たとえばSaukett);
    3 ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、百日咳トキソイド、線維状赤血球凝集素、パータクチン;
    4 ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、全菌体B.百日咳抗原;ならびに
    5 破傷風トキソイドと結合したH. インフルエンザエb型ポリリボシルリビトールリン酸、
    のうちの1群と組み合わされたB型肝炎ウイルス表面抗原である、請求項3に記載の方法。
  5. ステップ1の終了時に存在する未結合抗体を、ステップ2の前に、結合した抗体-抗原から精製して除く、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 金属塩と結び付いた抗原を検出および/または定量するためのキットであって、本発明の方法を実行するための説明書、ならびに
    1 検出すべき抗原に特異的な抗体(検出抗体);
    2 場合により固相支持体に連結されていてもよい抗原;
    3 固相支持体上で形成された抗体-抗原複合体を検出するための検出試薬;
    4 陽性対照;および
    5 陰性対照
    から選択される、少なくとも1つの他の構成要素を含んでなる前記キット。
JP2009510419A 2006-05-15 2007-05-11 検出法およびキット Pending JP2009537804A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GBGB0609612.7A GB0609612D0 (en) 2006-05-15 2006-05-15 Detection method and kit
PCT/EP2007/054550 WO2007131946A1 (en) 2006-05-15 2007-05-11 Detection method and kit

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009537804A true JP2009537804A (ja) 2009-10-29

Family

ID=36637522

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009510419A Pending JP2009537804A (ja) 2006-05-15 2007-05-11 検出法およびキット

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20100233736A1 (ja)
EP (1) EP2018565A1 (ja)
JP (1) JP2009537804A (ja)
KR (1) KR20090009268A (ja)
CN (1) CN101443662A (ja)
CA (1) CA2651564A1 (ja)
GB (1) GB0609612D0 (ja)
WO (1) WO2007131946A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013506119A (ja) * 2009-09-25 2013-02-21 グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム インフルエンザウイルスのための免疫拡散アッセイ
JP2013541380A (ja) * 2010-10-18 2013-11-14 サノフィ・パスツール アルミニウムアジュバント含有ワクチンの保存方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108241058A (zh) * 2018-01-13 2018-07-03 中国医学科学院医学生物学研究所 一种脊髓灰质炎病毒ⅲ型d抗原预包被检测方法及其检测试剂盒和应用
RU2715899C1 (ru) * 2019-02-21 2020-03-04 Федеральное государственное бюджетное научное учреждение "Научно-исследовательский институт вакцин и сывороток им. И.И. Мечникова" (ФГБНУ НИИВС им. И.И. Мечникова) Способ количественного определения в вакцинном препарате антигена, адсорбированного на частицах гидроксида алюминия
CN110845610B (zh) * 2019-11-26 2021-06-15 武汉生物制品研究所有限责任公司 针对白喉类毒素的检测抗体对及其应用

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT343822B (de) * 1976-08-20 1978-06-26 Immuno Ag Radioimmunologisches verfahren und einrichtung zur bestimmung von antigenen
KR100368756B1 (ko) * 2000-02-01 2003-01-24 주식회사 엘지생명과학 비형 간염 표면 항원에 대한 항체 진단 시약의 제조방법,이를 이용하여 수득되는 비형 간염 항원에 대한 항체 진단시약 및 비형 간염 바이러스 항체 진단 시약
KR100531760B1 (ko) * 2003-04-28 2005-11-29 대한민국(관리부서 : 농림부 국립수의과학검역원) 구제역 바이러스의 감염여부를 진단하는 방법 및 이를구현하기 위한 진단키트

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013506119A (ja) * 2009-09-25 2013-02-21 グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム インフルエンザウイルスのための免疫拡散アッセイ
JP2013541380A (ja) * 2010-10-18 2013-11-14 サノフィ・パスツール アルミニウムアジュバント含有ワクチンの保存方法
KR101875828B1 (ko) * 2010-10-18 2018-07-06 사노피 파스퇴르 에스에이 알루미늄 항원보강제를 함유하는 백신 보관 방법

Also Published As

Publication number Publication date
WO2007131946A1 (en) 2007-11-22
CA2651564A1 (en) 2007-11-22
CN101443662A (zh) 2009-05-27
KR20090009268A (ko) 2009-01-22
US20100233736A1 (en) 2010-09-16
EP2018565A1 (en) 2009-01-28
GB0609612D0 (en) 2006-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Matsumoto et al. Novel and highly sensitive immunoassay for total hepatitis B surface antigen, including that complexed with hepatitis B surface antibody
Ryu et al. Development of a rapid automated fluorescent lateral flow immunoassay to detect hepatitis B surface antigen (HBsAg), antibody to HBsAg, and antibody to hepatitis C
JP2009537804A (ja) 検出法およびキット
US20150192583A1 (en) Hbv immunocomplexes for response prediction and therapy monitoring of chronic hbv patients
US11156610B2 (en) Methods for reducing interferences
Madiyal et al. Comparing assay performance of ELISA and chemiluminescence immunoassay in detecting antibodies to hepatitis B surface antigen
Guillou et al. Evaluation of an enzyme‐linked immunosorbent assay for detection and quantification of hepatitis B virus PreS1 envelope antigen in serum samples: comparison with two commercial assays for monitoring hepatitis B virus DNA
US20220120737A1 (en) Method for detecting sars-cov-2-specific serum human immunoglobulins
US20230072761A1 (en) Immunoassay for Detecting Zika Virus Infection
Kouiavskaia et al. Universal ELISA for quantification of D-antigen in inactivated poliovirus vaccines
Descamps et al. A Case study of development, validation, and acceptance of a non-animal method for assessing human vaccine potency
Böröcz et al. Development of a robust and standardized immunoserological assay for detection of anti-measles IgG antibodies in human sera
Tsitsilonis et al. Serological detection of hepatitis B viral infection by a panel of solid-phase enzyme-linked immunosorbent assays (ELISA)
JP7194746B2 (ja) HBsAgの定量検出のためのキット及び方法
JPWO2004088317A1 (ja) リポプロテイン(a)の免疫比濁測定法およびその試薬
EP1554582B1 (en) Method and kit for detecting antigens
DK2705365T3 (en) Immunoassay for the direct determination of the antigen content in the products containing the adjuvant-linked antigen particles
Fujisawa et al. High-throughput isolation of SARS-CoV-2 nucleocapsid antibodies for improved antigen detection
RU2616236C1 (ru) Способ оценки уровня антител, специфичных к различным вариантам HBsAg вируса гепатита В
Mushahwar A biotin/avidin solid-phase sandwich enzyme immunoassay for the antibody to hepatitis B surface antigen (anti-HBs)
OONE et al. Comparison between Basic Performances of HISCL Hepatitis B Core Antibody Reagent and Other Reagents
Ryu JiHyeong et al. Development of a rapid automated fluorescent lateral flow immunoassay to detect hepatitis B surface antigen (HBsAg), antibody to HBsAg, and antibody to hepatitis C.
JP2003083976A (ja) HBs抗原測定試薬
Rigamonti Development of a quantitative chemiluminescent immunoassay for the hepatitis B. antigen detection
Cervantes et al. Evaluation of the Immulite 2000 anti-HBc IgM assay using commercially available performance panels