JP2009530269A - アレルギー疾患及び慢性炎症性疾患の治療の為の薬学的組成物及びアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患の治療方法 - Google Patents

アレルギー疾患及び慢性炎症性疾患の治療の為の薬学的組成物及びアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患の治療方法 Download PDF

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Abstract

本発明は活性成分としてヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を含有するアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患治療用薬学的組成物を提供する。さらに、本発明はアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患治療用医薬の製造の為の前記組成物の用途を提供する。追加して、本発明は哺乳動物に前記薬学的組成物を投与することを含むアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患の治療方法を提供する。本発明の前記薬学的組成物を投与する治療方法によれば、標準的な薬物治療のみでは臨床的に好転されない難治性アレルギー疾患及び難治性慢性炎症性疾患を有する患者等を効果的に治療し得る。
【選択図】図1

Description

本発明はアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患治療用薬学的組成物、アレルギー疾患及び慢性炎症性疾患治療用キット、アレルギー疾患及び慢性炎症性疾患治療用医薬の製造の為の前記組成物の用途及びアレルギー及び慢性炎症性疾患の治療方法に関する。
アレルギー疾患は外部的な環境に存在するアレルギー反応を誘発させる抗原物質(アレルゲン)に対する過敏な免疫反応(アレルギー反応)に因り、皮膚や気道又は眼球粘膜等に慢性的に炎症反応が発生する慢性炎症性疾患の一種である。通常的にアレルギー疾患にはアトピー性皮膚炎、アレルギー鼻炎、アレルギー結膜炎、蕁麻疹、気管支喘息等が含まれる(Bierman CW, 等. (eds.) Allergy, asthma, and
immunology from infancy to adulthood. page xvii, Saunders, Philadelphia, 1996)。一方、前記アレルギー疾患等は、それぞれ疾病の臨床的表現様相は異なるものの、極めて類似した病因機転により発病するものとして知られている。これにより、相当数のアレルギー疾患患者等において、2種以上のアレルギー疾患等を同時に患っている場合が多い。
現在、アレルギー疾患は外部的な原因アレルゲンが究明された場合、異物質に対する露出を避けるか又は、外部物質である原因アレルゲンを皮下に少量ずつ注射で投与して、原因アレルゲンに対する過敏な反応を減少させるアレルギー免疫治療を介して好転させ得る。さらに、アレルギー疾患を患っている患者等に現在使用される副腎皮質ステロイド剤の全身又は局所的投与や、抗ヒスタミン剤、抗-IgE抗体治療剤等の治療薬物を全身的に投与する場合、1人の患者から2種以上のアレルギー疾患を有する場合にも、それぞれの疾患等と関連された臨床症状を同時に効果的に好転できるとして知られている。
ところが、現在の標準的な薬物治療法は薬物が投与される間のみにアレルギー疾患の臨床症状を好転させるのみ、疾病を根本的に改善できないものとして知られている。さらに、気管支喘息、慢性鼻炎、慢性蕁麻疹、アトピー皮膚炎患者等において、十分に検査をしても外部的な原因アレルゲンが探せない場合も相当数あって、これらの場合、外部的なアレルギー原因を探し得る患者等に比べて臨床的にさらに重症難治性の場合が多いとして知られているものの、未だに、この患者等を効果的に好転又は原因的に治療して自然経過を変えて、根本的に好転させ得る治療薬物や治療法は開発されていない実情である。
前記アレルギー疾患等が、現在学界で一般的に主に外部に存在する抗原に対する過敏な免疫反応により、主に外部と接触する皮膚や粘膜、さらに、気道等の組織に慢性炎症反応が発生するとして知られているのとは別に、リューマチ関節炎と骨関節炎を始め、他の慢性炎症性疾患等は自分の身体内に存在する抗原(自己抗原)等に対する免疫反応により、関節を取囲んでいる滑膜組織や、軟骨組織に慢性的な炎症反応が発生して疾病が発生するとして信じられ、自己免疫疾患に分類されることもあり得る(Davidson A, 等. N Engl J Med 2001;345:340-50)。リューマチ関節炎を含む慢性炎症性疾患等の場合、未だに疾病の発病機転が明確に究明されない為、原因に基づいた根本的な治療が不可能な状態である。従って、慢性炎症性疾患の治療の為に、現在主に使用されるステロイドと鎮痛消炎剤、methotrexate、hydroxychloroquine、sufasalazine、cyclosporin A等を含む免疫調節薬剤等のみでは、疾病が適切に調節されない場合が多いとして知られている。
一方、1951年ParrotとLabordeによりアレルギー疾患患者等において、減少されているヒスタミン固定能(histaminopexy)を回復させる為の方法で正常人の血清ガンマグロブリンとヒスタミンを結合させ、複合体の状態に作り、投与する治療法が開発されて以降(J Physiol 1951;40:885-9)、ヨーロッパと日本を含めた多くの国々でアレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー皮膚炎、さらに、慢性蕁麻疹の治療の為に現在まで広範囲に使用されている(Yoshii H, 等; J Allergy Clin Immunol
1997;100:809-16)。アレルギー動物モデルにおいて、ヒスタミン-免疫グロブリン複合体を注射する場合、アレルギー炎症反応の減少とともに、血清内のTNF-alpha、IL-4、さらに、アレルギー-特異IgE抗体が減少される免疫調節効果を呈するとして知られている(Ayoub M, 等; Int Immunopharmacol 2003;3:523-539)。さらに、アレルギー動物モデルでヒスタミン-免疫グロブリン複合体投与による抗炎症効果は同一な量のヒスタミン単独又は、免疫グロブリン単独投与時には観察されない点に基づいてヒスタミンと免疫グロブリン2種の物質の結合がアレルギー疾患の治療効果に重要な役割をすることと判断されている(Yoshii H, 等; J Allergy Clin Immunol
1997;100:809-16)。ところが、ヒスタミン-免疫グロブリン製剤を利用した治療法は現在使用されている他のアレルギー治療薬物等に比べて、治療効果がはっきりと優れていないとの学界の判断により、現在アレルギー疾患等に対する国際的標準治療指針において、ヒスタミン-免疫グロブリン製剤を利用したアレルギー疾患の治療方法に対する言及が欠けている状態である(Hanifin JM, 等. J Am Acad Dermatol
2004;50:391-404)。
一方、日本で最初に開発された人間の胎盤抽出物を利用した注射製剤は、肝硬変症、肝機能障碍への治療効果により、肝機能障碍がある肝疾患患者等において、肝機能を回復させる為の用途で日本、韓国、ヨーロッパ等の国々で使用されている(Nakayama S, 等. Nippon Yakur igaku Zasshi
1989;94:289-97)。日本を含む一部亜細亜地域では、少数の臨床医等によりこのような胎盤抽出物がアトピー皮膚炎、気管支喘息、リューマチ関節炎のような慢性難治性疾患の治療に効果があるとして主張して来たものの(Nishimura 等. The Allergy in Practice
1986;6:437-440)、未だに、このような治療効果が多数の研究者等により、体系的な臨床研究を介して学術的に確実に立証されたことが稀である。さらに、胎盤抽出物の薬理的な効果の作用機転も未だに確実に究明されない状態である。
従って、当業界には未だ胎盤抽出物を利用した注射治療法や、ヒスタミン-免疫グロブリン複合体を利用した注射療法の場合、現在使用される標準的な薬物治療に比べて臨床的にはっきりしたより良い治療効果が挙げられていないとして知られ、国際的にアレルギー疾患や慢性炎症性疾患の標準治療法として認められずにいる。一例として胎盤抽出物治療はアトピー皮膚炎を含めた、その他のアレルギー疾患の国際的な治療指針等において、標準療法として認められていない実情である(Hanifin JM, 等. J Am Acad Dermatol
2004;50:391-404)。
最近50年間全世界的に気管支喘息、アトピー皮膚炎、アレルギー性鼻炎、慢性蕁麻疹等を含むアレルギー疾患とリューマチ関節炎を含む慢性炎症性疾患を患っている患者等の数が速い速度で増加しているとして知られている(Bach JF. N Engl J Med 2002;347:911-20)。しかしながら、アレルギー及び慢性炎症性疾患の発生が急激に増加する理由や又は、これら疾患の正確な発病機転が究明できなかった理由として、前記疾患等に対する効果的な予防方法や、前記疾患等を根本的に治療させ得る薬物や治療法が開発されていない状態である。
現在アレルギー疾患及び慢性炎症性疾患を有する患者等の内、相当数においては、現在の標準的な薬物治療方法のみで十分な程度の臨床的な好転を得られない場合も多い。これにより、相当数のアレルギー疾患及びリューマチ関節炎を含む慢性炎症性疾患患者等が代替療法又は、補完療法を探す現象は全体的に極めて多い現象である(Passalacqua G, 等. J Allergy Clin Immunol
2006;117;1054-62)。特に、このような難治性アレルギー及び慢性炎症性疾患患者等の場合、全身的ステロイドや免疫抑制剤を投与する場合、臨床的に症状を緩和し得ると知られているものの、疾病の経過が慢性的な疾患であるとの理由から持続的に使用する場合、全身的な副作用の可能性発生が高い為、長期間持続的に使用できない場合が多い(Larche M, 等. Nature Med 2005;S69-S76)。従って、現在既存の薬剤等より効果的でかつ、安全であり根本的に疾患が好転できるアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患の治療の為の薬学的組成物と治療方法の開発が切実に求められる状況である。
ここに、本発明者等は既存の薬物治療法だけでは効果的に調節できない難治性アレルギー疾患及び慢性炎症性疾患を有する患者等において、より効果的な治療薬物及び治療方法を開発する為に多大な努力を注いだ。
既にアレルギー疾患として知られた気管支喘息、慢性鼻炎、慢性蕁麻疹、アトピー皮膚炎を患っている患者等の相当数、さらに、リューマチ関節炎を含む慢性炎症性疾患等において、疾病の病因機転に自分の蛋白質に対する免疫反応(自己免疫)が関与することが多くの研究者等により開示されており、多様な試験管(in vitro)研究又は動物モデルを介して証明されている(Rottem M, 等. Int Arch Allergy Immunol 2003;132:210-214; Greaves M. Clin Rev
Allergy Immunol 2002;23:171-83; Schmid-Gredelmeier P, 等.
J Allergy Clin Immunol 2005;115:1068-75; Davidson A, 等.
N Engl J Med 2001;345:340-50)。さらに、多様な種類の動物モデル等において究明された特定自己抗原蛋白質をペプチドの形態で投与して自己抗原に対する特異免疫寛容を誘導する自己抗原-特異免疫治療が効果がある可能性が提示されたことがある(Larche M, 等. Nature Med 2005;S69-S76)。従って、人間自己抗原蛋白質を利用した自己抗原-特異免疫調節治療が、自己免疫が病因機転に作用するアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患の治療の助けになる可能性がある。しかしながら、不幸にも現在までは人間ではアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患において、純粋に1種類の特定自己抗原蛋白質又はペプチドを経口又は注射で投与して有意な臨床的効果が証明された場合は極めて稀な状態である。発明者等はこのように現在までの自己抗原-特異免疫調節治療が、人間の自己免疫機転が関与する慢性炎症性疾患等において効果が立証できないことには、それぞれの慢性炎症性疾患等において、自己免疫反応の標的とされ、組織の炎症反応と疾病の臨床症状の発生に関与する自己抗原蛋白質等が、2個以上に極めて多い為(epitope spreading現象により発生すると説明される、Larche M 等. Nature Med 2005;S69-S76)と判断した。つまり、現在まで進行されたアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患と関連された自己抗原蛋白質に対する研究等を察するに、患者等毎に多数の人間蛋白質等に対して自己免疫反応を呈するとして知られている。従って、発明者等は自己免疫現象を呈するアレルギー疾患と慢性炎症性疾患患者等において、自己抗原蛋白質を利用した抗原-特異免疫療法を施行する場合、可能な限り多くの種類の人間蛋白質等が混合された治療用注射物質を使用するのが好ましいことと判断した。しかしながら、人間の疾患を治療する目的で多種類の人間蛋白質が混合された状態で、新たな人間蛋白質注射薬剤を開発するには、薬剤の安全性を検証する過程で多くの時間的な、技術的な、さらに費用的な難しさが伴う。ここで本発明者等は可能な多種類の人間蛋白質等を含めていて、この蛋白質等が人間に投与した際の安全性が既に検証された既存の薬学的組成物製剤を探している矢先、人間の胎盤抽出物が長期間日本と韓国さらにヨーロッパの一部の国を含めた諸国で治療用注射剤として約50年間安全に使用されてきたことを確認し(Nakayama S 等. Nippon Yakur igaku Zasshi 1989;94:289-97; Liu KX, 等. Biol Pharm Bull 1998;21:44-9)、これを多様な人間自己抗原蛋白質が含まれた自己抗原-特異免疫治療の材料に使用しようとした。過去一部の研究者等により、冷蔵又は冷凍保管された人間の胎盤組織自体を難治性慢性疾患患者等の皮膚を切開して皮下に移植する治療法(placental implantation)が一部重症難治性喘息と、リューマチ関節炎の治療に極めて優れた治療効果を呈するとして報告された例(de Mesquita HF. Hospital (Rio J) 1968;74:755-7)があったものの、未だにその治療効果が多数の研究者等により明確に検証されなかった理由と共に、この治療法が有する観血的な(invasive)性格と移植によるウィルス感染等の合併症に対する対処法等により現在通常的な治療法で実施されないままである。
本発明者等は既に日本医師の喘息を含むアレルギー疾患に対する胎盤抽出物を投与した治療的効果に対する報告(Nishimura 等.The Allergy in Practice
1986;6:437-440)に基づき、本発明の実施例で一部記述した通り、長期間現在通常的に実施される標準的薬物治療の施行を受けたものの、はっきりした臨床的な好転を呈していない難治性慢性蕁麻疹、重症難治性アトピー皮膚炎、重症喘息さらに、重症難治性リューマチ関節炎患者等に胎盤抽出物注射治療を施行して見たものの、2〜3ヶ月間の治療にも拘らず満足する程の治療効果が見られなかった。従って、現在存在する薬学的組成物形態の胎盤抽出物のみでは、自己免疫機転が関与するアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患患者等の臨床症状を効果的に改善し得なかったものと判断した。
ここに、本発明者等は本発明の実施例等において記述した通り、既にアレルギー疾患等で一部治療効果があるとして知られており、動物モデルにおいて、免疫調節効果(TNF alpha抑制効果及びIL-4抑制効果)が立証された、ヒスタミン-免疫グロブリン複合体(Ayoub M, 等; Int Immunopharmacol 2003;3:523-539)を免疫反応調節剤(adjuvant)として活用し、胎盤抽出物と混合して同時に投与する場合、前記胎盤抽出物のみを単独で投与した場合に比べて効果的に多種類の人間自己抗原蛋白質等に対する自己免疫反応を抑制して、難治性アレルギー疾患患者及び難治性慢性炎症性疾患患者等を好転させ得る新たな薬学的組成物を開発し得るとの仮説を樹立した。
発明者等は前記仮説に従い、本発明の実施例等を介してヒスタミン、免疫グロブリン、さらに胎盤抽出物の混合物を含む本発明の薬学的組成物のアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患に対する治療効果を立証することにより本発明を完成した。
本発明の実施例等において、ヒスタミン、免疫グロブリン、さらに胎盤抽出物を混合して同時に投与した場合、既に存在していたヒスタミン-免疫グロブリン複合体又は胎盤抽出物単独投与治療時には達していない程度の難治性アレルギー疾患及びリューマチ関節炎患者等において優れた治療効果を呈することが確認できた。さらに、このような本発明の薬学的組成物であるヒスタミン、免疫グロブリン、さらに胎盤抽出物の混合液を同時に投与する本発明の治療法は今まで使用されてきた、ヒスタミン-免疫グロブリン複合体と胎盤抽出物を難治性アレルギー疾患患者等にそれぞれ身体の異なる部位に別々に1種類の薬剤当たり、1ヶ所ずつ2ヶ所に分けて注射で投与した治療法に比べて有意に優れた臨床症状の改善効果を呈することを確認した。従って、本発明の組成物であるヒスタミン、免疫グロブリン、胎盤抽出物間に相合作用を介して治療効果の相乗効果(synergistic effect)を呈し、難治性アレルギー疾患と難治性慢性炎症性疾患患者等において、優れた治療効果を呈したものと判断する。
ここに、発明者等は本発明でヒスタミン、免疫グロブリン、さらに胎盤抽出物が含まれた治療用薬学的組成物を投与する場合、既存の標準的な薬物治療等により、臨床的に好転しない難治性アレルギー疾患及び慢性炎症性疾患の治療に効果があることを証明し、さらに、本発明のヒスタミン、免疫グロブリン、胎盤抽出物を含む治療用薬学的組成物を活用してアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患の新たな治療方法を開発した。
本発明の薬学的組成物をアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患患者等に併合して投与する場合、既存の標準的な薬物治療に比べて極めて顕著な治療効果が得られる。従って、本発明の薬学的組成物、それのアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患治療用用途、それを利用する治療方法によれば、標準的な薬物治療だけで十分に好転されない難治性アレルギー疾患及び慢性炎症性疾患を有する患者等を副作用なく効果的に好転させ得る。
本発明は活性成分にしてヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を含有する薬学的組成物を提供する。
本発明はさらに、活性成分としてヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を含有するアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患治療用薬学的組成物を提供する。
本発明のアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患は、アトピー皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、蕁麻疹、気管支喘息、リューマチ関節炎、さらに退行性関節炎を含む。
さらに、本発明のヒスタミンを含有する第1容器;免疫グロブリンを含有する第2容器;及び胎盤組織抽出物を含有する第3容器を含むアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患治療用キットを提供する。
本発明はさらに、ヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤組織抽出物で構成されるグループから選ばれた一つ又は二つの成分を含有する第1容器;及び残りの成分を含有する第2容器を含むアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患治療用キットを提供する。
さらに、本発明はアレルギー疾患治療用医薬の製造の為のヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を活性成分として含む組成物の用途を提供する。
本発明はさらに哺乳動物に治療上、有効量のヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を含有する薬学的組成物を投与することを含むアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患治療方法を提供する。
本発明は追加して活性成分として、ヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を含有する薬学的組成物、前記活性成分を含むアレルギー疾患治療用キット、アレルギー疾患治療用医薬の製造の為の、前記組成物の用途及び哺乳動物に前記薬学的組成物を投与することを含むアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患の治療方法を提供する。
本発明は活性成分としてヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を含有する薬学的組成物を提供する。
活性成分としてヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を含有する薬学的組成物はさらに、アレルギー疾患及び慢性炎症性疾患治療用として使用し得る。従って、本発明はさらに、活性成分としてヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を含有するアレルギー疾患治療用薬学的組成物を提供する。
本発明の組成物の活性成分の内の一つである“ヒスタミン”は、生体内に広く分布する化学式C5H9N3の化合物である。腐敗菌や腸内細菌により蛋白質内のヒスチジンが脱カルボキシ化されて生ずるものの、組織内では組織蛋白質と結合して非活性状態にあって、抗原抗体反応によりアレルギーや、アナフィラキシーが見える時は非活性型のヒスタミンが、ある作用により活性型となり臓器や組織に作用するものとして思われている。本発明の組成物で用いられるヒスタミンは、当業界に公知された方法により化学的に合成するか又は当業界に市販されているものを用いることもできる。
本発明の組成物のさらに他の活性成分の内の一つである“免疫グロブリン”は、血清成分の内機能的に免疫に重要な役割をするものとして知られており、x-ray crystalography分析上特徴的で共通的な3次構造を有する構造的特徴、電気泳動上の共通的な位置に分画化される物理的特徴、さらに、アミノ酸配列分析の際、一定した共通的なアミノ酸配列を有する特徴等の共通点にして、他の種類の蛋白質等と明確に区分し得る特質等を有する特定範囲の“糖蛋白質”を総称して表現したものである。免疫グロブリンの基本構造は分子量(dalton)が約2万3000のL鎖(軽鎖)1対と分子量約5〜7万のH鎖(重鎖)1対がS-S結合により連結されており、H鎖の種類であるγ、α、μ、δ、εによりそれぞれIgG、IgA、IgM、IgD、IgEに分類される。本発明の組成物で使用される免疫グロブリンはIgG、IgA、IgM、IgD、IgE又はそれらの混合物である場合もあって、生物学的に同等な活性を有するそれらの断片又はそれらの混合物の場合もあり得る。さらに、本発明の組成物において用いられる免疫グロブリンは特定抗原(例、自己抗原)に特異的であるか又は、非特異的な免疫グロブリンを全て含む。本発明の組成物において用いられる免疫グロブリンは動物又は人間の血漿から分離することができる。さらに、本発明の組成物の免疫グロブリンは一般的に、血漿分画を介して製剤化されたものを用いることができ、当業界に公知された方法により遺伝工学的に製造されたものを用いることもできる(Vaughan TJ, 等. Nature Biotech
1998;16:535-539)。
本発明の組成物の活性成分である“胎盤抽出物”は臍帯組織と絨毛組織を含む哺乳動物の胎盤から当業界で通常的に用いられている公知された方法(例、U.S. Patent 4,054,648)を利用して得られた水溶性及び有機溶媒溶解性蛋白質等の切片等とペプチドを含む複合体を指称する。本発明の実施例で用いられた現在市販中の注射用人間胎盤抽出物(ジシゼイビピ、韓国)の薬品説明書に公知された製作方法の説明の通り、本発明の薬学的組成物に含まれた胎盤抽出物は人間胎盤組織を、アセトン処理で脱脂し、不完全加水分解物が生成されないようにペプシンと塩酸処理で十分な加水分解操作を実施して製造した胎盤抽出加水分解物の形態でもあり得る。本発明の組成物に用いられた胎盤抽出物を製造する為の胎盤原料は、事前検査を介して現在まで知られた感染物質(ウィルス、細菌、フライオン含む)等に対する感染の可能性が最小化されたと判断される哺乳動物の胎盤組織を用いるのが最も好ましい。さらに、異種蛋白質の投与によるアレルギー反応の発生による副作用を最小化する為に、なるべく治療対象である哺乳動物と同種の哺乳動物から由来した胎盤抽出物を用いるのが好ましいものの、人間の胎盤を得ることに伴う倫理的問題及び供給物量の問題を克服する為に、豚等を含めた他の哺乳動物の胎盤抽出物を用いることもできる。
本発明はさらに、ヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を含有する第1容器;及びこれを希釈する為の注射用蒸留水又は、生理食塩水を含む第2容器で構成されたアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患治療用キットを提供する。さらに、本発明はヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物で構成される3種の主成分から選ばれた1つ又は2つの主成分を含有する第1容器;及び残りの成分を含有する第2容器を含むアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患治療用キットを提供する。
さらに、本発明はアレルギー疾患治療用医薬の製造の為のヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を活性成分として含む組成物の用途を提供する。前記のヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を活性成分として含む、本発明の薬学的組成物はアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患治療用医薬の製造の為の用途に利用できる。
本発明はさらに、哺乳動物に治療上有効量のヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を含有する薬学的組成物を投与することを含むアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患の治療方法を提供する。
前記薬学的組成物の投与量はヒスタミン-免疫グロブリン複合体を利用した非特異的免疫治療で用いられるヒスタミン-免疫グロブリン複合体の投与量、又は注射用胎盤抽出物治療において用いられる胎盤抽出物の投与量を考慮して決定できる。一般的な薬学的組成物の場合、症状の軽重度、患者の年齢、体重等により組成物の投与量を決定するものの、本発明の治療方法においては前記の条件のみならず、胎盤抽出物に対する患者の敏感度、及び/又はヒスタミン又は免疫グロブリンに対する患者の敏感度により決定し得る。
さらに、ヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を含有する本発明の薬学的組成物の1回投与時の前記3種の主成分の投与量はヒスタミンは0.05乃至2.5μgの場合も有り得、好ましくは、0.1乃至1.0μgの場合も有り得、免疫グロブリンは蛋白質量で0.05乃至50mgの場合も有り得、好ましくは、12乃至35mgの場合もあり、胎盤抽出物は蛋白質量にして、50μg乃至50mgの場合も有り得、好ましくは、100乃至1000μgの場合もあり得る。ヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物は凍結乾燥粉末の状態で密封殺菌されたガラス瓶に詰め込められることもあって、好ましくは、1回投与の際1乃至2mlの注射用緩衝液を混合して溶解させ使用することもできる。
本発明の利点及び特徴、さらに、それらを達成する方法は詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になるであろう。しかしながら、本発明の範囲は以下で開示される実施例等に限定されるのではなく、本発明の明細書に含まれた発明の思想と概念が多様な形態等で具現される範囲に限定されるべきである。下記の実施例等は単に本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせる為に提供されるものにして、本発明は発明の詳細な説明に開示された発明の概念と発想とこれに基づいた請求項の範疇により定義されるのみである。
[実施例1]
製剤例1:
人間免疫グロブリン 24mg
ヒスタミン2塩酸塩 0.30μg
塩化ナトリウム 8mg
アミノ酢酸 90mg
D−マンニトール 8mg
蓚酸化ナトリウム 適量
蓚酸化アルミニウム 0.001〜2mg
胎盤抽出物 2mg(蛋白質量で)
注射用水 4ml(前記成分等と異なるバイアルに供給)
前記製剤例1は発明者等が本発明の実施例等からアレルギー及び慢性炎症性患者等に治療目的で実際に1回に投与した本発明のヒスタミン、免疫グロブリン、胎盤抽出物の量に基づき薬学的組成物を構成したものである。さらに、免疫反応調節効果を昂進させる為に、製剤例1の通り、当業界で広く用いられる蓚酸化アルミニウム等の免疫増強剤(adjuvant)を添加することができる。さらに、前記製剤例1の構成成分等の量と比率は治療しようとする疾患の重症度や患者の年齢、体重、他の疾患の同伴可否により、適切に増減し得る。
製剤例2−1:ヒスタミン-免疫グロブリン複合体
商業的に購入したヒスタミン-免疫グロブリン複合体注射薬剤(商品名“ヒストブリン”で表記される、緑十字、韓国)は、製造社の薬剤説明書には、人間免疫グロブリン12mgとヒスタミン2リン酸塩が0.15μg含まれていると記述されている。前記製剤は有効成分が乾燥された状態で注射用vialと、別に密封された2mlの注射用蒸留水vialの形態で供給され、製造会社は注射の度毎にこの2つのvialを混合して有効成分を溶解し、2mlずつ皮下に注射するように勧奨している。前記薬剤に含まれた免疫グロブリン成分の再確認の為に、発明者等がヒスタミン-免疫グロブリン複合体注射薬剤内のIgG、IgM、IgA、アルブミン濃度をnephelometry測定機器(COBAS INTEGRA, Roche Diagnostics GmbH, Germany)を利用して定量した結果、Human IgG 11.0mg、Human IgA 0.24mgが含まれたものとして測定され、IgMとアルブミンは前記機器を利用した測定方法の測定可能最小限界値より低い濃度(IgM
<0.037mg/ml, albumin <0.09mg/ml)で存在していて検出されなかった。
製剤例2−2:胎盤抽出物注射液
本発明の実施例で用いられた商業的に購入できる人間胎盤抽出物注射液は(商品名:ハングルでライネック又は英文で“Laennec”表記される、製造元-株式会社ジシゼイビピ、韓国、技術提携株式会社日本生物製剤、東京、日本)製造社の説明書には人間紫河車加水分解物(human placenta chorial tissue hydrolysate)で表示されていて、胎盤抽出物注射液は蛋白質濃度をBradford方法により定量の際、約500μg/mlで測定され、1vialは2mlの黄褐色溶液にして人間胎盤抽出物蛋白質が約1mg含まれていた。製造会社は前記注射液2mlずつ皮下注射又は筋肉注射で投与するように勧奨しており、1日に最大3vial(6ml)まで投与できると薬剤説明書に記述されている。
本発明の実施例で用いられた前記製剤例2-1のヒスタミン-免疫グロブリン複合体と、製剤例2-2の人間胎盤抽出物の蛋白質又はペプチド組成を確認する為にポリアクリルアミドゲルを利用した電気泳動(sodium dodecyl sulphate/polyacrylamide gel electrophoresis=SDS-PAGE)と蛋白質染色を利用して分析した結果、ヒスタミン-免疫グロブリン複合体の場合50-kDaの重鎖(heavy chain)と25-kDa軽鎖(light chain)からなされたIgG抗体が主成分として判明され、製剤例2-2の胎盤抽出物の場合、分子量20-kDa未満の人間蛋白質の分節及びペプチド等が主な成分であることを確認することができた(図1)。従って、本発明のヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を含有するアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患の治療用薬学的組成物は、前記図1の通り簡単な電気泳動(SDS-PAGE等)分析と蛋白質染色によりその組成成分が確認できる。
[実施例2]
標準的な薬物治療で好転されない難治性アレルギー疾患及び慢性炎症性疾患患者等において本発明のヒスタミン、免疫グロブリン、さらに胎盤抽出物を含む薬学的組成物の臨床的効果立証。
実施例2−1:標準的な薬物治療及びヒスタミン-免疫グロブリン複合体治療のみで臨床的に好転されない難治性アトピー皮膚炎患者において、本発明のヒスタミン、免疫グロブリン、さらに胎盤抽出物を含む組成物を利用した治療を実施した後に有意な臨床的好転を呈した実施例
47歳の女子患者が約5年以上継続的に持続された主に顔面部(目のまわりと顔)を侵犯する赤色の発赤と庠瘍症、感想症、角質等の典型的なアトピー皮膚炎の臨床様相を主訴にして来院した。患者は多くの病院から前記診断名で薬物治療を受けたものの、症状が患者自身が満足する程度に改善されなかった。来院後施行したアレルギー皮膚端子試験結果、有り触れた吸込みアレルゲンと飲食物アレルゲン等に対して全て陰性反応を呈した。前記患者は内因性アトピー皮膚炎に診断した。ここに標準的な薬物治療である経口抗ヒスタミン剤と低容量経口ステロイド、外用ステロイド及び外用免疫調節剤(tacrolimus)に処方して2ヶ月以上治療したものの、アトピー皮膚炎症状の有意な好転が観察できなかった。これに追加して前記製剤例2-1のヒスタミン-免疫グロブリンを毎1週間隔で2ヶ月以上治療したものの、頻繁な臨床症状の再発を経験した。ここに、発明者等は前記患者に前記製剤例2-1のヒスタミン-免疫グロブリン複合体1vial(2ml)と前記製剤例2-2の胎盤抽出物注射液2バイアルずつを混合して1週間隔で4週間皮下に同時に投与した。4週間の前記注射治療後に患者はアトピー皮膚炎と関連した臨床症状が完全に消失され、1ヶ月以上薬物治療を中断して外用剤を使用しない程に好転された。
しかしながら、治療を中断して1ヶ月が過ぎた時点から漸次皮膚症状が悪化して患者が注射薬物治療の容量を減らして治療を持続することを望んだ。これに、製剤例2-1のヒスタミン-免疫グロブリン複合体は投与せずに、製剤例2-2の胎盤抽出物2vial(総4ml)のみを1週間隔で4週間注射した。その結果、漸次顔面部皮膚の発赤と庠瘍症が再発して経口ステロイド剤を持続的に服用してこそ皮膚症状が調節された。ここに、再度製剤例2-1のヒスタミン-免疫グロブリン複合体と製剤例2-2の胎盤抽出物の混合物を再度1週間隔で注射することにして、1回に投与される注射液の容量を減少させる為に、乾燥粉末の形態で存在する製剤例2-1のヒスタミン-免疫グロブリン複合体1vialに液体状態で存在する製剤例2-2の胎盤抽出物注射液1vial(2ml)を混合して溶解させ、1度に皮下に1週当たり1回ずつ4週間注射した。前記の通り、2種の製剤を同時に投与を開始して4週後から再度顔面部の皮膚発赤や庠瘍症、乾燥症等の症状が完全に消失され、経口薬物と外用薬物を服用しない状態に好転された。患者自身が主観的に前記2種製剤の混合治療前に比べて70%以上好転されたと言い、診察の際、医学的所見としても顔面部皮膚に異常が観察されなかった。前記実施例2-1では、本発明のヒスタミン、免疫グロブリン、胎盤抽出物を含む組成物を皮下注射で投与した場合に注射部位の一時的な痛症意外に前記注射治療による如何なる副作用も観察されなかった。
前記実施例2-1は本発明のヒスタミン、免疫グロブリン、さらに胎盤抽出物を同時に含む薬学的組成物の効果が既に存在するヒスタミン-免疫グロブリン複合体注射薬剤や胎盤抽出物注射薬剤それぞれの調節効果を飛び越え、難治性再発性アトピー皮膚炎を有意に臨床的に好転し得る、調節効果と安全性が優れた新たな治療的組成物及び治療方法であることを裏付ける根拠と判断される。
実施例2−2:標準的な薬物治療のみで臨床的に好転されない重症難治性リューマチ関節炎患者からヒスタミン、免疫グロブリン、さらに胎盤抽出物を含む薬学的組成物で治療後有意なリューマチ関節炎症状の好転を呈した実施例
47歳の女子患者が約3年以上継続的に持続された両側の指と肘、膝等を侵犯する多発性関節の浮腫と痛症さらに、朝に関節が1時間以上固くなる症状を主訴で来院した。患者は多くの病院から前記診断名で薬物治療を受けたものの、症状が患者自身が満足する程に改善されないと述べた。来院後施行した血液検査上血清リューマチ因子検査上陽性所見を呈し、炎症検査上赤血球沈降速度(erythrocyte sedimentatin
rate)が正常値に比べて顕著に上昇した所見を呈し、重症リューマチ関節炎として診断した。
ここに、標準的な薬物治療である経口鎮痛消炎剤と低容量経口ステロイド、抗リューマチ薬剤等で処方して6ヶ月以上治療したものの、リューマチ関節炎症状が持続され、日常生活に相当な支障を受ける状態に維持されたものの、前記薬物治療によるはっきりした臨床的な好転を観察することができなかった。
ここに、発明者等は前記患者に前記製剤例2-1のヒスタミン-免疫グロブリン複合体1vial(2ml)と、前記製剤例2-2の胎盤抽出物注射液2バイアル(4ml)ずつを混合して1週間隔で4週間皮下に投与した。4週間の前記注射治療後に患者はリューマチ関節炎と関連した自覚的な臨床症状が顕著に消失され、2週以上既存の薬物治療を半分に減量した状態においても、日常生活に支障がない程に顕著に症状が好転された。
前記実施例2-2は本発明のヒスタミン-免疫グロブリン複合体と胎盤抽出物注射を混合して同時に投与する場合、既存の標準治療法に反応しない難治性リューマチ関節炎を含めた慢性炎症性疾患患者等を臨床的に顕著に好転させ得ることを確認してくれる。
従って、本発明のヒスタミン、免疫グロブリン、さらに胎盤抽出物の混合物を含むアレルギー及び慢性炎症性疾患治療用薬学的組成物は難治性リューマチ関節炎を含む慢性炎症性疾患の治療の為の効果的な薬学的組成物及び治療方法を提供し得る。
実施例2−3:標準的な薬物治療のみで臨床的に好転されない重症難治性気管支喘息及び慢性鼻炎患者において、ヒスタミン、免疫グロブリン、さらに胎盤抽出物を含む薬学的組成物で治療後有意な臨床的好転を呈した実施例
50歳の女子患者が10年間持続された良く調節されない咳と呼吸困難症状を主訴に来院した。患者は病歴上最近2年間継続して現在の標準薬物治療に該当するステロイド(corticosteroid)及び長時間持続型ベータ-拮抗剤(long-acting beta-agonist)の複合製剤を毎日吸込む治療を持続し、経口薬物も継続服用してきたものの、2年前には激しい喘息の発作により、氣道挿管を行い、病院に入院治療を受け、1年前にはさらに1度の重症発作によっては氣道挿管を行わなかったものの、入院治療を受けたと言っている。病歴上慢性的な鼻水、くしゃみ、鼻詰まり等の慢性鼻炎に適合した臨床様相を同時に呈した。来院当時医学的所見上はっきりしたお月様のような顔(moon face)、顔面紅潮、腹部肥満等の長期間経口ステロイド服用による疑因性クッシング症候群(iatrogenic Cushing syndrome)に適合した所見を呈した。さらに、両側肺邪に喘鳴音所見が聴診された。肺機能検査上1秒間最大好気量(forced expiratory volume in
one second= FEV1)が予測値の39%に極めて減少されていて、気管支拡張剤吸込み後測定したFEV1が気管支拡張剤吸込み前の基底値に比べて30%以上増加されるはっきりした可逆的氣道閉塞所見を呈した。アレルギー皮膚端子試験上有り触れた吸込みアレルゲンに対して全て陰性反応を呈し、非アトピー性喘息及び鼻炎に適合した。これにより、前記患者は重症難治性気管支喘息及び慢性鼻炎に臨床的に診断され、ステロイド及び長時間持続型ベータ-拮抗剤の複合製剤を毎日吸込み、これと共に経口用ステロイドを1日にprednisolone 20mgずつ、さらに経口用theophyllineを200mgずつ服用する治療を始めた。しかしながら、前記治療を6カ月間継続するにも拘らず、咳と呼吸困難、喘鳴音の気管支喘息症状と鼻水、くしゃみ、鼻詰まりの慢性鼻炎症状が継続して甚だしい状態で持続され、肺機能検査上FEV1が予測値の42%を呈し、好転されなかった。ここに、前記製剤例2-1のヒスタミン-免疫グロブリン複合体1vial(2ml)と前記製剤例2-2の胎盤抽出物注射液2vial (総4ml)ずつをそれぞれ別々に皮下に1カ月間隔で注射した。注射開始1ヶ月後から毎日服用する経口ステロイドを1日prednisolone 10mgに該当する容量に減量した状態でも肺機能測定上、FEV1が予測値の56%に有意に上昇され、咳と呼吸困難の程度が患者自ら前記製剤例2-1と製剤例2-2の注射治療開始前に比べて50%以上有意に減少したと言っている。ここに、1ヶ月に1度注射の際、患者が2種類の注射液を2ヶ所の部位に別々に注射することにより、発生する注射時の痛症を最小化して注射液の嵩(volume)を減少させる為に、乾燥粉末の形態で存在する製剤例2-1のヒスタミン-免疫グロブリン複合体2vialに薬液状態で存在する製剤例2-2の胎盤抽出物注射液2vial(総4ml)を混合して溶解させ、1度に皮下に注射した。1カ月間隔で前記混合物注射を投与した2ヶ月後には毎日服用する経口ステロイド容量を2.5mgに減少したにも拘らず肺機能検査上FEV1が予測値の66%維持される程度に、さらに顕著に気管支喘息が好転され、患者自ら前記製剤例2-1と製剤例2-2の注射の治療開始前に比べて気管支喘息と慢性鼻炎症状が全て70%以上有意に好転されたと言った。患者に前記製剤例2-1のヒスタミン-免疫グロブリン複合体と製剤例2-1の胎盤抽出物をそれぞれ別々に両腕に別けて打たれる治療とヒスタミン、免疫グロブリン、胎盤抽出物の混合物で造り、同時に投与する治療の間に調節効果と注射の際の便宜性を考慮するに、どのような治療を好むかを問合わせた結果、患者自身が主観的に判断した時、本発明のヒスタミン、免疫グロブリン、胎盤抽出物を含めた混合物形態の注射液を1度に同時に注射投与を受けるのが喘息と鼻炎症状の改善により効果的であると感じ、2回に分けて注射をせずに一気に注射されるのが注射による苦痛を和らげることからこれをより好むと言った。前記実施例2-3では、本発明のヒスタミン、免疫グロブリン、胎盤抽出物を含めた組成物を皮下注射で投与した場合に注射部位の一時的な痛症意外に前記注射治療によるどのような有意な副作用も観察されなかった。
前記実施例2-3は本発明のヒスタミン、免疫グロブリン、さらに胎盤抽出物を同時に含む薬学的組成物の治療効果が既存の重症難治性気管支喘息の治療の為に、止む得ず長期間使用されてきた高容量経口ステロイド投与の必要性を減少させ、長期間の高用量全身ステロイド使用による副作用の発生を防止することができ、重症難治性気管支喘息と慢性鼻炎を有する患者をはっきりと好転させ得る安全性と治療効果が極めて優れた新たな治療的組成物及び治療方法であることを裏付ける根拠と判断される。
[実施例3]
難治性慢性蕁麻疹患者等において本発明のヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を含めた組成物投与に伴う臨床的治療効果分析
6週以上持続された庠瘍症を同伴した膨疹(wheal)と発赤(erythema)を特徴とする慢性蕁麻疹に適合した臨床症状を呈し、6ヶ月以上の抗ヒスタミン剤を含む標準的な薬物治療にも拘らず、患者自身が満足することができ、日常生活に支障のない程度に臨床的に十分に好転されない難治性慢性蕁麻疹患者等を対象に下記のような治療を行った。現在はっきりした外部的な原因が掴めない慢性蕁麻疹は大部分自己免疫機転により疾病が発病すると知られている(Greaves M. Clin Rev Allergy
Immunol 2002;23:171-83)。
1群(胎盤抽出物治療群):前記製剤例2-2の胎盤抽出物注射液(商品名 Laennec)を製造社により勧奨された投与指針を小幅に修正して1回治療の際、2vialを同時に皮下注射で投与し、最初8週間は1週間隔で8回注射を行い、その後8週から12週間には2週間隔で2回注射を行い、12週以降には1カ月間隔で注射を行った。
2群(ヒスタミン-免疫グロブリン複合体治療群):前記製剤例2-2のヒスタミン-免疫グロブリン注射薬剤(ヒストブリンTM、緑十字、韓国)を用いた。前記薬剤を製造会社により勧奨された投与指針を小幅に修正して1回治療の際、2vialを同時に皮下注射で投与し、最初8週間は1週間隔で8回注射を行い、その後8週から12週間には2週間隔で2回注射を行い、12週以降には1カ月間隔で注射を行った。
3群(ヒスタミン、免疫グロブリン、さらに胎盤抽出物混合物治療群):前記第1群の治療と前記第2群の治療を同時に進行した。患者等において両腕に前記2種の注射薬剤を別に2回注射される不便さと注射時に投与される薬剤の嵩(volume)を最小化して注射時の痛症を最小化する為に、1回治療の際に総2vialの液状の胎盤抽出物注射液と2vialの凍結乾燥ヒスタミン-免疫グロブリン複合体を混合して得られた4mlの混合液を皮下注射して治療した。治療の間隔は最初8週間は1週間隔で8回注射を行い、その後8週から12週間には2週間隔で2回注射を行い、12週以降には1カ月間隔で注射を行った。
前記治療法等による慢性蕁麻疹の臨床的な好転程度を下記のような2つの基準を綜合して評価した。
(1)問診を介した患者の主観的な好転程度:治療前後に1ヶ月間隔で患者に治療前と比べて庠瘍症、皮膚発疹(膨疹と発赤を含む)の頻度及び侵犯面積等を含めた総合的な慢性蕁麻疹の臨床症状がどれ程好転されたかを医師が問診で確認した。患者に慢性蕁麻疹関連症状を総合的に評価して前記治療の開始前に比べて症状が完全に消えた場合を100%、全く差度がないか若しくは、かえって悪化された場合を0%、半分程好転された場合を50%と表現するとして知らせてくれた後で、治療前に比べて現在何%程度好転したかを毎月問診して記録し、慢性蕁麻疹の臨床症状の主観的な好転程度を評価した。
(2)臨床医師による医学的診察所見に基づいた全般的な重症度の評価:
既に、他の皮膚疾患の治療効果判定の際に使用された文献( Gelmetti C 等, Allergy 2004;59(Suppl. 78):61-65)にて報告された評価方法と同じく治療に臨む医師が、1ヶ月間隔で診察の際、医学的検査を介して患者の病変部位を客観的に確認して、慢性蕁麻疹による病変の甚だしい程度(皮膚の膨疹と発疹の程度)と侵犯した面積を総合的に勘案して極めて甚だしい(5点)、甚だしい(4点)、中等症(3点)、軽症(2点)、微弱な症状(1点)、正常所見(0点)に評価してこれを記録した。
患者等に前記治療を3カ月以上持続し、前記2種の評価基準による好転程度を合算後平均して臨床的な好転程度を分析した。前記治療開始し、3ヶ月後に評価した臨床的な好転程度を基準にしてそれぞれの3種の治療法の治療効果を比較分析した(表1)。
Figure 2009530269
以上の結果から本発明の前記3種の有効成分を含む治療的組成物の治療効果が既に存在するヒスタミン-免疫グロブリン複合体単独治療法や、胎盤抽出物単独治療法に比べて3ヶ月間の治療後に判定した時、治療前に比べて50%以上のはっきりした臨床的好転をなす比率が有意に高いことを確認した(表1)(p<0.05, Fisher's exact test )。さらに前記3種の治療法全て3ヶ月間の治療期間中注射部位の一時的な痛症意外に、如何なる全身的な副作用を呼訴したり、観察された例がなかった。これにより、本発明のヒスタミン、免疫グロブリン、胎盤抽出物を含む薬学的組成物は難治性慢性蕁麻疹の治療において、既に存在する胎盤抽出物製剤やヒスタミン-免疫グロブリン複合体の単独治療法だけでは、達し得ない程度に有意に優れた治療効果(全体対象群の75%で治療前に比べて50%以上が有意に好転される)を呈し、副作用が少ない安全な新たな薬学的組成物を提供する。従って、本発明の薬学的組成物及びこれを利用した治療方法は現在の標準的な薬物治療で調節されない難治性慢性蕁麻疹を含む多くのアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患患者等に既存の治療法等では期待し難い程度に有意な臨床的な好転の機会を提供できる。
[実施例4]
本発明のヒスタミン、免疫グロブリン、さらに胎盤抽出物混合薬学的組成物のアレルギー疾患等に対する治療効果が既に存在するヒスタミン-免疫グロブリン複合体と胎盤抽出物の2種の注射薬剤の効果を合わせた単純な付加的な効果(additive effect)であるのか又は併合による相乗効果(synergistic effect)であるか否かを確認した実施例
実施例4−1:難治性慢性蕁麻疹患者等においてヒスタミン、免疫グロブリン、胎盤抽出物混合物の同時投与治療と、ヒスタミン-免疫グロブリン複合体と胎盤抽出物の2種類の治療薬剤等を別々に投与する併用療法との臨床効果を比較
前記実施例2の第3群におけるのと同一な方法で3ヶ月間ヒスタミン、免疫グロブリン、胎盤抽出物の混合物で治療を受けた後、治療前に比べて70%以上有意に好転された難治性慢性蕁麻疹患者等2名において、患者等の同意の下で2ヶ月間2週間隔で実施例1の製剤例2-1のヒスタミン-免疫グロブリン複合体と実施例1の製剤例2-2の胎盤抽出物をそれぞれ2vialずつ両腕に分けて別々に注射する治療を行った。前記の治療法に転換後2ヶ月が過ぎた時点で評価したとき、2ヶ月前の治療転換前に比べて実施例3での通り、患者の主観的な評価と医師の客観的評価の平均値を基準に判断した時、30%以上有意に悪化された所見を呈した。ここに、再度実施例3の第3群の維持治療と同一な容量と用法のヒスタミン、免疫グロブリン、胎盤抽出物の混合物を利用した治療に転換した結果、転換2ヶ月後から再度有意に慢性蕁麻疹による臨床症状の好転が始まり、再度最初の実施例3の治療開始前に比べて慢性蕁麻疹と関連した臨床様相が患者自身の主観的な判断と、医師が医学的所見を基に客観的な判断全てから70%以上好転された状態で維持された。前記患者等2名全て本発明の組成物による治療を開始する前には、蕁麻疹症状が毎日経口ヒスタミン剤を投与しても十分に調節されなかったものの、前記本発明の組成物による注射治療を3ヶ月以上持続的に投与を受けた後、維持治療を受けている場合には間欠的な抗ヒスタミン剤服用のみで蕁麻疹症状が調節される状態で暮らせるようになった。
実施例4−2:重症難治性喘息患者等においてヒスタミン、免疫グロブリン、胎盤抽出物混合物の同時投与治療とヒスタミン-免疫グロブリン複合体と胎盤抽出物の2種類の注射薬剤を別々に投与する併用療法との臨床効果を比較
6ヶ月以上の間現在の標準薬物治療である持続的にステロイド及び長期間作用気管支拡張剤の混合吸込み治療剤で治療を受けたにも拘らず、咳と呼吸困難、喘鳴音等の気管支喘息の臨床症状が継続的に調節されない2名の重症難治性喘息患者等において、前記標準的な薬物治療と共に、前記実施例2の第3群におけるのと同一な方法と薬物容量で3ヶ月間ヒスタミン、免疫グロブリン、胎盤抽出物が混合された治療的組成物の投与を受けた。前記実施例2の第3群の治療を3ヶ月間治療を受けた後には、治療前に比べて患者自身が判断して医師が問診を介して確認した咳と呼吸困難を同伴した喘息発作の回数が50%以上有意に減少された。ここで、患者等の同意の下で前記にて記述した実施例2の3群の治療を3ヶ月間治療を受け、有意な好転を経験した重症難治性喘息患者等2名に2ヶ月間2週間隔で実施例1の製剤例2-1のヒスタミン-免疫グロブリン複合体と実施例1の製剤例2-2の胎盤抽出物を同一な量でそれぞれ2vialずつ両腕に分けて同じ種類同士別々に注射する治療を行った。前記の治療法転換後2ヶ月が過ぎた時点で評価した時、患者が判断して医師が問診を介して確認した喘息発作の回数と甚だしい程度が前記3つの主成分を混合して同時に投与を受ける時点と比べて30%以上有意に増加して悪化された所見を呈した。ここに、再度実施例3の第3群の維持治療と同様に本発明の組成物であるヒスタミン、免疫グロブリン、胎盤抽出物の混合物を同時に投与する治療に転換した結果、転換2ヶ月後から再度有意に喘息発作の回数と甚だしい程度が、好転が始まり再度最初の実施例3の治療開始前に比べ気管支喘息による咳と、呼吸困難を同伴した喘息発作の回数が全て50%以上顕著に好転された状態で維持された。
従って、前記実施例4はヒスタミン、免疫グロブリン、さらに胎盤抽出物の混合物を含む、本発明の薬学的組成物及び治療方法の治療効果が既に存在する胎盤抽出物又はヒスタミン-免疫グロブリン複合体等のそれぞれ治療剤の効果等を単に合わせた付加的な効果(additive effect)でなく、前記本発明のヒスタミン、免疫グロブリン、さらに胎盤抽出物の3種の主成分の混合により有意な相乗効果(synergistic effect)が発生して顕著な治療効果の改善をもたらしたことを立証する。
本発明は活性成分としてヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を含有するアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患の治療目的で使用し得る薬学的組成物を提供する。従って、本発明の前記組成物は産業的にアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患の治療の為の医薬品の製造過程に利用され得る。さらに、医療行為として本発明の前記薬学的組成物をアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患患者等に投与する場合、既存の標準的な薬物治療に比べて極めて顕著な効果が得られる。従って、本発明の薬学的組成物、それの製造方法及びアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患治療用用途、それを利用する治療方法によれば、標準的な薬物治療のみで十分に好転されない難治性アレルギー疾患及び慢性炎症性疾患を有する患者等を副作用なく効果的に好転させ得る。
図1はSDS-PAGEと蛋白質染色による本発明の実施例で用いられたヒスタミン-免疫グロブリン複合体及び人間の胎盤抽出物に含まれた蛋白質等とペプチド等を分析結果図表(lane1-分子量マーカー;lane 2-商品化された純粋分離された静脈注射用人間IgG抗体(商品名IV globulin、緑十字、韓国);lane 3-人間胎盤抽出物(商品名Laennec、ジシゼイビピ、韓国);lane 5, 6-商品化された筋肉注射用人間免疫グロブリン(商品名ガンマグロブリン、緑十字、韓国);lane 7, 8-ヒスタミン/人間免疫グロブリン複合体(商品名ヒストブリン、緑十字、韓国);lane 9-分子量マーカー)である。

Claims (10)

  1. 活性成分としてヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を含有するアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患治療用薬学的組成物。
  2. 免疫グロブリンが人間免疫グロブリンであることを特徴とする第1項記載の薬学的組成物。
  3. 胎盤が人間の胎盤であることを特徴とする第1項記載の薬学的組成物。
  4. アレルギー疾患及び慢性炎症性疾患がアトピー皮膚炎、アレルギー鼻炎、アレルギー性結膜炎、蕁麻疹、気管支喘息、リューマチ関節炎であることを特徴とする第1項記載の薬学的組成物。
  5. 治療用薬学的組成物がヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物が含まれた第1容器;及び注射用緩衝液を含有する第2容器を含むアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患治療用キットの形態であることを特徴とする第1項記載の治療用薬学的組成物。
  6. 哺乳動物に治療上有効量のヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を含有する薬学的組成物を投与することを含むアレルギー疾患及び慢性炎症性疾患の治療方法。
  7. 免疫グロブリンが人間免疫グロブリンであることを特徴とする第6項記載の治療方法。
  8. 胎盤が人間の胎盤であることを特徴とする第6項記載の治療方法。
  9. アレルギー疾患及び慢性炎症性疾患がアトピー皮膚炎、アレルギー鼻炎、アレルギー性結膜炎、蕁麻疹、気管支喘息、リューマチ関節炎であることを特徴とする第6項記載の治療方法。
  10. 活性成分としてヒスタミン、免疫グロブリン及び胎盤抽出物を含有する薬学的組成物。
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