JP2009527503A - ペプチドおよびペプチド誘導体、それらの製造ならびに治療上および/または予防上使用可能な医薬組成物を調製するためのそれらの使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、以下の一般式(Ia)および(Ib)のペプチドおよびペプチド誘導体ならびに、特に、これらのペプチドを含有する抗炎症薬に関する。
【化1】
【化1】
Description
本発明は、ペプチドおよびペプチド誘導体に、それらの製造に、ならびに治療上および/または予防上使用可能な薬物を調製するためのそれらの使用に、およびこのような医薬に関する。
EP1586586には、抗炎症作用を有するフィブリンの配列に由来するペプチドの使用が記載されている。
前記の作用は、フィブリンおよびその分解の際に生じるフィブリン断片が、Bβ鎖の新しいN末端を介して内皮細胞と、またAα鎖の配列を介して血流中の細胞と結合し、それによってこれらの細胞の組織への付着と遊出(transmigration)を導くという事実に基づくものであり得る。フィブリンおよびフィブリン断片の、内皮細胞に対する結合パートナーは、周辺の内皮細胞間の接着結合部においてもっぱら発現される、タンパク質血管内皮(VE)カドヘリンである。本発明のペプチドは、この相互作用を遮断し、それによって、血液細胞の遊出に対抗する。しかし、血中白血球による感染に対する自然防御は、有害な影響を受けない。したがって、同様の成分、例えば、顆粒球、リンパ球および単球は、影響を受けないままであり、その結果、自然防御プロセスは維持される。
フィブリノーゲンは、肝臓で産生され、この形では、生物学的には不活性であり、通常、血中に、約3g/lという濃度で提供される。酵素前駆体プロトロンビンのタンパク質分解による切断の結果トロンビンが形成され、これがフィブリノーゲンからフィブリノペプチドAおよびBを切断する。このようにして、フィブリノーゲンは、生物学的に活性な形に変換される。フィブリンおよびフィブリン切断産物が生じる。
トロンビンは、血液凝固が活性化される場合、すなわち、組織に損傷を有する、炎症を起こしている、外傷または変性が発生している場合には常に形成される。トロンビンによって媒介されるフィブリンの形成は、基本的に、血管系に引き起こされた、なんらかの欠損を迅速に密閉することを目的とした保護プロセスである。しかし、フィブリンの形成はまた、発症プロセスでもある。心筋梗塞の誘因としてのフィブリン血栓の出現は、人間医学における最重要問題の1つである。
一方で、組織における病原微生物または腫瘍細胞に対する防御のために望まれるプロセスであり、他方、それ自体が、組織に対して行われる損傷を誘導または延長するプロセスである、血流から組織への炎症細胞の血管外遊出の際にフィブリンが果たす役割は、今までのところ、少しも調べられていないか、または十分な程度には調べられていない。フィブリンは、Bβの配列によってBβの新しいN末端を介して内皮細胞と、配列Aαによって血流中の細胞と結合し、それによって、細胞の組織への接着および遊出を導く。
本発明のペプチドまたはタンパク質は、血流に由来する細胞の、血管壁の内皮細胞への接着および/またはそれに続く、血液から組織への遊出を防ぐことができる。
WO92/16221には、例えば、メトキシ−ポリエチレングリコール(PEG)のような、長鎖ポリマーと共有結合しているポリペプチドが記載されている。ポリペプチドの、このようなポリマーとの結合は、これらのポリペプチドの生物学的半減期の延長をもたらし、その腎排出を遅延させることが多い。これらの特性の概要は、デイビス(Davis)ら、ポリメリック・マテリアルズ・ファルマシューティカルズ・フォー・バイオメディカル・ユーズ(Polymeric Materials Pharmaceuticals for Biomedical Use)、441〜451頁(1980)に見ることができる。PEG基の付加は、この作用を、PEG付加ペプチドの分子量に比例して発揮するが、これは特定の大きさの分子までは、グロミュラー(glomular)濾過速度は分子量に反比例するからである。
WO04/101600にはまた、新規ポリ(エチレングリコール)修飾化合物およびその使用が、特に、エリスロポエチン受容体を活性化する修飾されたペプチドに重点を置いて記載されている。
ペプチドおよびタンパク質PEG残基の共有結合修飾のさらなる例として、インターロイキン(クナウフ(Knauf)ら、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)1988、263、15064;ツツミ(Tsutumi)ら、ジャーナル・オブ・コントロールド・リリース(Journal of Controlled Release)1995、33、447)、インターフェロン(キタ(Kita)ら、ドラッグ・デリバリー・リサーチ(Drug Delivery Research)1990、6 157)およびカタラーゼ(アブコウスキ(Abuchowski)ら、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)1997、252、3582)がある。先行技術の概要は、レディー、アナルス・オブ・ファルマセラピー(Annals of Pharmacotherapy)2000、34、915に見ることができる。
生物学的半減期の延長は、ペプチドの種々の治療的使用にとって有利である。これは特に、活性な薬剤の長期間にわたる投与が必要とされる慢性疾患の場合に当てはまる。このような必要がある場合、このことは患者コンプライアンスを改善させ得るが、これは活性な薬剤の1日1回の適用が、例えば、連続注入よりもより容易に受け入れられるからである。共有結合修飾による分子量の増大とは別に、ポリペプチドの残留性の延長は、タンパク質分解酵素(例えば、エキソプロテアーゼまたはエンドプロテアーゼまたはペプチダーゼ)によるそれらの分解が妨げられるように、それらを修飾することによっても得ることができる。
種々の例を用いて、未修飾のペプチドと比較して薬力学的作用に対する重大な影響を防ぐよう、各ペプチドの適当な修飾をカスタマイズすることが必要であるということが示されている。これに関連して、以下を参照することができる:カルシトニン(リー(Lee)らファーマシューティカル・リサーチ(Pharmaceutical Research)1999、16、813)、増殖ホルモン放出ホルモン(エスポシト(Esposito)ら、アドバンスド・ドラッグ・デリバリー・レビューズ(Advanced Drug Delivery Reviews)、2003、55、1279)、グルカゴン様ペプチド1(リー(Lee)ら、バイオコンジュゲート・リサーチ(Bioconjugate Research)2005、16、377)ならびに増殖ホルモン受容体アンタゴニストペグビソマント(ロス(Ross)ら、ジャーナル・オブ・クリニカル・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム(Jouranl of Clinical Endocrinology and Metabolism)2001、86、1716)。カリセチ(Caliceti)およびベロネーゼ(Veronese)による総説(アドバンスド・ドラッグ・デリバリー・レビューズ(Advanced Drug Delivery Reviews)2003、55 1261)ならびにハリス(Harris)およびチェス(Chess)による総説(ネイチャー・レビューズ・ドラッグ・ディスカバリー(Nature Reviews Drug Discovery)2003、2、214)には、ペプチドまたはタンパク質−PEG−コンジュゲートを設計する場合に、有効なペプチド−PEG−コンジュゲートを得るよう、元の物質の構造、ペプチドおよびポリマーの分子量、コンジュゲートされるポリマー鎖の数ならびにリンカー化学を考慮することが必要であると論じられている。
驚くべきことに、今では、天然フィブリン配列のうち1個またはいくつかのアミノ酸が、別のアミノ酸で置換されているBβ(15−42)フィブリン断片の鎖に由来するペプチド、ならびにペプチド配列のC末端で修飾された誘導体もまた、強力な抗炎症作用を有するということがわかった。同じことがペプチドおよびその修飾がプロテアーゼまたはペプチダーゼによるその破壊を防ぐペプチド誘導体ならびにBβ(15−42)フィブリン断片の基本配列に由来するペプチド−PEG−コンジュゲートにも当てはまる。
したがって、本発明は、配列のうち1個またはいくつかのアミノ酸が、遺伝的にコードされるか、遺伝的にコードされないアミノ酸またはペプチドミメティックによって置換されている、Bβ(15−42)フィブリン断片の鎖に由来する修飾ペプチドに関する。それらは遊離ペプチドとして存在する場合もあるし、C末端誘導体および/またはポリエチレングリコール(PEG)−ポリマーに結合されているものとして存在する場合もあり、抗炎症作用および/または内皮安定化作用を有する。例えば、エステルまたはアミドは、C末端誘導体として考慮され得る。
本発明の化合物は、1箇所またはいくつかの箇所において、温血動物のフィブリンの天然配列と比較してアミノ酸の保存的置換を有し得る。保存的置換とは、同様の化学構造および極性の側鎖によって置き換えられる、それぞれのアミノ酸の側鎖と定義され、側鎖は遺伝的にコードされるか、遺伝的にコードされないアミノ酸に由来する。類似の側鎖を有するこの種のアミノ酸のファミリーは、当技術分野では公知である。それらは、例えば、塩基性側鎖を有するアミノ酸(リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(グリシン、アスパルタミックアシッド(aspartamic acid)、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐側鎖を有するアミノ酸(トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖を有するアミノ酸(チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む。このような側鎖の保存的置換は、非必須位置で実施され得ることが好ましい。これに関連して、配列中の必須位置とは、関連アミノ酸の側鎖が、生物学的作用にとって重要であるものである。
したがって、本発明は、以下の一般式IaおよびIb
[式中、
X1〜X15は、20種の遺伝的にコードされるアミノ酸のうち1種を表し、
X17は、残基OR1を表し、ここで、R1=水素または(C1−C10−アルキル)であり、
あるいは、残基NR2R3を表し、R2およびR3は同一であるか、もしくは異なっており、水素もしくは(C1−C10)−アルキルであり、
あるいは、残基−PEG5−60K−CO−NR4R5を表し、R4およびR5は同一であるか、もしくは異なっており、水素、(C1−C10)−アルキルであり
あるいは、残基NH−CH(CONH2)−(CH2)4−NH−CO−Y−PEG5−60Kを表し、ここで、Yは、やはり酸素原子またはNH基であってもよく、
あるいは、残基NH−Y−Z−PEG5−60Kを表し、ここで、Yは化学結合、またはS、C、KもしくはRの群の中に由来する遺伝的にコードされるアミノ酸を表し、Zは、それを介してポリエチレングリコール(PEG)−残基が結合しているスペーサーを表す]で示されるペプチドおよびペプチド誘導体ならびにその生理学的に許容される塩に関する。
[式中、
X1〜X15は、20種の遺伝的にコードされるアミノ酸のうち1種を表し、
X17は、残基OR1を表し、ここで、R1=水素または(C1−C10−アルキル)であり、
あるいは、残基NR2R3を表し、R2およびR3は同一であるか、もしくは異なっており、水素もしくは(C1−C10)−アルキルであり、
あるいは、残基−PEG5−60K−CO−NR4R5を表し、R4およびR5は同一であるか、もしくは異なっており、水素、(C1−C10)−アルキルであり
あるいは、残基NH−CH(CONH2)−(CH2)4−NH−CO−Y−PEG5−60Kを表し、ここで、Yは、やはり酸素原子またはNH基であってもよく、
あるいは、残基NH−Y−Z−PEG5−60Kを表し、ここで、Yは化学結合、またはS、C、KもしくはRの群の中に由来する遺伝的にコードされるアミノ酸を表し、Zは、それを介してポリエチレングリコール(PEG)−残基が結合しているスペーサーを表す]で示されるペプチドおよびペプチド誘導体ならびにその生理学的に許容される塩に関する。
好ましい発明対象は、
X1、X9、X10、X14が、L、I、S、MまたはAを表し、
X2、X6、X7が、EまたはDを表し、
X3、X4、X5、X11が、RまたはKを表し、
X8、X12が、A、G、SまたはLを表し、
X13が、I、LまたはVを表し、
X15が、G、A、SまたはCを表し、
ここで、X17が上記で定義のとおりである、
一般式Iのペプチドおよびペプチド誘導体ならびにその生理学的に許容される塩である。
X1、X9、X10、X14が、L、I、S、MまたはAを表し、
X2、X6、X7が、EまたはDを表し、
X3、X4、X5、X11が、RまたはKを表し、
X8、X12が、A、G、SまたはLを表し、
X13が、I、LまたはVを表し、
X15が、G、A、SまたはCを表し、
ここで、X17が上記で定義のとおりである、
一般式Iのペプチドおよびペプチド誘導体ならびにその生理学的に許容される塩である。
特に好ましい発明対象は、次式IIaおよびIIb、
[式中、X17は、式Iについて上記で定義のとおりである]で示されるペプチドおよびペプチド誘導体ならびにその生理学的に許容される塩である。
[式中、X17は、式Iについて上記で定義のとおりである]で示されるペプチドおよびペプチド誘導体ならびにその生理学的に許容される塩である。
最も高度に好ましい発明対象は、
X17が、NH2またはNR2R3を表し、R2およびR3が同一であるか、もしくは異なっており、水素もしくは(C1−C3)−アルキルであり、あるいは、残基−PEG5−30K−CO−NR4R5を表し、R4およびR5が同一であるか、もしくは異なっており、水素もしくは(C1−C3)−アルキルであり、
あるいは、残基NH−CH(CONH2)−(CH2)4−NH−CO−Y−PEG5−30Kを表し、ここで、Yが酸素原子またはNH基であってもよく、
あるいは、残基C(NR2R3)−(S−スクシンイミド)−(PEG5−40K)を表し、スクシンイミド残基が、C原子3を介してシステイン残基の硫黄原子と結合している、式(IIa)および(IIb)の化合物ならびにその生理学的に許容される塩である。
X17が、NH2またはNR2R3を表し、R2およびR3が同一であるか、もしくは異なっており、水素もしくは(C1−C3)−アルキルであり、あるいは、残基−PEG5−30K−CO−NR4R5を表し、R4およびR5が同一であるか、もしくは異なっており、水素もしくは(C1−C3)−アルキルであり、
あるいは、残基NH−CH(CONH2)−(CH2)4−NH−CO−Y−PEG5−30Kを表し、ここで、Yが酸素原子またはNH基であってもよく、
あるいは、残基C(NR2R3)−(S−スクシンイミド)−(PEG5−40K)を表し、スクシンイミド残基が、C原子3を介してシステイン残基の硫黄原子と結合している、式(IIa)および(IIb)の化合物ならびにその生理学的に許容される塩である。
上記の式IおよびIIにおいて、以下の文字は、タンパク質およびペプチドについての一般的な注釈に従ってアミノ酸残基を表す:フェニルアラニンはF、ロイシンはL、イソロイシンはI、メチオニンはM、バリンはV、セリンはS、プロリンはP、トレオニンはT、アラニンはA、チロシンはY、ヒスチジンはH、グルタミンはQ、アスパラギンはN、リジンはK、アスパラギン酸はD、グルタミン酸はE,システインはC、トリプトファンはW、アルギニンはR、グリシンはGである。
式Iの化合物中のアミノ酸残基は、そのDまたはL立体配置のいずれかで存在し得る。
用語ペプチドとは、アミド結合を介して結合している、これらのアミノ酸のポリマーを指す。
「生理学的に許容される」とは、その付加が、ヒトに用いられる場合に望ましくない作用を有さない酸または塩基を用いて塩が形成されていることを意味する。米国薬局方または任意のその他の一般的に認識される薬局方において、その使用が温血動物、特に、ヒトに関して使用するために列挙される酸または塩基を含む塩が好ましい。
PEGは、5,000〜60,000ダルトンの間の分子量を有するポリエチレングリコール残基を表し、この分子量は最大の分子量分布であり、その結果、混合物の個々の成分はより高いまたはより低い分子量を有し得る。
発明対象はさらに、適した酸化剤を用い、以下の一般構造式IIIaおよびIIIb
で示される単量体ペプチドまたはペプチド誘導体を反応させて、一般構造式(I)の化合物を形成することを特徴とする、一般式(I)のペプチドおよびペプチド誘導体の製造方法である。このような適した酸化剤は、例えば、適した触媒を用いるか用いない、ヨウ素、過酸化水素、有機過酸化物、ペルオキソ二硫酸ナトリウムまたは大気中の酸素であり得る。
で示される単量体ペプチドまたはペプチド誘導体を反応させて、一般構造式(I)の化合物を形成することを特徴とする、一般式(I)のペプチドおよびペプチド誘導体の製造方法である。このような適した酸化剤は、例えば、適した触媒を用いるか用いない、ヨウ素、過酸化水素、有機過酸化物、ペルオキソ二硫酸ナトリウムまたは大気中の酸素であり得る。
本発明の物質および医薬を製造するための本発明の物質の使用は、白血球(white blood cells)(白血球(leukocytes))の組織損傷作用に起因するか、または血管を裏打ちする内皮細胞層の完全性および完全な生理学的整合性が損なわれている疾患の治療のための医薬の製造にとって特に重要である。
この群に属する疾患として、例えば、コラゲノーゼス(collagenoses)、リウマチ性疾患、クローン病または潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患、乾癬および乾癬性関節リウマチおよび感染後/傍感染性疾患ならびに移植片対宿主反応によって引き起こされる疾患のような自己免疫に関連するものがある。この医薬が、白血球の組織への移動を遮断するので、治癒効果が起こる。したがって、白血球は血流中に残り、組織にとって有害な自己反応作用を引き起こすことができない。本発明の物質のこの作用は、ショック状態の治療にとって、特に、グラム陽性病原菌またはグラム陰性病原菌の感染ならびにウイルス感染によって引き起こされる敗血病性ショックおよび重篤な損傷または細菌もしくはウイルス感染による大出血によって引き起こされる出血性ショックの場合にさらに重要である。
本発明の物質は、通常、用語「全身性炎症反応症候群(SIRS)」、「急性呼吸窮迫症候群(ARDS)」および臓器または多臓器不全でそれぞれ記載できる状況において使用してもよい。
臓器移植の拒絶反応の治療および/または予防のための医薬に関しては、この医薬が血流からドナー臓器への白血球の遊走を防ぎ、そのため、ドナー臓器が、これらの白血球および/または白血球によって形成され、放出される産物によって破壊され得ないために治癒効果がある。
動脈硬化症の治療および/または予防のための医薬に関しては、この医薬が白血球の組織壁への遊走、ひいては、組織壁の細胞の活性化を遮断するので治癒および/または予防効果がある。したがって、動脈硬化症の進行は、最小化されるか、または停止され、起因する動脈硬化性プラークの進展(progredience)が阻害され、ひいては、動脈硬化症を収まらせる。
術後の、または薬剤によって誘導された血液の再供給後の、例えば、心感染症、卒中、血管手術、心臓パイパス術および臓器移植後の再灌流外傷の治療および/または予防のための医薬に関しては、この医薬が、リンパ球、好中球および単球の血管壁への遊走を阻害するので治癒および/または予防効果がある。再灌流外傷は、血液の再供給の際の血管の細胞の酸素/アシドーシスの欠乏によって引き起こされ、血管の活性化および/または損傷をもたらす。このため、リンパ球、好中球および単球が血管壁に付着し、その中に遊走する。血管壁におけるリンパ球、好中球および単球の付着および遊走を遮断することは、その後の、血管への永久的な損傷を引き起こす炎症反応を伴うことなく、低酸素/アシドーシス誘導性損傷を軽減させる。本発明の化合物の内皮細胞安定化作用が、さらに、浮腫の形成ならびに個々の血管を介して供給される臓器に対する任意のさらなる損傷を防ぐ。
代謝疾患または加齢プロセスの結果としての動脈硬化症の治療および/または予防のための医薬に関しては、この医薬が、リンパ球および単球の血管壁への遊走を阻害し、ひいては、起因する動脈硬化性プラークの進展(progredience)を阻害するので治癒および/または予防効果がある。
本発明の医薬はまた、別の薬物の輸送のために使用してもよい。本発明の薬物は、内皮細胞上の表面分子と特異的に結合する。したがって、それと結合している薬物は、その他の部位で副作用を有するという何らかの危険を伴うことなく、高濃度で内皮細胞に送達され得る。本明細書に列挙され得る実施例は、内皮細胞に特異的に運ばれ、抗血管新生作用を有し得る、細胞の分裂を阻害する物質の使用である。内皮細胞の増殖を妨げ、ひいては、血管新生を妨げることによって腫瘍増殖が遮断されるので、これが、腫瘍患者において治癒効果をもたらす。本発明の化合物は、それ自体、抗血管新生作用を生み出すこともできるが、これは、それらが、その内皮安定化作用のために、内皮細胞が増殖表現型に変化するのを妨げ、ひいては、新規毛細血管の形成を妨げるからである。したがって、それらはそれ自体、すべての種類の腫瘍疾患の治療ならびに腫瘍転移の予防および/または治療に適している。
式(I)の本発明の化合物は、薬剤アジュバントおよび添加剤と一緒になって、医薬品に製剤してもよく、これもまた発明対象である。このような製剤を調製するために、治療上有効な用量のペプチドまたはペプチド誘導体を、薬理学的に許容される希釈剤、安定化剤、可溶化剤、乳化剤、アジュバントまたは担体と混合し、適した治療形にする。このような調製は、例えば、種々のpHおよびイオン強度の種々のバッファー(例えば、Tris−HCl、酢酸塩、リン酸塩)、界面活性剤および可溶化剤(例えば、Tween80、Polysorbat80)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸)および増量剤(例えば、ラクトース、マンニトール)の希釈を含む。これらの製剤は、活性薬剤の生物学的有効性および代謝挙動に影響を及ぼし得る。
本発明の医薬品は、経口的に、非経口的に(筋内に、腹腔内に、静脈内に、または皮下に)、経皮的にまたは適した生物学的に分解可能なポリマー(例えば、ポリラクテートまたはポリグリコレート)の侵食性インプラントで投与してもよい。
本発明の化合物の特許請求される使用の生物学的作用および適用性は、例えば、ヒト臍帯内皮細胞の培養物を、「N末端ジスルフィドノットタンパク質II」(NDSK−II)で、またはトロンビンで刺激した後に顕微鏡によって調べるアッセイにおいて調べることができる。内皮細胞の刺激は、密集している細胞層中の細胞間にギャップの形成を引き起こす。本発明の化合物での処理は、これらのギャップの形成を妨げる可能性があり、すでに形成されたギャップを上手く閉じる。この作用は、本発明の化合物が生物を通じて有する、内皮に対する保護作用ゆえに予測される。本発明の化合物は、細胞の溶液(bath solution)中0.01nM〜1mMの濃度範囲で、好ましくは、1nM〜0.1mMの範囲で作用を発揮する。
in vivoにおける有効性は、例えば、げっ歯類における急性肺臓炎のモデルを用いて確立してもよい。このためには、例えば、C57ブラックマウスを以下のとおり処理する:動物に、100ng/kg LPSという鼻腔内用量を投与し、LPS投与の直後にマウスに本発明の薬剤(100μl NaClに溶解した)を腹腔内投与し、LPSの投与の60分後に第2の用量を投与する。対照動物は、100ng/kg LPSを鼻腔内投与し、ならびに生理食塩水を投与するのみとする。LPS適用の6時間後、すべての群を気管支肺胞上皮洗浄に付し、肺を摘出した。洗浄液から得た、好中球(PMN)の数を調べた。本発明の化合物は、0.001mg/体重1kg〜500mg/体重1kgの範囲の用量で有効であり、0.1mg/kg〜50mg/kgの範囲の用量が好ましい。
in vivoでの生物学的作用を確立するためのさらなる可能性は、敗血症ショックに伴う、盲腸の結紮および穿刺によって引き起こされる急性腹膜炎によるマウスの死亡率の低下または完全抑制である。本発明の化合物は、0.001〜500mg/体重1kgの範囲の用量で、好ましくは、0.1〜50mg/体重1gの範囲の用量で、この死亡率の低下を引き起こす。
以下の実施例は、実施例に限定するものではないが、本発明を例示するよう働く。
本発明のペプチドの一般的な調製および精製
上記のペプチド誘導体の調製および精製は、通常、文献にも記載されるように(例えば、E.アサートン(Atherton)、R.C.シェパード(Sheppard)による「ソリッド・フェーズ・ペプチド・シンセシズ−ア・プラクティカル・アプローチ(solid phase peptide synthesis-A practical approach)」、Oxford University press 1989)、市販のバッチペプチドシンセサイザーを用いて、酸に不安定な樹脂支持体でのFMOC−戦略によって行われる。官能基側鎖が、酸に感受性の保護基によって保護されているN−α−FMOC−保護誘導体を、アミノ酸成分として用いる。特に断りのない限り、精製は、水/アセトニトリル勾配およびイオン対試薬として0.1%TFAを用いるRP−クロマトグラフィーによって実施する。
本発明のペプチドの一般的な調製および精製
上記のペプチド誘導体の調製および精製は、通常、文献にも記載されるように(例えば、E.アサートン(Atherton)、R.C.シェパード(Sheppard)による「ソリッド・フェーズ・ペプチド・シンセシズ−ア・プラクティカル・アプローチ(solid phase peptide synthesis-A practical approach)」、Oxford University press 1989)、市販のバッチペプチドシンセサイザーを用いて、酸に不安定な樹脂支持体でのFMOC−戦略によって行われる。官能基側鎖が、酸に感受性の保護基によって保護されているN−α−FMOC−保護誘導体を、アミノ酸成分として用いる。特に断りのない限り、精製は、水/アセトニトリル勾配およびイオン対試薬として0.1%TFAを用いるRP−クロマトグラフィーによって実施する。
(Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Lys−Arg−Glu−Glu−Ala−Pro−Ser−Leu−Arg−Pro−Ala−Pro−Pro−Pro−Ile−Ser−Gly−Cys−Gly−Tyr−Arg)2 Cys25−Cys25ホモ二量体シスチンペプチド
実施例1と同様に、単量体ペプチドを合成し、樹脂担体として、0.21mmol/gの負荷のテンタゲル(Tentagel)S−PHB−Arg(Pbf)−FMOC、(Rapp Polymer Company)を用いる。さらなるアミノ酸として、FMOC−Cys(Trt)、(Orpegen)を用いる。単量体ペプチドを、逆相クロマトグラフィーによって精製すると、(41mg)の精製されたペプチドが還元型で得られる。Maldi−TOF 3083.6m/z(m.i.)。
実施例1と同様に、単量体ペプチドを合成し、樹脂担体として、0.21mmol/gの負荷のテンタゲル(Tentagel)S−PHB−Arg(Pbf)−FMOC、(Rapp Polymer Company)を用いる。さらなるアミノ酸として、FMOC−Cys(Trt)、(Orpegen)を用いる。単量体ペプチドを、逆相クロマトグラフィーによって精製すると、(41mg)の精製されたペプチドが還元型で得られる。Maldi−TOF 3083.6m/z(m.i.)。
ホモ二量体の形成は、分子間ジスルフィド結合を形成することによって起こる。ジスルフィドは、希釈原理に従って、希アルカリ溶液(pH7.5〜8.0)中で大気中の酸素による酸化によって選択的に形成される。反応は、分析用HPLCおよび質量分析によってモニターする。0.5%TFAを添加することによって反応を停止し、凍結乾燥を再生した後、対称ホモ二量体生成物(28mg)のRP−HPLC精製を行う、Maldi−TOF 6165.2m/z(m.i.)。
(Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Lys−Arg−Glu−Glu−Ala−Pro−Ser−Leu−Arg−Pro−Ala−Pro−Pro−Pro−Ile−Ser−Cys−Gly−Gly−Tyr−Arg)2 Cys24−Cys24ホモ二量体シスチンペプチド
単量体ペプチドを、実施例1と同様に合成し、樹脂担体として、0.21mmol/gの負荷のテンタゲル(Tentagel)S−PHB−Arg(Pbf)−FMOC、(Rapp Polymer Company)を用いる。さらなるアミノ酸として、FMOC−Cys(Trt)、(Orpegen)を用いる。単量体ペプチドを、実施例1においてと同様に精製すると、(41mg)の精製されたペプチドが還元型で得られる。Maldi−TOF3083.6m/z(m.i.)。
単量体ペプチドを、実施例1と同様に合成し、樹脂担体として、0.21mmol/gの負荷のテンタゲル(Tentagel)S−PHB−Arg(Pbf)−FMOC、(Rapp Polymer Company)を用いる。さらなるアミノ酸として、FMOC−Cys(Trt)、(Orpegen)を用いる。単量体ペプチドを、実施例1においてと同様に精製すると、(41mg)の精製されたペプチドが還元型で得られる。Maldi−TOF3083.6m/z(m.i.)。
ホモ二量体の形成は、分子間ジスルフィド結合を形成することによって起こる。これについては、ジスルフィドは、希釈原理に従って、希アルカリ溶液(pH7.5〜8.0)中で大気中の酸素による酸化によって選択的に形成される。反応は、分析用HPLCおよび質量分析によってモニターする。0.5%TFAを添加することによって反応を停止し、凍結乾燥を再生した後、対称ホモ二量体生成物(28mg)のRP−HPLC精製を行う、Maldi−TOF6165.2m/z(m.i.)。
(Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Lys−Arg−Glu−Glu−Ala−Pro−Ser−Leu−Arg−Pro−Ala−Pro−Pro−Pro−Ile−Ser−Gly−Cys−Gly−Tyr−Arg−NH2)2 Cys25−Cys25ホモ二量体シスチンペプチドアミド
ペプチド配列が、カルボジイミド/HOBt法に従って段階的に構築される市販のペプチド合成装置(PSMM(Shimadzu))に、0.24mmol/gという負荷の100mgのテンタゲル(Tentagel)−S−RAM(Rapp−Polymers)を入れる。
ペプチド配列が、カルボジイミド/HOBt法に従って段階的に構築される市販のペプチド合成装置(PSMM(Shimadzu))に、0.24mmol/gという負荷の100mgのテンタゲル(Tentagel)−S−RAM(Rapp−Polymers)を入れる。
5倍等モル過剰のジ−イソプロピ−カルボジイミド(DIC)、ジ−イソプロピ−エチルアミン(DIPEA)およびヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を添加することによってFMOC−アミノ酸誘導体を予め活性化し、それらを反応容器に移した後、樹脂支持体と30分間混合する。洗浄ステップは、900μlのDMFを5回添加し、1分間完全に混合することによって実施する。切断ステップは、3×900μlの、DMF中30%ピペリジンを添加し、4分間完全に混合することによって実施する。
個々の反応および洗浄溶液の除去は、溶液を反応容器のボトムフリットを通すことによって達成する。
アミノ酸誘導体FMOC−Ala、FMOC−Arg(Pbf)、FMOC−Asp、FMOC−Gly、FMOC−His(Trt)、FMOC−Ile、FMOC−Leu、FMOC−Lys(BOC)、FMOC−Pro、FMOC−Ser(tBu)、FMOC−Cys(Trt)およびFMOC−Tyr(tBu)(Orpegen)を用いる。
さらなるアミノ酸として、FMOC−Cys(Trt)、(Orpegen)を用いる。
合成が完了した時点で、ペプチド樹脂を乾燥する。続いて、トリフルオロ酢酸/TIS/EDT/水(95:2:2:1容積)を用い、室温で2時間処理することによって、ペプチドアミドを切断する。溶液の濾過、濃縮および氷冷ジエチルエーテルの添加による沈殿によって、粗生成物(75mg)が固体として得られる。
このペプチドを、5〜60%アセトニトリルの勾配を含む0.1%TFA中、流速12ml/分で40分間のKromasil RP−18 250−20、10μmでのRP−HPLCおよび215nmでのUV検出器による溶出液の評価によって精製する。個々の画分の純度は、分析用RP−HPLCおよび質量分析によって調べる。
(Gly−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lys−Lys−Arg−Glu−Glu−Ala−Pro−Ser−Leu−Arg−Pro−Ala−Pro−Pro−Pro−Ile−Ser−Cys−Gly−Gly−Tyr−Arg−NH2)2 Cys24−Cys24ホモ二量体シスチン−ペプチドアミド
この化合物は、実施例3と同様に調製するが、ペプチド結合の配列は適宜変更される。
この化合物は、実施例3と同様に調製するが、ペプチド結合の配列は適宜変更される。
Claims (5)
- 以下の一般式IaおよびIbで示されるペプチドおよびペプチド誘導体ならびにその生理学的に許容される塩。
[式中、
X1〜X16は、20種の遺伝的にコードされるアミノ酸のうち1種を表し、
X17は、残基OR1を表し、ここで、R1=水素または(C1−C10)−アルキル)であり、
あるいは、残基NR2R3を表し、R2およびR3は同一であるか、もしくは異なっており、水素もしくは(C1−C10)−アルキルであり、
あるいは、残基−PEG5−60K−CO−NR4R5を表し、R4およびR5は同一であるか、もしくは異なっており、水素もしくは(C1−C10)−アルキルであり、
あるいは、残基NH−CH(CONH2)−(CH2)4−NH−CO−Y−PEG5−60Kを表し、ここで、Yは酸素原子またはNH基であってもよく、
あるいは、残基NH−Y−Z−PEG5−60Kを表し、ここで、Yは化学結合、またはS、C、KもしくはRの群に由来する遺伝的にコードされるアミノ酸を表し、Zは、それを介してポリエチレングリコール(PEG)−残基が結合しているスペーサーを表す] - X1、X9、X10、X14が、L、I、S、MまたはAを表し、
X2、X6、X7が、EまたはDを表し、
X3、X4、X5、X11が、RまたはKを表し、
X8、X12が、A、G、SまたはLを表し、
X13が、I、LまたはVを表し、ここで、
X15、X16が、G、A、SまたはCを表し、
ここで、X17が、請求項1においてと同一の意味を有する、
一般式IaおよびIbの請求項1に記載されるペプチドおよびペプチド誘導体ならびにその生理学的に許容される塩。 - 次式IIaおよびIIbで示されるペプチドおよびペプチド誘導体ならびにその生理学的に許容される塩。
[式中、X17は、請求項1において式Iについて示されるものと同一の意味を有する] - X17が、NH2または
NR2R3を表し、R2およびR3が同一であるか、もしくは異なっており、水素もしくは(C1−C3)−アルキルを表し、あるいは、残基−PEG5−30K−CO−NR4R5を表し、R4およびR5が同一であるか、もしくは異なっており、水素もしくは(C1−C3)−アルキルを表し、
あるいは、残基NH−CH(CONH2)−(CH2)4−NH−CO−Y−PEG5−30Kを表し、ここで、Yが酸素原子またはNH基を表し、
あるいは、残基C(NR2R3)−(S−スクシンイミド)−(PEG5−40K)を表し、スクシンイミド残基が、C原子3を介してシステイン残基の硫黄原子と結合している、請求項3に記載の式(IIa)および(IIb)の化合物ならびにその生理学的に許容される塩。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のペプチドまたはペプチド誘導体を含有する医薬組成物。
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