本発明の実施形態は、実質的に、ジッタを除去し、入力トランスポート・ストリームのタイム・スペーシング情報を保持する一方で、複数のトランスポート・ストリームを多重化および分離する技術を提供する。例えば、ケーブルホストは、ケーブルプロバイダから、暗号化されたQAMまたはVSB変調信号を受信する。チューナは、それらの信号を2つの別々のトランスポート・ストリーム、例えば、MPEG2トランスポート・ストリームに復調する。トランスポート・ストリームは、TDM(time division multiplexing)を使用して、複数のトランスポート・ストリームを統合して、単一のトランスポート・ストリームにするマルチプレクサに送信される。多重化プロセスの間、マルチプレクサは、多重化されたデータ・パケットの各々のヘッダに、タイム・スタンプを付加し、パケットが、マルチプレクサによって受信された時間を反映する。多重化された単一のトランスポート・ストリームは、暗号化されたチャンネルを復号化し、復号化された多重化トランスポート・ストリームをデマルチプレクサに送信する、ケーブルカードに送信される。復号化され、分離されたストリームの各々のパケット・タイミングを、多重化前の、対応するストリームと同じにするために、デマルチプレクサは、タイム・スタンプを用いて、復号化された多重化トランスポート・ストリームを、複数の復号化されたトランスポート・ストリームに分離する。分離されたストリームは、テレビ受信機に表示される。他の実施形態は、発明の範囲内で行われる。
図1を参照すると、ケーブルテレビシステム5は、ケーブル信号プロバイダ12、ケーブルホスト15、およびディスプレイシステム20を含む。ケーブル信号プロバイダ12は、他の変調方式も可能であるが、例えば、QAM64またはQAM256変調信号といったケーブル信号10を供給する。ケーブル信号10は、典型的には、エンドユーザによって使用される多数のプログラミングのチャンネルおよび/または他のデータを含む。ケーブルホスト15は、ケーブル信号10を、ディスプレイシステム20によって使用される信号形式に復調できる標準のセット・トップ・ケーブル・ボックスである。ここでのケーブルホスト15は、セット・トップ・ボックスであるが、別々のセット・トップ・ボックスを用いる代わりに、ホスト15を、「デジタル・ケーブル接続用(digital cable ready)」テレビ受信機に組み込むといった他の構成も可能である。システム5は、ケーブル信号プロバイダ12によって提供された信号が、ケーブルホスト15によって復調され、ディスプレイシステム20によって処理され、表示される(例えば、信号に含まれたビジュアル情報が表示される)ように構成される。
ケーブルホスト15は、デモジュレータ25および30、出力形式スムーザ45および50、マルチプレクサ65、および外部トランスポート・ストリーム・コネクタ70を含む。デモジュレータ25および30は、ケーブルプロバイダ12に接続され、QAMまたはVSB形式からケーブル信号10を受信し、復調し、復調されたトランスポート・ストリーム35および40のそれぞれを、例えば、MPEG2形式で出力するように構成される。デモジュレータ25および30の各々は、好適には、チューナ回路として機能し、エンドユーザの要求に応じて、特定のチャンネルを選択できる。例えば、「チャンネル44」の閲覧を選択しているユーザに応じて、デモジュレータ25、30の1つが、ケーブル信号10を復調し、チャンネル44に対応するケーブル信号10部分を分離する。デモジュレータ25および30は、出力形式スムーザ45および50のそれぞれに接続され、復調されたトランスポート・ストリーム35および40を、出力形式スムーザ45および50のそれぞれに出力するように構成される。出力形式スムーザ45および50は、復調されたトランスポート・ストリームのジッタを除去する、および/または一定のデータ速度の出力を生成することができる。トランスポート・ストリーム55および60は、出力形式スムーザ45および50から、マルチプレクサ65に送信される。図1に出力形式スムーザを示しているが、出力形式スムーザ45および50は、省く(例えば、デモジュレータ25および/または30は、マルチプレクサ65に直接接続できる)ことができる。
マルチプレクサ65は、出力形式スムーザ45および50に接続され、ストリーム55および60を受信し、外部デモジュレータ80に接続され、外部トランスポート・ストリーム・コネクタ70を経由して、外部デモジュレータ80から、外部トランスポート・ストリーム75を受信するように構成される。外部デモジュレータ80は、マルチプレクサ65と互換性があるプロトコル(例えば、MPEG2)を用いた外部入力である。外部デモジュレータ80は、例えば、DVDプレイヤ、デジタルVCR、ハード・ドライブ・レコーダ、コンピュータ・ビデオ・ストリーム等の他のチューナとすることができる。
マルチプレクサ65は、トランスポート・ストリーム55、60、および75を、単一の多重化トランスポート・ストリーム85に多重化できる。マルチプレクサ65は、トランスポート・ストリーム55、60、および75に、タイミング情報(例えば、マルチプレクサが、トランスポート・ストリーム55を受信する時間、デモジュレータ25が、ケーブル信号10を受信する時間、マルチプレクサ65が、トランスポート・ストリーム55、60、および75を多重化する時間を反映するタイミング情報)を付加し、多重化されたトランスポート・ストリーム85を形成するように構成される。マルチプレクサ65は、ディスプレイシステム20に接続され、付加的なタイミング情報を含んでいる多重化されたトランスポート・ストリーム85を、ディスプレイシステム20に送信できる。付加されたタイミング情報は、トランスポート・ストリーム55、60、および75の各々に、パケット受信の相対的なタイミングを示す。相対的なタイミング情報は、さまざまな形をとることができる。例えば、タイミングの情報は、絶対時間(例えば、時刻)、第1パケットから現在のパケットまでの相対時間(例えば、遅延時間)、前のパケットから現在のパケットまでの相対時間(遅延時間)、データ・パケット間の反復的なインクリメントの代表値(例えば、データ・パケット間の均一のタイム・インクリメントを表す数字)等にできる。タイミング情報は、パケットの各々に入れることができ、または、例えば、反復的なインクリメントの場合、タイミング情報は、第1パケットの一部として、またはいくつかのパケットの1番目に送信され、後のパケットでストリーム数とパケット数を識別し、タイミングを計算している。タイミング情報の付加は、例えば、既存のタイミング情報を、データ・パケットに置換すること、タイミング情報フィールドを、全ての0および/または1(2進法における0と1)からタイミング情報の代表値に変えること、新しいタイミング情報フィールドを作成すること等のさまざまな方法で行うことができる。タイミング情報は、108MHzのカウンタ動作を用いて、マルチプレクサ65によって作成できる。カウンタは、27MHzクロックを基準としている(例えば、カウンタのタイミングは、27MHzクロックで制御できる)。
図2も参照すると、表405は、3つの入力トランスポート・ストリーム406、407、および408から、マルチプレクサ65によって受信されたデータ・パケットを示す。図示されたトランスポート・ストリーム406、407、および408の部分は、それぞれ、パケットA0からA7間、B0からB3間、C0からC2間を含む。ここで、トランスポート・ストリーム406、407、および408の各々からのデータ・パケットは、パケットが、T1からT16間の着信時間に対応していることを示しているカラムに対応する時間に着信する。異なるストリーム406、407、および408における、それぞれのパケットは、それらの間で同じタイム・スペーシングを有するにもかかわらず、異なるストリーム406、407、および408の間のデータ・パケットは、パケット間の異なるタイム・スペーシングで着信する。ここで、トランスポート・ストリーム407からのデータ・パケットは、4番目のタイム・スロット毎に(ここでは、T3、T7、T11、およびT15)に着信するのに対し、トランスポート・ストリーム406からのA0からA7間のデータ・パケットは、タイム・スロット1つおきに(ここでは、T1、T3、T5、T7、T9、T11、T13、およびT15)に着信する。トランスポート・ストリーム406、407、および408における各々のパケット間のこれらの等間隔は、必要とされない。
表410は、マルチプレクサ65によってディスプレイシステム20に送信された、多重化されたトランスポート・ストリーム412を示す。マルチプレクサ65は、ストリーム406、407、および408のパケットを統合して、単一のストリーム412にするように構成される。マルチプレクサ65は、FIFO(first-in-first-out)、LIFO(last-in-first-out)等の優先アルゴリズム、または多重化されたトランスポート・ストリーム412のデータ・パケットを重み付け順に優先させた配置を実装する。入力トランスポート・ストリーム406、407および/または408の各々に、特定の優先順位を与えることができ、優先順位の高いストリームのパケットが、優先順位の低いストリームのパケットと同時に着信する場合、または優先順位の低いストリームのパケットが、多重化されたストリーム412に入れられるのを待機している場合、優先順位の高いパケットからのパケットは、優先順位の低いストリームからのパケットより先に、多重化されたストリーム412に配置される。例えば、表405と410に示すように、トランスポート・ストリーム407は、トランスポート・ストリーム408よりも高い優先順位を有し、トランスポート・ストリーム408は、トランスポート・ストリーム406よりも高い優先順位を有する。マルチプレクサ65は、マルチプレクサ65のバッファが、送信されるのを待機しているトランスポート・ストリーム406、407および408の各々からのデータ・パケットを含む場合、マルチプレクサ65は、最初に、トランスポート・ストリーム407から、データ・パケットを送信し、次に、トランスポート・ストリーム408から、データ・パケットを送信し、次にトランスポート・ストリーム406からデータ・パケットを送信するように構成される。
表405、410、および415は、異なる絶対時間に対応することができる。表415に表されたデータ・パケットは、表405に表されたデータ・パケットが受信された後、ある時間(n)で出力される。例えば、マルチプレクサ65が、10ミリ秒の遅延を生じた場合、次のT1+nは、少なくともT1の10ミリ秒後になる。遅延(n)は、例えば、多重化、復号化、および分離のプロセスに内在する遅延によって生じる場合がある。
図3も参照すると、拡張されたMPEG2トランスポート・ストリーム・データ・パケット200は、ヘッダ・フィールド205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、および260とペイロード265を含む。ヘッダ・フィールド205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、および260の各々は、長さ1バイトで、ペイロード265は、長さ188バイトであるが、他の構成(例えば、データ・パケット200は、200バイトよりも長くできる)も可能である。データ・パケット200は、ケーブルホスト15とディスプレイシステム20の間、またはケーブルプロバイダ12とケーブルホスト15の間で送信されるデータ・パケットを表す。フィールド205は、ホストが作成したトランスポート・ストリームIDであり、単一のトランスポート・ストリームの各々のパケットと同一であり、各々のトランスポート・ストリームに固有のものである。フィールド205は、好適には、ディスプレイシステム20によって使用され、トランスポート・ストリーム55、60、および75のどれに特に、データ・パケット200が属するのかを決定する。フィールド210は、ホスト15またはケーブルカード以外のものが使用するために、予約されている。フィールド215および220は、ホストが使用するために、予約されている。フィールド225、230、235、および240は、マルチプレクサ65によって作成されたタイミング情報を含む。フィールド245および250は、ケーブルカード2.0仕様で定義されたように、ケーブルカードが使用するために、予約されている。フィールド260は、エラー訂正に使用するために、ホスト15および/またはケーブルカードによって作成されたCRC(cyclic redundancy check)バイトを含む。ヘッダ・フィールドを、パケット200の先頭に示すが、ヘッダは、データ・パケットの真ん中および/または最後に配置できる、および/またはデータ・パケットの任意の非ペイロード部分に配置できる。
タイミング情報は、多重化されたデータ・ストリーム412のパケット各々に提供され、対応するストリームの特定のデータ・パケットのタイミングを表示する。例えば、多重化されたパケットMA0は、多重化されたパケットMA1と同じように、タイミング情報を含む。これら2つのパケットMA0とMA1に含まれている情報から、分離されたパケットA0とA1の相対的なタイム・スペーシングは、ストリーム406に対応して決定できる。ストリーム407、408と同様に、ストリーム406の他のパケットも同様に真である。ここで、タイミング情報は、絶対時間を表示するタイム・スタンプであることから、2つのパケットの分離時間を計算できる。従って、多重化されたパケットの各々のタイミング情報は、この例では異なるが、共通のストリームのパケット間の相対的な時間分離は、容易に決定できる。
図1を再度参照すると、ディスプレイシステム20は、POD(point-of-deployment)モジュール・コントローラ(ここでは、M−カード・コントローラ90)、PODモジュール(ここでは、M−カード95)、デコーダ120、およびディスプレイ要素130を含む。ディスプレイシステム20は、例えば、ケーブルカード・スロットを含んでいるPODが使用可能なテレビ受信機であるが、他の構成(例えば、ディスプレイ要素130を、M−カード・コントローラ90、M−カード95、およびデコーダ120から離れて配置できる)も可能である。
M−カード・コントローラ90は、制御と、接続100と105を経由して、M−カード95とのインタフェーシングに関わる。M−カード・コントローラ90は、マルチプレクサ65に接続され、マルチプレクサ65から多重化されたトランスポート・ストリーム85を受信するように構成される。多重化されたトランスポート・ストリーム85に含まれたデータ部分は、暗号化される。M−カード・コントローラ90は、暗号化された多重化トランスポート・ストリーム85を、M−カード95に送信するように構成される。M−カード95は、他の構成も可能であるが、好適には、ケーブルカード・インタフェース2.0仕様(OC−SP−CCIF2.0−I02−050708)に準拠している。M−カード95は、トランスポート・ストリーム85に含まれた暗号化された情報を復号化し、復号化された多重化信号を、接続105を経由して、Mカード・コントローラ90に送信するように構成される。M−カード・コントローラ90は、トランスポート・ストリーム110のように、復号化された多重化信号を、デコーダ120に転送できる。代替として、M−カード95は、トランスポート・ストリーム85の一部を復号化することのみ可能である(例えば、閲覧者が、トランスポート・ストリーム85に含まれた全てのチャンネルの閲覧を許可されていない場合)。
デコーダ120は、トランスポート・ストリーム110に含まれる情報を分離し、および/または復号し、エンドユーザに表示するために、分離されたおよび/または復号された情報を、ビデオ信号125を経由して、ディスプレイ要素130に送信することができる。デコーダ120は、他のデマルチプレクサも使用できるが、Xilleon X260(カナダ オンタリオ州 マークハムの本件特許出願人製)等のデコーダが好ましい。デコーダ120は、他の構成(例えば、デコーダ120の外部に配置されているバッファ)も可能であるが、好適には、分離プロセスで使用されたバッファ122等のメモリを含む。バッファ122は、ディスプレイ要素130に送信される前に、分離されたデータ・パケットを格納できる。デコーダ120は、マルチプレクサ65によって提供されたタイミング情報が表示する適切な期間、バッファ122の分離されたデータ・パケットを格納し、特定のトランスポート・ストリームのタイム・スペーシングを保持するように構成される。例えば、図2も参照すると、トランスポート・ストリーム408の復元において、パケットC0が、ディスプレイ要素130に送信されているのと同じタイム・インターバルの間、パケットC1が、デコーダ120によって受信される場合、デコーダ120は、ストリーム424の一部として、パケットC1を送信する前に、5回のタイム・インターバルの間、バッファ122のパケットC1を保持するので、トランスポート・ストリーム408のデータ・パケットC0とC1の5回のインターバルのタイム・スペーシングを再生する。
デコーダ120は、入力ストリームを、406、407、および408に分けると仮定して、ストリーム412のフォーマットと同じストリーム110を分離するように構成される。デコーダ120は、各々のパケットのタイミング情報を分析して、ストリーム406、407、および408におけるスペーシングの時間と同じ時間をパケットにスペースとして与えるように構成される。従って、表415に示すように、表410に示した多重化されたデータ・ストリーム412を入力として用いて、デコーダ120は、トランスポート・ストリーム422、423、および/または424が、他のパケットと比較して、各々のデータ・パケットの元のタイム・スペーシングを実質的に有するように、トランスポート・ストリーム406、407、および/または408を復元できる。例えば、デコーダ120は、各々のパケットをバッファに保持し、各々のパケットに含まれたタイミング情報によって表示されるのと同様に適した各々のパケットを挿入することによって、トランスポート・ストリーム406、407、および408を復元できる。従って、情報ストリーム406、407、および408の各々のタイム・スペーシングは、保存されるので、多重化プロセスによってもたらされたジッタを削減する、および場合によっては除去する。
ディスプレイ要素130は、好適には、テレビ画面であるが、他の構成(例えば、プロジェクタ、コンピュータ画面等)も可能である。ディスプレイ要素130は、例えば、ピクチャ・イン・ピクチャ技術を用いて、一度に、1または2以上のトランスポート・ストリームからの情報を表示できる。図1に、ディスプレイ要素130を示すが、ディスプレイ要素130は、ディスプレイシステム20の一部として、ディスプレイシステム20の外部に配置できる。
図4と図1−3をさらに参照した動作において、ケーブルシステム5を用いて削減されたジッタを有する、分離されたMPEG2トランスポート・ストリームを作成するプロセス300は、以下のステージを含む。プロセス300において、複数のトランスポート・ストリーム(例えば、トランスポート・ストリーム406、407、および/または408)は、多重化され、タイム・スペーシングの保存を用いて分離され、ジッタを削減する、および場合によっては除去する。プロセス300は、単に例示的なものであり、これにより限定されない。プロセス300は、例えば、ステージの付加、除去、および/または変更によって変更できる。
ステージ305では、ケーブルホスト15は、ケーブル信号プロバイダ12からケーブル信号10を受信する。ここでは、ケーブル信号10は、QAM64またはQAM256を用いて変調される。
ステージ310では、デモジュレータ25、30、および80は、ケーブル信号10を、複数のトランスポート・ストリームに復調するが、ここでは、トランスポート・ストリーム406と407である。エンドユーザからの外部入力は、どの特定のチャンネルが、デモジュレータ25および30によって復調されるかを制御する。例えば、エンドユーザは、ケーブルチャンネル26および76に対応する、「HBO(登録商標)」と「Showtime(登録商標)」を、閲覧するのに選択する。デモジュレータ25は、チャンネル26を、MPEG2形式の第1のトランスポート・ストリーム406に復調する。デモジュレータ30は、チャンネル76を、MPEG2形式の第2のトランスポート・ストリーム407に復調する。さらに、外部デモジュレータ80は、ケーブル信号10(または、DVDプレイヤ等の別のソース)を復調し、トランスポート・ストリーム75を、ここではトランスポート・ストリーム408であるが、マルチプレクサ65に提供する。
ステージ315では、デモジュレータ25、30、および80は、複数のMPEG2トランスポート・ストリームを、各々がデータ・パケット200と実質的に同じである複数のMPEG2データ・パケットにパケット化する。各々のMPEG2データ・パケットは、最初の12バイトはヘッダ情報で、残りの188バイトはMPEG2データのペイロードを含んでいる、長さ200バイトのデータ・パケットであるパケット200と同じである。MPEG2データ・パケットは、トランスポート・ストリーム406、407、および408として、マルチプレクサ65に送信される。
ステージ320では、マルチプレクサ65は、MPEG2トランスポート・ストリーム406、407、および408を受信し、マルチプレクサ65が、各々のMPEG2データ・パケットを受信した場合の機能として、MPEG2データ・パケットの各々に、タイミング情報を付加する。MPEG2データ・パケットは、図3に示すような形式に構成される。マルチプレクサ65は、他のヘッダ・フィールドも使用できるが、データ・パケット200の非ペイロード部分、ここでは、ヘッダ・フィールド225、230、235、および/または240に、タイミング情報を付加する。2以上のタイミング情報は、ヘッダ(例えば、各々のヘッダ・フィールド225、230、235.および/または240の異なるタイミング情報)に付加できる。
ステージ325では、マルチプレクサ65は、TDM(time-division multiplexing)を用いて、MPEG2データ・パケットを、単一の多重化トランスポート・ストリーム(ここでは、トランスポート・ストリーム412)に多重化する。マルチプレクサ65は、優先アルゴリズムに従って、MPEG2データ・パケットを多重化する。例えば、多重化プロセスの間、マルチプレクサ65は、マルチプレクサ65のバッファに含まれた最も高い優先順位のパケットを、トランスポート・ストリーム412に挿入できる。マルチプレクサ65は、多重化されたトランスポート・ストリームを、MPEG2データ・パケットにパケット化する。ステージ330では、多重化されたトランスポート・ストリームは、ディスプレイシステム20に送信される。
ステージ335では、M−カード95は、エンドユーザのケーブルプロバイダが提供する復号キー/アルゴリズムを用いて、多重化されたMPEG2データ・パケットの各々のペイロードを符号化する。符号化プロセスの間、M−カード95は、ヘッダ・フィールド225、230、235、および/または240に含まれたタイム・スタンプと、ヘッダ・フィールド205に含まれた情報を含んでいる、元のヘッダ情報の大部分を保存する。復号化多重化されたデータ・パケットは、M−カード95によって、デコーダ120に送信される。
ステージ340では、デコーダ120は、別々のトランスポート・ストリームを変調して、復号化された多重化データ・パケットを分離する。デコーダ120は、ヘッダ・フィールド205に含まれたトランスポート・ストリームIDを作成したホストを用いて、個々のMPEG2トランスポート・ストリームに従って、データ・パケットをグループに分ける。
ステージ345では、デコーダ120は、必要に応じて、復号化されたデータ・パケットの各々のヘッダに含まれたタイミング情報を使用して、分離されたパケットのタイミング情報を適応させる。デコーダ120は、パケットに含まれたタイミング情報を分析し、適正な時間に、パケットを、ディスプレイ130に送信し、タイミング情報に従った期間、復号化されたデータ・パケットを格納し、トランスポート・ストリーム406、407、408のパケットの分離時間に適合させ、トランスポート・ストリーム422、423、424の作成を試みる。従って、デコーダ120は、個々の情報ストリーム406、407、408の元のパケットのタイム・スペーシングを、実質的に再生する。
プロセス300は、ケーブルシステム5が動作中で、少なくも1つの特定のチャンネルが選択されるおよび/または外部ソースが、復号化された信号を提供しているかぎり、無限に繰り返す。
他の実施形態は、本発明の範囲内で行われる。例えば、プロセス300は、代表的なものにすぎず、これに限定されない。図示するように、プロセス300は、QAM64および/またはQAM256を用いて変調されたケーブルプロバイダ12から、変調されたケーブル信号を受信する。しかし、ケーブルプロバイダ12は、他の変調方式を使用できる。ケーブル信号10は、ケーブルプロバイダ12以外に、復号化されたDVD信号、暗号化されたコンピュータからのストリーミング・ビデオ、暗号化されてないデータ・ストリーム、および/または他のネットワーク・データ・ストリーム等の、他のソースから提供できる。トランスポート・ストリームは、複数のプログラム・ストリームを含むことができる。またステージ315では、MPEG4またはMPEG7形式および/または大きなデータ・パケット(例えば、400バイトのパケット)等を用いた、他のパケットサイズおよび/または形式が可能である。ステージ325の間、例えば、FDM(frequency-division multiplexing)および/またはSDM(space-division multiplexing)等の、時分割多重化以外の多重化方式を使用できる。
ケーブルホストについて、図1のケーブルホスト15に関して、上記に説明してきたが、他の構成も可能である。例えば、ケーブルホスト15は、「デジタル・ケーブル接続用(digital cable read)」テレビ受信機、またはDVDプレイヤ、VCR、ハード・ドライブ・レコーダ、衛星放送受信機といった、他のオーディオ/ビジュアル・コンポーネント等のディスプレイシステム20に含むことができる。マルチプレクサ65は、3つの入力(例えば、トランスポート・ストリーム55、60、および75)を含むものとして説明してきたが、他の構成(例えば、ケーブルホスト150に含まれた5つのデモジュレータから受信された5つのトランスポート・ストリーム)が可能である。出力形式スムーザ45と50を用いないケーブルホストが可能である。ハード・ドライブ・レコーディング・ユニット(例えば、DVR(digital video recorder))、付加的なデモジュレータ、付加的なオーディオ・ビデオ出力、ネットワーク接続、イーサネット(登録商標)接続、電話接続、直列接続ポート、複数のディスプレイ接続等の、付加的なコンポーネントを、ケーブルホスト15に付加できる。
ケーブル信号10の変形も可能である。ケーブル信号10は、衛星放送プロバイダ、閉回路テレビ・システム、インターネット・ビデオ・ストリーム、DVDプレイヤ、デジタルVCR、ハード・ドライバ・レコーダ(例えば、TIVO(登録商標)ユニット)等の、他のソースを元とすることができる。ケーブル信号10は、AM(amplitude modulation)、FM(frequency modulation)、振幅偏移変調、周波数偏移変調、位相偏移変調、直角位相偏移変調、パルス符号変調、デルタ変調、スペクトラル拡散等の、他の変調方式を用いて変調できる。ケーブル信号10は、暗号化されてないデータを含むことができる。ケーブル信号10は、単一の信号チャンネルのみを含むことができる。ケーブル信号10は、双方向(例えば、対話型プログラミング)にすることができる。ケーブル信号10は、非ビデオ・データ(例えば、インターネットで使用されるデータ・パケット)を含むことができる。
ケーブルホスト15およびディスプレイシステム20は、別々の要素として示すが、他の構成も可能である。例えば、ケーブルホスト15およびディスプレイシステム20によって提供される機能性は、ケーブルカードのような単一の要素に統合できる。
データ・パケット200を、200バイトのMPEG2データ・パケットとして説明してきたが、他の構成も可能である。例えば、MPEG1、MPEG3、MPEG4、MPEG7、MPEG21、RIFF(Resource Interchange File Format)、AVI(Audio Video Interleaved)、「Quick Time(登録商標)」等の、他の圧縮標準も使用できる。
「データ・パケット」は、同一でないコンテンツについて言える。例えば、ヘッダ情報は、変えることができ、タイミング情報は、挿入するおよび/または取り外すことができ、データ・パケットのペイロード部分は、実質的に同じコンテンツ(例えば、暗号化信号および復号化信号は、実質的に同じ情報を含むことができる)を保持している間、変えることができるため、これらのパケットは、同じパケットと言うことができる。また別の例では、イーサネット(登録商標)のパケットは、インターネットを移動し、基盤装置(例えば、ルータ、スイッチ等)が、パケット(例えば、アドレス情報、ホップ数等)に含まれた情報を、定期的に変えるとしても、同じパケットと見なされる。
本明細書で使用される言葉「接続された」は、直接接続、および/または他のコンポーネントを介した間接接続を含む。例えば、互いに接続された2つのコンポーネントは、レジスタ、トランジスタ、バッファ、ルータ、スイッチ、ハブ、プロセッサ、ディクリプタ等の、他のコンポーネントを介した間接接続を含む。
ビデオ信号125は、データ・パケットを、ディスプレイ要素130に提供しているが、ビデオ信号125は、他のコンポーネントにも、データ・パケットを提供できる。例えば、復号化された多重化データ・パケットは、ディスプレイ要素130、およびデジタル・ビデオ・レコーダ等の、他の装置に提供できる。
なお、他の実施形態は、本発明の精神と範囲内において行われる。例えば、上記に説明した機能は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハードライティング、またはこれらの任意の組み合わせを用いて実装できる。FPGA(field programmable gate array)を使用して、本明細書に説明された機能を実装できる。機能を実装する特長として、機能部分が、異なった物理的配置で実装されるための分配を含んだ、物理的に様々な位置に配置することもできる。デモジュレータ25および30は、単一の装置部分にできる。タイミング情報は、特定のデータ・パケット(例えば、固有の識別子を用いる)と関連付けし、MPEG2データから分かれたデータ・パケット(例えば、タイミング情報は、他のデータ・パケット、他のトランスポート・ストリームで送信できる)で送信できる。タイミング情報は、マルチプレクサ65以外の装置によって挿入できる。例えば、タイミング情報は、ホスト15によって、各々のストリームが、マルチプレクサ65の前、デモジュレータ25と30の前、および/または出力形式スムーザ45と50の前に受信された場合、各々のストリームに付加できる。ケーブルホスト15、M−カード・コントローラ90、およびデコーダ120は、半導体チップに、個々に配置できる、または他のコンポーネントと組み合わせて配置できる。例えば、FDM(frequency-division multiplexing)、および/またはSDM(space- division multiplexing)といった、時分割多重化以外の多重化方式も使用できる。
さらに、上記の説明は、本発明について言及しているが、説明は、2以上の発明を含むことができる。