JP2009523410A - 遺伝子転写に対するfgfr3の阻害剤の効果 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は一般的に薬理ゲノム学の分野、ならびにとりわけ処置に適当な患者を同定するためのバイオマーカーの使用および処置の方法に対する続くその応答の方法に関する。
特定の処置に対する個体の応答または疾患素因および目的の特定の遺伝子に対する相関性が文献化されている。今では癌化学療法は具体的な集団の薬物毒性に対する素因または不十分な薬物応答により限定されると考えられている。臨床腫瘍学における生殖系多型性の使用の概説に関してはLenz, H.-J., J. Clin. Oncol. 22(13):2519−2521(2004)を参照のこと。癌の処置のための治療用抗体の開発における薬理遺伝学および薬理ゲノム学の概説に関してはYan and Beckman, Biotechniques 39:565−568(2005)を参照のこと。
本発明の一つの実施態様は処置のための患者の同定の方法に関する。その方法は場合によっては患者から得られた試料に関して遺伝子発現を測定する前に、患者にFGFR3阻害剤を投与することを含み得る。遺伝子発現分析は本明細書に開示されるバイオマーカーの存在および/または発現のレベルの変化を検出すると意図される。ベースラインレベルに比較して顕著な検出またはレベルの変化は、処置のための患者の候補の指標である。
本発明のさらに別の態様は多発性骨髄腫を処置する方法である。その方法は一つまたはそれより多い同定されたバイオマーカーの発現のレベルを変化させる薬剤を利用する。
本発明のさらなる実施態様は可能性のある処置またはさらなる開発のためにFGFR3阻止化合物を同定するためにバイオマーカーを利用する方法である。
本発明は患者をその特定の遺伝子プロファイルに基づいて選択的に処置できる、施行中の展開医療の実例である。
本発明の実施には、特記しない場合免疫学、分子生物学、微生物学、細胞生物学および組換えDNAの従来の技術を用い、それらは当業者の範疇である。例えばSambrook, Fritsch and Maniatis, MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, 2nd edition(1989);CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(F. M. Ausubel et al. eds.,(1987));the series METHODS IN ENZYMOLOGY(Academic Press, Inc.): PCR 2: A PRACTICAL APPROACH(M.J. MacPherson, B.D. Hames and G.R. Taylor eds.(1995)), Harlow and Lane, eds.(1988)ANTIBODIES, A LABORATORY MANUAL and ANIMAL CELL CULTURE(R.I. Freshney, ed.(1987))を参照のこと。
本明細書で使用される際には、特定の用語は以下の定義された意味を有する。
全ての数字による指定、例えばpH、温度、時間、濃度および分子量は範囲を含み、(+)または(−)0.1の増加で変動する概数である。必ずしも明確に記載されているわけではないが、全ての数字による指定の前に「約」なる用語がつくことは理解されよう。必ずしも明確に記載されているわけではないが、本明細書に記載される試薬は単に実例であり、そしてかかるものの均等物は当分野において公知であることもまた理解されよう。
「遺伝子生成物」またはこれに代えて「遺伝子発現生成物」とは、遺伝子が転写および翻訳されたときに生じるアミノ酸(例えばペプチドまたはポリペプチド)を指す。
本明細書で使用される際には「アミノ酸」なる用語は天然および/または非天然もしくは合成アミノ酸のいずれか、およびDおよびL光学異性体の双方、アミノ酸類似体、ならびにペプチド擬似物質を指す。ペプチド鎖が短い場合、三つまたはそれより多いアミノ酸のペプチドは一般的にオリゴヌクレオチドと称される。ペプチド鎖が長い場合、ペプチドは一般的にポリペプチドまたはタンパク質と称される。
「プライマー」は一般的に標的とハイブリダイズすることより目的の試料中に存在する可能性のある標的または「鋳型」に結合し、そしてその後標的と相補的であるポリヌクレオチドの重合化を促進する遊離3’−OH基を有する短いポリヌクレオチドである。「ポリメラーゼ連鎖反応」(「PCR」)は、「上流」および「下流」プライマーからなる「プライマー対」または「プライマーのセット」ならびにDNAポリメラーゼ、および典型的には熱安定性ポリメラーゼ酵素のような重合化の触媒を用いて、複製コピーが標的ポリヌクレオチドで作成される反応である。PCRの方法は当分野において周知であり、そして例えば「PCR: A PRACTICAL APPROACH」(M. MacPherson et al., IRL Press at Oxford University Press(1991))に教示されている。PCRまたは遺伝子クローニングのようなポリヌクレオチドの複製コピーを生成する全ての方法は、本明細書では総称して「複製」と称する。プライマーをサザンまたはノーザンブロット分析のようなハイブリダイゼーション反応においてプローブとして使用することもできる。Sambrook et al.、前出。
「遺伝子発現プロファイル」とは、複数の試料で繰り返され、そしてこれらの試料により共有される、組織型、特定の処置に対する応答、または細胞における特定の生物学的過程もしくは経路の活性化のような特性を反映する遺伝子のセットの発現のパターンを指す。さらに、遺伝子発現プロファイルはその共通の特性を共有する試料と、試料を無作為に二群に割り当てることにより達成される可能性があるものよりもさらなる正確性を得ることはないものとを区別する。遺伝子発現プロファイルを用いて、未知の状態の試料がその共通の特性を共有するかどうかを予測することができる。セットの個々の遺伝子のレベルと典型的なプロファイルとの間でいくつかのバリエーションが予期されるが、典型的なプロファイルに対する発現レベルの全体的な類似性は、発現プロファイルを反映する共通の特性を共有するのではなくて、類似性は試料において偶然観察されるということは統計的に可能性が低いことである。
「cDNA」なる用語は相補的DNA、すなわち逆転写酵素のような酵素を用いてcDNAになる細胞または器官に存在するmRNA分子を指す。「cDNAライブラリー」は細胞または器官に存在し、全て逆転写酵素でcDNA分子になり、次いで「ベクター」(外来DNAを加えた後、複製し続けることができるその他のDNA分子)に挿入される全てのmRNA分子の収集物である。ライブラリーのためのベクターの実例には、バクテリオファージ(「ファージ」としても公知である)、細菌に感染するウイルス、例えばラムダファージが挙げられる。次いでライブラリーを目的の具体的なcDNAに関してプロービングすることができる。
「ハイブリダイゼーション」とは一つまたはそれより多いポリヌクレオチドが反応してヌクレオチド残基の塩基間の水素結合を介して安定化される複合体を形成する反応を指す。水素結合はWatson−Crick塩基対形成、Hoogstein結合により、または任意のその他の配列特異的様式で生じ得る。複合体はらせん構造を形成する2本の鎖、多重鎖複合体を形成する3本もしくはそれより多い鎖、1本の自己ハイブリダイズする鎖またはこれらの任意の組み合わせを含んでなり得る。ハイブリダイゼーション反応はPCR反応の開始またはリボザイムによるポリヌクレオチドの酵素的切断のようなさらに広範な過程における工程を構成し得る。
過形成は、構造または機能において有意に変化することなく、組織または器官の細胞数の増加を伴う制御された細胞増殖の形態である。異形成は、ある型の十分に分化した細胞が別の型の分化した細胞と置換される制御された細胞成長の形態である。上皮または結合組織細胞において異形成を生じ得る。非定型異形成は幾分無秩序な化生上皮を伴う。
「対象」、「個体」または「患者」は本明細書では互換的に用いられ、それには脊椎動物、好ましくは哺乳動物、さらに好ましくはヒトを指す。哺乳動物には限定するものではないが、マウス、サル、ヒト、家畜、競技用動物および愛玩動物が含まれる。
「バイオマーカー」は生物学的過程もしくは事象の独特な指標または具体的な特質または特徴である。本明細書で使用される際には、バイオマーカーは遺伝子である。バイオマーカーは疾患の進行または所定の処置に対する応答を測定するのに特に有用であり得る。予後の評価に加えて、病気を診断するか、または特定の型の処置に対して応答する可能性が最も高いもののような、あるカテゴリー内の患者をスクリーニングするためにそれを用いることができる場合もある。バイオマーカーはまた疾患の処置のための薬剤の開発または投与を導くのにも有用であり得る。
FGFR3阻害剤および本発明の方法を実施するのに必要な説明書を含有するキットもまた本発明の範囲内である。
本発明の実施に関するさらなる詳細を以下で論じる。
今ではその発現がFGFR3の阻止に相関する遺伝子のパネルが同定されている。遺伝子発現の存在もしくは不在または本明細書にて同定される一つもしくはそれより多いバイオマーカーの遺伝子発現のレベルもしくは量を用いて処置決定を導き、そして所定の型の処置に対する患者の応答性を測定することができる。例えば遺伝子発現の存在もしくはその欠如、または表I−Vで同定される一つもしくはそれより多いバイオマーカーの予め決定されたベースラインと比較した遺伝子発現のレベルの変化の検出により、患者がCHIR−258または別のFGFR3阻害剤による処置に適当な候補であり得るかどうかに関する情報が提供される。
任意のまたは全ての以下のバイオマーカーが特に興味深いものであり得ることは留意すべきである:CCL3、LOC150271、CD48、DUSP4、ITGB7、DUSP6、ANXA9、CR2、AL531683、ZNF589、AW274468、FRMD3、LTBおよびWDR42A。
表IからVを以下に提示し、そして本開示の不可欠な部分を構成する。
表Iはその発現がFGFR3阻止に関係する活性の指標であるバイオマーカーの一覧表である。
表IIは本発明の一つの態様による表Iの好ましいサブセットであり、概してFGFR3阻止に対する応答においてベースラインに比較して遺伝子発現の変化のレベルが高いバイオマーカーを列挙している。
表IVは本発明の第2の態様による表Iの好ましいサブセットであり、概して好ましい化合物CHIR−258によるFGFR3阻止に対する応答において、遺伝子発現の最も強い相関性を呈するバイオマーカーを列挙している。
表Vは本発明の第2の態様による表Iのさらに好ましいサブセットであり、概してSU−5402またはPD−173074よりむしろ、好ましい化合物CHIR−258によるFGFR3阻止に対する応答において遺伝子発現の最も強い相関性を呈するバイオマーカーを列挙している。
表IからVの各々では、バイオマーカーをEntrez遺伝子ID番号(国立癌研究所データベース識別子参照)、遺伝子記号および遺伝子の説明と共に示す。
FGFR3の低分子阻害剤のいくつかの実例にはCHIR−258(Chiron Corporation)、SU−5402(Pfizer, Inc.)およびPD−173074(Pfizer, Inc.)が挙げられる。
1−tert−ブチル−3−[6−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−(4−ジエチルアミノブチルアミノ)−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−ウレア
先に記したように、遺伝子発現の測定を患者から得られた試料、好ましくは生物学的試料に関して実施する。例えば患者に採血または組織生検を行うことができ、そして得られた試料に関して測定を行うことができる。利用される技術に依存して、試料の単離された分画または原位置で試験を実施することができる。
目的のバイオマーカーの遺伝子発現の存在の検出および/またはベースラインと比較した遺伝子発現におけるレベルの変化の検出は標準的な技術を利用することができる。
簡単には複数のRNAが前記されたような細胞または組織試料から単離される。場合によっては遺伝子転写物をcDNAに変換することができる。(複数の)バイオマーカー転写物の試料採取が配列特異的分析に供し、そして定量する。これらの遺伝子転写物配列の存在度をベースラインと比較する。
一つの実施態様では、試料核酸に結合した一つまたはそれより多い標識を検出することによりハイブリダイズされた核酸を検出する。当分野において周知の多くの手段のいずれかに標識を組み込むことができる。しかしながら、一つの態様では、試料核酸の調製における増幅工程の間に標識を同時に組み込む。したがって例えば標識されたプライマーまたは標識されたヌクレオチドを用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は標識された増幅生成物を提供するであろう。別個の実施態様では、標識されたヌクレオチド(例えば蛍光標識UTPおよび/またはCTP)を用いる前記したような転写増幅は、転写される核酸に標識を組み込む。
典型的にはチップアッセイの結果を、コンピューターソフトウェアプログラムを用いて分析する。例えば欧州特許第0717113(A2)号および第WO95/20681号を参照のこと。ハイブリダイゼーションデータを標的とされた(複数の)遺伝子の発現レベルを計算するプログラムに読み込む。数字を疾患個体および健常個体に関する遺伝子発現レベルの既存のデータセットと比較することができる。得られたデータと予め決定された一連のベースラインのデータとの相関性は治療に対して応答する可能性のある患者を同定する。
バイオマーカーの発現生成物のタンパク質生成物を特異的に認識し、そして結合する抗体がイムノアッセイには必要である。これを商業的な製造供給元から購入するか、または当分野において周知の方法を用いて作成およびスクリーニングすることができる。Harlow and Lane(1988)前出およびSambrook et al.(1989)前出を参照のこと。
活性型FGFR3の阻止はアポトーシスを誘導することが示されている(Trudel, et al., Blood, 105(7):2941−2948(2005))。FGFR3阻害剤、特にFGFR3のチロシンキナーゼ低分子阻害剤(SMI)の投与により患者を有利に処置することができる。したがって本発明による処置は本明細書にて開示されるもののような一つまたはそれより多い低分子FGFR3阻害剤の投与を構成し得る。
これに代えて低分子阻害剤をその他の処置と組み合わせて使用することができる。例えば低分子である阻害剤、例えば生物学的製剤、ポリヌクレオチド、遺伝子治療等を継続中の処置に用いることができる場合もあり、一方低分子FGFR3阻害剤を候補者の同定における初期支援として最初に用いることもできる。
本発明の方法は細胞増殖疾患および特に新生物疾患の処置に有用である。
場合によっては一つまたはそれより多い副成分と共に圧縮または成型することにより錠剤を作成することができる。適当な機械で、場合によっては結合剤(例えばポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えばデンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散剤と混合した粉末または顆粒のような流動性形態の活性成分を圧縮することにより圧縮錠剤を調製することができる。不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適当な機械で成型することにより湿製錠剤を作成することができる。場合によっては錠剤をコーティングまたは割線入りにすることができ、そして例えば種々の比率のヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いて、そこで活性成分の緩徐なまたは制御された放出を提供して望ましい放出プロファイルを提供するように処方することができる。場合によっては錠剤に腸溶コーティングを施して胃以外の消化管の部分で放出させることができる。
医薬用エマルジョン処方で使用される可能性のあるほとんどの油における活性化合物の溶解性は非常に低いので、処方のための適当な油または脂肪の選択は望ましい外観特性を達成することに基づく。したがって好ましくは、クリームはチューブまたはその他の容器から漏出を回避するのに適当な稠度を有する、脂っぽくなく、非染色性で、そして洗い流せる生成物であるべきである。ジイソアジペート、ステアリン酸イソセチル、ココナッツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシルまたはCrodamol CAPとして公知の分岐鎖エステルの混和物のような直鎖状または分岐鎖、一または二塩基性アルキルエステルを用いることができ、最後の三つが好ましいエステルである。これらをそれだけで、または必要とされる特性に依存して組み合わせで用いることができる。
眼への局所投与に適当な処方にはまた、活性成分が適当な担体、特に薬剤のための水性溶媒中に溶解または懸濁される点眼薬も含まれる。
直腸投与用の処方を例えばココアバターまたはサリチラートを含んでなる適当な基剤と共に坐剤として提示することができる。
膣投与に適当な処方を、薬剤に加えて当分野において適切であると分かっているような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー処方として提示することができる。
担体が固体である鼻投与に適当な処方には例えば約20から約500ミクロンの範囲の粒子径を有する粗粉が含まれ、嗅ぎ薬を摂取する様式で、すなわち鼻に近寄せた粉末の容器から鼻腔を通って急速に吸入することによりそれを投与する。例えば鼻用スプレー、点鼻薬のような、またはネブライザーによるエアロゾル投与による、担体が投与用液体である適当な処方には薬剤の水性または油性溶液が含まれる。
好ましい単位投薬処方は薬剤の、前記で引用したような一日用量もしくは単位、一日用量以下の量(subdose)またはその適切な分画を含有するものである。
低分子阻害剤SU−5402、PD−173074(双方共にPfizer Inc.)およびCHIR−258(Chiron Corp.)で、FGFリガンドで、またはFGFR3サイレンシングRNA(siRNA)で処理された細胞中のmRNAの発現を未処理細胞(または後者の場合スクランブルsiRNA対照で処理された細胞)における発現と定量的に比較した。その他のFGFR3阻害剤に対する具体的な相違点および類似点をCHIR−258と比較した。
KMS11:Ras WT、FGFR3 Y373C変異体;CHIR−258処理に感受性あり;
KMS18:Ras WT、FGFR3 G384D変異体;CHIR−258処理に感受性あり;
H929:N13 Ras変異体、FGFR3野生型(WT);CHIR−258処理に抵抗性あり;
U266:Ras WT、FGFR3陰性;CHIR−258処理に抵抗性あり;
UTMC2:Ras WT、FGFR3 WT;CHIR−258処理に抵抗性あり。
生データに関してバイオインフォマティクス分析を実施して結果を提供した。
Claims (66)
- 処置のための患者を同定する方法であって:
一定量のFGFR3の阻害剤を患者に投与し;そして
阻害剤の投与の後に患者から得られた試料を試験して表Iから選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を測定すること;
を含んでなり、ここで少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現レベルの変化の検出が処置のための患者の候補の指標となる、方法。 - 処置のための患者を同定する方法であって:
患者から得られた試料を試験して表Iから選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を測定すること;
を含んでなり、ここで少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現の存在の検出が処置のための患者の候補の指標となる、方法。 - 細胞増殖性障害を処置することを必要とする患者の応答をモニタリングする方法であって:
一定量のFGFR3の阻害剤を患者に投与し;そして
阻害剤の投与の後に患者から得られた試料を試験して表Iから選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を測定すること;
を含んでなり、ここで少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現レベルの変化の検出が患者の処置に対する好ましい応答の指標となる、方法。 - 細胞増殖性障害のためのFGFR3の阻害剤による処置に対する患者の応答をモニタリングする方法であって:
患者から得られた試料を試験して表Iから選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を測定すること;
を含んでなり、ここで少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現レベルの変化の検出が患者の処置に対する好ましい応答の指標となる、方法。 - 患者の細胞増殖性障害の処置においてバイオマーカーを利用する方法であって:
一定量のFGFR3の阻害剤を患者に投与し;
患者から得られた試料を試験して表Iから選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を測定し;そして
少なくとも一つのバイオマーカーの発現のレベルの好ましい変化が最初の阻害剤の投与時に検出されるならば、続いて患者に同一または異なるFGFR3の阻害剤を投与することを含んでなる方法。 - 表Iに同定されるバイオマーカーのベースラインに比較して発現のレベルを変化させる治療上有効な量の薬剤を投与し、それにより多発性骨髄腫に関連する異常を阻止することを含んでなる多発性骨髄腫患者を処置する方法。
- 患者における細胞増殖性障害を処置するためのFGFR3の阻害剤の投薬量を調整する方法であって:
初期量のFGFR3の阻害剤を患者に投与し;
初期量の阻害剤の投与の後に表Iから選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現をモニタリングし;そして
初期量の投与時に生じた一つまたは複数のバイオマーカーの発現の変化のレベルに基づいて続く患者への阻害剤の投与の量を調整すること;
を含んでなる方法。 - 多発性骨髄腫の処置の可能性のあるFGFR3阻止化合物を同定するためかまたはFGFR3阻止化合物を多発性骨髄腫の処置のためのさらなる開発のために進展させる決断を導くためにバイオマーカーを利用する方法であって:
化合物をKMS18またはKMS11細胞培養と接触させ;そして
細胞培養の一部を試験して表Iから選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を測定すること;
を含んでなり、ここで少なくとも一つのバイオマーカーの発現の変化の検出が処置のための化合物の同定または化合物をさらなる開発のために進展させる好ましい決断の指標である、方法。 - FGFR3の阻害剤での処置を必要とする患者に投与するための適切な該阻害剤を選択する方法であって:
最初のFGFR3の阻害剤を患者に投与し;
患者から得られた試料を試験して表Iから選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を試験し;そして
少なくとも一つのバイオマーカーの発現のレベルの好ましい変化が最初の阻害剤の投与時に検出されるならば、続いて患者に最初のFGFR3の阻害剤を投与することを含んでなる、方法。 - 細胞増殖性障害の処置の可能性のあるFGFR3阻止化合物を同定するためにバイオマーカーを利用する方法であって:
化合物を障害に関連する細胞系または組織と接触させ;そして
接触後の細胞培養または組織の一部を試験してベースラインと比較して変化した少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を測定すること;
を含んでなり、ここで少なくとも一つのバイオマーカーの発現の変化の検出が処置のための化合物の同定の指標である、方法。 - 表IIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が処置のための患者の候補の指標である、請求項1または2に記載の方法。
- 表IIIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が処置のための患者の候補の指標である、請求項1または2に記載の方法。
- 表IVに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が処置のための患者の候補の指標である、請求項1または2に記載の方法。
- 表Vに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が処置のための患者の候補の指標である、請求項1または2に記載の方法。
- 表IIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも二つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が処置のための患者の候補の指標である、請求項1または2に記載の方法。
- 遺伝子発現の測定がバイオマーカーにより転写されるRNAの量を検出することにより行われる、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
- 遺伝子発現の測定がバイオマーカーにより転写されるRNAの逆転写から生成されるDNAの量を検出することにより行われる、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
- 遺伝子発現の測定がバイオマーカーによりコードされるポリペプチドまたはタンパク質を検出することにより行われる、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
- 少なくとも一つのバイオマーカーが遺伝子チップに操作可能なように連結されている、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
- 少なくとも一つのバイオマーカーがコンピューター可読形式で提示される、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
- 試験が表IからVのいずれか一つのバイオマーカーを含んでなる遺伝子チップと試料を接触させることを含んでなる、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
- 検出工程がバイオマーカーの遺伝子発現レベルを遺伝子データベースと比較することを含んでなる、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
- 処置が治療上有効量の同一または異なるFGFR3の阻害剤を患者に投与することを含んでなる、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
- 処置が細胞増殖性障害のためのものである、請求項1または2に記載の方法。
- 処置が新生物疾患のためのものである、請求項1から5または9から10のいずれかに記載の方法。
- 処置が多発性骨髄腫のためのものである、請求項1から5または9から10のいずれかに記載の方法。
- 処置がt(4;14)多発性骨髄腫のためのものである、請求項1から5または9から10のいずれかに記載の方法。
- 阻害剤がCHIR−258、SU−5402およびPD−173074からなる群から選択される、請求項1から4、7または9から10のいずれかに記載の方法。
- 阻害剤がCHIR−258である、請求項1から4、7または9から10のいずれかに記載の方法。
- バイオマーカーがCCL3、LOC150271、CD48、DUSP4およびITGB7からなる群から選択される、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
- バイオマーカーがLOC150271、CD48、DUSP4およびITGB7からなる群から選択される、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
- バイオマーカーがCCL3である、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
- バイオマーカーがCCL3でない、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
- さらにFGFR3阻害剤を投与する前に患者に関するベースラインレベルを確立することを含んでなる、請求項1、3または5のいずれかに記載の方法。
- 表IIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が患者の処置に対する好ましい応答の指標である、請求項3または4に記載の方法。
- 表IIIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が患者の処置に対する好ましい応答の指標である、請求項3または4に記載の方法。
- 表IVに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が患者の処置に対する好ましい応答の指標である、請求項3または4に記載の方法。
- 表Vに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が患者の処置に対する好ましい応答の指標である、請求項3または4に記載の方法。
- 表IIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも二つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が患者の処置に対する好ましい応答の指標である、請求項3または4に記載の方法。
- 患者から得られた試料を試験する工程の前に投与工程を繰り返す、請求項3に記載の方法。
- FGFR3の阻害剤を治療上有効な量で投与する、請求項3に記載の方法。
- 発現のレベルの好ましい変化が表IIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した変化を含んでなる請求項5に記載の方法。
- 発現のレベルの好ましい変化が表IIIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した変化を含んでなる、請求項5に記載の方法。
- 発現のレベルの好ましい変化が表IVに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した変化を含んでなる請求項5に記載の方法。
- 発現のレベルの好ましい変化が表Vに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した変化を含んでなる、請求項5に記載の方法。
- 発現のレベルの好ましい変化が表IIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも二つのバイオマーカーのベースラインに比較した変化を含んでなる、請求項5に記載の方法。
- 最初の阻害剤および続いて投与される阻害剤が各々CHIR−258、SU−5402およびPD−173074からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
- 最初の阻害剤がCHIR−258である、請求項5に記載の方法。
- 続いて投与される阻害剤がCHIR−258である、請求項5に記載の方法。
- 表Iにて同定されるバイオマーカーのベースラインに比較して発現のレベルを変化させる薬剤の多発性骨髄腫に関連する異常の処置のための医薬品の製造における使用。
- 少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した変化が表IIに示される表Iのサブセットから選択される、請求項6または50に記載の方法。
- ベースラインに比較した変化が表IIIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのものである、請求項6または50に記載の方法。
- ベースラインに比較した変化が表IVに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのものである、請求項6または50に記載の方法。
- ベースラインに比較した変化が表Vに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのものである、請求項6または50に記載の方法。
- ベースラインに比較した変化が表IIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも二つのバイオマーカーのものである、請求項6または50に記載の方法。
- 薬剤がCHIR−258である、請求項6または50に記載の方法。
- 患者がt(4:14)多発性骨髄腫患者である、請求項6に記載の方法。
- 表IIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーに関して遺伝子発現をモニタリングする、請求項7に記載の方法。
- 表IIIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーに関して遺伝子発現をモニタリングする、請求項7に記載の方法。
- 表IVに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーに関して遺伝子発現をモニタリングする、請求項7に記載の方法。
- 表Vに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーに関して遺伝子発現をモニタリングする、請求項7に記載の方法。
- モニタリングが表IからVのいずれか一つのバイオマーカーを含んでなる遺伝子チップと試料を接触させることおよびバイオマーカーの遺伝子発現レベルを遺伝子データベースと比較することを含んでなる、請求項7に記載の方法。
- バイオマーカーが表Iから選択される、請求項10に記載の方法。
- 処置のための患者を同定する方法であって:
一定量のFGFR3の阻害剤を患者に投与し;そして
阻害剤の投与の後に患者から得られた試料を試験してCCL3、DUSP6、ANXA9、CR2、AL531683、ZNF589、AW274468、FRMD3、LTBおよびWDR42Aからなる群から選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を測定すること;
を含んでなり、ここで少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現レベルの変化の検出が処置のための患者の候補の指標となる、方法。 - 細胞増殖性障害のためのFGFR3の阻止による処置に対する患者の応答をモニタリングする方法であって:
患者から得られた試料を試験してCCL3、DUSP6、ANXA9、CR2、AL531683、ZNF589、AW274468、FRMD3、LTBおよびWDR42Aからなる群から選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を測定すること;
を含んでなり、ここで少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現レベルの変化の検出が患者の処置に対する好ましい応答の指標となる、方法。 - バイオマーカーがCCL3、DUSP6、ANXA9、CR2、AL531683、ZNF589、AW274468、FRMD3、LTBおよびWDR42Aのいずれかまたは全てではない、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
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