JP2009523410A - 遺伝子転写に対するfgfr3の阻害剤の効果 - Google Patents

遺伝子転写に対するfgfr3の阻害剤の効果 Download PDF

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Abstract

処置のための患者を同定するためまたは処置に対する応答をモニタリングするためにバイオマーカーを利用する方法が本明細書にて教示される。とりわけFGFR3阻害剤に応答するバイオマーカーの遺伝子発現のレベルの変化を測定し、そしてそれに応じて同定または調整を行う。

Description

(発明の背景)
本発明は一般的に薬理ゲノム学の分野、ならびにとりわけ処置に適当な患者を同定するためのバイオマーカーの使用および処置の方法に対する続くその応答の方法に関する。
個々の患者の応答または疾患の進行を理解するための努力は今日の研究の主題である。実際に、薬理ゲノム学または薬理遺伝学の分野はゲノムデータ、薬理学および医薬品を利用し、そしてしばしば疾患および/またはその進行の一つまたはそれより多い素因に対する遺伝的変異性ならびに薬物または治療計画に対する治療応答に相関する進んだ研究手段に依存する。典型的には大規模なゲノムワイド研究で複数の遺伝子を同時に分析する。
癌のような増殖性細胞障害は通常細胞の亜集団内の患者のDNAにおける一連の変異の蓄積を介して発症する。これらの変異は、それらの成長を引き起こす細胞に延命効果を付与し、そして周囲組織に有害である無制御な様式で拡散し得る。特定の変異のセットは個々の患者の腫瘍に独特であり得る。異なる個体における同一組織または器官の癌は異なる変異のセットに起因しているかもしれないが、特定の変異は特定の癌の型の間で蔓延し得る。特徴的な変異のセットは癌細胞がどのように挙動するか、そしてとりわけ所定の治療計画に対するその応答の可能性を決定するであろう。
腫瘍のDNAの遺伝子配列、または変化したDNAの発現であるRNAもしくはタンパク質を測定する進んだ研究手段を用いることにより腫瘍における遺伝子変化を特徴付けすることができる。種々の治療的処置に対するその腫瘍の応答の可能性の予測である、個々の腫瘍の特徴を同定することが現在の研究の目標である。したがってDNAにおける特定の遺伝子変異の存在、またはRNA転写物もしくはタンパク質のいずれかとしてのその発現レベル、またはこれらの因子の組み合わせが、患者に有益であろう様式で特定の処置が腫瘍に影響するであろう可能性を予測する、一つまたはそれより多い遺伝子が同定されよう。
一つの主要な目的は、その遺伝学またはその疾患の遺伝的特徴、薬物効果への因子に関連したのは個体または亜集団のどのバリエーションかを決定し、そして診断試験を含む適当な試験を創成することである。したがって特定の遺伝子配列を有する患者、または特定の遺伝子変化により特徴付けされた疾患のためにあつらえられた薬物を生成することができる。また試験を用いて、どの薬物または薬物の組み合わせが患者に有益である可能性が最も高く、そしてどんな投与およびスケジュールが最も適切なのか、のような処置決定を導くために試験を使用することもできる。診断試験および遺伝子プロファイリングは、経費がかかり、そして有害である恐れのある、特定の処置計画または特定の投薬レベルの適合性に対する試行錯誤的研究法を回避するのを補助するであろう。
オーダーメイド薬物の時代を迎えつつあるのかもしれないが、今日では特定の型の処置のための具体的な個体もしくはサブグループを同定するために遺伝子情報を利用する方法または処置の最適化を即座に用いることができる。
特定の処置に対する個体の応答または疾患素因および目的の特定の遺伝子に対する相関性が文献化されている。今では癌化学療法は具体的な集団の薬物毒性に対する素因または不十分な薬物応答により限定されると考えられている。臨床腫瘍学における生殖系多型性の使用の概説に関してはLenz, H.-J., J. Clin. Oncol. 22(13):2519−2521(2004)を参照のこと。癌の処置のための治療用抗体の開発における薬理遺伝学および薬理ゲノム学の概説に関してはYan and Beckman, Biotechniques 39:565−568(2005)を参照のこと。
多くの研究からの結果により、いくつかの遺伝子が癌の進行および再発の本質的な経路において主要な役割を果たし得ること、ならびに対応する生殖系多型性が転写および/または翻訳レベルで有意な差異を導き得ることが示唆される。多型性は個体の癌感受性(癌遺伝子、腫瘍サプレッサー遺伝子、および代謝経路に関与する酵素の遺伝子)に関係している。35歳よりも若い患者では癌リスク上昇に関するいくつかのマーカーが同定されている。チトクロムP4501A1およびグルタチオンS−トランスフェラーゼM1遺伝子型は若年の患者における前立腺癌の発達のリスクに影響する。同様に腫瘍サプレッサー遺伝子p53における変異は若年成体における脳腫瘍に関連する。
この研究法は癌細胞に特異的であり、そしてそれ以外に患者のゲノムでは見出されない変異にまで拡張され得る。例えば、遺伝子KITおよびPDGFAにおける特定の活性化変異が薬物に対するより迅速な応答速度に関係する薬物グリベック(メシル酸イマチニブ;Novartis)で処置された胃腸間質性腫瘍(GIST)を有する患者において臨床的に実証されており、J Clin Oncol.21(23):4342−9(2003 Dec 1)を参照のこと。
特定の治療薬での処置により誘起される癌細胞系の遺伝子発現における変化を測定することにより、その薬剤に対する細胞応答を特徴付けすることができる。この研究法はそれがどんな生物学的過程または経路に影響するかを含む薬物のメカニズムへの洞察を提供する。かかる情報は、どの遺伝子が処置に応答して変化するかに関する予測を提供することにより、患者の処置を導く助けとなり得る。次いで処置後の患者から収集された試料からのこれらの遺伝子のアッセイを用いて、薬物が意図された効果を有していたかどうか、そしてひいては用量もしくはスケジュールを変更または計画を中止すべきかどうかを決定することができる。この研究法は、患者が最も適切な処置を受けることを確実にすることにより有効性を改善するであろう。
発明の要旨
本発明の一つの実施態様は処置のための患者の同定の方法に関する。その方法は場合によっては患者から得られた試料に関して遺伝子発現を測定する前に、患者にFGFR3阻害剤を投与することを含み得る。遺伝子発現分析は本明細書に開示されるバイオマーカーの存在および/または発現のレベルの変化を検出すると意図される。ベースラインレベルに比較して顕著な検出またはレベルの変化は、処置のための患者の候補の指標である。
本発明の別の実施態様は患者の処置に対する応答をモニタリングする方法を含んでなる。その方法は患者から得られた試料に関する遺伝子発現の測定の前に患者にFGFR3阻害剤を投与する工程を含み得る。これに代えて、以前に処置されていた患者から得られた試料に関してモニタリングを行うことができ、それで応答をモニタリングする方法を実施している者による投与工程は必要とされない。少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルにおける変化の検出は、患者の処置に対する好ましい応答の指標である。
本発明の別の態様は患者の処置においてバイオマーカーを利用する方法である。FGFR3阻害剤を投与し、そして一つまたはそれより多いバイオマーカーの遺伝子発現レベルを試験することができる。その後、処置において同一または異なる阻害剤を投与することができる。
本発明のさらに別の態様は多発性骨髄腫を処置する方法である。その方法は一つまたはそれより多い同定されたバイオマーカーの発現のレベルを変化させる薬剤を利用する。
患者における細胞増殖性障害の処置のためのFGFR3の阻害剤の投薬量を調整する方法もまた本明細書にて教示される。その方法は患者に初期量のFGFR3の阻害剤を投与し、少なくとも一つの同定されたバイオマーカーに関して患者からの試料における遺伝子発現をモニタリングし、そして初期量の投与時に生じたバイオマーカーまたは複数のバイオマーカーの発現のレベルに依存して、患者への次の投与のための投薬量を調整することを含んでなる。
本発明のさらなる実施態様は可能性のある処置またはさらなる開発のためにFGFR3阻止化合物を同定するためにバイオマーカーを利用する方法である。
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明は患者をその特定の遺伝子プロファイルに基づいて選択的に処置できる、施行中の展開医療の実例である。
技術の定義
本発明の実施には、特記しない場合免疫学、分子生物学、微生物学、細胞生物学および組換えDNAの従来の技術を用い、それらは当業者の範疇である。例えばSambrook, Fritsch and Maniatis, MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, 2nd edition(1989);CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(F. M. Ausubel et al. eds.,(1987));the series METHODS IN ENZYMOLOGY(Academic Press, Inc.): PCR 2: A PRACTICAL APPROACH(M.J. MacPherson, B.D. Hames and G.R. Taylor eds.(1995)), Harlow and Lane, eds.(1988)ANTIBODIES, A LABORATORY MANUAL and ANIMAL CELL CULTURE(R.I. Freshney, ed.(1987))を参照のこと。
本明細書で使用される際には、特定の用語は以下の定義された意味を有する。
本明細書および請求の範囲で使用される際には、単数表現は局面から明らかにその他を指す場合を除いて、複数の言及を含む。例えば「細胞」なる用語は複数の細胞を含み、その混合物を含む。
全ての数字による指定、例えばpH、温度、時間、濃度および分子量は範囲を含み、(+)または(−)0.1の増加で変動する概数である。必ずしも明確に記載されているわけではないが、全ての数字による指定の前に「約」なる用語がつくことは理解されよう。必ずしも明確に記載されているわけではないが、本明細書に記載される試薬は単に実例であり、そしてかかるものの均等物は当分野において公知であることもまた理解されよう。
「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」なる用語は互換的に用いられ、そして任意の長さのヌクレオチドの重合体形態、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドのいずれか、またはその類似体を指す。ポリヌクレオチドは任意の三次元構造を有することができ、そして公知または未知の任意の機能を果たし得る。以下はポリヌクレオチドの非限定的な実例である:遺伝子または遺伝子フラグメント(例えばプローブ、プライマー、ESTまたはSAGEタグ)、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブおよびプライマー。ポリヌクレオチドはメチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体のような修飾されたヌクレオチドを含んでなることができる。存在する場合、ヌクレオチド構造に対する修飾を重合体の組み立ての前または後に付与することができる。非ヌクレオチド構成要素をヌクレオチドの配列に割り込ませることができる。ポリヌクレオチドを重合化の後にさらに例えば標識構成要素での抱合により修飾することができる。用語はまた二本鎖および一本鎖分子の双方を指す。特記されない、または必要とされない場合、ポリヌクレオチドである本発明の任意の実施態様は二本鎖形態、および二本鎖形態を作り上げることが知られているまたは予測される二本の相補的一本鎖形態の各々の双方を包含する。
ポリヌクレオチドは四つのヌクレオチド塩基:アデニン(A);シトシン(C);グアニン(G);チミン(T);およびポリヌクレオチドがRNAの場合グアニンの代わりにウラシル(U)の具体的な配列からなる。したがって「ポリヌクレオチド配列」なる用語はポリヌクレオチド分子のアルファベットによる表示である。このアルファベットによる表示は中央処理装置を有するコンピューターのデータベースにインプットし、そして機能的ゲノムおよび相同性検索のようなバイオインフォマティクス適用に使用することができる。
「遺伝子」とは転写および翻訳された後の特定のポリペプチドまたはタンパク質をコードすることができる少なくとも一つのオープン・リーディグ・フレーム(ORF)を含有するポリヌクレオチドを指す。ポリヌクレオチド配列を用いてそれらが関連する遺伝子の配列をコードする大きなフラグメントまたは全長を同定することができる。大きなフラグメント配列を単離する方法は当業者に公知である。
「遺伝子生成物」またはこれに代えて「遺伝子発現生成物」とは、遺伝子が転写および翻訳されたときに生じるアミノ酸(例えばペプチドまたはポリペプチド)を指す。
「ポリペプチド」なる用語は「タンパク質」なる用語と互換的に使用され、そして広義には二つもしくはそれより多いサブユニットアミノ酸の化合物、アミノ酸類似体またはペプチド擬似物質を指す。サブユニットはペプチド結合により連結され得る。別の実施態様では、サブユニットはその他の結合、例えばエステル、エーテル等により連結され得る。
本明細書で使用される際には「アミノ酸」なる用語は天然および/または非天然もしくは合成アミノ酸のいずれか、およびDおよびL光学異性体の双方、アミノ酸類似体、ならびにペプチド擬似物質を指す。ペプチド鎖が短い場合、三つまたはそれより多いアミノ酸のペプチドは一般的にオリゴヌクレオチドと称される。ペプチド鎖が長い場合、ペプチドは一般的にポリペプチドまたはタンパク質と称される。
本明細書で使用される際には「含んでなる」なる用語は、その方法は列挙された要素を含むが、その他を排除しないことを意味すると意図される。「本質的に〜からなる」とは組成物および方法を定義するために用いられる場合、何らかの本質的に組み合わせに重要なその他の要素を排除することを意味するものとする。したがって例えば本質的に列挙されるような要素からなる組成物は単離および精製方法からの微量夾雑物ならびにリン酸塩緩衝生理食塩水、保存剤等のような薬学的に許容される担体を排除しないであろう。「からなる」とはその他の成分および本発明の実質的な方法工程の微量以上の要素を排除することを意味するものとする。これらの移行句の各々により定義される実施態様は本発明の範囲内である。
「単離された」なる用語は、ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体またはその(複数の)フラグメントが通常天然に随伴される構成成分、細胞およびその他から分離されていることを意味する。本発明の一つの態様では、単離されたポリヌクレオチドはその元来のまたは天然の環境内で、例えば染色体で通常随伴される3’および5’近接ヌクレオチドから分離されている。当業者には明白であるように、非天然発生ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体またはその(複数の)フラグメントは天然発生の対応するものからそれを区別するための「単離」を必要としない。加えて、「濃縮された」、「分離された」または「希釈された」ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体またはその(複数の)フラグメントは、濃度または容量あたりの分子の数が天然発生の対応するものよりも「濃縮された」ものでは多いか、または「分離された」ものでは少ないという点でその天然発生の対応するものから区別できる。その一次配列で、または例えばそのグリコシル化パターンにより天然発生の対応するものとは異なるポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体またはその(複数の)フラグメントは、その一次配列により、またはこれに代えてグリコシル化パターンのような別の特徴によりその天然発生の対応するものから区別できるので、その単離された形態で存在する必要はない。したがって非天然発生ポリヌクレオチドは別個の実施態様として単離された天然発生ポリヌクレオチドから提供される。細菌細胞から生成されたタンパク質は別個の実施態様としてそれが天然に生成される真核細胞から単離された天然発生タンパク質から提供される。
「プローブ」はポリヌクレオチドを取り扱う局面で使用される場合、標的とハイブリダイズすることより目的の試料中に存在する可能性のある標的を検出するための試薬として提供されるオリゴヌクレオチドを指す。通常、ハイブリダイゼーション反応の前に、またはそれに続いてのいずれかでプローブは標識または標識が結合できる手段を含んでなるであろう。適当な標識には限定するものではないが、放射性同位元素、蛍光色素、化学発光化合物、色素、および酵素を含むタンパク質が含まれる。
「プライマー」は一般的に標的とハイブリダイズすることより目的の試料中に存在する可能性のある標的または「鋳型」に結合し、そしてその後標的と相補的であるポリヌクレオチドの重合化を促進する遊離3’−OH基を有する短いポリヌクレオチドである。「ポリメラーゼ連鎖反応」(「PCR」)は、「上流」および「下流」プライマーからなる「プライマー対」または「プライマーのセット」ならびにDNAポリメラーゼ、および典型的には熱安定性ポリメラーゼ酵素のような重合化の触媒を用いて、複製コピーが標的ポリヌクレオチドで作成される反応である。PCRの方法は当分野において周知であり、そして例えば「PCR: A PRACTICAL APPROACH」(M. MacPherson et al., IRL Press at Oxford University Press(1991))に教示されている。PCRまたは遺伝子クローニングのようなポリヌクレオチドの複製コピーを生成する全ての方法は、本明細書では総称して「複製」と称する。プライマーをサザンまたはノーザンブロット分析のようなハイブリダイゼーション反応においてプローブとして使用することもできる。Sambrook et al.、前出。
本明細書で使用される際には、「発現」とはポリヌクレオチドがmRNAに転写される方法、および/または転写されたmRNAが続いてペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質に翻訳される方法を指す。ポリヌクレオチドがゲノムDNAから誘導される場合、発現は真核細胞におけるmRNAのスプライシングを含み得る。遺伝子に適用される「差次的に発現された」とは遺伝子から転写および/もしくは翻訳されたmRNAまたは遺伝子によりコードされたタンパク質生成物の差次的生成を指す。差次的に発現された遺伝子は正常または対照細胞の発現レベルに比較して、過剰発現または過少発現され得る。しかしながら、本明細書で使用される際には、過剰発現は一般的に、正常または健常な対応する細胞または組織で検出されるものよりも、少なくとも1.25倍、またはこれに代えて少なくとも1.5倍、またはこれに代えて少なくとも2倍発現、またはこれに代えて少なくとも4倍発現である。「差次的に発現された」なる用語はまた、対照細胞ではサイレントである場合に発現されるか、または対照細胞で発現される場合に発現されない、細胞または組織におけるヌクレオチド配列をも指す。
遺伝子の高発現レベルは、遺伝子の過剰発現または遺伝子コピー数の増加が原因で生じ得る。遺伝子はまた負のレギュレーターの脱制御が原因で、より多くのタンパク質に翻訳され得る。
「遺伝子発現プロファイル」とは、複数の試料で繰り返され、そしてこれらの試料により共有される、組織型、特定の処置に対する応答、または細胞における特定の生物学的過程もしくは経路の活性化のような特性を反映する遺伝子のセットの発現のパターンを指す。さらに、遺伝子発現プロファイルはその共通の特性を共有する試料と、試料を無作為に二群に割り当てることにより達成される可能性があるものよりもさらなる正確性を得ることはないものとを区別する。遺伝子発現プロファイルを用いて、未知の状態の試料がその共通の特性を共有するかどうかを予測することができる。セットの個々の遺伝子のレベルと典型的なプロファイルとの間でいくつかのバリエーションが予期されるが、典型的なプロファイルに対する発現レベルの全体的な類似性は、発現プロファイルを反映する共通の特性を共有するのではなくて、類似性は試料において偶然観察されるということは統計的に可能性が低いことである。
発現「データベース」は配列の収集物を示し、それは替わって生物学的参照材料の収集物を示す保存されたデータのセットを表す。
「cDNA」なる用語は相補的DNA、すなわち逆転写酵素のような酵素を用いてcDNAになる細胞または器官に存在するmRNA分子を指す。「cDNAライブラリー」は細胞または器官に存在し、全て逆転写酵素でcDNA分子になり、次いで「ベクター」(外来DNAを加えた後、複製し続けることができるその他のDNA分子)に挿入される全てのmRNA分子の収集物である。ライブラリーのためのベクターの実例には、バクテリオファージ(「ファージ」としても公知である)、細菌に感染するウイルス、例えばラムダファージが挙げられる。次いでライブラリーを目的の具体的なcDNAに関してプロービングすることができる。
本明細書で使用される際には、「固相支持体」または「固体支持体」は互換的に用いられ、具体的な型の支持体に限定されない。むしろ多くの支持体が利用可能であり、そして当業者に公知である。固相支持体にはシリカゲル、樹脂、誘導体化プラスチックフィルム、ガラスビーズ、綿、プラスチックビーズ、アルミナゲル、マイクロアレイおよびチップが含まれる。本明細書で使用される際には、「固体支持体」にはまた合成抗原提示材料、細胞およびリポソームも含まれる。適当な固相支持体を望ましい最終用途および種々のプロトコールに対する適合性に基づいて選択することができる。例えばペプチド合成のためには、固相支持体はポリスチレン(例えばBachem Inc., Peninsula Laboratoriesから入手されるPAM樹脂等)、POLYHIPE(登録商標)樹脂(Aminotech, Canadaより入手)、ポリアミド樹脂(Peninsula Laboratoriesより入手)、ポリエチレングリコールでグラフトされたポリスチレン樹脂(TentaGel(登録商標)、Rapp Polymere, Tubingen, Germany)またはポリジメチルアクリルアミド樹脂(Milligen/Biosearch, Californiaから入手)を指し得る。
ハイスループットスクリーニングアッセイで使用するためにポリヌクレオチドを固体支持体に結合させることもできる。例えばPCT第WO97/10365号は高密度オリゴヌクレオチドチップの構築を開示している。米国特許第5405783号;第5412087号;および5445934号もまた参照のこと。この方法を用いてプローブを誘導体化されたガラス表面に合成してチップアレイを形成する。光保護されたヌクレオシドホスホラミダイトをガラス表面に結合させ、フォトリソグラフィーマスクによる光分解により選択的に脱保護し、そして第2の保護されたヌクレオシドホスホラミダイトと反応させる。望ましいプローブが完成するまで結合/脱保護過程を繰り返す。
実例としては、Affymetrix HG-U133-Plus-2 GeneChipsのような遺伝子チップを用いてメッセンジャーRNAのレベルを測定することにより転写活性を評価することができる。したがって再現性のある系で(同時に数百の遺伝子の)RNAのハイスループットリアルタイム定量が可能となる。
「ハイブリダイゼーション」とは一つまたはそれより多いポリヌクレオチドが反応してヌクレオチド残基の塩基間の水素結合を介して安定化される複合体を形成する反応を指す。水素結合はWatson−Crick塩基対形成、Hoogstein結合により、または任意のその他の配列特異的様式で生じ得る。複合体はらせん構造を形成する2本の鎖、多重鎖複合体を形成する3本もしくはそれより多い鎖、1本の自己ハイブリダイズする鎖またはこれらの任意の組み合わせを含んでなり得る。ハイブリダイゼーション反応はPCR反応の開始またはリボザイムによるポリヌクレオチドの酵素的切断のようなさらに広範な過程における工程を構成し得る。
異なる「ストリンジェンシー」条件下でハイブリダイゼーション反応を実施することができる。一般的に低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション反応は約40℃で10×SSCまたは均等なイオン強度/温度の溶液中で実施される。中程度のストリンジェンシーハイブリダイゼーションは典型的には約50℃で6×SSC中で実施され、そして高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション反応は一般的に約60℃で1×SSC中で実施される。
ハイブリダイゼーションが2本の一本鎖ポリヌクレオチド間の逆平行立体配置で生じる場合、反応は「アニーリング」と称され、そしてこれらのポリヌクレオチドは「相補的」として記載される。第1のポリヌクレオチドの鎖と第2のものとの間でハイブリダイゼーションを生じ得る場合、二本鎖ポリヌクレオチドは他方のポリヌクレオチドに対して「相補的」または「相同的」であり得る。一般的に認められている塩基対形成の規則にしたがって、「相補性」または「相同性」(一方のポリヌクレオチドが他方と相補的である程度)を、互いに水素結合を形成すると予測される、対する鎖の塩基の比率に関して定量化することができる。
ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド領域(またはポリペプチドもしくはポリペプチド領域)は他方の配列に対して特定のパーセンテージ(例えば80%、85%、90%または95%)の配列同一性を有し、アラインされた場合、二つの配列を比較するとそのパーセンテージの塩基(またはアミノ酸)が同一であることを意味する。このアラインメントおよび相同性パーセントまたは配列同一性を当分野において公知のソフトウェアプログラム、例えばCURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(F.M. Ausubel et al., eds., 1987)Supplement 30, section 7.7.18, Table 7.7.1. に記載されるものを用いて決定することができる。好ましくは、デフォルトパラメーターがアラインメントに使用される。好ましいアラインメントプログラムはデフォルトパラメーターを用いるBLASTである。とりわけ好ましいプログラムは以下のデフォルトパラメーターを用いるBLASTNおよびBLASTPである:遺伝子コード=スタンダード;フィルター=なし;鎖=双方;カットオフ=60;期待値=10;マトリックス=BLOSUM62;記述=50配列;ソート=HIGH SCORE;データベース=非冗長、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS翻訳+SwissProtein+SPupdate+PIR。これらのプログラムの詳細を以下のインターネットアドレス: www.ncbi.nlm.nih.gov/cgi−bin/BLASTで見出すことができる。
「細胞増殖性障害」なる用語は細胞成長および/もしくは分割異常または機能の喪失を特徴とする正常な生理学的機能の調節不全を含むものとする。「細胞増殖性障害」の実例には限定するものではないが、過形成、新生物、異形成、および種々の自己免疫障害、例えばT細胞アポトーシスの調節不全を特徴とするものが挙げられる。
過形成は、構造または機能において有意に変化することなく、組織または器官の細胞数の増加を伴う制御された細胞増殖の形態である。異形成は、ある型の十分に分化した細胞が別の型の分化した細胞と置換される制御された細胞成長の形態である。上皮または結合組織細胞において異形成を生じ得る。非定型異形成は幾分無秩序な化生上皮を伴う。
本明細書で使用される際には、「新生物細胞」、「新生物疾患」、「新生物」、「腫瘍」、「腫瘍細胞」、「癌」および「癌細胞」(互換的に使用される)は相対的に自律的な成長を呈し、そのためにそれらは細胞増殖の制御の有意な喪失(すなわち調節解除された細胞分割)を特徴とする異常な成長表現型を呈する細胞を指す。新生物細胞は悪性または良性でよい。転移性細胞または組織とは、細胞が隣接する身体構造に浸潤し、そして破壊することができることを意味する。
腫瘍成長を「抑制すること」は感作された抗原特異的免疫エフェクター細胞と接触していない成長と比較した場合、縮小されている成長状態を示す。限定するものではないが、腫瘍サイズを測定すること、Hチミジン取り込みアッセイを用いて腫瘍細胞が増殖しているかどうかを決定すること、または腫瘍細胞を計数することを含む任意の当分野において公知の手段により腫瘍細胞成長を評価することができる。腫瘍細胞成長を「抑制すること」とは以下の状態のいずれかまたは全てを意味する:腫瘍成長を緩徐化、遅延化および停止させること、ならびに腫瘍収縮。
「組成物」はまた活性薬剤および別の担体、例えば化合物または組成物、不活性(例えば検出可能な薬剤または標識)または活性な例えば佐剤、希釈剤、結合剤、安定剤、バッファー、塩、親油性溶媒、保存剤、佐剤等の組み合わせを包含すると意図される。担体にはまた医薬用賦形剤および添加剤タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質および炭水化物(例えば単糖類、二糖類、三糖類、四糖類およびオリゴ糖;アルジトール、アルドン酸、エステル化糖等のような糖誘導体;ならびに多糖類または糖重合体)も含まれ、それはそれだけでまたは組み合わせで1−99.99重量または容量%含んでなり、単独でまたは組み合わせで存在し得る。タンパク質賦形剤の実例には、人血清アルブミン(HSA)のような血清アルブミン、組換えヒトアルブミン(rHA)、ゼラチン、カゼイン等が含まれる。緩衝能力を発揮することもできる代表的なアミノ酸/抗体構成要素にはアラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リジン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテーム等が含まれる。炭水化物賦形剤もまた本発明の範囲内であると意図され、その実例には限定するものではないが、フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D−マンノース、ソルボース等のような単糖類;ラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオース等のような二糖類;ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプン等のような多糖類;ならびにマンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、ソルビトール(グルチトール)およびミオイノシトールのようなアルジトールが挙げられる。
担体なる用語はさらにバッファーまたはpH調整剤を含み;典型的にはバッファーは有機酸または塩基から調製される塩である。代表的なバッファーにはクエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸またはフタル酸の塩のような有機酸の塩;トリス、塩酸トロメタミンまたはリン酸塩バッファーが含まれる。さらなる担体にはポリビニルピロリドン、フィコール(糖重合体)、デキストレート(例えば2−ヒドロキシプロピル−クワドラチャ(.quadrature.)−シクロデキストリンのようなシクロデキストリン)、ポリエチレングリコール、着香剤、抗菌剤、甘味剤、抗酸化剤、帯電防止剤、界面活性剤(例えば「TWEEN20」および「TWEEN80」のようなポリソルベート)、脂質(例えばリン脂質、脂肪酸)、ステロイド(例えばコレステロール)およびキレート剤(例えばEDTA)のような重合体賦形剤/添加剤が含まれる。
本明細書で使用される際には「薬学的に許容される担体」なる用語はリン酸塩緩衝生理食塩水、水、および油/水または水/油エマルジョンのようなエマルジョン、ならびに種々の型の湿潤剤のようないずれかの標準的な医薬用担体を包含する。組成物はまた安定剤および保存剤ならびにいずれかの前記で記された担体を添加剤(ただしそれらはインビボでの使用が許容されている)と共に含むことができる。担体、安定剤および佐剤の実例に関してはMartin REMINGTON'S PHARM. SCI., 15th Ed.(Mack Publ. Co., Easton(1975)およびWilliams & Williams(1995)、ならびに「PHYSICIAN'S DESK REFERENCE」52nd ed., Medical Economics, Montvale, N.J.(1998)を参照のこと。
「有効量」は有利なまたは望ましい結果を起こすのに十分な量である。1回またはそれより多い投与、適用または投薬で有効量を決定することができる。
「対象」、「個体」または「患者」は本明細書では互換的に用いられ、それには脊椎動物、好ましくは哺乳動物、さらに好ましくはヒトを指す。哺乳動物には限定するものではないが、マウス、サル、ヒト、家畜、競技用動物および愛玩動物が含まれる。
「FGFR3」は線維芽細胞成長因子受容体3に関する頭字語である。線維芽細胞成長因子は有糸分裂誘発、血管形成および創傷治癒を含む種々の作用に関与するポリペプチド成長因子のファミリーである。それらは2または3個のいずれかの免疫グロブリン(Ig)様ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞質チロシンキナーゼドメインを有する細胞外ドメインを含有する。FGFR3はKeegan et al., PNAS, 88:1095−1099(1991)によりクローン化された。t(4;14)多発性骨髄腫患者における活性型FGFR3の阻止はアポトーシスを導くと考えられる。Trudel, et al., Blood, 105(7):2941−2948(2005);Grand, et al., Leukemia, 18:962−966(2004)。
本明細書で使用される際には、FGFR3の「阻害剤」は結合もしくは遮断するか、またはFGFR3の効果を低減させる。実例には限定するものではないが、CHIR−258および関連化合物SU−5402、PD−173074およびsiRNAが挙げられる。
「バイオマーカー」は生物学的過程もしくは事象の独特な指標または具体的な特質または特徴である。本明細書で使用される際には、バイオマーカーは遺伝子である。バイオマーカーは疾患の進行または所定の処置に対する応答を測定するのに特に有用であり得る。予後の評価に加えて、病気を診断するか、または特定の型の処置に対して応答する可能性が最も高いもののような、あるカテゴリー内の患者をスクリーニングするためにそれを用いることができる場合もある。バイオマーカーはまた疾患の処置のための薬剤の開発または投与を導くのにも有用であり得る。
前記で記したように、本発明は処置に適当な患者を同定する方法および処置を受ける患者において応答をモニタリングする方法を提供する。本明細書にて開示されるバイオマーカーを利用することによる処置の方法および投薬量を調整する方法もまた提供される。適切な阻止化合物を同定する方法もまた本発明の範囲内である。
本発明はまた種々の薬剤のためのスクリーニングおよび当分野において公知の抗FGFR3治療を補足するかまたは代替えすることができる方法をも提供する。一つの態様では、薬剤は単独で、または別の薬剤もしくは治療方法との組み合わせで患者に提供される。投与の後、患者からの試料を本明細書にて同定される一つまたはそれより多いバイオマーカーの発現に関してスクリーニングし、そして次に予め決定されたベースラインと比較する。
FGFR3阻害剤および本発明の方法を実施するのに必要な説明書を含有するキットもまた本発明の範囲内である。
本発明の実施に関するさらなる詳細を以下で論じる。
バイオマーカー
今ではその発現がFGFR3の阻止に相関する遺伝子のパネルが同定されている。遺伝子発現の存在もしくは不在または本明細書にて同定される一つもしくはそれより多いバイオマーカーの遺伝子発現のレベルもしくは量を用いて処置決定を導き、そして所定の型の処置に対する患者の応答性を測定することができる。例えば遺伝子発現の存在もしくはその欠如、または表I−Vで同定される一つもしくはそれより多いバイオマーカーの予め決定されたベースラインと比較した遺伝子発現のレベルの変化の検出により、患者がCHIR−258または別のFGFR3阻害剤による処置に適当な候補であり得るかどうかに関する情報が提供される。
任意のまたは全ての以下のバイオマーカーが特に興味深いものであり得ることは留意すべきである:CCL3、LOC150271、CD48、DUSP4、ITGB7、DUSP6、ANXA9、CR2、AL531683、ZNF589、AW274468、FRMD3、LTBおよびWDR42A。
当業者に明白であるように、遺伝子発現生成物(例えばRNA、mRNAまたはタンパク質もしくはポリペプチド転写物)の存在もしくは不在、または存在および/または絶対量もしくは相対量、または遺伝子コピー数の変化を検出することにより遺伝子発現を測定することができる。いくつかの実施態様では、発現変化はコピー数の増加の結果である可能性がある。代替えの実施態様では、発現変化は腫瘍サプレッサーまたはその他の負のレギュレーターのような別の遺伝子の機能の喪失の結果である可能性がある。なおさらなる実施態様では、発現はエンハンサーの「スイッチを入れる」ことにより変化する。したがって、対照またはベースラインと比較されるような発現変化を検出するために用いられる具体的な方法は異なり、そして選択される特定のバイオマーカーに依存し得る。なおさらなる実施態様では、その方法は一つより多い方法による、例えば免疫化学的および遺伝子チップもしくはアレイのような分子技術の使用による、一つまたはそれより多い予め決定されたバイオマーカーの遺伝子発現の分析を必要とする。

表IからVを以下に提示し、そして本開示の不可欠な部分を構成する。
表Iはその発現がFGFR3阻止に関係する活性の指標であるバイオマーカーの一覧表である。
表IIは本発明の一つの態様による表Iの好ましいサブセットであり、概してFGFR3阻止に対する応答においてベースラインに比較して遺伝子発現の変化のレベルが高いバイオマーカーを列挙している。
表IIIは本発明の一つの態様による表Iのさらに好ましいサブセットであり、概してFGFR3阻止に対する応答においてベースラインに比較して遺伝子発現の変化のレベルが高いバイオマーカーを列挙している。
表IVは本発明の第2の態様による表Iの好ましいサブセットであり、概して好ましい化合物CHIR−258によるFGFR3阻止に対する応答において、遺伝子発現の最も強い相関性を呈するバイオマーカーを列挙している。
表Vは本発明の第2の態様による表Iのさらに好ましいサブセットであり、概してSU−5402またはPD−173074よりむしろ、好ましい化合物CHIR−258によるFGFR3阻止に対する応答において遺伝子発現の最も強い相関性を呈するバイオマーカーを列挙している。
表IからVの各々では、バイオマーカーをEntrez遺伝子ID番号(国立癌研究所データベース識別子参照)、遺伝子記号および遺伝子の説明と共に示す。
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表Iまたはいずれかのそのサブセット、表IIからVのバイオマーカーの遺伝子発現はFGFR3の阻止に応答して上方または下方調節され得る。バイオマーカーの一つの遺伝子発現の存在の検出が、処置のための患者を同定するか、または処置に対する好ましい応答の指標を提供するのに十分であり得る場合がある。遺伝子発現の高レベルの変化により提供される指針、または特定の阻止化合物との強い相関性が好ましい場合もある。
さらに、特定の細胞増殖性障害の処置に最も適当な患者を同定することは、二つもしくはそれより多いバイオマーカーの遺伝子発現のレベルの変化を検出することにより、または具体的なバイオマーカーの組み合わせにより、またはさらには遺伝子発現の変化の検出により最もよく達成され得ることが見出され得る場合もある。例えば表Iで同定される特定の二つのバイオマーカーは所定の症状と最も相関し、そしてしたがって特定の処置を導くことができる。これに代えて二つの特定のバイオマーカーの遺伝子発現の相対レベルの比率は患者にとっての所定の処置の適合性の指標であり得る。特定の症状は一つもしくはそれより多い特定のバイオマーカーの上方調節および/または一つもしくはそれより多い特定のバイオマーカーの下方調節のような徴候を有し得ることも企図される。
遺伝子発現のレベルの変化をベースラインレベルと比較することができる。いくつかの方式でベースラインレベルを確立することができる。例えば患者の処置に対する応答をモニタリング方法では、試料を患者から入手し、そして患者にFGFR3阻害剤を導入する前に遺伝子発現の測定のための試験を行うことができる。したがって、処置を受けたことのない個体の、存在する場合バイオマーカーの遺伝子発現レベルのプロファイルをその個体に関するベースラインとして提供することができ、そして後に一度処置が開始されて得られた試料に関して実施された試験を個体のベースラインと比較することができる。これに代えて健常もしくは処置を受けたことのない個体のプールから、またはさらには適切な細胞培養から得られた遺伝子発現レベルに関する情報を確固たるものにするための手引きを創成することによりベースラインを確立することができる。さらに、特定のバイオマーカーの遺伝子発現のベースラインレベルに関する情報を公開された供給源または遺伝子データベースから集めることができる。
一つの態様では、治療上有効量または治療上有効量以下の量のいずれかである、一定量のFGFR3の阻害剤の投与後の患者から、いくつかの目的のために十分であり得る試料を単離する。本発明に用いられる細胞または組織試料は体液、固体組織試料、組織培養物またはそこから誘導された細胞およびその子孫、ならびにいずれかのこれらの供給源から調製された切片もしくは塗抹、または遺伝情報を含有し得る任意のその他の試料を包含する。バイオマーカーの発現の測定を以下でさらに詳細に説明する。
FGFR3の阻害剤
FGFR3の低分子阻害剤のいくつかの実例にはCHIR−258(Chiron Corporation)、SU−5402(Pfizer, Inc.)およびPD−173074(Pfizer, Inc.)が挙げられる。
CHIR−258の化学構造および化学名を以下に示す。
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CHIR−258
4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]キノリン−2(1H)−オンは線維芽細胞成長因子受容体(FGF−RTK)のようなVEGF−RTK、PDGF−RTKおよびその他の受容体チロシンキナーゼの低分子阻害剤である。この化合物は特許およびいくつかの特許出願に記載されており、その全開示を全ての目的のために出典明示により本明細書の一部とする:米国特許第6605617号、米国特許出願第10/644055号、米国仮特許出願第60/405729号、第60/428210号および第60/484048号。
関連化合物が記されたような出典明示により本明細書の一部とされる特許および出願に開示されている。最近では4−アミノ−5−フルオロ−3−[5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]キノリン−2(1H)−オンのようなキノリノンベンゾイミダゾリル化合物および4−アミノ置換キノリノンベンゾイミダゾリル化合物を含む多くの置換キノリノン化合物が第WO02/22598号、第WO2004/043389号、第WO2005/047244号、米国特許出願公開第2004/0220196号、米国特許出願公開第2005/0137399号、第WO2005/046590号および第WO2005/046589号のような参照文献に開示されている。かかる化合物はVEGF−RTKを阻止するとして開示されている。かかる化合物はまた米国特許出願公開第2002/0107392号および米国特許出願公開第2003/0028018号および米国特許第6605617号、6774237号、第6762194号および第6800760号にも開示されている。その他のかかる化合物はセリン/スレオニンキナーゼおよびチロシンキナーゼの阻止におけるかかる化合物の新規用途と共に開示され、第WO2004/018419号および米国特許出願公開第2004/0092535号(2003年8月19日出願)に開示され、そして以下の仮出願の各々に対する優先権を主張している:米国仮特許出願第60/405729号(2002年8月23日出願);米国仮特許出願第60/426107号(2002年11月13日出願);米国仮特許出願第60/426226号(2002年11月13日出願);米国仮特許出願第60/426282号(2002年11月13日出願);米国仮特許出願第60/428210号(2002年11月21日出願);米国仮特許出願第60/460327号(2003年4月3日出願);米国仮特許出願(2003年4月3日出願);米国仮特許出願第60/460493号(2003年4月3日出願);米国仮特許出願第60/478916号(2003年6月16日出願);および米国仮特許出願第60/484048号(2003年7月1日出願)。さらなる開示はキノリノン化合物に関し、そしてその使用は米国仮特許出願第60/680722号(2005年5月13日出願);米国仮特許出願第60/681893号(2005年5月17日出願);米国仮特許出願第60/546395号(2004年2月20日出願);米国仮特許出願第60/547103号(2004年2月23日出願);米国仮特許出願第60/554771号(2004年3月19日出願);米国仮特許出願第60/647568号(2005年1月27日出願);米国仮特許出願第60/669245号(2005年4月6日出願);米国仮特許出願第60/538594号(2004年1月23日出願);米国仮特許出願第60/683999号;(2005年5月23日出願);米国特許出願第11/061386号(2005年2月18日出願);米国特許出願第11/041191号(2005年2月21日出願);およびPCT出願第PCT/US2005/05316号(2005年2月18日出願)に示される。ベンゾイミダゾリルキノリノンに関係する複素環式化合物が最近第WO02/18383号、米国特許出願公開第2002/0103230号および米国特許第6756383号に開示されている。このパラグラフの参照文献の各々を、あたかも完全に示されているかのごとくに、その全てを、および全目的のために出典明示により本明細書の一部とする。
SU−5402化合物は3−[3−(2−カルボキシエチル)−4−メチルピロール−2−メチリデニル]−2−インドリノンであり、そして以下の式を有する。
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SU−5402
PD−173074化合物は以下で示される化合物構造および化学名を有する。
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PD173074
1−tert−ブチル−3−[6−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−(4−ジエチルアミノブチルアミノ)−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−ウレア
遺伝子発現の測定
先に記したように、遺伝子発現の測定を患者から得られた試料、好ましくは生物学的試料に関して実施する。例えば患者に採血または組織生検を行うことができ、そして得られた試料に関して測定を行うことができる。利用される技術に依存して、試料の単離された分画または原位置で試験を実施することができる。
目的のバイオマーカーの遺伝子発現の存在の検出および/またはベースラインと比較した遺伝子発現におけるレベルの変化の検出は標準的な技術を利用することができる。
例えば遺伝子から転写されたmRNAの量または遺伝子から転写されたmRNAの逆転写から生成されたcDNAの量または遺伝子によりコードされるポリペプチドもしくはタンパク質の量の検出を含む任意の適切な方法により検出を行うことができる。これらの方法を試料ごとに実施するか、またはハイスループット分析用に改変することができる。加えて細胞試料から単離された量的に全部のまたは一部の転写物またはタンパク質配列を含有するデータベースを検索し、そして転写物または発現された遺伝子生成物の存在および量に関して分析することができる。
mRNAレベルの変化に関するアッセイでは、当分野における標準的な方法にしたがって前記した試料に含有される核酸を最初に抽出する。例えば、前出のSambrook et al.(1989)に示される手順にしたがって種々の溶解性酵素もしくは化学的溶液を用いてmRNAを単離するか、または製造者により提供された添付の説明書に沿って核酸結合樹脂により抽出することができる。次いで抽出された核酸試料中に含有されるバイオマーカーのmRNAをハイブリダイゼーション(例えばノーザンブロット分析)および/または当分野において広く公知の方法によるかもしくは本明細書に例示する方法に基づく増幅手順により検出する。
少なくとも10ヌクレオチドを有し、そして本明細書に記載されるバイオマーカーに相補的または相同的な配列を呈する核酸分子はハイブリダイゼーションプローブとして有用であることがわかっている。特異的ハイブリダイゼーションに「完全に対合した」プローブが必要というわけではないということは当分野において公知である。少数の塩基の置換、欠失または挿入により達成されるプローブ配列におけるわずかな変化はハイブリダイゼーション特異性に影響しない。一般的に20%ほどの塩基対誤対合(最適にアラインされた場合)は容認され得る。
特定の実施態様では、標識のようなハイブリダイゼーションを検出するための適切な手段、およびしたがって相補的配列と組み合わせたプローブまたはプライマーを用いるのが有利であろう。検出可能なシグナルを発することができる、アビジン/ビオチンのような蛍光、放射活性、酵素的またはその他のリガンドを含む非常に多様な適切な指標手段が当分野において公知である。好ましい実施態様では、放射活性またはその他の環境に望ましくない試薬の代わりに、蛍光標識またはウレアーゼ、アルカリ性ホスファターゼもしくはペルオキシダーゼのような酵素タグを用いることが望まれる可能性があろう。酵素タグの場合、肉眼で可視的な、または分光光度法で相補的核酸含有試料との特異的ハイブリダイゼーションを同定するための手段を提供するために用いることができる比色指示薬基質が公知である。
様々な「ストリンジェンシー」の条件下でハイブリダイゼーション反応を実施することができる。関連条件には温度、イオン強度、インキュベーション時間、ホルムアミドのような反応混合物中のさらなる溶質の存在および洗浄手順が含まれる。高ストリンジェンシー条件は高温および低ナトリウムイオン濃度のようなこれらの条件であり、それは安定したハイブリダイゼーション複合体を形成するためにハイブリダイズするエレメント間のより高度な最低相補性を要する。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーを高める条件は広く公知であり、そして当分野において公開されている。例えば(Sambrook, et al.,(1989)、前出)。
簡単には複数のRNAが前記されたような細胞または組織試料から単離される。場合によっては遺伝子転写物をcDNAに変換することができる。(複数の)バイオマーカー転写物の試料採取が配列特異的分析に供し、そして定量する。これらの遺伝子転写物配列の存在度をベースラインと比較する。
これに代えてPCRのような増幅方法を用いてバイオマーカーの遺伝子コピー数、転写または翻訳のいずれか一つを決定することができる。PCRのための一般的な手順はMacPherson et al., PCR: A PRACTICAL APPROACH, (IRL Press at Oxford University Press(1991))にて教示される。しかしながら、各適用反応に用いられるPCR条件は経験的に決定される。多くのパラメーターが反応の成功に影響する。とりわけアニーリング温度および時間、伸長時間、Mg2+ATP濃度、pHならびにプライマー、鋳型およびデオキシリボヌクレオチドの相対濃度である。増幅後、得られたDNAフラグメントをアガロースゲル電気泳動、続いて臭化エチジウム染色および紫外線照明により検出することができる。
一つの態様では、バイオマーカーに適切なプローブに特異的にハイブリダイズするプローブに対するハイブリダイゼーションによりそのバイオマーカーを検出および定量する。当分野において公知の方法を用いてハイスループットスクリーニングアッセイで使用するための固体支持体にプローブを結合させることもできる。PCT第WO97/10365号および米国特許第5405783号、第5412087号および第5445934号は、例えば本明細書に開示される一つまたはそれより多い配列を含有し得る高密度オリゴヌクレオチドチップの構築を開示している。米国特許第5405783号、5412087号および第5445934号に開示される方法を用いて本発明のプローブを誘導体化ガラス表面に合成する。光保護されたヌクレオシドホスホラミダイトをガラス表面に結合させ、フォトリソグラフィーマスクによる光分解により選択的に脱保護し、そして第2の保護されたヌクレオシドホスホラミダイトと反応させる。望ましいプローブが完成するまで結合/脱保護過程を繰り返す。
一つの態様では、核酸試料をプローブ修飾チップに暴露することによりバイオマーカーの発現レベルを決定する。例えば抽出された核酸を、好ましくは増幅工程の間に蛍光タグで標識する。標識された試料のハイブリダイゼーションを適切なストリンジェンシーレベルで実施する。共焦点顕微鏡のような検出装置を用いてプローブ−核酸ハイブリダイゼーションの程度を定量する。米国特許第5578832号および第5631734号を参照のこと。
別の実施態様では、治療応答の予測になることが予め決定されている二つまたはそれより多いバイオマーカーを検出および比較することにより方法を実施する。なおさらなる実施態様では、複数のバイオマーカー(例えば前出の表IからVを参照)を本発明の方法において使用する。これらの実施態様では、バイオマーカーまたは目的のバイオマーカーに特異的にハイブリダイズし、そして認識するプローブを、高密度オリゴヌクレオチドプローブアレイ上で整列させ、非常に多くの遺伝子の発現をモニタリングする有効な手段を提供する。
別の好ましい実施態様では、本発明の方法を用いて薬物または生物学的のような規定の刺激に対する応答において、本発明のプローブに特異的にハイブリダイズする遺伝子の発現をモニタリングする。
一つの実施態様では、試料核酸に結合した一つまたはそれより多い標識を検出することによりハイブリダイズされた核酸を検出する。当分野において周知の多くの手段のいずれかに標識を組み込むことができる。しかしながら、一つの態様では、試料核酸の調製における増幅工程の間に標識を同時に組み込む。したがって例えば標識されたプライマーまたは標識されたヌクレオチドを用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は標識された増幅生成物を提供するであろう。別個の実施態様では、標識されたヌクレオチド(例えば蛍光標識UTPおよび/またはCTP)を用いる前記したような転写増幅は、転写される核酸に標識を組み込む。
これに代えて、元来の核酸試料(例えばmRNA、ポリA、mRNA、cDNA等)に、または増幅を完了した後の増幅生成物に直接標識を加えることができる。核酸に標識を結合させる手段は当業者に周知であり、例えばニック翻訳または、核酸のリン酸化(kinasing)および続く試料核酸を標識(例えばフルオロフォア)に連結する核酸リンカーの結合(ライゲーション)による末端標識(例えば標識されたRNAを用いる)が含まれる。
本発明において使用するのに適当な検出可能な標識には、分光光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的または化学的手段により検出可能な任意の組成物が含まれる。本発明において有用な標識には標識されたストレプトアビジン抱合体で染色するためのビオチン、磁性ビーズ(例えばDynabeads(商標))、蛍光色素(例えばフルオレセイン、テキサスレッド、ローダミン、緑色蛍光タンパク質等)、放射性標識(例えばH、125I、35S、14Cまたは32P)、酵素(例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼおよびELISAで一般的に用いられるその他のもの)、およびコロイド金または着色ガラスもしくはプラスチック(例えばポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックス等)ビーズのような比色分析用標識が含まれる。かかる標識の使用を教示する特許には米国特許第3817837号;第3850752号;第3939350号;第3996345号;第4277437号;第4275149号;および第4366241号が含まれる。
かかる標識を検出する手段は当分野において周知である。したがって例えば写真用フィルムまたはシンチレーションカウンダーを用いて放射性標識を検出することができ、放射光を検出する光検出器を用いて蛍光マーカーを検出することができる。酵素標識は典型的には酵素を基質と共に提供し、そして酵素の基質に及ぼす作用により生成される反応生成物を検出することにより検出され、そして比色分析用標識は着色ビーズを単純に可視化することにより検出される。
第WO97/10365号にさらに詳細に記載されるように、ハイブリダイゼーションの前または後に標的(試料)の(複数の)核酸に標識を加えることができる。これらはハイブリダイゼーションの前に標的(試料)核酸に直接結合または組み込む検出可能な標識である。対照的に「間接標識」はハイブリダイゼーションの後にハイブリッド二本鎖に連結させる。しばしばハイブリダイゼーションの前に標的核酸に結合している結合部分に間接標識を結合させる。したがって例えば、標的核酸をハイブリダイゼーションの前にビオチン化することができる。ハイブリダイゼーションの後、アビジン抱合フルオロフォアは、容易に検出される標識を提供するハイブリッド二本鎖を担持するビオチンに結合するであろう。核酸を標識し、そして標識され、ハイブリダイズされた核酸を検出する方法の詳細な概説に関してはLABORATORY TECHNIQUES IN BIOCHEMISTRY AND MOLECULAR BIOLOGY, Vol. 24: Hybridization with Nucleic Acid Probes, P. Tijssen, ed. Elsevier, N.Y.(1993)を参照のこと。
試料の複雑性を低減し、それによりバックグラウンドシグナルを低下させ、そして測定の感度を改善するために、第WO97/10365号に開示される方法を用いて核酸試料をハイブリダイゼーション前に高密度プローブアレイに修飾することができる。
典型的にはチップアッセイの結果を、コンピューターソフトウェアプログラムを用いて分析する。例えば欧州特許第0717113(A2)号および第WO95/20681号を参照のこと。ハイブリダイゼーションデータを標的とされた(複数の)遺伝子の発現レベルを計算するプログラムに読み込む。数字を疾患個体および健常個体に関する遺伝子発現レベルの既存のデータセットと比較することができる。得られたデータと予め決定された一連のベースラインのデータとの相関性は治療に対して応答する可能性のある患者を同定する。
予め決定された治療、例えば抗FGFR3治療に応答する可能性のある患者の同定に有用なデータベースもまた本出願の範囲内であり、ここでデータベースは、当分野において公知のバイオインフォマティクス技術を用いて患者の試料を比較することできるベースライン遺伝子発現データの組み合わせを含有する。
予め決定されたベースライン情報を、治療に応答する患者を同定する遺伝子の標準化された提示のためのデータ処理系のようなデジタル記憶媒体に保存する。データ処理系は二つの試料間の遺伝子発現を分析するのに有用である。適当な試料を患者から単離し、そして次に当分野において公知の方法を用いて細胞または試料の遺伝子型または表現型を決定する。一つの態様では、試料中に存在する場合、バイオマーカーの核酸をシークエンシングし、そしてコードに転写する。相同検索技術を用いて試料からの配列(コード形態)をデータベースに存在する(複数の)配列と比較する。被験配列と表IからVで同定されたバイオマーカーにより同定された少なくとも一つの配列との間の90%を超える、またはこれに代えて95%を超える、またはこれに代えて97%以上の配列同一性が、バイオマーカーからのポリヌクレオチドが患者試料から単離されているという陽性の指標である。
タンパク質生成物を試験することによりバイオマーカーの発現レベルを決定することもできる。タンパク質レベルを決定することは(a)バイオマーカーの発現生成物を含有する生物学的試料を提供し;そして(b)試料中のバイオマーカーの発現生成物を選択的に認識し、そして結合する抗体間で生じる任意の免疫特異的結合の量を測定することを伴い、ここで免疫特異的結合の量はバイオマーカー発現のレベルを示す。次いでこの情報を予め決定されたベースラインと比較し、そして分析して治療に適当なこれらの患者を同定する。
当分野ではタンパク質分析に関して種々の技術が利用可能である。それには限定するものではないが、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫放射線測定法)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫放射線測定法、インサイチュイムノアッセイ(例えばコロイド金、酵素または放射性同位元素標識を用いる)、ウェスタンブロット分析、免疫沈殿アッセイ、免疫蛍光アッセイおよびPAGE−SDSが含まれる。
バイオマーカーの発現生成物のタンパク質生成物を特異的に認識し、そして結合する抗体がイムノアッセイには必要である。これを商業的な製造供給元から購入するか、または当分野において周知の方法を用いて作成およびスクリーニングすることができる。Harlow and Lane(1988)前出およびSambrook et al.(1989)前出を参照のこと。
処置
活性型FGFR3の阻止はアポトーシスを誘導することが示されている(Trudel, et al., Blood, 105(7):2941−2948(2005))。FGFR3阻害剤、特にFGFR3のチロシンキナーゼ低分子阻害剤(SMI)の投与により患者を有利に処置することができる。したがって本発明による処置は本明細書にて開示されるもののような一つまたはそれより多い低分子FGFR3阻害剤の投与を構成し得る。
これに代えて低分子阻害剤をその他の処置と組み合わせて使用することができる。例えば低分子である阻害剤、例えば生物学的製剤、ポリヌクレオチド、遺伝子治療等を継続中の処置に用いることができる場合もあり、一方低分子FGFR3阻害剤を候補者の同定における初期支援として最初に用いることもできる。
別法では、一つの阻害剤を遺伝子発現レベル測定工程の前に用いることができ、そして別のものを続いて用いることができる。
本発明の方法は細胞増殖疾患および特に新生物疾患の処置に有用である。
本明細書にて教示される遺伝子プロファイリング方法が特に有用である一つの疾患モデルは多発性骨髄腫である。多発性骨髄腫患者のおよそ15−20%のサブセットは受容体チロシンキナーゼ線維芽細胞成長因子受容体3(FGFR3)の異所性発現に関連するt(4;14)転座を示す染色体転座を有する。t(4;14)異常は典型的には、患者から採取された骨髄吸引液で実施される蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)分析のような細胞遺伝学的試験により診断される。t(4;14)多発性骨髄腫患者は予後が悪いが、本明細書で教示される方法は、これらを用いてFGFR3阻害剤で処置するためのかかる患者を同定し、かかる患者における処置に対する応答をモニタリングし、そして新しいおよび/または最適化されたFGFR3阻害剤の開発を助けるため大きな利益をもたらすことができるという点で新しい希望を与える。
本発明により利用される治療薬には、限定するものではないが低分子が含まれる。それはポリヌクレオチド、ペプチド、抗体、抗原提示細胞でよく、そして目的の遺伝子を発現する細胞を特異的に認識し、そして溶解する免疫エフェクター細胞を含む。当分野において公知の方法を用いて、対象または患者から単離された腫瘍細胞に対して一つまたはそれより多い薬剤をスクリーニングすることにより、対象または患者が薬剤の使用により有利に処置されるかどうかを決定することができる。
種々の分配系、例えばリポソームでのカプセル化、微粒子、マイクロカプセル、組換え細胞による発現、受容体媒介のエンドサイトーシス(例えばWu and Wu(1987)J. Biol. Chem. 262:4429−4432参照)、レトロウイルスまたはその他のベクターの一部としての治療用核酸の構築等が公知であり、そして本発明の方法にしたがって治療薬を投与するために用いられ得る。分配方法には限定するものではないが、動脈内、筋肉内、静脈内、鼻内および経口経路が含まれる。具体的な実施態様では、医薬組成物を、処置を必要とする部分に局所的に投与するのが望ましい場合があり;それは例えば限定するものではないが、外科的手術中の局所注入により、注射により、またはカテーテルを用いて達成され得る。
インビボ投与を一用量で、処置の期間中連続的または断続的に行うことができる。最も有効な手段および投与量を決定する方法は当業者に周知であり、そして治療に用いられる組成物、治療の目的、処置される標的細胞および処置される対象で異なるであろう。処置する医師により選択されている用量レベルおよびパターンで一回または多回投与を実施することができる。適当な投薬処方および薬剤を投与する方法は経験的に調整され得る。
本発明の方法により利用される医薬組成物は経口、鼻内、非経口的にまたは吸入治療により投与されることができ、そし錠剤、ロゼンジ、顆粒、カプセル、丸剤、アンプル、坐剤またはエアロゾル形態を取ることができる。それはまた水性もしくは非水性希釈剤、シロップ顆粒または粉末中の活性成分の懸濁液、溶液およびエマルジョンの形態を取ることもできる。重要な活性成分加えて、医薬組成物はまたその他の医薬用活性化合物または複数の本発明の組成物を含有することもできる。
さらに特に本発明にしたがって投与される薬剤を経口、直腸、鼻、局所(経皮、エアロゾル、バッカルおよび舌下を含む)、膣、非経口(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む)および肺を含む任意の適当な経路により治療用に投与することができる。好ましい経路はレシピエントの症状および年齢ならびに処置される疾患に応じて変わることもまた理解されよう。
理想的には、薬剤は疾患の部位で活性化合物のピーク濃度を達成するように投与されるべきである。これは例えば、場合によっては生理食塩水中、薬剤の静脈内注射により達成されるか、または例えば活性成分を含有する錠剤、カプセルまたはシロップとして経口投与され得る。薬剤の望ましい血中レベルを連続注入により維持して、疾患組織内で活性成分の治療量を提供することができる。操作の組み合わせを用いて、各個々の治療化合物または薬物がそれだけで用いられる場合に必要とされ得るよりも低い、各構成要素抗ウイルス薬の全投薬量を必要とする治療用組み合わせを提供することが企図され、それにより副作用が低減される。
薬剤をそれだけで投与することが可能であるが、前記で定義されるような少なくとも一つの活性成分をそのための一つまたはそれより多い薬学的に許容される担体および場合によってはその他の治療薬と一緒に含んでなる医薬処方としてそれを提示することが好ましい。各担体は処方のその他の成分と適合しているという意味で「許容され」なければならず、そして患者に有害であってはならない。
処方には経口、直腸、鼻、局所(経皮、バッカルおよび舌下を含む)、膣、非経口(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む)および肺投与に適当なものが含まれる。便利には処方を単位投薬形態で提示することができ、そして薬学の分野で周知の任意の方法により調製することができる。かかる方法には活性成分を一つまたはそれより多い副成分を構成する担体と結びつける工程が含まれる。一般的に活性成分を液体担体または微細に分割された固体担体または双方と均一にそして密に結びつけ、そして次に、必要により、生成物を成形することにより処方を調製する。
経口投与に適当な処方を、各々が予め決定された量の活性成分を含有するカプセル、カシェ剤もしくは錠剤のような別個の単位として;粉末もしくは顆粒として;水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として;または水中油液体エマルジョンもしくは油中水液体エマルジョンとして提示することができる。活性成分をボーラス、舐剤またはペーストとしても提示することができる。
場合によっては一つまたはそれより多い副成分と共に圧縮または成型することにより錠剤を作成することができる。適当な機械で、場合によっては結合剤(例えばポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えばデンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散剤と混合した粉末または顆粒のような流動性形態の活性成分を圧縮することにより圧縮錠剤を調製することができる。不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適当な機械で成型することにより湿製錠剤を作成することができる。場合によっては錠剤をコーティングまたは割線入りにすることができ、そして例えば種々の比率のヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いて、そこで活性成分の緩徐なまたは制御された放出を提供して望ましい放出プロファイルを提供するように処方することができる。場合によっては錠剤に腸溶コーティングを施して胃以外の消化管の部分で放出させることができる。
口中での局所投与に適当な処方には、着香された基剤、通常スクロースおよびアカシアまたはトラガント中に活性成分を含んでなるロゼンジ;ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアのような不活性基剤中に活性成分を含んでなる香錠;ならびに適当な液体担体中に活性成分を含んでなる洗口液が含まれる。
本発明による局所投与のための医薬組成物を軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾルまたは油として処方することができる。これに代えて処方は活性成分および場合によっては一つまたはそれより多い賦形剤または希釈剤を含浸させた絆創膏または付着性プラスターのようなパッチまたは包帯を含んでなることができる。
所望によりクリーム基剤の水相は、例えば少なくとも約30重量/重量%多価アルコール、すなわちプロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロールおよびポリエチレングリコールのような二つまたはそれより多いヒドロキシル基を有するアルコールならびにその混合物を含み得る。局所用処方は、皮膚またはその他の罹患部分を通る薬剤の吸収または浸透を増強する化合物を含み得るのが望ましい。かかる皮膚浸透促進剤の実例にはジメチルスルホキシドおよび関連類似体が挙げられる。
本発明にしたがって用いられる組成物のエマルジョンの油相は公知の様式で公知の成分から構成され得る。この相は単に乳化剤(そうでなければエマルゲント(emulgent)として公知)を含んでなることができるが、望ましくは少なくとも一つの乳化剤と脂肪もしくは油との、または脂肪および油の双方との混合物を含んでなる。好ましくは、親水性乳化剤は、安定剤として作用する親油性乳化剤と一緒に含まれる。油および脂肪の双方を含むのも好ましい。(複数の)安定剤を一緒に伴ってまたは伴わずに、(複数の)乳化剤はいわゆる乳化ワックスを作り上げ、そしてワックスは油および/または脂肪と一緒に、クリーム処方の油状分散相を形成するいわゆる乳化軟膏基剤を作り上げる。
本発明の処方において使用するのに適当なエマルゲントおよびエマルジョン安定剤にはTween60、Span80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリンおよびラウリル硫酸ナトリウムが含まれる。
医薬用エマルジョン処方で使用される可能性のあるほとんどの油における活性化合物の溶解性は非常に低いので、処方のための適当な油または脂肪の選択は望ましい外観特性を達成することに基づく。したがって好ましくは、クリームはチューブまたはその他の容器から漏出を回避するのに適当な稠度を有する、脂っぽくなく、非染色性で、そして洗い流せる生成物であるべきである。ジイソアジペート、ステアリン酸イソセチル、ココナッツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシルまたはCrodamol CAPとして公知の分岐鎖エステルの混和物のような直鎖状または分岐鎖、一または二塩基性アルキルエステルを用いることができ、最後の三つが好ましいエステルである。これらをそれだけで、または必要とされる特性に依存して組み合わせで用いることができる。
これに代えて白色軟パラフィンおよび/もしくは液体パラフィンまたはその他の鉱物油のような高融点脂質を使用することができる。
眼への局所投与に適当な処方にはまた、活性成分が適当な担体、特に薬剤のための水性溶媒中に溶解または懸濁される点眼薬も含まれる。
直腸投与用の処方を例えばココアバターまたはサリチラートを含んでなる適当な基剤と共に坐剤として提示することができる。
膣投与に適当な処方を、薬剤に加えて当分野において適切であると分かっているような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー処方として提示することができる。
担体が固体である鼻投与に適当な処方には例えば約20から約500ミクロンの範囲の粒子径を有する粗粉が含まれ、嗅ぎ薬を摂取する様式で、すなわち鼻に近寄せた粉末の容器から鼻腔を通って急速に吸入することによりそれを投与する。例えば鼻用スプレー、点鼻薬のような、またはネブライザーによるエアロゾル投与による、担体が投与用液体である適当な処方には薬剤の水性または油性溶液が含まれる。
非経口投与に適当な処方には、抗酸化剤、バッファー、静菌剤、および処方を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る水性または非水性等張滅菌注射用溶液;ならびに懸濁剤、濃化剤およびリポソーム、または化合物が血液構成成分または一つもしくはそれより多い器官を標的化するように設計されるその他の微粒子系を含み得る水性および非水性滅菌懸濁液が含まれる。処方を単位用量または多回用量;密閉容器、例えばアンプルおよびバイアル中で提示することができ、そして使用の直前に滅菌液体担体、例えば注射用水の添加のみを必要とする凍結−乾燥(凍結乾燥)状態で貯蔵することができる。即時注射溶液および懸濁液を先に記載した種類の滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
好ましい単位投薬処方は薬剤の、前記で引用したような一日用量もしくは単位、一日用量以下の量(subdose)またはその適切な分画を含有するものである。
Affymetrix HG-U133-Plus-2 GeneChipsを用いてヒト多発性骨髄腫腫瘍から誘導された細胞中のメッセンジャーRNA(mRNA)のレベルを測定することにより転写活性を評価した。
低分子阻害剤SU−5402、PD−173074(双方共にPfizer Inc.)およびCHIR−258(Chiron Corp.)で、FGFリガンドで、またはFGFR3サイレンシングRNA(siRNA)で処理された細胞中のmRNAの発現を未処理細胞(または後者の場合スクランブルsiRNA対照で処理された細胞)における発現と定量的に比較した。その他のFGFR3阻害剤に対する具体的な相違点および類似点をCHIR−258と比較した。
以下の多発性骨髄腫細胞系を使用した:
KMS11:Ras WT、FGFR3 Y373C変異体;CHIR−258処理に感受性あり;
KMS18:Ras WT、FGFR3 G384D変異体;CHIR−258処理に感受性あり;
H929:N13 Ras変異体、FGFR3野生型(WT);CHIR−258処理に抵抗性あり;
U266:Ras WT、FGFR3陰性;CHIR−258処理に抵抗性あり;
UTMC2:Ras WT、FGFR3 WT;CHIR−258処理に抵抗性あり。
生データに関してバイオインフォマティクス分析を実施して結果を提供した。
試験され、そして統計的に有意であると考えられた種々のFGFR3阻害剤に応答した遺伝子発現レベルの変化を用いて本明細書に開示される表Iおよびその種々のサブセットを作成した。本実験のパラメーター内で、表Iのバイオマーカーは一般的に1.5倍またはそれより大きい発現レベルの変化と相関するが、表IIのバイオマーカーは一般的に2倍またはそれより大きい発現レベルの変化と相関し、そして表IIIのバイオマーカーは一般的に4倍またはそれより大きい発現レベルの変化と相関する。表IVは、好ましい化合物CHIR−258による実験に関連する細胞系でのFGFR3阻止に応答した遺伝子発現の変化を示すデータで作成された。表Vは、好ましい化合物CHIR−258による実験に関連する細胞系でのFGFR3阻止に応答したが、その他の試験した低分子阻害剤ではそれほど有意な程度ではない、遺伝子発現の変化を示すデータで作成された。

Claims (66)

  1. 処置のための患者を同定する方法であって:
    一定量のFGFR3の阻害剤を患者に投与し;そして
    阻害剤の投与の後に患者から得られた試料を試験して表Iから選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を測定すること;
    を含んでなり、ここで少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現レベルの変化の検出が処置のための患者の候補の指標となる、方法。
  2. 処置のための患者を同定する方法であって:
    患者から得られた試料を試験して表Iから選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を測定すること;
    を含んでなり、ここで少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現の存在の検出が処置のための患者の候補の指標となる、方法。
  3. 細胞増殖性障害を処置することを必要とする患者の応答をモニタリングする方法であって:
    一定量のFGFR3の阻害剤を患者に投与し;そして
    阻害剤の投与の後に患者から得られた試料を試験して表Iから選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を測定すること;
    を含んでなり、ここで少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現レベルの変化の検出が患者の処置に対する好ましい応答の指標となる、方法。
  4. 細胞増殖性障害のためのFGFR3の阻害剤による処置に対する患者の応答をモニタリングする方法であって:
    患者から得られた試料を試験して表Iから選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を測定すること;
    を含んでなり、ここで少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現レベルの変化の検出が患者の処置に対する好ましい応答の指標となる、方法。
  5. 患者の細胞増殖性障害の処置においてバイオマーカーを利用する方法であって:
    一定量のFGFR3の阻害剤を患者に投与し;
    患者から得られた試料を試験して表Iから選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を測定し;そして
    少なくとも一つのバイオマーカーの発現のレベルの好ましい変化が最初の阻害剤の投与時に検出されるならば、続いて患者に同一または異なるFGFR3の阻害剤を投与することを含んでなる方法。
  6. 表Iに同定されるバイオマーカーのベースラインに比較して発現のレベルを変化させる治療上有効な量の薬剤を投与し、それにより多発性骨髄腫に関連する異常を阻止することを含んでなる多発性骨髄腫患者を処置する方法。
  7. 患者における細胞増殖性障害を処置するためのFGFR3の阻害剤の投薬量を調整する方法であって:
    初期量のFGFR3の阻害剤を患者に投与し;
    初期量の阻害剤の投与の後に表Iから選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現をモニタリングし;そして
    初期量の投与時に生じた一つまたは複数のバイオマーカーの発現の変化のレベルに基づいて続く患者への阻害剤の投与の量を調整すること;
    を含んでなる方法。
  8. 多発性骨髄腫の処置の可能性のあるFGFR3阻止化合物を同定するためかまたはFGFR3阻止化合物を多発性骨髄腫の処置のためのさらなる開発のために進展させる決断を導くためにバイオマーカーを利用する方法であって:
    化合物をKMS18またはKMS11細胞培養と接触させ;そして
    細胞培養の一部を試験して表Iから選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を測定すること;
    を含んでなり、ここで少なくとも一つのバイオマーカーの発現の変化の検出が処置のための化合物の同定または化合物をさらなる開発のために進展させる好ましい決断の指標である、方法。
  9. FGFR3の阻害剤での処置を必要とする患者に投与するための適切な該阻害剤を選択する方法であって:
    最初のFGFR3の阻害剤を患者に投与し;
    患者から得られた試料を試験して表Iから選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を試験し;そして
    少なくとも一つのバイオマーカーの発現のレベルの好ましい変化が最初の阻害剤の投与時に検出されるならば、続いて患者に最初のFGFR3の阻害剤を投与することを含んでなる、方法。
  10. 細胞増殖性障害の処置の可能性のあるFGFR3阻止化合物を同定するためにバイオマーカーを利用する方法であって:
    化合物を障害に関連する細胞系または組織と接触させ;そして
    接触後の細胞培養または組織の一部を試験してベースラインと比較して変化した少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を測定すること;
    を含んでなり、ここで少なくとも一つのバイオマーカーの発現の変化の検出が処置のための化合物の同定の指標である、方法。
  11. 表IIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が処置のための患者の候補の指標である、請求項1または2に記載の方法。
  12. 表IIIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が処置のための患者の候補の指標である、請求項1または2に記載の方法。
  13. 表IVに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が処置のための患者の候補の指標である、請求項1または2に記載の方法。
  14. 表Vに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が処置のための患者の候補の指標である、請求項1または2に記載の方法。
  15. 表IIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも二つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が処置のための患者の候補の指標である、請求項1または2に記載の方法。
  16. 遺伝子発現の測定がバイオマーカーにより転写されるRNAの量を検出することにより行われる、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  17. 遺伝子発現の測定がバイオマーカーにより転写されるRNAの逆転写から生成されるDNAの量を検出することにより行われる、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  18. 遺伝子発現の測定がバイオマーカーによりコードされるポリペプチドまたはタンパク質を検出することにより行われる、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  19. 少なくとも一つのバイオマーカーが遺伝子チップに操作可能なように連結されている、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  20. 少なくとも一つのバイオマーカーがコンピューター可読形式で提示される、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  21. 試験が表IからVのいずれか一つのバイオマーカーを含んでなる遺伝子チップと試料を接触させることを含んでなる、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  22. 検出工程がバイオマーカーの遺伝子発現レベルを遺伝子データベースと比較することを含んでなる、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  23. 処置が治療上有効量の同一または異なるFGFR3の阻害剤を患者に投与することを含んでなる、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  24. 処置が細胞増殖性障害のためのものである、請求項1または2に記載の方法。
  25. 処置が新生物疾患のためのものである、請求項1から5または9から10のいずれかに記載の方法。
  26. 処置が多発性骨髄腫のためのものである、請求項1から5または9から10のいずれかに記載の方法。
  27. 処置がt(4;14)多発性骨髄腫のためのものである、請求項1から5または9から10のいずれかに記載の方法。
  28. 阻害剤がCHIR−258、SU−5402およびPD−173074からなる群から選択される、請求項1から4、7または9から10のいずれかに記載の方法。
  29. 阻害剤がCHIR−258である、請求項1から4、7または9から10のいずれかに記載の方法。
  30. バイオマーカーがCCL3、LOC150271、CD48、DUSP4およびITGB7からなる群から選択される、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  31. バイオマーカーがLOC150271、CD48、DUSP4およびITGB7からなる群から選択される、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  32. バイオマーカーがCCL3である、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  33. バイオマーカーがCCL3でない、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  34. さらにFGFR3阻害剤を投与する前に患者に関するベースラインレベルを確立することを含んでなる、請求項1、3または5のいずれかに記載の方法。
  35. 表IIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が患者の処置に対する好ましい応答の指標である、請求項3または4に記載の方法。
  36. 表IIIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が患者の処置に対する好ましい応答の指標である、請求項3または4に記載の方法。
  37. 表IVに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が患者の処置に対する好ましい応答の指標である、請求項3または4に記載の方法。
  38. 表Vに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が患者の処置に対する好ましい応答の指標である、請求項3または4に記載の方法。
  39. 表IIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも二つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現のレベルの変化の検出が患者の処置に対する好ましい応答の指標である、請求項3または4に記載の方法。
  40. 患者から得られた試料を試験する工程の前に投与工程を繰り返す、請求項3に記載の方法。
  41. FGFR3の阻害剤を治療上有効な量で投与する、請求項3に記載の方法。
  42. 発現のレベルの好ましい変化が表IIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した変化を含んでなる請求項5に記載の方法。
  43. 発現のレベルの好ましい変化が表IIIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した変化を含んでなる、請求項5に記載の方法。
  44. 発現のレベルの好ましい変化が表IVに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した変化を含んでなる請求項5に記載の方法。
  45. 発現のレベルの好ましい変化が表Vに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した変化を含んでなる、請求項5に記載の方法。
  46. 発現のレベルの好ましい変化が表IIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも二つのバイオマーカーのベースラインに比較した変化を含んでなる、請求項5に記載の方法。
  47. 最初の阻害剤および続いて投与される阻害剤が各々CHIR−258、SU−5402およびPD−173074からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
  48. 最初の阻害剤がCHIR−258である、請求項5に記載の方法。
  49. 続いて投与される阻害剤がCHIR−258である、請求項5に記載の方法。
  50. 表Iにて同定されるバイオマーカーのベースラインに比較して発現のレベルを変化させる薬剤の多発性骨髄腫に関連する異常の処置のための医薬品の製造における使用。
  51. 少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した変化が表IIに示される表Iのサブセットから選択される、請求項6または50に記載の方法。
  52. ベースラインに比較した変化が表IIIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのものである、請求項6または50に記載の方法。
  53. ベースラインに比較した変化が表IVに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのものである、請求項6または50に記載の方法。
  54. ベースラインに比較した変化が表Vに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーのものである、請求項6または50に記載の方法。
  55. ベースラインに比較した変化が表IIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも二つのバイオマーカーのものである、請求項6または50に記載の方法。
  56. 薬剤がCHIR−258である、請求項6または50に記載の方法。
  57. 患者がt(4:14)多発性骨髄腫患者である、請求項6に記載の方法。
  58. 表IIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーに関して遺伝子発現をモニタリングする、請求項7に記載の方法。
  59. 表IIIに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーに関して遺伝子発現をモニタリングする、請求項7に記載の方法。
  60. 表IVに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーに関して遺伝子発現をモニタリングする、請求項7に記載の方法。
  61. 表Vに示される表Iのサブセットから選択される少なくとも一つのバイオマーカーに関して遺伝子発現をモニタリングする、請求項7に記載の方法。
  62. モニタリングが表IからVのいずれか一つのバイオマーカーを含んでなる遺伝子チップと試料を接触させることおよびバイオマーカーの遺伝子発現レベルを遺伝子データベースと比較することを含んでなる、請求項7に記載の方法。
  63. バイオマーカーが表Iから選択される、請求項10に記載の方法。
  64. 処置のための患者を同定する方法であって:
    一定量のFGFR3の阻害剤を患者に投与し;そして
    阻害剤の投与の後に患者から得られた試料を試験してCCL3、DUSP6、ANXA9、CR2、AL531683、ZNF589、AW274468、FRMD3、LTBおよびWDR42Aからなる群から選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を測定すること;
    を含んでなり、ここで少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現レベルの変化の検出が処置のための患者の候補の指標となる、方法。
  65. 細胞増殖性障害のためのFGFR3の阻止による処置に対する患者の応答をモニタリングする方法であって:
    患者から得られた試料を試験してCCL3、DUSP6、ANXA9、CR2、AL531683、ZNF589、AW274468、FRMD3、LTBおよびWDR42Aからなる群から選択される少なくとも一つのバイオマーカーの遺伝子発現を測定すること;
    を含んでなり、ここで少なくとも一つのバイオマーカーのベースラインに比較した発現レベルの変化の検出が患者の処置に対する好ましい応答の指標となる、方法。
  66. バイオマーカーがCCL3、DUSP6、ANXA9、CR2、AL531683、ZNF589、AW274468、FRMD3、LTBおよびWDR42Aのいずれかまたは全てではない、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
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