JP2009523358A - 周波数分割多重接続システムにおける開ループ電力制御方法及び装置 - Google Patents

周波数分割多重接続システムにおける開ループ電力制御方法及び装置 Download PDF

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Abstract

パケットデータ移動通信システムにおける開ループ電力制御を効率的に遂行するための方法及び装置を提供する。開ループ電力制御を用いて送信電力を決定する際に必要とされる目標SIRが設定される場合に、隣接セルに及ぶ影響を考慮する。言い換えれば、MSがセル境界に位置することにより、MSの隣接セルに及ぶ干渉の影響が大きい場合には、目標SIRを低く設定する。そうではない場合には、目標SIRを高く設定する。したがって、MSの位置及びMSと隣接セルとの関係に従って送信電力を調節することにより、基地局の近くにあるMSに高い送信率を支援し、セル境界に位置したMSにより生じる干渉を最小にすることができる。したがって、システム全体の容量を増加させることができる。

Description

本発明は、周波数分割多重接続(FDMA)方式を使用するパケットデータ移動通信システムに関し、特に、開ループ電力制御(open loop power control)を効率的に遂行するための方法及び装置に関する。
最近では、移動通信システムで使用されるアップリンク多重接続方式は、非直交(Non-orthogonal)多重接続方式及び直交(orthogonal)多重接続方式に大別される。非直交多重接続方式は、複数の移動端末から送信されるアップリンク信号が相互に直交しない多重接続方式を意味し、かかる非直交多重接続方式の一例では、符号分割多重接続(Code Division Multiple Access:以下、“CDMA”と称する。)方式がある。直交多重接続方式は、複数の移動端末から送信されるアップリンク信号が相互に直交する多重接続方式を意味し、かかる直交多重接続方式の一例では、周波数分割多重接続(Frequency Division Multiple Access:以下、“FDMA”と称する。)方式、又は時分割多重接続(Time Division Multiple Access:以下、“TDMA”と称する。)方式などがある。一般的なパケットデータ移動通信システムは、FDMA及びTDMAの組合せを直交多重接続方式として使用する。言い換えれば、複数のユーザーの送信は、周波数及び時間の観点で区別される。下記の説明において、FDMA及びTDMAの組合せは、FDMAと呼ばれる。FDMAの代表的な例では、直交周波数分割多重接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:OFDMA)方式及び単一キャリア周波数分割多重接続(Single carrier Frequency Division Multiple Access:SC-FDMA)方式がある。これらFDMA技術において、複数の移動端末は、相互に異なるサブキャリア(sub-carrier)を使用して信号を送信することにより、相互に異なる移動端末からの信号が区別されるようにする。
SC-FDMA方式中の1つであるIFDMA(Interleaved Frequency Division Multiple Access)方式を使用する送信機について、図1を参照して詳細に説明する。
図1は、IFDMA送信機の構成を示す図である。
IFDMA送信機が図1に示すような高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:以下、“FFT”と称する。)及び逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform:以下、“IFFT”と称する。)を使用して実現されるとしても、他の方法でも送信機の実現が可能である。しかしながら、図1に示すようなFFT及びIFFTを使用した実現は、複雑なハードウェア構造なしに、IFDMAシステムパラメーターの変更を容易にすることができるという長所がある。
OFDMA及びIFDMAは、送信機の構成の観点で次のような差異点を有する。OFDM送信機において、多重サブキャリアの送信に使用されるIFFT部106に加えて、IFDMA送信機は、IFFT部106の前段に位置したFFT部104を含む。送信変調(Transmission modulation:TX)シンボル100は、ブロック単位でFFT部104に入力される。FFT部104から出力された信号は、等間隔でIFFT部106に入力され、その結果、IFDMA送信信号成分は、等間隔のサブキャリアを使用して周波数領域で送信される。このような過程において、一般的に、IFFT部106の入出力サイズNは、FFT部104の入出力サイズMに比べて大きい値を有する。
OFDM送信機において、TXシンボル100は、FFT部104を通過せず、IFFT部106に直接入力された後に、複数のサブキャリアを用いて送信され、これにより、大きい値の最大平均電力比(Peak-to-Average Power Ratio:以下、“PAPR”と称する。)を生成する。しかしながら、IFMDA送信機において、TXシンボル100がIFFT部106により最終処理され、複数のサブキャリアを介して送信されるとしても、TXシンボル100は、FFT部104により前処理(pre-processing)され、IFFT部106により処理される。FFT部104とIFFT部106との間の相互相殺作用により、IFFT部106の出力信号が単一サブキャリアを介して送信されたものと類似した効果を有することができるようにし、これにより、低いPAPRを達成することができる。最終的に、IFFT部106の出力は、並列−直列変換器(Parallel-to-Serial Converter:PSC)102により直列ストリームに変換される。この直列ストリームが送信される前に、OFDMシステムと同様に、サイクリックプレフィックス(cyclic Prefix:CP)は、この直列ストリームに付加され、これにより、多重経路チャネル信号成分間の干渉を防止することができる。
図2は、IFDMA技術と類似したLFDMA技術を使用した送信機のブロック図である。上記LFDMA(Localized Frequency Division Multiple Access)技術は、多重接続ユーザー間の直交性を保証し、単一キャリアの送信に基づき、これにより、OFDM技術より低いPAPRを達成できる。
図1及び図2に示すように、送信機の構成の側面でのLFDMAとIFDMAとの間の差は、FFT部204からの出力がIFFT部206の入力端に印加され、この際、IFFT部206の入力端は、連続したインデックスを有することにある。このため、周波数領域において、LFDMA信号は、FFT部204の出力がIFFT部206の入力にマッピングされる際に使用される隣接したサブキャリアにより使用された帯域を占める。言い換えれば、周波数領域において、IFDMA信号は、等間隔で散在しているサブキャリア帯域(subband)を占め、LFDMA信号は、隣接したサブキャリアでなされるサブキャリア帯域を占める。
一方、通常のアップリンク移動通信システムにおいて、基地局は、チャネル選択スケジューリング(channel selective scheduling)を介して限定された無線リソースで高いシステム容量を支援することができる。“アップリンク”は、移動端末から基地局への送信を意味する。“チャネル選択スケジューリング”は、優良なチャネル環境を有する時間間隔又は周波数間隔を時間軸又は周波数軸で変化するチャネルに割り当てることにより、システム容量を改善させる技術である。
図3は、時間軸上でのスケジューリングフロー図である。
図3を参照すると、移動端末(Mobile Station:MS)302は、データ送信のためのスケジューリングを受けるために、ステップ303で、パイロット(pilot)信号を基地局(Base Station:BS)に送信する。BS301は、受信されたパイロットに基づいてMS302のチャネル状態を把握し、データ送信をスケジューリングするか否かを判定する。BS301がデータ送信のスケジューリングを判定する場合に、適切な変調方式及び符号化率を判定する。ステップ304で、MS302は、MSの状態をBS301に通知する。この際、この状態は、MSが送信することを希望するバッファ状態(Buffer status)又は電力状態(power status)を意味する。バッファ状態情報では、パケットデータの量又はパケットデータのサービス優先順位が使用されることができ、電力状態情報では、送信電力の可能な量が使用されることができる。BS301は、ステップ305で、状態情報及びパイロット情報に基づいてスケジューリングを遂行する。MS302がスケジューリングされる場合に、ステップ306で、BS301は、データ送信のためのスケジューリング許可情報(Scheduling grant for data transmission)をMS302に送信する。このスケジューリング許可情報を受信したMS302は、ステップ307で、パケットデータをBS301に送信する。
上述した一般的なスケジューリング過程において、MSは、送信電力設定アルゴリズムに従って、電力情報をBSに送信してもよく、又は電力情報をBSに送信しなくてもよい。言い換えれば、閉ループ電力制御(closed loop power control)方式を使用するシステムにおいて、BSは、MSが電力ヘッドルーム情報をBSに送信する場合のみに、許容可能な最大送信率を認識することができるが、開ループ電力制御(open loop power control)方式を使用するシステムにおいて、BSは、電力情報をMSから受信せず、MSから受信されたパイロット信号の信号対干渉比(Signal-to-Interference Ratio:SIR)だけで許容可能な最大送信率を認識することができる。
直交多重接続方式であるFDMA基盤システムにおいて、セル内のMSが直交リソースを割り当てることにより、セル内のMSが相互に干渉として作用しない。その結果、非直交多重接続方式に不可欠な閉ループ電力制御の必要性を減少させる。さらに、閉ループ電力制御は、電力制御のためのフィードバック情報を必要とする。このような理由で、FDMAの導入を希望するシステムは、シグナリングオーバーヘッドを考慮してMSの送信電力を調節するために、閉ループ電力制御方式より開ループ電力制御方式を選好する。
開ループ電力制御を遂行する方式について説明する。
開ループ電力制御を遂行する代表的な方式は、式(1)のようである。
Figure 2009523358
ここで、PTXは、専用物理チャネル(Dedicated Physical Channel:DPCH)の送信電力レベル(dBm)であり、Lpilotは、パイロットチャネルの測定値及びシグナリングされたパイロットチャネルの送信電力を使用して予測される経路損失値(dB)であり、IBTSは、BSの受信機が経験する干渉レベル(dBm)であり、SIRTARGETは、各MSの送信品質を維持するための目標SIR(dB)である。SIRTARGETは、各MS別にシグナリングされてもよく、又はMSに共通的にシグナリングされてもよい。
上述したように、送信電力が設定された後にデータが送信される場合に、BSの受信機は、目標レベルのSIRを受信することができる。しかしながら、上述した式(1)では、フェージングチャネルが考慮されないため、実際の受信SIRがフェージングチャネルにより目標SIRと正確に一致することが難しい。
次いで、目標SIRとスケジューリングとの関係について説明する。
パケットスケジューリングは、MSのバッファ状態及び電力状態に基づいて、セルの無線リソースを効率的に割り当てることを目的としている。閉ループ電力制御を支援する場合には、MSの電力状態は、パイロットチャネルの実際の受信SIRにより決定される。例えば、MSが送信したパイロットチャネルの受信SIRが3dBである場合に、BSは、送信品質を満足するための変調符号化選択(Modulation Coding Selection:MCS)レベルとして[16QAM(Quadrature Amplitude Modulation),1/3]をMSに割り当てる。受信SIRが0dBである場合には、BSは、[16QAM,1/3]より低い[QPSK(Quadrature Phase Shift Keying),1/3]をMSに割り当てる。その結果、目標SIRが高く設定されているMSは、受信SIRも高く、したがって、BSスケジューラーが多い無線リソースをMSに割り当てる確率が高い。他方、最も高い目標SIRが全てのMSに設定されている場合に、送信電力が増加し、したがって、アップリンクで他のセルに及ぶ干渉を増加させる。他方、低い目標SIRが全てのMSに設定されている場合に、MSは、さらに多くのデータを送信しなければならず、十分な送信電力でも適切にスケジューリングされることができない問題点が発生し得る。このような理由で、開ループ電力制御をパケット送信に適用する場合には、目標SIRをすべてのMSに対して同一に設定するよりは、各MSの状況に基づいて、MS別に相互に異なる目標SIRを設定することがさらに好ましい。しかしながら、MS別に相互に異なる目標SIRを設定すると、目標SIRが上位シグナリングを用いて各MSにシグナリングされる場合に、シグナリングオーバーヘッドにより頻りにシグナリングされることができないため、目標SIRの頻繁な設定が難しいという短所がある。さらに、MSが移動する際には、目標SIRの正確な設定が不可能である。したがって、BSの近くに位置したMSがパケットを最初に送信する際に、MSが上位シグナリングオーバーヘッドなく、目標SIRを効率的に変更するためには、開ループ電力制御に対する新たな方法が必要とされる。
したがって、本発明の実施形態は、上述した従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、システム全体の容量を増加させると同時に干渉を減少させるための周波数分割多重接続(FDMA)基盤無線通信システムの開ループ電力制御方法を提供することにある。
本発明の実施形態の他の目的は、目標SIRを設定するにあたり、MSが隣接セルに及ぶ干渉を考慮するFDMA基盤無線通信システムの開ループ電力制御方法を提供することにある。
本発明の実施形態のさらなる目的は、MSのアップリンクデータ送信の間に、送信電力を設定する方法及び送信装置を提供することにある。
上記のような目的を達成するために、本発明の実施形態の一態様によれば、通信システムにおける開ループ電力制御方法が提案される。かかる方法は、移動端末をスケジューリングするスケジューリングセルと上記移動端末の近傍に位置した隣接セルからパイロット信号を受信するステップと、しきい値より小さい経路損失値を有する隣接セルの個数を計算するステップと、上記しきい値より小さい経路損失値を有する隣接セルの個数を使用して、上記移動端末の目標信号対干渉比(SIR)を計算するステップと、上記スケジューリングセルの経路損失値を測定し、上記測定されたスケジューリングセルの経路損失値及び上記計算された目標SIR値を用いてアップリンク送信電力を計算するステップと、上記計算された送信電力でデータを送信するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の実施形態の他の態様によれば、通信システムにおける開ループ電力制御方式を用いて電力を制御する移動端末装置が提案される。かかる装置は、隣接セルパイロットチャネル受信器と、隣接セル制御器と、スケジューリングセルパイロットチャネル受信器と、アップリンク送信電力制御器と、データチャネル送信器と、を含むことを特徴とする。上記隣接セルパイロットチャネル受信器は、上記移動端末の近くに位置した隣接セルのパイロットを受信し、上記隣接セルの受信電力を測定する。上記隣接セル制御器は、上記隣接セルパイロットチャネル受信器により測定された受信電力から上記隣接セルの経路損失値を計算し、しきい値より小さい経路損失値を有する隣接セルの個数を計算する。上記スケジューリングセルパイロットチャネル受信器は、上記移動端末をスケジューリングするスケジューリングセルのパイロットを受信し、上記スケジューリングセルの経路損失値を測定する。上記アップリンク送信電力制御器は、上記隣接セル制御器から入力された上記しきい値より小さい経路損失値を有する隣接セルの個数を用いて目標信号対干渉比(SIR)を計算し、上記目標SIR及び上記スケジューリングセルパイロットチャネル受信器から入力された上記スケジューリングセルの経路損失値を用いてアップリンク送信電力を計算する。上記データチャネル送信器は、上記アップリンク送信電力制御器により計算された上記アップリンク送信電力でデータを送信する。
本発明の実施形態のさらなる他の態様によれば、通信システムにおける開ループ電力制御方法は、移動端末をスケジューリングするスケジューリングセル及び上記移動端末の辺くに位置した隣接セルからパイロット信号を受信するステップと、上記隣接セルのパイロットの電力を測定することにより、上記隣接セルの経路損失値を計算するステップと、上記スケジューリングセルのパイロットの電力を測定することにより、上記スケジューリングセルの経路損失値を計算するステップと、上記隣接セルの経路損失値と上記スケジューリングセルの経路損失値とを用いて上記移動端末の目標SIR値を計算するステップと、上記計算された送信電力でデータを送信するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の実施形態のさらなる他の1つの態様によれば、通信システムにおける開ループ電力制御方式を使用する電力を制御する移動端末装置が提案される。かかる装置は、隣接セルパイロットチャネル受信器と、隣接セル制御器と、スケジューリングセルパイロットチャネル受信器と、アップリンク送信電力制御器と、データチャネル送信器と、を含むことを特徴とする。上記隣接セルパイロットチャネル受信器は、上記移動端末の近くに位置した隣接セルのパイロットを受信し、上記隣接セルの受信電力を測定する。上記隣接セル制御器は、上記隣接セルパイロットチャネル受信器により測定された受信電力から上記隣接セルの経路損失値を計算する。上記スケジューリングセルパイロットチャネル受信器は、上記移動端末をスケジューリングするスケジューリングセルのパイロットを受信し、上記スケジューリングセルの経路損失値を測定する。上記アップリンク送信電力制御器は、上記スケジューリングセルパイロットチャネル受信器から入力された上記スケジューリングセルの経路損失値と上記隣接セル制御器から入力された上記隣接セルの経路損失値とを用いて目標信号対干渉比(SIR)を計算し、上記目標SIR及び上記スケジューリングセルの経路損失値を用いてアップリンク送信電力を計算する。上記データチャネル送信器は、上記アップリンク送信電力制御器により計算された上記アップリンク送信電力でデータを送信する。
本発明によれば、MSの位置及びMSと隣接セルとの関係に従って送信電力を調節することにより、基地局の近くにあるMSに高い送信率を支援し、セル境界に位置したMSにより生じる干渉を最小にすることができる。したがって、システム全体の容量を増加させることができる。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。下記の説明において、本発明の要旨のみを明瞭にする目的で、関連した公知の機能または構成に関する具体的な説明は省略する。なお、図面中、同一の構成要素及び部分には、可能な限り同一の符号及び番号を共通使用するものとする。そして、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であり、これは、ユーザー及び運用者の意図又は慣例に従って変わっても良い。従って、これらの定義は、本発明の全体の内容に基づいて定義されなければならない。
本発明は、移動端末(Mobile Station:MS)が開ループ電力制御を用いて送信電力を決定する場合に、周波数分割多重接続(Frequency Division Multiple Access:以下、“FDMA”と称する。)基盤アップリンクシステムにおける目標SIRを効率的に設定する方法を提案する。上記目標信号対干渉比(Signal-to-Interference Ratio:以下、“SIR”と称する。)は、MSが送信電力を決定する際に、測定された経路損失値の他に使用される設定パラメーターの中の1つを意味する。
本発明の顕著な特徴は、MSがネットワークにより設定されるSIR値及び隣接セルの位置を考慮することにより目標SIRを設定し、目標SIRがMSの内部的なアルゴリズムを用いて適切な目標SIRとして計算されることにある。
従来技術で説明した通りに、開ループ電力制御を支援するシステムにおいて、基地局(Base Station:BS)スケジューラーは、MSのパイロットチャネルの受信SIRを介してMSの電力状態を把握することができるので、MSが高い送信率の割当を受けるためには、受信SIRを増加させざるを得ない。受信SIRを増加させるためには、MSの目標SIRを増加させなければならない。しかしながら、高い目標SIRでMSの送信電力を増加させると、MSの近くに位置した隣接セルとの干渉も増加する。このような理由で、セル内の全てのMSの目標SIRを高める方法は好ましくない。したがって、本発明において、MSは、隣接セルの隣接性に基づいて目標SIRを設定する。すなわち、本発明は、セル境界に位置することにより、他のセルに及ぶ影響が大きい端末については、目標SIRを低減させる。
図4に示すように、MSが第1の位置403に位置する場合には、BS1から無線リソースの割当を受け、パケットデータをBS1に送信する。この場合に、MSがBS1の近くに位置し、BS2から遠く離れているため、BS2との干渉407が小さい。したがって、MSの目標SIRを高く設定することにより、セルA401が高い送信率をMSに割り当てることができるようにする。
MSが第2の位置404に移動する場合にも、セルA401内のBS1によりスケジューリングされ、パケットデータをBS1に送信する。他方、図4に示すように、MSがBS1だけでなくBS2の近くに位置するため、BS2との干渉408が増加する。MSが第1の位置403に位置する場合に比べて、BS2との干渉408が増加する。このような干渉の増加は、セルB402の容量を減少させる。この場合に、セルB402との干渉408を減少させるために、MSの目標SIRを減少させる。
MSが第3の位置405に移動する場合に、MSは、ハンドオフ(handoff)、高速セル選択(fast cell selection)などのような手続きを介してスケジューリングBSをBS1からBS2に変更する。言い換えれば、MSは、BS2から無線資源の割当を受け、パケットデータをBS2に送信する。この場合に、MSがBS1と遠く離れているため、BS1との干渉406が減少する。したがって、MSは、無線リソースの使用の効率性を向上させるために、目標SIRを高く設定する。
従来技術で言及した通り、このような目標SIRの設定は、上位シグナリングを介して遂行されることができるが、この場合には、シグナリングオーバーヘッドが発生する。特に、セルの変更が高速セル選択のような物理階層シグナリングのみによって発生する場合には、目標SIRをシグナリングする方法がない。
したがって、本発明は、目標SIRをBSのスケジューリング効率性を最大にし、隣接BSとの干渉を最小にするための値に設定するために、MSが隣接セルの存在を判定し、隣接セルのパイロット電力を測定することにより、目標SIRを設定する方法を提案する。
本発明の第1の実施形態において、目標SIR(SIRtarget)は、式(2)のように隣接セルの個数を用いて設定される。
Figure 2009523358
ここで、基準SIRとしてのSIRmaxは、隣接セルが存在しない場合に、MSの目標SIRとして設定され、この値は、ネットワークからMS別にシグナリングされてもよく、セル内の全てのMSに共通的にシグナリングされてもよく、又は予め定義されてもよい値である。Nncは、隣接セルの個数を示す因子として、ネットワークからシグナリングされる隣接セル情報を対応するMSに通知するか、MSの測定によって決定される。
MSの測定を介してNncを求める方法は、次の通りである。まず、MSは、ネットワークからシグナリングされる隣接セルリスト情報に含まれている隣接セルのパイロットを測定する。その後に、MSは、パイロットの受信信号対雑音比(Signal-to-Noise Ratio:SNR)又はパイロットの送信電力を用いて、隣接セルの経路損失値を計算する。MSは、所定のしきい値より小さい経路損失値を有する隣接セルの個数をカウントすることにより、Nncを決定する。このしきい値は、ネットワークから端末別にシグナリングされてもよく、セル内の全てのMSに共通的にシグナリングされてもよく、又はスペック上で予め定義されてもよい値である。隣接セルの経路損失値がしきい値より小さい場合には、MSが隣接セルの近くに位置し、これにより、隣接セルとの干渉が大きく発生することができる。この場合に、本発明によるMSの送信電力を減少させるためにMSの目標SIRを低減させる。
Δoffは、基準SIRからの減少量を決定する値であり、目標SIRは、Δoff・Nncだけ低減される。Δoffは、隣接セルからの干渉及びローディング程度に基づいてシグナリングされるか、又はスペック上で定数として定義されることができる。目標SIRがΔoffにより過度に低減されることにより発生する送信電力の減少により、支援可能な送信率が過度に減少することを防止するために、目標SIRの最小値は、SIRminを用いて制限することもできる。言い換えれば、式(2)において、SIRmax−Δoffnc<SIRminである場合に、目標SIR値が過度に小さい値に設定されることを防止するために、目標SIR値は、SIRminに設定される。
図5を参照すると、MSは、MSをスケジューリングするスケジューリングセル及びMSの近くに位置する隣接セルからパイロット信号を受信し、ステップ501で、隣接セルのパイロットを測定して所定のしきい値より小さい経路損失値を有する隣接セルの個数Nncを決定する。次いで、ステップ502で、MSは、上述した式(2)を用いて目標SIRを計算する。MSは、ステップ503で、スケジューリングセルの経路損失値を測定し、スケジューリングセルの経路損失値及び上記計算された目標SIR値を式(1)に代入することにより、アップリンク送信電力を計算した後に、ステップ504で、対応するデータを送信する。
図6を参照すると、隣接セルパイロットチャネル受信器604は、隣接セルのパイロットを受信し、隣接セルの受信電力を測定する。また、受信電力又は隣接セルのパイロットチャネルの送信電力で隣接セルの経路損失値を認識することができるので、隣接セル制御器601は、経路損失値を用いて、しきい値より小さい経路損失値を有する隣接セルの個数Nncを計算する。その後、隣接セル制御器601は、上記計算された隣接セルの個数をアップリンク送信電力制御器602に送信し、アップリンク送信電力制御器602は、本発明に従って、例えば、式(2)を用いてアップリンク送信電力P_txを計算する。この際、アップリンク送信電力制御器602は、開ループ電力制御方式を用いてアップリンク送信電力を計算するため、スケジューリングセルの経路損失値を必要とする。したがって、スケジューリングセルパイロットチャネル受信器603は、スケジューリングセルのパイロットチャネルを受信し、スケジューリングセルの経路損失値をアップリンク送信電力制御器602に通知する。データチャネル送信器605は、アップリンク送信電力制御器602により計算された送信電力でデータを送信する。
一方、本発明の第2の実施形態によれば、MSは、隣接セルとMSとの距離と、スケジューリングセルとMSとの距離との間の相対的な差に基づいて目標SIRを設定する。このために、MSは、隣接セル及びスケジューリングセルのパイロットを測定して隣接セル及びスケジューリングセルの経路損失値又は受信電力を計算し、隣接セル及びスケジューリングセルの電力レベルの比率を計算することにより、目標SIRを設定する。
所定のしきい値より小さい経路損失値を有する隣接セルの個数だけ目標SIRを低減させる場合には、経路損失値がしきい値より少し小さく、これにより、スケジューリングセルとの経路損失値の差が大きい場合と、経路損失値がしきい値より大きく小さく、これにより、スケジューリングセルとの経路損失値の差が小さい場合との差を設定することができない。したがって、この場合に、本発明の第2の実施形態によって、目標SIRを微細に設定する。したがって、目標SIRは、式(3)のように設定される。
Figure 2009523358
ここで、PLschは、スケジューリングセルの経路損失値であり、PLは、i番目の隣接セルの経路損失値である。PLは、ネットワークから送信された隣接セルを用いてMSにより測定される。MSがネットワークから送信された隣接セルリストに含まれている全てのセルの経路損失値を使用することができるが、本発明の第1の実施形態におけるように、しきい値を用いて取得されたNnc個のセルの経路損失値だけを使用することもできる。
式(3)によれば、SIRmaxは、スケジューリングセルの経路損失値と隣接セルの経路損失値の和との比率だけ低減される。このために、全経路損失値の中で、隣接セルの経路損失値の和の比率が大きい場合には、大きいΔoffを適用し、そうではなければ、小さいΔoffを適用する。また、式(3)を参照して、目標SIRを過度に低減させることを防止するために、計算結果があまり小さい場合には、SIRminを選択する。式(4)のように、本発明の第2の実施形態により、MSは、隣接セルの経路損失値及びスケジューリングセルの経路損失値の比率を使用することもできる。
Figure 2009523358
ここで、PLdiffは、隣接セルとスケジューリングセルとの経路損失値間の差、すなわち、
Figure 2009523358
であり、
Figure 2009523358
は、PLdiff値の中の最小値である。
式(4)によれば、目標SIRを減少させるΔoffを各セルに適用することにより、隣接セルとスケジューリングセルとの経路損失値間の差値の中で最小値だけ目標SIRを低減させる。また、この場合に、MSは、ネットワークから送信された隣接セルリストに含まれている全てのセルの経路損失値を使用してもよく、又は、本発明の第1の実施形態におけるように、しきい値を用いて取得されたNnc個のセルの経路損失値だけを使用してもよい。また、式(4)において、目標SIRを過度に低減させることを防止するために、計算結果があまり小さい場合には、SIRminを選択する。
図7に示すように、MSは、スケジューリングセル及び隣接セルからパイロット信号を受信し、ステップ701で、隣接セルのパイロットを測定してしきい値より小さい経路損失値を有する隣接セルの個数Nncを計算する。ステップ702で、上述した式(3)又は式(4)に従って、しきい値より小さい隣接セルの経路損失値及びスケジューリングセルの経路損失値を用いて目標SIRを計算する。ステップ703で、式(1)に従って、スケジューリングセルのパイロット経路損失値及び上記計算された目標SIRを用いてアップリンク送信電力を計算した後に、ステップ704で、上記計算されたアップリンク送信電力で対応するデータを送信する。
図8を参照すると、隣接セルパイロットチャネル受信器802は、隣接セルからパイロットを受信し、隣接セルの受信電力を測定する。また、受信電力又は隣接セルのパイロットチャネルの送信電力で隣接セルの経路損失値を認識することができるので、隣接セル制御器801は、経路損失値を用いてしきい値より小さい経路損失値を有するセルを選択する。言い換えれば、隣接セル制御器801は、Nnc個の隣接セルを選択し、隣接セルの経路損失値PL_1,...,PL_Nncを計算し、この経路損失値をアップリンク送信電力制御器803に送信する。
また、アップリンク送信電力制御器803は、開ループ電力制御方式を用いてアップリンク送信電力を計算するため、スケジューリングセルの経路損失値を必要とする。したがって、スケジューリングセルパイロットチャネル受信器805は、スケジューリングセルのパイロットチャネルを受信し、スケジューリングセルの経路損失値をアップリンク送信電力制御器803に通知する。アップリンク送信電力制御器803は、式(3)又は式(4)に従って、隣接セルの経路損失値及びスケジューリングセルの経路損失値を用いて目標SIR値を計算した後に、式(1)に従って、上記計算された目標SIRを用いてアップリンク送信電力P_txを計算する。データチャネル送信器804は、アップリンク送信電力制御器803により計算された送信電力でデータを送信する。
以上、本発明を具体的な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかであり、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものの範囲内で定められるべきである。
FDMA基盤システムの送信機のブロック図である。 LFDMA技術を使用する送信機のブロック図である。 FDMA基盤システムにおけるスケジューリングフロー図である。 セル境界にある端末が及ぶ干渉を示す図である。 本発明の第1の実施形態によるMSの送信電力を設定する過程のフローチャートであるDABシステムのフレーム構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態によるMSの送信機のブロック図である。 本発明の第2の実施形態によるMSの送信電力を設定する過程のフローチャートである。 本発明の第2の実施形態によるMSの送信機のブロック図である。
符号の説明
601 隣接セル制御器
602 アップリンク送信電力制御器
603 スケジューリングセルパイロットチャネル受信器
604 隣接セルパイロットチャネル受信器
605 データチャネル送信器

Claims (16)

  1. 通信システムにおける開ループ電力制御方法であって、
    移動端末をスケジューリングするスケジューリングセルと前記移動端末の近くに位置した隣接セルからパイロット信号を受信するステップと、
    しきい値より小さい経路損失値を有する隣接セルの個数を計算するステップと、
    前記しきい値より小さい経路損失値を有する隣接セルの個数を使用して、前記移動端末の目標信号対干渉比(SIR)を計算するステップと、
    前記スケジューリングセルの経路損失値を測定し、前記測定されたスケジューリングセルの経路損失値及び前記計算された目標SIR値を用いてアップリンク送信電力を計算するステップと、
    前記計算された送信電力でデータを送信するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記目標SIRを計算するステップは、基準SIRからの減少量を決定するパラメーターと前記しきい値より小さい経路損失値を有する隣接セルの個数との積だけ、前記基準SIR値を低減させることにより得られた値を前記目標SIRとして設定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記目標SIRを計算するステップは、前記計算された目標SIR値が最小SIR値より小さい場合に、前記最小SIR値を前記目標SIR値として設定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 通信システムにおける開ループ電力制御方式を用いて電力を制御する移動端末であって、
    前記移動端末の近くに位置した隣接セルのパイロットを受信し、前記隣接セルの受信電力を測定する隣接セルパイロットチャネル受信器と、
    前記隣接セルパイロットチャネル受信器により測定された受信電力から前記隣接セルの経路損失値を計算し、しきい値より小さい経路損失値を有する隣接セルの個数を計算する隣接セル制御器と、
    前記移動端末をスケジューリングするスケジューリングセルのパイロットを受信し、前記スケジューリングセルの経路損失値を測定するスケジューリングセルパイロットチャネル受信器と、
    前記隣接セル制御器から入力された前記しきい値より小さい経路損失値を有する隣接セルの個数を用いて目標信号対干渉比(SIR)を計算し、前記目標SIR及び前記スケジューリングセルパイロットチャネル受信器から入力された前記スケジューリングセルの経路損失値を用いてアップリンク送信電力を計算するアップリンク送信電力制御器と、
    前記アップリンク送信電力制御器により計算された前記アップリンク送信電力でデータを送信するデータチャネル送信器と、
    を含むことを特徴とする移動端末。
  5. 前記アップリンク送信電力制御器は、基準SIRからの減少量を決定するパラメーターと前記しきい値より小さい経路損失値を有する隣接セルの個数との積だけ、前記基準SIR値を低減させることにより得られた値を前記目標SIRとして設定することを特徴とする請求項4に記載の移動端末。
  6. 前記アップリンク送信電力制御器は、前記計算された目標SIR値が最小SIR値より小さい場合には、前記最小SIR値を前記目標SIR値として設定することを特徴とする請求項4に記載の移動端末。
  7. 通信システムにおける開ループ電力制御方法であって、
    移動端末をスケジューリングするスケジューリングセル及び前記移動端末の辺くに位置した隣接セルからパイロット信号を受信するステップと、
    前記隣接セルのパイロットの電力を測定することにより、前記隣接セルの経路損失値を計算するステップと、
    前記スケジューリングセルのパイロットの電力を測定することにより、前記スケジューリングセルの経路損失値を計算するステップと、
    前記隣接セルの経路損失値と前記スケジューリングセルの経路損失値とを用いて前記移動端末の目標SIR値を計算するステップと、
    前記計算された送信電力でデータを送信するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  8. 前記目標SIRを計算するステップは、前記スケジューリングセルの経路損失値と前記隣接セルの経路損失値の和との比率だけ、基準SIR値を低減させることにより得られた値を前記目標SIR値として設定することを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記目標SIRを計算するステップは、前記隣接セルの経路損失値と前記スケジューリングセルの経路損失値との間の差値の中で最小値だけ基準SIR値を低減させることにより得られた値を前記目標SIRとして設定することを特徴とする請求項7に記載の方法。
  10. 前記目標SIRを計算するステップは、しきい値より小さい前記隣接セルの経路損失値だけを用いて、前記目標SIRを計算することを特徴とする請求項7に記載の方法。
  11. 前記目標SIRを計算するステップは、前記計算された目標SIR値が最小SIR値より小さい場合には、前記最小SIR値を前記目標SIR値として設定することを特徴とする請求項7に記載の方法。
  12. 通信システムにおける開ループ電力制御方式を使用する電力を制御する移動端末であって、
    前記移動端末の近くに位置した隣接セルのパイロットを受信し、前記隣接セルの受信電力を測定する隣接セルパイロットチャネル受信器と、
    前記隣接セルパイロットチャネル受信器により測定された受信電力から前記隣接セルの経路損失値を計算する隣接セル制御器と、
    前記移動端末をスケジューリングするスケジューリングセルのパイロットを受信し、前記スケジューリングセルの経路損失値を測定するスケジューリングセルパイロットチャネル受信器と、
    前記スケジューリングセルパイロットチャネル受信器から入力された前記スケジューリングセルの経路損失値と前記隣接セル制御器から入力された前記隣接セルの経路損失値とを用いて目標信号対干渉比(SIR)を計算し、前記目標SIR及び前記スケジューリングセルの経路損失値を用いてアップリンク送信電力を計算するアップリンク送信電力制御器と、
    前記アップリンク送信電力制御器により計算された前記アップリンク送信電力でデータを送信するデータチャネル送信器と、
    を含むことを特徴とする移動端末。
  13. 前記アップリンク送信電力制御器は、前記スケジューリングセルの経路損失値と前記隣接セルの経路損失値の和との比率だけ、基準SIR値を低減させることにより得られた値を前記目標SIR値として設定することを特徴とする請求項12に記載の移動端末。
  14. 前記アップリンク送信電力制御器は、前記隣接セルの経路損失値と前記スケジューリングセルの経路損失値との間の差値の中で最小値だけ基準SIR値を低減させることにより得られた値を前記目標SIRとして設定することを特徴とする請求項12に記載の移動端末。
  15. 前記隣接セル制御器は、しきい値より小さい経路損失値を有する隣接セルの個数を計算し、前記アップリンク送信電力制御器は、前記隣接セル制御器から受信された前記隣接セルの個数を用いて前記目標SIRを計算することを特徴とする請求項12に記載の移動端末。
  16. 前記アップリンク送信電力制御器は、前記計算された目標SIR値が最小SIR値より小さい場合には、前記最小SIR値を前記目標SIR値として設定することを特徴とする請求項14に記載の移動端末。
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