JP2009523045A - プレートおよび椎弓根スクリューを備えるシステムならびにその適用 - Google Patents

プレートおよび椎弓根スクリューを備えるシステムならびにその適用 Download PDF

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Abstract

隣接する椎骨の一部を固定化するために後方アプローチによって埋め込むことができる腰椎プレートは、離間して配置され、そこを通してスクリュー(2)を隣接する腰椎椎骨へと導入することができる2つの穴(13)を含み、腰椎プレート(12)は、2つの穴(13)の間に弾性材料によって形成された伸長可能および圧縮可能な領域を含む。

Description

本発明は、プレートおよび椎弓根(pedicle)スクリューシステムならびにその適用に関する。
腰椎の病態は様々な方法によって治療される。その1つは、一般に骨移植を使用して関連する関節を固定することによって関節固定術を行うために、いくつかの椎骨を固定化するものである。
1つの方法は、チタンまたはステンレス鋼プレートによって互いに連結された椎弓根スクリューを固定することである。
椎骨の固定化にはいくつかの短所があるが、そのうち2つは、固定化部位に隣接する関節がより一層強い応力を受けること、患者の可動能力が抑制されることである。
この原因により、いわゆる「非固定(non-fusion)」法が普及しつつある。これは、関節をできる限り正常に再び機能させるために、構造的距離および動作を再構築するものである。
1つの方法は、例えば特許文献1に説明されているように、前方ルート(anterior route)を使用して罹患した椎間板の定位置に人工装具を固定することである。前方ルートによって固定するこの最近の方法では、関連するリスクの管理を訓練し、それに慣れている外科医が限られた数しかいないという短所がある。
別の方法は、例えば特許文献2に説明されているように、後方ルートを使用して靭帯およびシリコーンチューブに連結された椎弓根スクリューを固定することである。この方法は後方ルート(posterior route)の利点を有するが、その一方、外科医は要素を引っ張るために非常に多くの器具を使用しなければならないため固定方法が複雑であり、その一方、外科医が1つの関節を固定化し隣接する関節に「非固定」法を実施することを望む場合、このタイプのシステムでは外科医はそれをすることはできない。
米国特許第6368350号明細書 仏国特許出願公開第2777449号明細書
したがって、これらの短所を解決するシステムを有することが望ましい。
そこで、出願人企業は、詳細な調査の後、満足できることが実証されている後方ルートによって椎骨に固定される椎弓根スクリューのシステムを開発した。
本発明の主題の目的は、椎骨を固定化するために使用される操作方法が脊椎の病態を専門とするすべての外科医が熟練しているものであることから、これと同じ方法を維持しながら同時に椎骨にいくらかの動作を可能にするように、一部が弾性材料で形成された腰椎プレートによって互いに連結された椎弓根スクリューシステムを提案することによって、これらの短所を解決することである。
ここで、本発明のデバイスは、後方腰椎プレートの分野を目的としており、2つの腰椎椎骨を後方ルートによって互いに連結できるようにするものであり、例えば前方(例えば頚椎プレート)の分野ではないことに留意されたい。さらに、前方プレートの目的は2つの頚椎椎骨を互いに固定することであるが、本発明の目的は2つの腰椎椎骨を互いに固定することを防ぎ、それにより自然の構造的動作が可能になる。
したがって、前方プレートは全体的に幅が14から30mm、厚さが1から4mmであり、長さが20から80mmであるが、本発明のプレートなどのプレートは全体的に幅が8から14mm、厚さが6から14mmであり、長さが30から200mmである。さらに、前方頚椎プレートが固定用に設計されているので、椎骨は動く必要がなく、そこに設けられた弾性領域は移植片の伸長をより良く行われるように維持するためだけのものである。したがって、弾性部分の寸法および機械的特性は、本発明のデバイスのそれと完全に異なる。前方頚椎プレートでは、選択される材料は剛性でありサイズは小さく、数十分の一ミリのオーダーの非常に小さい動きしか可能ではない。
また、後方ルートによって2つの腰椎椎骨を互いに連結するために使用される本発明のデバイスは、例えば人工脊椎靭帯と基本的に異なる。人工靭帯は伸長および回転の際にのみ作用するが、後方腰椎プレートは屈曲、伸長、圧迫および回転の際に作用することから、これらは異なる機能を発揮する。当業者には、数多くの構造上の違いが明らかであろう。特に、人工靭帯は後方腰椎プレートのように屈曲および伸長の際に作用するように設計されていないため、当然、その厚さはかなり薄いものである。さらに、人工靭帯を前方部分に固定することにより、厚いプレートを使用することはできない。2つのデバイスの幅も、大きく異なる。前方ルートを使用すると「靭帯」が1つだけ体の前方部分に固定されるが、2つの後方腰椎プレートを固定しなければならず、これらは後方ルートによって取り付ける必要があり、したがってより狭くする必要がある。
前靭帯は非常にわずかしか(かつ伸長および捻りの際にしか)変形しないが、後方腰椎プレートは自然動作の際に非常に大きく湾曲することから、プレートの変形度も様々に異なる。したがって、可撓性材料の容積および組成を多様にする必要がある。
この理由により、本出願の主題は、隣接する椎骨へとスクリューを埋め込むことができるように離間して配置された2つの穴を備え、隣接する腰椎椎骨の一部を固定化するために後方ルートによって埋め込むことができる腰椎プレートであり、この腰椎プレートは、2つの穴の間に弾性材料で形成された伸縮可能な領域を備える。
埋め込み可能なプレートは、例えば楕円形、特に長円形など、好ましくは細長い形状である。
穴は、好ましくは、プレートに設けられた金属の挿入部に形成される。これらの挿入部は、通常、成形された縁部を使用することによってプレートに固定することができる。成形された縁部を備えた挿入部を、以下で図に例示する。
本発明の好ましい実施形態では、弾性材料で形成された領域はプレートの大部分であり、穴は弾性材料で形成されたプレートに設けられた金属の挿入部に形成されている。
本発明の他の好ましい実施形態では、穴は弾性材料で形成されたバンドによって互いに連結された金属のストリップに形成されている。
本発明のさらに他の好ましい実施形態では、埋め込み可能なプレートは主に金属性材料で形成され、弾性材料で形成されたリングを使用して埋め込み可能なプレートに固定された金属の挿入部に穴の1つが形成されている。この実施形態では、金属性材料がコンポーネントの大部分である。
本出願および以下において、「穴」という用語は特に、スクリューが通過することのできる単純な穴を示すが、有利には、スクリューの頭部の形状を受け止めスクリューが通過できるようにする皿穴を示す。
穴は円形とすることができるが、様々な間隔に合わせるために長円形とすることが好ましい。
本発明の代替実施形態では、本発明による埋め込み可能なプレートは、3つの隣接する椎骨を固定するために実質的に一列に並べられた3つの穴を備える。
本発明の代替実施形態では、上記のプレートは2つの隣接する穴の間に取り付けられた剛性のプレートを備える。したがって、1つの領域の固定化および隣接する領域の安定化を組み合わせることができる。
金属の挿入部、プレートまたはストリップは、好ましくはチタンまたはステンレス鋼あるいはそれらの合金など、埋め込み可能な材料から形成される。
弾性材料で形成された伸縮可能な領域は、好ましくはポリウレタンタイプの材料、特にPOLY MEDICA INDUSTRIES Inc(マサチューセッツ州)からCHRONOFLEX(登録商標)の商標名で販売されているポリウレタンなどによって形成される。
弾性材料で形成された領域が埋め込み可能なプレートの大部分であるとき、弾性のポリウレタン材料で形成されたプレートに設けられた金属の挿入部に穴が形成され、プレートは長円形であり、
− プレートの厚さは、3から14mm、好ましくは4から13mm、特に5から12mm、最も好ましくは6から11mmとすることができ、
− プレートの幅は、5から18mm、好ましくは6から16mm、特に7から15mm、非常に好ましくは8から14mmとすることができ、
− プレートが2つの隣接する椎骨にわたって埋め込まれる場合、プレートの長さは、20から70mm、好ましくは30から60mm、特に35から55mm、非常に好ましくは40から50mmとすることができ、
− プレートが3つの隣接する椎骨にわたって埋め込まれる場合、プレートの長さは、50から100mm、好ましくは60から90mm、特に65から85mm、最も好ましくは70から80mmとすることができる。
プレートの長さは罹患した椎骨の数によって決まり、30から200mmまで様々に変化しうる。
適切な寸法では、弾性材料は、プレートが関節の動作を模倣することを可能にすることができる。例えば、患者が前方に屈曲する場合、L4とL5との間の椎間板が前方に約2mm潰れる必要がある。患者が右に屈曲する場合は、椎間板が右側に約1.5mm潰れる必要がある。したがって、弾性のコンポーネントは、好ましくは構造的動作に必要な最大振幅を可能にする厚さおよび幅を有する。弾性のコンポーネントはまた、少なくとも50%、有利には少なくとも70%、特に少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%の、構造的動作に必要な最大振幅を可能にするのに必要な厚さおよび幅を有する。
本発明の埋め込み可能なプレートは、従来の方法を使用して、特に1つまたは複数の金属性基部(挿入部、プレートまたはストリップ)上に弾性材料をオーバーモールドすることによって生産される。
より可撓性の低い埋め込み可能なプレートを生産する場合、プレートをより大きい幅および厚さで形成することが有利である。一方、より可撓性の高い埋め込み可能なプレートを生産する場合、少なくとも2つの穴の間の部分がより小さい幅および/または厚さのプレートが形成される。
本発明の埋め込み可能なプレートは椎骨に固定する直前に滅菌することができ、または好ましくは滅菌形態で包装することができる。スクリューは好ましい方法による備品とする。
この理由により、本出願の他の主題は、上記の埋め込み可能なプレートを適切な椎弓根スクリューとともに含むアセンブリまたはキットである。ここで、椎弓根スクリューは、一般に長さが3.5から5cmであり、直径が0.5から0.7cmの範囲であり、椎骨の後方部分にある椎弓根に固定するために設計されたスクリューであることに留意されたい。
本発明の主題である埋め込み可能なプレートは、非常に有益な特性および品質を有する。特に、これらは構造的動作を可能にすると同時に腰椎を安定させることができる。
さらに、いくつかの部位を治療するとき、プレートは、1つの関節を固定化することを目的とした剛性部分および隣接する関節への「非固定」法を目的とした可撓性部分を有することができる。
これらの特性を以下で実験部分に示す。これらは、特に変性椎間板疾患の外科的治療における、上述の本発明の埋め込み可能なプレートの使用を証明する。
この理由により、本出願の他の主題は変性椎間板疾患の外科的治療のための方法であり、この方法では、少なくとも1つの上述の埋め込み可能なプレートが、後方ルートによって、スクリューを使用して少なくとも2つの隣接する椎骨に固定される。
上述の埋め込み可能なプレートの好ましい実施形態はまた、特に、上述のアセンブリまたはキットおよび方法など、上述の本発明の他の主題にも適用される。
本発明は、添付の図面を参照するとより良く理解できるであろう。
図1は、本発明におけるプレートを符号1で示しており、この長円形のプレートは、2つの挿入部11だけが金属で形成されているため、基本的に弾性ポリウレタンのプラスチック材料で形成されている。このプレートの寸法は、厚さ8mm、幅11mm、長さ50mmである。2つのスクリュー2を使用して、このプレート1を2つの隣接する椎骨に固定することができる。スクリュー2の頭部は挿入部11に形成された2つの穴に挿入される。
図2は、2つの同一の挿入部11がプレート12に設けられていることを示す。これらの挿入部11は、その中心に長円形の皿穴13をそれぞれ有し、これは図3でより良く見ることができる。
図3は、凸状隆起部でプレート12内部に挿入部11を固定する挿入部11の凹形状の縁部を示す。挿入部11を通って形成された穴13は、スクリューの頭部がプレート1から上方に突出または過剰に突出することがないように、このスクリュー2の頭部と協働することができる皿穴部分を備える。穴13は様々な椎骨の間隔に適するように、細長くなっている。
図4は挿入部の縁部の代替実施形態を示し、断面に波状の全体形状を有する。
図5は、2つの椎骨間の関節を固定化すること、および2つの隣接する椎骨間の関節に「非固定」法を施すことの双方を行うことができる挿入部を示す。したがって、挿入部11の一方は、上述のものと同様の挿入部であり、第2の挿入部14は、穴16を備えた金属タブ15によって延長される。挿入部11および14の間の間隔は、挿入部14および16の間の間隔と同一である。挿入部14、16およびタブ15によって形成されるアセンブリは、単一部品として生産される。
図6では、プレート17は基本的に金属で形成される。挿入部18の1つは、ポリウレタンで形成される環状スリーブ19によってプレート17から分離される。この挿入部18を通る穴13は、円形である。ただ1つの細長い穴によって十分に幅広い調整が可能である。
図7は、プレート17へと打ち込まれたポリウレタンリング19で包囲された挿入部18を示す。断面がカップ状の全体形状であり、ポリウレタンリング19の外縁がタブ・スロットの協働をする、挿入部18の縁部の代替実施形態を見ることも可能である。
埋め込み可能なプレートおよびそのためのスクリューの斜視図である。 埋め込み可能なプレートを上方から見た別の図である。 図2のAA’断面を(拡大して)示す図である。 図2のAA’断面を(拡大して)示す図である(代替形態)。 埋め込み可能なプレートを上方から見た図である。 埋め込み可能なプレートを上方から見た図である。 図6のBB’断面を(拡大して)示す図である。
符号の説明
1 プレート
2 スクリュー
11 挿入部
12 プレート
13 穴
14 挿入部
15 タブ(剛性プレート)
16 穴
17 プレート
18 挿入部
19 スリーブ

Claims (11)

  1. 隣接する椎骨の一部を固定化するために後方ルートによって埋め込むことができる腰椎プレートであって、
    隣接する腰椎椎骨へとスクリュー(2)を埋め込むことができるように離間して配置された2つの穴(13)を備え、
    プレート(12)が、前記2つの穴(13)の間に、弾性材料で形成された伸縮可能な領域を備える、腰椎プレート。
  2. 前記穴(13)が、当該プレート(12)に設けられた金属の挿入部(11)に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の腰椎プレート。
  3. 弾性材料で形成された領域が、前記プレート(12)の大部分であり、
    前記穴(13)が、弾性材料で形成された前記プレート(12)に設けられた金属の挿入部(11)に形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の腰椎プレート。
  4. 前記穴(13)が、皿穴であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の腰椎プレート。
  5. 前記穴(13)が、長円形であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の腰椎プレート。
  6. 3つの隣接する椎骨に固定することができる、実質的に一列に並べられた3つの穴(13)を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の腰椎プレート。
  7. 2つの隣接する穴(14、16)の間に取り付けられた剛性プレート(15)を備えることを特徴とする、請求項6に記載の腰椎プレート。
  8. 弾性材料で形成された伸縮可能な領域が、ポリウレタンタイプの材料で形成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の腰椎プレート。
  9. 前記弾性材料で形成された領域は、適切な寸法であり、かつ前記プレートが関節動作を模倣することができるように選択されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の腰椎プレート。
  10. 前記弾性材料で形成された領域が、当該腰椎プレートの大部分であり、
    前記穴(13)が、弾性のポリウレタン材料で形成された前記プレート(12)に設けられた金属の挿入部(11)に形成されており、
    前記プレート(12)が、長円形であり、
    − 前記プレート(12)の厚さが、4から13mmであるか、
    − 前記プレート(12)の幅が、6から16mmであるか、
    − プレートが2つの隣接する椎骨にわたって埋め込まれる場合、前記プレート(12)の長さが、35から55mmであるか、
    − プレートが3つの隣接する椎骨にわたって埋め込まれる場合、プレート(12)の長さが、65から85mmであることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の腰椎プレート。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の腰椎プレートおよび適切な椎弓根スクリュー(2)を備えるアセンブリ。
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