JP2009521532A - 活性物質を放出するための、pH調節されたフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
本件特許出願は、2005年12月27日付で出願された米国特許出願第60/754,092号に基く優先権を主張するものであり、該特許出願は、2002年2月14日付で出願された米国特許出願第10/074,272号の一部継続出願に係り、これは、また2001年10月12日付で出願された米国仮特許出願第60/328,868号および2002年6月7日付で出願された米国仮特許出願第60/386,937号に基く優先権を主張している。
本発明は、迅速に溶解する、自立式のフィルムおよびその製法に関する。特に、該フィルムは、中性でないpHを持つ成分;および該フィルムにおけるシネレシスを減じ、あるいは阻害するように選択された、pH調節されたポリマー系を含有する。
製薬上活性な成分を組込んだフィルムは、Fuchs等に付与された、期限切れの米国特許第4,136,145号(「Fuchs」)に開示されている。これらフィルムは、シートに成型し、乾燥し、次いで個々の投薬単位に裁断することができる。該「Fuchs」の開示は、均一なフィルムの製造を主張しており、該フィルムは、水溶性ポリマー、界面活性剤、香料、甘味料、可塑剤および薬物の組合せを含んでいる。これらの主張に基く可撓性フィルムは、経口、局所または腸内用途にとって有用なものとして開示されている。「Fuchs」によって開示された特定の用途の例は、該フィルムの、口、直腸、膣、鼻および耳の領域を包含する、身体の粘膜領域への適用を含む。しかし、「Fuchs」に開示されている方法に従って製造したフィルムを検討すると、このようなフィルムが、粒子の凝集、集塊化、即ち自己凝集を引起し、これは、該フィルムを、本来的に不均一なものとしてしまう。この結果は、「Fuchs」の工程パラメータに起因するものであり得、該パラメータは、有望なものとして開示するものではないが、比較的長い乾燥時間の使用を含み、そのために分子間引力、対流力、気流等の発生を容易にし、このような凝集体の生成に導く。
従って、最小数の材料または成分を使用し、また該フィルムの領域全体に渡り、実質的に非-自己凝集性で、均一な異質性(heterogeneity)を与える、フィルム製品を得るための方法並びに組成物に対する需要が存在する。
該フィルムは、実質的に等しい量の、存在する各構成成分を含有する、等しいサイズを持つ単位に分割することができる。この利点は、最初に大きな面積を持つフィルムを形成し、引続き各単位が組成において均一か否かに関する問題を生じることなしに、個々の単位に裁断することができるので、特に有用である。例えば、本発明のフィルムは、各フィルム単位が、適正な量の活性物質を含むので、該活性物質の放出装置としての、特別な用途を持つ。
ここで使用する用語「シネレシス(synerisis)」とは、ポリマーが水相から逃散しまたは分離する過程である。
ここで使用する用語「酸性pHを持つ成分」等とは、水に溶解した際に、約7未満のpHを持つ溶液を与える、活性イオンを含むことを意味する。この用語は、また活性イオンの酸性組成物をも含むことを意味し、ここで該組成物は、約7未満のpHを持つ。
ここで使用する用語「塩基性pHを持つ成分」等とは、水に溶解した際に、約7を越えるpHを持つ溶液を与える、活性イオンを含むことを意味する。この用語は、また活性イオンの塩基性組成物をも含むことを意味し、ここで該組成物は、約7を越えるpHを持つ。
本発明によるpH調節フィルムは、活性物質の適用が必要とされるサイトに、該活性物質の高い放出性を達成するために利用できる。例えば、該pH調節フィルムは、該pH調節フィルムまたはこれと組合わせて使用される別のフィルム内に含まれる、薬物の放出を高めるために使用することができる。
更に、フィルム形状であってもよく、水と結合した際に、酸性pHを持つ成分;および弱塩基、少なくとも一つの中性ポリマー、および塩基性ポリマーを含む、ポリマー系を含有する、組成物をも提供する。
同様に、フィルム形状であってもよい組成物が提供され、該組成物は、水と結合した際に、塩基性pHを持つ成分;および少なくとも1種の塩基性ポリマーを含有するポリマー系を含む。
本発明のフィルムの各々は、より小さなバラバラのフィルム単位に分割することができ、消費するための、用量単位を与えるサイズとし、また包装することができる。
本発明は、またフィルム組成物および放出用支持体を含む、デバイスをも提供する。該フィルム組成物は、水と結合した際に、中性でないpHを持つ成分;および水との組合せで、該非-中性成分と結合した際に、シネレシスを減じ、もしくは阻害するように選択された、pH調節ポリマー系を含む。放出用支持体は、例えばタンポンまたは包帯を含むことができる。
該ポリマーは、非-自己凝集性の均一な不均質性を維持する粘度を与えるように選択することができる。様々な技術を利用して該フィルムを製造することができ、そのような技術は、リバースロール塗布、押出、金型内での堆積および他の技術を包含する。
更に、活性物質の局所投与法をも提供する。この方法は、(i) 水と結合した際に、非-中性pHを持つ成分;および(ii) 水との組合せで、該非-中性成分と結合した際に、シネレシスを減じ、もしくは阻害するように選択されたポリマー系を含む、pH調節フィルム組成物を調製する工程を含む。この方法は、また該フィルムを、薬物等の活性物質の存在下で、粘膜または創傷等の身体表面に適用する工程を含む。
その上、本発明者等は、中性ポリマー系における補足的な塩基と、酸性組成物とを組み合わせた場合には、不利なことに、該中性ポリマー系の圧潰をもたらすことを見出した。しかし、少量の変性された塩基性ポリマー、例えばポリプロピレングリコールアルギネートの添加が、該中性ポリマー系を保護し、かつシネレシスを阻害する。
単一フィルム*
ポリマー/活性物質/酸イオン;
ポリマー/活性物質/塩基イオン;
ポリマー/活性物質/酸、バッファーイオン;
ポリマー/活性物質/塩基、バッファーイオン;
ポリマー/活性物質/酸、塩基イオン;
ポリマー/活性物質/酸、塩基、バッファーイオン;
多層フィルム*
第一フィルム 第二フィルム
ポリマー/活性物質 ポリマー/バッファーイオン
ポリマー/活性物質 ポリマー/酸イオン
ポリマー/活性物質 ポリマー/塩基イオン
ポリマー/活性物質 ポリマー/酸、塩基イオン
ポリマー/活性物質/バッファーイオン ポリマー/酸イオン
ポリマー/活性物質/バッファーイオン ポリマー/塩基イオン
ポリマー/活性物質/酸イオン ポリマー/バッファーイオン
ポリマー/活性物質/塩基イオン ポリマー/バッファーイオン
ポリマー/活性物質/塩基、酸イオン ポリマー/バッファーイオン
*:これらフィルムは、フィルム-形成ポリマーを含む。
本発明の目的にとって、用語「非-自己凝集性で均一な異質性」とは、極性溶媒に加えて、1種以上の成分から形成した本発明のフィルムの、該フィルム内での成分の、凝集または集塊の発生を実質的に低下、即ち、殆どまたは全く発生させない能力を意味する。これらの発生は、フィルムが、従来の乾燥法、例えば乾燥炉、乾燥トンネル、真空乾燥機、または他のこのような乾燥装置を使用する、高温空気浴等によって製造する場合に、通常見られる。本発明において使用する用語「異質性(生成物)(heterogeneity)」とは、単一の成分、他ポリマーを、並びに成分の組合せ、例えばポリマーと活性物質との組合せを組込んだフィルムを含む。均一な異質性とは、フィルムを製造するのに使用する、従来の混合並びに加熱乾燥中に、通常見られるような、凝集または集塊現象が実質的に存在しない状態を含む。
本発明のフィルム製品は、適切に選択されたポリマー、極性溶媒および少なくとも1種の非-中性成分、例えば酸性または塩基性成分、並びに当分野において公知の他のフィラーの組合せによって作られる。幾つかの態様において、該フィルムは、更に活性薬剤、例えば薬物をも含むことができる。該活性薬剤は、該非-中性成分と同一または異なるものであり得る。該フィルムは、選択された流込み成型または堆積法および制御された乾燥工程の利用によって、該フィルム内の成分の、非-自己凝集性で均一な異質性を与える。制御された乾燥工程の例は、Magoonに付与された米国特許第4,631,837号(「Magoon」)に記載されている装置、並びに下部支持体と底部加熱プレートとを横切るホットエアーインピンジメントの利用を含むが、これらに限定されない。該特許を本発明の参考として、ここに組入れる。本発明のフィルムを得るためのもう一つの乾燥技術は、制御されていない空気流の不在下での、制御された輻射乾燥、例えば赤外および高周波輻射(即ち、マイクロ波)による乾燥技術である。
これらの複雑さは、本発明により回避され、また該第一フィルムの底部の表面を先ず乾燥するか、あるいは該フィルムの深部を乾燥する前に、該フィルムの上部表面上における、ポリマーフィルムの形成(スキンの形成)を防止することにより、均一なフィルムが得られる。これは、実質的に上部の空気流無しに、該フィルムの底部表面に熱を適用することにより、あるいはまた、この場合にも実質的に上部の空気流無しに、該フィルム内の水分または他の極性溶媒を蒸発させる目的で、制御されたマイクロ波を導入することによって、達成し得る。
更にまた、乾燥は、均合流体流、例えば均合空気流を用いることにより行うことができ、ここでは、底部および上部空気流は、均一なフィルムを与えるように調節される。このような場合において、該フィルムの上部に導かれる該空気流は、該空気流によって発生する力のために、該湿潤フィルム内に存在する粒子の運動を生じるような状態を生成すべきではない。
このような該フィルムの乾燥法は、幾つかの利点をもたらす。その例は、特に迅速な乾燥時間、および該フィルムのより均一な表面、並びに該フィルムにおける任意の与えられた領域に対する、成分の均一分布性である。更に、迅速な乾燥時間は、該フィルム内での迅速な粘性の設定を可能とし、更に成分の均一分布を促進し、また該最終的なフィルム製品における、成分の凝集を減じる。望ましいことに、該フィルムの乾燥は、約10分またはそれ以下の期間内、あるいは一層望ましくは約5分またはそれ以下の期間内に起るであろう。
本発明の製品および方法は、該フィルム内の成分の自己凝集を実質的に減じるフィルムを提供するための、該フィルム製造の様々な段階間の、相互の影響によっている。具体的には、これらの段階は、該フィルムを製造するのに利用される、空気の混入を防止するように該組成混合物を製造し、該フィルム-形成組成物の粘度を調節し、また該フィルムを乾燥する方法を含む。より具体的には、該混合物中の成分のより高い粘度は、フィルム成分、例えば活性物質としての薬物が、選択された極性溶媒に不溶である場合、該薬物の沈降を防止するために、特に有用である。しかし、該粘度は、選択された注入成型法を妨害し、または阻害するほどに高いものであってはならず、該成型法は、望ましくは実質上不変の厚みを持つフィルムを与える能力のために、リバースロール塗布操作を含む。
Vo = (2grr)(ρp - ρl)/9μ
しかし、高い粒子濃度において、局所的な粒子濃度は、局所粘度および密度に影響を及ぼすであろう。該懸濁液の粘度は、固体の体積分率の強関数であり、また粒子-粒子および粒子-液体相互作用は、更に沈降速度を妨害するであろう。
v/Vo = 1/(1 + κψ)
ここで、κ=定数、およびψは、該分散層の体積分率である。該液体中に懸濁したより多くの粒子は、粘度の減少をもたらす。粒子の幾何学形状も、重要なファクタである。というのは、該粒子の寸法は、粒子-粒子流動相互作用に影響を与えるからである。
μ/μo = 1 + 2.5φ
ここで、μoは、連続層の粘度であり、φは、該固体の体積分率である。より高い体積分率において、この分散液の粘度は、以下の式で表すことができる:
μ/μo = 1 + 2.5ψ + C1ψ2 + C2ψ3 + ... ..
ここで、Cは定数である。
該液相の粘度は、臨界的であり、また低い降伏応力値を持つ、粘弾性非-ニュートン流体に、該液体組成を変えることによって改善することが望ましい。このことは、静止状態にある高粘性連続相を生成することと等価である。粘弾性または高度に構造化された流体層の形成は、粒子の沈降に対して、付随的な抵抗力を発生する。更に、凝集または凝塊を制御することが可能であり、これは粒子-粒子相互作用を最小化する。該正味の効果は、均質な分散相の保存である。
τmax = 3Vμ/2r
擬似塑性流体に関連して、この剪断応力の状況における粘度は、全くニュートン流体のプラトーにおける、ゼロ剪断速度での粘度であり得る。
本発明の組成物およびフィルムに関するレオロジー要件は、極めて厳格である。これは、広い剪断速度範囲全体に渡り、許容される粘度値を持つ、粘弾性流体マトリックス中で、例えば30-60質量%の、粒子の安定な懸濁液を製造するための、必要性によるものである。混合、ポンプ輸送およびフィルム注型中に、10-105 sec-1なる範囲の剪断速度に遭遇する可能性があり、また擬似塑性が、その好ましい態様である。
α(n-1/n) = αo (n-1/n) - ((n-1)/(2n-1))(τ/K)1/n (2π/λ)(3+n)/nh(2n+1)/nt
ここで、αは、表面波の振幅であり、αoは、初期振幅であり、λは、表面粗さを表す波長であり、また「n」および「K」両者は、粘度累乗法則のインデックスである。この例において、平坦化挙動は粘度と関係付けられており、nの減少に伴って増加し、またKの増加に伴って減少する。
望ましくは、本発明のフィルムまたはフィルム-形成組成物は、極めて迅速な構造回復性を持ち、即ち該フィルムが加工中に形成されるにつれて、該フィルムは、破裂せずあるいはその構造および組成の均一性において不連続とはならない。このような極めて迅速な構造回復性は、粒子の沈降および沈殿を遅延させる。更に、本発明のフィルムまたはフィルム-形成組成物は、望ましくは剪断-薄化擬似塑性流体である。粘度および弾性等の特性を考慮したこのような流体は、薄膜の形成および均一性の達成を促進する。
該混合段階において、多くの技術を利用して、該最終的なフィルム内への気泡の混入を防止することができる。該最終製品において実質的に気泡の形成を伴わない、組成混合物を得るために、消泡剤または表面張力低下剤を、使用することができる。更に、該混合の速度を調節して、該ミックス内に空気を巻き込むような、該混合物におけるキャビテーションの発生を、防止することが望ましい。最後に、該ミックスを、該フィルムの乾燥前に、気泡が逃散するのに十分な時間、静置することによっても、気泡の低減を達成することができる。望ましくは、本発明の方法は、先ず活性成分または揮発性物質無しに、フィルム-形成成分のマスターバッチを形成する。一態様において、該活性物質は、注型の直前に、少量の該マスターバッチと併合する。かくして、該マスターバッチのプレミックスは、該活性薬剤または他の成分の不安定性を考慮せずに、長期間に渡り静置することができる。
フィルムの製造中、高温度でのフィルムの乾燥が望ましい可能性がある。高熱量での乾燥は、均一なフィルムを製造し、またフィルム生産における一層の効率化に導く。しかし、高感度の活性成分を含むフィルムは、高温条件下では、劣化の問題に直面する。劣化は、「明確に定義された中間生成物の生成を示す、化合物の分解」である[ザアメリカンヘリテージディクショナリーオブザイングリッシュランゲージ(The American Heritage Dictionary of the English Language)(第4版、2000)]。活性成分の劣化は、該活性成分の不安定化、不活性化、および/またはその効力の低下を引起すので、典型的には望ましくない。例えば、該活性成分が、薬物または生活性物質である場合、その劣化は、最終的な薬理生成物の安全性または有効性に悪影響を及ぼす。更に、著しく揮発性の高い物質は、従来の乾燥法で処理した場合に、このフィルムから即座に放出されてしまう傾向がある。
タンパク質は、長時間に渡り、高温に曝された場合に、劣化し、変性し、または不活性になる可能性のある、有用な活性薬剤の一カテゴリーにある。タンパク質は、身体内で様々な機能、例えば酵素、構造要素、ホルモンおよび免疫グロブリンの機能を果たしている。タンパク質の例は、酵素、例えばパンクレアチン、トリプシン、パンクレリパーゼ、キモトリプシン、ヒアルロニダーゼ、スーチレインス、ストレプトキナーゼ(streptokinaw)、ウロキナーゼ、アルチプラーゼ(altiplase)、パパイン、ブロメラインジアスターゼ;構造要素、例えばコラーゲン、エラスチン、およびアルブミン;ホルモン、例えばチロリベリン、ゴナドリベリン、アドレノコルチコトロピン、コルチコトロピン、コシントロピン、ソメトレム(sometrem)、ソマトロピン(somatropion)、プリラクチン、甲状腺刺激ホルモン、ソマトスタチン、バソプレシン、フェリプレシン、リプレシン、インシュリン、グルカゴン、ガストリン、ペンタガストリン、セクレチン、コレシストキニン-パンクレオチミン;および糖タンパク質に加えて多糖を含むことができる、免疫調節剤、例えば腫瘍の成長等の悪性細胞の成長を阻害し抑制するのに有用なサイトカインを包含する。幾つかの有用な糖タンパク質の製造に適した方法は、Cannon-Carlson等に付与された米国特許第6,281,337号に記載されている。この特許の内容全体を、ここに組入れる。
しかし、本出願人は、本発明のフィルムが、フィルムの製造並びに成型のための本発明の方法により、劣化、活性の喪失、または過度の蒸発の問題を起こすことなく、乾燥工程中に、高温に暴露することが可能であることを見出した。特に、該フィルムは、典型的に、上記の問題を生じることなしに、該活性成分の劣化、変性、または不活性化に導く可能性のある温度に暴露できる。本発明によれば、乾燥法は、該活性成分の滲出を招く、熱量の有害なレベルを回避するように制御することができる。
本発明の制御された乾燥工程によって達成される、強力な熱的混合が、該フィルム全体に及ぶ均一な熱拡散を生じる。このような熱的な混合が存在しない場合には、「ホットスポット」が発生する可能性がある。該フィルム内の熱ポケットが、該フィルム内に粒子凝集体および危険な領域を形成し、またその後に不均一性をもたらす。このような凝集体または集塊物の形成は、該活性物質がランダムに分配される恐れのある、不均一なフィルムの生成に導くので、望ましくない。このような不均一な分布は、フィルム当たりの該活性物質の量における大きな差の発生に導く。これは、安全性および有効性の観点から問題である。
例えば、本発明のフィルムは、望ましくは、10分間以下の期間乾燥される。80℃にて10分間の該フィルムの乾燥は、約5℃なる温度差を生じる。このことは、乾燥の10分後に、該フィルム内部の温度が、外側の暴露温度よりも5℃低いことを意味する。しかし、多くの場合において、10分未満の乾燥時間、例えば4-6分間で十分である。4分なる乾燥時間は、約30℃なる温度差を伴い、また6分なる乾燥時間は、約25℃なる温度差をもたらす。このような大きな温度差のために、熱に対して敏感な活性物質の劣化を生じることなしに、該フィルムを、効率よく、高温度にて乾燥し得る。
本発明のフィルムは、少なくとも1種の水溶性ポリマーを含むことが望ましい。これらのフィルムは、また必要ならば、水膨潤性または水不溶性ポリマーを含むこともできる。水不溶性ポリマーの具体的な例は、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびこれらの組合せを含むが、これらに限定されない。
幾つかの態様では、該フィルム組成物は、酸性pHを有する少なくとも一つの成分または組成物、および中性ポリマーまたは酸性ポリマーを含む、ポリマー系を含有する。
中性ポリマーの例は、以下に列挙するものを含むが、これらに限定されない:ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピレンオキシド、グアーガム、ローカストビーンガム、ポリデキストロース、デキストリン、デキストラン、プルラン、タマリン、デンプン、およびこれらの組み合わせ。
本発明において使用するのに適した酸性ポリマーは、以下に列挙するものを含むが、これらに限定されない:ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ無水物、硫酸化カラギーナン、ファーセレラン、ザンタンおよびこれらの組み合わせ。
本発明の更なる態様において、該非-中性成分または組成物は、塩基性pHを持ち、また水中でこれと組み合わされる該ポリマー系は、塩基性ポリマー系である。本発明において使用するのに適した塩基性ポリマーは、制限無しに、以下に列挙するものを含む:ポリアミノ酸、ポリアミノカーボネート、ポリカーボネート、ポリアミド、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、カラギーナン、ペクチン、トラガカンス、カラヤおよびこれらの組み合わせ。
幾つかの好ましい態様では、該塩基性ポリマーは、アルギネートポリマーである。変性されたアルギネートポリマーの一例は、プロピレングリコールアルギネートである。
従って、一態様において、該フィルム組成物は、少なくとも1種の酸性化合物または組成物を含み、また該ポリマー系は、補足的な弱塩基、中性ポリマーおよび塩基性ポリマーを含む。該塩基性ポリマー、例えばアルギネートポリマーは、該中性ポリマー系を保護し、かつシネレシスを阻止する。幾つかの他の態様では、該フィルム組成物は、少なくとも1種の塩基性化合物または組成物を含み、また該ポリマー系は、補足的な弱酸、中性ポリマーおよび塩基性ポリマー、例えばアルギネートポリマーを含む。
水を吸収するポリマーは、しばしば水膨潤性ポリマーと呼ばれる。本発明と共に使用するのに有用な材料は、室温または他の温度、例えば室温を越える温度にて、水溶性または水膨潤性であり得る。その上、これらの材料は、大気圧未満の圧力下で、水溶性または水膨潤性であり得る。望ましくは、該水溶性ポリマーは、少なくとも20質量%なる水の取込み量を持つ、水溶性または水膨潤性ポリマーである。25質量%またはそれ以上の水の取込み量を持つ、水膨潤性ポリマーも有用である。このような水溶性ポリマーから作成した本発明のフィルムまたは投与剤形は、望ましくは体液と接触した際に溶解性を示すのに十分に水溶性のものである。
該バイオデル物質は、化学的に異なる、様々な一群のポリ無水物を表す。
該フィルム成分が、該選択された溶媒に不溶である場合、より高い粘度を与えるポリマーが、均一性の維持を補佐する上で望ましい。他方、該成分が、該溶媒に可溶性である場合、より低粘度を与えるポリマーが好ましいものであり得る。
該ポリマーは、該フィルムの粘度に影響を与える上で、重要な役割を演じている。エマルション、コロイドまたは懸濁液中で、局所的な薬剤の安定性を調節する液体の、一特性である。一般に、該マトリックスの粘度は、約400cps〜約100,000cpsなる範囲、好ましくは約800cps〜約60,000cpsなる範囲、および最も好ましくは約1,000cps〜約40,000cpsなる範囲で変動する。望ましくは、該フィルム-形成マトリックスの粘度は、その乾燥工程を開始すると、急速に増大する。
また、単独で使用する場合には、可撓性のフィルムを得るために、通常可塑剤の使用を要する幾つかのポリマーを、可塑剤なしに組合わせ、また可撓性のフィルムを得ることができる。例えば、HPMCおよびHPCは、組合わせて使用した場合に、製造並びに保存に適した可塑性および弾性を持つ、可撓性で、強力なフィルムを与える。可撓性を得るために、追加の可塑剤またはポリアルコールの使用は、必要とされない。
該所定のフィルム特性を得るためには、該ポリマー成分中のPEOの濃度および/または分子量を変えることができる。該PEOの含有率の変更は、引裂抵抗溶解速度、および接着傾向等の特性に影響を与える。従って、フィルム特性を調節するための一つの方法は、PEOの含有率を変更することである。例えば、幾つかの態様において、迅速に溶解するフィルムが望まれる。該ポリマー成分の含有率を変更することによって、所定の溶解特性を得ることができる。
幾つかの態様において、該PEOのレベルを変更して、幾つかのフィルム特性を改善することが望ましい場合がある。高い引裂抵抗および高い溶解速度を持つフィルムを得るためには、約50%以上の該ポリマー成分中のPEO濃度が、望ましい。接着を阻止するためには、即ち該フィルムの口蓋への接着を防止するためには、PEO濃度は、約20%〜約75%であることが望ましい。しかし、幾つかの態様において、例えば動物または子供に投与するためには、該フィルムの口蓋への接着が望ましい場合がある。このような場合において、より高い濃度のPEOを使用することができる。より具体的には、該フィルムの構造の保全性および溶解性は、意図した用途に応じて、該フィルムを粘膜に接着し、かつ容易に除去でき、あるいはより堅固に接着し、かつ除去を困難にすることができる。
例えば、高い溶解速度および高い引裂抵抗等の幾つかのフィルム特性は、少量の高分子量PEOと、大量の低分子量PEOとを組合わせることによって、達成できる。望ましくは、このような組成物は、該PEO-ブレンドポリマー成分において、約60%以上の濃度で、該低分子量PEOを含む。
接着防止、高い溶解速度、および良好な引裂抵抗なる諸特性を均合するためには、望ましいフィルム組成物は、場合により少量の高分子量PEOと組合わせた、約50%〜75%の低分子量PEOを含むことができ、該ポリマー成分の残部は、親水性のセルロース系ポリマー(HPCまたはHPMC)を含む。
該用語「制御放出」とは、予め選択されたまたは所定の速度で該活性成分を放出することを意味するものとする。例えば、該pH調節フィルムおよび/またはこのフィルムと組合わせて使用される別のフィルム内に、医薬を含めた態様においては、該フィルムからの該活性物質の放出を制御することが望ましい可能性がある。該放出速度は、用途に応じて変えられる。望ましい放出速度は、高速または即座の放出プロフィール並びに遅延、徐放または継続的な放出を包含する。放出パターンの組合せ、例えば活性物質の初期の急激な放出と、それに続く低レベルの持続的放出も、本発明において意図されている。該活性物質の脈動的な放出も意図されている。
本発明のフィルムに対して選択された該ポリマーは、また該活性物質の制御された崩壊を可能とするように選択することも可能である。これは、経時で該フィルムから放出される活性物質を組込んだ、実質的に水不溶性のフィルムを提供することにより達成できる。これは、様々な異なる可溶性または不溶性ポリマーを配合することにより達成でき、また生分解性ポリマーを組合せで含むことも可能である。あるいはまた、被覆された制御放出性の活性粒子を、易溶性のフィルムマトリックス中に配合して、該活性物質の制御放出特性を達成することができる。
本発明において使用する活性薬物は、制御放出型剤形で、本発明のフィルム組成物に配合することができる。例えば、薬物の粒子は、ポリマー、例えばエチルセルロースまたはポリメタクリレートで被覆することができ、該ポリマーは、夫々例えばアクアコート(Aquacoat) ECDおよびユードラジット(Eudragit) E-100なる商品名の元に市販品として入手できる。薬物の溶液も、このようなポリマー材料に吸収させ、また本発明のフィルム組成物に配合することができる。他の成分も、このような制御放出組成物中で使用することができる。
活性物質
活性物質を該フィルムに導入する場合、単位体積当たりの活性物質の量は、該フィルムの均一分散性によって決まる。例えば、該フィルムが、個々の単位に裁断される場合、該単位における該活性物質の量は、極めて高い精度で知ることができる。これは、所定領域内の該活性物質の量が、該フィルムの別の部分における同一の寸法の領域中の、該活性物質の量と、実質的に同一であることから達成される。用量における精度は、該活性物質が医薬、即ち薬物である場合に、特に有利である。
幾つかの態様において、湿潤剤(例えば、水性溶媒)は、容器から計量分配することができ、該容器は、該フィルムから分離され、あるいはこれに固定されている。例えば、該容器は、該湿潤剤を含む、ポンプ付きボトルまたは封止されたチューブであり得る。
あるいはまた、該容器は、該湿潤剤を含む、封止された、破壊可能な袋であり得る。このような袋は、該フィルムから分離し、あるいはこれに固定することができる。該袋を破壊した場合、該湿潤剤を、該フィルムと直接接触させて、該フィルムの成分を、該フィルムから溶出し、あるいは分散させることができ、結果的に該成分、例えば活性物質を、該支持体表面に適用することができる。
該フィルムは、該溶媒を含む容器と、皮膚および創傷を含む支持体表面との間に挿入することができる。あるいはまた、該フィルムは、該溶媒を含有する容器とアプリケータとの間に挿入することもできる。
随意の活性成分を、該溶媒中の該ポリマーと組合わせて、該pH調節フィルムを形成する場合には、形成される該物質の型は、該活性物質および該ポリマーの溶解度に依存する。該活性物質および/または該ポリマーが、該選択された溶媒に可溶性である場合は、これは溶液を形成することができる。しかし、該成分が、不溶性である場合には、形成される該物質は、エマルション、コロイド、または懸濁液として分類できる。
鎮痛薬は、麻酔薬およびその誘導体、例えばオキシコドン(オキシコンチン(OxycontinTM)として入手できる)、イブプロフェン、アスピリン、アセタミノフェン、および場合によりカフェインを含む、これらの組み合わせを包含する。麻酔薬アゴニストおよびアンタゴニスト、例えばブペルモルフィン(bupermorphine)およびナロキソンは、本発明において使用する薬物の更なる例である。
本発明において使用することが意図されている普及型のH2-アンタゴニストは、シメチジン、ラニチジン塩酸塩、ファモチジン、ニザチジン(nizatidien)、エブロチジン、ミフェンチジン、ロキサチジン、ピサチジン(pisatidine)およびアセロキサチジンを含む。
本発明で使用する製薬上活性な薬剤は、アレルゲンまたは抗原、例えば草本、樹木またはブタクサ由来の植物花粉;ネコおよび他の毛皮獣の皮膚および毛から剥がれ落ちた小さな鱗状のものである、動物の鱗屑;昆虫、例えばウマのホコリダニ、ミツバチ、およびスズメバチ;および薬物、例えばペニシリンを含むが、これらに限定されない。
酸化防止剤を、該フィルムに添加して、特に活性物質が光感受性である場合に、その劣化を防止することができる。
該フィルムの製造において、着色剤を使用することも可能である。このような着色剤は、食用、薬物用および化粧料用の着色剤(FD&C)、薬物および化粧料用着色剤(D&C)、または外用薬物および化粧料用の着色剤(Ext.D&C)を含む。これらの着色剤は、染料、その対応するレーキ、および幾つかの天然および誘導化着色剤である。レーキは、水酸化アルミニウム上に吸収された染料である。
着色剤の他の例は、公知のアゾ染料、有機または無機顔料、または天然起源の着色剤を含む。無機顔料、例えば鉄またはチタンの酸化物が好ましいが、これらの酸化物は、上記全成分の質量を基準として、約0.001〜約10%、および好ましくは約0.5%〜約3%なる範囲に濃度にて添加される。
更に、香料を、該フィルムに含めることができる。これらは、例えば植物、葉、花、果実およびこれらの組み合わせ由来の抽出物を含むことができる。
化粧料用薬剤、薬用化粧料用薬剤および薬剤に加えて、該用語「活性物質(成分)(active)」とは、特定の表面領域に適用できまたは全身的に摂取し得る、任意の薬剤であり得る。例えば、活性物質は、清浄化が必要とされる際に、支持体に適用することのできる清浄化(洗濯)剤であり得る。これら清浄化剤の多くは、事実上酸性または塩基性であり、また非-中性pHを持つ成分であると考えることができる。例えば、酢酸、シュウ酸、ヒドロキシ酢酸およびクエン酸等を含む有機酸は、清浄化組成物で使用できる。このような薬剤は、シネレシスを減じまたは防止するために、幾つかのPh調節ポリマー系を用いた、ここに与えられるフィルムにおいて使用することができる。
投薬量
本発明のフィルム製品は、該活性物質を、広範囲の量で蓄えることができる。該フィルムは、必要とされる投薬量が高かろうが、著しく低かろうが、正確な投薬量(該フィルムのサイズおよび元のポリマー/水の組合せにおける該活性剤の濃度によって決まる)を与えることができる。従って、該フィルムに配合する活性物質の型に依存して、該活性物質の量は、約300mg程度の高い値、望ましくは約150mgまで、またはμgオーダーの低い値、あるいはこれらの範囲内の任意の量であり得る。
本発明のフィルム製品および方法は、高い効力で、低用量の薬物にとって極めて適している。これは、該フィルムの高度に高い均一性によって達成される。従って、低用量の薬物、特に一層有力な活性物質のラセミ混合物が望ましい。
消泡および脱泡成分も、本発明のフィルムと共に使用できる。これらの成分は、本発明のフィルム-形成組成物から、空気、例えば取込み空気を除去するのに役立つ。上記のように、このような取込み空気は、不均一なフィルムの生成に導くおそれがある。シメチコーン(Simethicone)は、特に有用な消泡および/または脱泡剤の一種である。しかし、本発明は、これに限定されず、他の消泡および/または脱泡剤を、適宜使用することができる。
シメチコーンは、一般に医学分野においては、小児におけるガスまたは疝痛の治療薬として利用されている。シメチコーンは、トリメチルシロキシ末端遮断単位で安定化された、ポリジメチルシロキサンおよび二酸化ケイ素の繰返し単位を含む、完全にメチル化された鎖状のシロキサンポリマーの混合物である。これは、通常90.5-99%のポリメチルシロキサンおよび4-7%の二酸化ケイ素を含む。該混合物は、灰色で、透明かつ粘稠な、水に不溶性の液体である。
シメチコーンは、該フィルム-形成混合物に、消泡剤として、約0.01質量%〜約5.0質量%なる範囲、より望ましくは約0.05質量%〜約2.5質量%なる範囲、および最も望ましくは約0.1質量%〜約1.0質量%なる範囲の量で添加することができる。
様々な他の成分およびフィラーも、本発明のフィルムに添加することができる。これらは、限定するものではないが、界面活性剤;該混合物中の成分の相溶化を助ける、可塑剤;ポリアルコール;該フィルムから酸素を遊離させることにより、フィルム表面の平滑化を促進する、消泡剤、例えばシリコーン-含有化合物;および該フィルム成分の分散状態を維持するのに役立つ、ペクチン、カラギーナン、およびゼラチン等の熱硬化性ゲルを含むことができる。
本発明の組成物に配合することのできる様々な添加物は、様々な異なる機能を与えることができる。添加物群の例は、賦形剤、潤滑剤、バッファー、安定化剤、発泡剤、顔料、着色剤、フィラー、増量剤、香料、放出性改善剤、佐剤、可塑剤、流動促進剤、離型剤、ポリオール、粒状化剤、希釈剤、バインダ、バッファー、吸収剤、グリダント(glidants)、接着剤、接着防止剤、酸味付与剤、柔軟剤、樹脂、粘滑薬、溶剤、界面活性剤、乳化剤、エラストマー、およびこれらの混合物を包含する。これらの添加剤は、該活性成分と共に添加することができる。
更なる添加物は、望ましくは全ての成分の質量を基準として、約0.02%〜約3質量%なる範囲および望ましくは約0.02%〜約1%なる範囲の濃度の、無機フィラー、例えばマグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン等の酸化物であり得る。
添加物の更なる例は、可塑剤であり、これはポリアルキレンオキシド、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン-プロピレングリコール、低分子量を持つ有機可塑剤、例えばグリセロール、グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテート;トリアセチン、ポリソルベート、セチルアルコール、プロピレングリコール、ソルビトール、ジエチルスルホサクシネート、トリエチルシトレート等を含み、これらは、該ポリマーの質量を基準として、約0.5%〜約30%なる範囲、および望ましくは約0.5%〜約20%なる範囲の濃度にて転化される。
該脂肪、モノ-、ジ-グリセライドおよび/またはレシチンの全量は、該組成物全体の、約5%まで、および好ましくは約0.5%〜約2質量%なる範囲にある。
更に、二酸化ケイ素、または二酸化チタンを、該組成物全体の、約0.02%〜約1質量%なる範囲の濃度で添加することが有用である。
これら添加剤は、意図した目的を達成するのに十分な量で使用される。一般に、幾つかのこれら添加剤の組合せは、該活性成分の全体的な放出プロフィールを変更し、また該放出を変更し、即ち抑制しまたは促進するために使用できる。
他の成分は、該フィルム製造の簡略化並びに一般的な該フィルムの性能に寄与する、バインダを含む、バインダの非-限定的な例は、デンプン、α-化デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルオキサゾリドン、およびポリビニルアルコールを含む。
更に有力な添加物は、溶解度増強剤、例えば活性成分と包接化合物を形成する物質を含む。このような薬剤は、極めて不溶性のおよび/または不安定な活性物質の諸特性を改善する上で有用であり得る。一般に、これらの物質は、内側の疎水性空洞および外側の親水性部分を持つ、ドーナッツ形状を持つ分子である。不溶性および/または不安定な活性物質は、該疎水性空洞内にぴったりと嵌り込み、結果として包接複合体を形成することができ、これは水に対して可溶性である。従って、該包接複合体は、該極めて不溶性のおよび/または不安定な活性物質を、水に溶かすことを可能とする。このような薬剤の特に望ましくは例は、シクロデキストリンであり、これはデンプン由来の環状炭水化物である。しかし、他の同様な物質も、当然に、本発明の範囲内にあるものと考えられる。
本発明のフィルムは、乾燥前にシート形状に成型する必要がある。所定の成分を併合して、該ポリマー、水、および非-中性成分または必要に応じて他の成分(例えば、活性物質)を含む、多成分マトリックスを製造した後、この組合せを、当分野において公知の任意の方法、例えば該多成分マトリックスの押出、塗布、展開、注型または圧伸成型によって、シートまたはフィルムに成型する。多層フィルムが望ましい場合には、該多層フィルムは、同一でも異なっていてもよい、2種以上の該成分の組合せを、同時押出することによって製造できる。多層フィルムは、また既に形成されたフィルム層上に、成分の組合せを、塗布、展開または注型することによって製造できる。
様々な異なるフィルム-形成技術を利用できるが、可撓性フィルムを与える方法、例えばリバースロール塗布を選択することが望ましい。該フィルムの可撓性は、保存のためにまたはバラバラに投与剤形に裁断する前に、該フィルムのシートを巻取り、搬送することを可能とする。望ましくは、該フィルムは、また自立型のものであり、または換言すれば、別の支持体無しに、その保全性および構造を維持できるものである。更に、本発明のフィルムは、食しまたは接種可能な材料を選択して、作ることができる。
本発明は、成分の実質的に均一な分布を有する、自立型のフィルムを製造する方法を利用する。該自立型のフィルムは、ここで論じるような活性物質の放出にとって特に有用である。該フィルムの製法は、該フィルム全体に分散された成分の組成の均一性を維持するように設計され、該組成の均一性は、薬理的に活性な物質等の活性成分が、該フィルムに組込まれる場合に、特に必要とされる。薬学関連分野において、該フィルムが組成において均一であって、個々のフィルム状投薬単位に分割でき、各投薬単位が、投与した際に適量の活性物質を含み、規制上の承認を確実にすることは、必須である。
該フィルムの製造に使用する一つの方法は、米国特許出願第10/074,272号に記載されており、この特許出願の内容全体を、参考としてここに組入れる。この方法において、該フィルムは、粘弾性フィルムを迅速に成型することにより製造されるが、その際に該フィルムに高温空気流を適用して、該流れの移動および分子間力による、凝集体または集塊物の生成を防止し、結果として該フィルム内の成分の組成の関する均一性を維持し;また更に、該粘弾性フィルムを乾燥して、自己支持型のフィルムを製造する。
該フィルムを、先ず高温空気流の適用前に、その表面を上にして供給できる。該湿潤フィルムは、望ましくはそこに含まれる該活性物質が劣化する前に、脱気したマトリックスから所定期間内に製造される。次いで、該高温空気流を、実質的に上部空気流が存在しないように、該フィルム表面の底部側に適用することができる。この方法は、更に該乾燥フィルムを、等しい寸法および組成上の構成を持つ個々の投薬単位に分割する工程をも含むことができる。該高温空気流を、乾燥中に、該フィルムの上部表面に対するよりも高い速度にて、該フィルムの底部表面に適用することができる。該フィルムの上部を乾燥するために適用される高温空気流は、表面の波打ちまたはスキン形成を引起す量よりも低い。このことは、該フィルムが、体積上の均一性を確保すべく、十分に濃厚な粘度を持つことを可能とし、しかもスキンの形成されていない表面を介して水の蒸発を可能とする。
本発明の該フィルム製造の目的にとって、塗布または注型法は、特に有用である。特定の例は、特に多層フィルムが望ましい場合には、リバースロール塗布、グラビア塗布、浸漬またはディップ塗布、計量ロッドまたはメイヤーバー(Meyer Bar)塗布、スロットダイまたは押出塗布、ギャップまたはロール式ナイフ塗布、エアナイフ塗布、カーテン塗布、またはこれらの組み合わせを含む。
該グラビア塗布法は、被覆浴内を走行する、彫刻ロールを使用するものであり、該浴は、該ロールの該彫刻ドットまたはラインを、該塗布材料で満たす。該ロール上の過剰量の塗布材料は、ドクターブレードにより掻取られ、また該塗膜は、次いで該彫刻ロールと加圧ロールとの間を通過する際に、該支持体上に堆積される。
オフセットグラビア塗布が一般的であり、該塗膜は該支持体に移される前に、中間ロール上に堆積される。
該計量ロッド塗布法においては、過剰量の該塗布液が、該浴のロール上を通過する際に、該支持体上に堆積される。しばしばメイヤーバー(Meyer Bar)として知られているワイヤ巻回計量ロッドは、所定量の該塗布液を、該支持体上に残すことを可能とする。その量は、該ロッド上で使用する該ワイヤの径によって決まる。
上記スロットダイ法においては、該塗布液は、重力によって、あるいは加圧下に、スロットを介して、該支持体上に絞出される。該塗布物が100%固体である場合、この方法は、「押出」と呼ばれ、またこの場合線速度は、しばしば該押し出しの速度よりも一層高いものである。これは、塗膜を、該スロットの幅よりも著しく薄いものとする。
上記エアナイフ塗布法は、該塗布液を該支持体に適用し、その過剰分を、該エアナイフからの強力なジェットによって「吹き飛ばす」ものである。この方法は、水性塗布液にとって有用である。
上記カーテン塗布法においては、底面にスロットを備えた浴が、該塗布液の連続的なカーテンを、2つのコンベア間のギャップに落下させることを可能とする。該塗布すべき対象は、制御された速度にて該コンベアに沿って通過して、その上面で該塗布液を受取る。
PEOポリマー成分を含有するフィルム組成物を製造するためには、押出法を利用することが、特に望ましい。これらの組成物は、PEOまたはPEOブレンドを該ポリマー成分内に含み、また本質的に添加可塑剤、および/または界面活性剤、およびポリアルコールを含まないものであり得る。
該組成物は、約90℃未満の加工温度にて、シートとして押出すことができる。押し出しは、該フィルム組成物を、ロールまたはダイを通して絞出すことによって進められて、均一なマトリックスを与える。次いで、この押出されたフィルム組成物を、当業者には公知の任意のメカニズムにより冷却する。例えば、冷却ロール、空冷床、または水冷床を使用することができる。該冷却段階は、PEOが熱を保持する傾向があることから、PEOポリマー成分を含むフィルム組成物にとって、特に望ましいものである。このようにして形成されたシートは、所望により様々な形状に成型することができる。
該乾燥段階も、また該フィルム組成物の均一性維持に関する寄与ファクタである。粘度増加組成物の不在下で、または該粘度が、例えば該ポリマーの選択によって、調節されている組成物の不在下で、該フィルム内の成分が、凝集または集塊の高い傾向を持つ場合に、制御された乾燥工程は、特に重要である。該制御された乾燥工程を必要としない、正確な用量を持つフィルムを製造するもう一つの方法は、予め決められたウエル上で該フィルムを注型することである。この方法を用いた場合、該成分は凝集する恐れがあるが、各ウエル自体が、該投与単位を規定し得るので、該方法は、隣接投与剤形にまで、該活性物質を移動することはないであろう。
制御されたまたは迅速な乾燥工程が望ましい場合、この乾燥は、様々な方法によって行うことができる。様々な方法を利用でき、その例は、熱の適用を必要とする方法を含む。湿潤フィルムにおいて得られる、均一性、またはより具体的には、該非-自己凝集性の均一な異質性を維持するように、該フィルムから該液状担体を除去する。
幾つかの態様において、該極性溶媒の質量は、乾燥前の該フィルムの少なくとも約30%である。幾つかの他の態様では、該フィルムの乾燥は、該極性溶媒の質量%を、約10%以下減じる。好ましくは、該乾燥は、約10分間またはそれ以下で起る。
単独で、または上記のような他の制御された乾燥法との組合せで利用できる、該乾燥方法を制御するもう一つの方法は、該フィルムを乾燥するための、乾燥装置内の水分を制御し、かつ改良することを含む。このようにして、該フィルムの上部表面の、早期の乾燥を回避する。
更に、該乾燥時間の長さは、適宜制御でき、即ち該フィルムの成分、および特に香料および薬物の熱に対する感受性および揮発性と釣合わせることができる。エネルギーの量、温度および、該コンベアの長さおよび速度は、このような活性物質を収容するように、また最終的なフィルムにおける損失、劣化または不活性化を最小化するように、均合させることができる。
Magoonの方法並びに装置は、興味深い水の特性に基いている。水は、その内部およびその回り両者における伝導および対流によって、エネルギーを伝達するが、水は、その内部および水自体にエネルギーを放射するに過ぎない。従って、Magoonの装置は、赤外輻射に対して透明な、該フルーツパルプを配置する表面を含む。該表面の下側は、温度制御された水浴と接触状態にある。該水浴の温度は、望ましくは水の沸点よりも僅かに低い温度に制御される。湿潤フルーツパルプを、該装置の表面上に配置した場合、該パルプは、「反射窓」を生成する。このことは、該フルーツパルプによって占有されている該表面上の領域に対してのみ、かつ該フルーツパルプが乾燥されるまで、赤外輻射エネルギーが、該表面を通して射出し得ることを意味する。該Magoonの装置は、本発明のフィルムに、効率的な乾燥時間をもたらし、該フィルムの成分の凝集の機会を減じる。
該ゾーン乾燥用コンベアの速度は、連続的であることが望ましい。あるいはまた、該速度を、該乾燥法の特定の段階で変えて、所定ゾーンの条件に対する、該フィルムの暴露期間を増減することができる。連続的であれ、変更されたものであれ、該ゾーン乾燥法は、表面スキン形成を伴うことなしに、該フィルムを乾燥する。
図9に示された、ゾーン乾燥装置100の一態様によれば、該フィルム110は、連続式ベルト120に供給され、該ベルトは、該フィルムを、該種々の乾燥ゾーンを介して搬送する。該フィルムが第一のゾーン101を介して移動する、該第一ゾーンは、暖かく、かつ湿ったゾーンであり得る。第二のゾーン102は、より高温かつより乾燥状態であり得、また第三のゾーン103も、より高温かつより乾燥状態であり得る。これらの異なるゾーンは、連続式または交互式であり得るが、図10のゾーン乾燥装置200に示したように、分離されていてもよく、そこには、第一の乾燥ゾーン201、第二の乾燥ゾーン202および第三の乾燥ゾーン203が示されている。本発明による該ゾーン乾燥装置は、3乾燥ゾーン式に限定されない。所望により、本発明の制御された乾燥効果を得るために、該フィルムは、変動する温度および湿度レベルを持つ、より少数のまたは追加の乾燥ゾーンを介して移動することができる。
該フィルムは、初め約500μm〜約1,500μmなる範囲、または約0.508mm(約20ミル)〜約1.524mm(約60ミル)なる範囲の厚みを持ち、また乾燥された場合には、約3μm〜約250μmなる範囲、または約0.00254mm(約0.1ミル)〜約0.254mm(約10ミル)なる範囲の厚みを持つ。幾つかの態様において、該フィルム製品は、約0.00254mm(約0.1ミル)を越える厚みを持つ。幾つかの態様において、該フィルム製品は、約0.254mm(約10ミル)以下の厚みを持つ。更なる幾つかの態様において、該フィルム製品は、約0.0127mm(約0.5ミル)〜約0.127mm(約5ミル)なる範囲の厚みを持つ。望ましくは、該乾燥フィルムは、約0.0508mm(約2ミル)〜約0.203mm(約8ミル)なる範囲、およびより望ましくは約0.0762mm(約3ミル)〜約0.152mm(約6ミル)なる範囲の厚みを持つであろう。
該フィルム製造工程中の、化学的および物理的均一性に関して、本発明のフィルムをテストすることは、望ましいことであり得る。特に、該フィルムのサンプルを取り出して、様々なサンプル間のフィルム成分における均一性に関して、テストすることができる。フィルムの厚みおよび全体的なその外観も、均一性のためにチェックすることができる。均一なフィルムは、特に安全性および効力の理由から、薬理成分または薬用化粧料成分を含有するフィルムにとって望ましい。
本発明に従って均一性をテストする方法は、特に、製造工程を通してフィルムを搬送することを含む。この工程は、該フィルムを乾燥工程に付し、個々の投与単位に分割し、および/または該要約量を包装することを含むことができる。該フィルムがその製造工程を通じて、例えばコンベアベルト装置上で、搬送されるにつれて、その幅方向に、少なくとも一箇所において切れ目を入れる。この少なくとも1箇所は、任意の他のフィルム部分とは別の対向する端部を持つ。例えば、該フィルムがロール状に巻回されている場合、これは、別々のサブロールに切断することができる。該フィルムの切断は、様々な方法、例えばナイフ、レザー、またはフィルムを切断するのに適した任意の他の手段によって行うことができる。
更に、該製造工程全体に渡り、該サンプリングおよびテスト段階を繰返すことは、望ましいことであり得る。多数の間隔でのテストは、均一な用量のフィルムが、継続的に製造されているか否かの確認を可能とする。この方法に対する変更は、サンプル間の不均一性を最小化するために、任意の段階で実施することができる。
薄いフィルムの使用
本発明の薄いフィルム(薄膜)は、多くの用途に全く適している。該フィルムの成分における高度の均一性は、該フィルムを、医薬の配合に極めて適したものとする。更に、該フィルムの構築において使用するポリマーは、該フィルムに、ある範囲の崩壊時間を与えるように選択することができる。フィルムが崩壊する時間の変更または延長は、該活性物質が放出される速度を制御することを可能とし、該速度の制御は、持続的放出系の製造を可能とする。更に、該フィルムは、活性物質を、皮膚および粘膜を供えた表面を包含する、他の身体表面に投与する目的で使用することができる。
幾つかの他の態様では、該フィルムは、治療を必要とする、創傷に適用することができる。該フィルム、または該フィルム組成物を含む包帯は、非-限定的に成長因子(例えば、血小板由来の成長因子)、抗生物質、創傷浄化剤、および湿潤剤を包含する、創傷治癒剤を放出するために使用できる。
本発明のフィルムは、湿らせた場合に、迅速に溶解する傾向を持つという、利点を有する。本発明に従ってフィルムを調製し、これを液体中に導入し、かつこれを溶解させることによって、活性物質を、該液体中に導入することができる。これは、活性物質の液状投与剤形を調製するのに利用でき、これは次いで局所的に適用することができる。
特定のフィルム形状またはサイズを持つことが好ましい。従って、該フィルムは、任意の所定の形状またはサイズを持つ剤形に裁断することができる。
望ましくは、一連のこのような単位用量を、処方された養生または治療に従って、例えば特定の療法に依存して10-90日分の供給量を、一緒に包装する。該個々のフィルムは、裏地上に包装され、また使用に際して剥ぎ取られる。
本発明の特徴および利点は、例示の目的で与えられ、本発明を何ら限定するものではない、以下の実施例によって、より完全に示される。
本実施例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース/PEO (80:20)フィルム基剤への酸性処方物の配合を意図する。このフィルムは、単独でまたは必要ならば他の水溶性フィルムと共に使用できる。クエン酸は、化粧料または清浄化組成物においてみることのできる代表的な活性成分であり得る。あるいはまた、クエン酸は、同一のフィルムまたは別の水溶性フィルムに含まれる他の成分のpHを調節する目的で使用することができる。クエン酸は、化学的には弱酸である。本例において、該クエン酸は、バッファー系の不在下において、HPMC/PEO(中性ポリマー)と組合される。従って、本実施例において、全体としての系は酸性である。得られたフィルムは、酸性活性物質(25質量%の固形分)を放出するための溶解性フィルムとして有用であることが分かった。その成分は、以下の表Aに示されている。
表Aからのソルビタンモノオレエートおよび37.5gの蒸留水を、デグッサ(Degussa) 1100ボウルに加えた。次いで、該ポリエチレンオキシドとヒドロキシプロピルメチルセルロース(表A)とのブレンドを、このボウルに添加した。これら成分の組合せを、デグッサデンタルマルチバックコンパクト(Degussa Dental Multivac Compact)を用いて混合した。特に、溶液は、予め設定した時間間隔で、以下の表Bに示したような増大する真空下で、125rpmにて該成分を混合することによって調製した。ここで、該クエン酸成分は、初期混合の40分経過直後に添加した。
この得られたフィルムは、約0.0762mm(3ミル)なる厚みを持ち、また中程度の引裂抵抗を有しており、引張った際に十分な強度を持ち、粘着性ではなく、油状物ではなく、また該モイスチャーアナライザ外における180°曲げテストに合格した。該フィルムは、6330のHDPから、等級7なるフィルム接着性を有していた。
本例は、中性ポリマー系を使用して、酸性処方物を含有する可溶性フィルム調製の可能性を立証する。本発明のフィルム被覆を有するタンポンを、酸性組成物を膣領域に放出する目的で、提供できることをも立証する。このような放出は、膣内に酸性pHを維持し、および/または幾つかの他の治療上の利益を与える上で有用であり得る。
実施例2:クエン酸/クエン酸ナトリウムの、HPMC/PEOフィルム基剤への配合
本例は、酸性化合物(クエン酸)およびバッファー系(クエン酸ナトリウム)両者の、ヒドロキシプロピルメチルセルロース/ポリエチレンオキシド(80/20)フィルム基剤への配合を目的とする。約50mgのクエン酸と、50mgのクエン酸ナトリウムとを、215mgのフィルムストリップ中に、中性ポリマーと共に配合し、中性系(25質量%の固形分)を得た。このフィルムの成分は以下の表Cに示されている:
本例は、酸および補足的な塩基、例えばクエン酸およびクエン酸ナトリウムが、所定の比率において、中性ポリマー系の圧潰を生じることを明らかにしている。本例は、更にポリマー系におけるゲル化を防止するために、変性剤の必要性を立証している。ここで、酸および補足的な塩基両者は、所定の比率で存在する。以下の実施例3および4は、この種のゲル化を防止するために、このような中性ポリマー系に、変性剤として、アルギネートポリマーを使用することを意図する。
実施例3:クエン酸およびクエン酸ナトリウムの、PEO/プロピレングリコールアルギネートフィルム基剤への配合
本例は、クエン酸、およびその補足的な塩基であるクエン酸ナトリウムを、可溶性フィルム(34質量%固形分)として使用するための、ポリエチレンオキシド/プロピレングリコールアルギネート(98/2)フィルム基剤に、配合することを目的とする。このフィルムは、更にツイーン80を含んでいた。このフィルムの成分を、以下の表Eに示す。幾つかの態様において、該フィルムは、第二の水溶性フィルムと組合わせて使用することができる。
該ツイーン80を、33gの蒸留水と、デグッサ(Degussa) 1100ボウル内で併合した。次いで、該ポリエチレンオキシド、クエン酸およびクエン酸ナトリウムのブレンドを、このボウルに添加した。これら成分の組合せを、以下の表Bに示すような条件の下で、デグッサマルチバックコンパクトを用いて混合した。該プロピレングリコールアルギネート(変性塩基性ポリマー)は、該溶液が、低粘度を有し、かつ僅かなゲル化(シネレシス)を示したことに気付いた場合には、8分という混合間隔の経過後に、変性剤として添加された。該アルギネートポリマーを添加し、かつその後12分なる期間混合した(17Hgにて)後、該溶液の粘度は、望ましいものであり、またシネレシス(ゲル化)は消えた。
この得られたフィルムは、約0.097〜0.114mm(3.8-4.5ミル)なる厚みを持ち、また良好な引裂抵抗を有しており、引張った際に、十分な強度を持ち、粘着性ではなく、油状物ではなかった。このフィルムは、乾燥後に該オーブンから取出した際に、良好で、平滑な外観を有していた。該フィルムの約2.54×7.62cm(1×3 in)の小片の質量は、240mgであった。
本例は、酸および補足的な塩基、例えばクエン酸およびクエン酸ナトリウムが、所定の比率において、中性ポリマー系、例えばPEOの圧潰を生じることを明らかにしちぇいる。本例は、更に少量の塩基性ポリマーまたは変性塩基性ポリマー、例えばプロピレングリコールアルギネートの添加が、該ポリマー系を保護し、かつシネレシスを阻止することをも示している。このことは、また以下の実施例4においても示される。実施例4では、該アルギネートポリマーは前もって添加された。
本例は、クエン酸、およびその補足的な塩基であるクエン酸ナトリウムを、ポリエチレンオキシド/プロピレングリコールアルギネート(98/2)フィルム基剤に、配合することを目的とする。本例において、該アルギネートポリマーは、該PEOとのポリマーブレンドとして、前もって添加した。該生成するフィルムは、可溶性フィルムストリップ(34質量%の固形分)として有用であることが分かった。このフィルムの成分を、以下の表Gに示す。該フィルムは、単独でまたは第二の水溶性フィルムと組合わせて使用することができる。
この得られたフィルムは、良好な引裂強さを有しており、引張った際に、十分な強度を持ち、粘着性ではなく、油状物ではなく、該フィルムは、6330のHDP側から、等級4なるフィルム接着性を有していた。約2.54×7.62cm(1×3 in)のストリップの質量は、208mgであった。
本例は、塩基性ポリマーの添加が、酸および補足的な塩基を、所定の比率で含む、中性ポリマー系の圧潰を防止することを明らかにする。
実施例5:ナトリウムアルギネートフィルム基剤への、クエン酸(50%)の配合
本例では、50%濃度にて、クエン酸を、ナトリウムアルギネートフィルム基剤(30質量%固形分を、27.5質量%固形分に減少)に配合する。この例は、酸性処方物、例えば該クエン酸が、塩基性の帯電ポリマー、例えばナトリウムアルギネートにおいては、十分に機能しないことを示す。特に、該ポリマーは、該水性相から逃散、本例ではシネレシスを引起すことを見出した。本例のフィルムの成分を、以下の表Iに示す:
このフィルムは、脆弱ではなかった。しかし、該溶液は、著しく粘稠で、十分に被覆することができず、また該ポリマーは該水相から逃散し、シネレシスを生じた。従って、本例は、酸性処方物が、塩基性ポリマー系、例えばアルギネートポリマーにおいては、十分に機能しないことを立証している。
実施例6:HPMC/ポリデキストロースフィルム基剤に対する重炭酸ナトリウムの配合
本例は、50%濃度にて、HPMC/ポリデキストロース(60/40)フィルム基剤(30質量%固形分)に対する重炭酸ナトリウムの配合を目的とする。幾つかの態様において、重炭酸ナトリウムは、例えば経口利用するためのフィルム組成物における制酸剤として使用することができる。本実施例は、塩基性処方物、例えば重炭酸ナトリウムが、中性ポリマー系、例えばHPMC/ポリデキストロース系において十分に機能しないことを立証している。本例のフィルム組成物の成分を、以下の表Kに示す:
蒸留水(35g)および該ソルビタンモノオレエートを、デグッサ1100ボウルに装入した。次いで、HPMCとポリデキストロースとのブレンドを、該ボウルに添加した。溶液は、デグッサデンタルマルチバックコンパクトを用いて、以下の表Lに記載したようにして製造した。ここで、該重炭酸ナトリウムは、12分間の混合期間の経過後に添加した。
実施例7:ナトリウムアルギネートフィルム基剤に対する、重炭酸ナトリウムの配合
本例は、50%濃度にて、ナトリウムアルギネートフィルム基剤(30質量%の固形分)に、重炭酸ナトリウムを配合することを目的とする。該フィルムの成分を、以下の表Mに示す。このフィルムは、単独で、または第二の水溶性フィルムとの組合せで使用することができる。
本例は、塩基処方物、例えば重炭酸ナトリウムが、アルギネート等の塩基性ポリマー系において、十分に機能しており、またシネレシスを示さないことを立証している。
Claims (89)
- (a) 水と結合した際に、中性でないpHを持つ、少なくとも1種の成分;および
(b) 水との組合せで、該中性でない成分と結合した際に、シネレシスを減じ、もしくは阻害するように選択された、pH調節ポリマー系、
を含むことを特徴とする、組成物。 - 該組成物が、フィルム形状にある、請求項1記載の組成物。
- 該フィルムが、活性物質を含む、請求項2記載の組成物。
- 該活性物質が、該中性でない成分である、請求項3記載の組成物。
- 該活性物質が、該中性でない成分とは異なる成分である、請求項3記載の組成物。
- 前記少なくとも1種の中性でない成分が、酸性物質であり、また前記ポリマー系が、中性または酸性ポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
- 前記少なくとも1種の中性でない成分が、酸性物質であり、また前記ポリマー系が、中性ポリマー、塩基性ポリマーおよび弱塩基性物質を含む、請求項1記載の組成物。
- 前記少なくとも1種の中性でない成分が、塩基性成分であり、また前記ポリマー系が、中性ポリマー、塩基性ポリマーおよび弱塩基性物質を含む、請求項1記載の組成物。
- 前記少なくとも1種の中性でない成分が、塩基性成分であり、また前記ポリマー系が、少なくとも1種の塩基性ポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
- 前記ポリマー系が、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、アラビアガム、ザンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ポリデキストロース、デキストリン、デキストラン、プルラン、タマリン、デンプン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、中性ポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
- 前記ポリマー系が、ポリエチレンオキシド、セルロース系ポリマーおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、中性ポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
- 前記中性ポリマーが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、ポリエチレンオキシドとの組合せである、請求項11記載の組成物。
- 前記中性ポリマーが、ポリエチレンオキシドである、請求項11記載の組成物。
- 前記ポリマー系が、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ無水物、硫酸化カラギーナン、ファーセレラン、ザンタンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、酸性ポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
- 前記ポリマー系が、ポリアミノ酸、ポリアミノカーボネート、ポリカーボネート、ポリアミド、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、カラギーナン、ペクチンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、塩基性ポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
- 前記ポリマー系が、アルギネートポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
- 前記アルギネートポリマーが、プロピレングリコールアルギネートである、請求項16記載の組成物。
- 前記ポリマー系が、水との組合せで、前記中性でない成分と結合された際に、中性pHを与える、請求項1記載の組成物。
- 前記ポリマー系が、バッファー系を含む、請求項1記載の組成物。
- 前記バッファー系が、弱酸、弱塩基、またはこれらの塩を含む、請求項19記載の組成物。
- 前記弱酸が、酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、酪酸、炭酸、クエン酸、蟻酸、乳酸、リンゴ酸、亜硝酸、シュウ酸、リン酸、プロパン酸、プロピオン酸、ピロリン酸、ピルビン酸、バレリアン酸およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項20記載の組成物。
- 前記弱塩基が、アラニン、アンモニア、ジメチルアミン、エチルアミン、グリシン、ヒドラジン、メチルアミン、トリメチルアミンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項20記載の組成物。
- 前記バッファー系が、有機酸の塩を含む、請求項20記載の組成物。
- 前記有機酸の塩が、クエン酸塩である、請求項23記載の組成物。
- (a) 水と結合した際に、酸性pHを持つ成分;および
(b) 少なくとも1種の中性または酸性ポリマーを含む、ポリマー系、
を含むことを特徴とする、組成物。 - 該組成物が、フィルム形状にある、請求項25記載の組成物。
- 該フィルムが、活性物質を含む、請求項26記載の組成物。
- 該活性物質が、前記酸性成分である、請求項27記載の組成物。
- 該活性物質が、該酸性成分とは異なる成分である、請求項27記載の組成物。
- 前記少なくとも1種の中性ポリマーが、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項25記載の組成物。
- 前記少なくとも1種の中性ポリマーが、ポリエチレンオキシドである、請求項25記載の組成物。
- 前記酸性ポリマーが、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ無水物およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項25記載の組成物。
- 前記ポリマー系が、前記中性ポリマー、および弱塩基を含む、請求項25記載の組成物。
- 前記ポリマー系が、更に塩基性ポリマーをも含む、請求項33記載の組成物。
- 前記塩基性ポリマーが、アルギネートポリマーである、請求項34記載の組成物。
- 前記弱塩基が、有機酸の塩を含む、請求項33記載の組成物。
- 前記塩が、酢酸、安息香酸、酪酸、クエン酸、蟻酸、乳酸、リンゴ酸、プロピオン酸、ピルビン酸、バレリアン酸およびこれらの組み合わせからなる群から選択される有機酸の塩である、請求項36記載の組成物。
- (a) 水と結合した際に、塩基性pHを持つ成分;および
(b) 少なくとも1種の塩基性ポリマーを含む、ポリマー系、
を含むことを特徴とする、組成物。 - 該組成物が、フィルム形状にある、請求項38記載の組成物。
- 該フィルムが、活性物質を含む、請求項39記載の組成物。
- 該活性物質が、前記塩基性成分である、請求項40記載の組成物。
- 該活性物質が、該塩基性成分とは異なる成分である、請求項40記載の組成物。
- 前記塩基性ポリマーが、ポリアミノ酸、ポリアミノカーボネート、ポリカーボネート、ポリアミド、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、カラギーナン、ペクチン、トラガカンス、カラヤおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項38記載の組成物。
- (a) 以下の成分を含むフィルム組成物:
(i) 水と結合した際に、中性でないpHを持つ、少なくとも1種の成分;および
(ii) 水との組合せで、前記中性でない成分と結合した際に、シネレシスを減じ、もしくは阻害するように選択された、pH調節ポリマー系;および
(b) 放出支持体、
を含むことを特徴とする、デバイス。 - 該フィルム組成物が、活性物質を含む、請求項44記載の組成物。
- 該活性物質が、中性でない成分である、請求項45記載の組成物。
- 該活性物質が、該中性でない成分とは異なる成分である、請求項45記載の組成物。
- 前記放出支持体が、タンポンまたは包帯である、請求項44記載のデバイス。
- (a) 水と結合した際に、中性でないpHを持つ成分を調製する工程;
(b) 水性溶媒との組合せで、前記中性でない成分と結合した際に、シネレシスを減じもしくは阻害するように選択された、pH調節ポリマー系を調製する工程;
(c) 前記中性でない成分および前記ポリマー系を、水性溶媒と共に併合して、フィルム形成組成物を製造する工程;および
(d) 前記フィルム-形成組成物を、フィルムに成型する工程、
を含むことを特徴とする、フィルムの製造方法。 - 該中性でない成分が、活性物質である、請求項49記載の方法。
- 更に、該成型工程に先立ち、該フィルム成分と活性物質とを結合する工程をも含む、請求項49記載の方法。
- 前記ポリマー系が、バッファー系を含む、請求項49記載の方法。
- 前記バッファー系が弱酸、弱塩基またはこれらの塩を含む、請求項49記載の方法。
- 前記中性でない成分が、酸性物質であり、かつ前記ポリマー系が、中性または酸性ポリマーを含む、請求項49記載の方法。
- 前記中性でない成分が、酸性物質であり、かつ前記ポリマー系が、中性ポリマー、弱塩基または塩基性ポリマーを含む、請求項49記載の方法。
- 前記中性でない成分が、塩基性物質であり、かつ前記ポリマー系が、少なくとも1種の塩基性ポリマーを含む、請求項49記載の方法。
- 前記中性でない成分が、塩基性物質であり、かつ前記ポリマー系が、中性ポリマー、塩基性ポリマーおよび弱酸を含む、請求項49記載の方法。
- 前記塩基性ポリマーが、アルギネートポリマーであり、該ポリマーが、前記酸性成分および前記弱塩基の存在下で、前記フィルムー形成成分中のシネレシスを減じる、請求項55記載の方法。
- 活性物質の局所的投与方法であって、以下の諸工程:
(a) 以下の成分を含むpH調節フィルム組成物を調製する工程:
(i) 水と結合した際に、中性でないpHを持つ成分;および
(ii) 水との組合せで、前記中性でない成分と結合した際に、シネレシスを減じ、もしくは阻害するように選択された、pH調節ポリマー系;および
(b) 前記pH調節フィルム組成物を、活性物質の存在下で、身体表面に適用する工程を含むことを特徴とする、前記局所的投与方法。 - 該活性物質が、該pH調節フィルム組成物中に存在する、請求項59記載の方法。
- 該活性物質が、前記中性でない成分である、請求項60記載の方法。
- 該活性物質が、前記中性でない成分とは異なる成分である、請求項60記載の方法。
- 該活性物質が、該pH調節フィルム組成物との組合せで使用される、第二のフィルム組成物中に存在する、請求項59記載の方法。
- 該身体表面が、粘膜である、請求項59記載の方法。
- 該身体表面が、創傷である、請求項59記載の方法。
- 更に、前記適用段階前に、放出支持体に、前記pH調節フィルム組成物を適用する工程をも含む、請求項59記載の方法。
- 該放出支持体が、タンポンである、請求項66記載の方法。
- 該放出支持体が、包帯である、請求項66記載の方法。
- 前記中性でない成分が、酸性物質であり、かつ前記ポリマー系が、中性または酸性ポリマーを含む、請求項59記載の方法。
- 前記中性でない成分が、酸性物質であり、かつ前記ポリマー系が、中性ポリマー、弱塩基、および塩基性ポリマーを含む、請求項59記載の方法。
- 前記中性でない成分が、塩基性物質であり、かつ前記ポリマー系が、少なくとも1種の塩基性ポリマーを含む、請求項59記載の方法。
- 前記中性でない成分が、塩基性物質であり、かつ前記ポリマー系が、中性ポリマー、塩基性ポリマーおよび弱酸を含む、請求項59記載の方法。
- 前記塩基性ポリマーが、アルギネートポリマーであり、該ポリマーが、前記酸性成分および前記弱塩基の存在下で、前記pH調節フィルム組成物中のシネレシスを減じる、請求項70記載の方法。
- 活性物質を適用する装置であって、
(a) 第一のフィルム形状にある水溶性組成物、ここで該組成物は、(i) 水と結合した際に、中性でないpHを持つ、少なくとも1種の成分;および(ii) 水性媒体との組合せで、前記中性でない成分と結合した際に、シネレシスを減じもしくは阻害するように選択された、pH調節ポリマー系を含み;および
(b) 前記水溶性の第一のフィルムを溶解するための、水性媒体、ここで該媒体は、前記第一のフィルムと直接接触して、活性物質の存在下で、前記中性でない成分を、前記第一フィルムから溶出または分散させて、前記活性物質を必要とする表面領域に、前記活性物質を放出し得るようにするために与えられる、
を含むことを特徴とする、前記装置。 - 前記活性物質が、該第一の水溶性フィルム中に存在する、請求項74記載の装置。
- 更に、前記活性物質を含有する、第二の水溶性フィルムをも含む、請求項74記載の装置。
- 更に、前記活性物質を必要とする前記表面領域に、該活性物質を適用するためのアプリケータをも含む、請求項74記載の装置。
- 前記アプリケータが、スポンジである、請求項77記載の装置。
- 前記フィルムを、前記溶媒で湿らせた、スポンジアプリケータの上部に付着させる、請求項77記載の装置。
- 前記フィルムを、後に前記溶媒で湿らせる際に、前記活性物質を適用するための、乾燥スポンジアプリケータの上部に付着させる、請求項77記載の装置。
- 前記溶媒が、容器内にある、請求項74記載の装置。
- 前記容器が、前記フィルムとは分離されている、請求項81記載の装置。
- 前記容器が、前記フィルムに付着されている、請求項74記載の装置。
- 前記フィルムが、前記溶媒を含有する容器と、皮膚のある領域との間に、挿入されている、請求項74記載の装置。
- 前記フィルムが、前記溶媒を含有する容器と、スポンジアプリケータとの間に挿入されている、請求項77記載の装置。
- 前記少なくとも一つの中性でない成分が、酸性物質であり、かつ前記ポリマー系が、中性または酸性ポリマーを含む、請求項74記載の装置。
- 前記少なくとも一つの中性でない成分が、酸性物質であり、かつ前記ポリマー系が、中性ポリマー、塩基性ポリマーおよび弱塩基を含む、請求項74記載の装置。
- 前記少なくとも一つの中性でない成分が塩基性物質であり、かつ前記ポリマー系が、中性ポリマー、塩基性ポリマーおよび弱酸を含む、請求項74記載の装置。
- 前記少なくとも一つの中性でない成分が塩基性物質であり、かつ前記ポリマー系が、少なくとも一つの塩基性ポリマーを含む、請求項74記載の装置。
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