JP2009521532A - 活性物質を放出するための、pH調節されたフィルム - Google Patents

活性物質を放出するための、pH調節されたフィルム Download PDF

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Abstract

本発明は、pH調節されたフィルムおよびその製法に関する。該フィルム組成物は、水と結合した際に、中性でないpHを持つ、少なくとも1種の成分;および水性媒体との組合せで、該中性でない成分と結合した際に、シネレシスを減じもしくは阻害するように選択された、pH調節ポリマー系を含む。該フィルムは、非-自己凝集性で、均一な異質性を持つものであることが立証される。望ましくは、該フィルムは、水中で崩壊し、また制御された乾燥工程、押出工程、あるいは該フィルムに必要とされる均一性を維持する、他の工程によって製造することができる。

Description

(関連出願との相互引照)
本件特許出願は、2005年12月27日付で出願された米国特許出願第60/754,092号に基く優先権を主張するものであり、該特許出願は、2002年2月14日付で出願された米国特許出願第10/074,272号の一部継続出願に係り、これは、また2001年10月12日付で出願された米国仮特許出願第60/328,868号および2002年6月7日付で出願された米国仮特許出願第60/386,937号に基く優先権を主張している。
本発明は、迅速に溶解する、自立式のフィルムおよびその製法に関する。特に、該フィルムは、中性でないpHを持つ成分;および該フィルムにおけるシネレシスを減じ、あるいは阻害するように選択された、pH調節されたポリマー系を含有する。
フィルムは、薬物、調剤等の活性成分を担持するための放出装置として使用することができる。しかし、歴史的にはフィルムおよび該フィルムからの薬物放出装置の製造方法は、これらを現実に使用することを不可能とする、多数の望ましからぬ諸特性を有していた。
製薬上活性な成分を組込んだフィルムは、Fuchs等に付与された、期限切れの米国特許第4,136,145号(「Fuchs」)に開示されている。これらフィルムは、シートに成型し、乾燥し、次いで個々の投薬単位に裁断することができる。該「Fuchs」の開示は、均一なフィルムの製造を主張しており、該フィルムは、水溶性ポリマー、界面活性剤、香料、甘味料、可塑剤および薬物の組合せを含んでいる。これらの主張に基く可撓性フィルムは、経口、局所または腸内用途にとって有用なものとして開示されている。「Fuchs」によって開示された特定の用途の例は、該フィルムの、口、直腸、膣、鼻および耳の領域を包含する、身体の粘膜領域への適用を含む。しかし、「Fuchs」に開示されている方法に従って製造したフィルムを検討すると、このようなフィルムが、粒子の凝集、集塊化、即ち自己凝集を引起し、これは、該フィルムを、本来的に不均一なものとしてしまう。この結果は、「Fuchs」の工程パラメータに起因するものであり得、該パラメータは、有望なものとして開示するものではないが、比較的長い乾燥時間の使用を含み、そのために分子間引力、対流力、気流等の発生を容易にし、このような凝集体の生成に導く。
凝集体の形成は、該フィルム成分および存在するあらゆる活性物質をランダムに分布させる。大用量を含める場合には、該フィルムの寸法における僅かな変動が、フィルム当たりの活性物質の量における大きな差に導く。このようなフィルムは、活性物質を低用量で含めようとする場合には、該フィルムの一部分が、実質的に如何なる活性物質も含まないことになる可能性がある。フィルムのシートは、通常単位用量に裁断されるので、幾つかの用量は、推奨される治療のための活性物質を含まないか、あるいは該物質の不十分な量を含むことになる可能性がある。該裁断されたフィルムにおいて、該活性物質の量に関する、高度の正確さが達成できないことは、患者にとって有害となる恐れがある。そのために、「Fuchs」等の方法により製造した投与剤形は、該剤形における活性物質の変動に関連する、政府または規制機関、例えばU.S.フェデラルドラッグアドミニストレーション(Federal Drug Administration: FDA)の厳密な基準を満たさない可能性がある。一般に、様々な世界的規制当局により要求されているように、投与剤形は、存在する活性物質の量において、10%を超えて変動してはならない。フィルムを基本とする投薬単位に適用する場合、これは、事実上、フィルムにおける均一性が存在すべきことを、命じている。
フィルムの不均一性に導く、自己凝集性の問題は、Schmidtに付与された米国特許第4,849,246号(「Schmidt」)において扱われている。Schmidtは、具体的にFuchsによって開示された方法が、均一なフィルムを与えないことを指摘しており、また不均一なフィルムの製造が、必然的に正確な服用を阻害することを認識しており、このことは、上で論じたように、製薬の領域において特に重要である。Schmidtは、Fuchsによって開示されたもの等の単層フィルムが、正確な投与剤形を与えることができるという考えを放棄し、またその代わりに多層フィルムを製造することによって、この問題を解決しようと試みた。更に、Schmidtの方法は、多段工程であり、これは経費高および作業の複雑さを伴い、工業的利用にとって実際的ではない。
他の米国特許は、従来のフィルム形成技術における、該技術に固有の粒子の自己凝集性および不均一性の問題を、直接扱っている。不均一性の問題を克服するための一つの試みにおいて、Horstman等に付与された米国特許第5,629,003号およびZerbe等に付与された米国特許第5,948,430号は、追加の成分、即ち夫々ゲル形成剤および多価アルコールを配合して、該フィルム内の成分の凝集を軽減するための努力において、乾燥する前に、該フィルムの粘度を高めている。これらの方法は、コストおよび製造工程の追加をもたらすことになる、追加の成分を必要とするという欠点を持つ。更に、これら両者の方法は、従来の時間を要する乾燥方法、例えば乾燥オーブン、乾燥トンネル、真空乾燥機またはその他のこのような乾燥装置を用いた高温空気浴等を使用する。この長期に及ぶ乾燥時間は、粘度改良剤の使用にも拘らず、該活性物質および他の賦形剤の凝集促進を助長してしまう。このような方法は、また該活性物質、即ち薬物、またはビタミンC、または他の成分を、むしろその効果を無効にしまたはこれにとって有害でさえある、水分および高温度に、長期間に渡り暴露する危険性を冒すことにもなる。
水分への長期に渡る暴露中に、活性物質の劣化に関連する問題に加えて、該公知の乾燥方法自体は、均一なフィルムを与えることができない。しばしば「熱履歴」と呼ばれる、従来の処理中の熱に暴露される時間の長さ、およびこのような熱が適用される様式は、得られるフィルム製品の製造ならびにその形態に直接的な影響を持つ。均一性は、特に従来の乾燥法によって達成することが困難であり、該方法においては、薬物の活性物質を配合するのに極めて適した、比較的厚いフィルムが望ましい。より厚い均一なフィルムの製造は、達成がより困難であるが、その理由は、該フィルムの表面および該フィルムの内側部分が、乾燥中に、同時に同一の外的条件に曝される訳ではないからである。従って、このような公知の処理で作られた比較的厚いフィルムを観察すると、対流および分子間力によって生じる不均一な構造を示し、また可撓性であるためには、10%を超える水分を必要とする。遊離水分の量は、しばしば時間の経過に伴って、該薬物の効力発生を妨害し、結果的に最終製品との矛盾を生じる。
従来の乾燥法は、一般に乾燥炉、乾燥トンネル等を用いた、強制的な熱風の使用を含む。均一なフィルム製造の困難さは、該フィルム-形成組成物のレオロジー特性および該組成物中の、水分蒸発工程と直接関連している。水性ポリマー溶液の表面が、高温空気流と接している場合、例えばフィルム-形成組成物が、熱風炉を通過する場合、その表面水は、即座に蒸発してその表面上にポリマーフィルムまたはスキンを生成する。これは、該表面下部の該水性フィルム-形成組成物の残りの部分を封鎖し、乾燥フィルムを生成するために、残留水分が蒸発した際に、強制的に通過する必要があるバリアを形成する。該フィルム外部の温度が増大し続けた場合、該フィルムの下部に蓄積された水蒸気圧が、該フィルムの表面を伸長させ、また最終的に引裂いて、開放し、該水蒸気を逃散させる。該水蒸気が逃散するや否や、該ポリマーフィルムの表面は改質され、またこの過程が、該フィルムの完全な乾燥まで反復される。該フィルム表面の、この反復的な破壊および改質は、「シワ形成作用」として観測され、これは、粗い、即ち不均一なフィルムを生成する。しばしば、該ポリマーに依存して、表面が極めて密に封止され、残留する水分の除去が困難となり、そのため極めて長い乾燥時間を要し、またより高い温度の使用を必要とし、またエネルギーコストをより高める。
他の因子、例えば混合技術も、工業化および規制機関の承認を得るのに適した薬理的フィルムの製造において、ある役割を演じている。該混合工程中に、あるいはその後の該フィルムの製造中に、該組成物中に空気が取込まれ、該乾燥段階において、水分が蒸発するにつれて、該フィルム製品中に空洞が残される可能性がある。該フィルムは、しばしば該空洞近傍で潰れて、不均質なフィルム表面を形成し、結果として最終的なフィルム製品の不均一性をもたらす。均一性は、気泡によって形成された、該フィルム内の空洞が、潰れないとしても、依然として影響を受ける。この状況は、また均一に分布していない空隙が、本来該フィルム組成物によって占められるべき領域を占有してしまうという意味で、不均一なフィルムを与える。上記特許の何れも、該フィルムに導入されている空気によって引起される、諸問題点に対する解決策を扱っている訳でも、また提案している訳でもない。
従って、最小数の材料または成分を使用し、また該フィルムの領域全体に渡り、実質的に非-自己凝集性で、均一な異質性(heterogeneity)を与える、フィルム製品を得るための方法並びに組成物に対する需要が存在する。
本発明は、可溶性フィルムおよびその製法を提供するものである。本発明のフィルムは、水中で、中性でないpHを持つ成分、例えば活性イオンと結合した場合に、シネレシスを減じ、または阻害する、pH調節されたポリマー系を選択することにより製造される。活性イオン、例えば酸、塩基またはバッファー系を使用して、該フィルム内に、または別のフィルム内に、所定のpHにて含まれる、薬物を放出することができる。
該フィルムは、実質的に等しい量の、存在する各構成成分を含有する、等しいサイズを持つ単位に分割することができる。この利点は、最初に大きな面積を持つフィルムを形成し、引続き各単位が組成において均一か否かに関する問題を生じることなしに、個々の単位に裁断することができるので、特に有用である。例えば、本発明のフィルムは、各フィルム単位が、適正な量の活性物質を含むので、該活性物質の放出装置としての、特別な用途を持つ。
ここで使用する用語「シネレシス(synerisis)」とは、ポリマーが水相から逃散しまたは分離する過程である。
ここで使用する用語「中性でない(非-中性)pHを持つ成分」とは、水に溶解した際に、約7未満(酸)または約7を越える(塩基)pHを持つ溶液を与える、活性イオンを含むことを意味する。この用語は、また活性イオンの組成物をも含むことを意味し、ここで該組成物は、約7未満または約7を越えるpHを持つ。
ここで使用する用語「酸性pHを持つ成分」等とは、水に溶解した際に、約7未満のpHを持つ溶液を与える、活性イオンを含むことを意味する。この用語は、また活性イオンの酸性組成物をも含むことを意味し、ここで該組成物は、約7未満のpHを持つ。
ここで使用する用語「塩基性pHを持つ成分」等とは、水に溶解した際に、約7を越えるpHを持つ溶液を与える、活性イオンを含むことを意味する。この用語は、また活性イオンの塩基性組成物をも含むことを意味し、ここで該組成物は、約7を越えるpHを持つ。
一態様において、本発明によるpH調節(された)フィルムは、皮膚の所定領域に、直接または間接的に適用することができる。他の態様では、該pH調節フィルムは、身体の粘膜領域、例えば身体の口、膣および肛門領域等に、直接または間接的に適用することができる。更に別の態様では、該pH調節フィルムは、硬質の表面、例えば清浄化が必要とされる特定の表面等に、直接または間接的に適用することができる。
本発明によるpH調節フィルムは、活性物質の適用が必要とされるサイトに、該活性物質の高い放出性を達成するために利用できる。例えば、該pH調節フィルムは、該pH調節フィルムまたはこれと組合わせて使用される別のフィルム内に含まれる、薬物の放出を高めるために使用することができる。
本発明の一局面においては、フィルム形状であり得る組成物が提供される。該組成物は、水と結合した際に、中性でないpHを持つ、少なくとも1種の成分;および水との組合せで、該中性でない成分と結合した際に、シネレシスを減じ、もしくは阻害するように選択された、pH調節ポリマー系を含む。特に、本発明者等は、本来酸性または塩基性の成分は、シネレシスを生じる、水性相からの該ポリマーの逃散を防止するために、幾つかのポリマー系を使用してフィルムに処方すべきであることを見出した。幾つかの態様において、該pH調節フィルムの該非-中性成分は、活性試薬、例えば薬物であり得る。しかし、他の態様では、該pH調節フィルムの該非-中性成分は、該活性薬剤(例えば、薬物)のpHを調節しまたは維持するために使用する、酸性成分、塩基性成分、またはバッファー系(酸/塩基系)であり得る。該活性薬剤は、該pH調節フィルムまたはこれとの組合せで使用される、別のフィルム中に含めることができる。幾つかの態様においては、薬物放出系のpHを調節することによって、該薬物の増強された放出を達成することができる。
本発明は、更にフィルム形状であってもよい組成物を提供し、該組成物は、水と結合した際に、酸性pHを持つ成分および少なくとも1種の中性または酸性ポリマーを含有する、ポリマー系を含む。
更に、フィルム形状であってもよく、水と結合した際に、酸性pHを持つ成分;および弱塩基、少なくとも一つの中性ポリマー、および塩基性ポリマーを含む、ポリマー系を含有する、組成物をも提供する。
同様に、フィルム形状であってもよい組成物が提供され、該組成物は、水と結合した際に、塩基性pHを持つ成分;および少なくとも1種の塩基性ポリマーを含有するポリマー系を含む。
以下において更に詳細に説明するように、該pH調節フィルムは、身体の粘膜領域、または水等の湿潤剤に暴露された場合に、実質的に溶解性であることが望ましい。該フィルムと粘膜領域または湿潤剤との接触は、該活性薬剤の存在下で、該フィルム内の該成分の、該フィルムからの溶出または分散を可能とする。該活性薬剤(例えば、薬物)は、本発明の該pH調節フィルムまたはこれとの組合せで使用される別の水溶性フィルム中に含めることができる。該湿潤剤は、皮膚および創傷を含む支持表面、または該湿潤表面に置かれたフィルム上に置くことができる。あるいはまた、該フィルムを、皮膚および創傷を含む支持表面上に置き、引続き水和させることも可能である。
本発明のフィルムの各々は、より小さなバラバラのフィルム単位に分割することができ、消費するための、用量単位を与えるサイズとし、また包装することができる。
本発明は、またフィルム組成物および放出用支持体を含む、デバイスをも提供する。該フィルム組成物は、水と結合した際に、中性でないpHを持つ成分;および水との組合せで、該非-中性成分と結合した際に、シネレシスを減じ、もしくは阻害するように選択された、pH調節ポリマー系を含む。放出用支持体は、例えばタンポンまたは包帯を含むことができる。
同様に、本発明のフィルムの製法をも提供する。この方法は、水と結合した際に、非-中性pHを持つ成分を調製する工程;および水性溶媒との組合せで、該非-中性成分と結合した際に、シネレシスを減じ、もしくは阻害するように選択された、pH調節ポリマー系を調製する工程を含む。該合法は、更に該非-中性成分および該ポリマー系を、水性溶媒と共に併合して、フィルム-形成組成物を製造する工程;および該フィルム-形成組成物を、フィルムに成型する工程をも含む。該方法は、また乾燥によって該溶媒を除去する工程をも含む。好ましくは、該乾燥は、ここにおいて更に説明するように、制御された乾燥工程である。
該ポリマーは、非-自己凝集性の均一な不均質性を維持する粘度を与えるように選択することができる。様々な技術を利用して該フィルムを製造することができ、そのような技術は、リバースロール塗布、押出、金型内での堆積および他の技術を包含する。
更に、活性物質の局所投与法をも提供する。この方法は、(i) 水と結合した際に、非-中性pHを持つ成分;および(ii) 水との組合せで、該非-中性成分と結合した際に、シネレシスを減じ、もしくは阻害するように選択されたポリマー系を含む、pH調節フィルム組成物を調製する工程を含む。この方法は、また該フィルムを、薬物等の活性物質の存在下で、粘膜または創傷等の身体表面に適用する工程を含む。
本発明は、更に活性物質を適用する装置をも提供する。この装置は、第一のフィルム形状にある水溶性組成物を含む。該組成物は、(i) 水と結合した際に、非-中性pHを持つ、少なくとも1種の成分;および(ii) 水性媒体との組合せで、該非-中性成分と結合した際に、シネレシスを減じ、もしくは阻害するように選択された、pH調節ポリマー系を含む。この装置は、また該水溶性の第一のフィルムを溶解するための、水性媒体をも含む。該媒体は、容器内に存在することができ、これは、該第一のフィルムと直接接触して、活性物質の存在下で、該非-中性成分を、該第一フィルムから溶出または分散させて、該活性物質を必要とする表面領域に、これを適用し得るようにするために与えられる。この装置は、場合により、該活性物質を必要とする表面領域に、これを適用するための、スポンジアプリケータ等のアプリケータを含むこともできる。該放出すべき活性物質は、該第一フィルムに含めることができ、あるいはこの第一フィルムと組合わせて使用される、第二の水溶性フィルム中に含めることも可能である。存在する場合の、該第二のフィルムは、該第一フィルムにおけるものと同一のポリマーの組合せを含む必要はないが、水溶性または部分的に水溶性であることが望ましいが、必須ではない。
本発明は、部分的には、事実上酸性または塩基性の成分は、幾つかの型のポリマー系を使用して、フィルムに処方する必要があるとの、本発明者等の発見に基いている。例えば、酸性組成物は、中性ポリマーまたは酸性ポリマーを含む、ポリマー系において十分に機能する。しかし、酸性組成物が、塩基性の帯電したポリマーと組合された場合には、該ポリマーが、水相から逃散して、シネレシスを起こすことが見出されている。他方において、本発明者等は、塩基性組成物が、中性または正のポリマー系においては十分に機能しないが、塩基性ポリマー系においては十分に機能することを見出した。
その上、本発明者等は、中性ポリマー系における補足的な塩基と、酸性組成物とを組み合わせた場合には、不利なことに、該中性ポリマー系の圧潰をもたらすことを見出した。しかし、少量の変性された塩基性ポリマー、例えばポリプロピレングリコールアルギネートの添加が、該中性ポリマー系を保護し、かつシネレシスを阻害する。
本発明の幾つかの態様において、該ポリマー系は、バッファー系を含み、該バッファー系は、実質的に制御されたpHを持つフィルム-形成組成物を与える。中性pHは、幾つかの例においては有利であり得る。というのは、中性pHが、多くの場合、化学的に弱酸または弱塩基である、薬物のイオン化を防止するからである。該イオン化形状は、電荷を持ち、またこの形状において、該薬物は、典型的に脂質膜を横切ることができない。従って、実質的に中性のpH環境を与えることによって、該薬物は、非-イオン化形状にあり、これは脂溶性であり、また容易に膜を横切ることができる。しかし、他の時点において、より低いまたはより高いpHが必要となる可能性があり、所定のpHを維持するためにバッファーの使用を必要とする。幾つかの態様において、本発明によるpH調節フィルムを使用して、薬物放出装置を形成することができ、該装置は、該pH調節フィルムが存在しない場合と比較して、該薬物のより高い血中濃度を生成する。薬物または他の活性薬剤は、該pH調節フィルムまたはこのフィルムと組合わせて使用される別のフィルム内に含めることができ、該第二のフィルムは、水溶性または部分的に水溶性であることが望ましいが、これは必須ではない。幾つかの例において、該第二のフィルムは、実質的に水-不溶性であり得るが、該薬物を放出できるものである。該フィルムと流体、例えば体液または粘膜と接触させた際に、該フィルムの成分は、そこから溶出し、および/または分散されて、所定のpHにおいて、少なくとも一つの活性薬剤(例えば、薬物)の放出を可能とする。
以下の表1は、本発明の、様々な単一フィルムおよび二層フィルムの態様を例示する目的で与えられているが、本発明を何ら限定するものではない。表1に示された該二層フィルムの態様に関連して、これらフィルムにおける該ポリマーの組合せは、同一または異なるポリマーの組合せであり得る。各フィルムにおける該活性イオン(例えば、酸、塩基)が、ポリマーの選択を決定する。また、表1には示されていないが、該フィルム各々、例えば第一および第二フィルムは、夫々独立に活性物質を含むことができる。該活性物質は、同一または異なるものであり得る。更に、2以上の活性物質が、任意の一つのフィルムまたはフィルム層に存在し得る。
(表1)
単一フィルム*
ポリマー/活性物質/酸イオン;
ポリマー/活性物質/塩基イオン;
ポリマー/活性物質/酸、バッファーイオン;
ポリマー/活性物質/塩基、バッファーイオン;
ポリマー/活性物質/酸、塩基イオン;
ポリマー/活性物質/酸、塩基、バッファーイオン;
多層フィルム*
第一フィルム 第二フィルム
ポリマー/活性物質 ポリマー/バッファーイオン
ポリマー/活性物質 ポリマー/酸イオン
ポリマー/活性物質 ポリマー/塩基イオン
ポリマー/活性物質 ポリマー/酸、塩基イオン
ポリマー/活性物質/バッファーイオン ポリマー/酸イオン
ポリマー/活性物質/バッファーイオン ポリマー/塩基イオン
ポリマー/活性物質/酸イオン ポリマー/バッファーイオン
ポリマー/活性物質/塩基イオン ポリマー/バッファーイオン
ポリマー/活性物質/塩基、酸イオン ポリマー/バッファーイオン
*:これらフィルムは、フィルム-形成ポリマーを含む。
これらフィルム各々は、フィルム-形成ポリマーを含む。上記表は、本発明の様々な態様において含めようとする、イオンとバッファーとの様々な組合せ幾つかの例を与えている。
本発明の目的にとって、用語「非-自己凝集性で均一な異質性」とは、極性溶媒に加えて、1種以上の成分から形成した本発明のフィルムの、該フィルム内での成分の、凝集または集塊の発生を実質的に低下、即ち、殆どまたは全く発生させない能力を意味する。これらの発生は、フィルムが、従来の乾燥法、例えば乾燥炉、乾燥トンネル、真空乾燥機、または他のこのような乾燥装置を使用する、高温空気浴等によって製造する場合に、通常見られる。本発明において使用する用語「異質性(生成物)(heterogeneity)」とは、単一の成分、他ポリマーを、並びに成分の組合せ、例えばポリマーと活性物質との組合せを組込んだフィルムを含む。均一な異質性とは、フィルムを製造するのに使用する、従来の混合並びに加熱乾燥中に、通常見られるような、凝集または集塊現象が実質的に存在しない状態を含む。
更に、本発明の該フィルムは、実質的に均一な厚みを持つことができ、このことも、水性ポリマー系を乾燥するために使用する、従来の乾燥法の使用によって、与えられることはない。厚みに均一性がないことは、与えられたフィルムの領域全体に渡る、成分分布の均一性に、有害な影響を及ぼす。
本発明のフィルム製品は、適切に選択されたポリマー、極性溶媒および少なくとも1種の非-中性成分、例えば酸性または塩基性成分、並びに当分野において公知の他のフィラーの組合せによって作られる。幾つかの態様において、該フィルムは、更に活性薬剤、例えば薬物をも含むことができる。該活性薬剤は、該非-中性成分と同一または異なるものであり得る。該フィルムは、選択された流込み成型または堆積法および制御された乾燥工程の利用によって、該フィルム内の成分の、非-自己凝集性で均一な異質性を与える。制御された乾燥工程の例は、Magoonに付与された米国特許第4,631,837号(「Magoon」)に記載されている装置、並びに下部支持体と底部加熱プレートとを横切るホットエアーインピンジメントの利用を含むが、これらに限定されない。該特許を本発明の参考として、ここに組入れる。本発明のフィルムを得るためのもう一つの乾燥技術は、制御されていない空気流の不在下での、制御された輻射乾燥、例えば赤外および高周波輻射(即ち、マイクロ波)による乾燥技術である。
この乾燥工程の目的は、従来の乾燥方法と関連しており、また該フィルムの上部表面を最初に乾燥し、その内部に水分を取込む、「波打ち(シワ形成)」効果として知られるような、複雑化を回避する、該フィルムの乾燥方法を提供することにある。従来のオーブン乾燥法においては、内部に取込まれた水分が、後に蒸発するので、該上部表面は、裂けて開放され、次いで改質されることによって変更される。
これらの複雑さは、本発明により回避され、また該第一フィルムの底部の表面を先ず乾燥するか、あるいは該フィルムの深部を乾燥する前に、該フィルムの上部表面上における、ポリマーフィルムの形成(スキンの形成)を防止することにより、均一なフィルムが得られる。これは、実質的に上部の空気流無しに、該フィルムの底部表面に熱を適用することにより、あるいはまた、この場合にも実質的に上部の空気流無しに、該フィルム内の水分または他の極性溶媒を蒸発させる目的で、制御されたマイクロ波を導入することによって、達成し得る。
更にまた、乾燥は、均合流体流、例えば均合空気流を用いることにより行うことができ、ここでは、底部および上部空気流は、均一なフィルムを与えるように調節される。このような場合において、該フィルムの上部に導かれる該空気流は、該空気流によって発生する力のために、該湿潤フィルム内に存在する粒子の運動を生じるような状態を生成すべきではない。
更に、該フィルムの底部に導かれる該空気流は、望ましくは、該フィルムが、該空気の力によって持ち上げられないように、調節されるべきである。該フィルムの上下何れかにおける、制御されていない空気流は、該最終的なフィルム製品に、不均一性を生成する恐れがある。該上部表面を包囲する領域の湿度レベルも、該ポリマー表面の早期の閉鎖またはスキン形成を回避するために、適宜調節することができる。
このような該フィルムの乾燥法は、幾つかの利点をもたらす。その例は、特に迅速な乾燥時間、および該フィルムのより均一な表面、並びに該フィルムにおける任意の与えられた領域に対する、成分の均一分布性である。更に、迅速な乾燥時間は、該フィルム内での迅速な粘性の設定を可能とし、更に成分の均一分布を促進し、また該最終的なフィルム製品における、成分の凝集を減じる。望ましいことに、該フィルムの乾燥は、約10分またはそれ以下の期間内、あるいは一層望ましくは約5分またはそれ以下の期間内に起るであろう。
本発明は、該組成物成分の凝集を減じるべく注意を払った場合、例外的に均一なフィルム製品を生成する。該混合工程における過剰な空気の導入およびその排除を回避し、ポリマーおよび溶媒を選択して、制御可能な粘度を与え、かつ底部から上方に迅速に、該フィルムを乾燥することによって、このようなフィルムが得られる。
本発明の製品および方法は、該フィルム内の成分の自己凝集を実質的に減じるフィルムを提供するための、該フィルム製造の様々な段階間の、相互の影響によっている。具体的には、これらの段階は、該フィルムを製造するのに利用される、空気の混入を防止するように該組成混合物を製造し、該フィルム-形成組成物の粘度を調節し、また該フィルムを乾燥する方法を含む。より具体的には、該混合物中の成分のより高い粘度は、フィルム成分、例えば活性物質としての薬物が、選択された極性溶媒に不溶である場合、該薬物の沈降を防止するために、特に有用である。しかし、該粘度は、選択された注入成型法を妨害し、または阻害するほどに高いものであってはならず、該成型法は、望ましくは実質上不変の厚みを持つフィルムを与える能力のために、リバースロール塗布操作を含む。
該フィルム、またはフィルム-形成成分あるいはマトリックスの粘度に加えて、望ましいフィルムの均一性を達成するために、本発明によって考慮されなければならない、他の要件がある。例えば、非-コロイド的用途において、固体(例えば、薬物粒子)の沈降を防止する、安定な懸濁液が得られる。本発明の提供する一つの方法は、該粒状物質の密度(ρp)および該液相の密度(ρl)を釣り合わせることであり、また該液相の粘度(μ)を高めることである。単離粒子に関連して、ストークス(Stokes)の法則は、粘性流体中の、半径(r)を持つ剛性球体の終末沈降速度(V0)を、以下のように関連付けている:
Vo = (2grr)(ρp - ρl)/9μ
しかし、高い粒子濃度において、局所的な粒子濃度は、局所粘度および密度に影響を及ぼすであろう。該懸濁液の粘度は、固体の体積分率の強関数であり、また粒子-粒子および粒子-液体相互作用は、更に沈降速度を妨害するであろう。
ストークス法則による分析は、第三の相、即ち分散された空気または窒素ガスの組込みは、例えば懸濁液の安定性を高めることが示された。更に、粒子数の増加は、該固体の体積分率に基く、沈降作用の妨害に導く。希薄な粒子懸濁液において、沈降速度:vは、以下の式で表すことができる:
v/Vo = 1/(1 + κψ)
ここで、κ=定数、およびψは、該分散層の体積分率である。該液体中に懸濁したより多くの粒子は、粘度の減少をもたらす。粒子の幾何学形状も、重要なファクタである。というのは、該粒子の寸法は、粒子-粒子流動相互作用に影響を与えるからである。
同様に、この懸濁液の粘度は、分散されている固体の体積分率に依存する。非-相互作用性の球状粒子の希薄な懸濁液に関連して、該懸濁液の粘度は、以下の式で表すことができる:
μ/μo = 1 + 2.5φ
ここで、μoは、連続層の粘度であり、φは、該固体の体積分率である。より高い体積分率において、この分散液の粘度は、以下の式で表すことができる:
μ/μo = 1 + 2.5ψ + C1ψ2 + C2ψ3 + ... ..
ここで、Cは定数である。
該液相の粘度は、臨界的であり、また低い降伏応力値を持つ、粘弾性非-ニュートン流体に、該液体組成を変えることによって改善することが望ましい。このことは、静止状態にある高粘性連続相を生成することと等価である。粘弾性または高度に構造化された流体層の形成は、粒子の沈降に対して、付随的な抵抗力を発生する。更に、凝集または凝塊を制御することが可能であり、これは粒子-粒子相互作用を最小化する。該正味の効果は、均質な分散相の保存である。
該懸濁液の水性相へのヒドロコロイドの添加は、粘度を高め、粘弾性を発生し、またヒドロコロイドの型、その濃度および該粒子の組成、幾何形状、サイズ、および体積分率に依存して、安定性を付与することができる。該分散相の粒径分布は、該高粘性の媒体中で、最小の実際的な粒径、即ち<500μmを選択することによって、制御する必要がある。低剪断速度における、僅かな降伏応力または弾性体の存在も、見掛けの粘度とは無関係に、永続的な安定性を誘導できる。該臨界的な粒子径は、該降伏応力値から計算できる。孤立した球形粒子の場合には、与えられた粘度を持つ媒体を介して沈降する際に発生する、最大の剪断応力は、以下の式によって与えられる:
τmax = 3Vμ/2r
擬似塑性流体に関連して、この剪断応力の状況における粘度は、全くニュートン流体のプラトーにおける、ゼロ剪断速度での粘度であり得る。
懸濁液の安定性は、プレミックス組成物を製造するための重要な特性であり、該組成物は、フィルム注入成型装置に送られるものであり、また十分な乾燥まで、該湿潤フィルム段階におけるこの安定性の維持は、均一性を保つように、該粒子およびマトリックスを、十分な固体形状での固定を生じた。粘弾性流体系に関連して、長期間、例えば24時間に渡り安定な懸濁液を生成するレオロジーは、高速フィルム注型操作に関する要件と釣合う必要がある。これらフィルムに関する望ましい性質は、剪断薄化または擬似塑性であり、そのために粘度は、剪断速度の増加に伴って減少する。時間に依存する剪断作用、例えばチキソトロピーも、有利である。構造の回復および剪断薄化挙動は、該フィルムが形成された際の、その自己平坦化能力と同様に、重要な特性である。
本発明の組成物およびフィルムに関するレオロジー要件は、極めて厳格である。これは、広い剪断速度範囲全体に渡り、許容される粘度値を持つ、粘弾性流体マトリックス中で、例えば30-60質量%の、粒子の安定な懸濁液を製造するための、必要性によるものである。混合、ポンプ輸送およびフィルム注型中に、10-105 sec-1なる範囲の剪断速度に遭遇する可能性があり、また擬似塑性が、その好ましい態様である。
フィルム注型の際に、レオロジーも、所定の均一性を持つフィルムを形成する能力に関する、限定ファクタである。剪断粘度、伸張粘度(extensional viscosity)、粘弾性、構造回復は、該フィルムの性能に影響を与える。例示的な一例において、剪断-薄化擬似塑性流体の平坦化は、以下の関係として導かれた:
α(n-1/n) = αo (n-1/n) - ((n-1)/(2n-1))(τ/K)1/n (2π/λ)(3+n)/nh(2n+1)/nt
ここで、αは、表面波の振幅であり、αoは、初期振幅であり、λは、表面粗さを表す波長であり、また「n」および「K」両者は、粘度累乗法則のインデックスである。この例において、平坦化挙動は粘度と関係付けられており、nの減少に伴って増加し、またKの増加に伴って減少する。
望ましくは、本発明のフィルムまたはフィルム-形成組成物は、極めて迅速な構造回復性を持ち、即ち該フィルムが加工中に形成されるにつれて、該フィルムは、破裂せずあるいはその構造および組成の均一性において不連続とはならない。このような極めて迅速な構造回復性は、粒子の沈降および沈殿を遅延させる。更に、本発明のフィルムまたはフィルム-形成組成物は、望ましくは剪断-薄化擬似塑性流体である。粘度および弾性等の特性を考慮したこのような流体は、薄膜の形成および均一性の達成を促進する。
従って、成分の混合物における均一性は、多くの変数に依存する。本明細書に記載するように、該成分の粘度、使用する混合技術、および得られる混合組成物および湿式注型されたフィルムのレオロジー特性は、本発明の重要な面である。また、粒径および粒子の形状を、更に検討する。望ましくは、該粒状物のサイズは、粒径で表して、150μm以下、例えば100μm以下であり得る。更に、このような粒子は、球状または実質的に球状、例えば不規則な形状の粒子または楕円形状の粒子であり得る。楕円型の粒子または楕円体が、球状粒子と比較して、より低い程度の沈降傾向を示し、該フィルム形成マトリックス内で、均一性を維持する能力を示すことから、望ましいものである。
該混合段階において、多くの技術を利用して、該最終的なフィルム内への気泡の混入を防止することができる。該最終製品において実質的に気泡の形成を伴わない、組成混合物を得るために、消泡剤または表面張力低下剤を、使用することができる。更に、該混合の速度を調節して、該ミックス内に空気を巻き込むような、該混合物におけるキャビテーションの発生を、防止することが望ましい。最後に、該ミックスを、該フィルムの乾燥前に、気泡が逃散するのに十分な時間、静置することによっても、気泡の低減を達成することができる。望ましくは、本発明の方法は、先ず活性成分または揮発性物質無しに、フィルム-形成成分のマスターバッチを形成する。一態様において、該活性物質は、注型の直前に、少量の該マスターバッチと併合する。かくして、該マスターバッチのプレミックスは、該活性薬剤または他の成分の不安定性を考慮せずに、長期間に渡り静置することができる。
任意の添加物および該活性成分に加えて、該フィルム-形成ポリマーおよび極性溶媒を含有する、該材料を製造する際に、その製造は、多数の段階で行うことができる。例えば、該成分を全て一緒に添加することができ、あるいはプレミックスを製造することができる。プレミックスの利点は、該活性物質以外の全ての成分を、前もって併合することができ、ここで該活性物質は、該フィルム製造の直前に添加される。このことは、長期間に渡り水、空気または他の極性溶媒に暴露した場合に劣化する恐れのある、該活性物質にとって、特に重要である。
図6は、プレミックスの製造、活性物質の添加およびその後のフィルムの形成に適した装置20を示すものである。該フィルム-形成ポリマー、極性溶媒、および活性薬剤以外のあらゆる他の添加物を含む、該プレミックスまたはマスターバッチ22を、マスターバッチ供給タンク24に添加する。該プレミックスまたはマスターバッチ22の成分は、望ましくは該マスターバッチ供給タンク24に添加する前に、ミキサ(図示せず)内で製造する。次いで、予め決められた量の該マスターバッチを、第一の計量ポンプ26および制御バルブ28を介して、第一および第二ミキサ30、30'の何れかまたは両者に、制御しつつ供給する。しかし、本発明は、二機のミキサ30、30'の使用に限定されず、任意の数のミキサを、適正に使用することができる。更に、本発明は、該ミキサ30、30'の任意の特定の配列順に限定されず、例えば図6に示されている並列配置、およびミキサの他の配列順または配置、例えば直列または並列と直列との組合せを、適宜利用することができる。必要な量の、該活性物質または他の成分は、該ミキサ30、30'各々の開口32、32'を通して、所定のミキサに添加する。望ましくは、該ミキサ30、30'内での、該プレミックスまたはマスターバッチ22の滞留時間は、最小化される。該活性物質を、該プレミックスまたはマスターバッチ22内に完全に分散させることが望ましいが、過度に長い滞留時間は、特に可溶性の活性物質としての薬物の場合には、その滲出または溶解をもたらす恐れがある。従って、該ミキサ30、30'は、しばしば該プレミックスまたはマスターバッチ22の製造に使用する主ミキサ(図示せず)と比較して、小型のものであり、即ち滞留時間の短いものである。該活性物質を、均一なマトリックスを得るのに十分な時間、該マスターバッチのプレミックスと混合した後、特定の量の該均一マトリックスを、第二の計量ポンプ34、34'を介してパン36に供給する。計量ロール38は、生成するフィルム42の厚みを決定し、またこれを塗布ロール46に適用する。該フィルム42は、最終的に支持体44上に形成され、また支持ロール46を通して搬送される。
混合物の適度な粘度の均一性および粒子の安定な懸濁液および注型法は、均一性の達成を促すために、該組成物およびフィルム製造の初期段階において重要であるが、該湿潤フィルムの乾燥法も、重要である。これらのパラメータおよび特性は、初めは均一性を補佐するが、制御された迅速乾燥工程は、該フィルムが乾燥されるまで、該均一性を維持することを保証するであろう。
次いで望ましくは、本明細書に既に記載したように、該フィルム48の上部(露出)表面上の、外部の空気流または熱の存在しない条件下で、制御された底部乾燥または制御されたマイクロ波乾燥法を利用して、該湿潤フィルムを乾燥する。制御された底部乾燥または制御されたマイクロ波乾燥法は、有利なことに、従来技術の欠点を示すことなく、該フィルムからの水蒸気の放出を可能とする。従来の上部からの対流空気乾燥法は、該フィルムの最も上の部分において乾燥を開始して、蒸発蒸気等の流体流、および乾燥用の熱エネルギー等の熱の流れに対するバリアを形成するので、使用されない。このような乾燥された上部分は、下方部分が乾燥された際の、更なる蒸気の放出に対するバリアとして作用し、不均一なフィルムの形成を結果する。前に述べたように、幾分かの上部空気流は、本発明の該フィルムの乾燥を補助するのに利用できるが、該フィルム中の粒子の運動または波打ち作用を発生する状態を生成してはならず、これら両者は、生成するフィルムに不均一性をもたらす。上部空気を利用する場合、これは、該底部空気乾燥と釣合わされ、搬送ベルト上でのフィルムの盛上がりを防止する。該上部および底部空気流の均合は、該底部空気流が、主な乾燥空気源として作用し、また該上部空気流が副次的な乾燥空気源である場合には、適したものであり得る。幾分かの上部空気流存在の利点は、該フィルムから離れていく水蒸気を移動させ、該乾燥工程全体の効率化を助けることにある。しかし、任意の上部空気流または上部乾燥の利用は、該組成物のレオロジー特性、該処理の機械的局面等を含むが、これらに制限されない、多くにファクタによって、均合させる必要がある。任意の上部流体流、例えば空気流は、また該フィルム-形成組成物の固有の粘性を凌駕するものであってはならない。換言すれば、該上部空気流は、該組成物の表面を破壊し、歪めあるいは物理的に撹乱してはならない。更に、気流の速度は、望ましくは該フィルムの降伏値以下、即ち該フィルム-形成組成物内の液体を移動できるあらゆる力以下である。薄いまたは低粘度組成物に対しては、低い気流速度を使用すべきである。厚いまたは高粘度の組成物に対しては、より高い気流速度を使用することができる。更に、気流速度は、該組成物から形成されるフィルムのあらゆる盛上がりまたはその他の運動を阻止すべく、低い値とすることが望ましい。
その上、本発明のフィルムは、温度に対して敏感な粒子、例えば揮発性の成分、または低い分解温度を持つ薬物を含むことができる。このような場合において、該乾燥温度を下げることができ、一方本発明の該均一なフィルムを十分に乾燥するために、該乾燥時間を長くすることができる。更に、底部からの乾燥は、上部からの乾燥と比較して、フィルム内部温度をより低くする傾向がある。底部からの乾燥において、蒸発する蒸気は、上部からの乾燥と比較して、一層容易に熱を該フィルムから取去り、これはフィルム内部の温度を低下させる。このような低いフィルム内部温度は、しばしば薬物の分解を減じ、また香味料等の幾つかの揮発性物質の損失を減じる。
フィルムの製造中、高温度でのフィルムの乾燥が望ましい可能性がある。高熱量での乾燥は、均一なフィルムを製造し、またフィルム生産における一層の効率化に導く。しかし、高感度の活性成分を含むフィルムは、高温条件下では、劣化の問題に直面する。劣化は、「明確に定義された中間生成物の生成を示す、化合物の分解」である[ザアメリカンヘリテージディクショナリーオブザイングリッシュランゲージ(The American Heritage Dictionary of the English Language)(第4版、2000)]。活性成分の劣化は、該活性成分の不安定化、不活性化、および/またはその効力の低下を引起すので、典型的には望ましくない。例えば、該活性成分が、薬物または生活性物質である場合、その劣化は、最終的な薬理生成物の安全性または有効性に悪影響を及ぼす。更に、著しく揮発性の高い物質は、従来の乾燥法で処理した場合に、このフィルムから即座に放出されてしまう傾向がある。
活性成分の劣化は、特定の活性成分の種類に依存して、加水分解、酸化および光劣化等の様々な過程を通して起る可能性がある。更に、温度は、このような反応の速度に著しい影響を与える。該劣化速度は、典型的に温度が10℃上昇する毎に2倍になる。従って、活性成分の高温への暴露は、望ましからぬ劣化反応を開始しおよび/または加速するであろう。
タンパク質は、長時間に渡り、高温に曝された場合に、劣化し、変性し、または不活性になる可能性のある、有用な活性薬剤の一カテゴリーにある。タンパク質は、身体内で様々な機能、例えば酵素、構造要素、ホルモンおよび免疫グロブリンの機能を果たしている。タンパク質の例は、酵素、例えばパンクレアチン、トリプシン、パンクレリパーゼ、キモトリプシン、ヒアルロニダーゼ、スーチレインス、ストレプトキナーゼ(streptokinaw)、ウロキナーゼ、アルチプラーゼ(altiplase)、パパイン、ブロメラインジアスターゼ;構造要素、例えばコラーゲン、エラスチン、およびアルブミン;ホルモン、例えばチロリベリン、ゴナドリベリン、アドレノコルチコトロピン、コルチコトロピン、コシントロピン、ソメトレム(sometrem)、ソマトロピン(somatropion)、プリラクチン、甲状腺刺激ホルモン、ソマトスタチン、バソプレシン、フェリプレシン、リプレシン、インシュリン、グルカゴン、ガストリン、ペンタガストリン、セクレチン、コレシストキニン-パンクレオチミン;および糖タンパク質に加えて多糖を含むことができる、免疫調節剤、例えば腫瘍の成長等の悪性細胞の成長を阻害し抑制するのに有用なサイトカインを包含する。幾つかの有用な糖タンパク質の製造に適した方法は、Cannon-Carlson等に付与された米国特許第6,281,337号に記載されている。この特許の内容全体を、ここに組入れる。
100℃近傍の温度は、一般にタンパク質、幾つかのペプチド、並びに核酸の劣化を引起すであろう。例えば、幾つかの糖タンパク質は、30分間70℃なる温度に暴露すると劣化する。ウシの抽出液由来のタンパク質も、このような低温度にて劣化することが知られている。DNAも、この温度にて変性し始める。
しかし、本出願人は、本発明のフィルムが、フィルムの製造並びに成型のための本発明の方法により、劣化、活性の喪失、または過度の蒸発の問題を起こすことなく、乾燥工程中に、高温に暴露することが可能であることを見出した。特に、該フィルムは、典型的に、上記の問題を生じることなしに、該活性成分の劣化、変性、または不活性化に導く可能性のある温度に暴露できる。本発明によれば、乾燥法は、該活性成分の滲出を招く、熱量の有害なレベルを回避するように制御することができる。
ここで論じたように、該流動性の混合物は、本発明の教示に従って、その内容が均一となるように製造される。該流動性の集団をフィルムに成型し、かつ乾燥する際に、均一性を維持する必要がある。本発明の乾燥工程中に、幾つかのファクタが、該フィルムの均一性を達成し、一方で該活性成分を、安全な温度、即ちその分解温度以下の温度に維持する。先ず、本発明のフィルムは、極めて短期間、通常は僅かに数分程度の熱履歴を有し、従って温度に対する全暴露時間は、可能な程度まで最小化される。該フィルムは、成分の凝集および移動を防ぐために、また内部での熱の蓄積を回避するために、制御条件下で乾燥される。望ましくは、該フィルムは、その底部から乾燥される。ここに記載するような、制御された底部からの乾燥は、該フィルムの上部表面におけるポリマーフィルム、またはスキンの形成を抑制する。熱は、該フィルムの底部から上方に伝導するので、液状担体、例えば水は、該フィルムの表面に上昇する。表面スキンが存在しないことにより、温度の上昇に伴う、該液状担体の迅速な蒸発が可能となり、結果として蒸発と同時に該フィルムが冷却される。この短期間の熱に対する暴露および蒸発による冷却作用のために、該フィルム成分、例えば薬物または揮発生活性物質は、高温度に影響されることはない。対照的に、上部表面のスキン形成は、該フィルム内に高いエネルギーを持つ液状担体分子を取込み、該フィルム内の温度を高め、活性成分を高い、潜在的に有害な温度に暴露することになる。
第二に、熱的混合が、底部からの加熱によりおよび表面スキンの形成がないことにより、該フィルム内で起る。熱的混合は、該フィルム内での対流によって起こる。熱が、該フィルムの底部に適用されるので、該底部近傍の該液体は、その温度を高め、膨張し、また低密度となる。故に、このより高温の液体は上昇し、かつより低温の液体と入れ替わる。上昇する一方で、該より高温の液体は、該低温の液体と混合し、熱エネルギーを分合い、即ち熱交換する。このようなサイクルが反復されるにつれて、熱エネルギーは該フィルム全体に拡散する。
本発明の制御された乾燥工程によって達成される、強力な熱的混合が、該フィルム全体に及ぶ均一な熱拡散を生じる。このような熱的な混合が存在しない場合には、「ホットスポット」が発生する可能性がある。該フィルム内の熱ポケットが、該フィルム内に粒子凝集体および危険な領域を形成し、またその後に不均一性をもたらす。このような凝集体または集塊物の形成は、該活性物質がランダムに分配される恐れのある、不均一なフィルムの生成に導くので、望ましくない。このような不均一な分布は、フィルム当たりの該活性物質の量における大きな差の発生に導く。これは、安全性および有効性の観点から問題である。
更に、熱的混合は、該フィルム内部の全体として低い温度を維持するのに役立つ。該フィルムの表面は、該活性成分が劣化する温度以上の温度に暴露されている恐れがあるが、該フィルム内部は、この温度に達し得ない。この温度差のために、該活性物質は劣化しない。
例えば、本発明のフィルムは、望ましくは、10分間以下の期間乾燥される。80℃にて10分間の該フィルムの乾燥は、約5℃なる温度差を生じる。このことは、乾燥の10分後に、該フィルム内部の温度が、外側の暴露温度よりも5℃低いことを意味する。しかし、多くの場合において、10分未満の乾燥時間、例えば4-6分間で十分である。4分なる乾燥時間は、約30℃なる温度差を伴い、また6分なる乾燥時間は、約25℃なる温度差をもたらす。このような大きな温度差のために、熱に対して敏感な活性物質の劣化を生じることなしに、該フィルムを、効率よく、高温度にて乾燥し得る。
図8は、本発明の乾燥工程を逐次的に示す図である。機械的な混合後に、該乾燥工程中、該フィルムを、継続的な熱的混合用のコンベア上に置くことができる。区画Aに記載された該乾燥工程の開始時点において、該フィルム1は、好ましくはコンベア(図示せず)によって移動しつつ、底部10から加熱される。加熱メカニズム、例えば図7に示した乾燥機(これに限定されない)によって、該フィルムに、熱を供給する。該フィルムが加熱されると、該液状担体、または揮発性物質(V)は、上向きの矢印50で示されているように、蒸発し始める。熱的混合は、また矢印30で示される高温の液体が上昇するものとして開始し、また矢印30で示される低温液体がこれと入れ替わる。区画Bに示すように、フィルム1の上部表面20にはスキンが形成されないので、該揮発性液体は、蒸発50し続け、また熱的混合30/40が、該フィルム全体に渡り熱エネルギーを分配し続ける。一旦、該揮発性液体の十分な量が蒸発されると、熱的混合は、該フィルム1全体に渡り均一な熱拡散を生じた。得られる乾燥フィルム1は、区画Cに示したように、粘弾性固体である。該成分は、望ましくは該フィルム全体に渡り均一分布状態で固定される。少量の液状担体、即ち水が、該粘弾性固体の生成後に残されるが、該フィルムは、望ましい場合には、該粒子の移動を伴うことなしに、更に乾燥することも可能である。
更に、粒子または粒状物質を、フィルム-形成組成物または材料をフィルムに注型した後に、これに添加することができる。例えば、粒子を、該フィルム42を乾燥する前に、該フィルム42に添加することができる。粒子を、制御しつつ計り、かつ該フィルムに、添加することができ、また適当な技術、例えばドクターブレード(図示せず)を用いて、該フィルム上に配置することができる。該ブレードは、ぎりぎりにまたはソフトに該フィルム表面と接触し、制御しつつ該粒子を該フィルム表面上に配置するデバイスである。他の適当であるが、限定的ではない技術は、該粒子を該フィルム表面上に配置するための、付随的なロールの使用、該粒子の該フィルム表面上への散布等の技術を含む。該粒子は、対抗する表面、即ち上部および/または底部フィルム表面の一方または両方に配置することができる。望ましくは、該粒子は、例えば該フィルムに埋設するなどにより、該フィルムに堅固に配置させる。更に、このような粒子は、望ましくは、該フィルム内に完全に包埋または埋設せず、例えば該粒子が、部分的に埋設され、あるいは部分的に包埋されている場合のように、該フィルム表面に露出したままにする。該粒子は、任意の有用な活性物質、例えば以下に記載するようなものであり得る。
本発明の方法は、上記のような望ましい乾燥用の任意の特定の装置に限定されるものではないが、特に有用な乾燥装置の一つ50を、図7に示した。乾燥装置50は、高温空気等であるが、これに限定されない高温流体を、支持体44上に配置された、該フィルム42の底部に導くための、ノズル集成装置である。高温空気は、該乾燥装置の入口端部52から入り、ベクトル54により示されているように、空気そらせ板56に向かって、上方に垂直に移動する。該空気そらせ板56は、該フィルム42上の上向きの力を最小化するように、該空気の運動を再度導く。図7に示したように、該空気が、空気そらせ板56を通過するにつれて、該空気は、ベクトル60および60'で示したように、接線方向に導かれ、該乾燥装置50のチャンバー部分58および58'に入り、またこれを通って移動する。該高温空気流は、該フィルム42に対して実質的に接線方向にあるので、該フィルムの乾燥に伴うその剥がれ、盛上がりは、結果として最小化される。該空気そらせ板56は、ローラーとして描写されているが、空気または高温流体をそらせるための、他のデバイスおよび幾何形状を適宜使用することも可能である。更に、該乾燥装置50の出口端部62および62'は、下向きに拡がっている。このような下向きのフレアー形状は、ベクトル64および64'で示されているような、下向きの力または下向きの速度ベクトルを与え、このような速度ベクトルは、フィルム42を引き上げまたは引きずる作用を与えて、該フィルム42の盛上がりを防止する傾向を持つ。該フィルム42の盛上がりは、該フィルム内に不均一性をもたらすばかりか、該フィルム42および/または支持体44が、該処理装置から剥ぎ取られてしまうので、該フィルム42の加工を、制御不能なものとしてしまう。
該フィルムの厚みの追跡および調節も、均一な厚みを持つフィルムを与えることによって、均一なフィルムの製造に寄与する。該フィルムの厚みは、ベータ(Beta)ゲージ等のゲージを用いて追跡することができる。一つのゲージを、1またはそれ以上の他のゲージと、例えば該乾燥装置、即ち乾燥オーブンまたはトンネルの端部を包含する、該工程全体における様々な点において結合し、フィードバックループを介して連絡させて、該被覆装置における開口、該混合段階、温度、速度および該最終的なフィルムにおける内容物の均一性にとって重要な他のパラメータを制御し、かつ調節することが可能であり、結果としてフィルムの厚みを均一に調節することができる。
該フィルム製品は、一般に、適切に選択されたポリマーと、極性溶媒、並びに水と組合わせた際に非-中性pHを持つ成分または必要ならばフィラーを併合することによって製造される。場合により、該フィルム成分は、該非-中性フィルム成分と同一または異なるものであり得る、活性薬剤、例えば薬物と組合わせることが可能である。望ましくは、該組み合わせの溶媒含有率は、該組み合わせの全質量の少なくとも約30質量%であり得る。この組み合わせによって形成される材料を、望ましくはロール塗布によりフィルムに成型し、次いで望ましくは迅速な制御された乾燥工程により乾燥して、該フィルムの均一性を維持し、より具体的には非-自己凝集性の均一な異質性を維持する。得られるフィルムは、望ましくは約10質量%未満、より望ましくは約8質量%未満、より一層望ましくは約6質量%未満および最も望ましくは約2質量%未満の溶媒を含む。該溶媒は、水、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチレンクロリドを含むが、これらに限定されない極性有機溶媒、または任意のこれらの組み合わせであり得る。
上で論じたパラメータ、例えばレオロジー特性、粘度、混合方法、注型法、および乾燥方法を含むが、これらに限定されない該パラメータの考察は、同様に本発明の種々の成分に対する材料の選択に影響を持つ。更に、適当な材料の選択に係るこのような考察は、本発明の組成物を与え、このような組成物は、単位面積当たりの、薬理的および/または化粧学的に活性な成分の含有率の変動率が、10%を越えない、薬理的および/または化粧学的投薬形状またはフィルム製品を包含する。換言すれば、本発明の均一性に係る一局面は、マトリックス全体に渡り、10質量%を越えない変動率での、薬理的および/または化粧学的成分の存在に関連する。即ち、組立てられた該フィルムの構成は均一である。望ましくは、該変同率は、5質量%未満、2質量%未満、1質量%未満、または0.5質量%未満である。
フィルム-形成ポリマー
本発明のフィルムは、少なくとも1種の水溶性ポリマーを含むことが望ましい。これらのフィルムは、また必要ならば、水膨潤性または水不溶性ポリマーを含むこともできる。水不溶性ポリマーの具体的な例は、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびこれらの組合せを含むが、これらに限定されない。
幾つかの態様では、該フィルム組成物は、酸性pHを有する少なくとも一つの成分または組成物、および中性ポリマーまたは酸性ポリマーを含む、ポリマー系を含有する。
中性ポリマーの例は、以下に列挙するものを含むが、これらに限定されない:ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピレンオキシド、グアーガム、ローカストビーンガム、ポリデキストロース、デキストリン、デキストラン、プルラン、タマリン、デンプン、およびこれらの組み合わせ。
幾つかの好ましい態様において、該ポリマー系は、以下に列挙するものから選択される中性ポリマーを含む:ポリエチレンオキシド、セルロース系ポリマーおよびこれらの組み合わせ。例えば、一態様において、該中性ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、ポリエチレンオキシドとの組合せである。他の態様では、該中性ポリマーは、ポリエチレンオキシドである。
本発明において使用するのに適した酸性ポリマーは、以下に列挙するものを含むが、これらに限定されない:ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ無水物、硫酸化カラギーナン、ファーセレラン、ザンタンおよびこれらの組み合わせ。
本発明の更なる態様において、該非-中性成分または組成物は、塩基性pHを持ち、また水中でこれと組み合わされる該ポリマー系は、塩基性ポリマー系である。本発明において使用するのに適した塩基性ポリマーは、制限無しに、以下に列挙するものを含む:ポリアミノ酸、ポリアミノカーボネート、ポリカーボネート、ポリアミド、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、カラギーナン、ペクチン、トラガカンス、カラヤおよびこれらの組み合わせ。
幾つかの好ましい態様では、該塩基性ポリマーは、アルギネートポリマーである。変性されたアルギネートポリマーの一例は、プロピレングリコールアルギネートである。
本発明の幾つかの態様において、該ポリマー系は、水との組合せで該非-中性成分または組成物と併合した場合に、中性pHを与える。例えば、該ポリマー系は、バッファー系を含むことができる。本発明者等は、酸性成分を中性ポリマー系において、補足的な塩基と組合わせた場合に、該中性ポリマー系の圧潰を生じることを見出した。しかし、本発明者等は、また少量の塩基性ポリマー、または変性された塩基性ポリマー、例えばプロピレングリコールアルギネートの添加が、該中性ポリマー系を保護し、かつシネレシスを阻止することをも見出した。
従って、一態様において、該フィルム組成物は、少なくとも1種の酸性化合物または組成物を含み、また該ポリマー系は、補足的な弱塩基、中性ポリマーおよび塩基性ポリマーを含む。該塩基性ポリマー、例えばアルギネートポリマーは、該中性ポリマー系を保護し、かつシネレシスを阻止する。幾つかの他の態様では、該フィルム組成物は、少なくとも1種の塩基性化合物または組成物を含み、また該ポリマー系は、補足的な弱酸、中性ポリマーおよび塩基性ポリマー、例えばアルギネートポリマーを含む。
ここで使用する句「水溶性ポリマー」およびその変形は、少なくとも部分的に水溶性の、また望ましくは完全にまたは支配的に水溶性の、または水を吸収するポリマーを意味する。幾つかの態様において、本発明のフィルムは、湿潤剤または粘膜に暴露された際には、少なくとも部分的に可溶性である。幾つかの他の態様では、本発明のフィルムは、湿潤剤または粘膜に暴露された際に、実質的に可溶性である。幾つかの態様において、本発明のpH調節フィルムは、活性薬剤、例えば薬物を含むことのできる、第二の水溶性ポリマーフィルムと共に使用することができる。これら2種のフィルムにおける該ポリマーの組合せは、同一でも異なっていてもよい。しかし、該pH調節フィルムおよび該第二のフィルム両者は、好ましくは事実上水溶性であって、1種または両方のフィルムと結合している活性物質を放出できる。
水を吸収するポリマーは、しばしば水膨潤性ポリマーと呼ばれる。本発明と共に使用するのに有用な材料は、室温または他の温度、例えば室温を越える温度にて、水溶性または水膨潤性であり得る。その上、これらの材料は、大気圧未満の圧力下で、水溶性または水膨潤性であり得る。望ましくは、該水溶性ポリマーは、少なくとも20質量%なる水の取込み量を持つ、水溶性または水膨潤性ポリマーである。25質量%またはそれ以上の水の取込み量を持つ、水膨潤性ポリマーも有用である。このような水溶性ポリマーから作成した本発明のフィルムまたは投与剤形は、望ましくは体液と接触した際に溶解性を示すのに十分に水溶性のものである。
本発明のフィルムに配合するのに有用なポリマーは、生分解性ポリマー、コポリマー、ブロックポリマー、およびこれらの組み合わせを包含する。上記の基準を満たす公知の有用なポリマーまたはポリマー群は、以下に列挙するものである:ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリジオキサン(polydioxanoes)、ポリオキサレート、ポリ(α-エステル)、ポリ無水物、ポリアセテート、ポリカプロラクトン、ポリ(オルトエステル)、ポリアミノ酸、ポリアミノカーボネート、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ(アルキルシアノアクリレート)、およびこれらの混合物およびコポリマー。付随的に有用なポリマーは、L-およびD-乳酸のステレオポリマー、ビス(p-カルボキシフェノキシ)プロパン酸とセバシン酸とのコポリマー、セバシン酸コポリマー、カプロラクトンのコポリマー、ポリ(乳酸)/ポリ(グリコール酸)/ポリエチレングリコールコポリマー、ポリウレタンとポリ(乳酸)とのコポリマー、ポリウレタンとポリ(乳酸)とのコポリマー、α-アミノ酸のコポリマー、α-アミノ酸とカプロン酸とのコポリマー、α-ベンジルグルタメートとポリエチレングリコールとのコポリマー、サクシネートとポリ(グリコール)とのコポリマー、ポリホスファゼン、ポリヒドロキシアルカノエート、およびこれらの混合物。ここでは、二成分系または三成分系をも意図している。
有用な他の具体的なポリマーは、メディソルブ(Medisorb)およびバイオデル(Biodel)なる商標の下で市販されているものを含む。該メディソルブ物質は、デラウエア州、ウイルミントンのデュポン社(DuPont Company)によって市販されており、また総称的に、「プロパン酸、ヒドロキシポリマー、ヒドロキシ酢酸を含む2-ヒドロキシポリマー」を含有する「ラクチド/グリコリドコポリマー」として同定されている。4種のこのようなポリマーは、170°-175℃(338°-347°F)なる範囲の融点を持つ、100%ラクチドであると考えられているラクチド/グリコリド100L; 225°-235℃(437°-455°F)なる範囲の融点を持つ、100%グリコリドであると考えられているラクチド/グリコリド100L; 170°-175℃(338°-347°F)なる範囲の融点を持つ、ラクチド85%およびグリコリド15%であると考えられているラクチド/グリコリド85/15; および170°-175℃(338°-347°F)なる範囲の融点を持つ、ラクチド50%およびグリコリド50%であると考えられているラクチド/グリコリド50/50を含む。
該バイオデル物質は、化学的に異なる、様々な一群のポリ無水物を表す。
様々な異なるポリマーを使用できるが、シネレシスを減じ、または阻害し、また乾燥前に、該混合物に所定の粘度を与える、ポリマーを選択することが望ましい。例えば、該フィルムが酸性成分または組成物を含む場合、シネレシスを防止するためには、中性ポリマーまたは酸性ポリマーが望ましい。あるいはまた、該フィルムが、酸性成分または組成物を含む場合、該フィルム組成物中に、弱塩基等のバッファー系を含むことが望ましい可能性がある。本発明者等により、酸および補足的な塩基、例えばクエン酸およびクエン酸ナトリウムが、中性ポリマー系の圧潰を生じることが見出された。従って、本例において、シネレシスを防止するためには、更なる塩基性ポリマーの添加が望ましい。また、該フィルムが、塩基性の成分または組成物を含む場合、シネレシスを防止するためには、塩基性ポリマーが望ましい。
該フィルム成分が、該選択された溶媒に不溶である場合、より高い粘度を与えるポリマーが、均一性の維持を補佐する上で望ましい。他方、該成分が、該溶媒に可溶性である場合、より低粘度を与えるポリマーが好ましいものであり得る。
該ポリマーは、該フィルムの粘度に影響を与える上で、重要な役割を演じている。エマルション、コロイドまたは懸濁液中で、局所的な薬剤の安定性を調節する液体の、一特性である。一般に、該マトリックスの粘度は、約400cps〜約100,000cpsなる範囲、好ましくは約800cps〜約60,000cpsなる範囲、および最も好ましくは約1,000cps〜約40,000cpsなる範囲で変動する。望ましくは、該フィルム-形成マトリックスの粘度は、その乾燥工程を開始すると、急速に増大する。
該フィルム-形成マトリックスの粘度は、選択された活性薬剤に基いて調節することができ、これは該マトリックス中の他の成分に依存する。例えば、薬物等の選択された活性薬剤が、該選択された溶媒に不溶である場合には、該薬物活性成分の沈降を防止するように、適切な粘度を選択することができ、ここで該沈降は、得られるフィルムの均一性に悪影響を及ぼす。該粘度は、様々な方法で調節できる。該フィルムマトリックスの粘度を高めるためには、高分子量のポリマーを選択するか、あるいはカルシウム、ナトリウムおよびカリウムの塩等の架橋剤を添加することができる。該粘度は、また温度を調節し、あるいは粘度増加成分を添加することにより調節することができる。該粘度を高めあるいは該エマルション/懸濁液を安定化する成分は、高分子量のポリマーおよび多糖類およびガムを含み、その例は、限定するものではないが、アルギネート、カラギーナン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ローカストビーンゴム、グアーガム、ザンタンガム、デキストラン、アラビアゴム、ジェランガム、およびこれらの混合物を包含する。
また、単独で使用する場合には、可撓性のフィルムを得るために、通常可塑剤の使用を要する幾つかのポリマーを、可塑剤なしに組合わせ、また可撓性のフィルムを得ることができる。例えば、HPMCおよびHPCは、組合わせて使用した場合に、製造並びに保存に適した可塑性および弾性を持つ、可撓性で、強力なフィルムを与える。可撓性を得るために、追加の可塑剤またはポリアルコールの使用は、必要とされない。
更に、ポリエチレンオキシド(PEO)は、単独で、または親水性のセルロース系ポリマーと組合わせて使用した場合、可撓性で、強力なフィルムを与える。可撓性を得るために、追加の可塑剤またはポリアルコールの使用は、必要とされない。PEOと組合せて使用するのに適したセルロース系ポリマーの非-限定的な例は、HPCおよびHPMCを含む。PEOおよびHPCは、本質的にゲル化温度を持たないが、HPMCは、58〜64℃なる範囲のゲル化温度を持つ(ダウケミカル社(Dow Chemical Co.)から入手できるメトセル(Methocel) EF)。更に、これらフィルムは、実質的に有機溶媒を含まなくても、十分に可撓性であり、該有機溶媒は、フィルム特性を弱めることなしに除去することができる。従って、溶媒が存在しない場合には、該フィルム中に可塑剤は存在しない。PEOを主成分とするフィルムは、該ポリマー成分が、適当なレベルでPEOを含む場合には、良好な引裂き抵抗を示し、カーリングを殆どまたは全く示さず、また高い溶解速度を呈する。
該所定のフィルム特性を得るためには、該ポリマー成分中のPEOの濃度および/または分子量を変えることができる。該PEOの含有率の変更は、引裂抵抗溶解速度、および接着傾向等の特性に影響を与える。従って、フィルム特性を調節するための一つの方法は、PEOの含有率を変更することである。例えば、幾つかの態様において、迅速に溶解するフィルムが望まれる。該ポリマー成分の含有率を変更することによって、所定の溶解特性を得ることができる。
本発明によれば、PEOの含有率は、望ましくは該ポリマー成分において、約20〜100質量%なる範囲内にある。幾つかの態様において、PEOの量は、望ましくは約1mg〜約200mgなる範囲内にある。上記親水性セルロース系ポリマーの含有率は、約0〜約80質量%なる範囲にあり、あるいは該PEOとの比で、約4:1および望ましくは約1:1なる比で存在する。
幾つかの態様において、該PEOのレベルを変更して、幾つかのフィルム特性を改善することが望ましい場合がある。高い引裂抵抗および高い溶解速度を持つフィルムを得るためには、約50%以上の該ポリマー成分中のPEO濃度が、望ましい。接着を阻止するためには、即ち該フィルムの口蓋への接着を防止するためには、PEO濃度は、約20%〜約75%であることが望ましい。しかし、幾つかの態様において、例えば動物または子供に投与するためには、該フィルムの口蓋への接着が望ましい場合がある。このような場合において、より高い濃度のPEOを使用することができる。より具体的には、該フィルムの構造の保全性および溶解性は、意図した用途に応じて、該フィルムを粘膜に接着し、かつ容易に除去でき、あるいはより堅固に接着し、かつ除去を困難にすることができる。
該PEOの分子量も変えることができる。高分子量PEO、例えば分子量約4百万のPEOが、該フィルムの粘膜接着性を高めるために望ましい。より望ましくは、該分子量は、約100,000〜900,000なる範囲、一層望ましくは約100,000〜600,000なる範囲、および最も望ましくは約100,000〜300,000なる範囲内であり得る。幾つかの態様において、該ポリマー成分において、高分子量(600,000〜900,000)のPEOと低分子量(100,000〜300,000)のPEOとを組合わせることが望ましい可能性がある。
例えば、高い溶解速度および高い引裂抵抗等の幾つかのフィルム特性は、少量の高分子量PEOと、大量の低分子量PEOとを組合わせることによって、達成できる。望ましくは、このような組成物は、該PEO-ブレンドポリマー成分において、約60%以上の濃度で、該低分子量PEOを含む。
接着防止、高い溶解速度、および良好な引裂抵抗なる諸特性を均合するためには、望ましいフィルム組成物は、場合により少量の高分子量PEOと組合わせた、約50%〜75%の低分子量PEOを含むことができ、該ポリマー成分の残部は、親水性のセルロース系ポリマー(HPCまたはHPMC)を含む。
制御放出性フィルム
該用語「制御放出」とは、予め選択されたまたは所定の速度で該活性成分を放出することを意味するものとする。例えば、該pH調節フィルムおよび/またはこのフィルムと組合わせて使用される別のフィルム内に、医薬を含めた態様においては、該フィルムからの該活性物質の放出を制御することが望ましい可能性がある。該放出速度は、用途に応じて変えられる。望ましい放出速度は、高速または即座の放出プロフィール並びに遅延、徐放または継続的な放出を包含する。放出パターンの組合せ、例えば活性物質の初期の急激な放出と、それに続く低レベルの持続的放出も、本発明において意図されている。該活性物質の脈動的な放出も意図されている。
本発明のフィルムに対して選択された該ポリマーは、また該活性物質の制御された崩壊を可能とするように選択することも可能である。これは、経時で該フィルムから放出される活性物質を組込んだ、実質的に水不溶性のフィルムを提供することにより達成できる。これは、様々な異なる可溶性または不溶性ポリマーを配合することにより達成でき、また生分解性ポリマーを組合せで含むことも可能である。あるいはまた、被覆された制御放出性の活性粒子を、易溶性のフィルムマトリックス中に配合して、該活性物質の制御放出特性を達成することができる。
規則的な間隔で、多数の単位用量を投与するのに対して、長期間に渡り制御された様式で活性物質を放出する、医薬の単一用量投与の便宜は、薬学分野において長い間認識されていた。患者および臨床医にとって、医薬を不変かつ均一な濃度で、長期間に渡って、身体に放出させる利点も、同様に認識されている。
本発明において使用する活性薬物は、制御放出型剤形で、本発明のフィルム組成物に配合することができる。例えば、薬物の粒子は、ポリマー、例えばエチルセルロースまたはポリメタクリレートで被覆することができ、該ポリマーは、夫々例えばアクアコート(Aquacoat) ECDおよびユードラジット(Eudragit) E-100なる商品名の元に市販品として入手できる。薬物の溶液も、このようなポリマー材料に吸収させ、また本発明のフィルム組成物に配合することができる。他の成分も、このような制御放出組成物中で使用することができる。
活性物質
活性物質を該フィルムに導入する場合、単位体積当たりの活性物質の量は、該フィルムの均一分散性によって決まる。例えば、該フィルムが、個々の単位に裁断される場合、該単位における該活性物質の量は、極めて高い精度で知ることができる。これは、所定領域内の該活性物質の量が、該フィルムの別の部分における同一の寸法の領域中の、該活性物質の量と、実質的に同一であることから達成される。用量における精度は、該活性物質が医薬、即ち薬物である場合に、特に有利である。
本発明のフィルム内に組込むことのできる、該活性物質は、調剤、化粧剤、および薬用化粧剤を含むが、これらに限定されない。これらの薬剤を所定のpH値の下で投与して、膜を横切る該薬剤の放出性を高めることができる。本発明者等は、活性イオン、例えば塩基、酸またはバッファー系(酸/塩基系)を含む水溶性ポリマーフィルムが、この点において有用であるが、これらの活性イオンは、該フィルムにおけるシネレシスを減じまたは阻止するためには、選択されたpH調節ポリマー系の使用を必要とすることを見出した。該pH調節フィルムと粘膜領域または湿潤剤との接触は、該フィルム中の成分が、薬剤または他の活性剤の存在下で、該フィルムから溶出しまたは分散することを可能とし、結果として該放出のために所定のpHを達成する。該活性剤は、本発明の該pH調節フィルム、あるいはこのフィルムと共に使用される別の水溶性フィルム中に、含めることができる。
ここで使用するように、活性剤は、特定の表面積、例えば皮膚のまたは粘膜組織のある領域に、適用することのできる薬剤または組成物に関する。該フィルムは、単独でまたは他の水溶性フィルムとの組合せで使用する場合、活性物質を特定の表面領域に必要に応じて搬送する、放出系として使用される。幾つかの態様において、本発明のフィルム組成物は、放出支持体、例えばタンポンまたは包帯に適用することができる。例えば、一態様において、タンポンは、2枚のフィルムを備えており、ここでその第一のフィルムは薬物を含み、また該第二フィルムは、バッファー系を含むpH調節フィルムである。該第二フィルムは、好ましいpHにて、該薬物が膣膜を横切ることを可能とする。
幾つかの態様において、該ポリマーフィルムは、望ましくは少なくとも1種の水溶性ポリマーを含む。幾つかの他の態様では、該フィルムは、水溶性および水不溶性のポリマー両者の組合せを含む。湿らせた場合には、該乾燥フィルム製品は、少なくとも部分的に可溶化する。本発明のフィルム製品と湿潤剤(例えば、水)、または体液、または粘膜との接触は、活性物質の存在下で、該フィルム成分の、該フィルムからの溶出または分散を可能とする。従って、該活性物質を、特定の表面領域、例えば皮膚領域に容易に適用できる。上記のように、該活性薬剤は、該pH調節フィルムまたはこのpH調節フィルムと組合わせて使用される、別の水溶性フィルム中に含めることができる。例えば、該活性物質を含有する別の水溶性フィルムと、該pH調節フィルムとは、該フィルム両者と湿潤剤、例えば体液または粘膜とが接触した際に、該フィルム両者が、可溶化し、結果として所定のpH値の下で該活性物質を放出するように、接触した状態で配置することができる。
幾つかの態様において、該湿潤剤は、皮膚または創傷、および該湿潤表面上に置かれた該フィルムを含む、支持体表面上に配置することができる。あるいはまた、該フィルムは、皮膚および創傷を含む該支持体表面上に配置し、次いで水和させることが可能である。
幾つかの態様において、湿潤剤(例えば、水性溶媒)は、容器から計量分配することができ、該容器は、該フィルムから分離され、あるいはこれに固定されている。例えば、該容器は、該湿潤剤を含む、ポンプ付きボトルまたは封止されたチューブであり得る。
あるいはまた、該容器は、該湿潤剤を含む、封止された、破壊可能な袋であり得る。このような袋は、該フィルムから分離し、あるいはこれに固定することができる。該袋を破壊した場合、該湿潤剤を、該フィルムと直接接触させて、該フィルムの成分を、該フィルムから溶出し、あるいは分散させることができ、結果的に該成分、例えば活性物質を、該支持体表面に適用することができる。
該フィルムは、該溶媒を含む容器と、皮膚および創傷を含む支持体表面との間に挿入することができる。あるいはまた、該フィルムは、該溶媒を含有する容器とアプリケータとの間に挿入することもできる。
例えば、幾つかの態様において、活性物質を適用するのに有用な装置は、非-中性pHを持つ少なくとも1種の成分を含む、水溶性ポリマーフィルム;水との組合せで該非-中性成分と併合した際に、シネレシスを減じるように選択される、pH調節ポリマー系;および活性物質の存在下で該フィルムを溶解するための溶媒を含む。該活性物質は、同一のフィルムまたはこれと接触状態にある異なる水溶性のフィルム内に含めることができる。該装置は、また該フィルムから取外された際に、該活性物質を、該支持体表面に適用するためのアプリケータを含むことができる。幾つかの態様において、該アプリケータは、スポンジアプリケータである。該フィルムは、湿潤状態にあるスポンジアプリケータの上部に付着させることができる。あるいはまた、該フィルムは、乾燥スポンジアプリケータの上部に付着させ、該アプリケータを、その後水、体液またはその他の溶媒または他の移送支持体、またはデバイスによって湿らせることができる。
随意の活性成分を、該溶媒中の該ポリマーと組合わせて、該pH調節フィルムを形成する場合には、形成される該物質の型は、該活性物質および該ポリマーの溶解度に依存する。該活性物質および/または該ポリマーが、該選択された溶媒に可溶性である場合は、これは溶液を形成することができる。しかし、該成分が、不溶性である場合には、形成される該物質は、エマルション、コロイド、または懸濁液として分類できる。
広範囲に及ぶ医薬、生物活性物質および薬理組成物を、本発明の投与剤形に含むことができる。有用な薬物の例は、ACE-阻害剤、抗-狭心症薬、抗-不整脈薬、抗-喘息薬、抗-コレステロール血症薬、鎮痛薬、麻酔薬、抗-痙攣薬、抗-鬱薬、抗-糖尿病薬、下痢止め剤、解毒薬、抗-ヒスタミン剤、抗-高血圧症薬、抗-炎症薬、抗-高脂肪血症薬、抗-躁鬱病薬、制吐瀉薬、抗-脳卒中薬、抗-甲状腺薬、抗-腫瘍薬、抗-ウイルス薬、アクネ治療薬、アルカロイド、アミノ酸処方薬、咳止め剤、抗-尿酸血症薬、抗-ウイルス剤、アナボリック処方薬、全身性および非-全身性抗-感染薬、抗-新生物薬、抗-パーキンソン病薬、抗-リュウマチ薬、食欲刺激剤、生物学的応答改良剤、血液改良剤、骨代謝調節薬、心臓血管作用薬、中枢神経系刺激剤、コリンエステラーゼ阻害剤、避妊薬、充血除去薬、サプリメント、ドーパミンレセプタアゴニスト、子宮内膜症管理薬、酵素剤、勃起不全治療薬、排卵誘発剤、胃腸薬、同種療法薬、ホルモン剤、高カルシウムおよび低カルシウム症治療薬、免疫調節剤、免疫抑制剤、偏頭痛処方薬、動揺病治療薬、筋肉弛緩剤、肥満管理薬、骨粗鬆症治療薬、子宮収縮薬、副交感神経遮断薬、副交感神経興奮薬、プロスタグランジン、精神病治療薬、呼吸管理薬、鎮静薬、禁煙補助薬、交換神経遮断薬、震顫治療薬、尿管治療薬、血管拡張薬、緩下薬、制酸薬、イオン交換樹脂、解熱薬、食欲抑制剤、去痰薬、抗-不安薬、抗-潰瘍剤、抗-炎症性物質、冠動脈拡張剤、大脳血管拡張薬、末梢血管拡張剤、向精神薬、刺激剤、抗-高血圧症薬、血管収縮薬、偏頭痛治療薬、抗生物質、トランキライザー、抗-精神病薬、抗-腫瘍薬、抗-凝血薬、抗-血栓症薬、催眠薬、制吐薬、鎮吐薬、抗-痙攣薬、神経筋薬、高血糖および低血糖治療薬、甲状腺製剤および抗-甲状腺製剤、利尿剤、鎮痙剤、テリン(terine)緩和剤、抗-肥満薬、造血促進薬、抗-喘息薬、咳止め剤、ムコ多糖分解剤、DNAおよび遺伝子改善剤およびこれらの組み合わせを含む。
本発明において使用することを意図する投薬活性成分の例は、制酸薬、H2-アンタゴニスト、および鎮痛薬を含む。例えば、制酸薬の調剤は、炭酸カルシウム単独またはこれと水酸化マグネシウム、および/または水酸化アルミニウムとの組合せを用いて、調製できる。更に、制酸薬は、H2-アンタゴニストと組合わせて使用することができる。
鎮痛薬は、麻酔薬およびその誘導体、例えばオキシコドン(オキシコンチン(OxycontinTM)として入手できる)、イブプロフェン、アスピリン、アセタミノフェン、および場合によりカフェインを含む、これらの組み合わせを包含する。麻酔薬アゴニストおよびアンタゴニスト、例えばブペルモルフィン(bupermorphine)およびナロキソンは、本発明において使用する薬物の更なる例である。
本発明において使用する、他の好ましい活性成分にとって好ましい他の薬物は、下痢止め剤、例えばイモジウム(immodium) AD、抗-ヒスタミン剤、鎮咳薬、鬱血除去薬、ビタミン類、および呼気清涼薬を含む。単独で、または風邪、痛み、発熱、咳、充血、鼻水、およびアレルギーに対する薬物との組合せで使用される普通薬、例えばアセタミノフェン、イブプロフェン、クロルフェニラミンマレエート、デキストロメトルファン、デキストロメトルファンHBr、偽エフェドリンHCl、ジフェンヒドラミン、およびこれらの組み合わせ、例えばデキストロメトルファンHBrとフェニレフリンHCl(トリアミニック(TriaminicTM)として入手できる)は、本発明のフィルム組成物中に含めることができる。
同様に本発明において使用することが意図されているものは、不安緩解薬、例えばアルプラゾラム(ザナックス(XanaxTM)として入手できる);抗-精神病薬、例えばクロゾピン(クロザリル(ClozarilTM)として入手できる)およびハロペリドール(ハルドール(HaldolTM)として入手できる);非-ステロイド系抗-炎症剤(NSAID)、例えばジシクロフェナク(ボルタレン(VoltarenTM)として入手できる)およびエトドラク(ロジン(LodineTM)として入手できる);抗-ヒスタミン剤、例えばジフェンヒドラミンHCl(ベナドリル(BenadrylTM)およびテラフル(TheraFluTM)として入手できる)、ロラタジン(クラリチン(ClaritinTM)として入手できる)、アステミゾール(ヒスマナール(HismanalTM)として入手できる)、ナブメトン(リラフェン(RelafenTM)として入手できる)、およびクレマスチン(タビスト(TavistTM)として入手できる);制吐薬、例えばグラニセトロン塩酸塩(キトリル(KytrilTM)として入手できる)およびナビロン(セサメット(CesametTM)として入手できる);気管支拡張薬、例えばベントリン(BentolinTM)、アルブテロール硫酸(プロベンチル(ProventilTM)として入手できる);抗-鬱薬、例えばフルオキセチン塩酸塩(プロザック(ProzacTM)として入手できる)、セルトラリン塩酸塩(ゾロフト(ZoloftTM)として入手できる)、およびパロキシチン(paroxtine)塩酸塩(パキシル(PaxilTM)として入手できる);鎮咳薬、例えばグアイフェンシン(guaifensin);抗-偏頭痛薬、例えばイミグラ(ImigraTM);ACE-阻害剤、例えばエナラプリラット(バソテック(VasotecTM)として入手できる)カプトプリル(カポテン(CapotenTM)として入手できる)およびリシノプリル(ゼストリル(ZestrilTM)として入手できる);抗-アルツハイマー病薬、例えばニセルゴリン;CaH-アンタゴニスト、例えばニフェジピン(プロカルディア(ProcardiaTM)およびアダラット(AdalatTM)として入手できる)、およびベラパミル塩酸塩(カラン(CalanTM)として入手できる);および鎮静/催眠薬、例えばザレプロン(ソナタ(SonataTM)として入手できる)およびエスゾピクロン(ルネスタ(LunestaTM)として入手できる)である。
勃起不全治療薬は、ペニスの血流を容易にする薬物、および自律神経活性を高める薬物、例えば副交感神経(コリン作用性)活性を高めまた交感神経(アドレナリン作用性)活性を下げる薬物を含むが、これらに限定されない。この種の有用な、非-限定的薬物は、バイアグラ(ViagraTM)、タダラフィル(tadalafils)、例えばシアリス(CialisTM)、バルデナフィルス(vardenafils)、アポモルフィネ、例えばアプリマ(UprimaTM)、ヨヒンビン塩酸塩、例えばアフルジン(AphrodyneTM)、およびアルプロスタジル、例えばカバージェクト(CaverjectTM)を包含する。
本発明において使用することが意図されている普及型のH2-アンタゴニストは、シメチジン、ラニチジン塩酸塩、ファモチジン、ニザチジン(nizatidien)、エブロチジン、ミフェンチジン、ロキサチジン、ピサチジン(pisatidine)およびアセロキサチジンを含む。
活性制酸性成分は、以下に列挙するものを含むが、これらに限定されない:水酸化アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、アミノ酢酸、リン酸アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウム炭酸ナトリウム、重炭酸塩、アルミン酸ビスマス、炭酸ビスマス、オキシ炭酸ビスマス、次硝酸ビスマス、ビスマスサブシリシレート(subsilysilate)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シトレートイオン(酸または塩)、アミノ酢酸、アルミン酸硫酸マグネシウム水和物、マガルドレート(magaldrate)、アルミノ珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、マグネシウムグリシネート、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムトリシリケート、ミルク固形分、アルミニウムモノ-オルジベーシック(mono-ordibasic)リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、重炭酸カリウム、酒石酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アルミノ珪酸マグネシウム、酒石酸および塩。
本発明で使用する製薬上活性な薬剤は、アレルゲンまたは抗原、例えば草本、樹木またはブタクサ由来の植物花粉;ネコおよび他の毛皮獣の皮膚および毛から剥がれ落ちた小さな鱗状のものである、動物の鱗屑;昆虫、例えばウマのホコリダニ、ミツバチ、およびスズメバチ;および薬物、例えばペニシリンを含むが、これらに限定されない。
化粧料および薬用化粧薬は、以下に列挙するものを含むが、これらに限定されない:モイスチャーライザー、シャンプー、サンスクリーン、および日焼け止め化粧料、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、湿潤剤、脂性化(fatting)剤、RENTIN-A、DIFFERIN、AVITA、BOTOX、MYOBLOC、タンパク質、ペプチド、死亡酸および抗生物質。
酸化防止剤を、該フィルムに添加して、特に活性物質が光感受性である場合に、その劣化を防止することができる。
該フィルムの製造において、着色剤を使用することも可能である。このような着色剤は、食用、薬物用および化粧料用の着色剤(FD&C)、薬物および化粧料用着色剤(D&C)、または外用薬物および化粧料用の着色剤(Ext.D&C)を含む。これらの着色剤は、染料、その対応するレーキ、および幾つかの天然および誘導化着色剤である。レーキは、水酸化アルミニウム上に吸収された染料である。
着色剤の他の例は、公知のアゾ染料、有機または無機顔料、または天然起源の着色剤を含む。無機顔料、例えば鉄またはチタンの酸化物が好ましいが、これらの酸化物は、上記全成分の質量を基準として、約0.001〜約10%、および好ましくは約0.5%〜約3%なる範囲に濃度にて添加される。
更に、香料を、該フィルムに含めることができる。これらは、例えば植物、葉、花、果実およびこれらの組み合わせ由来の抽出物を含むことができる。
更なる活性物質
化粧料用薬剤、薬用化粧料用薬剤および薬剤に加えて、該用語「活性物質(成分)(active)」とは、特定の表面領域に適用できまたは全身的に摂取し得る、任意の薬剤であり得る。例えば、活性物質は、清浄化が必要とされる際に、支持体に適用することのできる清浄化(洗濯)剤であり得る。これら清浄化剤の多くは、事実上酸性または塩基性であり、また非-中性pHを持つ成分であると考えることができる。例えば、酢酸、シュウ酸、ヒドロキシ酢酸およびクエン酸等を含む有機酸は、清浄化組成物で使用できる。このような薬剤は、シネレシスを減じまたは防止するために、幾つかのPh調節ポリマー系を用いた、ここに与えられるフィルムにおいて使用することができる。
投薬量
本発明のフィルム製品は、該活性物質を、広範囲の量で蓄えることができる。該フィルムは、必要とされる投薬量が高かろうが、著しく低かろうが、正確な投薬量(該フィルムのサイズおよび元のポリマー/水の組合せにおける該活性剤の濃度によって決まる)を与えることができる。従って、該フィルムに配合する活性物質の型に依存して、該活性物質の量は、約300mg程度の高い値、望ましくは約150mgまで、またはμgオーダーの低い値、あるいはこれらの範囲内の任意の量であり得る。
本発明のフィルム製品および方法は、高い効力で、低用量の薬物にとって極めて適している。これは、該フィルムの高度に高い均一性によって達成される。従って、低用量の薬物、特に一層有力な活性物質のラセミ混合物が望ましい。
消泡および脱泡組成物
消泡および脱泡成分も、本発明のフィルムと共に使用できる。これらの成分は、本発明のフィルム-形成組成物から、空気、例えば取込み空気を除去するのに役立つ。上記のように、このような取込み空気は、不均一なフィルムの生成に導くおそれがある。シメチコーン(Simethicone)は、特に有用な消泡および/または脱泡剤の一種である。しかし、本発明は、これに限定されず、他の消泡および/または脱泡剤を、適宜使用することができる。
シメチコーンは、一般に医学分野においては、小児におけるガスまたは疝痛の治療薬として利用されている。シメチコーンは、トリメチルシロキシ末端遮断単位で安定化された、ポリジメチルシロキサンおよび二酸化ケイ素の繰返し単位を含む、完全にメチル化された鎖状のシロキサンポリマーの混合物である。これは、通常90.5-99%のポリメチルシロキサンおよび4-7%の二酸化ケイ素を含む。該混合物は、灰色で、透明かつ粘稠な、水に不溶性の液体である。
水に分散する場合、シメチコーンは、表面を横切って拡がり、低表面張力を持つフィルムを形成する。このようにして、シメチコーンは、該溶液中に局在する空気の泡、例えば気泡の表面張力を減じ、これを破壊する。シメチコーンの機能は、水中でオイルおよびアルコールの二重の作用を模倣する。例えば、オイル溶液において、任意の閉じ込められた気泡は、表面まで上昇し、より迅速に、かつ容易に消失する。というのは、油状液体は、水性溶液と比較してより低い密度を持つからである。他方において、アルコール/水混合物は、その密度が、水の値よりも低く、しかもその表面張力は、水の値よりも低いことが知られている。従って、該混合溶液中に取込まれている任意の気泡も、容易に散逸する。シメチコーン溶液は、これら利点の両者を与える。これは、該水性溶液内部に取込まれているあらゆる気泡の表面エネルギーを低下し、また該水性溶液の表面張力をも低下する。この固有の機能の結果として、シメチコーンは、生理的な過程(胃における脱ガス)並びに製品からの気泡の除去を必要とする、任意の外的な過程に対して利用できる、優れた消泡特性を有する。
本発明のフィルム内での気泡の形成を防止するために、混合段階を減圧下で行うことができる。しかし、該混合段階が完了するや否や、該フィルム形成溶液が、正常な圧力条件に戻されるや否や、空気は、該混合物に再度-導入され、あるいはこれと再度接触する。多くの場合において、小さな気泡が、再度このポリマーの粘稠な溶液内に取込まれる。該フィルム-形成組成物に対するシメチコーンの配合は、気泡の形成を実質的に減じるか、あるいは排除する。
シメチコーンは、該フィルム-形成混合物に、消泡剤として、約0.01質量%〜約5.0質量%なる範囲、より望ましくは約0.05質量%〜約2.5質量%なる範囲、および最も望ましくは約0.1質量%〜約1.0質量%なる範囲の量で添加することができる。
随意成分
様々な他の成分およびフィラーも、本発明のフィルムに添加することができる。これらは、限定するものではないが、界面活性剤;該混合物中の成分の相溶化を助ける、可塑剤;ポリアルコール;該フィルムから酸素を遊離させることにより、フィルム表面の平滑化を促進する、消泡剤、例えばシリコーン-含有化合物;および該フィルム成分の分散状態を維持するのに役立つ、ペクチン、カラギーナン、およびゼラチン等の熱硬化性ゲルを含むことができる。
本発明の組成物に配合することのできる様々な添加物は、様々な異なる機能を与えることができる。添加物群の例は、賦形剤、潤滑剤、バッファー、安定化剤、発泡剤、顔料、着色剤、フィラー、増量剤、香料、放出性改善剤、佐剤、可塑剤、流動促進剤、離型剤、ポリオール、粒状化剤、希釈剤、バインダ、バッファー、吸収剤、グリダント(glidants)、接着剤、接着防止剤、酸味付与剤、柔軟剤、樹脂、粘滑薬、溶剤、界面活性剤、乳化剤、エラストマー、およびこれらの混合物を包含する。これらの添加剤は、該活性成分と共に添加することができる。
有用な添加剤は、例えばゼラチン、植物タンパク質、例えばヒマワリタンパク質、大豆タンパク質、綿実タンパク質、ピーナッツタンパク質、ブドウ種子タンパク質、ホエータンパク質、ホエータンパク質単離体、血液タンパク質、エッグタンパク質、アクリレート化タンパク質、水溶性多糖類、例えばアルギネート、カラギーナン、グアーガム、寒天、ザンタンガム、ジェランガム、アラビアガムおよび関連ガム(ガッチガム、カラヤガム、トラガカンスガム)、ペクチン、セルロースの水溶性誘導体:アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、およびヒドロキシアルキルアルキルセルロース、例えばメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、セルロースエステルおよびヒドロキシアルキルセルロースエステル、例えばセルロースアセテートフタレート(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);カルボキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロースエステル、例えばカルボキシメチルセルロースおよびそのアルカリ金属塩;水溶生合成ポリマー、例えばポリアクリル酸およびポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸およびポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、ポリビニルピロリドン(PVP)、PVY/酢酸ビニルコポリマー、およびポリクロトン酸を含み;同様に適したのもは、フタレート処理したゼラチン、ゼラチンサクシネート、架橋ゼラチン、セラック、デンプンの水溶性化学的誘導体、例えば3級または4級アミノ基、例えば所望により4級化することもできるジエチルアミノエチル基を持つ、カチオン性に変性されたアクリレートおよびメタクリレート;および他の同様なポリマーである。
このような増量剤は、場合により、任意の所定量、望ましくは全ての成分の質量を基準として、約80%まで、望ましくは約3%〜50%なる範囲、およびより望ましくは3%〜20%なる範囲の量で、添加することができる。
更なる添加物は、望ましくは全ての成分の質量を基準として、約0.02%〜約3質量%なる範囲および望ましくは約0.02%〜約1%なる範囲の濃度の、無機フィラー、例えばマグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン等の酸化物であり得る。
添加物の更なる例は、可塑剤であり、これはポリアルキレンオキシド、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン-プロピレングリコール、低分子量を持つ有機可塑剤、例えばグリセロール、グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテート;トリアセチン、ポリソルベート、セチルアルコール、プロピレングリコール、ソルビトール、ジエチルスルホサクシネート、トリエチルシトレート等を含み、これらは、該ポリマーの質量を基準として、約0.5%〜約30%なる範囲、および望ましくは約0.5%〜約20%なる範囲の濃度にて転化される。
更に、該デンプン材料の流動特性を改善する目的で、動物または植物脂肪、望ましくはその水添状態にあるものなどの化合物、特に室温にて固体状態にある化合物を添加することも可能である。これら脂肪は、望ましくは50℃以上の融点を持つ。好ましいのは、C12-、C14-、C16-、C18-、C20-およびC22-脂肪酸とのトリグリセライドである。これらの脂肪は、増量剤または可塑剤を添加することなしに、単独で添加でき、また有利には単独でまたはモノ-および/またはジ-グリセライドまたはホスファチジド、特にレシチンと一緒に添加することができる。該モノ-およびジ-グリセライドは、望ましくは上記型の脂肪から、即ちC12-、C14-、C16-、C18-、C20-およびC22-脂肪酸とから誘導される。
該脂肪、モノ-、ジ-グリセライドおよび/またはレシチンの全量は、該組成物全体の、約5%まで、および好ましくは約0.5%〜約2質量%なる範囲にある。
更に、二酸化ケイ素、または二酸化チタンを、該組成物全体の、約0.02%〜約1質量%なる範囲の濃度で添加することが有用である。
これら添加剤は、意図した目的を達成するのに十分な量で使用される。一般に、幾つかのこれら添加剤の組合せは、該活性成分の全体的な放出プロフィールを変更し、また該放出を変更し、即ち抑制しまたは促進するために使用できる。
レシチンは、本発明において使用する界面活性剤の一種である。レシチンは、供給原料中に、約0.25〜約2.00質量%なる範囲の量で、含めることができる。他の界面活性薬剤、即ち界面活性剤は、セチルアルコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ICIアメリカ社(ICI Americas, Inc.)から市販品として入手できるスパン(SpansTM)およびツイーン(TweensTM)を含むが、これらに限定されない。エトキシル化ヒマシ油を包含するエトキシル化オイル、例えばバスフ(BASF)社から市販品として入手できるクレモフォア(CremophorTM) ELも有用である。カーボワックス(CarbowaxTM)は本発明において極めて有用な、更に別の変性剤である。ツイーン(TweensTM)または界面活性剤の組合せは、所定の親水性-親油性バランス(HLB)を達成するのに有用であり得る。しかし、本発明は、界面活性剤の使用を必要とせず、また本発明のフィルムまたはフィルム-形成組成物は、本質的に界面活性剤を含まないものであり得、しかも依然として本発明の望ましい均一性を与えることができる。
本発明の手順および製品を改善する付随的な変性剤が、同定されたので、本出願人は、全てのこのような変性剤を、特許請求の範囲で請求している、本発明の範囲内に含めることを意図している。
他の成分は、該フィルム製造の簡略化並びに一般的な該フィルムの性能に寄与する、バインダを含む、バインダの非-限定的な例は、デンプン、α-化デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルオキサゾリドン、およびポリビニルアルコールを含む。
更に有力な添加物は、溶解度増強剤、例えば活性成分と包接化合物を形成する物質を含む。このような薬剤は、極めて不溶性のおよび/または不安定な活性物質の諸特性を改善する上で有用であり得る。一般に、これらの物質は、内側の疎水性空洞および外側の親水性部分を持つ、ドーナッツ形状を持つ分子である。不溶性および/または不安定な活性物質は、該疎水性空洞内にぴったりと嵌り込み、結果として包接複合体を形成することができ、これは水に対して可溶性である。従って、該包接複合体は、該極めて不溶性のおよび/または不安定な活性物質を、水に溶かすことを可能とする。このような薬剤の特に望ましくは例は、シクロデキストリンであり、これはデンプン由来の環状炭水化物である。しかし、他の同様な物質も、当然に、本発明の範囲内にあるものと考えられる。
本発明にフィルムの製造
本発明のフィルムは、乾燥前にシート形状に成型する必要がある。所定の成分を併合して、該ポリマー、水、および非-中性成分または必要に応じて他の成分(例えば、活性物質)を含む、多成分マトリックスを製造した後、この組合せを、当分野において公知の任意の方法、例えば該多成分マトリックスの押出、塗布、展開、注型または圧伸成型によって、シートまたはフィルムに成型する。多層フィルムが望ましい場合には、該多層フィルムは、同一でも異なっていてもよい、2種以上の該成分の組合せを、同時押出することによって製造できる。多層フィルムは、また既に形成されたフィルム層上に、成分の組合せを、塗布、展開または注型することによって製造できる。
様々な異なるフィルム-形成技術を利用できるが、可撓性フィルムを与える方法、例えばリバースロール塗布を選択することが望ましい。該フィルムの可撓性は、保存のためにまたはバラバラに投与剤形に裁断する前に、該フィルムのシートを巻取り、搬送することを可能とする。望ましくは、該フィルムは、また自立型のものであり、または換言すれば、別の支持体無しに、その保全性および構造を維持できるものである。更に、本発明のフィルムは、食しまたは接種可能な材料を選択して、作ることができる。
該フィルム組成物の注型
本発明は、成分の実質的に均一な分布を有する、自立型のフィルムを製造する方法を利用する。該自立型のフィルムは、ここで論じるような活性物質の放出にとって特に有用である。該フィルムの製法は、該フィルム全体に分散された成分の組成の均一性を維持するように設計され、該組成の均一性は、薬理的に活性な物質等の活性成分が、該フィルムに組込まれる場合に、特に必要とされる。薬学関連分野において、該フィルムが組成において均一であって、個々のフィルム状投薬単位に分割でき、各投薬単位が、投与した際に適量の活性物質を含み、規制上の承認を確実にすることは、必須である。
該フィルムの製造に使用する一つの方法は、米国特許出願第10/074,272号に記載されており、この特許出願の内容全体を、参考としてここに組入れる。この方法において、該フィルムは、粘弾性フィルムを迅速に成型することにより製造されるが、その際に該フィルムに高温空気流を適用して、該流れの移動および分子間力による、凝集体または集塊物の生成を防止し、結果として該フィルム内の成分の組成の関する均一性を維持し;また更に、該粘弾性フィルムを乾燥して、自己支持型のフィルムを製造する。
望ましくは、該高温空気流を、該フィルムの底部に適用し、実質的に上部に空気流が存在しないようにする。これは、該フィルムの上部にポリマースキンが生成する前に、該フィルムの深部の乾燥を可能とする。該スキンの形成は、該フィルムの表面を乱し、不均一性を結果する。該乾燥された自己支持型のフィルムは、そこに含まれる成分の分布、質量および厚みにおいて均一である。
該フィルムを、先ず高温空気流の適用前に、その表面を上にして供給できる。該湿潤フィルムは、望ましくはそこに含まれる該活性物質が劣化する前に、脱気したマトリックスから所定期間内に製造される。次いで、該高温空気流を、実質的に上部空気流が存在しないように、該フィルム表面の底部側に適用することができる。この方法は、更に該乾燥フィルムを、等しい寸法および組成上の構成を持つ個々の投薬単位に分割する工程をも含むことができる。該高温空気流を、乾燥中に、該フィルムの上部表面に対するよりも高い速度にて、該フィルムの底部表面に適用することができる。該フィルムの上部を乾燥するために適用される高温空気流は、表面の波打ちまたはスキン形成を引起す量よりも低い。このことは、該フィルムが、体積上の均一性を確保すべく、十分に濃厚な粘度を持つことを可能とし、しかもスキンの形成されていない表面を介して水の蒸発を可能とする。
上記方法は、更に食用可溶性ポリマーおよび水を含む、マスターバッチプレミックスを製造する工程;該プレミックスを混合によって脱気する工程;所定量の該脱気したプレミックスを少なくとも一つのミキサに供給する工程;該ミキサに活性物質を添加する工程;および該成分を混合して、その均一分布を達成する工程からなる、予備段階を更に含むことができる。その後、該湿潤状態にあるフィルムを、成型し、かつ乾燥する。
本発明の該フィルム製造の目的にとって、塗布または注型法は、特に有用である。特定の例は、特に多層フィルムが望ましい場合には、リバースロール塗布、グラビア塗布、浸漬またはディップ塗布、計量ロッドまたはメイヤーバー(Meyer Bar)塗布、スロットダイまたは押出塗布、ギャップまたはロール式ナイフ塗布、エアナイフ塗布、カーテン塗布、またはこれらの組み合わせを含む。
ロール塗布、より具体的にはリバースロール塗布が、本発明に従ってフィルムを製造する際には、特に望ましい。この方法は、本発明において望ましい、生成するフィルムの優れた制御性および優れた均一性を与える。この方法において、該上部の計量ロールと、その下方の塗布ロールとの間のギャップを正確に設定することによって、該塗布材料を、該アプリケータロール上に秤取る。この塗膜は、該アプリケータロールと隣接する支持ロールの回りを通過する際に、該塗布ロールから該支持体に移される。3本ロールおよび4本ロール法両者が、一般的である。
該グラビア塗布法は、被覆浴内を走行する、彫刻ロールを使用するものであり、該浴は、該ロールの該彫刻ドットまたはラインを、該塗布材料で満たす。該ロール上の過剰量の塗布材料は、ドクターブレードにより掻取られ、また該塗膜は、次いで該彫刻ロールと加圧ロールとの間を通過する際に、該支持体上に堆積される。
オフセットグラビア塗布が一般的であり、該塗膜は該支持体に移される前に、中間ロール上に堆積される。
該簡単な浸漬またはディップ塗布法において、該支持体は、該塗布液の浴中に浸漬され、該塗布液は、通常低粘性のものであって、該支持体が現れた際に、該塗膜を、該浴中に再度通すことを可能とする。
該計量ロッド塗布法においては、過剰量の該塗布液が、該浴のロール上を通過する際に、該支持体上に堆積される。しばしばメイヤーバー(Meyer Bar)として知られているワイヤ巻回計量ロッドは、所定量の該塗布液を、該支持体上に残すことを可能とする。その量は、該ロッド上で使用する該ワイヤの径によって決まる。
上記スロットダイ法においては、該塗布液は、重力によって、あるいは加圧下に、スロットを介して、該支持体上に絞出される。該塗布物が100%固体である場合、この方法は、「押出」と呼ばれ、またこの場合線速度は、しばしば該押し出しの速度よりも一層高いものである。これは、塗膜を、該スロットの幅よりも著しく薄いものとする。
上記ギャップまたはロール式ナイフ塗布法では、該支持体に塗布液が適用され、次いで「ナイフ」と支持ロールとの間の「ギャップ」に通されることによっている。該塗膜および支持体が通過するにつれて、該塗布液の過剰分が掻き取られる。
上記エアナイフ塗布法は、該塗布液を該支持体に適用し、その過剰分を、該エアナイフからの強力なジェットによって「吹き飛ばす」ものである。この方法は、水性塗布液にとって有用である。
上記カーテン塗布法においては、底面にスロットを備えた浴が、該塗布液の連続的なカーテンを、2つのコンベア間のギャップに落下させることを可能とする。該塗布すべき対象は、制御された速度にて該コンベアに沿って通過して、その上面で該塗布液を受取る。
該フィルム組成物の押出
PEOポリマー成分を含有するフィルム組成物を製造するためには、押出法を利用することが、特に望ましい。これらの組成物は、PEOまたはPEOブレンドを該ポリマー成分内に含み、また本質的に添加可塑剤、および/または界面活性剤、およびポリアルコールを含まないものであり得る。
該組成物は、約90℃未満の加工温度にて、シートとして押出すことができる。押し出しは、該フィルム組成物を、ロールまたはダイを通して絞出すことによって進められて、均一なマトリックスを与える。次いで、この押出されたフィルム組成物を、当業者には公知の任意のメカニズムにより冷却する。例えば、冷却ロール、空冷床、または水冷床を使用することができる。該冷却段階は、PEOが熱を保持する傾向があることから、PEOポリマー成分を含むフィルム組成物にとって、特に望ましいものである。このようにして形成されたシートは、所望により様々な形状に成型することができる。
該フィルムの乾燥
該乾燥段階も、また該フィルム組成物の均一性維持に関する寄与ファクタである。粘度増加組成物の不在下で、または該粘度が、例えば該ポリマーの選択によって、調節されている組成物の不在下で、該フィルム内の成分が、凝集または集塊の高い傾向を持つ場合に、制御された乾燥工程は、特に重要である。該制御された乾燥工程を必要としない、正確な用量を持つフィルムを製造するもう一つの方法は、予め決められたウエル上で該フィルムを注型することである。この方法を用いた場合、該成分は凝集する恐れがあるが、各ウエル自体が、該投与単位を規定し得るので、該方法は、隣接投与剤形にまで、該活性物質を移動することはないであろう。
制御されたまたは迅速な乾燥工程が望ましい場合、この乾燥は、様々な方法によって行うことができる。様々な方法を利用でき、その例は、熱の適用を必要とする方法を含む。湿潤フィルムにおいて得られる、均一性、またはより具体的には、該非-自己凝集性の均一な異質性を維持するように、該フィルムから該液状担体を除去する。
望ましくは、該フィルムは、その底部からその上部へと乾燥される。望ましくは、この初期設定期間中に、該フィルムの上部を横切る空気流が、実質的に存在せず、その間に、固体、粘弾性構造が形成される。これは初めの数分間、例えば該乾燥工程の初めの約0.5〜約4.0分なる範囲の期間内に起る可能性がある。該乾燥を、このように制御することによって、従来の乾燥方法に見られる、該フィルム上部表面の破壊および矯正が阻止される。これは、該フィルムを、成型し、上下側部を持つ表面の上部側面にこれを配置することによって達成される。次いで、熱を、先ず該フィルムの底部側に適用して、該液状担体を蒸発または除去するに要するエネルギーを供給する。このようにして乾燥されたフィルムは、風乾されたフィルム、または従来の乾燥手段により乾燥されたフィルムと比較して、より迅速かつ均等に乾燥される。先ず上部および端部において乾燥が起る風乾されたフィルムに対して、該フィルム底部に、先ず熱を適用して乾燥されたフィルムでは、中心部並びに端部が同時に乾燥される。この乾燥法は、また従来の手段により乾燥されたフィルムについて見られる、成分の沈降をも防止する。
該フィルムを乾燥する温度は、約100℃以下、望ましくは約90℃以下、および最も望ましくは約80℃以下である。
幾つかの態様において、該極性溶媒の質量は、乾燥前の該フィルムの少なくとも約30%である。幾つかの他の態様では、該フィルムの乾燥は、該極性溶媒の質量%を、約10%以下減じる。好ましくは、該乾燥は、約10分間またはそれ以下で起る。
単独で、または上記のような他の制御された乾燥法との組合せで利用できる、該乾燥方法を制御するもう一つの方法は、該フィルムを乾燥するための、乾燥装置内の水分を制御し、かつ改良することを含む。このようにして、該フィルムの上部表面の、早期の乾燥を回避する。
更に、該乾燥時間の長さは、適宜制御でき、即ち該フィルムの成分、および特に香料および薬物の熱に対する感受性および揮発性と釣合わせることができる。エネルギーの量、温度および、該コンベアの長さおよび速度は、このような活性物質を収容するように、また最終的なフィルムにおける損失、劣化または不活性化を最小化するように、均合させることができる。
適当な乾燥法の特別な一例は、Magoonによって記載されている方法である。Magoonは、具体的にフルーツパルプの乾燥方法を目的としている。しかし、本発明者等は、この方法を、薄いフィルムの調製に適合させた。
Magoonの方法並びに装置は、興味深い水の特性に基いている。水は、その内部およびその回り両者における伝導および対流によって、エネルギーを伝達するが、水は、その内部および水自体にエネルギーを放射するに過ぎない。従って、Magoonの装置は、赤外輻射に対して透明な、該フルーツパルプを配置する表面を含む。該表面の下側は、温度制御された水浴と接触状態にある。該水浴の温度は、望ましくは水の沸点よりも僅かに低い温度に制御される。湿潤フルーツパルプを、該装置の表面上に配置した場合、該パルプは、「反射窓」を生成する。このことは、該フルーツパルプによって占有されている該表面上の領域に対してのみ、かつ該フルーツパルプが乾燥されるまで、赤外輻射エネルギーが、該表面を通して射出し得ることを意味する。該Magoonの装置は、本発明のフィルムに、効率的な乾燥時間をもたらし、該フィルムの成分の凝集の機会を減じる。
該乾燥工程を制御するもう一つの方法は、ゾーン乾燥法を含む。ゾーン乾燥装置は、内部に位置する1またはそれ以上の乾燥ゾーンを持つ、連続するベルト式乾燥トンネルを含むことができる。各乾燥ゾーンの条件は変えることができ、例えば温度および湿度は、個別的に選択することができる。段階的に高められる乾燥効果を得るために、該ゾーンを連続的に並べることは、望ましいことであり得る。
該ゾーン乾燥用コンベアの速度は、連続的であることが望ましい。あるいはまた、該速度を、該乾燥法の特定の段階で変えて、所定ゾーンの条件に対する、該フィルムの暴露期間を増減することができる。連続的であれ、変更されたものであれ、該ゾーン乾燥法は、表面スキン形成を伴うことなしに、該フィルムを乾燥する。
図9に示された、ゾーン乾燥装置100の一態様によれば、該フィルム110は、連続式ベルト120に供給され、該ベルトは、該フィルムを、該種々の乾燥ゾーンを介して搬送する。該フィルムが第一のゾーン101を介して移動する、該第一ゾーンは、暖かく、かつ湿ったゾーンであり得る。第二のゾーン102は、より高温かつより乾燥状態であり得、また第三のゾーン103も、より高温かつより乾燥状態であり得る。これらの異なるゾーンは、連続式または交互式であり得るが、図10のゾーン乾燥装置200に示したように、分離されていてもよく、そこには、第一の乾燥ゾーン201、第二の乾燥ゾーン202および第三の乾燥ゾーン203が示されている。本発明による該ゾーン乾燥装置は、3乾燥ゾーン式に限定されない。所望により、本発明の制御された乾燥効果を得るために、該フィルムは、変動する温度および湿度レベルを持つ、より少数のまたは追加の乾燥ゾーンを介して移動することができる。
温度および湿度を更に制御するために、該乾燥ゾーンは、追加の雰囲気条件、例えば不活性ガス雰囲気の使用を含むことができる。該ゾーン乾燥装置は、本発明に従って制御乾燥状態を維持する限りにおいて、更に該ゾーン乾燥工程中に、追加の工程、例えば噴霧および積層工程を含むように改良できる。
該フィルムは、初め約500μm〜約1,500μmなる範囲、または約0.508mm(約20ミル)〜約1.524mm(約60ミル)なる範囲の厚みを持ち、また乾燥された場合には、約3μm〜約250μmなる範囲、または約0.00254mm(約0.1ミル)〜約0.254mm(約10ミル)なる範囲の厚みを持つ。幾つかの態様において、該フィルム製品は、約0.00254mm(約0.1ミル)を越える厚みを持つ。幾つかの態様において、該フィルム製品は、約0.254mm(約10ミル)以下の厚みを持つ。更なる幾つかの態様において、該フィルム製品は、約0.0127mm(約0.5ミル)〜約0.127mm(約5ミル)なる範囲の厚みを持つ。望ましくは、該乾燥フィルムは、約0.0508mm(約2ミル)〜約0.203mm(約8ミル)なる範囲、およびより望ましくは約0.0762mm(約3ミル)〜約0.152mm(約6ミル)なる範囲の厚みを持つであろう。
均一性に関するフィルムのテスト
該フィルム製造工程中の、化学的および物理的均一性に関して、本発明のフィルムをテストすることは、望ましいことであり得る。特に、該フィルムのサンプルを取り出して、様々なサンプル間のフィルム成分における均一性に関して、テストすることができる。フィルムの厚みおよび全体的なその外観も、均一性のためにチェックすることができる。均一なフィルムは、特に安全性および効力の理由から、薬理成分または薬用化粧料成分を含有するフィルムにとって望ましい。
本発明に従って均一性をテストする方法は、特に、製造工程を通してフィルムを搬送することを含む。この工程は、該フィルムを乾燥工程に付し、個々の投与単位に分割し、および/または該要約量を包装することを含むことができる。該フィルムがその製造工程を通じて、例えばコンベアベルト装置上で、搬送されるにつれて、その幅方向に、少なくとも一箇所において切れ目を入れる。この少なくとも1箇所は、任意の他のフィルム部分とは別の対向する端部を持つ。例えば、該フィルムがロール状に巻回されている場合、これは、別々のサブロールに切断することができる。該フィルムの切断は、様々な方法、例えばナイフ、レザー、またはフィルムを切断するのに適した任意の他の手段によって行うことができる。
次いで、該裁断したフィルムを、該部分の各対抗する端部部分から、該部分の中央部分を乱すことなしに、小片を取出すことによって、サンプルとすることができる。無傷の中央部分を残すことは、該フィルムの調和性を乱し、また該フィルム内に、サンプルに由来するギャップを生成することなしに、該フィルムの主要部分が、その製造工程全体を続行することを可能とする。従って、用量を喪失するという問題は、該フィルムが更に加工され、例えば包装されるので、軽減される。その上、裁断部分またはサブロールの完全性を、該工程全体に渡って維持することは、欠点のある制御の問題、例えばフィルム片の喪失を知らせる警告による停止による、更なるフィルムの加工または包装における中断の可能性の軽減を補助するであろう。
該端部片、またはサンプル部分を、該フィルム部分から取出した後、サンプル間の、成分の含有率における均一性について、これらサンプルをテストすることができる。該フィルム片を検査し、テストするための任意の公知の手段を利用することができ、その例は、例えば肉眼的観察、分析装置の使用、および当業者には公知の任意の他の適当な手段を含む。該テスト結果が、フィルムサンプル間に不均一性があることを示した場合、該製造工程を変更できる。これは、全製造操作を完了する前に、該工程を変更できるので、製造時間および経費の節減を可能とする。例えば、乾燥条件、混合条件、組成物の成分および/またはフィルムの粘度を変更できる。乾燥条件の変更は、特に温度、乾燥時間、湿度レベル、および乾燥機の配置の変更を含むことができる。
更に、該製造工程全体に渡り、該サンプリングおよびテスト段階を繰返すことは、望ましいことであり得る。多数の間隔でのテストは、均一な用量のフィルムが、継続的に製造されているか否かの確認を可能とする。この方法に対する変更は、サンプル間の不均一性を最小化するために、任意の段階で実施することができる。
幾つかの態様において、フィルム製造工程における均一性をテストする方法は、所定の長さおよび幅を持つフィルムを、製造工程全体に渡り搬送し;および該フィルムを、その製造工程中に、その幅を横切るように、別々の対向する端部と中央部分とを含む、少なくとも一つの部分で裁断する工程を含む。このテスト法は、更に該中央部分を乱すことなしに、該少なくとも一つの部分の該対向する端部各々から、該フィルムのサンプルを取出す工程を含む。更に、この方法は、該取出されたサンプルを、構成成分の含量または物理的諸特性について測定する工程;および該測定されたサンプル同士を比較して、その各測定値における相対的な均一性を決定する工程を含む。
薄いフィルムの使用
本発明の薄いフィルム(薄膜)は、多くの用途に全く適している。該フィルムの成分における高度の均一性は、該フィルムを、医薬の配合に極めて適したものとする。更に、該フィルムの構築において使用するポリマーは、該フィルムに、ある範囲の崩壊時間を与えるように選択することができる。フィルムが崩壊する時間の変更または延長は、該活性物質が放出される速度を制御することを可能とし、該速度の制御は、持続的放出系の製造を可能とする。更に、該フィルムは、活性物質を、皮膚および粘膜を供えた表面を包含する、他の身体表面に投与する目的で使用することができる。
活性物質を含む必要はないが、該フィルムは、局所的または全身的に活性物質を投与するのに利用できる。該pH調節したフィルムは、活性物質を含むことができる。あるいはまた、または更に、該pH調節フィルムとの組合せで使用される、別の水溶性フィルムが、活性物質を含むことができる。これらフィルムは、同一または異なるフィルム-形成ポリマーを含むことができる。一例において、活性物質の放出は、上記のように該フィルムを調製し、かつ該フィルムを、哺乳動物の身体表面に適用することによって達成できる。幾つかの態様において、該身体表面は、何ら限定されないが、口、膣、開口創傷、鼻、歯周、直腸、目(opthalamically)および光学的(optically)または耳の粘膜を包含する粘膜である。
例えば、本発明のフィルムは、単独でまたは第二の水溶性フィルムとの組合せで、薬物の膣内放出のために有用であり得る。膣は、局所的または全身的薬物放出両者にとって適した部位である。例えば、膣腔は、局所的に作用する薬物、例えば抗菌剤、抗真菌剤、抗原虫剤、抗ウイルス剤、分娩-誘発または殺精子剤、プロスタグランジンおよびステロイド等の放出のために使用されている。膣は、またその大きな表面積、豊富な血液供給量およびタンパク質およびペプチドを含む広範囲の化合物に対する透過性のために、全身的放出のために極めて高い可能性を有している。例えば、膣は、幾つかの薬物、例えばブロモクリプチン、プロプラノロール、オキシトシン、カルシトニン、LHRHアゴニスト、ヒト成長ホルモン、インシュリンおよびホルモン療法のホルモン代用物としてまたは避妊のために使用されるステロイドにとって、有利な腸管外投与経路に変わる投与経路を提供する。幾つかの態様において、本発明のフィルム組成物は、所定のpHを達成する目的で、膣に適用する前に、タンポンまたは他の放出用支持体に適用することができる。
幾つかの他の態様では、該フィルムは、治療を必要とする、創傷に適用することができる。該フィルム、または該フィルム組成物を含む包帯は、非-限定的に成長因子(例えば、血小板由来の成長因子)、抗生物質、創傷浄化剤、および湿潤剤を包含する、創傷治癒剤を放出するために使用できる。
必要ならば、このフィルムは、製造し、かつ使用前、即ち身体表面に適用する前に剥がされる、第二のまたは支持層に接着することができる。接着剤を使用して、該フィルムを、任意の公知のものであり得また好ましくは非-水溶性の、該支持体または裏地材料に接着することができる。接着剤を使用する場合、これは、望ましくは該活性物質の諸特性を変更しないものである。粘膜接着性組成物も有用である。該フィルム組成物は、多くの場合において、それ自体粘膜接着性物質として機能する。
本発明のフィルムは、湿らせた場合に、迅速に溶解する傾向を持つという、利点を有する。本発明に従ってフィルムを調製し、これを液体中に導入し、かつこれを溶解させることによって、活性物質を、該液体中に導入することができる。これは、活性物質の液状投与剤形を調製するのに利用でき、これは次いで局所的に適用することができる。
特定のフィルム形状またはサイズを持つことが好ましい。従って、該フィルムは、任意の所定の形状またはサイズを持つ剤形に裁断することができる。
本発明のフィルムは、望ましくは空気および水分に対する耐性を持つ封止された包装体内に包装して、該局所用の活性物質を、酸化、加水分解、蒸発および環境との相互作用から保護する。図1を参照すると、包装された医薬投与単位10、例えば局所投与用の医薬が示されている。該投与単位10は、袋またはホイルおよび/またはプラスチック積層シート間に、別々に包まれた核フィルム12を含む。図2に示したように、該袋10、10'は、引裂くことのできるまたはミシン目状の接合部16によって結合される。該袋10、10'は、図5に示すようにロール状に包装し、または図3に示すように重ねることができ、また図4に示すように、ディスペンサ18内に収容して販売される。該ディスペンサは、意図した治療のために典型的に処方された医薬の十分な供給量を含むことができるが、該フィルムの厚みおよび包装体のために、また従来の錠剤、カプセルおよび液剤用に使用するボトルよりも小さく、またより便宜的なものである。
本発明のフィルムは、湿潤剤、例えば水または他の溶媒と接触させた際に、あるいは粘膜領域と接触させることによって、瞬間的に溶解し、あるいは制御された、波動的なまたは徐放性プロフィールを通して溶解するように設計することができる。湿潤剤は、該フィルム内に収容された活性物質を、該フィルムに溶解し、またはそこに分散させることを可能とする。次いで、該活性物質は、皮膚または他の特定の表面領域に、容易に適用することができる。他の態様においては、活性物質は、該pH調節フィルムと接触している別の水溶性フィルムに収容することも可能である。これら両フィルムは、所望により活性物質を含むことができる。該水溶性フィルムと、湿潤剤または粘膜領域とを接触させた場合、該フィルムは溶解し、結果として1またはそれ以上の活性物質を、所定のpH条件下で、該物質を必要とする部位に、放出することを可能とする。
望ましくは、一連のこのような単位用量を、処方された養生または治療に従って、例えば特定の療法に依存して10-90日分の供給量を、一緒に包装する。該個々のフィルムは、裏地上に包装され、また使用に際して剥ぎ取られる。
本発明の特徴および利点は、例示の目的で与えられ、本発明を何ら限定するものではない、以下の実施例によって、より完全に示される。
実施例1:HPMC/PEOフィルム基剤へのクエン酸の配合
本実施例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース/PEO (80:20)フィルム基剤への酸性処方物の配合を意図する。このフィルムは、単独でまたは必要ならば他の水溶性フィルムと共に使用できる。クエン酸は、化粧料または清浄化組成物においてみることのできる代表的な活性成分であり得る。あるいはまた、クエン酸は、同一のフィルムまたは別の水溶性フィルムに含まれる他の成分のpHを調節する目的で使用することができる。クエン酸は、化学的には弱酸である。本例において、該クエン酸は、バッファー系の不在下において、HPMC/PEO(中性ポリマー)と組合される。従って、本実施例において、全体としての系は酸性である。得られたフィルムは、酸性活性物質(25質量%の固形分)を放出するための溶解性フィルムとして有用であることが分かった。その成分は、以下の表Aに示されている。
Figure 2009521532
1:MO州、セントルイスのシグマ-アルドリッチ社(Sigma-Aldrich Corp.)から入手できる。
表Aからのソルビタンモノオレエートおよび37.5gの蒸留水を、デグッサ(Degussa) 1100ボウルに加えた。次いで、該ポリエチレンオキシドとヒドロキシプロピルメチルセルロース(表A)とのブレンドを、このボウルに添加した。これら成分の組合せを、デグッサデンタルマルチバックコンパクト(Degussa Dental Multivac Compact)を用いて混合した。特に、溶液は、予め設定した時間間隔で、以下の表Bに示したような増大する真空下で、125rpmにて該成分を混合することによって調製した。ここで、該クエン酸成分は、初期混合の40分経過直後に添加した。
Figure 2009521532
この溶液を、6330のHDP側に、410μmに設定したμm-調節性ウエッジバーを備えたK-コントロールコーター(K-Control Coater)を用いて、フィルムに成型した。HDP 6330は、高密度ポリオレフィン(High Density Polyolefin)塗布紙である。このフィルムを、14分間、80℃のエアーオーブン内で、約5.88%なる含水率(HR 73モイスチャーアナライザ(Moisture Analyzer))となるまで乾燥した。このフィルムは、該支持体から容易に剥離した。
この得られたフィルムは、約0.0762mm(3ミル)なる厚みを持ち、また中程度の引裂抵抗を有しており、引張った際に十分な強度を持ち、粘着性ではなく、油状物ではなく、また該モイスチャーアナライザ外における180°曲げテストに合格した。該フィルムは、6330のHDPから、等級7なるフィルム接着性を有していた。
該フィルムの小片は、溶解テストを利用してテストしたところ、容易に溶解した。該テストを以下に説明する。3枚の約2.54×7.62cm(1×3 in)のストリップを切り出し、各ストリップの厚みおよび質量を記録した。該ストリップを、その底部から約3.81cm(1.5 in)の位置に、永久マーカーでマークした。約2.75gなる質量を持つ錘を、該ストリップの一端に取付けた。緩衝性のある2つのジョーを持つフラスコ用クランプを、その他端部に、該ストリップが該クランプから垂直にぶら下がるように取付けた。次いで、該ストリップが取付けられている、該クランプを、卓上垂直支持体に固定した。該支持体は、該クランプをねじ戻し、該取付けられたフィルムストリップを、水を含むビーカー内で上下することを可能とした。該吊り下げられたストリップを迅速に、かつ躊躇することなしに、該約3.81cm(1.5 in)のマークまで、32-33℃の水350mL中に下げた。同時に、ストップウォッチを、該小片が該マークまで下げられた際に、スタートさせた。該ストリップが分離したら即座に、該ウォッチを停止させた。このようにして、3本のストリップを測定し、平均して、特定のフィルム組成物に関する溶解時間を得た。
本例において、約1.6秒なる溶解時間が得られた。該フィルムの約2.54×7.62cm(1×3 in)のストリップは、104mgなる重さを有していた。このフィルムの2枚の約2.54×7.62cm(1×3 in)のストリップは、タンポンの装入管内に、該タンポンと共に容易に嵌まり込んだ。該フィルムは破壊されることも、裂けることもなかった。
本例は、中性ポリマー系を使用して、酸性処方物を含有する可溶性フィルム調製の可能性を立証する。本発明のフィルム被覆を有するタンポンを、酸性組成物を膣領域に放出する目的で、提供できることをも立証する。このような放出は、膣内に酸性pHを維持し、および/または幾つかの他の治療上の利益を与える上で有用であり得る。
実施例2:クエン酸/クエン酸ナトリウムの、HPMC/PEOフィルム基剤への配合
本例は、酸性化合物(クエン酸)およびバッファー系(クエン酸ナトリウム)両者の、ヒドロキシプロピルメチルセルロース/ポリエチレンオキシド(80/20)フィルム基剤への配合を目的とする。約50mgのクエン酸と、50mgのクエン酸ナトリウムとを、215mgのフィルムストリップ中に、中性ポリマーと共に配合し、中性系(25質量%の固形分)を得た。このフィルムの成分は以下の表Cに示されている:
Figure 2009521532
表Cからのソルビタンモノオレエートおよび37.5gの蒸留水を、デグッサ1100ボウルに加えた。次いで、該ポリエチレンオキシドとヒドロキシプロピルメチルセルロースとのブレンドを、このボウルに添加した。これら成分の組合せを、デグッサデンタルマルチバックコンパクト(Degussa Dental Multivac Compact)を用いて、以下の表Dに示したような条件下で混合し、該クエン酸は、混合の初めの40分経過直後に添加し、また該クエン酸ナトリウムは、8分間の混合期間の経過直後に添加した。
Figure 2009521532
得られたこの溶液は、該クエン酸ナトリウムの添加前に、良好な粘度を有していた。しかし、該クエン酸ナトリウムの添加後、該溶液は粘度において減少し、またゲル化を示した。
本例は、酸および補足的な塩基、例えばクエン酸およびクエン酸ナトリウムが、所定の比率において、中性ポリマー系の圧潰を生じることを明らかにしている。本例は、更にポリマー系におけるゲル化を防止するために、変性剤の必要性を立証している。ここで、酸および補足的な塩基両者は、所定の比率で存在する。以下の実施例3および4は、この種のゲル化を防止するために、このような中性ポリマー系に、変性剤として、アルギネートポリマーを使用することを意図する。
実施例3:クエン酸およびクエン酸ナトリウムの、PEO/プロピレングリコールアルギネートフィルム基剤への配合
本例は、クエン酸、およびその補足的な塩基であるクエン酸ナトリウムを、可溶性フィルム(34質量%固形分)として使用するための、ポリエチレンオキシド/プロピレングリコールアルギネート(98/2)フィルム基剤に、配合することを目的とする。このフィルムは、更にツイーン80を含んでいた。このフィルムの成分を、以下の表Eに示す。幾つかの態様において、該フィルムは、第二の水溶性フィルムと組合わせて使用することができる。
Figure 2009521532
2:MD州、ベルカンプ(Belcamp)のTICガム(Gums)社から入手できる。
該ツイーン80を、33gの蒸留水と、デグッサ(Degussa) 1100ボウル内で併合した。次いで、該ポリエチレンオキシド、クエン酸およびクエン酸ナトリウムのブレンドを、このボウルに添加した。これら成分の組合せを、以下の表Bに示すような条件の下で、デグッサマルチバックコンパクトを用いて混合した。該プロピレングリコールアルギネート(変性塩基性ポリマー)は、該溶液が、低粘度を有し、かつ僅かなゲル化(シネレシス)を示したことに気付いた場合には、8分という混合間隔の経過後に、変性剤として添加された。該アルギネートポリマーを添加し、かつその後12分なる期間混合した(17Hgにて)後、該溶液の粘度は、望ましいものであり、またシネレシス(ゲル化)は消えた。
Figure 2009521532
得られた溶液を、6330のHDP側に、450μmに設定したμm-調節性ウエッジバーを備えたK-コントロールコーターを用いて、フィルムに成型した。HDP 6330は、高密度ポリオレフィン(High Density Polyolefin)塗布紙である。このフィルムを、15分間80℃のエアーオーブン内で、約1.85%なる含水率(HR 73モイスチャーアナライザ)まで、乾燥した。
この得られたフィルムは、約0.097〜0.114mm(3.8-4.5ミル)なる厚みを持ち、また良好な引裂抵抗を有しており、引張った際に、十分な強度を持ち、粘着性ではなく、油状物ではなかった。このフィルムは、乾燥後に該オーブンから取出した際に、良好で、平滑な外観を有していた。該フィルムの約2.54×7.62cm(1×3 in)の小片の質量は、240mgであった。
本例は、酸および補足的な塩基、例えばクエン酸およびクエン酸ナトリウムが、所定の比率において、中性ポリマー系、例えばPEOの圧潰を生じることを明らかにしちぇいる。本例は、更に少量の塩基性ポリマーまたは変性塩基性ポリマー、例えばプロピレングリコールアルギネートの添加が、該ポリマー系を保護し、かつシネレシスを阻止することをも示している。このことは、また以下の実施例4においても示される。実施例4では、該アルギネートポリマーは前もって添加された。
実施例4:クエン酸およびクエン酸ナトリウムの、PEO/プロピレングリコールアルギネートフィルム基剤への配合(アルギネートポリマーを前もって添加)
本例は、クエン酸、およびその補足的な塩基であるクエン酸ナトリウムを、ポリエチレンオキシド/プロピレングリコールアルギネート(98/2)フィルム基剤に、配合することを目的とする。本例において、該アルギネートポリマーは、該PEOとのポリマーブレンドとして、前もって添加した。該生成するフィルムは、可溶性フィルムストリップ(34質量%の固形分)として有用であることが分かった。このフィルムの成分を、以下の表Gに示す。該フィルムは、単独でまたは第二の水溶性フィルムと組合わせて使用することができる。
Figure 2009521532
該ツイーン80成分および33gの蒸留水を、デグッサ1100ボウルに投入した。次いで、該ポリエチレンオキシドとプロピレングリコールアルギネートとのブレンドを、このボウルに添加した。溶液は、デグッサデンタルマルチバックコンパクトを用いて、以下の表Hに記載したようにして製造した。ここで、該クエン酸は、初期の20分間の混合期間の経過後に添加し、また該クエン酸ナトリウムは、8分間の混合期間経過後に添加した。
Figure 2009521532
得られた溶液を、6330のHDP側に、355μmに設定したμm-調節性ウエッジバーを備えたK-コントロールコーターを用いて、フィルムに注型した。このフィルムを、15分間80℃のエアーオーブン内で乾燥した。該フィルムにおける含水率は、約2.89%であった(HR 73=モイスチャーアナライザ)。
この得られたフィルムは、良好な引裂強さを有しており、引張った際に、十分な強度を持ち、粘着性ではなく、油状物ではなく、該フィルムは、6330のHDP側から、等級4なるフィルム接着性を有していた。約2.54×7.62cm(1×3 in)のストリップの質量は、208mgであった。
本例は、塩基性ポリマーの添加が、酸および補足的な塩基を、所定の比率で含む、中性ポリマー系の圧潰を防止することを明らかにする。
実施例5:ナトリウムアルギネートフィルム基剤への、クエン酸(50%)の配合
本例では、50%濃度にて、クエン酸を、ナトリウムアルギネートフィルム基剤(30質量%固形分を、27.5質量%固形分に減少)に配合する。この例は、酸性処方物、例えば該クエン酸が、塩基性の帯電ポリマー、例えばナトリウムアルギネートにおいては、十分に機能しないことを示す。特に、該ポリマーは、該水性相から逃散、本例ではシネレシスを引起すことを見出した。本例のフィルムの成分を、以下の表Iに示す:
Figure 2009521532
蒸留水(35g)を、デグッサ1100ボウルに、該ナトリウムアルギネート、プロピレングリコール、およびソルビタンモノオレエートと共に添加した。溶液は、デグッサデンタルマルチバックコンパクトを用いて、以下の表Jに記載したようにして製造した。ここで、該クエン酸は、20分間の混合期間の経過後に、24Hgにて添加した。8分間の混合期間経過後に、26.5Hgにて、幾分かの水の喪失が生じたことに気付いた。従って、該成分に水を添加し、この損失分を調節し、また追加の4.55gの蒸留水を添加して、該正味の固形分を、27.5質量%まで減じた。
Figure 2009521532
得られた溶液を、6330のHDP側に、410μmに設定したμm-調節性ウエッジバーを備えたK-コントロールコーターを用いて、フィルムに注型した。このフィルムを、13分間80℃のエアーオーブン内で乾燥した。該フィルムにおける含水率は、4.61%であった(HR 73=モイスチャーアナライザ)。
このフィルムは、脆弱ではなかった。しかし、該溶液は、著しく粘稠で、十分に被覆することができず、また該ポリマーは該水相から逃散し、シネレシスを生じた。従って、本例は、酸性処方物が、塩基性ポリマー系、例えばアルギネートポリマーにおいては、十分に機能しないことを立証している。
実施例6:HPMC/ポリデキストロースフィルム基剤に対する重炭酸ナトリウムの配合
本例は、50%濃度にて、HPMC/ポリデキストロース(60/40)フィルム基剤(30質量%固形分)に対する重炭酸ナトリウムの配合を目的とする。幾つかの態様において、重炭酸ナトリウムは、例えば経口利用するためのフィルム組成物における制酸剤として使用することができる。本実施例は、塩基性処方物、例えば重炭酸ナトリウムが、中性ポリマー系、例えばHPMC/ポリデキストロース系において十分に機能しないことを立証している。本例のフィルム組成物の成分を、以下の表Kに示す:
Figure 2009521532
3:テートライル(Tate Lyle)から入手できる、ステイ-ライト(Stay-Lite) IIIブランド。
蒸留水(35g)および該ソルビタンモノオレエートを、デグッサ1100ボウルに装入した。次いで、HPMCとポリデキストロースとのブレンドを、該ボウルに添加した。溶液は、デグッサデンタルマルチバックコンパクトを用いて、以下の表Lに記載したようにして製造した。ここで、該重炭酸ナトリウムは、12分間の混合期間の経過後に添加した。
Figure 2009521532
この溶液は、該重炭酸ナトリウムを添加した後に、ゲル化(シネレシス)を示した。従って、この溶液は捨てた。本例は、塩基性処方物が、中性ポリマー系において十分に機能しないことを示している。
実施例7:ナトリウムアルギネートフィルム基剤に対する、重炭酸ナトリウムの配合
本例は、50%濃度にて、ナトリウムアルギネートフィルム基剤(30質量%の固形分)に、重炭酸ナトリウムを配合することを目的とする。該フィルムの成分を、以下の表Mに示す。このフィルムは、単独で、または第二の水溶性フィルムとの組合せで使用することができる。
Figure 2009521532
蒸留水(35g、82℃に予熱)を、デグッサ1100ボウルに、ナトリウムアルギネート、プロピレングリコール、およびソルビタンモノオレエートと共に装入した。溶液は、デグッサデンタルマルチバックコンパクトを用いて、以下の表Nに記載したようにして製造した。ここで、該重炭酸ナトリウムは、12分間の混合期間の経過後に添加した。
Figure 2009521532
得られた溶液はゲル化(即ち、シネレシス)を示さず、また該溶液を、6330のHDP側に、460μmに設定したμm-調節性ウエッジバーを備えたK-コントロールコーターを用いて、フィルムに注型した。このフィルムを、15分間80℃のエアーオーブン内で乾燥した。該フィルムの含水率は、2.6%であった(HR 73=モイスチャーアナライザ)。
本例は、塩基処方物、例えば重炭酸ナトリウムが、アルギネート等の塩基性ポリマー系において、十分に機能しており、またシネレシスを示さないことを立証している。
本発明の単位用量フィルムを含む、パッケージの側面図である。 本発明の個々の単位投与剤形を含む、隣接する対をなす2つのパッケージの側面図であり、これらは引裂くことのできるミシン目によって分離されている。 積重ねられた形状で配列された、図2に示した隣接する対をなすパッケージの側面図である。 包装された単位投与剤形を分配するためのディスペンサの斜視図であり、ディスペンサは、積重ねられた形状にある、包装された単位投与剤形を含んでいる。 本発明の対をなす単位投与パッケージのロールを、模式的に示す図である。 プレミックスの製造、活性物質の添加、およびその後の該フィルムの製造に適した、装置を模式的に示す図である。 本発明のフィルムを乾燥するのに適した装置を模式的に示す図である。 本発明の乾燥方法を、順序に従って表示する図である。 本発明による、連続的に結合されたゾーン乾燥装置を、模式的に示す図である。 本発明による、別々のゾーン乾燥装置を、模式的に示す図である。

Claims (89)

  1. (a) 水と結合した際に、中性でないpHを持つ、少なくとも1種の成分;および
    (b) 水との組合せで、該中性でない成分と結合した際に、シネレシスを減じ、もしくは阻害するように選択された、pH調節ポリマー系、
    を含むことを特徴とする、組成物。
  2. 該組成物が、フィルム形状にある、請求項1記載の組成物。
  3. 該フィルムが、活性物質を含む、請求項2記載の組成物。
  4. 該活性物質が、該中性でない成分である、請求項3記載の組成物。
  5. 該活性物質が、該中性でない成分とは異なる成分である、請求項3記載の組成物。
  6. 前記少なくとも1種の中性でない成分が、酸性物質であり、また前記ポリマー系が、中性または酸性ポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
  7. 前記少なくとも1種の中性でない成分が、酸性物質であり、また前記ポリマー系が、中性ポリマー、塩基性ポリマーおよび弱塩基性物質を含む、請求項1記載の組成物。
  8. 前記少なくとも1種の中性でない成分が、塩基性成分であり、また前記ポリマー系が、中性ポリマー、塩基性ポリマーおよび弱塩基性物質を含む、請求項1記載の組成物。
  9. 前記少なくとも1種の中性でない成分が、塩基性成分であり、また前記ポリマー系が、少なくとも1種の塩基性ポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
  10. 前記ポリマー系が、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、アラビアガム、ザンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ポリデキストロース、デキストリン、デキストラン、プルラン、タマリン、デンプン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、中性ポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
  11. 前記ポリマー系が、ポリエチレンオキシド、セルロース系ポリマーおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、中性ポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
  12. 前記中性ポリマーが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、ポリエチレンオキシドとの組合せである、請求項11記載の組成物。
  13. 前記中性ポリマーが、ポリエチレンオキシドである、請求項11記載の組成物。
  14. 前記ポリマー系が、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ無水物、硫酸化カラギーナン、ファーセレラン、ザンタンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、酸性ポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
  15. 前記ポリマー系が、ポリアミノ酸、ポリアミノカーボネート、ポリカーボネート、ポリアミド、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、カラギーナン、ペクチンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、塩基性ポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
  16. 前記ポリマー系が、アルギネートポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
  17. 前記アルギネートポリマーが、プロピレングリコールアルギネートである、請求項16記載の組成物。
  18. 前記ポリマー系が、水との組合せで、前記中性でない成分と結合された際に、中性pHを与える、請求項1記載の組成物。
  19. 前記ポリマー系が、バッファー系を含む、請求項1記載の組成物。
  20. 前記バッファー系が、弱酸、弱塩基、またはこれらの塩を含む、請求項19記載の組成物。
  21. 前記弱酸が、酢酸、アスコルビン酸、安息香酸、酪酸、炭酸、クエン酸、蟻酸、乳酸、リンゴ酸、亜硝酸、シュウ酸、リン酸、プロパン酸、プロピオン酸、ピロリン酸、ピルビン酸、バレリアン酸およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項20記載の組成物。
  22. 前記弱塩基が、アラニン、アンモニア、ジメチルアミン、エチルアミン、グリシン、ヒドラジン、メチルアミン、トリメチルアミンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項20記載の組成物。
  23. 前記バッファー系が、有機酸の塩を含む、請求項20記載の組成物。
  24. 前記有機酸の塩が、クエン酸塩である、請求項23記載の組成物。
  25. (a) 水と結合した際に、酸性pHを持つ成分;および
    (b) 少なくとも1種の中性または酸性ポリマーを含む、ポリマー系、
    を含むことを特徴とする、組成物。
  26. 該組成物が、フィルム形状にある、請求項25記載の組成物。
  27. 該フィルムが、活性物質を含む、請求項26記載の組成物。
  28. 該活性物質が、前記酸性成分である、請求項27記載の組成物。
  29. 該活性物質が、該酸性成分とは異なる成分である、請求項27記載の組成物。
  30. 前記少なくとも1種の中性ポリマーが、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項25記載の組成物。
  31. 前記少なくとも1種の中性ポリマーが、ポリエチレンオキシドである、請求項25記載の組成物。
  32. 前記酸性ポリマーが、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ無水物およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項25記載の組成物。
  33. 前記ポリマー系が、前記中性ポリマー、および弱塩基を含む、請求項25記載の組成物。
  34. 前記ポリマー系が、更に塩基性ポリマーをも含む、請求項33記載の組成物。
  35. 前記塩基性ポリマーが、アルギネートポリマーである、請求項34記載の組成物。
  36. 前記弱塩基が、有機酸の塩を含む、請求項33記載の組成物。
  37. 前記塩が、酢酸、安息香酸、酪酸、クエン酸、蟻酸、乳酸、リンゴ酸、プロピオン酸、ピルビン酸、バレリアン酸およびこれらの組み合わせからなる群から選択される有機酸の塩である、請求項36記載の組成物。
  38. (a) 水と結合した際に、塩基性pHを持つ成分;および
    (b) 少なくとも1種の塩基性ポリマーを含む、ポリマー系、
    を含むことを特徴とする、組成物。
  39. 該組成物が、フィルム形状にある、請求項38記載の組成物。
  40. 該フィルムが、活性物質を含む、請求項39記載の組成物。
  41. 該活性物質が、前記塩基性成分である、請求項40記載の組成物。
  42. 該活性物質が、該塩基性成分とは異なる成分である、請求項40記載の組成物。
  43. 前記塩基性ポリマーが、ポリアミノ酸、ポリアミノカーボネート、ポリカーボネート、ポリアミド、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、カラギーナン、ペクチン、トラガカンス、カラヤおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項38記載の組成物。
  44. (a) 以下の成分を含むフィルム組成物:
    (i) 水と結合した際に、中性でないpHを持つ、少なくとも1種の成分;および
    (ii) 水との組合せで、前記中性でない成分と結合した際に、シネレシスを減じ、もしくは阻害するように選択された、pH調節ポリマー系;および
    (b) 放出支持体、
    を含むことを特徴とする、デバイス。
  45. 該フィルム組成物が、活性物質を含む、請求項44記載の組成物。
  46. 該活性物質が、中性でない成分である、請求項45記載の組成物。
  47. 該活性物質が、該中性でない成分とは異なる成分である、請求項45記載の組成物。
  48. 前記放出支持体が、タンポンまたは包帯である、請求項44記載のデバイス。
  49. (a) 水と結合した際に、中性でないpHを持つ成分を調製する工程;
    (b) 水性溶媒との組合せで、前記中性でない成分と結合した際に、シネレシスを減じもしくは阻害するように選択された、pH調節ポリマー系を調製する工程;
    (c) 前記中性でない成分および前記ポリマー系を、水性溶媒と共に併合して、フィルム形成組成物を製造する工程;および
    (d) 前記フィルム-形成組成物を、フィルムに成型する工程、
    を含むことを特徴とする、フィルムの製造方法。
  50. 該中性でない成分が、活性物質である、請求項49記載の方法。
  51. 更に、該成型工程に先立ち、該フィルム成分と活性物質とを結合する工程をも含む、請求項49記載の方法。
  52. 前記ポリマー系が、バッファー系を含む、請求項49記載の方法。
  53. 前記バッファー系が弱酸、弱塩基またはこれらの塩を含む、請求項49記載の方法。
  54. 前記中性でない成分が、酸性物質であり、かつ前記ポリマー系が、中性または酸性ポリマーを含む、請求項49記載の方法。
  55. 前記中性でない成分が、酸性物質であり、かつ前記ポリマー系が、中性ポリマー、弱塩基または塩基性ポリマーを含む、請求項49記載の方法。
  56. 前記中性でない成分が、塩基性物質であり、かつ前記ポリマー系が、少なくとも1種の塩基性ポリマーを含む、請求項49記載の方法。
  57. 前記中性でない成分が、塩基性物質であり、かつ前記ポリマー系が、中性ポリマー、塩基性ポリマーおよび弱酸を含む、請求項49記載の方法。
  58. 前記塩基性ポリマーが、アルギネートポリマーであり、該ポリマーが、前記酸性成分および前記弱塩基の存在下で、前記フィルムー形成成分中のシネレシスを減じる、請求項55記載の方法。
  59. 活性物質の局所的投与方法であって、以下の諸工程:
    (a) 以下の成分を含むpH調節フィルム組成物を調製する工程:
    (i) 水と結合した際に、中性でないpHを持つ成分;および
    (ii) 水との組合せで、前記中性でない成分と結合した際に、シネレシスを減じ、もしくは阻害するように選択された、pH調節ポリマー系;および
    (b) 前記pH調節フィルム組成物を、活性物質の存在下で、身体表面に適用する工程を含むことを特徴とする、前記局所的投与方法。
  60. 該活性物質が、該pH調節フィルム組成物中に存在する、請求項59記載の方法。
  61. 該活性物質が、前記中性でない成分である、請求項60記載の方法。
  62. 該活性物質が、前記中性でない成分とは異なる成分である、請求項60記載の方法。
  63. 該活性物質が、該pH調節フィルム組成物との組合せで使用される、第二のフィルム組成物中に存在する、請求項59記載の方法。
  64. 該身体表面が、粘膜である、請求項59記載の方法。
  65. 該身体表面が、創傷である、請求項59記載の方法。
  66. 更に、前記適用段階前に、放出支持体に、前記pH調節フィルム組成物を適用する工程をも含む、請求項59記載の方法。
  67. 該放出支持体が、タンポンである、請求項66記載の方法。
  68. 該放出支持体が、包帯である、請求項66記載の方法。
  69. 前記中性でない成分が、酸性物質であり、かつ前記ポリマー系が、中性または酸性ポリマーを含む、請求項59記載の方法。
  70. 前記中性でない成分が、酸性物質であり、かつ前記ポリマー系が、中性ポリマー、弱塩基、および塩基性ポリマーを含む、請求項59記載の方法。
  71. 前記中性でない成分が、塩基性物質であり、かつ前記ポリマー系が、少なくとも1種の塩基性ポリマーを含む、請求項59記載の方法。
  72. 前記中性でない成分が、塩基性物質であり、かつ前記ポリマー系が、中性ポリマー、塩基性ポリマーおよび弱酸を含む、請求項59記載の方法。
  73. 前記塩基性ポリマーが、アルギネートポリマーであり、該ポリマーが、前記酸性成分および前記弱塩基の存在下で、前記pH調節フィルム組成物中のシネレシスを減じる、請求項70記載の方法。
  74. 活性物質を適用する装置であって、
    (a) 第一のフィルム形状にある水溶性組成物、ここで該組成物は、(i) 水と結合した際に、中性でないpHを持つ、少なくとも1種の成分;および(ii) 水性媒体との組合せで、前記中性でない成分と結合した際に、シネレシスを減じもしくは阻害するように選択された、pH調節ポリマー系を含み;および
    (b) 前記水溶性の第一のフィルムを溶解するための、水性媒体、ここで該媒体は、前記第一のフィルムと直接接触して、活性物質の存在下で、前記中性でない成分を、前記第一フィルムから溶出または分散させて、前記活性物質を必要とする表面領域に、前記活性物質を放出し得るようにするために与えられる、
    を含むことを特徴とする、前記装置。
  75. 前記活性物質が、該第一の水溶性フィルム中に存在する、請求項74記載の装置。
  76. 更に、前記活性物質を含有する、第二の水溶性フィルムをも含む、請求項74記載の装置。
  77. 更に、前記活性物質を必要とする前記表面領域に、該活性物質を適用するためのアプリケータをも含む、請求項74記載の装置。
  78. 前記アプリケータが、スポンジである、請求項77記載の装置。
  79. 前記フィルムを、前記溶媒で湿らせた、スポンジアプリケータの上部に付着させる、請求項77記載の装置。
  80. 前記フィルムを、後に前記溶媒で湿らせる際に、前記活性物質を適用するための、乾燥スポンジアプリケータの上部に付着させる、請求項77記載の装置。
  81. 前記溶媒が、容器内にある、請求項74記載の装置。
  82. 前記容器が、前記フィルムとは分離されている、請求項81記載の装置。
  83. 前記容器が、前記フィルムに付着されている、請求項74記載の装置。
  84. 前記フィルムが、前記溶媒を含有する容器と、皮膚のある領域との間に、挿入されている、請求項74記載の装置。
  85. 前記フィルムが、前記溶媒を含有する容器と、スポンジアプリケータとの間に挿入されている、請求項77記載の装置。
  86. 前記少なくとも一つの中性でない成分が、酸性物質であり、かつ前記ポリマー系が、中性または酸性ポリマーを含む、請求項74記載の装置。
  87. 前記少なくとも一つの中性でない成分が、酸性物質であり、かつ前記ポリマー系が、中性ポリマー、塩基性ポリマーおよび弱塩基を含む、請求項74記載の装置。
  88. 前記少なくとも一つの中性でない成分が塩基性物質であり、かつ前記ポリマー系が、中性ポリマー、塩基性ポリマーおよび弱酸を含む、請求項74記載の装置。
  89. 前記少なくとも一つの中性でない成分が塩基性物質であり、かつ前記ポリマー系が、少なくとも一つの塩基性ポリマーを含む、請求項74記載の装置。
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