JP2009518156A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、関節の代替に用いる内部人工器官(Endoprosthesis)に関し、その内部人工器官は、頂部にすべり面を有し下側の骨に接続される部材と、底部にすべり面を有し上側の骨に接続される部材と、上記のすべり面に適合するすべり面をそれぞれ底部と頂部に有し、そこでベアリングを形成する中間部材とを有している。
この種の内部人工器官は、例えば、足首関節の代替として使用されている(仏国特許第676917号明細書、国際公開第03/075802号パンフレット、国際公開第2005/030098号パンフレット)。これらにおいて、上記部材及び中間部材は、矢状面(sagittal plane)で屈曲と伸縮を可能とするすべり面を介して相互作用する。この場合、矢状面は、AP方向と垂直軸により規定される面である。脛骨部材と中間部材は、相互作用するすべり面を形成し、そのすべり面により垂直軸の周りを回転可能となる。それらは、AP方向とLM(外側−内側)方向での補償運動を可能とする面配置を有している。関節は、回転、回動、剪断の運動に関し本来のモデルの自由度に対応する自由度を有しているので、すべり面はそれに相応じて異なる外形を有し、例えば、平らなすべり面が円筒状スリーブのような曲面を有するすべり面と結合されている。自然の靭帯器官により安定化が図られている。
内部人工器官の全負荷は、中間部材にかかる。そのため、後者の中間部材が実質的な負荷を受ける。グラファイト材料からなる中間部材を有する内部人工器官に、補強用の囲みブラケットが取り付けられている(欧州特許出願公開第0001147号明細書)。実際、実質的な負荷は、通常ポリエチレンで形成されている中間部材に”反り”を生じさせることが認められている。そのため、増大する負荷の下では、動的な運動(特に階段を昇る時やジャンプする時)の結果としてよく起きるように、中間部材が過大な負荷を受け、それにより制御不能の変形を被ることがある。これにより、材料の損傷の結果、過大な摩損、低温流れあるいは人工器官の機能不全といったことが生じる。すべり面が異なる外形を有する場合によくある問題であり、これは中間部材が薄い構造の場合に特に問題となる。
引用した先行技術に鑑み、本発明の目的は、導入部分で説明した内部人工器官を改良して、多数の自由度を維持しながら、変形することなく高負荷に確実に耐えることのできる内部人工器官を提供することにある。
本発明による解決手段は、請求項1の特徴を有する人工器官にある。有利な結果は、従属請求項の要部にある。
したがって、関節代替用の内部人工器官は、頂部にすべり面を有し下側の骨に接続される部材と、底部にすべり面を有し上側の骨に接続される部材と、上記のすべり面に適合するすべり面をそれぞれ底部と頂部に有し、その底部と頂部でベアリングを形成する中間部材とを有し、その中間部材のすべり面は異なる外形を有しており、本発明では、クランプ用ブラケットが、2つの領域、すなわち、周方向に延在するベルト領域と、そのベルト領域に隣接する広がり防止領域とからなり、さらに、中間部材の側面を囲むとともに、異なる外形を有するすべり面により規定される運動面から自由な状態で中間部材に配置されている。「運動面」という用語は、広い意味で理解されるべきであり、曲面形状の外形も含まれる。
ポリエチレンよりも大きな引張り強度を有するベルトとして機能するクランプ用ブラケットを用いることにより、中間部材全体の弾性率を増加させることができる。そのために、ポリエチレンよりも弾性率が少なくとも50倍、より好ましくは少なくとも200倍大きい材料を用いてクランプ用ブラケットを製造することが好ましい。引張り強度を有するベルトとして機能するクランプ用ブラケットを用いることにより、負荷時における中間部材の弾性又は塑性変形を打ち消すことができる。広がり防止領域は、高屈曲応力下で中間部材の外側部分が発散(divergence)するのを抑制する効果も有する。このようにして、中間部材は大きな負荷に対し変形することなく耐えることができる。このように、本発明によれば、クランプ用ブラケットを用いて中間部材を強化することができる。クランプ用ブラケットの優れた構造により、上側及び下側のベアリングのすべり面として規定される移動面は、自由な状態で存在する。これにより、クランプ用ブラケットで強化しているにも関わらず、内部人工器官の運動性は、関節のすべての機能において維持されている。このことは、内部人工器官の通常の運動範囲に対して適用できるだけでなく、例えば、足をよじる際に起きるであろう、これらの範囲を超える運動に対しても適用できる。
もちろん、膝関節用の内部人工器官の一部として機能するポリエチレン平坦部(plateau)については、脛骨上に位置する平坦部の下側に金属板を設けて強化することは知られている。このように、ポリエチレン平坦部は、曲げ応力を受けている状態でもあまり曲がることのないように、後面から強化されている。しかしながら、この強化方法は欧州特許出願公開第829243号明細書に記載されているが、片面のみにすべり面を有する人工器官だけにしか適用することができない。ここで問題となる内部人工器官は、中間部材がその頂部と底部にすべり面を有しており、そのような強化板を用いることができない。同様のことは、米国特許第5766256号明細書に開示されている強化リングについても当てはまる。このリングも底面に配置されており、関節面としては作用しない。
広がり防止領域を周囲すべてに設ける必要はなく、その代わり、2つの対向面に設けるだけで通常は十分である。
クランプ用ブラケットの頂部及び底部のエッジが、それぞれ隣接するすべり面の外形部分に取り付けられることが好ましい。ここで、取り付けるとは、側面視で、クランプ用ブラケットのエッジが隣接するすべり面のエッジから所定の距離だけ離れていることを意味すると理解すべきである。もし、一のすべり面が例えば平面である場合、そのエッジは直線であり、クランプ用ブラケットの対応するエッジも同様に直線である。もし、他のすべり面が曲面であれば、そのエッジは円弧状であり、クランプ用ブラケットの対応するエッジも円弧状である。クランプ用ブラケットの頂部と底部のエッジが各外形部分に取り付けられているので、特に負荷のかかった中間部材を強化することが可能であり、例えば異なる外形を有するすべり面を備えたような、複雑な関節機能を有する内部人工器官でも可能であり、さらに、強化に影響を与える要素、クランプ用ブラケットには、異なる外形を有するすべり面により規定される複雑な運動面から自由な状態となるように保証している。
クランプ用ブラケットの底部エッジには、少なくとも2つの面の上に、中間部材と滑らかに合流するように配置された斜面を有することが好ましい。その内側には、クランプ用ブラケットは、中間部材上の対応する凹部と係合するビーズ状凸部も有することが好ましい。クランプ用ブラケットは、所望の位置からの好ましくない移動に対して防護されている。しかし、他の防護手段を設けることもでき、例えば、クランプ用リングを中間部材の上に焼ばめすることにより生成させる、接着接合又は結合を用いることもできる。例えば、ピン止め又はネジ止め等の成形嵌合(form-fit)接続を用いることもできる。
クランプ用ブラケットを中間部材上の所定の位置に位置決めするため、クランプ用ブラケットを保持するためのフランジが中間部材の頂部又は底部に設けられている。目的の位置が明確に設定されているので、クランプ用ブラケットの取付けを容易に行うことができる。このことは、中間部材のすべり面をクランプ用ブラケットのために小さくする必要がないという効果も有する。これにより、面に対する負荷が、従来のクランプ用ブラケット無しの中間部材の場合よりも大きくなることはない。
クランプ用ブラケットは、頂部エッジと底部エッジが、各すべり面のエッジから少なくとも1mm、より好ましくは1.5〜2.5mm離れるように配置することが好ましい。これにより、中間部材が圧縮される程の高負荷がかかった場合でも、あるいは中間部材が摩損した場合でも、人工器官の部材のすべり面とクランプ用ブラケットとの間の好ましくない接触を防止することができる。
特に好ましい態様によれば、同じ外形のすべり面を有する内部人工器官に独立の保護を与えることを可能とするものであり、クランプ用ブラケットは、少なくとも一つの外面上に凸状突部を有している。突部の効果は、関節及び中間部材並びにクランプ用ブラケットの直線的な運動だけでなく回転運動の場合にも、内部人工器官に沿って横向きに成長する好ましくない繊維状物質を後方に押しやることができる。この好ましくない物質、いわゆる繊維形成の侵入を防止又は抑制することはこの方法により可能である。それにより、内部人工器官を用いた本発明の関節が過剰の繊維形成によりその運動を制限されるという危険を減らすことができる。中間部材の運動領域に成長する繊維状物質のため、繊維形成に伴い通常発生する痛みは、本発明の効果により抑制することができる。本発明の配置を用いることにより、この繊維状物質の唯一の除去方法である外科的除去方法が不要となる。
本発明の特別な利点は、好ましくは金属製のクランプ用ブラケットを用いることにより、骨又は繊維状物質との接触を原則的に発生させることができる。一方、通常一般にポリエチレン材料からなる中間部材の場合、骨又は繊維状物質との接触は好ましいものではないが、これはポリエチレンの摩耗をもたらし好ましくないからである。本発明の構成によれば、クランプ用ブラケットを2つの方法で使用することができる。すなわち、線維形成を押し戻すための凸状突部を形成するための構造として使用すること、そして線維形成組織材料と最初に接触させる材料とし使用することである。
突部の凸面は、一次元のみでも良く、例えば実質的に円柱状のものを用いることができる。しかし、二次元でも良く、例えば実質的に球状であるものを用いることもでき、その場合、クランプ用ブラケットの平面とその平面に垂直な平面における曲率が異なるものを用いることができる。
凸状突部は、各外面の全長に亘り延在することが好ましい。しかし、外面の全長の一部に突部が延在している場合でも原則的には所望の効果を得ることができるが、全長に亘り曲率半径をより大きくする構造を採用することが好ましい。クランプ用ブラケットの長さ方向中央の面の上に凸状突部を設ける配置が特に好ましい。本発明において、例えば足首関節に内部人工器官を埋め込む場合、踝中央がこの領域に位置することになる。好ましくは線維症が発生するのは正にこの領域であり、本発明の成果によりそれによる損傷を防止することができる。全長に亘り延在する構成を採用することにより、非回転運動、例えば、中間部材の直線的な前進及び後退運動においても所望の押し戻す効果を得ることができる。
凸状突部の外形は、平面視で円弧形状となるように選択することが好ましい。そのような外形は製造上の点から好ましく、曲面輪郭の大きな変化を伴うことなく均一な曲率を持った突部を与える。円弧の作る円の中心がクランプ用ブラケットの中心に位置するようにする必要は必ずしもない。対向する側面の方向にずらすことが好ましい。これは偏心であり、それにより、中間部材が回転時に大きく片寄り、線維形成組織材料に対する大きな押し戻し効果が得られる。
凸状突部の外面は、滑らかであることが好ましい。研磨することが好ましい。これにより、特に組織液の存在下で滑りやすい形状が得られる。これにより、組織材料が引きはがされる危険性を効果的に低減することができる。
凸状突部は、隣接する外面の上にも設けることができる。すなわち、このことは、矩形構造の場合、凸状突部をクランプ用ブラケットの前面、後面、そして中央面に設けることを意味する。
本発明を、本発明の好ましい態様を図面を参照して説明する。
本発明の人工器官の図示した態様は、足首関節用の人工器官である。本発明はもちろん他のタイプの内部人工器官にも適用でき、例えば、椎間用の内部人工器官にも適用できる。
図示した態様に係る内部人工器官は、基本的に3つの部材からなる。第1の部材は脛骨部材1であり、脛骨91の下端に配置するように構成されている。それは、底部が板状すべり面11を形成する板状部材10を有している。板状部材10の上部には、突部を備え、脛骨部材1を脛骨91の対応する切除された窪みに固定するアンカー体12が設けられている。
人工器官は、さらに距骨部材4を有している。それはサドル状の構造を有しており、そしてその頂部には凸状曲面からなるすべり面44を有している。図示のように、円柱状のジャケットのような形で配置することができる。しかし、円錐型の構造にすることもできる。AP方向に位置するガイドリブ46は、その上に配置されている。このガイドリブは、足首関節の屈曲と伸縮の運動においてガイドの役割を果たす。
中間部材2は、脛骨部材1と距骨部材4との間に配置されている。その頂部には、脛骨部材1のすべり面11に適合するように配置されたすべり面21を有している。その底部には、中間部材2は、距骨部材4のすべり面44と適合するすべり面24を有している。さらに、底部には、着脱可能に長手方向にリブ46を収容するように配置された溝26を有している。これにより、距骨部材4に対しては、中間部材2は横方向にはガイドされている。屈曲と伸縮の運動のみが許容されている。一方、板状のすべり面11,21は、水平面内におけるあらゆる所望の運動、すなわち縦方向と横方向の両方の運動、そしてまた、特に垂直軸周りの回転を行うことができる。
脛骨部材1と距骨部材4は、金属性が好ましく、例えば、各外面が骨の成長を促進するコーティング(例えばリン酸カルシウム)を有するコバルト・クロム合金を用いることが好ましい。一方、中間部材2は、すべりを促進するプラスチック材料、特にポリエチレンが好ましい。しかし、このことは、十分な強度とすべり性を備えた他の材料の使用を排除するものではない。
埋め込んだ状態では、関節、特に中間部材は垂直軸に沿った大きな軸方向の負荷(矢印95で示す。)を受ける。この圧縮力により、中間部材2のポリエチレン材料には水平方向の外側に向けて発散力が発生する(図1の矢印96で示す。)。この発散力は、距骨部材4のすべり面44の凸状構造によりさらに増大する。そのため、高い負荷が中間部材2に好ましくない変形をもたらす。
これを抑制するため、本発明ではクランプ用ブラケット3を設けている。これはコバルト・クロム合金でできており、この合金は中間部材2に用いるポリエチレン材料よりも約400倍も大きい弾性率を有している。またチタンを用いることもでき、それは約200倍も大きな弾性率を有している。クランプ用ブラケット3は、平坦なストリップ材料から製造することができる。その厚さは例えば1mmである。水平部分は、クランプ用ブラケット3は中間部材2の外形に対応する外形を有する。図示した態様は、正方形の外形である。しかし、別の外形も同様に用いることができ、例えば、椎間用人工器官の場合には球形を用いることができる。その大きさは、中間部材2をぴったりと囲むことができるように決定する。
クランプ用ブラケット3は、その上部に周囲を囲むベルト領域36を有している。これにより、負荷を受けている時に中間部材2がすべての外側方向に(縦方向及び横方向に)変形することを抑制できる。さらに、ベルト領域36の底部には広がり防止領域(spread protection zone)37が隣接して設けられている。広がり防止領域37には、斜面32が設けられており、凹部すべり面24の外側領域を安定化し、すべり面44の凸状配置による発散力成分96を特に効果的な方法により抑制する。このように、本発明のクランプ用ブラケットにより中間部材2が強化されている。したがって、高負荷の場合にも、望ましくない曲げ変形を抑制することができる。
クランプ用ブラケット3は、その頂部エッジ31は平坦である。そのため、上部すべり面21のエッジからの距離は一定である。底部エッジ34に関し、クランプ用ブラケットは、縦面33(リブ46に平行に配置されている。)の上にアーチ状構造を有している。この領域では、下部すべり面24のエッジからクランプ用ブラケット3の底部エッジ34までの距離が一定となるように形成されている。横面35に関し、クランプ用ブラケット3は平坦な底部エッジを有している。これによりもう一度、対応するすべり面24のエッジからの距離が一定となる。横面の領域では、クランプ用ブラケットの底部エッジはエプロンのように下方に延在し、かつ斜面32を有している。後者は、中間部材2の対応する側面22と連続面を形成するように形成されている。その斜面は、特に発散力(矢印96参照)による負荷を受ける領域を、そして運動に関し好ましくない制限を加えることがない方法で強化するものである。
中間部材2は、その上部すべり面21の領域にフランジ20を有している。クランプ用ブラケット3は、フランジ20とクランプ用ブラケット3との間がスムーズに変化するように、フランジ20の下側にじかに押し込まれている。
本発明のクランプ用ブラケットの構成によれば、上部及び下部すべり面21,24は、そのベアリング機能が損なわれないように、独立している。
図示した別の態様に関し、図5から7は、図1から4の足首関節用の内部人工器官の変形例を示している。図5は、脛骨91の遠位末端の所定の埋め込み部位における内部人工器官を示している。分かり易くするため、ここでは、内部人工器官の部材として、脛骨部材1、中間部材2、そして変形例のクランプ用ブラケット3’のみを示している。腓骨90は、脛骨91に平行に延在している。遠位末端では、脛骨91は平坦部を形成し、そこには本発明の内部人工器官の脛骨部材1が配置されている。この平坦部は、脛骨91の延長部分である、いわゆる内果(medial malleolus)93により、内側方向が限定され、対応する腓骨90の延長部分、すなわち外果(lateral malleolus)により外側方向が限定されている。それらは、脛骨91の平坦部を囲み、それにより内部人工器官の脛骨部材1をフォーク(fork)のように囲んでいる。図6はこのことを明確に示している。
埋め込み後、組織材料99の形成(繊維形成)が、内果93と、中間部材2又はその後者の周囲に配置されたクランプ用ブラケット3’との間の領域に頻繁に起きる。このことは、患者に不快な痛みを与えるだけでなく、希に組織材料99を除去するための手術介入が必要となる場合がある。繊維形成組織材料99を防止又は抑制するために、突部39を少なくともクランプ用ブラケット3’の縦面33の上、好ましくは内側面の上に設ける。突部は、中間部材2に適合する外形に合わせて、外側に延在している。適合する外形に対して突出するタイプの突部を、同じ外形を有するすべり面を有する内部人工器官の上に設けることができる。突部は、円弧状の外形を有し、その円弧が全長に亘り延在していることが好ましい。突部39は、二次元的な曲面、すなわち球面形状(図7(a)を参照)を有することが好ましい。曲率半径は異なる大きさを含み、水平面では小さな湾曲を有し(図6参照)、前面では大きな湾曲を有する(図7(a)を参照)。水平面で可能な最大の曲率半径を得るためには、曲率半径で規定される円の中心30が、クランプ用ブラケット3’の中心に位置しない方が好ましく、その代わり、外側方向に偏心して片寄り、さらに好ましくは前面方向にも片寄っていることが好ましい。突部39の外面は平滑である。
図示した態様は一例を示したものであり、特に、クランプ用ブラケット3’の前面と後面にそれぞれ突部39’と39”を設けた例を示したものである。それらは突部39に対応して配置されていることが好ましいが、形状がこれと異なっていても良い(例えば、図7(b)に示すように球状に代えて円柱状を用いることもできる。)。突部39、39’、39”が同じ曲率を有するように変更する必要はないが、段階的に変化しないような形状を用いることが好ましい。クランプ用ブラケット3’の外側の縦面には突部はない。これにより、クランプ用ブラケットが自由に動くことができる。このことは、また、クランプ用ブラケット3’を正確に配置できるので、間違った場所に取り付けるという危険を減らすことができる。
図1から4に示したクランプ用ブラケット3のように、クランプ用ブラケット3’が金属材料、特にチタン又はコバルト・クロム合金から成ることが好ましい。そうすることにより、周囲の組織に影響を与えることなく、繊維形成組織材料と接触することができる。内部人工器官の運動、特に回転運動だけでなく、前方又は後方への長さ方向の運動においても、突部39は、繊維形成組織材料99を押し戻す働きをする。これにより、内部人工器官の領域内への繊維形成組織材料99の成長を抑制することができる。
突部39は、通常はクランプ用ブラケット3’と一体物として形成されている。しかし、このことは、突部39を別体とし、適切な固定手段を用いてクランプ用ブラケット3’に固定するような、多部品構成を採用することを排除するものではない。後者の場合、突部39に対しては、クランプ用ブラケットの材料の選択に重要である、強化部材としての機械的な耐負荷能力を心配することなく、すべり性を促進し、かつ繊維形成組織材料99との接触に適した材料を選択することを可能とする。
最後に、本発明における突部39を有するクランプ用ブラケットの構成は、足首関節用内部人工器官に限定されるものではない。
Claims (13)
- 下側の骨(91)に接続され底部にすべり面(11)を有する部材(1)と、
上側の骨(92)に接続され頂部にすべり面(44)を有する部材(4)と、
底部と頂部には、それぞれ、上記部材(1,4)のすべり面(11,14)に対応し、ベアリング用の運動面となるすべり面(21,24)を有する中間部材(2)とからなり、
上記中間部材(2)の上記すべり面(21,24)が異なる外形を有する、関節代替用の内部人工器官であって、
上記クランプ用ブラケット(3)は2つの領域を有しており、すなわち、周方向に延在するベルト領域(36)と、そのベルト領域(36)に隣接する広がり防止領域(37)を有し、
さらにクランプ用ブラケット(3)が、上記中間部材(2)の側面を囲む一方、異なる外形を有する上記すべり面(11,44)により規定される運動面から自由な状態で上記中間部材(2)に配置されていることを特徴とする関節代替用の内部人工器官。 - 上記クランプ用ブラケット(3)の頂部及び底部のエッジがそれぞれ隣接するすべり面(21,24)の外形部分に取着されていることを特徴とする請求項1記載の内部人工器官。
- 上記中間部材(2)は、その頂部又は底部に、上記クランプ用ブラケット(3)を保持するフランジ(20)を有することを特徴とする請求項1又は2のいずれか一つに記載の内部人工器官。
- 上記クランプ用ブラケット(3)は、その底部エッジ(34)に、少なくとも2つの面の上に、上記中間部材と滑らかに合流するように配置された斜面(32)を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の内部人工器官。
- 上記クランプ用ブラケット(3)の頂部と底部のエッジ(34,31)は、少なくとも1mm、より好ましくは1.5〜2.5mmの距離だけ離間していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の内部人工器官。
- 上記クランプ用ブラケット(3)は、内側に、上記中間部材(2)の対応する凹部と係合するビーズ状の突部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の内部人工器官。
- 上記クランプ用ブラケット(3)は、上記中間部材(2)より少なくとも50倍、より好ましくは少なくとも200倍大きい弾性率を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の内部人工器官。
- 上記クランプ用ブラケット(3’)は、少なくとも1つの外面の上に凸状突部(39)を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の内部人工器官。
- 上記凸状突部(39)は、上記の各外面の全長に亘り延在することを特徴とする請求項8記載の内部人工器官。
- 上記突部(39)は、上記中間部材の内側の縦面の上に形成されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の内部人工器官。
- 上記凸状突部(39)は、平面視において、円弧状の外形を有することを特徴とする請求項8から10のいずれか一つに記載の内部人工器官。
- 上記円弧状の外形は、上記クランプ用ブラケット(3’)の対向面の方向に中心(30)が片寄っている円の弧であることを特徴とする請求項11記載の内部人工器官。
- 別の凸状突部(39’、39”)が、上記クランプ用ブラケット(3’)の前面と後面の上に形成されていることを特徴とする請求項8から12のいずれか一つに記載の内部人工器官。
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