JP2009517652A - 強結合対の構築による高感度磁気捕獲分析 - Google Patents

強結合対の構築による高感度磁気捕獲分析 Download PDF

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Abstract

本発明は、標的を含んでいると疑われる試料中の標的を検出するセンサ素子に関する。当該素子はたとえばサンドイッチ分析のような分析法での利用に適している。本発明はさらに、試料中の標的を検出する方法にも関する。当該素子は、強結合対構成分子によって官能化されるセンサ表面を有する。その強結合対構成分子は、標的分子に対してはほとんど又は全く交差反応を示さない。

Description

本発明は標的を含んでいると疑われる試料中の標的を検出する素子に関する。本発明はさらに、試料中の標的を検出する方法に関する。
ヘルスケア研究には、たとえばタンパク質、ペプチド、プリオン、酵素、アプタマー、リボザイム及びデオキシリボザイムのような活性である触媒生体化合物の活量及び機能を決定することだけではなく、特異タンパク質及びたとえばDNA、RNA、ホルモン、代謝体、薬等の他の生体化合物の存在又は不存在を決定するための診断測定の開発が含まれる。イムノアッセイ法は、さらなる診断及び処置を助けるため、体液中の特異タンパク質の量を決定するのにすでに用いられている。
周知のイムノアッセイ法の1つは、2抗体の“サンドイッチ”ELISAである。この分析法は、未知試料中の抗原濃度を決定するのに用いられている。サンドイッチELISAは、抗原上で重ならないそれぞれ別個のエピトープと結合する2つの抗体を必要とする。これは、各々が別個の位置を認識する2つのタンクローン性抗体、又は抗原上の異なるエピトープに集まるアフィニティ精製された多クローン性抗体のいずれかによって実現することができる。
この分析法を利用するため、第1抗体(捕獲抗体)が精製され、かつその第1抗体は、典型的にはウエルプレート底部に付着する固相と結合する。続いて抗原が加えられて、結合した抗体との複合体の形成が可能となる。その後未結合生成物は洗浄によって除去され、かつ酵素によって印が付された第2抗体(検出抗体)は抗原との結合が可能となる。それにより“サンドイッチ”が完成する。よって、母体と結合する第2抗体上の酵素によって比色分析用基板がどの程度変換されたのかを測定することによって、その分析法は定量的となる。
サンドイッチ形式は図1に図示されている。この例では、標的3は、結合構成分子2を介してセンサ表面1と結合する。センサ表面への標的の結合速度dN/dtは近似的に以下のように与えられる。
Figure 2009517652
ここで、Aはセンサの表面積(単位m2)、konは結合過程における結合定数(単位m3/s)、[Cap]はセンサ表面上の捕獲位置の濃度(単位m-2)で、[T]はセンサ表面直上に位置する溶液中の標的濃度(単位m-3)である。標的濃度が非常に低い場合では、図1の分析法は次のような問題点を示すことが考えられる。
第1は、センサ表面Aは、特にシリコンチップである場合に、製造コストがかかるため、限られてしまうことである。
第2は、センサ表面上での標的の劣化を防ぐために、流体を駆動(たとえば混合、ずれ流動)させる必要があることである。このため、サンドイッチELISAでの利用に適した素子の設計は複雑になる。第1捕獲過程は、捕獲領域Aを増大させることによって、つまり溶液中に懸濁する粒子表面上で標的分子を捕獲することによって加速できる。これは捕獲分析(catch assay)と呼ばれる。一例が図2に図示されている。粒径が小さいため、全表面積を大きくすることが可能であり、かつ結合速度を非常に大きくすることができる。しかしこの分析法の欠点は、最後の検出段階で、センサ表面1上へ標的とナノ粒子の複合体を結合させる必要があることである。この過程は、立体障害により、非常に遅くて非効率的なものとなる恐れがある。立体障害とはつまり、2つの大きな表面(粒子表面4とセンサ表面1)が、非常に小さな生体分子、具体的には標的3及び構成分子2と5を介して結合する必要があることである。
他の標準的な分析形式は、競合的測定法(competitive assay)である。この測定法は、1つのエピトープしか含んでいないために、サンドイッチ分析では検出できない小さな標的分子に適している。競合的測定法では、標的分子は、典型的にはラベル上又はセンサ表面上のいずれかの位置への結合をめぐって、標的ホモログと競合する。そこで標的ホモログによって占められる結合位置が検出される。これは標的濃度の減少に伴って増加する。一例が図7に図示されている。図7では、標的分子3は、構成分子5への結合をめぐって標的ホモログ9と競合する。標的分子3が高濃度の場合では、構成分子4上の結合位置のほとんどが標的3によって占められる。しかし標的分子3が低濃度の場合では、図7の第2行に図示されているように、構成分子4上の結合位置のほとんどが標的ホモログ9によって占められる。サンドイッチ分析とは異なり、競合的測定法は、標的濃度を間接的に測定する。図7に図示された例では、式(2)は標的ホモログの捕獲過程ついて有効である。
Figure 2009517652
ここで、[TH]は標的ホモログの濃度(単位m-2)、konは結合過程における結合定数(単位m3/s)で、[Cap]は溶液中での捕獲位置の濃度(単位m-2)である。
サンドイッチ分析と同様に、標的ホモログの捕獲過程は、溶液中に分散した粒子上に標的ホモログを接触させることによって加速させることができる(図8は、上の行にて高標的濃度を、及び下の行にて低標的濃度を図示している。)。しかしサンドイッチ分析について前述したことと同様の困難に直面する。それは具体的には、センサ表面へナノ粒子が結合することの難しさである。
特許文献1は、分子標的の追跡量を検出又は特定する方法について述べている。この方法は、マクロ分子相互の特異親和力に基づいている。その特異親和力とはたとえば、相補的核酸間のワトソン-クリック(Watson-Crick)結合や抗原-抗体結合である。この方法によると、特定の分子標的について高い親和性及び選択性を示す1対のプローブが合成される。一の対は検知素子表面に結合する。他の対は、磁気ラベルであることの可能な粒子に付着する。その方法では、分子標的は、官能化したラベルと官能化した固体表面との間に挟まれる。
この方法では、上で特定した問題点は解決されない。他の欠点は、高い親和性でその標的に特化して結合するプローブを供する必要があること、及びそのプローブのうちの1つをセンサ表面に結合することによってそのセンサ表面を修飾する必要があることである。これは、決定される新たな標的の各々について実行される必要のある複雑な過程である。
米国特許出願第2003/0215825号明細書
本発明の目的は、これらの問題点のうちの少なくとも1つを解決することである。本発明の他の目的は、多数の分析法での使用に適していて、かつ1種類の特異標的組成物の決定には適していないセンサ素子を供することである。
本発明のさらに他の目的は、ラベルとセンサ表面との間の分子サンドイッチ形式を確立することである。その目的は、センサ表面上でのサンドイッチ形成過程だけではなく標的捕獲速度も高速で、かつ好適には溶液中で生じさせなければならない、という特別の課題を有する。
他の目的は、センサ表面へのラベルの結合のみならず、標的と標的ホモログ捕獲速度も高速である競合的測定法を供することである。
驚くべきことに我々は、好適には標的又は標的ホモログ分子とほとんど又は全く交差反応を示さない強結合対の一部によって官能化する表面を有する磁気センサ素子によって、これらの目的のうちの少なくとも1つが満足されることを発見した。
従って第1態様では、本発明は、標的を含んでいると疑われる試料中の標的を検出するセンサ素子に関する。当該素子は、強結合対の少なくとも1つの構成分子(A)によって官能化されるセンサ表面を有する。その1つの構成分子は、標的分子及び標的ホモログについてほとんど又は全く親和性を示さないことが好ましい。
他の態様では、本発明は、請求項に係る素子を用いることによって、標的を含んでいると疑われる試料中の標的を検出する方法に関する。
他の態様では、本発明は、標的を含んでいると疑われる試料中の標的を検出するのに適した部品の道具に関する。
“標的分子”は、濃度又は存在を決定しようとしている如何なる分子であって良い。標的分子の例は、たとえばタンパク質、酵素、ホルモン、ペプチド、核酸のような分子標的、並びに、たとえば病原菌細胞、バクテリア細胞、及び真菌細胞のような細胞内標的である。標的分子は、分析される試料中に存在しても良いし、又は、たとえばセンサ素子内で生じる反応を介してその場で生成されても良い。センサが反応を観察するのに用いられる場合、標的はたとえば、反応の開始物質又は反応生成物であって良い。
“溶液中”という語は、液体環境中で反応又は分析が行われることを意味する。関与する試薬は、液中で溶解している必要はなく、懸濁すなわち分散した状態で存在しても良い。
強結合対は、両者間で特異結合が存在する2つの構成分子(分子)AとBの結合である。構成分子Aは、他の分子よりも強くすなわち選択的に構成分子Bと結合する。また構成分子Aは、他の分子とほとんど又は全く交差反応を示さない。一般的には、構成分子Aと構成分子Bの特異結合の結合係数(Ka)は、少なくとも106l/mol、より好適には少なくとも1010l/mol、さらにより好適には少なくとも1011l/mol、さらにより好適には少なくとも1012l/mol、さらにより好適には1013l/molから1017l/molである。
強結合対(BC)の一部である構成分子(A)及び(B)は、標的分子に対してほとんど又は全く親和性を示さない。本発明の文脈では、“ほとんど又は全く親和性を示さない”とは、その親和性に係る結合係数(Ka)が103L/mol未満である状態と定義される。
相補的結合対構成分子とは、構成分子(B)及び、
i)標的の一部又は標的ホモログの一部と結合可能な結合プローブ、又は
ii)標的ホモログ、
のいずれかを有する組成物を意味する。分析法の中には、相補的結合構成分子の結合プローブが標的自身に結合するものがある。このことはたとえば、標的の量が直接的に決定される標準的なサンドイッチ分析についても当てはまる。
競合的測定法では、標的の量の代わりに、標的ホモログの量が決定される。競合的測定法にとっては、相補的結合対構成分子の結合プローブは、標的と標的ホモログの両方と結合することが好ましい。この結合は一分子内で同時に生じないことが好ましいことは明らかである。
標的ホモログとは、その標的の少なくとも一部を含む構造体(construct)又はその標的と同程度の強さで結合プローブが結合する構造体のいずれかで定義される。なおその標的の一部は、その標的と他の関連分子とを区別することが好ましい。同程度の強さでの結合とは、Kaの差異が103、より好適には102、最も好適には10倍以下である状態と定義される。理論に拘束されることを望んでいるわけではないが、ほとんど大抵の場合において、標的と標的ホモログは、プローブと結合する際には同一のエピトープを共有すると考えられている。
ラベルが結合したプローブとは、標的又は標的ホモログの一部と結合可能な結合プローブ及び検出可能なラベルを有する組成物を意味する。
第1態様では、本発明は磁気センサ素子に関する。当該センサ素子は、強結合対の一部である少なくとも1種類の構成分子(A)によって官能化されるセンサ表面を有する。結合対は構成分子(A)及び(B)によって形成される。本発明にとっては、構成分子(A)と構成分子(B)は、標的分子又は標的ホモログに対してほとんど親和性を示さないことが好ましい。
本発明の一実施例が図3に図示されている。この実施例では、標的(3)は、第1結合プローブ(5)を介して検出可能なラベル(4)上で捕獲される。プローブが付着したラベルは、溶液中で懸濁しているのが好ましい。溶液中に存在する間に、構成分子(B)(参照番号6)及び結合プローブ(2)を有する複合体が加えられる。結合プローブ(2)は、標的の第2部分(参照番号2で表され、参照番号6の構成分子と結合している)と結合することでサンドイッチ形式を完成させる能力を有する。この複合体はまた、相補的結合対構成分子とも呼ばれる。ラベルと構成分子(B)とが結合した後、結果として生成されるラベル-標的の相補的結合対構成分子の複合体は、構成分子6と構成分子7で構成される強結合対を介してセンサ表面1と結合する。
本発明の他の実施例は競合的測定法に関する。これは図9に図示されている。図9の上の行は高標的濃度での実施例を図示し、図9の下の行は低標的濃度での実施例を図示する。この実施例では、検出可能なラベル4に付着する標的(3)及び標的ホモログ(9)は、結合プローブ5と構成分子(B)(参照番号6)を含む複合体による捕獲をめぐって競合する。5及び6が標的ホモログと結合した後、結果として生成された標的-ホモログ相補的結合対を含むラベルは、構成分子6及び7で構成される強結合対を介してセンサ表面1と結合する。
図10には、競合的測定法に関する他の実施例が、高標的濃度(上の行)及び低標的濃度(下の行)の場合について図示されている。この実施例では、標的ホモログ9は構成分子B(参照番号6)と複合体を形成し、かつ、この複合体は、検出可能なラベルと付着する相補的結合対(5)との結合をめぐって標的(3)と競合する。標的又は標的ホモログが検出可能なラベルと結合した後、そのラベルは、強結合対、つまり構成分子(6)と構成分子(7)を介してセンサ表面(1)と結合する。
この解決方法の利点は、(i)溶液中の検出可能なラベルの表面に標的及び標的ホモログが捕獲されるため、標的及び標的ホモログの結合率が高いこと、及び(ii)強結合対を利用するため、センサ表面上へのラベルの結合が迅速で効率的なこと、である。
強結合対では、Aには如何なる化学種が選ばれても良く、かつAはBの存在によって定義されるので、何をBに選んでも良い。しかしどの化学種をAに選び、かつどの化学種をBに選ぶのかについては、強結合対が相補的結合プローブ/標的ホモログに結合することで相補的結合プローブ/標的ホモログの機能が大きく減少又は変化しないように選ぶことが好ましい。たとえば強結合対がハプテン-抗体である場合であれば、ハプテンは一般的に小さくて他の生体分子と容易に結合できるので、Aを抗体としてBをハプテンとすることが好ましい。好適な強結合対の例は、アビジン/ビオチン、ハプテン/抗体、タンパク質又はペプチド/抗体、タンパク質/炭化水素、タンパク質/タンパク質、核酸/核酸、タンパク質/核酸、及び、ハプテン/核酸である。
タンパク質アビジンと分子ビオチンとの相互作用は、生体分子を他の構成分子に結合するのに用いられる。ビオチンに対するアビジンの結合定数(Ka)は、約1015L/molと既知の中で最も高い。よってその結合は、通常の分析条件下では不可逆的であると考えられている。高親和性に加えて、各アビジン分子上のビオチンにとって利用可能な4つの結合位置が存在する。ビオチン化すなわちビオチンによるタンパク質の化学ラベル付けは容易であり、かつ生物活性を減少させない。アビジンもまた、カルボジイミドを含む標準的な結合剤を介して他のタンパク質と化学的に結合することが可能である。ストレプトアビジン及びニュートラアビジンを含む市販されたアビジンには多数のバラエティが存在する。これらは、グリコシル化、等電点、及び非特異結合の程度が異なる。他に代わる物としては、ストレプ-タグII(strep-tagII)(登録商標)/ストレプ-タクチン(strep-tactin)(登録商標)対がある。
高親和性抗体は、色素、薬、ホルモン、及びビタミンを含むハプテン又は小さな分子に集まることができる。一般的には、ハプテンに近い抗体の生成が可能であり、かつたとえばジゴキシゲニン、2,4-ジニトロフェニル(DNP)、及びフルオレセイン-5-イソシアネート(FITC)のような分子に対して1011L/molよりも大きなKaを有する高親和性抗体が多数存在する。ハプテンによって分子を化学的にラベルするハプテン化法には、既知の単純なものが複数存在する。抗体の付着は、アビジンについて述べた方法と同様の化学的手法、又はタンパク質と結合させるための再結合法によっても実現可能である。
タンパク質又はペプチドがそれらの抗体に対して選択性及び高い結合親和性を有することは、多くのイムノアッセイ法の基礎となっている。係る相互作用の親和係数は1013L/mol程度で、かつ用いられる特定のペプチド又はタンパク質に依存して、何桁にも変化しうる。
タンパク質-タンパク質結合は、特定の型のタンパク質間で生じる。たとえばタンパク質Aとタンパク質Gは、イムノゴブリンのFc部分に対する親和性が高いことで知られている。同様にコンカナバリンAは、タンパク質A及びGのイムノゴブリンに対する結合ほど強くはないが、糖タンパク質の炭化水素部分と結合するレクチンである。それらの相互作用は選択的ではなく、かつ、試料がFc領域を含まない又は試料が糖タンパク質ではない分析法でしか使えない。所望の選択性の実現及び交差反応の減少のため、抗体とタンパク質が結合相互作用を起こさないように、分析法で分析される抗体及びタンパク質は、修飾されて良い。たとえばFc又はグリコシル化領域が除去される再結合抗体が合成されて良い。
相補系列を有するストランドへの核酸ストランド、DNA、RNA、又はPNAの結合は、ワトソン-クリック(Watson-Crick)塩基対に基づいている。ストランドのその相補体に対する結合強度は、ストランド中の塩基数、その特定塩基の量、及びPNA結合を有する核酸の種類によって決定される。PNA結合はRNAよりも強いので、DNA結合よりも強い。様々な種類の核酸のストランドは、相補的である場合には、混成することも可能である。
第2構造に混入される核酸は、抗体の親和性と同程度の親和性を有するタンパク質及びハプテン標的と結合する能力を有する。アプタマーと呼ばれるこれらの核酸は一般的には、標準的方法を用いた合成の可能な短い単一ストランドRNA及びDNAユニットである。特定標的のアプタマーの塩基列は、標的に対するストランドの結合親和性に基づいた試験管内人工進化法(SELEX)を用いることにより、ストランドのライブラリから選ばれる。
センサ素子は、試料を導入する手段を有することが好ましい。
任意で、多数の標的の並列測定が実行できるような素子が採用されても良い。この実施例では、センサ表面は、それぞれが異なる結合対に属する少なくとも2種類の構成分子(A)及び(A’)によって官能化される。この実施例では、分析される異なる標的のそれぞれについて特異結合対が選ばれる。任意で、当該素子は多数のセンサを有する。好適には当該素子は各標的について少なくとも1つのセンサを有する。素子の一部であり、かつ特異標的に対応する各センサ表面上には、異なる結合構成分子(A)、(A’)、(A’’)等が堆積される。使用時には、各結合構成分子(A)、(A’)等は、特異標的の相補的結合対構成分子の一部である、(A)、(A’)等に対応する結合構成分子(B)、(B’)等によって補われる。
サンドイッチ分析についてのこのような多数標的の並列分析は図6に図示されている。
この分析法では、多数の標的(3)が、結合プローブ(2)と、ナノ粒子ラベル(4)と結合する結合プローブ(5)の間に挟まれる。プローブ(2)及び(5)は、表面に結合しているのとは対照的に、溶液中で自由に存在する。好適実施例では、プローブ(2)は、高密度の構成分子(6)(強結合の構成分子(B))を有するナノ粒子(8)と結合する。
この実施例では、構成分子(6)は、センサ表面(1)と結合する構成分子(7)(強結合の構成分子(A))と結合する。各標的3についての構成分子2,5,6及び7は独立している。様々な独立した標的ホモログ-相補的結合プローブ複合体を有するラベルをセンサ表面に付着させるのに、多数の強結合対が用いられる競合的測定法にも、同様の方法が存在する。
他の実施例では、当該素子は1つのセンサを有する。使用時には、第1結合プローブのバラエティの各々は、様々な特性を有するラベルと付着することで、試料中の様々な標的の測定を可能にする。
そのように試料中の様々な標的の測定を可能にすることは、ラベル-結合プローブ、標的、及び相補的結合対構成分子のサンドイッチが形成される前、又は競合的測定法であれば相補的結合プローブが標的又は標的ホモログを捕獲する前に、結合構成分子(A)及び(B)が出会い、かつ効率的に結合する場合には、測定にとって望ましくなく、かつ邪魔となる恐れがあることが分かる。この基本的な結合は、センサ表面の一部を遮断してしまう恐れがある。このような状況は、結合構成分子(B)が比較的高濃度で存在するときに特に生じる。これを回避するため、当該センサ素子は、サンドイッチの生成又は標的/標的ホモログ捕獲用の区画、及び強結合対の構成分子(A)に対して相補的構成分子(B)を結合するための別な区画を有することが好ましい。
強結合対の構成分子(A)は、如何なる適当な方法で、センサ表面と結合して良い。このような付着(attaching)(接合、コーティング、又は結合とも呼ばれる)は、たとえば共有結合又は非共有結合のような如何なる適当な方法であっても良い。付着は、無作為結合ではなくて指定された相互作用によることが好ましい。接合の一例は、システイン残基が構成分子Aの末端に存在するときの硫黄架橋又は結合を介する。
当該センサ素子は、ラベルを検出する如何なる適当な検出器を有しても良い。適当な検出器とは、磁気検出器、光検出器、放射線検出器、又は電気検出器である。本実施例では、検出器は磁気検出器であることが好ましい。
他の態様では、本発明は、標的を含んでいると疑われる試料中の標的を検出する方法に関する。当該方法は、
a)標的の第1部分又は標的ホモログの第1部分と結合する能力を有する第1結合プローブを検出可能なラベルに付着することで、ラベル-結合プローブを形成する手順;
b)標的分子に対してほとんど又は全く親和性を示さない強結合対の少なくとも1つの構成分子(A)を支持体に付着する手順;
c)強結合対(BC)中の構成分子(A)の結合相手である少なくとも1つの構成分子(B)、及び、
i)標的の一部若しくは標的ホモログと結合する能力を有する結合プローブ、又は
ii)標的ホモログ、
のいずれか1つを有する複合体を供することで、相補的結合対構成分子を形成する手順;
d)ラベル-結合プローブ、標的を含んでいると疑われている試料、支持体、及び相補的結合対構成分子を接触させる手順;
e)支持体と結合するラベルであって、磁気ラベルでかつ磁性粒子と結合するラベルを検出する手順;
を有する。
好適態様では、本発明は標的を含んでいると疑われる試料中の標的を検出する方法に関する。当該方法は、
a)標的の第1部分又は標的ホモログの第1部分と結合する能力を有する第1結合プローブを検出可能なラベルに付着することで、ラベル-結合プローブを形成する手順;
b)標的分子に対してほとんど又は全く親和性を示さない強結合対の少なくとも1つの構成分子(A)を支持体に付着する手順;
c)強結合対(BC)中の構成分子(A)の結合相手である少なくとも1つの構成分子(B)、及び、標的の第2部分若しくは標的ホモログの第2部分と結合する能力を有する少なくとも1つの第2結合プローブ、を有する複合体を供することで、相補的結合対構成分子を形成する手順;
d)ラベル-結合プローブ、標的を含んでいると疑われている試料、支持体、及び相補的結合対構成分子を接触させる手順;
e)支持体と結合するラベルを検出する手順;
を有する。
この方法は、“サンドイッチ”法とも呼ばれる。
本発明の他の態様は、標的を含んでいると疑われる試料中の標的を検出する方法に関する。当該方法は、
a)少なくとも1つの標的ホモログを検出可能なラベルに付着する手順;
b)標的分子に対してほとんど又は全く親和性を示さない強結合対の少なくとも1つの構成分子(A)を支持体に付着する手順;
c)強結合対(BC)中の構成分子(A)の結合相手である少なくとも1つの構成分子(B)、並びに、標的及び標的ホモログと同時でなく結合する能力を有する少なくとも1つの結合プローブ、を有する複合体を供する手順;
d)ラベル-結合プローブ、標的を含んでいると疑われている試料、支持体、及び相補的結合対構成分子を接触させる手順;
e)支持体と結合するラベルを検出する手順;
を有する。
本発明の他の態様は、標的を含んでいると疑われる試料中の標的を検出する他の“競合的”方法である。当該方法は、
a)標的及び標的ホモログと同時でなく結合する能力を有する結合プローブを検出可能なラベルに付着することで、ラベル-結合プローブを形成する手順;
b)標的分子に対してほとんど又は全く親和性を示さない強結合対の少なくとも1つの構成分子(A)を支持体に付着する手順;
c)強結合対(BC)中の構成分子(A)の結合相手である少なくとも1つの構成分子(B)、及び、少なくとも1つの標的ホモログ、を有する複合体を供する手順;
d)ラベル-結合プローブ、標的を含んでいると疑われている試料、支持体、及び相補的結合対構成分子を接触させる手順;
e)支持体と結合するラベルを検出する手順;
を有する。
これまでの2つの方法は“競合的”方法とも呼ばれる。
上述した構成分子(A)と構成分子(B)が事前に結合してしまう危険性を考慮して、手順(d)は2つの独立した手順を有する。それは、
(d1)以下の場合について、
i)サンドイッチ法では、ラベル-結合プローブ、試料及び相補的結合対構成分子を接触させることで、ラベル-標的第2結合プローブ複合体の形成を可能にする手順、
ii)上述の第1競合的方法では、ラベル-結合標的ホモログ、試料、並びに、結合プローブ及び結合構成分子Bを有する複合体を接触させる手順、
iii)上述の第2競合的方法では、ラベル-結合プローブ、試料、並びに、標的ホモログ及び結合構成分子Bを有する複合体を接触させる手順;
(d2)上の結果生成された、ラベルを含む複合体を、少なくとも構成分子(A)が付着した支持体と接触させる手順;
を有する。
分析に関与する試料及び他の成分は、分析中、液状で素子中に存在することが好ましい。しかしその分析に関与する成分の中には最初乾式状態で存在することが可能なものがある。
検出中でのバックグラウンド信号が高くなることを避けるため、標的又は標的ホモログと結合しない余剰ラベル及び結合構成分子Bを除去することが有利である。従って好適実施例では、サンドイッチ法では標的と結合せず、あるいは競合的方法では標的ホモログと結合しない余剰の相補的結合対構成分子及び余剰のラベル-結合プローブは、手順(d2)の前に除去される。以降、好適実施例では、磁気センサでいかにしてこのことを実現できるかについて述べる。
他の態様では、本発明は標的を含んでいると疑われる試料中の標的を検出する方法に関する。当該方法は、本発明によるセンサ素子内に試料を導入する手順、並びに、
a)検出可能なラベル、
b)強結合対中の構成分子(A)の結合相手である構成分子(B)、及び、
i)標的の第2部分若しくは標的ホモログの第2部分と結合する能力を有する結合プローブ、又は
ii)標的ホモログ、
を有する複合体、
をさらに当該素子へ導入する手順、
を有する。
標的又は標的ホモログの検出は、検出可能なラベルの存在又は不存在の検出に基づいている。検出可能なラベルは、たとえば蛍光ラベル、比色分析ラベル、化学発光ラベル、対応する変換生成物(たとえば化学発光、蛍光、静電物質、及びドナー/アクセプタ物質)を有する酵素ラベル、磁気ラベル、放射性ラベル、静電ラベル、ドナー/アクセプタラベルのような如何なるラベルであっても良い。最も好適には、ラベルは、磁気ラベル又は磁性粒子と結合するラベルである。
磁気センサの場合、分析は、センサ表面と結合するラベルの検出に基づく。この分析法の設定は、表面への結合を含むので、磁気ラベルの使用がかなり好ましい。
ラベルが磁気ラベルである場合、10nmから数μmの大きさを有する磁性粒子が一般的には用いられる。より好適には30nmから300nmの大きさを有する磁性粒子が用いられる。好適方法では、磁性粒子は、分析法に含まれる個々の生体分子よりも大きい。
磁性粒子は磁場によって駆動させることが可能である。磁性粒子がセンサ表面へ運ばれるように力が加えられるとき、生体結合率を増大させることができる。また磁力が印加されることで、弱い結合と強い結合とを区別することができる。これは所謂磁気ストリンジェンシーである。
磁気ラベルは如何なる形状又は形態であっても良い。そのラベルは、1つ以上の如何なる形態の磁性粒子を有しても良い。如何なる形態の磁性粒子とはたとえば、磁性、反磁性、常磁性、超常磁性、強磁性、永久又は一時的に電場中に磁気双極子を生成する磁力の形態である強磁性である。
上述した理由のため、当該方法は、標的若しくは標的ホモログと結合しない構成分子(B)を含む相補的結合複合体、又はラベルが付着しない構成分子(B)を有する標的ホモログが除去される手順を有することが好ましい。ラベルが磁気ラベルで、標的若しくは標的ホモログと結合しない構成分子(B)、又はラベルと結合しない構成分子(B)を有する標的ホモログの洗浄は、図5、13及び14に図示された方法で容易に実現される。図5、13及び14に図示された方法はそれぞれサンドイッチ及び競合的測定の形態である。この実施例では、当該センサは、バイオセンサ表面(1)の上流で結合構成分子(A)(7)に付着する第2表面を有する。バイオセンサ表面(1)も結合構成分子(A)に付着する。表面(10)は磁気ラベル(4)を磁気的に反発するように作動するので、自由つまり未結合の構成分子(B)(6)だけを結合させることができる。
同時に磁性表面1は、磁気ラベル(4)が媒質を介してバイオセンサ表面1へ向けて引き付けられるように磁気的に作動することが好ましい。このような各異なるセンサ表面の作動の組み合わせによって、磁気ラベルを有する複合体の結合、及び構成分子(B)を有する未結合の複合体結合対構成分子の除去が補助される。ラベル及び第1結合プローブ又は標的ホモログは、リンカーによって又はリンカーによらずに、互いに付着して良い。任意で、付着は、たとえばナノ粒子のようなコア分子を介して起こる。そのコア分子には、少なくとも1つのラベル、及び少なくとも1つの第1結合プローブ又は少なくとも1つの標的ホモログが付着する。代替実施例では、ラベル及び結合プローブ又は標的ホモログは、リンカーを介して結合する。
一例では、ラベルは磁気ラベルで、かつそのラベルは結合プローブと接合する。磁気ラベルと結合プローブとの接合を形成するため、磁気ラベルの表面が修飾されて良い。このような修飾は、たとえばデキストラン、適当な端部基を有するアルカンチオール、特定のペプチド等で表面を被覆することによって行われて良い。デキストラン分子は、シアン化臭素の活性化又はカルボキシル酸の活性化を介して、たとえば抗体のような結合プローブと共有結合して良い。
第1及び第2結合プローブは、好適には標的又は標的ホモログ分子の様々な構成分子(エピトープ)に結合するプローブである。適切な結合プローブの例は、アフィボディーズ(Affibodies)(商標)、抗体、レセプタ分子、アプタマー、及びキレート剤である。
標的が核酸の場合、第1及び第2結合プローブは、標的の列の一部と相補的な塩基列を有する核酸を有する。競合的測定法に係る実施例によっては、結合プローブは、標的と標的ホモログの両方に対して親和性を有して良い(ただし前述したように、一分子内で同時でないことが好ましい)。
結合プローブは標的と特異的に結合する抗体であることが好ましい。
強結合対の第2つまり相補的構成分子は結合構成分子(B)である。本発明の方法では、強結合対(BC)中の構成分子(A)の結合相手である構成分子(B)、及び、
i)標的の一部若しくは標的ホモログと結合する能力を有する結合プローブ、又は
ii)標的ホモログ、
のいずれか1つを有する複合体を供することで、相補的結合対構成分子を形成する複合体が供される。複合体は構成分子Bと第2結合プローブ又は標的ホモログの接合物を含んで良い。本発明の文脈では、接合物とは、構成分子Bと第2結合プローブとの間に接合が存在する化合物であって、好適にはその接合は共有結合である化合物である。
構成分子(A)と構成分子(B)が出会い、かつラベルをセンサ表面へ効率的に結合させる確率を増大させるため、(A)及び(B)は高濃度であることが望ましい。好適実施例では、強結合対密度の増大は、多数の結合構成分子(B)に付着するコアを有する複合体によって実現される。
好適実施例では、複合体は、少なくとも2つの構成分子(B)に付着するコア、及び、
i)標的の一部若しくは標的ホモログと結合する能力を有する結合プローブ、又は
ii)標的ホモログ、
のいずれかのうちの少なくとも1つを有する。
さらにより好適な実施例では、より好適には少なくとも3つ、さらにより好適には少なくとも4つ、さらにより好適には少なくとも5つ、さらにより好適には少なくとも6つの結合構成分子(B)がコアに付着する。
コア構造の表面上に多くの量の結合構成分子(B)が存在する方法の一例が図4に図示されている。この分析法では、標的3は結合プローブ2と5の間に挟まれている。構成分子5はナノ粒子ラベル4と結合する。構成分子2は構成分子(B)6を高密度で含むナノ粒子8と結合する。その後、構成分子6は、センサ表面1と結合する構成分子7と結合する。図11及び図12は、競合的形式をとる同様な方法を図示している。
構成分子(A)及び(B)の結合過程中での立体障害を減少させるため、複合体コアは、2〜200nmオーダーの小さな直径を有することが好ましい。
コアは、如何なる適切な材料で作られても良い。適切なコア材料の例には、ポリスチレン、シリカ、及び磁性粒子が含まれる。
好適実施例では、複合体のコアとラベルの両方が磁性を有する。このことにより、(A)と(B)との間の強い結合が補助される。またさらにこのことにより、標的、あるいは競合的測定法であればラベル、と結合しない構成分子(B)の除去が補助される。
一の実施例では、構成分子(B)は磁性を有するコアに付着する。その実施例では、磁場は、構成分子(A)と(B)との間の結合率を増大させるのに用いられて良い。よってラベルとは異なる磁性の周波数依存性を有するコア材料としてナノ粒子を選ぶことが好ましい。好適には、ナノ粒子は低周波場にのみ応答する一方で、ラベルは低周波場だけではなく高周波場にも応答する。よってサンドイッチは、低周波場によって粒子が引き付けられている状況下で、センサ表面から離れた場所で生成される。表面への結合は、高周波場による引力下で生じうる。その結果、挟まれないナノ粒子すなわちラベルに付着しないナノ粒子は、センサ表面と結合しないので、容易に除去されうる。
他の態様では、本発明は、標的を含んでいると疑われる試料中の標的を検出するのに適した部品の道具に関する。当該道具は、
a)強結合対の少なくとも1つの構成分子(A)によって官能化される表面を有する素子;及び
b)強結合対構成分子(B)を有する試薬;
を有する。
係る素子の主な利点の1つは、結合手順と検出手順とを分離できることである。結合手順は溶液中で行うことができる。このようにすることは、結合成分の移動度が大きくなること、及び結合表面積が大きくなるため、より効率的になりうる。検出手順は当該素子の表面で行うことができる。1つの素子内でこれら2つの事象を物理的に分離することで、その素子内で実行される分析法(検出手順を含む)に必要な全時間は減少する。
強結合対構成分子(B)を有する試薬は上で詳述したように特定される。
他の好適態様では、本発明は、標的を含んでいると疑われる試料中の標的の検出に適した部品の道具に関する。当該道具は、
a)本発明によるセンサ素子;並びに
b)強結合対(BC)中の構成分子(A)の結合相手である構成分子(B)、及び、
i)標的の一部若しくは標的ホモログと結合する能力を有する結合プローブ、又は
ii)標的ホモログ、
のいずれか1つを有する複合体を含む区画;
を有する。
あるいはその代わりに、構成分子Bと第2結合プローブ又は標的ホモログの複合体は分離した区画内には存在せずに、標的、標的ホモログ、又はラベルがマスクされるようにして、その素子内に含まれる。係る素子は、複合体のマスクを外すことで、標的、標的ホモログ、又はラベルへの結合を可能にした後に、初期反応すなわちプロセスを起こすことを可能にする。このようなマスクは、たとえば封止すなわち結合を防止する物理的手段のような、様々な方法によって実行されて良い。
係る道具は、どの種類のラベルが適切であるかの指示を添付して販売されることが好ましい。またさらに係る道具は、分析中、標的の第1部分を結合する能力を有する第1結合プローブと結合するラベルが用いられなければならないことについての指示も添付して販売されることが好ましい。
任意でその道具は、検出可能なラベル化合物、及び好適にはどのようにしてこのラベルが適切な結合プローブと結合できるのかについての指示を有する。好適実施例では、検出可能なラベルは、適切な結合プローブが付着するのを促進するために官能化される。
他の好適実施例では、部品の道具は検出可能なラベルを含む区画をさらに有する。その検出可能なラベルは、標的の第1部分と結合する能力を有する第1結合プローブに付着する。それによりラベル-結合プローブが形成される。
本発明は、以下の非限定的な例によって例示される。
[例]
強結合対ニュートラアビジン/ビオチンを用いたヒト副甲状腺ホルモン(PTH)の検出
1.材料
-ニュートラアビジン
-ビオチン化BSA(ウシ血清アルブミン)
-ヒトPTH
-α-PTH捕獲抗体によってコーティングされた300nmの磁性粒子
-PTH-ビオチン化α-PTHトレーサ抗体
2.方法
A.ニュートラアビジンによるGMR表面のコーティング
-GMRを示すAu表面がBSA-ビオチン(1mg/mL、1時間)によってコーティングされ、PBS(リン酸で緩衝したサリン)中の3%BSAでブロックされた。
-表面は、PBS中の0.05%ツイン20(Tween20)によって洗浄された。
-表面は、100g/mLのニュートラアビジンによって室温で30分間培養され、その後洗浄された。
B.PTH及びビオチン化されたトレーサAbへの捕獲Abによってコーティングされた磁性粒子の結合
-磁性粒子が分析用バッファ内において室温かつ300rpmで30分間培養された。その後、ビオチン化されたα-PTHトレーサAbが加えられ、混合物がさらに60分間培養された。
-懸濁物は3回洗浄され、分析用バッファ内で再培養された。
C.ニュートラアビジン-GMR表面に対する磁性粒子でラベルが付されたPTHの結合
-表面上でニュートラアビジンを有するGMRセンサが、Bからの反応分析溶液100Lに曝露された。
-外部電磁コイルを用いることにより、約8e5A/mの磁場を用いて合計で15分間、磁性粒子ラベルはセンサ表面へ引き付けられた。その後、同じ大きさの磁力が、センサ上のコイルによって、反対方向に印加された。この磁場による洗浄は10分間行われた。
-結合した磁気ラベルの数はGMRセンサによって検出された。
GMR-ニュートラアビジン表面に付着した磁気ラベルからのGMR信号が、PTH検体濃度の関数として決定された。その値は以下の通りである。
Figure 2009517652
サンドイッチ分析を図示している。 捕獲分析を図示している。 強結合対6、7を用いたサンドイッチ分析を図示している。 図3の分析法であって、多数の構成分子を有する粒子が用いられるものを図示している。 2つの表面が存在し、1つの表面は未結合構成分子(6)を結合し、もう1つの表面はラベル(4)を結合する実施例を図示している。 様々な標的を検出する請求項に係る分析法を使用する様子を図示している。 競合的測定法の様々な実施例を図示している。 競合的測定法の様々な実施例を図示している。 競合的測定法で強結合対を用いる様子を図示している。上の行では標的濃度は高く、上の行では標的濃度は低い。 標的ホモログが強結合対の一部(B)と直接結合する競合的測定法の実施例を図示している。 多数の構成分子(6)を有する粒子が用いられる競合的測定法を図示している。 多数の構成分子(6)を有する粒子が用いられる競合的測定法を図示している。 2つの表面が存在し、1つの表面は未結合構成分子(6)を結合し、もう1つの表面はラベル(4)を結合する競合的測定法の実施例を図示している。 2つの表面が存在し、1つの表面は未結合構成分子(6)を結合し、もう1つの表面はラベル(4)を結合する競合的測定法の実施例を図示している。

Claims (15)

  1. 標的を含んでいると疑われる試料中の前記標的を検出するセンサ素子であって、
    当該センサ素子は、強結合対の少なくとも1つの構成分子(A)によって官能化されるセンサ表面を有し、
    該1つの構成分子(A)は、前記標的分子及び標的ホモログについてほとんど又は全く親和性を示さない、
    センサ素子。
  2. 前記強結合対が、アビジン/ビオチン、ハプテン/抗体、タンパク質又はペプチド/抗体、タンパク質/炭化水素、タンパク質/タンパク質、核酸/核酸、タンパク質/核酸、及び、ハプテン/核酸を含む群から選ばれる、請求項1に記載のセンサ素子。
  3. 前記試料を導入する手段をさらに有する、請求項1に記載のセンサ素子。
  4. 前記表面が、それぞれ異なる結合対に属する少なくとも2つの構成分子(A)及び(A’)によって官能化される、請求項1に記載のセンサ素子。
  5. サンドイッチ分析での使用に適したセンサ素子であって、
    当該素子は、サンドイッチ形成用の区画、及び前記の強結合対の構成分子(A)への相補的構成分子(B)の結合用である他の区画を有する、
    請求項1に記載のセンサ素子。
  6. マスクされた複合体を有するセンサ素子であって、
    前記複合体は:
    i)前記の強結合対中の構成分子(A)の結合相手である構成分子(B);及び、
    ii)前記標的の第2部分若しくは標的ホモログの第2部分と結合する能力を有する少なくとも1つの第2結合プローブ;
    を有し、
    前記マスクは前記複合体が標的又は標的ホモログに結合するのを防止する、
    請求項1に記載のセンサ素子。
  7. 標的を含んでいると疑われる試料中の標的を検出する方法であって、
    a)前記標的の第1部分又は標的ホモログの第1部分と結合する能力を有する第1結合プローブを検出可能なラベルに付着することで、ラベル-結合プローブを形成する手順;
    b)標的分子に対してほとんど又は全く親和性を示さない強結合対の少なくとも1つの構成分子(A)を支持体に付着する手順;
    c)前記の強結合対中の構成分子(A)の結合相手である少なくとも1つの構成分子(B)、及び、
    i)前記標的の一部若しくは標的ホモログと結合する能力を有する結合プローブ、又は
    ii)標的ホモログ、
    のいずれか1つを有する複合体を供することで、相補的結合対構成分子を形成する手順;
    d)前記ラベル-結合プローブ、前記の標的を含んでいると疑われている試料、前記支持体、及び前記相補的結合対構成分子を接触させる手順;
    e)前記支持体と結合するラベルであって、磁気ラベルでかつ磁性粒子と結合するラベルを検出する手順;
    を有する方法。
  8. 前記手順(d)が、2つの独立した手順である、
    a)前記ラベル-結合プローブ、前記試料及び前記相補的結合対構成分子を接触させることで、ラベル-標的又は標的ホモログ-第2結合プローブ複合体の形成を可能にする手順、
    b)前記の形成された複合体を、少なくとも構成分子(A)が付着した前記支持体と接触させる手順;
    を有する、請求項7に記載の方法。
  9. 標的又は標的ホモログと結合しない、余剰の相補的結合対構成分子及び余剰のラベル-結合プローブが、手順(b)の前に除去される、手順をさらに有する、請求項8に記載の方法。
  10. 手順c)では、
    i)少なくとも2つの結合構成分子(B);及び
    ii)前記標的の第2部分又は標的ホモログの第2部分と結合する能力を有する少なくとも1つの結合プローブ;
    に付着するコアを有する複合体が供される、
    請求項7及び8のいずれかに記載の方法。
  11. 前記複合体が少なくとも2つの結合プローブに付着するコアを有し、
    前記少なくとも2つの結合プローブは、前記標的の第2部分又は標的ホモログの第2部分に結合する能力を有する、
    請求項7及び8のいずれかに記載の方法。
  12. 標的を含んでいると疑われる試料中の前記標的を検出する方法であって、
    請求項1に記載のセンサ素子内に前記試料を導入する手順;並びに、
    a)前記標的の第1部分へ結合する能力を有する第1結合プローブに付着する検出可能なラベル、
    b)前記強結合対中の構成分子(A)の結合相手である構成分子(B)、及び、
    i)前記標的の第2部分若しくは標的ホモログの第2部分と結合する能力を有する結合プローブ、又は
    ii)標的ホモログ、
    を有する複合体をさらに当該素子へ導入する手順;
    を有する方法。
  13. 標的を含んでいると疑われる試料中の前記標的を検出するのに適した部品の道具であって、
    a)強結合対の少なくとも1つの構成分子(A)によって官能化される表面を有する素子;及び
    b)強結合対構成分子(B)を有する試薬;
    を有する道具。
  14. 標的を含んでいると疑われる試料中の前記標的の検出に適した部品の道具であって、
    a)請求項1に記載のセンサ素子;並びに
    b)前記強結合対中の構成分子(A)の結合相手である構成分子(B)、及び、
    i)前記標的の一部若しくは標的ホモログと結合する能力を有する結合プローブ、又は
    ii)標的ホモログ、
    のいずれか1つを有する複合体を含む区画;
    を有する道具。
  15. 第1結合プローブに付着する検出可能なラベルを有する区画をさらに有する道具であって、前記第1結合プローブは、前記標的の第1部分又は標的ホモログの第1部分に結合する能力を有することで、ラベル-結合プローブを形成する、請求項14に記載の道具。
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