JP2009515183A - 新たなタンパク質アイソフォーム及びその使用 - Google Patents
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Abstract
【選択図】 図1
Description
本発明は、神経疾患、特にアルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、及び鬱病、並びにこれらの発症及び進行と関連した新たなタンパク質アイソフォームの同定に、並びに例えば臨床スクリーニング、診断、治療のための、更には薬物スクリーニング及び薬物開発のためのその使用に関する。
アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、及び鬱病などの神経疾患は、疾患の症状が個体間で非常に異なるため、診断が困難であることが多い。ある状態の陽性診断に至るか、又は鑑別診断から特定の疾患を除去するのに役立つ脳組織、脳脊髄液(CSF)、血液又は尿の試料などの体の試料中の物質或いは物質群を測定することが、非常に望ましいであろう。
アルツハイマー病(AD)は、ますます優勢に成りつつある神経変性疾患の型であり、65歳以上の人々の間の認知症の症例全体のおよそ50-60%を占めている。世界中で現在推定15,000,000人が冒されており、人口における高齢者の相対的増加のため、その有病率は、次の20〜30年にわたって増大する可能性が高い。アルツハイマー病は、臨床症状の発症から死亡までの間に約8.5年の平均期間を有する進行性の疾患である。より高度な精神機能と関連した脳領域の錐体神経死及び神経細胞シナプスの喪失は、著しくかつ進行性の認知機能障害によって特徴付けられる典型的な総合症状を生じる(Francisらの文献, 1999, J. Neurol. Neurosurg. Psychiatry 66:137-47)。
メマンチンは、正常な活性を妨害することなく過剰なグルタミン酸受容体活性を遮断する新たなクラスの薬物に属する。グルタミン酸は、CNS外傷及び虚血後の細胞死を引き起こす神経毒性イベントに、及びいくつかの神経変性障害に関与する興奮性アミノ酸(EAA)神経伝達物質である(一つの神経細胞によるグルタミン酸の放出は、その隣の活性を刺激する)。多すぎるグルタミン酸は、極めて有毒である。脳卒中に続いて生じるか、又はハンチントン病のような認知症を来す疾病の脳損傷の多くは、脳における過剰なグルタミン酸活性の結果であると考えられている。アルツハイマー病で生じる活性化などの病的活性化の間に、認知機能の進行性の欠陥を引き起こすかもしれない。グルタミン酸受容体の過剰活性化は神経細胞の損傷を引き起こし、神経変性認知症における認知欠陥及び神経細胞喪失の両方の原因になるであろう(Lipton, SA.の文献, Curr Alzheimer Res.(2005)2:155-65)。メマンチンは、欧州にて使用を認可されており、米国FDAによって検討中である。アルツハイマー病以外に、メマンチンは、現在認知症及び鬱病において治験中である。一連の第二世代のメマンチン誘導体が現在開発中である。
鬱病は、最も一般的で、重篤で、かつしばしば生命の脅威となる神経精神医学的疾患の一つであり、所与の1年の期間内に米国の人口の9.5%が冒していると考えられている。これは、大鬱病又は単極性(UP)鬱病及び双極性(BP)鬱病に細分することができる。自殺は、双極性疾患又は再発性疾患のいずれかを有する個体の死亡原因の10%〜20%であり、双極性疾患における自殺のリスクは、単極性鬱病におけるものよりも高いであろう(Simpson 及びJamisonの文献, J Clin Psychiatry, 1999, 60:53-56に概説される)。BPは、気分昂揚(躁病)及び鬱病の発症によって特徴づけられる(Goodwinらの文献, 1990, 『躁鬱病(Manic Depressive Illness)』, Oxford University Press, ニューヨーク)。
大鬱病は、認知疾患及び情動疾患の両方について評価される患者において頻繁に診断され、多くの鬱病患者は、実際に、臨床的に認知欠陥により特徴づけられる(Emery 及び Oxmanの文献, 1992, Am J Psychiatry, 149, 305-317)。
多発性硬化症(MS)は、軸索が保たれる炎症性の脱髄疾患であり、若年成人における神経性身体障害の最も一般的な原因であると考えられている。MSの発症の平均年齢は30歳であるが、2つの優勢な年齢層がある。大部分の患者は、発症時に21〜25歳の間であり、少数の割合が41〜45歳である。西欧諸国では、人口100,000人あたり80人を上回る人々が冒されている(Kurtzke,J.F.の文献,(1980), Neurology(N.Y.),7:261-279)。カナダ及び英国の数例の双生児の研究により、二卵性双生児及び兄弟姉妹における2%と比較して、一卵性双生児では約30%が一致することが示された(Ebers、G.C.らの文献,(1986), New Engl J Med. (315):1638-42;Mumford, C.J.らの文献,『英国の島での双生児における多発性硬化症の調査(The British Isles survey of multiple sclerosis in twins)』(1994) Neurology, 1004:44, 11-15)。現在の証拠により、複数の遺伝子が相互作用してMSに対する感受性を増加させるであろうことが示唆されている。(Norseworthyの文献,(1999) Nature, 399:suppl. A40-A47)。
1. 良性MS対進行性MS
2. 一次進行性MS対二次進行性MS
3. 一次進行性MS及び二次進行性MSの特異的病態生理学的サブタイプ
現在、MSには、生存している患者における診断及び予後に有用な客観的な生化学マーカーがない。MS患者のCSFにおける疾患特異的タンパク質(DSP)の同定は、疾患病態に重要な洞察を提供し、よりよい診断及び治療ストラテジーの機会を提供するであろう。MS患者の脳脊髄液(CSF)の等電点電気泳動により、MS患者の95%においてオリゴクローナル性バンドの存在が明らかとなった(McLeanらの文献,(1990) Brain, 113:1269-89)。しかし、MRIと同様に、この知見は、MS患者に対して特異的でなく、ギラン‐バレー症候群、サルコイドーシス及び慢性髄膜炎を含むその他の神経疾患においても検出される。従って、個々の神経疾患、並びに急性及び慢性CNS疾患を区別する特異性及び感度には、個別のタンパク質というよりむしろ、疾患に関連したタンパク質のレパートリーの選別が必要であろう。
パーキンソン病は、年齢に関連した神経変性疾患であり、平均の発症年齢は55歳である。米国において、約1,000,000名が本疾患に罹患している。症例の95%は散発性であり、明白な遺伝的関連はない。パーキンソン病は、深刻な有病率及び罹患者間の死亡率の上昇を引き起こす。パーキンソン病患者の身体障害、生産性喪失、及び医薬治療に関連したコストは、年間260億ドルを超える。
現在利用可能なパーキンソン病療法は、対症療法であり、治癒的又は疾患-修飾する療法はわかっていない。レボドパ治療は、本疾患の管理療法の中心であるが、長期治療は、5年以内の運動症状の変動及びジスキネジーの発生に関連している(Rascol, O., Brooks, D. J., Korczyn, A. D., DeDeyn, P. P., Clarke, C. E., Lang, A. E.の文献, 『ロピニロール又はレボドパ治療を受ける患者におけるジスキネジー発症率の5年試験(A five-year study of the incidence of dyskinesia in patients with early Perkinson's disease who were treated with ropinirole or levodopa)』, New England Journal of Medicine, 342:1484-1491 (2000))。ドパミンと反対に作用するコリン作動性神経細胞を阻害する抗コリン作用薬を用い、振戦及び筋固縮を治療する。カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ阻害剤は、レボドパの3-O-メチルドパへの末梢及び中枢での代謝を妨害し、その結果レボドパの「wearing-off」時間を延長する。
全般的に、現在の薬理学的治療の有効性は、極めて限定的であり、パーキンソン病治療に向けた改善された方法が依然必要とされている。
既存の、多くは不適当な、上記の神経学的状態及び神経精神医学的状態のための試験に時間がかかりすぎるため、並びにその費用のため、
・神経学的状態のサブセットが診断に含まれるか、又は除外されるべきであることを示す、
・これらの神経学的状態のうちの1つの陽性診断を導く(又は、逆に、それを潜在的疾患の一覧から除外することを可能にする)、
のいずれかであろう、脳組織、CSF、血液若しくは尿などの試料中の物質又は物質群を測定できることが、非常に望まれるであろう。
本発明は、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、及び鬱病を含む神経疾患のスクリーニング、診断及び治療のための、並びに上記状態の治療のための薬物のスクリーニング及び開発のための方法及び組成物を提供する。
本発明の第3の態様は、上に詳述した方法に使用してもよく、かつ単一若しくは複数の製剤又は抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)を、必要に応じて、その他の試薬、ラベル、基質、及び使用に関する説明書と共に含んでもよいキットを提供する。キットは、疾患診断のために使用してもよく、又は新たな診断薬及び/若しくは治療薬の同定のためのアッセイ法であってもよい。
本発明の第5の態様は、本発明のタンパク質アイソフォーム、その類似体若しくは関連ポリペプチドの特徴、例えばその発現又は結合活性を調節する(例えば、アップレギュレートする、若しくはダウンレギュレートする)薬剤をスクリーニングする方法を提供する。
その他の目的及び利点は、以下の事例的図面を併せることで、次の詳細な記述の総説から明らかになるであろう。
以下に詳細に記述する本発明は、例えば哺乳動物被験体において神経疾患をスクリーニング、診断及び治療するために、及び薬物スクリーニング及び薬物開発のために有用なタンパク質アイソフォーム、並びに対応する方法、組成物及びキットを提供する。また、本発明は、神経疾患を治療又は予防するための、哺乳動物被験体に対する治療的組成物の投与を包含する。哺乳動物被験体は、非ヒト哺乳類であってもよいが、好ましくはヒト、より好ましくはヒト成人、すなわち少なくとも21歳(特に少なくとも35歳、少なくとも50歳、少なくとも60歳、少なくとも70歳又は少なくとも80歳)のヒト被験者である。本発明の方法及び組成物は、生きた被験体をスクリーニング、診断及び治療するために有用であるだけでなく、例えば同病を発病するリスクのある被験体の家族のメンバーを同定するために、被験体の死後の診断のためにも使用してよい。
以下の定義は、本開示の概説の際の補助のために提供される。
「診断」は、診断、予後、モニタリング、臨床試験の参加者を選択すること、特定の治療的処置に反応する可能性が最も高い患者を同定することをいう。「治療」は、療法、予防及び予防法をいう。
「薬剤」は、医薬組成物及び診断用組成物を調製するために使用してもよいか、又はこのような目的のために独立して使用してもよい化合物、核酸、ポリペプチド、断片、アイソフォーム若しくはその他の材料であってもよい全ての材料をいい、全てが本発明に従う。
「タンパク質アイソフォーム相同分子種」は:(i)タンパク質アイソフォームのものと類似のアミノ酸配列を含み、及び(ii)タンパク質アイソフォームのものと類似の又は同一の機能を有する、非ヒトポリペプチドをいう。
「タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチド」は、タンパク質アイソフォーム相同体、タンパク質アイソフォーム類似体、タンパク質アイソフォーム相同分子種又はその任意の組合せをいう。
「誘導体」は、アミノ酸残基置換、欠失又は付加の導入によって変化された第2のポリペプチドのアミノ酸配列を含むポリペプチドをいう。誘導体ポリペプチドは、第2のポリペプチドと類似の又は同一の機能を有する。
「治療」は、予防法(予防)のための、又は患者が苦しめられている場合は虚弱若しくは疾病を治癒させるための、患者に対する医薬の投与又は医学技法の実行をいう。
被験体由来の脳組織の試料は、例えば、被験体の側頭葉から得ることができる。
「被験体」という言及は、典型的には、ヒト被験体を意味する。
本発明の一つの態様において、神経疾患のスクリーニング、治療又は診断のための本発明のタンパク質アイソフォームと関連した1つ以上の特徴の発現を検出又は定量化するために、二次元電気泳動を使用して、被験体、好ましくは生きた被験体からのCSF又は脳組織を解析する。
本発明の態様に従って、本明細書に開示した本発明の新たなタンパク質アイソフォームと関連した特徴は、神経疾患を有する被験体由来のCSF及び/又は脳組織試料を試料神経疾患がない被験体由来のCSF及び/又は脳組織に対して比較することによって同定された。神経疾患がない被験体には、公知の疾患又は状態をもたない被験体(健常人)を含む。
加えて、図3は、正常対照及びAD患者のCSFにおける本発明の好ましいタンパク質アイソフォームの相対的存在量を図示する。ここでも再度、疾患試料中において増加した存在量のタンパク質アイソフォームが観察される。
最後に、本発明のタンパク質アイソフォームは、AD患者の多くの側頭葉組織の1Dゲル分析によっても検出されたが、非-認知症対照の脳組織からは一度も検出されなかった。
別の本発明のタンパク質アイソフォームは、pI約7.25及び分子量約12234Daを有する、CSFから同定されたタンパク質アイソフォームである。このタンパク質アイソフォームは典型的には、配列番号:3の配列を含む。
別の本発明のタンパク質アイソフォームは、pI約6.72及び分子量約27959Daを有する、CSFから同定されたタンパク質アイソフォームである。このタンパク質アイソフォームは典型的には、配列番号:2の配列を含む。
別の本発明のタンパク質アイソフォームは、分子量約17391Daを有する、側頭葉から同定されたタンパク質アイソフォームである。このタンパク質アイソフォームは典型的には、配列番号:3の配列を含む。
別の本発明のタンパク質アイソフォームは、分子量約17980Daを有する、側頭葉から同定されたタンパク質アイソフォームである。このタンパク質アイソフォームは典型的には、配列番号:3の配列を含む。
好ましい実施態様において、被験体由来のCSF又は脳生検を、複数のタンパク質アイソフォームの定量的検出のために解析する。
(a)被験体由来の体液又は組織の試験試料を分析することであり、該試料が表1に列記されたタンパク質アイソフォームから選択された少なくとも1種のタンパク質アイソフォームを含むこと;及び
(b)試験試料中の該タンパク質アイソフォーム(群)の存在量を、神経疾患を有さない1名以上由来の試験試料中の該タンパク質アイソフォーム(群)の存在量、又は神経疾患のない被験体においてそのタンパク質アイソフォームについて前もって決定された基準範囲と比較すること:を含み、ここで診断又はスクリーニングにおける陽性結果又は該神経疾患のより進行した状態の予後は、試験試料中の該タンパク質アイソフォーム(群)の存在量の、神経疾患のない1名以上由来の試験試料中の該タンパク質アイソフォーム(群)の存在量、又は神経疾患のない被験体においてそのタンパク質アイソフォームについて前もって決定された基準範囲と比べた、増加で示される。
工程(a)の分析は好都合なことに、特徴の二次元アレイを作製する、二次元電気泳動により実行される。例えばこれは、等電点電気泳動、それに続くドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE)を含んでよい。
「定量的検出」は、絶対的定量的検出に加え、標準に対し又は他の試料に対し定量的な検出を包含している。
試験被験体のCSF又は脳組織中の該タンパク質アイソフォーム(群)の存在量を、神経疾患のない1名以上のCSF又は脳組織中の該タンパク質アイソフォーム(群)の存在量、又は神経疾患のない被験体においてそのタンパク質アイソフォームについて前もって決定された基準範囲と比較すること:を含み、ここで診断又はスクリーニングにおける陽性結果又は該神経疾患のより進行した状態の予後は、試験被験体のCSF又は脳組織中の該タンパク質アイソフォーム(群)の存在量の、神経疾患のない1名以上のCSF又は脳組織中の該タンパク質アイソフォーム(群)の存在量、又は神経疾患のない被験体においてそのタンパク質アイソフォームについて前もって決定された基準範囲と比べた、増加で示される。
一つの実施態様において、神経疾患はアルツハイマー病である。別の実施態様において、神経疾患はパーキンソン病である。別の実施態様において、神経疾患は多発性硬化症である。別の実施態様において、神経疾患は、鬱病、特に双極性II型鬱病である。
本発明の診断法及び組成物は、例えば神経疾患のための療法を評価して、臨床研究をモニターするのを補助することができる。一つの実施態様において、候補分子は、神経疾患がない被験体において、又は下記の薬物で治療された被験体に見いだされるレベルまで神経疾患を有する被験体におけるタンパク質アイソフォームレベルを回復する能力について試験される:例えば、下記薬剤を用いた鬱病の治療後である:気分安定剤−リチウム、ジバルプロエクス、カルバマゼピン、ラモトリジン;抗鬱薬−三環系抗鬱薬(例えば、デシプラミン、クロルイミプラミン、ノルトリプチリン)、選択的セロトニン再取込み阻害薬(フルオキセチン(プロザック)、セルトラリン(ゾロフト)、パロキセチン(パキシル)、フルボキサミン(ルボックス)及びシタロプラム(セレクサ)を含むSSRI)、MAOI、ブプロピオン(ウェルブトリン)、ベンラファキシン(エフェクサー)及びミルトラザピン(レメロン);及び非定型抗精神病薬:クロザピン、オランザピン、リスペリドンである。レボドパ、抗コリン作用薬、ロピニロール、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、又はB型モノアミンオキシダーゼの阻害剤(セレギリン及びアマンタジン)を用いた、パーキンソン病の治療後。コリンエステラーゼ阻害剤を用いたアルツハイマー病の治療後。インターフェロン-1b(ベータセロン(登録商標)、ベータフェロン(登録商標))、インターフェロン-1a(アボネックス(登録商標)、レビフ(登録商標))、グラチラマーアセテート(コパキソン(登録商標))、静脈免疫グロブリンを用いた再発寛解型のMSの治療後、及び非神経障害値で又はその近くでタンパク質アイソフォームレベルを保持するための副腎皮質ステロイドを用いた急性の再発療法の治療後(Noseworthyの文献,(1999) Nature 399:suppl. A40-A47))。1つ以上のタンパク質アイソフォームのレベルをアッセイすることができる。
特定の態様において、本発明は、単離された哺乳動物タンパク質アイソフォーム、好ましくはヒトタンパク質アイソフォーム、及び抗原決定基を含む(すなわち、抗体若しくはアフィボディーなどのその他の親和性試薬によって認識することができる)か、又はさもなければ機能的に活性のあるその断片、並びに前述のものをコードする核酸配列を提供する。本明細書に使用される「機能的に活性な」とは、完全長(野生型)タンパク質アイソフォームと関連した1つ以上の機能的な活性、例えばタンパク質アイソフォーム基質又はタンパク質アイソフォーム結合パートナーに対する結合、抗原性(抗タンパク質アイソフォーム抗体に対する結合)、免疫原性、酵素活性などを示す材料をいう。
別の代替的実施態様において、未変性のタンパク質アイソフォームは、上記のものなどの標準的方法(例えば、免疫親和性精製)によって、天然の供与源から精製することができる。
タンパク質アイソフォームをコードする遺伝子をクローニングするための詳細な実施態様を、限定ではなく例示手段として下記に示してある。
DNA及びRNAを含み、かつタンパク質アイソフォーム若しくはその断片又はタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドをコードする配列を含む本発明のヌクレオチド配列は、従来の化学物質アプローチ又はポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)増幅を使用するなどの当該技術分野において公知の方法を使用して合成してもよい。また、例えば本発明のヌクレオチド配列は、cDNAライブラリー、ゲノムライブラリー又は発現ライブラリーをスクリーニングすることによるものを含む、タンパク質アイソフォーム相同体又はタンパク質アイソフォーム相同分子種をコードする遺伝子の同定及びクローニングができる。
タンパク質アイソフォーム、タンパク質アイソフォーム類似体、タンパク質アイソフォーム関連ペプチド、又は前述のいずれかの断片若しくはその他の誘導体をコードするヌクレオチド配列を、適切な発現ベクター、すなわち挿入されたタンパク質コード配列の転写及び翻訳のために必要なエレメントを含むベクターに挿入することができる。また、必要な転写シグナル及び翻訳シグナルは、タンパク質アイソフォーム若しくはそのフランキング領域をコードする未変性の遺伝子又はタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチド若しくはそのフランキング領域をコードする未変性の遺伝子によって供給することもできる。本発明において種々の宿主‐ベクター系を利用してタンパク質コード配列を発現させてもよい。これらには、ウイルス(例えば、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、その他)で感染される哺乳動物細胞系;ウイルス(例えば、バキュロウイルス)で感染される昆虫細胞系;微生物、例えば酵母を含む酵母ベクター;又はバクテリオファージ、DNA、プラスミドDNA若しくはコスミドDNAで形質転換される細菌;を含むが、これらに限定されない。ベクターの発現エレメントにより、これらの強度及び特異性が変化する。利用される宿主‐ベクター系に応じて、多数の適切な転写エレメント及び翻訳エレメントのうちのいずれか1つを使用してもよい。具体的実施態様において、ヒト遺伝子をコードするヌクレオチド配列(又はヒトタンパク質アイソフォームの機能的に活性な部分をコードするヌクレオチド配列)が発現される。更に別の実施態様において、タンパク質アイソフォームのドメインを含むタンパク質アイソフォームの断片が発現される。
cDNA及びゲノム配列は両方とも、クローニングすること、及び発現させることができる。
本発明によって提供されるタンパク質アイソフォームの一部のドメインは、当該技術分野において公知であり、科学文献において記述されていた。更に、タンパク質アイソフォームのドメインは、当業者に公知の技術を使用して同定することができる。例えば、タンパク質アイソフォームの1つ以上のドメインは、以下のプログラム:ProDom、TMpred及びSAPSの1つ以上を使用することにより同定することができる。ProDomは、ポリペプチドのアミノ酸配列を、蓄積したドメインのデータベースと比較する(例えば、http://www.toulouse.inra.fr/prodom.html; Corpet F., Gouzy J. 及び Kahn D.の文献, 1999、Nucleic Acids Res., 27:263-267を参照されたい)。TMpredは、ポリペプチドの膜貫通領域及びこれらの向きを予測する。このプログラムは、天然に存在する膜貫通タンパク質のデータベースであるTMbaseの統計解析に基づくアルゴリズムを使用する(例えば、http://www.ch.embnet.org/software/TMPRED_form.html; Hofmann 及び Stoffelの文献,(1993)『TMbase-膜貫通タンパク質分節のデータベース(TMbase-A database of membrane spanning proteins segments)』 Biol. Chem. Hoppe-Seyler 347,166を参照されたい)。SAPSプログラムは、電荷クラスター、リピート、疎水性部分、構造ドメインのような統計学的に有意な特徴についてポリペプチドを解析する(例えば、Brendelらの文献, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 2002-2006を参照されたい)。従って、本記述に基づいて、当業者であれば、酵素活性又は結合活性を有するタンパク質アイソフォームのドメインを同定することができ、更にこのようなドメインをコードするヌクレオチド配列を同定することができる。次いで、これらのヌクレオチド配列は、タンパク質アイソフォームの酵素活性又は結合活性を保持するタンパク質アイソフォーム断片の組換え発現のために使用することができる。
当業者によれば、3つの主な型の親和性試薬-モノクローナル抗体、ファージディスプレイ抗体及びアフィボディー又はドメイン抗体(dAb)などの小分子がある。一般に、本発明に従った適用において、抗体の使用が明示される場合、その他の親和性試薬(例えば、アフィボディー又はドメイン抗体)を使用してもよい。
本発明に従って、タンパク質アイソフォーム、タンパク質アイソフォーム類似体、タンパク質アイソフォーム関連タンパク質又は前述のいずれかの断片若しくは誘導体を免疫原として使用して、このような免疫原に免疫特異的に結合する抗体を産生してもよい。このような免疫原は、上記の方法を含む任意の便利な手段によって単離することができる。本発明の抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、ヒト化抗体又はキメラ抗体、単鎖抗体、Fab断片及びF(ab')断片、Fab発現ライブラリーによって産生される断片、抗イディオタイプ(抗-Id)抗体、並びに上記のいずれかのエピトープ結合断片を含むが、これらに限定されない。本明細書で使用される「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち抗原に特異的に結合する抗原結合部位を含む分子をいう。例えば、『基礎免疫学』(Fundamental Immunology), 第3版, W.E. Paul, 編, Raven Press, N.Y. (1993); Wilsonの文献, (1994) J. Immunol. Methods 175:267-273; Yarmushの文献, (1992) J. Biochem. Biophys. Methods 25:85-97を参照されたい。本発明の免疫グロブリン分子は、免疫グロブリン分子のいずれのクラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD及びIgA)又はサブクラスであることもできる。用語抗体は、抗原へ結合する能力を保持している抗原-結合部位、すなわち「抗原に結合する部分」(例えば、断片、部分配列、相補性決定領域(CDR))を含み、これは(i)VL、VH、CL及びCH1ドメインからなる単価断片である、Fab断片;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド結合により連結された2個のFab断片を含む二価断片である、F(ab')2断片;(iii)VH及びCH1ドメインからなる、Fd断片;(iv)抗体の1本の腕のVL及びVHドメインからなる、Fv断片、(v)VHドメインかならる、dAb断片(Wardらの文献, (1989) Nature, 341:544-546);並びに、(vi)単離された相補性決定領域(CDR)を含む。単鎖抗体も、用語「抗体」に含まれる。
式中
r=平衡時の結合したリガンドのモル数/受容体のモル数;
c=平衡時の遊離リガンド濃度;
K=平衡会合定数;及び
n=受容体分子1個あたりのリガンド結合部位の数。
前述の抗体は、本発明のタンパク質アイソフォームの局在化及び活性に関連した技術分野において公知の方法において、例えばこれらのタンパク質をイメージングするために、適切な生理学的試料におけるこれらのレベルを測定するために、診断法などに使用することができる。
アフィボディー分子は、ブドウ球菌タンパク質AのIgG-結合ドメインのものに由来する58アミノ酸残基タンパク質ドメインに基づいた親和性タンパク質の新たな種類を表す。この3つのヘリックスバンドルドメインはコンビナトリアルファージミドライブラリーの構築のための足場として使用されてきており、これからファージディスプレイ技術を使用して所望の分子を標的化するアフィボディー変異体を選択することができる(Nord K, Gunneriusson E, Ringdahl J, Stahl S, Uhlen M, Nygren PAの文献, 『α-ヘリカル細菌受容体ドメインのコンビナトリアルライブラリーから選択された結合タンパク質(Binding proteins selected from combinatorial libraries of an α-helical bacterial receptor domain)』, Nat Biotechnol 1997;15:772-7;Ronmark J, Gronlund H, Uhlen M, Nygren PAの文献, 『ヒト免疫グロブリンA(IgA)−タンパク質Aのコンビナトリアル操作からの特異的リガンド(Human immunoglobulin A (IgA)-specific ligands from combinatorial engineering of protein A)』, Eur J Biochem 2002;269:2647-55)。これらの低分子量(6kDa)と組合せでのアフィボディー分子の単純な強い構造は、多種多様な適用、例えば検出試薬としての適用にそれらを適合化させ(Ronmark J, Hansson M, Nguyen Tらの文献, 『大腸菌で産生されたアフィボディー-Fcキメラの構築及び特徴づけ(Construction and charecterization of affibody-Fc chimeras produced in Escherichia coli)』, J Immunol Methods 2002;261:199-211)、及び受容体相互作用を阻害する(Sandstorm K, Xu Z, Forsberg G, Nygren PAの文献, 『コンビナトリアルタンパク質操作によって開発されたCD28結合アフィボディーによる、CD28-CD80共刺激の阻害(Inhibition of the CD28-CD80 co-stimulation signal by a CD28-binding Affibody ligand developed by combinatorial protein engineering)』, Protein Eng 2003;16:691-7)。アフィボディーに関する詳細及びその産生方法は、その全体が本明細書に引用により組み込まれる米国特許第5831012号を参照することによって得られるであろう。
また、標識されたアフィボディーは、アイソフォームの存在量を決定するためのイメージング用途に有用であろう。
ドメイン抗体(dAb)は、ヒト抗体の重(VH)鎖又は軽(VL)鎖の可変領域に対応する抗体のうちの最も小さな機能的結合単位である。ドメイン抗体は、およそ13kDaの分子量を有する。Domantisは、完全ヒトVH及びVL dAbの一連の大きく、かつ高度に機能的なライブラリー(それぞれのライブラリーにおける10,000,000,000を超える異なる配列)を開発して、これらのライブラリーを治療標的に対して特異的なdAbを選択するために使用する。多くの普通抗体とは対照的に、ドメイン抗体は、細菌、酵母及び哺乳動物細胞系において十分に発現される。ドメイン抗体に関する更なる詳細及びその産生方法は、米国特許第6,291,158号;第6,582,915号;第6,593,081号;第6,172,197号;第6,696,245号;米国特許出願第2004/0110941号;欧州特許出願第1433846号、並びに欧州特許第0368684号及び第0616640号;WO05/035572、WO04/101790、WO04/081026、WO04/058821、WO04/003019及びWO03/002609(これらのそれぞれは、その全体が本明細書に引用により組み込まれる)を参照することによって得られるであろう。
(5.9.1 抗体の発現)
本発明の抗体は、抗体の合成のための当該技術分野において公知の任意の適切な方法により、特に、化学合成によるか、又は組換え発現により産生することができ、好ましくは組換え発現技術によって産生される。
抗体又はその断片、誘導体若しくは類似体の組換え発現には、抗体をコードする核酸の構築が必要である。抗体のヌクレオチド配列が公知である場合、抗体をコードする核酸は、化学的に合成されたオリゴヌクレオチドから集成してもよく、(例えば、Kutmeierらの文献, 1994, BioTechniques, 17:242)に記載されているように)、これには、簡単には、抗体をコードする配列の部分を含む重複するオリゴヌクレオチドの合成、これらのオリゴヌクレオチドのアニーリング及びライゲーション、次いでPCRによる結合されたオリゴヌクレオチドの増幅を含む。
本発明の組換え抗体を発現するために使用される宿主細胞は、大腸菌(Escherichia coli)などの細菌細胞、又は好ましくは、特に組換え抗体分子全体の発現のためには真核細胞のいずれであってもよい。特に、ヒトサイトメガロウイルス由来の主要中間初期遺伝子プロモーターエレメントなどのベクターと併用するチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)などの哺乳動物細胞は、抗体のための有効な発現系である(Foeckingらの文献, 1986, 45:101 Gene;Cockettらの文献, 1990 Bio/Technology 8:2)。
組換え抗体の長期多収の産生のためには、安定な発現が好ましい。例えば、関心対象の抗体を安定に発現する株化細胞は、抗体のヌクレオチド配列と選択可能なマーカー(例えば、ネオマイシン又はハイグロマイシン)のヌクレオチド配列とを含む発現ベクター細胞にトランスフェクトし、選択可能なマーカーの発現について選択することによって産生することができる。このような操作された株化細胞は、特に抗体分子と直接又は間接的に相互作用する化合物のスクリーニング及び評価に有用であろう。
治療的用途に関して、抗体(特に、モノクローナル抗体)は、適切には、ヒト抗体又はヒト化された動物(例えば、マウス)抗体であってもよい。動物抗体は、免疫原としてヒトタンパク質(例えば、タンパク質アイソフォーム)を使用して動物において生じさせてもよい。ヒト化は、典型的にはヒトフレームワーク領域内に、これにより同定されるCDRを移植することを含む。通常、鎖の高次構造を最適化するためにいくつかのその後のレトロ突然変異が必要とされる。このような方法は、当業者に公知である。
アフィボディーの構築は、他に記述されており(Ronnmark J, Gronlund H, Uhle´ n, M., Nygren P.Aの文献, 『ヒト免疫グロブリンA(IgA)−タンパク質Aのコンビナトリアル操作からの特異的リガンド(Human immunoglobulin A (IgA)-specific ligands from combinatorial engineering of protein A)』, 2002, Eur. J. Biochem. 269, 2647-2655.)、アフィボディーファージディスプレイライブラリーの構築を含む(Nord, K., Nilsson, J., Nilsson, B., Uhle´ n, M. & Nygren, P.Aの文献, 『a-ヘリカル細菌受容体ドメインのコンビナトリアルライブラリー(A combinatorial library of an a-helical bacterial receptor domain)』, 1995, Protein Eng. 8, 601-608. Nord, K., Gunneriusson, E., Ringdahl, J., Sta hl, S., Uhle´ n, M. & Nygren, P.Aの文献, 『a-ヘリカル細菌受容体ドメインのコンビナトリアルライブラリーから選択された結合タンパク質(Binding proteins selected from combinatorial libraries of an a-helical bacterial receptor domain)』, 1997, Nat. Biotechnol.15, 772-777.)。
好ましい実施態様において、抗タンパク質アイソフォーム抗体又はそれらの断片は、診断的又は治療的部分に抱合される。抗体は、例えば診断のために、又は所与の治療計画の有効性を決定するために使用することができる。検出は、検出可能な物質に対する抗体を結合することによって容易にすることができる。検出可能な物質の例には、種々の酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光材料、生物発光材料、放射性核種、ポジトロン放射金属(ポジトロン放出断層撮影での使用)及び非放射性常磁性金属イオンを含む。一般に、本発明に従った診断法として使用するために抗体に抱合することができる金属イオンについての米国特許第4,741,900号を参照されたい。適切な酵素には、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β‐ガラクトシダーゼ又はアセチルコリンエステラーゼを含み;適切な補欠分子族には、ストレプトアビジン、アビジン及びビオチンを含み;適切な蛍光物質には、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド及びフィコエリトリンを含み;適切な発光材料には、ルミノールを含み;適切な生物発光の材料には、ルシフェラーゼ、ルシフェリン及びエクオリンを含み;及び適切な放射性核種には、125I、131I、111In及び99Tcを含む。また、68Gaも使用され得る。
抗体は、これに抱合された治療的部分の有無にかかわらず、単独で、又は細胞障害性因子(類)及び/若しくはサイトカイン(類)と組合せて投与される治療薬として使用することができる。
本発明に従って、例えば神経疾患を有することが疑われるか、又はそれが既知の被験体から得られたCSFなどの適切な試験試料を診断のために使用することができる。一つの実施態様において、対照試料(神経疾患がない被験体又は被験体群由来)又は前もって決定された基準範囲に相対的な試験試料における1つ以上のタンパク質アイソフォームの存在量の変化は、神経疾患の存在を示し;この目的のために適したタンパク質アイソフォームは、上記の詳細に記載したように、表Iにおいて同定される。別の実施態様において、対照試料又は前もって決定された基準範囲と比較した試験試料における1つ以上のタンパク質アイソフォームの相対的存在量は、神経疾患のサブタイプ(例えば、神経疾患の家族性又は散発性変異体)を示す。更に別の実施態様において、対照試料又は前もって決定された基準範囲に相対的な試験試料における1つ以上のタンパク質アイソフォーム(又はそのいずれかの組合せ)の相対的存在量は、神経疾患の程度又は重症度を示す。任意の上述した方法において、本明細書に記述した1つ以上のタンパク質アイソフォームの検出は、アポリポタンパク質E(ApoE)、アミロイドβ-ペプチド(Aβ)、τ及び神経スレッドタンパク質(NTP)、等電点電気泳動によって示されるCSFにおけるオリゴクローナル免疫グロブリンバンド(Reiber Hらの文献,(1998)Mult Scler, 3:111-7)を含むが、これらに限定されない神経疾患に関する1つ以上の更なる生物マーカーの検出と任意に組合せてよい。本明細書に記述した好ましい技術、キナーゼアッセイ法、タンパク質アイソフォームを検出及び/又は視覚化する免疫アッセイ法(例えば、ウエスタンブロット法、免疫沈降に続くドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動、免疫細胞化学、その他)を含むが、これらに限定されない任意の当技術分野における適切な方法を使用してタンパク質アイソフォームのレベルを測定することができる。タンパク質アイソフォームが公知の機能を有する場合、その機能に関するアッセイ法を使用して、タンパク質アイソフォーム発現を測定してよい。更なる実施態様において、対照試料又は前もって決定された基準範囲に相対的な試験試料における表Iで同定された1つ以上のタンパク質アイソフォーム(又はその任意の組合せ)をコードするmRNAの存在量の変化は、神経疾患の存在を示す。任意の適切なハイブリダイゼーションアッセイ法を使用して、タンパク質アイソフォームをコードするmRNAを検出及び/又は視覚化することによってタンパク質アイソフォーム発現を検出する(例えば、ノーザンブロットアッセイ法、ドットブロット法、インサイチューハイブリダイゼーション法、その他)ことができる。
本発明は、タンパク質アイソフォームと結合するか、又はタンパク質アイソフォームの発現又は活性に対する刺激作用若しくは阻害作用を有する薬剤(例えば、化学物質、タンパク質又はペプチド)を同定するための方法を提供する。また、本発明は、タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチド若しくはタンパク質アイソフォーム融合タンパク質と結合するか、又はタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチド若しくはタンパク質アイソフォーム融合タンパク質の発現又は活性に対する刺激作用若しくは阻害作用を有する薬剤、候補化合物又は試験化合物を同定する方法を提供する。薬剤、候補化合物又は試験化合物の例には、核酸(例えば、DNA及びRNA)、炭水化物、脂質、タンパク質、ペプチド、ペプチド擬態、小分子及び他の薬物を含むが、これらに限定されない。薬剤は:生物学的ライブラリー;空間的にアドレス指定可能な並列固相又は溶液相ライブラリー;逆重畳を必要とする合成ライブラリー法;「1ビーズ1化合物」ライブラリー法;及びアフィニティークロマトグラフィー選択を使用する合成ライブラリー法;を含む、任意の当該技術分野において公知のコンビナトリアルライブラリー法における多数の適切なアプローチを使用して得ることができる。生物学的ライブラリーアプローチは、ペプチドライブラリーに限定されるが、一方その他の4つのアプローチは、ペプチドライブラリー、非ペプチドオリゴマーライブラリー又は化合物の小分子ライブラリーに適用できる(Lamの文献,1997,Anticancer Drug Des., 12:145;米国特許第5,738,996号;及び米国特許第5,807,683号、それぞれ、その全体が引用により本明細書に組み込まれる)。
本発明は、上記スクリーニングアッセイ法によって同定される新規薬剤及び本明細書に記述したような治療のためのその使用を更に提供する。
本発明は、治療薬の投与による種々の疾患及び障害の治療又は予防を提供する。このような薬剤には:タンパク質アイソフォーム、タンパク質アイソフォーム類似体、タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチド及びその誘導体(断片を含む);前述のものに対する抗体(又はアフィボディーなどの他の親和性試薬);タンパク質アイソフォーム、タンパク質アイソフォーム類似体、タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチド及びその断片をコードする核酸;タンパク質アイソフォーム又はタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドをコードする遺伝子に対するアンチセンス核酸;並びに、タンパク質アイソフォーム又はタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドをコードする遺伝子のモジュレーター(例えば、アゴニスト及びアンタゴニスト);を含むが、これらに限定されない。本発明の重要な特徴は、神経疾患に関与するタンパク質アイソフォームをコードする遺伝子の同定である。神経疾患は、神経疾患を有する被験体のCSFにおいて減少した1つ以上のタンパク質アイソフォームの機能若しくは発現を促進する治療的化合物の投与によって、又は神経疾患を有する被験体のCSFにおいて増大した1つ以上のタンパク質アイソフォームの機能又は発現を減少させる治療的化合物の投与によって、治療すること(例えば、症候を改善させること、又は発病若しくは進行を遅延させること)又は予防することができる。
神経障害は、神経疾患を有する疑いがあるか、又は神経疾患を有する、若しくは神経疾患を発病するリスクがあることが既知である被験体に対して、神経疾患を有する被験体のCSF又は脳組織において、その神経疾患がない被験体のCSF又は脳組織と比較して差動的に存在する1つ以上のタンパク質アイソフォームレベル又は活性(すなわち、機能)を調節する(すなわち、増大又は減少させる)薬剤を投与することによって治療又は予防することができる。更に、そのような薬剤は、神経疾患を治療するための医薬品の製造において使用しても良い。一つの実施態様において、神経疾患は、特定の神経疾患を有する疑いがあるか、又は特定の神経疾患を有する、若しくは特定の神経疾患を発病するリスクがあることが既知である被験体に対して、上記神経疾患を有する被験体のCSF又は脳組織において減少された1つ以上のタンパク質アイソフォームレベル又は活性(すなわち、機能)をアップレギュレートする(すなわち、増大させる)薬剤を投与することによって治療することができる。別の実施態様において、特定の神経疾患を有する被験体のCSFにおいて増大された1つ以上のタンパク質アイソフォームのレベル又は活性(すなわち機能)をダウンレギュレートする薬剤が投与される。このような化合物の例には:タンパク質アイソフォーム、タンパク質アイソフォーム断片及びタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチド;タンパク質アイソフォーム、タンパク質アイソフォーム断片及びタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドをコードする核酸(例えば、遺伝子療法に使用するため);並びに、酵素活性を有するタンパク質アイソフォーム又はタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドに関する、その酵素活性を調節することがわかっている化合物又は分子を含むが、これらに限定されるない。使用することができるその他の化合物、例えばタンパク質アイソフォームアゴニストは、先に、若しくはさらに以前に定義し、又は記述したようなインビトロでのアッセイ法を使用して同定することができる。
別の実施態様において、タンパク質アイソフォーム、タンパク質アイソフォームの断片、タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチド又はタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドの断片をコードする配列を含む核酸は、遺伝子療法によってタンパク質アイソフォーム機能を促進するために投与される。遺伝子療法は、被験体への、発現されるか又は発現可能な核酸の投与をいう。この実施態様では、核酸がそのコードされたポリペプチドを産生して、ポリペプチドがタンパク質アイソフォーム機能を促進することによって治療効果を媒介する。
当該技術分野において利用可能な遺伝子療法のための任意の適切な方法を本発明に従って使用することができる。
また、アデノ随伴ウィルス(AAV)も、遺伝子療法における使用に提唱されている(Walshの文献, 1993、Proc. Soc. Exp. Biol. Med. 204:289-300;米国特許第5,436,146号)。
好ましい実施態様において、遺伝子療法のために使用される細胞は、治療される被験体に対して自己由来である。
別の実施態様において、遺伝子療法のために導入される核酸は、核酸の発現が適切な転写誘導因子の有無を制御することによって制御可能であるように、コード領域に機能的に連結された誘導性プロモーターを含んでいてもよい。
本発明の一つの実施態様において、神経疾患は、神経疾患を有する被験体のCSFにおいて、上記神経疾患がない被験体のCSFと比較して上昇している1つ以上のタンパク質アイソフォームのレベル(群)及び/又は機能(群)をアンタゴナイズする(阻害する)化合物の投与によって治療又は予防される。この目的のために有用な化合物には、抗タンパク質アイソフォーム抗体(並びにその結合領域を含む断片及び誘導体並びにアフィボディーなどの他の親和性試薬)、タンパク質アイソフォームアンチセンス又はリボザイム核酸、siRNA、及び相同組換えによって内因性タンパク質アイソフォーム機能を「ノックアウトする」ために使用される機能異常タンパク質アイソフォームをコードする核酸(例えば、Capecchiの文献, 1989, Science,244:1288-1292を参照されたい)を含むが、限定されない。タンパク質アイソフォーム機能を阻害するその他の化合物は、公知のインビトロでのアッセイ法、例えば試験化合物がタンパク質アイソフォームの別のタンパク質又は結合パートナーに対する結合を阻害するか、又は公知のタンパク質アイソフォーム機能を阻害する能力についてのアッセイ法を使用することによって同定することができる。好ましくは、このような阻害は、インビトロにおいて、又は細胞培養においてアッセイされるが、遺伝的アッセイ法を使用してもよい。また、好ましい技術を使用して、化合物の投与の前後のタンパク質アイソフォームのレベルを検出することができる。好ましくは、以下に詳細を記述したように、適切なインビトロでの又はインビボでのアッセイ法を利用して、特異的化合物の効果及びその投与が患部組織の治療の適応であるかどうかを決定する。
更なる実施態様において、タンパク質アイソフォーム発現は、タンパク質アイソフォームアンチセンス核酸を使用することによって阻害される。本発明は、タンパク質アイソフォームをコードする遺伝子又はcDNA又はそれらの一部にアンチセンスである少なくとも6ヌクレオチドを含む核酸又はその一部の治療的又は予防的使用を提供する。本明細書に使用されるタンパク質アイソフォーム「アンチセンス」核酸は、タンパク質アイソフォームをコードするRNA(好ましくはmRNA)の一部に対して相補的ないくつかの配列がハイブリダイズすることが可能である核酸をいう。アンチセンス核酸は、タンパク質アイソフォームをコードするmRNAのコード領域及び/又は非コード領域に対して相補的であってもよい。このようなアンチセンス核酸は、タンパク質アイソフォーム発現を阻害する化合物としての有用性を有し、神経疾患の治療又は予防に使用することができる。
本発明は、タンパク質アイソフォームアンチセンス核酸の治療的有効量と医薬として許容し得る担体、媒体又は希釈剤とを含む医薬組成物を更に提供する。
別の実施態様において、本発明は、本発明のタンパク質アイソフォームアンチセンス核酸を含む組成物の有効量を細胞に提供することを含む、原核細胞又は真核細胞においてタンパク質アイソフォーム核酸配列の発現を阻害するための方法を提供する。
タンパク質アイソフォームアンチセンス核酸及びその使用は、以下に詳細に記述してある。
タンパク質アイソフォームアンチセンス核酸は、少なくとも6ヌクレオチドであり、好ましくは6〜約50オリゴヌクレオチドの範囲のオリゴヌクレオチドである。具体的態様において、このオリゴヌクレオチドは、少なくとも10ヌクレオチド、少なくとも15ヌクレオチド、少なくとも100ヌクレオチド又は少なくとも200ヌクレオチドである。オリゴヌクレオチドは、DNA若しくはRNA又はキメラ混合物又はその誘導体若しくは修飾バージョンであることができ、一本鎖又は二本鎖であることができる。オリゴヌクレオチドは、塩基部分、糖残基又はリン酸骨格にて修飾することができる。オリゴヌクレオチドは、ペプチド;細胞膜を越えた輸送を容易にする薬剤(例えば、Letsingerらの文献, 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:6553-6556; Lemaitreらの文献, 1987, Proc. Natl. Acad. Sci. 84: 648-652;1988年12月15日に公開されたPCT公開番号WO88/09810を参照されたい)又は血液‐脳関門を越えた輸送を容易にする薬剤(例えば、1988年4月25日に公開されたPCT公開番号WO 89/10134を参照されたい);ハイブリダイゼーションでトリガーされる切断剤(例えば、Krolらの文献, 1988, BioTechniques, 6:958-976を参照されたい)、又はインターカレート剤(例えば、Zon, 1988, Pharm. Res. 5: 539-549を参照されたい)などのその他の付加された基を含んでいてもよい。
タンパク質アイソフォームアンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下の修飾塩基部分、例えば5-フルオロウラシル、5-ブロムモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルキュエオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシルキュエオシン、5-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン(wybutoxosine)、シュードウラシル、キュエオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、2,6-ジアミノプリン、及びその他の塩基類似体の任意の適切なものを含んでいてもよい。
更に別の実施態様において、オリゴヌクレオチドは、以下の修飾されたリン酸骨格:ホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、ホスホルアミドチオアート、ホスホロアミダート、ホスホルジアミダート、メチルホスホナート、アルキルリン酸トリエステル、ギ酸アセタール、又はギ酸アセタールの類似体を含む。
オリゴヌクレオチドは、別の分子、例えばペプチド、ハイブリダイゼーションでトリガーされる架橋剤、輸送剤、又はハイブリダイゼーション−誘発型の切断薬に抱合させてもよい。
標的タンパク質アイソフォームが神経疾患を有することが疑われるか、又は罹患している被験体のCSFにおいて過剰発現している場合、タンパク質アイソフォームアンチセンス核酸を使用して、神経疾患を治療又は予防することができる。好ましい実施態様において、一本鎖DNAアンチセンスタンパク質アイソフォームオリゴヌクレオチドが使用される。
タンパク質アイソフォームをコードするRNAを発現するか、又は過剰発現する細胞タイプは、当該技術分野において公知の種々の方法によって同定することができる。このような細胞タイプには、白血球(例えば、好中球、マクロファージ、単球)及び常在性細胞(例えば、アストロサイト、グリア細胞、神経細胞及び上衣細胞)を含むが、これらに限定されない。このような方法には、タンパク質アイソフォーム特異的核酸とのハイブリダイゼーション(例えば、ノーザンブロット法、ドットブロットハイブリダイゼーション、インサイチューハイブリダイゼーションによる)、インビトロにおいてタンパク質アイソフォームに翻訳される、細胞タイプ由来のRNAの能力を観察すること、免疫アッセイ法などを含むが、これらに限定されない。好ましい態様において、被験体由来の一次組織は、例えば免疫細胞化学又はインサイチューハイブリダイゼーションにより、治療前にタンパク質アイソフォーム発現についてアッセイすることができる。
神経疾患の治療に有効であると考えられるタンパク質アイソフォームアンチセンス核酸の量は、標準的な臨床技術によって決定することができる。
具体的実施態様において、1つ以上のタンパク質アイソフォームアンチセンス核酸を含む医薬組成物は、リポソーム、微小粒子又はマイクロカプセルを介して投与される。本発明の種々の実施態様において、このような組成物を使用してタンパク質アイソフォームアンチセンス核酸の制御放出性を達成してもよい。
別の実施態様において、神経疾患の症候は、タンパク質アイソフォームをコードする遺伝子配列を、タンパク質アイソフォームの遺伝子発現を減少させることが周知の遺伝子「ノックアウト」、リボザイム又は三重ヘリックス法と組合せて使用することにより、タンパク質アイソフォーム又はタンパク質アイソフォーム活性のレベルを減少させることによって改善させてもよい。このアプローチでは、リボザイム又は三重ヘリックス分子を使用して、タンパク質アイソフォームをコードする遺伝子の活性、発現又は合成を調節し、こうして神経疾患の症候を改善させる。このような分子は、突然変異体又は非突然変異体標的遺伝子の発現を減少、又は阻害するようにデザインしてもよい。このような分子の産生及び使用のための技術は、当業者に周知である。
リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒することができる酵素的RNA分子である(総説については、Rossi, 1994, Current Biology, 4, 469-471を参照されたい)。リボザイム作用メカニズムは、相補標的RNAに対するリボザイム分子の配列特異的ハイブリダイゼーション、続くヌクレオチド鎖切断イベントを含む。リボザイム分子の組成は、標的遺伝子mRNAに対して相補的な1つ以上の配列を含まなければならず、かつmRNA切断の役割を担う周知の触媒配列を含まなければならない。この配列については、例えば米国特許第5,093,246号を参照されたく、その全体が引用により本明細書に組み込まれる。
また、本発明のリボザイムは、テトラヒメナ(Tetrahymena thermophila)に天然に存在するもの(IVS又はL-19 IVS RNAとしても公知)、並びにThomas Cech及び協力者によって広範囲に記述されたもの(Zaugらの文献, 1984, Science, 224、574-578;Zaug 及び Cechの文献、1986, Science, 231, 470-475;Zaugらの文献, 1986, Nature, 324, 429-433;大学特許社によって公開された国際特許出願番号WO88/04300;Been及びCechの文献, 1986, Cell, 47、207-216)などの、RNAエンドリボヌクレアーゼ(以後「Cech型リボザイム」)を含む。Cech型リボザイムは、標的RNA配列にハイブリダイズし、その後に標的RNAの切断を引き起こす8塩基対活性部位を有する。本発明は、タンパク質アイソフォームをコードする遺伝子に存在する8塩基対活性部位配列を標的化するこれらのCech型リボザイムを包含する。
別の実施態様において、神経疾患の症状は、「ノックダウン」低分子干渉RNA(siRNA)配列を使用して、タンパク質アイソフォームのレベル又はタンパク質アイソフォーム活性を減少することにより改善されてもよい。このアプローチにおいて、siRNAを使用し、タンパク質アイソフォームをコードしている遺伝子の活性、発現又は合成を調節し、その結果神経疾患の症状を改善する。このような分子は、突然変異又は非突然変異標的遺伝子の発現を減少又は阻害するようにデザインされてよい。
好適なsiRNA分子及びそれらのインビボ産生が可能なベクターは、タンパク質アイソフォームの標的mRNA配列を参照し調製することができる。
また、本発明は、神経疾患の治療又は予防に対する化合物の有効性を同定又は検証するための医薬品の発見に使用するためのアッセイ法を提供する。薬剤は、これらが神経疾患を有する被験体におけるタンパク質アイソフォームレベルを神経疾患がない被験体において見いだされるレベルへ回復させる能力又は神経疾患の実験動物モデルにおいて同様の変化を生じさせる能力についてアッセイすることができる。神経疾患を有する被験体におけるタンパク質アイソフォームレベルを、神経疾患がない被験体において見いだされるレベルへ回復させるか、又は神経疾患の実験動物モデルにおいて同様の変化を生じさせることができる化合物は、更に創薬のためのリード化合物として使用することができるか、又は治療に使用することができる。タンパク質アイソフォーム発現は、好ましい技術、免疫アッセイ法、ゲル電気泳動に続く可視化、タンパク質アイソフォーム活性の検出、又は本明細書において教示したか、若しくは当業者に公知のその他の任意の方法によってアッセイすることができる。臨床モニタリングにおいて、又は薬物開発において、候補薬物をスクリーニングするためにこのようなアッセイ法を使用することができ、タンパク質アイソフォームの存在量を、臨床疾患のための代用マーカーとして役立てることができる。
種々の実施態様において、インビトロアッセイ法を被験体の障害に関与する細胞タイプにおいて代表的な細胞で実施して、化合物がこのような細胞タイプに対して所望の効果を有するかどうかを確認することができる。
好ましい実施態様において、このような神経疾患を有するヒトにおける神経疾患と関連した1つ以上症候の重症度を減少させる薬剤を、更なる試験又は治療的使用のために選択する。
本発明は、本発明の薬剤の有効量を被験体に投与することを含む治療方法を提供する。好ましい態様において、化合物は、実質的に精製されている(例えば、実質的にその効果を限定するか、又は望ましくない副作用を生じる物質がない)。被験体は、好ましくはウシ、ブタ、ウマ、ニワトリ、ネコ、イヌなどの動物含むが、これらに限定されない動物であり、好ましくは哺乳類、及び最も好ましくは、ヒトである。具体的実施態様において、非ヒト哺乳類が被験体である。
化合物が核酸を含むときに使用することができる製剤及び投与法は、先に記述してあり;更なる適切な製剤及び投与経路を以下に記述してある。
その他の適切な制御放出系は、Langerによる総説で論議されている(1990、Science 249:1527-1533)。
坐薬は、一般に重量の0.5%〜10%の範囲の活性成分を含み;経口製剤は、好ましくは10%〜95%の活性成分を含む。
イメージング技術によってタンパク質アイソフォームの存在量を決定することの利点は、このような方法が非侵襲的であり(試薬投与を不要にする)及び被験体から試料を抽出する必要がないことである。
適切なイメージング技術には、ポジトロン放出断層撮影(PET)及びシングルフォトンエミッションCT(SPECT)を含む。このような技術を使用するタンパク質アイソフォームの可視化には、適切なラベル、例えば18F、11C又は123Iなどの放射性トレーサの取込み又は結合が必要である(例えば、本技術の更なる詳細について、NeuroRx-Journal of American Society for Experimental Neuro Therapeutics (2005) 2(2), 348-360及び同上のページ361-371を参照されたい)。放射性トレーサは、適切に標識された特異的リガンドの被験体に対する投与によって(例えば、注射によって)タンパク質アイソフォームに組み込んでもよい。或いは、これらは、被験体に(例えば、注射によって)投与してもよいタンパク質アイソフォームに特異的な結合抗体(又はアフィボディーなどの親和性試薬)に組み込んでもよい。イメージングのためのアフィボディーの使用の考察については、例えばOrlova A、Magnusson M、Eriksson TL、Nilsson M、Larsson B、Hoiden-Guthenberg I、Widstrom C、Carlsson J、Tolmachev V、Stahl S、Nilsson FY、『ピコモル親和性HER2結合アフィボディー分子を使用する腫瘍イメージング(Tumor imaging using a picomolar affinity HER2 binding affibody molecule)、Cancer Res.2006年4月15日;66(8):4339-48を参照されたい)。
以下の例示的及び非限定的な手順を使用して、種々の神経疾患を有する被験体及び対照被験体由来のCSF試料中のタンパク質を等電点電気泳動し、それに続くSDS-PAGEにより分離して、解析した。下記に記載した手順のパート6.1.1〜6.1.19(含む)をここで「参照プロトコール」と命名する。
(6.1.1 試料調製)
それぞれのCSF試料について受け取り次第、タンパク質濃度アッセイ(Pierce BCA Cat# 23225)を行った。タンパク質分離の前に、関心対象のタンパク質の解析を妨げる、又は限定するかもしれないタンパク質を除去することによってタンパク質の分離の質を高め単純化し、解析を容易にするために、それぞれの試料には、一定のタンパク質の選択的除去のための処理を行った。1999年6月1日に出願された国際特許出願第PCT/GB99/01742を参照されたく、その全体は、特に3及び6ページに関して、引用により組み込まれる。
8M尿素(BDH 452043w)
4% CHAPS(Sigma C3023)
65mM ジチオスレイトール(DTT)
2%(v/v)レゾライト(Resolytes) 3.5-10(BDH 44338 2x)
この混合物を激しく攪拌し、13,000rpmで5分間15℃にて遠心分離し、上清を後述するように等電点電気泳動によって分離した。
等電点電気泳動(IEF)は、製造元の説明書に記述される手順に従ってイモビライン7 DryStrip Kit(Pharmacia BioTech社)を使用して行った。イモビライン7 ドライストリップキット、Pharmacia社、# 18-1038-63、エディションABを参照されたい(その全体が、引用により本明細書に組み込まれる)。固定化pH勾配(IPG)ストリップ(18cm、直線勾配でないpH3-10ストリップ;Pharmacia Cat. # 17-1235-01)を、イモビラインドライストリップユーザーズマニュアルに記載されているように8M尿素、2%(w/v)CHAPS、10mM DTT、2%(v/v)レゾライト3.5-10の溶液中で20℃にて一晩再水和させた。IEFについては、50μlの上清(上記のように調製した)をストリップの塩基側末端に置かれたカップ充填ユニットでストリップに充填した。次いで、充填したゲルを鉱油(Pharmacia 17-3335-01)で覆い、すぐに電圧を、Pharmacia EPS3500XL電力供給装置(Cat 19-3500-01)を使用して、以下のプロフィールに従ってストリップにかけた:
初期電圧=300V、2時間
3時間にわたって300Vから3500Vまでの直線傾斜
3500Vにて19時間保持
この過程の全段階について、電流の上限を12本のゲルで10mAに設定し、ワット数の上限を5Wとした。温度は、操作の全体において20℃に保った。
最終的な19時間の工程の後、ストリップをすぐに取り出し、以下の組成の第1の溶液:6M尿素;2%(w/v)DTT;2%(w/v)SDS;30%(v/v)グリセロール(Fluka 49767);0.05M Tris/HCl、pH6.8(Sigma Cat T-1503);中に20℃にて10分間浸漬した。ストリップを第1の溶液から取り出して、以下の組成の第2の溶液:6M尿素;2%(w/v)ヨードアセトアミド(Sigma I-6125);2%(w/v)SDS;30%(v/v)グリセロール;0.05M Tris/HCl、pH6.8;中に20℃にて10分間浸漬した。第2の溶液からの除去の後、ストリップを以下に明記したような修飾を伴うHochstrasserらの1988年、分析生化学(Analytical Biochemistry)173:412-423に従って、SDS-PAGEの支持ゲル上に添加した(その全体が、引用により本明細書に組み込まれる)。
ゲルは、以下の寸法の2つのガラス板の間で成形した:幅23cm×長さ24cm(裏板);幅23cm×長さ24cmで中央19cmに深さ2cmの切れ込みを持つ(前板)。SDS-PAGEゲルの共有結合を促進するために、裏板をγ-メタクリル-オキシプロピルトリメトキシシラン(BindSilaneJ;Pharmacia Cat. #17-1330-01)の0.4%エタノール溶液で処理した。前板を(RepelSilaneJ Pharmacia Cat. #17-1332-01)で処理してゲルの接着を減少させた。過剰な試薬を水で洗浄することによって除去し、プレートを乾燥させた。この段階で、ゲルの識別として、及びプレートのコートした表面を同定するためのマーカーとして、接着性のバーコードをゲルマトリックスと接触しないような位置の裏板に貼った。
0.5%(w/v)アガロース(Fluka Cat 05075)の溶液を泳動用緩衝液(0.025M Tris、0.198Mグリシン(Fluka 50050)、1%(w/v)SDS、微量のブロムフェノールブルーを補った)で調製した。アガロース懸濁液を撹拌しながら70℃まで、アガロースが溶解するまで加熱した。支持された二次元目のゲルの上部をアガロース溶液で満たし、平衡化したストリップをアガロース中に置き、ゲルが二次元目のゲルと密接に接触するまで、パレットナイフで穏やかにたたいた。ゲルを、Amessらの文献、1995、Electrophoresis, 16:1255-1267(その全体が引用により本明細書に組み込まれる)によって記述されているように、二次元目の泳動用タンクに置いた。タンクを、緩衝液のレベルがポリアクリルアミドを含んだ二次元目ゲルの領域の上部より高くなるまで(上記の)泳動用緩衝液で満たし、そうすることにより、活性なゲル領域の効率的な冷却を行った。泳動用緩衝液を、ゲルで形成された上部緩衝液コンパートメントに添加し、次いで、Consort E-833電力供給装置を使用して直ちに電圧をゲルにかけた。一時間、ゲルを20mA/ゲルにて泳動した。ワット数の上限を150Wに設定し、6枚のゲルを含むタンクの場合、電圧の上限を600Vに設定した。1時間後、次いでゲルを40mA/ゲルにて、以前と同じボルト及びワット数の上限で、ブロムフェノールブルーの線がゲルの下端から0.5cmのところまで泳動した。緩衝液の温度は、操作の間中16℃に保った。ゲルは、複製して泳動しなかった。
電気泳動操作が完了したら、ゲルを固定のためにタンクから直ちに取り出した。ゲルカセットの上部プレートを慎重に除去し、ゲルを床板に結合したままにした。次いで、そのゲルが付着したままの床板を12枚のゲルを収容することができる染色装置内に置いた。ゲルを40%(v/v)エタノール(BDH 28719)、10%(v/v)酢酸(BDH 100016X)、50%(v/v)水(MilliQ-Millipore社)の固定液に完全に浸漬し、これをゲル全体にわたって連続的に循環させた。一晩保温の後、固定液をタンクから排出し、ゲルを7.5%(v/v)酢酸、0.05%(w/v)SDS、92.5%(v/v)水中での30分間の液浸によってプライムした。次いで、プライミング溶液を排出し、ゲルを4時間Sypro Red(Molecular Probes社, ユージーン、OR)の染色液に完全に液浸することによって染色した。この目的のために使用することができる代わりの色素は、1999年10月5日に出願の米国特許出願第09/412168号に記述されており、その全体は引用により本明細書に組み込まれる。
コンピューター可読出力を、先の5.1節に記述したApollo 2スキャナー(Oxford Glycosciences社、オックスフォード、UK)で蛍光染色したゲルをイメージングすることにより作製した。このスキャナーは4つの複合蛍光マーカー(M1、M2、M3、M4と命名されている)をもつゲルキャリアーを有し、該マーカはイメージの外形を補正するのに使用され、かつ走査が正確に行われたことを保証する品質管理特徴である。
走査のためには、ゲルを染色から取り出し、水ですすぎ、簡単に空気乾燥させ、Apollo 2でイメージングした。イメージングの後、ゲルを、少量の染色液を含むポリエチレンバッグに密閉し、次いで4℃で保存した。
データは、より詳細に以下に記載したとおり、米国特許第6,064,654号(国際公開第98/23950として公開した)の5.4節及び5.5節(引用により本明細書に組み込まれる)に記載されているように処理した。
スキャナーからの出力は、最初にMELANIE 7 II 2D PAGE解析プログラム(リリース2.2、1997、BioRad Laboratory社、Hercules、California、 Cat. #170-7566)で処理して、位置決め点M1、M2、M3及びM4を自動検出し;イメージを自動トリミングし(すなわち、ゲルの境界の外側に存在する走査イメージの領域、例えば参照フレームから生じるシグナルを除去し);粉塵による人為的結果をフィルターで除き;特徴を検出及び定量化し;及びGIF形式のイメージファイルを作製する。特徴は、以下のパラメーターを使用して検出した:
平滑度= 2
ラプラシアン閾値 50
部分閾値 1
彩度 = 100
とがり度 = 0
最小周囲長 = 10
ランドマーク同定を使用してイメージで検出された特徴の等電点及び分子量を決定した。CSFL1からCSFL16までの命名した16個のランドマーク特徴を、標準的なCSFイメージにおいて同定した。これらのランドマーク特徴に、表IIにおいて同定された等電点及び/又は分子量値を割り当てた。
イメージを、粉塵などの著しい人為的結果を除去するために、タンパク質特徴が不鮮明になるなどの著しい異常のあるイメージ、又は試料の添加量が少なすぎて、若しくは全体のイメージ強度が小さすぎて最も強い特徴以外を同定できないようなイメージ又は解像度が不十分すぎて特徴の正確な検出ができないようなイメージを排除するために編集した。次いで、イメージを全部の試料セットからの一つの共通のイメージと対にすることによって比較した。この共通のイメージである「主要マスターイメージ」を、タンパク質添加量(最大特徴検出と一致する最大添加量)、十分に分離されたミオグロビン領域(ミオグロビンを内部標準として使用した)及び一般的な画質に基づいて選択した。加えて、主要マスターイメージを、解析に含まれる全てのイメージの一般的な代表と思われるイメージであるように選択した。(主要マスターゲルを、試験ゲルの代表であると判断することによるこの過程は、以下に記述した方法で再チェックされ、主要マスターゲルが代表的ではないと見なされた場合には、これを排除して、代表的な主要マスターゲルが見いだされるまで本過程を繰り返した。)
後述するように、残りの試験ゲルのそれぞれを、主要マスターイメージと個々にマッチさせ、共通のタンパク質の特徴を主要マスターイメージと個々の試験対象ゲルイメージとの間で対にした。
差動的に発現される特徴を同定する目的で多数の試料の統計解析を容易にするために、それぞれの試験ゲルの形状を以下のようにタンパク質の特徴のパターンと主要マスターのパターンとの間で最大にマッチするように調整した。それぞれの試験ゲルのイメージを、多分解能ワーピング法を使用して主要マスターイメージの形状に個々に変形した。この手順では、試料間の電気泳動分離過程の物理的パラメーターの小さな変化によってもたらされる歪みについてイメージ形状を修正する。観察される変化は、見いだされた歪みが単に形状の歪みではなく、むしろ平滑な流れであるが、局所的及び全体的規模で変化があるようなものである。
次いで、全てのイメージは、一緒に加算して複合マスターイメージを作製し、全ての成分イメージの全てのゲルの特徴の位置及び形状を後述するようにこの複合マスターに重ね合わせた。
MCIは、異なるイメージ上のマッチした特徴のセットを同定する。従って、MCIは、異なる試料における2D分離で同等の位置で溶出するタンパク質又はタンパク質群を表する。
最終複合マスターイメージに対する試験の全ての成分ゲルのマッチングの後に、それぞれの特徴の強度を測定して、保存した。この解析の最終結末は、それぞれの同定された特徴について:1)複合マスターイメージ(MCI)の中の対応する特徴に関連した特有の識別コード、2)ゲル内の特徴のx、y座標、3)タンパク質アイソフォームの等電点(pI)、4)タンパク質アイソフォームの見かけの分子量(MW)、5)シグナルの値、6)それぞれの前述の測定についての標準偏差、及び7)この特徴がマッチしたマスターゲルに対してそれぞれの特徴のMCIを関連づける方法、を含むデジタルプロフィールを作り出した。実験室情報管理システム(LIMS)により、このMCIプロフィールによってこれを作製した実際の保存されたゲルを突き止めることができ、その結果、ゲルプロファイルデータベースのコンピューター解析によって同定されるタンパク質を検索することができる。また、LIMSにより、プロフィールを元の試料又は患者にまでさかのぼることも可能となった。
列記されているマスター群の中のMCIからタンパク質アイソフォームを同定するために、下記に明記した統計ストラテジーを使用した。
a)存在する特徴の割合を、可能性のあるタンパク質アイソフォームである各MCIについて対照試料及びCSF試料で全体に算出した。MCIは、神経疾患由来の試料の少なくとも20%に存在するか、又は年齢がマッチした対照群由来の試料の少なくとも20%に存在することを必要とした。次いで、これらの基準を満たしたMCIを更なる解析に供した。
タンパク質アイソフォームを、ロボットを使用して切り出して、処理し、トリプシン分解ペプチドを産生した。トリプシン処理ペプチドを、PerSeptive Biosystems Voyager-DETM STRマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型(MALDI-TOF)質量分析計を使用する質量分析によって解析し、選択されたトリプシン処理ペプチドを、ナノフロー(登録商標)エレクトロスプレー Zスプレー源を装備した4重極飛行時間型(Q-TOF)質量分析計(Micromass社、Altrincham、U.K.)を使用するタンデム型質量分析(MS/MS)によって解析した。タンパク質アイソフォームの部分的アミノ酸配列及び同定のためには、トリプシン処理ペプチドの解釈されてないタンデム質量スペクトルをバージョンv.C.1のSEQUEST検索プログラム(Engらの文献, 1994、J. Am. Soc. Mass Spectrom. 5:976-989)を使用して検索した。データベースによる同定のための基準には:トリプシンの切断特異性;データベースから返されたペプチドにおける、a、b及びyイオンセットの検出、並びにカルバミドメチル化を考慮した全てのシステイン残基での質量の増加を含んだ。検索したデータベースは、国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)によって保持される重複のないデータベースのタンパク質の登録で構築されるデータベースであり、これはhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/でアクセス可能である。SEQUESTプログラムを使用するスペクトル-スペクトル相関を介したタンパク質の同定に続いて、MALDI-TOF質量スペクトルにおいて検出された質量を同定されたタンパク質内にあるトリプシン分解ペプチドに割り当てた。SEQUESTプログラムを使用するトリプシン分解ペプチドの未解釈のMS/MSスペクトルでの検索を介してもアミノ酸配列が同定できない場合には、ペプチドのタンデム質量スペクトルを当該技術分野において公知の方法を使用して手動で解釈した(ペプチドイオンの低エネルギーによる断片化の質量スペクトルを解釈する場合には、Gaskellらの文献、1992, Rapid Commun Mass Spectrom. 6:658-662を参照されたい)。
タンパク質アイソフォームを同定する方法では、上記の質量分析によって実験的に得られた天然に存在するヒトタンパク質のペプチド配列を使用して、公開されたヒトゲノム配列においてコードされたエキソンを同定し組織化する。
別々の遺伝学的単位(エキソン、転写物及び遺伝子)を以下の一連の工程を使用して同定した。
1. Ensembl及び種々の遺伝子予測プログラムから利用できる遺伝子同定を組合せることにより、ヒトゲノムに位置づけるトリプシン処理ペプチドを含む「仮想トランスクリプトーム」を作製する。また、これには、遺伝子同定におけるSNPデータ(dbSNPから)及び全ての選択的スプライシングを組み込む。また、公知の混入物を仮想トランスクリプトームに付加する。
3. 典型的には20ppmという質量分析計の質量精度に基づいた寛容性を使用して、タンデムペプチドによってヒットした転写物由来の全てのペプチドを検索することにより、OGeS質量分析データベースの全ての質量がマッチしたペプチドのセットを作製する。
5. 誤って同定したペプチドを除外するための初期のフィルタリング後に次いで、生じたクラスターをヒトゲノムに対して位置づける。
8. それぞれの同定された転写物を、観察されたペプチドを提供する試料と関連させる。
9. データを考察し、マイニングするためのアプリケーションの使用。工程1〜8の結果は、それぞれが多数のエキソン及び1つ又は複数の転写物からなる遺伝子を含むデータベースである。適用は、この組み込まれたゲノム/プロテオームデータを表示し、及び検索するためのアプリケーションを書いた。Ensemblと同じGolden経路座標系に位置づけられた任意の特徴(OMIM疾患座、InterProその他)を、位置及び微細構造の一致によって、これらの遺伝子に相互参照することができるであろう。
本方法を使用して、およそ1,000,000個のペプチド配列を作製して、タンパク質をコードする遺伝子及びそれらのエキソンを同定し、結果としてアルツハイマー病で2306遺伝子、多発性硬化症で173遺伝子、鬱病で260遺伝子を含む、67の異なる組織及び57の疾患にわたる18083個の遺伝子のタンパク質配列を同定した。実験的に決定された配列とOGAP(登録商標)データベースの配列とを比較後、これらのタンパク質アイソフォームは、神経疾患に対して高度に特異的であり、予後及び診断性質を示すことが示された。
これらの2Dゲルによる初期実験により、3個のタンパク質アイソフォームが同定され、これらは正常なものと比較して双極性II型鬱病、多発性硬化症及びパーキンソン病において(本発明の好ましいタンパク質アイソフォームについては図2に図示されている)、更には正常なものと比較してアルツハイマー病において(本発明の好ましいタンパク質アイソフォームについて図3に図示されているように)変化していた。これらの3種のタンパク質アイソフォームの詳細は、表Iに示されている。
(7.1 試料調製)
AD組織の試料を、プロテアーゼインヒビターを添加した50mMトリスHCl、250mMショ糖、1mM EDTA pH7.4中での最初のホモジネーションにより分画し、引き続き60%ショ糖クッション上で分画する。38,000gで30分間遠心後、上清を取り出し(細胞質ゾル画分)、タンパク質をクロロホルム/メタノールにより沈殿させる。
これらのタンパク質を、1D試料緩衝液(63mMトリスHCl pH7.4、10%グリセロール、2%SDS、2%βメルカプトエタノール、0.0025%ブロモフェノールブルー)中で、95℃で3分間加熱することにより、可溶化する。
次にこの試料を10%ポリアクリルアミドゲル(スタッキングゲル-Protean 2, BioRad)上に添加し、0.025Mトリス、0.192Mグリシン、0.1%SDS泳動緩衝液を用い、200V(定電圧)で未染色の分子量マーカーと、染色前端がゲルの底に到達するまで、同時泳動する。
次にこのゲルを、カセットから慎重に取り出し、10%酢酸、40%エタノール、50%水の溶液で、一晩一定に穏やかに振盪し固定する。次にゲルを、7.5%酢酸、0.05%(w/w)SDSの溶液中に30分間浸漬する。これに続き、ゲルを、7.5%酢酸、0.06%(v/v)OgeSインハウス色素を含有する染色液中に3時間保温する。
蛍光染色したゲルのデジタルイメージを、Fuji FLA5000レーザースキャナー(励起488nm、520nmロングパス発光フィルター)を用い、ピクセル解像度200μmで得る。分子量マーカーを用い、試料バンドの見かけの分子量を補間する。
試料ゲルレーンを、ゲルからメスで切り出し、1mmの水平な断片に切断する。各断片を、垂直に3個の小片に切り、その後0.5mlエッペンドルフチューブに入れる。次にこれらの試料を、100mM炭酸水素アンモニウム(Fluka)で洗浄する。これを10分後に除去し、次にアセトニトリル(HPLC等級, BDH)を添加する。更に10分後、アセトニトリルを除去し、各小片を遠心蒸発器を用いて10分間乾燥する。その後この手順を繰り返す。
インキュベーション後、試料を冷却し、次にペプチドを含有する個々のトリプシン溶液を、第二の試料チューブに移した。1.5μlの一定分量を各チューブから採取し、MALDI上で分析する。残りのペプチド試料をLC-QTof上を流す。
1DゲルによるCNS組織の分析は、3種のタンパク質アイソフォームを同定し、これらはアルツハイマー病のCNS組織に独特に存在し、正常CNS組織には存在しなかった。これら3種のタンパク質アイソフォームの詳細を、表Iに示す。
上で述べたように、異なるアイソフォームでは、それらの一次配列の長さが異なり、またこれらが有する翻訳後修飾も異なる。下記に詳述したプロトコールにより、所与のタンパク質アイソフォームに存在するグリコシル化部位の正確な特性付けが可能となる。
試料を、終濃度15mM過ヨウ素酸ナトリウムに平衡化して1時間室温で保温したEcono-Pac1ODG脱塩カラム(Bio-Rad社、Hercules CA)を使用して、カップリング緩衝液(100mM酢酸ナトリウム、pH5.5及び150mM NaCl)に交換する。同じEcono-Pac1ODG脱塩カラムを使用して、過ヨウ素酸ナトリウムを試料から除去し、カップリング緩衝液で平衡化したヒドラジド樹脂を試料に添加する(1mlゲル/5mgタンパク質)。室温にて10〜24時間の一晩の保温後、樹脂を1000×gにて10分間の遠心分離によって収集し、非糖タンパク質を、等量の尿素溶液(8M尿素/0.4M NH4HCO3、pH8.3)で3回樹脂を洗浄することによって除去する。
4種類のiTRAQ標識が存在しており、従って、4種までの試料を平行して解析することができる。試料を20μlの溶解緩衝液中にとり、1μlの変性剤を添加する。次いで、2μlの還元剤を試料に添加し、次いで、これらを60℃で1時間保温する。保温後、1μlのシステイン遮断薬をそれぞれの試料に添加し、続いて室温で10分間保温する。
トリプシンのバイアルを25μlの水で再構成する。それぞれのチューブに10μlのトリプシン溶液を添加する。次いで、チューブを37℃で一晩保温する。
LC-MS解析の前に、試料を陽イオン交換クロマトグラフィーにより精製すべきである。陽イオン交換用緩衝液-添加用の少なくとも10倍容量を添加することよって、試料を酸性化する(pH2.5〜3.3の間)。1mlの陽イオン交換用緩衝液-清浄用、続いて2m1の陽イオン交換用緩衝液-添加用を注入することにより陽イオン交換カートリッジを調整する。
ペプチドを500μlの陽イオン交換用緩衝液-溶出用の注入によって溶出する。溶出液を新しい試料チューブに収集する。
カートリッジを1mlの陽イオン交換用緩衝液-清浄用で洗浄することによって再生する。ペプチドは、ここでLC-MS解析のための準備ができている。
安定同位体標識したペプチドをMALDI-MS及びLC-QTOFでの解析によって特徴づける。次いで、これらの参照ペプチドストックをアミノ酸分析によって定量化する。
解析する試料をタンパク質分解により消化し、任意に分画する(例えば、グリコキャプチャーによる)。次いで、正確な既知量の参照ペプチドプールを試料に添加し、次いでこれをLC分画に供して、その画分をMALDIターゲットプレート上に直接スポットする。詳細な方法は、Zhangらの文献、Nature Biotechnology, 2003年6月、21巻、6号、660-666ページにより別に記述されている。参照ペプチドピーク及びマッチした試料ピークの強度を比較することによって定量化を行う。単一のペプチドがいくつかの隣接するスポットに拡がっているかもしれないことを説明するために、アルゴリズムを使用する。
本発明は、この出願において記述された詳細な実施態様に関して限定されるわけではなく、これらは、本発明の個々の態様の1つの例証として意図される。本明細書に列挙したものに加えて、本発明の範囲内の機能的に同等な方法及び装置も、前述の明細書及び添付の図面から当業者には明らかであろう。このような修正変更は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図される。
明細書及び特許請求の範囲の全体にわたって、状況が他に必要としない限り、語「含む(comprise)」並びに「含む(comprises)」及び「含むこと(comprising)」などのバリエーションは、明示された整数、工程、整数群又は工程の群を意味し、任意のその他の整数、工程、整数の群又は工程群を除外しないことが理解されるであろう。
(参照の組み込み)
本出願を通じて引用された全ての参照(文献、刊行された特許、公開された特許出願、及び同時係属出願を含む)の内容は、明確にその全体が引用により本明細書に組み込まれる。
Claims (61)
- 被験体における神経疾患のスクリーニング又はその診断若しくは予後のための、被験体におけるこのような神経疾患の段階又は重症度を決定するための、このような神経疾患を発病するリスクのある被験体を同定するための、又はこのような神経疾患を有する被験体に施される療法の効果をモニターするための方法であって:
(a)表1に列記されたタンパク質アイソフォーム番号1-6から選択される少なくとも1つのタンパク質アイソフォームを含む、被験体からの体液又は組織の試験試料を解析すること;及び、
(b)前記試験試料中の前記タンパク質アイソフォーム(群)の存在量を、1人以上の神経疾患がないヒトからの試験試料中の前記タンパク質アイソフォーム(群)の存在量と、又は神経疾患がない被験体におけるそのタンパク質アイソフォームについて前もって決定された基準範囲と比較することを含み、前記神経疾患のより進行した状態の診断又はそのスクリーニングにおける陽性結果又はその予後を、1人以上の神経疾患がないヒトからの試験試料中の該タンパク質アイソフォーム(群)の存在量、又は神経疾患がない被験体におけるそのタンパク質アイソフォームについて前もって決定された基準範囲と比べ、試験試料中の該タンパク質アイソフォーム(群)の増加した存在量により示す、前記方法。 - 前記試料がCSF又は脳組織の試料である、請求項1記載の方法。
- 前記神経疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、又は鬱病である、請求項1又は2記載の方法。
- 前記工程(a)の解析が、特徴の二次元アレイを作製するための二次元電気泳動法によって行われる、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
- 前記工程(a)が、等電点電気泳動と、それに続くドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)を含む、請求項4記載の方法。
- 前記工程(b)が、表Iに列記されたタンパク質アイソフォームから選択された1つ以上のタンパク質アイソフォーム(群)を定量的に検出することを含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
- 前記定量的に検出する工程が、前記試料の少なくとも1つの一定分量を試験することを含み、前記試験工程は:
(a)前記一定分量を、予め選択されたタンパク質アイソフォームに対して免疫特異的な抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)と接触させること、及び、
(b)前記抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)と前記一定分量の少なくとも1種との間に生じた何らかの結合を定量的に測定すること、
を含む、請求項6記載の方法。 - 前記抗体が、モノクローナル抗体である、請求項7記載の方法。
- 前記定量的に検出する工程が、複数の一定分量を、複数の予め選択されたタンパク質アイソフォームの定量的検出のための複数の抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)で試験することを含む、請求項7記載の方法。
- 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項9記載の方法。
- 被験体における神経疾患のスクリーニング又はその診断若しくは予後のための、被験体におけるこのような神経疾患の段階又は重症度を決定するための、このような神経疾患を発病するリスクのある被験体を同定するための、又はこのような神経疾患を有する被験体に施される療法の効果をモニターするための方法であって:
試験被験体のCSF又は脳組織中の該タンパク質アイソフォーム(群)の存在量を、1人以上の神経疾患がないヒトからのCSF又は脳組織中の該タンパク質アイソフォーム(群)の存在量と、又は神経疾患がない被験体におけるそのタンパク質アイソフォームについて前もって決定された基準範囲と比較することを含み、前記神経疾患のより進行した状態の診断又はそのスクリーニングにおける陽性結果又はその予後を、1人以上の神経疾患がないヒトからのCSF又は脳組織中の該タンパク質アイソフォーム(群)の存在量、又は神経疾患がない被験体におけるそのタンパク質アイソフォームについて前もって決定された基準範囲と比べ、被験体のCSF又は脳組織中の該タンパク質アイソフォーム(群)の増加した存在量により示す、前記方法。 - 前記CSF又は脳組織中のタンパク質アイソフォームの存在量が、イメージング技術により決定される、請求項11記載の方法。
- 前記イメージング技術が、PET又はSPECTの使用に関連する、請求項12記載の方法。
- 前記イメージング技術が、標識されたアフィボディーの使用に関連している、請求項12記載の方法。
- 前記イメージング技術が、標識された抗体の使用に関連している、請求項12記載の方法。
- 前記被験体が、ニコチン経路において作用する薬物で治療されており、かつ前記方法は治療を最適化するために使用される、請求項1〜15のいずれか1項記載の方法。
- 前記方法が、ニコチン経路において作用する薬物の評価のため、薬物を試験するため、又は薬物で治療するための患者を層別化するために使用される、請求項1〜15のいずれか1項記載の方法。
- 表Iに列記されたタンパク質アイソフォーム番号1-6から選択された1つのタンパク質アイソフォームを含む医薬製剤。
- 表Iに列記されたタンパク質アイソフォーム番号1-6から選択された1つのタンパク質アイソフォームに免疫特異的に結合することが可能である抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)。
- モノクローナル抗体である、請求項19記載の抗体。
- 請求項19又は請求項20記載の抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)を含む、神経疾患のスクリーニング、又は診断若しくは予後のためのキット。
- 請求項19又は請求項20記載の個別の抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)を複数含む、神経疾患のスクリーニング、又は診断若しくは予後のためのキット。
- 請求項19又は請求項20記載の抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)を治療的有効量及び医薬として許容し得る担体を含む、医薬組成物。
- 請求項19又は請求項20の抗体(若しくはアフィボディーなどのその他の親和性試薬)の結合ドメインを含む前記抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)の断片又は誘導体の治療的有効量;及び
医薬として許容し得る担体と、
を含む医薬組成物。 - 表Iに列記されたタンパク質アイソフォーム番号1-6から選択されたタンパク質アイソフォームをコードしている核酸の治療的有効量を、そのような治療又は予防を必要とする被験体へ投与することを含む、神経疾患を治療又は予防する方法。
- 請求項19又は請求項20記載の抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)の治療的有効量を、そのような治療又は予防を必要とする被験体へ投与することを含む、神経疾患を治療又は予防する方法。
- 表Iに列記されたタンパク質アイソフォーム番号1-6から選択されたタンパク質アイソフォームの機能を調節する薬剤の治療的有効量を、そのような治療又は予防を必要とする被験体へ投与することを含む、神経疾患を治療又は予防する方法。
- 前記薬剤が核酸である、請求項27記載の方法。
- 前記核酸が、タンパク質アイソフォームアンチセンス核酸、リボザイム、又はsiRNAである、請求項25又は26記載の方法。
- タンパク質アイソフォーム、タンパク質アイソフォーム断片、又はタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドと相互作用する薬剤をスクリーニングする方法であって:
(a)タンパク質アイソフォーム、タンパク質アイソフォームの生物学的活性部分、又はタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドを候補薬剤と接触させること;及び、
(b)前記候補薬剤が、前記タンパク質アイソフォーム、タンパク質アイソフォーム断片、又はタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドと相互作用するか否かを決定すること;を含み、
ここで該タンパク質アイソフォームが、表Iに列記されたタンパク質アイソフォーム1-6から選択される、前記方法。 - 前記タンパク質アイソフォーム、タンパク質アイソフォーム断片、又はタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドが、細胞により発現される、請求項30記載の方法。
- 前記細胞が、組換えタンパク質アイソフォーム、組換えタンパク質アイソフォーム断片、又は組換えタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドを発現する、請求項31記載の方法。
- 前記タンパク質アイソフォーム又はタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドの発現又は活性を調節する薬剤をスクリーニングする方法であって:
(a)タンパク質アイソフォーム又はタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドを発現する第1の細胞の集団を候補薬剤と接触させること;
(b)該タンパク質アイソフォーム又は該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドを発現する第2の細胞の集団を対照薬剤と接触させること;及び、
(c)前記第1及び第2の細胞の集団における該タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチド、又は該タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドをコードしているmRNAのレベルを比較するか、あるいは前記第1及び第2の細胞の集団における細胞二次メッセンジャーの誘導のレベルを比較すること、を含み、
ここで該タンパク質アイソフォームが、表Iに列記されたタンパク質アイソフォーム1-6から選択される、前記方法。 - 前記タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチド、該タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドをコードするmRNA、又は該細胞二次メッセンジャーのレベルが、前記第2の細胞の集団におけるよりも前記第1の細胞の集団において高い、請求項33記載の方法。
- 前記タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチド、該タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドをコードするmRNA、又は該細胞二次メッセンジャーのレベルが、前記第2の細胞の集団におけるよりも前記第1の細胞の集団において低い、請求項33記載の方法。
- タンパク質アイソフォーム又はタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドの発現又は活性を調節する薬剤をスクリーニング又は同定する方法であって:
(a)候補薬剤を第1の哺乳類又は哺乳類の群に投与すること;
(b)対照薬剤を第2の哺乳類又は哺乳類の群に投与すること;及び、
(c)前記第1及び第2の群における該タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドの発現レベル、又は該タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドをコードするmRNAの発現レベルを比較すること、あるいは該第1及び第2の群における細胞二次メッセンジャーの誘導のレベルを比較すること、を含み、
ここで該タンパク質アイソフォームが、表Iに列記されたタンパク質アイソフォーム1-6から選択される、前記方法。 - 前記哺乳類が、神経疾患の動物モデルである、請求項36記載の方法。
- 前記タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチド、該タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドをコードするmRNA、又は前記細胞二次メッセンジャーの発現レベルが、前記第2の群におけるよりも前記第1の群において高い、請求項36又は37記載の方法。
- 前記タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチド、該タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドをコードするmRNA、又は該細胞二次メッセンジャーの発現レベルが、前記第2の群におけるよりも前記第1の群において低い、請求項36又は37記載の方法。
- 前記第1及び第2の群における該タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチド、該タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドをコードするmRNA、又は該細胞二次メッセンジャーのレベルを、正常な対照哺乳類における該タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチド、又は該タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドをコードする前記mRNAのレベルと更に比較させる、請求項36記載の方法。
- 前記候補薬剤の投与により、前記第1の群における該タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチド、又は該タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドをコードする該mRNA、又は該細胞二次メッセンジャーのレベルを、前記第2の群における該タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチド、又は該mRNA、又は該細胞二次メッセンジャーのレベルの方へと調節する、請求項36記載の方法。
- 前記哺乳類が、神経疾患を有するヒト被験者である、請求項36〜41のいずれか1項記載の方法。
- タンパク質アイソフォーム又はタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドと相互作用する薬剤をスクリーニング又は同定する方法であって、
(a)候補薬剤を、該タンパク質アイソフォーム又は該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドと接触させること、及び、
(b)もしあれば、該薬剤と該タンパク質アイソフォーム又は該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドとの間の結合を定量的に検出すること、を含み、
ここで該タンパク質アイソフォームが、表Iに列記されたタンパク質アイソフォーム1-6から選択される、前記方法。 - タンパク質アイソフォーム又はタンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドの活性を調節する薬剤をスクリーニング又は同定する方法であって、
(a)第1の一定分量にて、候補薬剤を、該タンパク質アイソフォーム又は該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドと接触させること、及び、
(b)前記候補薬剤の添加後の第1の一定分量にて、該タンパク質アイソフォーム又は該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドの活性を、対照一定分量の該タンパク質アイソフォーム若しくは該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドの活性と、又は前もって決定された基準範囲と比較すること、を含み、
ここで該タンパク質アイソフォームが、表Iに列記されたタンパク質アイソフォーム1-6から選択される、前記方法。 - 前記タンパク質アイソフォーム又は該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドが組換えタンパク質である、請求項43又は44記載の方法。
- 前記タンパク質アイソフォーム又は該タンパク質アイソフォーム関連ポリペプチドが固相上に固定されている、請求項43又は44記載の方法。
- 被験体における神経疾患のスクリーニング、診断若しくは予後のための、又は被験体に投与される抗神経障害薬若しくは抗神経障害療法の効果をモニターするための方法であって:
(a)表Iに列記されたタンパク質アイソフォーム番号1-6から選択されたタンパク質アイソフォームをコードしているヌクレオチド配列に対して相補的な10個以上の連続したヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプローブを、該被験体由来の生体試料から得られたRNAと、又は該RNAから複製されたcDNAと接触させることであり、ここで該接触は、該ヌクレオチド配列が存在する場合に、該ヌクレオチド配列に対するプローブのハイブリダイゼーションが可能な条件下で行われること;
(b)もしあれば、該プローブと該ヌクレオチド配列との間のハイブリダイゼーションを検出すること;並びに、
(c)もしあれば、工程(b)で検出されたハイブリダイゼーションを、対照試料において検出されたハイブリダイゼーションと、又は前もって決定された基準範囲と比較すること、を含む、前記方法。 - 工程(a)が表Iに列記されたタンパク質アイソフォーム番号1-6から選択されたタンパク質アイソフォームをコードするヌクレオチド配列に対して相補的な10個以上の連続したヌクレオチドを含む複数のオリゴヌクレオチドプローブを、該被験体由来の生体試料から得られたRNAと、又は該RNAから複製されたcDNAと接触させることを含み、ここで該接触は、該ヌクレオチド配列が存在する場合に、該ヌクレオチド配列に対するプローブのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で行われる、請求項47記載の方法。
- 工程(a)が前記ヌクレオチド配列をDNAアレイに対してハイブリダイズする工程を含み、該アレイの1つ以上のメンバーは、異なるタンパク質アイソフォームをコードする複数のヌクレオチド配列に対して相補的なプローブである、請求項47記載の方法。
- 前記タンパク質アイソフォームが、pI約8.13及び分子量約11768Daにより規定される、請求項1〜49のいずれか1項記載の方法、製剤、抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)、キット又は組成物。
- 前記タンパク質アイソフォームが、配列番号:2及び3の配列を含む、請求項1〜50のいずれか1項記載の方法、製剤、抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)、キット又は組成物。
- 前記タンパク質アイソフォームが、pI約6.72及び分子量約27959Daにより規定される、請求項1〜49のいずれか1項記載の方法、製剤、抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)、キット又は組成物。
- 前記タンパク質アイソフォームが、配列番号:2の配列を含む、請求項1〜49及び52のいずれか1項記載の方法、製剤、抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)、キット又は組成物。
- 前記タンパク質アイソフォームが、pI約7.25及び分子量約12234Daにより規定される、請求項1〜49のいずれか1項記載の方法、製剤、抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)、キット又は組成物。
- 前記タンパク質アイソフォームが、分子量約18171Daにより規定される、請求項1〜49のいずれか1項記載の方法、製剤、抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)、キット又は組成物。
- 前記タンパク質アイソフォームが、分子量約17391Daにより規定される、請求項1〜49のいずれか1項記載の方法、製剤、抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)、キット又は組成物。
- 前記タンパク質アイソフォームが、分子量約17980Daにより規定される、請求項1〜49のいずれか1項記載の方法、製剤、抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)、キット又は組成物。
- 前記タンパク質アイソフォームが、配列番号:3の配列を含む、請求項1〜49及び請求項54〜57のいずれか1項記載の方法、製剤、抗体(又はアフィボディーなどのその他の親和性試薬)、キット又は組成物。
- 。
- 前記神経疾患がアルツハイマー病である、請求項1〜17又は25〜58のいずれか1項記載の方法。
- 前記神経疾患がパーキンソン病である、請求項1〜17又は25〜58のいずれか1項記載の方法。
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