JP2009513364A - 水平鋳造システムにおける溶融金属の電磁閉じ込め方法及び装置 - Google Patents

水平鋳造システムにおける溶融金属の電磁閉じ込め方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【解決手段】本発明は、溶融金属のストリップ鋳造用装置を提供するもので、溶融金属Mを水平軸に沿って受けることができるように構成された一対のキャスティングローラR1,R2を有し、前記対のキャスティングローラを分離する垂直方向距離がモールディングゾーンを画定するようになし、モールディングゾーンの各面に配置された電磁式エッジ部封じ込め装置を有し、インダクションコイルが磁気部材の一部分の周りで巻回され、電流の印加によって磁力線を生成するようになし、磁気部材の磁極が、キャスティングローラの平らな側壁から離れた位置にて該側壁に揃うように配置され、電流は、水平軸と直交する方向に磁力線を供給し、磁力線を溶融金属の温度を実質的に上昇させることなく、キャスティングローラと接触した状態で溶融金属を収容するようにしたものである。
【選択図】図2A

Description

<発明の分野>
本発明は、金属ストリップの連続鋳造に関し、より具体的には、連続鋳造システムにおける溶融金属の電磁閉じ込め(electromagnetic confinement)に関する。
<発明の背景>
金属の連続鋳造は、双ロール鋳造機及びベルト鋳造機又はそれらを組み合わせた鋳造機で行われる。鋳造方法として、水平方式と垂直方式が用いられている。特に、スチール産業では、最近、高速双ロール式ストリップ鋳造機が開発されており、これは、垂直方向下向きに送り出される。
溶融金属を鋳造ゾーンに封じ込めるのに、これまで、機械的エッジダム(mechanical edge dams)が用いられている。この装置には、ストリップと一緒に移動するキャタピラ型エッジダム(例えば、ハザレー鋳造機)又はロールの表面を押圧する固定式エッジダムが含まれている。後者は、双ロールによるスチールストリップ鋳造産業に用いられている。このように固定された機械的エッジダムは、ロールの低温側壁との接触によって腐食するので、寿命が短い。また、この機械的エッジダムは、スカル(skulls)が生成するサイトとなるので、剪断され易く、また、剪断されたものがストリップ鋳造品に進入すると、ミクロ組織は金属学的に好ましくない。スチール産業において、キャタピラ型エッジダムは、厚肉のスラブ鋳造(厚さ10〜25mm)への適用は実証済みであるが、薄肉ストリップ鋳造機又は双ロール鋳造機の場合、キャスティングゾーンを通る間に、横断面形状が鋭く変化するので、実用化されていない。
垂直式双ドラム(ローラ)鋳造システムにおける金属のストリップ鋳造では、これまで、電磁エッジダムが用いられてきた。磁気システム型の電磁エッジダムは、マグネットアッセンブリとACコイルとの組合せを利用して封じ込め力(containment forces)を発生させるものである。誘導方式の電磁エッジダムでは、封じ込め力を発生させるのに、ACコイルだけに依存している。
磁気方式の電磁エッジダムは、磁気部材を用いており、該磁気部材は、溶融金属が閉じこめられるギャップのどちらか一方の面に設けられた2つの磁極面を連結するヨーク又はコアを具えている。磁気部材は、強磁性材料から作られ、AC電流を流すコイルにより、ヨークの所定長さに亘って囲まれている。電流がコイルを流れて発生する磁気フラックスは、ヨークを通ってマグネットの磁極へ送られ、ギャップの金属表面に封じ込め力を発生させる。
磁気方式の場合、典型的には、磁気部材の一部は、ギャップから遠ざかる方向へのフラックスの漏洩を最少にするために、導電性のシールドで覆われている。このような磁気閉じ込めシステムで必要とされる閉じ込め電流は、誘導コイル単独使用のシステムの場合よりも大きくないという利点がある。より強力な磁場を必要とする場合、磁極面の面積を少なくして磁界を集中することにより、同じ電流レベルで達成できる。しかしながら、このシステムには、不都合を避けられない。例えば、このシステムの場合、コア損失及び交番磁界が磁気材料に印加されるときに磁気ヒステリシスによる損失のために、通常は、作業効率が悪くなる。また、典型的には、高温となるため、磁気システムへの損傷を防止するために、冷却による熱放散が必要である。
インダクション閉じ込めシステムでは、一般的には、溶融金属が収容されるギャップの近傍に配置された形状インダクタ(shaped inductor)を用いる。インダクタの中を流れるAC電流が、誘導電流を発生させる他、収容される溶融金属の表面に時変磁界を発生させる。電流と磁場の相互作用によって、封じ込め力がもたらされる。磁気部材をインダクタの周りに配備し、溶融金属に対向するインダクタの表面への電流を集中させることにより、効率が向上する。インダクションコイルシステムは、一般的には、磁気システムよりも構造が簡単である。しかしながら、システムが収容可能な最大金属静圧ヘッド(metallostatic head)が制限される不利がある。インダクションコイルで支持されることができる最大金属静圧ヘッドが制限される理由は、インダクションコイルシステムでは、適当な封じ込め力を供給するのに、非常に大きなインダクタ電流を必要とするからであり、高電流によって大きな熱が発生し、鋳造中の凝固が妨げられたり又は遅延する。
図1を参照すると、垂直式双ロール鋳造機では、溶融金属ヘッドに対して付与せねばならない封じ込め力は非常に大きくなる傾向がある。代表的な作業条件では、金属ヘッド高さH1はキャスティングロールの半径の約65%である。それゆえ、垂直式双ロール鋳造機に用いられる電磁エッジダム装置は、ヘッド高さH1が鋳造ロール半径の約65%である金属プールを収容するのに十分に強力な磁場を供給しなければならない。このような電磁エッジダムは、次の2つの理由により、商業的に成功していない。第1の理由は、溶融金属プールを収容するのに必要な高電流により金属プールの頂面に作り出される定常波(standing waves)が、鋳造工程での大きさとしては大きすぎることである。第2の理由は、垂直式ローラ鋳造機システムの頂部に生成される溶融金属ヘッドを収容するのに大きな電磁力を必要とするため、この大きな電磁力により、金属プールの側壁が誘導加熱され、これが凝固工程を妨げる。
米国特許第4936374号に記載された垂直式鋳造システム及び電磁閉じ込め装置は、前記不具合を有している。また、この米国特許に記載されたキャスティングローラは、リム部を有し、封じ込めるための磁場は、キャスティングロールのリム部を通って導入される。また、誘導加熱及び定常波発生の問題の他に、キャスティングロールのリム部によって、鋳造製品にリッジ部(ridge)が形成されるため、一様な側壁(エッジ部)を有する鋳造ストリップを製造することができない。米国特許第4936374号に記載された装置及び方法を用いて製造された鋳造ストリップに形成されたリッジ部は、鋳造ストリップを圧延する前に機械加工を行ない、削り取らねばならない。機械加工を行なうことは、製造費用の上昇をもたらし、不利である。
それゆえ、表面が一様な鋳造ストリップが得られ、キャスティングゾーンに溶融金属が良好に封じ込められ、ストリップのエッジ部を圧延前に機械加工によってトリミングする必要がない、金属及び合金の高速連続鋳造方法が要請されている。
<発明の要旨>
上記の支障及び不具合を解消するために、本発明は、電磁閉じ込め装置を水平型鋳造装置に組み込んだもので、電磁閉じ込め装置と交流によって発生する磁場のポジショニングにより、エッジ部(側壁)が略一様な鋳造金属ストリップを製造するものである。さらに、本発明は、鋳造金属ストリップの側壁の輪郭(profile)を調節する手段を具えた、鋳造金属ストリップを製造する方法及び装置を提供するものである。
本発明の一実施例では、鋳造金属ストリップのエッジ部の側壁が略平らであるか、又は鋳造金属ストリップの中心線に関して凹形又は凸形である略一様なエッジ部を有する鋳造金属ストリップが製造されるように、電磁閉じ込め装置を通して印加される電流と、水平鋳造装置のモールディングゾーンへの電磁閉じ込め装置のポジショニングとを選択するものである。鋳造金属ストリップのエッジ部は略一様であるため、さらに機械加工を施さなくても、鋳造金属ストリップの圧延が可能となる。
本発明の一実施例の装置は、広義において、
(a) 水平軸線に沿って溶融金属を受ける(receive)ことができる一対のキャスティングローラであって、キャスティングローラ間の垂直方向距離がモールディングゾーンを画定する、一対のキャスティングローラと、
(b) モールディングゾーンの各側に配置された電磁式エッジ部封じ込め装置(electromagnetic edge containment apparatus)であって、磁気部材の一部に巻回され、電流が印加されると磁力線を発生させるインダクションコイルを具え、磁気部材は、一対のキャスティングローラの側壁から離れた位置に該側壁に揃うように配置された第1磁極と第2磁極を有し、電流は、前記水平軸線と直交する方向に磁力線を供給し、溶融金属を、溶融金属が実質的に温度上昇することなくキャスティングローラに接触した状態で収容する、電磁式エッジ部封じ込め装置と、
(c) 溶融金属が実質的に酸化されない状態で、溶融金属を、タンディッシュから前記水平軸線に沿ってモールディングゾーンに供給する手段であって、タンディッシュは、タンディッシュ内で磁力線による波発生が実質的に起こらないように、モールディングゾーンから離間した位置に配置されている、溶融金属供給手段と、を具えている。
本発明の装置の他の実施例において、水平ローラ鋳造装置は、該装置を介しての金属の収容は、機械的エッジダム及び電磁エッジダムの組合せによって行われる。本発明の鋳造装置は、広義において、
(a) 水平軸線に沿って溶融金属を受けることができる一対のキャスティングローラであって、キャスティングローラ間の垂直方向距離がモールディングゾーンを画定する、キャスティングローラと、
(b) 溶融金属が実質的に酸化されない状態で、溶融金属を、タンディッシュから前記水平軸線に沿ってモールディングゾーンに供給することができるように配置されたチップ供給体と、
(c) モールディングゾーンの各側に配置されたエッジ部封じ込め装置であって、機械的エッジダムと電磁エッジダムとを具えており、機械的エッジダムは、前記チップ供給体の少なくとも端部を覆って、一部分がモールディングゾーンの方へ延在しており、電磁エッジダムは、一対のキャスティングローラの側壁から離れた位置に該側壁に揃うように配置された第1磁極と第2磁極を具え、一部分がモールディングゾーンの方へ延在する前記機械的エッジダムの一部を覆うようになし、前記水平軸線と直交する方向に磁力線を供給し、溶融金属をキャスティングローラに接触した状態で収容する、エッジ部封じ込め装置と、を具えている。
各実施例において、水平方向に配備されたキャスティングローラ対の垂直方向離間距離は、金属ヘッド高さを作りだし、溶融金属が実質的に昇温することなく電磁封じ込め装置によって供給される磁力線による溶融金属の封じ込めが可能となる。この明細書において、「対のキャスティングローラの側壁から離れた(distant from)位置に該側壁に揃う(aligned to)ように配置される」という語は、電磁エッジダムの磁極が、キャスティングローラの側壁によって画定される平面を超えて鋳造装置の中心線の方へ延在するのではなく、キャスティングローラの側壁に十分近い位置に配置され、溶融金属をモールディングゾーン内に収容するのに十分な磁場を供給することを意味する。電磁エッジダムの磁極は、十分な封じ込め力がモールディングゾーンに供給されることができる限り、キャスティングローラ側壁に近接する位置から、側壁より任意の離間距離まで調節されることができる。一実施例において、キャスティングローラの側壁は略平らである。キャスティングローラの側壁に関して「略平ら(substantially planar)」という語は、キャスティングローラはリップ部を有しないことを意味する。一実施例において、電磁力線は、電磁エッジ部封じ込め装置を通じて、周波数40Hz〜10000Hzの交流によって発生する。
本発明の他の実施例において、ベルト式鋳造システムは、電磁エッジ部封じ込めを採用して、略一様なエッジ部を有する金属ストリップを作製するもので、略一様なエッジ部により、さらに機械加工を施さなくても、鋳造金属ストリップの圧延が可能となる。
溶融金属をストリップ鋳造するための本発明のベルト式鋳造システムは、広義において、
(a) 一対の対向する無端状金属ベルトであって、各ベルトはローラ上を通り、該ローラの周囲に略揃う形状の周状部を有し、溶融金属を受ける(accept)表面を有しており、対向するベルト間の垂直方向の距離がモールディングゾーンを画定する、一対の無端状金属ベルトと、
(b) モールディングゾーンの各側に配置された電磁式エッジ部封じ込め装置であって、磁気部材の一部に巻回され、電流が印加されると磁力線を発生させるインダクションコイルを具え、電流がもたらす磁力線により、溶融金属を実質的に温度上昇させることなく、対向する無端状金属ベルトの少なくとも一部に接触した状態で、幅の範囲内で溶融金属を収容させる、電磁式エッジ部封じ込め装置と、
(c) 溶融金属を、タンディッシュから水平軸線に沿ってモールディングゾーンに供給する手段であって、タンディッシュは、タンディッシュ内で磁力線による波発生が実質的に起こらないように、モールディングゾーンから離間した位置に配置されている、溶融金属供給手段と、を具えている。
本発明の他の態様において、鋳造ストリップは、上記鋳造装置によって形成される。鋳造ストリップは、広義において、
(a) 第1シェルと、
(b) 第2シェルと、
(c) 第1シェルと第2シェルの間にあって、等軸組織を有する中央部と、
を具えており、側壁のエッジ部は略一様である。
本発明の他の態様は、金属ストリップの鋳造方法を提供するもので、磁場を利用して金属ストリップの側壁の形状を制御するものである。本発明の方法は、広義において、
溶融金属を、水平軸線に沿ってモールディングゾーンに供給し、
磁気封じ込め手段により、溶融金属をモールディングゾーン内に収容し、
溶融金属を金属ストリップに鋳造することを含んでおり、鋳造される金属ストリップの側壁形状の形成は、磁気封じ込め手段を調節することによって行われる。
磁場を調節することにより、鋳造された金属ストリップの中心線に関して、ストリップの側壁の形状が平らになり、また凹状若しくは凸状になる。一実施例において、磁気封じ込め手段は、磁気部材の一部に巻回され、電流が印加されると磁力線を発生させるインダクションコイルを具えることができる。磁気部材は第1磁極及び第2磁極を有し、これら磁極は、モールディングゾーンから離れた位置乃至該モールディングゾーンに近接する位置に配置される。
磁気封じ込め手段が発生した磁力線は、インダクションコイルを通る電流を増加又は減少させることにより、又は磁気封じ込め手段のモールディングゾーンに関するポジショニングを変えることによって調節することができる。磁気封じ込め手段の第1磁極及び第2磁極を、モールディングゾーンの近傍に配置すると、側壁が凹状の鋳造金属ストリップが作られ、モールディングゾーンから離れた位置に配置すると、側壁が凸状の鋳造金属ストリップが得られる。
<望ましい実施例の詳細な説明>
本発明は、従来よりも低いAC電流で発生した磁力線を用いて、溶融金属を、水平方向に配備されたローラ鋳造システム又はベルト鋳造システムのモールディングゾーンに閉じこめることができる電磁エッジダム(electromagnetic edge dam)を提供するものである。低AC電流で十分な電磁封じ込め手段が提供されるので、本発明における電磁閉じ込めでは、溶融金属の温度の実質的な上昇はなく、波発生の影響も起こらない。
前述したように、従来の垂直式鋳造方法では、溶融金属ヘッド高さが大きいため、溶融金属によって発生する大きな圧力を収容するのに大きな磁力を必要とし、大きな磁力は、一般的には高電流を必要とし、これが熱を発生する。例えば、垂直式鋳造方法の代表例として、溶融アルミニウムを高さ300mmまで収容する(contain)のに必要な最小磁界強度は0.24Tである。一方、本発明の水平鋳造装置では、金属ヘッド高さが低く維持されるので、比較的低い磁場強度でも封じ込めを達成することができる。本発明の水平鋳造装置におけるヘッド高さが例えば50mmの場合、鋳造中、溶融アルミニウムを水平位置に収容するのに必要な磁界強度は、僅か0.055Tにすぎない。
添付の図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。添付の図面において、同一及び/又は類似の要素については、同じ引用符号を付している。
図2Aに示す本発明の一実施例において、水平ローラ鋳造装置(10)は、磁力線を供給する電磁エッジダム(15)を具えており、該電磁エッジダムは、磁力線が、鋳造品が引き出される平面と直交する面に沿う方向に進み、溶融金属Mを装置(10)のモールディングゾーン(20)の内部に閉じこめることができるように配置される。水平ローラ鋳造装置(10)は、夫々、矢印A1及びA2の方向に逆向きに回転する一対の冷却ロールR1及びR2が用いられている。水平という語は、鋳造ストリップが、2−2断面線と並行な水平面に沿って製造されるか、又は、前記水平線からプラスマイナス30°以内の角度で製造されることを意味するものする。
図2Bに示す本発明の一実施例において、水平ベルト鋳造装置(10')は、磁力線を供給する電磁エッジダム(15)を具えており、該電磁エッジダムは、磁力線が、鋳造品が引き出される平面と直交する面に沿う方向に進み、溶融金属Mを装置(10)のモールディングゾーン(20)の内部に閉じこめることができるように配置される。水平ベルト鋳造装置(10')は、夫々、矢印A1及びA2の方向に逆向きに回転する一対のベルトB1及びB2が用いられている。なお、これ以降の図は、図2Aに示す水平ローラに関するものであるが、以下の説明では、溶融金属が、ロールR1及びR2に接触する代わりにベルトB1及びB2に接触すること以外は、図2Bに示す水平ベルト鋳造装置(10')に対しても同様に適用されるものである。また、水平ローラ鋳造装置(10)とベルト鋳造装置(10')とのさらなる違いについては、関連箇所で説明することにする。
図3を参照すると、溶融金属Mは、適当なセラミック材料から作られたフィードチップTにより、モールディングゾーン(20)へ送られる。フィードチップTは、溶融金属Mを矢印Bの方に向けて、矢印A1及びA2の方向に回転する一対のキャスティングロールR1及びR2へ直接配給する。フィードチップTとロールR1及びR2とのギャップは、できるだけ小さく維持され、溶融金属の漏出を防止し、溶融金属が大気にできるだけ曝されないようにしている。ギャップG1及びG2の適当な寸法は、約0.01インチ(0.25mm)である。ロールR1及びR2の中心線を通る平面Lは、ロールニップNで示されるロールR1及びR2の最小クリアランスの領域を通過する。
フィードチップTから送給される溶融金属Mは、領域(18)及び領域(19)で、夫々、冷却ロールR1及びR2と直接接触する。ロールR1及びR2と接触すると、溶融金属Mの冷却及び凝固が開始する。冷却中の金属は、ロールR1に隣接する位置で凝固して上側シェル(16)を生成し、ロールR2に隣接する位置で凝固して下側シェル(17)を生成する。シェル(16)(17)の厚さは、溶融金属MがニップNの方へ進むにつれて増す。上側シェル(16)及び下側シェル(17)の各々と溶融金属Mとの界面に、大きなデンドライト(21)(縮尺とおりに示されていない)の凝固金属が生成される。大きなデンドライト(21)は、破壊され、低速で移動する溶融金属Mの流れの中心部(12)の中へドラッグされて(dragged)、矢印C1及びC2の方に運ばれる。
流れのドラッギング(dragging)作用により、大きなデンドライト(21)は破壊されて、小さなデンドライト(22)(縮尺とおりに示されていない)になる。ニップNの上流側の中心部(12)では、金属Mは、半凝固状態であり、凝固した小さなデンドライト(22)を含む固体成分と溶融金属成分とを含んでいる。金属Mは、領域(23)では柔粘度(mushy consistency)であるが、その理由は部分的には、その中での小さなデンドライト(22)の分散による。ニップNの位置では、溶融金属の一部は、後方に向けて、矢印C1及びC2とは反対方向に押し込まれる。ロールR1及びR2がニップNで順回転すると、金属の実質的に固体部分だけ(中心部(12)における上側及び下側シェル(16)(17)及び小デンドライト(22))が前進し、中心部(12)の溶融金属はニップNから上流へ強制的に送られるので、金属がニップNの位置を出て行くときは完全に固体である。
ニップNの下流では、中心部(13)が固体中心層(13)であり、上側シェル(16)と下側シェル(17)との間に介在する小デンドライト(22)を含んでいる。中心層(13)では、小デンドライト(22)のサイズは約20〜約50ミクロンであり、その形状は、円柱状ではなく、ほぼ等軸(球形)である。上側シェル(16)、下側シェル(17)及び凝固中心層(13)の3層は、固体鋳造ストリップを構成する。
ロールR1及びR2は、溶融金属Mの熱に対するヒートシンクとして機能する。本発明において、溶融金属MからロールR1及びR2への熱の移動は均一に行われるので、鋳造ストリップの表面は一様になる。ロールR1及びR2の表面D1及びD2は、鋼、銅その他熱伝導性が良好な金属材料から作られ、テクスチャー加工され、溶融金属Mと接触する不規則形状表面(図示せず)を含んでいる。不規則形状表面は、表面D1及びD2からの熱伝達を向上させる。ロールR1及びR2は、鋳造ストリップをロールR1及びR2と分離し易くする材料(例えば、Cr又はNi)の被膜が形成されている。好ましい実施例において、表面D1及びD2を含むロールR1及びR2は、強磁性材料から構成される。ロールR1及びR2が強磁性材料から構成されない本発明の実施例では、ローラのキャスティング表面D1及びD2は、ローラの側壁と共に、強磁性材料の被膜が形成されている。
ロールR1及びR2の適当速度の制御、維持及び選択は、本発明の作業性に影響を与える。ロール速度は、溶融金属MがニップNの方へ進む速度を決定する。速度が遅すぎると、大きなデンドライト(21)は、中心部(12)の中に取り込んで小デンドライト(22)に破壊するのに十分な力をもたない。本発明は、例えば、約25〜約400フィート/分、約100〜約400フィート/分、約150〜約300フィート/分等の高速での操業に適している。溶融アルミニウムがロールR1及びR2へ送給される線形速度は、ロールR1及びR2の速度よりも遅いか、又は該ロール速度の約4分の1である。本発明が高速連続鋳造を達成できる理由は、部分的には、テクスチャー加工された表面D1及びD2により、溶融金属Mからの熱伝達が一様に行われるからである。
ロール分離力(roll separating force)は、本発明の実施におけるパラメータでもある。ロール分離力は、ロールギャップ内にストリップが存在することによりロール間に存在する力である。ロールによる鋳造中、ストリップがロールによって塑性変形されるとき、ロール力は特に大きい。本発明の有意な利点は、金属がニップNに達するまで、固体ストリップが作られないことである。厚さは、ロールR1とロールR2との間のニップNの寸法によって決まる。ロール分離力は、溶融金属を、ニップNから上流に向けて遠ざかる方向に押し込むのに十分な大きさである。ニップNを通る溶融金属が過剰であると、上側シェル(16)、下側シェル(17)及び固体中心部(13)の層は互いに離れ落ちて、ずれてしまう。ニップNに達する溶融金属が不足すると、ストリップは、従来のロール鋳造プロセスで起こるような早期成形となる。早期成形された(prematurately formed)ストリップ(20)は、ロールR1及びR2によって変形し、中心偏析が起こる。適当なロール分離力は、鋳造幅1インチあたり約25〜300ポンド又は鋳造幅1インチあたり約100ポンドである。一般的に、厚肉ゲージのアルミニウム合金を鋳造するとき、厚肉合金から熱を除去するために、キャスティング速度を遅くする必要がある。従来のロール鋳造とは異なり、キャスティング速度を遅くしても、本発明では、ニップの上流で十分に固体のアルミニウムストリップが生成されないため、過剰なロール分離力は生じない。
従来の方法では、ロール分離力は、低ゲージアルミニウム合金ストリップ製品を製造する上で制限因子であったが、本発明では、ロール分離力が従来の方法よりも複数桁小さいので、そのような制限因子とはならない。約25〜約400フィート/分のキャスティング速度で、厚さ約0.1インチ以下のアルミニウム合金ストリップを製造することができる。本発明の方法を用いると、例えば約1/4インチ厚さの厚肉ゲージアルミニウム合金ストリップを製造することができる。
本発明によって連続鋳造されたアルミニウム合金ストリップ(20)は、アルミニウム合金の第1層(シェル(16))とアルミニウム合金の第2層(シェル(17))との間に中間層(凝固中心層(13))を有している。本発明のアルミニウム合金ストリップは、ロールによって加えられる力が小さい(幅1インチあたり300ポンド以下)ため、その結晶粒に実質的な変形は起こらない。ストリップは、ニップNに達するまで固体ではない。それゆえ、従来の双ロール鋳造法のように熱間圧延されず、典型的な熱機械的処理を受けない。鋳造機でこれまでのような熱間圧延が起こらないので、ストリップ(20)の結晶粒は実質的に変形されず、凝固時に得られる初期組織、すなわち等軸晶組織(equiaxed structure)(球状等)が維持される。
本発明のアルミニウム合金の連続鋳造は、ストリップSの所望ゲージに対応するニップNの所望寸法を初期選択することによって達成される。ロールR1及びR2の速度は、所望の製造速度まで上昇させることができるが、その速度は、ロールR1とロールR2の間で鋳造ストリップの塑性変形が起こるときの速度よりは小さい。本発明で企図された速度(約25〜約400フィート/分)で鋳造すると、インゴットとして鋳造されるアルミニウム合金よりも約1000倍速くアルミニウム合金ストリップを凝固させることができ、インゴットして鋳造されるアルミニウム合金よりもストリップの特性を向上させることができる。
フィードチップTから供給される溶融金属Mは、少なくとも電磁エッジダム(15)によってモールディングゾーン(20)の中に閉じこめられる。電磁エッジダムは、磁力線が、鋳造品が引き出される2−2平面と直交する方向に進むように配置されている。一実施例において、電磁エッジダム(15)は、鋳造装置の各側に配置される。好ましい実施例において、溶融金属Mは、鋳造中、機械的エッジダム(55)と電磁エッジダム(15)とによって、モールディングゾーン(20)の中に閉じ込められる。この場合、機械的エッジダム(55)はフィードチップTの近傍に配置され、電磁エッジダム(15)は機械的エッジダム(55)の終端を覆うように配置され、図6及び図11に示されるように、モールディングゾーン(20)の全長に沿って閉じ込め力を提供する。
電磁エッジダム(15)によって利用され、溶融金属Mをモールディングゾーン(20)の中に維持するための電流及び/又は周波数は、電磁エッジダムを用いる従来の鋳造装置で一般的に必要とされるものよりも小さい。電磁エッジダムを用いた従来の鋳造装置では、溶融金属を収容するのに必要な磁力場が大きいため、溶融金属の内部が誘導加熱され、凝固工程に悪影響を及ぼす。本発明では、必要な電磁力の大きさが小さいので、電磁エッジダムを通って導入される電流及び/又は周波数も小さく、モールディングゾーンにおける溶融金属の側壁に対する誘導加熱の発生は低減される利点がある。
拘束されるものではなく、本発明をさらに説明する利益のために、モールディングゾーンの中に金属を収容するのに必要な電磁力を小さくすることは、図3に示されるように、フィードチップTからの溶融金属のヘッド高さH2を小さくすることであると出願人は考える。これは、従来の垂直鋳造装置では、図1に示されるように、ローラ鋳造機の上の溶融金属プールの高さH1を大きくしていたこととは反対のことである。前述したように、垂直方向に配備したキャスティングローラの上の溶融プールの高さH1(又は深さ)はキャスティングローラR1及びR2の高さの約65%であり、図1に示されるように、8〜20インチの範囲である。図3を参照すると、本発明では、チップフィードTからモールディングゾーン(20)へ送られる溶融金属の高さH2は、約1インチのオーダであり、場合によっては、0.5インチにまで減じることができる。タンディッシュにおける金属レベルとストリップの中心の高さの垂直位置の差は、“溶融金属ヘッド(molten metal head)”と称するものとする。
溶融金属ヘッドH2と、異なるヘッドレベルで溶融アルミニウムを収容するのに必要な磁場強さとの関係は、以下の式によって最も良く示すことができる。圧力は溶融金属ヘッドによってもたらされ、磁場が溶融金属をモールディングゾーン(20)内に収容するのに必要な圧力は、
式:p=ρgH2
から算出され、pは磁気圧力(Pa)、ρは金属の密度、gは重力加速度、H2は溶融金属ヘッドの高さである。溶融金属ヘッドによって生ずる圧力は、電磁エッジ封じ込め装置が溶融金属ヘッドをモールディングゾーン(20)内に収容するのに発生しなければならない磁場の強さを決定する。本発明において、フィードチップTによりモールディングゾーン(20)に向けて水平方向に送給される溶融金属ヘッドH2の高さは、0.5インチもの低さである。水平ローラキャスティング装置(10)のフィードチップTから、変動高さH2の溶融金属ヘッドによって生ずる圧力は、上記式を用いて求められ、図4に示す表に示されている。要約すると、圧力は、金属ヘッド高さH2が約0.5インチ(12.7mm)のときの約125Paから、金属ヘッド高さH2が約10インチ(254mm)のときの約2492Paの範囲である。
溶融金属H2をモールディングゾーン(20)の中に収容するのに必要な圧力は、
式:p=B2/2μ0
を用いて、必要な磁場密度(B)を決定することができ、式中、pは磁気圧力Pa(パスカル)、Bは磁場強さT(テスラ)、gは重力加速度、μ0は空気の透磁率(=4π×10-7H/m)である。図4を参照すると、上記式より、溶融金属ヘッド高さH2が比較的高い場合で、フィードチップTによる送給が約254mm(10インチ)のとき、必要な磁場密度は約0.079T(790ガウス)であり、溶融金属のヘッド高さH2が約12.7mm(0.5インチ)のとき、磁場強さは約0.0177Tである。図4に示されるように、溶融金属高さH2を小さくすると、溶融金属をモールディングゾーン(20)内に収容するのに必要な磁場密度は小さくなる。本発明に係る金属ヘッド高さを収容するのに必要な磁場密度は、比較的低電流の電磁マグネットで得られることができる。一実施例において、電磁エッジダムは、約2000アンペア・ターン(10ターンのコイルで200A)で操業する。
本発明の他の態様において、電磁エッジダムの物理的ポジショニング、溶融金属ヘッド高さ及び磁場強さを変えることにより、溶融金属のエッジ部の位置及びローラ鋳造機R1、R2の側壁に関するモールディングゾーン内の位置を決めることができる。ローラ鋳造機の面(エッジ部)から異なる距離における磁場の強さは、
式:BL=(μ0nI/l)/{(2D/H)sinh(L/l)+(w/l)cosh(L/l)}
を用いて計算することができ、式中、BLはロール面からのギャップが距離L(m)のときの磁場強さであり、nIはコイル巻数及び電流であり、w=ロールギャップl=(μrδw/2)1/2であって、μrは鋳造機のスチール製ロールの相対透磁率(600とする)、δはスチール(鋳造機ロールの材料)のスキン深さ、wはロールのギャップであり、Dは電磁石磁極とロール面との距離であり、Hは磁石の磁極の高さである。
図5は、上記式を用いて、磁場の強さを、電磁エッジダム(15)からの電流の周波数(Hz)の関数として計算し、プロットしたもので、磁場強さを計算した距離の範囲は、スチール製キャスティングロールの側壁から内向きに10mm〜80mmである(参照ライン1=10mm、参照ライン2=20mm、参照ライン3=30mm、参照ライン4=40mm、参照ライン5=60mm及び参照ライン6=60mm)。各々の計算において、磁極の高さ(H)は8mmに、電磁極とロール面の間の距離(D)は4mmに、ロールギャップ(W)は4mmに設定した。また、プロットした参照ラインは、高さH2を有する金属ヘッドを収容するのに必要な最小磁場強さを示しており、高さH2は、250mm(参照ライン7)、150mm(参照ライン8)、100mm(参照ライン9)及び50mm(参照ライン11)である。図5に示されるプロットより、250mmの金属ヘッド(8)に必要な場密度0.079Tは、ロールギャップ距離20mmまでの電磁磁石によって作られることがわかる。
鋳造ストリップのエッジ部は、所望により、エッジダムの電流を大きくすることにより、キャスティングR1、R2の面(側壁)から内向きに収容されることができる。ロール面からの距離が長くなると、場密度(field density)は急速に減少し、50mmオーダのような金属ヘッド高さが小さいものだけが、このエッジダムを2000アンペアターンで作動させることにより、40mm以上の距離の中に収容されることができる。封じ込めできる範囲は、所望により、エッジダム上の電磁気力(nI)を大きくすることによって拡大することができる。電磁力を大きくすると、エッジダムの加熱による影響を検討する必要がある。
図5に示されたプロットはまた、本発明に用いられた電磁エッジダムは、選択されたあらゆる周波数において有効に操業できることを示している。磁場の損失は、10kHzよりも大きな周波数で作動したときにだけ顕著なものとなる。
溶融金属ヘッドの高さと磁場密度の他に、キャスティングローラに関する電磁エッジダムの位置を調節することによって電磁力線を供給して、溶融金属Mをモールディングゾーン(20)の中に閉じこめることもできる。図6を参照すると、電磁エッジダム(15)は、磁気部材の磁極がキャスティングローラR1、R2の側壁(13)に揃うように配置されている。一実施例において、電磁エッジダムは、磁気部材の磁極が、各キャスティングローラR1、R2の側壁から離れて配置される。図2Aに示す水平ベルト式鋳造装置を用いた本発明の実施例では、電磁エッジダム(15)は、磁気部材の各磁極が、キャスティングベルトB1、B2の近接する側壁とは離れた位置で該側壁に揃うように配置される。この明細書において、「キャスティングベルトB1、B2の近接する側壁とは離れた位置で該側壁に揃うように」とは、モールディングゾーン内に溶融金属を収容するのに十分な磁場を供給できるように、電磁エッジダムの磁極が、キャスティングベルトの側壁で画定される平面を超えて鋳造装置の中心線の方へは延びず、キャスティングベルトの側壁の極く近傍に配置されることを意味する。
本発明の電磁エッジダムは、例えば銅等の非磁性材料から作られたロールを有する鋳造機で使用することもできる。しかしながら、非磁性材料のローラの場合、磁場のロールギャップへの進入は制限されるので、封じ込めが行われるのは、通常、ロールの端部近傍の平面である。そのようなロールの端部面及び鋳造面(200)に磁性材料(例えば、鉄、ニッケル又はコバルト)でコーティングすれば、磁場をギャップまで進入させることができ、図8Dに示されるように、所望深さまで封じ込めることもできる。
従来の鋳造装置では、磁場がモールディングゾーンに集中するように、電磁デバイスの磁極及びキャスティングロールが作られていた。一例として、従来のキャスティングローラは、各ローラの側壁から延びるリップを用いたり、キャスティングローラの延在リップに対応する形状の磁極をさらに具えるものもある。これに対し、本発明では、従来の鋳造装置とは異なり、電磁エッジダムによって発生した磁場を集中させるのに、特別な形状のキャスティングローラを必要としない。本発明の一実施例では、キャスティングローラR1、R2の側壁(113)は、略平らである。また、本発明の電磁エッジダム(15)は、電磁式エッジ部封じ込め装置の面がキャスティングローラの平らな側壁(113)の面に揃うように配置されることができ、電磁エッジダム(15)はキャスティングローラR1、R2の極く接近した位置にある。電磁エッジダム(15)は、キャスティングローラの側壁(113)から離間して配置されることもできる。電磁エッジダム(15)の位置の如何に拘わらず、電磁エッジダム(15)からは、溶融金属Mをモールディングゾーン(20)内に閉じこめるのに十分な電磁力が供給される。
エッジダム(15)のポジショニングは、エッジダムに用いられる電流又は周波数に依存するものでもよい。例えば、電流が低いと、供給される電磁力線の大きさは小さくなるので、エッジダム(15)の位置は、モールディングゾーン(20)により接近させる必要がある。電磁エッジダムを通じて送られる電流が高いほど、電磁力線の大きさは大きくなるので、電磁エッジダムは、モールディングゾーンからもっと離れたところに配置されることができる。
図7A〜図7Cは、電磁エッジダム(15)の配置と電磁力線の大きさの実施例を示しており、図7Aは、モールディングゾーン(20)内の溶融金属Mの側壁が略平らな例、図7Bは側壁が凸状の例、図7Cは側壁が凸状の例である。一実施例では、2200アンペア/ターンの電流で、略平らな又は真直な側壁を有する鋳造ストリップが生成され、1200アンペア/ターンの電流で、略平らな又は真直な側壁を有する鋳造ストリップが生成され、1200アンペア/ターンのオーダの電流で、略凸状の側壁を有する鋳造ストリップが生成される。なお、この実施例は単なる例示であって、本発明を限定するものと解するべきではなく、モールディングゾーン(20)に対して十分な封じ込め力を供給し、過剰なインダクション加熱とならない限り、いかなる電流であっても、本発明に適用可能である。鋳造ストリップの側壁は凹状又は凸状である本発明の好ましい実施例において、側壁の曲率は、例えば、溶融金属のヘッド高さの約半分の半径である。
他の実施例において、電磁エッジダム(15)がモールディングゾーンの中に溶融金属を供給する際、モールディングゾーン(20)の溶融金属Mの中心線に関して、側壁が凸状となる構成にすることができる。好ましくは、モールディングゾーンの中の溶融金属の側壁は、図8A及び図8C示されるように、ローラ鋳造機の平らな面に略揃えられる。或いはまた、磁力線がキャスティングローラの側壁(113)を超えて進むように構成し、図8B及び図8Dに示されるように、溶融金属はローラ鋳造機のエッジ部の内部に閉じ込められる。
図8Aは電磁エッジダム(15)の構造を示しており、図2Aに示すエッジダム装置(15)の断面の構造を詳細に示している。本発明の好ましい実施例において、電磁エッジダム(15)は、マグネットタイプの閉じ込めシステムであり、略C形状の磁気部材を含んでいる。磁気部材(30)は、上アーム又は磁極(34)と下アーム又は磁極(36)を有するコア(32)を含んでおり、略C形状断面が画定される。コア(32)は、磁気部材(30)のコア(32)の周りに巻回されたコイルを具えるインダクションコイル巻線(38)を含んでおり、インダクションコイルが構成される。このように、巻線は、磁気部材(30)のコア(32)の周りに巻回された複数のコンダクタから構成される。コア(32)の周囲のコア巻線(38)は、銅等の固体金属線から作ることができる。
図8Aを参照すると、上アーム(34)は磁極面(42)で終端し、下アーム(36)は磁極面(44)で終端し、溶融金属Mはそれらの間にある。磁極面(42)(44)は、インダクションコイル(38)を有する磁気要素(30)で発生した磁力線が、符号(48)で示されるように、一方の磁極面(42)から他方の磁極面(44)へ進む表面を画定する。
図9A〜図9Cは、異なる磁極面(44)について、本発明に係る角度及び向きを示している。当該分野の専門家であれば、磁極面間のギャップ(43)が大きくなるにつれて、ギャップを横切る場の強さは低下することは理解し得るであろう。図9Aは、磁気部材(30)の断面を示しており、磁極面(42)(44)は、鋳造物が引き出される平面に略直交する垂直面に関して負の角度である。負の角度は、磁極面間のギャップ(43)が、各磁極の外側エッジ部の方が内側エッジ部よりも小さいことを意味する。従って、図9Cに示される磁気部材によって作られる封じ込め力は、各磁極の外側エッジ部の方が各磁極の内側エッジ部よりも強い。図9Bは、磁気部材(30)の断面を示しており、磁極面(42)(44)は、鋳造物が引き出される平面に略直交する垂直面に関して角度を有しない。ゼロ角度は、各磁極の内側エッジ部と各磁極の外側エッジ部とでは同じであることを意味する。従って、図9Bに示される磁気部材によって作られる磁場は、各磁極面を横切る方向で同じである。図9Cは、一部は平行、一部は平行でない磁極面(42)(44)を有する磁気部材(30)の断面を示している。磁極面(42)(44)の内側領域は、水平面に関して負の角度である。
本発明の一実施例において、磁気部材(30)は、珪素鋼等の強磁性材料から作られており、そのような強磁性材料の固体片から作られることができる。或いはまた、磁気材料(30)は、図10に示されるように分割コアのように複数の強磁性材料から作られることができる。他の実施例において、磁気部材(30)は、機械加工された一連の層状要素から形成し、機械的手段(例えば、接着剤等の手段)を用いて接合して、図11に示されるように所望の形状を作ることができる。層状物は、フラックス線を磁気部材の中により均一に分配して、磁気部材の飽和による損失を低減する作用を有するので、層状物を用いることが好ましい場合が多い。また、層状強磁性材料から作られた磁性部材の場合、層状部材を接合するにのに用いられる接着材の熱伝導性が良好な場合は、熱として分散する電気エネルギーは、より均一に分配されて、より容易に除去されることができる。
図8A〜図8Dを再び参照すると、磁気部材(30)を取り囲んで外側シールド(50)が配備されているが、この外側シールドは、構造的に剛性で、導電性及び熱伝導性が非常にすぐれる材料から作ることが好ましく、その材料として金属が最も好ましい。外側シールド(50)は、銅から作ることが好ましいが、銀及び金等のその他金属も同じように用いることができる。外側シールド(50)の導電性が高いと、磁気部材の内部に磁力線を封じ込めるのを助ける作用があり、熱伝導性が高いと、装置全体からの熱の散逸を助ける作用がある。当該分野の専門家であれば理解し得るように、外側シールド(50)に冷却チャンネル又はブレーズチューブを設けて、外側シールドを通して又は外側シールドの表面で冷却用流体を分配させることにより、電磁場で発生する熱の除去をさらに助けることもできる。追加の冷却能力を必要とする場合、例えば、インレットを用いて、冷却用流体を外側シールドを通過させて、排出ポートから除去することができる。このように、冷却用流体を外側シールド内の導管を通過させて、電磁場で発生した熱を除去をすることができる。
本発明を実施する際に用いられる電磁エッジダムは、磁気部材(30)のC字形状部の中に嵌まる寸法に形成された内側シールド(56)を含んでいる。内側シールド(56)は、同じように、磁気部材(30)のコイル(38)が発生する磁力線を収容する作用を有しており、磁力線は磁気部材(30)の中に確実に維持される。また、マグネットからの熱を逸散させる能力を高めたい場合、内側シールドの中に、冷却用流体を通過させる導管手段を含めることもできるし、そうすることが好ましい場合がある。また、内側シールドを用いないこともできる。特に、磁力線が層状物の中を流れる方が好ましい結晶方向性珪素鋼層状物を用いる場合は、内側シールドを用いない。
本発明の磁場の通路は、図8A乃至図8Dに示される。図8Aにおいて、磁力線はエッジダムの1つの磁極から、ロールの側面と略平行な平面にある他の磁極へ流れる。それは、非強磁性(例えば銅)の金属ロールにも適用可能である。磁場により、ロールの端面に封じ込め力が作られる。図8Bは、磁力線がギャップの中に進入し、溶融金属をロール面から内方に収容する例を示している。これは、電磁ロール及び強磁場の例である。また、図8Dに示されるように、十分な深さを有する強磁性コーティング(200)を、非強磁性ロール材料の鋳造表面の端面及び端部に施すことによって達成することもできる。
本発明を実施する際に用いられる電磁封じ込め装置を構成する場合において、電磁場によって発生した熱を逸散させるのに、異なる多くの技術を用いることができる。図8Cに示されるように、巻線(40)は、中央部を開口(41)が貫通する環状コンダクタから作ることができる。それゆえ、冷却された水は、巻線(40)の中央開口を通過することができるので、磁場が発生した熱を逸散させるのを助ける作用を有する。図12に示されるように、コア(30)には、その中を通る冷却用導管(47)を設けることもできる。冷却用流体は、冷却用導管(47)の中を通過して、電磁場によって発生した熱を逸散させるのを助ける作用を有する。
図12は、本発明の一実施例を示しており、機械的エッジダム(55)は、磁気部材(30)を有する電磁エッジダム(15)と共に用いられる。磁気部材(30)は、機械的エッジダム(55)によって先導される。図示の機械的エッジダム(55)は、理想的には、セラミックレス表面を有し、モールディングゾーンの入口のリラクタンスを低下させる磁性材料から構成することができる。工程条件で金属材料を使用できない場合、機械的エッジダム(55)を作るのにセラミック材料を用いることもできる。本発明の一実施例では、機械的エッジダム(55)が配置され、タンディッシュHからフィードチップTへ送給される状態で、溶融金属は鋳造装置の中に確実に収容される。溶融金属MがフィードチップTに達すると、電磁エッジダム(15)により封じ込め力が供給される。この構成では、電磁エッジダム(15)は鋳造装置の最も攻撃的な部分に配置されるので、機械的エッジダム(55)の使用寿命は電磁エッジダム(15)によって寿命が向上する。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに説明し、また、得られる利点を明らかにする。本発明は、具体的実施例に限定されるものではない。
<電磁プッシュの確認>
スチール製ロールを有する鋳造機を用いた本発明に基づいて、アルミニウムストリップを鋳造した。得られたストリップの金属組織を調べて、モールディングゾーン内の溶融金属に及ぼす電磁力の効果を確認した。
水平ローラ鋳造機及び本発明に係る電磁エッジダム及び機械的エッジダムの組合せを用いて、供試体を作製した。次に、電磁エッジダム2180Aターンの条件で、厚さが異なる3種類の鋳造ストリップ(2.44mm、2.29mm及び2.16mm)を鋳造した。ストリップのエッジ部から試料を切り取り、金属組織検査を行なった。鋳造ストリップの中央部は、図14A及び図14Bに示されるように、ストリップの外側表面よりも内方へ押し寄せられていることが観察された。ストリップの中央部は最後に凝固されるので、鋳造中、電磁エッジダムの閉じ込め効果は、この観察結果によって確認される。
ロールギャップへの閉じ込め効果の深さは、鋳造ストリップの幅を室温で測定することによって推定される。室温での鋳造ストリップの幅は、約400.5mmである。この測定結果から、凝固及び室温への冷却中に起こる収縮を加えて、モールディングゾーン内のストリップの幅は406mmと推定することができる。
キャスティングロールの幅が約422mmであるので、磁場により、各キャスティングロールのロール面から約13mm(13mm=(ローラ鋳造機の幅432mm−406)/2)だけ押しやられたことになる。即ち、キャスティングローラの幅から、モールディングゾーンにおける鋳造ストリップの幅の計算値を差し引くと、電磁エッジダムによって生ずる変位量が計算される。1つのエッジダムによって生ずる変位量は、用いられたエッジダムの数によって計算される。この実施例では、2つの電磁エッジダムがキャスティングローラの対向端に配置されている。
厚さ(ストリップゲージ)が異なる3種類のストリップ全てについて、図13の表に示されるように、同じような電磁プッシュ効果が観察された。磁気プッシュの度合いは、エッジ部からストリップ中央部の深さとして測定した。ロールギャップの狭い方がどの位置でも場の密度が大きいため、ストリップの厚さが薄い方が磁気プッシュは幾分大きかった。図13に示されるように、キャスティングローラの駆動側とオペレータ側との磁気プッシュの差は、電磁マグネットと機械的エッジダムの位置の違いによるものと考えられる。
<鋳造ストリップのエッジ形状の制御>
電磁マグネットの起磁力を変えて鋳造を行ない、鋳造されたストリップのエッジ形状を調べた。2180アンペアターンで得られたエッジ形状を図14に示している。これは、引き続いてストリップの圧延を行なうには不適当であり、圧延前にエッジ部のトリミングを行なう必要がある。追加の機械加工を施すことなく圧延を行なうのに適当なエッジ形状を有する鋳造ストリップと提供できるようにするには、電磁マグネットの起磁力を小さくして、鋳造ストリップの中央部に作用するプッシュ力を小さくすると、ストリップのエッジ形状は平らか、又は僅かに凸状となる。
鋳造ストリップのエッジ形状が平らになるのは、電磁マグネットに印加される電流レベルが180A(又は1620Aターン)のときである。平らなエッジ形状が得られるようにするため、モールディングゾーン内の溶融金属によって生ずる圧力と相殺するように選択される。この圧力は、小さなロール圧力の僅かな寄与と金属ヘッドとによって生ずる。図15を参照すると、これらの条件下で作られた鋳造ストリップのエッジ部は、平らで極めて真直であり、鋳造ストリップのエッジ部をトリミング又はその他追加の機械加工を施すことなく圧延されることができることを示している。
ストリップは、圧延ミルの4つのスタンドを通して、インラインで圧延される。鋳造ストリップは、鋳造時の厚さ2.7mm(0.107インチ)から厚さ約0.36mm(0.014インチ)に圧延され、この場合の厚さ減少率は87%に相当する。図16を参照すると、この方法によって作られたシートには、エッジ部に極く小さなクラックが認められた。これは、コイリング前にトリミングで除去することができる。
電磁エッジダムについて適切な調節を行なった後、鋳造後のストリップに高品質のエッジ部が得られ、厚さ減少比の大きな圧延が可能となり、材料の節減及び工程効率の改善がもたらされる。
本発明について、望ましい実施例に関して具体的に説明したが、当該分野の専門家であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細について変形を加えることができるであろう。それゆえ、本発明は、実施例の形態及び詳細に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって規定されるものである。
従来技術である垂直型ローラ鋳造機の一部であって、溶融金属ヘッド及び一対のロールの概要を示す側部断面図である。 本発明に係る電磁エッジダムを有する水平型鋳造装置の一実施例の概要を示す側部断面図である。 本発明に係る電磁エッジダム装置が配備された双ベルト式鋳造機の一実施例を示す側部断面図である。 本発明に係る水平型鋳造装置のモールディングゾーンを示す側部断面図である。 ヘッド高さが異なるアルミニウム溶融プールを収容するのに必要な磁場密度をまとめた表である。 本発明に係る電磁閉じ込め装置により、電流と鋳造機ロールの側壁からの距離の条件を代えて作られた磁場強さのプロット図である。 図2Aの2−2線に沿って切断した図であって、電磁エッジダムとローラ鋳造機の側壁との位置関係を示す側部断面図である。 本発明の電磁エッジダム装置の断面図であって、水平型ローラ鋳造装置のローラ鋳造機に対する磁力線の経路を示す図である。 本発明の電磁エッジダム装置の断面図であって、水平型ローラ鋳造装置のローラ鋳造機に対する磁力線の経路を示す図である。 本発明の電磁エッジダム装置の断面図であって、水平型ローラ鋳造装置のローラ鋳造機に対する磁力線の経路を示す図である。 本発明の電磁エッジダム装置の断面図であって、水平型ローラ鋳造装置のローラ鋳造機に対する磁力線の経路を示す図である。 本発明に係り、異なる磁極の面角度と方向を示す側面図である。 本発明に係り、異なる磁極の面角度と方向を示す側面図である。 本発明に係り、異なる磁極の面角度と方向を示す側面図である。 磁気部材が分割コア構造を有する本発明の一実施例を示す図である。 磁気部材が層状構造を有する本発明の一実施例を示す図である。 機械的エッジダムが電磁エッジダムと共に用いられる本発明の一実施例を示す図である。 電磁エッジダムのプッシュをまとめた表を示す図である。 鋳造ストリップの側壁を示す図である。 鋳造ストリップの側壁を示す図である。 鋳造ストリップの側壁を示す図である。 高磁力の電磁エッジダムで作られたストリップのエッジ部の写真表現を示す図である。。 高磁力の電磁エッジダムで作られたストリップのエッジ部の写真表現を示す図である。。 平らなエッジ形状(直線状エッジ)を有する鋳造ストリップを示す図である。 厚さ減少率87%で圧延した後の鋳造ストリップを示す図である(エッジ部のクラックは許容範囲である)。

Claims (31)

  1. 溶融金属のストリップ鋳造装置であって、
    (a) 水平軸線に沿って溶融金属を受けることができる一対のキャスティングローラであって、キャスティングローラ間の垂直方向距離がモールディングゾーンを画定する、一対のキャスティングローラと、
    (b) モールディングゾーンの各側に配置された電磁式エッジ部封じ込め装置であって、磁気部材の一部に巻回され、電流が印加されると磁力線を発生させるインダクションコイルを具え、磁気部材は、一対のキャスティングローラの側壁から離れた位置に該側壁に揃うように配置された第1磁極と第2磁極を具え、電流は、前記水平軸線と直交する方向に磁力線を供給し、溶融金属が実質的に温度上昇することなくキャスティングローラに接触した状態で溶融金属を収容する、電磁式エッジ部封じ込め装置と、
    (c) 溶融金属が実質的に酸化されない状態で、溶融金属を、タンディッシュから前記水平軸線に沿ってモールディングゾーンに供給する手段であって、タンディッシュは、タンディッシュ内で磁力線による波発生が実質的に起こらないように、モールディングゾーンから離間した位置に配置されている、溶融金属供給手段と、
    を具えている、装置。
  2. 電流は、周波数が40Hz〜10000Hzの交流である請求項1の装置。
  3. 電流は、2000アンペア/ターンよりも小さい請求項1の装置。
  4. 磁気部材の周りに配置されたシールド手段を含んでいる請求項1の装置。
  5. 磁気部材は略C字形状であり、コア部と、該コア部から一体に延在する平行磁極を含んでいる請求項1の装置。
  6. インダクションコイルは、磁気部材のコアの周りに巻かれ、インダクションコイルは、磁気部材の周りに1〜100回巻回される請求項5の装置。
  7. 一対のキャスティングローラの垂直方向離間距離は、金属ヘッド高さを作りだし、前記電流での磁力線により、溶融金属が磁力線によって実質的に昇温することなく、キャスティングローラ間で溶融金属の封じ込めが可能となる請求項1の装置。
  8. 一対のキャスティングローラの垂直方向離間距離は、1.0インチよりも小さい請求項1の装置。
  9. 磁気部材は、磁力線がモールディングゾーン内で溶融金属が凸状側壁、凹状側壁又は略平らな側壁を作ることができるように、モールディングゾーンに対する位置が決められる請求項1の装置。
  10. 磁気部材は、層状体が接合又は機械的に結合されたスタックの強磁性材料から作られるか、又は、強磁性材料の固体コアから作られる請求項1の装置。
  11. 一対のキャスティングローラは、少なくとも鋳造表面及びキャスティングローラの側壁が、強磁性材料、非磁性材料、又は少なくとも一部が強磁性材料でコートされた非磁性材料を含んでいる請求項1の装置。
  12. 一対のキャスティングローラの側壁は、略平らである請求項1の装置。
  13. 溶融金属をストリップ鋳造する装置であって、
    (a) 一対の対向する無端状金属ベルトであって、各ベルトは、ローラ上を通り、該ローラの側壁に略揃う形状の周状部を有し、溶融金属を受ける表面を有しており、対向するベルト間の垂直方向の距離がモールディングゾーンを画定する、一対の無端状金属ベルトと、
    (b) モールディングゾーンの各側に配置された電磁式エッジ部封じ込め装置であって、磁気部材の一部に巻回され、電流が印加されると磁力線を発生させるインダクションコイルを具え、電流がもたらす磁力線により、溶融金属が実質的に温度上昇することなく、対向する無端状金属ベルトの少なくとも一部に接触した状態で、幅の範囲内に溶融金属を収容する、電磁式エッジ部封じ込め装置と、
    (c) 溶融金属を、タンディッシュから水平軸線に沿ってモールディングゾーンに供給する手段であって、タンディッシュは、タンディッシュ内で磁力線による波発生が実質的に起こらないように、モールディングゾーンから離間した位置に配置されている、溶融金属供給手段と、
    を具えている、装置。
  14. 磁気部材は、上磁極と下磁極を具え、インダクションコイルは、一方の磁極から他方の磁極へ向かう磁力線を発生させることができるように磁気部材の一部に巻回され、上磁極と下磁極からの磁力線により、対向する無端状金属ベルトのエッジ部に封じ込め力を生じさせて、前記ベルトの間に溶融金属が収容されるようになす請求項13の装置。
  15. 対向する無端状金属ベルトの垂直方向離間距離は、金属ヘッド高さを作りだし、電流がもたらす磁力線により、溶融金属が実質的に昇温することなく、対向する無端状金属ベルト間に溶融金属の封じ込みを可能とする請求項13の装置。
  16. 対向する無端状金属ベルトの垂直方向離間最小距離は、鋳造機のニップの位置で、約0.025〜0.25インチである請求項13の装置。
  17. 磁気部材のモールディングゾーンに対する位置は、磁力線が、モールディングゾーン内の溶融金属に対して凸状側壁、凹状側壁又は略平らな側壁を形成するように配置される請求項13の装置、
  18. 鋳造された金属ストリップであって、
    (a) 第1シェルと、
    (b) 第2シェルと、
    (c) 第1シェルと第2シェルの間にあって、等軸組織を有する中央部と、
    を具えており、側壁のエッジ部は略一様である、鋳造金属ストリップ。
  19. 第1シェルは上側シェル、第2シェルは下側シェルである請求項18の鋳造金属ストリップ。
  20. 鋳造金属ストリップは、側壁のエッジ部を機械加工することなく圧延が行われる請求項18の鋳造金属ストリップ。
  21. 鋳造金属ストリップは、アルミニウム、マグネシウム及び亜鉛等の軽量金属である請求項18の鋳造金属ストリップ。
  22. 等軸組織は、略球状である請求項18の鋳造金属ストリップ。
  23. (a) 水平軸線に沿って溶融金属を受けることができる一対のキャスティングローラであって、キャスティングローラ間の垂直方向距離がモールディングゾーンを画定する、キャスティングローラと、
    (b) 溶融金属が実質的に酸化されない状態で、溶融金属を、タンディッシュから前記水平軸線に沿ってモールディングゾーンに供給することができるように配置されたチップ供給体と、
    (c) モールディングゾーンの各側に配置されたエッジ部封じ込め装置であって、機械的エッジダムと電磁エッジダムとを具え、前記機械的エッジダムは、前記チップ供給体の少なくとも端部を覆って、一部分がモールディングゾーンの方へ延在し、前記電磁エッジダムは、一対のキャスティングローラの側壁から離れた位置に該側壁に揃うように配置された第1磁極と第2磁極を有し、一部分がモールディングゾーンの方へ延在する前記機械的エッジダムの一部を覆うようになし、前記水平軸線と直交する方向に磁力線を供給し、溶融金属をキャスティングローラに接触した状態で収容する、エッジ部封じ込め装置と、
    を具えている、鋳造装置。
  24. チップ供給体の長さは、タンディッシュ内で、磁力線による波発生が実質的に起こらない長さである請求項23の鋳造装置。
  25. 電磁エッジダムは、磁気部材の一部に巻回され、電流が印加されると磁力線を発生するインダクションコイルを具えている請求項24の鋳造装置。
  26. 電流は、溶融金属がキャスティングローラに接触した状態で実質的に昇温することなく、溶融金属を収容できる磁力線を供給する請求項25の鋳造装置。
  27. 鋳造された金属ストリップを成形する方法であって、
    溶融金属を、水平軸線に沿ってモールディングゾーンに供給し、
    磁気封じ込め手段により、溶融金属をモールディングゾーン内に収容し、
    溶融金属を金属ストリップに鋳造することを含んでおり、
    鋳造される金属ストリップの側壁形状の形成は、磁気封じ込め手段を調節することによって行われる、方法。
  28. 側壁の形状は、平らであるか、又は鋳造金属ストリップの中心線部分に関して凹状若しくは凸状である請求項27の方法。
  29. 磁気封じ込め手段は、磁気部材の一部に巻回され、電流が印加されると磁力線を発生させるインダクションコイルを具えており、磁気部材は、第1磁極と第2磁極が、モールディングゾーンから離れた位置乃至該モールディングゾーンに近接する位置に配置されている請求項28の方法。
  30. 磁気封じ込め手段の調節は、インダクションコイルを通る電流を増加又は減少させることを含んでいる請求項29の方法。
  31. 磁気封じ込め手段の調節は、モールディングゾーンに近接する位置又はモールディングゾーンから離れた位置にある第1磁極及び第2磁極を移動させることを含んでいる請求項29の方法。
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