JP2009512850A - 食道異常の診断キット及び方法 - Google Patents
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Abstract
本発明はバレット食道又はバレット関連異形成の診断を支援するキット及び方法に関する。好ましくは、方法は、被検者の食道の表面からの細胞を非扁平細胞マーカーについてアッセイすることを含み、そのようなマーカーの検出によりバレット又はバレット関連異形成の存在する可能性が高いことが示され、前記細胞サンプルは食道の特定の部位に向けられていないことが好ましい。本発明は、前記被検者の食道の細胞表面のサンプリングも含む。本発明は、食道の表面から細胞を採取することができる摩擦性材料を備えた嚥下可能なデバイスを、バレット食道又はバレット関連異形成の検出におけるその使用のための印刷された取扱説明書と共に含むキットにも関する。前記デバイスはカプセルスポンジを含むことが好ましい。
Description
本発明は、バレット食道、及び腺癌を含むバレット関連異形成などの食道異常の検出方法に関する。さらに、本発明は食道細胞をサンプリングし、上記状態と相関のある細胞マーカーを検出するためのキットに関する。
食道腺癌は急増しており、食道腺癌にはバレット食道と呼ばれる状態が先行する。食道腺癌からの悪い転帰(5年後致死率>80%)を改善するには早期の診断が重要である。現在、バレット食道の患者の大部分が集団中で診断されずにいる。さらに、診断された患者のうち、癌に進行するごく一部(毎年1%)を正確に予測することは、現在のところ不可能である。バレット食道のリスクがある患者を検出するために内視鏡スクリーニングを実施すること(例えば、慢性の胸焼け症状を有する50歳を超える男性に対する内視鏡検査)が提案されてきた。これは費用が非常に高く、サービスリソース(service resources)の負担が大きい。
内視鏡検査は非常に侵襲性の高い手法である。患者は鎮静剤を使用され、局所麻酔を受ける必要がある。内視鏡検査には、看護士2人のついた、訓練を受けた内視鏡医が必要である。さらに、内視鏡生検は解析のために検査室で処理される必要があり、切片の検査には熟練の組織学者が求められる。したがって、内視鏡検査は患者に不快感を与えることがあり、その手技の実施に必要な設備及びリソース及びスタッフレベルの点から非常に高価であることが理解される。
内視鏡には、10,000人に1人の死亡リスク、及び1000人に1人の出血又は穿孔などの合併症リスクがある。これは統計的に低く思われるかも知れないが、これらの合併症は特に危険である。合併症の1つに、生検部位からの食道出血があり得る。この出血は、輸血が必要になるほど重度なこともあり、そのため被検者に大きなリスクとなっている。内視鏡生検の第2のリスクは、食道の穿孔のリスクである。穿孔が起こった場合、患者は食道手術のために直ちに手術室に送られる可能性がある。これは、全身麻酔が必要なことだけでなく、食道の外科手技の重大さからも非常に深刻である。内視鏡検査が上記の危険な合併症を伴うことなく進行したとしても、患者が回復するまでには時間がかかる。この手技を受けるだけでも、患者は仕事を1日休まなければならない。
食道腺癌又はさらには食道腺癌に進行することがある異形成の診断におけるゴールドスタンダードは、細胞構造を保持している深部の細胞サンプルの採取によるものである。上述のように、これは内視鏡検査によって行われる。異形成を評価するためには、組織学者は切片全体を観察し、多くの因子についてその切片にスコアをつけなければならない。これらの因子には、核の密集(nuclear crowding)及び組織の全深部における広範な形態学的特徴が含まれる。異形成が組織サンプルの表面にまで拡大していることが1つの基準であり、したがって、異形成の発生を評価するためには十分な深度のある切片が必要である。一度、組織構造が失われると、細胞学者は通常、どの細胞が、バレットを示すか又は異形成である、円柱細胞であるかを判別することができない。さらに、リンパ球などの炎症性細胞が存在する場合、組織構造が失われていると、そのような細胞が異形成の評価に重要な部位に移動してきたのか、又はその細胞がその他の些細な傷(例えば、食物中の骨又はその他の尖った物を飲み込んだことで生じた傷)から採取されたのかについての手がかりを与える位置情報が存在しない。したがって一般的に、患者の状態を正確に評価するためには無傷の組織構造が必須であると考えられている。
別の手法としては、内視鏡ブラッシング(endoscopic brushing)の採取がある。これには、内視鏡による生検採取に関する上述のリスクが全て含まれる。内視鏡ブラッシングには、試料採取をバレット食道部位に向けて行うことができるという利点があるが、得られる細胞材料の量は非常に少ない。内視鏡用ブラシヘッドは、内視鏡チャンネルにフィットしていなければならないので、サイズが制限される。さらに、内視鏡ブラッシングは、実施するだけでも、熟練のオペレータが必要である。ブラッシングを正確に実施するための許容範囲は極めて狭い。ブラッシングが激しすぎると、網状赤血球のコンタミネーションにより試料の意味のある解析が曖昧になる。しかし、ブラッシングが弱過ぎれば、意味のある解析をするには不十分な量の細胞材料しか採取できない。したがって、満足のいく内視鏡的ブラッシングを達成するために必要とされる技術は、内視鏡医に必要とされる技術よりもさらに稀である。
内視鏡生検を使用するときは、どの手法で解析するにしても、約4〜20の生検を採取する。この生検の数にもかかわらず、この手技では食道表面領域の約1%しかサンプリングされない。その上、サンプリング手技中に、バレット食道内の異形成の部位を空間的に外れた場合、容易に擬陰性の結果となり得る。これは明らかに、被検者にとって大きなリスク因子である。
バレット食道の評価又は監視のために、カメラカプセルなどの新たな技術が検討されてきた。カメラカプセルは小さな錠剤サイズの物体で、消化管を通過する間に画像を収集することができる。しかし、このカプセルは非常に早く食道を通過するため、食道通過中に画像を収集する機会は非常に制限されている。さらに、カメラカプセルは一方向性である。したがって、カメラカプセルが食道を下る際、食道の内側の非常に狭い範囲の組織だけしかサンプリングできない。さらに、このサンプリングは、食道を通過する際のカメラの落下の動きにより決定されるため、効率的にランダム化されている。したがって、もしカメラが患者を通過するときに、バレット食道と異なる方向を向いていたら、その患者にとっての意味のある情報を何ら収集することができない。これによりまた、擬陰性の診断結果がもたらされる可能性がある。さらに、このアプローチではサンプルを採取することができない。
別のさらなる開発は、経鼻内視鏡の使用である。経鼻内視鏡は小型の内視鏡であり、より侵襲性の高い口から挿入する内視鏡を必要とせず、患者の鼻腔を通して使用することができる。しかし、経鼻内視鏡は非常に小さく、サンプル採取が不可能である。したがって、生検又はブラッシングの採取はできず、この手法は観察だけに限定される。これは確実な診断を出すためには明らかに不十分である。
別の開発は、Boston Scientific Inc.社により生産されている“cytomesh”、ブランド・バルーン(Brandt balloon)、及び米国特許第4,735,214号の“Cell-Mate”スポンジの使用である。しかし、これらの手法は各々、棒状のデリバリーデバイスを使用する。これらは硬性内視鏡検査に似ており、現行の軟性内視鏡検査手法よりもさらに扱いにくい可能性がある。このデバイスの嚥下は、困難であるか又は不可能である。デバイスを被検者に強制的に導入しなければならないことが多く、そのため、気管を詰まらせるなどの技術的問題に加え、かなりの不快感又は苦痛を生じさせる。したがって、これらは費用が高く、実施するためには内視鏡検査と同程度に、技術に関する専門知識が必要とされる。
本発明は従来技術に関連する問題を克服しようとするものである。
本発明は、細胞学的解析と組み合わせた食道の表面のサンプリングにより、バレット食道、異形成又はさらには腺癌などの食道病変を診断及び格付けする非常に強力な方法が得られるという驚くべき所見に基づいている。
当該技術分野では、意味のある診断を行うためには組織構造が保持されている必要があると考えられている。しかし、本発明者らは驚くべきことに、食道表面から細胞のサンプリング及びそれらの細胞学的(例えば増殖マーカーについて)解析が、食道の異常を診断及び/又は格付けするための非常に特異的かつ感受性の高い手法となり得ることを示した。
特に、本発明は、嚥下可能な摩擦性のサンプリングデバイスを提供し、該デバイスは、鎮静剤や麻酔を用いる必要なく患者に導入され、食道表面の細胞サンプルと一緒に引き抜かれる。従来技術の理解では、これはいくつかの理由からうまくいかないと考えられてきた。第1に、40cmある食道のうち、小さなバレット食道病変はわずか1〜2cm程度を占めるだけである。したがって、細胞の95〜98%又はそれ以上が食道からの扁平細胞であると予想され、回収された全細胞サンプルのほんの数パーセントだけがバレット食道のサンプリングを示すと予想することができた。しかし、本発明者らは、驚くべきことに、扁平細胞が無傷の食道表面から剥がれるよりも、バレット食道の表面異形成細胞が病変から剥がれる方が容易であるを発見した。したがって、本発明の方法では、食道病変が効率的にサンプリングされるような本質的な偏りが提供される。第2に、従来技術は、意味のある診断指標(meaningful readout of diagnosis)における組織構造の重要性を教示している。したがって、食道表面の細胞をサンプリングしただけでは、診断に有用な細胞サンプルは得られないことが予想される。しかし、本発明者らは、驚くべきことに、実際には本発明の方法に従って解析することで、食道組織の表面サンプルから、強力かつ高感度、特異的かつ信頼性の高い診断を行うために必要な情報を得ることができることを発見した。第3に、従来技術の手法は、生検又は採取した細胞材料の形態学的解析を伴い、細胞形状の変化及び非罹患細胞の形態との比較が必要である。対照的に、本発明者らは、予期せずして、絶対的な指標(readout)、すなわち、食道表面サンプル中に特定の分子マーカーが観察されれば、その結果を隣接する細胞と関連づける必要なく(そのような関連付けにはもちろん無傷の組織構造が必要であり、集団的細胞サンプリング手法では行うことができない)、それが特定の障害を示唆し得ることを示した。第4に、当該技術分野では異形成を評価するとき、切片全体を評価する必要があった。核の密集、組織の深度など、適用される組織学的基準が多数あり、食道の内部表面に病変が拡大していることは、異形成の診断を下す前に満たされなければならない多くの基準の1つでしかない。当該技術分野では、バレット異常の診断方法を細胞診に基づかせるための試行が多数行われてきたが、それらは失敗に終わった。したがって、バレット及び関連する異常の診断支援のための信頼できるツールを提供する、分子マーカーの検出と組み合わせた表面細胞サンプリングに基づくスキームを本発明者らが考案できたことは、予想されていなかったことである。第5に、本発明のサンプリング手法は「ブラインド」(“blind”)で行われ、視覚による検査は行われない。すなわち、サンプル採取は食道の特定の部分に向けられたものではない。これは従来技術の手法からの逸脱であり、従来技術の手法は全てオペレータによって食道内部表面のバレットが見える領域に向けられている。
したがって、本発明は、バレット食道の診断のための、新規な表面サンプリング方法に基づく。特に、本発明は、表面からサンプリングされた細胞におけるマーカーの発現の分子細胞学的解析に基づく。対照的に、従来技術は主に、1つの組織切片内の様々な層の細胞の観察を含む組織学的解析に関連している。細胞マーカー解析と表面サンプリング手法を有利に組み合わせることで、内視鏡生検などのリスクの高い、侵襲性の、しばしば苦痛を与える従来技術の手法を有利に避けることができる。
したがって、広い態様では、本発明は、バレット、及び腺癌を含むバレット関連異形成の診断における、非内視鏡的サンプリングデバイスから回収された材料への分子バイオマーカーの適用に関する。
したがって、1つの態様では、本発明は、被検者の食道の細胞表面のサンプリングと、非扁平細胞マーカーについての細胞のアッセイとを含み、そのようなマーカーの検出により、バレット又はバレット関連異形成が存在する可能性が高いことが示される、被検者のバレット食道又はバレット関連異形成の診断支援方法を提供する。前記サンプリングは食道内の特定の部位に向けられていないことが好ましい。
食道の表面だけがサンプリングされることが好ましい。これには、食道表面下に貫通する生検採取手法などの、より侵襲性のサンプリング手法を避けられるという利点がある。
別の態様では、本発明は、被検者の食道表面からの細胞を非扁平細胞マーカーについてアッセイすることを含み、そのようなマーカーの検出により、バレット又はバレット関連異形成が存在する可能性が高いことが示される、バレット食道又はバレット関連異形成の診断支援方法を提供する。本実施形態においては、実際の細胞のサンプリングは本発明の方法の一部でないことが好ましい。
本発明の方法はin vitroで行われることが好ましい。
非扁平細胞マーカーは細胞増殖のマーカーであることが好ましい。
非扁平細胞マーカーは円柱細胞のマーカーであることが好ましい。
マーカーは、ビリン若しくはモエシンなどの刷子縁タンパク質、ムチン遺伝子、アルカリフォスファターゼなどの刷子縁酵素、Cdx1及び/若しくはCdx2などのホメオボックス遺伝子、円柱細胞に対してCK8/18などのサイトケラチン、又はバレット食道表面細胞と正常食道表面細胞とで異なる発現をしていることが知られている任意のマーカーからなる群から選択されることが好ましい。
マーカーは、Ki67及びMcmタンパク質などの増殖マーカー、PCNAなどの増殖及びDNA損傷マーカー、サイクリンD及び/若しくはサイクリンAなどのサイクリン、異常なp53、p16の消失、異数性、又は異形成の程度と相関することが知られている任意のマーカーからなる群から選択されることが好ましい。マーカーはMcm2又はサイクリンAであることがさらに好ましい。好ましくは、マーカーはサイクリンAである。Mcm2及びサイクリンAの両方をアッセイすることがさらにより好ましい。
別の態様では、本発明は、食道の細胞表面のサンプリングが(i)食道表面から細胞を採取することができる摩擦性材料を備えた嚥下可能なデバイスを被検者に導入するステップと、(ii)食道を通して引き抜くことで前記デバイスを回収するステップと(iii)デバイスから細胞を回収するステップとを含む、上述の方法を提供する。
ステップ(i)は、食道表面から細胞を採取することができる摩擦性材料を備えた嚥下可能なデバイスを被検者の胃に導入することを含むことが好ましい。
別の態様では、本発明は、細胞の染色体組成を解析することをさらに含み、異常な核型の検出により異形成の可能性が高いことが示される、上述の方法を提供する。
別の態様では、本発明は、細胞のp53の状態を解析することをさらに含み、異常なp53の状態の検出により異形成の可能性が高いことが示される、上述の方法を提供する。
別の態様では、本発明は、食道表面から細胞を採取することができる摩擦性材料を備えた嚥下可能なデバイスを、バレット食道又はバレット関連異形成の検出におけるその使用に関する印刷された取扱説明書と共に含むキットを提供する。
別の態様では、本発明は、局所麻酔薬をさらに含む、上述のキットを提供する。前記局所麻酔薬はスプレー又はトローチ剤(lozenge)が好ましく、好ましくはスプレーである。
別の態様では、本発明は、前記嚥下可能なデバイスを引き抜いた後に収容するための、大量の保存液の入った容器をさらに含む、上述のキットを提供する。容器は水密容器(watertight container)であることが好ましい。保存液は、細胞調製液であることが好ましい。前記液は、サンプリングした細胞の検査用スライドを作製するためのシンプレパレーション液(thin preparation fluid)であることが好ましい。
別の態様では、本発明は、前記デバイスがカプセルスポンジ(capsule sponge)を備えた、上述のキットを提供する。
別の態様では、本発明は、前記嚥下可能なデバイスが糸などの引抜き手段を備えた、上述のキットを提供する。
別の態様では、本発明は、前記引抜き手段を切断するデバイスをさらに含む、上述のキットを提供する。前記デバイスは刃又ははさみを備えていることが好ましい。
別の態様では、本発明は、水などの飲用液を被検者に投与するための容器をさらに含む、上述のキットを提供する。
別の態様では、本発明は、手袋をさらに含む、上述のキットを提供する。これは、デバイス引抜き時のコンタミネーションから有利にサンプルを保護する。
別の態様では、本発明は、食道表面から細胞を採取することができる摩擦性材料を備えた嚥下可能なデバイスを、バレット食道又はバレット関連異形成の検出におけるその使用のための印刷された取扱説明書と共に含むキットを提供する。前記デバイスは、カプセルスポンジを備えていることが好ましい。
前記キットは、非扁平細胞マーカーの検出において使用する試薬をさらに含むことが好ましい。前記非扁平細胞マーカーは、細胞増殖のマーカーであることが好ましい。前記非扁平細胞マーカーは、円柱細胞のマーカーであることが好ましい。
別の態様では、本発明は、ビリン若しくはモエシンなどの刷子縁タンパク質、ムチン遺伝子、アルカリフォスファターゼなどの刷子縁酵素、Cdx1及び/若しくはCdx2などのホメオボックス遺伝子、円柱細胞に対してCK8/18などのサイトケラチン、又はバレット食道表面細胞と正常食道表面細胞とで異なる発現をしていることが知られている任意のマーカーからなる群から選択される少なくとも1つのマーカーの検出に使用するための試薬をさらに含む、上述のキットを提供する。
別の態様では、本発明は、Ki67及びMcmタンパク質などの増殖マーカー、PCNAなどの増殖及びDNA損傷マーカー、サイクリンD及び/若しくはサイクリンAなどのサイクリン、異常なp53、p16の消失、異数性、又は異形成の程度と相関することが知られている任意のマーカーからなる群から選択される少なくとも1つのマーカーの検出に使用するための試薬をさらに含む、上述のキットを提供する。前記マーカーは、好ましくはサイクリンAである。
前記マーカーは好ましくはレクチンである。
別の態様では、本発明は、水密容器及び保存液をさらに含むキットを提供する。前記液は、好ましくは液状細胞診(liquid based cytology)のためのものであり、前記液は、好ましくは、サンプリングした細胞の検査用スライドを作製するための市販のシンプレパレーション液である。
別の態様では、本発明は、局所麻酔用のスプレー又はトローチ剤をさらに含む、上述のキットを提供する。
別の態様では、本発明は、バレット食道又はバレット関連異形成の診断におけるカプセルスポンジの使用を提供する。
バレット食道と異形成
バレット食道は、異形成を伴わずに生じることもある。毎年、バレット食道患者の約1%が異形成を発症する。常に、バレット食道患者の約20%が異形成を発症している。腺癌などの癌は、異形成から発達し、病理学的にはこれらの状態は明らかに異なるが、異形成の極端な形態の1つであると考えられている。本発明は、これらの障害の検出及び診断に関し、そのようなものとして、腺癌は異形成の極端な形態の1つであると考えられ、本願に記載されているように、その検出及び診断は本発明の一部を形成する。
バレット食道は、異形成を伴わずに生じることもある。毎年、バレット食道患者の約1%が異形成を発症する。常に、バレット食道患者の約20%が異形成を発症している。腺癌などの癌は、異形成から発達し、病理学的にはこれらの状態は明らかに異なるが、異形成の極端な形態の1つであると考えられている。本発明は、これらの障害の検出及び診断に関し、そのようなものとして、腺癌は異形成の極端な形態の1つであると考えられ、本願に記載されているように、その検出及び診断は本発明の一部を形成する。
したがって、本発明は、識別可能な別個の病期を有する1つの進行性の疾患状態の検出及び診断に関すると考えることができる。これらの病期には、バレット食道、バレット食道関連異形成(それから生じる腺癌を含む)が含まれる。
食道における細胞の正常な状態は、扁平上皮の状態である。バレット食道ではこれらの細胞は円柱上皮の特徴を帯び、上述の疾患状態が進行するにつれてさらに変化する。したがって、本願に記載されているように、食道における非扁平細胞は異常であり、バレット食道と相関があり、また、潜在的には異形成及びより深刻な異常と相関がある。
従来技術での失敗と一致することとして、本発明者らは、食道ブラッシングの細胞学的(すなわち形態学的)診断が病理学的診断と良く相関しないこと及び細胞診単独では食道の悪性腫瘍の十分良い診断テストではないことを示した。
表面サンプリング及び手法
好ましい実施形態では、本発明は、嚥下可能な摩擦性材料を用いた食道表面からの細胞のサンプリングを含み、この材料は患者から回収され、その後、該材料から細胞が解析用に分離される。
好ましい実施形態では、本発明は、嚥下可能な摩擦性材料を用いた食道表面からの細胞のサンプリングを含み、この材料は患者から回収され、その後、該材料から細胞が解析用に分離される。
食道表面のほぼ全体がサンプリングされることが好ましく、表面全体がサンプリングされることが好ましい。従来技術の手法はバレット食道の分かる又は見える領域内からのサンプリングに焦点を当てている。本発明は、食道の内部表面全体(すなわち内腔全体)が有利にサンプリングされる。
摩擦性とは、材料が、食道の内部表面から細胞を取ることができることを意味する。これは明らかに被検者の食道内で使用するためのものであるから、「摩擦性」とは、本願に鑑みて解釈されなければならない。本発明において、「摩擦性」という用語は上記の意味を有し、これは材料を適切な量/形態で食道に通し、食道から細胞が取れたかどうかその材料を調べることでテストすることができる。
材料は、食道内に存在する任意の異形成細胞をサンプリングするのに十分な摩擦性を有してなければならない。材料は、任意の存在するバレット又は腺癌細胞をサンプリングするのに十分な摩擦性を有することが好ましい。最も好ましい実施形態では、材料は食道全体をサンプリングできるように、すなわち、存在するかも知れないバレット細胞及び/又は円柱細胞及び/又は腺癌細胞と一緒に扁平細胞の一部が採取されるように十分な摩擦性を有することが好ましい。これには利点があり、扁平細胞は異形成細胞よりも取ることが難しいため、そのサンプリングはオペレータに対照を提供し、もしこの材料で正常扁平細胞が取れていれば、正常扁平細胞よりも容易に取れるバレット細胞又は異形成細胞などの目的の細胞が(存在したとして)サンプリングされなかった可能性はしたがって低いことになる。
嚥下可能な摩擦性材料は膨張性であることが好ましい。本実施形態では、摩擦性材料は、嚥下される時の方が引き抜かれる時よりも小さいサイズであることが好ましい。膨張性材料は、圧縮から解放されるとほぼ未圧縮時のサイズにまで再度膨張するように圧縮された単純な弾性材料であって良い。或いは、膨張性材料は、例えば水性液体を吸収して元のサイズを超える最終サイズにまで膨張する材料であってもよい。
すなわち、デバイスの材料は、嚥下と引抜きの間に膨張するか、膨らむか、拡大するか、又は別の方法でサイズが大きくなることが好ましい。デバイスは自己膨張性であること、すなわち嚥下と膨張の間にさらなる介入を必要としないことが好ましい。デバイスは、空気などによって膨らませるものでないこと(not inflatable)が好ましい。デバイスは、嚥下後に拘束が除かれた後、開くか、広がるか、伸びるか又はその他の方法でサイズが大きくなることで膨張することが好ましい。デバイスの材料は圧縮可能であって、嚥下後にほぼ未圧縮時のサイズにまで戻ることが好ましい。デバイスは、解放可能なように圧縮状態に拘束された圧縮材料から作製されることが好ましい。材料は嚥下後に拘束から解放され、引抜き前にデバイス/材料が膨張できることが好ましい。
デバイスは、カプセル型に圧縮されている圧縮可能材料を含むことが好ましい。圧縮可能材料は、好ましくはスポンジ材料の形態である。圧縮されたスポンジは少なくとも部分的に、カプセル被膜などの可溶性及び/又は消化可能な被膜で覆われていることが好ましい。スポンジは消化不可能であることが好ましい。カプセル被膜は少なくとも一部がゼラチンから形成されていることが好ましい。カプセル被膜は完全にゼラチンから形成されていることが好ましい。
1つの実施形態では、被検者内でデバイスが紛失した場合の安全性を高めるために、デバイス全体を消化可能な材料で作ることが好ましいことがある。通常、摩擦性材料はカプセルよりもゆっくり消化される必要があり、ひもも同様にゆっくり消化される必要がある。摩擦性材料は消化不可能であることが好ましい。ひもは消化不可能であることが好ましい。
摩擦性材料はポリウレタン、好ましくはポリウレタンスポンジを含むことが好ましい。
デバイスはカプセルスポンジであることが好ましい。本明細書から明らかになるように、カプセルスポンジは圧縮可能なスポンジを摩擦性材料として備えたデバイスであり、このスポンジはカプセル状に圧縮されており、好ましくはこのカプセル状の圧縮スポンジは、ゼラチンなどの可溶性及び/又は消化可能な材料の少なくとも部分的な被膜により、回復可能なように(reversively)その圧縮状態に拘束されている。デバイスは、南アフリカのMedical Research CouncilのFrancois Venterにより供給されているカプセルスポンジであることが好ましい。
サンプルは、内視鏡的に採取された材料を含まないことが好ましい。サンプルは、内視鏡生検を含まないことが好ましい。サンプルは内視鏡ブラッシングを含まないことが好ましい。
デバイスの膨張した(例えば圧縮解除された)摩擦性材料は、食道の軸に垂直な面内において約3cmであることが好ましい。これは食道腔のほぼ直径であることが好ましい。より好ましくは、これは食道腔の直径よりわずかに大きく、引抜き/サンプリング時の食道腔内部表面への接触性を有利に良くする。
サンプリングが方向付け(例えば視覚的に食道の特定の部分に向ける)されていないことが本発明の特徴である。サンプリングされる食道表面の割合が、内視鏡生検(表面の約1%をサンプリングする)又は内視鏡ブラッシングなどの従来技術の手法により達成されるより大きいことも、本発明のさらなる利点である。食道表面の好ましくは少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%がサンプリングされることが好ましい。最も好ましい実施形態では、好ましくは食道のほぼ全体が、好ましくは全食道内腔がサンプリングされる。このことは、本発明の方法にサンプルの採取が含まれない場合においても、in vitroのサンプルにも等しく当てはまる。
スクリーニング及び監視
本発明のスクリーニングの態様は、バレット食道の検出及び/又は診断に関する。通常、本発明のスクリーニングの実施形態では、検査対象又はサンプルを得る(若しくは得た)対象のバレットの状態については未知である。
本発明のスクリーニングの態様は、バレット食道の検出及び/又は診断に関する。通常、本発明のスクリーニングの実施形態では、検査対象又はサンプルを得る(若しくは得た)対象のバレットの状態については未知である。
本発明の監視の態様は、腺癌を含む異形成の検出及び/又は診断に関する。異形成と腺癌は病理学的に明らかに異なる状態ではあるが、腺癌は異形成の極端な形態の1つととらえることができる。以下に記載するように、本発明は使用する分子マーカーによって、腺癌と異形成を区別するために有利に適用することができる。しかし、一般的に、本発明の監視の態様についての記載は、腺癌を含む異形成の検出に関する。通常、本発明の監視の実施形態では、検査対象又はサンプルを得る(又は得た)対象は異形成の状態について未知であるが、バレットを有することは通常分かっている。
原則的に、スクリーニングの態様と監視の態様との間で、本発明の作用に実用的な差はほとんどない。差は、選ぶマーカーに関するものだけである。サンプリング及び組合せの態様は、スクリーニング及び監視の間で同じである。実際は、スクリーニングと監視を併用すること、すなわち、細胞サンプルをバレットのマーカー、及び腺癌を含む異形成のマーカーについて同時に検査することで、得られる情報の価値が増し、より強力な組合せ的診断出力が達成される利点があることがある。
マーカー
バレットのスクリーニング及び監視に適用することができるマーカーは、正常な食道組織では発現していない任意のマーカーであり、好ましくは正常な食道表面細胞で発現していない任意のマーカーである。好ましくは、マーカーは非扁平細胞のマーカーである。好ましくは、マーカーは細胞増殖のマーカーである。
バレットのスクリーニング及び監視に適用することができるマーカーは、正常な食道組織では発現していない任意のマーカーであり、好ましくは正常な食道表面細胞で発現していない任意のマーカーである。好ましくは、マーカーは非扁平細胞のマーカーである。好ましくは、マーカーは細胞増殖のマーカーである。
スクリーニング(すなわちバレット食道の検出)の態様では、腸上皮化生(バレット)と扁平食道細胞又は胃の噴門とを識別するマーカーを使用することが好ましい。これらのマーカーには、上皮分化のマーカーが含まれる。
スクリーニング−円柱マーカー(Columnar Marker)
好ましくは、マーカーは円柱細胞のマーカーである。
好ましくは、マーカーは円柱細胞のマーカーである。
そのようなマーカーとしては、特化した腸上皮化生に特異的に発現している、ビリン又はモエシンなどの刷子縁タンパク質、アルカリフォスファターゼなどの刷子縁酵素を好ましく例示することができる。円柱組織はCDX−1、CDX−2などのホメオボックス遺伝子を発現するが、扁平組織はそれらを発現しないという点で、Cdx1及び/又はCdx2などのホメオボックス遺伝子は、そのような有用なマーカーのさらなる例である。
さらに、特定のムチンが、バレットにおいては発現されているが胃組織では発現されていない(例えば、MUC2A、MUC2B)。
その他の種類の円柱上皮化生(columnar metaplasia)及び自然の円柱組織が、それらのサイトケラチン発現プロフィールに従って、扁平上皮から分化し得る(例えばCK 7、8、13、14、18)。特に、本発明によれば、CK7及び/又はCK8/18などのサイトケラチンは円柱細胞についての、CK13/14は扁平細胞についての有用なマーカーである。
円柱マーカーの使用が特に好ましい。円柱マーカーを使用する技術的利点は、それらを使用することで円柱細胞だけが検出されることである。これは、扁平細胞(正常であれ癌であれ)は円柱マーカーでは染色されないことを意味する。このことは、バレット細胞及びそれから生じる異形成細胞(例えば腺癌細胞)が円柱状であり、円柱マーカーの使用によって選択的に同定することができるため、利点となる。これは有利にシグナルを改善し、バックグラウンドを低減し、さらなる識別用マーカーを使用する必要を少なくし、それにより、このやり方では円柱細胞が直接検出され、手技が簡便になる。
特に好ましいのは上記の円柱マーカーであり、好ましくは刷子縁タンパク質及び/又はホメオボックス遺伝子及び/又はムチン及び/又はサイトケラチンなどの円柱マーカーである。
キット及び方法などの本発明の組合せの態様は、少なくとも1つの円柱マーカーを含むことが好ましい。
スクリーニング−レクチンマーカー
レクチンは非常に豊富に存在するタンパク質である。レクチン(Lectin/lectin)結合パートナーは、正常な組織よりもBEで多く発現している。レクチンは糖タンパク質であり、BEで発現しているムチンなどの炭水化物の特定の形態に選択的に結合する。成長因子受容体などの細胞表面分子はグリコシル化されいることが多く、レクチンはそれらにも結合することがある。適当な蛍光色素で標識されたレクチンは、確立されている組織化学的プロトコール及びフローサイトメトリーのプロトコールを用いた異形成及び浸潤性細胞の検出及び予測のための、非常に感度の高い、定量可能かつ特異的なツールである(例えば、Jordinson M 1998)。それらは費用が安く、量が豊富であり、複数の結合部位を介していてアフィニティーが高いため、バイオマーカーとして非常に魅力的である。本発明者らは、3種類の好ましい蛍光色素結合レクチン(Helix pamatiaアグルチニン(HPA)、ピーナッツアグルチニンレクチン(PNA)及びUlex europaeuaアグルチニン1(UEA−1))が非異形成の細胞株及び組織と異形成の細胞株及び組織とを識別できることを実証するデータを得た。この蛍光色素は非常に安定しており、フローサイトメトリーによる定量評価又は自動顕微鏡解析に適している。したがって、レクチンは本発明の好ましいマーカーである。
レクチンは非常に豊富に存在するタンパク質である。レクチン(Lectin/lectin)結合パートナーは、正常な組織よりもBEで多く発現している。レクチンは糖タンパク質であり、BEで発現しているムチンなどの炭水化物の特定の形態に選択的に結合する。成長因子受容体などの細胞表面分子はグリコシル化されいることが多く、レクチンはそれらにも結合することがある。適当な蛍光色素で標識されたレクチンは、確立されている組織化学的プロトコール及びフローサイトメトリーのプロトコールを用いた異形成及び浸潤性細胞の検出及び予測のための、非常に感度の高い、定量可能かつ特異的なツールである(例えば、Jordinson M 1998)。それらは費用が安く、量が豊富であり、複数の結合部位を介していてアフィニティーが高いため、バイオマーカーとして非常に魅力的である。本発明者らは、3種類の好ましい蛍光色素結合レクチン(Helix pamatiaアグルチニン(HPA)、ピーナッツアグルチニンレクチン(PNA)及びUlex europaeuaアグルチニン1(UEA−1))が非異形成の細胞株及び組織と異形成の細胞株及び組織とを識別できることを実証するデータを得た。この蛍光色素は非常に安定しており、フローサイトメトリーによる定量評価又は自動顕微鏡解析に適している。したがって、レクチンは本発明の好ましいマーカーである。
スクリーニング−一般的マーカー
細胞分化を制御している経路からのマーカー(特にwnt経路及びNotch経路の遺伝子)も、スクリーニングの実施形態において細胞を識別するために使用することができる。
細胞分化を制御している経路からのマーカー(特にwnt経路及びNotch経路の遺伝子)も、スクリーニングの実施形態において細胞を識別するために使用することができる。
バレット食道表面細胞と正常食道表面細胞とで異なる発現をしていることが知られている他の任意のマーカーを使用してもよい。
胃噴門と扁平細胞の生検を比較する発現マイクロアレイを用いて代替マーカーを同定してもよい。これらの細胞型で異なる存在をしている任意のマーカーを本発明に使用してもよい。
バレット食道の検出に(すなわち本発明のスクリーニング実施形態において使用するために)好ましいマーカーは、ビリン又はモエシンであり、好ましくはビリンである。
監視
監視の態様では、発現が異形成の程度と相関するマーカーの使用が好ましい。そのようなマーカーを、リスクのある患者の層別化に使用することが好ましい。
監視の態様では、発現が異形成の程度と相関するマーカーの使用が好ましい。そのようなマーカーを、リスクのある患者の層別化に使用することが好ましい。
そのようなマーカーとしては、Ki67及びMcmタンパク質などの増殖マーカー、PCNAなどの増殖及びDNA損傷マーカー、サイクリンD及び/又はサイクリンAなどのサイクリン、例えば免疫組織化学的に検出される、p53のLOH、p53変異又はp53過剰発現などの異常なp53、メチル化を含むp16の消失、フローサイトメトリー又はイメージサイトメトリーなどによって測定される異数性等を挙げることができる。
もう少し詳細には、成長因子(例えばEGF)、成長因子受容体(例えばEGFR)、並びにサイトカイン(IL−4)及び炎症反応に関わる分子(COX−2)は、BEにおいて異常な発現をし、続いてACに進行することが示されており、したがって、本発明による有用なマーカーである。
腺癌への進行は、増殖の増大をもたらす傾向がある。増殖マーカー(例えばMCMタンパク質、Ki−67、PCNA)は進行のマーカーであると考えられる。細胞周期の間に発現する、従って増殖に密接に関係しているマーカーも、本願の有用なマーカーである(例えば、サイクリン、pRb)。CDK阻害剤のような細胞周期阻害剤など、細胞周期を負に制御するマーカーも重要である(15頁、16頁)。
in vitro及びex vivoの実験により、酸及び胆汁による刺激がDNA損傷、MAPキナーゼ経路及びNFκB経路を誘導し、アポトーシスを減少させることが示されており、したがって、DNAの変異及び損傷の検出に関わるマーカー(例えば、ATM、ATR)、アポトーシスのマーカー(p53)及びMAPK経路からのマーカー(erk、p38)、及びNFκBからのマーカーが有用である。さらに、胆汁酸は、ニワトリ胚食道において化生の誘導に関連するレチノイン酸経路(CYP26A1、RAR)を増加させる。BEの発症及び癌への進行には、TGFβ経路及びBMP経路など、他にも複数の経路が関与している。
マーカー:さらなる検討
実際、異形成の程度と相関することが知られている任意のマーカーが好適であり、これには多くの癌遺伝子及び腫瘍抑制遺伝子が含まれる。特に、Fitzgerald RC, ClinGastroenterol Hepatol, Complex diseases in gastroenterology and hepatology: GERD, Barrett's, and esophageal adenocarcinoma, 2005, 3:529-37又はFitzgerald RC, Recent Results in Cancer Res, Genetics and prevention of oesophageal adenocarcinoma, 2005, 166:35-46に記載されているマーカーが本発明における使用に好適であることがある。
実際、異形成の程度と相関することが知られている任意のマーカーが好適であり、これには多くの癌遺伝子及び腫瘍抑制遺伝子が含まれる。特に、Fitzgerald RC, ClinGastroenterol Hepatol, Complex diseases in gastroenterology and hepatology: GERD, Barrett's, and esophageal adenocarcinoma, 2005, 3:529-37又はFitzgerald RC, Recent Results in Cancer Res, Genetics and prevention of oesophageal adenocarcinoma, 2005, 166:35-46に記載されているマーカーが本発明における使用に好適であることがある。
腺癌を含むバレット関連異形成の検出にはMcmマーカー及び/又はサイクリンAが特に好ましく、最も好ましいのはMcmマーカーである。好ましいMcm(ミニ染色体維持)マーカーは、Cdc6、Mcm2、Mcm3、Mcm4、Mcm5、Mcm6、Mcm7又はMcm8のうちの1又は複数であり、Mcm2が好ましい。マーカーがMcm2のとき、感度は85%、特異度は70%、又はそれ以上が達成される。
Mcmマーカーを単独で使用した場合、ただのバレット食道が検出されるのは一部の症例だけになる傾向がある、すなわち初期段階のバレット病変の多くはMcmの発現を示さない。したがって、本発明をスクリーニングと監視に同時に適用する場合、監視用マーカーMcmと組合せて使用される別個のスクリーニング用(すなわちバレット食道)マーカーを有利に選択することが好ましい。
非常に好ましい実施形態では、Mcm2又はサイクリンAの1つのマーカーが使用される。好ましくはMcm2が使用される。Mcm2は、Mcm2陽性の異形成及び癌と共に、バレット食道の全発症の約半分を検出する。本実施形態の技術的利点は、バレットの発症の半分までが検出されないことがあるものの、それらは初期段階のバレットであり、Mcm2単独で検出されるバレットは最もリスクの高いグループのバレットであるということである。したがって、Mcm2マーカーを単独で使用することにより、手技が簡便になり、最も重要度の高い障害グループが確実に検出される。Mcm2を単独で使用するときは、細胞はカプセルスポンジで採取することが好ましい。癌及び高度異形成の検出におけるMcm2のNPV(陰性適中率)は100%である。したがって、Mcm2に陰性の患者がHGD又はACに罹患していることはない。非異形成性のBEと比べて、癌及び異形成の検出についてPPVが72%であるとは、Mcm2に陽性の患者の72%が異形成であることを意味する。さらに、Mcm2陽性の患者の90%は食道異常を有している。(もちろん、これらの数字及び以下の数字は集団研究に基づいており、それに従って解釈されるべきである。さらなる詳細については実施例のセクションを参照されたい。)。
サイクリンAがバレットの指標になるという開示は本願により初めてされるものである。したがって、好ましくは、マーカーはサイクリンAである。サイクリンA単独では、感度は約95%、特異度は約65%である(陽性(PPV)58%、陰性(NPV)98%)。さらに、サイクリンAレベルは、バレットから軽度異形成、高度異形成、腺癌と進行する間に増加する。したがって1つの実施形態では、本発明はサイクリンAの定量(好ましくは1細胞単位での定量)及びあり得る異常の状態との相関に関する。
使用されるマーカーは、好ましくはサイクリンAである。より好ましくは、サイクリンAと本願に開示されているその他のマーカーの1又は複数との組合せ使用される。
サイクリンAはMcm2よりも特異度が高いが、感度はわずかに低い。好ましい実施形態では、Mcm2及びサイクリンAの両方を組合せて使用する。これらのマーカーは陰性適中率が100%に近く、組み合わせると、異形成及び癌に対する陽性適中率は約50%である。したがって、被検者がMcm2及びサイクリンAに陰性であれば、腺癌を含むバレット関連異形成がないことが示される。
本発明は、食道の扁平細胞癌の診断には関していないことに留意されたい。これはバレット食道及び腺癌などのバレット関連異形成とは全く異なる障害である。食道の扁平細胞癌の診断は、特に本発明から放棄(disclaim)されることが好ましい。
マーカーアッセイ/検出
マーカーについてのアッセイとは、該マーカーの有無を決定することを意味する。好ましくは、アッセイとは、マーカーの免疫学的な染色又は可視化を意味する。
マーカーについてのアッセイとは、該マーカーの有無を決定することを意味する。好ましくは、アッセイとは、マーカーの免疫学的な染色又は可視化を意味する。
マーカーの発現(マーカー遺伝子発現)は、当業者に公知の任意の好適な手段で検出されてよい。発現は核酸レベルで検出されてもよいし、タンパク質レベルで検出されてもよい。発現は、質量分析法及び得られた質量値(mass readout)の特定のタンパク質部分への帰属によってもよい。核酸レベルでは、mRNAレベルをモニターすることによる検出が好ましい。発現の検出はタンパク質レベルで行うことが好ましい。好ましくは、マーカー遺伝子発現とは、マーカータンパク質発現のことを指す。マーカータンパク質発現は、マーカータンパク質の直接的又は間接的な検出により決定されることが好ましい。好ましくは、そのようなタンパク質は、免疫化学的手段によって検出される。好ましくは、マーカータンパク質は、該タンパク質と反応することができる抗体で検出された後、該抗体で可視化される。抗体はポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体が好ましい。抗体がポリクローナル抗体のとき、抗体は免疫精製されたポリクローナル抗体であることが好ましい。好ましくは、抗体はモノクローナル抗体である。シグナルの増幅及び検出の容易化のために、2次抗体及びさらには3次抗体、又はさらなる抗体を有利に使用してもよい。マーカータンパク質は、直接又は間接的にマーカータンパク質に結合される免疫蛍光による手段などの免疫組織化学的手段を用いて可視化されることが好ましい。検出はマーカーに対する抗体によることが好ましい。
その他の好適なアッセイとしては、ELISA、fish−蛍光in situハイブリダイゼーション、FACS−細胞分取蛍光解析(fluorescence analysis of cell sorting)等を挙げることができる。
サンプル
サンプル中には、本願に記載のサンプリング方法によって得られる個々の細胞の集団が含まれることが好ましいと理解される。したがって、マーカーの検出とは、前記細胞集団中の少なくとも1個の細胞中におけるマーカーの検出を指すことが好ましい。サンプル中の任意の細胞における増殖マーカーの検出はバレット又はバレット関連異形成を示す。サンプル細胞集団中にマーカーを示す細胞が全く存在しないことは、バレット又はバレット関連異形成が存在しないことを示す。マーカーの発現を示す細胞の割合はあまり重要ではない。マーカーの発現を示す細胞の割合は通常、診断に寄与しない。本発明は、サンプリングした細胞集団内の、マーカーを示す任意の細胞の検出、又はマーカーを示す任意の細胞の明らかな非存在に基づく。いくつかの実施形態では、オペレータの必要に応じた任意のステップとして、細胞型の相対的な比率又は増殖マーカーを示す細胞の比率を決定することが有益であることもある。しかし、本発明のほとんどの実施形態では、結果は陽性又は陰性で表され、細胞の相対的比率は通常考慮されない。
サンプル中には、本願に記載のサンプリング方法によって得られる個々の細胞の集団が含まれることが好ましいと理解される。したがって、マーカーの検出とは、前記細胞集団中の少なくとも1個の細胞中におけるマーカーの検出を指すことが好ましい。サンプル中の任意の細胞における増殖マーカーの検出はバレット又はバレット関連異形成を示す。サンプル細胞集団中にマーカーを示す細胞が全く存在しないことは、バレット又はバレット関連異形成が存在しないことを示す。マーカーの発現を示す細胞の割合はあまり重要ではない。マーカーの発現を示す細胞の割合は通常、診断に寄与しない。本発明は、サンプリングした細胞集団内の、マーカーを示す任意の細胞の検出、又はマーカーを示す任意の細胞の明らかな非存在に基づく。いくつかの実施形態では、オペレータの必要に応じた任意のステップとして、細胞型の相対的な比率又は増殖マーカーを示す細胞の比率を決定することが有益であることもある。しかし、本発明のほとんどの実施形態では、結果は陽性又は陰性で表され、細胞の相対的比率は通常考慮されない。
キット
本発明のキットは、本発明の方法を実施するように考案されている。したがって、本発明の方法に要求される要素についての記載は本発明のキットの内容にも等しく適用され、本発明のキットは前記方法の実施に要求される要素を含むことが好ましい。特に、キットは、使用されるマーカーを検出するための試薬を含むことが好ましい。
本発明のキットは、本発明の方法を実施するように考案されている。したがって、本発明の方法に要求される要素についての記載は本発明のキットの内容にも等しく適用され、本発明のキットは前記方法の実施に要求される要素を含むことが好ましい。特に、キットは、使用されるマーカーを検出するための試薬を含むことが好ましい。
本発明のキットは食道に使用するための局所麻酔薬をも含むことが好ましい。局所麻酔薬は、スプレー又はトローチ剤の形態が好ましく、好ましくはスプレーの形態である。
本発明のキットは、被検者から引き抜いたデバイスを保持する容器をも含むことが好ましい。この容器は水密性であることが好ましい。容器は保存液を含むことが好ましい。容器は、サンプリングされた細胞のスライドを作製するための、市販のシンプレパレーション液などの液状細胞診用の液体を含んでいることが好ましい。シンプレパレーション液は保存剤(preservative)を含むことが好ましい。
嚥下可能なデバイスは、嚥下しやすいように潤滑されていることが好ましく、引抜き手段も潤滑されていることが好ましい。したがって、キットは潤滑剤を含むことが好ましい。
キットは、デバイスを嚥下しやすいように飲用液を含むことが好ましい。前記液は、デバイスの味をごまかすため、又はより口当りを良くするために風味付けされていることが好ましい。前記液は、例えば糖又はペクチン又は粘度若しくは濃さなどのレオロジー特性を与えるその他の薬剤を添加することにより、濃化されていることが好ましい。その利点は、液の粘性が高い又はより濃厚なほど、嚥下時のデバイスによる食道の通過がより効果的に促進されることである。
キットの重量/体積を抑えるために、提供される液は、オペレータが使用前に例えば水を加えることにより再構成できるように、粉末状で提供されることが好ましい。キットは、再構成用の容器を含むことが好ましい。前記容器は、水などの液体の正確な量を測り易いように目盛り付きであることが好ましい。
嚥下可能なデバイスは、動物性食品を含まないことが好ましい。
キットは、デバイスの導入及び/又は引抜きの間に吐き気を催すのを抑えるために、制吐剤を、例えばトローチ剤、溶液又は粉末の形態で含むことが好ましい。
キットは、胃における酸の生成/分泌を抑制するために、酸中和化合物などの制酸剤、又は薬学的制酸剤などの制酸剤を含んでもよい。制酸剤には、デバイスの引抜き時に胃から食道に上ってくる酸による灼熱感を抑制するために使用することができるという利点がある。さらにこれは、前記デバイスによって得られた細胞サンプルの保存においても利点がある。
保存液は、得られた細胞サンプルの保存のために、制酸剤を含むか、及び/又は望ましいpHに緩衝されていることが好ましい。
1つの実施形態では、キットは局所麻酔スプレー、カプセルスポンジ、プレップ液(prep liquid)(例えば、ThinPrep(商標)PreservCyt(商標)Solution(商標))含有ポット、ポット用のラベル、及びサンプリングを行う医療専門家向けの使用説明書を含むことが好ましい。
キットは、(被検者からカプセルを回収する看護士などの医療専門家用の)手袋をさらに含むことが好ましい。
キットは、引抜き手段(例えば糸)を切断するためのはさみをさらに含むことが好ましい。
キットは、(被検者が液(例えば水)を飲むための)プラスチック製のカップをさらに含むことが好ましい。
キットは、被検者/患者向けの情報リーフレットをさらに含むことが好ましい。
別の実施形態では、本発明は、スティックが本発明のマーカーを検出するための試薬を含み、使用時、サンプリングされた細胞材料のプールにスティックを漬すことで本発明のマーカーの読取り結果(readout)を可視化し、それによって本願記載の診断を支援することができる情報が提供されるディップスティック式のキットなどの、自己検査用キットに関する。
デバイスは、統合された引抜き手段を含むことが好ましい。これは糸又はひもに基づいた手段であることが好ましい。引抜き手段は、いつデバイスが胃にあるか又は胃にありそうであるかをオペレータが推測できるように、目盛りが付いていることが好ましい。さらに、この目盛りにより、デバイスの引抜きをモニターすることが可能となり、引抜き速度の標準化及びサンプル採取の最適化が可能となるという利点がある。
引抜き手段は、嚥下可能な摩擦性材料の遠位端に嚥下不可能な要素を備えていることが好ましい。これは、デバイス全体を間違って嚥下してしまうことで引抜きが阻止される又は妨害されることを予防するという利点がある。この嚥下不可能な要素は、デバイス全体を嚥下させて消化管を通過させた方が安全であり得るような緊急事態に備えて、分離可能であることが好ましい。
キットのさらなる特徴
いくつかの実施形態では、異なる施設(setting)において異なる要素(element)を提供するマルチパートキット(multi-part kit)も考えられる。上記の説明は、本発明のキットの好ましい態様である一次医療用途(例えば被検者における初期検出のためのスクリーニング)に焦点を当てたものである。しかし、被検者がサンプリングを受ける最初の一次医療施設とは異なる場所で、食道表面サンプルが解析されてもよいことは、当業者に明らかである。例えば、サンプルが採取された一次医療施設とは別の検査室で細胞が解析されても良い。本実施形態において、本発明が、測定用構成要素(read-out component)(又は検査室用構成要素)と一次医療用の構成要素とを含むマルチパートキットに関してもよいこと、又は本発明がさらに、キットの測定用/検査室用構成要素自体に関してもよいことは明らかである。この例において、キットの測定用(又は検査室用)構成要素は、以下の要素の1又は複数を含んでもよい:
−非婦人科用顕微鏡スライド、及び/又は非婦人科用フィルタなどの消耗品、
−ThinPrep(商標)2000プロセッサなどの機器
−異常な病変の検出−Mcm2についての免疫組織化学を用いたバレット食道の検出のため;例えばDakoCyomation Ltd社製のChemMate(商標)システムを用いてサンプルを染色する場合であれば、自動免疫染色システム。
いくつかの実施形態では、異なる施設(setting)において異なる要素(element)を提供するマルチパートキット(multi-part kit)も考えられる。上記の説明は、本発明のキットの好ましい態様である一次医療用途(例えば被検者における初期検出のためのスクリーニング)に焦点を当てたものである。しかし、被検者がサンプリングを受ける最初の一次医療施設とは異なる場所で、食道表面サンプルが解析されてもよいことは、当業者に明らかである。例えば、サンプルが採取された一次医療施設とは別の検査室で細胞が解析されても良い。本実施形態において、本発明が、測定用構成要素(read-out component)(又は検査室用構成要素)と一次医療用の構成要素とを含むマルチパートキットに関してもよいこと、又は本発明がさらに、キットの測定用/検査室用構成要素自体に関してもよいことは明らかである。この例において、キットの測定用(又は検査室用)構成要素は、以下の要素の1又は複数を含んでもよい:
−非婦人科用顕微鏡スライド、及び/又は非婦人科用フィルタなどの消耗品、
−ThinPrep(商標)2000プロセッサなどの機器
−異常な病変の検出−Mcm2についての免疫組織化学を用いたバレット食道の検出のため;例えばDakoCyomation Ltd社製のChemMate(商標)システムを用いてサンプルを染色する場合であれば、自動免疫染色システム。
キットは、1又は複数の以下の検出用消耗品をさらに含んでもよい:ダコ Autostainer試薬バイアル:ChemMate(商標)検出キット;ChemMate(商標)ペルオキシダーゼブロッキング溶液;ChemMate(商標)抗体希釈液;Mcm2抗体;ヤギ血清;ウシ血清アルブミン;ヘマトキシリン及び/又はカバースリップ。
キットは、ダコ社製のautostainer slides processor(S3400 ダコautostainer)などの機器をさらに含んでもよい。
サンプルの解析を促進するために、キットは、顕微鏡(例えば自動顕微鏡)などの可視化手段、例えば×10、×20、及び/又は×40の対物レンズを備えたオリンパス社製BX41をさらに含んでも良い。
さらなる利点/用途
表面サンプリング中に組織構造が一度失われると、組織学者はもはや、扁平、円柱、バレットなどの細胞型を区別することができない。さらに、リンパ球などの炎症性細胞の観察も、それらの観察から位置情報を収集することができないため、もはや診断に貢献しない。しかし、本発明では、組織学的情報が失われている場合でも、細胞型を同定するためにバイオマーカーを使用することで有利にこの問題を克服している。
表面サンプリング中に組織構造が一度失われると、組織学者はもはや、扁平、円柱、バレットなどの細胞型を区別することができない。さらに、リンパ球などの炎症性細胞の観察も、それらの観察から位置情報を収集することができないため、もはや診断に貢献しない。しかし、本発明では、組織学的情報が失われている場合でも、細胞型を同定するためにバイオマーカーを使用することで有利にこの問題を克服している。
マーカーの発現についての細胞の解析は、細胞を顕微鏡スライドに塗布した後、染色及び解析することで行われることが多い。細胞内のマーカーを可視化することで、本発明では、自動化が有利に可能となっている。なぜなら、細胞構造に基づく組織学者の判断をもはや必要とせず、マーカーの存在/非存在を示す陽性/陰性シグナルが読取り値(readout)であるからである。この読取り値は、画像キャプチャにより素早く収集することができ、データ解析/診断を手技中の染色/イメージングステップから有利に切り離すことができる。さらに、カプセルスポンジなどの本発明の好ましいサンプリングデバイスは、内視鏡ブラッシングなどの面倒な従来技術の手法よりも多くの細胞を有利に採取する。具体的には、1回のカプセルスポンジによるサンプリングで、危険な内視鏡ブラッシングより約6〜12倍多くの細胞を採取することができる。
従来技術との重要な差は、表面サンプルだけを採取する点である。これは当該技術分野では欠点と考えられていた。しかし、実際には、例えばMcm2又はサイクリンAなどの増殖マーカーを示す表面細胞はどれであれ異常であるという点(これは、活発な分裂が行われており潜在的な病態を呈さない食道のより深部からサンプリングされた細胞には当てはまらないかもしれない)において、これは本発明の利点である。したがって、表面だけの細胞がアッセイされるということは本発明の利点である。
カプセルスポンジは、扁平細胞癌の検出に応用されてきた。これらのカプセルスポンジが、全く異なるバレット関連障害の検出にも応用できるということは、予期されていなかった本発明の利点である。
ゴールドスタンダードである生検などの、従来のバレットのサンプリング手法では、食道の表面領域のせいぜい1%程度しかサンプリングされない。本発明は、食道の表面領域のほぼ全体を有利にサンプリングする。
細胞をスライドに塗布してアッセイすることが好ましいが、ELISA又はFACS又はFISHなどの異なる方式でアッセイを行うことが有益なこともある。好ましくは、細胞を、カプセルスポンジ又はその洗浄物から直接、これらの方式の1又は複数でアッセイすることができ、それにより、スライドを用いた方式による解析の必要を有利に避けられる。スライドを用いた方式による解析が必要な場合、細胞をスライド上に密集させて、同数の細胞についてより少ない数のスライドを作製することで費用を抑えることが好ましい。1つの実施形態では、カプセルスポンジからの細胞を集め、そのタンパク質抽出物をマーカーについて検査することで、細胞全体を染色する必要性が軽減される。
好ましいカプセルスポンジサンプリングデバイスの孔のサイズは、採取する細胞数を調整するために有利に変更することができる。例えば、孔のサイズを小さくすることで細胞数(したがって必要なスライド数)を有利に減らすことができる。
非常に好ましい実施形態では、高リスクなバレットを検出するようにマーカーが選択される。これには、監視、すなわち腺癌を含む将来的な異形成の検出のためのバレット患者の再度のモニターが減る又は不要になるという、さらなる利点がある。なぜなら、バレットの検出及び高リスクであるという格付けが1ステップで行われるため、その後の治療を直ちに処方することができ、費用の高い監視を必要とせず、監視中に患者がより危険な病変を検出前に発症するリスクもない。
本発明の手法は、サンプルが採取され、離れた場所で1まとめにして処理される一次医療に、すなわち、一般開業医の手術に有利に適用することができ、それにより、費用が抑えられ、患者が失う時間が短くなる。さらに、この手法は一般開業医による手術のスタッフが行うことも可能で、サンプリング/処理に関与する医師などの特別な訓練を受けた人材の必要性を有利に除くことができる。
擬陰性が極めて稀であることが本発明の利点である。擬陽性が生じることもあり、例えば、核果などの摩擦製の食物を嚥下したことで生じた傷を閉じている細胞などの自然に増殖している細胞の検出である。しかし、本発明の検査法及びキットから得られる陰性結果は非常に信頼性が多高く、患者はその後の不要な手技を省くことができ、陰性結果が得られた場合には初期段階で確証を得ることができる。
本発明の方法及びキットは簡便で費用が安いので、サービス提供者にとって同じ純費用で、はるかに広範なスクリーニングプログラムを行うことが可能である。
本発明の検査法は被検者に対して3年おきに行われることが好ましい。
本発明のさらなる利点は、液状細胞診が可能なことであり、これは、従来技術においてバレットに使用されていた従来の細胞診よりも優れている。
本発明の別の利点は、異形成の最初の兆候は非常に小さく、視覚による検査又は内視鏡生検サンプリングでは見逃されることがあるが、本発明によれば検出されるということである。同様に、高度異形成を有する被検者の40%が既に癌を有している。本発明はこれらの患者のより良い検出/診断を有利に可能とする。
本発明のさらなる利点は、内視鏡を必要としないため、従来技術の手法よりも安く、簡便で、安全であることである。したがって、本発明によれば、食道の内視鏡によるサンプリングは行われない。特に、食道の表面がサンプリングされることが本発明の重要な特徴である。内視鏡生検は通常、単に表面だけでなく、組織を深くサンプリングする。表面のみのサンプリングを、バレット食道又はバレット関連異形成の診断支援に使用することができるということは本発明の驚くべき利点である。食道表面は、非内視鏡的にサンプリングされることが好ましい。これには、速くて安いというさらなる利点があり、一次医療における集団スクリーニングに適している。
本発明は、食道表面領域を広範囲にサンプリングすることが好ましい。内視鏡サンプリングでは、食道の狭い表面領域しかサンプリングされない。表面領域を広範囲にサンプリングすることには、サンプリング時の範囲が限定されることによって異常が見逃される可能性を低くする利点がある。
本発明は、スクリーニング(例えば集団スクリーニング)用途、すなわち初期の異常の検出に関することが好ましい。本発明は、一次医療における集団スクリーニングに適していることが好ましい。
本発明による診断は、より一貫性があり、ブラッシング/生検などの従来技術の手法におけるオペレータによる変動がなくなるという利点がある。
本発明は、硬いステム(stem)又はケーブルを特徴とするデバイスに基づくサンプリング手法を含まないことが好ましい。これらは嚥下することが困難又は不可能である。上述のカプセルスポンジを本発明の方法及びキットにおいて使用することが好ましい。カプセルスポンジは、嚥下しやすいという利点を有する。さらにカプセルスポンジには、その好ましいメッシュ構造(mesh construction)により、従来技術のデバイスの場合のように細胞表面上での採取に限定されることなく、構造(structure)全体で細胞を採取することができるという利点がある。これには採取量が増加するという利点がある。
驚くべきことに、本発明の非方向性(non-directional)の方法は、従来技術の理解から予想される扁平細胞の大きなバックグラウンドに悩まされることはない。これは、従来技術の手法が、通常食道表面領域の2〜5%又はそれ未満しか占めないバレットに向けられているのに対し、本発明はバレットシグナルがバックグラウンドに隠れてしまうと予想されるような表面全体のサンプリングであるからであるが、驚くべきことにそれが事実でないことを本願は示している。
本発明を、以下の図面を参照し、例として説明する。
実施例1:サンプリングデバイスの作製
摩擦性材料を適当な大きさに切る。本実施例において、材料は、ほぼヒトの食道の内径の大きさ、すなわち直径約3cmである。
摩擦性材料を適当な大きさに切る。本実施例において、材料は、ほぼヒトの食道の内径の大きさ、すなわち直径約3cmである。
本実施例において、材料はポリウレタン製のメッシュ又は布である。
材料を嚥下後に回収できるように、ひもが材料に縫い付けられている。(図3はひもの付いたデバイスを示している。)
ひもは十分に長く、デバイスが嚥下されて胃に到達した後であってもその一部が余裕をもって口腔外に残る。ひもと縫い目は、膨張後のデバイス回収に使用することができるように、十分に強く、かつ消化に対して抵抗性である。
その後、材料を圧縮し、ゼラチンのカプセルに挿入する(図1)。ひもはカプセルから出ている(図2に、ひもが出ている、一部を分解したカプセルを示す。)これで、デバイスの使用準備が整う。
実施例2:食道表面からの細胞のサンプリング
実施例1のデバイスが提供される。被検者は、準備として、トローチ剤又はスプレーの形態で局所麻酔を受けることがある。
実施例1のデバイスが提供される。被検者は、準備として、トローチ剤又はスプレーの形態で局所麻酔を受けることがある。
ひもの遠位端が口腔外に保持されるように、被検者の口腔にデバイスを導入する。
次いで、デバイスを嚥下する。温水を飲用することで、このプロセスが行いやすくなり、また、ひもが濡れ、食道をデバイスが通過しやすくなる。
約10〜20秒後、デバイスは被検者の胃に到達し、ひもは胃から出て食道及び口腔内を通り、外部の維持されている点へとつながっている。
5分後にカプセル被膜が溶解し、摩擦性ポリウレタン材料が未圧縮時のサイズにまで膨張する。
その後、ひもの遠位点を穏やかに引っ張り、デバイスを食道に沿って口腔外へと引っ張ってデバイスを引き抜き、この過程で食道細胞が採取される。その後、サンプリングされた細胞をアッセイするプロセスまで、デバイスを密封容器内に保存液中で保存する。保存液は、解析用のスライドを作製するためのシンプレパレーション液であることが好ましい。
実施例3:細胞マーカーについてのアッセイ
実施例2の引抜き後のデバイスを洗浄し、食道細胞を回収する。その後、これらをスライドに塗布し、可視化するために固定化する。
実施例2の引抜き後のデバイスを洗浄し、食道細胞を回収する。その後、これらをスライドに塗布し、可視化するために固定化する。
Mcm2が本実施例におけるマーカーである。
本研究のこのパートにおける解析数は、BE患者18名及び健常対照者22名である)。BE患者の年齢は64.5±2.1歳、対して健常者ボランティアの年齢は31.2±1.6歳であり、両方の群で男女比は男性集団に偏っていた(それぞれ1:5及び1:1.7)。
PAPスライドを用いてサンプルの細胞性を評価した。細胞病理学の専門家がサンプルの細胞性を評価し、サンプルの88%で細胞性は良いから非常に良いであり、22%で細胞性は平均的であった。
図6は、カプセルスポンジからのモノレイヤーの代表的写真を示す。Pap染色サンプル(A〜C)及びMcm2染色サンプル(C)。黒矢印は円柱細胞の位置を示し、赤矢印は扁平細胞の位置を示す。
内視鏡ブラッシングで見られるように、PAP染色サンプルでは、円柱細胞と扁平細胞が容易に識別可能であった(図6A、6B及び6C)。Mcm2陽性細胞は、内視鏡ブラシで見られたのと同じくらい強く染色された(図6C)。
この非内視鏡的手法には、少なくとも2つの産業的用途がある。第1は、全てのバレット患者を同定すること、すなわち、バレット食道を検出するスクリーニング検査としての本発明の使用の実証である。第2に、腺癌への進行リスクに従ってBE患者を階層化すること(すなわち、監視における本発明の使用の実証)である。この2つの相互依存的用途は、使用するバイオマーカーを変更することで達成することができる。
円柱細胞は、BE患者の61%及び対照患者の9%で検出された(表A)。
表Aは、バレット患者(異形成有り又は無し)及び対照患者からのカプセルスポンジ細胞サンプルにおけるMcm2陽性度及び円柱細胞の存在を示す。解析結果を下部のパネルに示す(PPV:陽性適中率、NPV:陽性陰性値)。
先述の通り、本発明者らは、表面におけるMcm2の発現が癌進行へのより高いリスクと相関していることを示した。BEサンプルの55%及びNEサンプルの9.1%でMcm2の発現が検出された(表B)。
表Bは、BE及び関連異形成の診断における、Mcm2染色したカプセルスポンジサンプルを示す。陽性ブラッシングの値は、認識可能なMcm2の発現がわずかでもあった患者の数を表す。(NE:正常な食道、BE:バレット食道、LGD:軽度異形成、HGD:高度異形成)。
Mcm2染色によって検出されたサンプルのパーセンテージは、異形成の程度の進行と相関していた(p<0.05)。
セグメントの長さと円柱細胞の存在との間には相関がある(表4〜9、p<0.05)が、セグメントの長さとMcm2陽性度の間には相関はない。
したがって、バレット及び腺癌などのバレット関連異形成の診断を支援するために、表面細胞サンプルをバイオマーカーについてアッセイすることの価値が実証される。
実施例4:バレット食道の非内視鏡的免疫細胞学スクリーニング検査法の開発及び評価
背景:バレット食道(BE)は、食道腺癌についての確立されたリスク因子であるが、患者の大部分は診断されていない。内視鏡によるBEの集団スクリーニングは非実用的であり、ワイヤレスのカプセル型イメージングデバイスでは組織をサンプリングすることができない。以前の非内視鏡的細胞学的サンプリングデバイスは忍容性が低く(poorly tolerated)、細胞学的解析は、BEの正確な評価には不適切である。
背景:バレット食道(BE)は、食道腺癌についての確立されたリスク因子であるが、患者の大部分は診断されていない。内視鏡によるBEの集団スクリーニングは非実用的であり、ワイヤレスのカプセル型イメージングデバイスでは組織をサンプリングすることができない。以前の非内視鏡的細胞学的サンプリングデバイスは忍容性が低く(poorly tolerated)、細胞学的解析は、BEの正確な評価には不適切である。
本実施例において、本発明者らは、被検者におけるバレット食道又はバレット関連異形成の診断支援方法を実証する。方法は、前記被検者の食道表面の細胞のサンプリングを含み、前記サンプリングは、食道の特定の部位に向けられていない。本実施例において、サンプリングはカプセルスポンジによる。
さらに方法は、細胞を非扁平細胞マーカーについてアッセイすることを含む。本実施例において、マーカーはMcm2である。本発明者らは、BEの発症機序の初期から徐々に増殖が調節不全になるため、増殖マーカーであるミニ染色体維持タンパク質2(Mcm2)の免疫細胞学的評価がBEの検出及びモニターに有用な方法であることを示す。本実施例は、Mcm2染色と組合せてカプセルスポンジデバイスを使用する、BEの非内視鏡的スクリーニング検査を実証する。
この手法では、そのようなMcm2マーカーの検出により、バレット又はバレット関連異形成が存在する確率が高くなっていることが示される。
方法:免疫細胞診(immunocytology)と組み合わせた好ましいカプセルスポンジデバイスのルーチンな最適化の後、(内視鏡による生検において、腸上皮化生を含む腺粘膜が視認された)BE患者27名及び正常健常者ボランティア30名を本研究に採用した。
患者はスポンジを嚥下し、5分後に、膨張したスポンジを保存剤中に置いた。液状細胞診を用いて、デバイスから可能な限り最大限の細胞が抽出された細胞モノレイヤーを作製した。Mcm2に対するマウスモノクローナル抗体を用いて免疫細胞化学を行った。核のMcm2が陽性である細胞1個が陽性スコア1つに割り当てられるように、バイナリスコア(binary score)を作製した。
臨床診断を知らされていない2名でスライドを評価した。
検査のアクセプタビリティ(acceptability)を決定するために、患者は評価スケール(linear rating tool)を使用した。
結果:患者の3/57(5.2%)から、不適切な標本が回収された。どの患者から回収した扁平細胞も、Mcm2陽性ではなかった。健常ボランティアの7/28(25%)が円柱Mcm2陽性であったのに対し、BE患者では22/26(84%)が円柱Mcm2陽性であり、感度及び特異度はそれぞれ84.6%及び75%となった。本検査の陰性及び陽性適中率は、それぞれ75.9%及び84.0%である。
カプセルのアクセプタビリティ評価は、10を非常に快適、5を不快でもなく快適でもない、0を非常に不快として、4.4±0.3であった。
結論:実証した、カプセルスポンジを用いた免疫細胞診の感度及び特異度は、現行の臨床におけるその他のスクリーニング検査に匹敵する。
したがって、本発明による非内視鏡的免疫細胞診は一次治療に適用することができ、自動化された処理が使用可能であることが実証される。したがって、本発明の方法はBEのスクリーニングツールとして有用である。
実施例5:バレット食道の非内視鏡的免疫細胞学的スクリーニング検査の開発及び評価
背景:バレット食道(BE)は食道腺癌のリスク因子であるが、患者の大部分は診断されずにいる。本研究の目的は、BEの非内視鏡的スクリーニング検査を開発し、それが一次医療施設での適用に適していることを示すことであった。
背景:バレット食道(BE)は食道腺癌のリスク因子であるが、患者の大部分は診断されずにいる。本研究の目的は、BEの非内視鏡的スクリーニング検査を開発し、それが一次医療施設での適用に適していることを示すことであった。
本実施例では、被検者の食道表面からの細胞を非扁平細胞マーカーについてアッセイすることを含む、バレット食道又はバレット関連異形成の診断支援方法について説明する。本実施例において、細胞はカプセルスポンジで採取される。
本発明者らは以前、BEの表面上皮がミニ染色体維持タンパク質2(Mcm2)についての免疫組織化学によって検出可能な増殖細胞を含んでいることを示した。これが本実施例で使用されるマーカーである。
このようなMcm2マーカーの検出により、バレット又はバレット関連異形成が存在する確率が高いことが示されることを実証する。
方法:BE患者43名及び健常ボランティア42名が、糸の付いたカプセルスポンジを嚥下した。5分後、膨張したスポンジを回収し、保存剤中に置いた。液状細胞診を用いて、Mcm2を染色した細胞モノレイヤーを作製した。円柱細胞で核が染色されていれば、サンプルは陽性であるとみなした。臨床診断について知らない3名でスライドを評価した。検査のアクセプタビリティを決定するために、患者は評価スケールを用いた(10が快適、5が不快でもなく快適でもない、0が非常に不快)。
結果:患者の4/83(4.8%)から不適切な標本が回収された。健常ボランティアからの標本では8/40(20%)が陽性であったのに対し、BE標本では27/41(66%)が陽性であり、感度及び特異度はそれぞれ67%及び80%となった。本検査の陰性及び陽性適中率はそれぞれ、77.1%及び71.0%であった。カプセルのアクセプタビリティは4.4±0.3と評価された。
結論:カプセルスポンジを用いた免疫細胞診の感度及び特異度は、現行の臨床診療におけるその他のスクリーニング検査に匹敵する。さらに、この方法は一次医療に適用可能であり、方法の実施には、自動化された処理を使用することができる。これはBEのスクリーニングツールとして有用である。本方法は、代替分子マーカー、例えばレクチンマーカーを使用することで変更してもよい。
本発明者らは、3種類の蛍光色素結合レクチン(Helix pamatiaアグルチニン(HPA)、ピーナッツアグルチニンレクチン(PNA)及びUlex europaeuaアグルチニン1(UEA−1))が、非異形成及び異形成の細胞株及び組織を識別することができることを実証した。これらの蛍光色素は非常に安定しており、フローサイトメトリーによる定量的評価又は自動顕微鏡解析に適している。したがって、レクチンマーカーの有用性もここで実証されている。
上記本明細書に記載の全ての刊行物を参照により本願明細書に組み込んだものとする。記載されている本発明の方法及びシステムの、本発明の範囲を逸脱しない範囲における様々な変更例及び改変例は当業者に明らかであろう。本発明を特定の好ましい実施形態との関連において説明したが、特許保護請求されている本発明は、そのような特定の実施形態に不当に限定されるべきではないと理解されるべきである。実際、本発明を実施するために記載した様態の様々な変更例は、生化学及び生物工学又は関連する分野の熟練者にとって明らかであり、以下の請求項に含まれることが企図される。
Claims (31)
- 食道表面から細胞を採取することができる摩擦性材料を備えた嚥下可能なデバイスを、バレット食道又はバレット関連異形成の検出における使用のための印刷された取扱説明書と共に含むキット。
- 局所麻酔薬をさらに含む、請求項1に記載のキット。
- 嚥下可能なデバイスを引抜き後に収容するための、多量の保存液を含有する容器をさらに含む、請求項1又は請求項2に記載のキット。
- デバイスがカプセルスポンジを備えた、請求項1〜3いずれか記載のキット。
- デバイスが引抜き手段を備えた、請求項1〜4いずれか記載のキット。
- 引抜き手段を切断するデバイスを含む、請求項5に記載のキット。
- 飲用液を被検者に投与するための容器をさらに含む、請求項1〜6いずれか記載のキット。
- 手袋をさらに含む、請求項1〜7いずれか記載のキット。
- 非扁平細胞マーカーの検出における使用のための試薬をさらに含む、請求項1〜8いずれか記載のキット。
- 非扁平細胞マーカーが細胞増殖のマーカーである、請求項10に記載のキット。
- 非扁平細胞マーカーが円柱細胞のマーカーである、請求項10に記載のキット。
- ビリン若しくはモエシンなどの刷子縁タンパク質、ムチン遺伝子、アルカリフォスファターゼなどの刷子縁酵素、Cdx1及び/若しくはCdx2などのホメオボックス遺伝子、円柱細胞に対してCK8/18などのサイトケラチン、又はバレット食道表面細胞と正常食道表面細胞とで異なる発現をしていることが知られている任意のマーカーからなる群から選択される少なくとも1つのマーカーの検出における使用のための試薬をさらに含む、請求項10に記載のキット。
- Ki67及びMcmタンパク質などの増殖マーカー、PCNAなどの増殖及びDNA損傷マーカー、サイクリンD及び/若しくはサイクリンAなどのサイクリン、異常なp53、p16の消失、異数性、又は異形成の程度と相関することが知られている任意のマーカーからなる群から選択される少なくとも1つのマーカーの検出における使用のための試薬をさらに含む、請求項10に記載のキット。
- マーカーがサイクリンAである、請求項19に記載のキット。
- マーカーがレクチンである、請求項9に記載のキット。
- 液が、サンプリングした細胞の検査用スライドを作製するためのシンプレパレーション液である、請求項3に記載のキット。
- さらに局所麻酔薬がスプレー又はトローチ剤である、請求項2〜16いずれか記載のキット。
- 被検者の食道の細胞表面のサンプリングと、非扁平細胞マーカーについての前記細胞のアッセイとを含み、前記サンプリングが食道の特定の部位に向けられておらず、そのようなマーカーの検出によりバレット又はバレット関連異形成が存在する確率が高いことが示される、被検者のバレット食道又はバレット関連異形成の診断支援方法。
- 被検者の食道表面からの細胞を非扁平細胞マーカーについてアッセイすることを含み、そのようなマーカーの検出によりバレット又はバレット関連異形成が存在する確率が高いことが示される、バレット食道又はバレット関連異形成の診断支援方法。
- 非扁平細胞マーカーが細胞増殖のマーカーである、請求項18又は請求項19記載の方法。
- 非扁平細胞マーカーが円柱細胞のマーカーである、請求項18〜20いずれか記載の方法。
- マーカーが、ビリン若しくはモエシンなどの刷子縁タンパク質、ムチン遺伝子、アルカリファスファターゼなどの刷子縁酵素、Cdx1及び/若しくはCdx2などのホメオボックス遺伝子、円柱細胞に対してCK8/18などのサイトケラチン、又はバレット食道表面細胞と正常食道表面細胞とで異なる発現をしていることが知られている任意のマーカーからなる群から選択される、請求項18〜21いずれか記載の方法。
- マーカーが、Ki67及びMcmタンパク質などの増殖マーカー、PCNAなどの増殖及びDNA損傷マーカー、サイクリンD及び/若しくはサイクリンAなどのサイクリン、異常なp53、p16の消失、異数性、又は異形成の程度と相関することが知られている任意のマーカーからなる群から選択される、請求項18〜21いずれか記載の方法。
- マーカーがMcm2又はサイクリンAである、請求項23に記載の方法。
- サイクリンAがアッセイされる、請求項24に記載の方法。
- Mcm2及びサイクリンAの両方がアッセイされる、請求項24に記載の方法。
- 食道の細胞表面のサンプリングが、
(i)食道表面から細胞を採取することができる摩擦性材料を備えた嚥下可能なデバイスを被検者に導入するステップと、
(ii)食道を通して引き抜くことで前記デバイスを回収するステップと、
(iii)前記デバイスから細胞を採取するステップと
を含む、請求項18に記載の方法。 - 細胞の染色体組成を解析することをさらに含み、異常な核型の検出により異形成である確率が高いことが示される、請求項18〜27いずれか記載の方法。
- 細胞のp53の状態を解析することをさらに含み、異常なp53の状態の検出により異形成である確率が高いことが示される、請求項18〜28いずれか記載の方法。
- バレット食道又はバレット関連異形成の検出において使用するための印刷された説明書が請求項18〜29いずれか記載の診断支援方法を含む、請求項1〜17いずれか記載の方法。
- バレット食道又はバレット関連異形成の診断におけるカプセルスポンジの使用。
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