JP2009507782A - 2重結合エステル基を有する蛍光標識物質、これを標識及び検出する方法 - Google Patents

2重結合エステル基を有する蛍光標識物質、これを標識及び検出する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は2重結合エステル基を有する蛍光標識物質、これを標識及び検出する方法に関し、不飽和2重結合エステル基を有する蛍光物質を油類に添加して油類製品に隠匿標識する方法、及び、標識された油類製品に特有の蛍光を誘導する機能を持った発現剤を添加してUV/VIS領域において蛍光強度計によりこれを検出する方法、及び、前記標識物質に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は2重結合エステル基を有する蛍光標識物質、これを標識及び検出する方法に関し、より具体的には、不飽和2重結合エステル基を有する蛍光標識物質を油類製品に添加して標識した後、標識された油類製品に特有の蛍光誘導する機能を持った発現剤を添加してUV/VIS領域において蛍光強度計によりこれを検出する方法及び、該標識物質に関する。
石油識別剤(標識物質、マーカー)は1980年代以降に発展を重ねてきている。石油識別剤は、下記の2通りの理由から添加されて用いられている。
第一に、原油価の急上昇による石油類の不法使用に起因する環境汚染及び自動車の寿命短縮の弊害を防ぐために用いられてきている。これは、偽の揮発油の使用防止及び特殊目的免税油の不法使用を防ぐために導入、施行中にある。
第二に、石油識別剤は、石油化学技術の発展による石油精製技術の高度化に伴い、各精油社の品質競争及び維持に高コストが用いられている。これにより、各精油社のブランド化及び品質の維持確認のために石油識別剤の導入がなされており、これは、初期にガソリンで添加され始め、LPG及び軽油へまで拡大されている傾向にある。
かかる石油添加用の識別剤としては、クマリンアルキルエステル(米国特許第5,980,593号)とフルオレセインアルキルエステル(米国特許第5,498,808号)などが知られており、これらは飽和されたアルキルエステルを標識物質として用い、且つ、発色剤として塩基性抽出物またはテトラアルキルアンモニウムを用いていた。
前記米国特許第5,980,593号においては、クマリンを出発物質として飽和されたアルキルエステル基を導入してゲルあるいはセミソリッドを合成し且つ希釈している。
また、前記米国特許第5,498,808号においては、フルオレセイン誘導体を出発物質として飽和されたアルキルエステル基を導入することにより、固体またはワッキシーソリッド、オイル状で得て標識物質として用い、発色剤としてテトラアルキルアンモニウムを用いている。ここに使われているテトラアルキルアンモニウムは、使用時にアンモニアの不快な匂いによりかなりの不快感を引き起こすことになる。
前記蛍光標識物質の他にも、レソルフィンその他の蛍光物質(大韓民国特許公開第202−6420号)を用い、発色剤としてリパーゼを用いたものが知られているが、複雑な分析工程を要したり、高価な試薬を要したりして改善が望まれている。
米国特許第5,980,593号 米国特許第5,498,808号 大韓民国特許公開第2002−6420号
本発明は従来の蛍光標識物質の問題点を解決するためのものであり、より具体的に、不快な匂いを引き起こすことなく、低価な発現剤を用いることができる他、分析工程がより簡単な発色剤により蛍光が誘導される、油類製品の識別に用いて好適な蛍光標識物質を提供するためのものである。
本発明はまた、油類製品をこのような蛍光標識物質により標識し、且つ、これを検出する油類製品の識別方法を提供するためのものである。
本発明は、まず、新規な蛍光標識物質を提供するものであって、具体的に、下記の一般式1〜3で表わされる蛍光標識物質を提供する。
Figure 2009507782
式中、前記R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ニトロ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アミノ基、置換若しくは非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数1〜30のヘテロアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のヘテロアルケニル基、あるいは、置換若しくは非置換の炭素数4〜30のヘテロアリール基を示し、前記R及びRはそれぞれ独立して、水素、ニトロ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アミノ基、置換若しくは非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数1〜30のヘテロアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のヘテロアルケニル基、置換若しくは非置換の炭素数4〜30のヘテロアリール基、あるいは、−OC(=O)−Rを示し、前記Rは、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、あるいは、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のヘテロアルケニル基を示し、但し、R及びRの少なくとも一方以上は−OC(=O)−Rを示す。
Figure 2009507782
式中、R〜R20はそれぞれ独立して、水素、ニトロ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アミノ基、置換若しくは非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数1〜30のヘテロアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のヘテロアルケニル基、あるいは、置換若しくは非置換の炭素数4〜30のヘテロアリール基を示し、但し、R15及びR18の少なくとも一方以上は置換若しくは非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、あるいは、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のヘテロアルケニル基を示す。
Figure 2009507782
式中、R21〜R29はそれぞれ独立して、水素、ニトロ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アミノ基、置換若しくは非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数1〜30のヘテロアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のヘテロアルケニル基、あるいは、置換若しくは非置換の炭素数4〜30のヘテロアリール基を示し、
但し、R21及びR24の少なくとも一方以上は置換若しくは非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、あるいは、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のヘテロアルケニル基を示す。
前記本発明の化合物において用いられる置換基としてのアルキル基は、炭素数1〜30の直鎖状または分枝状のラジカルを含み、好ましくは、1〜約12個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のラジカルを含む。より好ましいアルキルラジカルは、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルである。このようなラジカルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t-ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシルなどが挙げられる。1〜3個の炭素原子を有する低級アルキルラジカルがさらに好ましい。
上記の本発明の化合物において用いられる置換基としてのアルケニル基は、炭素−炭素の二重結合を含有する炭素数2〜30の直鎖状または分枝状であってもよい脂肪族不飽和炭化水素基を意味する。好ましいアルケニル基は鎖中に2〜20個の炭素原子を有し、さらに好ましくは、鎖中に4〜18個の炭素原子を有する。分枝状は1以上の低級アルキルまたは低級アルケニル基がアルケニル直鎖に付着したものを意味する。このようなアルケニル基は非置換であるか、あるいは、ハロ、カルボキシ、ヒドロキシ、ホルミル、スルホ、スルフィノ、カルバモイル、アミノ及びイミノを含むが、これらに制限されない1以上の基により独立して置換されていてもよい。このようなアルケニル基の例としては、エテニル、プロフェニル、カルボキシエテニル、カルボキシプロフェニル、スルフィノエテルニル及びスルホノエテルニルなどがある。
前記本発明の化合物において用いられる置換基としてのアリール基は単独でまたは組み合わせられて用いられ、1以上の環を含む炭素原子数6〜30のカルボサイクル芳香族システムを意味し、前記環はペンダント方法により一緒に付着または融合可能である。アリールという用語は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダン及びビフェニルなどの芳香族ラジカルを含む。さらに好ましいアリールはフェニルである。前記アリール基はヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルコキシ及び低級アルキルアミノなどの1〜3個の置換基を有することができる。
前記本発明の化合物において用いられる置換基としてのヘテロアルキル基は、N、O及びSよりなる群から選ばれた1、2または3個のヘテロ原子を含み、鎖を構成する残りの原子が炭素原子である場合を示す。その残りは前記アルキル基に対する定義の通りである。
前記本発明の化合物において用いられる置換基としてのヘテロアルケニル基は、N、O及びSよりなる群から選ばれた1、2または3個のヘテロ原子を含み、残りの環原子がCとなる環原子数6〜20の1価モノサイクリックまたはビサイクリック芳香族ラジカルを意味する。また、前記用語は環中のヘテロ原子が酸化または4元化されて、例えば、N-オキシドまたは第4級塩を形成する1価モノサイクリックまたはビサイクリック芳香族ラジカルを意味する。代表例としては、チエニル、ベンゾチエニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノリニル、キノキサリニル、イミダゾリル、フラニル、ベンゾフラニル、チアゾリル、イソキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリル、インドリル、2-ピリドニル、4-ピリドニル、N-アルキル-2-ピリドニル、ピラジノニル、ピリダジノニル、ピリミジノニル、オキサゾロニル及びこれらの対応するN-オキシド(例えば、ピリジルN-オキシド、キノリニルN-オキシド)、これらの第4級塩などを含む。
本発明による上記の一般式1〜3で表わされる蛍光標識物質は油類製品への溶解度が増大し、低価な発現剤の使用が可能であり、異臭感を引き起こさない。通常の蛍光化合物の場合、極性を帯びていて非極性の通常の油類製品への溶解性が良くないことから、これを油類製品に対する標識物質として用いるためには、非極性基の導入が必須的であるが、本発明においては蛍光化合物に不飽和二重結合を1以上有するエステル基を導入して前記蛍光化合物に非極性をより強化させることにより油類製品への溶解性を改善することが可能になる。また、アンモニアなどの強い揮発性物質を排出しないことから、異臭感も引き起こさず、油類製品への溶解性が高くなることから、高価な溶剤を用いる必要性がなくなり、結果として、経済性が改善される。
上記の一般式1〜3で表わされる化合物は、出発物質としてクマリン、フルオレセイン、レソルフィン化合物を用い、ここに不飽和2重結合エステル基を導入して製造可能であるが、これらに限定されるものではなく、当業界において知られている通常の方法により製造可能である。これは、非極性基の導入のために従来の飽和アルキル酸無水物を用いることと比較して、不飽和アルキル酸誘導体の融点が飽和アルキル酸誘導体よりも低い点(例えば、ステアル酸無水物の融点:70〜72℃、オレ酸無水物の融点:22〜24℃)を用いて前記出発物質に不飽和二重結合を有するエステル基を導入することが可能になる。
上記の一般式1で表わされるクマリン系の化合物としては、下記の一般式4または5で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 2009507782
式中、R〜Rは上記の定義の通りである。
Figure 2009507782
式中、Rは置換若しくは非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、あるいは、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のヘテロアルケニル基を示す。
上記の一般式2で表わされるフルオレセイン系の化合物としては、下記の一般式6で表わされる化合物が好ましい。
Figure 2009507782
式中、R14、R15、R18及びR19は上記の定義の通りである。
上記の一般式3で表わされるレソルフィン系の化合物としては、下記の一般式7で表わされる化合物が好ましい。
Figure 2009507782
式中、R〜Rは上記の定義の通りである。
本発明において、上記の一般式1〜7で表わされる化合物においてエステル基に置換されている官能基が不飽和二重結合を有するアルケニル基である場合、例えば、アクリル基、メタクリル基、クロトニル基、ヘキセノイル基、オクテノイル基、オレオイル基などが挙げられ、これらのうちオレオイル基などがさらに好ましい。
上述した本発明による一般式1〜3で表わされる蛍光標識物質は種々の油類製品に添加可能であり、例えば、 揮発油、軽油、燃料油、ケロシン及び燈油などがあり、より具体的には、自動車の揮発油、自動車用の液化天然ガス、液化石油ガスまたは各種の原動機用の重油などがあり、これらの他にも各種の燃料用の石油(燈油)、燃料用の液化天然ガス、液化石油ガス及び燃料用の重要製品まで使用可能である。
このため、前記本発明による蛍光標識物質を用いることにより、ベンゼン、トルエン、ソルベントなどの化工薬品を混合して製造する偽の揮発油はもちろん、油類製品の商標権者を含む適法な供給者以外の者が生産供給する揮発油をはじめとして各種の原動機用、燃料用などのあらゆる油類製品を識別することが可能になる。
また、本発明は、上記の一般式1〜3の蛍光標識物質を用いて油類製品を標識するステップ(ステップ1)と、標識された油類製品に発現剤としてのアルカノール金属塩を添加して蛍光を検出するステップ(ステップ2)と、を含む油類製品の識別方法を提供する。
ステップ1においては、本発明の蛍光標識物質により油類製品を標識する。上述した本発明による一般式1〜3で表わされる蛍光標識物質は、油類製品に対して微量の含量にて用いられることから、油類製品の性能にほとんど影響しなくなる。なお、これらへの溶解性が高いことから、油類製品の使用過程においてスラッジや沈殿物として形成される恐れがほとんどなく、これらの油類製品を原料として用いる機械装置などに損傷をほとんど与えなくなる。
油類製品に対する本発明による標識物質の含量は微量であっても検出可能であることから、油類製品に対して0.01〜100ppm、好ましくは、0.01〜30ppm、さらに好ましくは、0.01〜10ppmを添加することが好ましい。前記標識物質の含量が0.01ppm未満の場合、発現剤による蛍光の発現が少なくて検出が困難になることがあり、100ppmを超える場合、超える含量による発色の利益がなく、経済的に好ましくないという問題がある。
一方、上述した本発明の標識物質は置換基の形態に応じてそれぞれ異なる波長の蛍光を放出することから、これらを単独で用いるか、あるいは、2種以上の標識物質を所定の割合にて組み合わせて用いることができる。これらの標識物質は粉末または結晶など固形分の形態、あるいは、濃縮液などの液状で油類製品に添加可能である。取扱上の問題などがあり、通常、液状のものを用いた方が良い。
前記本発明による標識物質を含有する液状の濃縮液を製造するために、前記標識物質を有機溶媒中に溶解または希釈して油類製品に対して高い溶解性を有する非水性溶液を製造することができる。一般的に、液体石油製品と用いる上で好適な溶媒は、芳香族及び非陽性子性溶媒である。例えば、芳香族炭化水素(例:キシレン及びナフタレンなどのアルキルベンゼン)、芳香族アルコール(例:ベンジルアルコール)及び芳香族置換されたアカノール(例:フェノルグリコールエーテル)が好適に使用可能である。非陽性子性溶媒は、ホルムアミド、N,N−ジメチホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルピロリジノン、1−オクチルピロリジノン、1−ドデシルピロリジノンなどを含む。1−オクチルピロリジノン溶媒は特に好適な非陽性子性溶媒である。これらの溶媒は単独にてあるいは組み合わせて用いることができる。
この後、ステップ2においては、標識された油類製品に発現剤としてのアルカノール金属塩を添加して蛍光を検出する。
前記本発明による標識物質は無色、あるいは、実質的にほとんど無色を帯び、これらは油類製品に可溶性であるため、これらにより標識された油類製品に対して発現剤を投入して前記標識物質と反応させて蛍光を測定することにより定量及び定性が可能になる。本発明において使用可能な発現剤としては、油類製品の全体の蛍光を測定可能にするアカノール金属塩、例えば、炭素数1〜10のアカノールリチウム塩、アカノールナトリウム塩、またはアカノールカリウム塩を用いることが好ましい。前記アカノールとしては、メタノール、エタノール、ブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキサノールが挙げられ、特に、ナトリウムメトキシド、リチウムメトキシド、カリウムメトキシドなどが好ましい。
前記アカノール金属塩などの発現剤は前記本発明による標識物質中のエステル結合を加水分解して蛍光強度計による蛍光物質の検出を可能にする。前記標識された油類製品はUV/VIS領域において発生する蛍光を検出することにより、定性、定量的に標識物質の存否及び濃度などを分析することが可能になる。
前記発現剤による蛍光の発現過程を詳述すれば、下記の通りである。
前記発現剤を用いるまで、本発明による上記の一般式1〜3で表わされる蛍光標識物質は無色または実質的にほとんど無色を帯びており、上述した本発明による発現剤を所定の割合にて油類製品に投入すると、本発明による上記の一般式1〜3で表わされる蛍光標識物質は蛍光を帯びた陰イオンの形態に切り替わる。例えば、不飽和二重結合を有するエステル基は発現剤塩基により加水分解される。この後、特定の波長の光を照射すると、前記油類製品が強い蛍光を有することになる。これは、上記の一般式1〜3で表わされる蛍光標識物質が油類製品などの有機媒質から容易に抽出されないのに対し、一般式1〜3で表わされる標識物質の蛍光の発現形態は油類製品から蛍光が発現された標識物質を分析することになる。
このため、本発明による上記の一般式1〜3で表わされる標識物質は定量的な分析も可能であることから、トルエンやベンゼンなどのソルベントにより希釈されて偽の揮発油を製造した場合、その純正有無を容易に確認することができる。すなわち、所定の濃度の標識物質を油類製品に加えた場合、今後の検出時に当該濃度よりも低い濃度が定量的に検出された場合、当該製品の希釈有無を容易に判断することが可能になる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳述するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
〈4−クマリンオレアートの合成〉
100mlの三口反応器に4−ヒドロキシクマリン1.43gと、塩化メチレン30ml及びトリエチルアミン1.07gを添加し、7℃以下において30分間攪拌した。前記混合物に70%オレオイルクロライド5mlを滴下装置を用いて1時間かけて滴加した。この後、3時間かけて10℃以下に維持し、室温において24時間放置した後、蒸留水50mlを添加し、層分離を行った。得られた有機層に1N塩酸2mlを添加した後、層分離を行い、得られた有機層を5%炭酸ナトリウム溶液により中和させた。得られた有機層の塩化メチレンを乾燥剤としての硫黄酸マグネシウム無水物により乾燥した後、ろ過した。有機層の塩化メチレンを減圧除去した後、真空下で濃縮して黄色の液体クマリン−4−オレアート(3.62g、収率:96.2%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.886 (m, 3H, CH3), 1.29-1.45 (m, 22H, CH2), 2.01 (m, 4H, CH2(aUyl)), 2.70 (t, 2H, CH2), 5.31-5.39 (m, 2H, CH=CH), 6.65 (s, IH, pyranone), 7.30 (d, IH, aromatic), 7.34-7.58 (m, 2H, aromatic), 7.66 (d, IH, aromatic)
IR (cm 1): 2924, 1735, 1627, 1102
〈7−クマリンオレアートの合成〉
100ml三口反応器に、7−ヒドロキシクマリン1.25gと、トリエチルアミン0.85gおよび塩化メチレン30mlを入れ、5℃を維持しながら攪拌した。70%オレオイルクロライド4mlと塩化メチレン10mlを1時間かけて滴下装置を用いて滴加した。この後、3時間かけて10℃以下に維持した後、室温において18時間さらに維持し、蒸留水50mlを添加した後、層分離を行った。得られた有機層に1N塩酸4mlを添加した後、層分離を行い、その後、5%炭酸ナトリウム溶液により有機層を中和させた。得られた有機層の塩化メチレンを乾燥剤としての硫黄酸マグネシウム無水物により乾燥した後、ろ過した。有機層の塩化メチレンを減圧除去した後、真空下で濃縮して目的物であるクマリン−7−オレアート(2.92g、収率:89.0%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.878 (m, 3H, CH3), 1.28-1.43 (m, 22H, CH2), 2.04 (m, 4H, CH2CaUyI)), 2.60 (t, 2H, CH2), 5.3-5.40 (m, 2H, CH=CH), 6.38-6.41 (d, IH, pyranone), 7.04 (d, IH, pyranone), 7.06 (s, IH, aromatic), 7.48-7.72 (m, 2H, aromatic)
IR (cm 1): 2920, 1747, 1627, 1564, 1122
〈6−クロロ−4−クマリンオレアートの合成〉
100ml三口反応器に、6−クロロ−4−ヒドロキシクマリン0.4g、トリエチルアミン0.25g及び塩化メチレン30mlを入れて5℃を維持しながら攪拌した。70%オレオイルクロライド1.2mlと塩化メチレン10mlを1時間かけて滴下装置を用いた滴加した。この後、前記実施例2と同じ工程を行い、目的物である6−クロロ−クマリンオレアート(0.89g、収率:95.1%)を得た。
1H NMR (400 MHZ, DMSO): δ 0.85 (m, 3H, CH3), 1.23-1.49 (m, 22H, CH2), 2.02 (m, 4H, CH2(aUyl)), 2.50 (t, 2H, CH2), 5.3-5.33 (m, 2H, CH=CH), 5.60 (s, IH, pyranone), 7.41-7.69 (d, 2H, aromatic), 7.77 (s, IH, aromatic)
IR (cm 1): 2927, 1704, 1623, 1568, 1122
〈4−メチル−7−クマリンオレアートの合成〉
100ml三口反応器に、4−メチル−7−ヒドロキシクマリン1.55gと、トリエチルアミン1.07g及び塩化メチレン30mlを入れて5℃を維持しながら攪拌した。70%オレオイルクロライド5mlと塩化メチレン10mlを1時間かけて滴下装置を用いて滴加した。この後、前記実施例2と同じ工程を行い、目的物である4−メチル−クマリン−7−オレアート(3.81g、収率:98.2%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.89 (m, 3H, CH3), 1.30-1.65 (m, 22H, CH2), 2.04 (m, 4H, CH2CaUyI)), 2.46 (s, 3H, pyranone), 2.62 (t, 2H, CH2), 5.35-5.42 (m, 2H, CH=CH), 6.31 (s, IH, pyranone), 7.09 (d, IH, aromatic), 7.11 (s, IH, aromatic), 7.62 (d, IH, aromatic)
IR (Cm 1): 2927, 1712, 1619, 1460, 1133
〈フルオレセインジメタクリレートの合成〉
フルオレセイン2.63gとトリエチルアミン1.52g、及び塩化メチレン30mlを反応器に入れて、7℃以下において30分間攪拌した。80%メタクリルクロライド2mlを8℃以下において1時間かけて滴加した。この後、前記実施例2と同じ工程を行い、目的物であるフルオレセインジメタクリレート(3.11g、収率:88.4%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 2.0(d, 6H, CH3), 5.92-6.30 (m , 4H, CH=CH (acryl)), 6.60 (d, 2H, xanthene), 6.82 (d, 2H, xanthene), 6.92 (s, 2H, xanthene), 7.34 (m, IH, aromatic), 7.77-7.81 (m, 2H, aromatic), 8.01(m, IH, aromatic)
IR (cm 1): 2974, 1739, 1603, 1463, 1122
〈フルオレセインジオレアートの合成〉
フルオレセイン1.3gと、トリエチルアミン0.85g及び塩化メチレン30mlを反応器に入れ、7℃以下において30分間攪拌した。70%オレオイルクロライド4mlを8℃以下において1時間かけて滴加した。この後、前記実施例2と同じ工程を行い、目的物であるフルオレセインジオレアート(3.1g、収率:93.9%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.90 (m, 6H, CH3), 1.30-1.37 (m, 44H, CH2), 2.03(m, 4H, CH2 (allyl)), 5.37-5.42 (m, 4H, CH=CH), 6.82-6.87 (d, 4H, xanthene), 7.12 (s, 2H, xanthene), 7.22 (m, IH, aromatic), 7.66 (m, IH, aromatic), 7.72 (m, IH, aromatic), 8.08 (m, IH, aromatic)
IR (Cm 1): 2920, 1770, 1611, 1467, 1161
〈2,7−ジクロロフルオレセインジオレアートの合成〉
2,7−ジクロロフルオレセイン1.55gと、トリエチルアミン0.86g及び塩化メチレン30mlを反応器に入れて、7℃以下において30分間攪拌した。70%オレオイルクロライド4mlを8℃以下において1時間かけて滴加した。この後、前記実施例2と同じ工程を行い、目的物である2,7−ジクロロフルオレセインジオレアート(2.84g、収率:79.5%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.88 (m, 6H, CH3), 1.30-1.36 (m, 44H, CH2), 2.02 (m, 4H, CH2 (allyl)), 2.64 (t, 4H, CH2), 5.37 (s, 4H, CH=CH), 6.90 (s, 2H, xanthene), 7.15 (s, 2H, xanthene), 7.22 (d, IH, aromatic), 7.69-7.72 (m, 2H, aromatic), 8.08 (d, IH, aromatic)
IR (Cm 1): 2931, 1766, 1599, 1471, 1172
〈レソルフィンジクロトニレートの合成〉
レソルフィン0.4gと、トリエチルアミン0.42g及び塩化メチレン30mlを反応器に入れて、7℃以下において30分間攪拌した。90%クロトニルクロライド0.44mlを8℃以下において1時間かけて滴加した。この後、前記実施例2と同じ工程を行い、目的物であるレソルフィンジクロトニレート(0.39g、収率:60.0%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.96 (m, 6H, CH3), 5.87-5.91 (m, 4H,
CH=CH), 6.96 (m, 2H, aromatic), 7.10-7.16 (m, 2H, aromatic), 7.30 (s, 2H, aromatic)
IR (Cm 1): 2920, 1716, 1603, 1561, 1176
〈レソルフィンジオレアートの合成〉
レソルフィン0.5gと、トリエチルアミン0.52g及び塩化メチレン30mlを入れて、7℃以下において30分間攪拌した。70%オレオイルクロライド2.4mlを8℃以下において1時間かけて滴下した。この後、前記実施例2と同じ工程を行い、目的物であるレソルフィンジオレアート(1.27g、収率:73.0%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 0.913 (m, 6H, CH3), 1.32-1.36 (m, 44H, CH2), 2.02 (m, 4H, CH2 (allyl)), 5.38-5.40 (m, 4H, CH=CH), 6.92 (m, 2H, aromatic), 7.17-7.19 (m, 2H, aromatic), 7.21 (s, 2H, aromatic)
IR (cm 1): 2920, 1743, 1650, 1440, 1153
〈識別剤の定性試験〉
前記実施例1、2、4、6、7、9はアロマチック150(SK株式会社製)の溶剤を添加して40%濃度に製造し、実施例3、5、8の合成物質に1−オクチルピロリドンを標識物質と同含量にて加え、ここにアロマチック150(SK株式会社製)の溶剤を加えて20%濃度にした。この識別剤溶液を燈油に10ppmにて添加した後、50mlを分取し、ここに7.5%のリチウムメトキシド5mlを添加し、ISS社製のK2蛍光強度計により測定して下記表1に示す結果を得た。
Figure 2009507782
また、上記の実施例において製造したサンプルを適正波長のUVランプにより照射したときにおける蛍光色相を調べてみると、クマリン系は青色、フルオレセイン系は緑色、レソルフィン系は赤色が現れることが確認できた。上記表1の結果から、定性可能であることが分かる。
〈識別剤の定量試験〉
前記実施例2、6、及び9において得られた物質にアロマチック150溶剤を加えて40%濃度にした。この識別剤溶液を200ppbにした後、10、30、100、200ppbにてそれぞれ50mlを希釈して製造した。ここに10%のナトリウムメトキシド溶液(メタノールと2−エチルヘキサノールとの混合溶液)を5ml加えて蛍光分析器により分析し、その結果を図1〜3に示す。
前記図1、2及び3の結果から、本発明による標識物質及び発現剤を油類製品に用いた場合、定性及び定量分析が容易であることが分かる。
また、図4の実施例6の化合物とC18飽和アルキル鎖エステル(フルオレセインジステアレート)の燈油溶解度を比較して示す写真を参照すれば、高い溶解度の差を確認することができる。
飽和エステルと不飽和エステルの溶解度(燈油基準)は、下記表2から明らかなように、確かに増大している。参考までに、WO02/04431などの飽和アルキルエステル(パルミテート:C16)との正確な溶解度の相対比較のために、同じアルキル鎖であるC18のステアレートを比較した。
Figure 2009507782
上記の結果から、クマリン系よりは、フルオレセイン系、レソルフィン系の方の溶解度が増大し、これは、モノステアレートよりは、ジエステルの方のアルケニルエステル枝による溶解度の増加の原因であると考えられる。クマリン系が持続的に石油識別剤として検討、使用されるが、本来の短所である溶解度の改善は分子構造中への二重結合エステルの導入により確かになされる。上記の結果から、識別剤の溶解度の増加は、エステルの数よりも二重結合の包含、不包含による因子の方が、溶解度に及ぼす影響が高いことが確認できる。これは、もちろん、物質そのものの溶解度については、液状物質の方が固体物質よりも大きいため、蛍光の強度もそれに比例する。参考までに、実施例4、6、9に従い製造された液状物質の溶解度は少なくとも14.7以上の極めて大きな値を有している。
以上述べたように、本発明は、不飽和された二重結合を有する蛍光エステル物質を標識物質として用い、発現剤としてアカノール金属塩を用いて油類製品に対する識別方法を提供する。前記標識物質は既存のフタレイン誘導体に不飽和2重結合エステルを導入したものであり、飽和エステルよりも非極性溶媒への溶解度を増大することができ、発現剤としてアカノール金属塩を用いて石油層の全体を蛍光により発現させて既存の使用上におけるアンモニアの不快な臭いを除去することができる。
特定の化合物についての参照及び効果の理論などと共に本発明を説明しているが、本発明はこのような例示的な様態またはメカニズムに制限されるものではなく、特許請求の範囲に限定されている本発明の範囲または思想から逸脱することなく、いかなる変形もありうることを認知しなければならない。このようなあらゆる変形及び変化は特許請求の範囲において定義される本発明の範囲内にあるものである。特許請求の範囲は、特に断わりのない限り、本発明において意図する目的に符合する上で有効なある順序で請求された成分及び段階を含むものを意味する。
本発明による実施例2の7−クマリンオレアートにより標識した石油を定量分析したグラフである。 本発明による実施例6のフルオレセインジオレアートにより標識した石油を定量分析したグラフである。 本発明による実施例9のレソルフィンジオレアートにより標識した石油を定量したグラフである。 本発明の実施例6の化合物とC18飽和アルキル鎖エステル(フルオレセインジステアレート)の燈油溶解度を比較して示す写真である((1)不飽和エステル識別剤(実施例6:フルオレセインジオレアート)、(2)飽和エステル識別剤(フルオレセインジステアレート)、(3)石油類への溶解後の結果(左:(1)、右:(2)))。

Claims (9)

  1. 下記の一般式1で表される蛍光標識物質:
    Figure 2009507782
    式中、前記R、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素、ニトロ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アミノ基、置換若しくは非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数1〜30のヘテロアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のヘテロアルケニル基、あるいは、置換若しくは非置換の炭素数4〜30のヘテロアリール基を示し、
    前記R及びRはそれぞれ独立して、水素、ニトロ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アミノ基、置換若しくは非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数1〜30のヘテロアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のヘテロアルケニル基、置換若しくは非置換の炭素数4〜30のヘテロアリール基、あるいは、−OC(=O)−Rを示し、
    前記Rは、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、あるいは、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のヘテロアルケニル基を示し、
    但し、R及びRの少なくとも一方以上は−OC(=O)−Rを示す。
  2. 下記の一般式2で表される蛍光標識物質:
    Figure 2009507782
    式中、R〜R20はそれぞれ独立して、水素、ニトロ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アミノ基、置換若しくは非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数1〜30のヘテロアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のヘテロアルケニル基、あるいは、置換若しくは非置換の炭素数4〜30のヘテロアリール基を示し、
    但し、R15及びR18の少なくとも一方以上は置換若しくは非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、あるいは、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のヘテロアルケニル基を示す。
  3. 下記の一般式3で表される蛍光識別物質:
    Figure 2009507782
    式中、R21〜R29はそれぞれ独立して、水素、ニトロ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アミノ基、置換若しくは非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数1〜30のヘテロアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のヘテロアルケニル基、あるいは、置換若しくは非置換の炭素数4〜30のヘテロアリール基を示し、
    但し、R21及びR24の少なくとも一方以上は置換若しくは非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、あるいは、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のヘテロアルケニル基を示す。
  4. 上記の一般式1で表される蛍光標識物質が、下記の一般式4または5で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光標識物質:
    Figure 2009507782
    式中、R〜Rは請求項1における定義の通りである。
    Figure 2009507782
    式中、Rは置換若しくは非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、あるいは、置換若しくは非置換の炭素数2〜30のヘテロアルケニル基を示す。
  5. 上記の一般式2で表される蛍光標識物質が、下記の一般式6で表される化合物質であることを特徴とする請求項2に記載の蛍光標識物質:
    Figure 2009507782
    式中、R14、R15、R18及びR19は請求項2における定義の通りである。
  6. 上記の一般式3で表される蛍光標識物質が、下記の一般式7で表される化合物であることを特徴とする請求項3に記載の蛍光標識物質:
    Figure 2009507782
    式中、R21及びR24は請求項3における定義の通りである。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の蛍光標識物質を用いて油類製品を標識するステップと、
    標識された油類製品に発現剤により蛍光を検出するステップと、
    を含む油類製品の識別方法。
  8. 前記蛍光標識物質の濃度が油類製品に対して0.01〜100ppmであることを特徴とする請求項7に記載の油類製品の識別方法。
  9. 前記発現剤がアルカノール金属塩であることを特徴とする請求項7に記載の油類製品の識別方法。
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