JP2009504148A - 新形式のコミュニケーションとしての人為的な風景 - Google Patents

Abstract

本発明は、コミュニケーションの目的で、風景をなす構成要素の特徴、又は、前記風景全体としての特徴に対して変更、および／または、改質、および／または、置換、および／または、創作を行なうことで表現される新形式のコミュニケーションとしての人為的な風景において、前記変更、および／または、改質、および／または、置換、および／または、創作を表現するために農業技術または造林技術のような様々な技術が利用され；前記風景をなす構成要素の特徴、又は、全体としての風景の特徴において、色調および彩度のコントラストとともに、組織、単調さ、および、任意の変換を実現することで、前記人為的な風景において像、歪像、および、任意の形態の表現を可能にし；そして、前記風景に新たな要素を加えるとともに、前記風景を成す構成要素の地形的な特徴または前記風景全体としての地形的な特徴の変更、および／または、改質、および／または、置換、および／または、創作を行なうか、および／または、前記風景、或いは、前記新たに加えられた要素を有する風景領域の全部又は一部上に像、形態、又は、任意の表現手段を投射するか、或いは、表現することで、前記コミュニケーションを可能とすることを特徴とする。

Description

本発明に係る新形式のコミュニケーションは、様々なコミュニケーション技術の分野に属する。

本発明の目的は、所定のメッセージを伝達するために、もとの（以前の）風景をなす構成要素のアセンブリの全部又は一部を変換して人為的な風景を作り出し、それにより新形式のコミュニケーションを確立／決定することにある。

コミュニケーションの形式は、媒体（media）の一連の技術的特徴と提示的(presentational)特徴との組み合わせである。そのような形式の定義には、単にそこに演じられた補助材料（material support）だけでなく、そのほかに、技術的特徴、例えば、範囲（extent）、寸法(dimension)、比率（proportion）、それをなす構成要素、または、それを可能とする表現手段と共に、各々の形式における情報的な特徴を表現する可能性も含まれる。

前記定義によれば、所定の技術的特徴（公表された紙の形態、そこに含まれた紙の大きさおよび枚数など）を有し、前記技術的特徴により表現された定期刊行物は、新聞、専門雑誌、または、宣伝物等、種々の形式のコミュニケーションの特徴に相当する。別の形式のコミュニケーションの例として、コミュニケーションの一形式である外部の掲示板が挙げられるが、そのような外部の掲示板は特定の技術的および提示的特徴を有し、それにより、様々な表現手段を可能とし、さらには、このような形式のコミュニケーションの情報的な特徴を異なる形態で表現することを可能とする。異なる形式に関する別の例としては、テレビ又はラジオのような媒体において用いられるものがある。ここで、その別の形式をなす構成要素および寸法の特徴は、それにより提供される表現の可能性と共に、前記形式間の差異を確立するが、ここでその補助材料はそれほど重要ではない。クレータブレット（clay tablet）、エジプトのパピルス（Egyptian papyri）またはインキュナブラ（incunable）のような、もっと古い形式のコミュニケーションも、その特定の技術的および提示的特徴における区別できる詳細事項を有している。

本発明の名称から推測できるように、本発明において、風景は基本要素を構成する。風景が天然又は自然の要素であることは良く知られており、土地（生物学的・可視的な要素）と人の作用との組み合わせは認識されるか、または、内在化され、美学、欠乏（scarcity）、歴史的または文化的な関心、科学的または生態学的な価値、非置換性（irreplaceability）、および、繊細さなどの側面を評価することができる。そのような風景は、再生産できない天然資源であり、一般的に元に戻しにくい。

ローヤルアカデミー辞書（スペイン語）によれば、風景（landscape）は「一目で見渡せる)風景」および「風景画」として定義されている。これらの定義は一般的に許容されている伝統的な概念の風景を意味する。

マイクロソフト（登録商標）のエンカルタ（Encarta）百科事典によれば、風景はジオシステム（geosystem）として定義されている。そのような概念は、システム理論を地理学において行なわれる風景の研究に適用することから生まれた。その辞典によれば、風景は、前記風景を成す構成要素（より小さいシステムまたは下位システムを成す）間の相互作用の産物である。

ジオシステムはジオメ（geome）または非生物的な下位システム（lithomass, aeromass,および,hydromass）、生物群系（biome）または生態系（ecosystem）、並びに、人類の作用の産物を表す経済上の下位システムにより構成される。これらの下位システムは孤立されて行なわれるのではなく、これらの間に数多くの相互関係を保持し、その結果、ジオシステムにおける土地に関する表現を構成する異なる風景を作り出す。

ジオシステムは、生物学者にとって生態系と同様の理論的なモデルであり、地表面の構成要素は統合されて表れる。その理由で、これらの分析は、それらを各々の構成要素に分解することなく、事実の解釈が許容される相互関係の側面に比重を置いて行なわれるべきである。経済上の下位システムが存在しない風景は、天然のジオシステム（山脈、南極圏）に該当し、それにより、森林地帯は生物的なジオシステムに該当するが、一方で、農場は人類のジオシステムに該当する。このように、それを構成するジオシステムに基づいて、風景は、天然の、非生物的な、生物的な、または、人類的なものとなる。

人類の影響を取り囲んでいる文化的な観点からみると、風景は「人間活動の舞台」（Laurie, 1970）として、そして、「人間の目に風景として見える社会経済的な活動により大きく左右され、社会文化的な要因により変形された天然の媒体」（Perelman,1977）として定義されている。そのほかに、キャルデイラ キャブラル（Caldeira Cabral,1977）は「隣接した自然に対する人間の作用の結果物」として、そして、マシャ アントン（Macia Anton, 1994）は「風景は人間が認識しているときに意味を持つ。人間がないと、天然はただそこに存在するに過ぎない」と語った。

風景に関する研究において、その風景をその構成要素および構造により細かく分解したときにエラーが発生し得る。これは、一般的に、(例えば、生物学又は薬学の場合において)風景を真実に理解しようとする考慮が十分でないからである。風景を理解し、知るためには、基本的に、風景を、その全体として、即ち、その一部の合計以上の、もっと大きい潜在的可能性を持つ複雑な構造として考えた上で、その概念をシステム理論の側面に適用すべきである。人間の身体、任意の生物体、または、任意の複雑なシステムにおいて、風景はそれをなす構成要素の合計以上のものである。

従来のコミュニケーション分野における技術において、出願人が知る限り、本発明の完成前に、前記風景をコミュニケーションの一形式に変換させることを目的として、農業分野の技術(即ち、農業技術)、林樹栽培分野の技術(即ち、造林技術)、風景をなす構成要素の加減、風景における地形(topography)又は表現の変更などによって風景に人為的な作用を加えるか、または、それを実現することは全く存在しなかった。ただ知られていたのは、美学的又は芸術的な観点から行なわれたものだけである。

本発明の目的は、もとの（または、基本の）風景をなす構成要素が有した特徴の変更(alteration)、および／または、改質(modification)、および／または、置換(substitution)、および／または、創作(creation)によって、人為的に作り出した一形式のコミュニケーション、といった、風景の新たな用途を提供することにある。

このような新形式のコミュニケーションに係る本発明により奏される作用効果は、それによりもたらされる全ての可能性および有利な点を有する固有の、新たなコミュニケーション手段を作り出すことである。

具体例ａの方法
コミュニケーションの目的で、農業技術および／または造林技術を利用することで、色調および彩度のコントラスト、並びに、組織(texture)、単調さ(relief)を作り出すことができる。つまり、風景を成す構成要素の特徴、または、その風景全体としての特徴を変更、および／または、改質、および／または、置換、および／または、創作し、像(image）、歪像(anamorphosis)、そのほかの表現形態を人為的な形式の風景として表現することを可能とする。

具体例ｂの方法
コミュニケーションの目的で、風景に新たな要素を加えることによって（一時的な特性(nature)かどうかは関係ない）、風景を成す構成要素の特徴またはその風景全体としての特徴の変更、および／または、改質、および／または、置換、および／または、創作を行なう。

具体例ｃの方法
コミュニケーションの目的で、風景を成す構成要素の地形的な特徴またはその風景全体として地形的な特徴（一時的な特性かどうかは関係ない）の変更、および／または、改質、および／または、置換、および／または、創作を行なう。

具体例ｄの方法
コミュニケーションの目的で、風景、又は、新たに加えられた要素を有する風景の表面(surface)の全部又は一部上に像、形態(figure)、又は、任意の表現手段を投射するかあるいは表現することによって（一時的な特性かどうかは関係ない）、前記風景を成す構成要素の特徴、または、その風景全体としての特徴の変更、および／または、改質、および／または、置換、および／または、創作を行なう。

あくまで例示的な目的で提供された図１〜３を参照して、本発明をより詳細に説明していく。しかしながら、本発明は図１〜３に限定されるものではない。これらの実施例と異なる方法を組み合わせて実施することができるというのは当業者にとって自明であろう。

本発明の理解を助けるためにいくつかの実用的な実施例（非限定的な実施例である）をここに紹介する。

以下に示した実施例においては、それらが複雑に、または、複数形で記載された場合であっても、本発明の本質から逸脱しない最も基本的かつ実用的な概念を意味する。具体的に、本発明の目的に示したように、風景に要素を付加するかまたは人為的に変更し、それをコミュニケーションの形式に変換する。

例えば、風景は空中の観点(aerial viewpoint)から選ばれ、具体的に、空港に着陸又は空港から離陸する際に行なわれる編隊(曲芸)飛行(manoeuvre)の間に飛行機から見た風景が選ばれる。そのような編隊飛行は、対象となる風景を構成する観点を規定する距離、速度、高さ、および、位置のパラメータを特徴とする。変更の寸法(dimension)は、風景の寸法に比例する必要があるが、それは、アセンブリを改質する能力がなくても、その一部の変更として認識されないようにするためである。

実施例１
図１に示されているこの実施例においては、文字の形態を採用して、（制御された方法で）人為的に植えつけられた一連のストレッチ（stretch）により表示されたウェブ・ページのアドレスを伝達することが選択された。

そのような変換を行なうために、風景の一部を選択するに当たっては、その風景の色調、組織、対比（contrast）などにおける、はっきり目に見える均一性(uniformity)があって、本発明に記載された技術を適用して前記風景を変換した場合、より大きなコミュニケーション効果を得ることができるもの選択する。最初のステップとして、場所を平ら（滑らか）にすることで、台地（platform）／砂州(shelf)などの観点から必要とされる特徴を前記平らな領域に与える。(具体例ｃの方法）ついで、パターンに沿って、もとのデザインの拡大を前記領域上に区画する（mark）。そのような拡大は、任意の測定および／または配置（例えば、GPSにより配置された固定点などにより行なわれる）を通じて領域の目盛り（graticulation）のような様々な手段により行なわれ、その後、表現すべき前記拡大の寸法に合わせて一定の比率を決め、もとのデザインまたは領域の目盛りを、光投影手段（必要とされる投影角または短縮遠近法を考慮する）、または、前記領域上に表現を可能とする任意の手段を用いて、前記デザインを前記領域上に投射することで、転写する。

領域上の溝(furrow)により予め前記デザインの輪郭をはっきりさせた後、前記領域上に従来の手段により一連の穴(excavation)を掘る。前記通常の手段は、水路（channel）またはため池(tank)の形態で、水を含有するか、又は、水を循環させ、領域とは対比される、色調、彩度、組織、および、彩度のスペクトルを有する投光表面（flooded surface）を得るという目的に適した程度の深さを有する。（具体例ｂの方法）最後に、所定のコントラストまたは色調の組み合わせを得るために、前記領域の周囲（背景）と異なる色の植物種を植えつける。（具体例ａの方法）

この実施例は、領域上に材料を配置させることにより具現（表現）できる。前記材料は、それらの特徴に起因して、風景において水の表面のようなカラー又は反射と類似した特徴を有する、例えば、プラスチックまたはガラスシートから選択され、水として捉えられる。具体例ｂの方法。

実施例２
図２は、具体例ａの方法が主流をなす別の実施例を示す。この場合に、前記メッセージの表現は農業技術を用いて行なわれる。前記農業技術は、異なる外観上の特徴を有する異なる植物種を植えつけるなど広範囲に及ぶ可能性を提供する。前記可能性は、植物などで覆われた部分と、そうでない、即ち、残された部分とのコントラストを生み出す。コミュニケーションを表現するに必要なコントラストを生ずるために、農業技術として、植物を植えつけるだけでなく、植物を刈る、その植物の花が咲く時期を異にするなどの様々な農業技術を利用することができる。

このような特定の実施例を実施するに当たって、前述した実施例と同様に、例えば、領域上にパターンに沿って特定の植物種を植えつけること（前記パターンは、前記もとのデザインを拡大したもので、植物などがない領域を残して、予め区画される）で、風景を成す構成要素を変換して、その結果として、前記風景自体が選ばれたメッセージを明確に伝達することを可能にする。

実施例３
この実施例は、造林技術により（具体例ａの方法）、前記農業技術を用いる前記実施例と類似した方法で実施することができる。しかしながら、もっと明確な表現のために、この実施例においては、この技術により与えられる様々な可能性を考慮する。造林技術により、異なる植物種が、色および花が咲く時期のような植物種の異なる特徴と共に、必要に応じて、前記植物の開葉と落葉の時期、その他に可能な種々の差異を提供する、といった、コントラストの可能性を利用してメッセージを表現することができる。植物の刈り込み(pruning)または切り倒しのようなその他の技術も、コミュニケーションの目的として有効に用いることができる。

図３に示した実施例は、もとのデザインを拡大したデザインに沿って植物種を選択的に植え付けたものを示す。この実施例において、風景の変換は、その異なる特徴、具体的に、年中、所定の時期（季節）に係る植物の特徴を用いて、前記メッセージの表現を可能とするように、行なわれる。

コミュニケーションの一形式として人為的な風景を作り出すという概念を用いて、もとの風景を部分的に変更することによって、前記コミュニケーションの形式で情報を表示することができる。その効果として、新たな風景（その全体が、その一部の合計より大きい）は、コミュニケーションを目的として、人為的にその一部を変更した産物である。前述した実施例は、特定の場合、情報の伝達という明確な有用性を有する。

前述した発明の詳細な説明に欄においては本発明の本質について述べた。しかしながら、本発明は特許請求の範囲の本質又は保護範囲に属する分野における通常の知識を有するものにとって自明な程度の変更又は改質を含むものと解釈すべきである。

本発明の実施例１を表したものである 本発明の実施例２を表したものである。 本発明の実施例３を表したものである。

Claims (1)

1. コミュニケーションの目的で、風景をなす構成要素の特徴、又は、前記風景全体としての特徴に対して変更、および／または、改質、および／または、置換、および／または、創作を行なうことで表現される新形式のコミュニケーションとしての人為的な風景において、
   前記変更、および／または、改質、および／または、置換、および／または、創作を表現するために農業技術または造林技術のような様々な技術が利用され；
   前記風景をなす構成要素の特徴、又は、前記風景全体としての特徴において、色調および彩度のコントラストとともに、組織、単調さ、および、任意の変換を実現することで、前記人為的な風景において像、歪像、および、任意の形態の表現を可能にし；そして、
   前記風景に新たな要素を加えるとともに、前記風景を成す構成要素の地形的な特徴または前記風景全体としての地形的な特徴の変更、および／または、改質、および／または、置換、および／または、創作を行なうか、および／または、前記風景、或いは、新たに加えられた要素を有する前記風景領域の全部又は一部上に像、形態、又は、任意の表現手段を投射するか、或いは、表現することで、前記コミュニケーションを可能とする
   ことを特徴とする新形式のコミュニケーションとしての人為的な風景。

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