JP2009502965A - 細菌を処置するための組成物および方法 - Google Patents

細菌を処置するための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は細菌学の分野に関する。特に、本発明は組成物(例えばランチビオティックおよびムピロシンまたはゲンタマイシンを含む)、および細菌を処置する(例えば細菌を死滅させるまたは細菌の成長を阻害する)方法を提供する。例えば、本発明は薬学的化合物(例えばランチビオティックおよびムピロシンまたはゲンタマイシンを含む)、およびこれを研究用途、治療用途、薬物スクリーニング用途に使用する方法を提供する。

Description

発明の分野
本発明は細菌学の分野に関する。特に、本発明は組成物(例えばランチビオティック(lantibiotic)およびムピロシンならびに/またはゲンタマイシンを含む)、および細菌を処置する(例えば細菌を死滅させるまたは細菌の成長を阻害する)方法を提供する。例えば、本発明は薬学的化合物(例えばランチビオティックおよびムピロシンならびに/またはゲンタマイシンを含む)、およびこれを研究用途、治療用途、薬物スクリーニング用途に使用する方法を提供する。
本発明は、2005年7月28に出願された米国特許仮出願第60/703,010号;2005年10月11日に出願された第60/725,193号;および2006年3月3日に出願された第60/779,034号の優先権を主張し、これらのそれぞれはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
発明の背景
従来の薬学的抗生物質の、医学目的、獣医学目的、および農業目的の使用が増加した事より、同時に病原性細菌の抗生物質耐性株が発生している。
単剤耐性または多剤耐性の細菌の発生は、抗生物質の使用に関連する選択圧に応答する遺伝子移動に起因する。ここ数十年にわたって、抗生物質のさらに高頻度の使用が細菌遺伝子プールにおいて起こる自発突然変異に呼応して行われており、現用の抗菌処置に対して感受性ではない異なる細菌株を作り出している。抗生物質耐性遺伝子のこのレパートリーは、これらの遺伝子を入手した(例えばプラスミドまたはトランスポゾンの接合による移入を介して)、以前は感受性であった株に利用され得る。結果として、単剤耐性または多剤耐性の遺伝子が、多種多様な細菌のプラスミドおよび接合性トランスポゾンにおいて共通して見出される。
グラム陽性細菌は、院内感染の主な原因である。病院内の最も一般的な病原性分離株には、エンテロコッカス属種(Enterococcus spp.)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(coagulase-negative staphylococci)、および肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)が含まれ(例えば、Principles and Practice of Infectious Diseases, 4th ed. Mandell G L, Bennett J E, Dolin R, ed. Churchill Livingstone, New York 1995(非特許文献1)を参照)、これらの株の多くは一つまたは複数の抗生物質に対して耐性である。エンテロコッカス属種は、ヒトにおける正常な腸管内菌叢の一部である。17を超えるエンテロコッカス種の中で、E. フェカーリス(E. faecalis)およびE. フェシウム(E. faecium)のみが共通してコロニーを形成し、かつ検出可能な数でヒトに感染する(E. フェカーリスはヒト感染の約80%から単離され、かつ残りの大部分はE. フェシウムである)。
バンコマイシン耐性エンテロコッカス(VRE)属種は、病院の場においてますます一般的となりつつある。1999年前半において、集中治療室からのエンテロコッカス分離株の25.9%がバンコマイシン耐性であり;1996年の16.6%および1989年の0.4%から増加している。VREはまた、一般に、βラクタムおよびアミノ配糖体を含む他の多くの市販の抗生物質に対して耐性である。したがって、免疫無防備状態の患者または長期入院している患者は、VREに感染する危険性が高い。
抗生物質耐性の問題は、エンテロコッカス属種に特有であるわけではない。抗生物質耐性を示す他の多くの潜在的に病原性であるグラム陽性細菌株が単離されており、これにはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)、グリコペプチド系中等度耐性(glycopeptide intermediate-susceptible)黄色ブドウ球菌(GISA)、バンコマイシン耐性MRSA(VR-MRSA)、およびペニシリン耐性肺炎連鎖球菌(PRSP)が含まれる。VREのように、これらの生物による感染を処置するための治療選択肢は限られている。
耐性の伝達は、抗生物質耐性感染管理の他の複雑化要因である。バンコマイシン耐性は、VREから黄色ブドウ球菌を含む他のグラム陽性細菌にインビトロで伝達され得る。したがって、病院における耐性細菌(例えばVRE)の存在は単に感染の危険を招くだけでなく、耐性生物の継続した進化も招く(例えば、VR-MRSAなどのさらに有毒な生物を生み出す)。
抗菌処置の別の戦略を開発する必要性が存在する。例えば、現用の抗菌処置様式に対して非感受性の細菌株(例えばMRSAおよびVREなどのグラム陽性細菌)によって引き起こされる細菌感染(例えば菌血症)を処置または予防する新しい組成物および方法の必要性が存在する。
Principles and Practice of Infectious Diseases, 4th ed. Mandell G L, Bennett J E, Dolin R, ed. Churchill Livingstone, New York 1995
発明の概要
本発明は細菌学の分野に関する。特に、本発明は組成物(例えばランチビオティックおよびムピロシンならびに/またはゲンタマイシンを含む)、および細菌を処置する(例えば細菌を死滅させるまたは細菌の成長を阻害する)方法を提供する。例えば、本発明は薬学的化合物(例えばランチビオティックおよびムピロシンならびに/またはゲンタマイシンを含む)、およびこれを研究用途、治療用途、薬物スクリーニング用途に使用する方法を提供する。
したがって、いくつかの態様において、本発明は細菌(例えば細菌感染)を処置するための組成物および方法を提供する。いくつかの好ましい態様において、本発明は細菌用の組み合わされた処置(例えば細菌の成長を阻害する処置および/または細菌を死滅させる処置)を提供する。例えば、いくつかの態様において、本発明は抗感染ペプチド(すなわち、細菌(例えばグラム陽性細菌)の成長を阻害するまたはこれを死滅させることができるペプチド)、および他の種類の抗感染薬または化合物(例えばペプチドではない抗感染物)を含む組成物を提供する。いくつかの態様において、抗感染ペプチドは陽イオンペプチドである。いくつかの態様において、抗感染ペプチドはデフェンシンである。いくつかの態様において、抗感染ペプチドはランチビオティック(例えばナイシン)である。いくつかの態様において、第二の抗感染剤は小分子抗生物質である。いくつかの態様において、第二の抗感染剤は細菌の代謝を変更する抗生物質(例えば、細胞の代謝ならびに/またはRNA合成および/もしくはタンパク質合成を妨害する抗生物質)である。いくつかの態様において、第二の抗感染剤はアミノ配糖体(例えばゲンタマイシン)である。いくつかの態様において、第二の抗感染剤はムピロシンである。機序の理解は本発明の実施に不要であり、かつ本発明はいかなる特定の作用機序にも限定されないが、抗感染ペプチドを含む組成物が細菌に孔を生じ、それによって化合物(例えば小分子抗生物質または代謝抗生物質)の細菌内への侵入を促進することが可能であることが意図される。機序の理解は本発明の実施に不要であり、かつ本発明はいかなる特定の作用機序にも限定されないが、本発明の組成物が宿主の防御応答(例えば先天的免疫応答)を刺激し(例えば皮膚と接触した場合)、それによって細菌感染の可能性を低下させ得るまたは細菌感染を減少させ得ることが意図される。
いくつかの態様において、本発明はランチビオティックおよびムピロシンを含む局所用薬学的製剤を提供する。いくつかの態様において、ランチビオティックはナイシンである。しかしながら、本発明は使用するランチビオティックの種類によって限定されない。事実、サブチリン、エピデルミン、ガリデルミン(gallidermin)、pep 5、シンナマイシン(cinnamycin)、デュラマイシン(duramycin)、およびアンコベニン(ancovenin)を含むがこれらに限定されない複数のランチビオティックを使用してもよい。いくつかの態様において、薬学的製剤はクリームである。いくつかの態様において、薬学的製剤はスプレー剤である。いくつかの態様において、薬学的製剤はランチビオティックおよびムピロシンの投与に有用であるゲルまたは他の種類の製剤である。いくつかの態様において、薬学的製剤はポリエチレングリコールを含む。いくつかの態様において、薬学的製剤は時間制御型放出(controlled time release)用に調製される。
本発明はまた、ランチビオティックおよびムピロシンを含む組成物を細菌に与える段階を含む、細菌の成長を変更する方法を提供する。いくつかの態様において、細菌の成長の変更は細菌を死滅させることを含む。いくつかの態様において、細菌の成長の変更は細菌の成長を阻害することを含む。いくつかの態様において、細菌の成長の変更は、細菌細胞の存在の3 logまたはそれ以上の減少を含む。いくつかの態様において、ランチビオティックはナイシンである。いくつかの態様において、細菌は病原性細菌である。いくつかの態様において、細菌はブドウ球菌属に由来する。いくつかの態様において、細菌は黄色ブドウ球菌である。いくつかの態様において、細菌は表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)である。いくつかの態様において、ブドウ球菌は抗生物質耐性である。例えば、いくつかの態様において、黄色ブドウ球菌はメチシリン耐性またはバンコマイシン耐性である。いくつかの態様において、組成物は局所用薬学的製剤である。
本発明はまた、ランチビオティックおよびムピロシンを含む局所用薬学的製剤に対象の表面を曝露する段階を含む、感染を処置または予防するための方法を提供する。いくつかの態様において、ランチビオティックおよびムピロシンを含む局所用薬学的製剤に対象の表面を曝露する段階は、該対象の表面上で黄色ブドウ球菌の成長を処置または予防する。本発明は処置する表面の種類によって限定されない。実際、皮膚表面(例えば表皮または表皮下層)、創傷および切り傷(例えば表在性創傷、部分層創傷(partial thickness wound)、および深い切り傷)、粘膜表面等を含むがこれらに限定されない様々な表面を処置してもよい。本発明は処置する対象の種類によって限定されない。実際、ヒト、大型および小型の哺乳動物、齧歯類、魚類等を含むがこれらに限定されない様々な対象が処置され得る。いくつかの態様において、局所用製剤はクリームを含む。いくつかの態様において、処置は、感染に関与する細菌の、3 logまたはそれ以上の減少をもたらす。いくつかの態様において、処置は、感染に関与する検出可能な細菌の欠如をもたらす。いくつかの態様において、減少は処置の3日以内に起こる。いくつかの態様において、減少は処置の2日以内に起こる。いくつかの態様において、ランチビオティックはナイシンである。いくつかの態様において、ランチビオティックはガリデルミンである。
定義
本明細書において使用される場合、「対象」という用語は、本発明の方法または組成物により処置される個体(例えばヒト、動物、または他の生物)を指す。対象には、限定されるものではないが、哺乳動物(例えばネズミ、サル、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ等)を含み、最も好ましくはヒトを含む。本発明の文脈において、「対象」という用語は概して、細菌(例えばMRSAなどの病原性細菌)の存在によって特徴付けられる状態のための処置、または細菌への曝露の可能性を見越した処置を受けるまたは受けた個体を指す。本明細書において使用される場合、「対象」および「患者」という用語は、特に明示する場合を除き互換的に用いられる。
本明細書において使用される場合、「診断される」という用語は、その徴候および症状(例えば従来の治療に対する耐性)、または遺伝子解析、病理解析、組織学的解析等による、疾患(例えば病原性細菌の存在によって引き起こされる)の認識を指す。
本明細書において使用される場合、「インビトロ」という用語は、人工的環境、および人工的環境内で起こるプロセスまたは反応を指す。インビトロ環境は、限定されるものではないが、試験管および細胞培養を含む。「インビボ」という用語は、天然の環境(例えば動物または細胞)、および天然の環境内で起こるプロセスまたは反応を指す。
本明細書において使用される場合、細菌細胞または細菌細胞集団の特徴(例えば成長)に関して使用される「減弱する」および「減弱」という用語は、その特徴の減少、阻害、もしくは消失、またはその特徴の効果の減少を指す。
本明細書において使用される場合、「有効量」という用語は、有益なまたは所望の結果(例えば細菌細胞の死滅)をもたらすのに十分な組成物(例えばムピロシンおよびナイシンを含む組成物)の量を指す。有効量は、一回または複数回の投与、塗布、または用量で投与することができ、かつ特定の製剤または投与経路に限定されることは意図されない。
本明細書において使用される場合、「投与」という用語は、薬物、プロドラッグ、もしくは他の薬剤、または治療処置(例えば本発明の組成物)を生理系(例えば対象、またはインビボ、インビトロ、もしくはエクスビボの細胞、組織、および臓器)に与える行為を指す。ヒトの身体への投与の例示的な経路は、目(点眼)、口(経口)、皮膚(経皮的)、鼻(鼻腔)、肺(吸入)、粘膜(例えば口腔粘膜または頬側)、直腸、耳を介した経路、注射(例えば静脈内、皮下、腫瘍内、腹膜内等)による経路などであり得る。
本明細書において使用される場合、「表面を処置する」という用語は、本発明の一つまたは複数の組成物に表面を曝露する行為を指す。表面を処置する方法は、限定されるものではないが、スプレー、ミスト(misting)、沈水(submerging)、およびコーティングを含む。表面は、有機表面(例えば食品、動物の表面等)および無機表面(例えば医療用デバイス、調理台、衣服等)を含む。
本明細書において使用される場合、「同時投与」という用語は、少なくとも二つの薬剤または治療を対象に与えることを指す。いくつかの態様において、二つまたはそれ以上の薬剤または治療の同時投与は同時である。他の態様において、第一の薬剤/治療は第二の薬剤/治療の前に与えられる。当業者は、使用する様々な薬剤または治療の、投与する製剤および/または投与する経路が変動し得ることを理解する。同時投与に適切な用量は、当業者により容易に決定され得る。いくつかの態様において、薬剤または治療が同時投与される場合、それぞれの薬剤または治療はそれらの単独投与に適切な用量よりも少ない用量で投与される。したがって同時投与は、薬剤または治療の同時投与が潜在的に有害な(例えば毒性のある)薬剤の必要用量を減らす態様において、特に望ましい。
本明細書において使用される場合、「毒性のある」という用語は、対象、細胞、または組織における、毒物投与前の同一の細胞または組織と比較した任意の好ましくないまたは有害な効果を指す。
本明細書において使用される場合、「薬学的組成物」という用語は、組成物をインビトロ、インビボ、またはエクスビボにおける診断的または治療的使用に特に適したものにする不活性または活性の担体と、活性薬剤(例えばムピロシンおよびナイシンを含む組成物)との組み合わせを指す。
本明細書において使用される場合、「薬学的に許容される」または「薬理学的に許容される」という用語は、対象に投与した場合に不利な反応(例えば毒性反応、アレルギー反応、または免疫反応)を実質的に生じない組成物を指す。
本明細書において使用される場合、「局所的」という用語は、皮膚または粘膜細胞および組織(例えば、肺胞、頬側、舌、咀嚼筋、または鼻粘膜、ならびに他の組織および中空の臓器または体腔に沿って並ぶ細胞)の表面に本発明の組成物を適用することを指す。
本明細書において使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、リン酸緩衝生理食塩水、水、エマルジョン(例えば水中油型エマルジョンまたは油中水型エマルジョンなど)、ならびに様々な種類の湿潤剤、任意および全ての溶剤、分散媒、コーティング、ラウリル硫酸ナトリウム、等張性および吸収遅延性の薬剤、崩壊剤(例えばじゃがいもデンプンまたはグリコール酸デンプンナトリウム)等を含むがこれらに限定されない任意の標準的な薬学的担体を指す。また、組成物は安定剤および保存剤を含んでもよい。担体、安定剤、およびアジュバントの例は、当技術分野において記載されている(例えば、参照により本明細書に組み入れられるMartin, Remington's Pharmaceutical Sciences, 15th Ed., Mack Publ. Co., Easton, Pa. (1975)を参照)。
本明細書において使用される場合、「医療用デバイス」という用語は、例えば医療処置(例えば疾患または傷害の処置)の過程において、対象または患者の身体上で、体内で、または身体を通して用いられる任意の物質またはデバイスを含む。医療用デバイスには、医療用インプラント、創傷手当デバイス、薬物送達デバイス、ならびに体腔および個体保護デバイスのような品目が含まれるがこれらに限定されない。医療用インプラントには、尿路カテーテル、血管内カテーテル、透析用シャント、創傷排液管、皮膚縫合糸、血管移植片、埋め込み可能メッシュ、眼内デバイス、心臓弁等が含まれるがこれらに限定されない。創傷手当デバイスには、全身創傷包帯、生体移植片材料、テープ閉鎖および包帯、ならびに手術用切開ドレープが含まれるがこれらに限定されない。薬物送達デバイスには、針、薬物送達皮膚パッチ、薬物送達粘膜パッチ、および医療用スポンジが含まれるがこれらに限定されない。体腔および個体保護デバイスには、タンポン、スポンジ、手術用および検査用手袋、および歯ブラシが含まれるがこれらに限定されない。産児制限デバイスには、子宮内デバイス(IUD)、避妊ペッサリー、およびコンドームが含まれるがこれらに限定されない。
本明細書において使用される場合、「治療薬剤」という用語は、病原性微生物に接触した対象における感染性、罹患率、もしくは死の徴候を減少させる組成物、または病原性微生物に接触した宿主における感染、罹患、もしくは死の徴候を防ぐ組成物を指す。治療薬剤は、将来的な病原体への曝露の可能性を考慮して予防的に使用される(例えば病原体の非存在下で使用される)薬剤を包含する。このような薬剤はさらに、薬学的に許容される化合物(例えば、アジュバント、賦形剤、安定剤、希釈剤等)を含んでもよい。いくつかの態様において、本発明の治療薬剤は、局所用組成物、注射可能組成物、摂取可能組成物等の形態で投与される。経路が局所的である場合、形態は例えば溶液、クリーム、軟膏、膏剤(salve)、またはスプレーであってもよい。
本明細書において使用される場合、「病原体」という用語は、宿主において疾患状態(例えば感染、敗血症等)を引き起こす生物学的作用物質を指す。「病原体」は、限定されるものではないが、ウイルス、細菌、古細菌、真菌、原生動物、マイコプラスマ、プリオン、および寄生生物を含む。
「細菌(bacteria)」および「細菌(bacterium)」という用語は、原核生物界における門全てに含まれる生物全てを含む原核生物を指す。この用語は、マイコプラスマ属、クラミジア属、アクチノミセス属、ストレプトミセス属、およびリケッチア属を含む細菌であると見なされる全ての微生物を包含することが意図される。全ての形態の細菌は、球菌、杆菌、スピロヘータ、スフェロプラスト、プロトプラスト等を含む本定義に含まれる。さらに、本用語にはグラム陰性またはグラム陽性の原核生物が含まれる。「グラム陰性」および「グラム陽性」とは、当技術分野において周知のグラム染色プロセスによる染色パターンを指す(例えばFinegold and Martin, Diagnostic Microbiology, 6th Ed., CV Mosby St. Louis, pp. 13-15 (1982)を参照)。「グラム陽性細菌」は、染色された細胞に顕微鏡下で通常紺青色から紫色を発色させる、グラム染色において使用される一次色素を保持する細菌である。「グラム陰性細菌」はグラム染色において使用される一次色素を保持しないが、対比染色により染色される。このようにして、グラム陰性細菌は一般に赤色を呈する。いくつかの態様において、細菌は連続的に培養される。いくつかの態様において、細菌は培養されずそれらの天然の環境(例えば、創傷部位または感染部位)において存在するか、または患者の組織から(例えば生検により)採取される。細菌は、病理学的成長または増殖を示し得る。細菌の例は、限定されるものではないが、サルモネラ属、赤痢菌属、エシェリキア属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、エルシニア属、シトロバクター属、エドワードシエラ属、プロビデンシア属、クレブシエラ属、ハフニア属、エウィンゲラ属(Ewingella)、クルイヴェラ属(Kluyvera)、モルガネラ属、プラノコッカス属、ストマトコッカス属(Stomatococcus)、ミクロコッカス属、ブドウ球菌属、ビブリオ属、アエロモナス属、プレシオモナス属(Plessiomonas)、ヘモフィルス属、アクチノバチルス属、パスツレラ属、マイコプラスマ属、ウレアプラスマ属、リケッチア属、コクシエラ属、ロカリメア属、エーリキア属(Ehrlichia)、連鎖球菌属、エンテロコッカス属、アエロコッカス属、双子菌属、ラクトコッカス属(Lactococcus)、リューコノストック属、ペディコッカス属(Pedicoccus)、バチルス属、コリネバクテリウム属、アルカノバクテリウム属(Arcanobacterium)、アクチノミセス属、ロドコッカス属、リステリア属、エリジペロスリックス属、ガードネレラ属、ナイセリア属、カンピロバクター属、アルコバクター属(Arcobacter)、ウォリネラ属、ヘリコバクター属、アクロモバクター属、アシネトバクター属、アグロバクテリウム属、アルカリゲネス属、クリセオモナス属(Chryseomonas)、コマモナス属、エイケネラ属、フラビモナス属(Flavimonas)、フラボバクテリウム属、モラクセラ属、オリゲラ属(Oligella)、シュードモナス属、シュワネラ属(Shewanella)、ウィークセラ属(Weeksella)、ザントモナス属、ボルデテラ属、フランシエセラ属(Franciesella)、ブルセラ属、レジオネラ属、アフィピア属(Afipia)、バルトネラ属、カリマトバクテリウム属、カルディオバクテリウム属、連鎖杆菌属、スピリルム属、ペプトストレプトコッカス属、ペプトコッカス属、サルシナ属、コプロコッカス属、ルミノコッカス属、プロピオン酸菌属、モビルンカス属(Mobiluncus)、ビフィドバクテリウム属、ユーバクテリウム属、乳酸杆菌属、ロチア属、クロストリジウム属、バクテロイデス属、ポルフィロモナス属(Porphyromonas)、プレボテラ属(Prevotella)、フゾバクテリウム属、ビロフィラ属(Bilophila)、レプトトリキア属、ウォリネラ属、アシダミノコッカス属、メガスフェラ属、ベイロネラ属(Veilonella)、ノルカルディア属(Norcardia)、アクチノマヅラ属、ノルカルディオプシス属(Norcardiopsis)、ストレプトミセス属、ミクロポリスポラ属、テルモアクチノミセス属(Thermoactinomycetes)、ミコバクテリウム属、トレポネーマ属、ボレリア属、レプトスピラ属、およびクラミジア属からなる群より選択される細菌属の細菌細胞を含む。
本明細書において使用される場合、「微生物」という用語は、限定されるものではないが細菌、古細菌、真菌、原生動物、マイコプラスマ、および寄生生物を含む任意の種または種類の微生物を指す。
本明細書において使用される場合、「非ヒト動物」という用語は、限定されるものではないが齧歯類、非ヒト霊長類、ヒツジ、ウシ、反芻動物、ウサギ、ブタ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、鳥類などの脊椎動物を含む、全ての非ヒト動物を指す。
本明細書において使用される場合、「キット」という用語は、物質を送達するための任意の送達システムを指す。反応物質(例えば、ムピロシンおよびナイシンを含む組成物)の文脈において、このような送達システムは、ある場所から他の場所への反応試薬および/またはサポート資料(例えばこの物質を使用するための書面での指示等)の保管、運搬、または配送を可能にするシステムを含む。例えば、キットは関連する反応試薬および/またはサポート資料を内包する一つまたは複数の同封物(例えば箱)を含む。本明細書において使用される場合、「細分化されたキット」という用語は、それぞれが全キット構成要素の下位部分を含む二つまたはそれ以上の別々の容器を含む送達システムを指す。この容器は意図されたレシピエントに一緒にまたは別々に送達してもよい。例えば、第一の容器は特定の使用のためのムピロシンおよびナイシンを含む組成物を内包し得、一方第二の容器は第二の薬剤(例えば抗生物質またはスプレーアプリケータ)を内包し得る。実際、それぞれが全キット構成要素の下位部分を含む二つまたはそれ以上の別々の容器を含む任意の送達システムが「細分化されたキット」という用語に含まれる。対照的に、「組み合わされたキット」は、特定の使用に必要な反応物質の全ての構成要素を単独の容器内に含む送達システムを指す(例えば、所望の構成要素それぞれを収容する単独の箱)。「キット」という用語は、細分化されたキットおよび組み合わされたキットの両方を包含する。
発明の詳細な説明
ブドウ球菌属は、表在性の膿瘍(例えば、腫脹、麦粒腫、フルンケル、および他の限局性膿瘍)からより深部の感染(例えば、骨髄炎、肺炎、心内膜炎、尿路感染症、敗血症性網膜炎、髄膜炎、手術後の創傷感染、敗血症、および食中毒)までの範囲の多種多様な疾患を引き起こすグラム陽性細菌病原体である。黄色ブドウ球菌は、手術創の病院内(院内)感染の主な原因であり、表皮ブドウ球菌は留置医療デバイスに関連する感染を引き起こす。(例えば、Silverstein et al., 1990; Patti et al., 1994; Dann et al., 1994を参照)。
複合的な抗生物質耐性は、黄色ブドウ球菌および表皮ブドウ球菌においてますます一般的となっている。ブドウ球菌属の病院内生息菌(Hospital strain)は、多くの異なる抗生物質に対し高い頻度で耐性である。表皮ブドウ球菌院内分離株もまた、メチシリンを含む複数の抗生物質に対し高い頻度で耐性である。さらに、黄色ブドウ球菌は、四級アンモニウム化合物などの防腐剤および消毒薬に対して耐性を示し、これは病院環境におけるその生存を補助し得る。
多剤耐性黄色ブドウ球菌による重篤な病院内感染に対しては、バンコマイシンがただ一つの効果的な抗生物質であった。バンコマイシン耐性は実験室の状況で黄色ブドウ球菌に伝達される接合性プラスミドにより保持され(Noble et al., 1992)、かつエンテロコッカスにおいて天然に現れ得る(例えば、Arthur et al., 1993を参照)。しかしながら、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌の出現は米国および米国外において報告されている(例えば、Lowry, 1998; Mathews et al., J Acquir Immune Defic Syndr. 2005 Oct l;40(2):155-160を参照)。該生物およびそれが産生する体外毒素を標的としてワクチンが開発されているが、これらのアプローチはほとんど成功しておらず(例えばMamo et al., 1994を参照)、ブドウ球菌属感染を制御する新しい方法の開発の必要性が強調されている。
他のグラム陽性細菌と同様に、黄色ブドウ球菌は主に、感染組織内の該生物の生存、増殖、および拡散を容易にする溶血素、エンテロトキシン、およびトキシックショック症候群毒素などの毒性因子の産生によって、疾患を引き起こす(例えば、Mekalanos, 1992を参照)。黄色ブドウ球菌の最も有毒な因子の合成は、アクセサリーグローバルレギュロン(accessory global regulon:agr)座により制御され、これは分泌された自己誘導(autoinducing)ペプチド(AIP)により活性化される(例えば、Novick et al., 1993; Novick et al., 1995を参照)。
RNAIIIによる、agrの存在および毒性の調節は、現在までに試験された黄色ブドウ球菌の全ての株、ならびに表皮ブドウ球菌、S.ルグドゥネシス(S. lugdunesis)、S.ヘモリチクス(S. hemolyticus)(例えば、Vandenesch et al., 1993を参照)、およびS.ワーネリ(S. warneri)(例えば、Tegmark et al., 1998を参照)を含む、ブドウ球菌属のいくつかの他の種において実証されている。
黄色ブドウ球菌感染は、依然として最も一般的な院内感染および市中感染の一つである。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)株およびグリコペプチドに対して中程度に耐性である黄色ブドウ球菌株の継続的な発生ならびに完全にバンコマイシン耐性である臨床的な黄色ブドウ球菌株の分離により、黄色ブドウ球菌は、特に病院および養護施設などの状況において、さらにより取り組み困難な健康上の問題となりつつある。
現在、BACTROBAN(2%ムピロシン軟膏;SmithKline Beecham, Bristol, TN)が、黄色ブドウ球菌皮膚感染処置のための、最も広く処方されかつ効果的な抗菌剤である。ムピロシンは、シュードモナス-フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)である生物を使用する発酵により作られる抗菌剤である。これは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を含む黄色ブドウ球菌の大部分の株、表皮ブドウ球菌、S.サプロフィチクス(S. saprophyticus)の大部分の株、および連鎖球菌属を含む広い範囲のグラム陽性細菌に対して活性である。ムピロシンは、細菌のイソロイシルトランスファーRNAシンセターゼに対する不可逆的かつ特異的な結合により細菌のタンパク質合成を阻害する。この独特な作用様式により、ムピロシンはインビトロで他の部類の抗微生物剤との交差耐性を示さない。BACTROBAN(2%ムピロシン)が一般的な処置であるが、ムピロシンに類似する様々な化合物(例えば誘導体および機能的等価物)が使用または開発中であり、これらは当技術分野において公知である。
残念なことに、多くの抗微生物性物質と同様に、ムピロシン耐性が黄色ブドウ球菌およびコアグラーゼ陰性ブドウ球菌属において発生している。さらに、この抗生物質は全ての患者における全ての感染生物を日常的に排除するわけではない。
ランスフィールド血清学的グループに属するラクトコッカス-ラクチス(Lactococcus lactis)により産生されるナイシンは抗微生物性物質である。これは、サブチリン、エピデルミン、ガリデルミン(gallidermin)、pep 5、シンナマイシン(cinnamycin)、デュラマイシン(duramycin)、およびアンコベニン(ancovenin)を含むがこれらに限定されないランチビオティックとして言及される類似物質グループのメンバーである。ナイシンは、34-アミノ酸残基を含み、ランチオニンまたはβメチルランチオニンを形成するチオエーテルブリッジ(thioether bridge)により架橋される5環構造を含むペプチドである。ナイシン製剤は、その全体が参照として本明細書に組み入れられる米国特許第5,135,910号および第5,753,614号に記載されている。ナイシンの変種は、その全体が参照として本明細書に組み入れられる米国特許第6,448,034号に記載されている。ナイシンに類似するさらなるランチビオティックは、その全体が参照として本明細書に組み入れられる米国特許第5,594,103号および第5,928,146号に記載されている。
ナイシンは、グラム陽性細菌に対して広い範囲の活性を有し、グラム陰性細菌に対していくらかの活性を有する。ナイシンは、抗微生物性食品保存剤として使用されており、一般に安全であると認められている。Blackburn et al.(その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,866,539号参照)は、皮膚感染を処置するための、抗菌剤と併用したナイシンの使用を概説している。
抗生物質による、細菌感染の制御または排除におけるめざましい成功にもかかわらず、ヒト用医薬、ならびに家禽および家畜の生産における飼料添加剤の両方における抗生物質の広範な使用が、多くの病原性細菌における薬物耐性をもたらしてきた。
ブドウ球菌属の汎耐性(pan-resistant)株(例えば、現用の抗菌処置様式に対して非感受性の株)の発生は、ブドウ球菌属感染を制御する必要性を、重要な医学的問題にする。したがって、ブドウ球菌属感染の発生率および重篤さの減少において効果を示す新しい組成物および処置方法を提供することが望ましい。具体的には、ムピロシンおよび他の抗生物質に対して耐性である特に黄色ブドウ球菌株である耐性細菌株用の、新しい処置に対する必要性が存在する。また、グラム陰性細菌に対してより広い範囲の活性を有する抗感染、およびより効果的な抗感染性に対する必要性も存在する。さらに、これは副作用が最小であるかまたは副作用が無く、患者に十分に許容されるような処置に有益である。
したがって、いくつかの態様において、本発明は細菌(例えば細菌感染)を処置するための組成物および方法を提供する。いくつかの好ましい態様において、本発明は細菌用の組み合わされた処置(例えば細菌の成長を阻害する処置および/または細菌を死滅させる処置)を提供する。例えば、いくつかの態様において、本発明は抗感染ペプチド(すなわち、細菌(例えばグラム陽性細菌)の成長を阻害するまたはこれを死滅させることができるペプチド)、および他の種類の抗感染薬または化合物(例えばペプチドではない抗感染物)を含む組成物を提供する。いくつかの態様において、抗感染ペプチドは陽イオンペプチドである。いくつかの態様において、抗感染ペプチドはデフェンシンである。いくつかの態様において、抗感染ペプチドはランチビオティック(例えばナイシン)である。いくつかの態様において、第二の抗感染剤は小分子抗生物質である。いくつかの態様において、第二の抗感染剤は細菌の代謝を変更する抗生物質(例えば、細胞の代謝ならびに/またはRNA合成および/もしくはタンパク質合成を妨害する抗生物質)である。いくつかの態様において、第二の抗感染剤はアミノ配糖体(例えばゲンタマイシン)である。いくつかの態様において、第二の抗感染剤はムピロシンである。機序の理解は本発明の実施に不要であり、かつ本発明はいかなる特定の作用機序にも限定されないが、抗感染ペプチドを含む組成物が細菌に孔を生じ、それによって化合物(例えば小分子抗生物質または代謝抗生物質)の細菌内への侵入を促進することが可能であることが意図される。
機序の理解は本発明の実施に不要であり、かつ本発明はいかなる特定の作用機序にも限定されないが、本発明の組成物が宿主の防御応答(例えば先天的免疫応答)を刺激し(例えば皮膚と接触した場合)、それによって細菌感染の可能性を低下させ得るまたは細菌感染を減少させ得ることが意図される。
他の好ましい態様において、本発明は、ナイシンおよびムピロシンを含む組成物を提供する。いくつかの態様において、ナイシンおよびムピロシンを含む組成物は、細菌(例えば病原性細菌)が死滅するような条件下で対象に投与される。いくつかの態様において、ナイシンおよびムピロシンを含む組成物は、細菌(例えば病原性細菌)の成長が妨げられる/減弱するような条件下で対象に投与される。いくつかの態様において、90%を上回る(例えば、95%、98%、99%を上回る、検出可能なもの全て)細菌が殺される。いくつかの態様において、2 logを上回る(例えば、3 log、4 log、5 log、またはそれ以上)減少が細菌において存在する。いくつかの態様において、この減少は、最初の処置後2日またはそれ以内(例えば、24時間以内、20時間以内、18時間またはそれ以内)に観察される。いくつかの態様において、減少は、3日もしくはそれ以内、4日もしくはそれ以内、または5日もしくはそれ以内に観察される。
本発明は、ランチビオティック(例えばナイシン)およびムピロシンを含む組成物が、皮膚感染処置((例えば皮下的皮膚感染または深部創傷感染の)細菌の殺菌または細菌成長の防止)の際、それぞれの薬剤単独と比較して、より効果的である(例えば、いくつかの態様において相加的な効果をもたらし、他の態様において相乗的な効果をもたらす)ことを実証する(実施例1を参照)。ランチビオティック(例えばナイシン)に他の種類の抗菌剤を加えたものと比較した、ランチビオティック(例えばナイシン)およびムピロシンを含む組成物の特定の効果が、本発明の開発中に観察された。例えば、ナイシンを二つの他の抗菌剤(リソスタフィンおよびバシトラシン)と別々に組み合わせた場合、さらなる効果または相乗的な効果は観察されなかった。したがって、いくつかの態様において、本発明はムピロシンおよびランチビオティック(例えばナイシン)を含む組成物を提供する。
ムピロシンおよびランチビオティック(例えばナイシン)を含む本発明の組成物は、(例えば対象(例えば、皮膚、または対象の他の表面)または細菌(例えば、病原性細菌(例えば、対象の皮膚上または皮膚内に住む)))に、細菌感染を防ぐための治療または予防として投与され得る。したがって、いくつかの態様において、本発明は細菌にランチビオティック(例えばナイシン)およびムピロシンを含む組成物を与える段階を含む、細菌(例えば病原性細菌)の成長を変更する方法を提供する。いくつかの態様において、細菌にランチビオティック(例えばナイシン)およびムピロシンを含む組成物与える段階はこの細菌を死滅させる。いくつかの態様において、細菌にランチビオティック(例えばナイシン)およびムピロシンを含む組成物与える段階はこの細菌の成長を阻害する。ムピロシンおよびランチビオティック(例えばナイシン)を含む組成物が(例えば対象または細菌に)複数の送達経路および/または機序を介して投与され得ることが、意図される。
例えば、本発明の組成物は、限定されるものではないが溶液(例えばコロイド溶液)中に懸濁して表面(例えば、細菌(例えば病原性細菌)を含む表面、もしくは細菌侵入に感受性である表面)に塗布すること;溶液中に懸濁して表面上にスプレーアプリケータを使用してスプレーすること;フィブリン糊と混合して表面(例えば皮膚の熱傷または創傷)に塗布する(例えばスプレーする)こと;創傷包帯剤もしくは包帯上に含浸させてこの帯具を表面(例えば感染表面または創傷表面)に適用すること;制御放出機序により適用すること;無細胞の生物学的マトリックスの片面および両面に含浸させてこれを表面(例えば皮膚創傷表面または熱傷表面)に置き、これにより創傷および移植片両方の境界面を保護すること;リポソームとして適用すること;またはポリマーとして適用することを含む複数の方法により(例えば対象(例えば皮膚熱傷表面または創傷表面)に)投与され得る。
機序の理解は本発明の実施に不要であり、かつ本発明はいかなる特定の作用機序にも限定されないが、いくつかの態様において、一旦投与されると(例えば対象、または細菌(例えば病原性細菌(例えばMRSA))を含む部位に対して)、ムピロシンおよびナイシンを含む組成物(例えば局所用薬学的組成物)が細菌(例えば病原性細菌)と接触する状態となり、それにより細菌を死滅させることおよび/または細菌の成長を防ぐことが意図される。
いくつかの態様において、本発明の組成物および方法は、望ましくない細菌(例えば病原体)を減弱させるまたはその成長を阻害するための表面の処置において用途を見出す。例えば、手術、カテーテル導入などの観血的処置において使用され得る表面は、表面上の細菌汚染による対象の感染を防ぐために処置してもよい。その上の細菌汚染を制御するかつ/または防ぐことを目的として複数の表面、物体、物質等(例えば医療用または応急処置用設備、育児室、およびキッチン設備、ならびに表面)を処置するために本発明の方法および組成物が使用され得ることが意図される。
いくつかの態様において、本発明の組成物は、微生物感染の予防のために組成物を部位に送達するために、縫合糸、包帯、およびガーゼのような吸収性の材料に含浸してもよく、または手術用ステープル、ジッパー、およびカテーテルのような固相材料表面にコーティングしてもよい。この種類のその他の送達系は、当業者に容易に明らかであると考えられる。
ムピロシンおよびナイシンを含む本発明の組成物のための他の使用も意図される。これらは、農業用途、園芸用途、環境用途、および食物の様々な処理用途を含む。例えば、農業および園芸において、様々な植物の病原性細菌が、植物病害を最小にするための標的とされ得る。標的に適している植物病原体の一つの例は、火傷病の起因物であるエルウィニア-アミロボーラ(Erwinia amylovora)である。
本発明の組成物は、経口投与、局所投与、または非経口投与などの任意の経路による投与用に調合してもよい。この組成物は、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、ロゼンジ、クリーム、または経口用もしくは無菌非経口用の溶液もしくは懸濁液のような液体調製物の形態であってもよい。
本発明の局所用製剤は、例えば軟膏、クリームもしくはローション、泡沫、目の軟膏および目もしくは耳用滴剤、含浸させた包帯剤、ならびにエアロゾルとして存在し得、薬物の浸透を助けるための保存剤、溶剤などの適切な従来の添加剤、ならびに軟膏およびクリーム中に緩和剤を含み得る。
局所用製剤はまた、活性成分の皮膚を通した浸透を増強する薬剤を含み得る。例示的な薬剤は、N-(ヒドロキシエチル)ピロリドンと細胞エンベロープ無秩序化(disordering)化合物との一対の組み合わせ、スルホキシドまたはホスフィンオキシドと組み合わせた糖エステル、ならびにスクロースモノオレアート、デシルメチルスルホオキシド、およびアルコールを含む。
皮膚浸透性を増加させる他の例示的な物質は、限定されるものではないがポリオキシエチレンソルビタンモノオレオアート(Polysorbate 80);ソルビタンモノオレアート(Span 80);p-イソオクチルポリオキシエチレンフェノールポリマー(Triton WR-1330);ポリオキシエチレンソルビタントリオレアート(Tween 85);スルホコハク酸ジオクチルナトリウム;およびサルコシンナトリウム(Sarcosyl NL-97);ならびに他の薬学的に許容される界面活性剤を含む、界面活性剤または湿潤剤を含む。
本発明のある特定の態様において、製剤は、一つまたは複数のアルコール、亜鉛含有化合物、緩和剤、保湿剤、濃化剤、および/またはゲル化剤、中和剤、ならびに界面活性剤をさらに含み得る。製剤に使用される水は、好ましくは中性のpHを有する脱イオン水である。局所用製剤のさらなる添加物は、限定されるものではないが、シリコン液、色素、芳香剤、pH調整剤、およびビタミンを含む。
局所用製剤はまた、クリームまたは軟膏の基剤およびローション用のエタノールまたはオレイルアルコールなどの適合する従来の担体を含み得る。このような担体は、製剤の約1%から最大約98%として存在し得る。軟膏基剤は、一つまたは複数のペトロラタム、鉱物油、セレシン、ラノリンアルコール、パンテノール、グリセリン、ビサボロール、カカオバター等を含むことができる。
本発明のいくつかの態様において、薬学的組成物は泡沫として調合および使用してもよい。薬学的な泡沫は、限定されるものではないが、エマルジョン、マイクロエマルジョン、クリーム、ゼリー、およびリポソームなどの製剤を含む。性質上は基本的に類似するが、これらの製剤は最終生産物の構成要素および一貫性が変動する。
本発明の組成物は、慣例的に薬学的組成物中に見られる他の補助的な構成要素をさらに含んでもよい。したがって、例えば組成物は、例えば鎮痒剤、収斂剤、局所麻酔剤、もしくは抗炎症剤などの、付加的で適合性の薬学的に活性な物質を含んでもよく、または、発明の組成物の、様々な剤形の物理的製剤化に有用な、色素、芳香剤、保存剤、抗酸化剤、乳白剤、濃化剤、および安定性剤などの付加的な物質を含んでもよい。しかしながら、このような物質は、添加した場合本発明の組成物の構成要素の生物学的な活性を、過度に妨げるものではないことが好ましい。製剤は滅菌することが可能であり、望ましい場合は製剤のムピロシンおよびナイシンに有害な作用を及ぼさない補助剤(例えば滑沢剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与えるための塩、緩衝剤、着色剤、香味剤、および/または芳香性物質等)と混合することができる。
いくつかの態様において、本発明は、(a)ムピロシンおよびランチビオティック(例えばナイシン)を含む組成物;ならびに(b)一つまたは複数の他の薬剤(例えば抗生物質)を含む薬学的組成物を提供する。他の種類の抗生物質の例は、限定されるものではないが、アルメシリン(almecillin)、アムジノシリン、アミカシン、アモキシシリン、アンホマイシン、アンホテリシンB、アンピシリン、アザシチジン、アザセリン、アジスロマイシン(azithromycin)、アズロシリン(azlocillin)、アズトレオナム(aztreonam)、バカンピシリン、バシトラシン、ベンジルペニシロイル-ポリリシン、ブレオマイシン、カンジシジン、カプレオマイシン、カーベニシリン、セファクロール、セファドロキシル、セファマンドール、セファゾリン、セフジニル(cefdinir)、セフェピム(cefepime)、セフィキシム(cefixime)、セフィネンオキシム(cefinenoxime)、セフィネタゾール(cefinetazole)、セフォジジム(cefodizime)、セフォニシド(cefonicid)、セフォペラゾン、セフォラニド(ceforanide)、セフォタキシム(cefotaxime)、セフォテタン、セフォチアム、セフォキシチン、セフピラミド、セフポドキシム(cefpodoxime)、セフプロジル、セフスロジン、セフタジジム、セフチブテン(ceftibuten)、セフチゾキシム、セフトリアキソン(ceftriaxone)、セフロキシム、セファセトリル、セファレキシン、セファログリシン、セファロリジン、セファロチン、セファピリン、セフラジン、クロラムフェニコール、クロルテトラサイクリン、シラスタチン(cilastatin)、シンナマイシン(cinnamycin)、シプロフロキサシン(ciprofloxacin)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、クラブラン酸、クリンダマイシン、クリオキノール、クロキサシリン、コリスティメタート、コリスチン、シクラシリン、シクロセリン、シクロスポリン、シクロ-(Leu-Pro)、ダクチノマイシン、ダルババシン(dalbavancin)、ダルホプリスチン(dalfopristin)、ダプトマイシン(daptomycin)、ダウノルビシン、デメクロサイクリン、デトルビシン(detorubicin)、ジクロキサシリン、ジヒドロストレプトマイシン、ジリスロマイシン(dirithromycin)、ドキソルビシン、ドキシサイクリン、エピルビシン(epirubicin)、エリスロマイシン、エベミノマイシン(eveminomycin)、フロキサシリン、ホスホマイシン、フシジン酸、ゲミフロキサシン(gemifloxacin)、ゲンタマイシン、グラミシジン、グリセオフルビン、ヘタシリン、イダルビシン(idarubicin,)、イミペネム(imipenem)、イセガナン(iseganan)、イベルメクチン、カナマイシン、ラスパルトマイシン(laspartomycin)、リネゾリド(linezolid,)、リンコマイシン、ロラカルベフ(loracarbef)、マガイニン、メクロサイクリン(meclocycline)、メロペネム(meropenem)、メタサイクリン、メチシリン、メズロシリン、ミノサイクリン、マイトマイシン、モエノマイシン(moenomycin)、モキサラクタム、モキシフロキサシン(moxifloxacin)、ミコフェノール酸(mycophenolic acid)、ナフシリン、ナタマイシン、ネオマイシン、ネチルミシン、ニフィマイシン(niphimycin)、ニトロフラントイン、ノボビオシン、オレアンドマイシン、オリタバンシン(oritavancin)、オキサシリン、オキシテトラサイクリン、パロモマイシン、ペニシラミン、ペニシリンG、ペニシリンV、フェネチシリン、ピペラシリン、プリカマイシン、ポリミキシンB、プリスチナマイシン(pristinamycin)、キヌプリスチン(quinupristin)、リファブチン(rifabutin)、リファンピン、リファマイシン、ロリテトラサイクリン、シソマイシン、スペクトリノマイシン(spectrinomycin)、ストレプトマイシン、ストレプトゾシン(streptozocin)、スルバクタム、スルタミシリン(sultamicillin)、タクロリムス(tacrolimus)、タゾバクタム(tazobactam)、テイコプラニン(teicoplanin)、テリスロマイシン(telithromycin)、テトラサイクリン、チカルシリン、チゲサイクリン(tigecycline)、トブラマイシン、トロレアンドマイシン(troleandomycin)、ツニカマイシン、チルスリシン、バンコマイシン、ビダラビン、バイオマイシン、バージニアマイシン、BMS-284,756、L-749,345、ER-35,786、S-4661、L-786,392、MC-02479、Pep5、RP 59500、およびTD-6424を含む。いくつかの態様において、二つまたはそれ以上の併用された薬剤(例えばムピロシンおよびナイシンならびに他の抗生物質を含む組成物)が一緒にまたは連続的に使用され得る。いくつかの態様において、他の抗生物質は、バクテリオシン、A型ランチビオティック、B型ランチビオティック、リポシドマイシン(liposidomycin)、ムレイドマイシン(mureidomycin)、アラノイルコリン(alanoylcholine)、キノリン、エベミノマイシン、グリシルシクリン(glycylcycline)、カルバペネム(carbapenem)、セファロスポリン、ストレプトグラミン(streptogramin)、オキサゾリドノン(oxazolidonone)、テトラサイクリン、シクロチアリジン(cyclothialidine)、バイオキサロマイシン(bioxalomycin)、陽イオンペプチド、および/またはプロテグリン(protegrin)を含んでもよい。いくつかのの態様において、組成物はリソスタフィンを含む。
本発明はまた、ムピロシンおよびランチビオティック(例えばナイシン)を含む化合物と一つまたは複数のさらなる活性薬剤(例えば抗生物質、抗酸化剤等)との同時投与を含む方法を含む。実際、本発明の、ムピロシンおよびナイシンを含む組成物を同時投与することによって、先行技術の治療および/または薬学的組成物を増強する方法を提供することは、本発明のさらなる局面である。同時投与手順において、薬剤は同時にまたは連続的に投与してもよい。ある態様において、本明細書に記載される化合物は、他の活性薬剤の前に投与される。薬学的製剤および投与様式は、本明細書に記載されている任意のものであり得る。さらに、二つまたはそれ以上の同時投与された薬剤はそれぞれ、異なる様式または異なる製剤を使用して投与され得る。
他の抗生物質などの同時投与される付加的な薬剤は、当技術分野において周知の薬剤の任意のものであることができ、限定されるものではないが、現在臨床的に使用されている薬剤を含む。
本明細書に記載されている様々な疾患および障害の処置は、多くの場合以下の二つの主な要因によって概ね限定される:(1)薬物耐性の発現および(2)公知の治療薬剤の毒性。いくつかの治療薬剤は、非特異的毒性を含む有害な副作用を有する。
本明細書に記載されている方法は、これらの問題の両方に取り組む。治療的利益を達成するために用量の増加が必要とされる場合、薬物耐性は、公知の薬剤を含むまたは含まない、本明細書に記載されているムピロシンおよびランチビオティック(例えばナイシン)を含む化合物の同時投与により克服される。いくつかの態様において、本明細書に記載されている化合物は標的細胞を公知の薬剤に対して感受性にし(逆もまた同様)、したがって治療的利益の達成には、より少ないこれらの薬剤が必要とされる。
特許請求されている組成物の、この感受性を持たせる機能はまた、公知の治療用物質の毒性作用に関連する問題に取り組む。公知の薬剤が毒性である場合、全ての場合において投与用量を制限することが望ましく、特に薬物耐性が必要用量を増加させている場合投与用量を制限することが望ましい。したがって、いくつかの態様において、特許請求される化合物が公知の薬剤と同時投与される場合これらは必要とされる用量を減少させ、これにより有害作用が減少する。さらに、特許請求される化合物がそれ自体中程度の用量で効果的かつ非毒性であるため、公知の毒性の治療用物質よりも比例的に多いこれらの化合物の同時投与は、毒性作用を最小限にしながら所望の効果を達成すると考えられる。
いくつかの態様において、ムピロシンおよびナイシンを含む組成物を含む薬学的調製物は、投与を容易にしかつ用量を均一にするために、用量単位形態で製剤化される。本明細書において使用される場合、用量単位形態は、処置を受けている患者に適した薬学的調製物の物理的に個別の単位を指す。各用量は、選択された薬学的担体と関連して所望の抗菌作用(例えば細菌の死滅または細菌の成長の減弱)をもたらすために算出された、ムピロシンおよびランチビオティック(例えばナイシン)を含む組成物の分量を含有すべきである。適切な用量単位を決定するための手順は、当業者にとって周知である。
用量単位は、患者の体重に基づいて比例的に増加または減少し得る。標的とする細胞集団または組織における病原性細菌の根絶を達成するために適切な濃度は、当技術分野において公知のように、用量濃度曲線による推定により決定してもよい。
いくつかの態様において、組成物は0.1〜2000μg/mLのランチビオティック(例えばナイシン)および0.1〜2000μg/mLのムピロシン(例えば、1〜1000μg/mL、1〜500μg/mL、5〜200μg/mL等)を含む。いくつかの態様において、組成物は0.01〜15重量%(例えば、0.1〜10重量%、0.5〜5重量%、1〜3重量%、2重量%)のランチビオティック(例えばナイシン)および/またはムピロシンである。いくつかの態様において、対象に送達されるランチビオティック(例えばナイシン)および/またはムピロシンの量は、0.1〜1000mg/kg/日(例えば、1〜500mg/kg/日、5〜250mg/kg/日、10〜100mg/kg/日等)である。いくつかの態様において、ランチビオティック(例えばナイシン)濃度とムピロシン濃度との比率は、10:1、5:1、3:1、2:1、1.5:1、1:1、1:1.5、1:2、1:3、1:5、1:10等である。
本発明の組成物および方法が、調査の状況を含む様々な状況において用途を見出すであろうことが意図される。例えば、本発明の組成物および方法はまた、抗生物質耐性の研究(例えば、抗生物質耐性を変更することが可能なタンパク質および医薬の分析による研究)、および抗菌処置に対する細菌細胞の感受性を観察するためのインビボの研究において用途を見出す。本発明により提供される組成物および方法の使用は、ヒト対象および非ヒト対象ならびにこれらの対象に由来する試料を包含し、さらに、これらの対象を使用する調査用途も包含する。従って、本発明が任意の特定の対象および/または用途の状況に限定されることは意図されない。
本発明の組成物は、存在するまたは回避すべき感染の性質が公知である用途、および感染の性質が未知である用途を見出す。例えば、本発明は、皮膚の病変、創傷、潰瘍、褥瘡、おむつかぶれ、水疱、挫瘡、乾癬、およびいぼを含むがこれらに限定されない皮膚の病気に関わる任意の局所的適用に関連する、感染の処置または予防における本発明の組成物の使用を意図する。
実験
以下の実施例は本発明の特定の好ましい態様および局面を示しさらに説明するために提供するものであり、その範囲を限定するものと解釈すべきでない。
実施例1
マウスの皮膚感染を除去するムピロシンおよびナイシンを含む組成物
材料:
リソスタフィンはBiosynexus社により製造され、ナイシン(AMBICIN N)はAMBI社から入手した。ムピロシン(BACTROBAN軟膏)、バシトラシン(Sigma)、およびバシトラシン軟膏(G&W Laboratories社)は全て市販されているものを入手した。ポリエチレングリコール(PEG)400およびPEG 3350は、Spectrum Chemicalsから購入した。
マウス皮膚感染モデル:
黄色ブドウ球菌をトリプティックソイブロス(tryptic soy broth)(SA8;1〜6×109CFU/mLの範囲)中で一晩培養したものを、4000×gで10分間遠心分離し、等量のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に再懸濁した。細菌を透過パーセント40(Spectronic 20D+)に希釈し、その後、最終的な細菌濃度が約3×105となるようにPBS中に1:1000に希釈した。SKH1(hrhr)無毛マウス(Charles River)を、0.2mLのケタミン(80mg/kg)およびキシラジン(32mg/kg)を腹腔内に送達することにより鎮静させた。マウスの背の上部を70%アルコールワイプでこすり、乾燥させた。150グリットのサンドペーパーを使用し、細かい擦過傷をマウスの背の肩の間に作製した。領域に溶液がしみ込むまで、滅菌綿棒により擦過領域上に細菌を塗った。
局所軟膏:
74gのPEG 400および24gのPEG 3350を250mLのガラスビーカーに加え、全てのPEG 3350が溶けるまで加熱した。この溶液を十分に攪拌し、室温まで冷まし、滑らかな不透明の軟膏を得た。粉末のナイシンおよびバシトラシンをw/wベースでこの軟膏に加え、均質に混ざるまで攪拌した。ムピロシンを含有する製剤用に1gのBactroban軟膏を量って容器に入れ、粉末のナイシンを2%または6%(w/w)まで加えて十分に混合した。リソスタフィンをまず、約150mg/mLの濃度にDI水に溶解し、その後軟膏に混合して最終濃度を2%(w/w)にした。
局所用軟膏による感染皮膚の処置:
マウスモデルにおいて黄色ブドウ球菌による皮膚感染を根絶することを目的とする処置は、感染させた次の朝に開始した(1日目)。ナイシン(0、2、または6% w/w)、ムピロシン(0または2%)、バシトラシン(0または500U)、およびリソスタフィン(0または2% w/w)を含む約0.1gの局所用軟膏を、滅菌綿棒を用いて、1日3回、1日目および2日目に感染領域上に塗った。マウスを3日目の朝にCO2による窒息によって屠殺し、感染領域の周りの0.5cm2の皮膚小片を切除した。この皮膚試料を切り裂き、1mLの5mg/mLプロテイナーゼK、20 mg/mLのエステラーゼ、およびPBS中20 mg/mLの活性炭の入った試験管に入れ、抗菌剤の活性を中和した。microtip(VirTis)を備えるVirsonic 600において3Wで5秒間、0Wで5秒間を交互に行う、試料当たり2分間の処理である超音波処理により、細菌を皮膚試料から取り除いた。ボルテックスによる混合後、それぞれ50μLの試料を血液寒天プレート上に画線し、37℃で一晩インキュベートし、コロニーを計数して未処置対照を比較した。
以下のデータについて、図2において注記する場合を除き、全ての抗生物質製剤は共通のポリエチレングリコール(PEG)軟膏(PEG 400にPEG 3350を追加)の状態であった。
図1は、ムピロシン単独による3 logの低下と比較して、ナイシン単独の効果がナイシン用量の増加により増加し、感染性CFUが2 logだけ減少したことを示す(モル濃度ベース、2%ムピロシンは6%ナイシンの用量の2倍である)。どちらの薬物も単独では感染を完全に除去することができなかった。対照的に、2%ナイシン/2%ムピロシン併用群内の動物10匹のうち3匹、および6%ナイシン/2%ムピロシン併用群内の11匹のうち5匹は感染を除去し、残存する感染における感染性CFUは5 logだけ減少し、各治療単独よりも100倍多く減少した。
図2は、バシトラシンの二つの異なる製剤であるPEG軟膏およびG&W Laboratories社製の市販の製剤(ペトロラタムベース)を使用する、擦過したマウス皮膚内の黄色ブドウ球菌感染におけるナイシン、リソスタフィン、およびバシトラシン単独の効果および併用した効果を示す。独立に投与された、またはナイシンを含む組成物に含有されて投与されたこれらの抗菌剤のいかなるものも、ナイシンの独立投与(約1.5 logの減少)と比較して有意に高い効果を持たなかった。
図3に示すように、ムピロシンは、ムピロシンに対する黄色ブドウ球菌株耐性に対して最小の活性を示した。しかしながら、ナイシンは感染性CFUを3 logだけ減少させることが可能であった。
ムピロシンは、緑膿菌(P. aeruginosa)に対して不十分な活性を有することが以前に示されている。しかしながら、ナイシンの活性の範囲は、キレート化剤、界面活性剤、または精油の存在下で製剤化した場合にグラム陰性細菌を含む。
図4に示すように、EDTAを加えたナイシンは、この製剤においてナイシン単独よりも高い活性を有し、感染性CFUを1.5 logだけ減少させた。ムピロシンはいかなる付加的な活性もナイシン製剤に加えなかった。
実施例2
接種した黄色ブドウ球菌を部分層創傷から排除するムピロシンおよびナイシンを含む組成物
実験動物
特定病原体未感染(SPF: Looper Farms, North Carolina)の、体重25〜30kgの若い雌のブタを、実験を始める2週間前から施設内で飼育した。この動物に制約なしに基礎飼料を与え、温度(19〜21℃)および明るさ(12h/12h LD)が管理された動物施設内(米国実験動物公認協会(American Association for Accreditation of Laboratory Animal)基準に適合)に個々に収容した。この研究に使用した実験動物プロトコルは、実験動物の管理と使用に関する連邦政府の指針に従った(U.S. Department of Health and Human Services, U.S. Department of Agriculture参照)。動物は、痛みおよび不快の任意の観察可能な徴候について毎日モニタリングした。予測される不快を最小にするのを助けるために、鎮痛性のブプレノルフィン0.03mg/kg(注射可能Buprenex;Reckitt Benckiser Hull, England)を最初の日に各動物に与え、その後、無感覚である間、これを3日毎に与えた。25μg/時間であるフェンタニール経皮系(Duragesic; Alza Corp. Mountain View, CA)を実験全体を通して使用した。
動物調製、傷害、および処置
各動物をTelazol HCl(1.4mg/kg)、Xylazine(2mg/kg)、Atropine(0.05mg/kg)I.M.、ならびにイソフルランおよび酸素の配合物の吸入を用いて麻酔した。ブタの背の毛を標準的な動物用のバリカンで刈った。動物の両側の皮膚を、非抗生物質石けん(NEUTROGENA)および滅菌水により洗浄することにより調製した。滅菌ガーゼにより、この動物の水分を吸い取った。48の部分層創傷(10mm×7mm×深さ0.3mm)を、7mmブレードを装着した特殊なエレクトロケラトーム(electrokeratome)を用いて、各動物の脊椎傍胸部体域において測定した。創傷を、少なくとも7cmの未創傷皮膚により互いに分けた。次に各創傷に既知の量の黄色ブドウ球菌(106懸濁液)を接種した。滅菌TEFLONスパチュラを用いて、懸濁液で試験部位を10秒間軽く洗った。接種後、創傷でコロニーを形成してバイオフィルムを作る時間を細菌に与えるために、処置を始める前に創傷をTEGADERMポリウレタンフィルム包帯剤(3M社)で24時間覆った。
創傷接種
American Type Culture Collection(ATCC),Rockville, Marylandから直接的入手した病原性分離株の新しい培養物を使用した(黄色ブドウ球菌 ATCC番号6538)。凍結乾燥された細菌培養物を、ATCC標準回復プロトコルに従って回復させた。全ての接種物懸濁液は、一晩成長したものを培養プレートからかき取って4.5mlの滅菌水中に入れ、懸濁液の混濁がMcFarlandの#8混濁基準の懸濁液と等しくなるまで懸濁することによって作製した。結果として、約108コロニー形成単位/ml(CFU/ml)の懸濁液濃度が得られた。この108懸濁液を連続的に希釈し、35mlのトリプティックソイブロス(TSB)中106 CFU/mlの濃度を有する接種物懸濁液を作製した。少量の接種物懸濁液を、実験前に生存可能な生物の正確な濃度を定量するために培養培地上に置いた。この接種物懸濁液は、各部位に接種するために直接的に使用した。25μlアリコートの懸濁液を、各創傷部位の中心で、滅菌したガラスシリンダー(直径22mm)に入れた。滅菌TEFLONスパチュラを用いて、懸濁液で試験部位を10秒間軽く洗った。接種後、細菌に創傷上でバイオフィルムを作らせるために、創傷をポリウレタン包帯剤で48時間覆った。その後包帯剤をベースライン創傷を培養するために取り除き、図5に説明する実験設計に従って残りを処置した。創傷は1日に2回処置した。
回復方法
3箇所の創傷を接種の48時間後に培養してバイオフィルムベースラインを定量し、各処置群から2箇所の創傷を処置後2日目、5日目、および7日目に培養した。各試料採取時では、部位は量的に培養した。各部位は1回のみ培養した。創傷領域は、2つのハンドルにより適切な位置に保持された滅菌ガラスシリンダー(外径22mm)に含まれる。1mLの洗浄液をガラスシリンダー内にピペットで取り、部位を滅菌TEFLONスパチュラで30秒間洗った。
連続的な希釈を行い、規定の少量の懸濁液(50μl)を回転寒天プレート表面上に沈着させるSpiral Plater Systemを使用して洗浄液を定量した。黄色ブドウ球菌用の選択培地はマンニット食塩培地であった。全ての試料を好気的に37℃で24時間インキュベートした。インキュベーション時間後(24時間)、プレート上のコロニーを計数してmL当たりのコロニー形成単位(CFU/ml)を算出した。病原体の推定的な確認試験は、黄色ブドウ球菌がウサギ血漿を凝固させる能力である。
処置群当たり3箇所の創傷を処置後2日目、5日目、および7日目に培養した。これらを連続的に希釈し、マンニット食塩培地上に置き、24時間インキュベートした。インキュベーション時間後、コロニーを計数してコロニー形成単位/mLの対数を測定した。対数(CFU/mL)の幾何平均(geometric mean)および標準偏差を、各時点および処置について算出した。本実験に使用する最初の接種の大きさは6.13 log cfu/mlであった。創傷環境における接種の24時間後のベースラインの数は7.48±1.0 log cfu/mlであった。全実験についての組み合わされた生データは図14に示されている。アクティブXはナイシン(6%)を有する組成物である。アクティブYはナイシン(6%)およびムピロシン(2%)を有する組成物である。
日毎の処置を比較するデータは以下の通りである。
接種創傷の最初の処置の2日後、ムピロシンおよびナイシンを含む組成物が黄色ブドウ球菌を創傷から完全に排除することが観察された(図6参照)。二番目に最も効果的な処置はナイシン、およびムピロシンであり、これらはそれぞれ2.29±2.0および4.96±0.8 Log CFU/mlをもたらした。溶媒により処置した創傷および空気に曝露させた創傷の、この日の数は類似していた(それぞれ6.5 Log cfu/mlおよび6.9 Log cfu/ml)(図6参照)。
処置後5日目に、前の評価時点と同一の傾向が観察された。ムピロシンおよびナイシンを含む組成物で処置した創傷から培養した細菌からは黄色ブドウ球菌は得られず(図7参照)、二番目に最も効果的な処置であるナイシンで処置したものからは1 Log cfu/ml未満の黄色ブドウ球菌が得られた。ムピロシンは類似した結果を有した。溶媒により処置した創傷からは、約4.5 log cfu/mlの細菌を有する陰性対照群よりも約3 log cfu/ml低い細菌が得られた(図7参照)。
評価の最終日である処置後7日目、前の二つの時点で観察された傾向は維持されていた。ムピロシンおよびナイシンを含む組成物で処置した創傷からは黄色ブドウ球菌は得られなかったが(図8参照)、ナイシンで処置した創傷からは1.05±1.8 Log cfu/mlの黄色ブドウ球菌が得られた。ムピロシンは1.63 Log cfu/mlの黄色ブドウ球菌をもたらし、これは溶媒の結果(1.77±1.6 Log CFU/ml)と近似していた。陰性対照の結果は4 log cfu/mlよりも若干低かった(3.7)(図8参照)。これら3つ全ての処置時点に由来するデータの概要は、図9に示されている。
実施例3
黄色ブドウ球菌を排除するゲンタマイシンおよびナイシンを含む組成物
実施例2に説明するような、表面皮膚を擦過し黄色ブドウ球菌を接種したマウスを、6%のナイシンおよび0.1%のゲンタマイシンの組み合わせを含む組成物で処置した。この組み合わせは実質的に全ての検出可能な黄色ブドウ球菌を排除した。
実施例4
メチシリン感受性およびメチシリン耐性の黄色ブドウ球菌の処置において、ムピロシンのみを含む組成物よりも優れている、ナイシンおよびムピロシンを含む組成物
実施例2に説明するようにマウスの表面皮膚を擦過し、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)またはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のいずれかに感染させ、次いで溶媒(PEGクリーム)のみを含む組成物、ムピロシン(2%)を含む組成物、またはムピロシン(2%)およびナイシン(6%)を含む組成物(アクティブY)で処置した。図10は、第一または第二の処置のいずれかの後に回収された細菌(MSSA)または1日後または3日後に回収された細菌(MRSA)の対数(CFU/ml)の平均を示す。ナイシンおよびムピロシンの併用は、対照およびそれぞれ単独での処置と比較して、MSSAおよびMRSA両方の処置(例えばMSSAおよびMRSA両方の死滅および/または成長の阻害)において優れている。
実施例5
インビトロでムピロシン、ネオマイシン、またはゲンタマイシンと相乗的に作用しないナイシン
細菌をインビトロで処置する(例えば細菌を死滅させるかつ/または細菌の成長を阻害する)ためにナイシンが他の抗微生物剤と相乗的な様式で機能可能であるかどうかを判定するため、ナイシン単独の、またはナイシンとムピロシン、ネオマイシン、またはゲンタマイシンのいずれかとを併用した最小の阻害濃度(MIC)を試験した。図11に示すように、ある量のナイシンおよび他の抗微生物剤と一緒にインキュベーションした後の、生存可能な黄色ブドウ球菌の減少の対数を算出することにより、MICを測定した。
図11において実証されるように、試験した抗微生物剤(すなわちムピロシン、ネオマイシン、およびゲンタマイシン)はいずれもナイシンとインビトロで相乗的に作用する能力を示さなかった。
実施例6
皮膚感染処置においてネオマイシンまたはガリデルミンと相乗的に作用しないナイシン
表面創傷モデル(実施例2参照)において細菌を処置する(例えば細菌を死滅させるかつ/または細菌の成長を阻害する)ためにナイシンが他の抗微生物剤と相乗的な様式で機能可能であるかどうかを判定するため、ナイシンをネオマイシンまたはガリデルミンのいずれかと併用して試験した。ナイシンは皮膚感染モデルにおいてネオマイシンまたはガリデルミンのいずれとも相乗的に作用しなかった。
実施例7
皮膚感染処置においてゲンタマイシンと相乗的に作用するナイシンおよびムピロシンと相乗的に作用するガリデルミン
表面創傷モデル(実施例2参照)において細菌を処置する(例えば細菌を死滅させるかつ/または細菌の成長を阻害する)ためにナイシンまたはガリデルミンが他の抗微生物剤と相乗的な様式で機能可能であるかどうかを判定するため、ナイシンまたはガリデルミンをそれぞれゲンタマイシンおよびムピロシンのいずれかと併用して試験した。ナイシンはゲンタマイシンと相乗的に作用し、ガリデルミンはムピロシンと相乗的に作用し、これは皮膚感染モデルにおいて細菌の数を減少させた。
実施例8
皮膚感染処置においてバシトラシンと相乗的に作用しないムピロシン
表面創傷モデル(実施例2参照)において細菌を処置する(例えば細菌を死滅させるかつ/または細菌の成長を阻害する)ためにムピロシンがバシトラシンと相乗的な様式で機能可能であるかどうかを判定するため、ムピロシンをバシトラシンと併用し細菌を処置する能力について試験した。図12に示すように、ムピロシンはバシトラシンと相乗的に作用せず、この二つを一緒に使用した場合に感染創傷モデルにおける黄色ブドウ球菌の減少において付加的な利益も無かった。
実施例9
縫合糸感染モデルにおいて黄色ブドウ球菌を処置するための相乗作用能力をもたらす、ナイシンおよびムピロシンを含む組成物
深部組織感染モデルにおいて、ナイシンおよびムピロシンが単独または互いに組み合わされた場合のいずれかで黄色ブドウ球菌を処置することができるかどうかを判定した。マウスに深い切り傷(例えば閉じるために縫合糸が必要な傷)が作られた縫合糸皮膚感染モデルを作製し、黄色ブドウ球菌を切開部に導入した。図13に示すように、ナイシンおよびムピロシンが単独では黄色ブドウ球菌の処置にほとんど効果を示さなかった。しかしながら、ナイシンにムピロシンを加えた組み合わせは、感染をほとんど根絶した。したがって、ナイシンおよびムピロシンの組み合わせは皮下感染だけでなく深部組織感染の処置に使用することができる。
上記の明細書で言及されている全ての刊行物および特許は、参照により本明細書に組み入れられる。本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、本発明で記載した方法および系に様々な修正および変更が行われ得ることは、当業者に明白であろう。本発明を特定の好ましい態様に関して説明したが、請求する本発明はそのような特定の態様に過度に限定されるべきではないことを理解すべきである。実際に、本発明を実施するために記載した様式の様々な改変が関連する分野の当業者には明白であるが、これらも添付の特許請求の範囲内であると解釈すべきである。
擦過されたマウス皮膚での黄色ブドウ球菌感染における、ナイシン単独、ムピロシン単独、およびナイシンとムピロシンとの併用の効果を示す。 バシトラシンの二つの異なる製剤を使用した、擦過されたマウス皮膚での黄色ブドウ球菌感染における、ナイシン、リソスタフィン、およびバシトラシン単独、ならびにこれらの併用の効果を示す。 擦過されたマウス皮膚でのムピロシン耐性黄色ブドウ球菌感染における、ナイシン単独、ムピロシン単独、およびナイシンとムピロシンとの併用の効果を示す。 擦過されたマウス皮膚での黄色ブドウ球菌感染における、EDTAと併用したナイシンおよびムピロシンの効果を示す。 部分層創傷を処置するために本発明の組成物および方法を使用する実験設計を示す。 様々な薬剤による処置の2日後の接種創傷における黄色ブドウ球菌の成長を示す。 様々な薬剤による処置の5日後の接種創傷における黄色ブドウ球菌の成長を示す。 様々な薬剤による処置の7日後の接種創傷における黄色ブドウ球菌の成長を示す。 様々な薬剤による処置の2日後、5日後、および7日後の接種創傷における黄色ブドウ球菌の成長の複合物を示す。 第一または第二の処置のいずれかの後に回収された細菌(MSSA)、または示される試薬による処置の1日後および3日後に回収された細菌(MRSA)の対数(CFU/ml)の平均を示す。 ナイシン単独、またはナイシンとムピロシン、ネオマイシン、またはゲンタマイシンのいずれかとを併用したインビトロでの黄色ブドウ球菌処置の最小の阻害濃度(MIC)を示す。 ムピロシンが皮膚感染処置においてバシトラシンと相乗的に作用しない、またはバシトラシンと一緒に付加的な利益をもたらさないことを示す。 縫合糸感染モデルにおいて黄色ブドウ球菌を処置するために、ナイシンおよびムピロシンが相乗的に機能することを示す。 本発明の組成物による処置後2、5、および7日目に培養した創傷から測定したコロニー形成単位/mLの対数を示すデータを示す。

Claims (26)

  1. ランチビオティック(lantibiotic)およびムピロシンを含む、局所的な薬学的製剤。
  2. ランチビオティックがナイシンである、請求項1に記載の組成物。
  3. 薬学的製剤がクリームである、請求項1に記載の組成物。
  4. 薬学的製剤がスプレーである、請求項1に記載の組成物。
  5. 薬学的製剤がポリエチレングリコールを含む、請求項1に記載の組成物。
  6. 薬学的製剤が時間制御型放出(controlled time release)用に調製される、請求項1に記載の組成物。
  7. ランチビオティックおよびムピロシンを含む組成物を細菌に与える段階を含む、細菌の成長を変更する方法。
  8. 細菌の成長の変更が該細菌を死滅させることを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 細菌の成長の変更が該細菌の成長を阻害することを含む、請求項7に記載の方法。
  10. ランチビオティックがナイシンである、請求項7に記載の方法。
  11. 細菌が病原菌である、請求項7に記載の方法。
  12. 細菌が黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)である、請求項7に記載の方法。
  13. 黄色ブドウ球菌が抗生物質耐性である、請求項12に記載の方法。
  14. 黄色ブドウ球菌がメチシリン耐性である、請求項13に記載の方法。
  15. 組成物が局所用薬学的製剤である、請求項7に記載の方法。
  16. ランチビオティックおよびムピロシンを含む局所用薬学的製剤に対象の表面を曝露する段階を含む、感染を処置または予防するための方法。
  17. ランチビオティックおよびムピロシンを含む局所用薬学的製剤に対象の表面を曝露する段階が、該対象の表面上で黄色ブドウ球菌の成長を処置または予防する、請求項16に記載の方法。
  18. 表面が創傷表面を含む、請求項16に記載の方法。
  19. 表面が皮膚表面を含む、請求項16に記載の方法。
  20. 対象がヒトである、請求項16に記載の方法。
  21. 局所用製剤がクリームを含む、請求項16に記載の方法。
  22. 処置する段階が、感染に関与する細菌の、3 logまたはそれ以上の減少をもたらす、請求項16に記載の方法。
  23. 処置する段階が、感染に関与する検出可能な細菌の欠如をもたらす、請求項16に記載の方法。
  24. 前記減少が処置の3日以内に起こる、請求項22に記載の方法。
  25. 前記減少が処置の2日以内に起こる、請求項22に記載の方法。
  26. ランチビオティックがナイシンである、請求項16に記載の方法。
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