JP2009502199A - 高オレイン酸低リノレン酸油を含む、低繊維黄色キャノーラ種子 - Google Patents
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Abstract
Description
キャノーラは重要な油科作物である。キャノーラ油は、その飽和脂肪酸のレベルが低いことにより、優れた食用油であると考えられている。「キャノーラ」は、多くて2重量%である(種子の総脂肪酸含量と比較して)エルカ酸(C22:1)含量を有し、脱脂(油を含まない)ミール1 gあたり30 μmol未満のグルコシノレートを含む乾燥ミールを産生する(粉砕後)ナタネ(アブラナ種(Brassica spp.))を指す。これらのタイプのナタネは、種のより伝統的な品種と比較してその食用性によって区別されている。
本発明は、有利な脂肪酸プロフィール(総脂肪酸と比較して、重量で68%より多いオレイン酸、および3%未満のリノレン酸)を有する油を産生するのみならず、ニワトリのような動物のための非常に栄養の高いミールを産生するために用いることができる黄色種子キャノーラを提供する。本発明のキャノーラ種子は、高タンパク質、低繊維動物飼料と共に健康な油(調理産業等のため)の非常に有利な組み合わせを提供する。この組み合わせはこれまで単一のタイプの種子からは得られていなかった。
キャノーラ油は、ナタネの商業品種から抽出された油を指す。キャノーラ油を産生するために、種子は典型的に等級付けされ、許容される均一な製品を産生するため揚穀機で混合される。次に、混合された種子を破壊して、油は典型的にヘキサンによって抽出された後精製される。その後得られた油は、使用のために販売される。油含量は典型的に、全乾燥種子の百分率として測定され、異なるキャノーラ品種の特徴である。(油含量は、NMR、NIR、およびソックスレー抽出のような様々な分析技術を用いて測定されうる)。総脂肪酸の百分率は典型的に、種子から油の試料を抽出する段階、その油試料に存在する脂肪酸のメチルエステルを産生する段階、およびガスクロマトグラフィーを用いて試料中の様々な脂肪酸の比率を分析する段階によって測定される。脂肪酸組成はまた、品種の識別特徴ともなりうる。
[A] 品種は、以下である場合にもう1つの品種(「最初の品種」)に本質的に由来すると思われるであろう:
(i)最初の品種の遺伝子型または遺伝子型の組み合わせに起因する本質的な特徴の発現を保持しながら、最初の品種、またはそれ自身が主に最初の品種に由来する品種に主に由来している;
(ii)最初の品種と明らかに区別することができない;および
(iii)誘導の行為に起因する差を除き、最初の品種の遺伝子型または遺伝子型の組み合わせに起因する本質的な特徴の発現において、最初の品種に従う。
1992年10月30日、ジュネーブで開催されたUPOV第6回国際機構会議;the Office of the Unionによる文書作成(UPOV, Sixth Meeting with International Organizations, Geneva, Oct. 30, 1992; document prepared by the Office of the Union)
0年目に、以下の親系統を選択した:DAS NATREON B. napus Nex 705(M94S007)およびNex 715(M97A222)、ならびにAAFC黄色種子系統YN97-262および9592。Nex 715は、Nex 710より油含量が低いが、Nex 715は黒脚病抵抗性遺伝子を有する。これらの系統の品質および栽培学的データを比較目的のため、ならびにその後の系統の進歩および改善を追跡するために測定した。
1年目に、BC1F2 1092個体の列をSaskatoonにおいて生長させた。これらは[9592/Nex705//Nex 705]および[9592/Nex715//Nex 705]からのBC1F2子孫540個体、ならびに[YN97-262/Nex 705//Nex 715]および[YN97-262/Nex 715//Nex 705]からのBC1F2子孫552個体を含んだ。BC1F2子孫268個体の列も同様に9592交配から生長させて、BC1F2子孫252個体の列をYN97-262交配から生長させた。
BC1F3植物を温室において生長させて、BC1F4種子を産生させた。種子色の選択を行って、BC1F4植物189個体のみを2年目の圃場評価のために選択した。
DN02-0590、DN02-0591、およびDN02-0592からのBC1F5 7系統において半数播種を行った。これらを2〜3年の冬に温室において生長させた。
BC1F6の7系統を、従来の戻し交配法を通してYN97-262/Nex 715//Nex 705の交配から開発した後、戻し交配世代における黄色&NATREON品質の再選択を行い、DN03-3743、DN03-3744、DN03-3745、DN03-3746、DN03-3747、DN03-3748、およびDN03-3749と命名した。DN03-4169は、9592/Nex 715/Nex 705交配から産生されたもう1つの黄色種子系統である。これらの系統は、NATREON型の油品質および非常に安定な黄色種子色を示した。
アミノ酸消化率(理想)を、ケージに収容した商業的ブロイラー雄鶏について決定した。ニワトリに商業的ミール飼料を1〜27日齢のあいだ与えて、キャノーラミール0または40%を含む処置飼料に変更した。全体としての飼料を顧みずに基本飼料に試験ミールを加えた。7日間の調節期間の後、断頭によってトリを屠殺して、遠位回腸(回盲接合部の前方12 cm〜2 cmまでの部分)の内容物を採取して後に分析するまで凍結した。各飼料を各2羽の4群に与えた。回腸の内容物を凍結乾燥して粉にし、十分に混合した後、総窒素(AOAC, 1980)、アミノ酸含量、および酸不溶性灰分(Newkirk et al., 2003)に関して分析した。
1.飼料供給試験:3年目の2月〜3年目の5月
a.処置:Dow AgroSciencesからの6つのNATREON品種(Nex 705、Nex 710、Nex 715、Nex 720、CMI#1-トランスジェニックおよびCMI#1-Null)プラス1つの参照飼料(黄色種子系統DN03-3746)をプロジェクトにおいて用いる。各品種の種子10 kgをPOSによって粉砕して、脱脂ミール5 kgを得た。処置のそれぞれをpenおよびpenによるブロックに無作為に割付した。
(表6)実験試料
(表7)微量栄養素プレミックス
(表8)基本プレミックス(2、40 kgバッチ混合)
(表9)飼料の組成(12 kg;トリ12羽 * 1 kg/トリ)
(表10)ミールについて行われた分析(実施のためのDAA)
37のNATREON育種系統からの種子40 gを、本明細書において同定されたパラメータを用いてミールの化学組成に関して査定した。得られた結果に基づいて、ブロイラー鶏の栄養保持試験において用いるための系統を同定した。
品種あたり種子10 kgを産生するために10〜15系統の種子を増加させて、最初の6品種の総食物繊維分画およびオリゴ糖の詳細な分析を終了した。
a.10〜15品種のそれぞれから脱脂ミール5 kgを得た。
キャノーラミールにおける代謝エネルギーの化学予測因子の開発。3年目の夏のあいだに増加した15系統からのミールに化学分析を行い、ミールの代謝エネルギーに対してデータを回帰して、測定された成分と代謝エネルギーとのあいだの関係を決定した。予測等式を開発するために、PCAを含む多変量アプローチを用いた。次に、得られた回帰等式を用いてキャノーラミールの将来的により高い価値の品種を選択する最善の方法を決定した。
本実施例は、キャノーラの特殊な品種のブロイラー鶏による代謝エネルギーおよびアミノ酸消化率を測定した結果を考察する。これらの試料を同様に、エネルギー利用に影響を及ぼしうる成分に関してもアッセイした。これらのキャノーラ試料の化学分析はまた、消化率データにも関連する。さらに、本実施例は、ブロイラー鶏のためのミールのAMEを予測する化学特徴について考察する。
本発明の1つの黄色種子系統DN03-3746を他の「チェック」系統と比較した。窒素補正見かけの代謝エネルギー(AME)の測定を表11に示す。表11(および表12)において示されるように、試験した黄色種子品種DN03-3746のAMEは、Nex 705, Nex 715, Q2(チェック1)、および46A65(チェック2)より優れている。再び、本発明の唯一の黄色種子系統を試験した;本発明の他の系統のさらなる試験は、AMEにおけるさらなる改善を示すと予想される。
1 乾物ベースのAME
2 乾物ベースで、ゼロ%脂肪に対して補正されたAME
3 アミノ酸レベルの合計×アミノ酸消化係数
4 アミノ酸消化係数の平均値
回腸のタンパク質消化率に及ぼすキャノーラミールの効果を同様に表11および12に示す。表11および12において示されるように、DN03-3746品種の回腸のタンパク質消化率(ブロイラー鶏における)は、Q2および46A65より良好である。
化学分析の結果は、表12および13において見いだされる。表12において、DN03-3746に関して試験され、比較されるカテゴリーには、全ての試料に関する乾物百分率、AME、タンパク質消化率、および平均アミノ酸消化係数が含まれる。同様に、粗タンパク質含量、灰分含量(灰はもう一つのエネルギー減弱成分である)、エーテル抽出物(EE−エネルギー貢献成分)、デンプン、蔗糖、およびフィチン酸塩含量も表12に含まれる。表13には、総食物繊維(TDF)、不溶性TDF(TDF-I)、可溶性TDF(TDF-S)、酸性デタージェント繊維(ADF)、酸性デタージェントリグニン(ADL)、中性デタージェント繊維(NDF)、中性デタージェント不溶性窒素(NDIN)、および総エネルギー(GE)が含まれる。同様に、様々なタイプの糖の量も表13において示される。
BC1F6系統を生じた6つのBC1F5系統(DN033743、DN033744、DN033745、DN033746、DN033747、DN033748、DN033749)をDAS黒色種子NATREON系統DN996738(akaNQC02X01)と交配させた。それぞれの交配からのF1植物を小胞子培養プロセスを通して採取して、二倍性半数体子孫を産生した。BC1F6系統、DH子孫、およびチェック品種をAAFC SaskatoonおよびDow AgroSciences(DAS)Moonlakeで同一に作製された苗床において評価した。苗床の区画は、2フィートの列の間隔を開けて植えた10フィートの長さの1列であり、2つの試験場で4回まで実験を繰り返した。
表17および18において要約したDH子孫を5年目に行われる繰り返し収量試験に進歩のために選択した。DH子孫21個体と共にBC1F6系統2個体、ならびに黄色種子と共に黒色種子チェック系統を、4つの繰り返し無作為化完全ブロックデザインを用いて小さい区画条件で比較した。5年目に4つの農場(DAS Rosthern、DAS Saskatoon、DAS Moonlake、AAFC Saskatoon)に植えた。
5年目の繰り返し収量試験において観察された最高の収量を示す7つのDH系統と共に黄色および黒色種子チェック系統を、黄色および黒色種子キャノーラ系統との比較において低繊維黄色種子系統からのミールのアミノ酸消化率およびエネルギー含量を査定するための家禽飼育試験において用いるために選択した。飼料供給のために選択され、5年目のDAS Saskatoon収量試験の第一の繰り返し実験から収穫された各系統の種子1500 gを連続的ねじプレス(Komet, type CA59; IBG Monforts Ockotec Gmbttt&Co Germany)を用いて低温プレスして、ヘキサンによって抽出した。ヘキサン抽出は、密封容器中のヘキサンに残りの固体を室温で16時間浸すことによって得た。接触期間の後、ヘキサンの大部分を試料からデカントして、試料をペーパータオルを敷いた大きい漏斗に入れて、残りの溶媒を排出させた。ヘキサンが除去されるように、換気フードの中で試料を浅い容器において1日蒸発させた。残留油含量を、溶媒としてヘキサンによってGoldfischExtractor(model 22166B, Labconco Corp.; Kansas city, Missouri, 64132, U.S.A.)を用いて小試料3 gについて溶媒抽出の前後に決定した。残留水分含量は、セ氏130℃の強制通気で2時間乾燥させた前後のミールの小試料1 gの重量を測定することによって決定した。
Claims (17)
- 平均で少なくとも68%のオレイン酸(C18:1)、および3%未満のリノレン酸(C18:3)を有する黄色外皮の種子を産生するキャノーラ植物。
- 種子が、NIRによって測定した場合に乾物ベースで11%より低い酸性デタージェント繊維を有する、請求項1記載の植物。
- 種子が少なくとも43%の油を含む、請求項1記載の植物。
- 種子が少なくとも45%のタンパク質を含む、請求項1記載の植物。
- 種子が、NIRを用いて測定した、乾物ベースで少なくとも43%の油および少なくとも45%のタンパク質を含む、請求項1記載の植物。
- 1ヘクタールあたり平均で少なくとも1700 kgの種子を産出する、請求項1記載の植物の圃場。
- 請求項1記載のキャノーラ植物によって産生された種子。
- 請求項2記載の種子から生長した植物。
- 平均で少なくとも68%のオレイン酸(C18:1)および3%未満のリノレン酸(C18:3)を有する黄色外皮種子を産生する、請求項8記載の子孫植物。
- PTA-6806およびPTA-6807から選択されるATCC寄託番号において入手可能である、請求項1記載のキャノーラ植物によって産生された種子。
- 請求項7記載の種子のミールを含む動物飼料。
- 遺伝子操作および変異誘発を行わずに産生された、請求項1記載の植物。
- 請求項1記載の種子から産生されたキャノーラミール。
- 少なくとも2400の真の平均代謝エネルギーを有する、請求項15記載のミール。
- 表21において示されるアミノ酸消化率プロフィールを有する、請求項15記載のミール。
- 種子が低減された抗栄養成分を有する、請求項1記載の植物。
- 種子が、1.3%未満のフィチン酸含量、2%未満の酸性デタージェントリグニン含量、および17%未満の中性デタージェント繊維含量を有する、請求項16記載の植物。
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