JP2009501649A - 親水相を介する触媒種のオフセット印刷のための方法 - Google Patents

親水相を介する触媒種のオフセット印刷のための方法 Download PDF

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Abstract

少なくとも1種の触媒種を含んでなる親水相を親油相と一緒にもしくはそれなしで印刷版に適用し、そして印刷版に適用された親水相を受像媒体に適用し、それにより1段階で受像媒体上に少なくとも1種の触媒種の機能性パターンを実現する段階を含んでなり、ここで親水相が親油相と一緒に適用される場合、親油及び親水相はインキ及び湿し媒体から別々に適用されるか、又は単流体インキの形態で一緒に適用され、単流体インキは分散させる相と分散する相から成り、そして親水相はイオノマーを含まないオフセット印刷法。

Description

発明の分野
本発明は、親水相を介する触媒種のオフセット印刷のための方法に関する。
発明の背景
オフセット印刷
オフセット(平版)印刷機は、印刷機の胴上に搭載される印刷版のようないわゆる印刷マスターを使用する。通常のオフセット印刷において、マスターはその表面上に平版印刷画像を保有しており、それは親油性(又は疎水性、すなわちインキ−受容性、水−反発性)領域ならびに親水性(又は疎油性、すなわち水−受容性、インキ−反発性)領域から成る。ドラム上の印刷版の表面上の平版印刷画像に最初に湿し媒体(湿し液とも呼ばれる)、次いでインキを適用し、次いで両方をオフセットブランケットとして既知の中間(ゴム)ロールに転写し、そこからさらに最終的に基質上にそれらを転写することにより、プリントが得られる。
湿し媒体は最初に一系列のロールを介して印刷版に移される。それは通常弱い犠牲的層として働き、そしてインキが版の非−画像領域上に付着するのを妨げ、且つ印刷機運転の間に印刷版の非−印刷(減感)領域を再構築する機能を有する。これは通常、酸、通常はリン酸の水溶液及びアラビアゴムを用いて実現され、ゴムは版の金属に吸着し、それにより親水性表面を作る。通常のオフセットの場合、湿らされた版は次いでインキングローラーと接触し、親油性画像領域にみにおいて親油性インキを受容する。湿し媒体は、表面張力を低下させ、それにより印刷版をより均一に湿らせるために、歴史的にイソプロピルアルコールを含有してきたが、湿し媒体添加物としてのイソプロピルアルコールを除去する(又は大幅に減少させる)ことにより、プリンターはVOC(揮発性有機化合物)放出を有意に減少させることができる。そのような湿し媒体では、イソプロピルアルコールはもっと揮発性の低いグリコール、グリコールエステル又は界面活性剤調製物で置き換えられる。通常の湿し媒体は、腐蝕−防止剤、pH−調整剤及び界面活性剤も含有することができる。
通常のオフセット印刷の他に、反転平版印刷(reverse lithography)、ドライオグラフィー及び単流体オフセット印刷のようないくつかの別のオフセット印刷法が開発された。
反転平版印刷では、水又はグリコールに基づく親水性着色インキが親油性湿し媒体と組み合わせて用いられる。印刷版は、親水性液を優先的に引き付ける画像領域及び親水性液に反発性である非−画像領域を含有する。水性(混和性)液に優れた許容性を有する材料、例えば酢酸ビニル−エチレンコポリマー樹脂、ポリエステル樹脂又はシェラック、ポリエチレングリコール及びワックスを含有する組成物のパターンを疎水性ベースシート、例えばポリスチレン又はポリエチレンがコーティングされたMylar上に適用することにより、印刷版を製造することができる。あるいはまた、親水性液−反発性熱硬化性シロキサン組成物を亜鉛基材上に非−画像パターンとして適用することにより、印刷版を製造することができる(特許文献1)。樹脂にカーボンブラック又は酸化亜鉛のような添加剤を加えて表面粗さを向上させ、それによりインキ吸収を向上させることができる。親水性インキは染料又は顔料に基づいていることができ、結合剤及び水及び/又はエチレングリコールを主ビヒクルとして含有することができる。疎水性湿し媒体は炭化水素(例えばTextile Spirits又はSuper Naphtholite)、鉱油又はシリ
コーン油に基づく。
無水又はドライオグラフィーオフセット印刷は、例えば日本のToray Industriesにより、湿し媒体を省略して親油性インキのみを用いることにより通常のオフセット印刷における湿し媒体からのVOCsの放出を減少させるために開発された。ドライオグラフィー印刷版の非−画像領域にはインキ−反発性ポリマー、例えばシリコーンがコーティングされるが、画像領域は、インキ−受容性表面、例えば場合により追加のコーティング層で上塗りされていることができる研磨された(grained)アルミニウム基版である。ドライオグラフィー印刷の間、インキのみがマスターに供給される。
しかしながら、これらのドライオグラフィー印刷法はまだ親油性インキからのVOC放出の欠点を有する。これは結果として、水の他に界面活性剤、再湿潤剤、染料及び/又は顔料ならびに樹脂を含有する水に基づくドライオグラフィーインキの開発に導いた。そのようなドライオグラフィー印刷版を、画像領域としての印刷版の親水性表面、例えば研磨されたアルミニウム表面及び非−画像領域のためのインキに反発するいずれかの型の疎水性材料と一緒に用いることができる。
通常のオフセット及び反転オフセット印刷は、インキが版の印刷領域のみに付着して尖鋭な十分に区画されたプリントの作成を保証するように、インキ/湿し液バランスを絶えず監視し且つ調整することを必要とする。操作者がインキ/湿し液バランスを絶えず監視し且つ調整する必要性を取り除くために、単−流体インキが開発された。これらのインキは、湿し液中のインキの微細エマルション又はインキ中の湿し液の微細エマルションから成り、インキローラーを介して印刷版に適用される。インキが親水性である場合、湿し液は親油性であり、インキが親油性である場合、湿し液は親水性であり、例えば親油性インキ部分は染料及び/又は顔料を有するビニル−及び炭化水素樹脂に基づき、親水性湿し液部分はグリコール/水混合物に基づく。
湿し媒体として炭化水素又は鉱油を用いる反転オフセット印刷インキは、例えば特許文献2、特許文献3及び特許文献4に記載されている。これらの特許のいずれも、疎水性湿し媒体又は親水性インキに染料及び/又は顔料以外の機能性材料を加えることを開示していない。
水に基づくドライオグラフィーオフセットインキは、例えば特許文献5、特許文献6及び特許文献7に記載されている。これらの特許のいずれも、親水性インキに染料及び/又は顔料以外の機能性材料を加えることを開示していない。
オフセット印刷のための単流体インキは、例えば特許文献8及び特許文献9に開示されているが、いずれもインキエマルションの親水性(湿し液)部分中に機能性材料を含有するインキを開示していない。
金属層を印刷するためのELECTRODAG(R) スクリーン印刷ペーストはAchesonから商業的に入手可能であり、金属層を印刷するためのインキジェット印刷法は特許文献10に開示されている。しかしながら、スクリーン及びインキ−ジェット印刷法は比較的遅く、且つ金属粒子を一緒に融解させて高い導電率を達成するために高い乾燥/硬化温度が必要である。
特許文献11は:印刷版に印刷インキを適用し、少なくとも着色性、pH−指示性、白化性、蛍光性、燐光性、X−線蛍燐光(X−ray phosphor)性又は導電性を有する少なくとも1つの部分を含有する溶液又は分散系を含有する水性湿し媒体で該印刷版を湿潤させる段階をいずれかの順序で含んでなる、機能性パターンを有する受像媒体の
オフセット印刷のための方法を開示している。
触媒パターンの作製
特許文献12は、触媒性架橋剤を平版印刷インキに輸送し、触媒性薬剤をインキ中に注ぐための湿し液を開示しており、湿し液は水、ゴム及び紫外線、赤外線又は熱風に暴露されるとインキを架橋するように適応させられた触媒性架橋剤を含んでなる。しかしながら、触媒性という用語の使用は正しくなく、それは架橋剤が消費されるからである。
特許文献13は、パラジウム、銅又は銀核が豊富なインキを、接着−付与層(adhesion−providing layer)が設けられた基質上に印刷し、それにより作製される導電性パターンを次いで銅メッキ浴中で化学的に金属化して導電性回路とする集積回路の作製方法を開示している。印刷法もインキ組成物のいずれもさらに特定されてはいない。
特許文献14は、回転するグラビアロールから動くウェブ上の二−次元画像中の触媒性インキを含んでなる方法を開示しており;ここで該触媒性インキは、ポリマー及び1B族又は8族金属化合物、錯体もしくはコロイドを含んでなる10重量%より少ない固体の溶液を含み;ここで該インキはBrookfield No.1スピンドルを用いて100rpm及び25℃で測定される20〜600センチポアズの粘度を有し;且つここで該画像は金属の無電解メッキに適応可能である。グラビア印刷は、迅速な印刷法であるという利点を有し、一方インキは、触媒の活性を低下させ得るか又は結合剤層中に触媒を埋め込んでそれをその触媒機能を行なうために接近できなくし得る結合剤のような添加剤を含まない。しかしながらこの方法は、オフセット印刷版と比較したグラビアロールの高いコストの欠点に苦しんでいる。
特許文献15は、上にインキが適用される表面を有するスタンプ(1)を用いており、該インキと予備的状態調節される基質の間の親和性が強化されたシード層(seed layer)(6)を設けることにより該基質(5)を予備的状態調節し、該スタンプ(1)の該表面を該予備的状態調節された基質(5)と接触させる、基質(5)上における導電性材料(8)の無電解メッキのための方法を開示しており、それは:該スタンプ(1)の該表面を処理して該表面を該インキにより湿潤可能とし、分子形態の触媒(4)であり、且つ極性である該インキで覆われた該スタンプ(1)の該表面を該基質(5)上に押し、その後該基質(5)上に該触媒の層(7)の少なくとも一部を残すことにより該基質(5)から該スタンプ(1)を分離させ、該基質(5)を該触媒の層(7)で覆われた該表面の部分において、該導電性材料(8)で無電解メッキする段階を含んでなる。しかしながらこの方法は、ロール−ツウ−ロール(roll−to−roll)でなく、オフセット印刷と比較して非常に遅い。
特許文献16は、導電性インキ及び磁性インキをフレキソグラフィーによりパターン形に印刷することにより、基材上に遮蔽インキ層を遮蔽層2として形成することによる電磁波遮蔽材料の製造を開示している。あるいはまた、無電解メッキ触媒を含んでなる触媒性インキ層4を基材においてフレキソグラフィーによりパターン形に印刷した後、金属メッキ層5を無電解メッキにより遮蔽層として単独で触媒性インキ層上に直接形成する。しかしながらこの方法は、通常200〜600mPa.sの大きさの比較的高粘度のインキを必要とし、そのために結合剤が必要である。脱泡剤、ワックス、界面活性剤、滑り剤及び可塑剤のような他の添加剤は多くの場合、必要な印刷性を得るために必要である。
特許文献17は、受像材料上に液滴を画像−通りに射出し、かくして該受像材料上で還元可能な金属化合物(A)、該金属化合物のための還元剤(B)及び該金属化合物の金属への還元を触媒する物理現像核(C)を作用関係とする段階を含んでなるインキジェット
印刷法を開示している。好ましい核はコロイド性貴金属粒子、例えば銀粒子及びコロイド性重金属スルフィド粒子、例えば硫化パラジウム、硫化ニッケル及び混合硫化銀−ニッケルである。しかしながら、インキジェット印刷は比較的遅い方法である。
特許文献18は、種々の色調及び暗部を有する金属画像をそのための基質上に形成する方法を開示しており、それは:(a)基質上にそのような種々の色調及び暗部を有する連続色調画像を記録し(inscribing)、該画像は核形成画像形成材料を含んでなり;そして(b)記録された画像−形成材料を接触させてその記録された領域上に連続色調金属画像を形成する段階を含んでなる。しかしながら核パターンは複製されて複数の金属パターンを生むことはない。
特許文献19は、スクリーン印刷、ステンシル印刷、スプレー噴霧、転写印刷又はドクターブレード適用を含む、基質上に触媒インキを適用するための方法を開示しており、該インキは電極触媒、イオノマー、水、界面活性剤及び場合により有機溶剤を含んでなり、該方法は:(a)湿度及び温度が制御された区画内で触媒インキを基質にコーティングし;(b)湿度及び温度が制御された区画内で付着した触媒インキを平坦化し;そして(d)触媒がコーティングされた基質を高められた温度で乾燥する段階を含んでなる。スクリーン印刷のみが例示されており、湿度及び温度が制御された区画内でのコーティングが必要である。
特許文献20は、電気装置のための電極の製造方法を開示しており、それは:制御された粒度及び多孔度を有する触媒凝集物を含んでなる触媒インキを調製し;該触媒インキを膜の表面上に、グラビア印刷による方法を含んで適用して、該触媒凝集物を含んでなる多数の三次元構造単位を含んでなる触媒層を形成することを含んでなる。しかしながら、グラビアロールは非常に高価である。
特許文献21は実施例12において、特許文献21中で開示される発明に従うレドックス反応のための触媒として金属性金核の画像通りの分布を形成するための、調製されたばかりのコロイド性金の懸濁液を有するゴムスタンプを用いる要素の表面の印刷を開示している。
特許文献22は、版の印刷面上に親油性及び親水性領域を有する平版印刷版を、印刷の間にインキ及び水性湿し液と接触させる平版印刷法を開示しており、改良は、印刷の質を向上させ且つ版を湿らせるために必要な湿し液の量を減少させるために、該湿し液が中に溶解された水溶性ヒドロラーゼ酵素を含有する水溶液であることを含んでなる。特許文献22は、アミラーゼ、リパーゼ、マルターゼ、パパイン、ペプシン、ブロテアーゼ、スクラーゼ、トリプシン、ジアスターゼ、ラピダーゼ、キモトリプシン A、アセチルコリンエステラーゼなどのようなヒドロラーゼ型の活性及び不活性酵素の使用を開示している。特許文献22は活性及び不活性酵素の両方の使用を開示しているので、発明者らは受像媒体上における触媒種の機能性パターンの印刷のための特許文献22に開示されている方法の使用を意図しなかったか、又は必要としなかったことが明らかである。さらに、活性酵素を用いる場合、触媒的に活性な酵素のパターンが受像媒体上で形成される証拠が与えられていない。
特許文献23は:(a)水に基づく湿し液を平版印刷版に移し、(b)次いで該版に少なくとも1種の平版印刷インキを移し、(c)該インキを該版からブランケットロールに移し、そして(d)次いで該インキを該ロールから基質に移し、それにより印刷画像を形成することを含んでなる平版印刷法を開示しており、ここで改良は、迅速に乾燥してそれによりインキの乾燥時間を短縮させる目的で、湿し液中に約0.005重量%〜約5.0重量%の過酸化水素を含むことである。特許文献23中で、過酸化水素はインキの乾燥時
間を驚くほど且つ予想し得ないほど短縮する乾燥刺激剤として記載されている。さらに特許文献23中に、過酸化水素は酸素源として働くと思われ、それはフリーラジカルを増加させ(propagates)、且つまた反応性部位において反応してヒドロペルオキシドを形成し、それは分解してさらなるフリーラジカルを形成し、さらに乾燥する油の重合を進行させる(propagating)と記載されている。この自己酸化プロセスは結局、特定の反応速度論に依存して、三次元ポリマー及び対応して乾燥インキを生ずる。従って過酸化水素は消費され、だから本出願において定義される触媒ではないことが明らかである。
特許文献24は、平版印刷インキに触媒性架橋剤を輸送し、該触媒性架橋剤を該インキ中に注ぐための濃厚湿し液を開示しており、該濃厚湿し液は本質的に水、ゴム、グリコール及び紫外線、赤外線、熱風又は冷風に暴露されると該インキを架橋させるように適応させられた触媒性架橋剤から成る。特許文献24はさらに、「触媒性薬剤」という用語により、物理的又は化学的にインキに反応的性質を与える物質を意味することを開示している。
特許文献25は、ヒドロプライマーの薄層を基質表面に適用し、適宜増感し、続いて無電流湿式−化学的金属化を行なうことによる基質表面上に堅固に接着する金属コーティングの付着のためのヒドロプライマーを開示しており、ここでヒドロプライマーは必須の成分としてa)水−分散性ポリアクリレート、ポリブタジエン、ポリエステル、メラミン樹脂、ポリウレタン及びポリウレタン−ウレアより成る群から選ばれる水−分散性ポリマー、b)金属化触媒としてイオン性貴金属、コロイド性貴金属又は両方あるいは貴金属と有機リガンドとの共有結合又は錯体化合物、c)有機及び無機充填剤より成る群から選ばれる5〜35重量%の量における充填剤ならびにd)水を含有する。さらに特許文献25は、ヒドロプライマーを通常の方法、例えば印刷、スタンピング、浸漬、はけ塗り、ナイフ−コーティング、塗布及びロール塗り及びスプレー噴霧によりプラスチックの表面に適用することができると開示している。
特許文献26は:酵素ペーストを製造し、絶縁基質上に厚フィルム電流滴定装置(amperometric device)を形成し;電流滴定装置上に酵素ペーストを、スクリーン印刷を含んで印刷することにより酵素固定層を形成し;そして電流滴定装置の電極上に外部電極を印刷し且つ形成する段階を含んでなる、バイオ−センサーの製造方法を開示している。水性固定酵素ペーストはカーボンブラック、NAD(補因子)、酵素及びヒドロキシエチルセルロースを含む。
特許文献27は、酵素が作用する物質を含有する流体の存在下でオキシドレダクターゼ酵素の触媒活性を電流滴定的に指示するための非−媒介(non−mediated)バイオセンサーの製造方法を開示しており、方法は:(a)上に作用電極及び参照電極を有する基質ならびに試験計器装置との電気的接続を作るために該作用及び参照電極に接続された導電路を取り;(b)微粉砕された白金族金属又は酸化物及び樹脂結合剤を含有するインキを該作用電極上に印刷し;(c)該印刷されたインキが乾燥して、樹脂により一緒に接着された該白金族金属又は酸化物を含んでなる導電性ベース層を形成させるか又は形成するのを許し;そして(d)緩衝剤を含んでなるかもしくは含有するコーティング媒体でベース層をコーティングすることにより、ベース層上に最上層を形成する段階を含んでなり、ここで(e)触媒的に活性な量の該オキシドレダクターゼが該印刷されるインキ及び該コーティング媒体の少なくとも1つ中に与えられる。酵素ペーストは酵素の他に樹脂結合剤、Pt/炭素粒子、グラファイト、界面活性剤及び有機溶剤を含む。両特許は、酵素層の適用のために選ばれる方法としてスクリーン印刷を使用する。
特許文献28は、バイオセンサー、特に厚フィルムバイオセンサーの製造のための、a
)UV−重合性スクリーン−印刷可能基材、b)少なくとも1種の酵素及び場合によりc)媒介物、補−因子及び/又は酵素安定剤を含有するUV−重合性酵素ペーストを開示しており、ここで酵素は基材中に導入される。これは、層における酵素の劣った接近性及び従ってセンサーの劣った感度の欠点に苦しむ。
特許文献29は、ウェブ製造法におけるプリントの質を向上させる方法を開示しており、ここで該ウェブ製造法は、動く基質上で酵素を印刷するように適応させられた少なくとも1つの印刷ステーションを含み、該ウェブ製造法は:該方法を通じて該基質を絶えず動かし;スクリーン印刷法を介して酵素インキを該基質上に付着させ、ここでインキは該スクリーンの上側上に付着し、該上側を介して該スクリーンの下側に隣接して位置する該基質上に押しやられ;該スクリーンの該上側において空気を第1の相対湿度まで加湿し;該スクリーンの該下側において空気を第2の相対湿度まで加湿する段階を含んでなる。
特許文献30は、酵素が用いられる時間−温度指示物質(time−temperature indicator)を開示しており、それは基質及び基質と異なる色における反応生成物を直接製造する基質の反応を触媒する酵素により特徴付けられ、酵素は場合によりインキ−ジェット印刷によって置かれることができる。しかしながら、インキ−ジェット印刷は遅い印刷法であり、従ってオフセットパッケージ印刷ラインにおいてオン−ラインで用いることはできない。
従って、周囲条件下での基質上における触媒種の機能性パターンの大量生産のための迅速で低−コストの印刷法が必要である。触媒種に関し、触媒種の被毒及び結果として生ずる触媒活性の低下を妨げるため、ならびに結果として生ずる触媒種の接近不可能性の故の触媒種の埋没を避けるために、添加剤は避けられるのが好ましい。
先行技術
これまで、本発明の特許性に関連する以下の文書が既知である:
1970年10月6日に公開された特許文献2
1974年3月19日に公開された特許文献3
1974年1月16日に公開された特許文献4
1999年6月3日に公開された特許文献5
2003年7月17日に公開された特許文献6
1992年12月17日に公開された特許文献7
1991年1月1日に公開された特許文献8
2000年6月8日に公開された特許文献9
2004年5月6日に公開された特許文献11
1990年3月6日に公開された特許文献12
1980年1月31日に公開された特許文献13
1992年12月10日に公開された特許文献14
2003年2月18日に公開された特許文献15
2002年8月9日に公開された特許文献16
1998年5月12日に公開された特許文献17
1973年8月8日に公開された特許文献18
2004年2月4日に公開された特許文献19
2003年8月7日に公開された特許文献20
1976年11月2日に公開された特許文献21
1981年8月25日に公開された特許文献22
1986年8月12日に公開された特許文献23
1991年10月8日に公開された特許文献24
1994年4月5日に公開された特許文献25
1995年5月5日に公開された特許文献26
2004年4月1日に公開された特許文献27
1996年1月10日に公開された特許文献28
2004年5月13日に公開された特許文献29
1992年4月2日に公開された特許文献30
米国特許第3,356,030号明細書 米国特許第3,532,532号明細書 米国特許第3,797,388号明細書 英国特許第1,343,784A号明細書 国際公開第99/27022A号パンフレット 国際公開第03/057789A号パンフレット ドイツ特許第4119348A号明細書 米国特許第4,981,517号明細書 国際公開第00/032705A号パンフレット 国際公開第03/032084A号パンフレット 欧州特許出願第1 415 826号明細書 米国特許第4,906,296号明細書 ドイツ特許第2757029A号明細書 国際公開第92/21790A号パンフレット 米国特許第6,521,285号明細書 日本特許第2002−223095A号明細書 米国特許第5,751,325号明細書 英国特許第1,326,389A号明細書 欧州特許第1 387 422A号明細書 米国特許第2003/0148159号明細書 米国特許第3,989,526号明細書 米国特許第4,285,276号明細書 米国特許第4,604,952号明細書 米国特許第5,054,394号明細書 米国特許第5,300,140号明細書 欧州特許出願第0 652 436号明細書 米国特許第2004/0061841号明細書 欧州特許出願第0 691 408号明細書 国際公開第04/039600A号パンフレット 国際公開第92/05415A号パンフレット
発明の側面
従って本発明の側面は、触媒種の機能性パターンを作製するための方法を提供することである。
本発明のさらなる側面及び利点は、下記の記述から明らかになるであろう。
発明の概略
驚くべきことに、標準的なオフセットインキを用いる通常のオフセット印刷法において、標準的な湿し液を、触媒種を含有する湿し液又は分散系により置き換えると、印刷版の親水性領域に触媒種のパターンをコーティングし、次いでそれを印刷法において受像媒体に転写し、それによりあるプロセスを触媒することができる触媒種のパターンを受像媒体に与え、すなわち受像媒体に機能性種、すなわち本出願において定義される触媒種のパターンを与えることにより、湿し液の通常の湿潤及び修復機能を増大させ得ることが見出された。さらに、一段階で、写真法に頼ることなく、大量生産に有用な低コスト高速法において、触媒種の高分解能パターンを受像媒体上に水相から実現することができる。さらに、それにより付着する触媒種は使用前に活性化を必要としない。
本発明の側面は:少なくとも1種の触媒種を含んでなる親水相を親油相と一緒にもしくはそれなしで印刷版に適用し、そして印刷版に適用された親水相を受像媒体に適用し、それにより1段階で受像媒体上に少なくとも1種の触媒種の機能性パターンを実現する段階を含んでなるオフセット印刷法により実現され、ここで親水相が親油相と一緒に適用される場合、親油及び親水相はインキ及び湿し媒体から別々に適用されるか、又は単流体インキの形態で一緒に適用され、単流体インキは分散させる相と分散する相から成り、そして親水相はイオノマーを含まない。この方法は周囲条件下で行なわれ得、湿度及び温度が制御された区画内におけるコーティングを必要としない。
好ましい態様は添付の請求項に開示される。
発明の詳細な記述
定義
「水性媒体」という用語は、50重量%の水〜100重量%の水を含有して、水及び水−混和性有機溶剤を含有する媒体を意味する。
本発明の開示において用いられる透明層という用語は、層を介して物体を明白に見ることができるようなやり方で光の通過を許すことを意味する。
本発明の開示において用いられる「層」という用語は、「非−連続」という形容詞により修飾されていなければ、連続コーティングを意味する。
本発明の開示において用いられる「パターン」という用語は非−連続コーティングを意味し、それは線及び/又は形の列、配列又は配置、領域(areas)及び/又は領域(regions)であることができる。
本発明の開示において用いられる「機能性パターン」という表現中の「機能性」という用語は、非−装飾的である少なくとも1つの機能を有することを意味するが、本出願の開示において用いられる機能性材料は、非−装飾的機能又は効用の他に装飾的な機能又は効用を有していることができる。そのような機能の例は非−装飾的着色性、pH−指示性、白化性、蛍光性、燐光性、X−線蛍燐光性、導電性及び触媒である。従って機能性パターンという用語は触媒種のパターンを含む。
本発明の開示において用いられる「触媒種のパターン」という表現中の「触媒種」という用語は、触媒、自触媒ならびに触媒及び自触媒前駆体より成る群から選ばれる種である。
本発明の開示において用いられる「触媒」という用語は、化学的、生物学的又は生化学的反応あるいは物理的プロセス、例えば結晶化、付着、相分離などの速度及び/又は選択性を、それ自身が消費されることなく変える、水溶性ヒドロラーゼ酵素を含まない水−溶性及び/又は−分散性部分、分子、粒子又は微生物を意味し、すなわちそれは化学的反応、例えば無電解メッキを加速又は減速させることができる。触媒という用語は、自然には触媒性を有していない種を含まないが、それらは触媒の機能を達成する種の前駆体であることができる。
「触媒」という用語は、触媒であり、それ自身が、自身が反応性である反応の生成物である「自触媒」という用語から区別されるべきである。
本発明の開示において用いられる「無電解メッキ(“electroless deposition”)」という用語は、電気化学的方法を使用しない、金属のような導電性種のメッキを意味する。無電解メッキ法は通常、酸化種と還元種の間の反応を含む。
本発明の開示において用いられる「親水相」という用語は、オフセット湿し媒体、親水性オフセットインキ、親水性ドライオグラフィーインキ又はオフセット単流体インキの水性部分である。それは実質的に親水性を有する、すなわち水に対する親和性を含有するかもしくは有するか、水を引き付けるか、水を吸着するか又は水を吸収する相である。親水相は主に水及び親水性物質、例えばアルコール及びセルロース誘導体を含有するが、少量の疎水性物質は存在することができる。
本発明の開示において用いられる「柔軟性」という用語は、例えばドラムのような湾曲した物体の曲率に、傷つくことなく沿えることを意味する。
本発明の開示において用いられる「インキ」という用語は、少なくとも1種の染料及び/又は少なくとも1種の顔料である着色剤で着色されていることができるか、又はされていなくても良く、且つオフセット印刷に適しているインキを意味し、すなわちインキが親油性である場合、それは通常印刷版として知られる印刷マスター版の親油性領域により受容されるか、あるいはインキが親水性である場合、それは通常印刷版として知られる印刷マスター版の親水性領域により受容される。
本発明の開示において用いられる「染料」という用語は、それが適用される媒体中で、且つ関連する周囲条件下で、10mg/L又はそれより高い溶解度を有する着色剤を意味する。
本発明の開示において用いられる「顔料」という用語は、引用することによりその記載事項が本明細書の内容となるDIN 55943において、関連する周囲条件下で適用媒体中に実質的に不溶性である、従ってその中で10mg/Lより低い溶解度を有する無機又は有機、有彩又は無彩着色剤として定義されている。
本発明の開示において用いられる「結合剤」という用語は、天然に存在する材料、改変された天然に存在する材料又は合成材料であることができるポリマー種を意味する。
本発明の開示において用いられる「コーティングされた紙」という用語は、いずれかの物質がコーティングされた紙を意味し、すなわちクレーがコーティングされた紙及び樹脂がコーティングされた紙の両方を含む。
本開示において用いられるPETは、ポリ(エチレンテレフタレート)を示す。
本発明の開示において用いられる「拡散転写反転(DTR)法」という用語は、A.Rott[英国特許第614,155号明細書及びSci.Photogr.,(2) 13,1942年,151]及びE.Weyde[ドイツ特許第973,769号明細書]により独立して開発され、引用することによりその記載事項が本明細書の内容となる“The Theory of the Photographic Process Fourth Edition”,T.H.James編集,466−480頁,Eastman Kodak Company,Rochester,1977年の第16章においてG.I.P.Levensonにより記載されている方法を指す。
本発明の開示において用いられる「イオノマー」という用語は、鎖の要素の間に共有結合及び鎖の間にイオン結合を有するポリマー、例えばDu PontによりSURLYN(R)の商品名の下に販売されているエチレンとメタクリル酸のコポリマーの金属塩を意味する。
オフセット印刷法
本発明の側面は:少なくとも1種の触媒種を含んでなる親水相を親油相と一緒にもしくはそれなしで印刷版に適用し、そして印刷版に適用された親水相を受像媒体に適用し、それにより1段階で受像媒体上に少なくとも1種の触媒種の機能性パターンを実現する段階を含んでなるオフセット印刷法により実現され、ここで親水相が親油相と一緒に適用される場合、親油及び親水相はインキ及び湿し媒体から別々に適用されるか、又は単流体インキの形態で一緒に適用され、単流体インキは分散させる相と分散する相から成り、そして親水相はイオノマーを含まない。
本発明に従う方法の第1の態様に従うと、インキは親油相である。
単流体インキ
本発明に従う方法の第2の態様に従うと、単流体インキ中の分散させる相は親水相である。単流体インキ中の親水相は主にエチレングリコールに基づく。触媒の凝固を防ぎ、且つ触媒の高い有効性を維持するために、エチレングリコールの一部を水で置き換えることが必要であり得る。
本発明に従う方法の第3の態様に従うと、単流体インキ中の分散させる相は親油相である。
親水相
本発明の側面は:少なくとも1種の触媒種を含んでなる親水相を親油相と一緒にもしくはそれなしで印刷版に適用し、そして印刷版に適用された親水相を受像媒体に適用し、それにより1段階で受像媒体上に少なくとも1種の触媒種の機能性パターンを実現する段階を含んでなるオフセット印刷法により実現され、ここで親水相が親油相と一緒に適用される場合、親油及び親水相はインキ及び湿し媒体から別々に適用されるか、又は単流体インキの形態で一緒に適用され、単流体インキは分散させる相と分散する相から成り、そして親水相はイオノマーを含まない。
親水相は:水溶性ゴム、pH緩衝系、減感塩(desensitizing salts)、酸又はそれらの塩、湿潤剤、溶剤、非−パイリング(non−piling)又は潤滑添加剤、エマルション制御剤、粘度上昇剤、殺生物剤、脱泡剤及び着色剤も含有することができる。しかしながら、親水相中における添加剤の存在は、結果として触媒活性の低下を生ずる触媒種の汚染/被毒を防ぐことが少しでも可能であれば、避けられるべきである。
本発明に従う方法の第4の態様に従うと、親水相は水及び触媒種のみを含有する。
本発明に従う方法の第5の態様に従うと、親水相は過酸化水素を含まない。
本発明に従う方法の第6の態様に従うと、親水相は触媒性架橋剤を含まない。
本発明に従う方法の第7の態様に従うと、親水相は水溶性ヒドロラーゼ酵素を含まない。
本発明に従う方法の第8の態様に従うと、親水相は水溶性タンパク質性材料を含まない。
本発明に従う方法の第9の態様に従うと、親水相は水−分散性ポリマーを含まない。
本発明に従う方法の第10の態様に従うと、親水相はさらに少なくとも1種の水−混和性有機化合物、例えば脂肪族アルコール、ケトン、アレン、エステル、グリコールエーテル、環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン及びそれらの混合物、好ましくは有機溶剤を含有する。
本発明に従う方法の第11の態様に従うと、親水相中の溶解した及び分散した固体の10重量%未満が結合剤である。
本発明に従う方法の第12の態様に従うと、親水相中の溶解した及び分散した固体の5重量%未満が結合剤である。結合剤−含有率を最小にすることは、触媒種が最大の活性を
示すことを可能にし、且つ触媒種を非−接近性とするそれらの埋没を妨げる。
本発明に従う方法の第13の態様に従うと、触媒種は親水相中に10−8〜1モル/L、好ましくは0.001〜0.1モル/Lの濃度で存在する。
本発明に従う方法の第14の態様に従うと、親水相はさらに消泡剤を含有する。適した消泡剤には、Shin−Etsuからのシリコーン消泡剤X50860Aが含まれる。
本発明に従う方法の第15の態様に従うと、親水相は1.5〜5.5のpHを有する。
本発明に従う方法の第16の態様に従うと、親水相はさらに水溶性ゴム、例えばアラビアゴム、フジマツゴム、CMC、PVP及びアクリル系誘導体を含有する。
本発明に従う方法の第17の態様に従うと、湿し媒体は親水相である。
本発明に従う方法の第18の態様に従うと、インキは親水相である。
本発明に従う方法の第19の態様に従うと、親油相なしで適用される親水相は水に基づくドライオグラフィーインキである。
触媒種
本発明の側面は:少なくとも1種の触媒種を含んでなる親水相を親油相と一緒にもしくはそれなしで印刷版に適用し、そして印刷版に適用された親水相を受像媒体に適用し、それにより1段階で受像媒体上に少なくとも1種の触媒種の機能性パターンを実現する段階を含んでなるオフセット印刷法により実現され、ここで親水相が親油相と一緒に適用される場合、親油及び親水相はインキ及び湿し媒体から別々に適用されるか、又は単流体インキの形態で一緒に適用され、単流体インキは分散させる相と分散する相から成り、そして親水相はイオノマーを含まない。
本発明に従う方法の第20の態様に従うと、少なくとも1種の触媒種は、少なくとも1種の触媒種が触媒活性を示す前に活性化を必要としない。
本発明に従う方法の第21の態様に従うと、触媒種は触媒又は自触媒である。
本発明に従う方法の第22の態様に従うと、触媒種は金属粒子、有機化合物、無機化合物、有機金属化合物、ポリマー、微孔質種、微生物、抗体及び水溶性ヒドロラーゼ酵素を除く酵素より成る群から選ばれる。微孔質種の例にはゼオライトが含まれる。
触媒として機能する微生物の例は酵母細胞である。酵母細胞は、通常のオフセット印刷法における水に基づく湿し媒体、親水性(例えば水性)オフセットインキ、単流体インキの親水相又は親水性(例えば水に基づく)ドライオグラフィーインキ中に存在することができる。
本発明に従う方法の第23の態様に従うと、触媒種はニッケル又は鉄粒子である。ニッケル又は鉄粒子は炭素ナノチューブの成長を触媒することができ、通常のオフセット印刷法における水に基づく湿し媒体、親水性(例えば水性)オフセットインキ、単流体インキの親水相又は親水性(例えば水に基づく)ドライオグラフィーインキを介して印刷され得る。
本発明に従う方法の第24の態様に従うと、触媒種は抗体である。
触媒性抗体(アブザイム(abzymes))の溶液又は分散系は、例えば‘Catalytic Antibodies,E.Keinan編集,Wiley−VCH,Weinheim,2004年に記載されている。アブザイムは、反応の遷移状態を安定化し、それにより活性化エネルギーを低下させて基質の生成物へのより迅速な転換を可能にすることにより、反応を触媒する。例はp−ニトロトルエン−メチルスルフィドのスルホキシドへの過ヨウ素酸酸化を触媒するアブザイム28B4ならびに多様な脂肪族開鎖及び脂肪族環状ケトンの種々の芳香族及び脂肪族アルデヒドへのアルドール付加を触媒する市販のアブザイム38C2である。アブザイムは、通常のオフセット印刷法における水に基づく湿し媒体、親水性(例えば水性)オフセットインキ、単流体インキの親水相又は親水性(例えば水に基づく)ドライオグラフィーインキを介して印刷され得る。
本発明に従う方法の第25の態様に従うと、少なくとも1種の触媒種は種々の触媒種、例えば現像核及び酵素の混合物である。種々の触媒種の混合物は、通常のオフセット印刷法における水に基づく湿し媒体、反転オフセット印刷法における親水性(例えば水性)インキ、単流体インキの親水相又は親水性(例えば水に基づく)ドライオグラフィーインキを介して印刷され得る。
本発明に従う方法の第26の態様に従うと、触媒種は重合触媒であり、それには有機金属、メタロセン、遷移金属及びゼオライト触媒が含まれるが、これらに限られない。重合触媒は、通常のオフセット印刷法における水に基づく湿し媒体、親水性(例えば水性)オフセットインキ、単流体インキの親水相又は親水性(例えば水に基づく)ドライオグラフィーインキを介して印刷され得る。
本発明に従う方法の第27の態様に従うと、触媒種は水溶性ヒドロラーゼ酵素を除く酵素である。酵素パターンのオフセット印刷は、検出のための生物学的に活性な装置を生ずることができる。用いることができる種々の酵素にはグルコースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ウレアーゼ、ウレアアミドリアーゼ、乳酸オキシダーゼ、グルタミン酸オキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、クレアチニンアミドヒドロラーゼ、シュウ酸オキシダーゼ、ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、L−グルコノラクトンオキシダーゼ、サルコシンオキシダーゼ及びグリコール酸オキシダーゼが含まれるが、これらに限られない。酵素の溶液又は分散系は、水に基づく湿し液、親水性(例えば水性)オフセットインキ、単流体インキの親水相又は親水性(例えば水に基づく)ドライオグラフィーインキ中に存在することができる。
本発明に従う方法の第28の態様に従うと、触媒種は無電解メッキ触媒、電極触媒、現像核、重合触媒、構造特異的触媒、生物プロセス触媒、生化学プロセス触媒、燃料電池触媒、気体拡散触媒及び気−相反応触媒より成る群から選ばれる。
本発明に従う方法の第29の態様に従うと、触媒種は電極触媒である。そのような電極触媒を固体型燃料電池、気体拡散電極又は膜/電極アセンブリ、例えば炭素−担持白金又は場合によりパラジウム、モリブデンなどと合金にされた白金に基づく粒子中で用いることができる。電極触媒粒子の分散系は、水に基づく湿し液、親水性(例えば水性)オフセットインキ、単流体インキの親水相又は親水性(例えば水に基づく)ドライオグラフィーインキを介して印刷され得る。
本発明に従う方法の第30の態様に従うと、親水相は、例えば蛍光性、燐光性、pH−指示性、着色性、白化性及び本質的に導電性の成分より成る群から選ばれる他の機能性成分を含む。
無電解メッキ触媒
本発明に従う方法の第31の態様に従うと、触媒種は無電解メッキ触媒である。
拡散転写反転(DTR)受像材料において周知の型の現像核、例えば銀粒子のような貴金属粒子ならびにコロイド性硫化パラジウム、硫化ニッケル及び混合硫化銀−ニッケルのようなコロイド性重金属スルフィド粒子は、好ましい無電解メッキ触媒である。これらの核は結合剤と一緒にか又はそれなしで存在することができる。
本発明に従う方法の第32の態様に従うと、触媒種は非−金属性無電解メッキ触媒、例えば硫化パラジウム、銀、ニッケル及びコバルトである。
本発明に従う方法の第33の態様に従うと、触媒種は重金属スルフィド無電解メッキ触媒、例えば硫化パラジウム、銀、ニッケル、コバルト、銅、鉛及び水銀又は混合スルフィド、例えば硫化銀−ニッケルである。
本発明に従う方法の第34の態様に従うと、触媒種は金属性無電解メッキ触媒、例えば銀、白金、ロジウム、イリジウム、金、ルテニウム、パラジウム及び銅粒子である。
本発明に従う方法の第35の態様に従うと、触媒種は銀の無電解メッキを触媒することができる。
湿し媒体
本発明に従う方法の第36の態様に従うと、湿し媒体は、一定の粘度まで攪拌した後に25℃において、DIN 53211に従って、すなわちDIN 53211に従う連続的測定値が再現性となるまで測定される少なくとも0.75mPa.sの粘度を有する。
本発明に従う方法の第37の態様に従うと、湿し媒体は、一定の粘度まで攪拌した後に25℃において、DIN 53211に従って、すなわちDIN 53211に従う連続的測定値が再現性となるまで測定される少なくとも10mPa.sの粘度を有する。
本発明に従う方法の第38の態様に従うと、湿し媒体は、一定の粘度まで攪拌した後に25℃において、DIN 53211に従って、すなわちDIN 53211に従う連続的測定値が再現性となるまで測定される少なくとも30mPa.sの粘度を有する。
本発明に従う方法の第39の態様に従うと、湿し媒体は、一定の粘度まで攪拌した後に25℃において、DIN 53211に従って、すなわちDIN 53211に従う連続的測定値が再現性となるまで測定される少なくとも100mPa.sの粘度を有する。
本発明に従う方法の第40の態様に従うと、湿し媒体は、一定の粘度まで攪拌した後に25℃において、DIN 53211に従って、すなわちDIN 53211に従う連続的測定値が再現性となるまで測定される少なくとも200mPa.sの粘度を有する。
着色剤
本発明の側面は:少なくとも1種の触媒種を含んでなる親水相を親油相と一緒にもしくはそれなしで印刷版に適用し、そして印刷版に適用された親水相を受像媒体に適用し、それにより1段階で受像媒体上に少なくとも1種の触媒種の機能性パターンを実現する段階を含んでなるオフセット印刷法により実現され、ここで親水相が親油相と一緒に適用される場合、親油及び親水相はインキ及び湿し媒体から別々に適用されるか、又は単流体インキの形態で一緒に適用され、単流体インキは分散させる相と分散する相から成り、そして
親水相はイオノマーを含まない。
本発明に従う方法の第41の態様に従うと、親水相はさらに少なくとも1種の着色剤を含み、着色剤は少なくとも1種の顔料及び/又は少なくとも1種の染料である。顔料、例えばアゾ顔料、例えばDALMAR(R) アゾ イエロー及びLEVANYL(R) イエロー HRLF、ジオキサジン顔料、例えばLEVANYL(R) バイオレット BNZ、フタロシアニンブルー顔料、フタロシアニングリーン顔料、モリブデート オレンジ顔料、クロム イエロー顔料、キナクリドン顔料、バリウム沈降Permanent Red
2B、マンガン沈降BON Red、ローダミン B顔料及びローダミン Y顔料を導入することにより、透明着色組成物を実現することができる。
本発明に従う方法の第42の態様に従うと、親水相はさらに少なくとも1種の染料である着色剤を含む。
適した染料には:
Figure 2009501649
が含まれる。
本発明に従う方法の第43の態様に従うと、親油相が着色される場合、例えばASTM
Norm E308−90に従う評価を用い、R(45/0)幾何学においてASTM
Norm E179−90中で定義されるCIELAB a、b及びL値を合わせることによる例えば色合わせ又は色のマスキングにより、インキと背景の色調が人間の目により区別され得ないように、親水相は少なくとも1種の染料及び/又は少なくとも1種の顔料を含有する。
本発明に従う方法の第44の態様に従うと、親水相が着色される場合、例えばASTM
Norm E308−90に従う評価を用い、R(45/0)幾何学においてASTM
Norm E179−90中で定義されるCIELAB a、b及びL値を合わせることによる例えば色合わせ又は色のマスキングにより、インキと背景の色調が人間の目により区別され得ないように、親油相は少なくとも1種の染料及び/又は少なくとも1種の顔料を含有する。
界面活性剤
本発明に従う方法の第45の態様に従うと、親水相はさらに少なくとも1種の界面活性剤、すなわちカチオン性、アニオン性、両性及び非−イオン性界面活性剤より成る群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有する。
本発明に従う方法の第46の態様に従うと、親水相はさらに少なくとも1種の非−イオン性界面活性剤、例えばエトキシル化/フルオロアルキル界面活性剤、ポリエトキシル化シリコーン界面活性剤、ポリシロキサン/ポリエーテル界面活性剤、ペルフルオロ−アルキルカルボン酸のアンモニウム塩、ポリエトキシル化界面活性剤及びフッ素−含有界面活性剤を含有する。
適した非−イオン性界面活性剤には:
NON01 SURFYNOL(R) 440:Air Productsからの40重量%のポリエチレンオキシド基を有する2個のポリエチレンオキシド鎖を持つアセチレン化合物
NON02 SYNPERONIC(R)13/6.55 トリデシルポリエチレン−グリコール
NON03 ZONYL(R) FSO−100:DuPontからの式:F(CFCF1−7CHCHO(CHCHO)Hを有し、ここでy=0〜約15であるエトキシル化フルオロ−界面活性剤の混合物;
NON04 ARKOPALTM N060:HOECHSTからのノニルフェニルポリエチレン−グリコール
NON05 FLUORAD(R) FC129:3Mからのフルオロ脂肪族ポリマーエステル
NON06 PLURONIC(R) L35 ポリエチレン−グリコール/プロピレン−グリコール
NON07 TEGOGLIDE(R) 410:Goldschmidtからのポリシロキサン−ポリマーコポリマー界面活性剤;
NON08 TEGOWET(R):Goldschmidtからのポリシロキサン−ポリエステルコポリマー界面活性剤;
NON09 FLUORAD(R) FC126:3Mからのペルフルオロカルボン酸のアンモニウム塩の混合物;
NON10 FLUORAD(R) FC430:3Mからの98.5%活性フルオロ脂肪族エステル;
NON11 FLUORAD(R) FC431:3MからのCF(CFSO(C)N−CHCO−(OCHCHOH;
NON12 ポリオキシエチレン−10−ラウリルエーテル
NON13 ZONYL(R) FSN:DuPontからの水中のイソプロパノールの50重量%溶液中のx=0〜約25であるF(CFCF1−9CHCHO(CHCHO)Hの40重量%溶液;
NON14 ZONYL(R) FSN−100:DuPontからのx=0〜約25であるF(CFCF1−9CHCHO(CHCHO)H;
NON15 ZONYL(R) FS300:DuPontからのフッ素化界面活性剤の40重量%水溶液;
NON16 ZONYL(R) FSO:DuPontからの水中のエチレングリコールの50重量%溶液中のy=0〜約15である式:F(CFCF1−7CHCHO(CHCHO)Hを有するエトキシル化フルオロ−界面活性剤の混合物の50重量%溶液
が含まれる。
本発明に従う方法の第47の態様に従うと、親水相はさらに少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含有する。適したアニオン性界面活性剤には:
AN01 HOSTAPON(R) T HOECHSTからのN−メチル−N−2−スルホエチル−オレイルアミドの精製ナトリウム塩の95%濃厚液
AN02 LOMAR(R) D L当たり400gの
Figure 2009501649
AN03 AEROSOL(R) OT American Cyanamidからのスルホコハク酸のジ−2−エチルヘキシルエステルのナトリウム塩の10g/Lの水溶液
AN04 DOWFAX 2A1 Dow Corningからのビス(p−ドデシル,スルホ−フェニル)−エーテルのナトリウム塩及び(p−ドデシル,スルホ−フェニル)(スルホ−フェニル)エーテルのナトリウム塩の混合物の45重量%水溶液
AN05 SPREMI テトラエチルアンモニウムペルフルオロ−オクチルスルホネート
AN06 TERGO 1−イソブチル,4−エチル−n−オクチル硫酸ナトリウム
AN07 ZONYL(R) 7950 DuPontからのフッ素化界面活性剤;
AN08 ZONYL(R) FSA DuPontからの水中のイソプロパノールの50重量%溶液中のF(CFCF1−9CHCHSCHCHCOOLiの25重量%溶液;
AN09 ZONYL(R) FSE:DuPontからの水中のエチレングリコールの70重量%溶液中のx=1又は2であり;y=2又は1であり;且つx+y=3である[F(CFCF1−7CHCHO]P(O)(ONHの14重量%溶液;AN10 ZONYL(R) FSJ:DuPontからの水中のイソプロパノールの25重量%溶液中のx=1又は2であり;y=2又は1であり;且つx+y=3であるF(CFCF1−7CHCHO]P(O)(ONHと炭化水素界面活性剤とのブレンドの40重量%溶液;
AN11 ZONYL(R) FSP DuPontからの水中のイソプロパノールの69.2重量%溶液中のx=1又は2であり;y=2又は1であり且つx+y=3である[F(CFCF1−7CHCHO]P(O)(ONHの35重量%溶液;AN12 ZONYL(R) UR:DuPontからのx=1又は2であり;y=2又は1であり且つx+y=3である[F(CFCF1−7CHCHO]P(O)(OH)
AN13 ZONYL(R) TBS:DuPontからの水中の酢酸の4.5重量%溶液中のF(CFCF3−8CHCHSOHの33重量%溶液;
AN14 ペルフルオロ−オクタン酸のアンモニウム塩
が含まれる。
本発明に従う方法の第48の態様に従うと、親水相はさらに少なくとも1種の両性界面活性剤を含有する。適した両性界面活性剤には:
AMP01 AMBITERIC(R) H エタノール中のヘキサデシルジメチル−アンモニウム酢酸の20重量%溶液
が含まれる。
受像媒体
本発明に従う方法の第49の態様に従うと、受像媒体はオフセット印刷に適したいずれかの受像媒体である。
本発明に従う方法の第50の態様に従うと、受像媒体は紙、コーティングされた紙、金属箔又はプラスチックシートである。
本発明に従う方法の第51の態様に従うと、受像媒体には吸収性接着層が設けられ、ゼラチン層が好ましい。接着層は、特に親水相中に結合剤が不在の場合に、触媒種の受像媒体への接着を向上させる。
受像媒体は半透明、透明又は不透明であることができる。適したプラスチックシートには、例えばセルロースエステル、三酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート又はポリエステルから作られるポリマー積層物、熱可塑性ポリマー箔又は圧可塑性(duroplastic)ポリマー箔が含まれ、ポリ(エチレンテレフタレート)又はポリ(エチレンナフタレン−1,4−ジカルボキシレート)が特に好ましい。
工業的用途
本発明に従う方法を触媒種のパターンの作製のために用いることができる。無電解メッキ触媒パターン種は、金属の無電解メッキを触媒し、金属層を用いる電気メッキ、センサー、電気回路の製造、高周波タグの部品としてのアンテナにおける用途、ランプ、ディスプレー及び背面照明において用いることができるエレクトロルミネセント装置における用途を含む多数の用途においてそれを用いることができる。問題の触媒種に依存して必要なら適した活性化の後に、他の触媒種の工業的適用をアブザイム触媒プロセスにおいて、生物学的プロセス、重合反応、炭素ナノチューブ製造、ポリマー型燃料電池におけるプロセス及び膜/電極アセンブリにおけるプロセスを触媒するために用いることができる。
下記で比較実施例及び本発明の実施例により本発明を例示する。これらの実施例において示されるパーセンテージ及び比率は、他にことわらなければ重量による。
受像媒体:
Figure 2009501649
接着促進層No.01のためのコーティング溶液は以下の組成を有し、130m/lにおいてコーティングされた:
Figure 2009501649
下塗り層No.02のためのコーティング溶液は以下の組成を有し、30m/lにおいてコーティングされた:
Figure 2009501649
ゼラチン層No.03のためのコーティング溶液は以下の組成を有する:
Figure 2009501649
PE−コーティング紙No.04はF.Schoellerからの写真印画紙であり、ゼラチン層(0.25g/m)で上塗りされたTiO−含有PE層(28g/m)を有する紙(166g/m)から成る。背面は47% LDPE及び53% HDPE
(24g/m)の層である。
親水相として湿し液を介する現像核のオフセット印刷
硫化パラジウム物理現像核の製造は、引用することによりその記載事項が本明細書の内容となる欧州特許出願第0 769 723号明細書に記載されている。この実施例から、溶液A1、B1及びC1を用いて0.0038モル/lの濃度を有する核分散系を調製した。90グラムのこの分散系に10グラムのイソプロパノールを加えた。これは「湿し媒体A」であった。
0.027モル/lのAgの濃度及び5〜6nmの平均粒度を有する銀物理現像核の分散系の90グラムに10グラムのイソプロパノールを加えた。これは「湿し媒体B」であった。
A.B.Dickからの360オフセット印刷機を用い、Sun ChemicalからのイエローオフセットインキであるMT253 イエローを用い、ThermostarTM P970/15印刷版、上記の受像媒体1〜3ならびに「湿し媒体A」及び「湿し媒体B」を用いて印刷実験を行なった。両湿し媒体を用いてプリントの質の悪化なく150枚のプリントを作成し、湿し液分散系を含有する非−印刷領域は無色であった。
塩化臭化銀乳剤の調製及び転写乳剤層(transfer emulsion layer)の調製は、適用されるハロゲン化銀の被覆率がAgNOの2g/mではなくてその2.35g/mに等しかったことを除いて、欧州特許出願第0 769 723号明細書に記載の通りであった。転写乳剤層をAGFA GEVAERTTM CP297現像液を用いて25℃で1分間、上記で挙げた受像媒体と接触させて処理し、続いて室温で乾燥した。
この拡散転写反転(DTR)法を行なった後、受像媒体2及び受像媒体3の両方を用いて「湿し媒体A」及び「湿し媒体B」の両方に関し、銀のグレーパターンが非−インキ供給領域において観察され、現像核が印刷の間に受像媒体に転写されたことを示す。受像媒体1の場合には、この拡散転写反転(DTR)法を行なった後、着色が観察されなかった。
「湿し媒体A」を有する受像媒体2上の銀領域は、1500Ω/平方の抵抗を示した。他の試料上の銀領域は導電性を示さなかった。転写乳剤層と(親水性)受像媒体2及び3の分離の間に、(疎水性)イエローインキは転写乳剤層に転写されたが、受像媒体1上のイエローインキは分離後にそのまま残った。
銀パターンを還元剤浴(AtotechからのReducer Neoganth 406)中に4分間浸漬し、続いて銅浴(AtotechからのPrintoganth PV)中で30分間無電解メッキすることにより、銀パターンの上に追加の銅層を成長させた。銅は銀パターン上のみにメッキされ、グレーから銅−色のパターンへの変化が生じた。
拡散転写反転法を介する導電率の向上
「湿し媒体A」を介して受像媒体2上に現像核を印刷し、次いで実施例1に記載した拡散転写反転法を介して現像した。抵抗は1500Ω/平方であった。次いで前記と同じ条件を用いて拡散転写反転法を介し、受像媒体を2回目に現像し、100Ω/平方の抵抗を生じた。転写乳剤層は露光される必要がないので、すでにパターン化された受像媒体への
転写乳剤層の不整合(misalignment)の問題は起こらなかった。
接触時間が1分から3分に延長された1回のDTR法の段階は、2回の連続DTR法と比較して表面抵抗の低下を生じなかった。
親水相としての湿し液を介する導電率の向上
下記に示す通りに溶液A1、B1及びC1を調製した:
Figure 2009501649
欧州特許出願第0 769 723号明細書中の実施例に記載されている通りに、(NHPdClの溶液A1及び硫化ナトリウムの溶液B1を、400rpmで攪拌しながら硫化ナトリウムを含有する溶液C1に一定の速度で4分間加えるダブルジェット沈降により、物理現像核を製造した。沈降に続き、得られる沈降した核を0.5mSの導電率まで透析した。この分散系の250gの試料を50gまで蒸発させることにより濃縮し、5gのイソプロパノールを加えた。これは「湿し媒体C」であった。
「湿し媒体A」及び「湿し媒体C」の両方を用い、実施例1に記載した通りに受像媒体5上に印刷を行なった。
実施例1に記載した通りにDTR現像を行なった後、「湿し媒体A」及び「湿し媒体C」の両方を用いて印刷された受像媒体5の場合の非−インキ供給領域中に銀のグレーパターンが形成された。「湿し媒体A」を用いると銀領域は導電性を示さなかったが、「湿し媒体C」を用いて実現される表面抵抗は20〜500Ω/平方であった。従って湿し媒体中の現像核濃度の向上は付着する銀の量及びかくして導電性を向上させた。2回目のDTR法により、導電率をさらにもっと向上させることができた。典型的な例では、表面抵抗は21から3.8Ω/平方に低下した。
親水相としての湿し液を介する導電率の向上
実施例3に関して記載した通りに「湿し媒体C」を調製した。「湿し媒体A」及び「湿し媒体C」の両方を用い、実施例1に記載した通りに受像媒体5上に印刷を行なった。
実施例1に記載した通りにDTR現像を行なった後、「湿し媒体A」及び「湿し媒体C」の両方を用いて印刷された受像媒体5の場合の非−インキ供給領域中に銀のグレーパターンが形成された。「湿し媒体A」を用いると銀領域は導電性を示さなかったが、「湿し媒体C」を用いて実現される表面抵抗は170Ω/平方であった。従って湿し媒体中の現像核濃度の向上は付着する銀の量及びかくして導電性を向上させた。2回目のDTR法により、導電率をさらにもっと向上させることができ、30Ω/平方の抵抗を生じた。
追加のコーティング段階を介する導電率の向上
実施例1に記載した通りに、「湿し媒体A」を介して受像媒体1、2、4及び5上に現像核を印刷した。次いでプリントに、10μmの公称湿潤コーティング厚さで「湿し媒体
A」を上塗りした。湿し媒体はイエローインキが供給された疎水性領域を除湿し(dewetted)、「湿し領域(fountain areas)」を優先的に覆った。室温で乾燥した後、DTRを介してプリントを現像し、乾燥し、下記の表1に示す抵抗を有する導電性パターンを生じた。
Figure 2009501649
そうして印刷されるすべてゼラチン最外層を有する受像媒体2〜5につきDTR現像を行なうと、5〜20Ω/平方の表面抵抗を有する銀層が得られるが、受像媒体1におけるようにゼラチン最外層がないと、核パターン上に銀が付着しなかった。
受像媒体2上の現像核のDTR−処理により得られる層の電気抵抗は、IRダイオードレーザー(波長 830nm)ビームを用いて1250mJ/cmのエネルギーで加熱することにより、DTR法で形成される銀粒子を焼結すると、7.6分の1に低下させることができることも見出された。
熱処理を介する導電率の向上
実施例5に記載した受像媒体2上の現像核のDTR−処理により得られる銀層を、1250mJ/cmのエネルギーを有するIRダイオードレーザー(波長 830nm)ビームに暴露した。発生する熱の結果として、DTR法において形成する銀粒子は焼結し、それにより表面抵抗を13Ω/平方から1.7Ω/平方に低下させた。
受像媒体2上の現像核のDTR−処理により得られる銀層を、40の設定を有するフォトフラッシュランプに暴露した。発生する熱の結果として、DTR法において形成する銀粒子は焼結し、それにより表面抵抗を13Ω/平方から4Ω/平方に低下させた。
無電解銅メッキを介する導電率の向上
実施例3に記載した通りに、受像媒体4及び5上に「湿し媒体C」を介して現像核を印刷した。実施例1に記載した通りにDTR現像を行なった後、非−インキ供給領域中に銀のグレーパターンが形成された。銀パターンを塩化パラジウムの0.5%溶液(塩酸を用いてpHを1.5に調整する)中に0.5秒間浸漬し、次いで水で十分に濯ぎ、最後に下記の表2に示す組成を有する無電解銅メッキ溶液中に入れた。
Figure 2009501649
種々の時間の間の無電解メッキ後に得られる表面抵抗を表3に示す。
Figure 2009501649
本発明は、暗に又は明白に本明細書中に開示されるいずれの特徴又は特徴の組み合わせあるいはそれらの普遍化も、それが現在請求されている発明に関連するかどうかにかかわらず、含むことができる。前記の記述を見て、本発明の範囲内で種々の修正を行い得ることが当該技術分野における熟練者に明らかであろう。

Claims (15)

  1. 少なくとも1種の触媒種を含んでなる親水相を親油相と一緒にもしくはそれなしで印刷版に適用し、そして該印刷版に適用された該親水相を受像媒体に適用し、それにより1段階で該受像媒体上に該少なくとも1種の触媒種の機能性パターンを実現する段階を含んでなり、ここで該親水相が該親油相と一緒に適用される場合、該親油及び親水相はインキ及び湿し媒体から別々に適用されるか、又は単流体インキの形態で一緒に適用され、該単流体インキは分散させる相と分散する相から成り、そして該親水相はイオノマーを含まないオフセット印刷法。
  2. 該少なくとも1種の触媒種が触媒活性を示す前に、該少なくとも1種の触媒種が活性化を必要としない請求項1に従うオフセット印刷法。
  3. 該単相インキ中の該分散させる相が該親水相である請求項1又は2に従うオフセット印刷法。
  4. 該触媒種が該親水相中に溶液として存在する請求項1〜3のいずれかに従うオフセット印刷法。
  5. 該触媒種が該親水相中に分散系として存在する請求項1〜4のいずれか1つに従うオフセット印刷法。
  6. 親油相なしで適用される該親水相が水に基づくドライオグラフィーインキである請求項1に従うオフセット印刷法。
  7. 該触媒種が金属粒子、有機化合物、無機化合物、有機金属化合物、ポリマー、微孔質種、微生物、抗体及び水溶性ヒドロラーゼ酵素を除く酵素よりなる群から選ばれる請求項1〜6のいずれかに従うオフセット印刷法。
  8. 該触媒種が無電解メッキ(electroless deposition)触媒、電極触媒、現像核、重合触媒、構造特異的触媒、生物プロセス触媒、生化学プロセス触媒、燃料電池触媒、気体拡散触媒及び気−相反応触媒よりなる群から選ばれる請求項1〜7のいずれかに従うオフセット印刷法。
  9. 該親水相が少なくとも1種の非−イオン性又はアニオン性界面活性剤をさらに含有する請求項1〜8のいずれかに従うオフセット印刷法。
  10. 該湿し媒体が該親水相である請求項1〜5及び7〜9のいずれか1つに従うオフセット印刷法。
  11. 該インキが該親水相である請求項1〜9のいずれか1つに従うオフセット印刷法。
  12. 該湿し媒体が、一定の粘度まで攪拌した後に25℃において、DIN 53211に従って測定される少なくとも0.75mPa.sの粘度を有する請求項1〜5及び7〜11のいずれか1つに従うオフセット印刷法。
  13. 該湿し媒体が、一定の粘度まで攪拌した後に25℃において、DIN 53211に従って測定される少なくとも30mPa.sの粘度を有する請求項1〜5及び7〜11のいずれか1つに従うオフセット印刷法。
  14. 該親油相が着色される場合、インキ及び背景の色調が人間の目によって区別され得ないように、該湿し媒体が染料及び/又は顔料を含有する請求項1〜5及び7〜13のいずれか1つに従うオフセット印刷法。
  15. 該親水相が着色される場合、インキ及び背景の色調が人間の目によって区別され得ないように、該親油相が染料及び/又は顔料を含有する請求項1〜5及び7〜13のいずれか1つに従うオフセット印刷法。
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