本発明並びにそれの特徴及び利点のより完全な理解のために、今、添付する図面と併せて、後に続く記載に対する参照がなされる。
本発明の教示に従って、有用な化学物質へとバイオマスを転換するシステム及び方法が、提供される。特定の実施形態において、その方法は、カルボン酸アンモニウム塩を含む発酵培養液を生産するために、一つの又はより多くの発酵槽における発酵培養液を含むと共に、発酵槽は、炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムの緩衝剤を含有する。その方法は、アミンのカルボン酸塩を生産するために、高分子量のアミンと発酵槽からのカルボン酸アンモニウム塩を反応させること、及び、カルボン酸を生産するために、アミンのカルボン酸塩を熱分解させること、をさらに含む。別の実施形態において、発酵槽からのカルボン酸アンモニウム塩は、低分子量のアミンのカルボン酸塩を生産するために、低分子量のアミンと反応させられることがある。その次に、低分子量のアミンのカルボン酸塩における低分子量のアミンは、高分子量のアミンのカルボン酸塩を形成するために、高分子量のアミンと切り替えられることがあると共に、その次に、それは、カルボン酸を生産するために、熱分解させられる。さらなる別の実施形態において、発酵槽からのカルボン酸アンモニウム塩は、高分子量のエステルを生産するために、高分子量のアルコール類と反応させられることがあると共に、それは、アルコール類を生産するために、水素化されることがある。特定の実施形態において、発酵槽における緩衝剤としての炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムの使用は、カルボン酸、エステル、及びアルコール類を生産するための代替の下流の加工方法を可能にする。その上、本発明の特定の実施形態は、発酵培養液からのカルボン酸及び/又はアルコール類の単純化された回収を可能にすることがある。
図1は、本発明の特定の実施形態に従った発酵システム100を図解する。発酵システム100は、バイオマスからカルボン酸を生産するために使用されることがある発酵システムである。一般に、発酵システム100は、一つの又はより多くの発酵槽102、脱水するシステム106、反応器108、蒸留塔110、及び充填されたカラム112を含む。図1に示されるように、発酵システム100は、いずれの数の適切な発酵槽の幾何学的形状及び配置も本発明の教示に従って使用されることがあるとはいえ、四つの向流式の発酵槽102a−dを含む。これらの四つの発酵槽102a−dは、新鮮なバイオマスが発酵槽102aの上部へ追加されると共に新鮮な水が発酵槽102dの下部へ追加される向流式の発酵槽のシステムを含むと共に、バイオマス及び水は、反対の方向に発酵槽102を通じて移動する。例えば、発酵槽102aの下部から移動させられた未消化の残渣は、発酵槽102bへ送られる、且つ、発酵槽102bの下部から移動させられた未消化の残渣は、発酵槽102cへ送られる、且つ、発酵槽102cの下部からの未消化の残渣は、発酵槽102dへ送られると共に、発酵槽102dの下部からの未消化の残渣は、発酵システムから取り除かれると共に廃棄される。その間に、発酵槽102dからの液体は、発酵槽102cへ送られる、且つ、発酵槽102cからの液体は、発酵槽102bへ送られる、且つ、102bからの液体は、発酵槽102aへ送られると共に、発酵培養液は、結局のところ、発酵槽102aから採取される。
特定の実施形態において、(図解されない)スクリュープレス又は他の適切な脱水するデバイスが、様々な発酵槽102の間で移送された固体における液体の含有率を低減するために、使用されることがある。さらには、各々の発酵槽102には、固体の素材を通じた、ヨードホルム、ブロモホルム、及びブロモエタンスルホン酸のような、メタン阻害剤、及び/又は、重炭酸アンモニウム又は炭酸アンモニウムのような、緩衝剤の分配を容易にするために、循環ループが装備されることがある。特定の実施形態において、アンモニウムイオンが、すでに、メタン生成菌の非常に有効な阻害剤であると、メタン阻害剤の追加は、自由選択のものであることがある。
発酵槽102の内側には、酸を形成する微生物の混合させられた培養物が、バイオマスの発酵を容易にする。さまざまな適切な微生物が、本発明の教示に従って使用されることがあるとはいえ、特定の実施形態は、海洋環境又は塩湖からの接種物のような、高い塩(high-salt)の環境に適合させられた微生物を利用する。他の実施形態は、土壌又は家畜の第一胃を原産とする微生物を利用することがある。これらの微生物は、かなり幅広いpHの範囲(例.5.0から8.0まで)にわたって生存することがある;しかしながら、特定の実施形態において、pHが、中性の付近にある(即ち、6.5から7.5まで)とき、発酵は、最も有効なものである。それに応じて、発酵槽102の内側の温度及びpHは、いずれの適切な様式でも、制御されることがある。例えば、特定の実施形態において、発酵槽102の内側の温度は、循環する液体の温度を規制することによって制御されることがある。発酵槽102の内側のpHは、緩衝剤の追加の速度によって、規制されることがある。本発明の特定の実施形態において、この緩衝剤は、炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムを含むことがある。
発酵槽102から採取された発酵培養液は、下流でさらに加工される。特定の実施形態において、この発酵培養液は、下流の加工するステップにおいて望ましくないものである浮渣を含むことがある。従って、特定の実施形態は、この浮渣を取り除くためのさまざまな方法を用いることがある。例えば、特定の実施形態において、発酵培養液は、カルボン酸のアンモニウム塩が通過することを許容するがしかし浮渣を保持する、分子量のカットオフを有する限外濾過膜104を通じて、ポンプで汲み上げられることがある。他の実施形態において、サトウキビから抽出された糖汁を浄化するために用いられたもののような、凝固剤又は凝集剤が、濾過によって取り除かれることがある沈殿が形成することを引き起こすために、発酵培養液へ追加されることがある。
発酵培養液を脱浮渣する方法(もしあれば)にかかわらず、発酵槽102からの発酵培養液は、脱水するシステム106へ通過させられると共に、それは、カルボン酸アンモニウム塩のほぼ飽和した(即ち、おおよそ50%の)溶液を形成するために培養液から水を取り除く。さまざまな脱水するシステムが、本発明の教示に従って使用されることがあるとはいえ、図1は、蒸気圧縮システムとして脱水するシステム106を図解する。このシステム106において、濃縮された塩の溶液からの蒸気は、圧縮させられると共に、それらが、熱交換器において凝縮することを可能にする。凝縮器における凝縮の熱は、次には、ボイラーにおける蒸発の熱を提供する。この様式では、熱は、システムにおいて再循環させられる。圧縮器へ提供された少量のシャフトの仕事のみが、システムを駆動するために必要とされる。
脱水するシステム106からの濃縮されたカルボン酸アンモニウム塩は、加熱された、良好に混合させられた反応器108へ送られるが、そこでは、高分子量の(“HMW”)アミンが、HMWアミンのカルボン酸塩を形成するために反応するように、溶液へ追加させられる。特定の実施形態において、追加されたHMWアミンは、トリオクチルアミンを含む。他の実施形態において、トリエタノールアミンが、対応するエステルを作るために、HMWカルボン酸と反応させられることがある。特定の実施形態において、界面活性剤が、また、アミンの相と水の相との間の接触を容易にするために、追加されることがある。
加熱する反応器108は、溶液から水及びアンモニアの両方を駆逐すると共に、水及びアンモニアは、HMWアミンのカルボン酸塩を形成するために、HMWアミンに置き換えられてしまう。反応器108からのこのアンモニア及び水は、充填されたカラム112へ送られると共に、そこでは、それが、カラムで維持されたpHに依存するが、重炭酸アンモニウム又は炭酸アンモニウムを形成するために、発酵槽102からの二酸化炭素と反応する。その次に、重炭酸アンモニウム又は炭酸アンモニウムは、発酵槽102において緩衝剤として使用されることがある。特定の実施形態において、この重炭酸アンモニウム又は炭酸アンモニウムは、それが、発酵槽へ送られた水の装填を低減することを援助するために発酵槽102へ送られる前に、濃縮されることがある。
反応器108からのHMWアミンのカルボン酸塩は、反応性の蒸留塔110へ送られるが、そこでは、それらが、塔110の上部から出るものである、カルボン酸、及び、塔110の下部から出ると共に反応器108へと再循環させられるものである、HMWアミンを生産するために、熱分解させられる。1気圧では、典型的な分解する温度は、カルボン酸の分子量に依存するが、約150℃から約200℃までである。酸の分子量が、より高いほど、熱分解が起こるために要求された温度が、より高い。その次に、塔110を出るカルボン酸は、収集されることがある。
発酵システム100に用いられた工程のより良好な理解は、図2への参照をなすことによって、もたれることがあるが、それは、図1に示されたのと同じ設備を利用することでバイオマスからカルボン酸を生産する方法のフローチャート200を図解する。フローチャート200は、ステップ202で始まる。ステップ204で、バイオマスは、二酸化炭素及びカルボン酸アンモニウム塩を含む発酵培養液を生産するために、発酵させられる。一般に、これは、炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムの緩衝剤を利用する複数の向流式の発酵槽を使用することで、行われる。その次に、複数の発酵槽によって生産された発酵培養液は、ステップ206で脱浮渣される。本発明の特定の実施形態において、これは、浮渣を濾過して取り除く限外濾過膜、又は、浮渣が、その次に濾過して取り除かれることがある沈殿を形成することを引き起こす凝固剤若しくは凝集剤、を使用することで、行われることがある。
その次に、ステップ208で、脱浮渣された発酵培養液は、蒸気圧縮システムのような、脱水するシステムを使用することで、濃縮される。この脱水するシステムは、カルボン酸アンモニウム塩のほぼ飽和した(即ち、おおよそ50%の)溶液へと発酵培養液を濃縮する。その次に、カルボン酸アンモニウム塩のこのほぼ飽和した溶液は、ステップ210で、アミンのカルボン酸塩を生産するために、加熱された、良好に混合させられた反応器において、HMWアミンと反応させられる。この工程の一部として、水及びアンモニアが、また生産される。ステップ214で、この水及びアンモニアが、複数の向流式の発酵槽の内側で発酵の反応を緩衝するために使用されることがある炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムを生産するために、複数の発酵槽から放出して与えられた二酸化炭素と反応させられる。
その次に、ステップ210で生産されたアミンのカルボン酸塩は、ステップ212で、カルボン酸及びHMWアミンを生産するために、反応性の蒸留塔において熱分解させられる。HMWアミンは、塔の下部を出ると共に、ステップ210でカルボン酸アンモニウム塩と反応するために使用されることがある。一方、カルボン酸は、塔の上部を出ると共に、収集されることがある。ステップ216で、フローチャート200は、終わる。
図3は、本発明の別の実施形態と一致した発酵システム300を図解する。発酵システム100(図1)と類似して、発酵システム300は、バイオマスからカルボン酸を生産するために使用されることがある。しかしながら、HMWアミンを利用するのみである、発酵システム100とは違って、発酵システム300は、カルボン酸を生産するために、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、又はエタノールアミンのような、低分子量の(“LMW”)アミンをもまた利用する。
一般に、発酵システム300は、一つの又はより多くの発酵槽302、脱水するシステム306、蒸留塔308、310、及び312、並びに充填されたカラム314を含む。いずれの数の適切な発酵槽の幾何学的形状及び配置も本発明の教示に従って使用されることがあるとはいえ、図3は、新鮮なバイオマスが発酵槽302aの上部へ追加されると共に新鮮な水が発酵槽302dの下部へ追加される、四つの向流式の発酵槽302a−dを含む発酵システム300を図解する。これらの発酵槽302は、図1に関して上に記載された発酵槽102に類似して、動作可能なものである。
発酵槽302aから採取された発酵培養液は、下流の加工に送られる。特定の実施形態において、この発酵培養液は、また、下流の加工するステップにおいて望ましくないものである浮渣を含むことがある。特定の実施形態において、この浮渣は、いずれの適切な方法を使用することでも、取り除かれることがある。例えば、特定の実施形態において、発酵培養液は、カルボン酸のアンモニウム塩が通過することを許容するがしかし浮渣を保持する、分子量のカットオフを有する限外濾過膜304を通じて、ポンプで汲み上げられることがある。他の実施形態において、サトウキビから抽出された糖汁を浄化するために用いられたもののような、凝固剤又は凝集剤が、適切な濾過によって取り除くことが可能なものである沈殿が形成することを引き起こすために、発酵培養液へ追加されることがある。
脱浮渣する方法(もしあれば)にかかわらず、発酵槽302からの発酵培養液は、脱水するシステム306へ通過させられると共に、それは、カルボン酸アンモニウム塩のほぼ飽和した溶液(即ち、約50%)を形成するために培養液から水を取り除く。さまざまな脱水するシステムが、本発明の教示に従って使用されることがあるとはいえ、図3は、蒸気圧縮システムとして脱水するシステム306を図解する。この蒸気圧縮システムは、図1に関して上で議論された脱水するシステム106に類似して作動する。
脱水するシステム306からの濃縮されたカルボン酸アンモニウム塩は、蒸留塔308へ送られるが、そこでは、LMWアミンが、LMWアミンのカルボン酸塩を生産するために、追加されると共に、工程において水及びアンモニアを駆逐する。特定の実施形態において、追加されたLMWアミンは、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、エタノールアミン、又はいずれの他の適切なLMWアミンを含むことがある。特定の実施形態において、LMWアミンは、アミンが、水よりも、より揮発性でないものであるように、約100℃より上の標準状態の沸点を有する水溶性のアミンである。その上、特定の実施形態において、LMWは、可能なアミドの形成を回避することを援助する、第三級のアミンであることがある。選択されたLMWアミンにかかわらず、塔308の上部は、LMWアミンの蒸気の喪失を予防するために、塔へ逆戻りに還流(主として水)を送る部分的な凝縮器を有する。塔308へ逆戻りに送られないアンモニア及び水は、充填されたカラム314へ送られるが、そこでは、それらが、カラムで維持されたpHに依存するが、重炭酸アンモニウム又は炭酸アンモニウムを形成するために、発酵槽302からの二酸化炭素と反応すると共に、それは、発酵槽302において緩衝剤として使用されることがある。特定の実施形態において、この重炭酸アンモニウム又は炭酸アンモニウムは、それが、発酵槽へ送られた水の装填を低減することを援助するために発酵槽302へ送られる前に、濃縮されることがある。
蒸留塔308の下部は、蒸留塔310へ送られるが、そこでは、LMWアミンのカルボン酸塩におけるLMWアミンが、HMWアミンのカルボン酸塩及びLMWアミンを生産するために、HMWアミンと切り替えられる。LMWアミンは、塔310の上部を出ると共に塔308へ再循環させられる。本発明の特定の実施形態において、熱分解又はアミドの形成を回避するために、塔308は、塔の内側の温度を低減するために真空下で動作させられることがある。HMWアミンのカルボン酸塩は、第二の塔の下部を出ると共に反応性の蒸留塔312に入る。
反応性の蒸留塔312の内側で、HMWアミンのカルボン酸塩は、塔の上部から出るものである、カルボン酸、及び、塔の下部から出ると共に蒸留塔310へと再循環させられるものである、HMWアミンを生産するために、熱分解させられる。1気圧では、典型的な分解する温度は、カルボン酸の分子量に依存するが、約150℃から約200℃までである。酸の分子量が、より高いほど、熱分解が起こるために要求された温度が、より高い。
発酵システム300に用いられた工程のより良好な理解は、図4への参照をなすことによって、もたれることがあるが、それは、図3に示された設備を利用することでバイオマスからカルボン酸を生産する方法のフローチャート400を図解する。フローチャート400は、ステップ402で始まる。ステップ404で、バイオマスは、二酸化炭素及びカルボン酸アンモニウム塩を含む発酵培養液を生産するために、発酵させられる。一般に、これは、炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムの緩衝剤を利用する複数の向流式の発酵槽を使用することで、行われる。その次に、複数の発酵槽によって生産された発酵培養液は、ステップ406で脱浮渣される。本発明の特定の実施形態において、これは、浮渣を濾過して取り除く限外濾過膜、又は、浮渣が、その次に濾過して取り除かれることがある沈殿を形成することを引き起こす凝固剤若しくは凝集剤、を使用することで、行われることがある。
その次に、ステップ408で、脱浮渣された発酵培養液は、蒸気圧縮システムのような、脱水するシステムを使用することで、濃縮される。この脱水するシステムは、カルボン酸アンモニウム塩のほぼ飽和した(即ち、おおよそ50%の)溶液へと発酵培養液を濃縮する。その次に、カルボン酸アンモニウム塩のこのほぼ飽和した溶液は、ステップ410で、LMWアミンのカルボン酸塩を生産するために、LMWアミンと反応させられる。この工程の一部として、水及びアンモニアが、また放出して与えられる。この水及びアンモニアは、発酵槽の内側で発酵の反応を緩衝するために使用されることがある炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムを生産するために、ステップ416で発酵槽からの二酸化炭素と反応させられることがある。
その次に、ステップ410からのLMWアミンのカルボン酸塩におけるLMWアミンは、HMWアミンのカルボン酸塩及びLMWアミンを生産するために、ステップ412でHMWアミンと切り替えられる。その次に、このLMWアミンは、ステップ410でより多くのLMWアミンのカルボン酸塩を生産するために、使用されることがある。その次に、HMWアミンのカルボン酸塩は、カルボン酸及びHMWアミンを生産するために、反応性の蒸留塔において熱分解させられる。HMWアミンは、塔の下部を出ると共に、ステップ412でLMWアミンのカルボン酸塩と反応するために使用されることがある。カルボン酸は、蒸留塔の上部を出ると共に、収集されることがある。ステップ418で、フローチャート400は、終わる。
カルボン酸へとバイオマスを転換するものである、システム100(図1)及び300(図3)と違って、本発明の他の実施形態は、アルコール類へとバイオマスを転換するために利用されることがある。図5は、一つのこのような実施形態と一致した発酵システム500を図解する。図5に示されたように、発酵システム500は、一つの又はより多くの発酵槽502、脱水するシステム、蒸留塔508及び512、水素化の反応器510、並びに充填されたカラム514を含む。
いずれの数の適切な発酵槽の幾何学的形状及び配置も本発明の教示に従って使用されることがあるとはいえ、図5は、新鮮なバイオマスが発酵槽502aの上部へ追加されると共に新鮮な水が発酵槽502dの下部へ追加される、四つの向流式の発酵槽502a−dを含む発酵システム500を図解する。発酵培養液は、結局のところ、発酵槽502aから採取される。これらの発酵槽502は、それぞれ、図1及び3に関して上に議論された発酵槽102及び302に類似して、動作可能なものである。
発酵槽502aから採取された発酵培養液は、下流の加工に送られる。特定の実施形態において、この発酵培養液は、また、下流の加工するステップにおいて望ましくないものである浮渣を含むことがある。特定の実施形態において、この浮渣は、いずれの適切な方法を使用することでも、取り除かれることがある。例えば、特定の実施形態において、発酵培養液は、カルボン酸のアンモニウム塩が通過することを許容するがしかし浮渣を保持する、分子量のカットオフを有する限外濾過膜504を通じて、ポンプで汲み上げられることがある。他の実施形態において、サトウキビから抽出された糖汁を浄化するために用いられたもののような、凝固剤又は凝集剤が、濾過によって取り除かれることがある沈殿が形成することを引き起こすために、発酵培養液へ追加されることがある。
発酵槽502からの脱浮渣された発酵培養液は、脱水するシステム506へ通過させられると共に、それは、カルボン酸アンモニウム塩のほぼ飽和した溶液(即ち、約50%)を形成するために培養液から水を取り除く。さまざまな脱水するシステムが、本発明の教示に従って使用されることがあるとはいえ、図5は、図1及び3に関して上で議論された蒸気圧縮システムに類似して作動する、蒸気圧縮システムとして脱水するシステム506を図解する。
脱水するシステム506からの濃縮されたカルボン酸アンモニウム塩は、反応性の蒸留塔508へ送られるが、そこでは、それらが、四つの又はより多くの炭素を有するHMWアルコール類と混合させられる。反応性の蒸留塔508において、カルボン酸アンモニウム塩は、HMWエステルを形成するために、アルコール類と反応すると共に、それは、塔の下部に留まる。典型的には、この反応は、アルカリ性の条件下で操作される。還流は、塔の上部からのHMWアルコール類及びHMWエステルの喪失を低減することを援助する。塔508の上部を出る水及びアンモニアは、充填されたカラム514へ送られるが、そこでは、それらが、カラムで維持されたpHに依存するが、重炭酸アンモニウム又は炭酸アンモニウムを形成するために、発酵槽502からの二酸化炭素と反応させられると共に、それは、発酵槽502における溶液を緩衝するために使用されることがある。HMWエステルは、反応性の蒸留塔508の下部を出ると共に水素化の反応器510へ送られるが、そこでは、それらが、LMW及びHMWのアルコール類へと転換される。水素化を促進するために、本発明の特定の実施形態は、ラネー(Raney)ニッケル、白金、又はパラジウムのような、適切な触媒を用いることがある。これらのアルコール類は、蒸留塔512へ送られるが、そこでは、それらが、分離される。HMWのアルコール類が、塔512の下部を出ると共に反応性の蒸留塔508へ再循環させられるのに対して、LMWアルコール類は、蒸留塔512の上部を出るが、そこでは、それらが、収集されることがある。
発酵システム500に用いられた工程のより良好な理解は、図6への参照をなすことによって、もたれることがあるが、それは、図5に示された設備を利用することでバイオマスからカルボン酸を生産する方法のフローチャート600を図解する。フローチャート600は、ステップ602で始まる。ステップ604で、バイオマスは、二酸化炭素及びカルボン酸アンモニウム塩を含む発酵培養液を生産するために、発酵させられる。一般に、これは、炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムの緩衝剤を利用する複数の向流式の発酵槽を使用することで、行われる。その次に、複数の発酵槽によって生産された発酵培養液は、ステップ606で脱浮渣される。本発明の特定の実施形態において、これは、浮渣を濾過して取り除く限外濾過膜、又は、浮渣が、その次に濾過して取り除かれることがある沈殿を形成することを引き起こす凝固剤若しくは凝集剤、を使用することで、行われることがある。
その次に、ステップ608で、脱浮渣された発酵培養液は、蒸気圧縮システムのような、脱水するシステムを使用することで、濃縮される。この脱水するシステムは、カルボン酸アンモニウム塩のほぼ飽和した(即ち、おおよそ50%の)溶液へと発酵培養液を濃縮する。その次に、カルボン酸アンモニウム塩のこのほぼ飽和した溶液は、ステップ610で、HMWエステルを生産するために、HMWアルコール類と反応させられる。この工程の一部として、水及びアンモニアが、また放出して与えられる。この水及びアンモニアは、発酵槽の内側で発酵の反応を緩衝するために使用されることがある炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムを生産するために、ステップ616で発酵槽からの二酸化炭素と反応させられることがある。
その次に、ステップ610からのHMWアルコール類は、HMWアルコール類及びLMWアルコール類の両方を生産するために、ステップ612で水素化される。その次に、これらのアルコール類は、ステップ614で蒸留塔において分離される。HMWアルコール類は、塔の下部を出ると共に、ステップ610でカルボン酸アンモニウム塩と反応するために使用されることがある。LMWアルコール類は、塔の上部を出ると共に、収集されることがある。ステップ618で、フローチャート600は、終わる。
炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムを使用することで発酵の反応を緩衝することによって、特定の実施形態は、他のシステムを超える顕著な利益を提示することができるものである。例えば、アンモニアが、発酵槽へ直接的に追加されたとすれば、発酵槽の内側のpHは、過剰に高いものになり得ると共にバイオマスを発酵させるために使用された微生物を損傷し得るであろう。加えて、炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムの緩衝剤の使用は、カルシウム塩が熱交換器及び他の設備の表面に集まることがあるところのカルシウムに基づいた緩衝剤のシステムと比較して、発酵培養液の単純化された下流の加工を可能にする。
本発明の方法及び装置の特定の実施形態が、添付する図面において図解され且つ前述の詳細な説明に記載されてきたものであるとはいえ、本発明が、開示された実施形態に限定されるのではなく、後に続く特許請求の範囲によって述べられた且つ定義されたような本発明の主旨を逸脱することなく非常に多数の再配置、変更、及び置換が可能なものであることは、理解されるものと思われる。