JP2009303391A - ディスク型コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】
出力を高めるために流れる電流値を充分に大きく確保できるようにする。
【解決手段】
円板形の絶縁基板1と、絶縁基板1の両面に設けられ端部22,23が絶縁基板1の外周側,内周側に位置されて絶縁基板1の両面に交互に折返すように配置された導体パターン2と、絶縁基板1に穿孔されて導体パターン2の端部22,23を接続するスルーホールとを備えている。導体パターン2は、内周側の端部23が複数の同心円線上に配置され絶縁基板1の径方向に整列されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、扁平タイプの電磁誘導機器のステータ,ロータ等として組込まれるディスク型コイルに係る技術分野に属する。
最近、各種機器の薄性化の傾向から、エッチング,プレス等で導体パターンを形成したディスク型コイルの需要が増大している。然しながら、ディスク型コイルでは、導体パターンが薄性であることから、線材を巻線したコイルよりも流れる電流値が小さくなってしまうという不具合がある。このため、出力を高めるために流れる電流値を大きく確保することのできるディスク型コイルの開発が要望されている。
従来、出力を高めるために流れる電流値を大きく確保することを指向したディスク型コイルとしては、例えば、以下に記載のものが知られている。
特開平1−126142号公報 特許文献1には、円板形(ディスク形)の絶縁基板と、絶縁基板の両面に設けられ端部が絶縁基板の外周側,内周側に位置されて絶縁基板の両面に交互に折返す波形に配置された導体パターンと、絶縁基板に穿孔されて導体パターンの端部を接続するスルーホールとを備えたディスク型コイルが記載されている。
特許文献1に係るディスク型コイルは、絶縁基板の両面を導体パターンの連続した配置面として、導体パターンの配設長を長く確保することで、出力を高めるために流れる電流値を大きく確保しようとするものである。
特許文献1に係るディスク型コイルでは、絶縁基板が円形であることから、配置される導体パターンの内周側の間隔(絶縁ギャップ)が狭くならざるを得なくなるため、導体パターンの幅を内周側へ向けて狭くなるようにして、導体パターンの間隔を一定に保持するように対策している。然しながら、導体パターンを流れる最大電流値が導体パターンの最も狭い幅(厚さが一定であるとすると)に制約されしまうため、出力を高めるために流れる電流値を充分に大きく確保することができないという問題点がある。
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、出力を高めるために流れる電流値を充分に大きく確保することのできるディスク型コイルを提供することを課題とする。
前述の課題を解決するため、本発明に係るディスク型コイルは、特許請求の範囲の各請求項に記載の手段を採用する。
即ち、請求項1では、円板形の絶縁基板と、絶縁基板の両面に設けられ端部が絶縁基板の外周側,内周側に位置されて絶縁基板の両面に交互に折返すように配置された導体パターンと、絶縁基板に穿孔されて導体パターンの端部を接続するスルーホールとを備えたディスク型コイルにおいて、導体パターンは内周側の端部が複数の同心円線上に配置され絶縁基板の径方向に整列されていることを特徴とする。
この手段では、導体パターンの内周側の端部が単一の円線上に配置されるのを避けて径方向へ退避されて整列されることで、配置の密度の高くなる内周側での導体パターンの幅,間隔が一定に保持される。
また、請求項2では、請求項1のディスク型コイルにおいて、スルーホールは導体パターンの端部ごとに複数個設けられていることを特徴とする。
この手段では、スルーホールが複数個設けられることで、スルーホールでの導通面積が拡張される。
また、請求項3では、請求項2のディスク型コイルにおいて、スルーホールは導体パターンの内周側の端部で絶縁基板の径方向に直線的に整列されていることを特徴とする。
この手段では、複数個のスルーホールが絶縁基板の径方向に直線的に整列されることで、導体パターンの周方向への拡張が防止される。
また、請求項4では、請求項2または3のディスク型コイルにおいて、導体パターンは端部が拡張された面積を有していることを特徴とする。
この手段では、導体パターンの端部が拡張された面積を有することで、スルーホールの穿孔による導通面積の減少が補填される。
また、請求項5では、請求項1〜4のいずれかのディスク型コイルにおいて、導体パターンは始端末パターンが接続されたコイル半部と終端末パターンが接続されたコイル半部とが積層され接続パターンで接続されてコイル巻形状を形成し、始端末パターン,終端末パターン,接続パターンは導体パターンの配置から外周側または内周側に引出されていることを特徴とする。
この手段では、導体パターンの2つのコイル半部が積層されてコイル巻形状が形成され、接続のための始端末パターン,終端末パターン,接続パターンが導体パターンの配置から引出されることで、高密度の導体パターンが容易,確実に接続される。
本発明に係るディスク型コイルは、導体パターンの内周側の端部が単一の円線上に配置されるのを避けて径方向へ退避されて整列されることで、配置の密度の高くなる内周側での導体パターンの幅,間隔が一定に保持されるため、出力を高めるために流れる電流値を充分に大きく確保することができる効果がある。
さらに、請求項2として、スルーホールが複数個設けられることで、スルーホールでの導通面積が拡張され、導体パターンを流れる最大電流値のスルーホールでの制約を消失させることができるため、出力を高めるために流れる電流値をより充分に大きく確保することができる効果がある。
さらに、請求項3として、複数個のスルーホールが絶縁基板の径方向に直線的に整列されることで、導体パターンの周方向への拡張が防止されるため、配置の密度の高くなる内周側での導体パターンの幅,間隔がより確実に一定に保持され、出力を高めるために流れる電流値をより充分に大きく確保することができる効果がある。
さらに、請求項4として、導体パターンの端部が拡張された面積を有することで、スルーホールの穿孔による導通面積の減少が補填されるため、出力を高めるために流れる電流値をより充分に大きく確保することができる効果がある。
さらに、請求項5として、導体パターンの2つのコイル半部が積層されてコイル巻形状が形成され、接続のための始端末パターン,終端末パターン,接続パターンが導体パターンの配置から引出されることで、高密度の導体パターンが容易,確実に接続されるため、製造コストが低減される効果がある。
以下、本発明に係るディスク型コイルを実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
この形態では、直流モータのステータとして組込むのに好適なものを示してある。
この形態は、図1,図2に示すように、絶縁基板1,導体パターン2,始端末パターン3,終端末パターン4,接続パターン5,スルーホール6の各部からなる。
絶縁基板1は、絶縁性の合成樹脂材によって穿孔されたほぼ円板形(ディスク形)のドーナッツ板形に形成されたもので、中央部に軸孔11が穿孔され、外周の一部に始端末パターン3,終端末パターン4,接続パターン5が配置される外側へ突出したフランジ部12が形成されている。この絶縁基板1については、単層構造,積層構造のいずれをも選択することができ、硬質性,フレキシブル性のいずれをも選択することができる。
導体パターン2は、銅系,アルミニウム系等の金属材のエッチング技術,プレス技術等によってコイル巻形状に形成されて、絶縁基板1の両面に配置されている。この導体パターン2は、ほぼ直線が屈曲された本体部21の外周側と内周側とに面積が拡張された端部22,23が設けられている。本体部21は、絶縁基板1の外周側から内周側に向けて長さの異なるものが配置されている。外周側の端部22は、絶縁基板1の単一の円線a上に配置され絶縁基板1の周方向に面積が拡張されている。内周側の端部23は、本体部21の異なる長さに対応して複数の同心円線b上に配置され絶縁基板1の径方向cに面積が拡張されて整列されている。なお、絶縁基板1の両面では、導体パターン2が端部22,23で交互に折返すように配置されている。
なお、この導体パターン2は、図3に示すスルーホール6を介して連続したコイル半部2aと、図5に示すスルーホール6を介して連続したコイル半部2bとが積層されて、図6に示すコイル巻形状を形成するようになっている。そして、このコイル巻形状を1単位として3単位が位相して積層されている。
始端末パターン3は、導体パターン2の一方のコイル半部2aの連続の始端末に位置する外周側の端部22に接続されて、絶縁基板1のフランジ部12に引出されている。この始端末パターン3については、導体パターン2と一体的に形成される。
終端末パターン4は、導体パターン2の他方のコイル半部2bの連続の終端末に位置する外周側の端部22に接続されて、絶縁基板1のフランジ部12に引出されている。この終端末パターン4については、導体パターン2と一体的に形成される。
接続パターン5は、導体パターン2の一方のコイル半部2aの連続の終端末に位置する外周側の端部22と、導体パターン2の他方のコイル半部2bの連続の始端末に位置する外周側の端部22とに接続されて、絶縁基板1のフランジ部12に引出されている。この接続パターン5については、導体パターン2と一体的に形成される。
スルーホール6は、図4に示すように、絶縁基板1に穿孔されて電気メッキ等で導体パターン2の端部22,23を接続するもので、導体パターン2の端部22,23ごとに複数個(3個)設けられている。なお、導体パターン2の外周側の端部22では、複数個のスルーホール6が絶縁基板1の単一の円線a上に配置され絶縁基板1の周方向に整列されている。また、導体パターン2の内周側の端部23では、複数個のスルーホール6が絶縁基板1の複数の同心円線b上に配置され絶縁基板1の径方向cに整列されている。
この形態によると、導体パターン2の2つのコイル半部2a,2bが積層されてコイル巻形状が形成され、接続のための始端末パターン3,終端末パターン4,接続パターン5が導体パターン2の配置から引出される。従って、高密度の導体パターン2が容易,確実に接続されるため、安価に製造することができる。
そして、円板形の絶縁基板1において、導体パターン2の内周側の端部23が単一の円線上に配置されるのを避け、導体パターン2の内周側の端部23が複数の同心円線b上に配置され径方向cへ退避されて整列されることで、配置の密度の高くなる内周側での導体パターン2の幅,間隔(絶縁ギャップ)が一定に保持される。従って、出力を高めるために流れる電流値を充分に大きく確保することができる。なお、導体パターン2の幅,間隔が一定に保持されることで、放熱性能が高くなるため、熱による経時的な性能劣化を防止することができる。
また、スルーホール6が導体パターン2の端部22,23ごとに複数個設けられることで、スルーホール6での導通面積が拡張される。従って、導体パターン2を流れる最大電流値のスルーホール6での制約を消失させることができるため、出力を高めるために流れる電流値をより充分に大きく確保することができる。なお、導体パターン2の内周側の端部23では、複数個のスルーホール6が絶縁基板1の径方向cに直線的に整列されることで、導体パターン2の周方向への拡張が防止される。従って、配置の密度の高くなる内周側での導体パターン2の幅,間隔がより確実に一定に保持され、出力を高めるために流れる電流値をより充分に大きく確保することができる。
また、スルーホール6が複数個設けられ導体パターン2の端部22,23が拡張された面積を有することで、スルーホール6の穿孔による導通面積の減少が補填される。従って、出力を高めるために流れる電流値をより充分に大きく確保することができる。なお、導体パターン2の内周側の端部23が面積が絶縁基板1の径方向cに拡張されているため、導体パターン2の幅,間隔を一定に保持することに支障は生じない。
以上、図示した形態の外に、導体パターンを他のコイル巻形状の配置とすることも可能である。
さらに、導体パターン2の2つのコイル半部2a,2bからなるコイル巻形状を2単位または4単位以上とすることも可能である。
さらに、始端末パターン3,終端末パターン4,接続パターン5を絶縁基板1の内周側に引出すことも可能である。
本発明に係るディスク型コイルを実施するための最良の形態の表面図である。 図1の裏面図である。 図1の要部の抽出図である。 図3の拡大された縦断面図である。 図1の他の要部の抽出図である。 図3,図5の組合わせ図である。
符号の説明
1 絶縁基板
2 導体パターン
2a,2b コイル半部
23 端部(内周側の)
3 始端末パターン
4 終端末パターン
5 接続パターン
6 スルーホール

Claims (5)

  1. 円板形の絶縁基板と、絶縁基板の両面に設けられ端部が絶縁基板の外周側,内周側に位置されて絶縁基板の両面に交互に折返すように配置された導体パターンと、絶縁基板に穿孔されて導体パターンの端部を接続するスルーホールとを備えたディスク型コイルにおいて、導体パターンは内周側の端部が複数の同心円線上に配置され絶縁基板の径方向に整列されていることを特徴とするディスク型コイル。
  2. 請求項1のディスク型コイルにおいて、スルーホールは導体パターンの端部ごとに複数個設けられていることを特徴とするディスク型コイル。
  3. 請求項2のディスク型コイルにおいて、スルーホールは導体パターンの内周側の端部で絶縁基板の径方向に直線的に整列されていることを特徴とするディスク型コイル。
  4. 請求項2または3のディスク型コイルにおいて、導体パターンは端部が拡張された面積を有していることを特徴とするディスク型コイル。
  5. 請求項1〜4のいずれかのディスク型コイルにおいて、導体パターンは始端末パターンが接続されたコイル半部と終端末パターンが接続されたコイル半部とが積層され接続パターンで接続されてコイル巻形状を形成し、始端末パターン,終端末パターン,接続パターンは導体パターンの配置から外周側または内周側に引出されていることを特徴とするディスク型コイル。
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