JP2009303311A - 電源装置及び照明器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電源装置100は、入力平滑コンデンサC41、突入電流抑制回路130、トランス160、出力平滑コンデンサC82を有する。トランス160は、一方の端が一次巻線161の一方の端に電気接続したシールド巻線163を有する。突入電流抑制回路130は、シールド巻線163の両端に発生したシールド巻線電圧に基づいて、突入電流の抑制を制御する。
【選択図】図1
Description
また、トランスとスイッチング素子とを利用した回路において、トランスにおける寄生容量の影響により発生するノイズを低減するトランスの構成が知られている。
また、回路から発生するノイズが他の装置に悪影響を及ぼさないようにするため、ノイズの発生を抑える必要がある。特に、スイッチング電源は、外部に放射するノイズを抑えるという課題が必然的に存在し、できるだけ安価な方式で、効果的にノイズを低減することが望まれる。
この発明は、例えば、上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡単な回路構成で、ノイズの発生を抑えるとともに、突入電流抑制回路を正しく動作させることを目的とする。
実施の形態1について、図1〜図4を用いて説明する。
照明器具800は、商用電源などの交流電源ACから電力の供給を受け、光源を点灯する。照明器具800は、電源装置100、LED回路810を有する。
突入電流抑制回路130は、抑制基準端子に対する抑制制御端子の電位に基づいて、抑制出力端子と抑制基準端子との間の電気抵抗値が変化する。電源投入直後、突入電流抑制回路130は、抑制出力端子と抑制基準端子との間の電気抵抗値を大きくすることにより、突入電流を抑制する。その後、入力平滑コンデンサC41が十分に充電されたのち、突入電流抑制回路130は、抑制出力端子と抑制基準端子との間の電気抵抗値を小さくすることにより、突入電流抑制回路130における無駄な電力消費を抑える。なお、突入電流抑制回路130の詳細については、後述する。
また、スイッチング回路150は、出力検出回路190が検出したLED回路810を流れる負荷電流に基づいて、スイッチをオンオフする周波数やデューティ比を変化させることにより、トランス160の二次側に伝達されるエネルギーを調整し、負荷電流が一定になるよう制御する。
なお、この例では負荷がLED回路810なので、負荷電流を制御しているが、スイッチング回路150は、負荷電圧が一定になるよう制御する構成としてもよい。
トランス160は、一次巻線161、二次巻線162、シールド巻線163に加えて、鉄芯170、トランス第一端子171、トランス第二端子172、トランス第三端子173、トランス第四端子174、トランス第五端子175を有する。
二次巻線162(二次側巻線)は、一方の端がトランス第四端子174に電気接続し、他方の端がトランス第五端子175に電気接続した導線である。二次巻線162は、トランス第四端子174に接続した側を巻き始めとして、鉄芯170に巻付けられている。
シールド巻線163は、一方の端がトランス第二端子172に電気接続し、他方の端がトランス第一端子171に電気接続した導線である。シールド巻線163は、トランス第二端子172に接続した側を巻き始めとして、鉄芯170に巻付けられている。シールド巻線163の巻き数は、例えば、40ターン程度である。
シールド巻線163は、三つの巻線のうち一番内側に巻付けられている。シールド巻線163は、鉄芯170の巻付け位置いっぱい(ボビンの端から端まで)に、一層をなすように巻付けられている。例えば、鉄芯170がEE19であり、シールド巻線163がφ0.2mmのウレタン線(UEW線)である場合、ほぼ40ターンほどで、巻付け位置いっぱいに巻付けることができる。巻き数をもっと多くしたい場合は、もっと細い線を使用してもよい。逆に、巻き数をもっと少なくしたい場合は、もっと太い線を使用してもよい。
一次巻線161は、鉄芯170にシールド巻線163を巻付けたその上に、巻付けられている。二次巻線162は、鉄芯170に更に一次巻線161を巻付けたその上に、巻付けられている。
突入電流抑制回路130は、限流素子R31、スイッチング素子T32、整流素子D33、分圧回路135を有する。
スイッチング素子T32は、三つの端子(以下それぞれ「スイッチ陽極端子」「スイッチ陰極端子」「スイッチ制御端子」と呼ぶ。)を有する。スイッチング素子T32は、スイッチ制御端子に対するスイッチ陰極端子の電位(以下「スイッチ制御電圧」と呼ぶ。)が所定の閾値電圧(例えば0.6V)以上になると、スイッチ陽極端子とスイッチ陰極端子との間が導通し、スイッチ陽極端子からスイッチ陰極端子へ向かう電流(以下「スイッチ電流」と呼ぶ。)が流れる。スイッチング素子T32には、保持作用があり、その後、スイッチ制御電圧が所定の閾値電位より低くなっても、何らかのトリガが発生するまで、導通状態を維持する。スイッチング素子T32は、例えば、スイッチ電流が所定の保持電流を下回ったことをトリガとして、スイッチ陽極端子とスイッチ陰極端子との間を絶縁する。スイッチング素子T32は、例えばサイリスタである。スイッチング素子T32は、スイッチ陽極端子が抑制出力端子に電気接続し、スイッチ陰極端子が抑制基準端子に電気接続している。すなわち、スイッチング素子T32をオンにすることにより、限流素子R31を短絡し、整流回路120が生成した脈流電圧を入力平滑コンデンサC41に直接印加することができる。電源投入直後は、スイッチング素子T32をオフにして、限流素子R31の効果により、突入電流を抑制し、その後、スイッチング素子T32をオンにすることにより、限流素子R31を短絡し、無駄な電力消費を抑える。
整流素子D33(逆流防止ダイオード)は、整流陽極端子と整流陰極端子とを有し、整流作用を有する。整流素子D33は、例えば、半導体ダイオードである。整流陽極端子は、抑制制御端子に電気接続している。整流素子D33は、抑制制御端子の電位が抑制基準端子の電位より低くなった場合に、スイッチング素子T32に逆電圧が印加されるのを防ぐ。
分圧回路135は、三つの端子(以下それぞれ「分圧基準端子」「分圧入力端子」「分圧出力端子」と呼ぶ。)を有する。分圧回路135は、分圧基準端子に対する分圧入力端子の電位を入力し、入力した電圧を抵抗分圧して、入力した電圧に比例する電圧を生成し、生成した電圧を分圧基準端子に対する分圧出力端子の電位として出力する。分圧回路135は、例えば直列接続した抵抗R36および抵抗R37である。分圧回路135は、分圧基準端子が抑制基準端子に電気接続し、分圧入力端子が整流素子D33の整流陰極端子に電気接続し、分圧出力端子がスイッチング素子T32のスイッチ制御端子に電気接続している。分圧回路135は、抑制制御端子が入力した電圧(例えば50V)を分圧して電圧レベルを下げ、スイッチング素子T32の抑制制御端子に過電圧が加わるのを防ぐ。
二次電圧が負なので、整流素子D81の整流作用により、トランス160の二次電流(二次巻線162に流れる電流をいう。二次電流の符号は、二次電流がトランス第五端子175から二次巻線162に入りトランス第四端子174から出てくる場合を正とする。)は0になる。また、トランス160の一次電流(一次巻線161を流れる電流をいう。一次電流の符号は、一次電流がトランス第二端子172から一次巻線161に入りトランス第三端子173から出てくる場合を正とする。)は、トランス160のリアクタンスによる限流作用により、ほぼ一定の傾きで徐々に増加する。
シールド巻線電圧が正なので、突入電流抑制回路130の整流素子D33はオンになり、突入電流抑制回路130のスイッチ制御電圧は、シールド巻線電圧に比例した電圧となる。すなわち、スイッチ制御電圧は、入力平滑コンデンサC41に充電された電圧vC41に比例する。スイッチ制御電圧が所定の閾値電圧以上であれば、スイッチング素子T32がオンになる。したがって、電源投入直後、入力平滑コンデンサC41がまだ十分に充電されていない場合は、スイッチング素子T32がオフになり、入力平滑コンデンサC41が十分に充電されると、スイッチング素子T32がオンになる。
シールド巻線電圧が負なので、突入電流抑制回路130の整流素子D33はオフになり、突入電流抑制回路130のスイッチ制御電圧は、ほぼ0になり、所定の閾値電圧を下回る。しかし、スイッチング素子T32の保持作用により、スイッチング素子T32は、オン状態を維持する。
トランス160のリアクタンスによる限流作用により、二次電流は、ほぼ一定の傾きで徐々に減少する。
スイッチング素子T32がオンになる閾値電圧が約0.6Vであり、分圧回路135の分圧比が例えば20:1であるとすると、入力平滑コンデンサC41が十分充電されたとき、シールド巻線電圧が30V以上になる必要がある。例えば、一次巻線161とシールド巻線163との巻き数比が5:2であれば、一次電圧が130Vのとき、シールド巻線電圧は130×2/5=52Vとなり、突入電流抑制回路130が動作する。
シールド巻線電圧が負の場合は、整流素子D33がカットするので、突入電流抑制回路130は、フライバック電圧vFBと無関係に動作する。したがって、設計段階において、フライバック電圧vFBを考慮する必要がなく、突入電流抑制回路130を簡単な構成で実現することができる。
この実施の形態における電源装置100は、一次巻線161や二次巻線162から寄生容量を介して鉄芯170に流れる電流を打ち消す電流が、シールド巻線163から寄生容量を介して鉄芯170に流れ、鉄芯170にノイズが蓄積しないので、外部に漏れるノイズを抑えることができる。
この実施の形態におけるシールド巻線163は、一番内側に巻付けられているので、一次巻線161や二次巻線162よりも、鉄芯170との距離が近く、シールド巻線163と鉄芯170との間の寄生容量が大きい。このため、一次巻線161や二次巻線162から寄生容量を介して流れる電流を打ち消す電流を発生させるために必要なシールド巻線163の巻き数が少なくてよい。したがって、突入電流抑制回路130における消費電力を抑えることができる。
また、シールド巻線163が一層をなすように巻付けられているので、一次巻線161と鉄芯170との間の距離を確保でき、一次巻線161と鉄芯170との間の寄生容量を小さくすることができる。このため、シールド巻線163の巻き数は、更に少なくてよい。
図6は、参考例として、シールド巻線163を半分までしか巻かなかった場合において、交流電源AC側に漏れ出すノイズの実験結果を示す周波数特性図である。
図5及び図6において、横軸はノイズの周波数(Hz)を示し、縦軸はノイズのレベル(dB)を示す。
このグラフによれば、シールド巻線163を半分までしか巻かなかった場合と比較して、シールド巻線163を一層をなすように巻いた場合のほうが、周波数帯域aにおけるノイズレベルが低減していることがわかる。
このように、シールド巻線163(共用巻線)が、ノイズを低減する機能と、トリガ信号を取り出す機能との二つの機能を合わせ持つことにより、個別に対策回路を設ける場合と比較して、電源装置100の回路構成を簡略化することができ、電源装置100の部品数を削減し、電源装置100の製造コストを抑えることができる。
これにより、低コストかつ信頼性の高い照明器具800を製造することができる。
実施の形態2について、図7〜図8を用いて説明する。
この実施の形態における照明器具800の構成は、実施の形態1で説明したものと同様なので、説明を省略する。
この例において、トランス160の鉄芯170には、内側から順に、一次巻線161、二次巻線162、シールド巻線163が巻付けられている。
このように、シールド巻線163を、三つの巻線(一次巻線161、二次巻線162、シールド巻線163)のうち一番外側に巻くことにより、鉄芯170から放射される放射ノイズを低減することができる。
この例において、トランス160の鉄芯170には、内側から順に、一次巻線161、シールド巻線163、二次巻線162が巻付けられている。
このように、シールド巻線163を、一次巻線161と二次巻線162との間に巻くことにより、電源装置100の一次側で発生したノイズと、電源装置100の二次側で発生したノイズとを分離することができる。
一次側ノイズと二次側ノイズとを分離することができ、ノイズの乗畳によるノイズレベルの上昇を抑えることができる。
実施の形態3について、図9〜図10を用いて説明する。
なお、実施の形態1で説明した照明器具800と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
実施の形態1で説明した機能ブロックに加えて、照明器具800は、保護検出回路195を有する。また、トランス160は、更に、バイアス巻線164を有する。
これにより、一次巻線161から寄生容量を介して流れる電流と、二次巻線162から寄生容量を介して流れる電流とが逆相となり、互いに打ち消し合うので、シールド巻線163から寄生容量を介して流す電流が小さくてよく、シールド巻線163の巻き数を少なくすることができる。
なお、実施の形態1と同様の順序で、整流素子D81と出力平滑コンデンサC82とを接続してもよい。
この例において、トランス160の鉄芯170には、内側から順に、シールド巻線163、一次巻線161、バイアス巻線164、二次巻線162が巻付けられている。
このように、鉄芯170に巻付けられている巻線が、一次巻線161、二次巻線162、シールド巻線163以外にある場合において、第四の巻線(バイアス巻線164)を一次巻線161と二次巻線162との間に巻くことにより、実施の形態1で説明したシールド巻線163の効果と、実施の形態2で説明したシールド巻線163の効果を両方を享受することができる。すなわち、電源線から外部に漏れるノイズを低減するとともに、電源装置100の一次側で発生したノイズと、二次側で発生したノイズとを分離することができる。
この例において、トランス160の鉄芯170には、内側から順に、バイアス巻線164、一次巻線161、二次巻線162、シールド巻線163が巻付けられている。このように、実施の形態1で説明したシールド巻線163の代わりにバイアス巻線164を一番内側に巻き、実施の形態2で説明したのと同様にシールド巻線163を一番外側に巻くことにより、電源線から外部に漏れるノイズを低減するとともに、外部の回路にカップリングされるノイズを低減することができる。
この例において、トランス160の鉄芯170には、内側から順に、一次巻線161、バイアス巻線164、二次巻線162、シールド巻線163が巻付けられている。
このように、実施の形態2で説明した2種類のシールド巻線163のうち、一方をバイアス巻線164で代用し、他方をシールド巻線163とすることにより、外部に放射されるノイズを低減するとともに、電源装置100の一次側で発生したノイズと、二次側で発生したノイズとを分離することができる。
Claims (8)
- 入力平滑コンデンサと、上記入力平滑コンデンサに流れる突入電流を抑制する突入電流抑制回路と、上記入力平滑コンデンサに充電された入力平滑電圧を一次巻線に印加されるトランスと、上記トランスの二次巻線に発生した二次電圧により充電される出力平滑コンデンサとを有する電源装置において、
上記トランスは、一方の端が上記一次巻線の一方の端に電気接続したシールド巻線を有し、
上記突入電流抑制回路は、上記シールド巻線の両端に発生したシールド巻線電圧に基づいて、上記突入電流の抑制を制御することを特徴とする電源装置。 - 上記トランスのシールド巻線は、上記シールド巻線と上記一次巻線と上記二次巻線とのうちで最も内側に巻かれていることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
- 上記トランスのシールド巻線は、上記シールド巻線と上記一次巻線と上記二次巻線とのうちで最も外側に巻かれていることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
- 上記トランスのシールド巻線は、上記一次巻線と上記二次巻線との間に巻かれていることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
- 上記トランスは、鉄芯を有し、上記トランスのシールド巻線は、上記鉄芯に一層に巻かれていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電源装置。
- 上記突入電流抑制回路は、上記入力平滑コンデンサと直列に電気接続された限流素子と、上記限流素子と並列に電気接続され、上記シールド巻線電圧が所定の電圧より高くなった場合に導通するスイッチング素子とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電源装置。
- 上記突入電流抑制回路は、上記シールド巻線電圧を半波整流する整流素子と、上記整流素子が整流した電圧を抵抗分圧する分圧回路とを有し、
上記スイッチング素子は、上記分圧回路が抵抗分圧した電圧が所定の電圧より高くなった場合に導通することを特徴とする請求項6に記載の電源装置。 - 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の電源装置を有し、上記出力平滑コンデンサに充電された電圧により、光源を点灯することを特徴とする照明器具。
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