以下に述べる実施の形態について、図面を参照して以下に説明する。ただし、開示される発明は以下の説明に限定されるものではない。開示される発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解されるからである。したがって、開示される発明は以下に示す実施の形態の記載内容のみに限定して解釈されるものではない。なお、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。また、同様のものを指す際にはハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、薄膜トランジスタの形態の一例について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態にかかる薄膜トランジスタの上面図及び断面図を示す。図1(A)薄膜トランジスタは、基板100上にゲート電極層102を有し、ゲート電極層102を覆ってゲート絶縁層104を有し、ゲート絶縁層104上に接して半導体層106を有し、半導体層106上にバッファ層108を有し、バッファ層108上の一部に接してソース領域及びドレイン領域110を有する。また、ソース領域及びドレイン領域110上に接して配線層112を有する。配線層112はソース電極及びドレイン電極を構成する。配線層112上には、保護膜として機能する絶縁層114を有する。また、各層は所望の形状にパターン形成されている。
なお、図1に示す薄膜トランジスタは、液晶表示装置や発光装置等に代表される表示装置の画素部に設けられる画素トランジスタに適用することができる。そのため、図示した例では、絶縁層114に開口部が設けられ、絶縁層114上に画素電極層116が設けられ、画素電極層116と配線層112の一方とが接続されている。
また、ソース電極及びドレイン電極の一方は、U字型(またはコの字型、馬蹄型)の形状で設けられ、これがソース電極及びドレイン電極の他方を囲い込んでいる。ソース電極とドレイン電極との距離はほぼ一定に保たれている(図1(B)参照)。
薄膜トランジスタを上記した形状とすることで、該薄膜トランジスタのチャネル幅を大きくすることができ、電流量が増大する。また、電気的特性のばらつきを低減することができる。更には、作製工程におけるマスクパターンのずれによる信頼性の低下を抑制することができる。ただし、本実施の形態はこれに限定されず、ソース電極及びドレイン電極の一方は必ずしもU字型でなくともよい。
ここで、本実施の形態の主要な特徴の一つである半導体層106について説明する。半導体層106は、非晶質半導体層または微結晶半導体層であり、代表的には薄膜トランジスタのチャネル形成領域として用いることができる。また、半導体層106において、複数の半導体層と当該半導体層の間を結合するNH基とを有する。この様子を図2に示す。
半導体層106は、複数の半導体層121a、121b、及び当該半導体層121a、121bの間に設けられ、各半導体層121a、121bの表面におけるダングリングボンドを架橋するNH基が形成される領域123を有する。半導体層121a、121bは、非晶質半導体または微結晶半導体で形成される。
図2(A)に示すように、半導体層121a、121bと、各半導体層121a、121bの表面におけるダングリングボンドを架橋するNH基が形成される領域123が層状に順に積層されていてもよい。
また、図2(B)に示すように、半導体層121a、121bと、各半導体層121a、121bの表面におけるダングリングボンドを架橋するNH基が形成される領域123が部分的に形成されていてもよい。当該半導体層においても、部分的に半導体層のダングリングボンド125を有するが、半導体層106としては、各半導体層121a、121bのダングリングボンドが、NH基が形成される領域123で架橋された領域が厚さ方向につながっている領域127があればよい。
ここで、半導体層がシリコン層の場合における、半導体層121a及び半導体層121bの界面における結合の概念図を、図2(C)に示す。半導体層121aの表面におけるシリコン原子にNH基の結合手の一が結合される。また、NH基の結合手の二に半導体層121bのシリコン原子が結合される。この結果、半導体層121a、及び半導体層121bの間においては、2つのシリコン原子をNH基が架橋している。また、半導体層121a、及び半導体層121bの間にNH基を有する領域123(層)が形成される。
ここで、半導体層において、窒素、代表的にはNH基が、シリコン原子のダングリングボンドと結合すると、キャリアが流れやすくなるモデルについて、以下に示す。
図17に示すように、Si原子のダングリングボンドがH原子で終端された結晶粒界192を有するシリコン層において、ダングリングボンドの一つがNH基194で架橋されたモデルとのそれぞれにおいて、n型キャリアの移動する準位(即ち、伝導帯における最低準位)であるシリコン層のLUMO(最低非占有軌道)のシミュレーションを行った。シミュレーション用のソフトウェアとしては、密度汎関数理論を用いた第1原理計算ソフトウェアを用いている。なお、図17において、NH基194は窒素原子195及び水素原子191bで示している。また、線の交点はシリコン原子を示し、線はシリコン原子の結合手を示している。さらに、NH基の有効性を評価するため、NH基で架橋されたダングリングボンド以外のダングリングボンドは、全て水素原子で終端した。
モデルを用いて行った計算の結果について図18に示す。
図17においては、Si原子をNH基で架橋した領域及びその周辺における波動関数の形状を示しており、領域198及び領域199は、それぞれは位相が正または負であり、且つ絶対値が等しい領域を示している。
図18から、Si原子のダングリングボンドをNH基で架橋した場合は、異なるSi原子間において波動関数の絶対値及び位相が等しい領域198が、隣接するダングリングボンドの両方に繋がっているため、キャリアが流れやすくなっていることがわかる。即ち、シリコン層中にNH基が含まれていると、結晶粒界においてキャリアの移動を促進する結合ができ、シリコン層の移動度が上昇することがわかる。また、薄膜トランジスタの移動度が上昇すると考えられる。
半導体層のダングリングボンドは、欠陥であり、キャリアの移動を妨げてしまう。しかしながら、ダングリングボンドをNH基で架橋することにより、当該結合がキャリアの移動経路となる。また、従来の微結晶半導体層の場合、結晶粒は半導体層の厚さ方向に成長し、結晶粒界がキャリアの移動の障壁となり、キャリアの移動が阻害される。しかしながら、各半導体層のダングリングボンドをNH基で架橋することにより、厚さ方向における結晶粒界が低減し、欠陥準位を低減することが可能である。また、半導体層の電気伝導度が上昇する。この結果、当該半導体層を薄膜トランジスタのチャネル形成領域に用いることで、薄膜トランジスタのオン電流及び電界効果移動度を向上させることができる。
なお、ここで酸素等の不純物元素は、シリコン中にあってキャリアトラップを生成してシリコンの配位数を減らし、ダングリングボンドを生成する。このため、このような不純物元素(例えば2配位の酸素のような不純物元素)の濃度は低減させる。従って、酸素濃度を低減させるとよい。具体的には、酸素については二次イオン質量分析法によって計測される濃度を5×1018cm−3以下とするとよい。
また、窒素の濃度は、半導体性を保つ濃度であり、且つ電気伝導度が上昇する範囲であることが好ましい。窒素の濃度が高すぎると、半導体性が低下し、絶縁性が増してしまい、チャネル形成領域として機能しない。また、窒素の濃度が低すぎると、従来の非晶質半導体層や微結晶半導体層と同様となり、電気伝導度が上昇しない。
また、本実施の形態では、半導体層の作製方法において、厚さの薄い半導体層を形成した後、その表面をプラズマ処理し、再度厚さの薄い半導体層を形成することを繰り返す。ここでは、半導体層のプラズマ処理において、半導体層表面にNH基を結合させることが重要である。半導体層の表面のダングリングボンドをNH基が有する一つの結合手で終端した後、半導体層を形成することで、NH基が有するもう一つの結合手と、第2の半導体層のダングリングボンドが結合し、欠陥準位を低減することができる。また、当該半導体層をチャネル形成領域に用いることで、薄膜トランジスタの電界効果移動度及びオン電流を上昇させることができる。
また、半導体層106上にはバッファ層108を有する。バッファ層108を有することにより、半導体層106に微結晶半導体層を形成した薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。
次に、図1に示す薄膜トランジスタの作製方法について説明する。薄膜トランジスタではp型よりもn型の方が、キャリアの移動度が高い。また、同一の基板上に形成する薄膜トランジスタを全て同じ極性に統一すると、工程数を抑えることができ、好ましい。そのため、本実施の形態では、n型の薄膜トランジスタの作製方法について説明する。
まず、基板100上にゲート電極層102し、ゲート電極層102上にゲート絶縁層104を形成する(図3(A)を参照)。
基板100としては、ガラス基板、セラミック基板の他、本作製工程の処理温度に耐えうる程度の耐熱性を有するプラスチック基板等を用いることができる。また、基板に透光性を要しない場合には、ステンレス合金等の金属の基板の表面に絶縁層を設けたものを用いてもよい。ガラス基板としては、例えば、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス若しくはアルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板を用いるとよい。基板100がマザーガラスの場合には、第1世代(例えば、320mm×400mm)から第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(例えば、2200mm×2400mm)のものを用いることができるのみならず、第9世代(例えば、2400mm×2800mm)、第10世代(例えば、2950mm×3400mm)のものをも用いることができる。
ゲート電極層102は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層でまたは積層して形成することができる。アルミニウムを用いる場合には、タンタルを添加して合金化したアルミニウム−タンタル合金を用いるとヒロックが抑制されるため、好ましい。また、ネオジムを添加して合金化したアルミニウム−ネオジム合金を用いると、抵抗を低減しつつヒロックを抑制ことができるため、更に好ましい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体層やAgPdCu合金を用いてもよい。例えば、アルミニウム層上にモリブデン層が積層された二層の積層構造、または銅層上にモリブデン層を積層した二層構造、または銅層上に窒化チタン層若しくは窒化タンタルを積層した二層構造とすることが好ましい。電気的抵抗が低い層上にバリア層として機能する金属層が積層されることで、電気的抵抗が低く、且つ金属層から半導体層への金属元素の拡散を防止することができる。または、窒化チタン層とモリブデン層とから構成される二層の積層構造、または厚さ50nmのタングステン層と厚さ500nmのアルミニウムとシリコンの合金からなる層と厚さ30nmの窒化チタン層とを積層した三層の積層構造としてもよい。また、三層の積層構造とする場合には、第1の導電層のタングステンに代えて窒化タングステンを用いてもよいし、第2の導電層のアルミニウムとシリコンの合金からなる層に代えてアルミニウムとチタンの合金からなる層を用いてもよいし、第3の導電層の窒化チタン層に代えてチタン層を用いてもよい。例えば、アルミニウム−ネオジム合金からなる層上にモリブデン層を積層して形成すると、耐熱性に優れ、且つ電気的に低抵抗な導電層を形成することができる。
ゲート電極層102は、基板100上に、スパッタリング法または真空蒸着法を用いて上記した材料により導電層を形成し、該導電層上にフォトリソグラフィ法またはインクジェット法等によりマスクを形成し、該マスクを用いて導電層をエッチングして形成することができる。また、銀、金または銅等の導電性ナノペーストをインクジェット法により基板上に吐出し、焼成することで形成することもできる。なお、ゲート電極層102と、基板100との密着性向上及び下地への拡散を防ぐバリアメタルとして、上記の金属材料の窒化物層を、基板100と、ゲート電極層102との間に設けてもよい。ここでは、基板100上に導電層を形成し、フォトマスクを用いて形成したレジストマスクによりエッチングする。
なお、ゲート電極層102の側面は、テーパー形状することで、ゲート電極層102上に形成される半導体層及び配線層の段差の箇所における形成不良を低減できるため好ましい。ゲート電極層102の側面をテーパー形状にするためには、レジストマスクを後退させつつエッチングを行えばよい。例えば、エッチングガスに酸素ガスを含ませることでレジストを後退させつつエッチングを行うことが可能である。
また、ゲート電極層102を形成する工程によりゲート配線(走査線)も同時に形成することができる。更には、画素部が有する容量線も同時に形成することができる。なお、走査線とは画素を選択する配線をいい、容量線とは画素の保持容量の一方の電極に接続された配線をいう。ただし、これに限定されず、ゲート配線及び容量配線の一方または双方と、ゲート電極層102とは別に設けてもよい。
ゲート絶縁層104は、CVD法またはスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層または窒化酸化シリコン層を単層でまたは積層して形成することができる。また、ゲート絶縁層104は、CVD法を用いて形成する場合、1MHzから20MHz、代表的には13.56MHzの高周波電力、または20MHzより大きく120MHz程度までの高周波電力、代表的には27.12MHz、60MHzの高周波電力を用いたプラズマCVD法を用いて形成することができる。また、ゲート絶縁層104は、高周波数(1GHz程度)のマイクロ波プラズマCVD装置を用いて形成することができる。マイクロ波プラズマCVD装置を用いてゲート絶縁層104を形成すると、ゲート電極と、ドレイン電極及びソース電極との間の耐圧を向上させることができるため、信頼性の高い薄膜トランジスタを得ることができる。また、ゲート絶縁層104を酸化窒化シリコンにより形成することで、トランジスタの閾値電圧の変動を抑制することができる。
なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものであって、好ましくは、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)及び水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が50〜70原子%、窒素が0.5〜15原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が0.1〜10原子%の範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、好ましくは、RBS及びHFSを用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が5〜30原子%、窒素が20〜55原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が10〜30原子%の範囲で含まれるものをいう。ただし、酸化窒化シリコンまたは窒化酸化シリコンを構成する原子の合計を100原子%としたとき、窒素、酸素、シリコン及び水素の含有比率が上記の範囲内に含まれるものとする。
なお、ゲート絶縁層104を窒化シリコン層により形成した場合には、ゲート絶縁層104上に薄い酸化窒化シリコン層を設けることで、薄膜トランジスタの動作初期に発生する劣化を抑制することができる。ここで、酸化窒化シリコン層は極薄く形成すればよく、1nm以上であればよい。好ましくは1nm以上3nm以下とする。
次に、半導体層105の形成方法について説明する。半導体層105は、2nm以上60nm以下、好ましくは10nm以上30nm以下の厚さで形成するとよい。
ゲート絶縁層104上に厚さの薄い半導体層103を形成する。半導体層103は、膜状になりうる厚さで形成することが好ましく、5nm〜10nmの厚さで形成する(図3(B)参照)。次に、半導体層103の表面のダングリングボンドにNH基を結合させる(図3(C)参照)。次に、上記工程を繰り返して、半導体層105を形成する(図4(A)参照)。
半導体層103の表面のダングリングボンドにNH基を結合させる方法としては、処理室内に窒素を含むガスを導入し、CVD法により、半導体層103の表面のダングリングボンドにNH基を結合することができる。CVD法としては、熱プラズマCVD法、高周波プラズマCVD法、マイクロ波プラズマCVD法、アトミックレイヤーCVD法、Cat−CVD等がある。
窒素を含むガスとして、アンモニア、クロロアミン、フルオロアミン等のNH結合を有するガスを用いる場合は、処理室内にアンモニア、クロロアミン、フルオロアミン等のNH結合を有するガスを導入し、CVD法により窒素を含むガスを分解し、半導体層103の表面のダングリングボンドにNH基を結合させる。なお、アンモニア、クロロアミン、フルオロアミン等のNH結合を有するガスのほかに、水素、希ガス等を処理室に導入しても良い。
窒素を含むガスとして窒素ガスを用いる場合は、窒素ガスの他水素も処理室内に導入し、CVD法により、窒素ガス及び水素ガスを反応させて形成したNH基を半導体層103の表面のダングリングボンドに結合させる。
また、半導体層103の表面のダングリングボンドにNH基を結合させる方法としては、半導体層103の表面を希ガスを用いたプラズマに曝して、ダングリングボンドを多数形成した後、処理室内に、窒素を含むガスを導入する。希ガスを用いたプラズマが半導体層103に曝されると、半導体層103の表面の反応性が高くなるため、処理室に窒素を含むガス(代表的には、アンモニア、クロロアミン、フルオロアミン等)を導入ことで、ダングリングボンドにNH基を結合させることができる。
なお、本実施の形態では、上記半導体層103の表面のダングリングボンドにNH基を結合させる手段の一を用いてもよいし、これらを組み合わせて用いてもよい。
ここで、ゲート絶縁層104、半導体層105、バッファ層107、及び一導電型を付与する不純物元素を含む半導体層の代表例であるドナーとなる不純物元素を含む半導体層109の形成の一例について詳細に説明する。これらの層はCVD法等を用いて形成する。また、ゲート絶縁層104は、窒化シリコン層上に酸化窒化シリコン層を設けた積層構造とする。このような構造とすることで、窒化シリコン層により基板中に含まれる電気的特性に影響を及ぼす元素(基板がガラスである場合にはナトリウム等の元素)が、半導体層106等に侵入することを防止することができる。はじめに、これらを形成するに際して用いるCVD装置の模式図を、図6を用いて示す。
図6に示すプラズマCVD装置161は、ガス供給手段150及び排気手段151に接続されている。
図6に示すプラズマCVD装置161は、処理室141と、ステージ142と、ガス供給部143と、シャワープレート144と、排気口145と、上部電極146と、下部電極147と、交流電源148と、温度制御部149と、を具備する。
処理室141は剛性のある素材で形成され、内部を真空排気できるように構成されている。処理室141には、上部電極146と下部電極147が備えられている。なお、図12では、容量結合型(平行平板型)の構成を示しているが、異なる二以上の高周波電力を印加して処理室141の内部にプラズマを生成できるものであれば、誘導結合型など他の構成を適用してもよい。
図6に示すプラズマCVD装置により処理を行う際には、所定のガスをガス供給部143から供給する。供給されたガスは、シャワープレート144を通って、処理室141に導入される。上部電極146と下部電極147に接続された交流電源148により、高周波電力が印加されて処理室141内のガスが励起され、プラズマが生成される。また、真空ポンプに接続された排気口145によって、処理室141内のガスが排気されている。また、温度制御部149によって、被処理物を加熱しながらプラズマ処理することができる。
ガス供給手段150は、反応ガスが充填されるシリンダ152、圧力調整弁153、ストップバルブ154、マスフローコントローラ155などで構成されている。処理室141内において、上部電極146と基板100との間には板状に加工され、複数の細孔が設けられたシャワープレートを有する。上部電極146に供給される反応ガスは、内部の中空構造を経て、この細孔から処理室141内に供給される。
処理室141に接続される排気手段151には、真空排気と、反応ガスを流す場合において処理室141内を所定の圧力に保持するように制御する機能が含まれている。排気手段151の構成としては、バタフライバルブ156、コンダクタンスバルブ157、ターボ分子ポンプ158、ドライポンプ159などが含まれる。バタフライバルブ156とコンダクタンスバルブ157を並列に配置する場合には、バタフライバルブ156を閉じてコンダクタンスバルブ157を動作させることで、反応ガスの排気速度を制御して処理室141の圧力を所定の範囲に保つことができる。また、コンダクタンスの大きいバタフライバルブ156を開くことで高真空排気が可能となる。
なお、処理室141を10−5Paよりも低い圧力まで超高真空排気する場合には、クライオポンプ160を併用することが好ましい。その他、到達真空度として超高真空まで排気する場合には、処理室141の内壁を鏡面加工し、内壁からのガス放出を低減するためにベーキング用のヒータを設けても良い。
なお、図6に示すように、処理室141の全体を覆って層が形成(被着)されるようにプレコート処理を行うと、処理室(チャンバー)内壁に付着した不純物元素、または処理室(チャンバー)内壁を構成する不純物元素が素子に混入することを防止することができる。本実施の形態では、プレコート処理はシリコンを主成分とする層を形成すればよく、例えば、非晶質シリコン等を形成すればよい。ただし、この層には酸素が含まれないことが好ましい。
次に、ゲート絶縁層104、半導体層106、バッファ層107、及びドナーとなる不純物元素を含むの形成の一形態について詳細に説明する。
(ガス置換及びゲート絶縁層104である窒化シリコン層及び酸化窒化シリコン層の形成)
まず、ゲート電極層102が形成された基板をCVD装置の処理室141内にて加熱し、窒化シリコン層を形成する。ここでは、窒化シリコン層の堆積に用いる材料ガスを処理室141内に導入する。ここでは、一例として、SiH4の流量を40sccm、H2の流量を500sccm、N2の流量を550sccm、NH3の流量を140sccmとして材料ガスを導入して安定させ、処理室141内の圧力を100Pa、基板の温度を280℃とし、370Wの出力によりプラズマ放電を行うことで、約110nmの窒化シリコン層を形成する。その後、SiH4の導入のみを停止して数秒後にプラズマの放電を停止させる。処理室内にSiH4が存在する状態でプラズマの放電を停止させると、シリコンを主成分とする粒状物または粉状物が形成され、歩留まりを低下させる原因となるためである。なお、窒化シリコン層形成において、窒化シリコン層の堆積に用いる材料ガスとして、N2またはNH3の一方を少なくとも用いればよい。
次に、窒化シリコン層の堆積に用いた材料ガスを排気し、酸化窒化シリコン層の堆積に用いる材料ガスを処理室141内に導入する。ここでは、一例として、SiH4の流量を30sccm、N2Oの流量を1200sccmとし、材料ガスを導入して安定させ、処理室内の圧力を40Pa、基板の温度を280℃として50Wの出力によりプラズマ放電を行うことで、約110nmの酸化窒化シリコン層を形成する。その後、窒化シリコン層と同様に、SiH4の導入のみを停止し、その数秒後にプラズマの放電を停止させる。上記の工程により、窒化シリコン層及び酸化窒化シリコン層が積層されたゲート絶縁層104を形成することができる。
(unload)
ゲート絶縁層104の形成後、基板100を処理室141から搬出する。
(クリーニング処理)
基板100を処理室141から搬出した後、処理室141に、例えばNF3ガスを導入し、処理室141内をクリーニングする。
(プレコート処理)
その後、処理室141に非晶質シリコン層を形成する処理を行う。後に説明するバッファ層107の形成と同様に行うが、水素は処理室141内に導入してもよいし、挿入しなくてもよい。この処理により、処理室141の内壁に非晶質シリコン層が形成される。または、窒化シリコン層によりプレコート処理を行ってもよい。この場合の処理は、ゲート絶縁層104で窒化シリコン層を形成する処理と同様である。
(半導体層形成)
次に、窒素ガスが供給されたゲート絶縁層104上の全面に半導体層105を形成する。半導体層105は、後の工程でパターン形成されて半導体層106となるものである。まず、半導体層の堆積に用いる材料ガスを処理室内に導入する。ここでは、一例として、SiH4の流量を10sccm、H2の流量を1500sccmとして材料ガスを導入して安定させ、処理室内の圧力を280Pa、基板の温度を280℃とし、50Wの出力によりプラズマ放電を行うことで、約5〜10nmの半導体層103を形成することができる。その後、上記した窒化シリコン層等の形成と同様に、SiH4の供給のみを停止し、その数秒後にプラズマの放電を停止させる(図3(B)参照)。
次に、半導体層103の表面のダングリングボンドにNH基を結合させる。ここでは、処理室内にアンモニアガスを導入し、プラズマ放電を行うことで、半導体層103表面にNH基を結合させる(図3(C)参照)。ここでは、一例として、NH3を処理室に導入し、処理室内の圧力を100Pa以上、基板の温度を280℃とし、50W以下のプラズマ放電を行うことで、半導体層103の表面にNH基を結合させる。
この後、半導体層103の形成、及びアンモニアガス雰囲気でのプラズマ放電を繰り返すことで、欠陥準位の低い半導体層106(ここでは、微結晶半導体層)を形成することができる(図4(A)参照)。
(ガス置換)
その後、これらのガスを排気し、バッファ層107の堆積に用いるガスを導入する。
本実施の形態における半導体層において、厚さの薄い半導体層を形成した後、その表面をプラズマ処理し、再度厚さの薄い半導体層を形成することを繰り返す。ここでは、半導体層のプラズマ処理において、第1の半導体層表面のダングリングボンドにNH基を結合させる。第1の半導体層の表面のダングリングボンドをNH基が有する一つの結合手で終端した後、第2の半導体層を形成することで、NH基が有するもう一つの結合手と、第2の半導体層のダングリングボンドが結合し、欠陥準位を低減することができる。
(バッファ層形成)
次に、半導体層105上の全面にバッファ層107を形成する。バッファ層107は、後の工程でパターン形成されてバッファ層108となるものである。ここで、バッファ層として、非晶質シリコン層を形成する。まず、バッファ層107の堆積に用いる材料ガスを処理室内に導入する。ここでは、一例として、SiH4の流量を280sccm、H2の流量を300sccmとして材料ガスを導入して安定させ、処理室内の圧力を170Pa、基板の温度を280℃とし、60Wのプラズマ放電を行うことで、約150nmの非晶質シリコン層を形成することができる。その後、上記した窒化シリコン層等の形成と同様に、SiH4の供給のみを停止し、その数秒後にプラズマの放電を停止させる。
(ガス置換)
その後、これらのガスを排気し、ドナーとなる不純物元素を含む半導体層109の堆積に用いるガスを導入する。
(ドナーとなる不純物元素を含む半導体層形成)
次に、バッファ層107上の全面にドナーとなる不純物元素を含む半導体層109を形成する。ドナーとなる不純物元素を含む半導体層109は、後の工程でパターン形成されてソース領域及びドレイン領域110となるものである。まず、ドナーとなる不純物元素を含む半導体層109の堆積に用いる材料ガスを処理室141内に導入する。ここでは、一例として、SiH4の流量を100sccm、PH3をH2により0.5vol%まで希釈した混合ガスの流量を170sccmとして材料ガスを導入して安定させる。処理室141内の圧力を280Pa、基板の温度を280℃とし、60Wの出力によりプラズマ放電を行うことで、約50nmのドナーとなる不純物元素を含む半導体層を形成することができる。
(排気)
その後、上記した窒化シリコン等の形成と同様に、SiH4の供給のみを停止し、その数秒後にプラズマの放電を停止させる。その後、これらのガスを排気する。
以上説明したように、ドナーとなる不純物元素を含む半導体層109までを形成することができる(図4(A)を参照)。
(導電層形成)
次に、ドナーとなる不純物元素を含む半導体層109上に導電層111を形成する。
導電層111は、アルミニウム、銅、チタン、ネオジム、スカンジウム、モリブデン、クロム、タンタル若しくはタングステン等により単層で、または積層して形成することができる。または、ヒロック防止元素が添加されたアルミニウム合金(ゲート電極層202に用いることができるアルミニウム−ネオジム合金等)により形成してもよい。ドナーとなる不純物元素を添加した結晶性シリコンを用いてもよい。ドナーとなる不純物元素が添加された結晶性シリコンと接する側の層を、チタン、タンタル、モリブデン、タングステンまたはこれらの元素の窒化物により形成し、その上にアルミニウムまたはアルミニウム合金を形成した積層構造としても良い。更には、アルミニウムまたはアルミニウム合金の上面及び下面を、チタン、タンタル、モリブデン、タングステンまたはこれらの元素の窒化物で挟んだ積層構造としてもよい。例えば、導電層111として、アルミニウム層をモリブデン層で挟んだ三層の積層構造とするとよい。
導電層111は、CVD法、スパッタリング法または真空蒸着法を用いて形成する。また、導電層111は、銀、金または銅等の導電性ナノペーストを用いてスクリーン印刷法またはインクジェット法等を用いて配置し、焼成することで形成しても良い。
(第1のフォトリソグラフィ)
次に、導電層111上に第1のレジストマスク131を形成する(図4(B)を参照)。第1のレジストマスク131は厚さの異なる二の領域を有し、多階調マスクを用いて形成することができる。多階調マスクを用いることで、使用するフォトマスクの枚数が低減され、作製工程数が減少するため好ましい。本実施の形態において、半導体層のパターンを形成する工程と、ソース領域とドレイン領域を分離する工程において、多階調マスクを用いて形成したレジストマスクを用いることができる。
多階調マスクとは、多段階の光量で露光を行うことが可能なマスクであり、代表的には、露光領域、半露光領域及び未露光領域の3段階の光量で露光を行う。多階調マスクを用いることで、一度の露光及び現像工程によって、複数(代表的には二種類)の厚さを有するレジストマスクを形成することができる。そのため、多階調マスクを用いることで、フォトマスクの枚数を削減することができる。
図7(A−1)及び図7(B−1)は、代表的な多階調マスクの断面図を示す。図7(A−1)にはグレートーンマスク180を示し、図7(B−1)にはハーフトーンマスク185を示す。
図7(A−1)に示すグレートーンマスク180は、透光性を有する基板181上に遮光膜により形成された遮光部182、及び遮光膜のパターンにより設けられた回折格子部183で構成されている。
回折格子部183は、露光に用いる光の解像度限界以下の間隔で設けられたスリット、ドットまたはメッシュ等を有することで、光の透過量を制御する。なお、回折格子部183に設けられるスリット、ドットまたはメッシュは周期的なものであってもよいし、非周期的なものであってもよい。
透光性を有する基板181としては、石英等を用いることができる。遮光部182及び回折格子部183を構成する遮光膜は、金属を用いて形成すればよく、好ましくはクロムまたは酸化クロム等により設けられる。
グレートーンマスク180に露光するための光を照射した場合、図7(A−2)に示すように、遮光部182に重畳する領域における透光率は0%となり、遮光部182または回折格子部183が設けられていない領域における透光率は100%となる。また、回折格子部183における透光率は、概ね10〜70%の範囲であり、回折格子のスリット、ドットまたはメッシュの間隔等により調整可能である。
図7(B−1)に示すハーフトーンマスク185は、透光性を有する基板186上に半透光膜により形成された半透光部187、及び遮光膜により形成された遮光部188で構成されている。
半透光部187は、MoSiN、MoSi、MoSiO、MoSiON、CrSi等の膜を用いて形成することができる。遮光部188は、グレートーンマスクの遮光層と同様の金属を用いて形成すればよく、好ましくはクロムまたは酸化クロム等により設けられる。
ハーフトーンマスク185に露光するための光を照射した場合、図7(B−2)に示すように、遮光部188に重畳する領域における透光率は0%となり、遮光部188または半透光部187が設けられていない領域における透光率は100%となる。また、半透光部187における透光率は、概ね10〜70%の範囲であり、形成する材料の種類または形成する厚さ等により、調整可能である。
多階調マスクを用いて露光して現像を行うことで、厚さの異なる領域を有するレジストマスクを形成することができる。
(エッチング工程)
次に、第1のレジストマスク131を用いて半導体層105、バッファ層107、ドナーとなる不純物元素を含む半導体層109、及び導電層111をエッチングする。この工程により、半導体層105、バッファ層107、ドナーとなる不純物元素を含む半導体層109及び導電層111を素子毎に分離する(図4(C)を参照)。
(アッシング処理)
次に、第1のレジストマスク131を後退させて第2のレジストマスク132を形成する。レジストマスクの後退には、酸素プラズマによるアッシングを用いればよい。
(エッチング工程)
次に、第2のレジストマスク132を用いて導電層111をエッチングし、配線層112を形成する(図5(A)を参照)。配線層112は、ソース電極及びドレイン電極を構成する。導電層111のエッチングは、ウエットエッチングを用いることが好ましい。ウエットエッチングにより、導電層が等方的にエッチングされる。その結果、導電層の側面は第2のレジストマスク132よりも内側に後退し、配線層112が形成される。従って、配線層112の側面と、エッチングされたドナーとなる不純物元素を含む半導体層109の側面は一致せず、配線層112の側面の外側に、ソース領域及びドレイン領域110の側面が形成される。配線層112は、ソース電極及びドレイン電極のみならず信号線としても機能する。ただし、これに限定されず、信号線と配線層112とは別に設けてもよい。
次に、第2のレジストマスク132が形成された状態で、バッファ層107の一部及びドナーとなる不純物元素を含む半導体層109をエッチングして、バッファ層108、並びにソース領域及びドレイン領域110を形成する(図5(B)を参照)。
次に、第2のレジストマスク132が形成された状態で、ドライエッチングを行ってもよい。ここで、ドライエッチングの条件は、露出しているバッファ層108にダメージが入らず、且つバッファ層108に対するエッチングレートが低い条件を用いる。つまり、露出しているバッファ層108表面にほとんどダメージを与えず、且つ露出しているバッファ層108の厚さがほとんど減少しない条件を用いる。エッチングガスとしては、塩素系ガスを用い、代表的にはCl2ガスを用いる。また、エッチング方法については特に限定はなく、ICP方式、CCP方式、ECR方式、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)方式等を用いることができる。
ここで、用いることのできるドライエッチング条件の一例として、Cl2ガスの流量を100sccm、チャンバー内の圧力を0.67Pa、下部電極温度を−10℃とし、上部電極のコイルに2000WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成し、基板100側には電力を投入せず0W(すなわち、無バイアス)として、30秒間のエッチングを行う。チャンバー内壁の温度は約80℃とすることが好ましい。
(アッシング処理)
次に、第2のレジストマスク132が形成された状態で、プラズマ処理を行い、第2のレジストマスク132を除去するとよい。プラズマ処理の代表例としては、水プラズマ処理がある。
水プラズマ処理は、反応空間に水蒸気(H2O蒸気)に代表される、水を主成分とするガスを導入し、プラズマを生成して、行うことができる。水プラズマにより第2のレジストマスク132を除去することができる。また、水プラズマ処理、あるいは、大気に曝した後に水プラズマ処理を行うことで、露出しているバッファ層108上に酸化層が形成される場合もある。
なお、水プラズマ処理を用いることなく露出しているバッファ層108にダメージが入らず、且つバッファ層108に対するエッチングレートが低い条件でドライエッチングを行ってもよい。
上記したように、一対のソース領域及びドレイン領域110を形成した後に、バッファ層108にダメージを与えない条件で更なるドライエッチングを行うことで、露出したバッファ層108上に存在する残渣などの不純物元素を除去することができる。また、ドライエッチングに続けて水プラズマ処理を行うことで、第2のレジストマスク132を除去することができる。水プラズマ処理を行うことで、ソース領域とドレイン領域との間の絶縁を確実なものにすることができ、完成する薄膜トランジスタのオフ電流を低減し、電気的特性のばらつきを低減することができる。
なお、プラズマ処理等の工程は上記の順番に限定されず、第2のレジストマスク132を除去した後に、無バイアスでのエッチングや、プラズマ処理を行ってもよい。
以上の工程により本実施の形態に係る薄膜トランジスタを作製することができる(図5(B)を参照)。本実施の形態に係る薄膜トランジスタは、液晶表示装置に代表される表示装置の画素におけるスイッチングトランジスタに適用することができる。そのため、この薄膜トランジスタを覆って、開口部を有する絶縁層114を形成し、該開口部において配線層112により構成されるソース電極及びドレイン電極と接続されるように画素電極層116を形成する(図5(C)を参照)。この開口部は、フォトリソグラフィ法により形成することができる。その後、当該開口部を介して接続されるように、絶縁層114上に画素電極層116を設ける。このようにして、図1に示す表示装置の画素におけるスイッチングトランジスタを作製することができる。
なお、絶縁層114は、ゲート絶縁層104と同様に形成することができる。絶縁層114は、大気中に浮遊する有機物、金属または水蒸気等の汚染源となりうる不純物元素の侵入を防ぐことができるよう、緻密な窒化シリコンにより設けることが好ましい。
なお、画素電極層116は、透光性を有する導電性高分子(導電性ポリマーともいう。)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。画素電極層116は、シート抵抗が10000Ω/□以下であって、且つ波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、またはこれらの2種以上の共重合体等が挙げられる。
画素電極層116は、例えば、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、または酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物等を用いて形成することができる。
画素電極層116は、配線層112等と同様に、フォトリソグラフィ法を用いてエッチングを行い、パターン形成すればよい。
なお、図示していないが、絶縁層114と画素電極層116との間に、スピンコーティング法等により形成した有機樹脂からなる絶縁層を有していても良い。
以上、本実施の形態にて説明したように、オン電流が高く、オフ電流が低い薄膜トランジスタを得ることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、薄膜トランジスタの一形態について、図面を参照して説明する。本実施の形態では、多階調マスクを用いることなく薄膜トランジスタを形成する。
図8は、本実施の形態にかかる薄膜トランジスタの上面図及び断面図を示す。図8(A)に示す薄膜トランジスタは、基板200上にゲート電極層202を有し、ゲート電極層202を覆ってゲート絶縁層204を有し、ゲート絶縁層204上に接して半導体層206を有し、半導体層206上の一部に接してソース領域及びドレイン領域210を有する。また、ゲート絶縁層204、並びにソース領域及びドレイン領域210上に接する配線層212を有する。配線層212はソース電極及びドレイン電極を構成する。配線層212上には、保護膜として機能する絶縁層214を有する。また、各層は所望の形状にパターン形成されている。
なお、図8に示す薄膜トランジスタは、図1に示す薄膜トランジスタと同様に、液晶表示装置の画素部に設けられる画素トランジスタに適用することができる。そのため、図示した例では、絶縁層214には開口部が設けられ、絶縁層214上には画素電極層216が設けられ、画素電極層216と配線層212の一方とが接続されている。
また、ソース電極及びドレイン電極の一方は、U字型(またはコの字型)の形状で設けられ、これがソース電極及びドレイン電極の他方を囲い込んでいる。ソース電極とドレイン電極との距離はほぼ一定に保たれている(図8(B)を参照)。
薄膜トランジスタを上記した形状とすることで、該薄膜トランジスタのチャネル幅を大きくすることができ、電流量が増大する。また、電気的特性のばらつきを低減することができる。更には、作製工程におけるマスクパターンのずれによる信頼性の低下を抑制することができる。ただし、本実施の形態はこれに限定されず、薄膜トランジスタは必ずしもU字型でなくともよい。
本実施の形態における半導体層206は、実施の形態1における半導体層106と同様の特徴を有し、同様の材料及び方法により形成することができる。従って、本実施の形態では半導体層206の形成に関する詳細な説明は省略する。
図8に示す薄膜トランジスタの作製方法について説明する。薄膜トランジスタではp型よりもn型の方が、キャリアの移動度が高い。また、同一の基板上に形成する薄膜トランジスタを全て同じ極性に統一すると、工程数を抑えることができ、好ましい。そのため、本実施の形態では、n型の薄膜トランジスタの作製方法について説明する。
まず、基板200上にゲート電極層202を形成し、ゲート電極層202上にゲート絶縁層104を形成する(図9(A)を参照)。
基板200としては、実施の形態1における基板100と同様のものを用いることができる
ゲート電極層202は、実施の形態1におけるゲート電極層102と同様の材料及び方法により形成することができる。
ゲート絶縁層204は、実施の形態1におけるゲート絶縁層104と同様の材料及び方法により形成することができる。
次に、ゲート絶縁層204上に半導体層203を形成する(図9(B)参照)。半導体層203の形成工程としては、実施の形態1にて説明した半導体層103と同様の手法がある。
次に、半導体層203の表面にNH基を結合させる(図9(C)参照)。ここでは、実施の形態2にて説明した半導体層103の表面にNH基を結合させる手法と同様の手法がある。
この後、半導体層203、及びアンモニアガス雰囲気でのプラズマ放電を繰り返すことで、欠陥準位の低い半導体層205を形成することができる(図10(A)参照)。
次に、バッファ層207及びドナーとなる不純物元素を含む半導体層209を形成する(図10(A)を参照)。その後、ドナーとなる不純物元素を含む半導体層209上に第1のレジストマスク231を形成する(図10(B)を参照)。
半導体層205は、実施の形態1における半導体層105と同様に形成することができる。バッファ層207は、実施の形態1におけるバッファ層107と同様に形成することができる。ドナーとなる不純物元素を含む半導体層209は、実施の形態1におけるドナーとなる不純物元素を含む半導体層109と同様に形成することができる。
次に、第1のレジストマスク231を用いてバッファ層207及びドナーとなる不純物元素を含む半導体層209をエッチングして島状の半導体層を形成する(図10(C)を参照)。その後、第1のレジストマスク231を除去する(図11(A)を参照)。
次に、エッチングされた半導体層205、バッファ層207及びドナーとなる不純物元素を含む半導体層209を覆って導電層211を形成する(図11(B)を参照)。導電層211は、導電層111と同様の材料及び方法により形成することができる。その後、導電層211上に第2のレジストマスク232を形成する(図11(C)を参照)。
次に、第2のレジストマスク232を用いて導電層211をエッチングして配線層212を形成する。(図12(A)を参照)。配線層212は、ソース電極及びドレイン電極を構成する。導電層211のエッチングは、ウエットエッチングを用いることが好ましい。ウエットエッチングにより、導電層の側面が等方的にエッチングされる。その結果、導電層は第2のレジストマスク232よりも内側に後退し、配線層212が形成される。従って、配線層212の側面と、エッチングされたドナーとなる不純物元素を含む半導体層209の側面は一致せず、配線層212の側面の外側に、ソース領域及びドレイン領域の側面が形成される。配線層212は、ソース電極及びドレイン電極のみならず信号線としても機能する。ただし、これに限定されず、信号線と配線層212とは別に設けてもよい。
次に、第2のレジストマスク232を用いて島状半導体層のバッファ層207の一部と、ドナーとなる不純物元素を含む半導体層209をエッチングする(図12(B)を参照)。本工程までで半導体層206、バッファ層208、並びにソース領域及びドレイン領域210が形成される。
次に、実施の形態1と同様に第2のレジストマスク232が形成された状態で、ドライエッチングを行ってもよい。更には、水プラズマ処理により第2のレジストマスク232を除去するとよい。
なお、水プラズマ処理を用いることなく露出しているバッファ層208にダメージが入らず、且つバッファ層208に対するエッチングレートが低い条件でドライエッチングを行ってもよい。
以上の工程により本実施の形態に係る薄膜トランジスタを作製することができる(図12(C)参照)。本実施の形態に係る薄膜トランジスタは、実施の形態1にて説明した薄膜トランジスタと同様に、液晶表示装置や発光装置等に代表される表示装置の画素におけるスイッチングトランジスタに適用することができる。そのため、この薄膜トランジスタを覆って、絶縁層214を形成する。絶縁層214には、配線層212により構成されるソース電極及びドレイン電極に達するように開口部が形成されている。この開口部は、フォトリソグラフィ法により形成することができる。その後、当該開口部を介して接続されるように、絶縁層214上に画素電極層216を設ける。このようにして図8(A)に示す表示装置の画素におけるスイッチングトランジスタを作製することができる。
なお、絶縁層214は、実施の形態1における絶縁層114と同様に形成することができる。また、画素電極層216は、実施の形態1における画素電極層116と同様に形成することができる。
なお、図示していないが、絶縁層214と画素電極層216との間に、スピンコーティング法等により形成した有機樹脂膜からなる絶縁層を有していても良い。
以上、本実施の形態にて説明したように、オン電流が高く、オフ電流が低い薄膜トランジスタを、多階調マスクを用いることなく得ることができる。
(実施の形態3)
実施の形態1及び実施の形態2において、半導体層106を非晶質半導体層で形成した場合、バッファ層108を半導体層106と同様の条件で形成してもよい。この結果、欠陥の少ない半導体膜をゲート絶縁層と、ソース領域及びドレイン領域の間に設けることで、キャリアが捕獲されにくくなり、薄膜トランジスタのオン電流及び電界効果移動度を高めると共に、オフ電流を低減することができる。
(実施の形態4)
実施の形態1で示した半導体層105の作製方法は、トップゲート構造の薄膜トランジスタや、光センサ、太陽電池等を構成するダイオードの半導体層に用いることができる。
(実施の形態5)
次に、上記実施の形態を適用可能な表示装置である表示パネルの構成の一例について、以下に示す。
図13(A)に、信号線駆動回路303のみを別途形成し、基板301上に形成された画素部302と接続している表示パネルの形態を示す。画素部302、保護回路306、及び走査線駆動回路304が形成された素子基板は、実施の形態1乃至実施の形態4のいずれかに示す薄膜トランジスタを用いて形成する。信号線駆動回路303は、単結晶半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタ、多結晶半導体をチャネル形成領域に用いた薄膜トランジスタ、またはSOI(Silicon On Insulator)をチャネル形成領域に用いたトランジスタにより構成すれば良い。SOIをチャネル形成領域に用いたトランジスタにおいては、ガラス基板上に設けられた単結晶半導体層をチャネル形成領域に用いたトランジスタを含む。画素部302と、信号線駆動回路303と、走査線駆動回路304とに、それぞれ電源の電位、各種信号等が、FPC305を介して供給される。信号線駆動回路303とFPC305の間、及び信号線駆動回路303と画素部302の一方または双方間に、実施の形態1乃至実施の形態4に示す薄膜トランジスタで形成された保護回路306を設けてもよい。保護回路306は、その他の構造の薄膜トランジスタ、ダイオード、抵抗素子及び容量素子等から選択された1つまたは複数の素子によって設けてもよい。
なお、信号線駆動回路及び走査線駆動回路を、画素部の画素トランジスタと同じ基板上に形成しても良い。
また、駆動回路を別途形成する場合には、必ずしも駆動回路が形成された基板を、画素部が形成された基板上に貼り合わせる必要はなく、例えばFPC上に貼り合わせるようにしても良い。図13(B)に、信号線駆動回路313のみを別途形成し、基板311上に形成された画素部312、保護回路316、及び走査線駆動回路314が形成された素子基板とFPC315が接続している表示パネルの形態を示す。画素部312、保護回路316及び走査線駆動回路314は、上記実施の形態に示す薄膜トランジスタを用いて形成する。信号線駆動回路313は、FPC315及び保護回路316を介して、画素部312に接続されている。画素部312と、信号線駆動回路313と、走査線駆動回路314それぞれに、電源の電位及び各種の信号等が、FPC315を介して供給される。FPC315と画素部312との間に、保護回路316を設けてもよい。
また、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを、上記の実施の形態に示す薄膜トランジスタを用いて画素部と同じ基板上に形成し、残りを別途形成して画素部と電気的に接続するようにしても良い。図13(C)に、信号線駆動回路が有するアナログスイッチ323aを、画素部322、走査線駆動回路324と同じ基板321上に形成し、信号線駆動回路が有するシフトレジスタ323bを別途異なる基板に形成して貼り合わせる表示装置パネルの形態を示す。画素部322、保護回路326、及び走査線駆動回路324は、上記実施の形態に示す薄膜トランジスタを用いて形成する。信号線駆動回路が有するシフトレジスタ323bは、FPC325及び保護回路326を介して画素部322と接続されている。画素部322と、信号線駆動回路と、走査線駆動回路324とに、それぞれ電源の電位、各種信号等が、FPC325を介して供給される。シフトレジスタ323b及びアナログスイッチ323aの間に、保護回路326を設けてもよい。
図13に示すように、本実施の形態の表示装置は、駆動回路の一部または全部を、画素部と同じ基板上に、上記実施の形態に示す薄膜トランジスタを用いて形成することができる。
なお、別途形成した基板の接続方法は、特に限定されるものではなく、公知のCOG方式、ワイヤボンディング方式、或いはTAB方式などを用いることができる。また接続する位置は、電気的な接続が可能であるならば、図13に示した位置に限定されない。また、コントローラ、CPUまたはメモリ等を別途形成し、接続するようにしても良い。
なお、本実施の形態で用いる信号線駆動回路は、シフトレジスタとアナログスイッチ有する。または、シフトレジスタとアナログスイッチに加え、バッファ、レベルシフタ、ソースフォロワ等、他の回路を有していても良い。また、シフトレジスタとアナログスイッチは必ずしも設ける必要はなく、例えばシフトレジスタの代わりにデコーダ回路のような信号線の選択ができる別の回路を用いても良いし、アナログスイッチの代わりにラッチ等を用いても良い。
(実施の形態6)
上記形態の薄膜トランジスタで構成される素子基板、及びそれを用いた表示装置等は、アクティブマトリクス型の表示パネルに適用することができる。すなわち、それらを表示部に組み込んだ電子機器の全てに上記実施の形態を実施できる。
その様な電子機器としては、ビデオカメラ及びデジタルカメラ等のカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、プロジェクタ、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図14に示す。
図14(A)はテレビジョン装置である。上記実施の形態を適用した表示パネルを筐体に組みこんで、テレビジョン装置を完成させることができる。表示パネルにより主画面333が形成され、その他付属設備としてスピーカ部339、操作スイッチなどが備えられている。
図14(A)に示すように、筐体331に表示素子を利用した表示用パネル332が組みこまれ、受信機335により一般のテレビ放送の受信をはじめ、モデム334を介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、または受信者間同士)の情報通信をすることもできる。テレビジョン装置の操作は、筐体に組みこまれたスイッチまたは別体のリモコン操作機336により行うことが可能であり、このリモコン装置にも出力する情報を表示する表示部337が設けられていても良い。また、表示部337に、実施の形態1乃至実施の形態4のいずれかに示す薄膜トランジスタが設けられていてもよい。また、主画面333の他にサブ画面338を第2の表示パネルで形成し、チャネルや音量などを表示する構成が付加されていても良い。この構成において、主画面333及びサブ画面338の一方または双方に実施の形態1乃至実施の形態4のいずれかに示す薄膜トランジスタを適用することができる。
図15はテレビ装置の主要な構成を説明するブロック図を示している。表示パネルには、画素部371が形成されている。信号線駆動回路372と走査線駆動回路373は、表示パネルにCOG方式により実装されていても良い。
また、その他の外部回路の構成として、映像信号の入力側では、チューナ374で受信した信号のうち、映像信号を増幅する映像信号増幅回路375と、そこから出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路376と、その映像信号をドライバICの入力仕様に変換するためのコントロール回路377等を有している。コントロール回路377は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号が出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側に信号分割回路378を設け、入力デジタル信号をm個に分割して供給する構成としても良い。
チューナ374で受信した信号のうち、音声信号は、音声信号増幅回路379に送られ、その出力は音声信号処理回路380を経てスピーカ383に供給される。制御回路381は受信局(受信周波数)や音量の制御情報を入力部382から受け、チューナ374や音声信号処理回路380に信号を送出する。
勿論、本実施の形態はテレビジョン装置に限定されず、パーソナルコンピュータのモニタをはじめ、鉄道の駅や空港などにおける情報表示盤や、街頭における広告表示盤など大面積の表示媒体に適用してもよい。
以上説明したように、主画面333及びサブ画面338の一方または双方に実施の形態1乃至実施の形態4のいずれかで説明した薄膜トランジスタを適用することで、画質が高く、消費電力の低いテレビ装置を作製することができる。
図14(B)は携帯電話機341の一例を示している。携帯電話機341は、表示部342、操作部343等により構成されている。表示部342に実施の形態1乃至実施の形態4のいずれかで説明した薄膜トランジスタを適用することで、画質を向上させ、消費電力を低減させることができる。
図14(C)に示す携帯型のコンピュータは、本体351、表示部352等を含んでいる。表示部352に、実施の形態1乃至実施の形態4のいずれかで説明した薄膜トランジスタを適用することで、画質を向上させ、消費電力を低減させることができる。
図14(D)は卓上照明器具であり、照明部361、傘362、可変アーム363、支柱364、台365、電源366を含む。上記実施の形態で説明した発光装置を照明部361に用いることにより作製される。照明部361に実施の形態1乃至実施の形態4のいずれかで説明した薄膜トランジスタを適用することで、画質を向上させ、消費電力を低減させることができる。
図16は携帯電話機の構成の一例を示しており、例えば表示部に、実施の形態1乃至実施の形態4のいずれかで示した薄膜トランジスタを有する素子基板及びそれを有する表示装置が適用される。図16(A)が正面図、図16(B)が背面図、図16(C)が展開図である。図16に示す携帯電話機は、筐体394及び筐体385の二つの筐体で構成されている。図16に示す携帯電話機は、携帯電話と携帯情報端末の双方の機能を備えており、コンピュータを内蔵し、音声通話以外にも様々なデータ処理が可能であり、スマートフォンとも呼ばれる。
携帯電話機は、筐体394及び筐体385の二つの筐体で構成されている。筐体394は、表示部386、スピーカ387、マイクロフォン388、操作キー389、ポインティングディバイス390、表面カメラ用レンズ391、外部接続端子ジャック392、イヤホン端子393等を備え、筐体385は、キーボード395、外部メモリスロット396、裏面カメラ397、ライト398等を備える。また、アンテナは筐体394に内蔵されている。
また、上記の構成に加えて、非接触ICチップまたは小型記録装置等を内蔵していてもよい。
図16(A)では筐体394と筐体385が重なり合っており、図16(A)の状態から筐体394と筐体385がスライドし、図16(C)のように展開する。表示部386には、実施の形態1乃至実施の形態4のいずれかに示される薄膜トランジスタを有する表示装置を組み込むことが可能であり、使用形態に応じて表示の方向が適宜変化する。表示部386と同一面上に表面カメラ用レンズ391を同一の面に備えているため、テレビ電話が可能である。また、表示部386をファインダーとして裏面カメラ397及びライト398で静止画及び動画の撮影が可能である。
スピーカ387及びマイクロフォン388は音声通話に限らず、テレビ電話、録音及び再生等の用途に使用できる。操作キー389では、電話の発着信、電子メール等の簡単な情報入力、画面のスクロール及びカーソル移動等が可能である。
また、書類の作成、携帯情報端末としての使用等、取り扱う情報が多い場合は、キーボード395を用いると便利である。重なり合った筐体394と筐体385(図16(A))はスライドでき、図16(C)のように展開して携帯情報端末として使用できる。また、キーボード395及びポインティングディバイス390を用いることで、円滑な操作でマウスの操作が可能である。外部接続端子ジャック392はACアダプタ及びUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能であり、これを介して充電及びパーソナルコンピュータ等とのデータ通信が可能である。また、外部メモリスロット396に記録媒体を挿入して使用することで、大量のデータの保存及び移動が可能である。
筐体385の裏面(図16(B))には、裏面カメラ397及びライト398を備えており、表示部386をファインダーとし静止画及び動画の撮影が可能である。
また、上記機能構成に加えて、赤外線通信機能、USBポート、テレビワンセグ受信機能、非接触ICチップ、イヤホンジャック等を備えていてもよい。
実施の形態1乃至実施の形態4に示す薄膜トランジスタを画素に適用することで、画質を向上させると共に、消費電力を低減させることができる。