JP2009302096A - 固体撮像装置に用いられる光フィルタ、固体撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工精度の影響を抑制して色分離を行なうことが可能となる固体撮像装置に用いられる光フィルタ、該光フィルタを備えた固体撮像装置を提供する。
【解決手段】複数の画素を備えた固体撮像装置に用いられる光フィルタであって、
前記複数の画素における少なくとも二つ以上のそれぞれの画素の領域内に、受光する光の波長以下の大きさの空孔が複数配列された金属遮光膜層を含んで構成された構造を有し、
前記金属遮光膜層の厚みが、前記それぞれの画素の領域毎に異なる構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の画素を備えた固体撮像装置に用いられる光フィルタであって、
前記複数の画素における少なくとも二つ以上のそれぞれの画素の領域内に、受光する光の波長以下の大きさの空孔が複数配列された金属遮光膜層を含んで構成された構造を有し、
前記金属遮光膜層の厚みが、前記それぞれの画素の領域毎に異なる構成とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、固体撮像装置に用いられる光フィルタ、該光フィルタを備えた固体撮像装置に関するものである。
光撮像装置の進化は著しく、デジタルカメラなどに用いられるセンサの画素サイズは年々減少している。
これは、光学的には、開口サイズの減少を意味し、開口を透過できる光量は、開口面積の2乗に比例して小さくなることが知られている。
また、透過光量は開口の厚みに依存して、指数関数的に減少するため、薄型のセンサ構造が好ましいことが知られている。
これは、光学的には、開口サイズの減少を意味し、開口を透過できる光量は、開口面積の2乗に比例して小さくなることが知られている。
また、透過光量は開口の厚みに依存して、指数関数的に減少するため、薄型のセンサ構造が好ましいことが知られている。
一方、カメラなどのアプリケーションにおいては、一般に、色情報の分離が必要である。
これは、ベイヤー配列等の一定パターンで画素毎にカラーフィルタを設け、異なる色情報を計測することによって行われる。
一般に、カラーフィルタ材料としては、色素フィルタが用いられているが、色素の空間分布均一性などに課題があり、500nm以下の厚みを実現することがむずかしいことが知られている。
このため、このようなカラーフィルタ層の有限な厚みによって、光撮像装置における開口と受光部の間の距離は長くなることから、光量の低下や混色の問題は否めない。
また、色素カラーフィルタを設けるプロセスは、従来のCMOSプロセスではないため、歩留まりなどの問題の原因ともなる。
これは、ベイヤー配列等の一定パターンで画素毎にカラーフィルタを設け、異なる色情報を計測することによって行われる。
一般に、カラーフィルタ材料としては、色素フィルタが用いられているが、色素の空間分布均一性などに課題があり、500nm以下の厚みを実現することがむずかしいことが知られている。
このため、このようなカラーフィルタ層の有限な厚みによって、光撮像装置における開口と受光部の間の距離は長くなることから、光量の低下や混色の問題は否めない。
また、色素カラーフィルタを設けるプロセスは、従来のCMOSプロセスではないため、歩留まりなどの問題の原因ともなる。
従来において、これらの問題を回避する手段として、例えば特許文献1では、開口のサイズを画素毎に変えて配置することにより、開口のカットオフを利用した色分離手段を有する固体撮像装置が提案されている。
この固体撮像装置における色分離手段では、カットオフにより波長が開口サイズに依存するということが利用されている。
すなわち、波長オーダーの開口において、透過率は、ある波長を境に透過率が低下する(カットオフ)という性質を示し、その波長は開口サイズに強く依存する。
これを利用すると、短波長フィルタとして作用するので、例えば3種類の異なる開口サイズを有するフィルタを用意し、その差分を取れば、原色情報が得られるというものである。
特開2005−19958号公報
この固体撮像装置における色分離手段では、カットオフにより波長が開口サイズに依存するということが利用されている。
すなわち、波長オーダーの開口において、透過率は、ある波長を境に透過率が低下する(カットオフ)という性質を示し、その波長は開口サイズに強く依存する。
これを利用すると、短波長フィルタとして作用するので、例えば3種類の異なる開口サイズを有するフィルタを用意し、その差分を取れば、原色情報が得られるというものである。
しかしながら、上記従来例の特許文献1における固体撮像装置の色分離手段では、カットオフ波長は開口サイズに対して敏感であるため、開口の形成に際し、高精度な加工技術が要求される。
そのため、高性能なフィルタアレイを構成することには困難が伴うものであった。
そのため、高性能なフィルタアレイを構成することには困難が伴うものであった。
そこで、本発明では、加工精度の影響を抑制して色分離を行なうことが可能となる固体撮像装置に用いられる光フィルタ、該光フィルタを備えた固体撮像装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、以下のような構成の光フィルタ、該光フィルタを備えた固体撮像装置を提供するものである。
本発明の光フィルタは、複数の画素を備えた固体撮像装置に用いられる光フィルタであって、
前記複数の画素における少なくとも二つ以上のそれぞれの画素の領域内に、受光する光の波長以下の大きさの空孔が複数配列された金属遮光膜層を含んで構成された構造を有し、
前記金属遮光膜層の厚みが、前記それぞれの画素の領域毎に異なることを特徴とする。
また、本発明の光フィルタは、前記金属遮光膜層の厚みが、25nm以上、200nm以下であることを特徴とする。
また、本発明の光フィルタは、前記複数の画素における特定の画素の領域内に、誘電体による吸収フィルタ層を含んで構成された構造を有することを特徴とする。
また、本発明の光フィルタは、前記金属遮光膜層と前記吸収フィルタ層のいずれか一方がランダムに選択され、該ランダムに選択された一方の周辺に他方が配置された構造を有することを特徴とする。
また、本発明の光フィルタは、前記空孔の配列面内における面積比が、70%以上であることを特徴とする。
また、本発明の光フィルタは、前記金属遮光膜層の異なる厚みによって生じた該金属遮光膜層の上面の段差に対し、該上面を平坦化する透明誘電体膜層を有することを特徴とする。
また、本発明の固体撮像装置は、上記したいずれかに記載の光フィルタを備えていることを特徴とする。
本発明の光フィルタは、複数の画素を備えた固体撮像装置に用いられる光フィルタであって、
前記複数の画素における少なくとも二つ以上のそれぞれの画素の領域内に、受光する光の波長以下の大きさの空孔が複数配列された金属遮光膜層を含んで構成された構造を有し、
前記金属遮光膜層の厚みが、前記それぞれの画素の領域毎に異なることを特徴とする。
また、本発明の光フィルタは、前記金属遮光膜層の厚みが、25nm以上、200nm以下であることを特徴とする。
また、本発明の光フィルタは、前記複数の画素における特定の画素の領域内に、誘電体による吸収フィルタ層を含んで構成された構造を有することを特徴とする。
また、本発明の光フィルタは、前記金属遮光膜層と前記吸収フィルタ層のいずれか一方がランダムに選択され、該ランダムに選択された一方の周辺に他方が配置された構造を有することを特徴とする。
また、本発明の光フィルタは、前記空孔の配列面内における面積比が、70%以上であることを特徴とする。
また、本発明の光フィルタは、前記金属遮光膜層の異なる厚みによって生じた該金属遮光膜層の上面の段差に対し、該上面を平坦化する透明誘電体膜層を有することを特徴とする。
また、本発明の固体撮像装置は、上記したいずれかに記載の光フィルタを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、加工精度の影響を抑制して色分離を行なうことが可能となる固体撮像装置に用いられる光フィルタ、該光フィルタを備えた固体撮像装置を実現することができる。
上記構成によれば、加工精度の影響を抑制して色分離を行なうことが可能となる固体撮像装置に用いられる光フィルタを実現することができるが、それは本発明者らのつぎのような知見に基づくものである。
複数の画素を備える固体撮像装置において、該複数の画素における少なくとも二つ以上のそれぞれの画素の領域内に、受光する光の波長以下の大きさの空孔が複数配列された金属遮光膜層を含んで構成された構造とすることにより、短波長フィルタ特性を示す画素信号が得られる。
そして、本発明においては、この金属遮光膜層の厚みを、前記それぞれの画素の領域毎に異なるように構成することで、光フィルタを有しない画素信号に対して、これらの画素信号を演算処理することにより色情報が得られることが見出されたことによる。
また、この金属遮光膜層の厚みは、25nm以上、200nm以下とすることが望ましい。
このような構成において、前記複数の空孔の配列によるホールアレイはエバネッセント波を生成する手段として用いられ、その光学応答のサイズ依存性は低くなる。
色情報は本質的にフィルタ層の膜厚制御のみで決定されるため、受光面内に平行な面内の加工精度を下げることができる。
複数の画素を備える固体撮像装置において、該複数の画素における少なくとも二つ以上のそれぞれの画素の領域内に、受光する光の波長以下の大きさの空孔が複数配列された金属遮光膜層を含んで構成された構造とすることにより、短波長フィルタ特性を示す画素信号が得られる。
そして、本発明においては、この金属遮光膜層の厚みを、前記それぞれの画素の領域毎に異なるように構成することで、光フィルタを有しない画素信号に対して、これらの画素信号を演算処理することにより色情報が得られることが見出されたことによる。
また、この金属遮光膜層の厚みは、25nm以上、200nm以下とすることが望ましい。
このような構成において、前記複数の空孔の配列によるホールアレイはエバネッセント波を生成する手段として用いられ、その光学応答のサイズ依存性は低くなる。
色情報は本質的にフィルタ層の膜厚制御のみで決定されるため、受光面内に平行な面内の加工精度を下げることができる。
また、前記複数の画素における特定の画素の領域内に、誘電体による吸収フィルタ層を含んで構成された構造とすることにより、それらの画素からは長波長フィルタ特性を示す画素信号が得られる。
この画素信号に対して、短波長フィルタ特性を示す前記金属遮光膜層からの画素信号を、演算処理することにより、バンドリジェクションフィルタ特性が得られ、より波長選択性の高い色情報を得られることが見出された。
その際、前記金属遮光膜層と前記吸収フィルタ層のいずれか一方がランダムに選択され、該ランダムに選択された一方の周辺に他方が配置された構造を有する構成とすることができる。
また、上記構成において、空孔の配列面内における面積比(空間充填率)を70%以上とすることにより、高透過率を維持できる。
また、ホールアレイの上記空間充填率が高いため、回折光による損失を抑制することが可能となる。
また、前記金属遮光膜層の異なる厚みによって生じた該金属遮光膜層の上面の段差に対し、該上面を平坦化する透明誘電体膜層を形成することにより、上記画素の最表面を平坦化でき、より高効率に受光するための集光素子などを効率的に作り込むことができる。
この画素信号に対して、短波長フィルタ特性を示す前記金属遮光膜層からの画素信号を、演算処理することにより、バンドリジェクションフィルタ特性が得られ、より波長選択性の高い色情報を得られることが見出された。
その際、前記金属遮光膜層と前記吸収フィルタ層のいずれか一方がランダムに選択され、該ランダムに選択された一方の周辺に他方が配置された構造を有する構成とすることができる。
また、上記構成において、空孔の配列面内における面積比(空間充填率)を70%以上とすることにより、高透過率を維持できる。
また、ホールアレイの上記空間充填率が高いため、回折光による損失を抑制することが可能となる。
また、前記金属遮光膜層の異なる厚みによって生じた該金属遮光膜層の上面の段差に対し、該上面を平坦化する透明誘電体膜層を形成することにより、上記画素の最表面を平坦化でき、より高効率に受光するための集光素子などを効率的に作り込むことができる。
以下に、本発明の実施形態における固体撮像装置に用いられる光フィルタについて、図を用いて更に説明する。
図1に、本実施形態における光フィルタの基本的構成を説明するための図を示す。
図2は、図1におけるA−A断面を示している。
図1及び図2において、101は基板、102は受光素子(光センサ)、103は金属遮光膜層、104は透明誘電体層、105は集光素子、106は入射光、107は空孔である。
図1に、本実施形態における光フィルタの基本的構成を説明するための図を示す。
図2は、図1におけるA−A断面を示している。
図1及び図2において、101は基板、102は受光素子(光センサ)、103は金属遮光膜層、104は透明誘電体層、105は集光素子、106は入射光、107は空孔である。
本実施形態において、基板101には受光素子である光センサ102が設けられており、光センサ102は、上方から入射光106を、集光素子105、誘電体層104中に埋め込まれた金属遮光膜層103を介して受光する。
金属遮光膜層103には1画素に複数の空孔107が設けられており、空孔107の大きさは画素に依存しない。
また、図1に示した通り、金属遮光膜層103の厚みは画素毎に異なる。
金属遮光膜層103には1画素に複数の空孔107が設けられており、空孔107の大きさは画素に依存しない。
また、図1に示した通り、金属遮光膜層103の厚みは画素毎に異なる。
このような構造において、各空孔は金属中空導波路として機能する。
隣接する空孔間の導波路結合は、金属遮光層膜103の厚みが十分薄いので無視できる。
空孔が波長よりも十分小さい場合においては、導波する光が存在しないため、全ての光はエバネッセントとなり、その電磁界分布は、つぎの(1)式における構造依存の消衰定数αで特徴づけられる指数関数分布となる。
隣接する空孔間の導波路結合は、金属遮光層膜103の厚みが十分薄いので無視できる。
空孔が波長よりも十分小さい場合においては、導波する光が存在しないため、全ての光はエバネッセントとなり、その電磁界分布は、つぎの(1)式における構造依存の消衰定数αで特徴づけられる指数関数分布となる。
したがって、カットオフ近傍の波長であれば、(λ〜λc)であれば、消衰定数αの波長依存性は大きいことがわかる。
(3)式より、サブ波長サイズの空孔(d<<λ)であれば、λ>>λcとなる。
したがって、αは純虚数となり、長波長であるほど、Im(α)は大きくなる。
すなわち、金属遮光膜層内の電界強度分布は入射側表面近傍に集中しやすい。ある遮光膜層の厚みに対して、一般に短波長であれば、空孔の出射側での電界強度は大きくなる。透過光強度は出射側での散乱に起因している。
そのため、出射端での電界強度に比例する。従って、短波長成分はより透過率が高くなることがわかる。
(3)式より、サブ波長サイズの空孔(d<<λ)であれば、λ>>λcとなる。
したがって、αは純虚数となり、長波長であるほど、Im(α)は大きくなる。
すなわち、金属遮光膜層内の電界強度分布は入射側表面近傍に集中しやすい。ある遮光膜層の厚みに対して、一般に短波長であれば、空孔の出射側での電界強度は大きくなる。透過光強度は出射側での散乱に起因している。
そのため、出射端での電界強度に比例する。従って、短波長成分はより透過率が高くなることがわかる。
このことを利用して、色分離を行なうフィルタを実現することができる。例えば、2種類の厚みを有する金属遮光膜層を考える。
最も厚い金属遮光膜層の透過特性には、短波長成分のみ(例えば青色)の情報が含まれているといえる。
この信号と金属遮光膜層が無い画素信号との差分は補色(黄色)の情報を与える。同様に差分操作を行なえば、原色情報を分離できる。
精度のよい色分離を行なうためには、フィルタの分光特性(例えばバンドリジェクションプロファイル)が急峻である必要がある。
最も厚い金属遮光膜層の透過特性には、短波長成分のみ(例えば青色)の情報が含まれているといえる。
この信号と金属遮光膜層が無い画素信号との差分は補色(黄色)の情報を与える。同様に差分操作を行なえば、原色情報を分離できる。
精度のよい色分離を行なうためには、フィルタの分光特性(例えばバンドリジェクションプロファイル)が急峻である必要がある。
この空孔を有する金属遮光膜層の透過率の波長依存性は、可視から紫外に吸収端をもつ誘電体物質の透過特性と逆になっている。
したがって、これらの差分絶対値を取ることによって、バンドリジェクションプロファイルを得ることができる。すなわち、補色の情報を得ることが可能となる。
図3に、長波長フィルタを介した受光信号と短波長フィルタを介した受光信号の差分によるバンドリジェクションプロファイルの合成について示す。
図3において、横軸は波長、縦軸は透過率を示している。
また、図3に示すAは前述の通り、波長以下の大きさ(サブ波長)の空孔をもつ金属遮光膜層の透過プロファイルであり、Bは誘電体物質の透過プロファイルである。
|A−B|という演算によってノッチフィルタが合成される様子を示している。CCDやCMOSなどの光センサアレイにおいては、このようなアナログ演算を好都合に行なうことができる。
したがって、これらの差分絶対値を取ることによって、バンドリジェクションプロファイルを得ることができる。すなわち、補色の情報を得ることが可能となる。
図3に、長波長フィルタを介した受光信号と短波長フィルタを介した受光信号の差分によるバンドリジェクションプロファイルの合成について示す。
図3において、横軸は波長、縦軸は透過率を示している。
また、図3に示すAは前述の通り、波長以下の大きさ(サブ波長)の空孔をもつ金属遮光膜層の透過プロファイルであり、Bは誘電体物質の透過プロファイルである。
|A−B|という演算によってノッチフィルタが合成される様子を示している。CCDやCMOSなどの光センサアレイにおいては、このようなアナログ演算を好都合に行なうことができる。
図4に、これを具現化するためのシステム構成を示す。
図4において、pはピボット、tは膜厚である。
図4に示すように、ある一定画素が誘電体物質の吸収フィルタで構成されるようにし(以下ピボットと呼ぶ)、周辺画素との差分絶対値を演算するようなシステム構成とすることで、上記のようなアナログ演算を好都合に行なうことが可能となる。
逆に、ピボットを、空孔を有する遮光膜フィルタで構成し、各画素が膜厚の異なる誘電体物質の吸収フィルタで構成してもよい。
ピボットは数ピクセル毎に配置されるため、それに起因する回折を効果的に抑制できる配置が望ましい。
例えば、4ピクセルに1つをランダムに選択するように配置すれば、周期性は緩和でき、回折の効果は低減される。
図4において、pはピボット、tは膜厚である。
図4に示すように、ある一定画素が誘電体物質の吸収フィルタで構成されるようにし(以下ピボットと呼ぶ)、周辺画素との差分絶対値を演算するようなシステム構成とすることで、上記のようなアナログ演算を好都合に行なうことが可能となる。
逆に、ピボットを、空孔を有する遮光膜フィルタで構成し、各画素が膜厚の異なる誘電体物質の吸収フィルタで構成してもよい。
ピボットは数ピクセル毎に配置されるため、それに起因する回折を効果的に抑制できる配置が望ましい。
例えば、4ピクセルに1つをランダムに選択するように配置すれば、周期性は緩和でき、回折の効果は低減される。
つぎに、本実施形態における光フィルタの作製方法として、Si基板上にフィルタ構造を作製する作製方法について説明する。
但し、このプロセスを、受光素子を既に作製した基板などに応用する際には、ブロッキング層などを適宜使用する必要がある。
図5に、本実施形態における光フィルタの作製方法を説明するための工程図を示す。
図5において、201は基板、202はピラー構造、203は金属遮光膜層、204はマスクである。
但し、このプロセスを、受光素子を既に作製した基板などに応用する際には、ブロッキング層などを適宜使用する必要がある。
図5に、本実施形態における光フィルタの作製方法を説明するための工程図を示す。
図5において、201は基板、202はピラー構造、203は金属遮光膜層、204はマスクである。
本実施形態における光フィルタの作製方法において、まず、基板201にSOGなどのポリマーによってピラー構造202を作製する(図5(a))。
これにはナノインプリントなどのパターニングプロセスを用いてもよいし、自己組織化などのプロセスを用いても良い。
次に、ピラー構造に対して、スパッタリングなどを用いて金属遮光膜層203を堆積する(図5(b))。
次に、均一な遮光膜層に対して、局所的にマスクしながらエッチングを行なう(図5(c))。
エッチング時間に比例して、金属遮光層の厚みは制御される。
このとき、マスク204のサイズを画素の大きさに対応させることによって、画素毎に金属遮光層膜の厚みを制御することができる。
最後に、ピラー構造を例えば化学的手段で除去すると、画素毎に異なる厚みを有する金属遮光膜層が形成される(図5(d))。
後工程として、画素毎に異なる厚みの透明誘電体膜層を設けるように平坦化プロセスを適用すれば、図1に示したように、集光素子を同じ高さに作り込むことも可能となる(不図示)。
これにはナノインプリントなどのパターニングプロセスを用いてもよいし、自己組織化などのプロセスを用いても良い。
次に、ピラー構造に対して、スパッタリングなどを用いて金属遮光膜層203を堆積する(図5(b))。
次に、均一な遮光膜層に対して、局所的にマスクしながらエッチングを行なう(図5(c))。
エッチング時間に比例して、金属遮光層の厚みは制御される。
このとき、マスク204のサイズを画素の大きさに対応させることによって、画素毎に金属遮光層膜の厚みを制御することができる。
最後に、ピラー構造を例えば化学的手段で除去すると、画素毎に異なる厚みを有する金属遮光膜層が形成される(図5(d))。
後工程として、画素毎に異なる厚みの透明誘電体膜層を設けるように平坦化プロセスを適用すれば、図1に示したように、集光素子を同じ高さに作り込むことも可能となる(不図示)。
以下に、本発明の実施例について説明する。
本実施例では、金属遮光膜層としてAl(アルミニュウム)遮光層膜によるサブ波長空孔構造を有する光フィルタの構成例と、誘電体吸収フィルタ層のピボットとしてSi膜によるサブ波長空孔構造を有する光フィルタの構成例とについて説明する。
本実施例では、金属遮光膜層としてAl(アルミニュウム)遮光層膜によるサブ波長空孔構造を有する光フィルタの構成例と、誘電体吸収フィルタ層のピボットとしてSi膜によるサブ波長空孔構造を有する光フィルタの構成例とについて説明する。
図6に、本実施例におけるSiO2中に埋め込まれた空孔を有するAl遮光層膜の透過スペクトルを計算した結果を示す。
空孔配列は三角格子で、格子定数はΛ=200nm、穴径と格子定数の比(空間充填率)d/Λは0.9である。すなわち、穴径dは180nmである。このとき、空孔の配列面内における面積比は0.81となる。一般に、面積比が0.70未満では、透過率が50%より大きく下がってしまうため、本発明の用途には好ましくない。
また、厚みはそれぞれ25nm,50nm,75nm,100nmである。
短波長では消衰定数が小さいため、同じ厚みに対しても、透過率は高い。50nmのAl遮光層膜でも赤(700nm)と青(450nm)の透過率差は2倍程度の差がついており、長波長遮断フィルタとして機能していることがわかる。
図6を参照すれば、厚み100nmでも、長波長側で透過率は10%程度となっている。これは吸収係数として〜23μm−1であるので、厚み200nmがあれば、1%程度の透過率まで抑制できる。厚み200nmを超えると長波長側の透過率制御が1%以下になるものの短波長側の透過率が40%以下に下がってしまい、長波長側と短波長側のコントラスト差が取れなくなるため、好ましくない。逆に、厚みが25nm未満では短波長側、長波長側とも透過率が高く、やはりコントラスト差が取れなくなるため、好ましくない。以上より、金属遮光膜層の厚さとして、25nm以上、200nm以下が好適である。
空孔配列は三角格子で、格子定数はΛ=200nm、穴径と格子定数の比(空間充填率)d/Λは0.9である。すなわち、穴径dは180nmである。このとき、空孔の配列面内における面積比は0.81となる。一般に、面積比が0.70未満では、透過率が50%より大きく下がってしまうため、本発明の用途には好ましくない。
また、厚みはそれぞれ25nm,50nm,75nm,100nmである。
短波長では消衰定数が小さいため、同じ厚みに対しても、透過率は高い。50nmのAl遮光層膜でも赤(700nm)と青(450nm)の透過率差は2倍程度の差がついており、長波長遮断フィルタとして機能していることがわかる。
図6を参照すれば、厚み100nmでも、長波長側で透過率は10%程度となっている。これは吸収係数として〜23μm−1であるので、厚み200nmがあれば、1%程度の透過率まで抑制できる。厚み200nmを超えると長波長側の透過率制御が1%以下になるものの短波長側の透過率が40%以下に下がってしまい、長波長側と短波長側のコントラスト差が取れなくなるため、好ましくない。逆に、厚みが25nm未満では短波長側、長波長側とも透過率が高く、やはりコントラスト差が取れなくなるため、好ましくない。以上より、金属遮光膜層の厚さとして、25nm以上、200nm以下が好適である。
図7に、同様な構造をSi膜に対して施した場合の計算結果を示す。
図6とは逆に短波長遮断フィルタとなっていることがわかる。
構造パラメータから、誘電体においては、平均屈折率近似ができる領域であるため、空孔を有することによってバルクのSi膜の吸収が緩和された応答を示す。そのため、金属遮光膜層と同様な厚みにできるため、平坦化プロセスが容易にできるという利点があるが、もちろん単なる誘電体膜でもかまわない。
図6とは逆に短波長遮断フィルタとなっていることがわかる。
構造パラメータから、誘電体においては、平均屈折率近似ができる領域であるため、空孔を有することによってバルクのSi膜の吸収が緩和された応答を示す。そのため、金属遮光膜層と同様な厚みにできるため、平坦化プロセスが容易にできるという利点があるが、もちろん単なる誘電体膜でもかまわない。
図8に、100nmの空孔を有するSi膜を有する画素信号をピボットとして、図6の各膜厚に対して絶対差分値を求めた結果を示す。
波長550〜650nmにかけてバンドリジェクションプロファイルとなっていることがわかる。
従って、遮光膜層の膜厚を制御することで、色情報が分離されることがわかる。膜厚が50nm以上であれば、スペクトルのシフトと膜厚はほぼ線形な関係になっており、高精度にスペクトルプロファイルが制御できることがわかる。
波長550〜650nmにかけてバンドリジェクションプロファイルとなっていることがわかる。
従って、遮光膜層の膜厚を制御することで、色情報が分離されることがわかる。膜厚が50nm以上であれば、スペクトルのシフトと膜厚はほぼ線形な関係になっており、高精度にスペクトルプロファイルが制御できることがわかる。
遮光性能を有しない第2のピボットを付設して、演算を施すようにしてもよい。
これを一般化すると、N画素を1セットとして、m個のピボットとN−m個の遮光膜を有する画素で構成するということである。
m個のピボットは最大m種類、(N−m)個の画素にn種類の遮光膜厚で構成することにより、q(=NPm x (N−m)!)通りの並べ方が存在することになる。
したがって、画素サイズが波長オーダーになってきても、ピボットの配置にランダム性を持たせて、回折光による損失は1/qに低減することができる。
これを一般化すると、N画素を1セットとして、m個のピボットとN−m個の遮光膜を有する画素で構成するということである。
m個のピボットは最大m種類、(N−m)個の画素にn種類の遮光膜厚で構成することにより、q(=NPm x (N−m)!)通りの並べ方が存在することになる。
したがって、画素サイズが波長オーダーになってきても、ピボットの配置にランダム性を持たせて、回折光による損失は1/qに低減することができる。
このように、複数種類のピボットを有することによって、S/Nを向上させることが可能である。しかし、このような構成によると、空間分解能が犠牲にされることとなるが、一般の撮像デバイスでは、空間周波数ローパスフィルタなどを用いているので、N<16程度であれば、空間分解能は問題としなくともよい。
101:基板
102:光センサ
103:金属遮光膜層
104:透明誘電体層
105:集光素子
106:入射光
107:空孔
201:基板
202:ピラー構造
203:金属遮光膜層
204:マスク
102:光センサ
103:金属遮光膜層
104:透明誘電体層
105:集光素子
106:入射光
107:空孔
201:基板
202:ピラー構造
203:金属遮光膜層
204:マスク
Claims (7)
- 複数の画素を備えた固体撮像装置に用いられる光フィルタであって、
前記複数の画素における少なくとも二つ以上のそれぞれの画素の領域内に、受光する光の波長以下の大きさの空孔が複数配列された金属遮光膜層を含んで構成された構造を有し、
前記金属遮光膜層の厚みが、前記それぞれの画素の領域毎に異なることを特徴とする光フィルタ。 - 前記金属遮光膜層の厚みが、25nm以上、200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光フィルタ。
- 前記複数の画素における特定の画素の領域内に、誘電体による吸収フィルタ層を含んで構成された構造を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光フィルタ。
- 前記金属遮光膜層と前記吸収フィルタ層のいずれか一方がランダムに選択され、該ランダムに選択された一方の周辺に他方が配置された構造を有することを特徴とする請求項3に記載の光フィルタ。
- 前記空孔の配列面内における面積比が、70%以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光フィルタ。
- 前記金属遮光膜層の異なる厚みによって生じた該金属遮光膜層の上面の段差に対し、該上面を平坦化する透明誘電体膜層を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光フィルタ。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載の光フィルタを備えていることを特徴とする固体撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008151411A JP2009302096A (ja) | 2008-06-10 | 2008-06-10 | 固体撮像装置に用いられる光フィルタ、固体撮像装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008151411A JP2009302096A (ja) | 2008-06-10 | 2008-06-10 | 固体撮像装置に用いられる光フィルタ、固体撮像装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013191717A (ja) * | 2012-03-14 | 2013-09-26 | Toshiba Corp | 固体撮像装置、及び固体撮像装置の製造方法 |
CN105144384A (zh) * | 2013-04-23 | 2015-12-09 | 夏普株式会社 | 电路内置光电转换装置及其制造方法 |
WO2019124114A1 (ja) * | 2017-12-21 | 2019-06-27 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 | 電磁波処理装置 |
-
2008
- 2008-06-10 JP JP2008151411A patent/JP2009302096A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013191717A (ja) * | 2012-03-14 | 2013-09-26 | Toshiba Corp | 固体撮像装置、及び固体撮像装置の製造方法 |
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US11776976B2 (en) | 2017-12-21 | 2023-10-03 | Sony Semiconductor Solutions Corporation | Electromagnetic wave processing device |
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