JP2009301798A - 二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】異常事態が発生したときに速やかにリチウムイオン二次電池を安全な状態にする。
【解決手段】本発明によるリチウム二次電池は、電解液を収容する電池筐体1と、電池筐体1の中に設けられた、熱暴走抑制物質をその内部に収容する熱暴走抑制物質パック8とを備える。
【選択図】図1A

Description

本発明は、二次電池に関し、特に、二次電池の安全性の向上に関する。
リチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度を有し、且つ、貯蔵性能や低温動作性に優れるため、様々な用途に利用されている。
リチウムイオン二次電池の設計において考慮すべき事項の一つは、異常事態が発生したときの安全性の確保である。例えば、リチウムイオン二次電池の内部で短絡が発生した場合、大きな電流が流れて発熱し、電池の温度が急上昇することがある。留意すべき事項は、リチウムイオン二次電池では、電解液が可燃性の有機溶媒を含んでいることである。電池の温度が急上昇すると、電解液が気化して内圧が上がり、リチウムイオン二次電池が破裂することがあり、最悪の場合には、電解液に引火し、発火することがある。リチウムイオン二次電池が破裂・発火する事態を防止することは、リチウムイオン二次電池の設計において重要である。
例えば、特開平11−154535号公報は、リチウムイオン二次電池の発火を防ぐための構造を開示されている。この公報に開示されたリチウムイオン二次電池では、リン酸アンモニウム、リン酸アンモニウム化合物、ポリリン酸アンモニウム又はポリリン酸アンモニウム化合物(以下、「リン酸アンモニウム等」という。)が、正極板及び/又は負極板に添加されている。リン酸アンモニウムは、吸熱物質として作用し、リチウムイオン二次電池の温度の上昇を抑制する。リン酸アンモニウムの使用は、発火の防止に有効である。
更に、特開平11−345604号公報は、電池安全性を確保するために、複数のリチウムイオン二次電池をモジュールケースに格納し、そのモジュールケース内に吸熱物質を充填する技術を開示している。
しかしながら、発明者の検討によれば、上記の技術には、破裂・発火の防止の確実性、及び迅速性の観点で更に改良の余地がある。特開平11−154535号公報に記載の技術では、リチウムイオン二次電池の性能を考慮すると正極板及び/又は負極板に添加可能なリン酸アンモニウム等の量には限界があり、破裂・発火を防ぐ能力は高くない。また、特開平11−345604号公報に開示された技術では、あるリチウムイオン二次電池に異常が発生した場合、当該リチウムイオン二次電池が破裂・発火してから吸熱物質が作用するから、発火の防止の迅速性に劣る。
特開平11−154535号公報 特開平11−345604号公報
したがって、本発明の目的は、異常事態が発生したときに速やかに二次電池を安全な状態にすることができる二次電池の構造を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下に述べられる手段を採用する。その手段の記述には、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号が付記されている。但し、付記された番号・符号は、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲を限定的に解釈するために用いてはならない。
本発明による二次電池は、電解液を収容する電池筐体(1)と、電池筐体(1)の中に設けられた、熱暴走抑制物質をその内部に収容する熱暴走抑制物質収容構造体(8)とを備える。このような二次電池では、異常事態が発生したときに熱暴走抑制物質収容構造体(8)から熱暴走抑制物質が放出され、二次電池の温度上昇が抑制される。従って、本発明によれば、速やかに二次電池を安全な状態にすることができる。
熱暴走抑制物質収容構造体(8)は、100〜300℃の温度で破壊されて前記熱暴走抑制物質を放出するように構成されることが好ましい。
前記熱暴走抑制物質収容構造体は、様々な構造をとり得る。一実施形態では、前記熱暴走抑制物質収容構造体は、金属フィルムを含む袋として形成され得る。また、前記熱暴走抑制物質収容構造体は、金属フィルムと、それに接合された樹脂フィルムを含む袋として形成され得る。前記樹脂フィルムは、前記金属フィルムの両面に接合されることが望ましい。
好適な実施形態では、熱暴走抑制物質収容構造体(8)は、アルミニウムフィルム(12)と、その両面に積層されたポリプロピレンフィルム(11、13)とを含む袋である。この場合、熱暴走抑制物質収容構造体(8)は、更に、前記電解液の側に位置する、ナイロン又はポリエチレンテレフタレートで形成された外装フィルム(14)を備えることが好ましい。
他の好適な実施形態では、熱暴走抑制物質収容構造体(8)は、ポリプロピレンフィルム(15)と、前記ポリプロピレンフフィルム(15)に積層されたアルミニウムフィルム(16)と、前記アルミニウムフィルム(16)に積層されたナイロンフィルム(17)とを含む袋であることが好ましい。熱暴走抑制物質収容構造体(8)は、更に、前記電解液の側に位置する、PETフィルム(18)を備えることが好ましい。
また、熱暴走抑制物質収容構造体(8)に収容される熱暴走抑制物質は、アルカリ、酸、炭素化合物、炭酸化合物、窒素化合物、水和金属化合物、ホウ素化合物、リン化合物、ハロゲン化合物、水、界面活性剤のうち少なくとも一つ以上の材料を含むことが好ましい。また、熱暴走抑制物質収容構造体(8)に収容される熱暴走抑制物質は、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、アロファン酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、アルキル硫酸エステル塩水溶液、パーフルオロオクタン酸塩水溶液、水酸化アルミニウム水和物、水酸化マグネシウム水和物、炭酸マグネシウム水和物、酸化アンチモン水和物、ホウ酸、ホウ酸亜鉛、トリフェニルフォスフェート、ビスフェノールA、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、ポリリン酸アンモニウム、塩素化パラフィン、デカブロムジフェニルエーテルのうち少なくとも一つ以上の材料を含むことが好ましい。
本発明によれば、異常事態が発生したときに速やかに二次電池を安全な状態にすることができる。
図1A、図1Bは、本発明の一実施形態のリチウムイオン二次電池10の構成を示す鳥瞰図である。電池筐体1の内部に、正極板2と、負極板3と、正極板2と負極板3とを分離するセパレータ4とからなる積層体が収容されている。正極板2は、正極端子5に接続されており、負極板3は、負極端子6に接続されている。電池筐体1の内部には、電解液(図示されない)が充填される。リチウムイオン二次電池10の電解液が、可燃性の有機溶媒を含んでおり、電解液への引火の防止が安全上重要であることは、上述のとおりである。正極端子5と負極端子6との間に、安全弁7が設けられている。
電池筐体1の内部には、更に、熱暴走抑制物質パック8が収容されている。熱暴走抑制物質パック8の内部には、リチウムイオン二次電池10の破裂・発火を防止するための熱暴走抑制物質が充填されている。ここでいう熱暴走抑制物質とは、吸熱や反応物被覆により、電池の熱暴走反応を抑制する作用を有する物質のことである。熱暴走抑制物質としては、吸熱物質、水、界面活性剤、またはこれらのうちの2種以上の混合物が使用され得る。ここで、吸熱物質とは、加熱されたときに吸熱反応を起こす物質のことである。吸熱物質は、リチウムイオン二次電池10の温度が上昇しようとするときに、吸熱反応を起こして吸熱し、熱暴走を有効に抑制する。水は、リチウムイオン二次電池10の温度上昇を抑制し、熱暴走を有効に抑制する。更に、界面活性剤は、リチウムイオン二次電池10の内容物やその反応物を被覆し、リチウムイオン二次電池10の発火を有効に防止する。
本実施形態では、熱暴走抑制物質パック8は、正極板2、負極板3、及びセパレータ4の積層体の周囲を取り囲むように、より具体的には、電池筐体1の正面、背面、及び両側面の4箇所に配置される(ただし、図1Aでは、熱暴走抑制物質パック8のうちの2つしか図示されない)。なお、熱暴走抑制物質パック8の配置は、様々に変更可能であることに留意されたい。
リチウムイオン二次電池10に異常事態が発生して温度が上昇すると、熱暴走抑制物質パック8が破れて熱暴走抑制物質が放出され、温度上昇が抑制される。これにより、リチウムイオン二次電池10の破裂・発火が防止される。熱暴走抑制物質パック8が電池筐体1の中に配置されていることは、リチウムイオン二次電池10の破裂・発火の抑制において重要である。熱暴走抑制物質パック8が電池筐体1の中に配置されていることにより、リチウムイオン二次電池10が破裂・発火する前に熱暴走抑制物質を作用させることができ、速やかにリチウムイオン二次電池10を安全な状態にすることができる。
熱暴走抑制物質パック8は、適切な温度で破れるように構成される。熱暴走抑制物質パック8が余りにも低温で破れるように構成されていると、リチウムイオン二次電池10が通常に動作している場合にも熱暴走抑制物質パック8が破れて熱暴走抑制物質が放出され、リチウムイオン二次電池10の動作に支障をきたす。一方、熱暴走抑制物質パック8が破れる温度が高すぎると、熱暴走抑制物質によるリチウムイオン二次電池10の破裂・発火の抑制効果が薄れる。熱暴走抑制物質パック8は、好適には、100〜300℃の温度で破れるように構成されることが好ましい。
熱暴走抑制物質パック8は、適切な突刺強度を有するように構成される。突刺強度が過剰に大きいと、熱暴走抑制物質によるリチウムイオン二次電池10の破裂・発火の抑制効果が薄れる。より具体的には、熱暴走抑制物質パック8の突刺強度は、面圧として定義したときに360kN/cm未満であることが望ましい。ここで、熱暴走抑制物質パック8の突刺強度とは、先端が尖った棒状体によって熱暴走抑制物質パック8を突き刺したときに、熱暴走抑制物質パック8が破れる面圧をいう。
図2Aは、熱暴走抑制物質パック8の構造の例を示す断面図である。一実施形態では、熱暴走抑制物質パック8は、樹脂フィルム11、13と、その間に挟まれた金属フィルム12とで構成される。図2Bに示されているように、熱暴走抑制物質パック8は、金属フィルム12のみで構成されてもよい。
図2Cは、熱暴走抑制物質パック8の好適な構造をより具体的に示す断面図である。図2Cの熱暴走抑制物質パック8は、PP(ポリプロピレン)フィルム11Aと、アルミニウムフィルム12Aと、PPフィルム13Aと、外装フィルム14Aとで構成されている。外装フィルム14は、例えば、ナイロンやPET(ポリエチレンテレフラレート)で形成される。熱暴走抑制物質パック8の4つのフィルムのうち、PPフィルム11が熱暴走抑制物質の側に位置しており、外装フィルム14が電解液の側に位置している。PPフィルム11が融着されることにより、熱暴走抑制物質パック8が袋状に形成される。図2Cの熱暴走抑制物質パック8がPPフィルム11、アルミニウムフィルム12、ポリプロピレンフィルム13の三層構造を含んでいることにより、熱暴走抑制物質パック8が破れる温度が適切に調節され、更に、熱暴走抑制物質パック8の突刺強度が適切に調節されている。外装フィルム14は、PPフィルム11を融着する際の離型を容易にするために使用される。
図2Dは、熱暴走抑制物質パック8の他の好適な構造を示す断面図である。図2Dの熱暴走抑制物質パック8は、PP(ポリプロピレン)フィルム11Aと、アルミニウムフィルム11Bと、ナイロンフィルム15Aと、PETフィルム16Aとで構成されている。PPフィルム11Aが熱暴走抑制物質の側に位置しており、PETフィルム16Aが電解液の側に位置している。ただし、PETフィルム16Aは、必ずしも必要とされず、ナイロンフィルム17が電解液に面していてもよい。この構造でも、熱暴走抑制物質パック8が破れる温度が適切に調節され、更に、熱暴走抑制物質パック8の突刺強度が適切に調節される。
熱暴走抑制物質パック8に充填される熱暴走抑制物質としては、様々な薬剤が使用され得る。熱暴走抑制物質パック8に充填される熱暴走抑制物質は、アルカリ、酸、炭素化合物、炭酸化合物、窒素化合物、水和金属化合物、ホウ素化合物、リン化合物、ハロゲン化合物、水、界面活性剤のうち少なくとも一つ以上の材料を含むことが好ましい。
より具体的には、熱暴走抑制物質パック8に充填される熱暴走抑制物質としては、炭酸水素カリウムを主成分とするK型BC消火剤、炭酸水素ナトリウムを主成分とするNa型BC消火剤、炭酸水素カリウムと尿素の反応生成物を主成分とするKU型BC消火剤、リン酸二水素アンモニウムを主成分とするABC消火剤が使用され得る。これらの消火剤は、吸熱物質として機能し、リチウムイオン二次電池10の破裂・発火を有効に抑制する。熱暴走抑制物質パック8に充填される熱暴走抑制物質としては、水も使用可能である。他にも、下記の薬剤が熱暴走抑制物質パック8に充填される熱暴走抑制物質として使用可能である:
(1)アルカリ性吸熱物質
炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、アロファン酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム
(2)酸性吸熱物質
リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム
(3)水と界面活性剤の混合物
アルキル硫酸エステル塩水溶液、パーフルオロオクタン酸塩水溶液
(4)エチレングリコール
(5)水和金属化合物
水酸化アルミニウム水和物、水酸化マグネシウム水和物、炭酸マグネシウム水和物、酸化アンチモン水和物
(6)ホウ素化合物
ホウ酸、ホウ酸亜鉛
(7)リン化合物
トリフェニルフォスフェート、ビスフェノールA、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、ポリリン酸アンモニウム
(8)ハロゲン化合物
塩素化パラフィン、デカブロムジフェニルエーテル
熱暴走抑制物質の形態は、熱暴走抑制物質パック8に収容可能なものであればよく、固体、液体のいずれの熱暴走抑制物質も使用可能である。ただし、液状体は流動性が高いため、熱暴走抑制物質パック8にわずかの欠陥が生じた際に、熱暴走抑制物質パック8の外に熱暴走抑制物質が容易に漏出して電池性能に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、熱暴走抑制物質パック8に収容される熱暴走抑制物質としては、固形物が使用されることが好ましい。固形物としては、粉末状のものが取り扱いやすく、熱暴走抑制物質は、粉末のまま熱暴走抑制物質パック8に収容されてもよく、粉末を圧縮・成型して得られる圧縮成型体として熱暴走抑制物質パック8に収容されてもよい。熱暴走抑制物質が圧縮・成型された後で熱暴走抑制物質パック8に入れられることは、熱暴走抑制物質の充填量を増加させ、熱暴走抑制物質パック8の熱暴走抑制作用を向上させるために有効である。
上記の実施形態ではリチウムイオン二次電池について言及されているが、本発明は、他の二次電池にも適用可能である。
Na型BC消火剤、水、KU型BC消火剤が充填された熱暴走抑制物質パック8を備えるリチウムイオン二次電池(実施例1〜4)、及び熱暴走抑制物質パック8を備えないリチウムイオン二次電池(比較例)に対して、釘刺し試験が行われた。釘刺し試験とは、リチウムイオン二次電池を充電した後に、正極板2及び負極板3を貫通するように釘を刺し、その後、リチウムイオン二次電池の破裂・発火の有無を確認する試験である。釘としては、直径5mmのステンレス釘が使用された。リチウムイオン二次電池の充電は、以下の手順で行われた:まず、充電電流の電流値をC/5に一定に保ったまま、正極端子と負極端子の電圧が4.2Vになるまで充電された。ここでCとは、1時間でリチウムイオン二次電池を完全に充電できるような電流値である。その後、充電電圧を4.2Vに一定に保ったまま、充電が行われた。4.2Vの充電電圧で充電を続けると、充電電流が減少していく。充電電流が0.5Aにまで低下した時点で、充電が終了された。
図3は、試験対象のリチウムイオン二次電池の構成と、試験結果を示す表である。図3の「状態」の欄は、熱暴走抑制物質の状態を示している。「粉」とは、粉体状の熱暴走抑制物質が熱暴走抑制物質パック8に充填されていることを示し、「圧縮」とは、粉体状の熱暴走抑制物質が板状に圧縮・成型された後、熱暴走抑制物質パック8に入れられていることを示す。また、図3の表の「種類」の欄において、「Na」は熱暴走抑制物質としてNa型BC消火剤が使用されていることを示し、「水」は水が使用されていることを示し、「KU」は、KU型BC消火剤が使用されていることを示す。「封入位置」の欄は、熱暴走抑制物質パック8が設けられる数と位置を示しており、例えば、「正面 側面×2」は、電池筐体1の正面、背面に熱暴走抑制物質パック8が一つずつ設けられ、且つ、両側面に熱暴走抑制物質パック8が設けられていることを示している。
図4は、釘をさした後、安全弁7から噴出するガスの温度の計測結果を示す。熱暴走抑制物質パック8を設けないリチウムイオン二次電池では、安全弁7から噴出するガスの温度は、約1秒間、測定限界である1400℃を超えた。一方、KU型BC熱暴走抑制物質を充填した熱暴走抑制物質パック8が使用された実施例4では、安全弁7から噴出するガスの温度は、最高で1300℃に抑制され、粉末のNa型BC消火剤が熱暴走抑制物質パック8に充填された実施例1、及び粉末のNa型BC消火剤が圧縮・成型された後に熱暴走抑制物質パック8に充填された実施例2では、1000℃に抑制された。また、水が充填された熱暴走抑制物質パック8が使用された実施例3は熱暴走抑制性能が最も高く、実施例3では、安全弁7から噴出するガスの温度は、700℃に抑制された。
図3、図4の結果は、いずれも、熱暴走抑制物質を充填した熱暴走抑制物質パック8の使用の有効性を示している。
図1Aは、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池の構成を、電池筐体の一部を切り取って示す斜視図である。 図1Bは、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池の構成を、電池筐体の一部を切り取り、熱暴走抑制物質パックを除去して示す斜視図である。 図2Aは、熱暴走抑制物質パックの好適な構成を示す断面図である。 図2Bは、熱暴走抑制物質パックの他の好適な構成を示す断面図である。 図2Cは、熱暴走抑制物質パックの他の好適な構成を示す断面図である。 図2Dは、熱暴走抑制物質パックの他の好適な構成を示す断面図である。 図3は、リチウムイオン二次電池の釘刺し試験の結果を示す表である。 図4は、リチウムイオン二次電池に釘を刺した後、安全弁から噴出するガスの温度を示すグラフである。
符号の説明
10:リチウムイオン二次電池
1:電池筐体
2:正極板
3:負極板
4:セパレータ
5:正極端子
6:負極端子
7:安全弁
8:熱暴走抑制物質パック
11、13:樹脂フィルム
12:金属フィルム
11A、13A:PPフィルム
12A:アルミニウムフィルム
14A:外装フィルム
15A:ナイロンフィルム
16A:PETフィルム

Claims (13)

  1. 電解液を収容する電池筐体と、
    前記電池筐体の中に設けられた、熱暴走抑制物質をその内部に収容する熱暴走抑制物質収容構造体
    とを備える
    二次電池。
  2. 請求項1に記載の二次電池であって、
    前記熱暴走抑制物質収容構造体は、100〜300℃の温度で破壊されて前記熱暴走抑制物質を放出するように構成された
    二次電池。
  3. 請求項1又は2に記載の二次電池であって、
    前記熱暴走抑制物質収容構造体は、金属フィルムを含む袋である
    二次電池。
  4. 請求項3に記載の二次電池であって、
    前記熱暴走抑制物質収容構造体は、更に、前記金属フィルムに接合された樹脂フィルムを含む
    二次電池。
  5. 請求項4に記載の二次電池であって、
    前記樹脂フィルムは、前記金属フィルムの両面に接合されている
    二次電池。
  6. 請求項1又は2に記載の二次電池であって、
    前記熱暴走抑制物質収容構造体は、アルミニウムフィルムと前記アルミニウムフィルムの両面に積層されたポリプロピレンフィルムとを含む袋である
    二次電池。
  7. 請求項3に記載の二次電池であって、
    前記熱暴走抑制物質収容構造体は、更に、前記電解液の側に位置する、ナイロン又はポリエチレンテレフタレートで形成された外装フィルムを備える
    二次電池。
  8. 請求項1又は2に記載の二次電池であって、
    前記熱暴走抑制物質収容構造体は、ポリプロピレンフィルムと前記ポリプロピレンフィルムに積層されたアルミニウムフィルムと前記アルミニウムフィルムに積層されたナイロンフィルムとを含む袋である
    二次電池。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の二次電池であって、
    熱暴走抑制物質収容構造体は、突刺強度が360kN/cm未満であるように形成された
    二次電池。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の二次電池であって、
    前記熱暴走抑制物質は、吸熱物質、水、界面活性剤のうち少なくとも一つ以上の材料を含む
    二次電池。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の二次電池であって、
    前記熱暴走抑制物質は、アルカリ、酸、炭素化合物、炭酸化合物、窒素化合物、水和金属化合物、ホウ素化合物、リン化合物、ハロゲン化合物のうち少なくとも一つ以上の材料を含む
    二次電池。
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載の二次電池であって、
    前記熱暴走抑制物質は、K型BC消火剤、Na型BC消火剤、KU型BC消火剤、ABC消火剤、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、アロファン酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、アルキル硫酸エステル塩水溶液、パーフルオロオクタン酸塩水溶液、水酸化アルミニウム水和物、水酸化マグネシウム水和物、炭酸マグネシウム水和物、酸化アンチモン水和物、ホウ酸、ホウ酸亜鉛、トリフェニルフォスフェート、ビスフェノールA、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、ポリリン酸アンモニウム、塩素化パラフィン、デカブロムジフェニルエーテルのうち少なくとも一つ以上の材料を含む
    二次電池。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載の二次電池であって、
    前記熱暴走抑制物質の形態が、粉末又は圧縮成型体のいずれかである
    二次電池。
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