JP2009301610A - 磁界強度測定方法および磁界強度測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、磁界強度の測定方法に関し、より詳細には磁気ヘッドのライト素子およびライト素子の近傍における磁界強度の測定方法および測定装置に関するものである。
【解決手段】 本発明の磁気ヘッドのライト素子の磁界強度を測定する磁界強度測定方法は、ライト素子に所定のライト駆動電流を印加し、磁気ヘッドの浮上面に対向して磁気センサを近接配置し、浮上面のライト素子およびライト素子近傍の所定領域を走査して磁界強度を測定、または浮上面のライト素子およびライト素子近傍の所定位置の磁界強度を測定する、よう構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の磁気ヘッドのライト素子の磁界強度を測定する磁界強度測定方法は、ライト素子に所定のライト駆動電流を印加し、磁気ヘッドの浮上面に対向して磁気センサを近接配置し、浮上面のライト素子およびライト素子近傍の所定領域を走査して磁界強度を測定、または浮上面のライト素子およびライト素子近傍の所定位置の磁界強度を測定する、よう構成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、磁界強度の測定方法に関し、より詳細には磁気ヘッドのライト素子およびライト素子の近傍における磁界強度の測定方法および測定装置に関するものである。
ハードディスク装置の挟トラック化に伴い、磁気ヘッドのライトコア幅が磁気ヘッドの品質や歩留りに大きく影響するようになってきている。このため、従来ではライトコア幅やその他の特性が所定の規格を満足するかどうかをチェックするために、ウェーハから切り出し個片化した磁気ヘッドをHGA(Head Gimbal Assembly)として組み立て、ライト素子により磁気記録媒体上にテストデータを書き込み磁気記録媒体の磁化強度を測定して確認していた。より詳細には、図10(a)に示すようにHGA20を磁気記憶装置に搭載したときと同様に磁気記録媒体10上に浮上させてライト素子によりテストデータを磁気記録媒体に記録し、リード素子21を磁気記録媒体の半径方向にテストデータを記録したトラック30を横断するように移動(図10(a)の矢印が移動方向を示す)させて磁界強度を測定し、測定で得られた磁界強度のプロファイルからライトコア幅やその他の特性を求めていた。図10(b)は、リード素子21を用いて測定した磁界強度のプロファイル例を示している。例えばライトコア幅は、図10(b)のプロファイルから最高磁界強度の半分の強度を示すときの幅(図10(b)の矢印で示される幅)と定義している。
このような磁気ヘッド製造工程におけるチェックは、ウェーハからサンプリングした磁気ヘッドで行われ、問題がないことが確認できるとそのウェーハの磁気ヘッドのプロセスを進め、HGAとして組み立てられて製品に搭載される。チェックで得られた特性に基づいて製品搭載の際に調整することも行われている。また、チェックで不良と判定されたウェーハの磁気ヘッドはロット不良として破棄される。
上記の他にライト素子の磁界を測定する方法として、いろいろな方式が提案されている。例えば、MFM(Magnetic Force Microscope)を用いてカンチレバーに搭載した探針をライト素子に接近させて磁気力相互作用によりライト素子の磁界を検出する方法(特許文献1)や、同じくカンチレバーに感磁素子を取り付けAFM(Atomic Force Microscope)を用いてカンチレバーの撓みによりライト素子の磁界を検出する方法(特許文献2)がある。また、ライト素子が発生する磁界中に磁性膜を置き、この磁性膜にレーザを検出光として与えてファラデー効果、またはカー効果によりライト素子の磁界強度を測定する方法(特許文献3)、電子ビームをライト素子の面に当て反射される偏向量から3次元の磁界分布を求める方法(特許文献4)等がある。
特開2003−24891号公報
特開2003−51104号公報
特開平08−54452号公報
特開平06−258413号公報
上記に述べたように、磁気ヘッドはその製造プロセスの途中でライトコア幅を含めたチェックが行われる。このチェックは、ウェーハからサンプリングして行われるが、サンプリングによる磁気ヘッドは図11に示す工程を得てチェックされる。
即ち、まずウェーハ上に薄膜プロセスで磁気ヘッドを形成し、複数の磁気ヘッドを一列にしたスライダバーとしてウェーハから切り出す(S100−S120)。サンプリングする磁気ヘッドを含むスライダバーに対して浮上面となる切断面のラッピングを行い、浮上面形成として浮上面にDLC(Diamond Like Carbon)膜を生成し、吸着防止のパッドパターンを形成する。その後、スライダバーを個片化してHGA組み立てを行う。HGAを磁気ヘッド検査装置に搭載して図10で示した方法によりチェックを行う(S130−S180)。チェック結果がNGならサンプリングしたウェーハの磁気ヘッドは総て破棄され、OKであればサンプリングした以外のスライダバーに対して、ラッピング、浮上面形成、個片化およびHGA組み立てを行って製品に搭載する(S190−S230)。
以上に述べたように、従来ではサンプリングした磁気ヘッドはHGA組み立てまで行ってチェックすることになるので、チェック結果が判明するまで多大の時間を要するという問題があった。
また、従来のライトコア幅を求める方法は、磁気記録媒体に記録された磁化強度を測定しており、ライト素子の特性に磁気記録媒体の特性を含めたを特性を測定していたことになる。更に、ライト素子からは磁気記録に不要なイレーズ磁界が形成される場合があり、磁気記録媒体を使用した測定ではイレーズ磁界がライト素子のどの箇所から発生しているかを特定することが難しい、という問題もあった。
また、特許文献1−4で提案された方法は、それぞれにライト素子の磁気的特性を得ることができるが、測定には高価な設備が必要でありコストの点から問題がある。
本発明は、コストを抑えながらライトコア幅を含めた磁気的特性を求めるためのライト素子の磁界強度測定方法および磁界強度測定装置を提供することを目的とする。
本発明の磁気ヘッド検査方法は以下のように構成される。
(1)第1の発明
第1の発明の磁界強度測定方法は、磁気ヘッドのライト素子の磁界強度を測定する磁界強度測定方法であり、ライト素子に所定のライト駆動電流を印加して磁気ヘッドの浮上面に対向して磁気センサを近接配置し、浮上面のライト素子およびそのライト素子近傍の所定領域を走査して磁界強度を測定するものである。または、浮上面のライト素子およびそのライト素子近傍の所定位置の磁界強度を測定するものである。
(2)第2の発明
第2の発明の磁界強度測定方法は、第1の発明の所定のライト駆動電流が予め定めた複数のライト駆動電流、または予め定めた電流範囲のライト駆動電流であり、第1の発明の磁界強度の測定が予め定めた複数のライト駆動電流のそれぞれについて所定領域を走査して磁界強度を測定する、ことを特徴とする。または、予め定めた電流範囲にライト駆動電流を変化させて所定位置の磁界強度を測定する、ことを特徴とする。
(3)第3の発明
第3の発明の磁界強度測定方法は、第1の発明のライト駆動電流は予め定めた複数の周波数のライト駆動電流、または予め定めた周波数範囲のライト駆動電流であり、第1の発明の磁界強度の測定が予め定めた複数の複数の周波数のライト駆動電流のそれぞれについて所定領域を走査して磁界強度を測定する、ことを特徴とする。または、予め定めた周波数範囲にライト駆動電流を変化させて所定位置の磁界強度を測定する、ことを特徴とする。
(4)第4の発明
第4の発明の磁界強度測定方法は、第1から第3の発明の磁気ヘッドが、ウェーハから切り出したスライダバー、または個片化されたスライダに形成されたもの、またはHGA(ヘッドジンバルアセンブリ)として組み立てられたものである、ことを特徴とする。
(5)第5の発明
第5の発明の磁界強度測定装置は、磁気ヘッドのライト素子の磁界強度を測定する磁界強度測定装置であり、駆動電流印加手段、支持台、磁気センサ、磁界強度測定手段およびステージを備える。
(1)第1の発明
第1の発明の磁界強度測定方法は、磁気ヘッドのライト素子の磁界強度を測定する磁界強度測定方法であり、ライト素子に所定のライト駆動電流を印加して磁気ヘッドの浮上面に対向して磁気センサを近接配置し、浮上面のライト素子およびそのライト素子近傍の所定領域を走査して磁界強度を測定するものである。または、浮上面のライト素子およびそのライト素子近傍の所定位置の磁界強度を測定するものである。
(2)第2の発明
第2の発明の磁界強度測定方法は、第1の発明の所定のライト駆動電流が予め定めた複数のライト駆動電流、または予め定めた電流範囲のライト駆動電流であり、第1の発明の磁界強度の測定が予め定めた複数のライト駆動電流のそれぞれについて所定領域を走査して磁界強度を測定する、ことを特徴とする。または、予め定めた電流範囲にライト駆動電流を変化させて所定位置の磁界強度を測定する、ことを特徴とする。
(3)第3の発明
第3の発明の磁界強度測定方法は、第1の発明のライト駆動電流は予め定めた複数の周波数のライト駆動電流、または予め定めた周波数範囲のライト駆動電流であり、第1の発明の磁界強度の測定が予め定めた複数の複数の周波数のライト駆動電流のそれぞれについて所定領域を走査して磁界強度を測定する、ことを特徴とする。または、予め定めた周波数範囲にライト駆動電流を変化させて所定位置の磁界強度を測定する、ことを特徴とする。
(4)第4の発明
第4の発明の磁界強度測定方法は、第1から第3の発明の磁気ヘッドが、ウェーハから切り出したスライダバー、または個片化されたスライダに形成されたもの、またはHGA(ヘッドジンバルアセンブリ)として組み立てられたものである、ことを特徴とする。
(5)第5の発明
第5の発明の磁界強度測定装置は、磁気ヘッドのライト素子の磁界強度を測定する磁界強度測定装置であり、駆動電流印加手段、支持台、磁気センサ、磁界強度測定手段およびステージを備える。
駆動電流印加手段は、磁気ヘッドのライト素子に所定のライト駆動電流を印加するものであり、支持台は磁気ヘッドを支持し、磁気センサは磁界強度を検知し、磁界強度測定手段は磁気センサを用いて磁界強度を測定し、ステージは記磁気センサを搭載して微小移動の制御が可能とする。そして、支持台に固定した磁気ヘッドの浮上面に対向して、ステージに搭載した磁気センサを近接配置し、その磁気センサが浮上面の所定領域を走査するようステージを移動させて磁界測定手段を用いてライト素子およびそのライト素子近傍の磁界強度を測定する。または、磁気センサが浮上面の所定位置に位置するようステージを移動させて磁界測定手段を用いてライト素子およびそのライト素子近傍の磁界強度を測定する、ことを特徴とするものである。
上述のように本発明によれば、次に示す効果が得られる。
第1の発明により、ライト素子が発生する磁界強度を直接測定するので、高い精度でライトコア幅等を求めることが可能な測定方法の提供ができる。
第2の発明により、ライト駆動電流に対する磁界強度に対する依存性を求めることができ、磁気ヘッドの磁気記録装置への組み込みにおいて最適なチューニングを行うことができる。
第3の発明により、ライト駆動周波数に対する磁界強度に対する依存性を求めることができ、磁気ヘッドの磁気記録装置への組み込むにおいて最適なチューニングを行うことができる。
第4の発明により、磁気ヘッドをスライダバー、スライダあるいはHGAのいずれの形態でも磁界分布の測定が可能であり、チェックのタイミングの選択肢が拡がる。特に、スライダバーでのチェックは、磁気ヘッド製造工程の早い段階で磁気ヘッドの良否判別ができる。
第5の発明により、第1と発明と同様の効果を奏する磁界強度測定装置の提供ができる。
本発明の磁界強度測定方法の実施形態説明するが、その前に磁気ヘッドの主な構成例を説明する。図2(a)は、薄膜プロセスで作成したインダクティブ型の磁気ヘッド200であり、アルチック等の基板210上にリード素子220とライト素子230で構成される。
リード素子220は、下部シールド221とGMR(Giant Magneto Resistive effect)素子222と上部シールド223とで構成する。GMR素子222は、巨大磁気抵抗効果による電気抵抗の変化を利用して磁気記録媒体に記録された磁化方向を検出する。下部シールド221と上部シールド223は、磁気記録媒体に記録された磁化方向に応じて生じる磁界を検出する。隣接するビットの影響を受けないように上下のシールド部で挟んだ構造にしている。
ライト素子230は、下部磁極231、ギャップ232、上部磁極233およびコイル234で構成している。
下部磁極231はコイル234に印加された電流により磁化され、これによって発生した磁束はギャップ232を介して上部電極233を経て下部磁極231に戻る磁路を形成している。ギャップ232は絶縁物で充填されおり、このギャップ232を通る磁束によって形成される磁界が磁気記録媒体に作用し、磁気記録媒体を磁化することで情報の記録がなされることになる。
図2(a)の磁気ヘッド200は図2(b)に示すスライダ250の端部に形成される。スライダ250はジンバルを介してアームに支持され、上述したHGAに組み立てられる。図2(b)に示すスライダ250は下面が磁気記録媒体と対向する浮上面251となり、スライダ250の右側には薄膜プロセスによって作られた磁気ヘッド200およびリード電極252、ライト電極253を形成している。
次に、本発明の磁界強度測定装置の実施形態例を図1を用いて説明する。本実施形態では、磁気センサとして磁気ヘッドのリード素子を用いている。
図1において、磁界強度測定装置100は、支持台400、磁気センサとしての磁気ヘッド300を搭載したスライダ350、ステージ500、駆動電流印加装置600、磁界強度測定装置700および制御/処理装置800から構成する。
ステージ500は、スライダ350上の磁気ヘッド300を上方に向けて(即ち、浮上面を上に向けて)搭載し、送り機構は例えばPZT(ジルコン酸チタン酸鉛セラミック)等の圧電体を用いた駆動素子によってX、YおよびZ方向に微小移動が可能である。後述する制御/処理装置800の指令に基づいて、磁気センサを測定対象のライト素子とライト素子の近傍の指定領域を走査する。また、上下の微小移動も可能とする。
支持台400には測定対象の磁気ヘッド200を搭載したスライダ250を支持する。スライダ250は磁気ヘッド200が下方に向くように(即ち、浮上面を下に向けて)配置し固定する。即ち、測定対象の磁気ヘッド200と磁気センサとしての磁気ヘッド300とが対向して配置されることになる。
駆動電流印加装置600は、スライダ250のライト電極253と電気的に接続し、制御/処理装置800の指令に基づいて、所定の駆動電流をライト素子230に対して印加する。
磁界強度測定装置700は、スライダ350のリード電極352の電気的に接続し、制御/処理装置800の指令に基づいて、磁気センサである磁気ヘッド300のリード素子320にセンス電流を印加すると共に、ステージ500の走査の制御と連動して磁界強度のデータを取得する。
制御/処理装置800は、測定対象のライト素子230に対する駆動電流の印加、磁気センサのリード素子320に対するセンス電流の印加と磁界強度データの取得、およびステージ500の走査制御の指令を行うと共に、取得した磁界強度データを基に磁界強度のプロファイルや磁界分布を作成する。また、磁界強度プロファイルを基にライトコア幅を求める。
次に、磁界強度測定装置100を用いて磁界強度を測定する方法を説明する。まず、測定対象のスライダ250を磁気ヘッド200が下方なるように支持台400に取り付ける。支持台400には、駆動電流印加装置600に接続する図示しないピン端子があり、スライダ250を支持台300の所定位置に配置するとこのピン端子がスライダ250のライト電極253に押圧し電気的接続がなされるようになっている。スライダ250を支持台400に取り付けた後、制御/処理装置800によりステージ500を上昇させ、ステージ500上に搭載したスライダ350とスライダ250とのそれぞれの浮上面を一旦接触させた後、所定距離(例えば、磁気ヘッドが磁気記録媒体上を浮上する数10nm)ステージ500を下降させる。この状態からスライダ250に形成した(磁気ヘッド200の)ライト素子230の指定された領域を制御/処理装置800によりステージ500を移動させて、スライダ350のリード素子320から出力された磁界強度のデータを磁界強度測定装置700が取得する(なお、リード素子320からの出力の取得においては、磁界強度測定装置700からリード素子320に対してはセンス電流を印加している)。制御/処理装置800は磁界強度測定装置700が取得した磁界強度データに基づいて磁界強度のプロファイルを作成する。
リード素子320を例えばライト素子230のギャップ232の中央位置に位置づけし、この位置で駆動電流印加装置600からライト素子230に所定の電流範囲(例えば、20−60mA)にライト駆動電流を変化させて印加し、磁界強度を測定してもよい。あるいはライト駆動電流の周波数を変化させて(20−700MHz)磁界強度を測定してもよい。
図1で示した検査対象のスライダ250と磁気センサとしてのスライダ350とが対向して配置した状態は、より詳細には図3に示すようにライト素子230とリード素子320とが対向して配置された状態でもある。即ち、リード素子320のGMR素子322がライト素子230のライトギャップ232近辺に対向している。
ライト素子230に対する磁気センサのスキャン領域は、例えば図4(a)に示すようにライト素子230の略全体の領域をスキャンする。矢印は磁気センサのスキャンの方向を示している。また、図4(b)に示すように、ライトギャップ232を中心とした領域(1)、上部電極233を中心とした領域(2)、下部電極231を中心とした領域(3)と磁気記録媒体に対する記録に影響する領域を定め、その領域内をスキャンするようにしてもよい。領域(1)の磁界強度を測定することによりライトコア幅を求めることができ、領域(2)と領域(3)の磁界強度を測定することによりイレーズ磁界の強度を知ることができる。
図1では説明を簡単にするため、検査対象のスライダ250を個片化した状態で測定しているが、スライダバーの状態で測定可能である。むしろ、ウェーハ上に形成した磁気ヘッドの良否判定ではスライダバーの状態でチェックを行うことで従来多くの時間を要していたチェック用のサンプルを短時間で得ることができる。
また、磁気センサとしてGMR素子222を用いた例を示したが、TMR(Tunnel Magneto-Resistive)素子であってもよく、他の磁気センサであってもよい。さらに、検査対象のライト素子230は水平磁気記録型の例を示したが、垂直磁気記録型のものでもよい。
磁界強度を測定して得られたプロファイルの例を次に示す。図5の上左の図は、ライト素子230を図に示すようにスキャンする様子を示し、そのスキャンの中で太実線で示したスキャン(1)−(3)で得られたプロファイルを下方の図に示す。スキャン(1)と(2)は、上部電極233をスキャンした結果で、得られた磁界強度は磁気記録媒体に対してはイレーズ磁界として作用する。スキャン(3)は、ライトギャップ232をスキャンした結果で、得られた磁界強度からライトコア幅を求めることができる。図5下方の図の矢印は、ピークの磁界強度の半分の強度を示す位置で、この幅をライトコア幅としている。図5の上右の図は細かくスキャン(点線および太実線で示したスキャン)したときの磁界強度のピーク値をプロットしたものである。下の大きなピーク値はライトギャップ232の磁界強度であり、上の小さなピークは上部電極233から漏れた磁束による磁界強度(即ち、イレーズ磁界の強度)である。
磁界強度を所定の強度範囲で表示した磁界強度分布の例を図6に示す。このような磁界分布の表示は磁気ヘッドの開発において有効に利用できる。
また、ライト素子230の所定位置で、ライト駆動電流の値を変化させたときの磁界強度プロファイルを得ることができる。磁気記憶装置として磁気ヘッドを組み込むとき、ライト駆動電流に依存する特性に合わせて調整することで性能を高めることができる。図7は、ライトギャップ232の中央位置にGMR素子322を配置し、ライト駆動電流を変えたときの磁界強度のプロファイル例を示す。図7のプロファイル(1)は標準的なライト駆動電流の例で、プロファイル(2)は高ライト駆動電流での発生磁界強度は高いが、低ライト駆動電流では発生磁界強度が低い例である。プロファイル(3)は、低ライト駆動電流での発生磁界強度は高いが、高ライト駆動電流では発生磁界強度が低い例である。
また、ライト素子230の所定位置で、ライト駆動電流の周波数を変化させたときの磁界強度プロファイルを得ることができる。図8は図7と同様にライトギャップ232の中心位置にGMR素子322を配置し、ライト駆動電流の周波数を変えたときの磁界強度のプロファイル例を示す。図8のプロファイル(1)は標準的な周波数特性を示す例で、プロファイル(2)は周波数が高くなるに従い標準的なものに較べて発生磁界が少ないプロファイルの例を示している。
次に、磁気ヘッドの製造工程における本発明によるチェックを行う例を図9に示す。図9は、図11に対応して描いたもので、ウェーハ上に磁気ヘッドを形成し、複数の磁気ヘッドを一列にしたスライダバーとしてウェーハから切り出す(S300−S320)。続いて、サンプリングする磁気ヘッドを含むスライダバーに対してラッピングを行い、ラッピングしたスライダバーの状態で磁界強度を測定しチェックする。本発明では、HGAとして組み立て、磁気記録媒体に浮上させて測定する必要がないので、スライダバーの状態で測定できる(S330−S350)。以降は、図9と同様でチェック結果がNGならサンプリングしたウェーハの磁気ヘッドは総て破棄され(S190)、OKであればサンプリングした以外のスライダバーに対して、ラッピング、浮上面形成、個片化およびHGA組み立てを行って製品に搭載する(S360−S400)。
図9から判るように、本発明の測定方法ではスライダバーの状態でライト素子230の特性をチェックできるので、従来に較べて大幅に短い時間でチェック用のサンプルの作成が可能となる。
10 磁気記録媒体
20 HGA
21 リード素子
30 トラック
100 磁界強度測定装置
200 磁気ヘッド
210 基板
220 リード素子
221 下部シールド
222 GMR素子
223 上部シールド
230 ライト素子
231 下部磁極
232 ライトギャップ
233 上部磁極
234 コイル
235 コイル
250 スライダ
251 浮上面
252 リード電極
253 ライト電極
300 磁気ヘッド
322 GMR素子
20 HGA
21 リード素子
30 トラック
100 磁界強度測定装置
200 磁気ヘッド
210 基板
220 リード素子
221 下部シールド
222 GMR素子
223 上部シールド
230 ライト素子
231 下部磁極
232 ライトギャップ
233 上部磁極
234 コイル
235 コイル
250 スライダ
251 浮上面
252 リード電極
253 ライト電極
300 磁気ヘッド
322 GMR素子
Claims (5)
- 磁気ヘッドのライト素子の磁界強度を測定する磁界強度測定方法であって、
前記ライト素子に所定のライト駆動電流を印加し、
前記磁気ヘッドの浮上面に対向して磁気センサを近接配置し、該浮上面の前記ライト素子および該ライト素子近傍の所定領域を走査して磁界強度を測定、または該浮上面の該ライト素子および該ライト素子近傍の所定位置の磁界強度を測定する
ことを特徴とする磁界強度測定方法。 - 前記所定のライト駆動電流は、予め定めた複数のライト駆動電流、または予め定めた電流範囲のライト駆動電流であり、
前記磁界強度の測定は、前記複数のライト駆動電流のそれぞれについて前記所定領域を走査して磁界強度を測定、または前記電流範囲にライト駆動電流を変化させて前記所定位置の磁界強度を測定する
ことを特徴とする請求項1に記載の磁界強度測定方法。 - 前記所定のライト駆動電流は、予め定めた複数の周波数のライト駆動電流、または予め定めた周波数範囲のライト駆動電流であり、
前記所定のライト駆動電流は、前記複数の周波数のライト駆動電流のそれぞれについて前記所定領域を走査して磁界強度を測定、または前記周波数範囲にライト駆動電流を変化させて前記所定位置の磁界強度を測定する
ことを特徴とする請求項1に記載の磁界強度測定方法。 - 前記磁気ヘッドは、ウェハーから切り出したスライダバー、または個片化されたスライダに形成されたもの、またはHGA(ヘッドジンバルアセンブリ)として組み立てられたものである
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の磁界強度測定方法。 - 磁気ヘッドのライト素子の磁界強度を測定する磁界強度測定装置であって、
前記磁界強度測定装置は、
前記磁気ヘッドのライト素子に所定のライト駆動電流を印加する駆動電流印加手段と、
前記磁気ヘッドを支持する支持台と、
磁界強度を検知する磁気センサと、
前記磁気センサを用いて磁界強度を測定する磁界強度測定手段と、
前記磁気センサを搭載して微小移動の制御が可能なステージとを備え、
前記支持台に固定した前記磁気ヘッドの浮上面に対向して、前記ステージに搭載した前記磁気センサを近接配置し、該磁気センサが該浮上面の所定領域を走査するよう該ステージを移動させて前記磁界測定手段を用いて前記ライト素子および該ライト素子近傍の磁界強度を測定する、または該磁気センサが該浮上面の所定位置に位置するよう該ステージを移動させて該磁界測定手段を用いて該ライト素子および該ライト素子近傍の磁界強度を測定する
ことを特徴とする磁界強度測定装置。
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JP2008152035A JP2009301610A (ja) | 2008-06-10 | 2008-06-10 | 磁界強度測定方法および磁界強度測定装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008152035A JP2009301610A (ja) | 2008-06-10 | 2008-06-10 | 磁界強度測定方法および磁界強度測定装置 |
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2008
- 2008-06-10 JP JP2008152035A patent/JP2009301610A/ja not_active Withdrawn
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