JP2009299109A - 遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易に溶製され、1200℃よりも高温であっても優れた強度及び耐酸化性を有する遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金を提供する。
【解決手段】遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金は、質量%で、C:0.1%以下、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下、Cr:30〜45%、およびAl:5.0%以下を含有し、残部Ni及び不可避的不純物からなる。
【選択図】なし
【解決手段】遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金は、質量%で、C:0.1%以下、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下、Cr:30〜45%、およびAl:5.0%以下を含有し、残部Ni及び不可避的不純物からなる。
【選択図】なし
Description
本発明は遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金に関する。
鉱物質繊維は、例えば耐熱材や防音材として用いられる。鉱物質繊維は、主成分としてのSiO2のほかに、Al2O3、MgO、CaO等を含み、高温用の耐熱材に用いられる鉱物質繊維は、低温用の耐熱材に用いられる鉱物質繊維に比べて、相対的に多くのAl2O3、MgOを含む。
鉱物質繊維を製造するための遠心式の製造装置は、例えば特許文献1によって開示されている。この製造装置は、上下に延びる中空のシャフトと、シャフトの下端に固定されたカップと、同じくシャフトの下端に固定され、カップを囲むスピナーとを備える。カップ及びスピナーの周壁部分には複数の孔がそれぞれ形成されており、例えば直径200mmのスピナーには、φ0.5mmの小孔が9000個設けられている(特許文献1の12頁、左下欄2−5行)。
鉱物質繊維を製造するための遠心式の製造装置は、例えば特許文献1によって開示されている。この製造装置は、上下に延びる中空のシャフトと、シャフトの下端に固定されたカップと、同じくシャフトの下端に固定され、カップを囲むスピナーとを備える。カップ及びスピナーの周壁部分には複数の孔がそれぞれ形成されており、例えば直径200mmのスピナーには、φ0.5mmの小孔が9000個設けられている(特許文献1の12頁、左下欄2−5行)。
この遠心式鉱物質繊維製造装置を用いた場合、以下のようにして鉱物質繊維が製造される。
シャフトを回転させながら、溶融状態にされた原材料がスピナーの周壁の小孔を通じてその外側に放出される。溶融状態の原材料は、小孔を通過することによって延伸され、鉱物質繊維が得られる。
シャフトを回転させながら、溶融状態にされた原材料がスピナーの周壁の小孔を通じてその外側に放出される。溶融状態の原材料は、小孔を通過することによって延伸され、鉱物質繊維が得られる。
スピナーには耐熱性及び耐食性が要求されることから、特許文献1は、スピナーのための合金としてオーステナイト系合金を開示している。このオーステナイト系合金は、ODS(酸化物分散強化型)合金であり、質量濃度で、15〜35%のCrと、0〜2%のCと、0〜2%のAlと、0〜3%のTiと、2%未満のFeと、0.2〜1%のY2O3と、残部としてのNiとからなる。
また、特許文献2は、スピナーのための合金として、質量濃度で、23〜34%のCrと、6〜12%のNiと、0.2〜7%のZr、HfまたはTiと、0〜7%のTaと、0.2〜1.2%のCと、3%未満のFeと、1%未満のSiと、0.5%未満のMnと、残部としてのNi及び不可避的不純物とからなるCo基の耐熱合金を開示している。
更に、特許文献3は、容器(スピナー)のための合金として、質量濃度で、0.05〜0.80%のCと、15.0〜35.0%のCrと、0.5〜7.0%のWと、0.05〜0.20%のNと、0.08〜0.40%のAlと、合計して0.1〜1.7%のTi、Zr、Nbのうち1種または2種以上と、残部としてのNiと、不可避的不純物とからなるNi基の合金を開示している。
特表平06−503799号公報
特表2007−516356号公報
特開平10−195566号公報
更に、特許文献3は、容器(スピナー)のための合金として、質量濃度で、0.05〜0.80%のCと、15.0〜35.0%のCrと、0.5〜7.0%のWと、0.05〜0.20%のNと、0.08〜0.40%のAlと、合計して0.1〜1.7%のTi、Zr、Nbのうち1種または2種以上と、残部としてのNiと、不可避的不純物とからなるNi基の合金を開示している。
特許文献2の段落番号0011に記載されているように、スピナーにあっては1200℃よりも高温での強度が要求される。
しかしながら、強度が十分にあったとしても、特許文献2に記載されたCo基の耐熱合金を用いたスピナーにあっては、1200℃以上の高温では、コバルト酸化物の生成によってスピナーの小孔が次第に細くなり、遂には閉塞してしまう。このため、スピナーを頻繁に交換しなければならず、生産性が低下してしまう。
しかしながら、強度が十分にあったとしても、特許文献2に記載されたCo基の耐熱合金を用いたスピナーにあっては、1200℃以上の高温では、コバルト酸化物の生成によってスピナーの小孔が次第に細くなり、遂には閉塞してしまう。このため、スピナーを頻繁に交換しなければならず、生産性が低下してしまう。
一方、特許文献3が開示するNi基合金を用いたスピナーにあっては、1200℃よりも高温では強度が不足し、溶損によって小孔の径が短時間で拡大してしまう。このため、得られる鉱物質繊維の径も大きくなってしまう。
また、特許文献1が開示するオーステナイト系合金は、ODS合金であり、MA(メカニカルアロイング)により製造しなければならない。このため、特許文献3が開示するオーステナイト系合金を用いたスピナーの製造工程は煩雑である。
また、特許文献1が開示するオーステナイト系合金は、ODS合金であり、MA(メカニカルアロイング)により製造しなければならない。このため、特許文献3が開示するオーステナイト系合金を用いたスピナーの製造工程は煩雑である。
本発明は、上述した事情に基づいてなされ、簡易に溶製され、1200℃よりも高温であっても優れた強度及び耐酸化性を有する遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金を提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明によれば、質量%で、C:0.1%以下、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下、Cr:30〜45%、およびAl:5.0%以下を含有し、残部Ni及び不可避的不純物からなることを特徴とする遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金が提供される(請求項1)。
好ましくは、遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金は、質量%で、Al:1.5〜5.0%を含む(請求項2)。
好ましくは、遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金は、質量%で、Al:1.5〜5.0%を含む(請求項2)。
好ましくは、遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金は、質量%で、B:0.015%以下を更に含む(請求項3)。
好ましくは、遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金は、質量%で、Mg:0.01%以下を更に含む(請求項4)。
好ましくは、遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金は、質量%で、Ti:3.0%以下を更に含む(請求項5)。
好ましくは、遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金は、質量%で、Mg:0.01%以下を更に含む(請求項4)。
好ましくは、遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金は、質量%で、Ti:3.0%以下を更に含む(請求項5)。
好ましくは、遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金は、質量%で、Mo:10.0%以下を更に含む(請求項6)。
本発明の請求項1の遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金はCrを質量濃度で30%以上含むことによって、高温での強度及び高温での耐酸化性、特に1200℃以上の高温での強度及び耐酸化性において優れている。
また、この遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金は、高温の酸化性の雰囲気中におかれたときに、Alが拡散して最表面に酸化膜を形成するため、特に高温耐酸化性に優れている。
また、この遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金は、高温の酸化性の雰囲気中におかれたときに、Alが拡散して最表面に酸化膜を形成するため、特に高温耐酸化性に優れている。
本発明の一実施形態のNi基合金は、遠心式鉱物質繊維製造装置用の耐熱合金である。
鉱物質繊維は、例えば耐熱材や防音材として用いられる。鉱物質繊維は、主成分としてのSiO2のほかに、Al2O3、MgO、CaO等を含み、高温用の耐熱材に用いられる鉱物質繊維は、低温用の耐熱材に用いられる鉱物質繊維に比べて、相対的に多くのAl2O3、MgOを含む。
鉱物質繊維は、例えば耐熱材や防音材として用いられる。鉱物質繊維は、主成分としてのSiO2のほかに、Al2O3、MgO、CaO等を含み、高温用の耐熱材に用いられる鉱物質繊維は、低温用の耐熱材に用いられる鉱物質繊維に比べて、相対的に多くのAl2O3、MgOを含む。
遠心式鉱物質繊維製造装置は、上下に延びる中空のシャフトと、シャフトの下端に固定されたカップと、同じくシャフトの下端に固定され、カップを囲むスピナーとを備える。カップ及びスピナーの周壁部分には複数の孔がそれぞれ形成されており、例えば直径200mmのスピナーの周壁部分には、φ0.5mmの小孔が9000個設けられている。
この遠心式鉱物質繊維製造装置を用いた場合、以下のようにして鉱物質繊維が製造される。
この遠心式鉱物質繊維製造装置を用いた場合、以下のようにして鉱物質繊維が製造される。
シャフトを回転させながら、溶融状態にされた原材料がスピナーの周壁の小孔を通じてその外側に放出される。溶融状態の原材料は、小孔を通過することによって延伸され、鉱物質繊維が得られる。
一実施形態のNi基合金は、遠心式鉱物質繊維製造のスピナーの材料として用いられる。このNi基合金は、質量%(質量濃度)で、C:0.1%以下、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下、Cr:30〜45%、およびAl:5.0%以下を含有し、残部Ni及び不可避的不純物からなる。
一実施形態のNi基合金は、遠心式鉱物質繊維製造のスピナーの材料として用いられる。このNi基合金は、質量%(質量濃度)で、C:0.1%以下、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下、Cr:30〜45%、およびAl:5.0%以下を含有し、残部Ni及び不可避的不純物からなる。
このNi基合金は、好ましくは、質量%で、Al:1.5〜5.0%を含む。
このNi基合金は、好ましくは、質量%で、B:0.015%以下を更に含む。
このNi基合金は、好ましくは、質量%で、Mg:0.01%以下を更に含む。
このNi基合金は、好ましくは、質量%で、Ti:3.0%以下を更に含む。
このNi基合金は、好ましくは、質量%で、Mo:10.0%以下を更に含む。
このNi基合金は、好ましくは、質量%で、B:0.015%以下を更に含む。
このNi基合金は、好ましくは、質量%で、Mg:0.01%以下を更に含む。
このNi基合金は、好ましくは、質量%で、Ti:3.0%以下を更に含む。
このNi基合金は、好ましくは、質量%で、Mo:10.0%以下を更に含む。
Ni基合金は、例えば不可避的不純物として、0.03%以下のPや、0.01%以下のSや、5%以下のFeを含んでもよい。
好ましくは、Ni基合金は、35%以上45%以下のCrを含む。
一実施形態のNi基合金を適用したスピナーは、例えば以下のようにして製造される。
まず、電気溶解炉で原料を溶解・精錬した後、型に流し込んでインゴットを鋳造する。インゴットは、1100℃以上1250℃以下の温度にて鍛造され、所定の形状の鍛造材になる。
好ましくは、Ni基合金は、35%以上45%以下のCrを含む。
一実施形態のNi基合金を適用したスピナーは、例えば以下のようにして製造される。
まず、電気溶解炉で原料を溶解・精錬した後、型に流し込んでインゴットを鋳造する。インゴットは、1100℃以上1250℃以下の温度にて鍛造され、所定の形状の鍛造材になる。
鍛造材は、固溶化熱処理等を施し軟化処理される。
軟化熱処理された鍛造材には、所定の機械加工が行われ、スピナーが得られる。
ここで、スピナー用の材料に要求される特性は、溶融状態の鉱物質に対する耐高温化学反応性と耐摩耗性、高温強度及び高温耐酸化性である。これらの特性の中でも最も重要な特性は、高温強度と高温耐酸化性である。
軟化熱処理された鍛造材には、所定の機械加工が行われ、スピナーが得られる。
ここで、スピナー用の材料に要求される特性は、溶融状態の鉱物質に対する耐高温化学反応性と耐摩耗性、高温強度及び高温耐酸化性である。これらの特性の中でも最も重要な特性は、高温強度と高温耐酸化性である。
上述したNi基合金は、Crを質量濃度で30%以上含むことによって、高温での強度及び高温での耐酸化性、特に1200℃以上の高温での強度及び耐酸化性において優れている。Crは、α―Cr相を析出することで高硬度が得られるという点で重要な元素である。もちろん耐食性の向上にも寄与する。これらの効果は30%に満たない量では充分に得られず、一方で45%を超える添加は加工性の低下を招くため、Crの含有量は、30〜45%とした。より好ましくは32〜42%である。
また、このNi基合金は好ましくは1.5%以上のAlを含む。AlはNi基を固溶強化するとともに、高温の酸化性の雰囲気中におかれたときに、拡散して最表面に酸化膜を形成することで高温耐酸化性を向上させる。一方、Alの添加量が5.0%を超えると、加工性が悪くなるため、Alの含有量の上限は5.0%とした。より好ましいAlの含有量は、2.0〜4.5%である。
以下、他の元素濃度の限定理由について詳細に説明する。
C:0.1%以下
Cは、溶解時に脱酸剤として作用するほか、Tiが存在する場合は、それらと炭化物を形成して、固溶化熱処理時の結晶粒粗大化を防止するとともに粒界の強化に寄与する。0.1%を超えるCの添加は強度および靭性の低下を招く。好ましいCの含有量の上限界は、0.08%である。
C:0.1%以下
Cは、溶解時に脱酸剤として作用するほか、Tiが存在する場合は、それらと炭化物を形成して、固溶化熱処理時の結晶粒粗大化を防止するとともに粒界の強化に寄与する。0.1%を超えるCの添加は強度および靭性の低下を招く。好ましいCの含有量の上限界は、0.08%である。
Si:2.0%以下
Siは、脱酸元素として必要であるが、多量の添加は強度および靭性の低下を招くので、上限を2.0%とした。好ましいSiの含有量は、1.0%以下である。
Mn:2.0%以下
MnもSiと同様、脱酸元素として有用であるが、過大な添加はやはり強度および靭性の低下を招くので、上限として2.0%を設定した。好ましいMnの含有量は、1.0%以下である。
Siは、脱酸元素として必要であるが、多量の添加は強度および靭性の低下を招くので、上限を2.0%とした。好ましいSiの含有量は、1.0%以下である。
Mn:2.0%以下
MnもSiと同様、脱酸元素として有用であるが、過大な添加はやはり強度および靭性の低下を招くので、上限として2.0%を設定した。好ましいMnの含有量は、1.0%以下である。
B:0.015%以下
Bは、結晶粒界に偏析して粒界を強め熱間加工性やクリープ強度を高める効果がある。Bの濃度が0.015%を超えると熱間加工性を損なうので、Bの濃度は0.015%以下に設定されるのが好ましい。
Mg:0.01%以下
Mgは、溶解時に脱酸および脱硫元素として添加される元素であり、合金の熱間加工性を改善する。Mgの濃度が0.01%を超えると熱間加工性を劣化させるので、Mgの濃度は0.01%以下に設定されるのが好ましい。
Bは、結晶粒界に偏析して粒界を強め熱間加工性やクリープ強度を高める効果がある。Bの濃度が0.015%を超えると熱間加工性を損なうので、Bの濃度は0.015%以下に設定されるのが好ましい。
Mg:0.01%以下
Mgは、溶解時に脱酸および脱硫元素として添加される元素であり、合金の熱間加工性を改善する。Mgの濃度が0.01%を超えると熱間加工性を劣化させるので、Mgの濃度は0.01%以下に設定されるのが好ましい。
Ti:3.0%以下
Tiはγ’相のAlと置換することでγ’相の固溶強化に寄与し、さらに合金の強度を高める作用を有する。ただし、3.0%を超えてこれらの元素を添加すると加工性が悪くなる。従って、Tiの上限は3.0%以下に設定されるのが好ましく、より好ましくは2.0%以下に設定される。
Mo:10%以下
Moは、固溶強化により強度を高める効果がある。さらにMoは耐食性を向上させる効果がある。Moが10%を超えることは、加工性や耐高温腐食性が低下するばかりでなく合金の価格が上昇するため望ましくない。従って、Moの上限は10%以下に設定されるのが好ましく、より好ましくは、Moの含有量は5%以下である。
Tiはγ’相のAlと置換することでγ’相の固溶強化に寄与し、さらに合金の強度を高める作用を有する。ただし、3.0%を超えてこれらの元素を添加すると加工性が悪くなる。従って、Tiの上限は3.0%以下に設定されるのが好ましく、より好ましくは2.0%以下に設定される。
Mo:10%以下
Moは、固溶強化により強度を高める効果がある。さらにMoは耐食性を向上させる効果がある。Moが10%を超えることは、加工性や耐高温腐食性が低下するばかりでなく合金の価格が上昇するため望ましくない。従って、Moの上限は10%以下に設定されるのが好ましく、より好ましくは、Moの含有量は5%以下である。
P:0.03%以下
Pは、粒界に偏析して熱間および冷間での加工性を劣化させる。従って、Pの含有量の上限は、0.03%以下とした。
S:0.01%以下
Sも、Pと同様には、粒界に偏析して熱間および冷間での加工性を劣化させる。従って、Sの含有量の上限は、0.01%以下とした。
Pは、粒界に偏析して熱間および冷間での加工性を劣化させる。従って、Pの含有量の上限は、0.03%以下とした。
S:0.01%以下
Sも、Pと同様には、粒界に偏析して熱間および冷間での加工性を劣化させる。従って、Sの含有量の上限は、0.01%以下とした。
Fe:5%以下
Feは、その他の元素の原料から混入することもあるが、合金の強度および耐高温腐食性、耐食性を低下させる。このためFeの濃度は5%以下に規制されるのが好ましい。
Feは、その他の元素の原料から混入することもあるが、合金の強度および耐高温腐食性、耐食性を低下させる。このためFeの濃度は5%以下に規制されるのが好ましい。
1.試料の調製
表1に示した組成を有するインゴットをそれぞれ鋳造した。そして、各インゴットを分塊鍛造によりビレットにしてから、ビレットに焼きならしを施した。この後、ビレットを1150℃の温度で鍛造し、φ100mmの鍛造材にした。
得られた鍛造材から、耐酸化性試験用の試験片及び高温強度試験用の試験片を切り出した。
2.評価方法
(1)耐酸化性試験
耐酸化性試験としては、JIS Z2281に準拠し1250℃での高温連続酸化試験を行った。試験前後での質量変化量を、試験前試験片表面積と高温連続保持時間で除した値(酸化増量)を表2に示す。
(2)高温強度試験
高温強度試験は、1200℃以上の高温域での引張強度を評価するため、一般的に鍛造や圧延などの熱間加工の変形強度試験として用いられるグリープル試験により行った。
表1に示した組成を有するインゴットをそれぞれ鋳造した。そして、各インゴットを分塊鍛造によりビレットにしてから、ビレットに焼きならしを施した。この後、ビレットを1150℃の温度で鍛造し、φ100mmの鍛造材にした。
得られた鍛造材から、耐酸化性試験用の試験片及び高温強度試験用の試験片を切り出した。
2.評価方法
(1)耐酸化性試験
耐酸化性試験としては、JIS Z2281に準拠し1250℃での高温連続酸化試験を行った。試験前後での質量変化量を、試験前試験片表面積と高温連続保持時間で除した値(酸化増量)を表2に示す。
(2)高温強度試験
高温強度試験は、1200℃以上の高温域での引張強度を評価するため、一般的に鍛造や圧延などの熱間加工の変形強度試験として用いられるグリープル試験により行った。
但し、熱間加工評価の際の試験では、2in/sec程度の比較的高い歪速度での引張変形を行わせるが、当該性能評価としてクリープ的現象を加味し評価することを考慮し、歪速度を通常の1/10以下と低くし行った。一例として1250℃での比較例2の高温強度を基本とし、各組成合金の高温強度を除し高温強度比とし評価した結果を表2に示す。
3.評価結果
表1及び表2から次のことが明らかである。
(1)Crの濃度が30%以上である実施例1及び2は、Crの濃度が30%以下である比較例1〜3に比べて高温強度において優れている。1200℃を超える高温での強度向上には、W、Mo等の固溶強化のための元素や、Ti、Nb等の析出強化のための元素を含むよりも、Crの濃度が30%以上であることが必要であることがわかる。
(2)Crの濃度が30%以上である実施例1及び2は、Crの濃度が30%以下である比較例1〜3に比べて酸化増量においても優れている。特にAlの濃度が1.5%以上である実施例1は、酸化増量が負の値であり、Alを含まない実施例2に比べても酸化増量が少なかった。
表1及び表2から次のことが明らかである。
(1)Crの濃度が30%以上である実施例1及び2は、Crの濃度が30%以下である比較例1〜3に比べて高温強度において優れている。1200℃を超える高温での強度向上には、W、Mo等の固溶強化のための元素や、Ti、Nb等の析出強化のための元素を含むよりも、Crの濃度が30%以上であることが必要であることがわかる。
(2)Crの濃度が30%以上である実施例1及び2は、Crの濃度が30%以下である比較例1〜3に比べて酸化増量においても優れている。特にAlの濃度が1.5%以上である実施例1は、酸化増量が負の値であり、Alを含まない実施例2に比べても酸化増量が少なかった。
一方、Co基合金である比較例2では、酸化増量が多く、耐酸化性が不足していることがわかる。このため、一実施形態のNi基合金では、Coの濃度が10%以下に制限されるのが好ましい。
本発明は上述した一実施形態及び実施例に限定されることはなく、種々の変形が可能であり、例えば、スピナーの形状は特に限定されない。
本発明は上述した一実施形態及び実施例に限定されることはなく、種々の変形が可能であり、例えば、スピナーの形状は特に限定されない。
Claims (6)
- 質量%で、C:0.1%以下、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下、Cr:30〜45%、およびAl:5.0%以下を含有し、残部Ni及び不可避的不純物からなることを特徴とする遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金。
- 質量%で、Al:1.5〜5.0%を含むことを特徴とする請求項1に記載の遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金。
- 質量%で、B:0.015%以下を更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金。
- 質量%で、Mg:0.01%以下を更に含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金。
- 質量%で、Ti:3.0%以下を更に含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金。
- 質量%で、Mo:10.0%以下を更に含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の遠心式鉱物質繊維製造装置用Ni基合金。
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