JP2009298901A - 光半導体素子封止用固形エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置 - Google Patents

光半導体素子封止用固形エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐半田リフロー性に優れた光半導体素子封止用固形エポキシ樹脂組成物およびそれを用いて光半導体素子を封止して得られる光半導体装置を提供する。
【解決手段】下記の(A)および(B)成分とともに、下記の(C)および(D)成分を含有する光半導体素子封止用固形エポキシ樹脂組成物である。そして、上記光半導体素子封止用固形エポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子を樹脂封止することにより光半導体装置が得られる。
(A)エポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
(C)ポリエステル樹脂。
(D)硬化促進剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種光半導体素子の封止に用いられる光半導体素子封止用固形エポキシ樹脂組成物(以下、単に「固形エポキシ樹脂組成物」ともいう)およびそれを用いて光半導体素子を封止してなる光半導体装置に関するものである。
従来から、発光素子や受光センサー等の光半導体素子の封止材料としては、透明性,耐湿性および耐熱性に優れていなければならないという観点から、エポキシ樹脂と酸無水物等の硬化剤とを用いて得られるエポキシ樹脂組成物が汎用されている。
しかしながら、近年、パッケージの基板への表面実装が主流となってきている。すなわち、赤外線リフローでの実装が汎用されるようになってきており、従来よりも封止樹脂への加熱温度が上昇するため、高い耐熱性等を有する透明性封止材料が求められている。加えて、はんだ材として鉛フリーのはんだ材が求められる場合があり、はんだ材融点がさらに上昇するため、赤外線リフロー温度はさらに上昇するようになり透明性封止材料の耐熱性に関してますます高い要求がなされるようになってきている。
このような要求に対して、耐半田リフロー性を付与する方法としては、特定の添加剤を配合することにより、封止樹脂とリードフレーム等の半導体材料との界面を剥離させる等の手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、封止樹脂とリードフレーム等の半導体材料との密着性を向上させることにより、吸湿時の耐半田リフロー性の実現を図る方法も提案されている(特許文献2参照)。
特開2003−268200号公報 特許第3391681号公報
ところで、上記のような手法は、耐半田リフロー性が厳格に求められ剥離の発生が許容されない場合や、半導体パッケージが大型で封止樹脂の体積が大きいために吸湿下でのリフロー加熱により封止樹脂の線膨張係数に従う加熱膨張に起因した、封止樹脂と半導体材料との界面に生じる応力が接着強度を超えるような場合には、その適用は困難かつ不充分であるのが実情である。したがって、封止樹脂が吸湿した条件での、より厳格な耐半田リフロー性の実現には、前述のような従来の方法とは異なる効果的な方法が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐半田リフロー性に優れた固形エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いて光半導体素子を封止して得られる光半導体装置の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、下記の(A)および(B)成分とともに、下記の(C)および(D)成分を含有してなる固形エポキシ樹脂組成物を第1の要旨とする。
(A)エポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
(C)ポリエステル樹脂。
(D)硬化促進剤。
また、本発明は、上記固形エポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子を樹脂封止してなる光半導体装置を第2の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、耐半田リフロー性に優れた光半導体素子用封止材料を得るべく従来とは異なる観点から鋭意検討を重ねた。その結果、エポキシ樹脂および硬化剤を用いた封止材料において、添加剤として、ポリエステル樹脂〔(C)成分〕を用いると、このポリエステル樹脂が半田リフロー時の温度のような、封止樹脂のガラス転移温度(Tg)を超えた温度領域において封止樹脂の弾性率を低減させるという作用を奏し、結果、優れた耐半田リフロー性が得られることを見出し本発明に到達した。
このように、本発明は、前記エポキシ樹脂〔(A)成分〕、硬化剤〔(B)成分〕とともに、ポリエステル樹脂〔(C)成分〕および硬化促進剤〔(D)成分〕を含有する固形固形エポキシ樹脂組成物である。このため、上記固形エポキシ樹脂組成物を用いて形成される封止樹脂が吸湿したような条件下において、優れた耐半田リフロー性が得られる。したがって、上記固形エポキシ樹脂組成物によって光半導体素子を封止することにより、封止樹脂の吸湿後での、赤外線リフロー時に剥離やクラックの発生が抑制された信頼性の高い光半導体装置が得られることとなる。
そして、上記ポリエステル樹脂〔(C)成分〕として、酸末端ポリエステル樹脂を用いると、半田リフロー時の温度のような、封止樹脂のガラス転移温度(Tg)を超えた温度領域において封止樹脂の弾性率を低減させるという作用を奏し、結果、優れた耐半田リフロー性が得られる。
さらに、上記ポリエステル樹脂〔(C)成分〕として、特定範囲の酸当量を有するものを用いると、半田リフロー温度での気化によるボイドの発生、または消失による効果を奏し、上記エポキシ樹脂〔(A)成分〕や硬化剤〔(B)成分〕との良好な相溶性が得られる。
本発明の固形エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A成分)と、硬化剤(B成分)と、ポリエステル樹脂(C成分)と、硬化促進剤(D成分)とを用いて得られるものであり、固形を示すものである。そして、通常、粉末状、もしくはその粉末を打錠したタブレット状にして封止材料に供される。
上記エポキシ樹脂(A成分)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、4,4′−ビフェニルフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジメチルビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート類、ヒダントイン型エポキシ樹脂等の含窒素環エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、低吸水率硬化体タイプの主流であるビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロ型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。上記脂環式エポキシ樹脂としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−シクロヘキシルカルボキシレート等シクロヘキサン等の脂肪族骨格を有する脂環式エポキシ樹脂があげられる。また、上記脂肪族系エポキシ樹脂としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、キシリレングリコール誘導体等の多価アルコールのグリシジルエーテル類等があげられる。そして、上記各種エポキシ樹脂の中でも、光半導体封止後、固形エポキシ樹脂組成物の硬化体が変色しにくいという点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート類を単独でもしくは2種以上併せて用いることが好ましい。
また、本発明の固形エポキシ樹脂組成物には、物性発現の妨げにならない範囲内で、他のエポキシ樹脂を組み合わせて用いることができる。他のエポキシ樹脂としては、具体的には、ポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記ポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、他のビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4′−ビフェニルフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、また、テトラメチル−4,4′−ビフェニルフェノール、ジメチル−4,4′−ビフェニルフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−〔1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニル]プロパン、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂があげられる。
上記各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物があげられる。
上記複素環式エポキシ樹脂としては、イソシアヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式エポキシ樹脂等があげられる。上記グリシジルエステル系エポキシ樹脂としては、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のカルボン酸類からなるエポキシ樹脂等があげられる。上記グリシジルアミン系エポキシ樹脂としては、アニリン、トルイジン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン誘導体、ジアミノメチルベンゼン誘導体等のアミン類をグリシジル化したエポキシ樹脂があげられる。上記ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂としては、ブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロル化ビスフェノールA等のハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂があげられる。
上記のようなエポキシ樹脂(A成分)としては、一般に、エポキシ当量が50〜5000、軟化点120℃以下の固形あるいは粘稠性のものが好ましく用いられる。すなわち、エポキシ当量が小さ過ぎると、固形エポキシ樹脂組成物の硬化体が脆くなる場合がある。また、エポキシ当量が大き過ぎると、その硬化体のガラス転移温度(Tg)が低くなる傾向がみられるからである。
上記A成分とともに用いられる硬化剤(B成分)は、上記エポキシ樹脂(A成分)の硬化剤として作用するものであり、固形エポキシ樹脂組成物の硬化体が変色しにくいという点から、酸無水物系硬化剤を用いることが好ましい。
上記酸無水物系硬化剤としては、分子量140〜200程度のものが好ましく用いられ、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコール無水トリメリット酸、無水ビフェニルテトラカルボン酸等の芳香族カルボン酸無水物、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、無水ヘット酸、無水ハイミック酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等の無色ないし淡黄色の酸無水物があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、上記酸無水物系硬化剤の中でも、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸を用いることが好ましい。
また、本発明では、硬化剤(B成分)として、上記酸無水物系硬化剤の他に、例えば、フェノール系硬化剤を単独で、または上記酸無水物系硬化剤と併用して用いることも可能である。
上記フェノール系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4′−ビフェニルフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4′−ビフェノール、ジメチル−4,4′−ビフェニルフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−〔1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニル]プロパン、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン、テルペン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類、テルペンジフェノール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、フラン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂等があげられる。
さらに、上記酸無水物系硬化剤やフェノール系硬化剤以外に、従来公知のアミン系硬化剤、上記酸無水物系硬化剤をグリコール類でエステル化したもの、またはヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボン酸類等の硬化剤を単独でもしくは2種以上併せて用いてもよい。
上記エポキシ樹脂(A成分)と硬化剤(B成分)の配合割合は、例えば、硬化剤(B成分)として酸無水物系硬化剤を用いる場合、上記エポキシ樹脂(A成分)中のエポキシ基1当量に対して、酸無水物(B成分)における酸無水物当量を0.5〜1.5当量となるように設定することが好ましい。特に好ましくは0.7〜1.2当量である。すなわち、上記配合割合において、酸無水物当量が小さ過ぎると、固形エポキシ樹脂組成物の硬化後の色相が悪くなる傾向がみられ、逆に、酸無水物当量が大き過ぎると、耐湿性が低下する傾向がみられるからである。
上記A成分およびB成分とともに用いられるポリエステル樹脂(C成分)は、例えば、一種類以上の多価カルボン酸と一種類以上の多価アルコールを脱水縮合反応させて得られるポリエステル樹脂をいう。上記多価カルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の二価カルボン酸、トリメリット酸等の三価以上のカルボン酸等があげられる。また、上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール等の二価アルコール、ペンタエリスリトール等の三価以上のアルコール等があげられる。特に、上記エポキシ樹脂(A成分)および硬化剤(B成分)との相溶性の観点から、ポリエステル樹脂(C成分)としては、上記二価カルボン酸酸と二価アルコールにより構成される直鎖状の構造を有するポリエステル樹脂を用いることが好ましい。より具体的には、イソフタル酸およびテレフタル酸からなる二価カルボン酸と、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールおよびジエチレングリコールからなる二価アルコールを用いて得られる直鎖状のポリエステル樹脂が好適に用いられる。この場合、二価カルボン酸と二価アルコールの使用割合は、略当量に設定することが好ましい。さらに、上記ポリエステル樹脂(C成分)として、反応性基を有させるという点から、直鎖状構造において、上記二価カルボン酸が末端部分に位置する酸末端ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
そして、上記ポリエステル樹脂(C成分)としては、酸当量400〜2000g/eqの範囲を有するものを用いることが好ましい。すなわち、酸当量が小さ過ぎると、半田リフロー温度での気化によるボイドの発生、または消失による効果の低減がみられ、逆に酸当量が大き過ぎると、前記エポキシ樹脂(A成分)や硬化剤(B成分)との相溶性に劣るという傾向がみられるからである。
上記ポリエステル樹脂(C成分)の含有量は、エポキシ樹脂(A成分)100重量部に対して10〜90重量部の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは10〜60重量部である。すなわち、ポリエステル樹脂(C成分)の含有量が少な過ぎると、耐半田リフロー性の効果が発現し難く、逆に多過ぎると、封止樹脂として必要な高ガラス転移温度(Tg)が得られ難くなるという傾向がみられるからである。
上記A〜C成分とともに用いられる硬化促進剤(D成分)としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリ−2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノール、N,N−ジメチルベンジルアミン等の3級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート等のリン化合物、4級アンモニウム塩、有機金属塩類、およびこれらの誘導体等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これら硬化促進剤の中でも、3級アミン類、イミダゾール類、リン化合物を用いることが好ましい。
上記硬化促進剤(D成分)の含有量は、前記エポキシ樹脂(A成分)100重量部に対して0.05〜7.0重量部の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは0.2〜3.0重量部である。すなわち、硬化促進剤の含有量が少な過ぎると、充分な硬化促進効果が得られ難く、多過ぎると、固形エポキシ樹脂組成物硬化体に変色がみられる傾向があるからである。
さらに、本発明の固形エポキシ樹脂組成物には、前記エポキシ樹脂(A成分)、硬化剤(B成分)、ポリエステル樹脂(C成分)および硬化促進剤(D成分)以外に、必要に応じて、色素(染料、顔料等)、可撓性付与剤、変性剤、変色防止剤、酸化防止剤、光安定剤、離型剤、接着付与剤等の従来公知の各種他の添加剤を適宜に配合することができる。
また、本発明における光半導体装置が紫外から青色の波長を発光する発光装置である場合は、波長変換体としての蛍光体をバルク中に分散させるが、発光素子近傍に配置することにより白色を発光する装置とすることが可能である。
上記色素(染料、顔料等)としては、特に限定するものではなく従来公知のものが用いられる。
上記可撓性付与剤としては、シリコーン系可撓性付与剤等があげられる。
上記変性剤としては、シリコーン系変性剤やグリコール類およびその他の多価アルコール類等があげられる。
上記変色防止剤としては、リン系有機化合物等の従来公知のものがあげられる。
上記酸化防止剤としては、フェノール系化合物、アミン系化合物、リン系有機化合物、有機硫黄系化合物等の従来公知のものがあげられる。
上記光安定剤としては、ベンゾフェノン系化合物等の紫外線吸収剤や、HALS等の光安定化剤等、従来公知のものがあげられる。
上記離型剤としては、モンタン酸、ステアリン酸およびその金属塩、ポリエチレン系カルナバワックス等の従来公知のものがあげられる。その他、分子内に下記の一般式(1)で表わされる構造単位、および、下記の一般式(2)で表わされる構造単位を有する離型剤があげられる。
Figure 2009298901
上記一般式(1)における繰り返し数mは8〜100の正数であって、かつ、上記一般式(2)で表わされる構造単位の重量割合が、分子全体の25〜95重量%の範囲に設定されているものが好ましく用いられる。
上記接着付与剤としては、アルコキシシランカップリング剤等の従来公知のものがあげられる。
なお、本発明において、光分散性が必要な場合には、上記各成分以外にさらに充填剤を配合してもよい。上記充填剤としては、石英ガラス粉末、タルク、シリカ粉末、アルミナ粉末、炭酸カルシウム等の無機質充填剤等があげられる。
本発明の固形エポキシ樹脂組成物は、例えば、つぎのようにして製造することによって、粉末状、もしくは、その粉末を打錠したタブレット状として得ることができる。すなわち、上記A〜D成分および必要に応じて、色素、可撓性付与剤、変性剤、変色防止剤、酸化防止剤、光安定剤、離型剤、接着付与剤、充填剤を所定の割合で配合する。そして、これを常法に準じてドライブレンド法または溶融ブレンド法を適宜採用して混合,混練する。ついで、室温まで冷却した後、粉砕し、さらに必要に応じて打錠することにより固形エポキシ樹脂組成物を製造することができる。
このようにして得られた本発明の固形エポキシ樹脂組成物は、LED、電荷結合素子(CCD)等の光半導体素子の封止用として用いられる。すなわち、本発明の固形エポキシ樹脂組成物を用いての光半導体素子の封止は、特に限定されることはなく、通常のトランスファー成形等、公知のモールド方法により行なうことができる。
なお、本発明の固形エポキシ樹脂組成物の硬化体は、その用途の点から、分光光度計の測定により、室温下、厚み1mmの、波長600nmの光透過率が70%以上のものが好ましく、特に好ましくは80%以上である。ただし、上記充填剤,色素を用いた場合の光透過率はこの限りではない。なお、本発明において、上記室温とは、25℃±5℃をいう。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、エポキシ樹脂組成物の作製に先立ち、下記に示すエポキシ樹脂、硬化剤、ポリエステル樹脂、硬化促進剤の各成分を準備した。
〔エポキシ樹脂a〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:650g/eq、軟化点78℃)
〔エポキシ樹脂b〕
トリグリシジルイソシアヌレート(エポキシ当量:100g/eq、融点:100℃)
〔硬化剤〕
テトラヒドロ無水フタル酸
〔ポリエステル樹脂a〕
直鎖状構造、組成:テレフタル酸(34モル%)、イソフタル酸(16モル%)、ネオペンチルグリコール(18モル%)、エチレングリコール(21モル%)、ジエチレングリコール(11モル%);酸当量765g/eq、末端部分はカルボキシル基(日本ユピカ社製、GV−250)
〔ポリエステル樹脂b〕
直鎖状構造、組成:テレフタル酸(49モル%)、イソフタル酸(2モル%)、ネオペンチルグリコール(35モル%)、エチレングリコール(14モル%);酸当量1424g/eq、末端部分はカルボキシル基(日本ユピカ社製、GV−235)
〔硬化促進剤〕
N,N−ジメチルベンジルアミン
〔実施例1〜4、比較例〕
後記の表1に示す各成分を同表に示す割合で配合し、これを常法に準じて混合,混練した。ついで、室温(25℃)まで冷却した後、粉砕することにより目的とする微粉末状のエポキシ樹脂組成物を作製した。
このようにして得られた実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物を用いて、下記の方法にしたがって各種特性評価を行なった。その結果を後記の表1〜表2に併せて示す。
〔耐半田リフロー性〕
上記各エポキシ樹脂組成物を用い、トランスファー成形(成形条件:150℃×4分間)し、さらに、150℃×3時間の条件でアフターキュアすることにより、SOP(スモールアウトラインパッケージ:大きさ4.1mm×4.1mm)を作製した。得られたSOPを、30℃/60%RHで所定時間(192時間)吸湿させた後、IRリフローを実施して、パッケージに剥離やクラック等の問題が発生したか否かを目視により観察した。そして、何ら問題の発生しなかった良好なパッケージをカウントして、全パッケージ(5個)中その良好なパッケージの占める割合を算出し表示した。
〔ガラス転移温度(Tg)〕
専用金型にて成形する(硬化条件:150℃×4分間)ことにより、硬化物試験片(大きさ:直径50mm×厚み1mm)を作製し、さらに150℃×3時間の加熱により完全に硬化反応を終了させた。これにより得られた試験片を用いて、DSC(セイコーインスツルメンツ社製、DSC−6220)によりガラス転移温度(Tg)を測定した。
〔弾性率〕
専用金型により、上記と同様にして硬化物試験片(幅5mm×長さ35mm×厚み1mm)を作製し、さらに150℃×3時間の加熱により完全に硬化反応を終了させた。この試験片を、REOMETRIC SCIENTIFIC社製のRSA-IIを用い、1Hz,30〜270℃の範囲を10℃/minの昇温条件で測定し、ガラス転移温度(Tg)+50℃の貯蔵弾性率を表示した。
Figure 2009298901
上記結果から、実施例品は、良好なパッケージの割合が最低でも20%であり、比較例品と比べて耐半田リフロー性に優れていることがわかる。また、適正なガラス転移温度(Tg)を有し、低弾性率を有するものが得られた。
さらに、上記各エポキシ樹脂組成物を用い、上記と同様の成形条件にてトランスファー成形を行なうことにより、光透過率測定用の試料(厚み1mmの硬化物)を作製した。この試料を、石英セル中の流動パラフィンに浸漬し、試料表面の光散乱を抑制した状態で、室温(25℃)にて波長600nmにおける光透過率を分光光度計(島津製作所社製、UV3101)を用いて測定した。その結果、すべての試料に関して光透過率が85%以上であって、高い光透過率を満足するものであった。

Claims (4)

  1. 下記の(A)および(B)成分とともに、下記の(C)および(D)成分を含有してなる光半導体素子封止用固形エポキシ樹脂組成物。
    (A)エポキシ樹脂。
    (B)硬化剤。
    (C)ポリエステル樹脂。
    (D)硬化促進剤。
  2. 上記(C)成分であるポリエステル樹脂が、酸末端ポリエステル樹脂である請求項1記載の光半導体素子封止用固形エポキシ樹脂組成物。
  3. 上記(C)成分であるポリエステル樹脂が、酸当量400〜2000g/eqの範囲を有するものである請求項1または2記載の光半導体素子封止用固形エポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光半導体素子封止用固形エポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子を樹脂封止してなる光半導体装置。
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