JP2009294560A - レンズ位置決め機構およびコンバータレンズ - Google Patents

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憲男 前田
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和彦 井上
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靖昌 澤井
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Abstract

【課題】レンズ位置決め機構Fにおいて、光軸直交面内および光軸方向の省スペース化、カム加工に要するコスト低減、および部品点数削減を図る。
【解決手段】ホルダ2にて保持されるレンズL3を矩形形状で構成する。ホルダ2は、光軸を挟んで互いに対向する位置に、レンズL3のX方向の外周面に沿って2つの平板部2a・2bを有している。各平板部2a・2bには、ガイドピン2pが少なくとも1個ずつ、Y方向に突出して設けられている。ホルダ2は、ガイドピン2pが直進溝3aを貫通するように固定筒3に収容される。ガイドピン2pと接触するカム4は、各平板部2a・2bと対向する平板状の2つの対向部4a・4bと、これらの向かい合う端部同士を連結する少なくとも1個の連結部4cとを一体的に有しており、固定筒3に対してX方向に移動することにより、ガイドピン2pとともにレンズL3を光軸方向に移動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズの光軸方向の位置決めを行うレンズ位置決め機構と、それを備えたコンバータレンズとに関するものである。
投影レンズの被投影面側にアナモフィックコンバータを配置して、表示素子の表示画像を被投影面に投影する画像投影システムでは、例えば水平方向および垂直方向の画面比率が4:3から16:9に変換されるように、アナモフィックコンバータにて画角を光学的に水平方向に広げることにより、ワイドテレビ映像やシネマ映像を鑑賞することができる。このようなアナモフィックコンバータが現在製品化されているが、光学的なアナモフィックコンバータは、水平方向の倍率のみを上げているため、投影レンズの交換、投影距離、ズームポジションの変化等によって、水平方向の像と垂直方向の像の相互位置がずれてしまう。このずれを補正するためには、レンズ位置を光軸方向に調整し、位置決めする機構(フォーカス機構)をアナモフィックコンバータに持たせることが必要となる。
図10(a)(b)(c)は、それぞれ、従来のアナモフィックコンバータ100の概略の構成を示す平面図、光軸に垂直な断面図、光軸を含む縦断面図である。アナモフィックコンバータ100は、レンズL1・L2と、レンズ位置決め機構F1とを有している。レンズ位置決め機構F1は、レンズL3と、ホルダ101と、固定筒102と、カム環103とを有している。
レンズL1・L2・L3は、光軸方向(図中のAXは光軸を示す)から見てそれぞれ円形形状であり、光軸方向に並んで配置されている。このうち、レンズL1・L2は、略円筒形の固定筒102に直接保持されている。一方、レンズL3は、ホルダ101にて保持されており、このホルダ101が固定筒102内に収容されている。
ホルダ101は、レンズL3の外周面に沿うように円筒形で構成されている。ホルダ101の周面からは、3本のガイドピン101aが円周方向に等間隔で突出している。また、固定筒102の周面には、光軸方向に切られた3つの直進溝102aが円周方向に等間隔で形成されている。
カム環103は、固定筒102の周面を覆う円筒状のカムであり、光軸AXを回転軸として回転することが可能である。このカム環103には、光軸AXに対して斜めに切られた3つのカム溝103aが円周方向に等間隔で形成されている。上記のホルダ101は、各ガイドピン101aが直進溝102aおよびカム溝103aを貫通するように、固定筒102内に収容されている。
この構成では、カム溝103aが光軸AXに対して斜めに切られているので、カム環103を光軸周りに回転させることにより、各ガイドピン101aを直進溝102aに沿って光軸方向に移動させることが可能となる。これにより、ホルダ101にて保持されたレンズL3を光軸方向に移動させることが可能となる。
一方、例えば特許文献1〜5は、ガイド軸とカム板とを用いてレンズ位置を光軸方向に調整する機構を開示している。図11(a)(b)(c)は、それぞれ、上記調整機構を適用したアナモフィックコンバータ200の概略の構成を示す平面図、光軸に垂直な断面図、光軸を含む縦断面図である。アナモフィックコンバータ200は、レンズL1・L2と、レンズ位置決め機構F2とを有している。レンズ位置決め機構F2は、レンズL3と、ホルダ201と、固定筒202と、カム板203と、光軸に平行な2つのガイド軸204と、2つのガイド軸受け部205と、スリーブ部206と、フレ止め部207とを有している。
レンズL1・L2・L3は、光軸方向(図中のAXは光軸を示す)から見てそれぞれ円形形状であり、光軸方向に並んで配置されている。このうち、レンズL1・L2は、固定筒202に直接保持されている。一方、レンズL3は、ホルダ201にて保持されており、このホルダ201が固定筒202内に収容されている。
ホルダ201は、レンズL3の外周面に沿うように円筒形で構成されているが、固定筒202は、断面矩形で構成されている。固定筒202の一側面を構成する上面部202sには、光軸方向に切られた1個の直進溝202aが形成されている。
カム板203は、固定筒202の上面部202sと対向する板状のカムであり、この上面部202sに沿って水平方向に移動することが可能である。カム板203には、光軸AXに対して斜めに切られたカム溝203aが形成されている。また、カム板203には、抜け止め用のピン208が貫通する、水平方向に孔が長い長孔203bが、カム溝203aを間にして水平方向に2つ並んで形成されている。ピン208は、長孔203bを貫通して固定筒202に固定され、カム板203が固定筒202から外れてしまうのを防いでいる。
2本のガイド軸204は、固定筒202内の上方および下方に、光軸方向に沿って設けられている。各ガイド軸204の一端は、固定筒202における光軸AXに垂直な壁部202pにそれぞれ固定されており、他端は、固定筒202の端面と連結された、光軸AXに垂直なガイド軸受け部205にそれぞれ固定されている。
また、一方のガイド軸204は、スリーブ部206を貫通しており、他方のガイド軸204は、フレ止め部207に挟まれている。スリーブ部206は、ホルダ201の周面における最上方位置に形成されており、一方のガイド軸204と摺動して光軸方向の移動を案内する。このスリーブ部206には、上方に突出するガイドピン209が形成されており、ホルダ201は、ガイドピン209が直進溝202aおよびカム溝203aを貫通するように、固定筒202内に収容されている。フレ止め部207は、ホルダ201の周面における最下方位置に形成されており、他方のガイド軸204と摺動して光軸方向の移動を案内するとともに、ホルダ201のフレ(揺れ)を無くす働きを持つ。
この構成では、カム溝203aが光軸AXに対して斜めに切られているので、カム板203を水平方向に移動(スライド)させることにより、ガイドピン209を直進溝202aに沿って光軸方向に移動させることが可能となる。これにより、ホルダ201にて保持されたレンズL3を光軸方向に移動させることが可能となる。また、ホルダ201は、スリーブ部206およびフレ止め部207を介して2本のガイド軸204で支えられるので、レンズL3を光軸方向に移動可能とした状態で、レンズL3の光軸直交面内での位置決めを行うことも可能となる。
特開平2−267531号公報 特開平3−83004号公報 特開平4−118611号公報 特開平4−289806号公報 特開平4−289808号公報
ところで、投影レンズの被投影面側にコンバータレンズを配置して画像を投影する場合、被投影面が矩形形状であることから、コンバータレンズを構成する個々のレンズにおける光線の通過領域が矩形形状となる。しかし、図10(b)および図11(b)に示すように、例えばレンズL3を光軸方向から見て円形形状で構成すると、本来の光線の通過領域である矩形の領域Rの外側に、光線が通過しない無駄な領域が発生し、光軸直交面内における省スペース化に支障をきたす。
また、レンズ位置決め機構F1のように、円筒状のカム環103を用いる構成では、カム環103の加工コストが高く、アナモフィックコンバータ100のコスト上昇を招く。つまり、円筒状のカム環103を金属で構成する場合は、断面が真円となるように金属板を丸めてからカム溝を形成するため、加工の難度が高く、加工時間および工程数が増大する。その結果、加工コストが増大する。一方、円筒状のカム環103を樹脂成形で得る場合でも、金型の構造が複雑にならざるを得ず、加工コストが増大する。
また、レンズ位置決め機構F2のように、2本のガイド軸204と、スリーブ部206と、フレ止め部207とでレンズL3の姿勢を決める構成では、傾き誤差やがたつきを抑えてレンズL3を光軸方向に移動させるために、ガイド軸204とスリーブ部206との光軸方向の嵌合長(摺動長)を長く確保する必要が生じ、光軸方向の省スペース化を図ることが困難となる。さらに、光軸AXを挟んで互いに反対側に2本のガイド軸204を設け、その個々に対応してスリーブ部206およびフレ止め部207をホルダ201に設ける構成のため、光軸直交面内の省スペース化を図ることも困難となる。また、円筒状のカム環103を用いる構成に比べて、2本のガイド軸204、2本のガイド軸受け部205、スリーブ部206およびフレ止め部207を必要とする分だけ、部品点数が増加する。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、光軸直交面内および光軸方向の省スペース化、カム加工に要するコスト低減、および部品点数削減を図ることができるレンズ位置決め機構と、それを備えたコンバータレンズとを提供することにある。
本発明のレンズ位置決め機構は、レンズと、前記レンズを保持するホルダと、前記ホルダに設けられたガイドピンと、光軸方向に形成された直進溝を前記ガイドピンが貫通するように、前記ホルダを内部に収容する固定筒と、前記ガイドピンと接触するカムとを備え、前記固定筒に対する前記カムの移動によって前記ガイドピンを光軸方向に移動させることにより、前記ホルダにて保持された前記レンズを光軸方向に移動させるレンズ位置決め機構であって、光軸に直交する面内で互いに垂直な2方向のうちの一方向を第1の方向とし、他方向を第2の方向とすると、前記レンズは、光軸方向から見て矩形形状であり、前記ホルダは、光軸を挟んで互いに対向する位置に、前記レンズの第1の方向に沿った外周面と対向して設けられる2つの平板部をそれぞれ有しており、前記ガイドピンは、前記ホルダの各平板部に少なくとも1個ずつ、第2の方向に突出して設けられており、前記カムは、前記ホルダの各平板部と前記固定筒を介して対向する平板状の2つの対向部と、前記2つの対向部の向かい合う端部同士を連結する少なくとも1個の連結部とを一体的に有しており、前記固定筒に対して第1の方向に移動することにより、前記各平板部の少なくとも1個のガイドピンとともに前記レンズを光軸方向に移動させることを特徴としている。
本発明のレンズ位置決め機構において、前記カムは、前記2つの対向部と、1個の前記連結部とを一体的に有しており、前記連結部は、平板状であってもよい。
本発明のレンズ位置決め機構において、前記ホルダの各平板部および前記固定筒の少なくとも一方には、前記平板部と前記固定筒との間の隙間を埋める高さを有する突起部が形成されていることが望ましい。
本発明のレンズ位置決め機構において、上記固定筒は、前記カムの前記対向部の第1の方向への移動を案内するガイド部を有していることが望ましい。
本発明のレンズ位置決め機構は、少なくとも、前記カムの前記対向部を前記ガイド部に押し付ける方向に、前記カムを付勢する付勢部材をさらに備えていることが望ましい。
本発明のレンズ位置決め機構は、前記固定筒に対して前記カムを第1の方向に移動させるシフト機構をさらに備えており、前記付勢部材は、さらに、第1の方向であって前記連結部が光軸に近づく方向に前記カムを付勢しており、前記シフト機構は、前記付勢部材と、前記連結部に形成される雌ネジ部と、前記雌ネジ部に螺合し、先端が前記固定筒と当接する雄ネジ部とで構成されていてもよい。
本発明のレンズ位置決め機構において、前記ホルダは、前記レンズの外周面を覆う矩形形状で構成されていることが望ましい。
本発明のレンズ位置決め機構において、前記カムの前記対向部には、前記カムの第1の方向への移動時に前記ガイドピンと1箇所または2箇所で接するカム溝が形成されており、前記カム溝における前記ガイドピンとの当接部は、第1の方向に対して斜めに形成されていることが望ましい。
本発明のレンズ位置決め機構において、前記カム溝の一端は、開放されていることが望ましい。
本発明のレンズ位置決め機構において、前記ホルダの各平板部に設けられた少なくとも1個のガイドピンは、光軸に対して点対称に配置されていることが望ましい。
本発明のレンズ位置決め機構において、前記レンズ、前記ホルダおよび前記ガイドピンは、一体成形されていることが望ましい。
本発明のコンバータレンズは、投影レンズの被投影面側に配置され、投影画像の画角を切り替えるコンバータレンズであって、上述した本発明のレンズ位置決め機構を有していることを特徴としている。
本発明によれば、レンズを矩形形状で構成することにより、レンズにおける光線の通過領域が矩形形状となる場合には、光線が通過しない無駄な領域を極力無くして、光軸直交面内における省スペース化を図ることができる。したがって、例えば本発明のレンズ位置決め機構をコンバータレンズに適用した場合には、光軸直交面内の省スペース化を図って、コンバータレンズを小型化することが可能となる。
また、レンズ位置決め機構におけるカムを、2つの対向部と少なくとも1個の連結部とを用いた一体構成とすることで、例えば、カムを金属で構成する場合は、少なくとも、金属板の打ち抜きと折り曲げとによってカムを得ることができ、カムを樹脂成形で得る場合でも、金型の構造を複雑化させることなくカムを得ることができる。したがって、上記いずれの場合でも、加工工程が長くなったり、工程数が増大するのを抑えることができ、カム加工に要するコストを低減することができる。
さらに、ガイドピンは、ホルダにおける、光軸を挟んで互いに反対側に位置する各平板部に少なくとも1個ずつ設けられているので、カムの第1の方向への移動によって上記位置関係にある少なくとも2つのガイドピンを光軸方向に移動させることにより、傾き誤差やがたつきを効果的に抑えながら、ホルダを光軸方向にスムーズに移動させることができる。よって、従来のように、傾き誤差やがたつきを抑えるための部材(ガイド軸、スリーブ等)を設けたり、ガイド軸を光軸方向に長く形成したりする必要が無くなる。その結果、光軸方向の省スペース化および部品点数の削減を図ることができる。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1(a)(b)(c)は、それぞれ、本実施形態に係るアナモフィックコンバータ1の概略の構成を示す平面図、光軸に垂直な断面図、光軸を含む縦断面図である。なお、説明の便宜上、レンズL1・L2・L3の光軸方向(図中のAXは光軸を示す)をZ方向とし、光軸AXに直交する面内で互いに垂直な2方向のうちの一方向をX方向(第1の方向)とし、他方向をY方向(第2の方向)とする。本実施形態では、X方向は水平方向に対応しており、Y方向は垂直方向に対応しているが、この関係は逆であってもよい。また、図2(a)は、アナモフィックコンバータ1の外観構成を示す斜視図であり、図2(b)は、アナモフィックコンバータ1の分解斜視図である。
アナモフィックコンバータ1は、投影レンズの被投影面側に配置され、投影画像の画角を切り替えるコンバータレンズであり、レンズL1・L2と、レンズ位置決め機構Fとを有している。レンズ位置決め機構Fは、レンズL3と、ホルダ2と、固定筒3と、カム4と、2本のバネ5と、カムシフト機構6とを有しており、固定筒3に対するカム4の移動によって後述するガイドピン2pを光軸方向に移動させることにより、ホルダ2にて保持されたレンズL3を光軸方向に移動させ、レンズL3の光軸方向の位置決めを行う。以下、具体的に説明する。なお、以下では、光軸方向において被投影面側(レンズL1側)を前方とし、投影レンズ側(レンズL3側)を後方とする。
レンズL1・L2・L3は、光軸方向から見てそれぞれ矩形形状であり、光軸方向に並んで配置されている。レンズL1・L2は、固定筒3に直接保持されており、レンズL3は、ワッシャ7によってホルダ2に固定、保持されている。このレンズL3は、フォーカスを調整するためのレンズ(フォーカスレンズ)として機能している。
ホルダ2は、レンズL3の外周面を覆う矩形形状で構成されており、光軸AXを挟んで互いに対向する位置に2つの平板部2a・2bを少なくとも有している。平板部2a・2bは、レンズL3のX方向に沿った外周面と対向してそれぞれ設けられている。また、ホルダ2には、ガイドピン2pが設けられている。ガイドピン2pは、本実施形態では、ホルダ2の各平板部2a・2bに2個ずつ(計4個)、光軸AXに対して点対称に位置するように、Y方向に突出して設けられている。なお、ガイドピン2pは、ホルダ2の各平板部2a・2bに少なくとも1個ずつ設けられていればよい。
上記したレンズL3、ホルダ2およびガイドピン2pは、樹脂により一体成形されていてもよいし、組み立て可能に別々に構成されてもよい。前者の場合は、後者のような組み立てが不要となるので、作業性が向上する。
固定筒3は、同一部品からなる上部筐体3pと下部筐体3qとを貼り合わせて構成されており、ホルダ2を介してレンズL3の外周面を覆う矩形形状となっている。固定筒3は、各ガイドピン2pと対応する位置に、光軸方向に形成された直進溝3aを有しており、各ガイドピン2pが各直進溝3aを貫通するようにホルダ2を内部に収容している。この直進溝3aは、光軸方向の後方側が開放されている。
また、固定筒3は、その外表面にガイド部3bを有している。このガイド部3bは、X方向に延設されており、カム4の後述する対向部4a・4bとそれぞれ当接し、対向部4a・4bのX方向への移動を案内する。これにより、カム4をガイド部3bに沿わせながらX方向に確実にかつ安定して移動させることができる。
ところで、図3(a)は、図1(b)におけるA部を拡大して示す断面図である。本実施形態では、ホルダ2の平板部2aおよび固定筒3の両方に、平板部2aと固定筒3との間の隙間を埋める高さを有する突起部が形成されている。具体的には、ホルダ2の平板部2aの外表面(固定筒3との対向面)に突起部2kが形成されており、固定筒3の内面(平板部2aとの対向面)に突起部3kが形成されている。突起部2kおよび突起部3kのY方向の高さの合計は、平板部2aと固定筒3との間の隙間に等しくなるように設定されている。本実施形態では、平板部2aと固定筒3との間の隙間を埋める突起部(突起部2kおよび突起部3k)が2個ずつ、X方向に並んで形成されている。また、同様に、平板部2bの外表面およびそれと対向する固定筒3の内面には、平板部2bと固定筒3との間の隙間を埋める突起部が2個ずつ、X方向に並んで形成されている。
このような突起部を設けることにより、固定筒3にホルダ2を収容したときに、各平板部2a・2bと固定筒3との間にY方向の隙間が生じていても、その隙間が対向する突起部の当接によって局所的に埋められる。よって、固定筒3内でのホルダ2のY方向のがたつきを抑えることができ、ホルダ2のY方向の位置決めを適切に行うことができる。
なお、図3(b)は、平板部2aと固定筒3との間の隙間を埋める突起部の他の例であって、固定筒3にのみ突起部3kを設けた構成(平板部2aには突起部を設けていない)を示している。また、図3(c)は、上記隙間を埋める突起部のさらに他の例であって、平板部2aにのみ突起部2kを設けた構成(固定筒3には突起部を設けていない)を示している。これらの図に示すように、1個の突起部のY方向の高さが上記の隙間に等しくなるように設定するのであれば、平板部2a側の突起部2kおよび固定筒3側の突起部3kのうち、一方のみを設ける構成としても構わない。同様に、平板部2bの外表面に設けられる突起部、およびそれと対向する固定筒3の内面に設けられる突起部のうち、一方のみを設ける構成としても構わない。これにより、上記と同様に、ホルダ2の固定筒3内でのY方向のがたつきを抑えて、Y方向の位置決めを適切に行うことができる。
次に、カム4、バネ5、およびカムシフト機構6について説明する。
カム4は、ホルダ2の各平板部2a・2bに設けられた各ガイドピン2pと接触し、カムシフト機構6による固定筒3に対するX方向の移動により、各ガイドピン2pとともにレンズL3を光軸方向に移動させるものであり、2つの対向部4a・4bと、1個の連結部4cとを一体的に有して構成されている。各対向部4a・4bは、ホルダ2の各平板部2a・2bと固定筒3を介して対向する平板状の部材である。連結部4cは、2つの対向部4a・4bの向かい合う端部同士を連結する平板状の部材である。つまり、本実施形態のカム4は、全体としてコの字状となっている。
このように、カム4をコの字状で構成することにより、カム4を例えば金属で構成する場合は、金属板の打ち抜き加工(プレス加工)と折り曲げ加工とによってカム4を容易に得ることができる。また、カム4を例えば樹脂成形で得る場合でも、複雑な金型を用いることなくカム4を容易に得ることができる。なお、以下では、カム4は金属板の折り曲げによって形成されているものとして話を進める。
カム4には、補強用のリブ4d・4e・4fが形成されているとともに、補強用の半抜き4g・4hが形成されている(図2(b)参照)。より詳しくは、リブ4d・4eは、カム4の各対向部4a・4bにおける前方側の縁、すなわち、各対向部4a・4bにおけるX方向に沿った縁であって、カム溝4rの開放端とは反対側の縁の一部を、Y方向外側(光軸に向かう方向とは反対側)に折り曲げることによってそれぞれ形成されている。リブ4fは、カム4の連結部4cにおけるY方向に沿った前方側の縁の一部を、X方向外側(光軸に向かう方向とは反対側)に向かって折り曲げることによって形成されている。なお、上記のカム溝4rの詳細については後述する。
一方、半抜き4gは、対向部4aと連結部4cとの連結部分(折り曲げ部分)に形成されており、半抜き4hは、対向部4bと連結部4cとの連結部分(折り曲げ部分)に形成されている。なお、「半抜き」とは、一般的に、完全に貫通させるのではなく、一部はつながるようなプレスの仕方を言うが、ここでは、上から叩くことによって局所的に窪みを形成した状態を指す。
カム4の各部の相対位置関係、つまり、各対向部4a・4bおよび連結部4cの相互の位置関係が変化すると、カム4によって移動させるレンズL3の姿勢誤差(傾き誤差)が生じることが懸念される。カム4はコの字状であることから、強度不足によって各部の相対位置関係が変化しやすい。しかし、上記のようにリブ4d・4e・4fを設けることにより、カム4のX方向およびY方向の強度を増大させることができ、半抜き4g・4hを設けることにより、折り曲げ部分の強度、言い換えれば、連結部4cに対する各対向部4a・4bの折り曲げ方向の強度を増大させることができる。よって、全体として、コの字状のカム4の強度を増大させることができ、レンズL3の姿勢誤差を極力低減することができる。
2本のバネ5は、それぞれ、Z方向であって、カム4の各対向部4a・4bを固定筒3のガイド部3bに押し付ける方向、および、X方向であって、カム4の連結部4cが光軸に近づく方向にカム4を付勢する付勢部材である。
ここで、図4は、バネ5の付勢方向を模式的に示す説明図である。バネ5の一端は、カム4の対向部4aに固定され、他端は固定筒3に固定されている。この結果、バネ5は、光軸AXに対して斜めに、すなわち、P方向に対向部4aを付勢している。このP方向の付勢力は、Z方向の力P1と、X方向の力P2とに分解することができる。なお、対向部4b側のバネ5の付勢力についても同様である。したがって、2本のバネ5により、カム4の各対向部4a・4bをガイド部3bに力P1で押し付けながら、連結部4cが光軸AXに近づく方向にカム4を力P2で付勢することができる。
このように、各バネ5により、各対向部4a・4bをガイド部3bに押し付けているので、ガイド部3bに対してがたつきを生じさせることなく、カム4をX方向にスムーズに移動させることができる。
カムシフト機構6は、固定筒3に対してカム4をX方向に移動させるシフト機構であり、上記した2本のバネ5と、図1(b)に示す雌ネジ部4iおよび雄ネジ部4jとで構成されている。雌ネジ部4iは、ネジ溝が切られた孔であり、カム4の連結部4cの略中央に形成されている。雄ネジ部4jは、雌ネジ部4iに螺合し、先端が固定筒3と当接している。
上記のように、バネ5は、連結部4cが光軸AXに近づく方向にカム4を付勢しているので、手動または電動により雄ネジ部4jを回してこれを雌ネジ部4i(連結部4c)に対して進退させることにより、カム4全体をX方向に進退させることが可能となる。
次に、上記したカム溝4rについて説明する。
カム4の各対向部4a・4bには、カム溝4rが各ガイドピン2pに対応してX方向に並んで2つずつ(計4個)形成されている。ガイドピン2pは、上述した固定筒3の直進溝3aを貫通してカム溝4rに嵌っている(カム溝4rに内接している)。したがって、カム溝4rは、カム4のX方向への移動時には、ガイドピン2pと辺4r−1・4r−2(図4参照)の2箇所で常に接していることになる。つまり、カム溝4rの対向する2つの辺4r−1・4r−2はともに、ガイドピン2pと当接する当接部となる。
カム溝4rの一端(後方側)は、開放されている。これにより、カム4を固定筒3に取り付ける際には、各ガイドピン2pに対してカム溝4rの開放端側からカム4を指せばよいので、その取り付けがしやすくなる。また、上述したように、固定筒3の直進溝3aの一端(後方側)が開放されているので、カム溝4rおよび直進溝3aの開放端同士を合わせておき、ガイドピン2pを各開放端側から通すようにして、ホルダ2を固定筒3内に収容する構成とすることも可能となる。なお、ホルダ2とガイドピン2pとを別体とし、カム4を固定筒3に取り付けた後に、ガイドピン2pをカム溝4rおよび直進溝3aに突き刺してホルダ2に固定するようにするのであれば、カム溝4rや直進溝3aは、開放端のない長孔であってもよい。
カム溝4rにおけるガイドピン2pとの当接部は、X方向に対して斜めに形成されている。これにより、カム4のX方向への移動によって、カム溝4rと接するガイドピン2pを、固定筒3の直進溝3aに沿って光軸方向に移動させることが可能となる。
ここで、図5(a)(b)(c)は、カム4のX方向の各位置に対応するレンズL3の光軸方向の各位置を示す平面図および断面図であり、図5(a)は、連結部4cが光軸AXに最も近づくようにカム4を移動させたときを、図5(c)は、連結部4cが光軸AXから最も離れるようにカム4を移動させたときを、図5(b)は、それらの中間位置にカム4を移動させたときをそれぞれ示している。
例えば図5(b)の状態から、連結部4cが光軸AXに最も近づくようにカム4をX方向に移動させると、図5(a)のように、ガイドピン2pはカム溝4rおよび直進溝3aで案内されて光軸方向の前方側に移動する。その結果、ガイドピン2pおよびホルダ2とともにレンズL3が光軸方向の前方側に移動する。一方、図5(b)の状態から、連結部4cが光軸AXから最も離れるようにカム4をX方向に移動させると、図5(c)のように、ガイドピン2pはカム溝4rおよび直進溝3aで案内されて光軸方向の後方側に移動する。その結果、ガイドピン2pおよびホルダ2とともにレンズL3が光軸方向の後方側に移動する。
このように、カム4をX方向に移動させることにより、ガイドピン2pともに、ホルダ2にて保持されたレンズL3を光軸方向に移動させて、レンズL3の光軸方向の位置決めを行うことが可能となる。つまり、レンズ間隔が変化するので、フォーカス調整を行うことが可能となる。
以下、本実施形態のレンズ位置決め機構Fの構成による効果について述べる。
本実施形態のように、投影レンズの被投影面側にアナモフィックコンバータ1を配置して画像を投影する構成では、被投影面が矩形形状であることから、アナモフィックコンバータ1を構成する個々のレンズにおける光線の通過領域が矩形形状となる。そこで、レンズ位置決め機構Fにおいては、少なくともレンズL3を矩形形状で構成していることにより、光線が通過しない無駄な領域を極力無くして、光軸直交面内における省スペース化を図ることができる。
よって、このレンズ位置決め機構Fをアナモフィックコンバータ1に適用することにより、光軸直交面内の省スペース化を図って、アナモフィックコンバータ1を小型化することが可能となる。なお、この効果は、他のレンズ(レンズL1・L2)も矩形形状で構成することにより、確実に得ることができる。特に、投影レンズの被投影面側に配置されるフロントコンバータにおいては、被投影面側のレンズが大型化しやすいので、レンズ位置決め機構Fを適用することによる小型化の効果は大きくなる。
なお、投影レンズの表示素子側にアナモフィックコンバータを配置して画像を投影する構成においても、表示素子の表示面が矩形形状であることから、アナモフィックコンバータを構成する個々のレンズにおける光線の通過領域が矩形形状となる。また、撮像素子の前方に撮像レンズを配置して被写体像を撮像する撮像システムにおいても、撮像素子の撮像領域が矩形形状であることから、撮像レンズを構成する個々のレンズにおける光線の通過領域が矩形形状となる。したがって、上述したレンズ位置決め機構Fの構成は、投影レンズの表示素子側に配置されるリアコンバータや撮像レンズにも適用することができ、これによって上記と同様の効果を得ることができる。また、レンズ位置決め機構Fの構成は、例えばテレコンバータやワイドコンバータなど、アナモフィックコンバータ1以外の他のコンバータレンズにも適用することができる。
また、本実施形態では、レンズ位置決め機構Fのカム4を、2つの対向部4a・4bと、1個の連結部4cとを用いた一体構成としているので、例えば、カム4を金属で構成する場合は、少なくとも、金属板の打ち抜きと折り曲げとによってカムを得ることができる。また、カム4を樹脂成形で得る場合でも、金型の構造を複雑化させることなくカム4を得ることができる。したがって、上記いずれの場合でも、加工工程が長くなったり、工程数が増大するのを抑えることができ、カム加工に要するコストを低減してアナモフィックコンバータ1の価格上昇を抑えることができる。
なお、本実施形態では、カム4をコの字状で形成しているが、光軸方向から見てロの字状やU字状であってもよい。つまり、連結部4cが1個で平板状であれば、本実施形態のようにコの字状のカム4を実現することができ、連結部4cが2個で平板状であればロの字状のカム4を実現することができ、連結部4cが1個で曲面状であればU字状のカム4を実現することができる。ロの字状やU字状のカム4であっても、カム4をX方向に移動させることにより、ガイドピン2pともに、ホルダ2にて保持されたレンズL3を光軸方向に移動させることができるので、レンズL3の光軸方向の位置決めを行うことが可能となる。以上のことから、ガイドピン2pと接触するカム4は、平板状の2つの対向部4a・4bと、少なくとも1個の連結部4cとを一体的に有していればよいと言える。
なお、カム4をロの字状で構成する場合は、折り曲げた金属板の端部を溶接等によって接合する工程が増えるが、全体としてみれば、従来の円筒形カムほど加工の難度は高くないので、加工コストを低減することはできる。
また、本実施形態では、レンズ位置決め機構Fのガイドピン2pは、ホルダ2における、光軸AXを挟んで互いに反対側に位置する各平板部2a・2bに少なくとも1個ずつ設けられているので、カム4のX方向への移動によって上記位置関係にある少なくとも2つのガイドピン2pを光軸方向に移動させることにより、傾き誤差やがたつきを効果的に抑えながら、ホルダ2を光軸方向にスムーズに移動させることができる。よって、従来のように、傾き誤差やがたつきを抑えるための各種の部材(例えばガイド軸×2、ガイド軸受け部×2、スリーブ部、フレ止め部)を設けたり、ガイド軸を光軸方向に長く形成したりする必要が無くなる。その結果、光軸方向の省スペース化および部品点数の削減を図ることができる。
つまり、本実施形態のレンズ位置決め機構Fの構成では、光路に沿った形状のカム4にレンズL3を吊る構成としているので、レンズ位置決め機構Fの省スペース化と部品点数の削減、部品のシンプル化が可能となる。特に、カム4がコの字状であることにより、カム4が固定筒3に対してY方向には抜けにくくなるので、カムを平板状で構成する従来のように、カムの抜け止め用の孔やピンも設けなくても済み、部品点数の削減や部品のシンプル化を一層図ることができる。
また、図1(b)に示したように、ホルダ2の各平板部2a・2bに設けられた各ガイドピン2pは、光軸AXに対して点対称に配置されており、光軸AXを挟んだ位置関係にある各ガイドピン2pがカム4と接触するので、カム4の移動による各ガイドピン2pの光軸方向への移動を確実に安定させることができ、各ガイドピン2pと一体化したホルダ2およびレンズL3の光軸AXに対するがたつきを確実に抑えることができる。
また、ホルダ2は、レンズL3の外周面を覆う矩形形状で構成されており、レンズL3とともにホルダ2も矩形形状であるので、光軸直交面内の無駄なスペースを極力省いてレンズL3を保持することができ、レンズ位置決め機構Fひいてはアナモフィックコンバータ1を十分に小型化することができる。さらに、固定筒3も、ホルダ2を介してレンズL3の外周面を覆う矩形形状で構成されているので、上記の小型化の効果を最大限に得ることができる。
ところで、本実施形態では、ガイドピン2pがカム溝4rに内接するようにカム溝4rを形成した例について説明したが、外接するようにカム溝4rを形成するようにしてもよい。例えば、図6は、カム4の他の構成例を示す平面図であり、図7は、カム4のさらに他の構成を示す平面図である。
図6のカム4では、X方向に並ぶ2つのカム溝4rの一方は、光軸方向における後方側が開放されており、他方は光軸方向における前方側が開放されている。各カム溝4rは、略直角二等辺三角形状の溝であり、斜辺に相当する辺4r−3同士が平行で、かつ、X方向に対して斜めに形成され、直角を挟む2辺のうちの1辺に相当する辺4r−4同士が、各辺4r−3よりも内側(光軸AXに近い側)で互いに対向するように形成されている。これにより、カム4のX方向への移動時には、各カム溝4rは、対応するガイドピン2pと1箇所でのみ接することになる。
つまり、X方向における一方向(例えば連結部4cが光軸AXから離れる方向;以下、右方向と称する)にカム4が移動する場合は、ガイドピン2pは一方のカム溝4rの辺4r−3とのみ当接する。一方、X方向における逆方向(例えば連結部4cが光軸AXに近づく方向;以下、左方向と称する)にカム4が移動する場合は、他のガイドピン2pは他方のカム溝4rの辺4r−3とのみ当接する。このように、各ガイドピン2pは、カム4のX方向の往復移動のどちらか一方向のみで、対応するカム溝4rの1辺と当接する。このとき、各カム溝4rの辺4r−3が、カム4のX方向への移動時に、対応するガイドピン2pと1箇所で当接する当接部となる。
図7のカム4は、X方向に並ぶ2つのカム溝4rのX方向の幅が広くなっている以外は、図1(a)等で示したカム溝4rと同様の構成である。このように構成することで、各カム溝4rは、カム4のX方向への移動時に各ガイドピン2pと1箇所でのみ接することとなる。
つまり、右方向にカム4が移動する場合は、各ガイドピン2pは、各カム溝4rにおける対向する2辺のうちの一方の辺4r−5とのみ同時に当接する。一方、左方向にカム4が移動する場合は、各ガイドピン2pは、各カム溝4rにおける他方の辺4r−6とのみ同時に当接する。この構成では、各カム溝4rの辺4r−5・4r−6のそれぞれが、カム4のX方向への移動時に、各ガイドピン2pと1箇所で当接する当接部となる。
図6および図7のように、各ガイドピン2pが各カム溝4rに対して外接するように、各カム溝4rがカム4に形成されていても、各カム溝4rにおける各ガイドピン2pとの当接部がX方向に対して斜めに形成されているので、カム4のX方向への移動により、各カム溝4rと接する各ガイドピン2pを光軸方向に移動させることが可能となる。
よって、以上のことをまとめると、カム4の対向部4a・4bには、カム4のX方向への移動時にガイドピン2pと1箇所で接する(外接する)、または2箇所で接する(内接する)カム溝4rが形成されており、カム溝4rにおけるガイドピン2pとの当接部がX方向に対して斜めに形成されていれば、カム溝4rと接する各ガイドピン2pを光軸方向に移動させることができると言える。
また、付勢部材(図示せず)によってホルダ2を光軸方向の前方側に付勢する等により、ホルダ2と一体化されたガイドピン2pを光軸方向の前方側に付勢する構成とすれば、カム4を以下の構成とすることも可能となる。図8は、カム4のさらに他の構成を示す平面図である。この構成では、X方向に並ぶ2つのカム溝4rは両方とも、光軸方向における後方側が開放されている。各カム溝4rは、略直角二等辺三角形状の溝であり、斜辺に相当する辺4r−7同士が平行で、かつ、X方向に対して斜めに形成され、直角を挟む2辺のうちの1辺に相当する辺4r−8同士が平行で、かつ、光軸AXにも平行となるように形成されている。
この構成では、右方向にカム4が移動する場合は、各ガイドピン2pは各カム溝4rの辺4r−7と当接しながら光軸方向の後方側に移動する。一方、左方向にカム4が移動する場合は、各ガイドピン2pは各カム溝4rの同じ辺4r−7との当接を保ったまま、上記の付勢力(図8では破線の矢印で示す)により、光軸方向の前方側に移動する。したがって、このような構成であっても、カム4のX方向の移動時に、各カム溝4rと接する各ガイドピン2pを光軸方向に移動させることができる。なお、この構成では、各カム溝4rの辺4r−7が、カム4のX方向への移動時に、対応するガイドピン2pと1箇所で当接する当接部となる。
また、図9は、カム4のさらに他の構成を示す平面図である。この構成では、カム4の対向部4aには、略直角三角形状のカム溝4rが1つだけ形成されている。なお、図示はしないが、対向部4bにも同様の形状のカム溝4rが形成されている。カム溝4rは、斜辺に相当する辺4r−9がX方向に対して斜めに形成され、直角を挟む2辺のうちの1辺に相当する辺4r−10が光軸AXに平行に形成されている。2つのガイドピン2pは、光軸方向にすれて位置することで、カム溝4rの同じ辺4r−9と同時に当接している。
この構成でも、右方向にカム4が移動する場合は、各ガイドピン2pはカム溝4rの辺4r−9と当接しながら光軸方向の後方側に移動し、左方向にカム4が移動する場合は、各ガイドピン2pに働く付勢力(図9では破線の矢印で示す)により、各ガイドピン2pは同じ辺4r−9との当接を保ったまま、光軸方向の前方側に移動する。したがって、このような構成であっても、カム4のX方向の移動時に、1つのカム溝4rと接する各ガイドピン2pを光軸方向に移動させることができる。なお、この構成では、カム溝4rの辺4r−9が、カム4のX方向への移動時に、各ガイドピン2pと1箇所で当接する当接部となる。
本発明は、投影レンズの前方(被投影面側)または後方(表示素子側)にコンバータレンズを配置して画像を投影する画像投影システムや、撮像素子の前方に撮像レンズを配置して被写体像を撮像する撮像システムに利用可能である。
(a)(b)(c)は、それぞれ、本発明の実施の一形態に係るアナモフィックコンバータの概略の構成を示す平面図、光軸に垂直な断面図、光軸を含む縦断面図である。 (a)は、上記アナモフィックコンバータの外観構成を示す斜視図である。(b)は、上記アナモフィックコンバータの分解斜視図である。 (a)は、上記アナモフィックコンバータにおけるホルダと固定筒との間の隙間を埋める突起部の一例を示す断面図である。(b)は、上記突起部の他の例を示す断面図である。(c)は、上記突起部のさらに他の例を示す断面図である。 上記アナモフィックコンバータが有するバネの付勢方向を模式的に示す説明図である。 (a)(b)(c)は、上記アナモフィックコンバータのカムの水平方向の各位置に対応するレンズの光軸方向の各位置をそれぞれ示す平面図および断面図である。 上記カムの他の構成例を示す平面図である。 上記カムのさらに他の構成を示す平面図である。 上記カムのさらに他の構成を示す平面図である。 上記カムのさらに他の構成を示す平面図である。 (a)(b)(c)は、それぞれ、従来のアナモフィックコンバータの概略の構成を示す平面図、光軸に垂直な断面図、光軸を含む縦断面図である。 (a)(b)(c)は、それぞれ、従来のレンズ位置調整機構を適用したアナモフィックコンバータの概略の構成を示す平面図、光軸に垂直な断面図、光軸を含む縦断面図である。
符号の説明
1 アナモフィックコンバータ(コンバータレンズ)
2 ホルダ
2a 平板部
2b 平板部
2k 突起部
2p ガイドピン
3 固定筒
3a 直進溝
3b ガイド部
3k 突起部
4 カム
4a 対向部
4b 対向部
4c 連結部
4i 雌ネジ部
4j 雄ネジ部
4r カム溝
5 バネ(付勢部材)
6 カムシフト機構
AX 光軸
F レンズ位置決め機構
L3 レンズ

Claims (12)

  1. レンズと、
    前記レンズを保持するホルダと、
    前記ホルダに設けられたガイドピンと、
    光軸方向に形成された直進溝を前記ガイドピンが貫通するように、前記ホルダを内部に収容する固定筒と、
    前記ガイドピンと接触するカムとを備え、前記固定筒に対する前記カムの移動によって前記ガイドピンを光軸方向に移動させることにより、前記ホルダにて保持された前記レンズを光軸方向に移動させるレンズ位置決め機構であって、
    光軸に直交する面内で互いに垂直な2方向のうちの一方向を第1の方向とし、他方向を第2の方向とすると、
    前記レンズは、光軸方向から見て矩形形状であり、
    前記ホルダは、光軸を挟んで互いに対向する位置に、前記レンズの第1の方向に沿った外周面と対向して設けられる2つの平板部をそれぞれ有しており、
    前記ガイドピンは、前記ホルダの各平板部に少なくとも1個ずつ、第2の方向に突出して設けられており、
    前記カムは、前記ホルダの各平板部と前記固定筒を介して対向する平板状の2つの対向部と、前記2つの対向部の向かい合う端部同士を連結する少なくとも1個の連結部とを一体的に有しており、前記固定筒に対して第1の方向に移動することにより、前記各平板部の少なくとも1個のガイドピンとともに前記レンズを光軸方向に移動させることを特徴とするレンズ位置決め機構。
  2. 前記カムは、前記2つの対向部と、1個の前記連結部とを一体的に有しており、
    前記連結部は、平板状であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ位置決め機構。
  3. 前記ホルダの各平板部および前記固定筒の少なくとも一方には、前記平板部と前記固定筒との間の隙間を埋める高さを有する突起部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレンズ位置決め機構。
  4. 上記固定筒は、前記カムの前記対向部の第1の方向への移動を案内するガイド部を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のレンズ位置決め機構。
  5. 少なくとも、前記カムの前記対向部を前記ガイド部に押し付ける方向に、前記カムを付勢する付勢部材をさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載のレンズ位置決め機構。
  6. 前記固定筒に対して前記カムを第1の方向に移動させるシフト機構をさらに備えており、
    前記付勢部材は、さらに、第1の方向であって前記連結部が光軸に近づく方向に前記カムを付勢しており、
    前記シフト機構は、
    前記付勢部材と、
    前記連結部に形成される雌ネジ部と、
    前記雌ネジ部に螺合し、先端が前記固定筒と当接する雄ネジ部とで構成されていることを特徴とする請求項5に記載のレンズ位置決め機構。
  7. 前記ホルダは、前記レンズの外周面を覆う矩形形状で構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のレンズ位置決め機構。
  8. 前記カムの前記対向部には、前記カムの第1の方向への移動時に前記ガイドピンと1箇所または2箇所で接するカム溝が形成されており、
    前記カム溝における前記ガイドピンとの当接部は、第1の方向に対して斜めに形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のレンズ位置決め機構。
  9. 前記カム溝の一端は、開放されていることを特徴とする請求項8に記載のレンズ位置決め機構。
  10. 前記ホルダの各平板部に設けられた少なくとも1個のガイドピンは、光軸に対して点対称に配置されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のレンズ位置決め機構。
  11. 前記レンズ、前記ホルダおよび前記ガイドピンは、一体成形されていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のレンズ位置決め機構。
  12. 投影レンズの被投影面側に配置され、投影画像の画角を切り替えるコンバータレンズであって、
    請求項1から11のいずれかに記載のレンズ位置決め機構を有していることを特徴とするコンバータレンズ。
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