JP2009294050A - 転がり摩擦係数測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成が複雑ではなく簡易的に、転がりにおける摩擦係数を精度よく求めることを可能とする。
【解決手段】回転する第1評価対象物116に対して第2評価対象物122を接触させて転動させた際の摩擦係数を計測する転がり摩擦係数測定装置100において、前記第1評価対象物116は、板状に形成されて第1回転軸Oを有し、前記第2評価対象物122は、該第1評価対象物116と接触する面形状が少なくとも円錐の側面形状の一部に形成されて、その中心に該第1評価対象物116の回転に従い回転するための第2回転軸Qを有し、前記第1回転軸Oと該第2回転軸Qと該円錐の母線mが全て1点Cで交差するように、前記第2評価対象物122を回転可能に支持する支持部材124を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、摩擦係数のうちの転がり摩擦係数を測定するための転がり摩擦係数測定装置に関する。
動力伝達機構を有する機械装置において、動力伝達のための金属接触部では滑りあるいは転がりの現象が起こっている。滑りあるいは転がりの現象により、動力伝達の効率は大きく変わるため、滑りあるいは転がり摩擦係数の測定は重要である。このため、従来、滑り及び転がり摩擦係数の測定が数多くなされている。
そのうちの転がり摩擦係数は、以下に示すように測定される。2つの評価対象物において、回転する一方(第1評価対象物と称する)に対して、もう一方(第2評価対象物と称する)を接触させて転動させる。その際、第2評価対象物から第1評価対象物にかかる荷重と、第1評価対象物の回転接線方向への力とを測定する。得られた荷重で接線方向への力を除することで、転がり摩擦係数を求めることができる。ここで、第1評価対象物と第2評価対象物との間に潤滑剤を介在させた場合には、当該潤滑剤を含めた転がり摩擦係数を求めることができる。又、第1評価対象物にかかる荷重と第1評価対象物の回転する速さを調整することで、所望の荷重と速度における転がり摩擦係数を求めることができる。
転がり摩擦係数を測定するための装置は、滑り摩擦係数の測定装置に比べてわずかな数ではあるが、2球式、4球式、2円筒式等の装置が考案されている。例えば、特許文献1においては、円筒形状の第1、第2評価対象物をその外周面において互いに接触させて回転した際の加重と回転接線方向への力を測定することで転がり摩擦係数を測定する、2円筒式と4円筒式の転がり摩擦係数測定装置が提案されている。又、特許文献2においては、複数の球形状の第2評価対象物を固定せずに、第1評価対象物の表面に載せて、冶具の中で揺動運動させて、滑りを伴う転がり摩擦力を求めることが提案されている。
特公平5−77018号公報 特開2003−247915号公報
しかしながら、特許文献1においては、円筒形状の第1、第2評価対象物の外周面において互いに接触させて回転させる関係上、その構成が大型化して大掛かりとなる。又、摩擦係数を測定する上で、潤滑剤を含めて評価する場合が多く、円筒形状の第1、第2評価対象物では回転の遠心力により、第1、第2評価対象物の外周面に潤滑剤を保持することが困難である。仮に潤滑剤を含めて摩擦係数を評価する場合には、潤滑剤の条件を一定にすべく、第1、第2評価対象物の外周面に絶えず一定量の潤滑剤を塗布するという構成を取る。このため、更にその構成が大掛かりとなると共に、潤滑剤を大量に使用することとなる。
又、特許文献2においては、第2評価対象物が磨耗した場合、磨耗箇所が偏り、形状を球形に保つことは極めて困難となる。つまり、第2評価対象物の磨耗により、転がり摩擦を測定したつもりでも、転がり摩擦と滑り摩擦とが一緒になって測定されることとなる。このため、転がり摩擦係数を精度良く測定することは困難であると考えられる。
そこで、本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、構成が複雑ではなく簡易的に、転がりにおける摩擦係数を精度よく測定することを可能とする転がり摩擦係数測定装置を提供することを課題とする。
本発明は、回転する第1評価対象物に対して第2評価対象物を接触させて転動させた際の摩擦係数を計測する転がり摩擦係数測定装置において、前記第1評価対象物は、板状に形成されて第1回転軸を有し、前記第2評価対象物は、該第1評価対象物と接触する面形状が少なくとも円錐の側面形状の一部に形成されて、その中心に該第1評価対象物の回転に従い回転するための第2回転軸を有し、前記第1回転軸と該第2回転軸と該円錐の母線が全て1点で交差するように、前記第2評価対象物を回転可能に支持する支持部材を備えることにより前記課題を解決したものである。
本発明は、回転する板状の第1評価対象物に、第1評価対象物と接触する面形状が少なくとも円錐の側面形状の一部に形成された第2評価対象物を、回転可能に保持した構成である。このため、構成が大掛かりでも複雑でもなく、小型で簡易的に構成することができる。
又、支持部材は、第1回転軸と第2回転軸と円錐の母線が全て1点で交差するように、第2評価対象物を回転可能に支持する。このため、第1評価対象物が回転しても、第1評価対象物と第2評価対象物との接触部分に滑りが生じない。ゆえに、滑り摩擦の影響を除去して、転がり摩擦係数を測定することができる。そして、滑り摩擦と転がり摩擦を完全に分離できるので、滑り摩擦に対する転がり摩擦の挙動の差異を明確にすることができる。
又、転がり摩擦により、第1評価対象物及び第2評価対象物が磨耗しても、滑り摩擦がもともと生じていないので磨耗は均一となる。つまり、第1評価対象物及び第2評価対象物の磨耗は僅かとなる。このため、長時間の測定、高速回転での測定、重荷重での測定など、負荷が大きい場合においても、滑り摩擦の影響を除去して転がり摩擦係数を安定して測定することができる。
更に、第1評価対象物は板状であり、回転した際には潤滑剤が第1評価対象物の回転中心から外周に移動する。しかし、その移動方向が第1評価対象物の半径方向と一致するので、潤滑剤が保持されやすい。このため、潤滑剤を保持させる構成を設けることも容易に行うことができる。潤滑剤が飛散した際にも、少なくとも第1評価対象物が板状であることから、潤滑剤の飛散範囲は狭く、その防止と回収が、簡易的な構成で容易に実現することができる。
本発明によれば、構成が複雑ではなく簡易的に、転がりにおける摩擦係数を精度よく測定することが可能である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明に係る実施形態について、図1から図5を用いて説明する。図1は本実施形態に係る転がり摩擦係数測定装置の一例を概略的に示す斜視図、図2は図1の転がり摩擦係数測定装置の断面図、図3は転がり摩擦係数測定装置の第2評価対象物を概略的に拡大した側面図と断面図、図4は転がり摩擦係数測定装置を用いた転がり摩擦係数の測定結果の一例を示す図、図5は比較のために行った滑り摩擦係数の測定結果の一例を示す図、図6は図5の滑り摩擦係数を測定する際に用いたボール・オン・ディスク型滑り摩擦係数測定装置の模式図、である。
最初に、本実施形態の全体構成を概略的に説明する。
転がり摩擦係数測定装置100は、主に図1、図2に示す如く、回転する第1評価対象物116に対して第2評価対象物122を接触させて転動させた際の摩擦係数を計測する。第1評価対象物116は、板状(平面形状の円板)に形成されて第1回転軸(回転軸O)を有する。第2評価対象物122は、第1評価対象物116と接触する面形状が少なくとも円錐の側面形状の一部(円錐台)に形成されて、その中心に第1評価対象物116の回転に従い第2評価対象物122が回転するための第2回転軸Qを有する。そして、転がり摩擦係数測定装置100は、第1回転軸(回転軸O)と第2回転軸Qと円錐の母線m(後述)が全て1点Cで交差するように、第2評価対象物122を回転可能に支持する支持部材124を備えている。
以下、各構成要素について詳細に説明する。
回転台108は、図1、図2に示す如く、回転支柱110と試料ステージ112とガイド114と第1評価対象物ホルダ118とを備える。回転支柱110と試料ステージ112とガイド114とは、一体に形成されている。回転支柱110は、試料ステージ112を下から支持し、回転台108全体を第1回転軸(回転軸O)を中心に回転させる。試料ステージ112は、回転支柱110の上端に設けられた円板部分であり、第1回転軸(回転軸O)を中心に第1評価対象物116が置載される。試料ステージ112の最外周には、ガイド114が設けられている。ガイド114は円筒形状である。潤滑剤が用いられた際に、第1評価対象物116と第2評価対象物122の回転による潤滑剤の飛散を、ガイド114は防止して、潤滑剤を回収することができる。
第1評価対象物116は、図2に示す如く、外径r3である平面形状の円板(板状)である。試料ステージ112上面において、第1評価対象物116の中心が第1回転軸(回転軸O)に合わせられて配置される。即ち、第1回転軸(回転軸O)が第1評価対象物116の回転軸(以降、第1回転軸Oと称する)となる。第1評価対象物116は、第1評価対象物ホルダ118によって保持される。
第1評価対象物ホルダ118は、図1、図2に示す如く、第1評価対象物116を収容することができる円環形状を有する。又、第1評価対象物ホルダ118には、段差Dで半径R1の開口部118Aが形成されている。第1評価対象物ホルダ118は、ボルト120によって、試料ステージ112に対して固定される。図2に示す如く、第1評価対象物116の外径r3は第1評価対象物ホルダ118の開口部118Aの半径R1よりも大きい。このため、第1評価対象物ホルダ118は、第1評価対象物116の縁を押えて、試料ホルダ112に固定することができる。そして、第1評価対象物ホルダ118に形成された段差Dにより、潤滑剤が塗布されて第1評価対象物116が回転した際においても、潤滑剤を第1評価対象物ホルダ118の開口部118Aの内側に保持した状態とすることができる。すなわち、潤滑剤の浪費を防止して、潤滑剤を考慮した転がり摩擦係数の安定した測定を行うことができる。
第2評価対象物122は、図3(A)、図3(B)に示す如く、第1評価対象物116と接触する面形状が円錐台(円錐の側面形状の一部)の側面形状に形成されている。つまり、第2評価対象物122は、図2に示す如く、第1評価対象物116上での接触位置Aで半径r1、接触位置Bで半径r2である円錐台を含む形状に形成されている。そして、第2評価対象物122は、図3(B)に示す如く、その中心軸Qを回転軸(第2回転軸Qと称する)として有し、第2回転軸Qに沿って貫通孔122Aを備える。なお、第2回転軸Qは、傾斜角θである円錐台の母線mと点Cで交差する。今、半径r1で規定される底面(上底と呼ぶ)と半径r2で規定される底面(下底と呼ぶ)との母線mに沿っての長さsを規定する。すると、第2評価対象物122は、次の式を満たすこととなる。
r2=r1+s×sinθ …(1)
支持部材124は、図1、図2に示す如く、保持部材126と押え板128と軸ピン130と軸受132と保持支柱140とを有する。保持部材126は、第2評価対象物122を遊嵌するためにコの字形状に形成されている。そして、保持部材126には、第2回転軸Qに沿って孔126A、126Bが設けられている。そのコの字形状の空隙部分126Cに第2評価対象物122が遊嵌されて、第2回転軸Q上(図2の右側)から軸ピン130が挿入される。軸ピン130の外周には2つの軸受132が設けられて、第2評価対象物122に形成された貫通孔122Aと接する。このため、第2評価対象物122が回転自在に固定されて、第2評価対象物122は、極めて低い回転抵抗で回転することができる。軸ピン130は、押え板128によって保持部材126の外側から押えられる。そして、軸ピン130と押え板128とは、ボルト134、136によって保持部材126に固定される。保持部材126は、保持支柱140の下端に取り付けられる。
保持支柱140は、図2に示す如く、第1回転軸Oと平行な保持軸Pに沿って、点Cが第1回転軸O上に来るように固定される。即ち、第1回転軸(回転軸O)と第2回転軸Qと円錐の母線mが全て1点Cで交差することとなる。このため、次式が成立する。
L2−L1=s …(2)
r1=L1×sinθ …(3)
ここで、L1は第1回転軸Oから接触位置Aまでの距離、L2は第1回転軸Oから接触位置Bまでの距離、である。
即ち、第2評価対象物122は、式(3)を満たす形状となる。このため、母線mに沿っての長さsは任意にとることができる。
具体的な例を示せば、例えば、距離L1が14.6mmで、半径r1が5mmとすると、式(3)より、第2評価対象物122における傾斜角θは20°となる。このとき、第1評価対象物116が1回転すると、第2評価対象物122の半径r1の部分は、2.92回転する。同時に、第2評価対象物122の半径r2の部分も、同じく2.92回転する。
このようにして定められた第2評価対象物122は、滑りがなく均一に第1評価対象物116と接触し回転するので、その磨耗量は少ない。又、母線mに沿っての長さsは自在にとることができるので、長さsを大きくすれば摩耗量を低減でき、大きな負荷となる場合においても安定した摩擦係数を求めることができる。
負荷調節器142は、図1に示す如く、保持支柱140の上端に固定されている。そして、負荷調節器142は、第2評価対象物122を介して、第1評価対象物116に垂直に荷重Wをかけると共に、その負荷Wを測定することができる。又、負荷調節器142は、第2評価対象物122を介して、第1評価対象物116の回転接線方向Tへの力Fを検出することができる。なお、負荷調節器142は、保持支柱140の根元に取り付けられているが、保持部材126と保持支柱140との間に設けられていても構わない。負荷調節器142は、第2評価対象物122を3軸方向に調整可能なステージ等に取り付けられている。
次に、本実施形態に係る転がり摩擦係数測定装置の動作を説明する。
図1、図2に示す如く、潤滑剤が塗布された第1評価対象物116上に、支持部材124によって保持された第2評価対象物122を押し付けて、所望の荷重Wを加える。次に、第1評価対象物116を必要な回転速度で第1回転軸Oを中心に回転させる。このとき、第2評価対象物122は、2つの軸受132によって軸ピン130に対して回転可能とされているので、極めて低い回転抵抗で回転する。第2評価対象物122は、第1評価対象物116上での接触位置Aで半径r1、接触位置Bで半径r2である円錐台を含む形状に形成されている。そして、支持部材124が第1回転軸Oと第2回転軸Qと円錐の母線mが全て1点Cで交差するように、第2評価対象物122を回転可能に支持している。このため、第2評価対象物122は、滑りを伴うことなく、第1評価対象物116の回転に従い、第2回転軸Qを中心にして転がる。
そして、負荷調節器142によって第1評価対象物116が回転している回転接線方向Tへの力Fを求める。そして、荷重Wで力Fを割ることによって、滑り摩擦の影響なく、正確に精度よく転がり摩擦係数を求めることができる。
このように、転がり摩擦係数測定装置100は、回転する円板形状の第1評価対象物116に、第1評価対象物116と接触する面形状が円錐台の側面形状(円錐の側面形状の一部)に形成された第2評価対象物122を、回転可能に保持した構成である。このため、構成が大掛かりでも複雑でもなく、小型で簡易的に構成することができる。
又、支持部材124は、第1回転軸Oと第2回転軸Qと円錐の母線mが全て1点Cで交差するように、第2評価対象物122を回転可能に支持する。このため、第1評価対象物116が回転しても、第1評価対象物116と第2評価対象物122との接触部分に滑りが生じない。ゆえに、滑り摩擦の影響を除去して、転がり摩擦係数を測定することができる。そして、滑り摩擦と転がり摩擦を完全に分離できるので、滑り摩擦に対する転がり摩擦の挙動の差異を明確にすることができる。以下に、具体的な測定例を示す。
図4に、本実施形態の転がり摩擦係数測定装置100を用いて得られた具体的な結果を示す。第1評価対象物116には冷間金型用合金工具鋼SKD11を使用し、第2評価対象物122には高炭素クロム軸受鋼鋼材SUJ2を使用して、距離2000mまで、潤滑剤(潤滑剤I、II)のみを変えて転がり摩擦係数を測定した。なお、速度は1秒当たり25cmであり、その荷重Wは10Nである。潤滑剤Iは、測定開始より2000mまでほぼ同じ転がり摩擦係数(0.010)を示している。しかし、潤滑剤IIでは転がり摩擦係数が徐々に下がり、2000mでは0.003まで低下していることを明らかにすることができた。
図5には、参考として、滑り摩擦の測定結果を示す。第1評価対象物116は同一、第2評価対象物122の形状は異なるが同一の材質であり、2つの潤滑剤はそれぞれ同一のものを使用している。測定装置としては、図6に示したボール・オン・ディスク型滑り摩擦係数測定装置2を用いる。ボール・オン・ディスク型滑り摩擦係数測定装置2は、回転する平面円板の第1評価対象物16上で、第2評価対象物22であるボールを滑らせて、第2評価対象物22を介して第1評価対象物16の回転接線方向への力と第1評価対象物16にかかる荷重とを求めて、滑り摩擦係数を求める。
測定結果として、2000m摺動後、潤滑剤Iは摩擦係数0.054であるのに対して、潤滑剤IIでは摩擦係数0.094となっており、潤滑剤IIの方が滑り摩擦係数は大きくなっていることがわかる。
このようにして、転がり摩擦係数と滑り摩擦係数とでは、同じ潤滑剤であってもその振る舞いが全く異なることを明らかにすることができる。
又、転がり摩擦により、第1評価対象物116及び第2評価対象物122が磨耗しても、滑り摩擦がもともと生じていないので磨耗は均一となる。つまり、第1評価対象物116及び第2評価対象物122の磨耗は僅かとなる。このため、長時間の測定、高速回転での測定、重荷重での測定など、負荷が大きい場合においても、滑り摩擦の影響を除去して、転がり摩擦係数を安定して測定することができる。なお、第2評価対象物122が磨耗した場合には、式(3)に従い、磨耗量に応じて接触位置Aをずらすようにしてもよい。その場合には、たとえ第2評価対象物122及び第1評価対象物116の磨耗が存在しても、精度良く転がり摩擦係数を継続して求めることができる。
更に、第1評価対象物116は円板形状であり、回転した際には潤滑剤が第1評価対象物116の中心から外周に移動する。しかし、その移動方向が第1評価対象物116の半径方向Xと一致するので、潤滑剤が保持されやすい。このため、潤滑剤を保持させる構成(第1評価対象物ホルダ118の段差Dなど)を設けることも容易に行うことができ、それによって潤滑剤を長期間保持することができる。潤滑剤が飛散した際にも、少なくとも第1評価対象物116が円板形状であることから、潤滑剤の飛散範囲は狭く、その防止と回収がガイド114を設けるといった簡易的な構成で容易に実現することができる。
即ち、本発明によれば、構成が複雑でなく簡易的に、転がりにおける摩擦係数を精度良く測定することが可能となる。
本発明について本実施形態を挙げて説明したが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。即ち本発明の要旨を逸脱しない範囲においての改良並びに設計の変更が可能なことは言うまでもない。
例えば、本実施形態においては第1評価対象物116が平面形状の円板であったが(図7(A))、本発明はこれに限定されない。本発明は、第2評価対象物が、第1評価対象物と接触する面形状として少なくとも円錐の側面形状の一部に形成されて、その中心に第1評価対象物の回転に従い回転するための第2回転軸を有し、第1回転軸と第2回転軸と円錐の母線が全て1点で交差するように、第2評価対象物を回転可能に支持する支持部材を備える限りにおいて、第1評価対象物が、図7(B)に示すような凸形状や、図7(C)に示すような凹形状の板状に形成されていてもよい。なお、図7(A)に示す本実施形態の第1評価対象物116は、加工が容易であり、低コスト化や、回転速度や荷重の測定が容易で、図6に示したボール・オン・ディスク型滑り摩擦係数測定装置2との互換性も高いという利点を有する。図7(B)に示す第1評価対象物116Aは、潤滑剤の保持がし易いこと、図7(C)に示す第1評価対象物116Bは、転がり摩擦係数の測定において第1評価対象物上のごみや磨耗粉などの粒子の影響を低減できるといった優れた効果を、それぞれ有する。
本発明の本実施形態に係る転がり摩擦係数測定装置の一例を概略的に示す斜視図 同じく図1の転がり摩擦係数測定装置の断面図 同じく転がり摩擦係数測定装置の第2評価対象物を概略的に拡大した側面図と断面図 同じく転がり摩擦係数測定装置を用いた転がり摩擦係数の測定結果の一例を示す図 比較のために行った滑り摩擦係数の測定結果の一例を示す図 滑り摩擦係数を測定するボール・オン・ディスク型滑り摩擦係数測定装置の模式図 本発明に係る第1評価対象物の形状を模式的に示す側面図
符号の説明
100…転がり摩擦係数測定装置
108…回転台
110…回転支柱
112…試料ステージ
114…ガイド
16、116、116A、116B…第1評価対象物
118…第1評価対象物ホルダ
120、134、136、138…ボルト
22、122…第2評価対象物
124…支持部材
126…保持部材
128…押え板
130…軸ピン
132…軸受
140…保持支柱
142…負荷調節器
O…第1回転軸(回転軸)
P…保持軸
Q…第2回転軸
T…回転接線方向
X…第1評価対象物の半径方向

Claims (2)

  1. 回転する第1評価対象物に対して第2評価対象物を接触させて転動させた際の摩擦係数を計測する転がり摩擦係数測定装置において、
    前記第1評価対象物は、板状に形成されて第1回転軸を有し、
    前記第2評価対象物は、該第1評価対象物と接触する面形状が少なくとも円錐の側面形状の一部に形成されて、その中心に該第1評価対象物の回転に従い回転するための第2回転軸を有し、
    前記第1回転軸と該第2回転軸と該円錐の母線が全て1点で交差するように、前記第2評価対象物を回転可能に支持する支持部材を備える
    ことを特徴とする転がり摩擦係数測定装置。
  2. 請求項1において、
    前記第2評価対象物と接触する前記第1評価対象物が平面形状である
    ことを特徴とする転がり摩擦係数測定装置。
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