JP2009293395A - ポンプ用タペット - Google Patents

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克史 阿部
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Abstract

【課題】長寿命化を図ることができるポンプ用タペットを提供する。
【解決手段】ポンプ用タペット21は、シャフト22と、シャフト22の外径側に配置され、シャフト22上に回転可能に支持されたころ軸受31と、シャフト22およびころ軸受31を収容するケース23とを含む。ケース23の外径面23hには、微小の凹形状のくぼみが複数設けられており、くぼみが設けられた表面の表面粗さパラメータRyniは、0.8〜2.3μmである。
【選択図】図1

Description

この発明は、ポンプ用タペットに関するものであり、特に、ころ軸受を含むポンプ用タペットに関するものである。
自動車等のエンジンには、高圧で燃料を噴射する高圧ポンプが備えられているものがある。高圧ポンプは、カムが設けられたカムシャフトの回転運動をポンプ用プランジャーの往復直線運動に変換し、ポンプ用プランジャーの往復直線運動によりガスを送り込んで高圧室内で高圧化し、燃料室内に噴射して燃料を供給している。高圧ポンプの構成部材として、カムシャフトの回転運動を往復直線運動としてポンプ用プランジャーに伝達するポンプ用タペットがある。ポンプ用タペットには、カムとの接触部の形状等により、ころを含むころ入りタペットやきのこ形タペット等、複数の種類がある。
ここで、ころ軸受を含むポンプ用タペットに関する技術が、DE 10 2005 047 234 A1(特許文献1)に開示されている。図12は、特許文献1に示すポンプ用タペットの断面図である。図12を参照して、特許文献1に示すローラプッシュロッド101としてのタペットは、プッシュロッドハウジング102と、これに固定されニードルで支承されたプッシュロッドローラ103(ころ軸受)とを有している。ローラプッシュロッド101が、時計回りに回転するカム軸104の3段カム105により駆動される。これと共にローラプッシュロッド101はプッシュロッドガイド孔106の中で図12中の矢印XIIで示す軸方向に案内され、燃料高圧ポンプ(図示せず)のポンププランジャー107を駆動している。
プッシュロッドローラ103は、3段カム105と当接する外輪108と、外輪108の内径側に配置されるシャフト109と、外輪108およびシャフト109の間に配置される複数のニードルころ110とを含む。プッシュロッドローラ103は、総ころ形式、すなわち、外輪108およびシャフト109の間に複数のニードルころ110のみが配置された形式である。
DE 10 2005 047 234 A1
昨今の高圧ポンプには、短時間で燃料を高圧化することが要求される。このような短時間での高圧化の要求に応じるため、ポンプ用タペットの構成部材であるころ軸受には、高速化、すなわち、高回転に耐えうることが要求される。ここで、ポンプ用タペットの稼働時において、ケースの外径面はハウジングに設けられた開口孔の内径面と接触するが、高速回転時では、この接触部分において油膜切れを引き起こす虞がある。そうすると、潤滑不良によりケースの外径面に異常摩耗が生じ、ポンプ用タペットの寿命が短くなってしまう虞がある。
この発明の目的は、長寿命化を図ることができるポンプ用タペットを提供することである。
この発明に係るポンプ用タペットは、カムが設けられたカムシャフトの回転運動を往復直線運動としてポンプ用プランジャーに伝達し、ポンプ用プランジャーと共に往復直線運動を行なう。ポンプ用タペットは、シャフトと、シャフトの外径側に配置され、シャフト上に回転可能に支持されたころ軸受と、シャフトおよびころ軸受を収容するケースとを含む。ころ軸受は、カムと当接する外輪と、外輪とシャフトとの間に配置される複数のころとを備える。ケースの外径面には、微小の凹形状のくぼみが複数設けられており、くぼみが設けられた表面の表面粗さパラメータRyni(基準長毎最大高さの平均値)は、0.8〜2.3μmである。
ポンプ用タペットの稼働時においては、ケースの外径面は、ハウジングに設けられた開口孔の内径面と接触するが、このように構成することにより、高速回転時でも、ケースと開口孔との接触部分に適切に油膜を形成することができる。そうすると、接触部分における油膜切れを防止することができる。したがって、ケースの外径面および開口孔の内径面の異常摩耗を防止し、ポンプ用タペットの長寿命化を図ることができる。
ここで、表面粗さパラメータRyniとは、基準長毎最大高さの平均値、すなわち、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷底線との間隔を粗さ曲線の縦倍率の方向に測定した値である(ISO4287:1997)。
好ましくは、ケースの外径面には、クラウニングが設けられている。タペットは、開口孔内において往復直線運動を行なうが、往復直線運動中にタペットのケースが多少傾く場合がある。ここで、往復直線運動中にケースが多少傾いた場合でも、ケースの外径面に設けられたクラウニングにより、ケースの端部と開口孔の内径面との引っ掛かりによる接触応力を低減することができる。また、クラウニングによりケースの外径面の中央部がケースの外径面の端部よりも外径側に膨出した形状となるため、ケースの端部側において、ケースの外径面と開口孔の内径面との間に若干のすき間ができ、このすき間から潤滑油が流入しやすくなる。そうすると、ケースの外径面と開口孔の内径面との間に潤滑油を供給しやすくなり、ケースの外径面と開口孔の内径面との接触を滑らかにすることができる。したがって、ケースの外径面と開口孔の内径面との異常摩耗を防止して、ポンプ用タペットの長寿命化を図ることができる。
この発明の他の局面においては、ポンプ用タペットは、カムが設けられたカムシャフトの回転運動を往復直線運動としてポンプ用プランジャーに伝達し、ポンプ用プランジャーと共に往復直線運動を行なう。ポンプ用タペットは、シャフトと、シャフトの外径側に配置され、シャフト上に回転可能に支持されたころ軸受と、シャフトおよびころ軸受を収容するケースとを含む。ころ軸受は、カムと当接する外輪と、外輪とシャフトとの間に配置される複数のころとを備える。ここで、ケースの外径面には、クラウニングが設けられている。
タペットは、開口孔内において往復直線運動を行なうが、往復直線運動中にタペットのケースが多少傾く場合がある。しかし、ケースが多少傾いた場合でも、ケースの外径面に設けられたクラウニングにより、ケースの端部と開口孔の内径面との引っ掛かりによる接触応力を低減することができる。また、クラウニングによりケースの外径面の中央部がケースの外径面の端部よりも外径側に膨らんだ構造となるため、ケースの端部側にケースの外径面と開口孔の内径面との間に若干のすき間ができ、このすき間から潤滑油が流入しやすくなる。そうすると、ケースの外径面と開口孔の内径面との間に潤滑油を供給しやすくなり、ケースの外径面と開口孔の内径面との接触を滑らかにすることができる。したがって、ケースの外径面と開口孔の内径面との異常摩耗を防止して、ポンプ用タペットの長寿命化を図ることができる。
好ましくは、ころ軸受は、ころを保持する保持器を備える。特許文献1に記載された総ころ形式の軸受では、高速回転時において、軸受内におけるころの位置が安定せず、ころのスキューが発生してしまう。このころのスキューにより、ころがころ軸受を横方向、すなわち、図12の紙面表裏方向となるシャフト109の軸方向に押す形となる。このようなころ軸受の横走りにより、ころ軸受とハウジングとの間でころ軸受の端部が潤滑不良になったり、ころ軸受が摩耗してしまう虞がある。
しかし、こうすることにより、ポンプ用タペットの構成部材であるころ軸受において、高速回転時におけるころ軸受内でのころの位置を保持器によって安定させることができる。そうすると、ころのスキューを抑制して、ころ軸受の横走りを防止することができる。したがって、高速回転時におけるころ軸受の潤滑不良、およびころ軸受の摩耗の虞を低減することができる。その結果、ポンプ用タペットの長寿命化を図ることができる。
この発明に係るポンプ用タペットによると、高速回転時でも、ケースと開口孔との接触部分に適切に油膜を形成することができる。そうすると、接触部分における油膜切れを防止することができる。したがって、ケースの外径面および開口孔の内径面の異常摩耗を防止し、ポンプ用タペットの長寿命化を図ることができる。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態に係るポンプ用タペット(以下、単に「タペット」という)を含む高圧ポンプの一部を示す断面図である。図2および図3は、図1に示す高圧ポンプに含まれるタペットの断面図である。図4は、図2および図3に示すタペットの概略斜視図である。図5は、図4に示すタペットを、図4中の矢印Vの方向から見た図である。図6は、図4に示すタペットを、図4中の矢印VIの方向から見た図である。図7は、図4に示すタペットを、図4中の矢印VIIの方向から見た図である。図8は、図4に示すタペットを図4中の矢印VIIIの方向から見た図である。なお、図2は、図5中に示すII−II断面に相当し、図3は、図6中に示すIII−III断面に相当する。なお、以下に示す図において、理解の容易の観点から、ころの断面のハッチングの図示を省略している。
図1〜図8を参照して、まず、この発明の一実施形態に係るタペットを含む高圧ポンプの構成について説明する。この発明の一実施形態に係るタペットを含む高圧ポンプ11は、カム12aがその外径側に設けられており、図1中の矢印Aの方向に回転運動を行なうカムシャフト12と、カム12aと当接し、カムシャフト12の回転運動を往復直線運動としてポンプ用プランジャー13(以下、単に「プランジャー」という)に伝達すると共に往復直線運動を行なうタペット21と、タペット21に当接して往復直線運動を行なう棒状部材としてのプランジャー13と、プランジャー13の往復直線運動に応じてガスを送り込み高圧化させる高圧室(図示せず)と、タペット21と当接し、プランジャー13を内方側に配置するようにして設けられたバネ14と、タペット21、プランジャー13およびバネ14を収容するハウジング15とを含む。
タペット21、プランジャー13およびバネ14は、ハウジング15に設けられた開口孔16内に収容されるようにして配置される。タペット21は、開口孔16の内径面16aで、図1中の上下方向、すなわち、図1中の矢印Iの方向またはその逆の方向に案内される。
カムシャフト12とタペット21とは、カム12aの外径面12bと、タペット21に含まれるころ軸受31に備えられる外輪32の外径面32aとが当接するように配置される。プランジャー13の一方端部13aは、タペット21に含まれるケース23に設けられた中間底23cと当接するように配置される。バネ14は、その一方端部14aが中間底23cの下方側に設けられたバネ座17と当接するように配置される。
バネ14は下方向、すなわち、図1中の矢印Iで示す方向と逆の方向に弾性力を有する。タペット21は、バネ14の弾性力によりプランジャー13を介して、上方向、すなわち、図1中の矢印Iで示す方向に付勢されている。
カムシャフト12の回転運動、バネ14の付勢、および開口孔16の内径面16aの案内等により、タペット21およびプランジャー13は、上下方向、すなわち、図1中の矢印Iの方向またはその逆の方向に往復直線運動を行なう。ここでいう往復直線運動は、図1中の矢印Iの方向またはその逆の方向への運動である。タペット21は、多少傾きながらも、図1中の矢印Iの方向またはその逆の方向への往復直線運動を行なう。カムシャフト12が高速で回転すると、このタペット21およびプランジャー13の往復直線運動の速度も速くなる。
高圧室は、プランジャー13の図示しない他方端部側に配置される。プランジャー13の往復直線運動により、高圧室内に供給された燃料の高圧化を図ることができる。
次に、この発明の一実施形態に係るタペット21の構成について説明する。タペット21は、シャフト22と、シャフト22の外径側に配置され、シャフト22上に回転可能に支持されたころ軸受31と、シャフト22およびころ軸受31を収容するケース23とを含む。
ケース23は、円筒状の周壁23aと、上下方向の空間を仕切るように周壁23aの内径面23bの途中位置に設けられた中間底23cとを含む。ケース23のうち、中間底23cの部分が、プランジャー13と当接する。周壁23aおよび中間底23cは、所定の肉厚を有する。
周壁23aの一方端側には、シャフト22を支持する一対の支持孔23d、23eが設けられている。この一対の支持孔23d、23eにシャフト22を挿入するようにして、シャフト22を配置する。シャフト22の外径側には、ころ軸受31が配置される。このようにして、ケース23は、中間底23cから周壁23aの一方端側に向かう空間23fで、シャフト22およびころ軸受31を収容する。
中間底23cから周壁23aの他方端側に向かう空間23gには、プランジャー13の一部が収容される。具体的には、プランジャー13の一方端部13aが中間底23cの径方向の中央部分に当接するようにして配置され、プランジャー13の一方端部13aが収容される。なお、バネ14の一方端部14aについても、空間23g内に収容される。
中間底23cには、その厚み方向に貫通する4つの油孔25が設けられている(図7および図8参照)。4つの油孔25は、プランジャー13の一方端部13aと中間底23cとの当接部分を避けるようにして設けられている。この油孔25を利用して、空間23fおよび空間23g間において、タペット21に供給される潤滑油を通油させることができる。
ケース23には、周壁23aの外径面23hから内径面23bまで貫通する貫通孔23iが設けられている。この貫通孔23iには、位置決めピン24が嵌合されている。位置決めピン24は、円筒状の部材である。位置決めピン24は、貫通孔23iへの嵌合時に、その一部が外径面23hから突出するように構成されている。ハウジング15の開口孔16の内径面16aには、内径面16aから凹むように図1中の矢印Iの方向に延びる凹溝16bが設けられている。タペット21の開口孔16への収容時には、位置決めピン24の突出した部分を、この凹溝16bに嵌合させる。これにより、開口孔16内におけるケース23、引いてはタペット21の周方向の位置決めを行なう。これにより、開口孔16内におけるタペット21の周方向への回転を防止することができる。
ここで、ケース23の外径面23hには、微小の凹形状のくぼみが複数設けられており、くぼみが設けられた表面の表面粗さパラメータRyniは、0.8〜2.3μmである。
カムシャフト12の回転運動時、すなわち、タペット21の稼働時において、ケース23の外径面23hは、ハウジング15に設けられた開口孔16の内径面16aと接触するが、上記したように構成することにより、すなわち、ケース23の外径面23hに微小の凹形状のくぼみが複数設け、くぼみが設けられた表面の表面粗さパラメータRyniを、0.8〜2.3μmとすることにより、高速回転時でも、ケース23と開口孔16との接触部分に適切に油膜を形成することができる。そうすると、接触部分における油膜切れを防止することができる。したがって、ケース23の外径面23hおよび開口孔16の内径面16aの異常摩耗を防止し、タペット21の長寿命化を図ることができる。
また、くぼみが設けられた表面の表面粗さパラメータSk(粗さ曲線の歪み度)を、−1.6以下としてもよい。表面粗さパラメータSk値をこのような範囲に規定することにより、いわゆる潤滑油を溜める凹状部分を有効な範囲に規定することができ、形成される油膜の厚みを確保し、適切に油膜を形成することができる。ここで、表面粗さパラメータSk値とは、粗さ曲線の歪み度(スキューネス)を指し(ISO4287:1997)、凹凸分布の非対称性を知る目安の統計量であり、ガウス分布のような対称な分布ではSk値は0に近くなり、凹凸の凸部を削除した場合は負、逆の場合は正の値をとることになる。
また、くぼみが設けられた表面の表面粗さパラメータRymax(基準長毎最大高さの最大値)を、0.4〜1.0μmの範囲内としてもよい。表面粗さパラメータRymaxとは、基準長毎最大高さの最大値である(ISO4287:1997)。表面粗さパラメータRymaxをこのような範囲に規定することによっても、適切に油膜を形成することができる。
また、くぼみが設けられた表面の表面粗さパラメータRqni(自乗平均平方根粗さ)を、0.13〜0.5μmの範囲内としてもよい。表面粗さパラメータRqniとは、粗さ中心線から粗さ曲線までの高さの偏差の自乗を測定長さの区間で積分し、その区間で平均した値の平方根である(ISO4287:1997)。
また、くぼみが設けられた表面のくぼみの面積率は、5〜20%の範囲内としてもよい。くぼみの面積率は、外径面に微小凹形状のくぼみを設けた場合、外径面全体の面積に示すくぼみの面積の割合を意味する。全体に対するくぼみの面積率をこのように規定することによっても、潤滑性が良好となる面積の範囲を規定することができ、長寿命化を図ることができる。
また、ケース23の外径面23hには、クラウニングが設けてもよい。タペット21は、開口孔16内において往復直線運動を行なうが、往復直線運動中にタペット21のケース23が多少傾く場合がある。ここで、往復直線運動中にケース23が多少傾いた場合でも、ケース23の外径面23hに設けられたクラウニングにより、ケース23の外径面23hの端部23jと開口孔16の内径面16aとの引っ掛かりによる接触応力を低減することができる。また、クラウニングによりケース23の外径面23hの中央部23kがケース23の外径面23hの端部23jよりも外径側に膨出した形状となるため、ケース23の外径面23hの端部23j側において、ケース23の外径面23hと開口孔16の内径面16aとの間に若干のすき間ができ、このすき間から潤滑油が流入しやすくなる。そうすると、ケース23の外径面23hと開口孔16の内径面16aとの間に潤滑油を供給しやすくなり、ケース23の外径面23hと開口孔16の内径面16aとの接触を滑らかにすることができる。したがって、ケース23の外径面23hと開口孔16の内径面16aとの異常摩耗を防止して、タペット21の長寿命化を図ることができる。
ここで、クラウニングとは、ケース23の外径面23hの端部23j側よりもケース23の外径面23hの中央部23k側の方が外径側に膨出している形状をいう。クラウニングは、フルクラウニングであってもよいし、部分クラウニングやカットクラウニングであってもよい。なお、外径面23hに設けられたクラウニングは、微小であるため、図示を省略している。
次に、タペット21に含まれるころ軸受31の構成について説明する。図9は、図2中の二点鎖線のIXで示す部分の拡大図である。図9中の一点鎖線で、ころピッチ円31aを示している。図10は、図9に示す矢印Xの方向からころ軸受31の一部を見た図である。図11は、ころ軸受31の一部を示す断面図であり、図9中のXI−XI断面である。図1〜図11を参照して、ころ軸受31は、外輪32と、外輪32とシャフト22との間に配置される複数のころ33と、複数のころ33を保持する保持器34とを備える。
保持器34は、一対の環状部34a、34bと、ころ33を収容するポケット34cを形成するように一対の環状部34a、34bを連結する複数の柱部34dとを含む。柱部34dは、軸方向、すなわち、図9で示す断面において、紙面表裏方向に真直ぐに延びる形状である。
保持器34は、ころ33と同様に、外輪32とシャフト22との間に配置される。複数のころ33は、保持器34に設けられた各ポケット34cにそれぞれ収容され、保持される。保持器34は、外径案内、すなわち、保持器34の外径側に配置される外輪32の内径面32bと保持器34の外径面34eとが径方向で接触するよう構成されている。また、保持器34には、外径面34eからその内方側に凹むように油溝34fが設けられている。油溝34fは、柱部34dの中央に設けられており、周方向に延びる形状である。
カムシャフト12の回転運動により、ころ軸受31の構成部材である外輪32およびころ33も回転する。カムシャフト12が高速で回転すると、ころ33の回転も速くなる。ここで、タペット21の構成部材であるころ軸受31において、高速回転時におけるころ軸受31内でのころ33の位置を保持器34によって安定させることができる。そうすると、ころ33のスキューを抑制して、ころ軸受31の横走りを防止することができる。したがって、高速回転時におけるころ軸受31の潤滑不良、およびころ軸受31の摩耗の虞の少なくすることができる。
また、このような高圧ポンプ11は、高速回転時におけるころ軸受31の潤滑不良、およびころ軸受31の摩耗の虞を少なくすることができるタペット21を含むため、短時間でより安定して燃料を高圧化することができる。
ここで、保持器34は外径案内であり、高速回転時において保持器34と外輪32、具体的には、保持器34の外径面34eと外輪32の内径面32bとが接触しているため、保持器34の径方向の位置を安定させることができる。したがって、保持器34の長寿命化を図ることができる。
ここで、保持器34は、外径案内であって、保持器34の外径面34eに、その表面から内方側に凹んだ油溝34fが設けられているため、保持器34と外輪32とを接触させて、保持器34の径方向の位置を安定させることができる。また、保持器34の内径面34gとシャフト22の外径面22aの通油性を向上させると共に保持器34の外径面34eと外輪32の内径面32bとの間の潤滑性を向上させ、保持器34と外輪32との摩耗を抑制することができる。したがって、保持器34、ころ33、外輪32およびシャフト22の長寿命化を図ることができる。なお、油溝は、軸方向に傾きを持って延びるように設けてもよいし、湾曲して延びるように設けてもよい。また、油溝は、複数設けられていてもよい。
なお、保持器34は、内径案内であって、保持器34の内径面34gに、油溝が設けられるようにしてもよい。こうすることにより、保持器34とシャフト22とを接触させて、保持器34の径方向の位置を安定させることができる。また、保持器34の外径面34eと外輪32の内径面32bの通油性を向上させると共に保持器34の内径面34gとシャフト22の外径面22aとの間の潤滑性を向上させ、保持器34とシャフト22との摩耗を抑制することができる。したがって、保持器34、ころ33、外輪32およびシャフト22の長寿命化を図ることができる。
ころ軸受31に備えられる保持器34については、樹脂製にしても良い。こうすることにより、保持器34自体を軽量にすることができ、総じてタペット21の重量を軽くすることができる。したがって、往復直線運動に要する力、ここでは、タペット21の上下方向の動きに要する力を軽減することができる。また、保持器34を樹脂製とすると、射出成形等により製造することが可能であるため、大量生産が容易となり、安価に製造することができる。保持器34の材質としては、例えば、ナイロン66やナイロン46、ポリフェニレンスルフィド(PPS)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等が挙げられる。なお、必要に応じて、樹脂に炭素繊維やガラス繊維、カーボンブラック等を充填することにしてもよい。
なお、図10において、ポケット34cに収容されたころ33の転動面33aと柱部34dの側壁面34hとのすき間の寸法については、理解の容易の観点から、誇張して大きく図示している。
なお、上記したタペットを構成するころおよびシャフトは、鋼製部材、例えば、SUJ2やSCM420(いずれもJIS規格)等を鍛造、切削等することにより製造される。
なお、上記の実施の形態において、外輪の外径面に、微小の凹形状のくぼみを複数設けることとしてもよい。ここで、外輪の外径面に設けられたくぼみの表面粗さパラメータRyni等についても、上記したものが適用される。すなわち、くぼみが設けられた表面の表面粗さパラメータRyniを、0.8〜2.3μmとする。外輪とカムとは、互いに回転しながら接触するが、このように構成することにより、希薄潤滑下であっても、外輪およびカムの外径面における油膜切れを防止することができる。したがって、外輪およびカムの異常摩耗を防止し、長寿命化を図ることができる。
なお、上記の実施の形態においては、保持器は、一対の環状部と、複数の柱部とを含むこととしたが、これに限らず、一体型ではなく複数の部材に分割されており、ころの間に配置される間座型の保持器であってもよい。
また、上記の実施の形態において、柱部は、軸方向に真直ぐに延びる形状としたが、これに限らず、柱部が径方向に折曲げられていてもよく、例えば、V型保持器やM型保持器のような形状であってもよい。さらに、柱部の側壁面に、ころの径方向の脱落を防止するころ止め部を設けることとしてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、ころ軸受は、複数のころを保持する保持器を備える構成としたが、これに限らず、ころ軸受が保持器を備えない構成、すなわち、総ころ形式のころ軸受についても適用される。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明に係るタペットは、自動車等のエンジンに燃料を供給する高圧ポンプに含まれ、自動車用部品として、有効に利用される。
この発明の一実施形態に係るタペットを含む高圧ポンプの一部を示す断面図である。 図1に示す高圧ポンプに含まれるタペットの断面図である。 図1に示す高圧ポンプに含まれるタペットの断面図である。 図2および図3に示すタペットの斜視図である。 図4に示すタペットを、図4中の矢印Vの方向から見た図である。 図4に示すタペットを、図4中の矢印VIの方向から見た図である。 図4に示すタペットを、図4中の矢印VIIの方向から見た図である。 図4に示すタペットを、図4中の矢印VIIIの方向から見た図である。 図2に示すタペットのIXで示す部分の拡大図である。 図2に示すタペットに含まれるころ軸受の一部を、図9中の矢印Xの方向から見た図である。 図2に示すタペットに含まれるころ軸受の一部の断面図であり、図9中のXI−XI断面で切断した図である。 従来におけるローラプッシュロッドとしてのタペットを示す断面図である。
符号の説明
11 高圧ポンプ、12 カムシャフト、12a カム、12b,22a,23h,32a,34e 外径面、13 プランジャー、13a,14a,23j 端部、14 バネ、15 ハウジング、16 開口孔、16a,23b,32b,34g 内径面、16b 凹溝、17 バネ座、21 タペット、22 シャフト、23 ケース、23a 周壁、23c 中間底、23d,23e 支持孔、23f,23g 空間、23i 貫通孔、23k 中央部、24 位置決めピン、25 油孔、31 ころ軸受、31a ころピッチ円、32 外輪、33 ころ、33a 転動面、34 保持器、34a,34b 環状部、34c ポケット、34d 柱部、34f 油溝、34h 側壁面。

Claims (4)

  1. カムが設けられたカムシャフトの回転運動を往復直線運動としてポンプ用プランジャーに伝達し、前記ポンプ用プランジャーと共に往復直線運動を行なうポンプ用タペットであって、
    シャフトと、前記シャフトの外径側に配置され、前記シャフト上に回転可能に支持されたころ軸受と、前記シャフトおよび前記ころ軸受を収容するケースとを含み、
    前記ころ軸受は、前記カムと当接する外輪と、前記外輪と前記シャフトとの間に配置される複数のころとを備え、
    前記ケースの外径面には、微小の凹形状のくぼみが複数設けられており、
    くぼみが設けられた表面の表面粗さパラメータRyni(基準長毎最大高さの平均値)は、0.8〜2.3μmである、ポンプ用タペット。
  2. 前記ケースの外径面には、クラウニングが設けられている、請求項1に記載のポンプ用タペット。
  3. カムが設けられたカムシャフトの回転運動を往復直線運動としてポンプ用プランジャーに伝達し、前記ポンプ用プランジャーと共に往復直線運動を行なうポンプ用タペットであって、
    シャフトと、前記シャフトの外径側に配置され、前記シャフト上に回転可能に支持されたころ軸受と、前記シャフトおよび前記ころ軸受を収容するケースとを含み、
    前記ころ軸受は、前記カムと当接する外輪と、前記外輪と前記シャフトとの間に配置される複数のころとを備え、
    前記ケースの外径面には、クラウニングが設けられている、ポンプ用タペット。
  4. 前記ころ軸受は、ころを保持する保持器を備える、請求項1〜3のいずれかに記載のポンプ用タペット。
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